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デスケーリングノズル装置及びデスケーリング方法
説明

デスケーリングノズル装置及びデスケーリング方法

【課題】壊食能に優れ、スケールを効率よく除去できるデスケーリングノズル装置を提供する。
【解決手段】フラットパターンの主水流40を吐出可能な主吐出口15と、主水流の厚み方向の両側から第1の被覆水流41a及び第2の被覆水流41bを吐出可能であり、主水流を第1及び第2の被覆水流のサンドイッチ状に被覆して噴射するための補助吐出口37とを備えたデスケーリングノズル装置を用いて鋼板表面のスケールを除去する。前記被覆水流はフラットパターンであってもよく、主水流及び被覆水流のフラットパターンは、噴射方向に進むにつれて幅方向に拡がるパターン形状であり、被覆水流の噴射角度が、主水流の前記角度と略同じか、又は前記角度よりも大きくてもよい。被覆水流の各噴射流量は主水流の0.2〜10%であってもよい。各被覆水流は、主水流の吐出方向に向かって1〜30°の傾斜角度で主水流に合流してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延された圧延鋼板の表面のスケールを除去するためのデスケーリングノズル装置及びこのノズル装置を用いたデスケーリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱延鋼材は、鋼スラブを酸化性雰囲気の加熱炉で1100〜1400℃程度に加熱し、圧延機で熱間圧延することにより製造されている。前記加熱炉での加熱により鋼スラブの表面には酸化鉄で構成されたスケールが生成し、このスケールを除去しないまま熱間圧延すると、圧延鋼板の表面にスケール疵が生じ、製品価値を低下させる。このようなスケールを除去するため、水を高圧で噴射するためのデスケーリングノズルが使用されている。
【0003】
デスケーリング効率(壊食能)を向上させるために、種々の工夫がされており、例えば、特開2000−263124号公報(特許文献1)には、吐出圧力40MPa以上の圧力でノズルから水を吐出させ、吐出孔から鋼板までの距離150mm以下で鋼板の表面に衝突させてスケールを除去するためのデスケーリングノズルであって、吐出流の吐出方向がノズル軸心に垂直な面内の幅方向に広がりを有し、この幅方向と垂直な厚み方向に1.5〜2.5°の範囲の壊食厚み角度を有するデスケーリングノズルが開示されている。
【0004】
このように、従来のデスケーリングノズルでは、噴射圧力、距離、角度などの条件を制御することにより、壊食能を向上させているが、設備上の制約などで、ノズルの壊食能を最大限に発揮させることは実用上困難である。
【0005】
特に、気中水噴流の場合、ノズルから噴射された水柱は、周囲の空気との干渉により水流の周囲から微粒化が進むことが報告されており(ウォータージェット第6巻第3号(1989)、p.3(非特許文献1))、噴霧特性と壊食能との関係では、液塊と液滴との混在状態で壊食能が最大となり、微粒化が進むにつれて、壊食能は低下することが報告されている(ウォータージェット第9巻第2号(1992)、p.45(非特許文献2))。すなわち、液塊と液滴との混在状態となる位置を噴射距離とすれば壊食特性は向上するが、液塊と液滴との混在状態となる位置は、前述の如く、他の使用条件によっても変化するため、実用上は、水流の微粒化が進行し、壊食性能が低下することとなる。
【0006】
特開平10−323710号公報(特許文献2)には、液体ジェットと気体ジェットを平行に噴出する剥離洗浄用液体ジェットのノズルが開示されている。この文献には、液体ジェットが周囲気体の粘性抵抗により減速することを気体ジェットで抑制することにより洗浄効率を向上している。しかし、この方法では、高速の空気流を発生させるために、大容量のコンプレッサーが必要となり、設備コストやユーティリティーコストが高価となり、簡便性や生産性が低かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−263124号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平10−323710号公報(特許請求の範囲、段落[0012]〜[0016])
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ウォータージェット第6巻第3号(1989)、p.3
【非特許文献2】ウォータージェット第9巻第2号(1992)、p.45
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、壊食能に優れ、スケールを効率よく除去できるデスケーリングノズル装置及びデスケーリング方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、周囲の空気との干渉による水流の微粒化の進行を抑制でき、高い壊食能を発現できるデスケーリングノズル装置及びデスケーリング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、水流の微粒化の進行を抑制すれば、壊食性能が向上する点に着目し、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から被覆水流で主水流を被覆噴射して、主水流に被覆水流を合流させることにより、壊食能に優れ、スケールを効率よく除去できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明のデスケーリングノズル装置は、フラットパターンの主水流を吐出可能な主吐出口と、主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から被覆水流を吐出可能であり、主水流を被覆水流で被覆して噴射するための補助吐出口とを備えている。本発明では、被覆水流で主水流を被覆することにより、周囲の空気との干渉による主水流の微粒化の進行を抑制でき、壊食能に優れ、スケールを効率よく除去できる。
【0013】
本発明のデスケーリングノズル装置において、前記補助吐出口は、主水流の厚み方向の両側から第1の被覆水流及び第2の被覆水流を吐出可能であり、主水流を第1及び第2の被覆水流でサンドイッチ状に被覆して噴射してもよい。サンドイッチ状に主水流を被覆水流で被覆することにより、主水流に対する空気の干渉をフラットパターンの両面から防止できるため、壊食能をより向上できる。
【0014】
前記被覆水流は、水膜状(特に、フラットパターン)の水流であってもよい。被覆水流が水膜状(特に、主水流と同様にフラットパターン)であれば、効果的に主水流を被覆できる。主水流と被覆水流との合流点において、被覆水流(第1及び第2の被覆水流を噴射する場合、各被覆水流)の幅は、主水流の幅と略同じであるか、又は主水流の幅よりも大きくてもよい。さらに、前記主水流及び被覆水流のフラットパターンが噴射方向に進むにつれて幅方向に拡がるパターン形状であり、被覆水流のフラットパターンにおける噴射方向に拡がる角度が、主水流の前記角度と略同じであるか、又は前記角度よりも大きくてもよい。これらの態様で被覆水流、効果的に主水流と空気との接触を抑制できるため、水流の微粒化を抑制できる。
【0015】
