説明

デジタル放送受信機およびデジタル放送受信機内蔵表示装置およびデジタル放送受信機内蔵記録再生装置

【課題】 シリーズが複数回放送されている場合、シリーズを構成する番組をユーザが指定した番組順に予約実行することが可能なように、各番組の予約日時を自動決定するデジタル放送受信機を提供すること。
【解決手段】 少なくとも、番組配列情報を受信する受信手段と、この受信手段で受信した番組配列情報を利用して、シリーズを構成する各番組の予約日時を決定する予約日時決定手段とを、有して構成され、予約日時決定手段は、シリーズが複数回放送されている条件下で、シリーズを構成する各番組の予約が実行される順番が、ユーザの指定した条件に合致するように、各番組の予約日時を決定する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリーズ一括予約機能を有するデジタル放送受信機、およびそれを内蔵した表示装置、記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続ドラマのように、放送日時の異なる各回分の番組から構成される番組群は、互いに関連性を有しており、かつ序列性を有することから、シリーズと呼ばれている。このようなシリーズを一括して予約することが出来るデジタル放送受信機の一例として、特開平12−50218号公報で記載されているデジタル放送受信機がある。このデジタル放送受信機では、最初、ユーザはシリーズの一括予約を行うために、シリーズを構成する番組を一つ選択して、その番組の単体予約を行なう。その後、デジタル放送受信機は番組配列情報(SI:Service Information)を利用して、放送予定の番組の中から、シリーズを構成する他の番組を特定する。そして、デジタル放送受信機は、特定した番組も合わせて予約を行い、シリーズ番組の一括予約を実現している。
【0003】このデジタル放送受信機は、シリーズを構成する番組を特定するために、番組配列情報に含まれている、従来のデジタル放送ではシリーズ毎に割当てられた固有のIDを利用する。シリーズを構成する番組の番組配列情報では、そのシリーズIDが管理されており、ユーザがシリーズを構成する番組を一つ選択すると、デジタル放送受信機は、選択した番組の番組配列情報から、そのシリーズIDを取得して、放送が予定されている番組の中から、同じシリーズIDの番組があるか調査を行う。そのようにして、同じシリーズに属する番組を特定し、シリーズの一括予約を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送では、シリーズに関する情報として、シリーズIDの他に、番組の話数に関する情報が番組配列情報に含まれる。番組の話数は、シリーズを構成する番組の序列を表すのに用いられる。例えば、磁気テープを利用して番組録画を行う場合、シリーズを構成する番組を話数に従って録画することで、ユーザは、番組内容の連続性を損なうことなく視聴することが可能となる。そのため、シリーズ一括予約を行う際は、番組の話数を考慮して予約を行なうことが望ましい。
【0005】しかし、前記公知例に記載されているデジタル放送受信機は、番組の話数に関する情報を利用していないため、番組の話数を考慮して予約を行なうことは出来ない。
【0006】本発明では、シリーズIDと番組話数情報を利用して、シリーズ番組が複数回放送されている条件下においても、シリーズを構成する番組をユーザが指定した順番に予約することが可能となるよう各番組の予約日時を決定するデジタル放送受信機を提供する。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明のデジタル放送受信機は、少なくとも、番組配列情報を受信する受信手段と、この受信手段で受信した番組配列情報を利用して、シリーズを構成する各番組の予約日時を決定する予約日時決定手段とを有して構成される。そして、予約日時決定手段は、シリーズが複数回放送されている条件下で、シリーズを構成する各番組の予約が実行される順番が、ユーザの指定した条件に合致するように、各番組の予約日時を決定する機能を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0009】まず、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、ユーザよりシリーズ一括予約の要求とシリーズを構成する番組の予約順番の指定が行われると、番組配列情報を利用して、既に登録済みであった別の予約番組と放送時間帯が重ならないよう考慮して、シリーズを構成する番組をユーザが指定した順番で予約することが出来るよう、各番組の予約日時を決定するデジタル放送受信システムへの適用例である。なお、本実施形態では、デジタル放送受信機と、表示手段および記録手段を組み合わせたシステムとしてあるが、本発明の適用製品としては、デジタル放送受信機単独であっても、あるいは、デジタル放送受信機を内蔵した表示装置やデジタル放送受信機を内蔵した記録装置であってもよい(これは、以下の各実施形態において同様である)。
