説明

デジタル放送受信装置

【課題】放送局とTSIDとが一対一ではないデジタル放送波を受信する場合において、ユーザの意図しない選局動作を回避することが可能なデジタル放送受信装置を提供する。
【解決手段】本発明のデジタル放送受信装置は、放送受信部と、放送波の識別情報と放送波の周波数帯域とを関連付けた関連情報を記録する記録部とを備えている。また、選局された放送波の周波数帯域を関連情報により判別して放送受信部を制御する受信制御部を備える。また、中継局情報を放送波より取得し、中継局情報に示されている周波数帯域に基づいて関連情報の更新を行う情報更新部を備えている。関連情報に示されている周波数帯域と、放送波より取得した周波数帯域とを比較する更新判定部を備えている。比較の結果が所定条件を満たさない場合、情報更新部は、受信に成功した放送波の識別情報と、この放送波より取得した周波数帯域とを関連付けた情報を、関連情報に追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送波を受信するデジタル放送受信装置に関するものであり、特に複数の中継局から放送波を受信する機能を備えた移動体用のデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送の一つとして、地上デジタル放送が存在する。日本においては現行の地上アナログ放送は2011年に放送終了予定であり、地上デジタル放送への移行が進められている。これに伴い、カーナビや携帯電話等に搭載される移動体用のデジタル放送受信装置も、広く開発が行われている。
【0003】
地上デジタル放送では、広地域で同一の放送を実現するため、親局から送出された電波を中継局が受け、中継局から再送信する仕組みを用いている。特に移動体用のデジタル放送受信装置では、放送局毎の中継局の物理チャンネルを示すテーブルを保持し、任意の放送局がユーザ操作により選局された場合に、テーブルに含まれる物理チャンネルをサーチする機能を備えるものがある。
【0004】
また、受信状態が劣化した場合に、デジタル放送受信装置が自動的に中継局や系列局をサーチし、受信状態が良い物理チャンネルに切り換える機能を備えるものもある。
【0005】
例えば車載用のデジタル放送受信装置であれば、走行中に自車の位置、速度等により受信状態が刻々と変化する。そして現在の放送地域と移動先の地域との境界域に近づくにつれて、現在の放送地域に向けられた放送波の受信が困難となる。そして移動先の地域に向けられた放送波の受信が可能となる。上記のサーチ機能は、このような境界域において効果を発揮する。
【0006】
上記に関連して特許文献1においては、頻繁な再選局動作を防ぎ、好適な受信状態を維持できると共に、好適な受信レベルのチャンネルを選局することを目的としたデジタル放送受信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−312110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されているような従来のデジタル放送受信装置によれば、受信状態が悪化した時点で、同番組を放送している中継局のチャンネルを放送データから把握し、ユーザ操作を必要とすることなく選局することができる。放送局毎の中継局の物理チャンネル(以下、「中継局チャンネル」という)は、TS(Transport Stream)に含まれるNIT(Network Information Table)を参照することにより判別可能である。
【0009】
中継局チャンネルは、周波数編成により変更される。このため、随時更新が必要である。従来は、放送局単位でユニークであるTSID(Transport Stream Id)を主キーとして、中継局チャンネルを更新していた。例えば、放送波に含まれるTSIDを主キーにしたデータベース(以下、「選局候補テーブル」という)を作成し、この選局候補テーブルを用いて、中継局チャンネルを管理していた。
【0010】
図10は、ユーザ操作による選局が発生した場合、または受信状態が悪化した場合に実施される、中継局サーチ処理の処理フローを示している。また図11は、選局候補テーブルの一例を示している。また図12は、NITに含まれる、受信放送波の中継局チャンネルを示す情報(以下、「中継局情報」という)を示している。
【0011】
図10に示すように従来の中継局サーチ処理においては、例えばある中継局チャンネルの受信に成功したとしても(ステップS930)、ユーザに指示された放送局のTSIDと異なるTSIDである場合は受信を行わず、中継局サーチ処理を継続していた(ステップS940)。
【0012】
図11に示すように、TSIDは、予め放送局毎に割り当てられている識別情報である。図中のテーブル一行分のデータは、一放送局に関連付けられている複数の中継局チャンネルを示している。なお図11の例では、複数の中継局チャンネルのうち、受信感度が良い中継局チャネルほど左方向に配置し、受信感度が悪い中継局チャネルほど右方向に配置している。これにより、優先的にサーチする中継局チャンネルを判別できるようにしている。ただし上記のような受信感度に基づいた配置方法はあくまで一例であり、運用の形態に応じて、配置方法を適宜変更可能である。或いは、ランダムに配置を行う形態でもよい。
【0013】
図11の例では、例えばユーザにより放送局Aが選局された場合、TSIDが0x7FE0である放送波の受信に成功するまで、図10の処理を実施する。また放送局Aの受信中に受信感度が悪化した場合も、同様に図10の処理を実施する。
【0014】
例えば、ある時点での選局候補テーブルが図11(a)に示す状態であったとする。またこの状態において、47chでTSID=0x7FE0の放送波を受信した結果、NITに含まれる中継局情報が図12の内容であったとする。この場合、選局候補テーブルと中継局情報とに差違がある(図12の丸印で示す中継局チャンネル)。このため、選局候補テーブルの更新が必要と判断し、NITの中継局情報に基づいて、選局候補テーブルの中継局チャンネル欄を更新する。
