説明

デジタルカメラ及びその制御方法

【課題】 本発明は、デジタル画像の印刷が終了する前にデジタルカメラまたはプリンタからケーブルを取り外せること及び撮影が可能であることをユーザに通知できるようにする。
【解決手段】 このため、本発明におけるPDプリンタ1000は、印刷対象のデジタル画像の全てを受信したことを示すJobDataDoneコマンドにデジタルカメラ3012に送信する(909)。JobDataDoneコマンドを受信したデジタルカメラ3012は、デジタルカメラ3012またはPDプリンタ1000からケーブル5000を取り外せることを示す情報を表示器35に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラとプリンタとの間をケーブルでダイレクトに接続し、デジタルカメラのデジタル画像をプリンタにダイレクトに送信し、プリンタに印刷させるシステム(以下、フォトダイレクトプリントシステムという)が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、現在のフォトダイレクトプリントシステムでは、印刷が完了する前にデジタル画像の送信が完了しているにもかかわらず、そのことをプリンタからデジタルカメラに通知することができなかった。そのため、デジタルカメラは、印刷が完了する前にデジタルカメラまたはプリンタからケーブルを取り外せることも、撮影が行えることもユーザに知らせることができなかった。また、デジタルカメラとプリンタとが無線で接続されている場合には、デジタルカメラをプリンタとの通信が可能なエリアから持ち出せることをユーザに知らせることもできなかった。その結果、ユーザは、速やかに撮影を開始することができず、シャッターチャンスを逃してしまうという問題もあった。このような問題は、デジタルカメラからダイレクトに送信されたデジタル画像をランダムアクセス可能な記録媒体に記録する画像記録装置とデジタルカメラとをケーブル又は無線でダイレクトに接続したシステムにも生じ得る問題である。
【0004】
本発明の一つは、このような問題を解決しようとするものであり、プリンタから受信完了の通知を受信した場合には、たとえデジタル画像の印刷が終了する前であってもデジタルカメラからケーブルを取り外せることをーザに通知できるようにし、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくすることを目的とする。また、本発明の一つは、印刷が終了する前に、撮影が行えることをーザに通知できるようにし、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくすることを目的とする。また、本発明の一つは、デジタル画像の印刷が終了する前にデジタルカメラをプリンタ又は画像記録装置との通信が可能なエリアから持ち出せることをユーザに通知できるようにし、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明におけるデジタルカメラは、画像記録装置にデジタル画像をダイレクトに送信する機能を有するデジタルカメラであって、前記デジタルカメラから前記画像記録装置に送信されたデジタル画像の記録媒体への記録が終了する前に、前記デジタルカメラまたは前記画像記録装置からケーブルを取り外すことができることを示す情報を表示する表示手段を有することを特徴とする
【0006】
また、本発明におけるデジタルカメラは、画像記録装置にデジタル画像をダイレクトに送信する機能を有するデジタルカメラであって、前記デジタルカメラから前記画像記録装置に送信されたデジタル画像の記録媒体への記録が終了する前に、撮影が行えることを示す情報を表示する表示手段を有することを特徴とする
【0007】
本発明におけるデジタルカメラは、画像記録装置にデジタル画像をダイレクトに送信する機能を有するデジタルカメラであって、前記デジタルカメラから前記画像記録装置に送信されたデジタル画像の記録媒体への記録が終了する前に、前記デジタルカメラを前記プリンタとの通信が可能なエリアの外に持ち出すことができることを示す情報を表示する表示手段を有することを特徴とする
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プリンタから受信完了の通知を受信した場合には、たとえデジタル画像の印刷が終了する前であってもデジタルカメラからケーブルを取り外せることをユーザに通知できるようにし、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくすることが可能になる。また、印刷が終了する前に、撮影が行えることをユーザに通知できるようにし、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくすることが可能になる。また、デジタル画像の印刷が終了する前にデジタルカメラをプリンタ又は画像記録装置との通信が可能なエリアから持ち出せることをユーザに通知できるようにし、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくするが可能になる
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態におけるPDプリンタの概観斜視図である。
【図2】本実施の形態におけるPDプリンタの操作パネルの概観図である。
【図3】本実施の形態におけるPDプリンタの制御に係る主要部の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態におけるPDプリンタのASICの構成を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態におけるPDプリンタとデジタルカメラとを接続した状態を示す図である。
【図6】本実施の形態におけるPDプリンタおよびデジタルカメラが実装するNCDP(New Camera Direct Print)システムのプロトコルスタックを示す図である。
【図7】NCDPシステムにおける通信手順を説明する図である。
【図8】NCDPシステムにおけるコマンドを説明する図である。
【図9】NCDPシステムの「基本手順」における印刷手順を説明する図である。
【図10】NCDPシステムの「推奨手順」における印刷手順を説明する図である。
【図11】本実施の形態におけるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図12】本実施の形態におけるデジタルカメラがJobDataDoneコマンドを受け取る前に表示する情報の一例を示す図である。
【図13】本実施の形態におけるデジタルカメラがJobDataDoneコマンドを受け取った後に表示する情報の一例を示す図である。
