説明

デジタルサイネージシステム及びサイネージ端末管理サーバ

【課題】サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成することのできるデジタルサイネージシステム及びサイネージ端末管理サーバを提供する。
【解決手段】デジタルサイネージシステムにおいて、サイネージ端末管理サーバ30は、サイネージ端末10の端末属性を記憶する端末属性記憶部31と、サイネージ端末10に表示するコンテンツのコンテンツ属性を記憶するコンテンツ属性記憶部32と、コンテンツの放映条件を記憶する放映条件記憶部33と、端末属性記憶部31に記憶されたサイネージ端末10の端末属性とコンテンツ属性記憶部32に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性と放映条件記憶部33に記憶されたコンテンツの放映条件とに基づいて、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成する放映番組スケジュール生成部34とを備え、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のサイネージ端末に各種のコンテンツを表示するデジタルサイネージシステム及びサイネージ端末管理サーバに関し、より詳細には個々のサイネージ端末で表示するコンテンツの放映番組スケジュールの自動生成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルサイネージシステムは、電子看板装置に繰り返し表示される複数のコンテンツを含むコンテンツセットの設定を行なうコンテンツセット設定部と、設定されたコンテンツセットに含まれる複数のコンテンツが繰り返し表示されるように表示期間の設定を行なう表示期間設定部とを有するサーバと、設定された表示期間の間、コンテンツセットに含まれる複数のコンテンツを繰り返し表示させる看板表示制御部を有する複数の電子看板装置とがネットワーク接続された構成で、ユーザは、サーバ出力装置に表示されたコンテンツセット設定画面の画面上でコンテンツ設定のための入力作業を手作業で繰り返し行なうことにより、コンテンツセットを設定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−310003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のデジタルサイネージシステムにおいては、コンテンツセット設定画面の画面上でコンテンツ設定のための入力作業を手作業で繰り返し行なってコンテンツセットを生成するため、入力作業に多くの工数を必要とし放映番組スケジュール生成に多くの時間を要した。
【0005】
また、デジタルサイネージシステムを広告収入型モデルとして運用する場合、サイネージ端末の設置管理台数が増えるほど広告効果が大きいため、多数のサイネージ端末を全国規模で設置するのが一般的である。しかし、ライバル会社の広告コンテンツを同一サイネージ端末で連続して表示しないようにするとか、設置場所が同一のサイネージ端末でライバル会社の広告コンテンツを同時刻に表示しないようにするなどサイネージ端末毎に異なる放映番組スケジュールを生成するという細かなサービスの提供を行なうには不都合であるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、サイネージ端末毎の端末属性とコンテンツ毎のコンテンツ属性とコンテンツ毎の放映条件とに基づいて、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成できるようにしたデジタルサイネージシステム及びサイネージ端末管理サーバを提供することを目的としたものである。
【0007】
さらに、同一の隣接属性を有するコンテンツを同一のサイネージ端末で連続して表示しない、または、同一の隣接属性を有するサイネージ端末間で同一の隣接属性を有するコンテンツを同時刻に表示しないように、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成できるようにしたデジタルサイネージシステム及びサイネージ端末管理サーバを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のデジタルサイネージシステムは、複数のサイネージ端末とサイネージ端末管理サーバとを通信ネットワークを介して接続したデジタルサイネージシステムであって、
サイネージ端末は、
コンテンツを表示する表示部と、
表示部を制御する表示制御部と、を備え、
サイネージ端末管理サーバは、
