説明

デジタル情報管理方法、デジタル情報記録再生装置および情報記憶媒体

【課題】1以上の増設自由なメモリカードを扱い、その一部または全部が任意に着脱されても適切な情報管理を可能にする。
【解決手段】1以上のメモリカードに分散記録され得るデジタルAV情報は、所定フォーマット(全てのメモリカードに共通のフォーマット)に従い管理される。この情報管理方法では、メモリカード各々にそのメモリカードを特定する識別情報が記録され、かつメモリカード各々に前記デジタルAV情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報(FAT)が記録される。この方法では、前記識別情報で識別された前記1以上のメモリカード各々のアロケーション情報が収集され(ST10〜ST22)、収集された前記アロケーション情報が統合される(ST24)。この情報の収集と統合はメモリカードの着脱がある毎に行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、1以上の情報記憶媒体(メモリカードなど)を用いるデジタル情報管理方法およびデジタル情報記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルTV放送あるいは高速インターネット回線の普及に伴い、デジタル動画情報(AV情報)の流通量が増え、それを記録するメディアが種々開発されている。その代表例として、赤色ないし青色レーザを用いた光ディスクやハードディスクドライブ(HDD)があるが、最近は半導体フラッシュメモリの大容量化と低コスト化が進み、半導体メモリもAV情報記録メディアとして有力候補となってきている。とはいえ、現状では、個々のメモリ容量は大量のデジタル動画情報を保存するには十分とはいえず、多数のメモリを集めないと大容量HDDのようなAV情報バンクとしての使用に耐えない。そこで、多数のメモリをAV情報用に用いるシステムへの要求がでてくるが、複数メモリを画像データ記録に用いるものは従来から存在する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−133898号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1は、受信した画像情報を複数のメモリカードに順次振り分けて記録すると共に、振り分けて記録した画像情報を分類して容易にデータ管理を行うことのできるデータ記録装置を開示している。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された装置では、長時間のデジタル動画情報を記録するために多数のメモリカードが用いられる状況下において、メモリカードがランダムに抜き差し(あるいは着脱)され得る場合の情報管理が十分でない。
【0005】
この発明の課題の1つは、増設自由な1以上の情報記憶媒体(メモリカードなど)を扱い、その一部が任意に着脱されても適切な情報管理を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一実施の形態に係るデジタル情報管理方法では、1以上の情報記憶媒体に分散記録され得るデジタル情報(AV情報など)は所定フォーマット(統一的に管理される全ての情報記憶媒体に共通したフォーマット)に従い管理される。この情報管理方法では、情報記憶媒体各々にその媒体を特定する識別情報が記録され、かつ情報記憶媒体各々に前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報が記録される。
【0007】
この方法では、前記識別情報で識別された前記1以上の情報記憶媒体各々のアロケーション情報が収集され、収集された前記アロケーション情報が統合される。すなわち、前記1以上の情報記憶媒体の数が増やされた場合は、数が増えた前記1以上の情報記憶媒体の各々からアロケーション情報を収集し、収集した前記アロケーション情報を統合する。一方、前記1以上の情報記憶媒体のうちの一部が物理的あるいは論理的に除かれた場合は、一部が除かれた後の残りの情報記憶媒体各々からアロケーション情報を収集し、収集した前記アロケーション情報を統合する。このように、情報の収集と統合は、使用される情報記憶媒体の増減(着脱)がある毎に適宜行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
増設自由な1以上の情報記憶媒体の一部が任意に着脱されても適切な情報管理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照してこの発明の種々な実施の形態を説明する。この発明の一実施の形態に係る情報記憶媒体は種々なタイプの情報記憶媒体または情報記憶装置で構成できるが、代表的なものとしてはフラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリがある。どのようなタイプの情報記憶媒体を採用するにせよ、この発明の実施の形態に係る情報記憶媒体で採用されるデータ構造では、1以上の情報記憶媒体(例えば図21のメモリカード31a〜31n)各々において、以下の項目の一部または全部を採用するように構成できる:
(1)記録されるデータオブジェクト(MPEG-2 PSのビデオオブジェクトVOB、もしくはMPEG-2 TSまたはMPEG-4 AVC(H.264) TSEのストリームオブジェクトSOB)毎にオブジェクトファイルを分ける。
(2)オブジェクトの管理情報(オブジェクトの記録開始時刻等を含む情報、オブジェクトの記録位置とその再生時間との対応関係を示すタイムマップ情報などが記録されるVOBIまたはSOBI)は、複数個所(例えば次の2箇所)に同じ内容(または主要部が共通した内容)を記録する:
(2.1)1箇所(例えばファイルシステムの記録領域内):対応するオブジェクトファイル(ファイルアロケーションテーブルFAT上で論理的に対応するオブジェクトファイル)の先頭に配置する;
(2.2)別箇所(例えばVOBSIまたはSOBSI記録領域内):同一情報記憶媒体(メモリカードなど)内に記録された全てのVOBまたはSOBのオブジェクトファイルに関するVOBIまたはSOBIを、まとめて1個のVOBI管理ファイルまたはSOBI管理ファイルとして、同一情報記憶媒体(メモリカードなど)内に記録する。
(3)再生管理情報(再生単位であるセルの再生順序を管理するPGCI)は、情報記憶媒体(メモリカードなど)毎に記録する(その際、異なる情報記憶媒体毎にセルを分ける、すなわち同じセルが異なる情報記憶媒体に跨らないようにする)。
(4)セル情報(CI)内に、情報記憶媒体(メモリカードなど)の識別情報および/または同一情報記憶媒体(メモリカードなど)内のVOBまたはSOBの識別情報を記録する。ここで、情報記憶媒体(メモリカードなど)の識別情報としては、情報記憶媒体(メモリカードなど)のID情報または情報記憶媒体(メモリカードなど)毎のユニークなVOBI管理ファイル名もしくは情報記憶媒体(メモリカードなど)毎のユニークなSOBI管理ファイル名がある。また、同一情報記憶媒体(メモリカードなど)内のVOBまたはSOBの識別情報としては、VOBI管理ファイルまたはSOBI管理ファイル内で規定されたVOBまたはSOBの識別情報またはオブジェクトファイル名がある。
(5)異なる情報記憶媒体(メモリカードなど)に跨って記録された、関連記録内容(同一プログラムの内容など)のオブジェクト(VOBまたはSOB)の再生を可能にする(具体的には、情報記憶媒体毎に、記録オブジェクトの再生手順をORG_PGCIで定義する。オブジェクト記録後では、ユーザが希望する再生手順は、情報記憶媒体毎のUD_PGCIで適宜定義する)。
【0010】
(6)各情報記憶媒体(メモリカードなど)は、それを使用するシステム(記録再生装置やAV情報のホームサーバなど)に対して、プラグ・アンド・プレイで接続される。
【0011】
図21は、この発明の一実施の形態に係る情報記憶媒体(以下ではフラッシュメモリなどの不揮発性メモリカードで代表する)31における記録フォーマット(データ構造)を説明する図である。図21の情報記憶媒体は、通常はメモリカードの形で具現できるもので、例えば板ガムサイズあるいは切手サイズのカード形状を持つ。ここでは図示しないが、このメモリカードの外側の所定位置に、外部機器と接続(情報交換とエネルギ供給のための接続)をするための電極、あるいは外部機器と接続をするための発光/受光素子(可視光または赤外等の非可視光利用)、あるいは外部機器と接続をするための電磁波(電波)用アンテナを備えている。メモリカードの本体は、例えば256MB〜16GB(将来的にはそれ以上の大容量)の不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)に、適宜マイクロコンピュータおよびその周辺デバイスを組み込んだ半導体ICで構成できる。ここでは複数のメモリカード31a〜31nの一部についてその中身を示しているが、各メモリカードの内部は共通な構造を含んでいる。ただし、各メモリカードは、個々のメモリカードで異なるユニークなカード固有ID(あるいはユニークな名称)を持つ。以下ではメモリカード31aで代表して、その内部構造を説明する。
【0012】
図21(a)に示すように、メモリカード31aはコピープロテクション機能を持ち、メモリカード内に記録された情報に対する不正コピーあるいは不正利用を防止できるようになっている。すなわち、メモリカード自体が、独自に、外部機器(情報再生装置、情報記録再生装置、デジタルTV、ホームサーバなど)に対して、
(イ)相互認証と暗号キー交換を行い、
(ロ)暗号化された情報の入出力を行い、
(ハ)メモリカードが正規に認証した相手機器(情報再生装置、情報記録再生装置、デジタルTV、ホームサーバなど)のみが正常な(暗号解読後の)情報を利用できるようになっている。
【0013】
このような相互認証処理や暗号キー交換を始めとして、情報の暗号化/復号化(暗号解読)および情報の入出力インターフェース処理を、メモリカード内の制御用CPU(MPU)101が実行している。このメモリカード内制御用CPU101を動かすプログラム(ファームウエア)は、認証/キー交換およびI/O処理関連制御プログラム記録用ROM102内に格納される。メモリカードが正規に認証した相手機器では、個々のメモリカード毎に認証識別を行い、各カードに転送入力された情報のセキュリティ管理を行っている。
【0014】
メモリカードが正規に認証した相手機器が行うカード毎の情報管理を保証する手段として、メモリカードは、1枚1枚が自身に固有のIDを持つとともに、固有な暗号キーを設定できるようになっている。すなわち、メモリカード毎に個々に付与された固有ID(そのカードの製造者名、製品名、ロット番号、シリアル番号など)と固有な暗号キー情報(Advanced Access Content System:AACSの情報など)が、カード固有ID情報およびキー情報の記録領域(Read-Write Memory:RWM)103に記録されている。なお、個々のカードにユニークなカード名称(ユーザがリモコン操作などで自由に付与できる名称)は、この記録領域103に格納することができる。
【0015】
コピープロテクション機能付きメモリカード31aは、その他にアプリケーションデータ記録領域(Read-Write Memory:RWM)104を持ち、このRWM104に、デジタルTV放送プログラムあるいはインターネット配信ビデオコンテンツなどのAV情報(ビデオオブジェクトVOBまたはストリームオブジェクトSOB)、静止画像情報(イメージオブジェクトIOB)、テキスト情報(テキストオブジェクトTOB)およびそれらの情報を管理する管理情報(PGCSI、VOBSI、IOBSI、TOBSI、SOBSI)などを記録できるようになっている。
【0016】
図21(b)に示すように、このアプリケーションデータ記録領域(RWM)104内は、ブート情報記録領域110、ファイルアロケーションテーブル(FAT)記録領域111、ルートディレクトリ内情報記録領域112、およびデータ領域113で構成される。アプリケーションデータ記録領域104内に記録されるデータのファイルフォーマットには、FAT形式が採用されている。このFATは、例えば図16〜図20に示すようなファイルシステムレイアウトを含むボリューム構造を持つことができる。データ領域113に記録される管理情報ファイルやオブジェクトデータファイルなどは、図25に示すような階層構造でファイル管理される。この階層構造ファイルの情報は、ルートディレクトリ内情報記録領域112に格納される。
【0017】
情報記録再生装置などの外部機器に図21のメモリカードが接続されると、この情報記録再生装置のシステムはブート情報記録領域110内に記録された情報を読み取り、自動的にブート(起動)する(システムが一旦ブートしたあとにシステムに追加されるメモリカードは、プラグ・アンド・プレイとなる)。その後、この情報記録再生装置でメモリカードから所望のAV情報を再生する場合は、FAT記録領域111内のファイルアロケーション情報を読み取って再生したい所望情報の格納アドレスを知り、このアドレスに基づきアプリケーションデータ記録領域104内にアクセスする。
【0018】
メモリカード31aのデータ領域113a内は、AV関連情報記録領域121と1以上の一般コンピュータ情報記録領域120が任意に混在設定可能になっている。その他のメモリカード31k、31nも同様である。これらのメモリカード31a〜31nのうち、FATの管理下にある複数メモリカードのデータ領域113a〜113nは統合され一まとめになって管理される。その結果、論理上のデータ領域は、図21(c)に示すように、複数メモリカード分を統合した、AV関連情報記録領域121および1以上の一般コンピュータ情報記録領域120が混在する構造となる。
【0019】
仮に16GBサイズのメモリカードを256枚統合すれば、トータル4TBの巨大メモリバンクとなり、例えば高精細デジタルTV放送プログラムを多数(長時間)録画保存しておくことができる。始めは16GBメモリカード1枚でも、順次買い足していって64枚になれば1TBとなり、256枚になれば4TBになるわけで、購入済みのメモリカードが無駄にはならない。また、不要になったメモリカードはパソコンなどで再利用することができるし、パソコンその他の機器で不要になったメモリカードが図21のメモリカードと共通規格の下で作られたものであるときは、この発明の実施の形態に係る装置でメモリバンクの増設に利用できる。
【0020】
さらに、異なる容量(通常販売価格が異なる)のメモリカードが任意の枚数混在できるため、ユーザは、手持ち資金で購入できる範囲で、好きな容量のカードを好きなだけ購入して使用できる(例えば、16GBを1枚と4GBを2枚購入し、資金が余ればそれで安価な256MB〜1GBを2〜3枚追加購入する、といった購入方法が可能になる)。つまり、任意の容量のメモリカードが(システムが受け入れられる上限内で)何枚でもプラグ・アンド・プレイで使できるため、メモリカードの消費需要が高まるし、購入したメモリカードは無駄なく利用できる。
【0021】
図21(d)に示すように、AV関連情報記録領域121は、管理情報記録領域130およびビデオブジェクト(VOB)記録領域131のほか、イメージオブジェクト(IOB)記録領域132、テキストオブジェクト(TOB)記録領域133、ストリームブジェクト(SOB)記録領域134などを含むことができるようになっている。メモリカードに記録されるAV情報はVOB記録領域131および/またはSOB記録領域134に格納され、メモリカードに記録される静止画像情報はIOB記録領域132に格納され、メモリカードに記録されるテキスト情報はTOB記録領域133に格納される。
【0022】
図21(d)では図示しないが、図21(c)のAV関連情報記録領域121内に音声専用のオーディオオブジェクト(AOB)記録領域を設けることもできる。ネット配信された音楽情報などは、適当な画像情報とともにビデオオブジェクト記録領域131に記録してもよいが、図示しない音声専用のオーディオオブジェクト(AOB)記録領域に音楽情報を記録することもできる。
【0023】
管理情報記録領域130内は、図21(e)に示すような記録領域に分かれている。すなわち、管理情報記録領域130は、プログラムチェーンセット情報(PGCSI)記録領域140、ビデオブジェクトセット情報(VOBSI)記録領域141、イメージオブジェクトセット情報(IOBSI)記録領域142、テキストオブジェクトセット情報(TOBSI)記録領域143、ストリームブジェクトセット情報(SOBSI)記録領域144などを含んで構成されている。
【0024】
PGCSI記録領域140は、図21(f)に示すように、元のプログラムチェーンの情報を格納するオリジナルPGC情報(ORG_PGCI)記録領域150と、ユーザがメモリカードの使用中に新たに定義したプログラムチェーンの情報を格納する1以上のユーザ定義PGC情報(UD_PGCI)記録領域151、152、…を含んで構成されている。
【0025】