【0010】図1は、本実施形態のデジタル放送システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態のデジタル放送受信システムは、映像信号や番組配列情報を受信する番組受信部1と、番組受信部1で受信した映像・音声信号に所定の処理を行い、信号を外部に出力する映像・音声信号出力部2と、ユーザ操作によるリモコン送信機6からの信号を受信して回路各部を制御するマイクロコンピュータ4と、番組受信部1で受信した番組配列情報を記憶蓄積するデータベース部5と、予約した番組スケジュールを記憶するスケジュール記憶部7とを、含んで構成されるデジタル放送受信機、および、映像・音声信号出力部2から出力された映像信号を映像として表示出力すると共に、映像・音声信号出力部2から出力された音声信号を音声として出力する映像・音声出力手段20、および、映像・音声信号出力部2から出力された信号を適宜記録媒体に記録し、これを再生する記録再生手段30で構成されている。
【0011】データベース部5で記憶蓄積される番組配列情報には、番組毎に、番組固有の情報を管理する番組データが含まれている。その番組データの構造を、図2に示す。
【0012】図2に示すように、番組データ9は、番組の放送日時が記述されている放送日時フィールド10と、放送が行なわれるチャンネル番号が記述されているチャンネル番号フィールド11と、番組が属しているシリーズ固有のIDが記述されているシリーズIDフィールド12と、番組話数が記述されている話数フィールド13と、シリーズの総話数が記述されている総話数フィールド14とを、含んで構成される。ただし、番組がシリーズに属さない場合、番組データ9には、シリーズIDフィールド12〜総話数フィールド14は含まれない。
【0013】スケジュール記憶部7には、予約した番組毎に、番組の放送日時フィールド10、チャンネル番号フィールド11、シリーズIDフィールド12、話数フィールド13の情報が登録される。
【0014】ここで、例えば、10月2日午前10時に、ユーザがチャンネル番号300で、(1)10月3日午前7時30分〜10月3日午前8時00分(2)10月4日午前0時30分〜10月4日午前1時00分(3)10月5日午前0時30分〜10月5日午前1時00分(4)10月5日午後7時00分〜10月5日午後7時30分上記(1)〜(4)の時間帯に放送される4番組を予約したとする。
【0015】このとき、スケジュール記憶部7には、この4番組を登録した日時とチャンネル番号と予約実行日時が、図3のように登録される。
【0016】次に、この条件の下で、ユーザが10月2日午前11時に、シリーズ一括予約の条件として「話数の小さい順に予約」を指定すると同時に、例えば、チャンネル番号230で放送されるシリーズ「エイガでエイゴVol.1」〜「エイガでエイゴVol.3」の一括予約を指示すると、マイクロコンピュータ4は、先に述べた4番組の予約に影響を与えないよう、指定された条件を満たす範囲でスケジューリングを行って、予約対象番組を決定する。
【0017】このマイクロコンピュータ4の動作を、図4R>4のフローチャートを用いて説明する。なお、「エイガでエイゴVol.1」〜「エイガでエイゴVol.3」のシリーズIDは1、総話数は3であるものとする。
【0018】<ステップ1>はじめに、一括予約対象の開始話数を決定する。例えば、第1話から予約する場合は、n=1とする。
【0019】<ステップ2>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、データベース部5で記憶蓄積されているデータの中から、シリーズ一括予約後に放送される全番組のシリーズIDフィールド12と話数フィールド13を参照し、シリーズIDが一括予約するシリーズと同じで、かつ、話数がnの番組全てを選択する。該当する番組がある場合は、ステップ3へ進む。該当する番組がない場合は、ステップ10へ進む。
【0020】図5、図6、図7は、データベース部5で記憶蓄積されていた、10月2日午前11時から10月8日午前1時までに放送される、「エイガでエイゴVol.1」〜「エイガでエイゴVol.3」の全番組の放送時間を表したものである。この例では、n=1〜3の場合、それぞれ、図5、図6、図7に示した番組全てが選択される。
【0021】<ステップ3>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、ステップ2で選択した番組の中から、スケジュール記憶部7で登録されている番組と放送時間帯が重ならない番組を選択する。該当する番組がある場合は、ステップ4へ進む。該当する番組がない場合は、ステップ10へ進む。
【0022】例えば、n=1の場合、図3で示した番組と放送時間帯が重なる番組はないので、図5の「ステップ3」の点線で囲んだ番組が選択される。n=2の場合、図3のうち2番組(放送時間帯が「10月3日午前7時30分〜10月3日午前8時00分」と「10月4日午前0時30分〜10月4日午前1時00分」)が重なるので、これらの番組の放送時間帯を避けた、図6の「ステップ3」の点線で囲んだ番組全てが選択される。n=3の場合も、図3のうち2番組(放送時間帯「10月5日午前0時30分〜10月5日午前1時00分」と「10月5日午後7時00分〜10月5日午後7時30分」)が重なるので、これらの番組の放送時間帯を避けた、図7の「ステップ3」の点線で囲んだ番組全てが選択される。
