説明

デジタルコンテンツ配信関連サービス

【課題】テレビジョン番組の放送のような、一般的な配信に従ったデジタルコンテンツの、複数の端末への配信方法を提供する。
【解決手段】デジタルコンテンツの配信装置(11)とサーバ(10)とを含むネットワーク内において、副次的データは少なくとも1つのデジタルコンテンツに関連する副次的データをサーバがストックし、複数の端末に少なくとも1つのデジタルコンテンツが配信される。端末の少なくとも1つのコマンドが、デジタルコンテンツ内に配信される。ネットワークの端末(14)のレベルにおいて、配信されるデジタルコンテンツを受信するlことと、端末のコマンドを受信されたデジタルコンテンツから抽出することと、;そして、端末のコマンドがサーバにデジタルコンテンツに関連している副次的データをリクエストして実行されることと(23、24)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばテレビジョン番組の放送のような、一般的な配信に従ったデジタルコンテンツの、複数の端末(ターミナル)への配信の運営に関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の電気通信ネットワークが、テレビジョンチャンネルの番組に相当するデジタルコンテンツを配信することを可能にする。とりわけ、このような配信をDVB(Digital Video Broadcasting)タイプのプロトコルによって提案することを想定できる。
【0003】
同様に、このようなデジタルコンテンツを、ADSL(非対称デジタル加入者線:Asymetric Digital Subscriber Line)タイプのプロトコルに基づくネットワークに対して配信することも可能である。この場合、加入者は、電話回線経由でテレビジョンチャンネルを選ぶことができる。
【0004】
これらのテレビジョン番組の配信を充実させるために、テレビジョン番組に副次的データを関連させることが有利である可能性があり、この副次的データは、例えば配信される映像シーケンスを補足情報によって補うことができる。このようなケースは、とりわけ、端末に対して、同期化することで字幕を映像シーケンスに表示する可能性を与えることを想定するようなケースである。
【0005】
また、このタイプの例として、テレビショッピングの場面を取り上げることができる。このテレビショッピングの場面においては、利用者の端末が、テレビショッピングチャンネルの番組の、従来の通りのテレビビジョン映像のシーケンスを表示し、このテレビジョン映像のシーケンスに関連した副次的データをオーバーラップさせる。副次的データは、このときテキストに相当し、その瞬間にチャンネル上で販売中の商品に関連した情報を示す。このテキストは、このとき配信された映像に対してオーバーラップされ、テレビショッピングのテレビジョンチャンネルによって表示されている。このような副次的データは、とりわけ、販売中の商品の特性を示すことができる。
【0006】
このように、販売中の商品に関連する情報が、テレビジョンの映像シーケンスと関連して表示されるのは、他の商品が画面で販売される際に、これらの情報が変更され、紹介されているこの新たな商品に関連した特徴を示すようになっているからである。
【0007】
このような副次的な情報は、また、端末の利用者に対して、高レベルの双方向性(インタラクティブ性)を提供することもできる。例えば、再びテレビショッピングの場面において、テレビショッピングの映像シーケンスに関連した副次的な情報を、紹介されている商品の購入コマンドを利用者が端末上で操作することを可能にする。
【0008】
このようにして、副次的データをデジタルコンテンツに結びつけることで、テレコミュニケーションのサービスを、考慮されている配信ネットワーク内において充実させることができる。
【0009】
DVB(Digital Video Broadcasting) (ETSI TS 102 823 V1.1.1 2005-11)の規格は、論理的にはテレビジョン番組のデジタルコンテンツの送信と、それに関連する副次的データの送信とを別々に実行することを可能にし、これらふたつの送信を時間的に正しく結びつけることを可能にすることで、端末が、時宜を得た瞬間に副次的データを表示するようにする。
【0010】
このタイプの1つの規格によると、デジタルコンテンツの送信と、関連する副次的データの送信とは、あらかじめ多重化されている。
【0011】
