説明

デジタル記録再生装置

【課題】本発明は、消費電力量を抑えるとともに、使用者の使い勝手を向上させることが可能なデジタル記録再生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によるデジタル記録再生装置100は、放送番組を含むデジタル放送信号を受信するデジタルチューナー102と、デジタルチューナー102にて受信されたデジタル放送信号から、記録すべき放送番組の番組データを抽出するトランスポートストリームデコーダ103と、トランスポートストリームデコーダ103にて抽出された番組データを記録する半導体メモリ105およびディスク記録媒体106と、半導体メモリ105からディスク記録媒体106へ番組データの転送を行うストリームコントローラ104とを備え、ストリームコントローラ104は、半導体メモリ105への番組データの記録の完了後に、転送を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルテレビジョン放送等を受信し、受信した放送番組をブルーレイ・ディスク(Blu-ray Disc)(登録商標)やDVD等の光ディスクや、ハードディスク(Hard Disk Drive:HDD)等の磁気ディスクといったディスク記録媒体に映像音声信号データを記録するデジタル記録再生装置に関し、特に、ディスク記録媒体に加えてSSD(Solid State Drive)などの半導体メモリをさらに備えるデジタル記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタル記録再生装置では、光ディスクや磁気ディスクへのデータ(情報)の記録開始時に当該光ディスクや磁気ディスクを初期化する準備期間において、起動のレスポンス(立ち上がり)が良好なキャッシュメモリ等の半導体メモリに対して一時的にデータを格納しておく技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。記録開始時の準備期間中に、本来ディスクに記録されるべき情報の先頭シーンを上記半導体メモリに一時的に記録することによって、準備期間中の映像を記録または再生することが可能となり、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4279723号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、記録時に半導体メモリとハードディスクとを同時に使用する(動作させる)ため消費電力量が大きくなるという問題がある。また、記録開始時の使い勝手は向上するが、一旦記録が終了してデジタル記録再生装置の電源を切った後に、記録済みの放送番組を再生する際には、デジタル記録再生装置の電源投入後にハードディスクの初期化が完了するまで待つ必要があり、使用者の使い勝手の向上は限定的であった。
【0005】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、消費電力量を抑えるとともに、使用者の使い勝手を向上させることが可能なデジタル記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明によるデジタル記録再生装置は、放送番組を含むデジタル放送信号を受信する受信手段と、受信手段にて受信されたデジタル放送信号から、記録すべき放送番組の番組データを抽出する番組データ抽出手段と、番組データ抽出手段にて抽出された番組データを記録する半導体記録媒体およびディスク記録媒体をそれぞれ備える第1および第2の記録手段と、第1の記録手段から第2の記録手段へ番組データの転送を行うデータ転送手段とを備え、データ転送手段は、第1の記録手段への番組データの記録の完了後、もしくは完了直前に、転送を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、放送番組を含むデジタル放送信号を受信する受信手段と、受信手段にて受信されたデジタル放送信号から、記録すべき放送番組の番組データを抽出する番組データ抽出手段と、番組データ抽出手段にて抽出された番組データを記録する半導体記録媒体およびディスク記録媒体をそれぞれ備える第1および第2の記録手段と、第1の記録手段から第2の記録手段へ番組データの転送を行うデータ転送手段とを備え、データ転送手段は、第1の記録手段への番組データの記録の完了後、もしくは完了直前に、転送を行うため、消費電力量を抑えるとともに、使用者の使い勝手を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態1によるデジタル記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1によるデジタル記録再生装置における番組の予約録画の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態2によるデジタル記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態2によるデジタル記録再生装置における録画済み放送番組の一覧画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態2によるデジタル記録再生装置における番組の予約録画の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面に基づいて以下に説明する。