【0023】<ステップ4>本ステップでは、n=1の場合は(Yesの場合は)、ステップ6へ進む。また、n>1の場合は(Noの場合は)、ステップ5へ進む。
【0024】<ステップ5>本ステップでは、n=kのときに、既にスケジュール記憶部7に登録されているn=(k−1)の番組の放送終了後に放送される番組全てを選択する。該当する番組がある場合は、ステップ6へ進む。該当する番組がない場合は、ステップ10へ進む。
【0025】例えば、n=2の場合、マイクロコンピュータ4は、ステップ3で選択した番組の中から、後述するステップ7のn=1の場合に登録した番組(放送時間帯「10月3日午前0時30分〜10月3日午前1時00分」)より後から放送される、図6の「ステップ5」の点線で囲んだ番組を選択する。同様に、n=3の場合、マイクロコンピュータ4は、ステップ3で選択した番組の中から、後述するステップ7のn=2の場合に登録した番組(放送時間帯「10月4日午後7時00分〜10月4日午後7時30分」)より後から放送される、図7の「ステップ5」の点線で囲んだ番組を選択する。
【0026】<ステップ6>本ステップでは、前のステップで選択した番組の中から、一番早く放送が開始される番組を選択する。
【0027】例えば、n=1の場合、マイクロコンピュータ4は、ステップ3で選択した番組の中から、図5で灰色表示してある番組を選択する。n=2の場合、マイクロコンピュータ4は、ステップ5で選択した番組の中から、図6で灰色表示してある番組を選択する。n=3の場合も、同様に、図7で灰色表示してある番組を選択する。
【0028】<ステップ7>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、ステップ6で選択した番組をスケジュール記憶部7に登録する。なお、登録するときは、既に登録済みの番組と新たに登録する番組の放送時間帯を比較し、先に予約が実行される番組が、先に並ぶように順番を更新する。
【0029】この例では、n=1の場合は、ステップ6で選択した番組は実行番号が1となり、スケジュールの登録状況は、図8のようになる。n=2の場合は、スケジュールの登録状況は、既に図8のようになっているため、ステップ6で選択した番組は実行番号が4となり、スケジュールの登録状況は、図9のようになる。同様に、n=3の場合は、スケジュールの登録状況は、既に図9のようになっているため、ステップ6で選択した番組は実行番号が7となり、スケジュールの登録状況は、図10のようになる。
【0030】<ステップ8>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、ステップ7で登録した番組の総話数フィールド14とnの値を比較する。同じ値であれば(Yesであれば)、本処理フロー(本スケジューリング処理フロー)を終了する。異なる値であれば(Noであれば)、ステップ9へ進む。
【0031】この例では、n=1またはn=2の場合は、ステップ9へ進み、n=3の場合は、処理を終了する。
【0032】<ステップ9>本ステップでは、nの値を1増やし、ステップ2に戻る。
【0033】<ステップ10>本ステップでは、シリーズ一括予約のスケジューリングを行なうことが出来ないため、マイクロコンピュータ4は、ユーザに対してシリーズ一括予約を受け付け出来ないという旨のメッセージを、映像・音声出力手段20に表示させて、処理を終了する。
【0034】このように、本実施形態によれば、シリーズが複数回放送されている場合に、ユーザが、条件を指定してシリーズ一括予約を行なうと、マイクロコンピュータ4は、放送予定番組の放送日時フィールド10とシリーズIDフィールド12と話数フィールド13を参照して、既に登録済みの予約に影響を与えることなく、ユーザが指定した条件を満たすように、予約する番組の日時を決定することが出来る。
【0035】なお、上述した例では、ユーザが「話数の小さい順に予約」という条件を指定した場合について説明したが、「話数の大きい順に予約」、「放送が開始される順に予約」のような条件を指定できるようにしてもよい。
【0036】また、図4のフローチャートのステップ1では、n=1として常に第1話からを一括予約の対象としたが、他にも、開始話数をユーザに選択させたり、データベース部5に記憶蓄積されている番組の中で最も小さい話数のものを自動的に選ぶようにしてもよい。あるいは、過去にユーザが視聴、もしくは予約した番組の記録をスケジュール記憶部7に記憶しておき、最後に視聴、もしくは予約した番組の次の話数から始まるようにしてもよい。
【0037】次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態のデジタル放送受信システムの構成も、前記第1実施形態と同様に、図1のブロック図により表される。
【0038】本実施形態では、マイクロコンピュータ4には、既に登録されていたシリーズ一括予約対象の番組と放送時間が重なる別の番組が予約されたときに、重複した番組以降のシリーズ一括予約のスケジュールを再調整する機能が組み込まれている。