サイネージ端末の端末属性を記憶する端末属性記憶部と、
サイネージ端末に表示するコンテンツのコンテンツ属性を記憶するコンテンツ属性記憶部と、
コンテンツの放映条件を記憶する放映条件記憶部と、
端末属性記憶部に記憶されたサイネージ端末の端末属性と、コンテンツ属性記憶部に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性と、放映条件記憶部に記憶されたコンテンツの放映条件と、に基づいて、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成する放映番組スケジュール生成部と、を備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、サイネージ端末の端末属性とコンテンツのコンテンツ属性とコンテンツの放映条件とを記憶でき、記憶したサイネージ端末の端末属性とコンテンツのコンテンツ属性とコンテンツの放映条件とに基づいて、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成し、サイネージ端末に放映番組スケジュールを配信し表示することができる。
【0010】
また、本発明のデジタルサイネージシステムでは、
コンテンツ属性記憶部に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性は、サイネージ端末に連続して表示することを禁止する隣接属性を含み、
放映番組スケジュール生成部は、同一の隣接属性を有するコンテンツを同一のサイネージ端末で連続して表示しないように、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成する構成を有している。
【0011】
この構成により、同一の隣接属性を有するコンテンツを同一のサイネージ端末で連続して表示しないように、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成することができる。
【0012】
また、本発明のデジタルサイネージシステムでは、
端末属性記憶部に記憶されたサイネージ端末の端末属性は、コンテンツを同時刻に表示することを禁止する隣接属性を含み、
放映番組スケジュール生成部は、同一の隣接属性を有するサイネージ端末間で同一の隣接属性を有するコンテンツを同時刻に表示しないように、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成する構成を有している。
【0013】
この構成により、同一の隣接属性を有するサイネージ端末間で同一の隣接属性を有するコンテンツを同時刻に表示しないように、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成することができる。
【0014】
また、本発明のデジタルサイネージシステムでは、放映番組スケジュール生成部は、サイネージ端末への放映番組スケジュールをランダムに自動生成する構成を有している。
【0015】
この構成により、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールをランダムに自動生成することができる。
【0016】
また、本発明のデジタルサイネージシステムでは、
放映番組スケジュール生成部は、
サイネージ端末の管理数に増減があった場合、
端末属性記憶部に記憶されたサイネージ端末の端末属性に変更があった場合、
コンテンツの管理数に増減があった場合、または、
コンテンツ属性記憶部に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性に変更があった場合に、
サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成する構成を有している。
【0017】
この構成により、サイネージ端末の管理数に増減があった場合、端末属性記憶部に記憶されたサイネージ端末の端末属性に変更があった場合、コンテンツの管理数に増減があった場合、または、コンテンツ属性記憶部に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性に変更があった場合に、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成することができる。
【0018】
さらに、本発明のサイネージ端末管理サーバは、コンテンツを表示する表示部と、表示部を制御する表示制御部と、を有する複数のサイネージ端末を管理するサイネージ端末管理サーバであって、
サイネージ端末の端末属性を記憶する端末属性記憶部と、