前記被覆水流(第1及び第2の被覆水流を噴射する場合、各被覆水流)の噴射流量は、主水流の噴射流量に対して0.2〜10%程度である。さらに、主水流の噴射圧力と、被覆水流(第1及び第2の被覆水流を噴射する場合、各被覆水流)の噴射圧力との比は、前者/後者=5000/1〜50/1程度であってもよい。被覆水流の噴射流量及び圧力を調整することにより、微粒化を抑制でき、被覆水流が主水流の壊食能を向上できる。
【0016】
被覆水流(第1及び第2の被覆水流を噴射する場合、各被覆水流)は、主水流の吐出方向に向かって、1〜30°程度の傾斜角度で主水流に合流してもよい。両水流が合流する角度を調整することにより、被覆水流の被覆効果により、主水流の微粒化を抑制できる。
【0017】
本発明のデスケーリングノズル装置は、主吐出口が主スプレーユニットに形成され、スリット状補助吐出口が前記主スプレーユニットに装着可能な補助スプレーユニットに形成されていてもよい。さらに、前記主スプレーユニットが、先端部に形成された凹面又は凹部で開口した楕円形状の主吐出口と、この主吐出口から所定のテーパ角θで上流方向に延びる円錐状流路とを備えており、前記凹面又は凹部が、先端部から上流方向にいくにつれて半径方向の内方へ傾斜した傾斜側壁を備えているとともに、補助スプレーユニットが、楕円形状の主吐出口の短軸方向の両側に、長軸が楕円形状の主吐出口の長軸と平行に形成されたスリット状補助吐出口と、このスリット状補助吐出口から上流方向に延びる流路を備えていてもよい。主スプレーユニットがこのような特定の円錐状流路を備えることにより、例えば、デスケーリングノズルとして使用した場合、低圧及び/又は低流量であってもデスケーリング効率を改善できるとともに、この主スプレーユニットに補助スプレーユニットを装着することにより、主吐出口の厚み方向の両側にスリット状補助吐出口を配設でき、補助スプレーユニットの被覆水流で容易に主水流を被覆して噴射できる。
【0018】
本発明のデスケーリングノズル装置は、主吐出口が主スプレーユニットに形成され、補助吐出口が前記主スプレーユニットと独立して配設される補助スプレーユニットに形成されていてもよい。特に、前記デスケーリングノズル装置は、主吐出口が主スプレーユニットに形成され、補助吐出口が前記主スプレーユニットと独立して配設される補助スプレーユニットに形成されていてもよい。さらに、前記デスケーリングノズル装置は、補助吐出口が長尺のスリット状補助吐出口であり、前記補助吐出口が、並列した複数の主スプレーユニットから噴射される複数の主水流の吐出方向に向かって1〜30°の角度で水膜状被覆水流を噴射して、前記複数の主水流を連続した1個の水膜状被覆水流で被覆可能であってもよい。主スプレーユニットとは独立した長尺のスリット状補助吐出口を配設することにより、広範なデスケーリング領域に対しても簡便な方法で壊食能を向上できる。
【0019】
本発明には、前記デスケーリングノズル装置を用いて、主吐出口からフラットパターンの主水流を吐出するとともに、主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から主水流を被覆して噴射するように、補助吐出口から被覆水流を吐出するデスケーリング方法も含まれる。
【0020】
なお、本願明細書では、被覆水流の「水膜状」又は「水膜状パターン」とは、厚みの薄い膜状のパターン形状を意味し、「フラットパターン」とは、いわゆる「扇形吹きのパターン形状」のことであり、厚みが薄く、噴射方向に進むにつれて幅方向に拡がるパターン形状を意味する。また、被覆水流の「噴射角度」とは、主水流に対するスプレーノズルの向きを意味する場合と、フラットパターンが噴射方向に進むにつれて幅方向に拡がる角度を意味する場合とがある。さらに、「デスケーリングノズル装置」とは、主スプレーユニットの付属物として(又はその内部に)補助スプレーユニットを備えたスプレーユニット(ノズル単体)、主スプレーユニットとこの主スプレーユニットに対して独立した補助スプレーユニット(例えば、主スプレーユニットと同様の構造を有する独立した補助スプレーノズルユニット)とを組み合わせたスプレーユニット(ノズル単体)、複数の主スプレーユニットを備えたヘッダ(例えば、複数の主スプレーユニットを備えたヘッダ)と複数の補助スプレーを備えたヘッダ(例えば、複数の補助スプレーユニットを備えたヘッダ)とを組み合わせたノズルを含む装置のいずれをも含む意味で用いる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から被覆水流で主水流を被覆噴射して、主水流に被覆水流を合流させるため、壊食能に優れ、スケールを効率よく除去できる。特に、周囲の空気との干渉による主水流の微粒化の進行を抑制でき、厳格に条件を設定しなくても、高い壊食能を発現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明のデスケーリングノズル装置の一例を示す概略分解斜視図である。
【図2】図2は、図1において、主スプレーユニットに補助スプレーユニットを装着したデスケーリングノズル装置のII-II線概略断面図である。
【図3】図3は、図1のデスケーリングノズル装置における補助スプレーユニット部分を拡大した概略部分切欠斜視図である。
【図4】図4は、図1のデスケーリングノズル装置の概略正面図である。
【図5】図5は、補助スプレーユニットの概略背面図である。
【図6】図6は、図1のデスケーリングノズル装置の噴射状態を示す概略側面図である。
【図7】図7は、図6の噴射状態の概略平面図である。
【図8】図8は、本発明のデスケーリング装置の他の例を用いて、圧延鋼板の表面をデスケーリングしている状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、必要に応じて添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
【0024】
本発明のデスケーリングノズル装置は、スケールを除去するためのフラットパターンの主水流に対して、主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から被覆水流を吐出して、主水流の少なくとも一部を被覆水流で被覆することを特徴とする。主水流は、被覆水流で被覆されると、被覆水流との接触部分において周囲の空気(静止状態の空気)との緩衝により促進される微粒化を抑制できる。従って、本発明では、主水流の少なくとも一部を被覆すればよいが、被覆水流による被覆部分(被覆流との接触面積)が多いほど、主水流のデスケーリング効率は向上する。すなわち、本発明のデスケーリングノズル装置は、主水流の少なくとも一部を被覆水流で被覆することにより、このような効果を発現すればよく、装置の構造は下記図面の構造に限定されない。
【0025】
図1は本発明のデスケーリングノズル装置の一例を示す概略分解斜視図であり、図2は図1において、主スプレーユニットに補助スプレーユニットを装着したデスケーリングノズル装置のII−II線概略断面図であり、図3は、図1のデスケーリングノズル装置における補助スプレーユニット部分を拡大した概略部分切欠斜視図であり、図4は、図1のデスケーリングノズル装置の概略正面図である。また、図5は、補助スプレーユニットの概略背面図である。さらに、図6は、図1のデスケーリングノズル装置の噴射状態を示す概略側面図であり、図7は、図6の噴射状態の概略平面図である。
【0026】
このデスケーリングノズル装置は、主スプレーユニット1と、主スプレーユニット1の先端部に嵌合して装着可能であり、その中央部に位置する略長方形状の開口部33から主スプレーユニット1の主水流40を噴射可能であり、かつこの開口部33の短軸方向の両側に位置する第1のスリット状補助吐出口(吐出孔又は噴出口)37a及び第2のスリット状補助吐出口37bから、第1の被覆水流41a及び第2の被覆水流41bで前記主水流40を被覆して噴射可能な補助スプレーユニット30とで構成されている。