【図14】実施形態におけるプリンタの処理手順を示すフローチャートである。
【図15】実施形態におけるデジタルカメラの処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本実施の形態におけるデジタルカメラがJobDataDoneコマンドを受け取る前に表示する情報の他の一例を示す図である。
【図17】本実施の形態におけるデジタルカメラがJobDataDoneコマンドを受け取った後に表示する情報の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施の形態を説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態におけるダイレクトプリントシステムであるNCDP(New Camera Direct Print)システムを実装するフォトダイレクトプリンタ(以下、PDプリンタ)1000の概観斜視図である。PDプリンタ1000は、ホストコンピュータ(PC)からデータを受信して印刷する機能と、メモリカードなどの記憶媒体に記憶されているデジタル画像を直接読み取って印刷する機能と、デジタルカメラからのデジタル画像をダイレクトに受信して印刷する機能とを備えている。
【0012】
図1において、本実施の形態におけるPDプリンタ1000の外殻をなす本体は、下ケース1001、上ケース1002、アクセスカバー1003及び排出トレイ1004の外装部材を有している。また、下ケース1001は、PDプリンタ1000の略下半部を、上ケース1002は本体の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する収納空間を有する中空体構造をなし、その上面部及び前面部にはそれぞれ開口部が形成されている。さらに、排出トレイ1004は、その一端部が下ケース1001に回転自在に保持され、その回転によって下ケース1001の前面部に形成される開口部を開閉させ得るようになっている。このため、記録動作を実行させる際には、排出トレイ1004を前面側へと回転させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に、排出された記録シートを順次積載し得るようになっている。また、排紙トレイ1004には、2枚の補助トレイ1004a,1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0013】
アクセスカバー1003は、その一端部が上ケース1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバー1003を開くことによって本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジ(不図示)あるいはインクタンク(不図示)等の交換が可能となる。なお、ここでは特に図示しないが、アクセスカバー1003を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することにより、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようになっている。
【0014】
また、上ケース1002の上面には、電源キー1005が押下可能に設けられている。また、上ケース1002の右側には、液晶表示部1006や各種キースイッチ等を備える操作パネル1010が設けられている。この操作パネル1010の構造は、図2を参照して詳しく後述する。1007は自動給送部で、記録シートを装置本体内へと自動的に給送する。1008は紙間選択レバーで、プリントヘッドと記録シートとの間隔を調整するためのレバーである。1009はカードスロットで、ここにメモリカードを装着可能なアダプタが挿入され、このアダプタを介してメモリカードに記憶されているデジタル画像を直接取り込んで印刷することができる。このメモリカード(PC)としては、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ、スマートメディア、メモリスティック等がある。1011はビューワ(液晶表示部)で、このPDプリンタ1000の本体に着脱可能であり、PCカードに記憶されている画像の中からプリントしたい画像を検索する場合などに、1コマ毎の画像やインデックス画像などを表示するのに使用される。1012は後述するデジタルカメラ3012を接続するためのUSB端子である。また、このPD装置1000の後面には、パーソナルコンピュータ(PC)を接続するためのUSBコネクタが設けられている。
【0015】
図2は、本実施の形態におけるPDプリンタ1000の操作パネル1010の概観図である。
【0016】
図2において、液晶表示部1006には、その左右に印刷されている項目に関するデータを各種設定するためのメニュー項目が表示される。ここに表示される項目としては、例えば、印刷したい範囲の先頭写真番号、指定コマ番号(開始コマ指定/印刷コマ指定)、印刷を終了した範囲の最後の写真番号(終了)、印刷部数(部数)、印刷に使用する用紙(記録シート)の種類(用紙種類)、1枚の用紙に印刷する写真の枚数設定(レイアウト)、印刷の品位の指定(品位)、撮影した日付を印刷するかどうかの指定(日付印刷)、写真を補正して印刷するかどうかの指定(画像補正)、印刷に必要な用紙枚数の表示(用紙枚数)等がある。これら各項目は、カーソルキー2001を用いて選択、或いは指定される。2002はモードキーで、このキーを押下する毎に、印刷の種類(インデックス印刷、全コマ印刷、1コマ印刷等)を切り替えることができ、これに応じてLED2003の対応するLEDが点灯される。2004はメンテナンスキーで、プリントヘッドのクリーニング等、プリンタのメンテナンスを行わせるためのキーである。2005は印刷開始キーで、印刷の開始を指示する時、或いはメンテナンスの設定を確立する際に押下される。2006は印刷中止キーで、印刷を中止させる時や、メンテナンスの中止を指示する際に押下される。
【0017】
次に、図3を参照し、本実施の形態におけるPDプリンタ1000の制御に係る主要部の構成を説明する。なお、図3において、前述の図面と共通する部分は同じ記号を付与して、それらの説明を省略する。
【0018】