【0015】
この結果、選局候補テーブルは図11(b)の状態に更新される。図11(b)の例では、新たに32chと15chとが、TSID=0x7FE0の中継局チャンネルとして追加されている。また、37chと13chとが削除されている。従って以降は、放送局Aの中継局サーチを行う場合、19ch→32ch→47ch→15chの順にサーチを行う。
【0016】
以上に説明した従来技術は、TSID単位で放送局がユニークであることが前提となっている。例えばARIB(Association of Radio Industries and Broadcast=社団法人電波産業会)標準規格の技術資料番号TR−B14では、TSIDはnetwork_idと同値であることが規定されている。このため、TSIDと放送局とは一対一の関係になる。
【0017】
しかしながらデジタル放送の規格によっては、複数の放送局が同一のTSIDを共有する運用形態も想定されうる。この運用形態の場合、従来技術の方法で選局候補テーブルの中継局情報を更新すると、異なる複数の放送局を一放送局とみなしてしまい、中継局情報を不正に更新してしまう可能性がある。
【0018】
例えば各放送局に割り振られたTSIDが、図3の模式図に示す状態であったとする。図3において、放送局Aと放送局CのTSIDが0x7FE0である。このため、放送局Aの放送波を受信している状態において、選局候補テーブルのTSID=0x7FE0の中継局情報は、放送局Aのものになる。
【0019】
この状態においてデジタル放送受信装置を搭載した移動体が移動し、放送局Cの放送波を受信すると、TSID=0x7FE0の中継局情報は、放送局Cの中継局情報に入れ替えられる。しかしながら、更新後の選局候補テーブルにおけるTSID=0x7FE0の中継局情報は、内部処理上は放送局Aの中継局情報とみなされる。
【0020】
従ってユーザにしてみれば、放送局Aを選局しているにもかかわらず、実際には放送局Cの中継局チャンネルがサーチされるため、放送局Aの番組を視聴出来ない。このように、一放送局の中継局情報が複数の放送局により更新されると、結果として正常な選局動作が行えないという問題が発生する。
【0021】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数の中継局から放送波を受信する機能を備えた移動体用のデジタル放送受信装置であって、放送局とTSIDとの関係が一対一ではない運用形態のデジタル放送波を受信する場合において、ユーザの意図しない選局動作が行われることを回避することが可能な、デジタル放送受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するために本発明のデジタル放送受信装置は、放送波の受信及び選局を行う放送受信部と、放送波の識別情報と該放送波を受信するための周波数帯域とを関連付けた関連情報を記録する記録部と、選局指示を受け付け、選局指示された放送波を受信するための周波数帯域を前記関連情報により判別し、判別した前記周波数帯域による選局及び受信を行うよう前記放送受信部を制御する受信制御部と、放送波を中継する中継局の周波数帯域を示す中継局情報を前記放送波より取得し、前記中継局情報に示されている周波数帯域により前記関連情報の更新を行う情報更新部とを備えるデジタル放送受信装置において、前記放送受信部による選局が実施され且つ選局された放送波の受信に成功した場合に、前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域と、該放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域とを比較する更新判定部を、前記デジタル放送受信装置が備え、前記比較の結果が予め定められた条件を満たさない場合に、前記情報更新部は、受信に成功した放送波の識別情報と該放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域とを関連付けた情報を前記関連情報に追加することを特徴とする。
【0023】
この構成によると、本発明のデジタル放送受信装置は、放送波の受信及び選局を行う放送受信部と、放送波の識別情報と放送波の周波数帯域とを関連付けた関連情報を記録する記録部とを備えている。また、選局指示を受け付け、放送波の周波数帯域を関連情報により判別し、判別した周波数帯域による選局及び受信を行うよう放送受信部を制御する受信制御部を備える。また、中継局を示す中継局情報を放送波より取得し、中継局情報に示されている周波数帯域に基づいて関連情報の更新を行う情報更新部を備えている。また、選局された放送波の受信に成功した場合に、関連情報に示されている周波数帯域と、放送波より取得した中継局情報に示されている周波数帯域とを比較する更新判定部を備えている。比較の結果が所定条件を満たさない場合、情報更新部は、受信に成功した放送波の識別情報と、この放送波より取得した中継局情報に示されている周波数帯域とを関連付けた情報を、関連情報に追加する。
【0024】
また上記目的を達成するために、前記比較の結果が前記条件を満たす場合に、前記情報更新部は、受信に成功した放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域を用いて、前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域を更新することを特徴とする。
【0025】
この構成によると、上記の比較結果が所定条件を満たす場合に、情報更新部は、受信に成功した放送波より取得した中継局情報に示されている周波数帯域を用いて、関連情報に示されているこの放送波の周波数帯域を更新する。
