説明

デバイス、及びプログラム

【課題】キャンセルボタンが押された場合に、設定値フィールドに入力されている内容を、以前入力されていた内容に戻すこと。
【解決手段】本実施形態のプリンタ30は、設定画面においてキャンセルボタンが選択された場合に、PC10に既に供給されている設定画面データD1を用いて、変更値V2に代えて設定値V1が設定欄に表示された設定画面を、PC10に表示させる。また、エラー画面においてキャンセルボタンが選択された場合に、CPU32にて変更値V2が不適切な値であると判断された後に、プリンタ30からPC10に再供給される設定画面データD1を用いて、変更値V2に代えて設定値V1が設定欄に表示された設定画面を、PC10に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスの各種設定項目を端末装置側から変更するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、端末装置と直接、あるいはネットワーク等を介して接続されるデバイスが普及している。このようなデバイスでは、デバイスの各種設定項目を端末装置側から変更する際に、デバイス内の設定画面データを端末装置に供給する技術が用いられている(例えば、特許文献1)。設定画面データを供給された端末装置では、設定項目の内容を入力可能な設定値フィールド、設定値フィールドに入力されている内容をデバイスに送信するための送信ボタン、設定値フィールドに入力されている内容をキャンセルするキャンセルボタン、を備える画面を表示し、ユーザに入力等の作業を促す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−216262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した先行技術文献におけるキャンセルとは具体的にどの様な処理を表しているのか不明であった。また、キャンセルボタンが押された場合に、設定値フィールドに以前入力されていた内容に元に戻したいという要望があった。
【0005】
本明細書では、キャンセルボタンが押された場合に、設定値フィールドに入力されている内容を、以前入力されていた内容に戻す技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示されるデバイスは、端末装置と接続されるデバイスであって、前記デバイスの設定項目に現在設定されている第1の値を変更可能に表示する第1設定値フィールドと、当該第1設定値フィールド内に新たに表示されている第2の値を前記設定項目に設定するための設定ボタンと、前記第1設定値フィールド内の前記第2の値を前記第1の値に戻すための第1キャンセルボタンと、を含む設定画面を表す設定画面データを前記端末装置に供給する供給部と、前記設定画面にて前記設定ボタンが選択され前記第2の値が不適切な値であると判断される場合にエラー画面データを供給するための、供給指示を受け付ける受付部と、を備え、前記供給部は、さらに、前記受付部によって前記供給指示を受け付けた場合、前記第2の値を表示する第2設定値フィールドと、前記第1設定値フィールド内の第2の値を前記第1の値に戻すための第2キャンセルボタンと、を含むエラー画面を表す前記エラー画面データを前記端末装置に供給し、前記設定画面内の前記第1キャンセルボタンは、当該第1キャンセルボタンが選択された場合に、前記端末装置に既に供給されている前記設定画面データを用いて、前記第2の値に代えて前記第1の値が前記第1設定値フィールド内に表示された前記設定画面を、前記端末装置に再度表示させるためのボタンであり、前記エラー画面内の前記第2キャンセルボタンは、当該第2キャンセルボタンが選択された場合に、前記設定画面にて前記設定ボタンが選択され、前記第2の値が不適切な値であると判断された後に、前記デバイスから前記端末装置に再供給される前記設定画面データを用いて、前記第2の値に代えて前記第1の値が前記第1設定値フィールドに表示された前記設定画面を、前記端末装置に表示させるためのボタンである。
【0007】
また、上記デバイスは、前記第2キャンセルボタンが、当該第2キャンセルボタンが選択された場合に、前記デバイスに前記設定画面データを再供給させるための再供給指示を前記デバイスに送信する送信処理を、前記端末装置に実行させるためのボタンであり、前記供給部は、前記端末装置から前記再供給指示を受けた場合に、前記設定画面データを前記端末装置に再供給してもよい。
【0008】
また、上記デバイスは、前記供給部が、前記エラー画面データを前記端末装置に供給する際に、第2キャンセルボタンが選択されるか否かに関わらず前記設定画面データを前記端末装置に再供給してもよい。
【0009】
また、上記デバイスは、前記第1設定値フィールドと前記第2設定値フィールドとが、共通した設定項目を表示する設定値フィールドであってもよい。
【0010】