すなわち、記録されたAV情報(VOBまたはSOB)について、その再生単位(セル)の再生順序などを管理する管理情報(ORG_PGCI、UD_PGCI)は、PGCセット情報PGCSIに含まれている。PGCSIは、少なくとも1つのオリジナルプログラムチェーン情報(ORG_PGCI)と、適宜1以上のユーザ定義プログラムチェーン情報(UD_PGCI)を含むことができるようになっている。UD_PGCIは無い場合もある。個々のPGCI(ORG_PGCIまたはUD_PGCI)は、記録コンテンツの論理単位であるプログラムの再生手順を示す情報となっている。そして、1以上のプログラムの繋がりがプログラムチェーンPGCとなる。このPGCの再生全体は、PGCI内で定義されたセルの再生順序で記述される。
【0026】
VOBの記録開始時間(VOB_REC_TM)、再生開始時間(VOB_V_S_PTM)、再生終了時間(VOB_V_E_PTM)などを管理する管理情報(VOB_GI)は、VOBセット情報VOBSIに含まれるVOBI(図21(e)(h))内に格納される。(VOBSIは1以上のVOBIを含むことができるようになっている。)また、記録されたVOBについて、VOB内部の再生時間(VOBU_PB_TM)を、それに対応する記録オブジェクトユニット(VOBU)のアドレス(VOBU_ADR)に変換するタイムマップ情報TMAPIも、VOBSIに含まれるVOBI(図21(h))内に格納される。
【0027】
同様に、SOBの記録開始時間(SOB_REC_TM)、再生開始時間(SOB_V_S_PTM)、再生終了時間(SOB_V_E_PTM)などを管理する管理情報(図22(b)のSOB_GI)は、SOBセット情報SOBSIに含まれるSOBI(図21(e))内に格納される。(SOBSIは1以上のSOBIを含むことができるようになっている。)
上記VOBI(またはSOBI)の内容は、図21(e)のVOBSI(またはSOBSI)内だけでなく、図25の*付きファイルで例示するように、そのVOBI(またはSOBI)に対応するオブジェクトのファイルの先頭にも記録される。(図25のファイル構造の情報は図21(b)のルートディレクトリ内情報記録領域112に格納することができる。)
ORG_PGC情報記録領域150は、図21(g)に示すように、オリジナルPGC内に存在するセル(そのPGCを構成する情報単位)の合計数を示す情報(図24(a)(b)のPGI内C_Nsに対応)の記録領域160と、1以上のセル情報(CI)記録領域161、162、…を含んで構成されている。各UD_PGC記録領域も、同様なセル情報(CI)記録領域を含む。
【0028】
ORG_PGC情報記録領域あるいはUD_PGC記録領域に含まれる1以上のセル情報(CI)記録領域は、それぞれが、メモリカード固有のIDを記録するエリアとセル一般情報C_GIを記録するエリアを持っている。セル一般情報C_GI内には、図21(i)に示すように、該当セルのビデオ開始時間の情報C_V_S_PTMと、該当セルのビデオ終了時間の情報C_V_E_PTMが格納される。
【0029】
ここで、例えばメモリカード31aとメモリカード31kとメモリカード31nのデータ領域113a、113k、113nが統合されている場合、メモリカード31aに記録されたオブジェクトについてのセル情報CI#1とCI#2については、その固有ID記録エリアには、メモリカード31aのカード固有IDであるIDa(またはそのメモリカードのユニークなVOBI管理ファイル名aもしくはユニークなSOBI管理ファイル名a*)が記録される。また、メモリカード31kに記録されたオブジェクトについてのセル情報CI#kについては、その固有ID記録エリアには、メモリカード31kのカード固有IDであるIDk(またはそのメモリカードのユニークなVOBI管理ファイル名kもしくはユニークなSOBI管理ファイル名k*)が記録される。さらに、メモリカード31nに記録されたオブジェクトについてのセル情報CI#nについては、その固有ID記録エリアには、メモリカード31nのカード固有IDであるIDn(またはそのメモリカードのユニークなVOBI管理ファイル名nもしくはユニークなSOBI管理ファイル名n*)が記録される。
【0030】
このようにすると、各セル情報(CI)内の固有ID情報エリアに記録されたカード固有ID(またはメモリカード毎のユニークなVOBI管理ファイル名もしくはユニークなSOBI管理ファイル名)から、ある記録オブジェクトの再生単位(セル)がどのメモリカードに記録されたオブジェクトのものであるかが分かる。
【0031】
この例において、あるメモリカードのセル情報(例えばCI#2)に対応する記録オブジェクト(記録コンテンツ)と別のメモリカードのセル情報(例えばCI#k)に対応する記録オブジェクト(記録コンテンツ)とが別々になるようにすれば、複数のメモリカードに同じコンテンツの再生単位(セル)が跨って存在するのを防ぐような管理が可能になる。そうすると、記録データが統合された複数のメモリカードの一部が物理的あるいは論理的に取り除かれても、残ったメモリカードの記録コンテンツの再生に不都合が生じないようにできる。
【0032】
例えば、メモリカード31aと31kと31nのデータ領域が統合され、この統合されたデータ領域に、セル情報CI#1とCI#2とCI#kとCI#nにより管理される再生単位C#1とC#2とC#kとC#nに対応したオブジェクト(AV情報)が記録されていたとする。全てのメモリカードが生きている場合は、管理情報(PGCSI内の該当PGCI)の記述に従い、例えばC#1→C#2→C#k→C#nの順で記録オブジェクトが再生される。ここで、例えばメモリカード31kが取り除かれると、管理情報(PGCI)の管理対象は、セル情報CI#1とCI#2とCI#nとなる。すると、メモリカード31kが取り除かれた後の記録オブジェクトは、管理情報(PGCI)の記述に従い、C#1→C#2→C#nの順で再生される。この場合セル情報CI#kに対応する記録オブジェクトの分が再生から除かれるが、残ったメモリカード31aと31nの記録オブジェクトの分は正常に再生される。
【0033】
しかし、もしセルC#kに対応する記録オブジェクトが残ったメモリカード31aと取り除かれたメモリカード31kに跨っていたとすると、残ったメモリカード31aにあるセルC#kに対応した記録オブジェクトの一部が再生不能となってしまう。例えば、セルC#1、C#2、C#k、C#nがそれぞれTV放送ドラマの第1話、第2話、第k話、第n話のオブジェクトに対応するものであった場合において、第k話のオブジェクトが2枚のメモリカードに跨っておりその1枚(31k)が取り除かれると、残ったメモリカード(31a)内の第k話は頭が欠けるか尻切れトンボになってしまう。複数のメモリカードに同じコンテンツの再生単位(セル)が跨って存在するのを防ぐようにすれば、例えば一部のメモリカードの除去により第k話が丸ごとカットされることになっても、第k話の再生が頭欠けになったり尻切れになったりする不都合はなくなる。(第k話を見たいときはメモリカード31kを再生システムに繋ぎ直せばよい)。この例において、録画済みドラマの第何話がどのメモリカードに録画されているのかの情報リストは、図示しないが、例えば図25の“Video Recording Directory for Files related in VOBs”または“Stream Recording Directory for Files related in SOBs”内のオブジェクトファイルのうち対象ドラマのVOBファイルまたはSOBファイル内に格納しておくことができる。)
以上のデータ構造をもつメモリカード31aにおいて、記録コンテンツは図21(d)の記録領域131〜134内の該当個所に格納される。また、格納された記録コンテンツをユーザが編集(消去、移動など)した後の管理情報は、図21(d)の記録領域130内の該当個所に格納される。(例えばデジタルTV放送をストリーム記録したオブジェクトSOBが編集された場合は、編集後の管理情報SOBIは図21(e)の領域144に格納される。)
この発明の実施の形態では、図21のコピープロテクション機能付きメモリカード31a〜31nとしては、主に、不正コピー/不正利用から保護されたAV情報等を記録するメモリカードが想定されている。しかし、図21のメモリカード31a〜31nは、AV情報だけに限らず、一般のパーソナルコンピュータPCで利用されるワードプロセサ、スプレッドシートなどのアプリケーションファイル(あるいはPCデータ)を記録することにも利用できる(そのための記録領域は図21(c)の120で示されている)。
【0034】
この場合、図21(a)のROM102に格納された認証/キー交換およびI/O処理関連制御プログラムとRWM103に格納されたカード固有IDおよびキー情報を適宜利用することにより、ワードプロセサ、スプレッドシート、ゲームなどのアプリケーションファイル(あるいはPCデータ)の不正コピー/不正利用を防止することができる。つまり、図21のメモリカード31a〜31nは、ユーザが自由に記録再生に使用するブランクメディアとしてだけではなく、1枚もしくは複数枚をセットとして、不正コピー/不正利用から保護したいコンピュータプログラム(アプリケーションプログラム、ゲームプログラム等)を頒布するパッケージメディアとしても利用できる。
【0035】
図22は、ビデオオブジェクト情報およびストリームオブジェクト情報に含まれる一般情報(VOB_GIおよびSOBI_GI)の内容を例示している。このVOB_GIは、対応ビデオオブジェクトVOBのタイプを示すVOB_TYと、対応VOBの先頭ビデオデータが記録されたときの時間を示すVOB_REC_TMと、対応VOBの最初のビデオフィールドの再生開始時間を示すVOB_V_S_PTMと、対応VOBの最後のビデオフィールドの再生終了時間を示すVOB_V_E_PTMと、コピー制御情報(Copy Protection Information)を含んでいる。VOB_TYは、対応VOBが仮に消去された状態にあるか否かを示すフラグ(TE)を含んでいる。仮消去状態は後で解消できるが、仮消去状態にあるVOBをユーザ定義PGC内のセルが参照することはない。
【0036】
同様に、SOBI_GIは、対応ストリームオブジェクトSOBのタイプを示すSOB_TYと、対応SOBの先頭ビデオデータが記録されたときの時間を示すSOB_REC_TMと、対応SOBの最初のビデオフィールド(またはビデオフレーム)の再生開始時間を示すSOB_S_PTMと、対応SOBの最後のビデオフィールド(またはビデオフレーム)の再生終了時間を示すSOB_E_PTMと、コピー制御情報(Copy Protection Information)を含んでいる。SOB_TYは、対応SOBが仮に消去された状態にあるか否かを示すフラグ(TE)を含んでいる。仮消去状態は後で解消できるが、仮消去状態にあるSOBをユーザ定義PGC内のセルが参照することはない。
【0037】
図23は、ビデオオブジェクト情報およびストリームオブジェクト情報に含まれるタイムマップ情報(TMAPIおよびSOB_TMAPI)の内容を例示している。このTMAPIは、タイムマップ一般情報TMAP_GIと、1以上のタイムエントリTM_ENTと、1以上のVOBUエントリVOBU_ENTを含んでいる(VOBUはVOBの基本単位にあたり、1以上のGOPからなる)。TMAP_GIは、タイムエントリの数を示すTM_TNT_Nsと、VOBUエントリの数を示すVOBU_ENT_Nsと、TMAPIの時間オフセットを示すTM_OFSと、対応VOBの開始アドレスを示すADR_OFSを含んでいる。
【0038】
1以上のタイムエントリ各々は、VOBUエントリの番号VOBU_ENTNと、タイムエントリで示されるVOBUの再生開始時間と別途算出された再生時間との時間差を示すTM_DIFFと、該当VOBUを構成するデータパックのうち最初のパックのアドレスを示すVOBU_ADRを含んでいる。また、1以上のVOBUエントリ各々は、該当VOBUに属するリファレンスピクチャ(Iピクチャなど)のサイズを示す1stRef_SZと、そのVOBUの再生時間を示すVOBU_PB_TMと、そのVOBUのサイズを示すVOBU_SZを含んでいる。
【0039】
一方、SOB_TMAPIは、SOBタイムマップ一般情報SOB_TMAP_GIと、1以上のエレメンタリストリームタイムマップ一般情報ES_TMAP_GIを含んでいる。ここで、SOB_TMAP_GIは、対応SOBの開始アドレスを示すSOB_ADR_OFSと、そのSOBのサイズを示すSOB_SZと、そのSOBに含まれるデータパケットの先頭パケット位置を示すSOB_S_PKT_POSと、そのSOBに含まれるデータパケットの末尾パケット位置を示すSOB_E_PKT_POSと、そのSOBの基本単位であるSOBUの再生時間範囲を示すSOBU_PB_TM_RNGと、ES_TMAP_GIの数を示すES_TMAP_GI_Nsと、そのSOBのインデックス番号を示すSOB_INDEXと、そのSOBのタイムマップファイルの内容が最後に変更された時間を示すSTMAP_LAST_MOD_TMを含んでいる。
【0040】
また、ES_TMAP_GIは、タイムマップが作成されたビデオエレメンタリストリームの情報SOB_ESIの番号を示すSOB_ESINと、そのエレメンタリストリームの最初のビデオフィールド(またはフレーム)の再生開始時間を示すES_S_PTMと、そのエレメンタリストリームの最後のビデオフィールド(またはフレーム)の再生開始時間を示すES_E_PTMと、そのエレメンタリストリームの開始アドレスを示すES_S_ADR_OFSと、該当SOB内の最終SOBUにおける末尾パケット位置を示すES_LAST_SOBU_E_PKT_POSと、エレメンタリタイムマップ情報内のSOBUエントリの数を示すES_SOBU_ENT_Nsを含んでいる。
【0041】
図22および図23の要部を簡単に纏めれば、次のようになる。すなわち、VOBIはVOB_GIとTMAPIを含み、それらの中にVOB/VOBUの時間情報と位置情報が格納されている。また、SOBIはSOB_GIとSOB_TMAPIを含み、それらの中にSOB/SOBUの時間情報と位置情報が格納されている。
【0042】
図24は、再生時間ベースで管理を行うビデオレコーディング用のプログラムチェーン情報の内容および、再生時間ベースで管理を行うストリームレコーディング用のプログラムチェーン情報(PGCI)の内容を説明する図である。ここでは、時間ベースで再生管理が行われるVideo Recording用のPGCIと、時間ベースで再生管理が行われるタイプAのStream Recording用のPGCIを例示している。
【0043】
Video Recording用PGCIは、PGC一般情報PGC_GIと、1以上のプログラム情報PGIと、1以上のセル情報サーチポインタCI_SRPsと、1以上のセル情報CIを含んでいる。PGC_GIはプログラムの数を示すPG_Nsと、セル情報サーチポインタの数を示すCI_SRP_Nsを含んでいる。各PGIは、プログラムの保護状態を示すprotectビットを含むプログラムタイプPG_TYと、そのプログラム内のセル数C_Nsと、そのプログラムで用いるプライマリテキスト情報PRM_TXTIと、そのプログラムに対応するアイテムテキストを検索するアイテムテキストサーチポインタ番号IT_TXT_SRPNと、そのプログラムに対応する代表画像(サムネールピクチャなど)の情報REP_PICTIを含んでいる。このREP_PICTIは、代表画像に用いられる画像が存在するセルの番号CNと、そのセル内の代表画像ポイントを示すPICI_PTを含んでいる。
【0044】
各CI_SRPは対応するセル情報の開始アドレスCI_SAを含む。また各セル情報CIは、セル一般情報C_GIと1以上のセルエントリポイント情報C_EPIを含んでいる。C_GIは、対応セルがどんなセルか(例えば動画のセルか)を示すセルタイプC_TYと、VOBIのサーチポインタ番号VOBI_SRPNと、C_EPIの数を示すC_EPI_Nsと、そのセルのビデオ開始時間C_V_S_PTMと、そのセルのビデオ終了時間C_V_E_PTMを含んでいる。また、各C_EPIは、そのエントリポイントのタイプを示すEP_TYおよびそのエントリポイントの再生時間を示すEP_PTMのほか、適宜、プライマリテキスト情報PRM_TXTIを含むことができる。
【0045】
同様に、Stream Recording用PGCI(再生時間ベースのタイプA)は、PGC一般情報PGC_GIと、1以上のプログラム情報PGIと、1以上のセル情報サーチポインタCI_SRPsと、1以上のセル情報CIを含んでいる。PGC_GIはプログラムの数を示すPG_Nsと、セル情報サーチポインタの数を示すCI_SRP_Nsを含んでいる。各PGIは、プログラムの保護状態を示すprotectビットを含むプログラムタイプPG_TYと、そのプログラム内のセル数C_Nsと、そのプログラムで用いるプライマリテキスト情報PRM_TXTIと、そのプログラムに対応するアイテムテキストを検索するアイテムテキストサーチポインタ番号IT_TXT_SRPNと、そのプログラムに対応する代表画像(サムネールピクチャなど)の情報PG_REP_PICTIと、そのプログラムのリジュームマーカ情報PG_RSM_MRKIと、そのプログラムのインデックスPG_INDEXと、そのプログラムが最後に変更されたときの時間PG_LAST_MOD_TMを含んでいる。ここで、PG_REP_PICTIは、代表画像に用いられる画像が存在するセルの番号CNと、そのセル内の代表画像ポイントを示すPICI_PTと、代表画像用ビデオエレメンタリストリームのSOB_ESI番号を示すV_SOB_ESIN
