説明

デジタル媒体の再生装置

【課題】デジタル・データ・キャリヤからデータを読出すための読取り装置を提供する。
【解決手段】デインターリービング・ユニットが、入力データのストリームから第1のバッファ領域を満たし、入力データのストリームから第2のバッファ領域を満たし、第1のバッファ領域を奇数バッファ領域として指定し、第2のバッファ領域を偶数バッファ領域として指定し、第3のバッファ領域を入力バッファ領域として指定し、奇数バッファ領域および偶数バッファ領域から交互に抽出することにより出力データ・ストリームを発生し、出力データを発生する間、入力バッファを満たすことにより、データのストリームを処理すると、第2のバッファ領域を奇数バッファ領域として再指定し、第3のバッファ領域を偶数バッファ領域として再指定し、第1のバッファ領域を入力バッファ領域として再指定し、再指定されたバッファ領域を用いてデータの処理を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト・ディスク(CD)のようなデジタル媒体の読み出し、およびデジタル媒体から入手したデータの処理に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、オーディオCDを再生する際に使用するためのCDリーダおよびデコーダの代表的なアーキテクチャである。参照番号500は、コンパクト・ディスクを示す。読取り装置501は、モータ502によりCDに対して半径方向に移動することができ、モータ503により焦点を合わせるために、CDに対して軸方向に移動することができる。モータ504は、CDを回転させ、その結果、CDは読取り装置上で回転する。読取り装置は、CDの表面の方を向いているレーザ505、およびCDから読み出したデータ、およびCDに対するヘッドの焦点の程度を示す出力を供給する多数のセンサ506を備える。参照番号507は、ヘッドのセンサからのアナログの形の全出力を示す。
【0003】
出力は、制御装置508に送られ、この制御装置は、モータ502および503によるヘッドの半径方向の移動およびヘッドの焦点、およびモータ504によるCDの回転速度を制御するために検出した情報を使用する。制御装置508は、従来通り、集積回路として構成されるが、この集積回路は、アナログ処理部材である。
【0004】
出力は、また、データ処理装置509にも送られ、このデータ処理装置は、CDからのデジタル・オーディオ・データを運ぶデジタル出力ストリームを形成するために検出した情報を処理する。従来のCD CIRC(交差インターリーブ・リード・ソロモン誤り訂正)復号プロセスによれば、データ処理装置509は、デジタルフェーズロックループ(PLL)を実施し、2つのレベルのデインターリービングおよび2つのレベルのリード・ソロモン誤り訂正(C1およびC2)復号を運び、最後に、以降の処理デバイスに送信するために、参照符号510のところで、I2S(IC間サウンド)フォーマットでデジタル出力を発生する。制御装置509は、従来通りもう1つの集積回路として構成され、この集積回路は、主としてデジタル処理部材である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の実施の場合には、ユニット508および509は、別々の集積回路(IC)上で実施された。ユニット508は、主としてアナログ処理回路であり、ユニット509は、主としてデジタル処理回路であるので、これらの集積回路をこのように別々にするのは、ICの製造を容易にし、製造コストを安くするために、非常に有利である。しかし、CDプレーヤの組立の段階で、2つの別々の集積回路を使用すると、かなり広い回路基板領域を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも3つのバッファ領域を備えたデインターリービング・ユニットであって、デインターリービング・ユニットが、入力データ・バイトのストリームから第1のバッファ領域を満たし、入力データ・バイトのストリームから第2のバッファ領域を満たし、第1のバッファ領域を奇数バッファ領域として指定し、第2のバッファ領域を偶数バッファ領域として指定し、第3のバッファ領域を入力バッファ領域として指定し、奇数バッファ領域および偶数バッファ領域からそれぞれ奇数バイトおよび偶数バイトを交互に抽出することにより出力データ・ストリームを発生し、出力データ・ストリームを発生する間、入力バッファを入力データ・バイトのストリームから満たすことにより、データ・バイトのストリームを処理し、データ・バイトのストリームを処理すると、第2のバッファ領域を奇数バッファ領域として再指定し、第3のバッファ領域を偶数バッファ領域として再指定し、第1のバッファ領域を入力バッファ領域として再指定し、再指定されたバッファ領域を用いてデータ・バイトのストリームの処理を繰り返すよう構成されることを特徴とする。
【0007】
本発明は、デジタル・データ・キャリヤからデータを読み出すための読取り装置であって、データ・キャリヤからデータを検出し、検出したデータを示すセンサ信号を発生するためのセンサを含む読取りヘッドと、ヘッド位置決め制御信号に応じて、データ・キャリヤに対してヘッドを位置決めするためのヘッド位置決め装置と、検出したデータを受信し、ヘッド位置決め制御信号を発生するために、検出したデータを処理するための記憶命令セットに従って動作することができるヘッド位置決めコントローラと、デジタル出力信号を形成するために、検出したデータを復号するためのデータ・デコーダとを備え、該データ・デコーダが、記憶命令セットに従って、検出したデータに応じて発生したデータを処理するために動作することができるデータ・プロセッサを含むソフトウェア・セクションと、請求項1に記載のデインターリービング・ユニットとを備える。
好適には、デジタル・データ・キャリヤは、例えば、コンパクト・ディスク、DVDまたはミニディスクのようなディスクであることが好ましい。
ヘッド位置決め装置は、データ・キャリヤを回転するためのスピンドル・モータを備えることができる。
【0008】
誤り検出装置は、誤り検出入力データを正しく受信し、誤り検出入力データに応じて、リード・ソロモン誤り訂正の際に使用するためのシンドロームを適当に生成することができる。ソフトウェア・セクションは、検出したデータから得たデータを誤り検出装置に適用し、結果として得られるシンドロームを受信し、検出したデータから得たデータに対して、誤り検出動作を行うために、上記シンドロームを処理することができる。
【0009】
読取り装置は、検出したデータから得たデータを記憶するためのバッファを備える。バッファとしては、検出したデータから得たデータを記憶するための専用バッファを適当に使用することができる。
【0010】
データ・パッケージング・ユニットは、14ビットのバイトを受信し、それに応じて対応する8ビットのバイトを適当に生成することができる。好適には、データ・パッケージング・ユニットは、受信した14ビットのバイトに応じて、対応する8ビットのバイトを生成するための論理処理回路を備えることが好ましい。それとは別に、データ・パッケージング・ユニットは、参照動作を行うことができる。
【0011】