また、上記デバイスは、前記第1設定フィールドと前記第2設定フィールドとが、複数の設定項目を表示しており、前記供給部は、前記受付部によって、前記複数の設定項目のうち少なくとも1つの前記第2の値が不適切な値であると判断された後に、前記供給指示を受け付けた場合に、前記エラー画面データを前記端末装置に供給し、前記供給部は、前記第2の値が適切な値であると判断された前記第2設定フィールドと、前記第2の値が不適切な値であると判断された前記第2設定フィールドと、が識別可能に構成された前記エラー画面データを前記端末装置に供給してもよい。
【0011】
また、上記デバイスは、通信回線を通して前記端末装置に接続されているとともに、前記デバイスが供給する設定画面データ及びエラー画面データが、URLを表す文字列に関連付けられており、前記設定画面データを表すURLは、前記エラー画面データを表すURLと同一であってもよい。
【0012】
なお、本明細書によって開示される技術は、デバイスの制御方法、またはデバイスの機能を実現するためのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1キャンセルボタンが押された場合、設定ボタンが未だ選択されておらず、端末装置では供給された設定画面データが変更されることなく記憶されている。この場合に、端末装置に既に供給されている設定画面データを用いて第1の値を復元することで、第1の値を復元することができる。また、第2キャンセルボタンが押された場合、設定ボタンが既に選択されており、端末装置では供給された設定画面データが変更されている可能性がある。この場合に、端末装置に再供給される供給設定画面データを用いて第1の値を復元することで、第1の値を復元することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1に係るシステムの構成を示すブロック図
【図2】設定画面G1を概略的に示す図
【図3】エラー画面G2を概略的に示す図
【図4】実施形態1に係るPC10における処理を示すフローチャート
【図5】実施形態1に係るプリンタ30における処理を示すフローチャート
【図6】実施形態1に係るレスポンスデータ作成処理を示すフローチャート
【図7】実施形態1の設定項目42の変更におけるデータ伝達の時系列を示す図
【図8】実施形態2に係るPC10における処理を示すフローチャート
【図9】実施形態2に係るレスポンスデータ作成処理を示すフローチャート
【図10】実施形態2の設定項目42の変更におけるデータ伝達の時系列を示す図
【図11】実施形態3に係るシステムの構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
実施形態1を、図1ないし図7を用いて説明する。
【0016】
1.システムの構成
図1は、本実施形態のシステムの構成例を示すブロック図である。本システムは、パーソナルコンピュータ(端末装置の一例、以下「PC」という)10と、プリンタ(デバイスの一例)30とを含む。
【0017】
PC10は、中央処理装置(以下「CPU」という)12、メモリ(ROM、RAM、ハードディスクを含む)14、キーボードやポインティングデバイスを有する操作部16、ディスプレイを有する表示部18、ネットワークインターフェイス20等を備えている。
【0018】
メモリ14には、複数のプログラムP1が記憶されており、CPU12はメモリ14から読み出したプログラムP1に従って、PC10を制御するとともに、プリンタ30との通信を制御する。
【0019】
ネットワークインターフェイス20は、例えばLAN(Local Area Network)によるイントラネット内の通信回線22に接続されている。この通信回線22には、プリンタ30が接続されており、PC10は、ネットワークインターフェイス20を介してプリンタ30とデータ通信を行うことができる。尚、PC10とプリンタ30とは、LANによる通信回線22にて接続されるだけでなく、例えば、専用配線を用いて直接接続されていても良ければ、無線通信を用いて接続されていてもよい。
【0020】
次に、プリンタ30について説明する。プリンタ30は、CPU32、メモリ34、ネットワークインターフェイス36等を備えている。
【0021】
メモリ34には、複数のプログラムP2が記憶されており、CPU32はメモリ34から読み出したプログラムP2に従って、プリンタ30を制御するとともに、PC10との通信を制御する。ネットワークインターフェイス36は、PC10が接続されている通信回線22と同一の通信回線に接続されており、PC10とデータ通信を行うことができる。
【0022】
図1に示すように、メモリ34には、基準範囲Rを示す基準範囲データDrが記憶されている。後述するように、CPU32は、ネットワークインターフェイス36を介してPC10から変更値V2を受け取った場合に、判断部32Aとして機能し、この変更値V2が基準範囲Rに含まれるか否かを判断する。CPU32は、変更値V2が基準範囲Rに含まれている場合に、その変更値V2が適切な値であると判断し、変更値V2が基準範囲Rに含まれていない場合に、その変更値V2が不適切な値であると判断する。
【0023】