サイネージ端末に表示するコンテンツのコンテンツ属性を記憶するコンテンツ属性記憶部と、
コンテンツの放映条件を記憶する放映条件記憶部と、
端末属性記憶部に記憶されたサイネージ端末の端末属性と、コンテンツ属性記憶部に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性と、放映条件記憶部に記憶されたコンテンツの放映条件と、に基づいて、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成する放映番組スケジュール自動生成部と、を備えた構成を有している。
【0019】
この構成により、サイネージ端末の端末属性とコンテンツのコンテンツ属性とコンテンツの放映条件とを記憶でき、記憶したサイネージ端末の端末属性とコンテンツのコンテンツ属性とコンテンツの放映条件とに基づいて、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のデジタルサイネージシステム及びサイネージ端末管理サーバは、サイネージ端末の端末属性とコンテンツのコンテンツ属性とコンテンツの放映条件とに基づいて、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成するため、放映番組スケジュール作成にかかる工数を大幅に削減することができる。
【0021】
さらに、同一の隣接属性を有するコンテンツを同一のサイネージ端末で連続して表示しない、または、同一の隣接属性を有するサイネージ端末間で同一の隣接属性を有するコンテンツを同時刻に表示しないようにしたため、ライバル会社の広告コンテンツを特定のサイネージ端末に連続して表示しない、または、同時刻に表示しないような放映番組スケジュールを自動生成できるという効果を有するデジタルサイネージシステム及びサイネージ端末管理サーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1におけるデジタルサイネージシステムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における放映番組スケジュール生成のフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1におけるサイネージ端末の端末属性の例を示す図
【図4】本発明の実施の形態1におけるコンテンツのコンテンツ属性の例を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における放映番組スケジュールの生成処理の例を示す図
【図6】本発明の実施の形態1における放映番組スケジュールの例を示す図
【図7】本発明の実施の形態2におけるコンテンツのコンテンツ属性に含まれる隣接属性の例を示す図
【図8】本発明の実施の形態2における放映番組スケジュールの例を示す図
【図9】本発明の実施の形態3におけるサイネージ端末の端末属性に含まれる隣接属性の例を示す図
【図10】本発明の実施の形態3における放映番組スケジュールの例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態のデジタルサイネージシステムについて、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるデジタルサイネージシステムの構成を示すブロック図である。
【0025】
図1において、本実施の形態におけるデジタルサイネージシステムは、複数のサイネージ端末10とサイネージ端末管理サーバ30とを通信ネットワーク20を介して接続したデジタルサイネージシステムであって、サイネージ端末10は、街頭、駅、店頭、店舗などに設置される電光掲示板、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどで文字情報のスクロール表示、静止画、動画などを表示する表示端末である。
【0026】
サイネージ端末管理サーバ30から通信ネットワーク20を介して配信された広告主から依頼された広告、各種イベントの案内、地震情報や火災情報などを含む緊急通報などのコンテンツを表示する表示部11と、表示ための各種制御を行なう表示制御部12とを備えている。
【0027】
通信ネットワーク20は、複数のサイネージ端末10とサイネージ端末管理サーバ30とを接続する公衆通信回線または専用通信回線である。
【0028】