【0026】
また上記目的を達成するために前記受信制御部は、前記比較の結果が前記条件を満たさない場合に、前記情報更新部により、受信に成功した前記放送波の識別情報と該放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域とを関連付けた情報が、前記関連情報に追加されたとき、該放送波の周波数帯域とは異なる周波数帯域で選局を再試行するよう前記放送受信部を制御し、また、前記比較の結果が前記条件を満たす場合に、前記情報更新部により、受信に成功した放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域を用いて、前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域が更新されたとき、該放送波の周波数帯域による受信を継続するよう前記放送受信部を制御することを特徴とする。
【0027】
この構成によると、受信制御部は、比較の結果が所定条件を満たさない場合に、選局指示された放送波の受信に失敗したとみなし、情報更新部による関連情報の更新が行われた時点で、受信に成功した放送波の周波数帯域とは異なる周波数帯域で選局を再試行するよう、放送受信部を制御する。また受信制御部は、比較の結果が所定条件を満たす場合に、情報更新部による関連情報の更新が行われた時点で、受信に成功した放送波の周波数帯域による受信を継続するよう、放送受信部を制御する。
【0028】
また上記目的を達成するために前記更新判定部は、前記条件として、受信に成功した放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域と前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域との一致数が予め定められた閾値を上回ること、または前記の両周波数帯域の不一致数が予め定められた閾値を下回ること、または前記一致数に対する前記不一致数の比率が予め定められた閾値を下回ることを、前記条件として用いることを特徴とする。
【0029】
この構成によると、更新判定部は、受信に成功した放送波より取得した中継局情報に示されている周波数帯域と、関連情報に示されているこの放送波の周波数帯域との一致数が所定の閾値を上回るか否かを、判定条件として用いる。または、両周波数帯域の不一致数が所定の閾値を下回るか否かを、判定条件として用いる。または、上記の一致数に対する不一致数の比率が所定の閾値を下回るか否かを、判定条件として用いる。
【0030】
また上記目的を達成するために、前記比較の結果が前記条件を満たさない場合に、前記情報更新部は、受信に成功した放送波のTSID(Transport Stream Id)と該放送波に含まれるNIT(Network Information Table)に示されている周波数帯域とを関連付けた情報を前記関連情報に追加することを特徴とする。
【0031】
この構成によると、前記比較の結果が前記条件を満たさない場合に、情報更新部は、受信に成功した放送波のTSIDと、この放送波に含まれるNITに示されている周波数帯域とを関連付けた情報を、関連情報に追加する。
【0032】
また上記目的を達成するために前記情報更新部は、放送局により一周波数帯域で提供される複数の放送サービスを識別するための情報である編成チャンネル名を前記放送波より取得し、放送波の識別情報と該放送波より取得された前記編成チャンネル名とを関連付けた情報を前記関連情報に含めて前記記録部に記録し、前記更新判定部は、前記放送受信部による選局が実施され且つ選局された放送波の受信に成功した場合に、前記関連情報に示されている該放送波の前記編成チャンネル名と、該放送波より取得した前記編成チャンネル名とを比較し、比較の結果、前記編成チャンネル名が一致しない場合、または前記編成チャンネル名が一致する比率が予め定められた閾値を下回る場合に、前記情報更新部は、受信に成功した放送波より取得した前記編成チャンネル名と該放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域とを関連付けた情報を前記関連情報に追加し、前記編成チャンネル名が一致する場合、または前記編成チャンネル名が一致する比率が予め定められた閾値を上回る場合に、前記情報更新部は、受信に成功した放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域を用いて、前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域を更新することを特徴とする。
【0033】
この構成によると、情報更新部は、一周波数帯域で提供される複数の放送サービスを識別するための情報である編成チャンネル名を、放送波より取得する。そして放送波の識別情報と編成チャンネル名とを関連付けた情報を、関連情報に含めて記録部に記録する。更新判定部は、放送波の受信に成功した場合に、関連情報に示されているこの放送波の編成チャンネル名と、この放送波より取得した編成チャンネル名とを比較する。比較の結果、編成チャンネル名が一致しない場合、または一致する比率が所定の閾値を下回る場合、情報更新部は、この放送波より取得した編成チャンネル名と、この放送波より取得した中継局情報に示されている周波数帯域とを関連付けた情報を、関連情報に追加する。編成チャンネル名が一致する場合、または一致する比率が所定の閾値を上回る場合、情報更新部は、この放送波より取得した中継局情報に示されている周波数帯域を用いて、関連情報に示されているこの放送波の周波数帯域を更新する。
【0034】
