説明

デジタルカメラ

【課題】デジタルカメラを共有して、複数人で使用する場合、単一のデジタルカメラに複数人の画像データが保存されることとなが、撮影者を特定するためには、撮影日から判断したり、撮影した画像から判断しなければならず、撮影画像の整理に繁雑な作業が要求される。
そこで、撮影者毎に各自のレリーズボタンを使用し、それらレリーズボタン毎の情報を利用することによって、容易に画像データの管理が可能となるデジタルカメラを提供する。
【解決手段】固有の識別情報が記憶されているレリーズボタンを備え、それらを着脱自在且つ交換可能とし、該レリーズボタン固有の識別情報を利用することによって、撮影者の識別が可能となるデジタルカメラであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レリーズボタンが着脱自在且つ交換可能であるデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラを家族で共有し、複数人で一台のカメラを使用することが多々あるが、単一のカメラに複数人の画像データが保存される場合、撮影日付から判断したり、実際に撮影した画像を見て判断して、撮影者を特定するしかなく、撮影画像の整理に煩雑な作業が要求されていた。
また、画像データを外部機器に送信することも多く、その場合でも撮影者毎の画像データを選択するという作業が要求されている。
【0003】
そこで、使用者を特定することを容易とする技術(特許文献1参照)、外部機器に画像データを出力する際に、カメラ毎の画像データを識別する技術(特許文献2参照)、カメラキャップとカメラ本体を関連づけて個人情報を管理する技術(特許文献3)が開示されている
【特許文献1】特開2001−201779号公報
【特許文献2】特開2003−338976号公報
【特許文献3】特開2008−022459号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載されたカメラでは、使用者を識別させるための特定の操作が要求されたり、特許文献2に記載されたカメラシステムでは、同一のカメラの撮影者までは識別できないといった問題がある。
また、特許文献3においても、同様に実際の撮影者まで特定することはできないという問題がある。
【0005】
そこで、カメラのレリーズボタンを着脱自在、且つ容易に交換可能とすることとし、単一のカメラを使用する場合であっても、撮影者毎にそれぞれ各自のレリーズボタンを使用すれば、該レリーズボタン固有の識別情報を利用することによって、特段の操作を要求されることなしに撮影者の管理が可能となり、撮影者毎の画像データ管理が容易となるものである。
【0006】
また、レリーズボタンの押圧操作において、撮影者各人で手の大きさが異なるため、撮影者の指がレリーズボタンに届きにくかったり、逆に窮屈であったりするという問題がある。また、撮影者によっては、レリーズボタンの形状が指に合わず、押し難いということもある。
従来のフィルムカメラにおいては、レリーズボタンに雌ねじが切られていることが多く、さらに別レリーズボタンを取り付けられるような構造となっており、撮影者の好みの別レリーズボタンを装着することができていたものの、その構造上、元のレリーズボタンより高さを低くすることは不可能であった。
まして、昨今のデジタルカメラのレリーズボタンには、そのような雌ねじが切られていることが少なくなっており、別レリーズボタンを取り付けることは、極めて困難となっている。
【0007】
なお、デジタルカメラ製造メーカーによっては、撮影者の好みに合うよう、レリーズボタンの押圧の力量を調整するサービスを提供しているが、サービスセンター等に持ち込み、調整完了まで日数がかかる等、面倒な手続が必要となっている。
【0008】
そして、既製のデジタルカメラのレリーズボタンの形状は、略四角形状又は略円盤形状であることが多く、画一的なものとなっている。その色調も同様である。しかし、撮影者においては、レリーズボタンを好みの形状としたり、好みの色調としたいという欲求があり、さらに、撮影者自身でデザインしたレリーズボタンを取り付けたいという要望もある。
【0009】
そこで、レリーズボタンをデジタルカメラ筐体から着脱自在とし、容易に交換可能とすることによって、撮影者のニーズにあったレリーズボタンを用意することによって、前記の問題も解決できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載のデジタルカメラは、押圧操作によりシャッターを駆動させるためのレリーズボタンと、撮影した画像データを記憶する画像データ記憶手段とを備えたデジタルカメラであって、前記レリーズボタン固有のレリーズ識別情報を記憶するレリーズ識別情報記憶手段を前記レリーズボタンに備え、前記レリーズボタンは、着脱自在且つ交換可能であることを特徴とする。
