説明

デスク装置

【課題】前後にデスク本体を連結する使用形態であっても、二重に構成部材が存在することをなくし、且つ前後のデスク本体で供用可能な配線空間を好適に確保できるようにしたデスク装置を提供する。
【解決手段】デスク本体1が、デスク本体1の背面位置Hで他のデスク本体1の背面と幕板のいずれか一方を選択的に連結するための連結手段21〜25を備えるとともに、デスク本体1の背面位置Hよりも前方側の天板5の下方位置で一対の脚体3、4間を連結する連結板6を備え、連結手段21〜25によって前後にデスク本体1を連結した際には互いの連結板6同士の間に、連結手段21〜25によってデスク本体1の背面H側に幕板を連結して取り付けた際には幕板と連結板6の間に、配線を挿通するための配線挿通空間20が形成されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばオフィス等の執務空間で使用されるデスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス等の執務空間で使用されるデスク装置は、一般に、左右に離間して床面上に配設された一対の脚体と、脚体の上部間に架設された天板と、一対の脚体の背面側に架設された幕板とを有するデスク本体を備えて構成されている。
【0003】
一方、オフィス等の執務空間においては、執務空間を有効に活用でき、また、例えば使用者にかかる組織変更や異動に伴ってレイアウト変更が必要になった際に柔軟に対応できるため、デスク本体を前後左右に連結し、一つの島型のデスク装置(デスクシステム)を構成して使用することが多い。
【0004】
しかしながら、従来、上記のようにデスク本体を連結して島型のデスク装置として使用する際に、単体でもデスクとして使用可能なデスク本体を前後や左右に連結して島型のデスク装置を形成することが多い。このため、脚体や幕板などの構成部材が二重に存在する部分ができ、デスク装置としてのコストが高くなるとともに、強度面でも過剰設計となって、無駄が多く発生するという問題があった。
【0005】
これに対し、特許文献1には、中間脚と、側部脚と、隣接する中間脚同士又は中間脚と側部脚との間を連結する幕板(連結部材、背板)と、隣接する中間脚の水平部間又は中間脚と側部脚との水平部間にまたがって着脱可能に載置される天板とからなるデスク本体を備えるとともに、天板の一部を取り除いて開放空間を形成した際に天板に代替する重量の少なくとも一部を保証するウェイト付加部を開放空間の近傍位置に設けて構成したデスク装置(デスクシステム)が開示されている。そして、このデスク装置においては、デスク本体を連結した際に二重に存在することになる構成部材を一つに集約しているため、コストと強度の無駄を排除することができうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−4937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に開示されたデスク装置においては、前後に対向してデスク本体を連結した場合に、前後のデスク本体の天板の下方の空間が、幕板(連結部材、背板)によって実質的に分断された状態となっている。このため、デスク本体の天板の下方空間に、天板上で使用される電子機器の配線を収容するための配線ダクトを設けることが必要な場合には、幕板の前方側に別途配線ダクトを設けざるを得なくなってしまう。
【0008】
そして、このように幕板によって前後が分断され、幕板前方に配線ダクトを設けると、ハブやテーブルタップ等を多数収容したい場合や、配線ダクトから配線を前後のデスクに引き回したい場合などに、柔軟に対応できないという不都合が生じてしまう。