サイネージ端末管理サーバ30は、個々のサイネージ端末10の設置場所や設置地域などの端末属性を記憶する端末属性記憶部31と、個々のサイネージ端末10に表示するコンテンツのコンテンツ属性を記憶するコンテンツ属性記憶部32と、個々のサイネージ端末10に表示するコンテンツの放映日時指定や放映地域指定などの放映条件を記憶する放映条件記憶部33と、端末属性記憶部31に記憶された個々のサイネージ端末10の端末属性とコンテンツ属性記憶部32に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性と放映条件記憶部33に記憶された個々のコンテンツの放映条件とに基づいて、個々のサイネージ端末10で表示する放映番組スケジュールを自動生成する放映番組スケジュール生成部34とを備え、通信ネットワーク20を介して接続されている全てのサイネージ端末10を集中管理している。
【0029】
なお、サイネージ端末管理サーバ30には、図示していない入力部と表示部を有すコンピュータが接続されており、各種データの入力、記憶している属性の表示、生成した放映番組スケジュールの表示、サイネージ端末毎の稼働率表示などを行なうことができる。
【0030】
以上のように構成されたデジタルサイネージシステムについて、図2のフローチャートを用いて放映番組スケジュールの自動生成について説明する。
【0031】
まず、サイネージ端末管理サーバ30の端末属性記憶部31に記憶されている全てのサイネージ端末10と端末属性を抽出する(S21)。
【0032】
図3は、抽出されたサイネージ端末10の端末属性の例を示した図である。
図3において、端末属性の属性項目は、売り場、地域、店舗種別で、それぞれの属性項目に対する属性値は表に示す通りである。
【0033】
例えば、「サイネージ端末1」は、中部地域に立地する直営店の食品売り場に設置されている。また、「サイネージ端末2」は、関西地域に立地するFC店の家電売り場に設置されていることを表している。
【0034】
説明を簡素化するため端末属性の属性項目を売り場、地域、店舗種別に限定して表示したが、実際の運用では広域にわたり設置されたサイネージ端末毎の詳細な設置環境、分類などが容易に判別できるように多数の属性項目を採用する。
【0035】
次に、サイネージ端末管理サーバ30のコンテンツ属性記憶部32に記憶されている全てのコンテンツの中から放映番組スケジュールの対象となるコンテンツとコンテンツのコンテンツ属性を抽出する(S22)。
【0036】
図4は、抽出されたコンテンツのコンテンツ属性の例を示した図である。
図4において、コンテンツ属性の属性項目は、売り場、地域、店舗種別で、それぞれの属性項目に対する属性値は表に示す通りである。
【0037】
例えば、コンテンツAは、全ての売り場に設置されたサイネージ端末10、全ての地域に設置されたサイネージ端末10及び直営店に設置されたサイネージ端末10が表示対象となる。また、コンテンツCは、全ての売り場に設置されたサイネージ端末10、全ての地域に設置されたサイネージ端末10及び全ての店舗に設置されたサイネージ端末10が表示対象となる。
【0038】
次に、対象となるコンテンツの放映条件をサイネージ端末管理サーバ30の放映条件記憶部33より取得する(S23)。
【0039】
コンテンツの放映条件は、コンテンツを放映する放映日時指定、放映地域指定、放映回数指定、放映枠指定などの放映条件で、全てのコンテンツに指定条件の有無と指定条件有りの場合は、その内容が登録されている。
【0040】
次に、抽出したサイネージ端末10の端末属性と抽出したコンテンツのコンテンツ属性と取得したコンテンツの放映条件とに基づいて、個々のサイネージ端末10で放映する放映番組スケジュールを自動生成する(S24)。
【0041】
以下に、放映番組スケジュールの自動生成の生成処理について図5を用いて説明する。
なお、ここでは説明を簡素化するため、抽出したコンテンツには放映条件の指定が無いものとする。
【0042】
図5は、図3に示したサイネージ端末10の端末属性と図4に示したコンテンツのコンテンツ属性より放映番組スケジュールの生成処理の例を示す図で、図中の○または×は、「サイネージ端末3」における端末属性とコンテンツ属性のマッチングの可否を表している。
【0043】
まず、「サイネージ端末3」の端末属性は、図3より、属性項目の売り場に対する属性値は紳士服、属性項目の地域に対する属性値は東北、属性項目の店舗種別に対する属性値は直営店であり、そのことが図5に表示される。
【0044】
次に、コンテンツAのコンテンツ属性は、図4より、全ての売り場に設置されたサイネージ端末10、全ての地域に設置されたサイネージ端末10及び直営店に設置されたサイネージ端末10が表示対象であり、この条件と前述の端末属性とのマッチング処理を行なう。
【0045】