【0010】
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1によるデジタル記録再生装置100の構成を示すブロック図である。本実施形態1は、現に半導体メモリ105に記録中の番組データを、半導体メモリ105への記録完了後にディスク記録媒体106に転送する、あるいは、半導体メモリ105への記録完了直前にディスク記録媒体106に転送する形態である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態1によるデジタル記録再生装置100は、デジタル放送波を受信するためにデジタル記録再生装置100の外部に設置されたアンテナ101と、デジタルチューナー102(受信手段)と、トランスポートストリームデコーダ103と、ストリームコントローラ104と、例えばSSD等の半導体メモリ105(第1の記録手段)と、例えば光ディスクやHDD等のディスク記録媒体106(第2の記録手段)と、AVデコーダ107とを備えている。また、CPU109(Central Processing Unit)と、CPU109の処理に用いるプログラム等を格納するROM(Read Only Memory)110と、CPU109のワーク領域等に用いるRAM111(Random Access Memory)とを備えている。また、半導体メモリ105への電力供給を制御する半導体メモリ電源装置113と、ディスク記録媒体106への電力供給を制御するディスク記録媒体電源装置114とを備え、半導体メモリ電源装置113およびディスク記録媒体電源装置114による半導体メモリ105およびディスク記録媒体106への電力供給の制御は、CPUバス112を介してCPU109によって制御される。
【0012】
次に、デジタル記録再生装置100の動作について説明する。
【0013】
デジタルチューナー102(受信手段)は、アンテナ101を介して放送番組を含むデジタル放送波を受信し、受信したデジタル放送波からトランスポートストリーム(デジタル放送信号)を抽出する。トランスポートストリームデコーダ103(番組データ抽出手段)は、デジタルチューナー102にて抽出されたトランスポートストリームから、選局された放送番組(以下、単に番組とも称する)に関連するデータのみを抽出したパーシャルトランスポートストリーム(番組データ)をストリームコントローラ104に出力する。
【0014】
現在放送されている番組(選局して受信した番組)を視聴する場合において、トランスポートストリームデコーダ103にて抽出されたパーシャルトランスポートストリームは、ストリームコントローラ104によってAVデコーダ107に入力される。AVデコーダ107では、入力されたパーシャルトランスポートストリームに含まれる番組の映像データと音声データとがデコード(復元)される。そして、復元された映像音声信号は、出力映像音声信号108としてモニター(図示せず)やスピーカー(図示せず)などの外部出力装置から出力される。
【0015】
また、現在放送されている番組を記録する場合において、半導体メモリ電源装置113は、半導体メモリ105に対して電力を供給する。そして、トランスポートストリームデコーダ103にて抽出されたパーシャルトランスポートストリーム(記録すべき番組の番組データ)は、ストリームコントローラ104によって番組データとして半導体メモリ105に記録される。なお、本実施形態1では、半導体メモリ105は、少なくとも1つの番組を記録するために必要な容量を有しているものとし、1つの番組を記録している間は半導体メモリ105のみに電力が供給され(半導体メモリ105は電源ON状態)、ディスク記録媒体106には電力が供給されない(ディスク記録媒体106は電源OFF状態)。
【0016】
番組の記録が終了すると、ディスク記録媒体電源装置114はディスク記録媒体106に対して電力を供給する。ストリームコントローラ104(データ転送手段)は、半導体メモリ105への番組データの記録の終了後に、半導体メモリ105に記録された番組データを、半導体メモリ105からディスク記録媒体106にコピー(転送)する。コピーが完了すると、ストリームコントローラ104は、半導体メモリ105に記録された番組データ(コピー元の番組データ)を消去する。
【0017】