このタイプの規格は、これらの副次的データを管理、表示するために受信の際に複雑化される処理を要求し、そして、このことから、高価格な複数の端末を必要とする。
【0012】
さらに、副次的データは、こうしてテレビジョン番組とともに配信され、配信ネットワークのすべての端末に送信される。こうした条件下において、このような副次的データを端末ごとにカスタマイズしようと考えるのは容易ではない。
【0013】
また、このような副次的データをリアルタイムで管理することは複雑であり、このようなことは、複数のプレイヤーによるテレビゲームの運営の際に要求されうることで、このテレビゲームでは、与えられる解答に従って平均スコアが時間とともに変化していく。
【0014】
さらに、このタイプの配信の規格の利用にあたっては、テレビジョン番組運営と、それに関連するインタラクティブ(双方向性)サービスのプロバイダとの間に強い相関関係が存在する。この関係が存在する理由は、副次的データの挿入がテレビジョン番組に相当するデジタルコンテンツの符号化のレベルで実現されるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述した状況を改善することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の様相によれば、デジタルコンテンツを、デジタルコンテンツの配信装置とサーバとを含むネットワーク内の複数の端末へと配信する方法を提案し、ここでサーバは、少なくとも1つのデジタルコンテンツに結びつく副次的データをストックし、端末から、少なくとも1つのコマンドが、前述のデジタルコンテンツ内に配信される。
【0017】
前述の方法は、前述のネットワークに属する端末のレベルにおいて、
(a) 配信されるデジタルコンテンツの受信、
(b) 前述の受信されたデジタルコンテンツからの前述の端末のコマンドの抽出、及び、
(c) 端末のコマンドを、前述のサーバにデジタルコンテンツに関連した副次的データをリクエストして、端末のコマンドを実行する、
の処理を備えている。
【0018】
これらの処置により、デジタルコンテンツの送信は、副次的データの送信との相互関連から有利に脱することが可能となる。実際、一方ではデジタルコンテンツの送信は、配信装置によって行われる。つまりこの配信装置は、デジタルコンテンツをネットワークのすべての端末に配信し、そして一方で、副次的データの配信はサーバから行われる。
【0019】
このような構造において、副次的データは、端末のレベルにおいて、ポイント・ツー・ポイント(2地点間)のリンク経由で回収され、このポイント・ツー・ポイントのリンクが、このサーバと考慮されている端末との間のやりとりを有利にカスタマイズし、そしてこのことから、それぞれの端末がこれらの副次的データを必要な場合には簡単な方法でカスタマイズすることを可能にする。すなわち、そこで例えば、サーバが、端末のIDを考慮し、この端末は副次的データのリクエストを実行しており、サーバがこの端末へと送るための副次的データを決定することを想定することができる。また、端末からサーバへ向けて送られた副次的データのリクエストが、パラメータを含み、パラメータはテレビジョン番組とともに配信された端末のコマンド内において受信されることが可能である。この場合、サーバはこれらのパラメータと端末のIDとの組み合わせを考慮し、副次的データを決定して端末へ送信する。
【0020】
このようにして進めながら、デジタルコンテンツの配信は、副次的データとフレキシブルな方法で関連付けることができる。このように、こうした構造は、サービスの提供を拡大し、これらのサービスは利用者に対し、必要な際にはカスタマイズして提案される。
【0021】
さらに、このような状況において、端末は先に引用された旧来の技術よりもさらにシンプルになりえる。なぜならば、端末はもはや、関連した副次的データを伴って多重化されたデジタルコンテンツの受信を処理する役割を担っていないからである。その結果、このような方式の適用は、こうした端末に与えられる価格を有利に削減することを可能にする。ここでは、端末は単に、配信されるデジタルコンテンツに関連しているデータフローの受信と表示、そして端末のコマンドの抽出だけを担い、このコマンドはこれらのデータフローを伴って配信される。テレビ番組の多重化、副次的データ、副次的データによって命令を受けるアプリケーションの実行運営に関して、このような処理は、シンプルである。本発明の実現の一態様において、対応するアプリケーションは、サーバに対して実行されるのであって、端末のレベルで実行されるのではない。