【0027】
主スプレーユニット1は、上流側から水が流入可能であり、かつ円筒状流路(又はノズル孔)を備えた円筒状ケーシング2と、このケーシングが装着可能な円筒状ノズルケース11と、このノズルケースの先端部に装着され、かつ流路(又はノズル孔)を経て先端部から吐出流を噴出させるための超硬合金製ノズルチップ12とで構成されており、これらの部材の軸芯にはノズル孔又は流路が軸線方向に形成されている。なお、この例では、円筒状ケーシング2は、前記ノズルケース11に対して螺着可能な第1のケーシング2aと、このケーシングに対して装着可能な第2のケーシング2bとで構成され、かつ第1及び第2のケーシング2a,2bは螺合などにより互いに一体化している。
【0028】
前記第2のケーシング2bの上流側端部の周面及び端面(平坦面)には、夾雑物の流入を規制しつつ水を流入させるため、軸方向に延びる複数のスリット(又は流入口)3が周方向に所定間隔毎に形成され、フィルタを構成している。また、第2のケーシング2b内の流路には、フィルタから流入した水をノズル孔に案内するため、整流ユニット(又は整流器若しくはスタビライザ)4が配設されており、この整流ユニット4は、芯体から放射方向に延びる複数の整流板(整流羽根)5と、芯体の上流側及び下流側に同軸に形成され、かつそれぞれ先端部を上下流方向に向けて形成された鋭角な円錐部(上流側又は下流側が先細り状態の円錐部)6a,6bとを備えている。フィルタを構成し、かつ整流ユニットを備えた第2のケーシング2bは、フィルタユニット又は整流ケーシングと称することもできる。なお、整流ユニット4の整流板5はケーシングの内壁に当接しているとともに、整流ユニット4は固定手段(係止、装着、溶着、固着など)により下流側への移動が規制されている。
【0029】
前記円筒状ケーシング2の流路は、第2のケーシング2bの上流側端部(流入口)から整流ユニット4の下流端に至り、かつ実質的に同じ内径の円筒状流路P1と、前記整流ユニット4の下流端から下流方向に向かって第1のケーシング2aの途中部に至り、かつ緩やかな傾斜でテーパ状に狭まる傾斜流路(環状傾斜流路)P2と、この傾斜流路の下流端から下流方向に向かって延び、かつ実質的に同じ内径の円筒状流路P3とを備えている。この例では、傾斜流路(環状傾斜流路)P2を形成する傾斜壁(テーパ部)のテーパ角は、例えば、5〜12°程度に形成されている。
【0030】
前記ノズルケース11内には、先端部から上流方向に向かって、超硬合金製ノズルチップ12と、前記第1のケーシング2aの下流端と実質的に同じ内径の流路が形成されたブシュ(又は環状側壁)17とが順次装着されており、前記ノズルチップ12は掛止段部13により先端部方向への抜けが規制されている。前記ノズルチップ12の先端面には、断面U字状の湾曲溝14が半径方向に形成されているとともに、この湾曲溝14の湾曲凹面には、楕円形状の主吐出口15が開口している。なお、断面U字状の湾曲溝14の底面は、主吐出口15を最下部として突出方向(又は延出方向、半径方向)に向かって両端部が隆起した湾曲状底面であってもよい。
【0031】
そして、ノズル1の軸線方向に延びるノズル孔は、前記湾曲凹面14で楕円形状に開口した主吐出口15と、ノズルチップ12に形成され、かつ前記主吐出口15から軸線の上流方向に向かって直線的に拡径して延びるテーパ部(又は円錐状傾斜壁)16により形成された円錐状流路P5と、前記ブシュ17により形成され、かつ前記テーパ部16の上流端から軸線方向に沿って実質的に同じ内径で上流方向へ連なる円筒状流路P4とで構成されている。すなわち、ノズル1の流路(ノズル孔)は、先端部の湾曲凹面14で楕円形状に開口した主吐出口15と、この主吐出口からテーパ部(テーパ側壁、円錐状側壁又は円錐状傾斜壁)16により所定のテーパ角θで上流側に拡がって延びるテーパ状流路(又は円錐状流路)P5と、このテーパ状流路の上流端からブシュ17の環状側壁によりほぼ同じ内径で延びる円筒状流路(テーパ状流路P5の上流端から整流ユニット4の上流端に至るまでの流路)P4〜P1とで構成されている。なお、前記テーパ部16の上流端から実質的に同じ内径で延びる流路(この例では、径大部の上流端から緩やかな傾斜流路P2の下流端までの円筒状流路P3及びP4)を径大部18とすることができる。
【0032】
さらに、楕円形状の主吐出口15の長径Daと短径Dbとの比(Da/Db)は、1.2〜1.5程度に形成され、楕円形状の主吐出口15と径大部18との関係について、主吐出口15の長径Daに対する径大部18(円筒状流路P3及びP4、又は整流ユニットから下流方向に延びる傾斜流路P2の下流端)の内径Dcの割合(Dc/Da)は、ノズルを小型化するとともに、液滴(又は噴霧液滴)の平均径を大きくするため、3.6〜7程度に設定されている。また、径大部18の内径Dcは、10〜15mm程度に、長さLは、60〜80mm程度に設定され、径大部の長さLと径大部の内径Dcとの割合(L/Dc)は、6〜8程度である。さらには、低圧及び/又は低流量であっても衝突力を高めるため、前記テーパ部16の角度(テーパ角)θは、45〜55°程度に設定されている。
【0033】
なお、前記ノズルケース11や円筒状ケーシング2の適所(この例では、ノズルケース)には、アダプター(図示せず)を利用して導管(図示せず)にノズル1を取り付けるための鍔部(又はフランジ)19などの取付部を形成できる。また、ノズルケース11には、位置決め精度を高め、所定方向にフラット又は帯状吐出流を噴出させるため、導管に対する位置決め用凸部20を形成してもよい。
【0034】
このような主スプレーユニット1を利用すると、ノズル孔の径大部18を経てテーパ部16が直線的に傾斜して主吐出口15に至っているため、シャープな衝突力分布を実現できるとともに、前記主吐出口を特定の楕円形状に形成し、前記主吐出口から延びるノズル孔を特定の円錐状テーパ部として形成し、かつ前記径大部を特定の形状に形成するため、ザウター平均粒子径が200〜450μm程度の噴霧液を吐出することができ、小型であっても壊食能が高く、低圧及び/又は低流量で効率よくスケールを除去できる。また、低圧及び/又は低流量でデスケーリングできるため、鋼板の冷却を抑制しつつデスケーリング性能を改善できる。さらに、鋼板に対して主スプレーユニット1を近接させることにより、さらに衝突力を向上でき、デスケーリング性能を改善できる。
【0035】
補助スプレーユニット30は、主スプレーユニット1から噴射される主水流40に対して、サンドイッチ状に第1の被覆水流41a及び第2の被覆水流41bで被覆して噴射するために、主スプレーユニット1の先端部に嵌合して装着される略矩形状ブロック部材で構成されている。
【0036】
補助スプレーユニット30は、前記ブロック部材の装着面(上流側の側壁)に形成され、かつ主スプレーユニット1の筒状先端部が装着可能な装着凹部(円筒状凹部)34と、この装着凹部から吐出方向に貫通して成形され、かつ主吐出口からの主水流の通過を許容する略長方形状の開口部33と、前記ブロック部材の反対面(下流側の側壁)に形成され、前記開口部33の短軸と同一幅であり、しかも開口部33をその長軸方向に横断して延びる切り欠き溝32と、この切り欠き溝32の対向する側壁に形成され、吐出方向に進むにつれて外側方(幅方向)に傾斜した傾斜凹部(断面逆台形状の切り欠き溝)31とを備えている。別言すれば、前記ブロック部材の反対面(下流側の側壁)には、主吐出口15の長軸方向に延びる断面逆台形状の切り欠き溝31と、この切り欠き溝の底面に主吐出口15の長軸方向に延びて形成され、かつ前記開口部33を露出させる断面コ字状の切り欠き溝32とが形成され、切り欠き溝全体としては、階段状に窪んだ構造を有している。さらに、切欠き溝32は、前記装着凹部34の底面に相当する深さまで形成されて装着凹部34に貫通し、切欠き溝32の底面32aが前記略長方形状の開口部33を形成している。