ディスク記録媒体106に記録された番組を再生する場合において、ストリームコントローラ104は、ディスク記録媒体106に記録された番組の番組データ(パーシャルトランスポートストリームデータ)を読み出し、AVデコーダ107に出力する。AVデコーダ107では、入力されたパーシャルトランスポートストリームに含まれる番組の映像データと音声データとがデコードされる。そして、復元された映像音声信号は、出力映像音声信号108としてモニター(図示せず)やスピーカー(図示せず)などの外部出力装置から出力される。
【0018】
上記の一連の動作は、CPU109によって制御されている。すなわち、CPU109は、ROM110に予め格納されているプログラムに従って、RAM111をワーク領域として使用しながら、CPUバス112を介して各ブロック(各構成要素)を制御している。
【0019】
図2は、本発明の実施形態1によるデジタル記録再生装置100における番組の予約録画の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図2において、デジタル記録再生装置100では番組の録画がタイマー予約(録画予約)されているものとする。図2に示すように、CPU109は、録画予約された番組の開始時刻が近づくと、各ブロック(デジタル記録再生装置100を構成する各構成要素)に対して必要に応じて電源の投入や、放送チャンネルの受信をするよう制御して予約された録画(予約録画)の準備を開始する(ステップS201)。そして、CPU109は、半導体メモリ電源装置113に対して半導体メモリ105に電力を供給するよう制御し、半導体メモリ105をON状態にする(ステップS202)。このとき、ディスク記録媒体106はOFF状態である。
【0020】
CPU109は、録画予約された番組が開始されたか否かを監視し(ステップS203)、番組が開始されたことを検知すると(ステップS203のY)、半導体メモリ105への番組データの記録を開始する(ステップS204)。その後、半導体メモリ105への番組データの録画を続けながら番組が終了したか否かを監視し(ステップS205)、番組の終了を検知すると(ステップS205のY)、半導体メモリ105への番組データの記録を終了する(ステップS206)。このとき、記録された番組データは半導体メモリ105内にのみ存在している。
【0021】
ステップS206にて半導体メモリ105への番組データの記録が終了すると、CPU109は、ディスク記録媒体電源装置114に対してディスク記録媒体106に電力を供給するよう制御し、ディスク記録媒体106を起動してON状態にする(ステップS207)。ディスク記録媒体106がON状態になると、CPU109はストリームコントローラ104を制御して、半導体メモリ105に記録した番組データをディスク記録媒体106にコピーする動作を開始する(ステップS208)。コピーの動作開始後、番組データのコピーを続けながらコピーが終了したか否かを監視し(ステップS209)、コピーの終了を検知すると(ステップS209のY)、半導体メモリ105内に残っている番組データ(コピー元の番組データ)を消去する(ステップS210)。このとき、記録された番組データはディスク記録媒体106内にのみ存在する。
【0022】
ステップS210の後、CPU109は、特に使用者から指示がなければ、予約録画開始前の状態に戻るために、半導体メモリ105およびディスク記録媒体106をOFF状態にするよう半導体メモリ電源装置113およびディスク記録媒体電源装置114に対して電力の供給を遮断するよう制御し(ステップS211)、予約録画を終了する(ステップS212)。
【0023】
光ディスクやHDD等のディスク記録媒体106は、単位容量当たりの価格が安価であるが、ディスクを高速回転させるためにモーターを使用する必要があるため、一般的に消費電力が大きい。一方、フラッシュメモリなどで構成される半導体メモリ105は、ディスク記録媒体106のように回転機構を備える必要がないため消費電力が小さく、起動のレスポンスが早いが、単位容量当たりの価格が高い。
【0024】
通常、番組データのコピーに要する時間は、番組の記録に要する時間(すなわち、番組の放送時間)よりも短い。本実施形態1では、番組の記録中は、起動のレスポンスが早く消費電力の小さい半導体メモリ105を使用し、半導体メモリ105への番組の記録が完了した後に、番組データをコピーする時間(ステップS207〜ステップS211)だけディスク記録媒体106を使用するため、全体的な消費電力量を抑えることができる。
【0025】
また、本実施形態1では、1つの番組の記録が完了するたびに、半導体メモリ105からディスク記録媒体106に番組データをコピーし(すなわち、ストリームコントローラ104は、現に半導体メモリ105に記録中の番組データの記録完了直後に、半導体メモリ105に記録された番組データをディスク記録媒体106に転送し)、コピー完了後に半導体メモリ105内のコピー元の番組データを消去するようにしている。従って、半導体メモリ105の記録容量は、少なくとも1番組分のデータが格納できる程度の容量であればよい。
【0026】
