説明

デトックス効果を有するグミ状食品

【課題】 手軽且つ継続的に摂取が可能であると共に、従来のドングリ粉製品であるムクよりも、高いデトックス効果が期待でき、美容効果を求める広い需要者層に受け入れられるグミ状食品を提供する。
【解決手段】 ドングリ粉に含まれる多糖類をゲル化することにより所定の弾性を備え、一口大に形成されたグミ状食品であって、上記グミ状食品には、体内毒素の排出機能を有する、植物体抽出物が含有された構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グミ状食品であって、特にドングリ粉に含有される多糖類をゲル化することによって生じる粘り成分によって、所定の弾性を備えたグミ状食品に関する。
【背景技術】
【0002】
健康志向が高まっている現代社会にあっては、単なる栄養補給目的のみならず、様々な機能を有する、所謂機能性食品が多く流通している。
特に近年は、体内に蓄積された様々な毒素を対外に排出する機能(所謂デトックス(detox)機能)を有する食品が注目されている。
デトックス効果には、重金属類の排出機能のように、具体的な有害物に直接効果があるものから、便通、若しくは排尿を即すことによって、間接的に有害物を排出させるものまで幅広く存在している。
【0003】
従来より、韓国等において食されていた、ドトリと称されるドングリ粉を、水に溶いて熱した後に、冷やし固めて成形された、ムクと称されるこんにゃく状に加工された食品がある。
ドングリは、カシ、クヌギ、ナラなどの果実の俗称であり、一般的に流通しているブナ科の果実である栗とは、区別されている。
我が国においては、九州の一部の地域等で現在も、上記ムクと同様の加工食品として食されているが、多くの種類は果実に多量のタンニンを含有していることから食用とするためには、繰り返しアク抜き作業が必要となるため、一般家庭で広く食されるには至っていない。
【0004】
ドングリ粉には、従来よりデトックス効果があるといわれており、特に含有成分の一つであるアコニック酸(aconitic acid)が重金属排出効果を有するといわれている。
このため、韓国においても、単なる郷土食として考えられていたムクについても、健康食品として近年注目されるようになっている
【0005】
しかしながら、上記の通り、我が国においては、ドトリ及びそれを加工したムクについても、馴染み深い食材ではない。
また、ムクは、必要量を切り分け、酢、醤油等の調味料によって味をつけてから食するが、ムク自体は無味である。
一般的に、サラダや惣菜等に用いられるが、切り分け作業や味付け等が必要であるため面倒であり、また、惣菜として毎日摂取することは難しかった。
【0006】
また、デトックス効果を有する他の食材としては、柿の葉茶、ドクダミ、オタネニンジン(朝鮮人参)、等が知られているが、何れも直接食するのではなく、煎じて成分を抽出し、飲料として採ることが多く、抽出作業が面倒であり、単独では苦味や臭みが強い為、飲み難く、手軽に摂取し難いという不具合を有していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決する課題は、手軽且つ継続的に摂取が可能であると共に、従来のドングリ粉製品であるムクよりも、高いデトックス効果が期待でき、美容効果を求める需要者を始め広い需要者層に対して受け入れられるグミ状食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明に係るグミ状食品は、ドングリ粉に含まれる多糖類をゲル化することにより所定の弾性を備え、一口大に形成されたグミ状食品であって、上記グミ状食品には、体内毒素の排出機能を有する、植物体抽出物が含有されていることを特徴とする。
【0009】
グミは独語のGummi(ゴム)の意から付けられた俗称であり、弾性を有し歯ごたえのある菓子として知られている。
一般的に菓子として流通しているグミは、果汁、糖類等が添加されており、独特の弾性は、ゼラチンによって加えられ、含有水分量の違いによって任意の硬さに調整することができる。
通常は、小学生の児童程度の年齢の子供でも一口で食べられる大きさに加工され、ソフトキャンディーの別称で、菓子として広く親しまれている。
本発明に係るグミ状食品は、ドングリ粉が含有する多糖類にゲル化剤を添加して攪拌することによって粘性が高まることから、ゼラチンを用いない場合であっても所定の弾性を確保することができる。
また、一口大に形成されていることから、経口し易く、摂取タイミングと場所を選ばない。
更に、ドングリ粉及び、体内毒素を排出する機能を有する植物抽出物を含有することから、菓子である一般的なグミには無い、高いデトックス効果が得られる。
【0010】