図3において、3000は制御部(制御基板)を示している。3001はASIC(専用カスタムLSI)を示し、その構成は図4のブロック図を参照して詳しく後述する。3002はDSP(デジタル信号処理プロセッサ)で、内部にCPUを有し、後述する各種制御処理及び、輝度信号(RGB)から濃度信号(CMYK)への変換、スケーリング、ガンマ変換、誤差拡散等の画像処理等を担当している。3003はメモリで、DSP3002のCPUの制御プログラムを記憶するプログラムメモリ3003a、及び実行時のプログラムを記憶するRAMエリア、デジタル画像などを記憶するワークメモリとして機能するメモリエリアを有している。3004はプリンタエンジンで、ここでは、複数色のカラーインクを用いてカラー画像を印刷するインクジェットプリンタのプリンタエンジンが搭載されている。3005はデジタルカメラ3012を接続するためのポートとしてのUSBコネクタである。3006はビューワ1011を接続するためのコネクタである。3008はUSBハブ(USB HUB)で、このPDプリンタ1000がPC3010からのデジタル画像に基づいて印刷を行う際には、PC3010からのデータをそのままスルーし、USB3021を介してプリンタエンジン3004に出力する。これにより、接続されているPC3010は、プリンタエンジン3004と直接、データや信号のやり取りを行って印刷を実行することができる(一般的なPCプリンタとして機能する)。3009は電源コネクタで、電源3011により、商用ACから変換された直流電圧を入力している。PC3010は一般的なパーソナルコンピュータ、3011は前述したメモリカード(PCカード)、3012はデジタルカメラである。
【0019】
なお、この制御部3000とプリンタエンジン3004との間の信号のやり取りは、前述したUSB3021又はIEEE1284バス3022を介して行われる。
【0020】
次に、図4を参照し、ASIC3001の構成を説明する。
【0021】
図4において、4001はPCカードインターフェース部で、装着されたPCカード3011に記憶されているデジタル画像の読み取り、PCカード3011へのデータの書き込み等を行う。4002はIEEE1284インターフェース部で、プリンタエンジン3004との間のデータのやり取りを行う。このIEEE1284インターフェース部4002は、デジタルカメラ3012或いはPCカード3011に記憶されているデジタル画像を印刷する場合に使用されるバスである。4003はUSBインターフェース部で、PC3010との間でのデータのやり取りを行う。4004はUSBホストインターフェース部で、デジタルカメラ3012との間でのデータのやり取りを行う。4005は操作パネル・インターフェース部で、操作パネル1010からの各種操作信号の入力、表示部1006への表示データの出力などを行う。4006はビューワ・インターフェース部で、ビューワ1011へのデジタル画像の表示を制御している。4007は各種スイッチやLED4009等との間のインターフェースを制御するインターフェース部である。4008はCPUインターフェース部で、DSP3002との間でのデータのやり取りの制御を行っている。4010はこれら各部を接続する内部バス(ASICバス)である。
【0022】
図11は、本実施の形態におけるダイレクトプリントシステムであるNCDPシステムおよびそのユーザインターフェースを実装するデジタルカメラ3012の構成を説明するブロック図である。
【0023】
図11において、31はデジタルカメラ3012の動作を制御するCPUであり、32はCPU31の処理手順(ファームウェア)を記憶しているROMである(ただし、ファームウェアは適宜バージョンアップが行われることを想定し、書き込み可能な不揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリで構成される)。33はCPU33のワークエリアとして使用されるRAMであり、34は各種操作を行うスイッチ群を含む操作部である。35は液晶表示器であり、撮像した画像を確認したり、各種設定を行う際のメニューを表示するために使用される。これら34、35は、本実施の形態では、ダイレクトプリントシステムとして機能した場合、システム全体としてユーザインターフェースとして機能するようになる。36は光学ユニットであり、主としてレンズ及びその駆動系で構成される。37はCCD素子であり、38はCPU31の制御下において光学ユニット36を制御するドライバである。39は記憶媒体40(コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリカード、スマートメディア等)を接続するためのコネクタであり、41はPC或いは本実施の形態におけるPDプリンタ1000と接続するためのUSBインターフェース(USBのスレーブ側)である。
【0024】
以上が本実施の形態におけるPDプリンタ1000及びデジタルカメラ3012の構成の説明である。以下、かかる構成に基づく動作概要を以下に説明する。
【0025】
<通常のPCプリンタモード>
これはPC3010から送られてくる印刷データに基づいて画像を印刷する印刷モードである。
【0026】
このモードでは、PC3010からのデータがUSBコネクタ1013(図3)を介して入力されると、USBハブ3008、USB3021を介して直接プリンタエンジン3004に送られ、PC3010からのデータに基づいて印刷が行われる。
【0027】
<PCカードからの直接プリントモード>
PCカード3011がカードスロット1009に装着或いは脱着されると割り込みが発生し、これによりDSP3002はPCカード3011が装着されたか或いは脱着(取り外された)されたかを検知できる。PCカード3011が装着されると、そのPCカード3011に記憶されている圧縮された(例えばJPEG圧縮)デジタル画像を読込んでメモリ3003に記憶する。その後、その圧縮されたデジタル画像を伸張して再度メモリ3003に格納する。次に、操作パネル101を使用して、その格納したデジタル画像の印刷が指示されると、RGB信号からYMCK信号への変換、ガンマ補正、誤差拡散等を実行してプリンタエンジン3004で印刷可能な記録データに変換し、IEEE1284インターフェース部4002を介してプリンタエンジン3004に出力することにより印刷を行う。
【0028】
<カメラからの直接プリントモード>
図5は、本実施の形態におけるPDプリンタ1000とデジタルカメラ3012とを接続する状態を示す図である。
【0029】
図5において、ケーブル5000は、PDプリンタ1000のコネクタ1012と接続されるコネクタ5001と、デジタルカメラ3012の接続用コネクタ5003と接続するためのコネクタ5002とを備えており、また、デジタルカメラ3012は、内部のメモリに保存しているデジタル画像を、接続用コネクタ5003を介して出力可能に構成されている。なお、デジタルカメラ3012の構成としては、内部に記憶手段としてのメモリを備えるものや、取り外し可能なメモリを装着するためのスロットを備えたものなど、種々の構成を採用することができる。このように、図5に示すケーブル5000を介してPDプリンタ1000とデジタルカメラ3012とを接続することにより、デジタルカメラ3012からのデジタル画像を直接PDプリンタ1000で印刷することができる。また、デジタルカメラ3012をPDプリンタ1000にケーブル5000で接続すると、デジタルカメラ3012が有する各種スイッチ34並びに表示器35が、デジタルカメラ3012及びPDプリンタ1000で構成されるシステムのユーザインターフェースとして機能するようになる。