また、本実施形態1では、予約録画の全体に要する時間が、半導体メモリ105からディスク記録媒体106へのコピーの時間分だけ余分に必要となるが、記録中の番組が終了する前から、半導体メモリ105内の記録済みの番組データをディスク記録媒体106にコピーして、コピーの時間を削減するようにしてもよい。すなわち、ストリームコントローラ104(データ転送手段)は、半導体メモリ105への番組データの記録完了直前に、ディスク記録媒体106をON状態にし、当該番組データをディスク記録媒体106に転送するようにしてもよい。なお、コピーの開始(すなわち、図2のステップS207の開始)は、番組の終了予定時刻からコピーに要する時間分だけ前の時刻から行うことが望ましい。この場合においても、ストリームコントローラ104は、半導体メモリ105からディスク記録媒体106への番組データの転送が完了すると、半導体メモリ105に記録された番組データ(コピー元の番組データ)を消去する。
【0027】
また、本実施形態1では、半導体メモリ105への番組データの記録が終了した直後に、半導体メモリ105からディスク記録媒体106に番組データのコピーを行うようにしたが、コピーを行うタイミングは上記に限らず他のタイミングで行ってもよい。例えば、1日に1回コピーを行うタイミングを設定してもよく、デジタル記録再生装置100が未使用の時間帯にコピーを行うようにしてもよい。また、半導体メモリ105の空き容量が所定の閾値を下回ったときにコピーを行うようにしてもよい。なお、これらは後で述べる実施形態2の概念とも理解することができる。
【0028】
また、本実施形態1では、半導体メモリ301としてフラッシュメモリ等で構成される例えばSSD等の不揮発性メモリを使用したが、例えば電池によって電流バックアップされたSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリを使用してもよい。
【0029】
また、本実施形態1では、半導体メモリ電源装置113およびディスク記録媒体電源装置114を使用して、半導体メモリ105およびディスク記録媒体106に対する電力の供給(通電)を制御するようにしたが、半導体メモリ105およびディスク記録媒体106をOFF状態にする際に通電を必ずしも遮断する必要はなく、半導体メモリ105およびディスク記録媒体106の各々のスタンバイモードを使用するなどして電力量を削減するようにしてもよい。
【0030】
〈実施形態2〉
図3は、本発明の実施形態2によるデジタル記録再生装置300の構成を示すブロック図である。本実施形態2は、既に半導体メモリ301に記録済みの番組データを、半導体メモリ301への記録完了後にディスク記録媒体106に転送する、あるいは、半導体メモリ301への記録完了直前にディスク記録媒体106に転送する形態である。
【0031】
図3に示すように、本実施形態2では、実施形態1で使用した半導体メモリ105(図1参照)よりも容量が大きい半導体メモリ301と、番組データを所定の情報に基づいて選別する番組選別手段(CPU109)を備え、ストリームコントローラ104(データ転送手段)は、既に半導体メモリ301(第1の記録手段)に記録された番組データの中からCPU109(番組選別手段)にて選別された番組データの転送を行うことを特徴としている。その他の構成は実施形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0032】
前述の通り、半導体メモリ301は、消費電力が小さく起動のレスポンスが早いという利点はあるが、単位容量当たりの価格が高いため、ディスク記録媒体106の代替として当該ディスク記録媒体106と同等の記録容量を備えようとするとデジタル記録再生装置300の価格が高くなってしまう。一方、実施形態1では、半導体メモリ105の消費電力量が小さいという利点を活かして、番組の記録時に要する消費電力量を抑えることができるが、記録済みの番組データは起動のレスポンスが遅いディスク記録媒体106に格納されているため、デジタル記録再生装置の電源を投入してから記録済みの番組を再生するまでの時間を短縮することができない。
【0033】
本実施形態2では、実施形態1で使用した半導体メモリ105よりも容量が大きい半導体メモリ301を使用しており、複数の番組データを格納することが可能で、使用者が記録済みの番組を再生する可能性が高いと推定される番組を半導体メモリ301に格納し、記録済みの番組を再生する可能性が低いと推定される番組をディスク記録媒体106に格納することによって、デジタル記録再生装置の電源を投入してから記録済みの番組を再生するまでの時間を短縮するようにしている。
【0034】
図4は、本発明の実施形態2によるデジタル記録再生装置300における録画済み放送番組の一覧画面の一例を示す図である。図4(a)は、半導体メモリ301の一例としてSSDに記録された番組をSSD放送番組一覧400として示しており、図4(b)は、ディスク記録媒体106の一例としてHDDに記録された番組をHDD放送番組一覧401として示している。
【0035】
