説明

デジタルカメラ用クレードル及び撮像装置ユニット

【課題】
デジタルカメラの露出面の汚れを容易に除去できるデジタルカメラ用クレードル及び撮像装置ユニットを提供する。
【解決手段】
クレードル本体60の表面にデジタルカメラ70が装着可能となっており、デジタルカメラを装着している際に、クレードル本体内部のY定着用蛍光ランプ50及びM定着用蛍光ランプ52よりデジタルカメラに向けて紫外線を照射できるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ用クレードル及び撮像装置ユニットに係り、特に、デジタルカメラの露出面の汚れを容易に除去できるデジタルカメラ用クレードル及び撮像装置ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラには、通常、レンズ、ディスプレイ、ファインダ、及び、センサ窓が設けられている。これらの外部への露出面に汚れが付着していた場合、撮影した画像の画質が低下したり、表示する画像が見にくくなったり、弊害が大きい。このような弊害に対処すべく、従来より各種の提案がなされている(特許文献1、2等参照)。
【0003】
このうち、特許文献1は、光学機器のレンズキャップに関する提案であり、クリーナ部材により接触方式によりレンズの汚染を除去する構成のものである。特許文献2は、複写装置に関する提案であり、原稿押え板に酸化チタンを含有させ、複写の際の照射光による光触媒作用により原稿押え板の汚染を除去する(分解させる)構成のものである。
【特許文献1】特開平5−34768号公報
【特許文献2】特開平10−161252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の提案をデジタルカメラの露出面の汚れという弊害の除去に適用した場合、各種の新たな弊害を生じることとなる。
【0005】
たとえば、特許文献1の提案によれば、接触方式によるため、レンズを傷つけたり、クリーナ部材の汚染がレンズに付着したりする懸念が大きい。また、特許文献2の提案によれば、複写装置の運転時に汚染の除去(分解)がなされるのみであり、稼働率が低かったり、運転後に時間が経過したりする場合には、汚染の除去(分解)が充分になされないという問題点がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上記の各問題点が解消され、デジタルカメラの露出面の汚れを容易に除去できるデジタルカメラ用クレードル及び撮像装置ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、筐体の表面にデジタルカメラが装着可能となっており、該デジタルカメラを装着している際に、前記筐体内部の光源より該デジタルカメラに向けて紫外線を照射できるようになっていることを特徴とするデジタルカメラ用クレードルを提供する。
【0008】
本発明によれば、デジタルカメラを筐体の表面に装着している際に、内部の光源よりデジタルカメラに向けて紫外線を照射できるようになっているので、レンズ、ディスプレイ、ファインダ、及び、センサ窓の1以上の外部への露出面が光触媒作用を有する光触媒層で覆われているデジタルカメラであれば、光触媒作用により露出面の汚れを容易に除去できる。
【0009】
すなわち、本発明によれば、既述した従来例の各問題点が解消され、デジタルカメラの露出面の汚れを非接触で容易に除去できるデジタルカメラ用クレードルが提供される。
【0010】
なお、デジタルカメラはクレードルの上面に装着されるのが一般的であるが、「表面」とあることより、クレードルの側面等に装着される構成も採り得る。
【0011】
また、紫外線の波長域に制限はないが、照射される紫外線は、波長が280〜315nmの有害紫外線が除去された波長のものが好ましい。更に、ユーザーが紫外線の照射を確認可能なように、可視光も同時に照射されていることが好ましい。
【0012】
本発明において、前記筐体に前記紫外線照射のオン・オフを制御可能なシャッタ手段を備えてなることが好ましい。このように、紫外線照射のオン・オフを制御するシャッタ手段を備えていれば、デジタルカメラの汚れを除去するときにのみ紫外線が照射され、それ以外のときは紫外線が筐体の外部に漏れ出ないので、使用上好ましい。
【0013】
なお、このシャッタ手段の駆動(オン・オフ制御)は、自動(たとえば、モータやシリンダによる駆動)方式であってもよく、手動方式であってもよい。
【0014】
また、本発明において、前記デジタルカメラを装着しているときにのみ前記紫外線が照射可能となっていることが好ましい。たとえば、筐体の一部(たとえば、天板)が透明となっており、この透明部分より紫外線が外部に照射されるような構造の場合、デジタルカメラを装着していない状態では、紫外線が筐体の外部に多量に照射されることは好ましくない。このような場合であっても、デジタルカメラを装着しているときにのみ紫外線が照射可能となっていれば、上記不具合は解消できる。