また、本発明は、少なくとも3つのバッファ領域を含む記憶装置により、データをデインターリーブするための方法であって、3つのバッファ領域の第1のバッファ領域を入力データ・バイトのストリームから満たすステップと、少なくとも3つのバッファ領域の第2のバッファ領域を入力データ・バイトのストリームから満たすステップと、第1のバッファ領域を奇数バッファ領域として指定し、第2のバッファ領域を偶数バッファ領域として指定し、第3のバッファ領域を入力バッファ領域として指定するステップと、奇数バッファ領域および偶数バッファ領域からそれぞれ奇数バイトおよび偶数バイトを交互に抽出することにより出力データ・ストリームを発生し、出力データ・ストリームを発生する間、入力バッファを入力データ・バイトのストリームから満たすことにより、データ・バイトのストリームを処理するステップと、データ・バイトのストリームを処理するステップの後、第2のバッファ領域を奇数バッファ領域として再指定し、第3のバッファ領域を偶数バッファ領域として再指定し、第1のバッファ領域を入力バッファ領域として再指定するステップと、再指定されたバッファ領域を用いて前記データ・バイトのストリームの処理を繰り返すステップとを含む。
【0012】
上記方法において、データ・バイトのストリームを処理するステップの後、第3のバッファ領域を奇数バッファ領域として再指定し、第1のバッファ領域を偶数バッファ領域として再指定し、第2のバッファ領域を入力バッファ領域として再指定するステップと、再指定されたバッファ領域を用いて前記データ・バイトのストリームの処理を繰り返すステップとをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】先行技術のCD読取り組立体のアーキテクチャである。
【図2】オーディオ・システムの一般的アーキテクチャである。
【図3】オーディオ・システムの一般的アーキテクチャである。
【図4】オーディオ・システムの一般的アーキテクチャである。
【図5】オーディオ・システムの一般的アーキテクチャである。
【図6】オーディオ・システムの一般的アーキテクチャである。
【図7】図2〜図6のシステムで使用するための集積回路のアーキテクチャである。
【図8】図7の集積回路のデジタル信号プロセッサのアーキテクチャである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照しながら、本発明について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
これらの図面中、類似の参照番号は、類似の部材を示す。
図2〜図6のオーディオ・システムは、例えば、家庭用ハイファイ・システムのような音響再生のためのものである。オーディオ・システムは、オーディオ・ソース・デバイス、制御デバイス、および出力デバイスを備え、これらすべてのデバイスは、中央マイクロプロセッサ1により接続している。中央マイクロプロセッサは、デジタルの形のアナログ・オーディオ・ソース、およびスイッチ・マトリックスおよび赤外線リモコンのようなユーザ・インタフェース・デバイスを含むインタフェースを含むすべてのオーディオ・ソースからの信号を処理する。
【0015】
このように中央マイクロプロセッサを使用することにより、従来のシステムよりも遥かに高度の集積を行うことができる。その結果、必要な部材の数が少なくなり、製造および試験が容易になり、システムの完成品の大きさおよびコストを低減することができる。さらに、このタイプのシステムを使用すれば、ソフトウェアによりシステムの機能を定義することができ、その結果、1つのハードウェア装置を大量製造することができ、その上で動作しているソフトウェアにより特定の実施に適応することができる。
【0016】
オーディオ・ソース・デバイスは、全体を参照番号2で示す無線チューナ、全体を参照番号3で示すCDプレーヤ、全体を参照番号4で示すカセット・プレーヤおよびレコーダである。DVD、ミニディスクまたはMP3プレーヤおよび/またはレコーダ、テレビ受像機およびマイクロホンのような(しかし、これらに限定されない)他のデバイスも、オーディオ入力を供給する。
【0017】
無線チューナ2は、FM(周波数変調)アンテナ200、およびAM(振幅変調)アンテナ201を備える。FMアンテナからの信号は、FM復調セクション202内で、中央マイクロプロセッサ1の制御下にあるシンセサイザ204から得られる、参照番号203で示す同調信号と混合することにより復調され、ステレオ・デコーダ206により左右のステレオ信号に復号される。都合の良いことに、ステレオ・デコーダは、同じICまたは他の部材としての他のIC上で実施することができる。結果として得られるアナログ・オーディオ信号は、参照番号207を通過して、コーデック・ユニット5に送られる。
【0018】
可変キャパシタンス・ダイオード208は、シンセサイザ204を通して、直列コントローラ20から得られる、参照番号209で示す同調信号の制御下で、AM受信に同調するために使用される。受信したAM信号は、復号されてアナログ・オーディオ信号になり、この信号は参照番号213を通り、コーデック・ユニット5に送られる。FM受信またはAM受信の選択は、直列コントローラ20からの選択信号214の制御下の信号切替えにより行われる。それ故、無線チューナ・セクションは、直列コントローラ20の制御下で、選択したFMまたはAM周波数で信号を受信し、コーデック・ユニット5に送られるオーディオ出力信号を発生することができる。
【0019】
コンパクト・ディスク、(CD)プレーヤ3は、一組のレーザ・ダイオード301、トラッキングおよび焦点モータ302、303、および6つの検出ダイオード304−309を含む従来のデータ検出ハードウェアを備える。レーザ・ダイオードは、直列コントローラ20からの、参照番号310のところでのイネーブル信号により動作可能になる。トラッキング・ドライブ、焦点ドライブ、スレッド・ドライブ、およびスピンドル・ドライブは、中央マイクロプロセッサからのノイズ成形DACデジタル制御信号311、312、312aおよび312bにより制御される。これら各制御信号は、各ドライブ信号319、320を供給するために、低域フィルタR−Cネットワーク313、314、314a、314bによりアナログに変換される。
【0020】
検出ダイオード304−309からの出力は、4つのアナログ出力322−324、324aを発生するために、低域フィルタおよび和/差回路を含む復号装置321に送られる。これらの出力は、中央マイクロプロセッサ1に送られる4つのデジタル信号328−330、328aを形成するために、シグマ−デルタ変調装置325−327、327aによりデジタル・ビット・ストリームに変換される。4つのビット・ストリームは、CDから読み出したデータを回復し、読取りヘッドを正しい焦点に位置させ、CDとの整合を行うために使用される。それ故、直列コントローラ20により動作可能になった場合、CDプレーヤは、中央マイクロプロセッサからのデジタル信号311、312、312a、312bの制御下で、CDを読み出し、デジタル・データ・ビット・ストリームをマイクロプロセッサに返送することができる。CDおよびその搬送トレイの駆動は、通常、図1には示していないモータにより行われる。
【0021】
この実施形態の場合には、焦点モータ、スピンドル・モータおよびトラッキング・モータの制御、およびCDから読み出したデータの復号は、中央マイクロプロセッサにより行われる。それ故、図1のシステムとは対照的に、制御動作および復号動作のために個々の集積回路は使用されない。代わりに、CD復号動作は、ECCアクセラレータ521のサポートにより、中央マイクロプロセッサ1のCDデコーダ・ユニット520で行われ、制御動作は、マイクロプロセッサ1の焦点およびトラッキング制御装置522で行われる。
【0022】