【0011】
前記の発明によれば、固有の識別情報をもつレリーズボタンを着脱自在且つ交換可能とすることによって、一台のカメラを複数人で使用する場合であっても、複数人がそれぞれ各自のレリーズボタンを使用することによって、撮影者の識別が可能となる。
【0012】
請求項2記載のデジタルカメラは、請求項1記載のデジタルカメラであって、
前記画像データ記憶手段を、前記レリーズボタンに備えていることを特徴とする。
【0013】
前記の発明によれば、複数人がそれぞれ使用するレリーズボタンに、各自撮影した画像データを記憶しておくことが可能となり、他の外部記録メディアを要さずに、他の使用者に画像データを見られることなく、プライバシーの保護が図られる。
【0014】
請求項3記載のデジタルカメラは、請求項1乃至2記載のデジタルカメラであって、前記画像データは、前記レリーズ識別情報を含むことを特徴とする。
【0015】
前記の発明によれば、画像データにレリーズ識別情報を含ませることによって、画像データから撮影者の特定が可能となる。
【0016】
請求項4記載のデジタルカメラは、請求項1乃至3記載のデジタルカメラであって、前記デジタルカメラ筐体固有のカメラ識別情報を記憶するカメラ識別情報記憶手段を備えることを特徴とする。
【0017】
前記の発明によれば、レリーズ識別情報に加えて、カメラ識別情報を利用することによって、それらの組み合わせを管理することが可能となり、当該レリーズボタンを使用したデジタルカメラ筐体や、デジタルカメラ筐体に装着されたレリーズボタンを特定することが可能となる。
【0018】
請求項5記載のデジタルカメラは、請求項4記載のデジタルカメラであって、前記画像データは、前記カメラ識別情報を含むことを特徴とする。
【0019】
前記の発明によれば、画像データにカメラ識別情報を含ませることによって、画像データから使用したデジタルカメラの特定が可能となる。
【0020】
請求項6記載のデジタルカメラは、請求項1乃至5記載のデジタルカメラであって、前記画像データを外部機器へと送信する画像データ送信手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
前記の発明によれば、画像データの外部出力を可能とすることによって、外部データ記憶装置に画像データを保存したり、外部サーバに画像データを送信したりすることが可能となる。
【0022】
請求項7記載のデジタルカメラは、請求項1乃至6記載のデジタルカメラであって、前記レリーズ識別情報を外部機器へと送信するレリーズ識別情報送信手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
前記の発明によれば、レリーズ識別情報の外部出力を可能とすることによって、コンピュータに接続し、該コンピュータによって撮影者の管理をしたりすることができる。
【0024】
請求項8記載のデジタルカメラは、請求項4乃至7記載のデジタルカメラであって、前記カメラ識別情報を外部機器へと送信するカメラ識別情報送信手段を備えたことを特徴とする。
【0025】
前記の発明によれば、カメラ識別情報の外部出力を可能とすることによって、コンピュータに接続し、該コンピュータによって使用したデジタルカメラ筐体の管理をしたりすることができる。
【0026】
請求項9記載のデジタルカメラは、請求項1乃至8記載のデジタルカメラであって、外部機器から画像データを受信する画像データ受信手段を備え、前記画像データを表示する画像データ表示手段を備えたことを特徴とする。
【0027】
前記の発明によれば、外部サーバ等から画像データを取り込むことが可能となり、該画像データを当該デジタルカメラにて表示することが可能となる。
また、レリーズ識別情報を利用することにより、特定のレリーズボタンが装着されている場合にのみ、該画像データを受信できるようにすることも可能となる。
【0028】
請求項10記載のデジタルカメラは、請求項1乃至9記載のデジタルカメラであって、前記レリーズボタンが前記デジタルカメラ筐体に装着されたときに、前記デジタルカメラの電源がONとなり、前記レリーズボタンが前記デジタルカメラ筐体から装脱されたときに、前記デジタルカメラの電源がOFFとなることを特徴とする。
【0029】
前記の発明によれば、レリーズボタンの着脱によって、デジタルカメラの電源のON/OFFのコントロールが可能となり、電源ボタンを省略することが可能となる。
【0030】