(代表画像がタイプAのストリームセルに存在する場合)を含んでいる。
【0046】
各CI_SRPは対応するセル情報の開始アドレスCI_SAを含む。また、再生時間ベース(タイプA)のストリームセル用のセル情報CIは、セル一般情報STRA_C_GIと1以上のセルエントリポイント情報STRA_C_EPIを含んでいる。STRA_C_GIは、対応セルがどんなセルか(例えば動画のセルか)を示すセルタイプC_TYと、ストリームファイル情報の番号STR_FINと、SOBIのサーチポインタ番号SOBI_SRPNと、STRA_C_EPIの数を示すC_EPI_Nsと、そのセルの再生開始時間C_V_S_PTMと、そのセルの再生終了時間C_V_E_PTMと、そのセルでデフォルト再生されるビデオエレメンタリストリームの番号C_DEF_V_SOB_ESINを含んでいる。また、各C_EPIは、そのエントリポイントのタイプを示すEP_TYおよびそのエントリポイントの再生時間を示すEP_PTMのほか、適宜、プライマリテキスト情報PRM_TXTIを含むことができる。
【0047】
図25は、この発明の一実施の形態に係る情報記憶媒体(以下メモリカードで代表する)におけるファイル構造を例示する図である。このファイル構造の情報は、例えば図21(b)のルートディレクトリ内情報記録領域112に格納できる。メモリカード全体の管理情報(Navigation Data)は、AV Information Directory内のManagement Information Fileおよびそのバックアップファイルに格納される。このManagement Information Fileに、図21(e)〜(i)の管理情報を記録できる。メモリカードに記録されるビデオオブジェクトVOBはVideo Recording Directory for Files related in VOBsに記録され、メモリカードに記録されるストリームオブジェクトSOBはStream Recording Directory for Files related in SOBsに記録される。その他の情報は、適宜、Other Directoriesの別ファイルに格納される。
【0048】
Video Recording Directoryは、VOB用のタイムマップファイル(TMAP Files)およびそのバックアップファイルと、VOB用のオブジェクトファイル(VRO Files)を含み、さらに、VRO Filesの先頭にVOBIの情報(記録されたVOBの時間情報やタイムマップ情報など)をコピーしたビデオオブジェクト情報ファイル(VOBI Files)を含んでいる(図21(b)の記録領域112参照)。
【0049】
また、Stream Recording Directoryは、SOB用のナビゲーションデータファイル(Stream File Information Files)およびそのバックアップファイルと、SOB用のタイムマップファイル(TMAP Files)およびそのバックアップファイルと、SOB用のオブジェクトファイル(SRO Files)を含み、さらに、SRO Filesの先頭にSOBIの情報(記録されたSOBの時間情報やタイムマップ情報など)をコピーしたストリームオブジェクト情報ファイル(SOBI Files)を含んでいる(図21(b)の記録領域112参照)。
【0050】
なお、図25のManagement Information File内)には、個々のメモリカードの代表画像情報(Card_REP_PICTI)を記録することができる。このCard_REP_PICTIには、そのメモリカードの代表画像が存在するか否かを示す情報(例えばプログラムチェーン番号PGCNの情報を利用し、PGCN=0でカード代表画像の存在を示す)と、カード代表画像が存在するプログラムの番号を示す情報(PGN)と、カード代表画像が存在するセルの番号を示す情報(CN)と、そのセル内の代表画像ポイントを示す情報(PICI_PT)と、カード代表画像が作成された時間を示す情報(Card_REP_PICTI_CREATE_TM)が含まれる。このCard_REP_PICTI_CREATE_TMは、該当メモリカードの代表画像が作成されたときの時間を示す。Card_REP_PICTI_CREATE_TMは、最初にカード代表画像が作成されたときの時間に固定されていてもよいが、最初に作成されたカード代表画像がその後1回以上変更されたときは、最後に変更されたときの時間としてもよい。
【0051】
現在システムに組み込まれている多数のメモリカードをCard_REP_PICTI_CREATE_TMの順番にソートすれば、その順番でメモリカードのサムネール画像を並べて表示できる。つまり、多数のメモリカードのソートに使う情報として、各メモリカード毎にユニークな固有IDあるいは各メモリカードにユーザが付したカード名(テキスト)のほかに、Card_REP_PICTI_CREATE_TMを用いることができる。
【0052】
図16は、メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードそれぞれのデータエリアに対するボリューム構造を例示する図である。このボリューム構造におけるファイルシステムレイアウトは、Partition AreaとRegular Areaを含んでいる。Partition AreaはMaster Boot RecordとPartition Tableからなる。また、Regular AreaはSystem AreaとUser Areaを含んでいる。System AreaはPartition Boot Sector and FS Info (File System Information)とFile Allocation Table (FAT)からなり、User AreaにはUser Dataが格納される。
【0053】
図示しないが、Partition Boot Sector内には、媒体の識別子(Medium Identifier)、媒体の物理番号(Physical Disc Number)、ボリューム識別子番号(Volume ID Number)、FATのエントリ値(FAT Entry Value)などが記述される。このFATのエントリ値には、既にアロケートされている該当クラスタを示す値が記述される。また、該当ファイルの最終クラスタが既にアロケートされているか否かの記述もFATのエントリ値に含めることができる。
【0054】
図17は、ボリューム構造内のシステムエリアのレイアウトを例示する図である。System AreaはPartition Boot Sector、FS Info Sector、予備のboot sectorおよびそれらのバックアップセクタを含んでいる。また、File Allocation Table (FAT)は、1以上のFile Allocation Tableを含むようになっている。
【0055】
図18は、ボリューム構造内のパーティションエリアに含まれる、マスターブートレコードおよび複数パーティションテーブルを含むデータフィールドを例示する図である。Master Boot Recordはシステムが自由に使用できる記録エリアで、例えば、VOBIまたはSOBIの情報(オブジェクトの記録開始時刻等を含む情報、オブジェクトの記録位置とその再生時間との対応関係を示すタイムマップ情報など)を記録できる。Partition Tableは1以上のpartitionに対して設けられており、ユーザは、相互認証処理をすることなく各partitionにアクセスできる。これらのMaster Boot RecordおよびPartition Tableに対する署名は、適宜Signature Wordのエリアに格納できる。
【0056】
図19は、各パーティションテーブルの内部フィールドを例示する図である。このPertition Tableは、Boot Indicatorと、Starting Headと、Starting Sector/Starting Cylinderと、System IDと、Ending Headと、Ending Sector/ Ending Cylinderと、Relative Sectorと、Total Sectorを含んでいる。
【0057】
Boot Indicatorには、該当メモリカードがシステムブートに使われるか否かを示すコードが記述される。システムブートに使われるような記述を各メモリカードのBoot Indicatorでしておけば、それらのメモリカードのどれがシステムに接続されてもシステムブートを自動的に行うことができる。システムブートを可能とするメモリカードが複数ある場合は、システムが最初に認識したメモリカードにより、ブートが行われる。
【0058】
Starting Headは、対応pertitionが開始する先頭を示す。Starting Sector/Starting Cylinderは、対応pertitionの開始セクタおよび開始シリンダを示す。
System IDには、対応pertitionの終了位置が所定バイト(例えば0.8GB〜1GB)より小さいか否かを示すコードが記述される。
Ending Headは、対応pertitionが終了する先頭を示す。Ending Sector/ Ending Cylinderは対応pertitionの終了セクタおよび終了シリンダを示す。
Relative Sectorには、対応pertitionの開始セクタの前に存在するセクタ数が記述される。Total Sectorには対応pertitionの全セクタ数が記述される。
【0059】
図20は、ファイルディレクトリのエントリフィールドの内部フィールドを例示する図である。このDirectory Entry Fieldは、Name and Name Extensionと、Attributeと、Reserved for NTと、Created Time Tenthと、Created Timeと、Created Dateと、Last Access Dateと、Starting Cluster Number Highと、Time Recordedと、Date Recordedと、Starting Cluster Number Lowと、File Lengthを含んでいる。
【0060】
Name and Name Extensionには、該当ファイルの名称を示すキャラクタコード、あるいは該当フィールドを含むエントリにより記述されるサブディレクトリの名称を示すキャラクタコードが記述される。
【0061】
Attributeには、各エントリの属性情報が記述される。この属性情報は、該当ファイルの変更を禁止する情報、対応ファイルまたは対応サブディレクトリを表示対象から外す情報、対応エントリがボリュームラベルを含むことを示す情報、対応エントリがディレクトリであることを示す情報、対応ファイルが作成されたときに設定され対応ファイルの特性が変更されたことを示す情報などを含むことができる。
【0062】
Reserved for NTは将来の使用のためにリザーブされている。Created Time Tenthには1/10秒単位でファイル作成時間が記述される。Created Timeにはファイル作成時間が記述される。Created Dateにはファイル作成日が記述される。Last Access Dateには、該当エントリにより記述されるファイルまたはディレクトリに対する最後の読み書き操作をもって最終アクセスとする場合において、その最終アクセスの日が記述される。
【0063】
Starting Cluster Number Highには、該当エントリにより示されるファイルまたはディレクトリに対する最初のデータクラスタ番号の上位ワードが記述される。Starting Cluster Number Lowには、該当エントリにより示されるファイルまたはディレクトリに対する最初のデータクラスタ番号の下位ワードが記述される。
【0064】
Time Recordedには、最後の変更(書き込み)時間が記述される。ファイルが作成された当初は、このTime RecordedはCreated Timeと同じになる。Date Recordedには、最後の変更(書き込み)日が記述される。ファイルが作成された当初は、このDate RecordedはCreated Dateと同じになる。File Lengthには、該当エントリにより示されるファイルまたはディレクトリに含まれるデータサイズが記述される。
【0065】
図1は、この発明の一実施の形態におけるホームサーバまたは情報記録再生装置を利用したホームネットワークシステムを示す。動画や音声またはその他の各種情報が光ケーブル11を経由して各家庭内に配信される。この光ケーブル11を経由して各家庭内に配信された各種情報は、モデムルータ3で中継された後に、この発明の一実施の形態に示すホームサーバ(あるいは情報記録再生装置)1内に転送され、最終的に情報記憶媒体(メモリカードなど)31内に記録保存される。また、ホームサーバ(あるいは情報記録再生装置)1とモデムルータ3間での情報の高速転送が可能なように、ホームサーバ(あるいは情報記録再生装置)1とモデムルータ3間も光ケーブル11で接続されている。ここで、ホームサーバ(あるいは情報記録再生装置)1内は、一度に複数の情報記憶媒体31が同時装着可能となっている。ここに、この実施の形態の大きな特徴がある。モデムルータ3を経由して転送される動画や音声またはその他の各種情報は、複数の情報記憶媒体31内に分散記録されることで、ホームサーバ1内の記録容量の大容量化を可能としている。
【0066】
後述するように、このホームサーバ(あるいは情報記録再生装置)1内は、複数の情報記憶媒体31が装着される記録再生部18と、その制御部17で構成されている。この記録再生部18は、増設拡張を行う事でホームサーバ1内に記録できる最大容量の増加が可能となっている。ここで、制御部17にはモデムルータ3に接続されている光ケーブル11やEHDMI(Enhanced High Definition Multimedia Interface)ケーブル12が直接接続可能となっており、各種情報の転送制御や、ホームネットワークシステムに接続されている全機器の動作制御を行う。(この動作制御は、主にユーザによるリモコン2の操作に基付く。)また、このこの制御部17と記録再生部18間は、各種情報の高速転送が可能なように特殊な専用ケーブル14で接続されているが、それに限らず例えばUSB(Universal Serial Bus)による接続も可能である。
【0067】
このホームサーバ(あるいは情報記録再生装置)1とTVモニタ8は前述したEHDMIケーブル12により接続されており、複数の情報記憶媒体31内に分散記録された各種情報(記録情報のサムネールなど)の一覧がTVモニタ8に表示可能となっている。その表示結果に基付いてユーザが視聴したい情報をリモコン2で指定すると、赤外線13を介したリモコン2での指定情報をホームサーバ1が受け取る。ホームサーバ1はその指定情報が記録されている情報記憶媒体31から再生した情報をTVモニタ8に表示する。
【0068】
また、図1に示す実施の形態では、DVDレコーダ9やTVゲーム機10、あるいはパーソナルコンピュータ4、プリンタ5、スキャナ6、ディスプレイ7などの家庭内のデジタル機器が同じEHDMIケーブル12により接続されている。そのため、ユーザによるリモコン2での指定により、ホームサーバ(あるいは情報記録再生装置)1内に保存された各種情報とパーソナルコンピュータ4やDVDレコーダ9内に保存された各種情報との間の移動やコピーが可能となっている。
【0069】
なお、図示しないが、TVモニタ8およびDVDレコーダは地上デジタル放送チューナおよび/または衛星デジタル放送チューナを内臓しており、デジタル放送のストリーム(MPEG−TS)をホームサーバ1との間で送受することも可能になっている。
【0070】
図2は、拡張HDMI通信における階層構造を説明する図である。図1に示したEHDMI(Enhanced High Definition Multimedia Interface)とは、イーサーネット(登録商標)機能を持ったHDMI(High Definition Multimedia Interface)を示し、図2に示す情報転送時の階層構造を持つ。すなわち最下層では物理的なイーサーネットレイヤ21が設定されており、その上に通信プロトコルを示すTCP/IPレイヤ22が規定されている。EHDMIケーブル12間で接続された各種機器間では、その上のDLNA(Digital Link Network Assistant)レイヤ23で規定された各種コマンドを発行する事で各種情報の転送処理あるいは他の機器に対する制御処理が可能となっている。