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、前後にデスク本体を連結する使用形態であっても、二重に構成部材が存在することをなくし、且つ前後のデスク本体で供用可能な配線空間を好適に確保できるようにしたデスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のデスク装置は、左右に離間して配設された一対の脚体と、前記一対の脚体の上部間に架設された天板とを有するデスク本体を備えたデスク装置であって、前記デスク本体が、該デスク本体の背面位置で他のデスク本体背面と幕板のいずれか一方を選択的に連結する連結手段を備えるとともに、前記デスク本体の背面位置よりも前方側の前記天板の下方位置で前記一対の脚体間を連結する連結板を備え、前記連結手段によって前後に前記デスク本体を連結した際には互いの前記連結板同士の間に、前記連結手段によって前記デスク本体の背面側に幕板を連結して取り付けた際には前記幕板と前記連結板の間に、配線を挿通するための配線挿通空間が形成されるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
この発明においては、デスク本体が、背面より前方側で天板の下方位置に連結板を設け、背面に幕板を設けずに構成されている。このため、デスク本体を前後に連結して使用する際には、前後のデスク本体の互いの背面同士を連結手段で連結することにより、互いの連結板同士の間に配線挿通空間を形成することができる。また、デスク本体を前後に連結せず、デスク本体の背面に幕板を取り付けて使用する際には、デスク本体の背面に幕板を取り付けるとともに、幕板と連結板の間に配線挿通空間を形成することができる。
【0012】
そして、このようにデスク本体の背面に、他のデスク本体背面と幕板のいずれか一方を選択的に連結することによって、前後のデスク本体の連結板同士の間、あるいは連結板と幕板の間に、配線を挿通するための配線挿通空間を形成できるため、従来のように別途配線ダクトを設ける必要がなく、デスク装置を最小限の部材で構成することが可能になる。
【0013】
また、本発明のデスク装置において、前記脚体には、前後に前記デスク本体を連結、あるいは前記デスク本体の背面側に幕板を連結して形成した前記配線挿通空間を前記脚体の左右方向外側に連通させる挿通部が設けられていることが望ましい。
【0014】
この発明においては、デスク本体の脚体に、配線挿通空間を脚体の左右方向外側に連通させる挿通部が設けられているため、デスク本体を左右方向に並設して使用する場合に、左右方向に隣り合うデスク本体の配線挿通空間同士を互いの挿通部を介して連通させることができる。これにより、左右方向に隣り合う一方のデスク本体の配線挿通空間から他方のデスク本体の配線挿通空間に配線を引き回すことができ、什器としての利便性をさらに高めることが可能になる。
【0015】
さらに、本発明のデスク装置において、前記配線挿通空間には、該配線挿通空間内に配設した配線を支持する配線受け部材が設けられていることがより望ましい。
【0016】
この発明においては、例えば、デスク本体を前後に連結して使用する際には、前後のデスク本体の連結板同士に架設したり、デスク本体の背面に幕板を取り付けて使用する際には、幕板と連結板に架設するなどして、配線挿通空間内に配線受け部材を設け、この配線受け部材上に載置して配線やハブ、テーブルタップ等を安定した状態で好適に配設することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のデスク装置においては、デスク本体の背面位置で、他のデスク本体背面と幕板のいずれか一方を選択的に連結することによって、前後のデスク本体の連結板同士の間、あるいは連結板と幕板の間に、配線を挿通するための配線挿通空間を形成できるため、従来のように別途配線ダクトを設ける必要がなく、デスク装置を最小限の部材で構成することが可能になる。
【0018】
これにより、デスク本体を前後に連結した使用態様と、単体で使用する使用態様とでのコストと強度の無駄を排除することが可能になる。また、デスク本体を前後に連結した使用態様では、前後のデスク本体で供用可能な配線挿通空間が形成されるため、什器としての利便性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るデスク装置を示す斜視図であり、前後方向にデスク本体を並設して構成したデスク装置を示す図である。
【図2】図1のX1−X1線矢視図である。
【図3】図2のX1−X1線矢視図である。
【図4】図2のX2−X2線矢視図である。
【図5】図3のS部を拡大した図である。
【図6】オプション部材を取り付けた状態を示す図である。