請求項11記載のデジタルカメラは、請求項1乃至10記載のデジタルカメラであって、前記レリーズボタンと前記デジタルカメラ筐体との接続が、USB接続であることを特徴とする。
【0031】
前記の発明によれば、レリーズボタンとデジタルカメラ筐体とを離して、USBケーブルを介した接続とするようなことも可能である。
【発明の効果】
【0032】
本発明のデジタルカメラを用いることによって、複数人で一台のデジタルカメラを使用する場合であっても、各自のレリーズボタンを使用することにより、撮影者の識別が可能となり、画像データと関連づけた管理が可能なデジタルカメラを提供することができる。
また、画像データを外部に送信する場合においても、特定の撮影者の画像データのみを送信できるデジタルカメラを提供することが可能となる等の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの一例を示すレリーズ部分の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る画像データ処理の流れを示すフローである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る画像データのファイル構造の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るレリーズボタンとデジタルカメラ筐体との相関図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像データ及び画像管理データ処理の流れを示すフローである。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る画像管理データのファイル構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0035】
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの斜視図となる。図2に示すように、レリーズボタン2は、デジタルカメラ筐体1(以下、「筐体1」という。)に対して着脱自在であり、他のレリーズボタン2aと容易に交換可能となっている。レリーズボタン2aは、筐体1に装着可能であって、押圧操作に支障がなく、レリーズ識別情報記憶手段を備える限りにおいて、その形状・大きさ・材質等は任意とすることが可能である。
【0036】
次に、図3を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの構成について説明をする。
筐体1は、カメラ識別情報11を記憶するカメラ識別情報記憶手段12、レンズ13、撮像素子14、制御手段15、プログラム16、レリーズ部17、ディスプレイ18、外部入出力インターフェース19等から構成される。
そして、レリーズボタン2は、レリーズ識別情報21を記憶するレリーズ情報記憶手段22、画像データを記憶する画像データ記憶手段23等から構成される。
【0037】
カメラ識別情報11は、本筐体1固有の識別情報であり、他のデジタルカメラ筐体の識別情報とは重複せず、他のデジタルカメラ筐体と本筐体1とを区別するための識別情報となる。該カメラ識別情報11は、フラッシュメモリやROMで形成されるカメラ識別情報記憶手段12に記憶される。なお、本実施例においては、カメラ識別情報(カメラID)として、数字及び欧文字の組み合わせとしているが、何らかの記号等を用いることも可能である。
撮像素子14は、レンズ13を通して入射された像を、電気信号に変換し、制御手段15に出力するものであり、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサである。
【0038】
制御手段15は、CPU等から構成され、各部の制御処理、データ転送処理、種々の演算、データの一時的な格納等を行い、プログラム16は、各種データの外部機器への送信を制御するプログラム、シャッター駆動等を制御するプログラム、外部機器との接続を制御するプログラム、画像をディスプレイ18に表示するプログラム等が記憶されており、フラッシュメモリやROMで形成される。
【0039】
レリーズ部17は、レリーズボタン2によって、レリーズスイッチのON/OFFを操作し、シャッター駆動を制御する部分となる。レリーズボタン2とレリーズ部17の詳細は、後述する図4において説明する。
ディスプレイ18は、レンズ13から入射された画像の表示、撮影した画像データの表示、外部機器から取り込んだ画像データの表示、メニュー画面の表示等に使用される。
【0040】
レリーズボタン2は、シャッター駆動を制御するレリーズスイッチのON/OFFを操作するボタンとなる。