【0022】
配信されたデータフローからひとたび端末のコマンドが抽出されると、端末がこのコマンドを実行する。
【0023】
本発明の実現に一態様において、配信されたデータフローは端末の少なくとも1つのコマンドを含み、端末のコマンドの実行は、副次的データのサーバへのリクエストの送信に相当する。
【0024】
端末のこのようなコマンドの挿入が、多様なサービスに対する方法の適用において、大きなフレキシビリティを可能にし、こうした大きなフレキシビリティは、デジタルコンテンツのデータフローの多重化配信と副次的データでは持つことのできないことである。
【0025】
このような構造では、テレビジョン番組タイプの配信されるデジタルコンテンツと関連したサービスを実行することが容易であり、例えこのサービスが、動作の多様性に対して端末のレベル、あるいはサーバのレベルのいずれで対応していても容易である。
【0026】
実際、このサービスの実行を、連続する基本動作のまとまりとして分解することを有利に予定することができ、この連続する基本動作は、端末のレベル及び/またはこのネットワークのサーバのレベルにおいて実行されることになっている。
【0027】
考慮されているサービスのタイプに従って、多かれ少なかれ精密な同期化が要求される。実際、複数の映像を持つ1つのシーケンスに字幕をオーバーラップさせることを目的とするサービスは、精密な同期化を必要とするが、一方でこの前に述べられたような、テレビショッピングの番組と関連しているサービスは、より大まかな同期化の基礎に基づいて実行される。本発明の状況は、同期化に関しては、このような要求の違いに適合することができる。実行されるサービスを分解して生じる基本動作は、相互的なタイムリファレンスに関連しており、この相互的なタイムリファレンスは、要求される同期化の正確さのレベルによる。本発明には、これらのタイムリファレンスの形式に関して、いかなる制限もない。
【0028】
本発明では、本発明が実施されうるネットワークのタイプに対して、いかなる制限もない。
【0029】
この構造においては、返答音声をインタラクティブ(双方向的)サービスに対して想定することが容易であり、このインタラクティブサービスは、利用者のレスポンスを要求する。すなわち、この返答音声は、サーバとのポイント・ツー・ポイントのリンクに相当している。
【0030】
本発明の実現の一態様において、副次的データは。配信されるデジタルコンテンツに関連したインタラクティブサービスに相当しており、デジタルコンテンツ内に配信される各コマンドの実行は、前述のサービスの1つのステップの実行に相当する。
【0031】
このように、本サービスは様々なステップに有利に分解され、コマンドを配信してこれらのステップを端末経由で実行することを命令する。これは端末自体のレベルにおいて、あるいは今回も、サーバのレベルにおいてのいずれかで実行される。
【0032】
配信されるデジタルコンテンツは、さらに、他の端末の少なくとも1つのコマンドを含みうり、この端末のコマンドは前述の端末のローカルでの実行に対応している。このようにして、フレキシブルな受信の方法を獲得する。
【0033】
本発明の実現の一態様において、デジタルコンテンツと副次的データとは時間的に関連しており、実行されるサービスのタイプに従った、多かれ少なかれ正確な同期化によって関連している。端末と配信装置とはゆえに、共通のタイムリファレンスに対して同期化されており、配信される端末のコマンドはタイムスタンプと関連しており、タイムスタンプは、配信されるデジタルコンテンツと副次的データとの間にこの時間的な関連を持たせることを可能にする。
【0034】
また、副次的データは、さらに、配信されるデジタルコンテンツが、端末のレベルにおいて受信されることを想定することも可能である。実際、このようにして、いくつかの実在するネットワークの機能との両立性を有利に維持することもできる。
【0035】
本発明の第2の様相によれば、ネットワーク内でのデジタルコンテンツを配信する方法が提案される。ここでネットワークは、デジタルコンテンツ配信装置とサーバとを含んでおり、サーバは副次的データをストックし、副次的データは少なくとも1つのデジタルコンテンツに関連している。ネットワーク内では、配信装置が、デジタルコンテンツと端末の少なくとも1つのコマンドとをデジタルコンテンツの中に配信する。端末のコマンドは、端末に対し、サーバにリクエストを送るよう命令し、副次的データを配信されるデジタルコンテンツと関連させるよう命令を送るものである。