スピンドル速度制御動作を含むサーボ・モータ制御動作は、デジタル・ハードウェアを使用する中央マイクロプロセッサの焦点およびトラッキング制御装置522により、ソフトウェアで行われる。そのため、ほとんどがデジタル中央マイクロプロセッサ上で、サーボ・モータ制御動作を容易に行うことができる。焦点およびトラッキング制御装置の動作に対するソフトウェア命令は、ユニット自身内またはチップ外部のRAM16内に記憶することができる。
CDサーボの動作のためのソフトウェアは、基本的には、3つのセクション、すなわち、焦点セクション、スピンドル・モータ制御セクション、およびトラッキング・セクションからなる。CDをプレーヤ内にロードすると、ソフトウェアの制御下で、下記のステップが行われる。
【0023】
・スピンドル・モータは、一定の公称速度に設定される。
・読取りヘッドの装着部材が、ディスクの中央に移動する。
・ヘッドの焦点を制御するヘッド・コイルは、その中央位置に設置される。
・焦点の校正は、焦点が検出されるまで、ヘッドを内側および外側に移動し、それに必要な駆動範囲を決定することにより行われる。
・この範囲情報により、焦点サーボを引き続き行うことができる。
・焦点が合ったヘッドからのCDデータと整合しているCDフェーズロックループを使用することにより、一定速度の生のCDデータを4.32MHzで供給するために、スピンドル・モータ速度が制御される。
【0024】
・この時点で、サーボ・ソフトウェアの個々のトラック・トラッキング・セクションが動作可能になる。要するに、これにより、CD表面上の1.6μm幅のトラックをトレースするために、(ヘッドの磁気コイルおよび、次に、スレッドにより)ヘッドが動作することができるようになる。
・ヘッドは、目次が読み出されるまで、一番内側のトラックをトレースする。この領域から得られる情報は、ディスク上の最初および最後のトラックの数、読み出し開始時間、およびトラック数開始時間を含む。この情報は、自動的またはユーザの制御下で、CD上のデータにランダムにアクセスする際に使用するためにメモリ内に記憶される。
【0025】
・次に、スピンドルが停止し、ソフトウェアはCD演奏コマンド待ちになる。
・演奏コマンドを受信すると、データの読み出しを開始するCD上の位置を決定するために、記憶している情報が使用される。スピンドル・モータが、規定速度でCDを回転するために動作可能になる。ヘッドは、スレッド・モータにより、適当な位置に位置し、ヘッド・コイルにより焦点合わせが行われる。その後で、データ読み出しがスタートし、データを読み出すにつれて、ヘッドがCD上のトラックをトレースするように、サーボが引き続き調整される。
【0026】
CD復号動作の大部分も、ソフトウェアで行われる。しかし、中央マイクロプロセッサ上の専用ハードウェアを使用して、復号プロセスの選択したステップを実行することにより、かなり効率を向上することができることが分かっている。これらのステップとは、デジタルPLL、入力データのバッファリング、いくつかの誤り検出動作、および14ビットから8ビットへのパッケージングである。
デジタルPLLは、中央マイクロプロセッサのCDデコーダ・セクション520内の、ハードウェアで直接行われる。デジタルPLL550は、復号動作を同期させるために使用するビット速度クロックを発生する。
【0027】
センサからの入力データは、専用96ビット・バッファ551内に記憶される。図2〜図6においては、バッファ551は、CDデコーダ・セクション内に位置しているが、代わりに、中央マイクロプロセッサ上の他のメモリも使用することができる。従来のデジタルCDデコーダの場合には、例えば、2キロバイトのようなかなり大容量のメモリが、入力データをバッファリングするために使用される。しかし、このシステムの効率は、ハードウェアおよびソフトウェア間での復号ステップの分担によるものなので、この実施形態の場合には、96ビットが適当であることが分かっている。
【0028】
誤り検出は、中央マイクロプロセッサの、専用誤り検出アクセラレータ(ECC)・セクション521により行われる。ECCセクションは、CDからのデータを復号する際に必要なリード・ソロモン復号ステップを加速するために、多項式除算を行うための専用ハードウェアを備える。さらに、ECCセクションは、送られてきたデータに対して排他的OR動作を実行することにより、CD規格に適合する巡回冗長検査(CRC)データを発生するための専用ハードウェアを備える。
【0029】
CDデータは、14ビット・バイトでコード化されるが、この14ビット・バイトは、最終的なデジタル・データ・ストリームを形成するために、8ビット・フォーマットにパッケージングしなければならない。従来、このパッケージングは、最初の14ビット・バイトを参照することにより、対応する8ビット語が形成される参照テーブルにより行われた。この実施形態の場合には、参照テーブルの代わりに、論理ハードウェアを使用する。論理ハードウェアは、出力として対応する8ビット・バイトを発生するために、入力14ビット・バイトを処理するように構成されている。
【0030】
デインターリービング・プロセスは、メモリの3つのブロック560、561、562を使用して行われる。8ビットにパッケージされたデータ・バイトは、第1のブロック560に順次書き込まれる。このブロックが満杯になると、入力データ・バイトは、第2のブロック561に順次書き込まれる。このブロックが満杯になると、入力データ・バイトは、第3のブロック562に順次書き込まれる。入力データが第3のブロック562に書き込まれる場合、データをデインターリーブするために、奇数および偶数のバイトは、第1および第2のブロックから交互に抽出される。データ抽出速度は、ブロックが満杯になる速度より速く、そのため、第3のブロックが満杯になる前に、データは第1および第2のブロックから抽出される。第3のブロック562が満杯になると、入力データは、第1のブロック560に書き込まれる。第1のブロック560が満杯になると、データは、第2のブロック561に書き込まれる。一方、第3および第1のブロック内に記憶しているデータは抽出され、デインターリーブされる。次に、第3のブロックが満杯になり、データが第1のブロックに書き込まれると、上記循環が反復して行われ、一方、データは、第2および第3のブロックから抽出される。このようにして、比較的狭いバッファ空間により、デインターリービングを非常に効率的に行うことができる。
【0031】
各バッファ560、561および562は、32バイト(記号)の容量を持つ。データをCD読取りシステムから受信すると、このデータは、DMA(直接メモリ・アクセス)により、バッファの中の適当などれかに書き込まれる。次に、CPUは、デインターリービングを行うために、一組のバッファ内の交互の位置からデータを読み出す。それ故、CPUは、このメモリ・アクセスの配置構成により、デインターリービング機能を効率的に行う。データがデインターリーブされると、誤り訂正を行うために、誤り訂正ソフトウェアが、CPU上で実行される。
【0032】
インターリービング・プロセスを行うために、偶数のバイトが、データで満たされる最後から2番目のバッファから取り出され、その後で、奇数のバイトが、データで満たされる最後のバッファから取り出される。このプロセスは、偶数のバイトおよび奇数のバイトにより、それぞれ反復して行われる。そうすることにより、32の記号(バイト)フレームが構成される。
このステップの後で、標準化されたC1誤り訂正が行われる。この誤り訂正の大部分は、ソフトウェアで行われるが、ハードウェアの専用エラー・チェック計算またはECCアクセラレータの論理演算装置(図8の119)もこれに協力する。これは、本質的には、32−28記号変換装置である。ECCユニットは、ハードウェアで、それに送るデータに対するシンドロームを計算し、以降の処理のためにそれをソフトウェアに返送する。