【0030】
ここで図5に示すように、PDプリンタ1000にデジタルカメラ3012が接続され、ネゴシエーションの結果、ダイレクトプリントモードへ移行した場合は、操作パネル1010の表示部1006にはカメラマークのみが表示され、操作パネル1010における表示及び操作が無効になり、又ビューワ1011への表示も無効になる。従って、これ以降はデジタルカメラ3012でのキー操作及びデジタルカメラ3012の表示器35への画像表示のみが有効になるので、ユーザはそのデジタルカメラ3012を使用して印刷指定を行うことができる。また、デジタルカメラ3012とPDプリンタ1000の操作部とを同時に操作してしまうことに起因するエラーも防止できる。
【0031】
図6は、本実施の形態におけるPDプリンタ1000およびデジタルカメラ3012が実装するNCDPシステムのプロトコルスタックを示す図である。なお、本実施の形態におけるNCDPシステムは、図6に示すように、通信インターフェースの種類に依存しないシステムである。
【0032】
図6において、600はUSBによるインターフェース、601はブルーツース(Bluetooth)によるインターフェースを示している。602はNCDPシステムにおけるシステムを構築する際に組込まれるアプリケーションレイヤを示している。603は既存のプロトコル及びインターフェースを実行するためのレイヤで、ここではPTP(Picture Transfer Protocol),SCSI及びブルーツースのBIP(Basic Image Profile),USBインターフェース等が実装されている。NCDPシステムは、このようなプロトコルレイヤ等のアーキテクチャが実装されていて、その上にアプリケーションとして実装されることが前提である。ここではPDプリンタ1000はUSBホスト、カメラ3012はUSBデバイスとして規定されており、図6に示すように、それぞれ同じNCDPシステム構成となっている。
【0033】
詳細は後述するが、NCDPシステムを用いることのメリットは、PDプリンタ1000とデジタルカメラ3012が互いにNCDPシステムへ移行する際、及び移行した後において、互いに情報のやりとりを行う場合には、一連の情報、一連の動作手順をスクリプトで記述したファイル(テキストファイル)を生成し、それを相手側デバイスに送信し、受信側では受信したスクリプトを解釈して処理することにある。この結果、或る情報を相手側に伝えたい場合において、その情報が複数の要素で構成されている場合、1つ1つの要素をハンドシェークでやりとりすることが少なくでき、情報伝達に係るオーバーヘッドがなくなり、情報伝達の効率が向上するからである。例えば、デジタルカメラ3012側で、印刷させたい画像が複数存在する場合、その印刷させたい画像を好きなだけ選択し、それぞれに対して印刷条件を設定した場合、その一連の処理手順がスクリプトとして記述されてPDプリンタ1000に通知することが可能になる。PDプリンタ1000側では、受信したスクリプトを解釈し、処理することになる。
【0034】
図7は、NCDPシステムにおけるPDプリンタ1000とデジタルカメラ3012との間での通信手順の流れを説明する図である。
【0035】
ここでは、図5に示すようにUSBケーブル5000によりPDプリンタ1000とデジタルカメラ3012とが接続されたことが検知されると、これら機器間での通信が可能になる。これにより、これら機器に実装されているアプリケーションが実行されてNCDPシステムにおける手順701への移行が開始される。702はNCDPシステムの初期状態を示し、ここでは互いの機種がNCDPシステムの実行が可能か否かを判断し、可能であればNCDPシステムにおける手順701に移行している。もしここで、デジタルカメラ3012がNCDPシステムを実装していない場合には、NCDPシステムにおける通信制御は実行されない。こうしてNCDPシステムに移行した後、703で示すように、デジタルカメラ3012から「基本手順」におけるデジタル画像の転送/印刷が指示されると、デジタルカメラ3012からデジタル画像をPDプリンタ1000に転送して印刷する簡易印刷モードに移行する。また704で示すように、デジタルカメラ3012から「推奨手順」におけるデジタル画像の転送/印刷が指示されると、デジタルカメラ3012とPDプリンタ1000との間で各種ネゴシエーションを行ってその印刷条件等を決定した後、デジタル画像をデジタルカメラ3012からPDプリンタ1000に転送して印刷するより多彩な印刷モードに移行する。また705は「拡張手順」における指示がデジタルカメラ3012によりなされると、例えばDPOF,XHTML-print,SVG等の高度レイアウト機能、及び各社ベンダーユニークな仕様での印刷を行うモードが設定される。なお、この「拡張手順」における詳細仕様に関しては、デジタルカメラ3012のメーカ各社個別の拡張仕様書で規定されるので、ここでは特に説明しない。
【0036】
図8は、NCDPシステムにおいて規定されたコマンドを示す図である。
【0037】
図8において、「対応モード」はデジタルカメラ3012から指示される、前述した「基本手順」、「推奨手順」及び「拡張手順」に対応している。「推奨手順」では全てのコマンドが使用できるのに対し、「基本手順」は簡易印刷モードであるため、NCDPシステムへの移行及びその終了、「基本手順」、「推奨手順」及び「拡張手順」の各モードへの移行コマンド及びカメラ3012からのデジタル画像の取得及びカメラ3012よりの印刷命令のみが使用可能である。なお、「拡張手順」では、NCDPシステムへの移行及びその終了、「基本手順」、「推奨手順」及び「拡張手順」の各モードへの移行コマンドだけが用いられるように記載されているが、前述のように、各社の仕様に応じて他のコマンドが用いられても良いことはいうまでもない。
【0038】
次に、図9を参照し、NCDPシステムの「基本手順」における印刷手順を説明する。この「基本手順」は、デジタルカメラ3012からPDプリンタ1000に対して1枚の画像ファイルを転送して印刷するだけの簡易印刷モードであり、対応している画像フォーマットとしては、VGAサイズ(640×480画素)のRGB画像、VGAサイズ(640×480画素)のJPEG画像とし、デジタルカメラ3012はPDプリンタ1000がサポートしている画像フォーマットで送信する。この場合はエラーハンドリングを実行しない。
【0039】
まず段階900で、PDプリンタ1000からデジタルカメラ3012に対してNCDPシステムへの移行を指示するコマンド(NCDPStart)を送信する。ここでデジタルカメラ3012がNCDPシステムを実装していればOKが返送される(段階901)。