レリーズ識別情報21は、本レリーズボタン2固有の識別情報であり、他のレリーズボタンの識別情報とは重複せず、他のレリーズボタンと本レリーズボタン2とを区別するための識別情報となる。該レリーズ識別情報21は、フラッシュメモリやROMで形成されるレリーズ識別情報記憶手段22に記憶される。なお、本実施例においては、レリーズ識別情報(レリーズID)として、数字及び欧文字の組み合わせとしているが、何らかの記号等を用いることも可能である。

撮影した画像データ、外部機器4から取り込んだ画像データは、フラッシュメモリ等で形成される画像データ記憶手段23に記憶される。
【0041】
本実施例においては、画像データ記憶手段23をレリーズボタン2内に設けているが、筐体1内部に設けるようにすることもできる。
なお、画像データ記憶手段23を、レリーズボタン2内、筐体1内のいずれに設ける場合においても、SDカード等の外部記録媒体を装着して記憶するようにすることも可能である。
【0042】
本筐体1と外部機器3とは、外部入出力インターフェース19を用いて接続され、外部機器3は、情報端末機器、コンピュータ、プリンタ、外部ストレージ、サーバ等となる。
また、本筐体1と外部機器3との接続は、直接有線ケーブル等を用いて相互に接続することの他、通信ネットワーク31を介して接続することもできる。
通信ネットワーク31は、インターネット、イントラネット等であり、本筐体1と通信ネットワーク31との接続は、有線LAN、無線LAN、電話回線等による。本筐体1に、SIMカードを装着して、携帯電話回線を利用したり、通信カードを装着して、無線LANを利用することも可能である。
【0043】
次に、図4を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラのレリーズ部分について説明をする。図4は、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのレリーズ部分の一例を示す、図1のレリーズ部分の断面図となる。
【0044】
レリーズボタン2と、レリーズボタン受け部43と、レリーズボタン受け部43を支持するコイルバネ45と、レリーズボタン受け部43下部に配置されるレリーズスイッチ46等から構成されている。
なお、コイルバネ45を2つ使用しているが、その数は限定されるものではなく、1つとして、その中心部にレリーズスイッチ46を配置するようにすることもできる。
【0045】
レリーズボタン2に設けられたレリーズボタン電気接点コネクタ41は、レリーズボタン2内のレリーズ識別情報記憶手段22、画像データ記憶手段23に接続されており、レリーズ受け部43に設けられたレリーズスイッチ電気接点コネクタ42は、制御手段15に接続されている。
レリーズボタン2を筐体1内のレリーズボタン受け部43に装着することにより、両電気接点コネクタの電気接点が接することとなり、制御手段15での、レリーズボタン2内のレリーズ識別情報記憶手段22、画像データ記憶手段23の制御が可能となる。
【0046】
なお、レリーズボタン電気接点コネクタ41、レリーズスイッチ電気接点コネクタ42の電気接点数は任意であり、画像データ等の転送フォーマット等により、最適な数とすることができる。
また、両電気接点コネクタをUSB規格として、レリーズボタン2とレリーズボタン受け部43との接続をUSB接続とすることもできる。
【0047】
さらに、本デジタルカメラの電源のON/OFFを制御する信号の接点をレリーズスイッチ電気コネクタ42に配置し、レリーズボタン電気接点コネクタ41とレリーズスイッチ電気コネクタ42とが接した場合に電源がONとなり、レリーズボタン電気接点コネクタ41とレリーズスイッチ電気コネクタ42とが接していない場合に電源がOFFとなるようにすることも可能である。
【0048】
本実施例においては、レリーズボタン2とレリーズボタン受け部43とを、レリーズボタン電気接点コネクタ41、レリーズスイッチ電気接点コネクタ42との摩擦力を利用して、両者を接合することとしているが、レリーズボタン2とレリーズボタン受け部43とに磁石を装着して、磁力により接合するようにしてもよい。
また、レリーズボタン2下部側面に係止突起を設け、レリーズボタン受け部43の内側面に前記係止突起に対応する係止穴を設け、両者を咬合することにより接合したり、レリーズボタン2下部側面とレリーズボタン受け部43の内側面との摩擦力を利用して、両者を接合することも可能である。
【0049】
レリーズボタン2をレリーズボタン受け部43に接合した状態において、レリーズボタン2を押圧操作することにより、レリーズボタン2とレリーズボタン受け部43とが下方へと共動し、レリーズスイッチ46がONとなる。