【図7】オプション部材を取り付けた状態を示す図である。
【図8】配線挿入空間に挿入する配線受け部材を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るデスク装置を示す斜視図であり、前後方向にデスク本体を並設せずに構成したデスク装置を示す図である。
【図10】図9のX1−X1線矢視図である。
【図11】中間部での連結板と幕板の連結状態を示す図である。
【図12】図10のX1−X1線矢視図である。
【図13】図10のX2−X2線矢視図である。
【図14】図12のS部を拡大した図である。
【図15】配線挿入空間に挿入する配線受け部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1から図15を参照し、本発明の一実施形態に係るデスク装置について説明する。ここで、本実施形態は、例えばオフィスやトレーダールーム等の執務空間で使用されるデスク装置(デスクシステム)に関するものである。
【0021】
本実施形態のデスク装置A、Bは、図1に示すように、複数のデスク本体1を備えて構成されている。また、このデスク装置A、Bは、図1に示すように、前後方向T1にデスク本体1を並設し、背面位置で連結して構成したり、図9に示すように、前後方向T1にデスク本体1を並設せず、デスク本体1の背面位置に幕板2を取り付けて構成したり、図1及び図9に示すように、デスク本体1を左右方向T2に並べ、左右方向T2に隣り合うデスク本体1同士を連結するなどして、一つの島型のデスク装置A、Bとして使用される。
【0022】
また、デスク本体1は、図1から図4に示すように、左右T2に離間して配設された一対の脚体(3と4、3と3)と、一対の脚体3、4の上部間に架設された天板5と、デスク本体1の背面位置Hよりも前方側の天板5の下方位置に設けられて、一対の脚体3、4間を連結する連結板6とを備えて構成されている。また、本実施形態のデスク装置A(B)は、左右方向T2に隣り合う一方のデスク本体1と他方のデスク本体1が互いに連結する部分で一つの脚体(中間脚3)を供用して、各デスク本体1が構成されている。
【0023】
また、本実施形態では、左右方向T2に隣り合う一方のデスク本体1と他方のデスク本体1の互いに連結する部分に配設される中間脚3には、支柱型の脚体が使用されている。一方、デスク装置A(B)の左右方向T2両側端部側の側部脚4には、化粧パネルを兼ねたパネル型の脚体が使用されている。
【0024】
支柱型の中間脚3は、例えば角管材などを用いて形成されており、上下方向T3に軸線方向を配して立設された支柱7と、支柱7の上端部に後端側を接続し、前後方向T1前方側に延設された天板支持材8とを備えて略L字状に形成されている。
【0025】
さらに、本実施形態では、支柱7よりも上下方向T3の長さが短く形成され、支柱7と互いの下端部の位置を合わせつつ軸線方向を上下方向T3に配し、支柱7の後方を向く側面7aに一体に接続して配設され、支柱7の後方を向く側面から後方側に突設された突設材9を備えて中間脚3が形成されている。そして、本実施形態の支柱型の中間脚3は、支柱7に取り付けた突設材9の後方を向く側面(後端面9a)の位置がデスク本体1の背面位置Hとなる。また、中間脚3は、突設材9を備えることにより、背面位置Hから前方側に向けて凹み、支柱7の左右方向T2の両側面位置で開口する挿通部(挿通孔)10を支柱7の上端部側に備えて形成されている。
【0026】
なお、この挿通部10は、例えば支柱7の左右方向T2を向く一側面から他側面に貫通する貫通孔として形成されていてもよく、脚体3の左右方向T2を向く両側面位置で開口して連通形成されていれば、特にその構成を限定する必要はない。
【0027】
また、本実施形態の中間脚3は、図2に示すように、支柱7の下端部と突設材9の下端部にそれぞれネジ孔11、12が設けられ、このネジ孔11、12に螺合したアジャスター13によって高さ調整可能に構成されている。また、支柱7の下端部に形成したネジ孔11は、前後方向T1にデスク本体1を連結してデスク装置Aを構成する際にアジャスター13を取り付ける前後連結時用のネジ孔とされ、突設材9の下端部に形成したネジ孔12は、図9に示すように、デスク本体1を前後方向T1に連結せず、幕板2を背面位置Hに取り付けてデスク装置Bを構成する際にアジャスター13を取り付ける単体使用時用のネジ孔とされている。