また上記目的を達成するために、前記受信制御部は、前記編成チャンネル名が一致しない場合、または前記編成チャンネル名が一致する比率が予め定められた閾値を下回る場合に、前記情報更新部により、受信に成功した放送波より取得した前記編成チャンネル名と該放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域とを関連付けた情報が、前記関連情報に追加されたとき、該放送波の周波数帯域とは異なる周波数帯域で選局を再試行するよう前記放送受信部を制御し、また、前記編成チャンネル名が一致する場合、または前記編成チャンネル名が一致する比率が予め定められた閾値を上回る場合に、前記情報更新部により、受信に成功した放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域を用いて、前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域が更新されたとき、該放送波の周波数帯域による受信を継続するよう前記放送受信部を制御することを特徴とする。
【0035】
この構成によると、受信制御部は、編成チャンネル名が一致しない場合、または編成チャンネル名が一致する比率が所定閾値を下回る場合に、選局指示された放送波の受信に失敗したとみなし、情報更新部により関連情報が更新された時点で、受信に成功した放送波の周波数帯域とは異なる周波数帯域で選局を再試行するよう、放送受信部を制御する。また受信制御部は、編成チャンネル名が一致する場合、または編成チャンネル名が一致する比率が所定閾値を上回る場合に、情報更新部により関連情報が更新された時点で、受信に成功した放送波の周波数帯域による受信を継続するよう、放送受信部を制御する。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、放送局とTSIDとの関係が一対一ではない運用形態のデジタル放送波を受信する場合において、中継局の周波数帯域又は編成チャンネル名に基づいて放送局が一致するとみなされた場合にのみ、関連情報の周波数帯域を更新する。逆に放送局が一致しないとみなされた場合、放送局の識別情報、中継局の周波数帯域、または編成チャンネル名の追加を、関連情報に対して行う。
【0037】
受信制御部は、この関連情報を用いて放送局を判別し、選局動作を行う。これにより、複数の放送局の識別情報が重複する場合において、ユーザ指定された放送局と異なる放送局の放送波が受信され、ユーザの混乱を招くといった事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係るデジタル放送受信装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る機能部の構成を示すブロック図である。
【図3】中継局とその識別情報を示す模式図である。
【図4】本発明の第一の実施形態に係る選局候補テーブルを示すテーブル図である。
【図5】放送波に含まれる中継局情報を示す模式図である。
【図6】本発明の第一の実施形態に係るサーチ処理を示すフロー図である。
【図7】本発明の第二の実施形態に係る選局候補テーブルを示すテーブル図である。
【図8】放送波に含まれる編成チャンネル名を示す模式図である。
【図9】本発明の第二の実施形態に係るサーチ処理を示すフロー図である。
【図10】従来のサーチ処理を示すフロー図である。
【図11】従来の選局候補テーブルを示すテーブル図である。
【図12】放送波に含まれる中継局情報を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
[実施の形態1]
〈1−1.内部構成について〉
図1は、本発明の一実施形態に係る車載用受信装置100(=デジタル放送受信装置)の内部構成を示すブロック図である。図1のブロック図に示すように、本発明の車載用受信装置100は、外部装置としてダイバーシティアンテナ1を接続可能である。
【0040】
また車載用受信装置100は少なくとも、チューナ11(=放送受信部)、復調部12(=放送受信部)、操作入力部13、CPU14、RAM15(=記録部)、ROM16、オーディオフィルタ17、オーディオデコーダ18、ビデオフィルタ19、ビデオデコーダ20、データフィルタ21、データデコーダ22、及び出力部23を備えている。
【0041】
チューナ11は、ダイバーシティアンテナ1から地上デジタル放送信号を受信し、所望の物理チャンネル(=周波数帯域)での選局を行う。またチューナ11は、選局中の物理チャンネルにおいて放送波が受信不可となったか否かを監視する。具体的には例えば、車載用受信装置100を搭載した車両が受信地域を跨ぐ等により、これまで受信していた放送波の電界強度が所定の閾値を下回った場合に、受信不可となったとみなす。
【0042】
復調部12は、チューナ11から入力される選局された信号を復調及びエラー訂正し、ワンセグと12セグとの、それぞれのTSを出力する。復調部12により復調されたTSは、後述するオーディオフィルタ17、ビデオフィルタ19、及びデータフィルタ21に与えられる。
【0043】
操作入力部13は、不図示のリモコン、及びリモコン受光部を含む。リモコンには、車載用受信装置100に対して選局指示等を行うための、プッシュボタンやタッチセンサ等が備えられている。また操作入力部13は、車載用受信装置100のハウジングに設けられたハードキーやタッチパネル等を含む。操作入力部13は、上記装置のいずれかにより受け付けたユーザ操作に基づく操作信号を生成し、出力する。なお操作入力部13は、必ずしも上記装置の全てを含む必要はなく、上記装置の一部のみを含む形態でもよい。
【0044】
CPU14は、各種演算、処理、制御を行う演算処理装置である。CPU14は、車載用受信装置100の各部材の駆動を有機的に制御して、放送受信処理等を統括制御する。RAM15は、CPU14のワークメモリ等に用いられる。ROM16は、CPU14が実行する制御プログラム等を格納する。
【0045】