【0036】
さらに、この配信方法は、受信方法に関し、本発明の第1の様相によって前述した特徴と同じ特徴を提案する。
【0037】
本発明の第3の様相によれば、適合した端末に対して第1の様相に従った方法を実行することが提案される。
【0038】
本発明の第4の様相によれば、適合する配信装置に対して第2の様相に従った配信方法を実行することが提案される。
【0039】
本発明の第5の様相によれば、第3の様相に従った端末と第4の様相に従った配信装置とを備えるシステムが提案される。
【0040】
本発明の第6の様相によれば、端末に対するコンピュータプログラムが提案される。ここでプログラムの実行が端末の処理手段によって第3の様相に従って行われるとき、このコンピュータプログラムは、本発明の第1の様相に従った受信方法を実行するのに適した指示を含んでいる。
【0041】
本発明の第7の様相によれば、配信装置のためのコンピュータプログラムが提案される。このコンピュータプログラムは、配信方法を実行するのに適した指示を含み、これはプログラムの実行が配信装置の処理手段によって、第2の様相に従って行われるときである。
【0042】
本発明の第8の様相によれば、1つの録画サポートが提案される。この録画サポートはコンピュータで解読可能であり、このコンピュータ上にはコンピュータプログラムが、第6または第7の様相に従って登録されている。
【0043】
本発明のその他の様相、目的、利点は、本発明の実施形態についての記述を読むと示されている。本発明はまた、本発明の実施形態に従った記述によって、図を参考にしてよりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明は、この後で、例としてテレビビジョン番組の配信への適合について記述されている。ただし、本発明には、配信されるデータのタイプに関していかなる制限もない。実際、本発明は、配信されるデータフローを補完することを目的として本発明を副次的データと時間的に関連させたいときにはすぐに、容易に適用することができる。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態に従ったネットワークを説明している。このネットワークは、配信装置11を含んでおり、配信装置11はデジタルコンテンツ100を配信するために適合している。ここで考慮されている例においてこれらのデジタルコンテンツは、テレビジョン番組に対応している。原則的には、一般的な配信に従い、ネットワークのすべての端末12〜15は、これらのデジタルコンテンツを受信する。
【0046】
ネットワークはサーバ10を含み、サーバ10は、副次的データをストックするのに適合しており、そしてまたこの副次的データを複数の端末のうちの1つに送信するのに適合しており、端末のリクエストに対し、ポイント・ツー・ポイント(2地点間)のリンク101経由で送信する。
【0047】
端末は、例えば、セットトップボックス(Set Top Box)である。
【0048】
サーバ10がネットワーク内に存在している場合、ネットワーク内の複数の端末が事前にこのサーバへのアクセス先アドレスを知っていること、そしてこのことから、配信されるデータフロー内に挿入されるコマンドの中にこのアドレスを送信する必要がないよう予定できる。
【0049】
また、このようなネットワーク内において、サーバ10を複数台想定することも容易である。この場合、配信されるデータフローの中に挿入されるコマンドは、ネットワークが有する複数のサーバの中で、このコマンドに対応するサーバにアクセスするために使用するアドレスに関した指示を含む。
【0050】
図2は、図1に説明されているようなネットワーク内における主要なステップを説明しており、これらのステップは例えば端末14のレベルにおいて実行される。
【0051】
このように、ステップ21において、端末14はネットワーク内に配信されるデータフローを受信し、このデータフローはテレビジョン番組に相当する。このデータフロー内に、補足情報が挿入され、この補足情報は、端末の1つまたは複数のコマンドに相当する。
【0052】
次いでステップ22では、端末は、この1つまたは複数のコマンドを抽出する役割を担っており、これらのコマンドはデータフロー内に配信されている。そこでステップ23において、端末14は、抽出された唯一または複数のコマンドを実行することができる。
【0053】