【0039】この再スケジューリングのアルゴリズムについて、図11のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の例では、事前に登録されている例として、第1実施形態で説明した方法によって、図10に示す7つの番組が予め登録されており、更に、ユーザが10月2日午前11時30分に、チャンネル番号200で「10月4日午後7時00分〜10月4日午後7時30分」に放送される番組の予約を新たに指示した状況を想定している。
【0040】<ステップ11>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、スケジュール記憶部7で登録されている番組の中から、新たに予約した番組と放送時間帯が重なる番組を特定すして、これを削除する。該当する番組がある場合は、ステップ13へ進む。該当する番組がない場合は、ステップ12へ進む。
【0041】この例の場合には、図10に記述した実行番号4の「エイガでエイゴVol.2」を特定して、これを削除する。
【0042】<ステップ12>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、新たに予約した番組をスケジュール記憶部7に登録し、新たに予約した番組と既に登録済みの番組の放送時間を比較し、実行番号を更新する。そしてこの後、本処理フロー(本再スケジューリング処理フロー)を終了する。
【0043】<ステップ13>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、ステップ11で特定した番組のシリーズIDと番組話数を参照する。シリーズIDが特定した番組と同じで、番組話数が特定した番組より大きい番組は、再スケジューリングの対象なのでスケジュール記憶部7から一旦削除する。
【0044】この例では、ステップ11で削除した番組の話数が2であることから、同じシリーズIDで話数3の番組が削除の対象となる。削除を行った後のスケジューリングの登録状況は、図12のようになる。また後述するステップ16のエラー処理後の回復処理として2回目に実行される場合には、失敗した再スケジューリングの途中時結果をキャンセルするために、各々の登録日時を参照し、後に予約を行った日時(10月2日午前11時30分)より後に登録した番組をスケジュール記憶部7から削除する。
【0045】<ステップ14>本ステップでは、通常はそのままステップ15に進んで、新たに予約した番組の登録を行う。後述するステップ16で行われるエラー処理の後に実行されるときは、ステップ15をスキップしてステップ17へ進む。
【0046】<ステップ15>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、新たに予約した番組をスケジュール記憶部7に登録し、新たに予約した番組と既に登録済みの番組の放送時間を比較し、実行番号をソートして更新する。
【0047】この例の場合、新たに予約した番組を登録すると、スケジュールの登録状況は図13のようになる。
【0048】<ステップ17>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、第1実施形態で述べた図4のステップ1〜ステップ9の手順を実行して、再スケジューリングを行う。ただし、ステップ1で決定する開始話数は、再スケジューリング対象番組の中で最も話数の小さいものを選ぶ。これは、ステップ11で特定した番組の話数と同じであり、この例においては、n=2からスタートすることになる。
【0049】ステップ3では、n=2の場合、既に予約されている番組と3番組(放送時間帯が「10月3日午前7時30分〜10月3日午前8時00分」と「10月4日午前0時30分〜10月4日午前1時00分」と「10月4日午後7時00分〜10月4日午後7時30分」)が重なるので、この番組の放送時間帯を避けた、図14の「ステップ3」の点線で囲んだ番組全てが選択される。n=3の場合、既に予約されている番組と2番組(放送時間帯「10月5日午前0時30分〜10月5日午前1時00分」と「10月5日午後7時00分〜10月5日午後7時30分」)が重なるので、この番組の放送時間帯を避けた、図15の「ステップ3」の点線で囲んだ番組全てが選択される。
【0050】次に、ステップ5では、n=2の場合、マイクロコンピュータ4はステップ3で選択した番組の中から、既に登録済みの話数1の番組(放送時間帯「10月3日午前0時30分〜10月5日午前1時00分」)の放送終了後の番組を選択する。ここでは、図14の「ステップ5」の点線で囲んだ番組が選択される。同様に、n=3の場合、マイクロコンピュータ4はn=2の場合に登録した番組(放送時間帯「10月5日午後1時00分〜10月5日午後1時30分」)の放送終了後の番組を選択する。ここでは、図15の「ステップ5」の点線で囲んだ番組が選択される。
【0051】最後にステップ6及びステップ7では、n=2の場合、ステップ5で選択した番組の中から、一番早く放送される「10/5(木)PM1:00〜PM1:30」を登録するので、スケジューリング結果は図1616のようになる。同様に、n=3の場合、「10/6(金)PM1:00〜PM1:30」を選択するので、スケジューリング結果は、図17のようになる。