オーディオフィルタ17は、復調部12から出力されたTSからオーディオデータのみを抽出する。オーディオデコーダ18は、抽出されたオーディオデータを復号してデジタル音声信号を生成し、後述する出力部23へ与える。
【0046】
ビデオフィルタ19は、復調部12から出力されたTSからビデオデータのみを抽出する。ビデオデコーダ20は、抽出されたビデオデータを復号してデジタル画像信号を生成し、後述する出力部23へ与える。
【0047】
データフィルタ21は、復調部12から出力されたTSから伝送パラメータ、NIT(Network Information Table)、番組情報、データ放送等のデータを抽出する。データデコーダ22は、抽出されたデータを復号する。復号されたデータは、RAM15等に記録される。
【0048】
出力部23は液晶モニタ等の表示装置や、スピーカ等の音声装置を接続して画像信号及び音声信号を出力するための出力端子を含む。
〈1−2.機能部の構成について〉
ここで、本発明の第一の実施形態に係るサーチ処理を実施するための各機能部の関係を、図2の機能ブロック図を用いながら説明する。なお図2においてCPU14の内部に図示されている機能ブロックは、CPU14が所定のプログラムを実行することにより実現される機能部を表している。
【0049】
図2に示すように、本実施形態のサーチ処理は、サーチ部14a(=受信制御部)、テーブル作成部14b(=情報更新部)、及び更新判定部14cにより実施される。
【0050】
サーチ部14aは、所定の放送波の受信を試行するサーチ処理を行う。サーチ部14aは、受信可能な中継局チャンネルを解析すると共に、図11に示す選局候補テーブル(=関連情報)を用いて、ユーザに指示された番組を放送していると推定される放送波の受信を試行する。
【0051】
受信に成功し、且つ放送波のTSID(=識別情報)が指定されたTSIDと一致する場合、この放送波の受信を開始する。受信に失敗した場合、またはTSIDが異なる場合、サーチ部14aは選局候補テーブルに含まれる未チェックの中継局チャンネルを用いて、放送波の受信を試行する。
【0052】
例えば選局候補テーブルが、図11(a)に示す状態であったとする。この場合、ユーザが物理チャンネル13ch(=放送局A)に対応付けられているリモコンボタンを押下したとしても、この時点では19chの受信状態の方が13chより良いため、サーチ部14aは19chを選局する。
【0053】
テーブル作成部14bは、放送波に含まれるNITやPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)等の解析により、受信放送波のTSIDや中継局チャンネルを判別し、選局候補テーブルを生成し、RAM15等に記録する。なおこれらの各種情報は、データフィルタ21またはデータデコーダ22により生成される情報より取得する。
【0054】
またテーブル作成部14bは、サーチ部14aによるサーチ結果に基づいて、選局候補テーブルに対する中継局チャンネルの追加/削除を行う。
【0055】
更新判定部14cは、選局候補テーブルの内容と受信したNITが示す中継局情報とを比較することにより、選局候補テーブルの内容を更新する。更新判定部14cは例えば、比較の結果、三つ以上の中継局チャンネルが一致していれば、同一放送局であると判断する。これは各中継局が、使用する物理チャンネルを頻繁に変更する可能性が低いことを利用している。
【0056】
具体的には例えば、選局候補テーブルが図4(a)の状態で、受信した放送波に含まれるNITの示す中継局情報が、図5(a)の内容であったとする。この場合、同一の中継局チャンネルが三つ存在する。このため更新判定部14cは、放送局Aの中継局の放送波を受信したと判定する。この結果、テーブル作成部14bは、選局候補テーブルの放送局Aの情報を、受信したNITの内容に置き換え、図4(b)の状態とする。
【0057】
また例えば、選局候補テーブルが図4(a)の状態で、受信した放送波に含まれるNITの示す中継局情報が、図5(b)の内容であったとする。この場合、同一の中継局チャンネルが二つしかない。このため更新判定部14cは、放送局Aとは異なる放送局(ここでは「放送局X」とする)の中継局の放送波を受信したと判定する。
【0058】
この結果、テーブル作成部14bは、図4(c)のように選局候補テーブルを更新する。図4(c)の例では、放送局Aと異なる放送局として、放送局Xのチャンネル情報が追加されている。なお、新規に追加する放送局の名称は、テーブル作成部14bが任意の名称を付与する形態でもよいし、或いは放送波に含まれる所定の情報(例えばNITに含まれるTS名)を名称として使用する形態でもよい。
〈1−3.サーチ処理について〉
ここで、本発明の第一の実施形態に係る車載用受信装置100が実施するサーチ処理の処理フローについて、図6のフロー図を用いながら説明する。
【0059】
本実施形態の処理フローは、中継局サーチの開始指示が検知された場合に開始される。なおこの開始指示は、受信中の放送波の受信感度が低下したことが検知された場合や、ユーザ操作に基づく選局動作が行われた結果、受信感度が低いことが検知された場合等に発行される。
【0060】
本処理の開始後、サーチ部14aはステップS110において、選局指示された放送局の中継局チャネルについて、未サーチの中継局チャンネルが存在するか否かを判定する。なお以下では、選局指示された放送局が、図4に示す放送局Aである場合を例にして説明を行う。
【0061】
未サーチの中継局チャンネルが存在しない場合、つまり図4(a)に示されている放送局Aの19ch〜13chの全てに対してサーチが行われた場合、本処理を終了する。未サーチの中継局チャンネルが存在する場合、サーチ部14aはステップS120において、前回サーチした中継局チャンネルの次に受信を試行すべき中継局チャンネルを更新管理テーブルより判別し、判別した中継局チャンネルによる受信を試行する。