データフロー内に配信され、端末14によって受信される、端末の少なくとも1つのコマンドは、サーバ10へ向けて送られるリクエストに相当し、このリクエストの目的は、副次的データを回収するためであり、副次的データはデータフロー形式で受信されるデジタルコンテンツと結びつくことになっている。
【0054】
ステップ24において、端末14はコマンドを実行するが、このコマンドは、サーバ10における副次的データの回収ステップを含むようなコマンドである。
【0055】
配信されるデータフロー内に含まれる端末のコマンドは、その他のタイプでもありうる。実際、これらのコマンドもまた、端末のローカルにおける実行に相当しうる。例えば、テレビショッピングの場面において、オーバーラップ(スーパーインポーズ)で補足的データを表示・管理する際がそうである。この場合、端末14は、テレビジョン番組の映像と副次的データとを表示し、この副次的データはサーバ10で回収されたもので、販売中の商品に対するオーバーラップされた補足情報に相当する。それから、これらの補足情報が関係する商品が画面上になくなったとき、補足情報の表示を止めるために、新たなコマンドがデータフロー内に配信され、この新たなコマンドは、サーバとの連絡をリクエストせず、サーバのローカルで完全に実行される。サーバで副次的データを回収することを目的とした先のコマンドが、これらのデータを表示する時間を示すことも想定できる。この場合、新たなコマンドの配信は、副次的データの表示を排除するためには要求されず、端末のローカルにあるタイマ装置の操作だけで十分である。
【0056】
より一般的な方法において、端末のコマンドには、端末レベルでのローカルでの実行が相当するが、端末のコマンドは回収された副次的データの管理に関連する。
【0057】
ローカルで実行される端末のコマンドは、テレビジョンのチャンネルの切り替えにも相当する。
【0058】
端末のコマンドは相対的に見て基本的なものであり、サーバへの副次的データのリクエストのステップと、これらの副次的データの表示の管理のステップとを含んでいる。
【0059】
これらの副次的データは、さらに高度になることがあり、とりわけ、これらの副次的データがサーバ10に処理動作を作動させることを狙いとしているときは高度になる。このようなケースには、例えば、端末がコマンドを受信し、このコマンドがネットワークのサーバにローカルにおかれたビデオへのテレビ番組の自動録画に相当するときが該当する。
【0060】
本発明の実施の一形態において、ネットワーク内で使用される配信プロトコルは、DVBプロトコルである。このプロトコルは、シグナリングテーブルの周期的な配信を決定し、このシグナリングテーブルの内部においてサービスのオペレータがカスタマイズされた記述子(ディスクリプタ)を挿入し、これらの記述子はそのコンテンツ内において利用が自由である。このようにして、1つの記述子、“Interaction_Information_Descriptor(相互作用情報記述子)”を、後ほど定義される記述子のように挿入することを想定できる。
【0061】
配信デジタルコンテンツ関連サービスは、複数の基本動作に分解され、これらの基本動作には、端末のコマンドがそれぞれ対応し、端末のコマンドはこれらのカスタマイズされた記述子のうちの1つの記述子の内部で決定され、記述される。
【0062】
DVBプロトコルは、様々なタイプのSI(サービス情報(Service Information))テーブルを決定し、このテーブルは配信の管理の異なるレベルに相当する(MPEG2/DVB−SIテーブル)。このように、これらのテーブルのいくつかは、1つのテレビジョンチャンネルの管理のレベルで関連しており、これは例えばSDT(サービス記述テーブル(Service Description Table))タイプのテーブルであり、一方でその他のテーブルは、1つのテレビジョン番組の管理のレベルで関連しており、これは例えばEIT(イベント情報テーブル(Event Information Table))タイプのテーブルである。
【0063】
1つのデジタルコンテンツに関連付けて実行するためのサービスの変化に従い、このサービスに相当する端末のコマンドは、様々なタイプのテーブルの内部に送信されうる。
【0064】
1つのコマンドが1つの番組に関連しているとき、このコマンドは、好ましくはEITタイプのテーブルの中に送信され、またこのコマンドがテレビジョンの1つのチャンネルに関連しているとき、コマンドは好ましくはSDTタイプのテーブルの中に送信される。この記述子“Interaction_Information_Descriptor”のそれぞれのインスタンスが1つのコマンドを記述する。そこで、配信されるフローの中に挿入されるコマンドが、テレビジョン番組に関連しているとき、これらのコマンドはEITテーブルの中に挿入されうる。