【0037】
前記略長方形状の開口部33は、主吐出口15の長軸方向に沿って形成され、主スプレーユニット1の主吐出口15からの主水流40と接触することなく噴射させるため、主吐出口15の形態に応じて主吐出口15を露出させている。また、開口部33を横断する切り欠き溝32の吐出口側の側壁は、断面逆台形状の切り欠き溝31により、前記断面コ字状の切り欠き溝32の開口端から延びる平坦な側壁(又は前方側壁)31aと、この平坦な側壁の端縁から延びる傾斜壁(傾斜側壁)31bとを備えている。すなわち、断面コ字状の切り欠き溝32の吐出方向の空間は拡がって開放されている。すなわち、補助スプレーユニット30の中央部では、主水流1が補助スプレーユニット30に接触することなく吐出可能な略長方形状の開口部33が形成されており、この開口部33の長軸方向と主吐出口15の長軸方向とを一致させて、補助スプレーユニット30を主スプレーユニット1の先端部に装着した状態では、主吐出口15の短軸方向の両側において、主吐出口15よりも前方に補助吐出口37a及び37bが位置している。
【0038】
前記補助スプレーユニット30において、前記切欠き溝32の両側では、それぞれ、第1の被覆水流41a及び第2の被覆水流41bを噴射可能なノズル構造を有する第1のブロック部35aと第2のブロック部35bとが対向しており、両ブロック部には、スリット状補助吐出口37a、37bにL字状に延びる流路が形成されている。詳しくは、第1のブロック部35aでは、側端面に形成された流入口36aから緩やかな傾斜でテーパ状に狭まる傾斜流路(環状傾斜流路又は先細状流路)P6と、この傾斜流路の下流端から下流方向に向かって延び、かつ実質的に同じ内径の円筒状流路P7と、この円筒状流路P7の前方側壁31a(逆台形状の切欠き溝部31の底面)に形成された第1のスリット状補助吐出口37aとを備えており、この第1のスリット状補助吐出口37a(吐出口が形成された壁面における流路)は、主ノズルユニット1の軸線に対して、角度5〜10°程度で前方方向に進むにつれて軸線方向に傾斜している。すなわち、スリット状補助吐出口37aは、円筒状流路P7の前方側壁31aにおいて、流路P7の延出方向に対して略垂直な方向に形成されている。さらに、第2のブロック35bでも、断面コ字状の切欠き溝32を中心として、第1のブロック部35aと対称な構造となっており、側端面に形成された流入口36bからの流路を経て第2のスリット状補助吐出口37bに連通している。この例では、傾斜流路(環状傾斜流路)P6を形成する傾斜壁(テーパ部)のテーパ角は、例えば、5〜12°程度に形成されている。
【0039】
第1及び第2のスリット状補助吐出口37a及び37bの長軸は、いずれも主スプレーユニット1の楕円形状吐出口15の長軸と平行である。さらに、第1及び第2のスリット状補助吐出口37a及び37b(吐出口が形成された壁面における流路)は、前述のように、主ノズルユニット1の軸線に対して、角度5〜10°程度で前方方向に進むにつれて軸線方向に傾斜している。さらに、第1及び第2のスリット状補助吐出口の長径Dcと短径Ddとの比(Dc/Dd)は、5〜10程度に形成されている。
【0040】
なお、補助スプレーユニットの側壁端面(この例では、流入口36a及び36bに隣接する側壁端面、及び切欠き溝に隣接する側壁端面)には、ネジ孔38a、39が形成されており、これらのネジ孔を利用して、ネジ39bにより、補助スプレーユニット30を主スプレーユニット1に取り付けている。
【0041】
このような補助スプレーユニット30を利用すると、主スプレーユニット1から吐出された主水流40に対して、補助スプレーユニット30から第1の被覆水流41a及び第2の被覆水流41bを噴射することにより、第1の被覆水流41a及び第2の被覆水流41bを水膜として、主水流40の厚み方向の両側から主水流40をサンドイッチ状に被覆できるため、周囲の空気との干渉による主水流40の微粒化の進行を抑制でき、壊食能を向上できる。特に、補助スプレーユニット30のスリット状補助吐出口37a及び37bを、主ノズルユニット1の軸線に対して、角度5〜10°程度で前方方向に進むにつれて軸線方向に傾斜して形成しているため、図6に示すように、第1の被覆水流41a及び第2の被覆水流41bは、それぞれ、主水流40の吐出方向に向かって、角度θ=7〜15°程度で主水流40に合流する。なお、この被覆水流が主水流に合流する角度は、負圧により被覆水流が主水流に吸引されるため、スリット状補助吐出口の軸線に対する傾斜角度よりも大きくなる。さらに、主水流40の噴射圧力と、第1の被覆水流41a又は第2の被覆水流41bの噴射圧力との比は、それぞれ、前者/後者=2000/1〜200/1程度、第1の被覆水流41a又は第2の被覆水流41bの噴射流量は、それぞれ、主水流の噴射流量に対して1〜3%程度に調整されている。このような条件において、第1の被覆水流41a及び第2の被覆水流41bで主水流40を被覆噴射することにより、微粒化を抑制でき、壊食能を向上できる。さらに、主スプレーユニット1及び補助スプレーユニット30を前記条件で噴霧したとき、図7に示すように、主水流40、第1の被覆水流41a及び第2の被覆水流41bのフラットパターンが噴射方向に進むにつれて幅方向に拡がるパターン形状であり、第1の被覆水流41a及び第2の被覆水流41bの噴射角度(フラットパターンにおいて、噴射方向に進むにつれて幅方向に拡がる角度)θ2は、主水流40の噴射角度θ1よりも、例えば、2〜10°程度大きいため、主水流40と空気との接触を有効に抑制できる。なお、図7では、主水流、被覆水流をそれぞれ単独で噴射したときのパターン形状を示している。
【0042】
このような主スプレーユニットと補助スプレーユニットとを組み合わせたデスケーリングノズル装置は、液滴(又は噴霧液)を吐出させ、熱間圧延などの鋼板表面のスケールを除去するためのデスケーリングノズル(又はフラットデスケーリングノズル)装置として有用である。
【0043】
主スプレーユニットは、径大部から所定のテーパ部を経て吐出口に至るノズル孔を有し、かつフラットスプレーノズルを構成できる限り、テーパ部を含めてノズル孔の形状は特に制限されず、種々のノズル孔(例えば、特許第4084295号公報に記載のノズル孔など)が利用できる。例えば、テーパ部は、前記のように、所定の角度で直線状に傾斜しているテーパ部に限らず、異なる複数の角度で傾斜しているテーパ部(多段テーパ部)であってもよく、湾曲して傾斜しているテーパ部であってもよい。
【0044】
ノズル孔は、通常、先端部の凹面又は凹部で開口した吐出口と、吐出口から延びるテーパ部と、このテーパ部に連なる径大部とで構成すればよく、前記吐出口とチップ端面との間には、通常、傾斜壁が形成されている。
【0045】