【0062】
次にサーチ部14aはステップS130において、上記の中継局チャンネルによる受信に成功したか否かを判定する。受信に失敗した場合、再びステップS110へ移行する。受信に成功した場合、サーチ部14aはステップS140において、選局対象に指定されている放送波、つまり放送局Aの放送波の受信に成功したか否かを判定する。
【0063】
具体的には、受信した放送波に含まれるNITやPAT、またはPMTの解析を行い 、TSIDの取得を行う。そして放送局AのTSID(=0x7FE0)と一致するか 否かを判定する。一致する場合、受信に成功したとみなす。
【0064】
受信に失敗した場合、再びステップS110へ移行する。受信に成功した場合、更新判定部14cはステップS150において、更新管理テーブルに示されている中継局チャンネルと、受信したNITが示す中継局チャンネルとを比較し、一致する中継局チャンネルの数が所定の閾値を超えるか否かを判定する。
【0065】
一致する中継局チャンネルの数が所定の閾値を超える場合、テーブル作成部14bはステップS160において、放送局が一致するとみなし、一致した放送局の中継局チャンネルの更新を、NITが示す中継局チャンネルにより行う。これにより例えば、選局候補テーブルの状態が図4(a)の状態から図4(b)の状態へ更新される。
【0066】
更新が完了すると、サーチ部14aはステップS170において、受信に成功した中継局チャンネルによる受信を開始するよう、チューナ11及び復調部12を制御する。これによりユーザが放送番組を視聴できる状態となり、本処理を終了する。
【0067】
ステップS150に戻って説明を行うと、一致する中継局チャンネルの数が所定の閾値を超えない場合、テーブル作成部14bはステップS151において、放送局が一致しないとみなし、選局候補テーブルに対して放送局の追加を行う。
【0068】
これにより例えば、選局候補テーブルの状態が図4(a)の状態から図4(c)の状態へ更新される。この例では、放送局Aと異なる放送局だがTSIDは同じ放送局として、放送局Xが追加される。追加が完了すると、ステップS110へ移行し、引き続き放送局Aの中継局チャンネルのサーチを行う。
【0069】
なお、放送局Xが新たに追加された場合、ユーザに対する報知を行う形態でもよい。或いは、新たに発見された放送局Xに対する選局ボタンの割り当ての要否を確認するメッセージを出力し、ユーザ指示を待ち受ける形態でもよい。或いは、所定のボタンに放送局Xを自動的に割り当てる形態でもよい。
【0070】
以上に説明した本実施形態によれば、中継局チャンネルが所定を超えて一致する場合に選局管理テーブルを更新し、一致しない場合に、新たな放送局及びこの放送局の中継チャンネルを選局管理テーブルに追加する。これにより、ユーザ指定された放送局と異なる放送局の放送波が受信され、ユーザの混乱を招くといった事態を回避することができる。
【0071】
次に、本発明の第二の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[実施の形態2]
〈2−1.内部構成について〉
実施の形態1と同内容であるため、ここでは説明を省略する。
〈2−2.機能部の構成について〉
実施の形態1の図1と同様の構成であるが、テーブル作成部14b及び更新判定部14cの機能が一部異なる。本実施形態のテーブル作成部14bは、図7に示すように、編成チャンネル名を含む選局候補テーブルを生成する。
【0072】
編成チャンネル名とは、一放送局が一物理チャンネルを用いて複数の放送サービスを提供する場合に、この複数の放送サービスを識別するための識別情報である。放送局は、複数の放送サービスで異なる番組を放送することも、同一の番組を放送することも可能である。
【0073】
編成チャンネル名は、TSに含まれるSDT(Service Description Table)に記載されている。テーブル作成部14bは、データフィルタ21またはデータデコーダ22により生成されたSDTより、編成チャンネル名を取得する。
【0074】
また本実施形態の更新判定部14cは、選局候補テーブルに示されている編成チャンネル名と、受信したSDTに示されている編成チャンネル名とを比較する。テーブル作成部14bはこの比較結果に基づいて、選局候補テーブルの内容を更新する。更新判定部14cは、例えば全ての編成チャンネル名が一致していれば、同一放送局であると判定する。或いは、編成チャンネル名が一致する比率が所定の閾値を上回っていれば同一放送局であると判定し、比率が所定の閾値を下回っていれば異なる放送局であると判定する形態でも良い。同一放送局であると判定された場合、テーブル作成部14bはNITの参照を行い、中継局チャンネルの更新が必要である場合は更新する。
【0075】
具体的には例えば、選局候補テーブルが図7(a)の状態で、受信した放送波に含まれるSDTの示す中継局情報が、図8(a)の内容であったとする。この場合、編成チャンネル名が全て一致する。このため更新判定部14cは、放送局Aと同一の放送局の放送波を受信したと判定する。
【0076】
また例えば、選局候補テーブルが図7(a)の状態で、受信した放送波に含まれるSDTの示す中継局情報が、図8(b)に示す内容であったとする。この場合、編成チャネル名が一致しない。このため更新判定部14cは、放送局Aとは異なる放送局の放送波を受信したと判定する。上記の場合、テーブル作成部14bは、図8(c)のよう、選局候補テーブルを更新する。なお放送局Xの中継局チャンネルは、受信したNITより判別する。
〈2−3.サーチ処理について〉
ここで、本発明の第二の実施形態に係る車載用受信装置100が実施するサーチ処理の処理フローについて、図9のフロー図を用いながら説明する。処理の流れは実施の形態1のフロー図(図6)と同じであるが、ステップS150に代わり、ステップS141を実施する。