また、請求項2の発明に係るグミ状食品は、上記植物体抽出物は、柿の葉抽出エキスを含むことを特徴とする。
【0011】
柿の葉は、古来より我が国で柿の葉茶として広く飲用されており、レモンの20倍、ほうれん草の10倍含有するといわれる豊富なビタミンCによる美白作用、血圧効果作用の他、利尿作用によって毒素排出機能も得られることが知られている。
また、柿の葉茶に含まれているビタミンCは熱に強く、茶として飲用した場合にも破壊されないため、ビタミンCの作用効果が失われ難いという特性を有している。
これは、柿の葉茶に含有されるビタミンCが、L−アスコルビン酸そのものではなく、ビタミンCの前駆体である、所謂プロビタミンCであるためと考えられているが、具体的物質名は特定されていない。
本発明にあっては、植物抽出物として、柿の葉茶抽出エキスを適用することによって、従来のドングリ粉製品のデトックス効果が相乗的に向上すると共に、デトックス効果以外に、柿の葉が有している効能を得ることができる。
【0012】
また、請求項3の発明に係るグミ状食品は、上記植物体抽出物は、オタネニンジン抽出エキスを含むことを特徴とする。
【0013】
オタネニンジンとは、一般的に朝鮮人参、若しくは高麗人参と称されている。
古くから、滋養強壮作用、血圧調整作用、及び脂肪の吸収抑制作用等が知られている。
本発明にあっては、植物抽出物として、オタネニンジン抽出エキスを適用することによって、従来のドングリ粉製品のデトックス効果が相乗的に向上すると共に、デトックス効果以外にオタネニンジンが有している効能を得ることができる。
【0014】
また、請求項4の発明に係るグミ状食品は、上記植物体抽出物は、ドクダミ抽出エキスを含むことを特徴とする。
【0015】
ドクダミは、ドクダミ科の多年草であり、日本各地に広く分布している。
花穂、茎、葉全てに薬効成分が含まれて、生の状態の場合悪臭を発するが、加熱及び乾燥により臭いは軽減される。
従来より、解毒剤の漢方薬材料として知られ、特に消炎、利尿剤としても用いられている。
本発明にあっては、植物抽出物として、ドクダミ抽出エキスを適用することによって、従来のドングリ粉製品のデトックス効果が相乗的に向上すると共に、デトックス効果以外にドクダミが有している効能を得ることができる。
【0016】
また、請求項5に記載した発明に係るグミ状食品は、フラクトオリゴ糖を含有することを特徴とする。
【0017】
オリゴ糖とは、単糖類が複数結合した組成を有しており、分子量300〜3000程度の比較的分子量が小さな物質である。
フラクトオリゴ糖は、オリゴ糖のうち、二糖類であるショ糖(スクロース)に、単糖類である果糖(フルクトース)が結合した構造を有している。
原料が一般的な調味料である砂糖(ショ糖)であることから、砂糖に近い甘み成分を有する一方、難消化性であり、酸化による虫歯の誘発、及び栄養過多となる可能性が少ない。
更に、善玉菌といわれるビフィズス菌の栄養源となり得ることから、整腸作用に優れている。
本発明にあっては、植物抽出物の他に、フラクトオリゴ糖を含有することによって、デトックス作用の他に、整腸作用を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明にあっては、ドングリ粉に含まれる多糖類をゲル化することにより所定の弾性を備え、一口大に形成されたグミ状食品であって、上記グミ状食品には、体内毒素の排出機能を有する、植物体抽出物が含有されていることから、食べ易く、手軽且つ継続的に摂取が可能であると共に、従来のドングリ粉製品であるムクよりも、高いデトックス効果が期待でき、美容効果を求める需要者を始め広い需要者層に対して受け入れられるグミ状食品を提供することができる。
【0019】
また、請求項2から請求項4の発明にあっては、植物体抽出物として、夫々、柿の葉抽出エキス、オタネニンジン抽出エキス、ドクダミ抽出エキスを含有していることから、ドングリ粉が備えているデトックス効果に加え、血圧効果作用、利尿作用、脂肪吸収抑制等の各抽出エキス固有の効能が得られる。
また、これらの植物体抽出物を組み合わせて含有させることも可能であり、購入の要望に合わせて、最適な効能を有するグミ状食品を提供することができる。
【0020】
また、請求項5の発明にあっては、グミ状食品にフラクトオリゴ糖を含有することから、デトックス効果に加え、整腸作用も得ることができる。
また、甘み成分によってより食べ易くなり、より継続的に摂取し易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を実施するための形態について、植物体抽出物が柿の葉抽出エキスである場合を例として説明する。