【0033】
次に、ソフトウェアは、欠陥のあるフレームの影響を最小限度にまで軽減し、この影響を動作可能な最大の修正および回復(補間)機能に、本質的に分散させるために、最高108のクロックの遅延により、主デインターリービング・プロセスを行う。
その後で、標準化されたC2プロセスが行われる。この場合も、このプロセスの大部分は、ソフトウェアで行われるが、依然としてECCロジック119が使用される。これは、28の記号を24の記号に変換する。
【0034】
このプロセスを終了させるために、最後のデインターリーブが、CDの表面の欠陥に対処するために、さらに大きな補間を成功させる目的で行われる。そのために円形バッファ技術が使用されるので、回復できないエラーを丁度良いタイミングで打ち消すための時間を入手することができ、その結果、オーディオ出力のところでは、「クリック」音は耳に聞こえない。CDモータ・スピンドル速度制御の微調整に対応するソフトウェアの制御を効果的に行うために、円形バッファの書込み速度を監視することができる(基本的スピンドル制御は、DPLL130により行われる)。
【0035】
カセット・プレーヤ/レコーダ4は、一組の読出し/書込みテープ・ヘッド、すなわち、左の読出し/書込みテープ・ヘッド400と、右の読出し/書込みテープ・ヘッド401を備える。ヘッドからのテープ読出し出力402、403は、増幅器404、405により増幅され、次に、左右のアナログ・オーディオ信号として、参照番号406、407のところでコーデック・ユニット5に送られる。増幅器410、411は、12Sインタフェース10から受信した信号412、413から、ヘッドへのテープ録音入力408、409を発生する。それ故、カセット・プレーヤ/レコーダは、コーデック・ユニット5へのオーディオ信号406、407を発生するために、カセット・テープを読み出すこともできるし、また、マイクロプロセッサからのデジタル信号414、415から入手したアナログ・データを記録することもできる。モータ(図示せず)によるカセット・テープの駆動、および消去ヘッド(図示せず)の動作は、通常通り行われる。2つ以上のカセット機構をサポートすることができる。カセット機構が2つ以上ある場合には、1つの機構により、他の機構からの再生を記録することができる。
直列コントローラ20は、直列インタフェース33によりマイクロプロセッサ1に接続している。そのリンクを通して送られる信号により、マイクロプロセッサは、直列コントローラの種々の出力を制御することができる。
【0036】
オーディオ・システムの制御デバイスは、スイッチ・マトリックス7および遠隔制御ハンドセット8である。スイッチ・マトリックス7は、ユーザが操作できるキーボードに固定されている。スイッチ・マトリックス7は、並列インタフェース9によりマイクロプロセッサ1に直接接続している。遠隔制御ハンドセット8は、マイクロプロセッサ1に接続している赤外線受信機30により受信される赤外線信号を送信する。オーディオ・システムの出力デバイスは、マイクロプロセッサ1および左右の電力増幅器12、13、および左右のラウドスピーカ14、15に直接接続している、LCD(液晶ディスプレイ)ディスプレイ・ブロック11である。ディスプレイは、外部ディスプレイ・コントローラにより駆動することができる。このディスプレイは、例えば、蛍光ディスプレイまたは陰極線管のような他の技術のディスプレイに対して特に便利である。電力増幅器は、コーデック5からの左右のアナログ・オーディオ出力信号31’、32により駆動される。読出し専用メモリ(ROM)16は、バス17によりマイクロプロセッサ1に接続している。ROMは、プロセッサが実行するソフトウェアを記憶する。
【0037】
コーデック5は、デジタル−アナログ変換およびアナログ−デジタル変換を行う。コーデック5は、左右のデジタル・オーディオ入力信号を、マイクロプロセッサ(接続21,22)に送るための、またマイクロプロセッサ1(接続23,24)から、左右のデジタル・オーディオ出力信号を送るための、マイクロプロセッサに対する接続を持つ。DSP1は、例えば、カセット録音信号用の、または、増幅器410、411によるDAC変換用の、DSP1からのPWM(パルス幅変調)されたノイズ成形信号用の、その方がいい場合には、外部DACへのインタフェースとして使用することができる12Sインタフェースを含む。コーデックは、無線チューナおよびカセット・プレーヤ/レコーダからのアナログ信号を受信するための接続207、406、407、および電力増幅器12、13へ出力信号を供給するための接続31’、32を含む。コーデックは、また、マイクロプロセッサ1からソース選択信号27を受信する。ソース選択信号に応じて、コーデック内のアナログ−デジタル経路34は、マイクロプロセッサ1への左右のデジタル・オーディオ入力信号を発生するために、オーディオ・ソース2、4のうちの選択した方からのアナログ信号をコード化することができる。同時に、コーデック内のデジタル−アナログ経路は、電力増幅器へのアナログ出力を発生するために、マイクロプロセッサからの左右のデジタル・オーディオ出力信号をコード化することができる。コーデックは、標準コード化/復号スキームを使用する。
【0038】
インタフェース10は、左右のデジタル・オーディオ信号を表す12Sフォーマットでデジタル信号を受信するために、マイクロプロセッサ1への接続414、415を含む。インタフェース10は、これらの信号をアナログの形に変換し、記録するために、それをカセット・プレーヤ/レコーダへの412、413に出力する。
【0039】
図1のアーキテクチャは、4つの集積回路を含む。その中の1つの集積回路は、無線チューナ2、コンパクト・ディスク・プレーヤ3およびカセット・プレーヤ/レコーダ4の動作をサポートするための直列コントローラ20と専用回路を備える。もう1つの集積回路は、インタフェース10を備える。もう1つの集積回路は、コーデック5を備える。第4の集積回路は、マイクロプロセッサ1を備える。これら集積回路のどれかまたは全部は集積することができ、そのため、個々の集積回路の数が少なくてすむ。好適には、オーディオ・システムのすべての部材は、別のボックス内に入れることができるスピーカ14、15、および遠隔制御ハンドセット8を除いて、1つのエンクロージャ内に装着することが好ましい。
【0040】
動作中、ユーザは、遠隔制御ハンドセット8またはスイッチ・マトリックス7によりオーディオ・ソースを選択する。オーディオ・ソースからの左右のチャネルのオーディオ信号は、デジタルの形で(CDプレーヤを選択した場合には)、検出回路から直接ビット・ストリーム・フォーマットで(無線チューナまたはカセット・プレーヤ/レコーダを選択した場合には)、コーデック5を通してコード化されたデジタル・オーディオ・フォーマットで、マイクロプロセッサに供給される。マイクロプロセッサにおいては、デジタル信号は、デジタルの形23、24で、左右のチャネルの出力信号を発生するために、例えば、音量、トーン、等化および誤り訂正に対して、以下に説明するように処理される。次に、これらの信号は、アナログの形に変換され、データ・ソースから耳で聞くことができる音にする目的で、スピーカを駆動するために使用される。ユーザが、他のオーディオ・ソースの中の1つからデータを記録するために、カセット・プレーヤ/レコーダを選択した場合には、マイクロプロセッサは、12Sインタフェース10によりデジタル−アナログ変換をした後で、デジタルの形で記録するための信号を出力し、次に、信号の表現が、カセット・プレーヤ/レコーダにより記録される。選択したソースが、例えば、無線チューナおよびカセット・デッキのように、本来アナログ信号を発生するものであっても、その出力はラウドスピーカへ出力するためにアナログの形に戻す前に、プロセッサ1内でデジタルの形に変換されることに留意されたい。