【0077】
更新判定部14cはステップS141において、更新管理テーブルに示されている編成チャンネル名と、受信したSDTが示す編成チャンネル名とを比較する。そして編成チャンネル名が一致するか否かを判定する。
【0078】
一致する場合、ステップS160に移行する。一致しない場合、テーブル作成部14bはステップS151において、放送局が一致しないとみなし、選局候補テーブルに対して放送局の追加を行う。これにより例えば、選局候補テーブルの状態が図7(a)の状態から図7(c)の状態へ更新される。なお、その他の処理については実施の形態1と同内容であるため、説明を省略する。
【0079】
以上に説明した本実施形態によれば、編成チャンネル名が一致する場合に選局管理テーブルを更新し、一致しない場合に、新たな放送局及びこの放送局の中継チャンネルを選局管理テーブルに追加する。これにより、ユーザ指定された放送局と異なる放送局の放送波が受信され、ユーザの混乱を招くといった事態を回避することができる。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0080】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0081】
(A)上記実施形態では、本発明のサーチ処理を実施するデジタル放送受信装置として、車載用受信装置100を例に説明しているが、これ以外のデジタル放送受信装置において実施する形態でもよい。例えば、ポータブルテレビやテレビ付き携帯電話等で実施する形態でもよい。
【0082】
(B)上記実施形態では、本発明の各種処理に関わる各機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上で所定のプログラムを実行することにより実現されているが、各種機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【0083】
(C)上記実施形態では、更新管理テーブルに追加した情報の削除処理については特に説明していないが、経過時間、または使用頻度に基づいて情報の削除を行う形態でもよい。例えば図4(c)に示す「放送局X」の追加後、「放送局X」を最後に受信してから一週間を経過しても再受信しなかった場合に、更新管理テーブルより「放送局X」のデータを削除する形態でもよい。
【0084】
(D)上記実施形態では、更新管理テーブルの中継局チャンネルとNITの中継局チャンネルとを比較する場合に、中継局チャンネルの一致数が所定の閾値を超える場合に放送局が一致するとみなしているが、不一致数が所定の閾値を下回る場合に放送局が一致するとみなす形態でもよい。或いは、中継局チャンネルの一致数に対する不一致数の比率が所定の閾値を下回る場合に、放送局が一致するとみなす形態でもよい。
【0085】
(E)上記実施形態では、一放送局の中継局チャネルが四つである例に説明を行っているが、実際の運用においては中継局チャネルの数はこれに限定されるものではない。例えば十から二十の中継局チャンネルが存在する放送局も想定される。このため、中継局チャンネルの数に応じて、上記の一致判定に用いる閾値や比率を変更する形態でもよい。
【0086】
(F)上記実施形態では、同一TSIDの放送局が更新管理テーブルに複数存在する場合に、いずれの放送局を優先的に用いるかについては、特に規定していない。このため、何らかの優先度を放送局単位で設定して、中継局サーチを行う形態でもよい。例えば、車載用受信装置100がGPS(Global Positioning System)装置を接続可能である場合、更新管理テーブルに新たな放送局が追加された時点で、GPS装置により位置情報を取得する。そして追加された放送局に関連付けて、更新管理テーブルへ位置情報を記録する。サーチ部14aはサーチ時に、GPS装置により取得される現在の位置情報と、更新管理テーブルに記録されている位置情報とを比較し、位置がより近い放送局を更新管理テーブルより判別する。そして判別した放送局の中継局サーチを行う。これにより、中継局サーチの精度を高めることができる。
【符号の説明】
【0087】
100 車載用受信装置(デジタル放送受信装置)
11 チューナ(放送受信部)
12 復調部(放送受信部)
13 操作入力部
14 CPU
14a サーチ部(受信制御部)
14b テーブル作成部(情報更新部)
14c 更新判定部
15 RAM(記録部)
16 ROM
17 オーディオフィルタ
18 オーディオデコーダ
19 ビデオフィルタ
20 ビデオデコーダ
21 データフィルタ
22 データデコーダ
23 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波の受信及び選局を行う放送受信部と、
放送波の識別情報と該放送波を受信するための周波数帯域とを関連付けた関連情報を記録する記録部と、
選局指示を受け付け、選局指示された放送波を受信するための周波数帯域を前記関連情報により判別し、判別した前記周波数帯域による選局及び受信を行うよう前記放送受信部を制御する受信制御部と、
放送波を中継する中継局の周波数帯域を示す中継局情報を前記放送波より取得し、前記中継局情報に示されている周波数帯域により前記関連情報の更新を行う情報更新部とを備えるデジタル放送受信装置において、
前記放送受信部による選局が実施され且つ選局された放送波の受信に成功した場合に、前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域と、該放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域とを比較する更新判定部を、前記デジタル放送受信装置が備え、