【0071】
図3は、前述した記録再生部18内に脱着可能でかつ情報の記録再生が可能な情報記憶媒体(メモリカード)31x内の構造例を示す。外形は幅W、長さL、厚みTの薄形直方体の一部に切り欠き部28を持った形をしている。内部には、例えばNAND形フラッシュメモリを内蔵した情報記録用チップ32が配置され、その中のフラッシュメモリ部33内に各種情報が記録される。また前記情報記録用チップ32内の残りの部分には情報記憶媒体内制御部34が配置されたモノリシック構造をしている。
【0072】
この情報記憶媒体内制御部34内には、フラッシュメモリ部33への各種情報の記録と再生を制御しかつフラッシュメモリ部33内の記録場所を設定する情報記録/再生制御部40が存在し、フラッシュメモリ部33との間のインターフェース部を構成している。また、情報記憶媒体31内の統合的動作を制御する情報記憶媒体内コントローラ39およびフラッシュメモリ部33内に記録された各種情報の不正コピーや不正漏洩を防止するセキュリティ制御部38も、この情報記憶媒体内制御部34内に含まれる。
【0073】
図3に示した実施の形態では、無線通信を用いて情報記憶媒体31との間の各種情報の転送処理を行っている。そのため、無線通信を可能にする無線通信用アンテナ35と無線通信制御用チップ36も内蔵されている。また同時にRF供電形電源発生部41では無線通信用アンテナ35で受信した無線の電磁波エネルギから電力を発生させ、無線通信制御用チップ36とフラッシュメモリ内蔵情報記録用チップ32の電源を供給している。更に、情報記憶媒体内制御部34の中に含まれる無線通信情報のインターフェース部37は、直接無線通信制御用チップ36に電気回路的に接続しており、記録再生部18へ向けて出力する情報の送信制御および記録再生部18から送られてくる情報の受信制御を行っている。
【0074】
図4は、この発明の他の実施の形態に係る情報記憶媒体(メモリカード)31yの内部構成を説明する図である。図3では記録再生部18との各種情報の転送処理(およびエネルギ転送)を無線通信で行っているのに対し、図4の実施の形態では各種情報の転送処理(およびエネルギ転送)に可視光または赤外線などの非可視光を利用している。情報記憶媒体31yと記録再生部18との間の情報転送には高速性が要求されるので、各種情報の受光にはPIN形光検出器24が使用され、ここで光電変換された各種情報の信号は光検出情報のインターフェース部25に転送される。またフラッシュメモリ部33に予め記録された情報をホームサーバ(または情報記録再生装置)1内の記録再生部18へ向けて出力する場合には、光検出情報のインターフェース部25がLED駆動用チップ29を駆動してLED発光素子30の点滅により各種情報の信号が出力される。
【0075】
この情報記憶媒体31y内の各チップに供給される電力は、ホームサーバ(または情報記録再生装置)1内の記録再生部18から光エネルギとして供給される。すなわち記録再生部18から供給される光エネルギは太陽電池26で受け、受光形電源発生部27から各チップに対する電源が供給される。
【0076】
なお、上記の例では光による情報受信部(光検出器24)と光による情報送信部(発光素子30)を別々の場所に配置された独立素子としているが、これらは一箇所に集中していてもよい。すなわち、LED発光素子30aと高速フォトダイオード30bをワンパッケージに纏めた光送受信素子を用いるようにしてもよい。このようにワンパッケージ化しておくと、記録再生部18側の光送受信素子(図示せず)とメモリカード31y側の光送受信素子とを向かい合わせる際の位置合わせ(位置決め)が容易となる。(個別の送光部と受光部の2箇所で同時に位置合わせするには、それなりの機構精度が要求される。しかし、送光部と受光部を分けて離しておくと、送光と受光を同時に行う場合では送受光間の相互干渉を避けることができる。)
図5は、この発明の一実施の形態に係るメモリ蓄積棚(メモリカードバンク)の一例を説明する図である。図1を用いて説明したように、この発明の一実施の形態に示すホームサーバ(あるいは情報記録再生装置)1内は制御部17と記録再生部18に機械的に分割され、特殊(専用)ケーブル14で接続されている。この記録再生部18の構造を図5に示す。前述した特殊ケーブル14は、特殊ケーブルのコネクタ44で記録再生部18に電気的に接続される。この特殊ケーブル14内を伝わって転送される各種情報は、直接記録再生部内コントローラ43内に入力される。ここで、記録再生部18内には、図3または図4で説明した情報記録用チップ32と同様な構造を有する内蔵形情報記憶媒体42が予め組み込まれている。ここにもこの実施の形態の特徴がある。
【0077】
ホームサーバ(あるいは情報記録再生装置)1内の制御部17から記録再生部内コントローラ43へ直接転送された各種情報は、この記録再生部内コントローラ43内でシリアル/パラレル変換(時系列的に細かく分割)されて、全ての内蔵形情報記憶媒体42内に同時に一時記録(分散配置記録)される。図3または図4で説明した1個のフラッシュメモリ部33への情報の転送速度が比較的遅くても、上述したようにシリアル/パラレル変換に基付く分散記録処理を行う(並列転送を行う)事で、実質的な転送速度が大幅に向上する(図5に示した実施の形態では、内蔵形情報記憶媒体42が4個内蔵されているので、実質的な転送速度はほぼ4倍に向上する)。
【0078】
この内蔵形情報記憶媒体42への情報の記録が完了すると、情報記録再生装置(ホームサーバ)1内の制御部17は全ての内蔵形情報記憶媒体42に一時記録されている情報を同時に再生すると共に、記録再生部内コントローラ43内部でパラレル/シリアル変換させ(分散配置記録された個々の情報を時系列的に一列に組み合わせ)、1個の脱着可能な情報記憶媒体31内に再記録処理を行う。この再記録処理は、早いに越したことはないが、デジタル放送のリアルタイムレコーディング時に要求される速度より遅くてもよい。この再記録処理が完了すると、制御部17は内蔵形情報記憶媒体42に一時記録されている情報に対する削除処理を行う。
【0079】
これにより、光ケーブル11で接続されたモデムルータ3またはEHDMIケーブル12で接続されたホームネットワークシステム内の各種機器から見た時の情報記録再生装置(ホームサーバ)1に対する情報の転送速度を大幅に向上できると共に、光ケーブル11またはEHDMIケーブル12内で情報転送され無い時間を活用した制御時間の有効活用(その時間を利用して媒体42にバッファリングされた情報を媒体31へ移動させるなど)が可能となる。
【0080】
図3または図4に示した構造を有する脱着可能な情報記憶媒体31(メモリカード31xまたは31y)は、図5に示すように、情報記憶媒体の挿入用ガイド51に沿ってスライドさせて記録再生部18内に装着する。この脱着可能な情報記憶媒体31が装着された状態では、情報の入出力用接続部50が隣接配置されている。脱着可能な情報記憶媒体31内の構造が図3に示した構造を有する場合には、この情報の入出力用接続部50内にアンテナが内装されており、脱着可能な情報記憶媒体31(メモリカード31x)に対する電源(電力エネルギ)の供給と各種情報の入出力処理は電波を介して行われる。また、図4に示した構造を有する場合には、この情報の入出力用接続部50内には発光素子と受光素子が内装されており、脱着可能な情報記憶媒体31(メモリカード31y)に対して、発光素子による電源(電力エネルギ)の供給と情報の記録処理、受光素子による情報の再生処理が行われる(後述する図6の下段参照)。
【0081】
図5に示すように、いずれの脱着可能な情報記憶媒体31が装着された場合も、媒体31(メモリカード31xまたは31y)が情報記録再生装置の外壁46から突出しない構造となっている。すなわち、装着時の脱着可能な情報記憶媒体31の最も手前側の面が情報記録再生装置の外壁46よりも D の長さだけ引っ込むように設計されている。このように配置させることで、ユーザが情報記録再生装置の外壁46に触れても、直接ユーザが脱着可能な情報記憶媒体31の一部に触れないため、情報記憶媒体31に対する情報の記録再生処理が安定する。機械部品の寸法精度は、最高精度で±0.03mm、一般的には±0.2mmと言われている。従ってこの記録再生部18を安価にユーザに提供するには、上記 D の値を 0.2mm 以上に設定する事が望ましい。また、この記録再生部18が比較的高価になっても構わない場合には、最低でも、上記 D の値を 0.03mm 以上に設定する。
【0082】
更にこの脱着可能な情報記憶媒体31の記録再生部18からの離脱処理をユーザへの引き抜き処理を前提とすると、この記録再生部18を一層安価にユーザに提供できる。具体的な離脱処理方法としては、複数装着されている脱着可能な情報記憶媒体31の間の隙間(隣接する情報記憶媒体の挿入用ガイド51の間で情報の入出力用接続部50の手前位置)に指を挿入し、脱着可能な情報記憶媒体31を2本の指で挟んだ形で手前に引き抜く。この引き抜き処理を可能にするには、隣接位置に配置された脱着可能な情報記憶媒体31間の隙間を特定の長さ以上に設定する。装着時の隣接するこの情報記憶媒体31間の間隔をPs、図3に示すように情報記憶媒体31の厚みをTとした時、この隙間はPs−Tとなる。成人男性の指太さは1.5cm前後なので、このPs−Tの値を最低でも0.5cm(1.5cmの1/3)、望ましくは1.5cm開けると良い。
【0083】
図5に示す実施の形態では、脱着可能な情報記憶媒体31毎に情報記憶媒体毎の動作状態表示灯49(例えば緑色に発光するLED)と、情報記憶媒体への記録状態表示灯48(例えば赤色に発光するLED)が標準装備されている。この記録再生部18に複数の脱着可能な情報記憶媒体31を装着した場合には、実際にどの情報記憶媒体31が使用中かユーザは判断し辛い。各種コンテンツ情報または管理情報へのアクセスや再生時に、その上に配置された情報記憶媒体毎の動作状態表示灯49が点灯すると、ユーザはどの情報記憶媒体31に特定の情報が記録されているかが分かる。更に特定の情報記憶媒体31に情報を記録している時に情報記憶媒体への記録状態表示灯48が点灯すると、記録途中の情報記憶媒体31をユーザが誤って離脱処理せずに済む。なお、記録再生部の上面47には記録再生拡張部に対する電気信号接続部45が配置されている。
【0084】
図6は、この発明の一実施の形態に係るメモリ蓄積棚(メモリカードバンク)の他例を説明する図である。記録再生部の上面47(図5参照)には記録再生拡張部に対する電気信号接続部45が配置されている。この電気信号接続部45を介して電気的に接続する事で、記録再生部18の直上に記録再生拡張部52を乗せて記録再生部を増設し、情報記録再生装置(ホームサーバ)1内へ記録可能な容量を増やすことができる。記録再生部の上面47に記録再生拡張部52を増設した応用例を図6に示す。記録再生拡張部52の上面53にも別の記録再生拡張部に対する電気信号接続部45が設置されており、ここへ電気的に接続する事で記録再生拡張部52の上に更に次の記録再生拡張部52を乗せて増設することもできる。この実施の形態では、機械的強度が確保されている限り、基本的に何段でも記録再生拡張部52の拡張増設が可能になっている。
【0085】
この記録再生拡張部52では、記録再生部18のように内蔵形情報記憶媒体42を内蔵していないが、多数の脱着可能な情報記憶媒体31の装着が可能となっている。またこの記録再生拡張部52でも、情報記憶媒体の挿入用ガイド51が形成されており、この情報記憶媒体の挿入用ガイド51に沿って脱着可能な情報記憶媒体31の装着を行う。この脱着可能な情報記憶媒体31が装着された状態で、情報の入出力用接続部50が隣接配置されている。そして各脱着可能な情報記憶媒体31毎に情報記憶媒体毎の動作状態表示灯49と情報記憶媒体への記録状態表示灯48が設置されている。
【0086】
なお、情報記憶媒体31が図4の構成を持つメモリカード31yであり、その光送受信素子がワンパッケージ化されている場合は、それ用の入出力用接続部50yには、図6の下段に破線で囲ったような構成の給電用光源(高輝度LED)26yと、光送受信素子(高速点滅可能なLED30ya+高速フォトダイオード30yb)が配置される。
【0087】
図7は、この発明の他の実施の形態に係るメモリ蓄積棚(USBメモリカードバンク)を説明する図である。このUSBメモリバンクにより記録再生部18が構成される。ここでは情報記録再生装置(ホームサーバ)1内の制御部17との接続にUSB端子60を使用し、USB端子のインターフェース制御部59が内蔵されている。この記録再生部18内には記録再生部内の記録再生制御部58が内蔵されており、USB端子のインターフェース制御部59への指示と各情報記憶媒体31に対する情報転送制御を行っている。この記録再生部内の記録再生制御部58に接続されたバスラインは、各情報記憶媒体31に対する各種情報の転送に使われるデータ用バスライン56と、各情報記憶媒体31に対してコマンドを発行して各情報記憶媒体31からステータスを回収する制御用バスライン57から構成されている。なお、図7に示す実施の形態では、内蔵用情報記憶媒体42は標準装備されない。また、この実施の形態で用いられる情報記憶媒体(小型のメモリカード)31の一部のエッジは、外部機器との接続と給電のために電気接点(図示せず)を装備している。
【0088】
情報記憶媒体31が装着される受け側にはそれぞれソケット54が配置されている。このソケット54に情報記憶媒体31の電極装備側エッジが押入されると、情報記憶媒体31は、電気的な接続が確立された状態で機械的にロックされる。このソケット54は、ノック式のボールペンのように情報記憶媒体31を深く挿入することで長さSだけ延びる(情報記憶媒体31を押し戻す)ようなスプリングバック構造を持っている。そのため、長さSだけソケットが延びた状態((a)から(b)に変化した状態)で情報記憶媒体31の一部が記録再生部18から突き出されると、情報記憶媒体31の突出端を摘むことで離脱処理が可能となる。
【0089】
図7に示す構造の場合には、情報記憶媒体31の装着時に隣接した情報記憶媒体間の距離Psと情報記憶媒体31の厚みTに対して、必ずしもPs−T≧0.5mmを満足する必要は無い。しかし情報記憶媒体31の外形寸法に対して余りにもPsが短過ぎると使い辛くなる。Psが短すぎると指55の押し方で他の情報記憶媒体31を誤って押してしまう危険性があるからである。試作実験により使い易い限界を調べると、
Ps/L≧0.1(図3に示すようにLは情報記憶媒体31の長さを意味する)またはPs/W≧0.1(図3に示すようにWは情報記憶媒体31の幅を意味する)またはPs/S≧0.1が必須条件となり、Ps/L≧0.5またはPs/S≧0.5またはPs/S≧0.5の条件が望ましい事が分かった。
【0090】
この発明の実施の形態に係る情報記憶媒体を用いた装置もしくはホームサーバは、次のような内容を含む:
1.《装着時のメモリカード間の隙間を指が入るように開ける》
情報の記録と再生が可能かつ脱着可能な情報記憶媒体との間で前記情報の入出力を行う接続部(ソケットまたは無線/赤外線通信I/F部)を複数具備するとともに、
装着時の隣接する前記情報記憶媒体間の間隔をPs 、前記情報記憶媒体の厚みをTとした時、Ps−Tの値が5mm以上となる事を特徴とする情報記録再生装置またはホームサーバ。
【0091】
2.《装着時のメモリカードの一部が情報記録再生装置の外壁よりも突出しない》
情報の記録と再生が可能かつ脱着可能な情報記憶媒体を同時に複数装着可能な情報記録再生装置において、複数の前記情報記憶媒体を装着した時の少なくとも1個の前記情報記憶媒体が、前記情報記録再生装置の外壁よりも突出しない構造を有した事を特徴とする情報記録再生装置またはホームサーバ。
【0092】
3.コンテンツに対する、複数の情報記憶媒体への同一フォーマットでの同時記録を行わない(同一コンテンツに対して、異なるフォーマット毎に別の情報記憶媒体への同期記録は可能とする)。
【0093】
4.コンテンツの再生単位(セル)は個々の情報記憶媒体内で定義可能とし(複数の情報記憶媒体に跨ったセルの設定を禁止し)、その管理情報(セル情報CI)内には、情報記憶媒体の識別情報が含まれるようにする。
【0094】
5.情報記憶媒体毎に再生に関する管理情報を記録し、各情報記憶媒体内に記録された管理情報を統合してメニュー表示できるようにする。
【0095】
6.少なくともコンテンツ内の特定単位(オブジェクトの基本単位VOBU)毎の録画時刻を推定できる情報をコンテンツと共に記録する。
【0096】
7.同一コンテンツが複数の情報記憶媒体内に分散記録された場合には、録画時刻順に再生可能とする。
【0097】
図8は、この発明のさらに他の実施の形態に係るメモリ蓄積棚(電子レンジのような収納部を持つメモリカードバンク)を説明する図である。図8は、図1に示す情報記録再生装置(ホームサーバ)1内の記録再生部18に関する他の実施の形態である。図5や図7に示す記録再生部18では、記録再生部18への脱着可能な情報記憶媒体31の装着時には情報記憶媒体の挿入用ガイド51やソケット54に沿ってこの脱着可能な情報記憶媒体31を挿入する必要があり、ユーザへの手間が発生する。図8に示す記録再生部18では、脱着可能な情報記憶媒体の保存場所(メモリカード収納キャビティ)61内にこの脱着可能な情報記憶媒体31を入れるだけで良い構成としている。