【0040】
こうして互いにNCDPシステムが実装されていることが確認されると、PDプリンタ1000からモードに移行するように命令(ProcedureStart)がデジタルカメラ3012に送信される(段階902)。これに対して段階903で、デジタルカメラ3012から簡易印刷モードである「基本手順」が送られてくると、これ以降は「基本手順」における印刷モードに移行する。この場合は、デジタルカメラ3012における操作により印刷したい画像が選択されて印刷が指示されると、印刷の開始を指示するコマンド(JobStart)がデジタルカメラ3012からPDプリンタ1000に送られる(段階904)。すなわち、デジタルカメラ3012からPDプリンタ1000に、印刷させたい画像が存在することを通知する。このとき、デジタルカメラ3012は、撮影が行えない状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できない状態)になるとともに、表示器35にデジタルカメラ3012またはPDプリンタ1000からケーブル5000を取り外すことを制限する情報(メッセージでも、マークでもよい)を表示する。このとき表示器35に表示される情報の一例を図12に示す。
【0041】
JobStartコマンドを受信したPDプリンタ1000は、簡易印刷モードとなり、印刷対象のデジタル画像(ジョブデータに相当する)を要求するコマンド(GetImage)をデジタルカメラ3012に送信する(段階905)と共に給紙を開始する。GetImageコマンドを受信したデジタルカメラ3012は、印刷対象のデジタル画像をPDプリンタ1000に送信を開始する(段階906)。印刷対象のデジタル画像を受信したPDプリンタ1000は、給紙した記録媒体上に印刷処理を開始する。
【0042】
印刷対象のデジタル画像を全て受信した場合、PDプリンタ1000は、デジタルカメラ3012にジョブデータの全てを受信したことを示すコマンド(JobDataDone)を送信する(段階909)。JobDataDoneコマンドを受信したデジタルカメラ3012は、撮影が行える状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できる状態)になるとともに、表示器35にデジタルカメラ3012またはPDプリンタ1000からケーブル5000を取り外すことができることおよび撮影が行えること(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できること)を示す情報(メッセージでもマークでもよい)を表示する。このとき表示器35に表示される情報の一例を図13に示す(詳細は後述)。
【0043】
印刷対象のデジタル画像の印刷が終了した後、PDプリンタ1000は、印刷が終了したことを示すコマンド(JobEnd)をPDプリンタ1000からデジタルカメラ3012に送信される(段階907)。これに対してデジタルカメラ3012から肯定応答(OK)が返送されると(段階908)、この「基本手順」における印刷処理が完了する。
【0044】
以上の処理を、デジタルカメラ3012側において、印刷させたい画像の選択が行われるたびに行うことになる。
【0045】
なお、デジタルカメラ3012が送信する画像データはJPEGファイルであるので、そのヘッダには画像の水平・垂直の画素数(画像サイズ)が記述してある。従って、PDプリンタ1000は最初に受信してから、幾つめのパケットで1つの画像の全データを受信したのかを判別できる。また、本実施形態のPDプリンタ1000のようなインク液を吐出するタイプのプリンタにも、内部には受信バッファーを備え、そこに一旦格納し、且つ、復号処理を行ないながら印刷処理を行うので、デジタルカメラ3012からPDプリンタ1000への1つの画像の転送完了するタイミングは、実際に印刷が完了するタイミングより十分に早い。
【0046】
従って、利用者にしてみれば、最後に印刷させたい画像の送信が完了してから、その印刷が完了するまでデジタルカメラ3012をケーブル500でPDプリンタ1000に接続し続けている必要はないし、バッテリー駆動が基本であるデジタルカメラ3012の消費電力を抑制することからも避けることが望ましい。
【0047】
そこで、本実施形態でのPDプリンタ1000は、1つの画像の受信が完了した場合、例え印刷が未完(途中)であっても、図9に示すごとく、JobDataDoneコマンドをデジタルカメラ3012に送信する。デジタルカメラ3012はこのコマンドを受信した際には、撮影が行える状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できる状態)になる。そして、ケーブル5000の取り外しが可能であること及び撮影が可能であること(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できること)を示す情報(例えば、図13に示すメッセージ)を表示器35に表示する。
【0048】
次に、図10を参照し、NCDPシステムの「推奨手順」における画像印刷の手順を説明する。図10において、図9と共通する手順については同じ番号を付し、その説明を省略する。NCDPシステムの「推奨手順」では、PDプリンタ1000とデジタルカメラ3012との間でのネゴシエーションを前提とした「より多彩な印刷」モードが設定でき、複数枚の写真印刷やレイアウト印刷が可能になる。また、エラーハンドリングも実行可能となる。
【0049】
図10において、図9の場合と同様にして、互いにNCDPシステムが実装されていることを確認した後、この場合では、デジタルカメラ3012から「推奨手順」が指示される(段階910)。まず、PDプリンタ1000は、PDプリンタ1000の備える機能に関する情報を含むケイパビリティ(Capability)情報を生成し、それをデジタルカメラ3012にダイレクトに送信する(段階911)。ケイパビリティ情報には、PDプリンタ1000で扱う印刷用紙の種類およびサイズに関する情報、印刷品位に関する情報、PDプリンタ1000で処理可能な画像フォーマットに関する情報、日付印刷の可否、ファイル名印刷の可否、PDプリンタ1000で処理可能な印刷レイアウトに関する情報、画像補正の可否などが含まれている。また、ケイパビリティ情報には、PDプリンタ1000で処理可能なトリミングプリント方式の種類に関する情報も含まれている。なお、本実施の形態では、ケイパビリティ情報をXML(Extensible Markup Language)によって記述し、拡張性および移植性を向上させている。
【0050】