【0015】
また、本発明において、前記筐体内部の光源がプリンタ用の光源であり、前記筐体がプリンタ手段となっていることが好ましい。このように、デジタルカメラ用クレードルがプリンタも兼ねており、プリンタ用の光源が汚れ除去にも使用されるのであれば、クレードルとしての機能が増大し、多機能製品として好ましい。
【0016】
また、本発明において、前記筐体の表面にデジタルカメラが装着されているときのみ、前記プリンタ手段が運転可能となっていることが好ましい。たとえば、筐体の一部(たとえば、天板)が透明となっており、この透明部分より紫外線が外部に照射されるような構造の場合、デジタルカメラを装着していない状態では、紫外線が筐体の外部に多量に照射されることは好ましくない。このような場合であっても、デジタルカメラを装着しているときにのみプリンタ手段が運転可能となっていれば、上記不具合は解消できる。
【0017】
また、本発明は、前記デジタルカメラ用クレードルと、該デジタルカメラ用クレードルの表面に装着可能となっているデジタルカメラであって、レンズ、ディスプレイ、ファインダ、及び、センサ窓の1以上の外部への露出面が光触媒作用を有する光触媒層で覆われているデジタルカメラと、を含んで構成されていることを特徴とする撮像装置ユニットを提供する。
【0018】
本発明によれば、レンズ、ディスプレイ、ファインダ、及び、センサ窓の1以上の外部への露出面が光触媒作用を有する光触媒層で覆われているデジタルカメラを、このデジタルカメラ用クレードルに装着させて、容易に露出面の汚れを除去できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、デジタルカメラの露出面の汚れを容易に除去できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面に従って本発明に係るデジタルカメラ用クレードル及び撮像装置ユニットの好ましい実施の形態について詳説する。
【0021】
図1は、本発明に係るデジタルカメラ用クレードル100の外観を示す斜視図である。このデジタルカメラ用クレードル100は、プリンタとしての機能も備えている。図1に示されるように、デジタルカメラ用クレードル100のクレードル本体60の上面には、後述するデジタルカメラ(撮像装置)の筐体の下部分を挿入可能とする保持凹部62が形成されている。デジタルカメラ70(図5参照)は、この保持凹部62に挿入されることにより、クレードル本体60に保持される。
【0022】
保持凹部62の底部にはマルチコネクタ64が設けられており、これによりデジタルカメラ用クレードル100とデジタルカメラ70との電気的な接続が可能となっている。
【0023】
クレードル本体60の前面には、プリンタ手段としての機能を発揮できるべく、操作部12(電源スイッチのみ図示)、画像入力部(カードスロット)14、表示部(LCD)18、給紙トレー66、排紙口68等が設けられている。
【0024】
図2は、クレードル本体60のうち、プリンタ手段としての機能を説明するブロック図である。このプリンタ手段は、プリント方式としてTA(サーモオートクローム)方式を採用したものである。このTA方式は、シアン(C)層、マゼンタ(M)層、及びイエロー(Y)層を有するプリント用紙(以下、「TAペーパー」という)自体が熱で発色し、所定の波長の光の照射で定着するというもので、インクやトナーが不要であるという特徴を有している。
【0025】
このプリンタ手段は、画像記録メディア(スマートメディア、コンパクトフラッシュ、メモリスティック、SDカード等)がカードスロット14に挿入されると、その画像記録メディアから画像を読み出し、その後、プリント画像の選択やプリント枚数の指定等が行われると、プリントを行うものである。
【0026】
このプリンタ手段は、主として中央処理装置(CPU10)、操作部12、画像入力部14、メモリ16、表示部18、プリントエンジン部20、搬送部22、及び自動濃度調整部24から構成されている。
【0027】
CPU10は、システム全体を統括的に制御する処理部であり、このCPU10により、画像データの処理や各制御ブロックに対する画像データの受渡し、プリントの実行等の各種指示が与えられるようになっている。なお、CPU10への各種処理の指示は、使用者の操作に基づいて操作部12から与えられる。
【0028】
画像入力部(カードスロット)14は、各種の画像記録メディアが挿入されるメディア挿入口を有しており、使用者の画像記録メディアがメディア挿入口に挿入されると、メディア挿入口に画像記録メディアが挿入されたことを示す情報をCPU10に通知する。そして、CPU10から画像の読出し指令を受入すると、画像記録メディアに記録されている画像ファイルの画像データを読み出す。このようにして読み出された画像データは、CPU10を介してメモリ16に記憶される。