前記テーパ部の角度(テーパ角)θは、特に制限されず、20〜80°程度の範囲から選択してもよく、通常、例えば、30〜80°、好ましくは35〜75°(例えば、35〜60°)、さらに好ましくは40〜70°、特に40〜60°程度の範囲から選択できる。なお、テーパ部が湾曲部で構成されている場合、前記テーパ角θは、吐出側(下流側)に位置する最小の孔部(吐出口)と、上流側に位置する径大部の始端部とを結ぶ線で形成される角度を意味する。また、テーパ部が複数のテーパ部で構成されている場合、前記テーパ角θは、噴霧特性に影響を与える最も吐出側(下流側)に位置するテーパ部の角度を意味する。
【0046】
また、吐出口の短径Dbに対する径大部の内径Dcの割合(Dc/Db)は、特に制限されず、2〜10程度であってもよい。ノズルを小型化するためには、割合(Dc/Db)は、3以上(特に、3以上7未満)、例えば、3〜6.9(例えば、3〜6)、好ましくは3.5〜6.9(例えば、3.5〜6)、さらに好ましくは4〜6.5(例えば、4〜6)程度であり、4.5〜6(例えば、4.5〜5.5)程度であってもよい。なお、径大部の内径Dcは、8〜20mm(例えば、8〜15mm、好ましくは9〜15mm)程度であってもよい。
【0047】
径大部は、通常、実質的に同じ内径に形成する場合が多いものの、デスケーリング効率を損なわない限り、前記傾斜部のように、角度0〜5°(例えば、0〜3°)で上流方向に向かって内径が若干拡大して傾斜していてもよい。前記図2の筒状ケーシングの傾斜流路(環状傾斜流路)P2のテーパ角は、例えば、5°を越え25°以下[好ましくは7〜15°(例えば、10〜15°)]程度に形成してもよい。径大部(円筒状径大部又は径大流路部)の全体の長さは、特に制限されず、例えば、30〜300mm(例えば、50〜200mm)、好ましくは50〜180mm(例えば、75〜160mm)程度である。なお、テーパ部の上流端から実質的に同じ内径で延びる径大部の長さ(例えば、前記図2に示す例では、第1のケーシング2aの途中まで延びる流路の長さ)は、例えば、25〜200mm(例えば、30〜150mm)、好ましくは35〜150mm(例えば、40〜125mm)程度であってもよい。
【0048】
主スプレーユニットは、前記吐出口から上流方向に延びるテーパ部と、このテーパ部からほぼ同じ内径で延びる径大部とを備えていればよく、前記筒状ケーシングは必ずしも必要ではない。さらに、ノズルの上流側において整流ユニットは必ずしも必要ではないが、通常、整流手段、例えば、前記スタビライザ(又は整流ユニット)が配設されている。ケーシング及びスタビライザとしては、図1及び図2に記載のケーシング及びスタビライザの他に、例えば、特許第4084295号公報に記載のケーシング、スタビライザなどを利用できる。
【0049】
補助スプレーユニットにおいて、補助吐出口は、主水流の厚み方向の両側に形成されたユニットに限定されず、片側に形成されたユニットであってもよいが、主水流の微粒化を高度に抑制する点から、両側に形成されたユニットが好ましい。
【0050】
ノズルの構造は、主スプレーユニットの先端部に装着する構造に限定されず、例えば、主スプレーユニット(特に、主スプレーユニットのノズルケース)と一体化した構造であってもよい。さらに、主スプレーユニットとは別個に独立して補助スプレーユニットを設置してもよく、例えば、並列した複数の主スプレーユニットに対して、各々の主スプレーユニットに対応する複数の補助スプレーユニットを、主スプレーユニットと独立して設置してもよく、並列した複数の主スプレーユニットに対して、長尺のスリット状補助吐出口を有する補助スプレーユニットを主スプレーユニットと別個に独立したユニットとして設置してもよい。
【0051】
複数の主スプレーユニットに対して主スプレーユニット毎に配設される補助スプレーユニットとしては、フラットパターンの水流を噴射できる限り、特に限定されず、慣用のスプレーノズル、例えば、図1に示される主スプレーユニット(ノズル孔が楕円形状やスリット状のフラットパターンのデスケーリングノズル)、水流を広角に案内するためのガイド壁(又は規制壁)を備えた広角スプレーノズル(例えば、特開平10−34024号公報、特開2009−273966号公報に記載のノズルなど)、コイン状スプレーノズル(例えば、特開平4−65146号公報に記載のノズルなど)などが利用できる。これらのスプレーノズルのうち、容易に広角のフラットパターンを噴射できる点から、ノズル孔が楕円形状やスリット状のフラットパターンのデスケーリングノズルや、広角スプレーノズルが好ましい。
【0052】
図8は、並列した複数の主スプレーユニットに対して、各々の主スプレーユニットに対応する複数の広角スプレーノズル(補助スプレーユニット)を用いて、圧延鋼板の表面をデスケーリングしている状態を示す概略斜視図である。図8に示すように、圧延鋼板のデスケーリングでは、工業生産される鋼板は幅広であるため、1枚の鋼板55に対して、ヘッダ52に所定の間隔をおいて並設された複数の主スプレーユニット(デスケーリングノズル)51を用いてスケール除去が行われる。詳しくは、各主スプレーユニット51からフラットパターンの主水流51aが鋼板55の表面に対して略垂直となるように鋼板55に向けて高圧で噴射されて、鋼板表面のスケールが除去される。なお、図示されていないが、鋼板の熱間圧延を行うラインでは、鋼板は、フィードローラーによってライン内を搬送されるため、ノズルの設置位置によってはフィードローラーの間隙から水流を噴射してもよい。
【0053】
この例では、前記ヘッダ52の周方向には一対の補助ヘッダ54,54′が配設され、これらの補助ヘッダ54,54′には、各々主スプレーユニット51に対応して複数の広角スプレーノズル53,53′が装着されている。各補助ヘッダ54,54′に装着された広角スプレーノズル53,53′は、斜め方向から主スプレーユニットの噴霧方向に向いている。詳しくは、各補助ヘッダ54,54′に並設された複数の広角スプレーノズル53,53′から、前記フラットパターンの主水流51aと略平行かつ略同方向に1対の被覆水流53a,53′aが噴射され、主水流51aを厚み方向の両側からサンドイッチ状に被覆している。なお、図示されていないが、ノズルと鋼板との間には、揺動する圧延鋼板との接触からノズルを保護するためのプロテクター(金属板など)を介在させてもよく、プロテクターには主水流及び被覆水流を貫通可能な孔部を形成してもよい。
【0054】
なお、図8の概略模式図では、ノズルの構造や位置関係の理解を容易にするため、主水流51a及び被覆水流53a,53′aの厚みは記載していないが、実際は主水流51a及び被覆水流53a,53′aは吐出方向に向かうにつれて若干拡がる厚みを有している。
【0055】
長尺のスリット状補助吐出口を有する補助スプレーユニットとしては、例えば、特開2006−205120号公報に記載のスリットノズル、例えば、長尺な矩形状ブロックの内部に、ブロックの長尺方向に延びる円筒状の流路を有し、かつ前記円筒状流路の軸芯方向に対して垂直方向に延びる長尺のスリット状補助吐出口を有するスリットノズルなどを利用できる。このような長尺のスリット状補助吐出口を用いると、吐出口から長尺の水膜がウォーターナイフ状に噴射され、並列した複数の主水流を1個の被覆水流で被覆できる。さらに、独立して設置する補助スプレーユニットは、両側の被覆水流を吐出するためのブロックが、それぞれ独立して設置されてもよい。ノズルの形状も、矩形状に限定されず、前記構造に応じて選択でき、例えば、円柱状や長尺状であってもよい。このような補助スプレーユニットは、通常、金属で形成されている。
【0056】