PDプリンタ1000のケイパビリティ情報を受信したデジタルカメラ3012は、そのPDプリンタ1000が備えている機能の内のいずれを使用して印刷を行うかを判定できるようになる。そして、デジタルカメラ3012は、この結果に応じたメニューをユーザに提示し、印刷したい画像を選択させると共に、その画像の印刷条件をそのPDプリンタ1000の有している機能(印刷条件)の中から選択し、決定することになる。こうして印刷したい画像及び印刷条件などが決定されて印刷開始が指示されるとプリント命令(JobStart)がPDプリンタ1000に送られる(段階904)。このとき、デジタルカメラ3012は、撮影が行えない状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できない状態)になるとともに、表示器35にデジタルカメラ3012またはPDプリンタ1000からケーブル5000を取り外すことを制限する情報(メッセージでも、マークでもよい)を表示する。このとき表示器35に表示される情報の一例を図12に示す。
【0051】
JobStartコマンドを受信したPDプリンタ1000は、印刷対象のn(nは1以上の整数)枚のデジタル画像(ジョブデータに相当する)を要求するコマンド(GetImage xn)をデジタルカメラ3012に送信する(段階912)。GetImage xnコマンドを受信したデジタルカメラ3012は、印刷対象のデジタル画像をPDプリンタ1000に送信する(段階913)。
【0052】
印刷対象のn枚のデジタル画像を全て受信した場合、PDプリンタ1000は、デジタルカメラ3012にジョブデータの全てを受信したことを示すコマンド(JobDataDone)を送信する(段階909)。JobDataDoneコマンドを受信したデジタルカメラ3012は、先に説明した「基本手順」と同様に撮影が行える状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できる状態)になるとともに、表示器35にデジタルカメラ3012またはPDプリンタ1000からケーブル5000を取り外すことができることおよび撮影が行えること(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できること)を示す情報(メッセージでもマークでもよい)を表示する。このとき表示器35に表示される情報の一例を図13に示す。
【0053】
印刷対象のデジタル画像の印刷が終了した後、PDプリンタ1000は、印刷が終了したことを示すコマンド(JobEnd)をPDプリンタ1000からデジタルカメラ3012に送信される(段階907)。これに対してデジタルカメラ3012から肯定応答(OK)が返送されると(段階908)、「推奨手順」における印刷処理が完了する。
【0054】
このように、本実施の形態におけるPDプリンタ1000によれば、NCDPの「基本手順」および「推奨手順」において、デジタル画像の受信が完了したことをデジタルカメラ3012に通知することができる。
【0055】
次に、上記処理を実現するためのPDプリンタ1000及びデジタルカメラ3012の具体的な処理手順を図14、図15を用いて説明する。
【0056】
先ず、本実施形態におけるPDプリンタ1000におけるCPU3002の処理手順を図14のフローチャートに従い説明する。
【0057】
ステップS1においてデジタルカメラ3012との接続を検出すると、ステップS2において、これ以降の通信のエラーハンドリングを行うようセットする。この結果、通信に不整合が発生した場合には、リトライ等の処理が行われることになる。
【0058】
次いで、ステップS3に進んで、接続されたデジタルカメラがNCDPに対応しているか否かを確認するため、NCDPStartコマンドを送信し、ステップS4で "OK"のアクノリッジを受信することを所定時間待つ。受信しなかった場合、接続されたデジタルカメラ3012はNCDP対応でないと判断し、本処理を終了する。
【0059】
また、接続されたデジタルカメラ3012がNCDP対応であると判断した場合には、ステップS5に進み、どのような手順で行うかを問い合わせるため、ProcedureStartコマンドを送信する。デジタルカメラ3012から"基本手順"が指示された場合には、ステップS6からステップS7に進み、以下の"基本手順"処理を行う。
【0060】
先ず、ステップS7でJobStartコマンドを受信するのを待つ。このJobStartコマンドを受信した場合、ステップS8でエラーハンドリングをONにし、ステップS9で給紙を開始する。なお、ステップS8でエラーハンドリングをONにする理由は、後述するステップS19からステップS7に処理が戻った場合に対処するためである。
【0061】
次いで、ステップS10に進んで、選択画像の送信を要求するため、GetImageコマンドを送信し、ステップS11でイメージデータの受信を開始し、ステップS12で印刷処理を開始する。そして、ステップS13でイメージデータの受信が完了したと判断するまで待つことになる。なお、ステップS13でイメージデータの受信完了と判断するまで、別タスクで受信、印刷処理が行われていることになる。
【0062】
イメージデータの受信が完了したと判断した場合(印刷処理は未完)、ステップS14に進み、ケーブル取り外し可を示すJobDataDoneコマンドを送信する。そして、ステップS15において、これ以降のエラーハンドリングを行わないようにする設定する。
【0063】
ステップS16では印刷処理が完了するのを待ち、完了した場合にはステップS17でJobEndコマンドの送信、ステップS18でOKの受信処理を行うが、
この状態ではエラーハンドリングを行わないので、JobEndコマンドが正しく送信されたか、OKの受信が正しく受信したか否かは問わない。OK受信については、適当な時間だけその受信を待ち、あっても無くてもステップS19に処理を進める。
【0064】
ステップS19ではデジタルカメラ3012とケーブルでの接続が絶たれたか否かを判断する。接続断であると判断した場合には、本処理を終える。また、接続されていると判断した場合には、ステップS7に戻ることになり、次の画像の印刷指示があった場合(JobStartコマンドを受信した場合)、再びエラーハンドリングを行うように設定する(S8)。
【0065】
一方、ステップS6で、デジタルカメラ3012から"推奨手順"が指定された場合には、ステップS20に進み、PDプリンタ1000が有する機能データCapabilityを送信する。そして、ステップS21では、先に説明したステップS7乃至19と同様の処理を行う。ただし、ステップS21では、デジタルカメラ3012から印刷に関する各種設定情報や複数のイメージデータを受信することが許容される点で異なる。
【0066】
次に、本実施形態におけるデジタルカメラ3012の処理を図15のフローチャートに従い説明する。
【0067】