【0029】
メモリ16に記憶された画像データは、CPU10からの指示にしたがって表示部18やプリントエンジン部20に出力される。
【0030】
表示部18は、このプリンタ手段に装着されている液晶ディスプレイ(LCD)であり、CPU10を介してメモリ16から表示する画像の画像データを取得して、その画像を表示させる。また、表示部18には、プリントサイズを選択するためのプリントサイズ選択画面、プリント画像を選択するプリント画像選択画面、プリント枚数の指定部等が表示され、また、操作部12は、プリントサイズ選択画面、プリント画像選択画面、プリント枚数の指定部等を利用して、プリントサイズ、プリント画像、プリント枚数等を指示することができるタッチパネルを含んでいる。
【0031】
次に、このプリンタ手段で使用されるTAペーパーについて説明する。図3に示されるように、TAペーパー30は、支持体32の表面にシアン(C)発色層34、マゼンタ(M)発色層36、イエロー(Y)発色層38の3層が順に重ねて形成されている。C発色層34、M発色層36、Y発色層38の各発色層では、それぞれに対応した熱量が与えられると、その熱量に応じた濃度(階調)のC色、M色、Y色が発色する。
【0032】
また、C発色層34を除くM発色層36及びY発色層38の各発色層に、それぞれに対応した波長(M発色層36は約365nm、Y発色層38は約425nm程度)の光を照射すると、発色の状態が定着されるようになっている。
【0033】
図4は、図2に示したプリントエンジン部20及び搬送部22等の構成を示す要部断面図である。同図に示されるように、TAペーパー30が給送される搬送路の上流側からキャプスタンローラ40、40、サーマルヘッド42及びプラテンローラ44、カッター46、ホームポジションセンサ(HPセンサ)48、Y定着用蛍光ランプ50、M定着用蛍光ランプ52、及び濃度センサ54が順に配置されている。
【0034】
搬送路の上流側から給送されたTAペーパー30は、キャプスタンローラ40、40によって挟持されるとともに、サーマルヘッド42とプラテンローラ44によって挟持され、プリント実行時にモータによって回転駆動されるキャプスタンローラ40、40によって矢印A又はA′に示す副走査方向に往復走行させられる。
【0035】
サーマルヘッド42には、TAペーパー30の搬送方向である副走査方向に対して垂直な主走査方向に複数の発熱素子がライン状に配設されており、各発熱素子は、TAペーパー30が矢印Aに示すプリント方向への搬送に同期して、主走査方向の1ラインずつTAペーパー30に所定の熱を与えて各発色層の発色を行う。
【0036】
HPセンサ48は、TAペーパー30の先端を検出するもので、このHPセンサ48の検出出力に基づいてTAペーパー30の搬送が制御される。すなわち、HPセンサ48の位置にTAペーパー30の先端が搬送されたときを、TAペーパー30のホームポジションとしてTAペーパー30の位置合わせが行われ、この位置を基準にして、TAペーパー30の搬送と発色及び定着のプリント処理が同期して行われる。
【0037】
CPU10は、プリント開始時にメモリ16に記憶されたプリント画像の画像データを取り込み、そのプリント画像の画像データに基づいてプリント画像の各画素におけるC、M、Y各色の階調値を、たとえば8ビットの分解能の範囲(0〜255)で設定する。そして、そのプリント画像の各画素におけるC、M、Y各色の階調値のデータをTAペーパー30の走行と同期して、その走行方向(副走査方向)と垂直な方向(主走査方向)の1ラインずつ、サーマルヘッド42に出力する。
【0038】
サーマルヘッド42は、CPU10からC、M、Y各色の階調値のデータが与えられると、その階調値に基づいて主走査方向に配列された各ドットの発熱素子に印加する電圧及びその通電時間(パルス幅)をTAペーパー30の走行に同期させて制御する。これにより、サーマルヘッド42の各ドットの発熱素子からTAペーパー30の各点に与えられる熱量がC、M、Y各色の階調値に応じて制御され、TAペーパー30の各発色層はCPU10から指示された階調値に対応する濃度の色を発色する。
【0039】
プリントエンジン部20の定着制御部は、サーマルヘッド42によるTAペーパー30のY発色層とM発色層の発色の処理と同期させてY定着用蛍光ランプ50及びM定着用蛍光ランプ52の点灯・消灯を制御する。Y定着用蛍光ランプ50は、少なくとも425nmをピーク波長とする発光特性をもつランプであり、このY定着用蛍光ランプ50が点灯してこのランプからTAペーパー30に前記波長の光が照射されると、TAペーパー30のY発色層が定着される。