主スプレーユニットの先端部に装着する構造を有するスリット状補助吐出口を有する補助スプレーユニットの場合、補助スプレーユニットは、主スプレーユニットの主吐出口からの主水流が通過可能(接触することなく通過可能)な開口部と、この開口部に隣接し、かつ対向する位置に形成されたスリット状補助吐出口と、このスリット状補助吐出口から上流方向に延びる流路とを備えていればよい。さらに、補助スプレーユニットは、必ずしも切欠き溝が形成されていなくてもよいが、簡便な方法で、主吐出口の主水流を通過させ、被覆水流で主水流を充分に被覆できる点から、切欠き溝が形成されているのが好ましい。切欠き溝の形状は、ノズルの構造に応じて選択でき、断面U字状の湾曲溝、V字状の溝などであってもよいが、好ましい形状は、前方方向(吐出口方向)が拡がった断面形状、例えば、断面ラッパ状、断面逆台形状などである。切欠き溝の深さも、内部の流路の大きさや形状などに応じて適宜選択できる。また、切欠き溝を多段状に形成せずに、1段の切欠き溝を形成し、その溝の同一の底面にスリット状補助吐出口と主水流のための開口部とを形成してもよい。さらに、主水流が通過可能な開口部の形状も、主水流が接触しないサイズを有していれば、特に形状は限定されないが、主スプレーユニットの吐出口が楕円形状であり、フラットパターンの水流が吐出されるため、通常、略長方形状、楕円又は長円形状などである。主スプレーユニットの先端部に装着するための装着凹部も、円筒状に限定されず、前記先端部の形状に応じて選択できる。なお、主スプレーユニットと補助スプレーユニットとが一体型構造のノズルでは、装着凹部は存在せず、被覆水流を吐出するための吐出口が独立した構造のノズルでは、切欠き溝及び開口部は不要である。
【0057】
前記スリット状補助吐出口を有する補助スプレーユニットの場合、補助スプレーユニットの内部の流路も前記流路に限定されず、環状傾斜流路又は同じ径の円筒流路単独で構成してもよく、断面形状(流入口の形状)も円形状に限定されず、楕円形状、多角形状などであってもよい。流路は、通常、環状傾斜流路と同じ径の円筒流路とを組み合わせて構成され、環状傾斜流路の傾斜角は、例えば、5〜25°、好ましくは6〜20°、さらに好ましくは7〜15°程度であってもよい。
【0058】
補助スプレーユニットの補助吐出口(吐出口が形成された壁面における流路)は、主水流の吐出方向に向かって所定の角度(例えば、1〜30°程度)で被覆水流を噴射して主水流を被覆水流で被覆(特に、サンドイッチ状に被覆水流で主水流を被覆)できればよく、スリット状補助吐出口の傾斜角度は特に限定されないが、主ノズルユニット1の軸線に対して、例えば、角度1〜30°、好ましくは3〜20°、さらに好ましくは5〜15°(特に6〜12°)程度で前方方向に進むにつれて軸線方向に傾斜していてもよい。スリット状補助吐出口の流路の長さは、例えば、0.3〜5mm、好ましくは0.5〜4mm、さらに好ましくは1〜3mm程度である。
【0059】
補助吐出口の位置は、主水流を被覆できる限り限定されず、主吐出口と同じ位置に形成されていてもよく、主吐出口よりも前方又は後方に形成されていてもよく、ノズル装置の種類などに応じて、主水流を被覆し易い位置に形成すればよいい。これらのうち、主水流のフラットパターンの全面を被覆し易い点から、後方に形成されているのが好ましい。補助吐出口の位置は、水流の大きさに応じて適宜選択できるが、例えば、主吐出口と同じ位置であるか、又は主吐出口よりも1〜100mm(好ましくは5〜50mm、さらに好ましくは10〜30mm)前方又は後方に形成されていてもよい。すなわち、補助吐出口の先端部と主吐出口の先端部との軸方向における距離(図7中のL)がこの範囲であってもよい。
【0060】
補助吐出口の形状は、スリット状に限定されず、円形状、多角形状などであってもよいが、水膜状(特にフラットパターン)の被覆水流を噴射できる形状、例えば、楕円又は長円形状、長方形状などが好ましい。このようなスリット状(楕円形状又は長方形状)補助吐出口を有する補助スプレーユニットは、スリット状補助吐出口の長軸が楕円形状主吐出口の長軸に平行となるように設置される。なお、広角スプレーノズルの場合、ガイド壁に水流を衝突させてフラットパターンの水流を噴射するため、補助吐出口の形状は特に限定されない。
【0061】
スリット状(楕円形状又は長方形状)補助吐出口の大きさは、特に限定されず、主スプレーユニット及び補助スプレーユニットの吐出口の位置関係などに応じて選択できるが、水膜状の被覆水流の幅を主水流の幅よりも大きくできる点や、フラットパターンの被覆水流において、被覆水流のフラットパターンにおける噴射方向に拡がる角度を、主水流の前記角度よりも大きく形成できる点などから、例えば、補助スプレーユニットのスリット状補助吐出口の長径を、主スプレーユニットの楕円形状吐出口の長径に対して、例えば、1〜10倍、好ましくは1.2〜5倍、さらに好ましくは1.3〜3倍(特に1.5〜2.5倍)程度にしてもよい。なお、複数の主スプレーユニットに対して、1個の長尺のスリット状補助吐出口を形成する場合、両端の主スプレーユニットの水流を被覆できるように長尺のスリット状補助吐出口の大きさを適宜選択できる。
【0062】
主スプレーユニット毎に補助スプレーユニットを装着又は形成(配設)し、かつ補助吐出口の形状が異方形状(スリット状、楕円形状、長円形状、長方形状)である場合、補助スプレーユニットの補助吐出口の長径Dcと短径Ddとの割合は、例えば、Dc/Dd=2〜30程度の範囲から選択でき、例えば、2〜20、好ましくは3〜15、さらに好ましくは4〜12(特に5〜10)程度であってもよい。前記吐出口の長径Dcは、例えば、2〜20mm、好ましくは3〜15mm、さらに好ましくは5〜12mm(特に6〜12mm)程度であってもよい。また、前記吐出口の短径Ddは、例えば、0.1〜5mm、好ましくは0.3〜4mm、さらに好ましくは0.5〜3mm(特に1〜2mm)程度であってもよい。
【0063】
なお、主スプレーユニットの楕円形状の吐出口において、長径Daと短径Dbとの割合は、例えば、Da/Db=1.1〜3.0程度の範囲から選択でき、例えば、1.15〜2.8、好ましくは1.2〜2.5、さらに好ましくは1.2〜2(特に1.2〜1.5)程度であってもよい。前記吐出口の長径Daは、1.5〜7mm(好ましくは1.8〜6mm、さらに好ましくは2〜5mm)程度であってもよい。また、前記吐出口の短径Dbは、1〜5mm(好ましくは1.2〜4.5mm、さらに好ましくは1.5〜4mm)程度であってもよい。
【0064】
本発明の方法において、主スプレーユニットは、補助スプレーユニットの被覆水流で被覆するため、低圧及び/又は低流量であってもデスケーリング効率を大きく改善できる。そのため、好ましい方法では、低圧、例えば、吐出圧又は噴射圧5〜55MPa(好ましくは8〜25MPa、さらに好ましくは10〜20MPa、特に12〜18MPa)程度でノズルから液滴(又は噴霧液)を吐出させることにより、鋼板のスケールを除去できる。また、主スプレーユニットは、液滴(又は噴霧液)の流量が低流量であっても、ノズルから液滴(又は噴霧液)を吐出させて鋼板のスケールを除去できる。そのため、デスケーリング過程での鋼板の冷却を抑制でき、熱間圧延を円滑に行うことができる。液滴(又は噴霧液)の吐出流量(又は噴射流量)は、例えば、20〜300リットル/分程度の範囲から選択でき、通常、50〜250リットル/分、好ましくは80〜200リットル/分、さらに好ましく100〜150リットル/分程度であってもよい。
【0065】
本発明の方法では、主水流に対して所定の角度で主水流に向かって被覆水流が噴射されることにより、主水流の壊食能を低下させずに、空気との接触を抑制できる。被覆水流(第1及び第2の被覆水流を噴射する場合、各被覆水流)は、主水流の吐出方向に向かって、例えば、1〜50°程度の傾斜角度で主水流に合流してもよく、例えば、1〜30°、好ましくは5〜25°、さらに好ましくは8〜20°(特に10〜15°)程度で合流してもよい。