【0052】以上の手順により、再スケジューリングの対象である全番組の予約日時を決定することが出来たときは再スケジューリングは成功して終了する。
【0053】一方、ステップ2、ステップ3、ステップ5において、条件に合致する番組を選択できなくなり予約日時の決定が不可能になった場合は、再スケジューリングは失敗して、ステップ16に進む。
【0054】<ステップ16>本ステップは、シリーズ一括予約のスケジューリングを行なうことが出来ないため、マイクロコンピュータ4は、ユーザに対してその旨のメッセージを映像・音声出力手段20に表示させる。その後、回復処理を行うために、再びステップ13に進む。なお、この例では、再スケジューリングは成功しているため、本ステップには進まない。
【0055】このように、本実施形態では、シリーズ一括予約を行った後に新たに番組予約を行い、放送時間帯が重なってしまう場合、シリーズ一括予約時に指定した条件を満たす範囲で、再スケジューリングを行い、新たな番組の予約とシリーズ一括予約を共に実現することが出来る。
【0056】次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、ユーザによるシリーズ一括予約の登録が行われた後に、放送スケジュールの変更が生じた場合、放送スケジュール変更後の番組配列情報を利用して、自動的に再スケジューリングを行うデジタル放送受信システムへの適用例である。
【0057】図18は、本実施形態のデジタル放送受信システムの構成を示すブロック図であり、同図において、図1の前記第1、第2実施形態のデジタル放送受信システムと均等な構成要素には、同一符号を付してある。
【0058】本実施形態のデジタル放送受信システムが、図1の前記第1、第2実施形態のデジタル放送受信システムと異なるのは、放送スケジュールの変更を監視する放送スケジュール監視部8が、デジタル放送受信機に付加されている点にある。放送スケジュール監視部8は、定期的に番組受信部1が受信した各番組の番組データ9とデータベース部5に記憶蓄積された番組データ9を比較し、放送スケジュールに変更がないかを監視する。
【0059】ここで、放送スケジュールの変更を検出したときに、マイクロコンピュータ4で自動的に実行される再スケジューリングの手順について、図19のフローチャートを用いて説明する。ここでは、第1実施形態で説明した手順によって、図5、図6、図7の放送スケジュールの下でシリーズ一括予約を行って図10の予約が登録された後で、図5の放送スケジュールが図20のように変更された状況を想定している。
【0060】<ステップ21>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、放送スケジュール監視部8より放送スケジュールに変更があることを伝えられると、変更により予約の実行が出来なくなった番組がないかを調査する。該当する番組がある場合は、それを選択してステップ18へ進む。該当する番組がない場合は、再スケジューリングを行わないで終了する。
【0061】この例では、「10月3日午前0時30分〜10月3日午前1時00分」に放送される番組の放送が中止になり予約することが不可能なったので、図10の中に実行番号1として登録されている「エイガでエイゴVol.1」が選択される。
【0062】<ステップ18>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、ステップ21で選択した番組のシリーズIDと番組話数を参照して、シリーズIDが選択した番組と同じで、話数が選択した番組以上の番組を、再スケジューリングの対象としてスケジュール記憶部7から一旦削除する。
【0063】この例では、図10に記述した「エイガでエイゴVol.1」〜「エイガでエイゴVol.3」が削除される。削除を行った後のスケジューリングの登録状況は、図21のようになる。
【0064】<ステップ20>本ステップでは、マイクロコンピュータ4は、第1実施形態で述べたステップ2〜ステップ9と同じ動作をする。再スケジューリングが成功すると、再スケジューリングを終了する。ステップ2、ステップ3、ステップ5で該当する番組がない場合は、再スケジューリングは失敗してステップ19に進む。
【0065】この例では、ステップ18の時点で、スケジュールの登録状況は、図21のようになっていることから、ステップ2では、最初のnの値は1となり、「エイガでエイゴ Vol.1」〜「エイガでエイゴ Vol.3」が再スケジューリングの対象になる。その結果、図22に示す予約が改めて登録される。
【0066】<ステップ19>本ステップでは、放送スケジュールの変更により、シリーズ一括予約の再スケジューリングを行なうことが出来ないため、マイクロコンピュータ4は、ユーザに対してその旨のメッセージを映像・音声出力手段20に表示させる。なお、この例では、再スケジューリングは成功するため、本ステップには進まない。
【0067】このように本実施形態では、ユーザによるシリーズ一括予約の登録が指定が行われた後に放送スケジュールの変更が生じた場合にも、放送スケジュール変更後の番組配列情報を利用して再スケジューリングを行い、最初にユーザが指定した予約実行順番の条件を満たしたままで、シリーズの各番組の予約日時を改めて決定することが出来る。