【0041】
図2〜図6は、マイクロプロセッサ1のアーキテクチャである。マイクロプロセッサは、多重目的デジタル信号プロセッサ(DSP)100、および一連の専用ハードウェア装置101−119を含む。プロセッサ100は、ROM16内に記憶しているプログラム・コードをロードし、実行する。専用ハードウェア装置は、入出力インタフェース101−113のアレー、CD処理サブシステム114、RDS(無線データ・システム)処理サブシステム115、シグマ−デルタ入力回路116−118、および誤り訂正アクセラレータ・サブシステム(EGG)119を備える。プロセッサ100および専用ハードウェア装置は、バス120により相互に接続している。それ故、マイクロプロセッサは、ソフトウェアで処理を行う、DSP100で表される汎用処理セクションと、ハードウェアで処理を行う一組の専用処理ブロック(特に、サブシステム114、115および119)に分割される。このようにマイクロプロセッサを分割すると、その性能が有意に向上する。
【0042】
入出力インタフェースは下記の通りである。
・UART101は、標準RS232タイプの同期直列受信機/送信機である。UART101は、1つのスタート・ビットおよび1つのストップ・ビットと一緒に、8つのビット・データを使用する。その主な目的は開発のためものであるが、自己試験および診断のための製造の際に使用することもできる。
・4つのNSDAC(ノイズ成形DAC)102−105により、マイクロプロセッサ1は、4つまでのパルス幅変調出力を供給することができる。図1のシステムの場合には、これらNSDACは、焦点およびトラッキング・アクチュエータおよびCDシステムのスピンドル・モータ、およびスレッド・モータを制御するために使用される。NSDACロジックは、その平均値がDSPにより設定されるビット・ストリームを生成する。基準出力は、すべてのズレを除去するために使用され、そのため、出力がゼロである場合には、アクチュエータへの駆動もゼロになる。
【0043】
・メモリ・コントローラ106は、外部メモリ16、または他の実施方法でマイクロプロセッサに接続することができる他の類似の周辺機器へのタイミングおよびデータの流れを制御する。システムは、概念的に、外部メモリの3つのバンク、すなわち、ブートROM、静的RAMおよび動的RAMを復号する。しかし、ブートROMおよび静的RAMの復号は、外部周辺機器用にさらに分割される。タイミング、DRAM内の列の幅(バイトまたは語)および数は、別々にプログラムすることができる。プロセッサは、高速内部RAM、およびDSPおよびマイクロコントローラの特性を供給する、速度の遅いブートROMからのコードを実行することができる。使用中、マイクロコントローラが最初に作動すると、ROM16内に記憶しているソフトウェアを、マイクロプロセッサ上のローカル・ランダム・アクセス・メモリにダウンロードすることができる。
【0044】
・AC97インタフェース107は、この実施例の場合にはAC97コーデックである、コーデック5へのインタフェースを供給する。コーデック5は、16ビット・ステレオのADCおよびDACを持ち、また5つのステレオ入力およびステレオ出力の利得を別々に調整する調整装置を持つ。AC97との通信は、オーディオ・サンプル速度の256倍の速度で動作する、256ビットのパケットにより行われる。AC97インタフェース107により、D8P100は、44.1kHzのオーディオ・サンプル速度で、読取りレジスタおよび書き込みレジスタにより、AC97と通信することができる。
【0045】
・12Sポート108は、12Sインタフェース10へのリンクを供給する。12Sは、CDの音質DACに対する直列インタフェースの標準スタイルである。すでに説明したように、このインタフェースは、テープにオーディオを記録するために使用することができ、一方、主AC97オーディオ出力は、(可変トーンおよび音量設定のところで)電力増幅器を駆動する。
【0046】
・赤外線入力109は、赤外線検出装置30に接続している。入力ポート109は、赤外線コマンドを検出し、解釈するために、特定の赤外線の変動間の時間を測定し、次に、プロセッサ100の動作をオフにする。その結果、赤外線コマンドを処理することができる。そうすることにより、赤外線ハンドセットは、ユーザに音量調整、オーディオ・ソース選択、無線バンドおよびチャネル選択、トーン調整、およびテープおよびCD位置および演奏制御のような通常の制御を供給することができる。
【0047】
・直列インタフェース(SP1)110は、直列リンク33に接続していて、それにより、DSP100は、直列コントローラ20と通信することができる。このインタフェースにより、DSP100は、直列コントローラ20の出力を制御するためのコマンドを発行することができる。そうすることにより、マイクロプロセッサ1自身が、これらデバイスに直接のリンクを持っていなくても、制御対象の無線チューナおよびCDプレーヤの動作を自由に行うことができる。CDプレーヤを動作できるようにするために、DSP100は、バス120を通してSPI110に信号を送って、SP1に、直列リンク33を通してCD作動信号、を送信させる。直列コントローラは、CD作動フラグを記憶する。CD作動信号を受信すると、直列コントローラは、CD作動フラグをセットし、出力信号310によりCDを動作可能にする。CDプレーヤの動作を中止するために、DSP100は、バス120を通してSPI110に信号を送って、SP1に、直列リンク33を通してCD停止信号を送信させる。CD停止信号を受信すると、直列コントローラは、CD作動フラグをリセットし、出力信号310によりCDを停止する。同様に、直列コントローラは、SPI110からの対応するメッセージにより制御される、チューナ作動フラグおよびバンド選択フラグのような、無線チューナ2の動作のためのフラグを記憶する。他のフラグも記憶することができ、他の機能は、直列コントローラ20により供給される。そうすることにより、マイクロプロセッサ1からの出力の数を減らすことができる。直列コントローラ20が供給する各信号に対して個々の出力ピンを持つマイクロプロセッサの代わりに、マイクロプロセッサ1と直列インタフェース20との間に簡単な直列インタフェースを使用することができる。
【0048】
汎用110(GPIO)ブロック111は、多数(例えば64)の汎用110ピンを表す。これらのピンは、入力または出力として使用することができる。これらのピンは、ディスプレイを駆動したり、スイッチまたは周辺機器との(比較的)遅い通信を読み出すために使用することができる。GPIOブロックは、スイッチ・マトリックス7およびディスプレイ11に接続している。ピンの数が多く、各ピンがソフトウェア・コマンドにより、DSP100で個々に制御されるので、GPIOブロックは、マイクロプロセッサを、異なるディスプレイ装置および異なるスイッチ入力を持つ異なる装置に適応させるために便利な手段を提供する。GPIOブロックをこれらのデバイスに接続すると、DSP100とデバイス間の相互作用は、使用するソフトウェアにより行われる。
【0049】