【0066】
被覆水流の形状は、フラットパターン形状(扇形吹きのパターン形状)に限定されず、楕円吹きのパターン形状(楕円錐形状)、円錐(フルコーン又はホロコーン)吹きのパターン形状(円錐形状)などであってもよいが、主水流の壊食能を低下させずに、主水流を被覆できる点から、厚みの薄い水膜状、特に、フラットパターン形状が好ましい。
【0067】
主水流に対する被覆水流の大きさは、特に限定されず、主水流のフラットパターンの幅よりも小さい幅の被覆水流であってもよいが、主水流の微粒化を効果的に抑制する点から、主水流と被覆水流との合流点において、被覆水流(第1及び第2の被覆水流を噴射する場合、各被覆水流)の幅は、主水流の幅と略同じであるか、又は主水流の幅よりも大きいのが好ましく、例えば、合流点における主水流のフラットパターンの幅に対して、各被覆水流の幅が1〜2倍、好ましくは1.1〜1.8倍、さらに好ましくは1.2〜1.5倍程度であってもよい。
【0068】
被覆水流のフラットパターンにおける噴射角度は、主水流と空気との接触を抑制するため、主水流の前記角度と略同じであるか、又は前記角度よりも大きいのが好ましく、例えば、0〜45°(例えば、1〜45°)、好ましくは1〜30°、さらに好ましくは2〜20°(特に3〜10°)程度大きくてもよい。
【0069】
補助スプレーユニットは、主水流の壊食能を低下させないように、主水流に対して微圧で吐出される。吐出圧力又は噴射圧力は、0.005〜20MPa程度の範囲から選択でき、例えば、0.01〜10MPa、好ましくは0.02〜5MPa、さらに好ましくは0.03〜3MPa(特に0.05〜1MPa)程度である。主水流(主スプレーユニット)の噴射圧力と、被覆水流(補助スプレーユニット)の噴射圧力(第1及び第2の被覆水流を噴射する場合、各噴射圧力)との比は、前者/後者=5000/1〜50/1程度の範囲から選択でき、例えば、4000/1〜80/1、好ましくは3000/1〜100/1、さらに好ましくは2000/1〜200/1(特に1500/1〜500/1)程度である。
【0070】
補助スプレーユニットの噴射流量も同様の理由から、主水流に対して少量で吐出される。被覆水流の噴射水量は、例えば、0.1〜100リットル/分程度の範囲から選択でき、例えば、0.5〜30リットル/分、好ましく1〜20リットル/分、さらに好ましくは2〜10リットル/分(特に1〜5リットル/分)程度である。被覆水流(補助スプレーユニット)の噴射流量(第1及び第2の被覆水流を噴射する場合、各噴射流量)は、主水流(主スプレーユニット)の噴射流量に対して、例えば、0.1〜30%程度であってもよく、例えば、0.15〜20%、好ましくは0.2〜10%、さらに好ましくは0.5〜8%(特に1〜5%)程度であってもよい。
【0071】
鋼板に対する噴射距離(スプレー距離)は、主スプレーユニットの先端を基準にして、例えば、600mm以下(例えば、50〜500mm程度)の範囲から適当に選択できる。本発明では、主水流の微粒化が抑制されるため、広い噴射距離に亘って高い壊食能を示す。
【0072】
なお、本発明のデスケーリングノズルは、水などの流体のための一流体ノズルに限定されず、水及び空気などの二流体のための二流体ノズルであってもよい。
【実施例】
【0073】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における各評価項目の評価方法は以下の通りである。
【0074】
比較例1
図1に示すデスケーリングノズルのうち、主スプレーユニットのみを用いた。このノズルは、断面U字状溝の凹面で開口されたノズルチップの楕円形状吐出口(長径4.4mm、短径3.4mm)、吐出口からテーパ部のテーパ角θ=50°、ノズルケース及び第1のケーシングの途中部まで延びる内径11mmφ及び長さ75mmの円筒状流路(径大部)、この円筒状流路(径大部)の上流端からテーパ角7.5°で延びる傾斜部傾斜流路(長さ36mm)、この傾斜流路の上流端から内径16mmφで延び、且つ整流部材(羽根の軸方向の長さ16mm、軸部から放射状に延出た羽根の数8枚)が装着された円筒状流路、第2のケーシングの上流側端部に形成された12個のスリット(スリット長32mm)を有している。
【0075】
この主スプレーユニットを用いて、スプレーの噴出圧(吐出圧)15MPa及び吐出流量111リットル/分に設定し、噴射距離300mm、鉛壊食時間20秒の条件で鉛壊食特性を評価した。この主スプレーユニットから噴射されるフラットパターンの噴射角度(幅方向の拡がり角度)θ1は、吐出口近傍で27°であった。
【0076】
実施例1〜9
図1に示すデスケーリングノズルを用いて、主スプレーユニットからの主水流を、補助スプレーユニットの被覆水流でサンドイッチするように噴射させて、比較例1と同様の実験を行った。
【0077】
なお、補助スプレーユニットは、スリット状補助吐出口(幅8.5mm×厚み1.5mmのスリット状)が主スプレーユニットの主吐出口よりL=16mm前方(図7のL=16mm)に位置し、この補助スプレーユニットから噴射されるフラットパターンの噴射角度(幅方向の拡がり角度)θ2は、吐出口近傍で34°であった。また、主水流に対する補助スプレーユニットの吐出口の傾斜角度6.5°と10°の場合について、2本分の流量を3.4〜8.8リットル/分、圧力0.01〜0.06MPaの間で変化させた。6.5°の場合は主スプレーユニットの吐出口から前方約70mm(10°では50mm)で噴霧が交叉するように設計したが、主スプレーユニットの噴霧に吸引されて、交差位置は吐出口に近づいた。
【0078】
結果を表1に示す。なお、鉛壊食量は、比較例1の壊食量を1としたときの相対値で表した。
【0079】
【表1】

【0080】
表1の結果から、実施例のデスケーリングノズルでは、比較例のデスケーリングノズルよりも壊食能が向上している。
【0081】
比較例2
図1に示すデスケーリングノズルのうち、主スプレーユニットのみを用いた。このノズルは、断面U字状溝の凹面で開口されたノズルチップの楕円形状吐出口(長径4.8mm、短径3.3mmの楕円形状)、吐出口からテーパ部のテーパ角θ=50°、ノズルケース及び第1のケーシングの途中部まで延びる内径11mmφ及び長さ75mmの円筒状流路(径大部)、この円筒状流路(径大部)の上流端からテーパ角7.5°で延びる傾斜部傾斜流路(長さ36mm)、この傾斜流路の上流端から内径16mmφで延び、且つ整流部材(羽根の軸方向の長さ16mm、軸部から放射状に延出た羽根の数8枚)が装着された円筒状流路、第2のケーシングの上流側端部に形成された12個のスリット(スリット長32mm)を有している。
【0082】
この主スプレーユニットを用いて、スプレーの噴出圧(吐出圧)15MPa及び吐出流量116リットル/分に設定し、噴射距離300mm、鉛壊食時間20秒の条件で鉛壊食特性を評価した。この主スプレーユニットから噴射されるフラットパターンの噴射角度(幅方向の拡がり角度)θ1は、吐出口近傍で36°であった。
【0083】
実施例10〜15
図1に示すデスケーリングノズルを用いて、主スプレーユニットからの主水流を、補助スプレーユニットの被覆水流でサンドイッチするように噴射させて、比較例2と同様の実験を行った。
【0084】