半導体メモリ301には、現日付から過去7日間(1週間)以内(以下、過去7日間以内とする)に記録された番組が格納されており、SSD放送番組一覧400には、過去7日間以内に記録された番組の一覧が表示されている。また、ディスク記録媒体106には、現日付から8日以上前(以下、8日以上前とする)に記録された番組が格納されており、HDD放送番組一覧401には、8日以上前に記録された番組の一覧が表示されている。
【0036】
デジタル記録再生装置300の一般的な使用方法としては、番組を記録してから1週間以内に当該記録した番組を再生して視聴することが多い。例えば、帰宅時間が遅くなって視聴することができなかったドラマ等の番組を当日の夜に視聴したり、ニュース番組やスポーツ番組などをその情報が新しいうちに視聴したりすることは、一般的によくなされる行動である。このように、CPU109(番組選別手段)は、最近記録した番組(所定の情報に基づいて選別された番組データ)は使用者によって再生される可能性が高いと推測し、そのような番組を起動のレスポンスが早い半導体メモリ301に記録するようにしている。従って、デジタル記録再生装置300の電源を投入してから記録済みの番組を再生するまでの時間を短縮することができ、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0037】
図5は、本発明の実施形態2によるデジタル記録再生装置300における番組の予約録画の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図5において、デジタル記録再生装置300では番組の録画がタイマー予約(録画予約)されているものとする。また、図5のステップS501〜ステップS506は、図2のステップS201〜ステップS206と同様の処理を行っているため、ここでは説明を省略する。
【0038】
CPU109は、半導体メモリ301への番組データの記録が終了すると(ステップS506)、半導体メモリ301内に8日以上経過した番組データがあるか否かを判定する(ステップS507)。半導体メモリ301内に8日以上経過した番組データがあると判定されると(ステップS507のY)、CPU109は、ディスク記録媒体電源装置114に対してディスク記録媒体106に電力を供給するよう制御し、ディスク記録媒体106を起動してON状態にする(ステップS508)。ディスク記録媒体106がON状態になると、CPU109はストリームコントローラ104を制御して、半導体メモリ301内の8日以上経過した番組データをディスク記録媒体106にコピーする動作を開始する(ステップS509)。コピーの動作開始後、番組データのコピーを続けながらコピーが終了したか否かを監視し(ステップS510)、コピーの終了を検知すると(ステップS510のY)、半導体メモリ301内に残っている8日以上経過した番組データ(コピー元の番組データ)を消去する(ステップS511)。このとき、半導体メモリ301内には過去7日間以内の番組データが格納されており、ディスク記録媒体106内には8日以上経過した番組データが格納されている。
【0039】
その後、半導体メモリ301内に8日以上経過した番組データが存在しないと判定されると(ステップS507のN)、すなわち、半導体メモリ301内に過去7日間以内の番組データのみが格納された状態となっていると判定されると、CPU109は、半導体メモリ301およびディスク記録媒体106をOFF状態にするよう半導体メモリ電源装置113およびディスク記録媒体電源装置114に対して電力の供給を遮断するよう制御し(ステップS512)、予約録画を終了する(ステップS513)。
【0040】
上記の動作により、CPU109(番組選別手段)は、番組データが記録された日時情報(所定の情報)に基づいて番組データを選別しており、半導体メモリ301内には過去7日間以内の番組データのみが格納され、ディスク記録媒体106内には8日以上経過した番組データが格納される。使用者が記録済みの放送番組を再生して視聴しようとする場合において、デジタル記録再生装置300の電源が投入された後、まずは起動のレスポンスが早い半導体メモリ301が起動される。半導体メモリ301の起動が完了すると、表示部(図示せず)にSSD放送番組一覧400が表示され、使用者は表示されたSSD放送番組一覧400から任意の番組を選択して再生することにより視聴することができる。また、同時に、ディスク記録媒体106を起動して表示部(図示せず)にHDD放送番組一覧401を表示させ、8日以上経過した番組も再生可能な状態にしてもよい。
【0041】
なお、本実施形態2では、半導体メモリ301内に過去7日間以内の番組データを格納するようにしたが、半導体メモリ301の容量に従って格納する期間を調整することができるようにしてもよい。例えば、半導体メモリ301内に番組データを格納する期間を規定せずに、次回の予約録画が可能な空き容量を半導体メモリ301内に確保しておき、可能な限り半導体メモリ301内に番組データを格納することによって、予約録画を行う頻度が異なる使用者に対して半導体メモリ301の起動のレスポンスの速さを最大限に活用することができる。
【0042】