【0028】
さらに、中間脚3には、支柱7の側面の上端部側に、連結板6の端部を連結するための連結板接続用ネジ孔(不図示)が設けられている。また、天板支持材8には、天板5の下面に形成したネジ孔に固定ネジを螺合して天板5と天板支持材8を連結する際に、固定ネジを挿通するためのネジ挿通孔(不図示)が設けられている。
【0029】
一方、パネル型の側部脚4は、図1、図3及び図4に示すように、略平板状に形成され、パネル面を左右方向T2に向け、前後方向T1に沿って配設されている。また、側部脚4は、前端部側と後端部側の下端部にそれぞれ、ネジ孔が設けられ、これらネジ孔に螺合したアジャスター14、15によって高さ調整可能に構成されている。
【0030】
さらに、側部脚4には、後端部側で且つ上端部側に連結板6の端部を連結するためのネジ孔(不図示)が設けられている。また、図1に示すように、上端部の前端部側と後端部側にそれぞれ、天板5の下面に形成したネジ孔に固定ネジを螺合して天板5と側部脚4を連結する際に固定ネジを挿通するためのネジ挿通孔16が設けられている。
【0031】
そして、本実施形態のデスク装置A(B)では、図1から図4に示すように、パネル型の側部脚4と支柱型の中間脚3、中間脚3と中間脚3の一対の脚体が、互いの後端部位置を前後方向T1の同位置に配した状態で、左右T2に離間して配設される。また、左右T2に隣り合う一対の脚体3、4の上端部に左右方向T2両側端部側をそれぞれ支持させて天板5が配設される。
【0032】
さらに、一対の脚体3、4にそれぞれ連結板6の端部を連結することによって、デスク本体1の背面位置H(各脚体3、4の後端部位置)よりも前方側で、天板5よりも下方位置に、一対の脚体3、4間を連結する連結板6が配設される。これにより、本実施形態のデスク本体1は、連結板6の後方を向く後面とデスク本体1の背面位置Hとの前後方向T1の間に、後方と上方と下方に開放した空間が形成され、本実施形態では、この空間が配線挿通空間20となる。
【0033】
また、本実施形態の連結板6には、連結板6の後面に一端を接続し、前後方向T1後方側に突設された連結アーム部21、22、23、24、25が連結手段として具備されている。さらに、連結アーム部21〜25が複数設けられ、本実施形態では、連結板6の左右方向T2中央部と、中央部と一側端部の中間部、中央部と他側端部の中間部、一側端部と、他側端部の計5箇所に連結アーム部21〜25が設けられている。また、図5に示すように、この連結アーム部21〜25は、連結板6の後面からデスク本体1の背面位置Hまで突設され、その先端に例えば左右方向T2や上下方向T3に突出した連結片(連結手段)27が設けられている。また、この連結片26には固定孔(連結手段)27が形成されている。
【0034】
さらに、本実施形態において、図4及び図5に示すように、前記中間部に設けられた2つの連結アーム部22、23は、その上面を連結板6の上端部よりも下方に配して設けられているのに対し、中央部に配された連結アーム部21(や側端部に配された連結アーム部24、25)は、その一部の上面を連結板6の上端部と上下方向T3の略同等の位置に配して形成されている。そして、この中央部の連結アーム部21の連結板6の上端部と上面の位置を略同等にした部分が、オプション部材を取り付けるための取付部21aとされている。
【0035】
本実施形態では、図1、図5から図7に示すように、例えばこの取付部21aに上面から下面に貫通するスリット状の取付孔21bが複数形成され、オプション部材30の下面に突設された突出片を取付孔21bに挿入することで、また、挿入した突出片をネジなどで固着することで、オプション部材30を取付部21aに取り付けることができる。ここで、オプション部材30としては、例えば、図1に示す配線挿通空間20を閉塞するためのカバー部材31や、図6、図7に示すようなモニタービーム32、シェルフ(棚)33、キャビネット34を支持する支柱35などが挙げられる。
【0036】