まず、属性項目の売り場と地域は、全てが対象のため紳士服売り場と東北地域はマッチングすることになり○が付与される。さらに、属性項目店舗種別の属性値は直営店であるが端末属性の属性値も直営店であり、両者はマッチングすることになり○が付与される。
【0046】
この結果、コンテンツAは、全ての項目において○が付与されためマッチング総合評価は○となる。すなわち、「サイネージ端末3」は、コンテンツAを表示するサイネージ端末10となる。
【0047】
同様に、図4よりコンテンツBのコンテンツ属性は、食品売り場に設置されたサイネージ端末10、全ての地域に設置されたサイネージ端末10及び全ての店舗種別に設置されたサイネージ端末10が表示対象であり、この条件と前述の端末属性とのマッチング処理を行なう。
【0048】
まず、属性項目の売り場は食品であり、紳士服売り場とマッチングせず×が付与される。また、属性項目の地域と店舗種別は全てが対象のため紳士服売り場と東北地域はマッチングすることになり○が付与される。
【0049】
この結果、コンテンツBは、全ての項目において○が付与されなかったためマッチング総合評価は×となる。すなわち、「サイネージ端末3」は、コンテンツBを表示しないサイネージ端末10となる。
【0050】
同様に、コンテンツCのマッチング処理を行なうとマッチング総合評価に○となり、「サイネージ端末3」は、コンテンツCを表示するサイネージ端末10となる。
【0051】
以上のことより、「サイネージ端末3」は、コンテンツAとコンテンツCを表示するサイネージ端末10となり、コンテンツAとコンテンツCを含む放映番組スケジュールが生成できたことになる。
【0052】
同様にして、図3に表示されている全てのサイネージ端末10の端末属性と図4に表示されている全てのコンテンツのコンテンツ属性より放映番組スケジュールの生成処理をした結果が図6である。
【0053】
図6において、例えば、「サイネージ端末1」の放映番組スケジュールは、コンテンツAとコンテンツBとコンテンツCを順番に繰り返し表示するスケジュールとなる。また、「サイネージ端末3」と「サイネージ端末4」の放映番組スケジュールは、コンテンツAとコンテンツCを繰り返し表示するスケジュールとなる。
【0054】
以上のように、本実施の形態のデジタルサイネージシステムは、サイネージ端末の端末属性とコンテンツのコンテンツ属性とコンテンツの放映条件とに基づいて、サイネージ端末の管理台数の多少にかかわらずサイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成するため、放映番組スケジュール作成にかかる工数を大幅に削減できるとともに、手作業による入力作業を伴わないため設定ミスの削減を図ることができる。
【0055】
なお、以上の本実施の形態では、サイネージ端末管理サーバに記憶されている全てのサイネージ端末と端末属性を抽出するように説明したが、本発明はこれに限ることなく、放映番組スケジュールの対象となるコンテンツの属性値に地域性がある場合などは、サイネージ端末管理サーバに記憶されている全てのサイネージ端末を抽出するのでなく、サイネージ端末の属性値より地域性に関係するサイネージ端末のみを抽出するようにしてもよい。
【0056】
また、以上の本実施の形態では、コンテンツの放映条件はないものとしてサイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成するように説明したが、コンテンツの放映条件がある場合には、個々のサイネージ端末の端末属性とコンテンツのコンテンツ属性とに基づいて自動生成された放映番組スケジュールに、コンテンツの放映日時指定、放映地域指定、放映回数指定、放映枠指定などの登録された放映条件を加味して再生成すればよい。
【0057】
また、以上の本実施の形態では、サイネージ端末の管理数とコンテンツの管理数は一定であるとして説明したが、サイネージ端末の管理数に増減があった場合、端末属性記憶部に記憶されたサイネージ端末の端末属性に変更があった場合、コンテンツの管理数に増減があった場合、または、コンテンツ属性記憶部に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性に変更があった場合には、変更後の条件でサイネージ端末毎の放映番組スケジュールを再生成すればよく、各種の変更に迅速且つ容易に対応できる。
【0058】
(実施の形態2)
本実施の形態2におけるデジタルサイネージシステムの構成を示すブロック図は、実施の形態1のデジタルサイネージシステムの構成を示すブロック図と同じであるので省略する。
【0059】
本実施の形態は、コンテンツ属性記憶部32に記憶されているコンテンツのコンテンツ属性に、同一の隣接属性を有するコンテンツを同一のサイネージ端末10に連続して表示することを禁止する隣接属性を付与している点が相違するものである。