本実施例に係るグミ状食品は、ドングリ粉に含まれる多糖類の粘り成分により所定の弾性を備え、一口大に形成され、体内毒素の排出機能を有する、植物体抽出物として、柿の葉抽出エキスを含有している。
【実施例1】
【0022】
本実施例におけるグミ状食品の原料である、ドングリ粉に含有されている多糖類は、グルコース等の単糖類がグルコシド結合によって多数重合して生成された高分子体であり、結晶物を一般的にはデンプンと称し、水及びゲル化剤である乳酸カルシウムを混合して攪拌することによってゲル化する。
【0023】
なお、本実施例に係るグミ状食品の弾性は、ゲル化したデンプンの粘質を利用している。
グミ状食品の硬さは、攪拌後の水分蒸発量の調整、若しくは従来と同様にゼラチンを添加方法、及びペクチン、寒天等の凝固材を用いて調整することもできる。
【0024】
また、柿の葉抽出エキスの抽出方法は、特に限定する必要は無い。
例えば、煮沸した熱湯中に一定時間浸して煮出す方法、柿の葉を乾燥させずにすり潰して絞った抽出液を用いる方法、及び乾燥した柿の葉を粉砕して粉末化し、水溶液としたものを用いる方法等を選択することができる。
【0025】
グミ状食品の形状は、一口で食べることができる程度の大きさであれば特に限定する必要は無く、また必要に応じて香料を添加することもできる。
【0026】
本実施例に係るグミ状食品は、一口大で食べ易いことから、時と場所を選ばず、摂取することができるため、継続した摂取が容易となる。
また、デトックス効果の他、添加する植物体抽出物の種類に応じた効能を得ることができる。
更に、香料等を調整することによって、植物体抽出物に苦味等がある場合でも、抵抗無く食することができるため、子供や女性等、使用層を問わず摂取することができる。
【実施例2】
【0027】
植物体抽出物としてオタネニンジン抽出エキス、若しくはドクダミ抽出エキスを用いる場合であっても、抽出方法は柿の葉抽出エキスと同様の方法を選択することができる。
また、植物体抽出物は、体内毒素の排出機能を有するものであれば、柿の葉、オタネニンジン、ドクダミに限られることは無い。
【実施例3】
【0028】
植物体抽出物の他に添加するフラクオリゴ糖は、天然由来、ショ糖をグルコシド結合させて形成した合成物であるかを問わずに使用することができる。
フラクオリゴ糖を添加することによって整腸作用等の他、ショ糖由来の甘味によって、グミ状食品の甘味付け調味料としても機能する。
従って、植物体抽出物の苦味等を中和し、より摂取し易くなる。
【0029】
なお、上記の各植物の他、キダチアロエ、ハトムギ、エビスクサ(ハブ茶)抽出物を利用することも可能である。
夫々以下の作用を有している。
(1)キダチアロエ
アフリカ原産のユリ科の多肉植物であり、葉及び葉の内部のベラ部分が用いられる。
抗菌作用の他、細菌による毒素の中和作用を有している。
(2)ハトムギ
稲科の植物であり、原産は中国から東南アジアにかけてである。
利尿作用を有し、間接的にデトックス作用を有している。
(3)エビスクサ
現在はハブ茶の原料として用いられている。
排尿障害及び便秘等の改善により間接的にデトックス作用を有している。
上記各実施例に用いられた植物の他にも、デトックス作用を有する植物体抽出物であれば適宜選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、グミ状食品であって、特にドングリ粉に含有される多糖類をゲル化することによって生じる粘り成分によって、所定の弾性を備えたグミ状食品に適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドングリ粉に含まれる多糖類をゲル化することにより所定の弾性を備え、一口大に形成されたグミ状食品であって、
上記グミ状食品には、体内毒素の排出機能を有する植物体抽出物が含有されていることを特徴とするグミ状食品。
【請求項2】
上記植物体抽出物は、柿の葉抽出エキスを含むことを特徴とする請求項1に記載のグミ状食品。
【請求項3】
上記植物体抽出物は、オタネニンジン抽出エキスを含むことを特徴とする請求項1に記載のグミ状食品。
【請求項4】
上記植物体抽出物は、ドクダミ抽出エキスを含むことを特徴とする請求項1に記載のグミ状食品。
【請求項5】
フラクトオリゴ糖を含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のグミ状食品。

【公開番号】特開2012−130280(P2012−130280A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284778(P2010−284778)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(510336392)
【Fターム(参考)】