そして、上記構成からなる本実施形態のデスク装置A、Bにおいて、まず、図1から図5に示すように、デスク本体1を前後に並設して使用する際には、前後に隣り合う一方のデスク本体1と他方のデスク本体1を、互いの背面を対向させて所定位置に配置する。このように所定位置に配置すると、一方のデスク本体1と他方のデスク本体1の支持型の中間脚3が前後方向T1に並設されるとともに互いの後端部(突設材9の後方を向く側面)同士が突き合わされる。また、パネル型の側部脚4も前後方向T1に並設されるとともに互いの後端部同士が付き合わされる。
【0037】
さらに、このように一方のデスク本体1と他方のデスク本体1を前後の所定位置に配置すると、一方のデスク本体1の連結板6に設けられた5つの連結アーム部21〜25と、他方のデスク本体1の連結板6に設けられた5つの連結アーム部21〜25とが、前後一対で対向配置されるとともに、前後一対の一方のデスク本体1の連結アーム部21〜25と他方のデスク本体1の連結アーム部21〜25の先端同士が当接する。また、これとともに、前後の連結アーム部21〜25の連結片26同士が対向して互いの固定孔27同士が連通する。そして、本実施形態では、この連通した固定孔27にクリップ36などの固定部材(連結手段)を嵌めこみ、このクリップ36を介して連結片26同士ひいては連結アーム部21〜25同士を連結する。これにより、前後に並設したデスク本体1同士が連結される。
【0038】
また、このように前後のデスク本体1を連結して配設すると、一方のデスク本体1の連結板6と他方のデスク本体1の連結板6の前後方向T1の間に、デスク本体1の左右方向T2に連続して延び、上下方向T3に開放された配線挿通空間20が形成される。そして、本実施形態では、図2及び図8に示すように、この配線挿通空間30内に、板状に形成された配線受け部材37を挿入するとともに、板面を上下方向T3に向けつつ両側端部側を一方のデスク本体1の連結板6と他方のデスク本体1の連結板6にそれぞれ係止させて設置する。
【0039】
これにより、本実施形態のデスク装置Aにおいては、前後のデスク本体1の連結板6同士の間に形成される空間を配線挿通空間20とし、この配線挿通空間20に挿入設置した配線受け部材37上に配線やハブ、テーブルタップ等を載置することで、前後のデスク本体1で配線挿通空間20を供用して配線やハブ、テーブルタップ等を配設することができる。
【0040】
さらに、本実施形態のデスク装置Aにおいては、図1及び図2に示すように、一方のデスク本体1の支柱型の中間脚3と他方のデスク本体1の支柱型の中間脚3の前後一対の脚体の挿通部10を介して、左右方向T2に並設したデスク本体1の配線挿通空間20同士が連通する。これにより、左右方向T2に隣り合う一方のデスク本体1の配線挿通空間20から他方のデスク本体1の配線挿通空間20に配線を引き回すことが可能になる。
【0041】
一方、図9から図14に示すように、デスク本体1を単体で使用する際には、すなわち、デスク本体1を前後に並設せず、左右方向T2に連結して使用する場合、あるいはデスク本体1を単独で使用する場合には、デスク本体1の連結板6に設けられた5つの連結アーム部21〜25にクリップ36で固定して連結するなどして、デスク本体1の背面位置Hに幕板2を取り付ける。
【0042】
そして、図9から図11に示すように、このようにデスク本体1の背面位置Hに幕板2を連結して配設すると、デスク本体1の連結板6の後面と幕板2の前後方向T1の間に、デスク本体1の左右方向T2に連続して延び、上下方向T3に開放された配線挿通空間20が形成される。そして、本実施形態では、図15に示すように、この配線挿通空間20内に、板状に形成された配線受け部材37を挿入するとともに、板面を上下方向T3に向けつつ両側端部側をデスク本体1の連結板6と幕板2にそれぞれ係止させて設置する。
【0043】
これにより、本実施形態のデスク装置Bにおいては、前後のデスク本体1の連結板6と幕板2の間に形成される空間を配線挿通空間20とし、この配線挿通空間20に挿入設置した配線受け部材37上に配線やハブ、テーブルタップ等を載置することで、配線やハブ、テーブルタップ等を配設することができる。
【0044】