【0098】
図8の例示では、脱着可能な情報記憶媒体(図3の構造を持つメモリカード)31xの保存場所61内に出し入れ自在な情報記憶媒体31xを寝かせた形で重ねて置いてある。ユーザが新たな情報記憶媒体31xをこの記録再生部18内に装着する場合には、現状最も上部に重ねてある脱着可能な情報記憶媒体31の上に乗せるか、無造作に放り込むだけで良い。(個々のメモリカードはそれらのカード固有IDで識別できるので、キャビティ61内におけるメモリカードの積み重ね状態はどうでもよい。)その結果、ユーザによる脱着可能な情報記憶媒体31の挿入処理が不要となり、ユーザの利便性が大幅に向上する。また、図3に示す情報記憶媒体31では無線通信による情報の入出力(記録再生)処理と給電が可能なので、保存場所61内の上面に配置された情報記憶媒体に対する情報入出力(記録再生)用と電源供給用アンテナ62x(およびアンテナ62xと互いに直交する向きの補助アンテナ62y、62z)に必要な電流を流す事で、情報記憶媒体31に対する情報の入出力(記録再生)と情報記憶媒体31に対する電源供給が可能となる。このアンテナ62(62x〜62z)に対する駆動電流は、アンテナ駆動用回路部63から供給される。無線通信の場合、ループ形状のアンテナの向きが送信側と受信側で同じ方向を向いている場合が最も通信が安定し(転送されるキャリア振幅が大きく)、直交関係にあると無線通信し辛い特徴がある。しかし、図8に示すようにx−y−zの直交3軸方向にアンテナを配備しておけば、情報記憶媒体31xが保存場所61内でどの方向を向いていても無線通信と無線給電は可能になる。つまり、保存場所61内に無造作に情報記憶媒体31xを放り込むだけで、それらの媒体がプラグ・アンド・プレイでシステムに接続され、利用可能になる。
【0099】
なお、図8の例示では、保存場所61内で全ての情報記憶媒体31xが横置きされている。このように配置された場合には、図3から分かるようにこの情報記憶媒体31x内の無線通信用アンテナ3内のループ平面は図8において水平方向に向く。それに対して情報記憶媒体に対する情報入出力(記録再生)用と電源供給用アンテナ62xのループ平面も図8において水平方向に向くため、情報記憶媒体31xに対する無線通信の送受信が最も安定する。そのため、情報記憶媒体31xが常に横置きされる場合は、補助アンテナ62yおよび/または62zは省略できる。
【0100】
内蔵形情報記憶媒体42が図3の構造を持つ場合、この媒体42は情報再生部18内で縦置きに配置されてるため、補助アンテナ62zがない場合では、媒体42中の無線通信用アンテナ35のループ平面は情報記憶媒体に対する情報入出力(記録再生)用と電源供給用アンテナ62xのループ平面と互いに直行の関係にある。その結果、情報記憶媒体31xに対する情報入出力(記録再生)用と電源供給用アンテナ62から発生する電磁波が内蔵形情報記憶媒体42へ及ぼす影響を最大限除去できる。
【0101】
図8に示すようにx−y−zの直交3軸方向にアンテナが配備される場合は、内蔵形情報記憶媒体42は無線通信の同調周波数を情報記憶媒体31xの同調周波数と別にして周波数分離するか、内蔵形情報記憶媒体42を図4に示すように光通信タイプにするか、内蔵形情報記憶媒体42を電気接点接続タイプ(図示せず)とすればよい。
【0102】
なお、情報再生部18の上部には記録再生拡張部に対する電気信号接続部45が配置されており、ここでの電気接続により情報再生部18の上に記録再生拡張部52を増設して記録可能な総容量を増加できる。
【0103】
次に、図8の構成を用いた図1のホームサーバにおける、情報の流れに付いて説明する。光ケーブル11を経由してモデムルータ3から転送された各種情報(図1)は、ホームサーバ(情報記録再生装置)1内の制御部17を介して特殊ケーブル14経由で情報再生部18内の記録再生部内コントローラ43(図8)内に転送される。次にこの記録再生部内コントローラ43内でシリアル/パラレル変換されて、内蔵形情報記憶媒体42内に高速で一時保存(一時記録)される。この内蔵形情報記憶媒体42内への一時保存が完了すると、制御部17の指示に従ってこの内蔵形情報記憶媒体42内から読み出された各種情報は記録再生部内コントローラ43内でパラレル/シリアル変換される。このパラレル/シリアル変換後の情報はアンテナ駆動用回路部63に転送され、この情報に対応した変調信号に合わせて情報記憶媒体31xに対する情報入出力(記録再生)用と電源供給用アンテナ62(62x〜62z)に電流が駆動され、指定された脱着可能な情報記憶媒体31x内に記録(情報保存)される。
【0104】
一方、脱着可能な情報記憶媒体31xに予め記録された情報は、無線通信によりアンテナ62(62x〜62z)で読み取られ、アンテナ駆動用回路部63と記録再生用コントローラ43、特殊ケーブル14内を順次経由して制御部17(図1参照)に転送される。その後、この制御部17からEHDMIケーブル12を経由して、情報記憶媒体31xから読み取られたAV情報などがTVモニタ8で表示される。
【0105】
図9は、メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)の制御部の構成例を説明する図である。図1に示した制御部17内のシステム構造は、図9のようになっている。すなわち、リモコン2から出力された赤外線13は、この制御部17内のリモコンコントローラ71内で受信され、その受信結果が統合制御系73へ転送される。この統合制御系73は、制御部17内の各パートを統合的に制御し、情報記憶媒体31間の各種情報の入出力(記録再生)制御やこの情報記憶媒体内に記録された全情報に対するメニュー画面表示制御やリモコンで入力されたユーザ要求に基付く各種情報の転送制御などを行う。
【0106】
光ケーブル11を経由してモデムルータ3から転送された各種情報は、モデムルータコントローラ72内に転送される。このモデムルータコントローラ72内に転送された各種情報の種別(映像か音声か静止画像か一般的なコンピュータ情報か)とその各種情報に関する属性情報や管理情報は、前述した統合制御系73内に入力され、ホームサーバ(情報記録再生装置)1として最適に動作するようにこの統合制御系73が制御する。
【0107】
一方、映像情報など間断無く高速転送が必要な情報は、モデムルータコントローラ72から直接記録再生部間情報転送コントローラ77に転送される。この記録再生部間情報転送コントローラ77は、統合制御系73からの指示に基付き、制御部17と記録再生部18間の情報の転送処理および、記録再生部18内に装着された内蔵形情報記憶媒体42と脱着可能な情報記憶媒体31との間の情報の転送や移動処理を制御する。ここで、制御部17と記録再生部18間を接続する特殊ケーブル(専用ケーブル)14内には、各種情報そのものの転送に利用されるデータ用ライン78(図7のデータ用バスライン56に対応)と、個々の情報記憶媒体31に対するコマンド情報の転送とステータス情報の回収に利用される制御用ライン79(図7の制御用バスライン57に対応)が含まれている。
【0108】
なお、図7のUSBメモリバンクは、USBインターフェースコントローラ70を介して記録再生部間情報転送コントローラ77に接続されるようになっている。
【0109】
個々の脱着可能な情報記憶媒体31内には、既に記録されている各種情報に関する管理情報も予め記録されている。個々の情報記憶媒体31内に記録されたこの管理情報は、記録再生部間情報転送コントローラ77の制御により読み取られ、情報記憶媒体内に記録された管理情報の解析部74に送られる。この解析部74では全ての情報記憶媒体31内の管理情報を解析し、その解析結果を全体的に統合してメニュー画面の元情報を形成する。この形成結果がモニタ画面作成部75に転送され、ユーザに表示するメニュー画面を作成する。この作成されたメニュー画面は、EHDMIへのインターフェースコントローラ76からEHDMIケーブル12を経由して転送され、TVモニタ8(図1参照)で表示される。一方、映像情報など間断無く高速転送が必要な情報は、情報記憶媒体31から再生されると、記録再生部間情報転送コントローラ77から直接EHDMIへのインターフェースコントローラ76を経由してEHDMIケーブル12でTVモニタ8へ転送される。
【0110】
既に図2で説明したEHDMI通信における階層構造において、イーサーネットレイヤ21(物理的階層)とTCP/IPレイヤ22(通信プロトコル)に関してはEHDMIへのインターフェースコントローラ76が直接制御する。それに対してDLNAレイヤ23(コマンド指定)で発行される各種コマンドは、統合制御系73からの指示または情報記憶媒体内に記録された管理情報の解析部74での解析結果に基付きEHDMIへのインターフェースコントローラ76内で生成される。
【0111】
所で、図9に示すようにホームサーバ(情報記録再生装置)1内でこの制御部17と記録再生部18との間が特殊ケーブル14で分離されている所にこの発明の一実施の形態の大きな特徴がある。これにより、この制御部17だけを安価に販売できるだけでなく、任意の最大容量の記録再生部18との交換が容易となる。
【0112】
同様に、図7のUSBメモリバンクもホームサーバ1から分離されているので、USBメモリバンク単体製品は安価に販売できるし、複数のUSBメモリバンクをUSBライン上でディジーチェーン接続すればそれまで使用していたUSBメモリバンクを無駄にすることなく記憶容量の増大を図ることができる。
【0113】
図10は、メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードの空き領域を検索して統合する手順の一例を説明するフローチャート図である。以下、図10を参照して、情報記録再生装置(ホームサーバ)1内でのホームサーバとしての動作方法に付いて説明する。まず始めに情報再生部18内に装着された全情報記憶媒体31内に記録された情報の種別とファイル名、空き容量(ファイル管理情報)の検出方法に付いて説明する。
【0114】
全ての情報記憶媒体31内には、内蔵形あるいは脱着可能形といったタイプに関わらず、個々の識別情報(Identification情報:図21(a)のカード固有ID参照)が設定されており、図3または図4内の情報記憶媒体内コントローラ39の中で管理されている。従って、制御部17内の記録再生部間情報転送コントローラ77は、この識別情報を利用して個々の情報記憶媒体31内に記録された情報を管理する。
【0115】
図10では、例えば図8に示すような情報再生部18の構造を前提とし、複数の脱着可能な情報記憶媒体31が無秩序に配置されている。従って、各情報記憶媒体31内に記録されたファイル管理情報の検索開始に当たって、「何個の情報記憶媒体31が装着されているか?」と「各情報記憶媒体31のID情報は何か?」を始めに調査する必要がある。図6などで示したように、この記録再生部18は、記録再生拡張部に対する電気信号接続部45を介して複数個の記録再生拡張部52の増設が容易である。従って制御部17内の記録再生部間情報転送コントローラ77は、この記録再生拡張部52内に装着された脱着可能な情報記憶媒体31に対しても上記の調査を行う必要がある。
【0116】
制御部17内の記録再生部間情報転送コントローラ77は、記録再生部18の中に配置された記録再生部内コントローラ43、アンテナ駆動用回路部63を経由して、情報記憶媒体に対する情報入出力(記録再生)用と電源供給用アンテナ62で電流を流し、脱着可能な情報記憶媒体の保存場所61内に存在する全ての脱着可能な情報記憶媒体31(無線タイプのメモリカード31x)に対してID情報を回答するように指示を出す(ST10)。
【0117】
このコマンドを受けると、対応する脱着可能な情報記憶媒体31から固有なID情報を発信して回答する(ST12)。
【0118】
この時、複数の異なる脱着可能な情報記憶媒体31から同時にID情報を無線発信する場合が発生する。もしこのような同時回答が発生した場合には、遅れて回答を始めた情報記憶媒体31側の無線発信を停止すると共に、先に回答を始めた情報記憶媒体31は複数回のID情報の無線発信を行う。この無線信号は情報記憶媒体に対する情報入出力(記録再生)用と電源供給用アンテナ62側で受信され、アンテナ駆動用回路部63内で信号増幅された後に記録再生部内コントローラ43と特殊ケーブル14を経由して記録再生部間情報転送コントローラ77に転送される。
【0119】
このようにしてこの記録再生部間情報転送コントローラ77が1個のID情報を認識すると、過去に認識した全てのID情報を脱着可能な情報記憶媒体31に通知し、未回答の脱着可能な情報記憶媒体31に対するID情報の回答を促す(ST14)。その直後に特定期間だけ情報記憶媒体31からの回答を待つ(ST16)。この記録再生部間情報転送コントローラ77が認識していないID情報を持った情報記憶媒体31が有れば、この特定期間に回答するが、もし全ての情報記憶媒体31のID情報を認識している場合には回答が戻らない。従ってこの特定期間に情報記憶媒体31からの回答があるか否かを調べ(ST18)、もし回答が戻って来た場合(ST18ノー)にはST14からの処理を繰り返す。また回答が戻って来ない場合(ST18イエス)には、この記録再生部間情報転送コントローラ77は記録再生拡張部52内も含めて全ての脱着可能な情報記憶媒体31のID情報の収集が完了したと見なして、全ての脱着可能な情報記憶媒体31からのファイル管理情報の収集を行う。
【0120】
この発明の一実施の形態では、全ての情報記憶媒体31内で管理されているファイル管理情報はFAT32形式(File Allocation Table)で記載されているものとして扱う(図16〜図20参照)。この記録再生部間情報転送コントローラ77は、先に収集したID情報を利用して対象となる脱着可能な情報記憶媒体31を指定し、その中に記録されているFAT32の情報を再生する(ST20)。そして全ての脱着可能な情報記憶媒体31からのファイル管理情報(FAT)の再生が完了した場合には(ST22イエス)、全てのファイル管理情報(FAT)を統合して脱着可能な情報記憶媒体毎の空き領域(新たに情報の記録が可能な領域)のサイズと全体の空き領域サイズをまとめる(ST24)。その後、統合制御系73の指示に従い、ST24で行った処理結果を統合制御系73またはモニタ画面作成部75に回答する(ST26)。
【0121】
図11は、メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードへ情報記録を行う手順の一例を説明するフローチャート図である。以下、モデムルータ3から転送される映像情報(ネット配信される動画)もしくはデジタルTV放送プログラム等のAV情報の情報記憶媒体31への記録方法に付いて説明する。始めに録画(記録)する映像情報サイズ(録画予定のプログラムのトータル時間と録画に使用する記録レートからわかる)が予め決まっている場合を説明する。
【0122】
ユーザがリモコン2を利用して録画指定すると、その情報がリモコンコントローラ71を経由して図9に示された統合制御系73に伝わる。すると統合制御系73はモデムルータコントローラ72から録画に必要な映像情報サイズ情報を収集する(ST30)。次に統合制御系73から記録再生部間情報転送コントローラ77に指示を出し、全ての脱着可能な情報記憶媒体31内の空き領域サイズを収集する(ST32)。ここで、記録再生部間情報転送コントローラ77は図10に示した方法で事前に全ての脱着可能な情報記憶媒体31内の空き領域サイズを収集しているので、この情報を転送させる。その後、ST30で収集した録画に必要な映像情報サイズ情報を元に空き領域がこの値よりも大きな情報記憶媒体31を探し、録画可能な情報記憶媒体の選別を行う(ST34)。
【0123】
次に統合制御系73が選別した録画可能な情報記憶媒体31の候補一覧表を含むメニュー画面をモニタ画面作成部75内で作成させる。この画面をEHDMIへのインターフェースコントローラ76とEHDMIケーブルを経由してTVモニタ8(図1参照)に表示し、ユーザのリクエスト有無を問い合わせる(ST36)。ユーザがリモコン2でリクエストすると、ユーザが指定した(ユーザのリクエストが無い場合には空き領域の最も大きな)特定の情報記憶媒体31への録画を開始する(ST38)。
【0124】
録画が完了すると、解析部74内で録画情報の管理情報を作成するように統合制御系73が指示を出す(ST40)。この録画情報の管理情報(図21(h)または図22〜図23参照)内には「録画を開始した時刻情報」と、再生時間と情報記憶媒体31内の記録場所との関係を示した「タイムマップ情報」が含まれ、前記録画した映像情報とは別のファイル(図25の*付きファイル参照)で同一の情報記憶媒体31内に記録される。
【0125】