【0065】
本発明の実施の一形態において、このような記述子は、修正可能で発展可能な構造を備えており、この構造は、バラエティに富んだサービスを実行するための、高いフレキシビリティと、容易な適合性とを可能にする。
【0066】
“Interaction_Information_Descriptor”のような記述子の1つのシンタックスが、以下の表に示されている。
【0067】
【表1A】

【0068】
【表1B】

【0069】
【表1C】

【0070】
この記述子が、コマンドIDをフィールド“Commend-ID”内に有利に含んでいることを記しておくと便利であり、このフィールド“Commend-ID”は、各コマンドを与えられたサービスやフィールド“Commend-type”内のコマンドタイプを独自の方法で識別することを可能にし、このフィールド“Commend-type”は、処理のタイプ、またはこれらのコマンドの1つ1つに関連した動作のタイプを示す。
【0071】
次の表は、1つのリストを提供しており、配信される端末のコマンドに付随する動作の非網羅的なリストであって、本発明の実施の一形態におけるものである。
【0072】
【表2】

【0073】
“display message(メッセージを表示)”のコマンドの存在によって、副次的データを受信することが想定されていることを記しておくと便利であり、この副次的データは、配信されるデータフロー内に受信され、すなわち副次的データはデータフロー内においても、前述の旧来の技術においてのように多重化されている。
【0074】
1つのコマンドを反復(リピート)することを予定しておくのは様々な理由に対して有利であり、特にそのことから端末経由での受信を保証するためであり、あるいはさらにコマンドを想定して送信するため、そうして端末をその実行の前に用意しておくため、またはコマンドの有効期間を指示するためである。これらの端末のコマンドのうちのいくつかのリピートを、リピートコードのテーブル経由で管理することができ、これは下表に示してある通りである。
【0075】
【表3】

【0076】
配信されたデータフローと、配信された端末のコマンドの実行との間に同期化を示すことを想定することができ、これは実行タイムテーブル(action_time_code)の中の様々なフォーマットに従っている。この実行タイムテーブルは下表に示されている通りである。
【0077】
【表4】

【0078】
フィールドIn_band_dataの構造は、フィールドIn_band_dataの値が1に設定されている場合に存在する。この構造は、次の表に示されているようなものでありうる:
【0079】
【表5】

【0080】
このような記述子は、本発明に従った方法を実行することを可能にし、配信されたデータフローに関連したサービスを、分解して端末の複数のコマンドにし、このコマンドにはその実行の瞬間が関連付けられており、映像シーケンスと関わりを持っており、このシーケンスは配信されたデータフローに対応している。
【0081】
次節では、このような配信方法が、例えば「クイズ」タイプの、双方向的(インタラクティブ)なゲームへの適合において記述されており、このタイプのインタラクティブなゲームでは、テレビ視聴者が、テレビのスタジオに招待されているゲストと同時にプレイをすることができる。
【0082】
ゲームへの参加用の招待メッセージが、本発明の実施の一形態に従って表示される。この招待に応じた視聴者が、各質問の始まりと終わりとを通知され、これらの質問に答えるように招かれる。
【0083】
図3は、データフロー内に配信されるコマンドを説明しており、このデータフローはこのようなゲーム番組の配信に相当している。
【0084】
記述子“Interaction_information_Descriptor”が、EITテーブルの中に挿入され、このEITテーブルはテレビジョン放送に関連している。この記述子は、“display page(ページを表示)”タイプのコマンド31を質問1に対して含んでおり、質問2に対してはコマンド32を含んでいる。この実施形態において、コマンドの受信を保証するために、コマンドは複数回配信される。
【0085】