さらに、この場合においても、デスク本体1の支柱型の中間脚3に形成された挿通部10を介して、左右方向T2に並設したデスク本体1の配線挿通空間20同士が連通する。これにより、左右方向T2に隣り合う一方のデスク本体1の配線挿通空間20から他方のデスク本体1の配線挿通空間20に配線を引き回すことが可能になる。
【0045】
また、本実施形態では、デスク本体1の連結板6に設けられた連結アーム部21にオプション部材30を取り付けるための取付部21aが設けられている。このため、上記のようにデスク本体1を前後に連結したり、幕板2を取り付けて形成した配線挿通空間20に配線等を設置した段階で、例えばオプション部材30としてのカバー部材31の突出片を取付部21aの取付孔21bに挿入して係止させることにより、配線挿通空間20を閉塞するカバー部材31を容易に且つ確実に取り付けることができる。勿論、オプション部材30はカバー部材31に限定する必要はない。
【0046】
ここで、幕板2を背面位置Hに取り付けてデスク装置Bを構成する場合には、デスク本体1を前後に連結して使用する場合と比較し、デスク装置Bの安定性が悪くなる。これに対し、本実施形態では、図9及び図10に示すように、デスク本体1を単体で使用する場合に、中間脚3に補助脚40を取り付けて安定性を高めることができる。
【0047】
具体的に、本実施形態において、補助脚40は、上下方向T3に立設される支柱41と、支柱41の上端部、下端部にそれぞれ繋がって前後方向T1に延設された上部横材42と下部横材43とを備えてコ字状に形成されている。また、支柱41の下端部には、ネジ孔が設けられ、このネジ孔にアジャスター44が螺合して取り付けられている。さらに、下部横材43には、その先端面から突出して係合突起45が設けられ、上部横材42には、中間脚3の天板支持材8に形成したネジ孔に螺合して上部横材42と天板支持材8を接続するための取付ネジ46を挿通するためのネジ挿通孔が下面から上面に貫通して設けられている。
【0048】
そして、図10に示すように、幕板2を背面位置Hに取り付けてデスク本体1を単体で使用する場合には、下部横材43の係合突起45を中間脚3の支柱7に形成した係合孔47に嵌め込むとともに、取付ネジ46で上部横材42を中間脚3の天板支持材8に接続し、支柱41を前方側に配した状態で補助脚40を中間脚3に一体に取り付ける。これにより、天板5が中間脚3に加えて補助脚40で支持されることで、特に補助脚40によって天板5の前方側が支持されることで、デスク本体1ひいてはデスク装置Bの安定性を確実に高めることができる。
【0049】
また、幕板2を背面位置Hに取り付けてデスク装置Bを構成する場合には、前後方向T1にデスク本体1を連結してデスク装置Aを構成する際に前後連結時用のネジ孔11に取り付けられていたアジャスター13を、前後連結時用のネジ孔11よりも脚体3の後方側に設けられた単体使用時用のネジ孔12に螺合して付け替える。そして、このように単体使用時用のネジ孔12にアジャスター13を取り付けることで、デスク本体1ひいてはデスク装置Bをより安定した状態で形成することができる。すなわち、デスク装置Bの安定性を高めることができる。
【0050】
したがって、本実施形態のデスク装置A、Bにおいては、デスク本体1が、背面Hより前方側で天板5の下方位置に連結板6を設け、背面Hに幕板2を設けずに構成されている。このため、デスク本体1を前後に連結して使用する際には、前後のデスク本体1の互いの背面H同士を連結手段21〜25、27、28、36で連結することにより、互いの連結板6同士の間に配線挿通空間20を形成することができる。また、デスク本体1を前後に連結せず、デスク本体1の背面Hに幕板2を取り付けて使用する際には、デスク本体1の背面Hに幕板2を取り付けるとともに、幕板2と連結板6の間に配線挿通空間20を形成することができる。
【0051】
そして、このようにデスク本体1の背面Hに、他のデスク本体1の背面と幕板2のいずれか一方を選択的に連結することによって、前後のデスク本体1の連結板6同士の間、あるいは連結板6と幕板2の間に、配線を挿通するための配線挿通空間20を形成できるため、従来のように別途配線ダクトを設ける必要がなく、デスク装置A、Bを最小限の部材で構成することが可能になる。
【0052】