【0040】
一方、M定着用蛍光ランプ52は、少なくとも365nmをピーク波長とする発光特性をもつランプであり、このM定着用蛍光ランプ52が点灯してこのランプからTAペーパー30に前記波長の光が照射されると、TAペーパー30のM発色層が定着される。
【0041】
図2の自動濃度調整部24は、CPU10から自動濃度調整の開始が指示されると、TAペーパー30にテストパターンをプリントさせ、このテストパターンの濃度を濃度センサ54によって検出する。そして、濃度センサ54によって検出されたテストパターンの濃度が目標濃度となるようにTAペーパー30のC、M、Yの各層の色画像の発色(サーマルヘッド42への印加エネルギー)を調整する。なお、自動濃度調整部24は、プリンタ手段に必須の構成ではなく、これを備えていない構成も可能である。
【0042】
図4のカッター46は、TAペーパー30がロール状で供給された場合に、1枚分の画像がTAペーパー30にプリントされる毎にTAペーパー30をカットするとともに、前記テストパターンがプリントされた箇所をカットする。カットされたプリント写真は、写真取出口に排出され、また、カットされたテストパターンは、プリンタ手段内のごみ箱に排出される。なお、カッター46は、図1のように、TAペーパー30が給紙トレー66から供給される構成では不要である。
【0043】
次に、クレードル本体60に装着されるデジタルカメラ(撮像装置)について説明する。図5は、デジタルカメラ(撮像装置)70の斜視図であり、(A)は、斜前方から見た図であり、(B)斜後方から見た図である。
【0044】
図5に示されるように、デジタルカメラ70は、筐体72を備えている。筐体72の前面には、レンズ74、ファインダ窓76、測光センサ窓77、及び、ストロボ78が配置されている。また、筐体72の前面内側には、レンズ74の前面を覆う閉鎖位置とレンズ14の前面を開放する開放位置との間を移動可能なレンズカバー(図示略)が設けられている。レンズカバーが閉鎖位置、開放位置のいずれに配置されているかの情報は、デジタルカメラ70内部のメモリに記憶されている。
【0045】
筐体72の上面には、レリーズボタン80が備えられ、筐体72の背面には液晶ディスプレイ(以下、「LCD 」という)82、操作入力部84、及び、ファインダ86が配置されている。
【0046】
レンズ74、ファインダ窓76、測光センサ窓77、ストロボ78、LCD 82 、及び、ファインダ86の各々の表面は、酸化チタン(TiO)を含んだ光触媒層90で覆われている。光触媒層90では、紫外線(UV光)が照射されることにより、光触媒反応
が励起され、光触媒層90に付着した汚れが分解される。
【0047】
次に、本発明の特徴部分であるデジタルカメラ70への紫外線照射手段について説明する。図6は、既述の図1と同様にデジタルカメラ用クレードル100の外観を示す斜視図であり、Y定着用蛍光ランプ50、及びM定着用蛍光ランプ52が破線で示されている。
【0048】
図7は、デジタルカメラ用クレードル100の断面図であり、(A)は、紫外線(UV光)がデジタルカメラ70へ照射されない状態(通常時)を示し、(B)は、紫外線(UV光)がデジタルカメラ70へ照射可能となった状態を示す。図8は、Y定着用蛍光ランプ50、及びM定着用蛍光ランプ52とシャッタ手段92との位置関係を示す要部斜視図であり、(A)は、紫外線(UV光)がデジタルカメラ70へ照射されない状態(通常時)を示し、(B)は、紫外線(UV光)がデジタルカメラ70へ照射可能となった状態を示す。
【0049】
図7において、保持凹部62は紫外線(UV光)の透過率が高い材料で形成されている。したがって、Y定着用蛍光ランプ50、及びM定着用蛍光ランプ52の上面がシャッタ手段92で覆われていない状態(図7(B)及び図8(B))では、紫外線がデジタルカメラ70へ照射される。
【0050】
保持凹部62の両側面には、反射板94、94が設けられており、反射光により紫外線のデジタルカメラ70へ照射量を増大させるとともに、保持凹部62以外の部分への紫外線の回り込みを防止できるようになっている。
【0051】
同様に、Y定着用蛍光ランプ50、及びM定着用蛍光ランプ52の両側面には、反射板95、95が設けられており、反射光により紫外線のデジタルカメラ70へ照射量を増大させるとともに、保持凹部62以外の部分への紫外線の回り込みを防止できるようになっている。
【0052】
既述のシャッタ手段92は、Y定着用蛍光ランプ50、及びM定着用蛍光ランプ52と、保持凹部62との間に配される板状の遮光部材であり、遮光位置(図7(A)及び図8(A))にある場合には、紫外線(UV光)がデジタルカメラ70へ照射されない状態(通常時)を維持し、透光位置(図7(B)及び図8(B))にある場合には、紫外線(UV光)がデジタルカメラ70へ照射される状態となる。