・カセット・ノイズ成形DAC(CDAC)113は、マイクロプロセッサ1を使用するハイファイ・システムのメーカーが、ローコストのテープ記録手段を提供できるようにするためのものである。このブロックの構成は、NSDACと同じであるが、これらのブロックは44.1kHzで動作する。CDAC出力を使用する場合には、外部12SDACは必要なくなり、図1のカセット記録信号412、413をマイクロプロセッサ1のCDAC113から直接供給することができる。そうすることにより、回路基板の大きさ、部材の数および製造コストを低減することができる。
【0050】
CD処理サブシステム114は、CDから回収したオーディオ・データを入手するために、CDプレーヤ3から受信したデータを復号する。CD処理サブシステム114は、デジタルフェーズロックループ(DPPL)130、シフト・レジスタ(SR)131、14−8判断装置(FED)132、サブコード・モジュール133、データ・バッファ134、およびユニット130−134を制御するタイミングおよび制御モジュール135を備える。デジタルフェーズロックループ130は、CDデータからビット・クロックを回収する。CDデータ内の変動は、クロックの変動上で発生しなければならない。このロジックは、回収したクロックを合成し、データが速いか遅い場合には、補償のために回収したクロック周波数を増大したり、低減したりする。回収したクロックは、システム・クロックと同期している。そのため、+1システム・クロックの周期の半分のジッターが発生する。67MHzのシステム・クロックの場合には、このジッターは、11のデータの変動の間の約1%の最小間隔を表す。
【0051】
DSPは、ディスクの速度を制御するために、DPLL周波数を読み出すことができる。比例および積分フィードバック経路内のDPLL初期周波数および利得は、すべて、取得時間および安定性を制御するために、DSPにより設定される。シフト・レジスタは、ディスクからの直列データを並列記号に変換する。シフト・レジスタは、また、同期記号を検出するためにも使用される。14−8デコーダは、CD上に記憶されている14ビット・フォーマットから、DSP100で使用するための8ビット(バイト)フォーマットにデータを変換する。CDデータが記録されると、各8ビット・バイトは、14チャネル・ビットにコード化される。各チャネル・ビットは、記録したデータ内の1つの、変動に対応する。それ故、FEDは、14の受信したチャネル・ビットの各組をオーディオ・データの1つの8ビット・バイトに変換する。
【0052】
回収したバイトは、サブコード・モジュールおよびデータ・バッファに送られる。サブコード・モジュール133は、サブコード同期記号を検出し、受信した各フレームからサブコード・バイトを抽出する。サブコード・モジュールは、サブコード情報を出力するために、データ・バス120に接続している。データ・バッファ134は、DSP100により行われる、デインターリービングの効率を改善するために、受信したオーディオ・データをバッファリングする。CDからのデータは、データ・バッファ134内の3つのバッファのうちの1つに書き込まれる。これら各バッファは、32バイト、すなわち、受信したオーディオ・データの1つのフレームを収容する。データ・バッファ134は、バス120に接続していて、それにより、DSP100は、データ・バッファ134のバッファにアクセスすることができる。データ・バッファ134は、受信したデータの書込みが現在行われているバッファにアクセスすることができないように、しかし、データの書込みが行われた前の2つのバッファにはアクセスすることができるように構成されている。そうすることにより、DSPは、データをコピーしないで、デインターリービングの第1の段階を実行することができる。
RDS処理サブシステム115は、受信した無線信号からRDSデータを抽出し、そのRDSデータをバス120に供給する。
【0053】
CDシステム3(図1参照)内には、焦点エラー328、トラッキング・エラー329および中央のアパーチャ330を表す信号を供給する、3つのシグマ−デルタADC325−327が存在する。これらの信号は、それぞれ、各信号の振幅を表すビット・ストリームの形をしている。各シグマ−デルタ入力116−118は、各ADC325−327に接続している。シグマ−デルタ入力は、所定のサンプル周期内の各ビット・ストリーム内の2進入力を反復してカウントし、各カウントの結果をデータ・バス120に供給する。DSP100は、NSDAC102−105の中の2つにより焦点サーボ303および半径方向サーボ302を制御するために、上記結果を使用することができる。上記結果(特に、中央のアパーチャ・カウントの結果)も、CDサブシステム114への基本的データ入力として、バス120を通して、DPLL130に送ることができる。
【0054】
DSP100は、ROM16からのソフトウェアの制御の下で、CDサブシステム114から受信したデータのリード・ソロモン誤り訂正を行う。誤り訂正動作中、受信したデータに対するシンドロームを判断するために、DSP100が必要になる。このことはソフトウェアで行うことができるが、現在のシンドロームに1つのバイトを「追加」するには、ソフトウェアで約20の命令を使用する。GDデータ速度には、そうするには、1秒当りDSP100の約1億の命令が使用される。このプロセスを加速するために、誤り訂正アクセラレータ(EGG)ブロックが設置されている。EGGブロックは、データ・バス120を通してDSP100と通信することができる。EGGブロックは、シンドロームの計算を行い、DSP100からのメッセージに応じて、現在のシンドロームに追加すべきバイトを示すメッセージを返送する。これにより、受信したデータ・バイト毎の1つの命令に対するシンドロームの判断のために、DSP100上のロードを減らして、シンドロームの計算のタスクが加速される。
DSP100は、67MHzのクロック速度で動作するが、他の速度も使用することができる。DSP100は、バス120を通してデータを受信し、それを処理し、同じバスを通してデータを出力するために、ソフトウェアの制御下で動作する汎用プロセッサである。
【0055】
図7は、DSP100のアーキテクチャである。DSPは、8つの32ビット・レジスタを含む。これらのレジスタは、アドレスまたはデータを保持するために使用することができる。アドレスを供給するためにレジスタを使用する場合には、アドレスは、5つのビットのズレと組み合わされ(索引アドレス指定)、小型のデータ構造体に1サイクルの間アクセスすることができる。DSP100は、32ビットの算術論理演算装置(ALU)161を含む。マイクロプロセッサ1の集積回路上、または外部13RAMチップ上に、DSP100用のRAM162−164を設置することができる。RAMは、SRAMとDRAMとの混合体であってもよい。外部メモリ・コントローラにより復号された3つのバンク、すなわち、2つの静的バンクおよび1つの動的バンクが存在する。各バンクの速度および幅は、別々に調整することができる。外部メモリの幅は8ビットであっても、16ビットであってもよい。外部メモリ・コントローラは、ある程度これを秘匿し、外部メモリに対して8ビットまたは16ビットのアクセスを行うことができる。リセットの後で、プロセッサ静的メモリの1つのバンクから命令を実行する。それは、(デジタル・フィルタのような)速度が重要な動作のためのコードを、高速内部プログラムRAMに移行させ、高速内部プログラムRAMから実行し、一方、(ユーザ・インタフェースのような)遅い動作のためのコードを、ブートEPROMから直接実行するためのものである。さらに、DPSは、SPレジスタおよびPCレジスタ165、フラグ記憶装置166、専用ビット・シフタ・ユニット167、専用乗算装置168、および外部メモリ・コントローラ169を含む。DSPのブロックは、バス170により接続している。