【0060】
図7は、コンテンツのコンテンツ属性に含まれる隣接属性の例を示す図である。
【0061】
図7を用いて、放映番組スケジュール生成部34で生成される放映番組スケジュールの生成処理を説明する。
【0062】
図7において、コンテンツ属性の属性項目は、業種、会社名、商品で、それぞれの属性項目に対する属性値は表に示す通りである。さらに、業種と商品の属性項目には同一の隣接属性を有するコンテンツを同一のサイネージ端末10に連続して表示することを禁止する隣接属性が付与されている。なお、図中の■は、隣接属性が付与されていることを表し、また、図中の□は、隣接属性が付与されていないことを表している。
【0063】
例えば、コンテンツAは、家電業種P電器のテレビに関する広告コンテンツで属性値の家電に隣接属性が付与され、属性値のテレビには隣接属性が付与されていない。すなわち、コンテンツAは、属性値が家電に属する他の広告コンテンツを同一のサイネージ端末10に連続して表示することを禁止し、属性値がテレビに属する他の広告コンテンツを同一のサイネージ端末10に連続して表示することを禁止していない。
【0064】
また、コンテンツBは、家電業種H家電のテレビに関する広告コンテンツで属性値の家電とテレビのいずれにも隣接属性が付与されていない。すなわち、コンテンツBは、属性値が家電とテレビに属する他の広告コンテンツを同一のサイネージ端末10で連続して表示することを禁止していない。
【0065】
また、コンテンツCは、家電業種S電機のビデオに関する広告コンテンツで属性値の家電とビデオのいずれにも隣接属性が付与されている。すなわち、コンテンツCは、属性値が家電とビデオに属する他の広告コンテンツを同一のサイネージ端末10で連続して表示することを禁止している。コンテンツDおよびコンテンツEに関する説明は上述と同様のため省略する。
【0066】
次に、具体的な放映番組スケジュールの生成処理について説明する。
まず、図中の最上位に位置するコンテンツAを最初に抽出する。
【0067】
次に、抽出されたコンテンツAは、属性値の家電にのみ隣接属性が付与されているため、家電以外の業種に該当する業種を図中より検索し、該当する業種が複数存在する場合は図中の上位データを選択する。以上の検索条件より、ここでは業種が食品のコンテンツDが抽出される。
【0068】
次に、抽出されたコンテンツDは、属性値の食品とビールの両方に隣接属性が付与されている。隣接属性が複数付与されている場合は、図中の左側データを選択する。以上の検索条件より、ここでは業種が家電のコンテンツBが抽出される。なお、業種が家電のコンテンツAは既に抽出されているので対象外となる。
【0069】
次に、抽出されたコンテンツBは、属性値のいずれにも隣接属性が付与されていないため検索に制約が無いことになり、図中に残っている上位に位置するコンテンツCが抽出される。
【0070】
次に、抽出されたコンテンツCは、属性値の家電とビデオの両方に隣接属性が付与されているが前述した通り図中の左側に位置する家電以外の業種に該当する業種を図中より検索する。検索条件は前述の通りであるが、ここでは図中にコンテンツEしか残っていないためコンテンツEを抽出する。
【0071】
以上のようにして抽出したコンテンツの順番がそのまま放映番組スケジュールの表示順番となる。
【0072】
図8は、生成された放映番組スケジュールの例を示す。
【0073】
コンテンツAを最初に表示し、コンテンツAの表示が終了すると続いてコンテンツDを表示し、以降コンテンツB、コンテンツC、コンテンツEの順番で表示する。コンテンツEの表示が終了するとコンテンツAに戻る。このようにコンテンツAからコンテンツEを繰り返し表示する放映番組スケジュールを表している。
【0074】
以上のように、本実施の形態のデジタルサイネージシステムは、同一の隣接属性を有するコンテンツを同一のサイネージ端末に連続して表示することを禁止する隣接属性に基づいてコンテンツの表示順番を決定するため、同一のサイネージ端末にライバル会社の広告コンテンツを連続して表示しないように自動的に調整した放映番組スケジュールを生成できる。
【0075】
なお、以上の本実施の形態では、コンテンツの最優先順位や検索結果が複数存在するときの選択は、図中の最上位データまたは図中の左側データを選択するように説明したが、本発明はこれに限ることなく、事前に選択の優先順位を設定しておくような方法であってもよい。こうすることによって特定のコンテンツを常時最初に表示することができる。
【0076】