【0068】なお、放送スケジュール監視部8で放送スケジュールの変更を検出したときに、マイクロピュータ4で自動的に再スケジューリングを実行するのではなく、メールやアイコン表示で再スケジューリングの必要があることをユーザに知らせることだけを実行しても良い。その場合には、ユーザがメニュー等から再スケジューリングの実行を指示出来るようにすれば、同様の効果が得られる。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明のデジタル放送受信機は、シリーズが複数回放送されている条件下で、ユーザによるシリーズ一括予約の要求が行われる前に、他の番組の予約が行われていた場合、ユーザによるシリーズ一括予約の要求とシリーズを構成する番組の予約順番の指定が行われると、番組配列情報を利用して、既に予約が行われている番組の放送時間帯を避け、シリーズを構成する番組をユーザが指定した順番で予約することが出来る。
【0070】また、本発明のデジタル放送受信機は、シリーズが複数回放送されている条件下で、ユーザによるシリーズ一括予約の要求とシリーズを構成する番組の予約順番の指定が行われた後に、ユーザが新たに番組の予約を行なった場合、新たに予約を行なったときの番組配列情報を利用し、新たに予約した番組の放送時間帯を避けて、シリーズを構成する番組をユーザが指定した順番で予約することが出来るよう、各番組の予約日時を決定することが出来る。
【0071】さらに、本発明のデジタル放送受信機は、シリーズが複数回放送されている条件下で、ユーザによるシリーズ一括予約の要求とシリーズを構成する番組の予約順番の指定が行われた後に、放送スケジュールの変更が生じた場合、放送スケジュール変更後の番組配列情報を利用し、シリーズを構成する番組をユーザが指定した順番で予約することが出来るよう、各番組の予約日時を決定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2実施形態に係るデジタル放送受信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の各実施形態において用いる、番組データの構造を示す説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態における、スケジューリングを行う前にスケジュール記憶部7に登録された番組を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態における、マイクロコンピュータの動作を表すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態における、第1話のスケジューリングの際に、マイクロコンピュータが選択した番組を示す説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態における、第2話のスケジューリングの際に、マイクロコンピュータが選択した番組を示す説明図である。
【図7】本発明の第1実施形態における、第3話のスケジューリングの際に、マイクロコンピュータが選択した番組を示す説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態における、第1話のスケジューリングでスケジュール記憶部に登録されている番組を示す説明図である。
【図9】本発明の第1実施形態における、第2話のスケジューリングでスケジュール記憶部に登録されている番組を示す説明図である。
【図10】本発明の第1実施形態における、第3話のスケジューリングでスケジュール記憶部に登録されている番組を示す説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態における、マイクロコンピュータの動作を表すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態における、一部削除され再スケジューリングを行う前の状態でスケジュール記憶部に記憶されている番組を示す説明図である。
【図13】本発明の第2実施形態における、新たに予約した番組のスケジューリング後にスケジュール記憶部に登録されている番組を示す説明図である。
【図14】本発明の第2実施形態における、第2話の再スケジューリングの際に、マイクロコンピュータが選択した番組を示す説明図である。
【図15】本発明の第2実施形態における、第3話の再スケジューリングの際に、マイクロコンピュータが選択した番組を示す説明図である。
【図16】本発明の第2実施形態における、第2話の再スケジューリングでスケジュール記憶部に登録されている番組を示す説明図である。
【図17】本発明の第2実施形態における、第3話の再スケジューリングでスケジュール記憶部に登録されている番組を示す説明図である。
【図18】本発明の第3実施形態に係るデジタル放送受信システムの構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第3実施形態における、マイクロコンピュータの動作を表すフローチャートである。
【図20】本発明の第3実施形態における、第1話の再スケジューリングの際に、マイクロコンピュータが選択した番組を示す説明図である。