なお、補助スプレーユニットは、スリット状補助吐出口(幅11mm×厚み1.2mmのスリット状)が主スプレーユニットの主吐出口よりL=15mm前方(図7のL=15mm)に位置し、この補助スプレーユニットから噴射されるフラットパターンの噴射角度(幅方向の拡がり角度)θ2は、吐出口近傍で40°であった。また、主水流に対する補助スプレーユニットの吐出口の傾斜角度6.5°の場合について、2本分の流量を1.17〜6.16リットル/分、圧力0.005〜0.100MPaの間で変化させた。主スプレーユニットの吐出口から前方約70mmで噴霧が交叉するように設計したが、主スプレーユニットの噴霧に吸引されて、交差位置は吐出口に近づいた。
【0085】
結果を表2に示す。なお、鉛壊食量は、比較例2の壊食量を1としたときの相対値で表した。
【0086】
【表2】

【0087】
表2の結果から、実施例のデスケーリングノズルでは、壊食能が向上している。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は種々の鋼板表面のデスケーリング(熱間圧延工程での鋼板表面のデスケーリング)に利用でき、鋼板の種類は特に制限されない。例えば、鋼板はSi含有量の多い高Si鋼板であってもよいが、Si含有量の少ない低Si鋼(例えば、Si含有量が0.5重量%以下(0.2〜0.5重量%程度)の普通鋼など)のデスケーリングに有効に利用できる。
【符号の説明】
【0089】
1,51…主スプレーユニット
2…円筒状ケーシング
4…整流ユニット
11…ノズルケース
12…ノズルチップ
14…湾曲溝
15…主吐出口
16…テーパ部(又は円錐状傾斜壁)
17…ブシュ(又は環状側壁)
18…径大部
30…補助スプレーユニット
31…傾斜凹部(断面逆台形状の切欠き溝)
32…断面コ字状の切欠き溝
33…略長方形状開口部
34…装着凹部(円筒状凹部)
35…ブロック部
36…流入口
37…スリット状補助吐出口
40,51a…主水流
41,53a,53′a…被覆水流
52…ヘッダ
53,53′…広角スプレーノズル
54,54′…補助ヘッダ
55…鋼板
P1…円筒状流路
P2…傾斜流路
P3…円筒状流路
P4…円筒状流路
P5…円錐状流路
P6…円筒状流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットパターンの主水流を吐出可能な主吐出口と、主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から被覆水流を吐出可能であり、主水流を被覆水流で被覆して噴射するための補助吐出口とを備えたデスケーリングノズル装置。
【請求項2】
補助吐出口が、主水流の厚み方向の両側から第1の被覆水流及び第2の被覆水流を吐出可能であり、主水流を第1及び第2の被覆水流でサンドイッチ状に被覆して噴射する請求項1記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項3】
被覆水流が水膜状の水流である請求項1又は2記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項4】
被覆水流がフラットパターンの水流である請求項1〜3のいずれかに記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項5】
主水流と被覆水流との合流点において、被覆水流の幅が、主水流の幅と略同じであるか、又は主水流の幅よりも大きい請求項1〜4のいずれかに記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項6】
主水流及び被覆水流のフラットパターンが噴射方向に進むにつれて幅方向に拡がるパターン形状であり、被覆水流の噴射角度が、主水流の前記角度と略同じであるか、又は前記角度よりも大きい請求項4又は5記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項7】
被覆水流の噴射流量が、主水流の噴射流量に対して0.2〜10%である請求項1〜6のいずれかに記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項8】
主水流の噴射圧力と、被覆水流の噴射圧力との比が、前者/後者=5000/1〜50/1である請求項1〜7のいずれかに記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項9】
被覆水流が、主水流の吐出方向に向かって、1〜30°の傾斜角度で主水流に合流する請求項1〜8のいずれかに記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項10】
主吐出口が主スプレーユニットに形成され、スリット状補助吐出口が前記主スプレーユニットに装着可能な補助スプレーユニットに形成されている請求項1〜9のいずれかに記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項11】
主スプレーユニットが、先端部に形成された凹面又は凹部で開口した楕円形状の主吐出口と、この主吐出口から所定のテーパ角θで上流方向に延びる円錐状流路とを備えており、前記凹面又は凹部が、先端部から上流方向にいくにつれて半径方向の内方へ傾斜した傾斜側壁を備えているとともに、
補助スプレーユニットが、楕円形状の主吐出口の短軸方向の両側に、長軸が楕円形状の主吐出口の長軸と平行に形成されたスリット状補助吐出口と、このスリット状補助吐出口から上流方向に延びる流路を備えている請求項1〜10のいずれかに記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項12】
主吐出口が主スプレーユニットに形成され、補助吐出口が前記主スプレーユニットと独立して配設される補助スプレーユニットに形成されている請求項1〜9のいずれかに記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項13】
並列に配設された複数の主スプレーユニットと、複数の主スプレーユニット毎に対応した複数の補助スプレーユニットとを含む請求項12記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項14】
補助吐出口が長尺のスリット状補助吐出口であり、前記補助吐出口が、並列した複数の主スプレーユニットから噴射される複数の主水流の吐出方向に向かって1〜30°の角度で水膜状被覆水流を噴射して、前記複数の主水流を連続した1個の水膜状被覆水流で被覆可能である請求項12記載のデスケーリングノズル装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずかに記載のデスケーリングノズル装置を用いて、主吐出口からフラットパターンの主水流を吐出するとともに、主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から主水流を被覆して噴射するように、補助吐出口から被覆水流を吐出するデスケーリング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−131275(P2011−131275A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260122(P2010−260122)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000142023)株式会社共立合金製作所 (24)
【Fターム(参考)】