また、本実施形態2では、記録から時間が経過していない番組、すなわち最近記録された番組は、使用者に再生される可能性が高い番組であると推定して半導体メモリ301内に格納するようにしたが、半導体メモリ301内に格納された番組のうち、使用者に再生された番組データをディスク記録媒体106に移動させるようにしてもよい。すなわち、CPU109(番組選別手段)は、半導体メモリ301に記録された番組データが再生されたか否かの情報に基づいて番組データを選別するようにしてもよい。
【0043】
また、使用者によるデジタル記録再生装置300の操作履歴を分析して放送番組に対する使用者の視聴の嗜好を予測し、当該予測に基づいて半導体メモリ301に格納する番組を選択するようにしてもよい。すなわち、CPU109(番組選別手段)は、放送番組に対する使用者の嗜好情報に基づいて番組データを選別するようにしてもよい。視聴の嗜好の予測には、例えば、デジタル放送の番組情報に含まれる番組名等の文字情報、スポーツやドラマ等の番組ジャンル情報、番組出演者の名前等の情報を利用して嗜好を予測する方法がある。あるいは、半導体メモリ301内に格納する番組や番組ジャンル等を使用者に選択させるようにしてもよい。
【0044】
また、本実施形態2では、予約録画の全体に要する時間が、半導体メモリ301からディスク記録媒体106へのコピーの時間分だけ余分に必要となるが、記録中の番組が終了する前から、半導体メモリ301内の記録済みの番組データをディスク記録媒体106にコピーして、コピーの時間を削減するようにしてもよい。すなわち、ストリームコントローラ104(データ転送手段)は、半導体メモリ301への番組データの記録完了直前に、ディスク記録媒体106をON状態にし、当該番組データをディスク記録媒体106に転送するようにしてもよい。なお、コピーの開始(すなわち、図5のステップS508の開始)は、番組の終了予定時刻からコピーに要する時間分だけ前の時刻から行うことが望ましい。この場合においても、ストリームコントローラ104は、半導体メモリ301からディスク記録媒体106への番組データの転送が完了すると、半導体メモリ301に記録された番組データ(コピー元の番組データ)を消去する。
【0045】
また、本実施形態2では、半導体メモリ301としてフラッシュメモリ等で構成される例えばSSD等の不揮発性メモリを使用したが、例えば電池によって電流バックアップされたSRAM等の揮発性メモリを使用してもよい。
【0046】
また、本実施形態2では、半導体メモリ電源装置113およびディスク記録媒体電源装置114を使用して、半導体メモリ105およびディスク記録媒体106に対する電力の供給(通電)を制御するようにしたが、半導体メモリ105およびディスク記録媒体106をOFF状態にする際に通電を必ずしも遮断する必要はなく、半導体メモリ105およびディスク記録媒体106の各々のスタンバイモードを使用するなどして電力量を削減するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の活用例として、HDD内蔵のデジタル放送レコーダ等、ディスクメディアに放送番組等をデジタル記録することを目的とする機器に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
100 デジタル記録再生装置、101 アンテナ、102 デジタルチューナー、103 トランスポートストリームデコーダ、104 ストリームコントローラ、105 半導体メモリ、106 ディスク記録媒体、107 AVデコーダ、108 出力映像音声信号、109 CPU、110 ROM、111 RAM、112 CPUバス、113 半導体メモリ電源装置、114 ディスク記録媒体電源装置、300 デジタル記録再生装置、301 半導体メモリ、400 SSD放送番組一覧、401 HDD放送番組一覧。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組を含むデジタル放送信号を受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信された前記デジタル放送信号から、記録すべき放送番組の番組データを抽出する番組データ抽出手段と、
前記番組データ抽出手段にて抽出された前記番組データを記録する半導体記録媒体およびディスク記録媒体をそれぞれ備える第1および第2の記録手段と、
前記第1の記録手段から前記第2の記録手段へ前記番組データの転送を行うデータ転送手段と、
を備え、
前記データ転送手段は、前記第1の記録手段への前記番組データの記録の完了後に、前記転送を行うことを特徴とする、デジタル記録再生装置。
【請求項2】
前記データ転送手段は、前記第1の記録手段から前記第2の記録手段への前記番組データの転送が完了すると、前記第1の記録手段に記録された前記番組データを消去することを特徴とする、請求項1に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項3】