前記比較の結果が予め定められた条件を満たさない場合に、前記情報更新部は、受信に成功した放送波の識別情報と該放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域とを関連付けた情報を前記関連情報に追加すること
を特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記比較の結果が前記条件を満たす場合に、前記情報更新部は、受信に成功した放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域を用いて、前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域を更新すること
を特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記受信制御部は、前記比較の結果が前記条件を満たさない場合に、前記情報更新部により、受信に成功した前記放送波の識別情報と該放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域とを関連付けた情報が、前記関連情報に追加されたとき、該放送波の周波数帯域とは異なる周波数帯域で選局を再試行するよう前記放送受信部を制御し、
また、前記比較の結果が前記条件を満たす場合に、前記情報更新部により、受信に成功した放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域を用いて、前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域が更新されたとき、該放送波の周波数帯域による受信を継続するよう前記放送受信部を制御すること
を特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記更新判定部は、前記条件として、受信に成功した放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域と前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域との一致数が予め定められた閾値を上回ること、または前記の両周波数帯域の不一致数が予め定められた閾値を下回ること、または前記一致数に対する前記不一致数の比率が予め定められた閾値を下回ることを、前記条件として用いること
を特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記比較の結果が前記条件を満たさない場合に、前記情報更新部は、受信に成功した放送波のTSID(Transport Stream Id)と該放送波に含まれるNIT(Network Information Table)に示されている周波数帯域とを関連付けた情報を前記関連情報に追加すること
を特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項6】
前記情報更新部は、放送局により一周波数帯域で提供される複数の放送サービスを識別するための情報である編成チャンネル名を前記放送波より取得し、放送波の識別情報と該放送波より取得された前記編成チャンネル名とを関連付けた情報を前記関連情報に含めて前記記録部に記録し、
前記更新判定部は、前記放送受信部による選局が実施され且つ選局された放送波の受信に成功した場合に、前記関連情報に示されている該放送波の前記編成チャンネル名と、該放送波より取得した前記編成チャンネル名とを比較し、
比較の結果、前記編成チャンネル名が一致しない場合、または前記編成チャンネル名が一致する比率が予め定められた閾値を下回る場合に、前記情報更新部は、受信に成功した放送波より取得した前記編成チャンネル名と該放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域とを関連付けた情報を前記関連情報に追加し、
前記編成チャンネル名が一致する場合、または前記編成チャンネル名が一致する比率が予め定められた閾値を上回る場合に、前記情報更新部は、受信に成功した放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域を用いて、前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域を更新すること
を特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項7】
前記受信制御部は、前記編成チャンネル名が一致しない場合、または前記編成チャンネル名が一致する比率が予め定められた閾値を下回る場合に、前記情報更新部により、受信に成功した放送波より取得した前記編成チャンネル名と該放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域とを関連付けた情報が、前記関連情報に追加されたとき、該放送波の周波数帯域とは異なる周波数帯域で選局を再試行するよう前記放送受信部を制御し、
また、前記編成チャンネル名が一致する場合、または前記編成チャンネル名が一致する比率が予め定められた閾値を上回る場合に、前記情報更新部により、受信に成功した放送波より取得した前記中継局情報に示されている周波数帯域を用いて、前記関連情報に示されている該放送波の周波数帯域が更新されたとき、該放送波の周波数帯域による受信を継続するよう前記放送受信部を制御すること
を特徴とする請求項6に記載のデジタル放送受信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−138790(P2012−138790A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290212(P2010−290212)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】