そして、レリーズボタン2から指を離すことによって、コイルバネ45の反発力により、レリーズボタン2とレリーズボタン受け部43とが上方へと共動し、原位置に復帰し、レリーズスイッチ46がOFFとなる。
なお、レリーズボタン受け部43上面と筐体1内面とが接している状態が原位置となり、レリーズボタン受け部43の外形を筐体1のレリーズボタン穴の形状よりも大きくしているため、コイルバネ45の反発力によっても、レリーズボタン受け部43が筐体1より突出することはない。
【0050】
ここで、コイルバネ等の反発力を有する部材を内蔵し、上面にレリーズスイッチ電気接点コネクタ42を設けたレリーズスイッチ46を使用することにより、レリーズボタン受け部43を廃し、レリーズボタン2とレリーズスイッチ46とを直接的に接合することも可能である。
また、レリーズボタン2下部に係止突起を設け、レリーズスイッチ46上面に前記係止突起に対応する係止穴を設け、両者を咬合することにより接合したりすることも可能である。
【0051】
さらに、レリーズボタン2は着脱自在であるため、レリーズボタン2を取り外した状態においては、レリーズボタン受け部43及びレリーズスイッチ46を、筐体1から突出させない位置に配することにより、レリーズボタン受け部43及びレリーズスイッチ46は、外部から触れにくくなることによって、ユーザーが誤って触れることによる誤操作や、物品の衝突による誤作動を防ぐことができる。レリーズボタン受け部43を廃した場合においても同様である。
なお、本発明においては、レリーズボタン2がレリーズボタン受け部43に保持されれば実施可能であるため、その限りにおいて、レリーズボタン受け部43の横断面の面積を小さくすれば、その効果は一層期待できることとなる。レリーズボタン受け部43を廃した場合においても同様に、レリーズスイッチ46の横断面の面積を小さくすれば、その効果は一層期待できることとなる。
【0052】
また、異なる大きさのレリーズボタンを複数用意することによって、使用する者に応じて、レリーズボタンを交換することによって、ユーザーの手の大きさに合わせて、レリーズボタンの高さを可変することが可能となる。
【0053】
そして、レリーズボタン2は、その下部がレリーズボタン受け部43の内側面の形状と係合し、その押圧操作に支障のない限りにおいて、任意の形状とすることができるため、筐体1より突出する部分については、レリーズボタン受け部43の形状に左右されないこととなる。レリーズボタン受け部43を廃した場合においても同様に、レリーズボタン2下部とレリーズスイッチ46上部が係合し、レリーズボタン2の押圧操作に支障のない限りにおいて、レリーズボタン2を図2に示すレリーズボタン2aのように任意の形状とすることができる。
【0054】
レリーズボタンの形状のみならず、その素材についても、その押圧操作に支障がなく、レリーズ識別情報記憶手段22、画像データ記憶手段23を内蔵できる限りにおいて、樹脂、金属、ゴム、シリコン等と任意の素材とすることができ、レリーズボタンは容易に交換可能であることから、複数の素材のレリーズボタンを用意することによって、その使用感の変化を楽しむことも可能となる。
【0055】
次に、図5を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態における画像データ作成手順を説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態における画像データ作成のフローである。
【0056】
筐体1に装着したレリーズボタン2を押圧することにより、被写体の撮影が開始され、撮像した画像を撮像素子14及び制御手段15によって、画像処理され、一時バッファに格納される(ステップ51)。そして、レリーズ識別情報記憶手段22に記憶されているレリーズ識別情報21を読み出し(ステップ52)、カメラ識別情報記憶手段12に記憶されているカメラ識別情報11を読み出す(ステップ53)。
撮影した画像、読み出されたレリーズ識別情報21、及び読み出されたカメラ識別情報11から、画像データを作成し(ステップ54)、作成された画像データが画像データ記憶手段23に書き込まれる(ステップ55)。
【0057】
次に、図6及び図7を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態における画像データの構成について、説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態における画像データのファイル構成図となる。図7は、本発明の実施の形態におけるレリーズボタンとデジタルカメラ筐体の相関図となる。