【0056】
動作中、ユーザは、システムの電源をオンにして、図1のオーディオ・システムを作動することができる。バッテリーから電力の供給を受けている遠隔制御ハンドセット8を除いて、オーディオ・システム内のすべての装置は、共通の電源(図示せず)を持つ。しかし、システムの異なる部材は、その電源からの異なる電圧を持つことができる。オンにすると、マイクロプロセッサ1がブートアップし、ROM16からオペレーティング・ソフトウェアをロードし、ソフトウェア、の実行の速度の増大を、ローカルRAM内に記憶することができる。スイッチ・マトリックス7および/または遠隔制御装置8の手段に、ユーザは、下記の情報を示すデータをDSP100に供給することができる。
【0057】
・オーディオ入力装置2、3、4の中のどれが、スピーカ14、15を通して再生のためのオーディオ・ソースを供給するか。
・ソースがCDまたはテープ・プレーヤである場合には、そのユニットが演奏モードであるのか、またはポーズ・モードであるのか、またはストップ・モードであるのか、または順方向または逆方向に索引するのか。
・それと一緒に再生される、音量、トーンおよび他の処理効果の設定。
・その音も、カセット・プレーヤ/レコーダ4により記録すべきであるのか。
他の情報も供給することができる。ユーザの設定は、マイクロプロセッサ1のGPIOブロック111に供給され、そこからバス120を通してRAM内に設定を記憶するDSP100に送られ、その結果、ソフトウェアの実行中、上記設定を使用することができる。
【0058】
オーディオ・ソースとして無線チューナを選択した場合には、DSP100は、ポート110を通して直列コントローラ20に、チューナ作動および選択信号を送信する。その後で、チューナは、直列コントローラ20により動作可能になる。チューナからのアナログオーディオ信号は、コーデック5によりデジタルの形に変換され、AC97インタフェース107に供給される。ここから、デジタル信号は、バス120を通してDSP100に送られ、DSP100は、そのプログラム・ソフトウェアの制御の下で、音量、トーン等のユーザの設定により上記信号を変換する。さらに、特に、FM無線信号を受信中である場合には、信号の送信のために使用しているかもしれない任意の圧縮等のために、デジタル・オーディオ信号に対して周波数等化が行われる。DSP100のソフトウェアは、無線等化のための1つまたはそれ以上の予め設定された処理ルーチンを含み、受信したオーディオ・データを等化するために、適当なルーチンが使用される。結果として得られる信号は、AC97インタフェース107を通してコーデック5に出力される。AC97インタフェースは、信号をもとのアナログの形に変換し、それを増幅器およびスピーカ12−15に出力する。
【0059】
オーディオ・ソースとしてCDプレーヤを選択した場合には、DSP100は、ポート110を通して直列コントローラ20に、適当なチCDプレーヤ作動および選択信号を送信する。次に、CDプレーヤは、直列コントローラ20により動作可能になる。一方、DSP100は、NSDAC102−105を通して、直接CDプレーヤのサーボを制御する。CDプレーヤからの生のビット・ストリームは、マイクロプロセッサ1により、シグマ−デルタ入力116−118のところで受信される。データ・バス120により、このデータは、DSP100およびCDサブシステム114に供給される。DSPは、任意のトラッキングまたは焦点エラーを測定するためにこのデータを使用し、それに従ってトラッキングおよび焦点サーボへの出力を調整するためにこのデータを使用する。一方、CDサブシステムは、受信したデータを、データ・バッファ134のバッファ内に記憶する8ビット・バイトに復号する。DSP100は、これらのバッファから、すでに説明したように読み出しを行い、受信したデータをデインターリーブし、次に、CDからパルス・コード変調デジタル・オーディオ・データを入手するために、受信したデータに対して誤り訂正を行う。次に、上記データは、DSP100により他のデジタル・オーディオの形に変換することができる。デジタル・オーディオ・データは、DSP100により、そのプログラム・ソフトウェアの制御下で、音量、トーン等のユーザの設定により変換される。結果として得られる信号は、AC97インタフェース107を通してコーデック5に出力される。AC97インタフェースは、信号をもとのアナログの形に変換し、それを増幅器およびスピーカ12−15に出力する。
【0060】
オーディオ・ソースとして、カセット・プレーヤ/レコーダを選択した場合には、DSP100は、ポート110を通して、直列コントローラ20に、適当なカセット・プレーヤ/レコーダ作動および選択信号を送信する。次に、カセット・プレーヤ/レコーダは、図1に示されていない信号で、直列コントローラ20により動作可能になる。カセット・プレーヤ/レコーダからのアナログ・オーディオ信号は、コーデック5によりデジタルの形に変換され、AC97インタフェース107に供給される。ここから、デジタル信号は、バス120を通してDSP100に送られ、DSP100は、そのプログラム・ソフトウェアの制御下で、音量、トーン等のユーザの設定により上記信号を変換する。さらに、使用中のカセット・テープのタイプにより、デジタル・オーディオ信号に対して周波数等化が行われる。ユーザは、テープのタイプを入力することができ、またはテープ・デッキにより検出し、インタフェース111を通してマイクロプロセッサに供給することができる。DSP100のソフトウェアは、テープ等化のための予め設定された処理ルーチンを含み、受信したオーディオ・データを等化するために、適当なルーチンが使用される。結果として得られる信号は、AC97インタフェース107を通してコーデック5に出力される。AC97インタフェースは、信号をもとのアナログの形に変換し、それを増幅器およびスピーカ12−15に出力する。
【0061】
ユーザが、カセット・プレーヤ/レコーダに、選択したオーディオ・ソースから記録するように指定した場合には、A97インタフェース107を通してコーデック5に出力する他に、結果として得られる信号は、128ポート108を通して128インタフェース10に出力される。128インタフェース内においては、信号は、アナログの形に変換され、カセット・プレーヤ/レコーダに出力される。128インタフェースへの出力としての信号に対しては、コーデック5への信号に対して行ったような処理のあるものは行われない。例えば、音量およびトーン処理は、上記信号には行われない。好適には、信号に対して適当なテープ・タイプ等化を行うことが好ましい。
【0062】
上記オーディオ処理の他に、DSP100は、その状況を表示するためにディスプレイに出力を供給する。出力は、音量または無線バンド設定のようなユーザ入力を確認することができ、または例えば、CDトラック・データまたはRDSデータのような使用中のオーディオ・ソースから入手したデータを表示することもできる。
【0063】
図1のシステムを種々の方法で変更することができることを理解することができるだろう。例えば、スピーカ14、15の代わりに、ヘッドホンまたは可聴信号を供給する他の手段を使用したり、増設することもできる。ミニディスクまたはDVD(デジタル・ビデオ・ディスク)プレーヤのような追加のまたは異なるオーディオ・ソースを使用することもできる。
【0064】