それが完了すると、解析部74内で録画情報に関する再生管理情報(図21(g)または図24参照)を作成するように統合制御系73が指示を出す(ST42)。この再生管理情報(PGCI)は情報記憶媒体に記録された映像情報の再生手順を示す情報で、前記録画した映像情報や録画情報の管理情報(VOBIまたはSOBI)とは別のファイルで同一の情報記憶媒体31内に記録される。そしてこの録画情報の管理情報と再生管理情報が完成すると、統合制御系73の制御により、解析部74から記録再生部間情報転送コントローラ77と記録再生部18を経由して、録画映像情報が記録された情報記憶媒体31内に、別ファイル(図25の*付きファイル参照)として記録される(ST44)。
【0126】
図11の手順を別の観点で説明すると、次のようになる。すなわち、録画(記録)する映像情報サイズが予め決まっていない場合には、記録再生部間情報転送コントローラ77から情報記憶媒体毎の空き領域サイズ情報の収集を行った後(ST32)、空き領域の大きい情報記憶媒体31の順にユーザに表示し、その映像情報を特定の情報記憶媒体に記録したいか否かのリクエストをユーザに問い合わせる(ST36)。ユーザからの特定の指定が無い場合には、空き領域の大きな情報記憶媒体31から順次録画を行う。
【0127】
この場合には、一度に録画する映像情報が異なる複数の脱着可能な情報記憶媒体31に跨って録画(記録)される可能性がある。その場合には
・「録画を開始した時刻情報」と「タイムマップ情報」が含まれる「録画情報の管理情報」に関しては、対応する映像情報が記録された脱着可能な情報記憶媒体31内にのみ記録し、
・再生管理情報に関しては、一度に録画する映像情報を録画(記録)した異なる複数の脱着可能な情報記憶媒体31全てに同じ内容で記録し、
・再生管理情報内には映像情報が録画(記録)された情報記憶媒体31のID情報を持たせる。ここに、この実施の形態の特徴がある。
【0128】
具体的な方法に付いて説明する。一度に録画する映像情報が異なる複数の脱着可能な情報記憶媒体31に跨って録画(記録)された場合、同一の脱着可能な情報記憶媒体31内に記録された映像情報単位で映像再生単位であるセルを定義し、そのセルの繋がりとして異なる複数の情報記憶媒体に録画された情報の再生を可能とする。そしてこの再生管理情報とはこのセルの再生順番とセルに関する管理情報から構成される。特にこのセルに関する管理情報内に、このセルに対応する映像情報が記録されている脱着可能な情報記憶媒体31のID情報を持たせる(図21(g)参照)。これにより再生時にはどの脱着可能な情報記憶媒体31をどの順に再生すれば良いかが分かる。
【0129】
この発明の一実施の形態ではユーザは任意の脱着可能な情報記憶媒体31を記録再生部18から離脱できる。ユーザが特定の脱着可能な情報記憶媒体31を記録再生部18から外した場合には、上記セルに関する管理情報内に記録されたID情報を持った情報記憶媒体31が欠落する。この発明の一実施の形態では、異なる複数の脱着可能な情報記憶媒体31に跨って録画(記録)された映像再生時には、欠落した情報記憶媒体31に記録された映像情報に対応したセルを飛ばし、次のセルの再生を行う事とする。それによりユーザが特定の脱着可能な情報記憶媒体31を記録再生部18から外した場合でも、映像再生を中断する事無くユーザに録画した映像の再生を保証できる。
【0130】
更にユーザが多数の脱着可能な情報記憶媒体31を記録再生部18から外した結果、上記の再生管理情報が全く意味をなさない場合が発生する。この時には統合制御系73の指示に基付き、情報記憶媒体内に記録された管理情報の解析部74が、記録再生部18内に装着された全ての脱着可能な情報記憶媒体31内に記録された「録画情報の管理情報」を収集し、その中に記録された「録画を開始した時刻情報」を利用し、その録画を開始した時刻情報の古い順にセルを並べて再生管理情報を再構築する。次に、統合制御系73の制御に基付き、その構築結果を情報記憶媒体内に記録された管理情報の解析部74から記録再生部間情報転送コントローラ77と記録再生部18を経由して関係する全ての脱着可能な情報記憶媒体31に対して上書き修正を行う。
【0131】
最後にTVモニタ8に表示するメニュー画面に付いて説明する。この発明の一実施の形態では2通りのメニュー画面を持つ。すなわち記録再生部18と記録再生拡張部52内に装着された全ての脱着可能な情報記憶媒体31内に記録されている全ての各種情報を統合し、唯一の記録媒体内に記録されている情報としてまとめて表示するメニュー画面がその一つに対応する。この場合にはユーザは個々の脱着可能な情報記憶媒体31を意識する事無く、各種情報の記録が可能となる。但し実際に情報を記録する場合には、情報の記録を行っている脱着可能な情報記憶媒体31の真上に付いている情報記憶媒体への記録状態表示灯48(図5、図6参照)を点灯させて、ユーザに対してどの脱着可能な情報記憶媒体31に記録しているかを表示する。
【0132】
もう一方の表示方法は通常のパーソナルコンピュータの表示画面と同様、脱着可能な情報記憶媒体31毎に既に記録されているファイルとその属性を表示する。
【0133】
図12は、メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードに跨ってAV情報(同一プログラム)を録画する手順の一例を説明するフローチャート図である。ここでは、「同一プログラムが複数の異なるメモリカードに跨って記録される場合」に対応した録画方法を説明する。
【0134】
まず、論理的な接続が確立された1以上のメモリカード(物理的に存在する1以上のメモリカードのうち図21(a)のROM102内プログラムにより認証されたものだけ)各々について、識別情報(カード固有ID)とアロケーション情報(FAT)を収集する(ST50)。次に、収集した識別情報とアロケーション情報から、メモリカード毎に、空き領域サイズ(および/または空き領域サイズを所定の記録レートで換算した録画可能時間)を、表示装置上に表示する(ST52)。(例えば空き領域サイズが全記録領域サイズの1%以下というような、実質的に空き容量がないメモリカードについては、録画不能の表示をするか、表示対象から外す。)
次に、表示から、録画(情報記録)に使用する1以上のメモリカード(空き容量があるもの)を、リモコン操作などにより、ユーザに選択してもらう(ST54)。(図示しないリモコンのカーソルキー操作で該当メモリカードのアイコンを選択し、エンターキーを押すなど。)あるいは、以下のa〜cいずれかの処理に対するアイコンを表示し、それらのうちの1つをユーザに選択してもらう。所定時間経過してもユーザが何も選択しない場合は、以下のa〜cいずれかをデフォルト選択する:
a.デフォルトで、空き容量の大きなものから順に使用されるように全てのメモリカードを選択する。(1つのプログラム全体の記録を1枚のメモリカードで賄える可能性を高くする。1つのプログラムが複数のメモリカードに分散して記録されるような場合でも、分散記録に使われるメモリカードの数を極力減らす。)あるいは、
b.デジタル放送プログラムなどを録画する場合においてEPG情報からプログラム全体の録画時間が分かっており、所定の記録レートでもって尻切れにならずにそのプログラム全体の録画が可能な大きさの空き容量があるメモリカードが1以上あれば、そのうちの空き容量の最も少ないメモリカードを選択する。(途中まで使用済みのメモリカードの全記録容量をなるべく早く無駄なく使い切る。記録容量を使い切ったメモリカードは、書き込み禁止あるいは消去禁止のプロテクトをかけて再生専用にすることができる。)あるいは、
c.1枚でプログラム全体を録画可能なメモリカードがないときは、空き容量の小さなものから順に使用されるように全てのメモリカードを選択する。(空き容量が少ないメモリカードはなるべく早く使い切り、空き容量が少ないメモリカードの残数が増えにくくする。記録容量を使い切ったメモリカードは、書き込み禁止のプロテクトをかけて再生専用にすることができる。使い切ったメモリカードの容量分は新たなメモリカードを追加することで補填する。なお、カード全体でなく個々のプログラムに対する書き込み禁止のプロテクトはPGCI/PGI/PG_TY内のprotectフラグを用いて行うことができる。)
次に、選択された1以上のメモリカードの空き領域にこれから録画しようとするコンテント(デジタル放送プログラム等のビデオオブジェクトまたはストリームオブジェクト)が、所定の記録レートで収まるかどうかチェックする(ST56)。例えば、MPEG-2のTS録画では24Mbps、MPEG-4 AVC(H.264)のTSE録画では6.0Mbpsまたは8.0Mbps、MPEG-2のPS録画では4.6Mbpsまたは2.2Mbpsで、これから録画しようとするコンテントが選択された1以上のメモリカードの空き領域に収まるかどうかチェックする。
【0135】
収まらないときはその旨をユーザに通知して、空き領域のあるメモリカードを更に追加選択してもらうか、選択されたメモリカードの一部または全部を、より空き容量の大きな1以上のメモリカードに選択し直してもらう(ST58)。もしくは、選択されたメモリカードに記録されているオブジェクトの一部または全部を消去してもらい、そのメモリカードの空き容量を増やす。あるいは、ユーザが選択した1以上のメモリカードの空き領域にこれから録画しようとするコンテントが尻切れにならずに全部録画できるように、記録レートを下げる、および/または録画モードを変える。例えば24MbpsのTS録画モードで1時間分の空き容量しかない場合に3時間のプログラムを録画するときは、8.0MbpsのTSE録画モードに変更する。
【0136】
録画に使うメモリカードと記録モードが決まったあと、録画を開始する(ST60)。録画が終了したら、録画に使ったメモリカード毎に、録画されたビデオオブジェクトの録画管理情報(VOBIまたはSOBI)を作成する(ST62)。作成した録画管理情報(VOBIまたはSOBI)は前述したように2箇所に記録する。
【0137】
具体的には、録画管理情報(VOBI / SOBI)には、録画時間の情報(録画開始時間VOB_REC_TM / SOB_REC_TM)、タイムマップの情報(TMAPI / SOB_TMAPI)などが記録される。この録画管理情報(VOBI / SOBI)は、録画に使ったメモリカードそれぞれと、録画されたコンテントのオブジェクトファイルの先頭に記録される。ここで、タイムマップ(TMAP)とは、録画されたビデオオブジェクト(VOBまたはSOB)内の再生時間を、そのオブジェクトの基本単位(VOBUまたはSOBU)に変換するデータテーブルである。ビデオオブジェクトユニット(VOBU)は、1以上のGOPまたはリファレンスピクチャを含み、再生時間に換算して0.4秒から1.0秒(MPEG-2のPS録画)の長さとなる単位である。また、ストリームオブジェクトユニット(SOBU)は、1以上のピクチャアクセスユニット(PAU)を含み、再生時間に換算して数秒以下(MPEG-2のTS録画またはMPEG-4 AVCによるTSE録画)の長さとなる単位である。このPAUは、MPEG-2ではGOPに対応し、MPEG-4 AVCではGOVUに対応し、VC−1ではGroup of Picturesに対応する。
【0138】
同一プログラム(録画されたコンテント)が複数のメモリカードに跨る場合は、録画に使用したメモリカード内の全ての再生管理情報(ORG_PGCI)を書き換える(ST64)。その際は、同じセルが複数のメモリカードに跨らないようにする。
【0139】
いま、再生単位を示すセルC#1、C#2、…、C#k、…、C#nの再生順序を管理する情報が再生管理情報(ORG_PGCI)であり、同一プログラムが3枚のメモリカード31a、31k、31nに跨って録画された場合を考えてみる。すると、再生管理情報(ORG_PGCI)の書き換えによって、セルC#1、C#2のビデオ再生開始時間などを管理するセル情報CI#1、CI#2は1枚目のメモリカード31aのORG_PGCIに書き込まれ、セルC#kのビデオ再生開始時間などを管理するセル情報CI#kは2枚目のメモリカード31kのORG_PGCIに書き込まれ、セルC#nのビデオ再生開始時間などを管理するセル情報CI#nは3枚目のメモリカード31nのORG_PGCIに書き込まれる。各メモリカードの再生管理情報(ORG_PGCI)は、PGCセット情報(図21(e)のPGCSI)という再生管理情報により統合される。3枚のメモリカードの録画コンテントの再生管理は、このPGCSIにより行う。
【0140】
ここで注意すべきことは、同じセルが複数のメモリカードに跨らないことである。3枚のメモリカードが全て生きている場合は、管理情報PGCSIの記述に従い、C#1→C#2→C#k→C#nの順で記録オブジェクトが再生される。ここで、例えば2枚目のメモリカード31kが取り除かれると、C#1→C#2→C#nの順で記録オブジェクトが再生される。この場合セル情報CI#kに対応する記録オブジェクトが再生から除かれるが、残ったメモリカード31aと31nの記録オブジェクトは正常に再生される。
【0141】
しかし、もしセルC#kが残ったメモリカード31a(または31n)と取り除かれたメモリカード31kに跨っているとすると、メモリカード31kが取り除かれたことにより、残ったメモリカード31a(または31n)にあるセルC#kの一部が再生不能となってしまう。例えば、セルC#1、C#2、C#k、C#nがそれぞれ音楽の曲#1、#2、#k、#nであった場合、曲#kが2枚のメモリカードに跨っておりその1枚が取り除かれると、残ったメモリカード内の曲#kは頭が欠けるか尻切れトンボになってしまう。同じコンテンツの再生単位(セル)のオブジェクトデータが複数のメモリカードに跨って存在しないように記録を行ってその再生管理情報(ORG_PGCI)を作成すれば、一部のメモリカードの除去により例えば曲#kが丸ごとカットされることになるが、曲#kが頭欠けで再生されたり尻切れで再生されるという不都合はなくなる。
【0142】
図13は、メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードに跨って録画されたAV情報(同一プログラム)を再生する手順の一例を説明するフローチャート図である。ここでは、「全てのメモリカードが挿入されている場合」に対応した再生方法を説明する。
【0143】
まず、論理的な接続が確立された1以上のメモリカード(物理的に存在する1以上のメモリカードのうち認証されたものだけ)各々について、識別情報(カード固有ID)とアロケーション情報(FAT)を収集する(ST70)。論理的な接続が確立された1以上のメモリカードそれぞれから再生管理情報(ORG_PGCIおよび/または1以上のUD_PGCI)を収集する(ST72)。そして、収集した再生管理情報(ORG_PGCI/UD_PGCI)を統合した再生管理情報(図21(e)のPGCSI)を作成し、各メモリカード内の記録内容(プログラムまたはその一部のセル)を示す項目(テキストおよび/またはサムネール)を作成する(ST74)。
【0144】
続いて、収集した識別情報(図21(a)のカード固有ID)と、統合した再生管理情報内の固有ID情報エリア(図21(g))の内容から、再生に必要なメモリカードが今現在論理的に接続されているか否か(途中で一部のメモリカードが取り除かれていないか否か)をチェックする(ST76)。必要なメモリカードが全てある場合は、各メモリカード内の記録内容(プログラムまたはその一部のセル)を示す項目(テキストおよび/またはサムネール)を表示する。必要なメモリカードがない場合は、その欠落したメモリカードのセルは、再生対象から外れる。再生対象から外れたセルに対応する項目(テキストおよび/またはサムネール)は表示対象から除かれる。
【0145】
表示された項目から、リモコン操作などにより、ユーザが再生したい記録内容(プログラムまたはその一部のセル)を選択してもらう(ST78)。その後、収集した再生管理情報(ORG_PGCI/UD_PGCI)を統合した再生管理情報(PGCSI)の記述に従い、各メモリカード内に記録されたプログラムの再生単位であるセルを、セル再生時間順またはセル番号順に再生する(ST80)。
【0146】
以上の再生処理を簡単にまとめると、次のようになる。すなわち、全メモリカード内に記録されている再生管理情報(PGCI)を読み取り、それをマージした内容をTVモニタに表示し、ユーザが見たい映像を指定する。ここで、全メモリカード内に記録されている再生管理情報(PGCI)を読み取り、その中のセル情報(CI)内に記録されたメモリカード識別情報(図21(g)参照)を利用して、全てのメモリカードが挿入されているか確認する。そして、挿入されてないメモリカードに対応したセルは飛ばして再生する再生手順をTVモニタに表示し、ユーザが見たい映像を指定する(または挿入されてないメモリカードに対応したセルは飛ばして自動再生する)。
【0147】
図14は、メモリ蓄積棚に装着または装填された1以上のメモリカードに跨って録画されたAV情報を編集(部分消去)する手順の一例を説明するフローチャート図である。まず、論理的な接続が確立された1以上のメモリカード(物理的に存在する1以上のメモリカードのうち認証されたものだけ)各々について、識別情報(カード固有ID)とアロケーション情報(FAT)を収集する(ST90)。また、論理的な接続が確立された1以上のメモリカードそれぞれから、記録されたプログラムのオブジェクトを管理するオブジェクト情報(VOBI)と、記録されたプログラムの再生単位であるセルを管理するプログラムチェーン情報(ORG_PGCI)を収集する(ST92)。