【0058】
画像データ(画像データファイル)61は、撮影した主画像データ62、一覧表示等に用いられる主画像62から生成したサムネイルデータ63、そして画像付属情報(tag情報)データ64から構成される。
画像付属情報64には、画像番号データ65、撮影日時データ66、撮影情報データ65(絞り、シャッタースピード等)に加えて、レリーズ識別情報21のデータとなるレリーズ識別情報(レリーズID)データ68、及びカメラ識別情報11のデータとなるカメラ識別情報(カメラID)データ69が含まれることとなる。
なお、カメラ識別情報記憶手段12を省略し、カメラ識別情報11を設定せず、レリーズ識別情報(レリーズID)のみを認識することとして、該レリーズ識別情報のみを画像付属情報に書き込むことも可能である。この場合、どのレリーズボタンを使用したかの認識は可能であるが、どのデジタルカメラ筐体を使用して撮影したかの認識は不可能となる。
【0059】
図7に示すレリーズボタンAをデジタルカメラ筐体Aに装着して、撮影した画像データには、レリーズボタンAのレリーズ識別情報(レリーズID:0001)とデジタルカメラ筐体Aのカメラ識別情報(カメラID:000A)とを含むため、生成された画像データから、レリーズボタンAをデジタルカメラ筐体Aに装着して撮影した画像であることが認識可能となる。
例として、三人家族でデジタルカメラ筐体を共有し、レリーズボタンを3つ用意して、父親がレリーズボタンA(レリーズID:0001)を使用し、母親がレリーズボタンB(レリーズID:0002)を使用し、子がレリーズボタンC(レリーズボタンID:0003)を使用して撮影するようにすれば、画像データから家族の誰が撮影した画像であるかを特定することが可能となる。
なお、レリーズボタンとデジタルカメラ筐体との組み合わせは任意であり、一のレリーズボタンを複数台のデジタルカメラ筐体に使用したり、複数のレリーズボタンを一台のデジタルカメラ筐体に使用することは自在である。
【0060】
画像データ記憶手段23に記憶されている画像データを、外部機器に送信することが可能であるが、外部コンピュータに送信する場合において、外部コンピュータで画像データの処理プログラムを設定することにより、本デジタルカメラから複数の撮影者によって撮影された複数の画像データを送信し、受信した外部コンピュータにおいて、撮影者毎のフォルダを作成し、それぞれのフォルダに各画像データを振り分けるということも可能である。
また、外部サーバに送信する場合において、本デジタルカメラから複数の撮影者によって撮影された複数の画像データを送信し、受信した外部サーバにおいて、撮影者毎の異なる領域に、それぞれの画像データを格納するということも可能である。
さらに、外部機器から画像データを受信し、画像記憶手段23に記憶し、該画像データを読み出して、該画像をディスプレイ18に表示することも可能である。
【0061】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、レリーズ識別情報とカメラ識別情報を画像データに含めたが、第2の実施形態においては、画像データに含まれない形態について説明する。
なお、本実施例においては、レリーズ識別情報(レリーズID)及びカメラ識別情報(カメラID)として、数字及び欧文字の組み合わせとしているが、何らかの記号等を用いることも可能である。
【0062】
第1の実施の形態である図1及び図2の構成については、第2の実施の形態においても同様となる。
【0063】
次に、図8を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラの構成について説明をする。
第1の実施の形態に係る図3の筐体1、カメラ識別情報記憶手段12等に加えて、筐体1内に画像管理データを記憶する画像管理データ記憶手段81が備えられて構成される。画像管理データについては、後述する。
本実施例においては、画像管理データ記憶手段81を筐体1内に設けているが、レリーズボタン2内部に設けるようにすることもできる。
【0064】
本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラのレリーズ部分については、第1の実施の形態と同様であり、図4に示される。
【0065】
次に、図9を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態における画像データ及び画像管理データ作成手順を説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態における画像データ及び画像管理データ作成のフローである。