【0053】
すなわち、シャッタ手段92は、図7(A)の状態と図7(B)の状態との間を移動できるように、図示されないガイド手段により水平移動可能となっている。そして、この水平移動のための駆動手段として、モータ96が設けられている。この駆動方式としては、たとえばモータ96の軸に固定されたピニオンギアと、シャッタ手段92に固定され、このピニオンギアと歯合するラックとの組み合わせや、モータ96の軸に固定されたフリクションローラ等の構成のものが採用できる。
【0054】
更に、シャッタ手段92が、図7(A)(図8(A))の状態と図7(B)(図8(B))の状態とに正確に停止できるように、リミットスイッチ97、98が設けられている。このうちリミットスイッチ97は、シャッタ手段92の左端位置検出用のものであり、リミットスイッチ98は、シャッタ手段92の右端位置検出用のものである。
【0055】
次に、上記の構成の撮像装置ユニット(デジタルカメラ用クレードル100及びデジタルカメラ70)の操作の手順について説明する。ただし、プリンタ手段としての機能は説明済みなので、説明を省略する。
【0056】
デジタルカメラ70をクリーニングする際には、先ず、デジタルカメラ70をクレードル本体60の保持凹部64へ挿入して、クレードル本体60にデジタルカメラ70を保持させる。このとき、クレードル本体60は、通常時の状態であり、シャッタ手段92は遮光位置(図7(A)及び図8(A))にあり、紫外線(UV光)がデジタルカメラ70へ照射されない状態となっている。
【0057】
次いで、操作部12にクリーニングのスタート指示を入力すると、シャッタ手段92が駆動されて、透光位置(図7(B)及び図8(B))になり、紫外線(UV光)がデジタルカメラ70へ照射される状態となる。そして、クリーニング処理が開始される。クリーニング処理の所定時間(操作部12より入力済み)が経過後、シャッタ手段92が駆動されて、遮光位置(図7(A)及び図8(A))になる。
【0058】
以上の操作の後、デジタルカメラ70をクレードル本体60の保持凹部64より取り外し、カメラとして使用できる。
【0059】
以上に説明したように、本実施形態によれば、拭き取り以外の方法でデジタルカメラ70のクリーニング処理が行える。また、太陽光の届かない場所においてもデジタルカメラ70のクリーニング処理が行える。また、デジタルカメラ70の未使用時や充電時にクリーニング処理が行われるので、デジタルカメラ70の使用時にクリーニング処理済みの状態にできる。更に、デジタルカメラ70のクリーニング処理にプリンタ用の光源を使用するので、デジタルカメラ用クレードルがプリンタも兼ね、クレードルとしての機能が増大する。
【0060】
以上、本発明に係るデジタルカメラ用クレードル及び撮像装置ユニットの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0061】
たとえば、本実施形態では、シャッタ手段92が自動で駆動されているが、これ以外の構成も採用できる。図9及び図10は、この構成を説明する図である。なお、図9は、既述の図1に対応し、図10は、図7に対応するものである。この図9及び図10において、上記実施形態と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0062】
この構成においては、シャッタ手段92が手動で駆動される。このシャッタ手段92には、レバー92Aが垂設され、このレバー92Aはクレードル本体60の上面に形成された係合溝92Bに沿って移動可能となっている。したがって、シャッタ手段92は、図10(A)の状態と図10(B)の状態との間を移動できるように、図示されないガイド手段により水平移動可能となっている。
【0063】
そして、図10(A)の状態では、デジタルカメラ70の装着ができない状態であり、また、クレードル本体60の保持凹部64は遮光状態にある。一方、図10(B)の状態
では、デジタルカメラ70が装着できる状態であり、また、クレードル本体60の保持凹部64は透光状態にある。
【0064】
なお、図示は省略されているが、上記実施形態と同様にリミットスイッチ97、98を設け、シャッタ手段92の位置検出(遮光状態と透光状態との判別)を行うこともできる。
【0065】
以上に説明した構成を採用することにより、上記実施形態よりもシンプルな構成とでき、コストダウンも可能となる。
【0066】
また、上記実施形態に加え、クレードル本体60の表面にデジタルカメラ70が装着されているときのみ、プリンタ手段が運転可能となっている構成を採用することもできる。図11は、このような構成を実現させるためのフローを説明する図である。
【0067】