端末のレベルでは、“display page”タイプのコマンド30の実行は、サーバにページのリクエストをすることから構成され、このページは、配信中のゲームのトップページに相当する。URLアドレスは対応するサーバへ接続することを可能にし、また記述子の中にも供給される。
【0086】
ゲーム展開の際、新しい記述子である“Interaction_Information_Descriptor”が各質問の最初に挿入され、対応するページの表示を命令し、また別の記述子が各質問の最後に挿入されて対応するページを閉じることを命令する。端末は、各質問に関連したページを要求し、これは対応する記述子の中に供給されたURLアドレスに従って行われる。
【0087】
“close page(ページを閉じる)”タイプのコマンド35は、質問の最後に記述子によって警告されるが、考慮された質問に関連するページを閉じることを可能にし、そうして質問に答える可能性を中止することを可能にする。ゲームの最後に、最後の記述子の中に送られたURLアドレスが、利用者によって獲得された結果を表示するページに繋がっている。
【0088】
この例から、様々な複数の応用を、本発明の実施形態から導き出すことが容易である。
【0089】
図4は、本発明の実施の一形態に従った、端末14の構造を説明している。
【0090】
このような端末は、配信されるデジタルコンテンツを受信するのに適合した受信部41と、端末のこのコマンドを受信されたデジタルコンテンツから抽出するのに適合した抽出部42と、端末のコマンドを実行するために適合した実行部43とを含み、実行部は、サーバに対してデジタルコンテンツに関連した副次的データをリクエストしてコマンドを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は複数の端末、1つの配信装置と1つのサーバとを含む1つのネットワークを、本発明の1つの実現方法に従って説明している。
【図2】図2は、図1で説明されたようなネットワーク内の主要なステップを説明しており、これらは端末のレベルにおいて実行される。
【図3】図3は、1つのテレビ放送に関連した1つのサービスを説明しており、本発明の1つの実現様式に従っている;そして
【図4】図4は、本発明の1つの実現様式に従った端末の構造を説明している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内の利用者の端末(14)のレベルでのデジタルコンテンツの受信方法であって、前記ネットワークは、デジタルコンテンツの配信装置(11)と、少なくとも1つのデジタルコンテンツに関連している副次的データをストックするサーバ(10)とを含んでおり、前記端末の少なくとも1つのコマンドが前記デジタルコンテンツ内に配信されている方法であって、
前記端末のレベルにおいて、
(a) 配信されるデジタルコンテンツを受信するステップ(21)と、
(b) 前記デジタルコンテンツから、前記端末のコマンドを抽出するステップ(22)と、
(c) 前記端末のコマンドを実行するステップ(23、24)であって、前記サーバに、デジタルコンテンツに関連している前記副次的データをリクエストして行われるステップと、
を有し、
前記副次的データは、インタラクティブサービスに対応しており、前記インタラクティブサービスは、前記サーバへの戻り回線による利用者の応答をリクエストし、また、インタラクティブサービスは、配信されるデジタルコンテンツに関連している、デジタルコンテンツの受信方法。
【請求項2】
前記ステップ(c)の後に、
(d) 前記サーバに前記利用者のレスポンスを送信するステップ
をさらに有する、請求項1に記載のデジタルコンテンツの受信方法。
【請求項3】
前記インタラクティブサービスは様々な段階に分解され、
前記デジタルコンテンツ内に配信された各コマンドの実行は、前述のインタラクティブサービスの1つのステップの実行に相当する、
請求項1または2に記載のデジタルコンテンツの受信方法。
【請求項4】
デジタルコンテンツの配信装置(11)とサーバ(10)とを含むネットワーク内へのデジタルコンテンツの配信方法であって、前記サーバ(10)は、少なくとも1つのデジタルコンテンツに対応する副次的データを含んでいる方法であって、
前記配信装置が、デジタルコンテンツを配信するとともに、該デジタルコンテンツ内に、前記端末の少なくとも1つのコマンドを配信する、配信方法。
【請求項5】
配信される前記デジタルコンテンツは、前記端末のローカルでの実行に相当する、前記端末の少なくとも1つの他のコマンドをさらに含む、請求項4に記載の配信方法。