【0148】
その後、ユーザの指示などにより、記録されたプログラムの一部がを消去される(ST94)。(消去範囲の先頭と末尾はVOBIまたはSOBI内のタイムマップ情報TMAPIに記述する。VOBIまたはSOBIは管理情報記録領域内とFAT記録領域の双方に記録する。)
部分消去されたプログラムに対応するオブジェクトファイルを読み取り、FAT記録領域に記録されたVOBIと管理情報記録領域に記録されたORG_PGCIを読み取り全ての内容がつじつまが合っているか確認する(ST96)。
【0149】
・あっていればOKとし、編集処理を終了する;
・あっていなければ管理情報記録領域の記録内容(ORG_PGCI)を再構築する(作り直す)。
【0150】
ここで、つじつまがあっているかどうかは、次のようにして確認できる。例えばVOBI内のビデオ再生時間情報(VOB_V_S_PTM/ VOB_V_E_PTM)で定まる所定時間内に、各メモリカードのORG_PGCI内の各CIに含まれるC_V_S_PTM(該当セルのビデオ開始時間)が存在すればつじつまがあっているとする。前記所定時間外の時間を示すC_V_S_PTMがあればつじつまが合わない。
【0151】
以上の編集処理を簡単にまとめると、次のようになる。すなわち、特定のObject File のデータのみが消去され、あるいは特定のメモリカードが抜かれて、関連する再生管理情報(PGCI)が滅茶苦茶になり、管理情報の再構築が必要な場合は、全てのメモリカードの再生管理情報(PGCI)とVOBIまたはSOBI管理ファイルと記録Object Filesを読み取り、全ての内容がつじつまが合っているか確認する。関連するVOBIまたはSOBI情報が変更されていてつじつまが合わなかったら、関連する再生管理情報(PGCI)を再構築する。
【0152】
図15は、メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードに跨って録画されたAV情報が変更(部分的消去または部分的移動)された場合に管理情報を再構築する手順の一例を説明するフローチャート図である。ここでは、「オブジェクトファイル内の先頭に記録されているVOBIをVOBI管理ファイル内にフィードバックし、VOBI内に記録されている録画開始時刻を利用して再生管理情報(PGCI)の再構築を行(録画開始時刻の古い順にORG_PGCIを設定する)場合」に対応した方法を説明する。
【0153】
1以上のメモリカードに記録された1以上のオブジェクトファイルのうち、先頭に記録されているオブジェクト管理情報(VOBIまたはSOBI)を読み取り、VOBIまたはSOBI内のオブジェクト記録時間情報(VOB_REC_TMまたはSOB_REC_TM)を取り出す(ST100)。また、1以上のメモリカードそれぞれの管理情報記録領域から、オブジェクト管理情報(VOBIまたはSOBI)と、記録されたプログラムの再生単位(セル)を管理するプログラムチェーン情報(ORG_PGCI)を収集する(ST102)。
【0154】
その後、記録済みオブジェクトの一部を消去または移動する(ST104)。ここで、消去または移動された範囲の先頭および末尾を示す情報は、VOBI内のタイムマップ情報TMAPIまたはSOBI内のタイムマップ情報SOB_TMAPIに記述される。この記述がなされたVOBIまたはSOBIは、管理情報記録領域とFAT記録領域の双方に記録される。
【0155】
オブジェクトの一部が部分的に消去されまたは部分的に移動されたプログラムに対応するオブジェクトファイル(先頭にVOBIまたはSOBIが記録されている)をFAT記録領域から読み取り、1以上のメモリカードそれぞれの管理情報記録領域からORG_PGCIを読み取り、オブジェクトファイルの先頭のVOBIまたはSOBIと管理情報記録領域のORG_PGCIの内容全てについて、つじつまが合っているか確認する(ST106)。
【0156】
・あっていればOKとし、処理を終了する(OKであれば、ORG_PGCIによるプログラム全体のセル再生順序が消去または移動により再生時間の流れの上で滅茶苦茶になっていない)。
【0157】
・あっていなければ、管理情報記録領域の記録内容(ORG_PGCI)を再構築する。具体的には、消去または移動のあったプログラムを格納するメモリカードに関して、録画開始時刻(VOB_REC_TMまたはSOB_REC_TM)の古いメモリカードの順にORG_PGCIを設定しなおす。これにより、1以上のメモリカードに跨る、消去または移動のあったプログラムの再生において、時間経過順にセル再生が行われるようにする。すなわち、対応オブジェクトファイル内の先頭に記録されているVOBIまたはSOBIを、1以上のメモリカードそれぞれの管理ファイルにフィードバックする。
【0158】
<実施の形態の効果>
ネットワークダウンロードなどにより多量のコンテンツの保存が可能。具体的には多量のコンテンツを保存する場合、複数の情報記憶媒体に分散記録を可能とすると共に前記コンテンツを保存した複数の情報記憶媒体の中で特定の情報記憶媒体が欠落しても連続したコンテンツ再生を可能にする。
【0159】
各種情報を記録できる情報記憶媒体を任意に増設可能なため、例えば長時間に亘る映像情報の多量な録画に対応できると共にユーザが誤って特定の情報記憶媒体を離脱してもその連続再生が可能となる。
【0160】
<実施の形態のまとめ>
(1)メモリカードバンクの情報管理方法
1以上の情報記憶媒体(メモリカードなど)に記録(分散記録)されるデジタル情報(AV情報)を所定フォーマット(全ての情報記憶媒体に共通のフォーマット)に従いファイル管理する情報管理方法において、
前記情報記憶媒体各々には、その媒体を特定する識別情報(カード固有ID)が記録され、
前記情報記憶媒体各々には、前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報(FAT)がファイル管理情報として記録される場合において、
前記識別情報で識別された前記1以上の情報記憶媒体各々のアロケーション情報を収集し(図10のST10〜ST22)、
収集した前記アロケーション情報を統合する(図10のST24)。
【0161】
(2)メモリカードバンクにカードを1枚加える
前記1以上の情報記憶媒体の数が増やされた場合において(図10の処理を再度実行する)、数が増えた前記1以上の情報記憶媒体の各々からアロケーション情報を収集し(図10のST10〜ST22)、
収集した前記アロケーション情報を統合する(図10のST24)。
【0162】
(3)メモリカードバンクからカードを1枚抜く(カードが装着されたままでも論理的にシステムから排除された場合を含む)
前記1以上の情報記憶媒体のうちの一部(例えば3枚のメモリカードのうちの1枚)が物理的あるいは論理的に除かれた場合において(図10の処理を再度実行する)、一部が除かれた後の残りの前記1以上の情報記憶媒体の各々から前記アロケーション情報を収集し(図10のST10〜ST22)、
収集した前記アロケーション情報を統合する(図10のST24)。
【0163】
(4)カードの一部を抜き取り別のカードを追加するなどによりメモリバンク内のカード数に増減があったとき、カード増減に応じて変更されたFATに基づき空き状況を表示
前記1以上の情報記憶媒体の数が増減された場合において(図10の処理を再度実行する)、統合された前記アロケーション情報を前記1以上の情報記憶媒体の数の増減に応じて変更し(図10のST10〜ST24)、
数が増減された前記1以上の情報記憶媒体の使用状況あるいは空き状況を、変更された前記アロケーション情報に基づいて表示する(図10のST26)。
【0164】
(5)録画時の情報管理方法
前記識別情報で識別された前記1以上の情報記憶媒体のうちの記録可能な空き領域を、統合された前記アロケーション情報から検出し(図11のST32)、
記録可能な空き領域を持つ前記1以上の情報記憶媒体に対して(図11のST34)、前記所定フォーマットに従い前記デジタル情報を記録し(図11のST38)、
記録された前記デジタル情報が何処に配置されているかを、統合された前記アロケーション情報で管理する(図11のST40〜ST44)。
【0165】
(6)VOBIまたはSOBIの作成
統合された前記アロケーション情報によって前記1以上の情報記憶媒体の何処に記録されているかが管理されるところの前記デジタル情報(VOBまたはSOBに対応)について、この記録されたデジタル情報の記録時間情報(VOB_REC_TMを含むVOB_GIおよびTMAPI;あるいはSOB_REC_TMを含むSOB_GIおよびSOB_TMAPI)を含む記録管理情報(VOBIまたはSOBI)を作成する(図11のST40)。
【0166】
(7)PGCIの作成
統合された前記アロケーション情報によって前記1以上の情報記憶媒体の何処に記録されているかが管理されるところの前記デジタル情報(VOBまたはSOBに対応)について、このデジタル情報の再生単位(セル)の再生開始時間情報(C_V_S_PTM)と再生終了時間情報(C_V_E_PTM)を含む再生管理情報(PGCI)を作成する(図11のST42)。
【0167】
(8)CIにカード固有IDを記録
前記1以上の情報記憶媒体に記録された前記デジタル情報(VOBまたはSOBに対応)の再生単位(セル)の再生時間(C_V_S_PTM/C_V_E_PTM)がセル情報(CI)で管理され、前記再生管理情報(PGCI)が1以上の前記セル情報(CI)を含み、このセル情報(CI)に、そのセル情報(CI)に対応する前記デジタル情報(VOBまたはSOB)を記録した前記情報記憶媒体の識別情報(図21(g)のIDa〜IDnあるいは固有ファイル名)を記録する(図11のST44)。
【0168】
(9)複数カードに跨って録画されたプログラムの再生
1以上のメモリカードから各々の再生管理情報(ORG_PGCI/UD_PGCI)を収集し(図13のST72)、
収集した再生管理情報(ORG_PGCI/UD_PGCI)からそれらを統合した再生管理情報(PGCSI)を作成し(図13のST74)、
統合した再生管理情報(PGCSI)の記述に従い、各メモリカード内に記録されたプログラムの再生単位であるセルを順に再生する(図13のST80)。
【0169】
(10)同一プログラムが複数カードに跨って録画される記録
1以上のメモリカードについて、各々の識別情報(カード固有ID)と、情報の記録場所を示すアロケーション情報(FAT)を収集し(図12のST50)、
収集した識別情報とアロケーション情報から、各メモリカードの何処にどれだけ空き領域があるかを検出し(図12のST52)、
前記空き領域がある1以上のメモリカードを用いて所定のプログラムを記録し(図12のST60)、
各メモリカード内に記録されるプログラムの再生単位をセルとし1以上のセルの再生順序を再生管理情報(ORG_PGCI)で管理するものとしたときに、同一プログラムが複数のメモリカードに跨って記録される場合は、同じセルが複数のメモリカードに跨らないように、前記再生管理情報(ORG_PGCI)を作成する(図12のST64)。
【0170】
(11)複数カードに跨って録画されたプログラムが部分的に消去または移動された場合の管理情報再構築
ファイル管理情報記録領域(FAT)と管理情報記録領域(130)とオブジェクト記録領域(131〜134)を持つメモリカード(31)を1以上用いて、デジタル情報(VOBまたはSOBに対応)のプログラムがオブジェクトファイル(図25のVROファイルまたはSROファイル)として記録されており、
1以上の前記メモリカードに記録された前記オブジェクトファイルの先頭(図25の*付きファイル)に、記録された前記プログラムに対応するオブジェクトの記録時間情報(VOB_REC_TMまたはSOB_REC_TM)を含むオブジェクト管理情報(VOBIまたはSOBI)が記録されており、
1以上の前記メモリカードに記録された前記管理情報記録領域(130)に、記録された前記プログラムの再生単位(セル)を管理するプログラムチェーン情報(ORG_PGCI)が記録されている場合において、
前記前記オブジェクトファイルの先頭に記録された前記オブジェクト管理情報(VOBIまたはSOBIの*付きファイル)と、前記管理情報記録領域(130)に記録された前記プログラムチェーン情報(ORG_PGCI)を読み取り(図15のST100〜ST102)、
記録済みの前記オブジェクトの一部が消去または移動された場合(図15のST104)に、前記オブジェクトの記録時間情報(VOB_REC_TMまたはSOB_REC_TM)が古い順の前記プログラムチェーン情報(ORG_PGCI)を用いて、前記オブジェクトの一部が消去または移動されたプログラムに対する前記プログラムチェーン情報(ORG_PGCI)を再構築する(図15のST106)。
【0171】
(12)図5、図6のメモリバンク+図9の装置
1以上のメモリカードに記録されるデジタル情報が所定フォーマットに従い管理され、前記メモリカード各々にそのメモリカードを特定する識別情報と前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報が記録される場合において、
前記1以上のメモリカード各々が着脱可能に装着されるガイド(51)付き接続部(50)と、
前記接続部(50)に装着された前記1以上のメモリカードのうち論理的な接続が確立されたものについて(物理的に繋がっていてもシステムが認識しないものは除く意)、前記識別情報で識別された前記1以上のメモリカード各々のアロケーション情報を収集する手段(図10のST10〜ST22を実行する図9の73)と、収集した前記アロケーション情報を統合する手段(図10のST24を実行する図9の73)と、統合された前記アロケーション情報により管理される前記1以上のメモリカードを用いて前記デジタル情報の記録および/または再生を行う手段(図5、図6の18)を具備したデジタル情報記録再生装置。
【0172】
(13)図7のUSBメモリバンク付きレコーダ
1以上のメモリカードに記録されるデジタル情報が所定フォーマットに従い管理され、前記メモリカード各々にそのメモリカードを特定する識別情報と前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報が記録され、
前記識別情報で識別された前記1以上のメモリカード各々のアロケーション情報を収集し(図9の73)、収集した前記アロケーション情報を統合し(図9の73)、統合された前記アロケーション情報により管理される前記1以上のメモリカードと情報交換を行う(図9の77)制御部(図9の17)に接続される装置(図7)であって、
前記1以上のメモリカード各々が(スロットを通して)着脱可能に装着される1以上のソケット(54)と、
前記制御部(17)で統合された前記アロケーション情報により管理される前記1以上のメモリカードを用いて、前記デジタル情報の記録および/または再生を行う手段(図7の58)と、
前記デジタル情報の記録および/または再生を行う手段(図7の58)を前記制御部(17)に接続する手段(図7のUSBインターフェース59〜USB端子60)を具備したデジタル情報記録再生装置。
【0173】
(14)図8の電子レンジ型メモリバンク+図9の装置
1以上のメモリカードに記録されるデジタル情報が所定フォーマットに従い管理され、前記メモリカード各々にそのメモリカードを特定する識別情報と前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報が記録され、電磁波による無線情報交換とともに電磁波による給電を行うカード側アンテナ(図3の35)が前記メモリカード(図3の31x)各々に具備されている場合において、
前記1以上のメモリカード(31x)を入れる収納キャビティ(図8の61)と、
前記収納キャビティ(61)に入っている前記1以上のメモリカード各々に給電エネルギを持つ電磁波を送る装置側アンテナ(図8の62x〜62z)と、
前記収納キャビティ(61)に入っていて前記装置側アンテナ(62x〜62z)からの電磁波により給電されている前記1以上のメモリカード(31x)のうち論理的な接続が確立されたものについて、前記識別情報で識別された前記1以上のメモリカード各々のアロケーション情報を収集する手段(図9の73)と、収集した前記アロケーション情報を統合する手段(図9の73)と、統合された前記アロケーション情報により管理される前記1以上のモリカードを用いて前記デジタル情報の記録および/または再生を行う手段(図8の18)を具備したデジタル情報記録再生装置。
【0174】
(15)メモリバンクに光送受手段を設ける+図9の装置
1以上のメモリカードに記録されるデジタル情報が所定フォーマットに従い管理され、前記メモリカード各々にそのメモリカードを特定する識別情報と前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報が記録され、光による情報交換を行う光素子(図4の30a、30b;または24、30)および光による給電を行う太陽電池(図4の26)が前記メモリカード(図4の31y)各々に具備されている場合において、