【0066】
筐体1に装着したレリーズボタン2を押圧することにより、被写体の撮影が開始され、撮像した画像を撮像素子14及び制御手段15によって、画像処理され(ステップ91)、画像データが生成され(ステップ92)、画像データ記憶手段23に記憶される(ステップ93)。そして、レリーズ識別情報記憶手段22に記憶されているレリーズ識別情報21を読み出し(ステップ94)、カメラ識別情報記憶手段12に記憶されているカメラ識別情報11を読み出す(ステップ95)。
画像データ記憶手段23に記憶された画像、読み出されたレリーズ識別情報21、及び読み出されたカメラ識別情報11から、画像管理データを作成し(ステップ96)、作成された画像管理データが画像管理データ記憶手段81に書き込まれる(ステップ97)。
【0067】
次に、図10及び図7を参照しつつ、本発明の実施の形態における画像データの構成について、説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態における画像管理データのファイル構成図となる。
【0068】
画像管理データ(画像管理データファイル)101は、レリーズ識別情報21のデータとなるレリーズ識別情報データ109、及びカメラ識別情報11のデータとなるカメラ識別情報データ110、そして画像データ記憶手段23に記憶されている画像データ102に対応する、画像データ属性情報111から構成される。
画像データ102は、撮影した主画像データ103、一覧表示等に用いられる主画像103から生成したサムネイルデータ104、及び画像番号データ106、撮影日時データ107、撮影情報データ108(絞り、シャッタースピード等)からなる画像付属情報(tag情報)データ105から構成される。
一の画像データ属性情報111は、一の画像データ102に対応するものであり、画像データを特定するための情報となる。
なお、カメラ識別情報記憶手段12を省略し、カメラ識別情報11を設定せず、レリーズ識別情報(レリーズID)のみを認識することとして、該レリーズ識別情報のみを画像管理データ情報に書き込むことも可能である。この場合、どのレリーズボタンを使用したかの認識は可能であるが、どのデジタルカメラ筐体を使用して撮影したかの認識は不可能となる。
【0069】
図7に示すレリーズボタンAをデジタルカメラ筐体Aに装着して、撮影した一の画像データには、レリーズボタンAのレリーズ識別情報(レリーズID:0001)とデジタルカメラ筐体Aのカメラ識別情報(カメラID:000A)とを含む一の画像管理データが対応するため、画像管理データから、レリーズボタンAをデジタルカメラ筐体Aに装着して撮影した画像であることが認識可能となる。
例として、三人家族でデジタルカメラ筐体を共有し、レリーズボタンを3つ用意して、父親がレリーズボタンA(レリーズID:0001)を使用し、母親がレリーズボタンB(レリーズID:0002)を使用し、子がレリーズボタンC(レリーズID:0003)を使用して撮影するようにすれば、画像管理データから家族の誰が撮影した画像データであるかを特定することが可能となる。
なお、レリーズボタンとデジタルカメラ筐体との組み合わせは任意であり、一のレリーズボタンを複数台のデジタルカメラ筐体に使用したり、複数のレリーズボタンを一台のデジタルカメラ筐体に使用することは自在である。
【0070】
画像データ記憶手段23に記憶されている画像データと、当該画像データに対応する画像管理データ記憶手段81に記憶された画像管理データを、外部機器に送信することが可能であるが、外部コンピュータに送信する場合において、外部コンピュータで画像管理データの処理プログラムを設定することにより、本デジタルカメラから複数の撮影者によって撮影された複数の画像データを送信し、受信した外部コンピュータにおいて、画像管理データに応じて、撮影者毎のフォルダを作成し、それぞれのフォルダに各画像データを振り分けるということも可能である。
【0071】
なお、画像管理データに含まれるレリーズ識別情報のみ、カメラ識別情報のみ、又はその両方を外部コンピュータに送信することも可能である。外部コンピュータに特定のレリーズ識別情報を記憶させておき、レリーズ識別情報のみを送信することによって、当該レリーズボタンが装着されている場合にのみ、接続が可能となるというようなこともできる。
【0072】
また、外部サーバに送信する場合において、本デジタルカメラから複数の撮影者によって撮影された複数の画像データを送信し、対応する画像管理データを利用して、受信した外部サーバにおいて、撮影者毎の異なる領域に、それぞれの画像データを格納するということも可能である。