本発明は、暗黙にまたはハッキリとまたはその一般的な形で本明細書に開示している任意の機能および機能の組合わせを、特許請求の範囲のどれかの範囲に制限されないで含むことができることに留意されたい。上記の説明を読めば、当業者であれば、本発明の範囲内で種々の修正を行うことができることを理解することができるだろう。
【符号の説明】
【0065】
500 コンパクト・ディスク
501 読取り装置
502,503,504 モータ
505 レーザ
506 センサ
507 ヘッドのセンサからのアナログの形の全出力
508 制御装置
509 データ処理装置
510 デジタル出力を発生

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つのバッファ領域を備えたデインターリービング・ユニットであって、
前記デインターリービング・ユニットが、
入力データ・バイトのストリームから第1のバッファ領域を満たし、
前記入力データ・バイトのストリームから第2のバッファ領域を満たし、
前記第1のバッファ領域を奇数バッファ領域として指定し、前記第2のバッファ領域を偶数バッファ領域として指定し、第3のバッファ領域を入力バッファ領域として指定し、
前記奇数バッファ領域および前記偶数バッファ領域からそれぞれ奇数バイトおよび偶数バイトを交互に抽出することにより出力データ・ストリームを発生し、前記出力データ・ストリームを発生する間、前記入力バッファを前記入力データ・バイトのストリームから満たすことにより、データ・バイトのストリームを処理し、
前記データ・バイトのストリームを処理すると、前記第2のバッファ領域を前記奇数バッファ領域として再指定し、前記第3のバッファ領域を前記偶数バッファ領域として再指定し、前記第1のバッファ領域を前記入力バッファ領域として再指定し、前記再指定されたバッファ領域を用いて前記データ・バイトのストリームの処理を繰り返すよう構成されることを特徴とするデインターリービング・ユニット。
【請求項2】
デジタル・データ・キャリヤからデータを読み出すための読取り装置であって、
前記データ・キャリヤからデータを検出し、前記検出したデータを示すセンサ信号を発生するためのセンサを含む読取りヘッドと、
ヘッド位置決め制御信号に応じて、前記データ・キャリヤに対して前記ヘッドを位置決めするためのヘッド位置決め装置と、
前記検出したデータを受信し、前記ヘッド位置決め制御信号を発生するために、前記検出したデータを処理するための記憶命令セットに従って動作することができるヘッド位置決めコントローラと、
デジタル出力信号を形成するために、前記検出したデータを復号するためのデータ・デコーダとを備え、
該データ・デコーダが、
記憶命令セットに従って、前記検出したデータに応じて発生したデータを処理するために動作することができるデータ・プロセッサを含むソフトウェア・セクションと、
請求項1に記載のデインターリービング・ユニットとを備える読取り装置。
【請求項3】
請求項2に記載の読取り装置において、前記デジタル・データ・キャリヤが、ディスクである読取り装置。
【請求項4】
請求項3に記載の読取り装置において、前記デジタル・データ・キャリヤが、コンパクト・ディスク、DVDまたはミニディスクである読取り装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載の読取り装置において、前記ヘッド位置決め装置が、前記データ・キャリヤを回転するためのスピンドル・モータを備える読取り装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の読取り装置において、前記ハードウェア・セクションが、誤り検出装置を備え、前記誤り検出装置が、誤り検出入力データを受信することができ、前記誤り検出入力データに応じて、リード・ソロモン誤り訂正の際に使用するためのシンドロームを発生する読取り装置。
【請求項7】
請求項6に記載の読取り装置において、前記ソフトウェア・セクションが、前記検出したデータから入手したデータを前記誤り検出装置に適用し、その結果として得られるシンドロームを受信し、前記検出したデータから入手した前記データに対して、誤り検出動作を行うためにシンドロームを処理することができる読取り装置。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれかに記載の読取り装置において、前記検出したデータから入手した前記データを記憶するためのバッファを備える読取り装置。
【請求項9】
請求項8に記載の読取り装置において、前記バッファが、前記検出したデータから入手した前記データを記憶するための専用バッファである読取り装置。
【請求項10】
請求項2乃至9のいずれかに記載の読取り装置において、前記データ・パッケージング・ユニットが、14ビット・バイトを受信することができ、それに応じて、対応する8ビット・バイトを発生する読取り装置。
【請求項11】
請求項10に記載の読取り装置において、前記データ・パッケージング・ユニットが、受信した14ビット・バイトに応じて、対応する8ビット・バイトを発生するための論理処理回路を備える読取り装置。
【請求項12】
少なくとも3つのバッファ領域を含む記憶装置により、データをデインターリーブするための方法であって、
前記3つのバッファ領域の第1のバッファ領域を入力データ・バイトのストリームから満たすステップと、
前記少なくとも3つのバッファ領域の第2のバッファ領域を前記入力データ・バイトのストリームから満たすステップと、
前記第1のバッファ領域を奇数バッファ領域として指定し、前記第2のバッファ領域を偶数バッファ領域として指定し、第3のバッファ領域を入力バッファ領域として指定するステップと、
前記奇数バッファ領域および前記偶数バッファ領域からそれぞれ奇数バイトおよび偶数バイトを交互に抽出することにより出力データ・ストリームを発生し、前記出力データ・ストリームを発生する間、前記入力バッファを前記入力データ・バイトのストリームから満たすことにより、データ・バイトのストリームを処理するステップと、
前記データ・バイトのストリームを処理するステップの後、
前記第2のバッファ領域を前記奇数バッファ領域として再指定し、前記第3のバッファ領域を前記偶数バッファ領域として再指定し、前記第1のバッファ領域を前記入力バッファ領域として再指定するステップと、
前記再指定されたバッファ領域を用いて前記データ・バイトのストリームの処理を繰り返すステップとを含む方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記データ・バイトのストリームを処理するステップの後、
前記第3のバッファ領域を前記奇数バッファ領域として再指定し、前記第1のバッファ領域を前記偶数バッファ領域として再指定し、前記第2のバッファ領域を前記入力バッファ領域として再指定するステップと、
前記再指定されたバッファ領域を用いて前記データ・バイトのストリームの処理を繰り返すステップとをさらに含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−224020(P2009−224020A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127978(P2009−127978)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【分割の表示】特願2002−533295(P2002−533295)の分割
【原出願日】平成13年10月3日(2001.10.3)
【出願人】(502409651)グローバル シリコン リミテッド (1)
【Fターム(参考)】