前記1以上のメモリカード(31y)各々が着脱可能に配置されるガイド(図6の51)と、
前記ガイド(51)に沿って配置された前記1以上のメモリカードの受光面側に配置され、前記光素子(図6の30a、30b)および前記太陽電池(図6の26)に光を照射し前記光素子(図6の30a)から光を受ける光送受手段(図6の30ya、30yb、26y)と、
前記光が照射された前記太陽電池(26)からの給電で動作する前記1以上のメモリカード(31y)のうち、前記光素子(30a、30b)を介して論理的な接続が確立されたものについて、前記識別情報で識別された前記1以上のメモリカード各々のアロケーション情報を収集する手段(図9の73)と、収集した前記アロケーション情報を統合する手段(図9の73)と、統合された前記アロケーション情報により管理される前記1以上のメモリカードを用いて前記デジタル情報の記録および/または再生を行う手段(図5、図6の18)を具備したデジタル情報記録再生装置。
【0175】
(16)アンテナ付きメモリカード
デジタル情報を記録する領域と、自身を特定する識別情報を記録する領域と、前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報を記録する領域を有するものであって、電磁波による無線情報交換とともに電磁波による給電を行うアンテナを具備したメモリカード(図3)。
【0176】
(17)光電素子と太陽電池付きメモリカード
デジタル情報を記録する領域と、自身を特定する識別情報を記録する領域と、前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報を記録する領域を有するものであって、光による情報交換を行う光電素子(LEDが情報送光、フォトダイオードまたは太陽電池が情報受光)および光による給電を行う太陽電池を具備したメモリカード(図4)。
【0177】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。例えば、1以上の記録媒体としてフラッシュメモリなどを用いたメモリカードを例示しているが、1以上の情報記憶媒体としては、フラッシュメモリの他に、HDDあるいは記録可能な光ディスクドライブに装填された記録可能光ディスクを用いることもできる。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】この発明の一実施の形態におけるホームネットワークシステムを説明する図。
【図2】拡張HDMI通信における階層構造を説明する図。
【図3】この発明の一実施の形態に係る情報記憶媒体(メモリカード)の内部構成を説明する図。
【図4】この発明の他の実施の形態に係る情報記憶媒体(メモリカード)の内部構成を説明する図。
【図5】この発明の一実施の形態に係るメモリ蓄積棚(メモリカードバンク)の一例を説明する図。
【図6】この発明の一実施の形態に係るメモリ蓄積棚(メモリカードバンク)の他例を説明する図。
【図7】この発明の他の実施の形態に係るメモリ蓄積棚(USBメモリカードバンク)を説明する図。
【図8】この発明のさらに他の実施の形態に係るメモリ蓄積棚(電子レンジのような収納部を持つメモリカードバンク)を説明する図。
【図9】メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)の制御部の構成例を説明する図。
【図10】メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードの空き領域を検索して統合する手順の一例を説明するフローチャート図。
【図11】メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードへ情報記録を行う手順の一例を説明するフローチャート図。
【図12】メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードに跨ってAV情報(同一プログラム)を録画する手順の一例を説明するフローチャート図。
【図13】メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードに跨って録画されたAV情報(同一プログラム)を再生する手順の一例を説明するフローチャート図。
【図14】メモリ蓄積棚に装着または装填された1以上のメモリカードに跨って録画されたAV情報を編集(部分消去)する手順の一例を説明するフローチャート図。
【図15】メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードに跨って録画されたAV情報が変更(部分的消去または部分的移動)された場合に管理情報を再構築する手順の一例を説明するフローチャート図。
【図16】メモリ蓄積棚(メモリカードバンク)に装着または装填された1以上のメモリカードのデータエリアに対するボリューム構造を例示する図。
【図17】ボリューム構造内のシステムエリアのレイアウトを例示する図。
【図18】ボリューム構造内のパーティションエリアに含まれる、マスターブートレコードおよび複数パーティションテーブルを含むデータフィールドを例示する図。
【図19】各パーティションテーブルの内部フィールドを例示する図。
【図20】ファイルディレクトリのエントリフィールドの内部フィールドを例示する図。
【図21】この発明の一実施の形態に係る情報記憶媒体における記録フォーマットを説明する図。
【図22】ビデオオブジェクト情報およびストリームオブジェクト情報に含まれる一般情報の内容を例示する図。
【図23】ビデオオブジェクト情報およびストリームオブジェクト情報に含まれるタイムマップ情報の内容を例示する図。
【図24】再生時間ベースで管理を行うビデオレコーディング用のプログラムチェーン情報の内容および、再生時間ベースで管理を行うストリームレコーディング用のプログラムチェーン情報の内容を例示する図。
【図25】この発明の一実施の形態に係る情報記憶媒体におけるファイル構造を例示する図。
【符号の説明】
【0179】
31(31a〜31n)…着脱可能な情報記憶媒体(メモリカード)、31x…外部機器との情報交換および給電を無線で行う情報記憶媒体(メモリカード)、31y…外部機器との情報交換および給電を光で行う情報記憶媒体(メモリカード)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の情報記憶媒体に記録されるデジタル情報を所定フォーマットに従いファイル管理する情報管理方法であって、
前記情報記憶媒体各々には、その媒体を特定する識別情報が記録され、
前記情報記憶媒体各々には、前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報がファイル管理情報として記録される場合において、
前記識別情報で識別された前記1以上の情報記憶媒体各々のアロケーション情報を収集し、
収集した前記アロケーション情報を統合するように構成された情報管理方法。
【請求項2】
前記1以上の情報記憶媒体の数が増やされた場合において、数が増えた前記1以上の情報記憶媒体の各々からアロケーション情報を収集し、
収集した前記アロケーション情報を統合するように構成された請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項3】
前記1以上の情報記憶媒体のうちの一部が物理的あるいは論理的に除かれた場合において、一部が除かれた後の残りの前記1以上の情報記憶媒体の各々から前記アロケーション情報を収集し、
収集した前記アロケーション情報を統合するように構成された請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項4】
前記1以上の情報記憶媒体の数が増減された場合において、統合された前記アロケーション情報を前記1以上の情報記憶媒体の数の増減に応じて変更し、
数が増減された前記1以上の情報記憶媒体の使用状況あるいは空き状況を、変更された前記アロケーション情報に基づいて表示するように構成された請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項5】
前記識別情報で識別された前記1以上の情報記憶媒体のうちの記録可能な空き領域を、統合された前記アロケーション情報から検出し、
記録可能な空き領域を持つ前記1以上の情報記憶媒体に対して、前記所定フォーマットに従い前記デジタル情報を記録し、
記録された前記デジタル情報が何処に配置されているかを、統合された前記アロケーション情報で管理するように構成された請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の情報管理方法。
【請求項6】
統合された前記アロケーション情報によって前記1以上の情報記憶媒体の何処に記録されているかが管理されるところの前記デジタル情報について、この記録されたデジタル情報の記録時間情報を含む記録管理情報を作成するように構成された請求項5に記載の情報管理方法。
【請求項7】
統合された前記アロケーション情報によって前記1以上の情報記憶媒体の何処に記録されているかが管理されるところの前記デジタル情報について、このデジタル情報の再生単位の再生開始時間情報と再生終了時間情報を含む再生管理情報を作成するように構成された請求項5または請求項6に記載の情報管理方法。
【請求項8】
前記1以上の情報記憶媒体に記録された前記デジタル情報の再生単位の再生時間がセル情報で管理され、前記再生管理情報が1以上の前記セル情報を含み、このセル情報に、そのセル情報に対応する前記デジタル情報を記録した前記情報記憶媒体の識別情報を記録するように構成された請求項7に記載の情報管理方法。
【請求項9】
1以上のメモリカードから各々の再生管理情報を収集し、
収集した再生管理情報からそれらを統合した再生管理情報を作成し、
統合した再生管理情報の記述に従い、各メモリカード内に記録されたプログラムの再生単位であるセルを順に再生する情報管理方法。
【請求項10】
1以上のメモリカードについて、各々の識別情報と、情報の記録場所を示すアロケーション情報を収集し、
収集した識別情報とアロケーション情報から、各メモリカードの何処にどれだけ空き領域があるかを検出し、
前記空き領域がある1以上のメモリカードを用いて所定のプログラムを記録し、
各メモリカード内に記録されるプログラムの再生単位をセルとし1以上のセルの再生順序を再生管理情報で管理するものとしたときに、同一プログラムが複数のメモリカードに跨って記録される場合は、同じセルが複数のメモリカードに跨らないように、前記再生管理情報を作成する情報管理方法。
【請求項11】
ファイル管理情報記録領域と管理情報記録領域とオブジェクト記録領域を持つメモリカードを1以上用いて、デジタル情報のプログラムがオブジェクトファイルとして記録されており、
1以上の前記メモリカードに記録された前記オブジェクトファイルの先頭に、記録された前記プログラムに対応するオブジェクトの記録時間情報を含むオブジェクト管理情報が記録されており、
1以上の前記メモリカードに記録された前記管理情報記録領域に、記録された前記プログラムの再生単位を管理するプログラムチェーン情報が記録されている場合において、
前記前記オブジェクトファイルの先頭に記録された前記オブジェクト管理情報と、前記管理情報記録領域に記録された前記プログラムチェーン情報を読み取り、
記録済みの前記オブジェクトの一部が消去または移動された場合に、前記オブジェクトの記録時間情報が古い順の前記プログラムチェーン情報を用いて、前記オブジェクトの一部が消去または移動されたプログラムに対する前記プログラムチェーン情報を再構築する情報管理方法。
【請求項12】
1以上のメモリカードに記録されるデジタル情報が所定フォーマットに従い管理され、前記メモリカード各々にそのメモリカードを特定する識別情報と前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報が記録される場合において、
前記1以上のメモリカード各々が着脱可能に装着されるガイド付き接続部と、
前記接続部に装着された前記1以上のメモリカードのうち論理的な接続が確立されたものについて、前記識別情報で識別された前記1以上のメモリカード各々のアロケーション情報を収集する手段と、収集した前記アロケーション情報を統合する手段と、統合された前記アロケーション情報により管理される前記1以上のメモリカードを用いて前記デジタル情報の記録および/または再生を行う手段を具備したデジタル情報記録再生装置。
【請求項13】
1以上のメモリカードに記録されるデジタル情報が所定フォーマットに従い管理され、前記メモリカード各々にそのメモリカードを特定する識別情報と前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報が記録され、
前記識別情報で識別された前記1以上のメモリカード各々のアロケーション情報を収集し、収集した前記アロケーション情報を統合し、統合された前記アロケーション情報により管理される前記1以上のメモリカードと情報交換を行う制御部に接続される装置であって、
前記1以上のメモリカード各々が着脱可能に装着される1以上のソケットと、
前記制御部で統合された前記アロケーション情報により管理される前記1以上のメモリカードを用いて、前記デジタル情報の記録および/または再生を行う手段と、
前記デジタル情報の記録および/または再生を行う手段を前記制御部に接続する手段を具備したデジタル情報記録再生装置。
【請求項14】
1以上のメモリカードに記録されるデジタル情報が所定フォーマットに従い管理され、前記メモリカード各々にそのメモリカードを特定する識別情報と前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報が記録され、電磁波による無線情報交換とともに電磁波による給電を行うカード側アンテナが前記メモリカード各々に具備されている場合において、
前記1以上のメモリカードを入れる収納キャビティと、
前記収納キャビティに入っている前記1以上のメモリカード各々に給電エネルギを持つ電磁波を送る装置側アンテナと、
前記収納キャビティに入っていて前記装置側アンテナからの電磁波により給電されている前記1以上のメモリカードのうち論理的な接続が確立されたものについて、前記識別情報で識別された前記1以上のメモリカード各々のアロケーション情報を収集する手段と、収集した前記アロケーション情報を統合する手段と、統合された前記アロケーション情報により管理される前記1以上のモリカードを用いて前記デジタル情報の記録および/または再生を行う手段を具備したデジタル情報記録再生装置。
【請求項15】
1以上のメモリカードに記録されるデジタル情報が所定フォーマットに従い管理され、前記メモリカード各々にそのメモリカードを特定する識別情報と前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報が記録され、光による情報交換を行う光素子および光による給電を行う太陽電池が前記メモリカード各々に具備されている場合において、
前記1以上のメモリカード各々が着脱可能に配置されるガイドと、
前記ガイドに沿って配置された前記1以上のメモリカードの受光面側に配置され、前記光素子および前記太陽電池に光を照射し前記光素子から光を受ける光送受手段と、
前記光が照射された前記太陽電池からの給電で動作する前記1以上のメモリカードのうち、前記光素子を介して論理的な接続が確立されたものについて、前記識別情報で識別された前記1以上のメモリカード各々のアロケーション情報を収集する手段と、収集した前記アロケーション情報を統合する手段と、統合された前記アロケーション情報により管理される前記1以上のメモリカードを用いて前記デジタル情報の記録および/または再生を行う手段を具備したデジタル情報記録再生装置。
【請求項16】
デジタル情報を記録する領域と、自身を特定する識別情報を記録する領域と、前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報を記録する領域を有するものであって、電磁波による無線情報交換とともに電磁波による給電を行うアンテナを具備したメモリカード。
【請求項17】
デジタル情報を記録する領域と、自身を特定する識別情報を記録する領域と、前記デジタル情報のどの部分が何処に配置されているかを示すアロケーション情報を記録する領域を有するものであって、光による情報交換を行う光電素子および光による給電を行う太陽電池を具備したメモリカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−282851(P2009−282851A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135760(P2008−135760)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】