【図21】本発明の第3実施形態における、図19のステップ18で一旦番組が削除された後のスケジュール記憶部で記憶されている番組を示す説明図である。
【図22】本発明の第3実施形態における、再スケジューリング終了後にスケジュール記憶部に登録されている番組を示す説明図である。
【符号の説明】
1 番組受信部
2 映像・音声信号出力部
4 マイクロコンピュータ
5 ベータベース部
6 リモコン送信機
7 スケジュール記憶部
8 放送スケジュール監視部
9 番組データ
10 放送日時フィールド
11 チャンネル番号フィールド
12 シリーズIDフィールド
13 話数フィールド
14 総話数フィールド
20 映像・音声出力手段
30 記憶再生手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも、番組配列情報を受信する受信手段と、この受信手段で受信した前記番組配列情報を基に番組の予約日時を決定する予約日時決定手段とを、有して構成されるデジタル放送受信機であって、前記番組配列情報は、互いに関連があり、かつ序列性を有する複数の番組の集合であるシリーズに関するシリーズ配列情報を含み、前記予約日時決定手段は、前記シリーズ配列情報を基に、特定のシリーズの構成要素である前記複数の番組の各々の予約日時を一括して予約することにより、シリーズ一括予約を行なうことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項2】 請求項1記載において、前記予約日時決定手段は、前記シリーズを構成する各番組がそれぞれ複数回放送される場合に、前記番組毎に複数ある放送日時から所定の日時を選択して予約日時とすることを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項3】 請求項2記載において、前記予約日時決定手段は、前記シリーズを構成する各番組がそれぞれ複数回放送される場合に、前記番組毎に複数ある放送日時と、既に予約している他の番組の予約日時とから、既に予約している他の番組の予約日時と日時が重複しないように、複数ある放送日時中の所定の日時を選択して予約日時とすることを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項4】 請求項2記載において、前記予約日時決定手段は、前記シリーズを構成する各番組がそれぞれ複数回放送される場合に、前記番組毎に複数ある放送日時と、決定したシリーズ予約日時と、新たに予約する他の番組の予約日時とから、新たに予約する他の番組の予約日時と日時が重複しないように、複数ある放送日時中の所定の日時を選択しなおして、前記シリーズ予約日時を決定しなおすことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項5】 請求項2乃至4のいずれか1項に記載において、前記番組配列情報の変更を検出する番組配列変更検出手段を備え、前記予約日時決定手段は、前記番組配列情報に変更があった場合に、変更後の番組配列情報を基に、所定の日時を選択して前記シリーズ予約日時を決定しなおすことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項6】 請求項2乃至5のいずれか1項に記載において前記シリーズ一括予約を行う際に、ユーザが予約実行条件を設定する手段を備えたことを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項7】 請求項1乃至6の何れか1項に記載のデジタル放送受信機を内蔵し、このデジタル放送受信機で受信した番組を表示可能な表示手段を有することを特徴とするデジタル放送受信機内蔵表示装置。
【請求項8】 請求項1乃至6の何れか1項に記載のデジタル放送受信機を内蔵し、このデジタル放送受信機で受信した番組を記録し再生することが可能な記録再生手段を有することを特徴とするデジタル放送受信機内蔵記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図20】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図14】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図18】
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【図21】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図22】
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【公開番号】特開2002−281403(P2002−281403A)
【公開日】平成14年9月27日(2002.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−78911(P2001−78911)
【出願日】平成13年3月19日(2001.3.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】