これにより、デスク本体1を前後に連結した使用態様と、単体で使用する使用態様とでのコストと強度の無駄を排除することが可能になる。また、デスク本体1を前後に連結した使用態様では、前後のデスク本体1で供用可能な配線挿通空間20が形成されるため、什器としての利便性を高めることが可能になる。
【0053】
また、本実施形態のデスク装置A、Bにおいては、デスク本体1の脚体3に、配線挿通空間20を脚体3の左右方向T2外側に連通させる挿通部10が設けられているため、デスク本体1を左右方向T2に並設して使用する場合に、左右方向T2に隣り合うデスク本体1の配線挿通空間20同士を互いの挿通部10を介して連通させることができる。これにより、左右方向T2に隣り合う一方のデスク本体1の配線挿通空間20から他方のデスク本体1の配線挿通空間20に配線を引き回すことができ、什器としての利便性をさらに高めることが可能になる。
【0054】
さらに、本実施形態のデスク装置A、Bにおいては、例えば、デスク本体1を前後に連結して使用する際には、前後のデスク本体1の連結板6同士に架設したり、デスク本体1の背面Hに幕板2を取り付けて使用する際には、幕板2と連結板6に架設するなどして、配線挿通空間20内に配線受け部材37を設け、この配線受け部材37上に載置して配線やハブ、テーブルタップ等を安定した状態で好適に配設することが可能になる。
【0055】
以上、本発明に係るデスク装置の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 デスク本体
2 幕板
3 脚体(中間脚)
4 脚体(側部脚)
5 天板
6 連結板
7 支柱
8 天板支持材
9 突設材
9a 後端面
10 挿通部
11 前後連結時用のネジ孔
12 単体使用時用のネジ孔
13 アジャスター
14 アジャスター
15 アジャスター
16 ネジ挿通孔
20 配線挿通空間
21〜25 連結アーム部(連結手段)
21a 取付部
21b 取付孔
26 連結片
27 固定孔
30 オプション部材
31 カバー部材
32 モニタービーム
33 シェルフ
34 キャビネット
35 支柱
36 クリップ(固定部材)
37 配線受け部材
40 補助脚
41 支柱
42 上部横材
43 下部横材
44 アジャスター
45 係合突起
46 取付ネジ
47 係合孔
A デスク装置
B デスク装置
H 背面位置
T1 前後方向
T2 左右方向
T3 上下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に離間して配設された一対の脚体と、前記一対の脚体の上部間に架設された天板とを有するデスク本体を備えたデスク装置であって、
前記デスク本体が、該デスク本体の背面位置で他のデスク本体背面と幕板のいずれか一方を選択的に連結するための連結手段を備えるとともに、前記デスク本体の背面位置よりも前方側の前記天板の下方位置で前記一対の脚体間を連結する連結板を備え、前記連結手段によって前後に前記デスク本体を連結した際には互いの前記連結板同士の間に、前記連結手段によって前記デスク本体の背面側に幕板を連結して取り付けた際には前記幕板と前記連結板の間に、配線を挿通するための配線挿通空間が形成されるように構成されていることを特徴とするデスク装置。
【請求項2】
請求項1記載のデスク装置において、
前記脚体には、前後に前記デスク本体を連結、あるいは前記デスク本体の背面側に幕板を連結して形成した前記配線挿通空間を前記脚体の左右方向外側に連通させる挿通部が設けられていることを特徴とするデスク装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のデスク装置において、
前記配線挿通空間には、該配線挿通空間内に配設した配線を支持する配線受け部材が設けられていることを特徴とするデスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−94275(P2013−94275A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237718(P2011−237718)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】