また、選択対象となる項目に乱数を付与し、ランダムにデータを選択するようにしてもよい。こうすることによって表示順位をランダム化することができる。
【0077】
(実施の形態3)
本実施の形態3におけるデジタルサイネージシステムの構成を示すブロック図は、実施の形態1のデジタルサイネージシステムの構成を示すブロック図と同じであるので省略する。
【0078】
本実施の形態は、端末属性記憶部31に記憶されているサイネージ端末10の端末属性に、同一の隣接属性を有するサイネージ端末間で同一の隣接属性を有するコンテンツを同時刻に表示することを禁止する隣接属性を付与している点が相違するものである。
【0079】
図9は、サイネージ端末10の端末属性に含まれる隣接属性の例を示す図である。
【0080】
図9を用いて、放映番組スケジュール生成部34で生成される放映番組スケジュールの生成処理を説明する。
【0081】
図9において、サイネージ端末毎の隣接属性の属性項目は、設置場所と駅名で、それぞれの属性項目に対する属性値は表に示す通りである。
【0082】
例えば、「サイネージ端末A」と「サイネージ端末B」とは、JR東京駅のコンコースに設置されている。すなわち、「サイネージ端末A」と「サイネージ端末B」間では設置場所が距離的に近接しており同一のコンテンツを同時刻に表示することを禁止している。
【0083】
また、「サイネージ端末C」は、京急品川駅に設置されている。すなわち、「サイネージ端末C」と「サイネージ端末A」間または「サイネージ端末C」と「サイネージ端末B」間では設置場所が距離的に離れているため同一のコンテンツを同時刻に表示することを禁止していないことになる。
【0084】
図8に示した放映番組スケジュールを図9の隣接属性に基づいて、自動生成した放映番組スケジュールの例を図10に示す。
【0085】
「サイネージ端末A」と「サイネージ端末B」は設置場所が距離的に近接しており同一のコンテンツを同時刻に表示することを禁止されているため、同時刻に同一のコンテンツが表示されないように放映番組スケジュールを調整したものである。すなわち、「サイネージ端末A」で表示される放映番組スケジュールは、コンテンツAを最初に表示し、コンテンツAの表示が終了すると続いてコンテンツDを表示し、以降コンテンツB、コンテンツC、コンテンツEの順番で表示する。コンテンツEの表示が終了するとコンテンツAに戻る。
【0086】
これに対し「サイネージ端末B」で表示される放映番組スケジュールは、コンテンツDを最初に表示、コンテンツDの表示が終了すると続いてコンテンツBを表示し、以降コンテンツC、コンテンツE、コンテンツAの順番で表示する。コンテンツAの表示が終了するとコンテンツDに戻る。
【0087】
また、「サイネージ端末C」と「サイネージ端末A」間、または、「サイネージ端末C」と「サイネージ端末B」間では設置場所が距離的に離れているため同一のコンテンツを同時刻に表示することを禁止していないため、「サイネージ端末C」と「サイネージ端末A」間は同一の放映番組スケジュールを採用したものである。
【0088】
以上のように、本実施の形態のデジタルサイネージシステムは、同一の隣接属性を有するサイネージ端末間で同一の隣接属性を有するコンテンツを同時刻に表示することを禁止する隣接属性に基づいてコンテンツの表示順番を決定するため、設置場所が距離的に近接したサイネージ端末間で同時刻に同一のコンテンツが表示されないように自動的に調整した放映番組スケジュールを生成できる。
【0089】
以上のように、本実施の形態のデジタルサイネージシステムは、同一の隣接属性を有するコンテンツを同一のサイネージ端末に連続して表示することを禁止する隣接属性に基づいてコンテンツの表示順番を決定するため、同一のサイネージ端末にライバル会社の広告コンテンツを連続して表示しないように自動的に調整した放映番組スケジュールを生成できる。
【0090】
以上のように、本実施の形態のデジタルサイネージシステムは、同一の隣接属性を有するコンテンツを同一のサイネージ端末に連続して表示することを禁止する隣接属性に基づいてコンテンツの放映順番を決定するため、設置場所が距離的に近接したサイネージ端末間で同時刻に同一のコンテンツが表示されないように自動的に調整した放映番組スケジュールを生成できる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明にかかるデジタルサイネージシステム及びサイネージ端末管理サーバは、サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成するという効果を有し、デジタルサイネージシステムに有用である。
【符号の説明】
【0092】
10 サイネージ端末
11 表示部