【0073】
さらに、外部機器から画像データを受信し、画像記憶手段23に記憶し、該画像データを読み出して、該画像をディスプレイ18に表示することも可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 デジタルカメラ筐体
2 レリーズボタン
2a 交換レリーズボタン
3 外部機器
11 カメラ識別情報
12 カメラ識別情報記憶手段
13 レンズ
14 撮像素子
15 制御手段
16 プログラム
17 レリーズ部
18 ディスプレイ
19 外部入出力インターフェース
21 レリーズ識別情報
22 レリーズ識別情報記憶手段
23 画像データ記憶手段
31 通信ネットワーク
41 レリーズボタン電気接点コネクタ
42 レリーズスイッチ電気接点コネクタ
43 レリーズボタン受け部
44 回路基板
45 コイルばね
46 レリーズスイッチ
61 画像データ
62 主画像データ
63 サムネイルデータ
64 画像付属情報
65 画像番号データ
66 撮影日時データ
67 撮影情報データ
68 レリーズ識別情報データ
69 カメラ識別情報データ
71 レリーズボタンA
72 レリーズボタンB
73 レリーズボタンC
74 デジタルカメラ筐体A
75 デジタルカメラ筐体B
81 画像管理データ記憶手段
101 画像管理データ
102 画像データ
103 主画像データ
104 サムネイルデータ
105 画像付属情報
106 画像番号データ
107 撮影日時データ
108 撮影情報データ
109 レリーズ識別情報データ
110 カメラ識別情報データ
111 画像データ属性情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧操作によりシャッターを駆動させるためのレリーズボタンと、撮影した画像データを記憶する画像データ記憶手段とを備えたデジタルカメラであって、前記レリーズボタン固有のレリーズ識別情報を記憶するレリーズ識別情報記憶手段を前記レリーズボタンに備え、前記レリーズボタンは、着脱自在且つ交換可能であることを特徴とするデジタルカメラ
【請求項2】
請求項1記載のデジタルカメラであって、前記画像データ記憶手段を、前記レリーズボタンに備えていることを特徴とするデジタルカメラ
【請求項3】
請求項1乃至2記載のデジタルカメラであって、前記画像データは、前記レリーズ識別情報を含むことを特徴とするデジタルカメラ
【請求項4】
請求項1乃至3記載のデジタルカメラであって、前記デジタルカメラ筐体固有のカメラ識別情報を記憶するカメラ識別情報記憶手段を備えることを特徴とするデジタルカメラ
【請求項5】
請求項4記載のデジタルカメラであって、前記画像データは、前記カメラ識別情報を含むことを特徴とするデジタルカメラ
【請求項6】
請求項1乃至5記載のデジタルカメラであって、前記画像データを外部機器へと送信する画像データ送信手段を備えたことを特徴とするデジタルカメラ
【請求項7】
請求項1乃至6記載のデジタルカメラであって、前記レリーズ識別情報を外部機器へと送信するレリーズ識別情報送信手段を備えたことを特徴とするデジタルカメラ
【請求項8】
請求項4乃至7記載のデジタルカメラであって、前記カメラ識別情報を外部機器へと送信するカメラ識別情報送信手段を備えたことを特徴とするデジタルカメラ
【請求項9】
請求項1乃至8記載のデジタルカメラであって、外部機器から画像データを受信する画像データ受信手段を備え、前記画像データを表示する画像データ表示手段を備えたことを特徴とするデジタルカメラ
【請求項10】
請求項1乃至9記載のデジタルカメラであって、前記レリーズボタンが前記デジタルカメラ筐体に装着されたときに、前記デジタルカメラの電源がONとなり、前記レリーズボタンが前記デジタルカメラ筐体から装脱されたときに、前記デジタルカメラの電源がOFFとなることを特徴とするデジタルカメラ
【請求項11】
請求項1乃至10記載のデジタルカメラであって、前記レリーズボタンと前記デジタルカメラ筐体との接続が、USB接続であることを特徴とするデジタルカメラ

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−114868(P2012−114868A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264412(P2010−264412)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(592045027)株式会社プラザクリエイト (10)
【Fターム(参考)】