先ずステップS31でデバイスに接続されているか否かを判断し、非接続状態であると判断した場合には本処理を終える。
【0068】
また、ステップS32では、NCDPStartコマンドを受信したか否かを判断する。このコマンドを受信しない場合には、接続中のデバイスは少なくともNCDP未対応のデバイスであると判断し、本処理を終了する。また、NCDPStartコマンド受信した場合、接続されたPDプリンタ1000はNCDP対応のプリンタであると判断し、ステップS33でNCDPStartコマンドを受信した旨の信号OKを送信する。
【0069】
次いで、ステップS34で、ProcedureStartコマンドを受信すると、ステップS35で基本手順、推奨手順のいずれかを選択し、その選択結果をPDプリンタ1000に送信する。なお、デジタルカメラ3012が基本手順しかサポートしていない場合には選択処理は存在せず、ProcedureStartコマンドを受信した際に無条件に「基本手順」を送信することになる。
【0070】
さて、印刷処理モードとして「基本手順」とした場合、処理はステップS37に進み、メモリカード40に記憶されている中で印刷対象の画像を、表示器35、スイッチ34を用いて選択する処理を行い、JobStartコマンドを送信する。次いで、ステップS38に進み、デジタルカメラ3012を撮影が行えない状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できない状態)にするとともに、図12に示すメッセージを表示器35に表示し、ステップS39に進む。ステップS39では、PDプリンタ1000からGetImageコマンドの受信を待つ。
【0071】
GetImageコマンドを受信すると、処理はステップS40に進んで、先のステップS37で選択した画像データの送信を行い、ステップS41で受信完了を示すJobDataDoneコマンドの受信を待つ。このJobDataDoneコマンドを受信すると、ステップS42に進み、デジタルカメラ3012を撮影が行える状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できる状態)にするとともに、図13に示すメッセージを表示器35に表示する。そして、ステップS43でケーブル5000が切断されたか否か、印刷完了の通知であるJobEndコマンドの受信を待つ。このJobEndコマンドの受信待ち状態でケーブル5000の取り外しが検出された場合には本処理を終了する。また、接続が維持されていてJobEndコマンドを受信した場合にはOKを返送し、ステップS37に戻り、次の画像の選択が行えるようになる。
【0072】
一方、ステップS36で印刷モードとして「推奨手順」を選択した場合には、ステップS46に進み、PDプリンタ1000のCapabilityを受信する。そして、ステップS47に進み、先に説明したステップS37乃至45と同様の処理を行う。なお、「推奨手順」の場合には、一度に複数の画像の印刷、並びに、PDプリンタ1000の機能を利用した各種印刷条件の設定(印刷サイズ等)が設定できるので、ステップS37に相当する処理で、これらの処理を行うことになる。
【0073】
以上の如く、本実施の形態におけるデジタルカメラ3012によれば、デジタル画像の印刷が終了する前にそのデジタル画像のPDプリンタ1000が受信したことを検出することができるので、そのデジタル画像の印刷が終了する前にデジタルカメラ3012またはPDプリンタ1000からケーブル5000を取り外せることをユーザに知らせることができ、尚且つ、その際に通信エラーが発生しないことが約束されるようになる。その結果、ユーザは速やかに撮影を開始することができ、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくすることができる。
【0074】
また、本実施の形態におけるデジタルカメラ3012によれば、デジタル画像の印刷が終了する前にそのデジタル画像のPDプリンタ1000が受信したことを検出することができるので、そのデジタル画像の印刷が終了する前に撮影が行えることをユーザに知らせることができる。その結果、ユーザは速やかに撮影を開始することができる。その結果、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくすることができる。
【0075】
なお、本実施の形態では、PDプリンタ1000とデジタルカメラ3012との間をUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠したデジタルインターフェースを介してダイレクトに接続するものとしたが、それに限るものではない。PDプリンタ1000とデジタルカメラ3012との間は、Bluetooth規格、IEEE802.11規格などに準拠した無線インターフェースを介してダイレクトに接続してもよい。このような実施の形態の場合、デジタルカメラ3012は、ケーブル5000が取り外せるか否かをユーザに通知する代わりに、PDプリンタ1000との通信が可能なエリア(以下、通信可能エリア)の外にデジタルカメラ3012を持ち運べるか否かをユーザに通知する。例えば、デジタルカメラ3012は、JobStartコマンドを送信した後、撮影が行えない状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できない状態)になるとともに、デジタルカメラ3012を通信可能エリアの外に持ち出すことを制限する情報(メッセージでもマークでもよい)を表示器35に表示する。このとき、表示器35に表示される情報の一例を図16に示す。また例えば、デジタルカメラ3012は、JobDataDoneコマンドを受信した後、撮影が行える状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できる状態)になるとともに、デジタルカメラ3012を通信可能エリアの外に持ち出すことができること及び撮影が行えること(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できること)を示す情報(メッセージでもマークでもよい)を表示器35に表示する。このとき、表示器35に表示される情報の一例を図17に示す。このような実施の形態によれば、デジタルカメラ3012からPDプリンタ1000に送信されたデジタル画像の印刷が完全に終了する前にデジタルカメラ3012を通信可能エリアから持ち運ぶことができ、速やかに次の撮影を行うことができる。
【0076】
また、本実施の形態では、デジタルカメラ3012またはPDプリンタ1000からケーブル5000を取り外せることを示すメッセージまたはマークを表示器35に表示する方法について説明したが、デジタルカメラ3012またはPDプリンタ1000からケーブル5000を取り外せることを示す音声をデジタルカメラ3012のスピーカから出力するようにすることも可能である。