最初に、プリント命令が出されると(ステップS−100)、シャッタ手段92の位置がデジタルカメラ70を装着できる状態にあるか否かが判断され(ステップS−110)、デジタルカメラ70を装着できる状態にある(Yes)場合には、次のステップ(ステップS−120)に移る。
【0068】
一方、デジタルカメラ70を装着できる状態にない(No)場合には、プリント実行のステップ(ステップS−140)に移る。
【0069】
ステップS−120において、クレードル本体60の表面にデジタルカメラ70が装着されているか否かが判断され、装着されている状態(Yes)の場合には、プリント実行のステップ(ステップS−140)に移る。
【0070】
一方、デジタルカメラ70が装着されていない状態(No)の場合には、プリント中止のステップ(ステップS−130)に移る。
【0071】
このように、クレードル本体60の表面にデジタルカメラ70が装着されているときのみ、プリンタ手段が運転可能とすることにより、たとえば、筐体の一部(たとえば、天板)が透明となっており、この透明部分より紫外線が外部に照射されるような構造の場合、デジタルカメラ70を装着していない状態では、紫外線が筐体の外部に多量に照射されることは好ましくないが、このような場合であっても、デジタルカメラ70を装着しているときにのみプリンタ手段が運転可能となっていれば、上記不具合は解消できる。
【0072】
また、図12にブロック図で示されるように、クレードル本体60の表面にデジタルカメラ70が装着されているときのみ、シャッタ手段92が開き、クレードル本体60の表面からデジタルカメラ70を取り外したときに、シャッタ手段92が閉じる構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係るデジタルカメラ用クレードルの外観を示す斜視図
【図2】クレードル本体のうち、プリンタ手段としての機能を説明するブロック図
【図3】TAペーパーの構成を示す断面図
【図4】プリントエンジン部及び搬送部等の構成を示す要部断面図
【図5】デジタルカメラ(撮像装置)の斜視図
【図6】デジタルカメラ用クレードルの外観を示す斜視図
【図7】デジタルカメラ用クレードルの断面図
【図8】Y定着用蛍光ランプ及びM定着用蛍光ランプとシャッタ手段との位置関係を示す要部斜視図
【図9】デジタルカメラ用クレードルの他の態様の外観を示す斜視図
【図10】デジタルカメラ用クレードルの他の態様の断面図
【図11】デジタルカメラ用クレードルの他の構成を実現させるためのフローを説明する図
【図12】デジタルカメラ用クレードルの他の構成を実現させるためのブロック図
【符号の説明】
【0074】
10…CPU、12…操作部、14…画像入力部、16…メモリ、18…表示部、20…プリントエンジン部、22…搬送部、30…TAペーパー、60…クレードル本体、62…保持凹部、64…マルチコネクタ、70…デジタルカメラ、90…光触媒層、92…シャッタ手段、100…デジタルカメラ用クレードル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の表面にデジタルカメラが装着可能となっており、該デジタルカメラを装着している際に、前記筐体内部の光源より該デジタルカメラに向けて紫外線を照射できるようになっていることを特徴とするデジタルカメラ用クレードル。
【請求項2】
前記筐体に前記紫外線照射のオン・オフを制御可能なシャッタ手段を備えてなる請求項1に記載のデジタルカメラ用クレードル。
【請求項3】
前記デジタルカメラを装着しているときにのみ前記紫外線が照射可能となっている請求項1又は2に記載のデジタルカメラ用クレードル。
【請求項4】
前記筐体内部の光源がプリンタ用の光源であり、前記筐体がプリンタ手段となっている請求項1、2又は3に記載のデジタルカメラ用クレードル。
【請求項5】
前記筐体の表面にデジタルカメラが装着されているときのみ、前記プリンタ手段が運転可能となっている請求項4に記載のデジタルカメラ用クレードル。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のデジタルカメラ用クレードルと、
該デジタルカメラ用クレードルの表面に装着可能となっているデジタルカメラであって、レンズ、ディスプレイ、ファインダ、及び、センサ窓の1以上の外部への露出面が光触媒作用を有する光触媒層で覆われているデジタルカメラと、を含んで構成されていることを特徴とする撮像装置ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−310970(P2006−310970A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−128285(P2005−128285)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】