前記データ転送手段は、現に前記第1の記録手段に記録中の前記番組データの記録完了直後に、前記第1の記録手段に記録完了した当該番組データを前記第2の記録手段に転送することを特徴とする、請求項1または2に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項4】
前記番組データを所定の情報に基づいて選別する番組選別手段をさらに備え、
前記データ転送手段は、既に前記第1の記録手段に記録済みの前記番組データの中から前記番組選別手段にて選別された前記番組データの転送を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項5】
前記番組選別手段の選別により、前記第1の記録手段には再生される可能性が高いと推定される前記番組データが記録され、前記第2の記録手段には再生される可能性が低いと推定される前記番組データが記録されることを特徴とする、請求項4に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項6】
前記所定の情報は、前記番組データが記録された日時情報であることを特徴とする、請求項4に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項7】
前記所定の情報は、前記第1の記録手段に記録された前記番組データが再生されたか否かの情報であることを特徴とする、請求項4に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項8】
前記所定の情報は、前記放送番組に対する使用者の視聴の嗜好情報であることを特徴とする、請求項4に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項9】
放送番組を含むデジタル放送信号を受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信された前記デジタル放送信号から、記録すべき放送番組の番組データを抽出する番組データ抽出手段と、
前記番組データ抽出手段にて抽出された前記番組データを記録する半導体記録媒体およびディスク記録媒体をそれぞれ備える第1および第2の記録手段と、
前記第1の記録手段から前記第2の記録手段へ前記番組データの転送を行うデータ転送手段と、
を備え、
前記データ転送手段は、前記第1の記録手段への前記番組データの記録の完了直前に、前記転送を行うことを特徴とする、デジタル記録再生装置。
【請求項10】
前記データ転送手段は、前記第1の記録手段から前記第2の記録手段への前記番組データの転送が完了すると、前記第1の記録手段に記録された前記番組データを消去することを特徴とする、請求項9に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項11】
前記データ転送手段は、現に前記第1の記録手段に記録中の前記番組データの記録完了直前に、前記第1の記録手段に記録完了直前の当該番組データを前記第2の記録手段に転送することを特徴とする、請求項9または10に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項12】
前記番組データを所定の情報に基づいて選別する番組選別手段をさらに備え、
前記データ転送手段は、既に前記第1の記録手段に記録済みの前記番組データの中から前記番組選別手段にて選別された前記番組データを前記第2の記録手段に転送することを特徴とする、請求項9または10に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項13】
前記番組選別手段の選別により、前記第1の記録手段には再生される可能性が高いと推定される前記番組データが記録され、前記第2の記録手段には再生される可能性が低いと推定される前記番組データが記録されることを特徴とする、請求項12に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項14】
前記所定の情報は、前記番組データが記録された日時情報であることを特徴とする、請求項12に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項15】
前記所定の情報は、前記第1の記録手段に記録された前記番組データが再生されたか否かの情報であることを特徴とする、請求項12に記載のデジタル記録再生装置。
【請求項16】
前記所定の情報は、前記放送番組に対する使用者の視聴の嗜好情報であることを特徴とする、請求項12に記載のデジタル記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−30253(P2013−30253A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166208(P2011−166208)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】