【0077】
また、本発明の実施の形態は、デジタルカメラ3012とPDプリンタ1000とからなるシステムに限定されるものではない。例えば、本発明の実施の形態は、デジタルカメラ3012とデジタルカメラ3012からダイレクトに送信されたデジタル画像をランダムアクセス可能な記録媒体に記録するストレージ装置とからなるシステムに適用することも可能である。このような実施の形態の場合、デジタルカメラ3012は、JobStartコマンドをストレージ装置に送信した後、撮影が行えない状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できない状態)になるとともに、図12又は図16に示すメッセージを表示器35に表示する。また、デジタルカメラ3012は、JobDataDoneコマンドをストレージ装置から受信した後、撮影が行える状態(或いは、撮影が可能な動作モードに変更できる状態)になるとともに、図13又は図17に示すメッセージを表示器35に表示する。このような実施の形態によれば、デジタルカメラ3012からストレージ装置に送信されたデジタル画像の記録媒体への記録が完全に終了する前に速やかに次の撮影を行うことができる。
【0078】
以上の如く、本発明の一つによれば、デジタルカメラからケーブルを取り外せることをデジタル画像の印刷が終了する前にユーザに通知できる。その結果、速やかに撮影を開始することができるようになり、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくすることができる。
【0079】
また、本発明の一つによれば、撮影が行えることをデジタル画像の印刷が終了する前にユーザに通知できる。その結果、速やかに撮影を開始することができるようになり、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくすることができる。また、本発明の一つによれば、デジタルカメラをプリンタ又は画像記録装置との通信が可能なエリアから持ち出せることをデジタル画像の印刷が終了する前にユーザに通知できる。その結果、速やかに撮影を開始することができるようになり、シャッターチャンスを逃してしまうことをできるだけ少なくすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像記録装置にデジタル画像をダイレクトに送信する機能を有するデジタルカメラであって、
前記デジタルカメラから前記画像記録装置に送信されたデジタル画像の記録媒体への記録が終了する前に、前記デジタルカメラまたは前記画像記録装置からケーブルを取り外すことができることを示す情報を表示する表示手段を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
さらに、記録対象の画像の全てを前記画像記録装置が受信したことに応じて発行されるコマンドを受信する受信手段を有し、
前記表示手段は、前記受信手段でのコマンド受信に応じて、ケーブルを取り外すことが可能であることを示す情報を表示することを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
画像記録装置にデジタル画像をダイレクトに送信する機能を有するデジタルカメラであって、
前記デジタルカメラから前記画像記録装置に送信されたデジタル画像の記録媒体への記録が終了する前に、撮影が行えることを示す情報を表示する表示手段を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項4】
さらに、記録対象の画像の全てを前記画像記録装置が受信したことに応じて発行されるコマンドを受信する受信手段を有し、
前記表示手段は、前記受信手段でのコマンド受信に応じて、撮影が行えることを示す情報を表示することを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
画像記録装置にデジタル画像をダイレクトに送信する機能を有するデジタルカメラであって、
前記デジタルカメラから前記画像記録装置に送信されたデジタル画像の記録媒体への記録が終了する前に、前記デジタルカメラを前記プリンタとの通信が可能なエリアの外に持ち出すことができることを示す情報を表示する表示手段を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項6】
さらに、記録対象の画像の全てを前記画像記録装置が受信したことに応じて発行されるコマンドを受信する受信手段を有し、
前記表示手段は、前記受信手段でのコマンド受信に応じて、通信が可能なエリアの外に持ち出すことができることを示す情報を表示することを特徴とする請求項5に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
画像記録装置にデジタル画像をダイレクトに送信する機能を有するデジタルカメラの制御方法であって、
前記デジタルカメラから前記画像記録装置に送信されたデジタル画像の記録媒体への記録が終了する前に、前記デジタルカメラまたは前記画像記録装置からケーブルを取り外すことができることを示す情報を表示する表示工程を有することを特徴とするデジタルカメラの制御方法。
【請求項8】
画像記録装置にデジタル画像をダイレクトに送信する機能を有するデジタルカメラの制御方法であって、
前記デジタルカメラから前記画像記録装置に送信されたデジタル画像の記録媒体への記録が終了する前に、撮影が行えることを示す情報を表示する表示工程を有することを特徴とするデジタルカメラの制御方法。
【請求項9】
画像記録装置にデジタル画像をダイレクトに送信する機能を有するデジタルカメラの制御方法であって、
前記デジタルカメラから前記画像記録装置に送信されたデジタル画像の記録媒体への記録が終了する前に、前記デジタルカメラを前記プリンタとの通信が可能なエリアの外に持ち出すことができることを示す情報を表示する表示工程を有することを特徴とするデジタルカメラの制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−189033(P2009−189033A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87434(P2009−87434)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【分割の表示】特願2003−192161(P2003−192161)の分割
【原出願日】平成15年7月4日(2003.7.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】