12 表示制御部
20 通信ネットワーク
30 サイネージ端末管理サーバ
31 端末属性記憶部
32 コンテンツ属性記憶部
33 放映条件記憶部
34 放映番組スケジュール生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサイネージ端末とサイネージ端末管理サーバとを通信ネットワークを介して接続したデジタルサイネージシステムであって、
前記サイネージ端末は、
コンテンツを表示する表示部と、
前記表示部を制御する表示制御部と、を備え、
前記サイネージ端末管理サーバは、
前記サイネージ端末の端末属性を記憶する端末属性記憶部と、
前記サイネージ端末に表示するコンテンツのコンテンツ属性を記憶するコンテンツ属性記憶部と、
前記コンテンツの放映条件を記憶する放映条件記憶部と、
前記端末属性記憶部に記憶されたサイネージ端末の端末属性と、前記コンテンツ属性記憶部に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性と、前記放映条件記憶部に記憶されたコンテンツの放映条件と、に基づいて、前記サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成する放映番組スケジュール生成部と、を備えたことを特徴とするデジタルサイネージシステム。
【請求項2】
前記コンテンツ属性記憶部に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性は、前記サイネージ端末に連続して表示することを禁止する隣接属性を含み、
前記放映番組スケジュール生成部は、同一の隣接属性を有するコンテンツを同一のサイネージ端末で連続して表示しないように、前記サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成することを特徴とする請求項1記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項3】
前記端末属性記憶部に記憶されたサイネージ端末の端末属性は、前記コンテンツを同時刻に表示することを禁止する隣接属性を含み、
前記放映番組スケジュール生成部は、同一の隣接属性を有するサイネージ端末間で同一の隣接属性を有するコンテンツを同時刻に表示しないように、前記サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成することを特徴とする請求項2記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項4】
前記放映番組スケジュール生成部は、前記サイネージ端末への放映番組スケジュールをランダムに自動生成することを特徴とする請求項1記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項5】
前記放映番組スケジュール生成部は、
前記サイネージ端末の管理数に増減があった場合、
前記端末属性記憶部に記憶されたサイネージ端末の端末属性に変更があった場合、
前記コンテンツの管理数に増減があった場合、または、
前記コンテンツ属性記憶部に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性に変更があった場合に、
前記サイネージ端末への放映番組スケジュールを自動生成することを特徴とする請求項1記載のデジタルサイネージシステム。
【請求項6】
コンテンツを表示する表示部と、前記表示部を制御する表示制御部と、を有する複数のサイネージ端末を管理するサイネージ端末管理サーバであって、
前記サイネージ端末の端末属性を記憶する端末属性記憶部と、
前記サイネージ端末に表示するコンテンツのコンテンツ属性を記憶するコンテンツ属性記憶部と、
前記コンテンツの放映条件を記憶する放映条件記憶部と、
前記端末属性記憶部に記憶されたサイネージ端末の端末属性と、前記コンテンツ属性記憶部に記憶されたコンテンツのコンテンツ属性と、前記放映条件記憶部に記憶されたコンテンツの放映条件と、に基づいて、前記サイネージ端末毎の放映番組スケジュールを自動生成する放映番組スケジュール自動生成部と、
を備えたことを特徴とするサイネージ端末管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−226017(P2012−226017A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91424(P2011−91424)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】