【請求項6】
前記端末と前記配信装置とは共通のタイムリファレンスに対して同期化されており、
前記配信された端末のコマンドはタイムスタンプに関連しており、該タイムスタンプは、前記配信されるデジタルコンテンツと前記副次的データとの間に時間的な関連性を持たせるものである、請求項4または5に記載の配信方法。
【請求項7】
前記副次的データは、さらに、前記配信されるデジタルコンテンツ内にも配信される、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の配信方法。
【請求項8】
デジタルコンテンツの配信装置(11)とサーバ(10)とを含むネットワーク内の端末(14)であって、前記サーバは少なくとも1つのデジタルコンテンツに関連している副次的データを含んでおり、前記端末の少なくとも1つのコマンドが前記デジタルコンテンツの中に配信されている、端末(14)であって、
配信されるデジタルコンテンツを配信するのに適合した受信部(41)と、
受信された前記デジタルコンテンツの、前記端末のコマンドを抽出するのに適合している抽出部(42)と、
前記端末のコマンドを実行するのに適合し、前記デジタルコンテンツに関連している副次的データのリクエストを前記サーバに行う実行部(43)と、
を有し、
前記副次的データは、インタラクティブサービスに対応し、該インタラクティブサービスは、前記サーバへの戻り回線による利用者のレスポンスをリクエストし、また配信されるデジタルコンテンツの内容に関連している、端末。
【請求項9】
ネットワーク内にデジタルコンテンツの利用者それぞれの複数の端末(12〜15)を有する配信装置(11)であって、前記ネットワークは、少なくとも1つのデジタルコンテンツに関連している副次的データをストックするサーバを含んでいる、配信装置(11)であって、
前記端末(12〜15)にデジタルコンテンツと前記端末の少なくとも1つのコマンドを配信するために適合し、
前記端末のコマンドは、前記端末に命令をして、前記サーバに前記副次的データをリクエストし、前記副次的データを配信されるデジタルコンテンツに関連付けるものであり、
前記副次的データはインタラクティブサービスに対応し、前記インタラクティブサービスは、前記サーバへの戻り回線による利用者のレスポンスをリクエストし、前記配信されるデジタルコンテンツに関連している、配信装置。
【請求項10】
複数の請求項8に記載の端末(12〜15)と、請求項9に記載の配信装置(11)と、を有する、デジタルコンテンツの配信システム。
【請求項11】
デジタルコンテンツの配信装置(11)と利用者の端末(14)とを含むネットワーク内のサーバ(10)であって、
配信されるデジタルコンテンツの少なくとも1つに関連付けられる副次的データをストックし、前記デジタルコンテンツの配信は前記配信装置によって行われ、
前記サーバは、
前記端末から、該端末によって受信されるデジタルコンテンツに関連付けられている副次的データの1つのリクエストを受信することと、
前記端末に前記リクエストをされた副次的データを送信することと、
に適合しており、
前記副次的データはインタラクティブサービスに対応し、前記インタラクティブサービスは、戻り回線によるサーバへの利用者のレスポンスをリクエストし、配信されるデジタルコンテンツに関連している、サーバ。
【請求項12】
利用者の端末(14)のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末の処理の方法によってプログラムが実行されるときに、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受信方法によって実行される複数の指示を含む、プログラム。
【請求項13】
配信装置(11)に対するコンピュータプログラムであって、
前記配信装置の処理方法によってプログラムが実行されるときに、請求項4乃至7のいずれか1項に記載の配信方法にしたがって配信を実行するのに適した複数の指示を含む、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−154249(P2008−154249A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327995(P2007−327995)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【Fターム(参考)】