また、メモリ34には、PC10の表示部18に設定画面G1を表すための設定画面データD1、及びPC10の表示部18にエラー画面G2を表すためのエラー画面データD2が記憶されている。CPU32は、PC10からの指示があった場合に、供給部32Bとして機能し、ネットワークインターフェイス36を介してこれらの画面データDをPC10に供給する。PC10のメモリ14には、例えばプログラムP1として画面データDに対応するウェブブラウザがインストールされている。PC10のCPU12は、これらの画面データDが供給された場合に、メモリ14にこれらの画面データDを記憶するとともに、ウェブブラウザに従って、PC10の表示部18にこれらの画面を表示する。
【0024】
(設定画面G1)
図2に示すように、設定画面G1とは、通信設定や印刷設定など、ユーザがプリンタ30に係る各種設定項目を設定するための画面である。図2には、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)やIP Adressなど、プリンタ30の通信に係る設定項目を設定するための設定画面を例示する。設定画面G1は、複数の設定項目42A〜42E、複数の設定欄44A〜44E、設定ボタン46、キャンセルボタン48、及びヘルプボタン50を含む。
【0025】
設定項目42と設定欄44は、お互いに対応付けられており、設定欄44は、対応する設定項目42の設定値(第1の値に相当)V1を変更値(第2の値に相当)V2に変更可能に表示する。ここで、設定値V1とは、現在プリンタ30に設定されている各設定項目42の数値等であり、変更値V2とは、設定値V1に代えて、ユーザによって各設定項目42に新たに入力・表示された数値等である。
【0026】
設定ボタン46は、設定欄44に表示されている変更値V2をプリンタ30に設定するためのボタンである。キャンセルボタン48は、設定欄44の変更値V2を設定値V1に戻すためのボタンである。ヘルプボタン50は、各設定項目42に応じたヘルプ情報を表示するためのボタンである。尚、ヘルプボタン50はなくてもよい。
【0027】
(エラー画面G2)
図3に示すように、エラー画面G2とは、設定画面G1において設定ボタン46が押された場合であって、少なくとも1つの変更値V2が不適切な値である(以下、「エラー状態」と呼ぶ)と判断された場合に、PC10またはプリンタ30がユーザにエラー状態を知らせるための画面である。
【0028】
エラー画面G2は、設定画面G1におけるエラー状態を知らせるため、当該設定画面G1に対応している。そのため、図3のエラー画面G2は、対応する図2の設定画面G1と同一の設定項目52及び複数の設定欄54を有しており、設定ボタン56、キャンセルボタン58、及びヘルプボタン60を含む。また、エラー画面G2は、エラー状態であることを示す警告表示62を含む。
【0029】
エラー画面G2の設定欄54は、当該エラー画面G2を表示する際に表示されていた設定画面G1の設定欄44と、同一の設定値V1または変更値V1を変更可能に表示する。そのため、エラー画面G2の設定欄54には、不適切な変更値V2が表示された設定欄54(図3では、設定欄54B)が含まれる。エラー画面G2では、不適切な変更値V2を表示する設定欄54に対応する設定項目52(図3では、設定項目52B)と、他の設定項目52(設定値V1を表示する設定欄54、及び適切な変更値V2を表示する設定欄54に対応する設定項目52)が、色及び書体において異なる様式で表示される。尚、各ボタン等の機能は、設定画面G1と同一であり、重複した説明を省略する。
【0030】
2.設定処理
図4ないし図7を用いて、各画面Gにおいてユーザが設定ボタン46、56及びキャンセルボタン48、58を選択した場合に、PC10及びプリンタ30で実行される処理を説明する。図4ないし図6は、PC10及びプリンタ30で実行される処理のフローチャートを示し、図7は、上記処理における指示やデータ等の伝達の様子を示している。
【0031】
(PCにおける処理)
まず、ウェブブラウザに従って動作するPC10のCPU12の処理について説明する。
【0032】
図4に示すように、CPU12は、一定期間毎に操作部16を介してユーザから設定画面G1の表示指示が入力されるのを待機しており(S2)、入力が無い場合(S2:NO)には処理を終了する。一方、一定期間内にユーザから入力指示が入力された場合(S2:YES 図7:Y1)に、CPU12はプリンタ30にリクエスト信号を送信する(S4 図7:Y3)。CPU12は、リクエスト信号の送信に基づいて、プリンタ30から設定画面データD1を受け取る(S6 図7:Y7)と、その設定画面データD1をメモリ14に記憶するとともに、表示部18に設定画面G1を表示する(S8 図7:Y9)。
【0033】
プリンタ30には、現在プリンタ30で設定されている設定値V1を含んだ設定画面データD1が記憶されており、設定画面データD1を受け取ったCPU12は、まず設定値V1が設定欄44に表示された設定画面G1を表示部18に表示する。
【0034】
設定画面G1を表示した後、CPU12はユーザから設定画面G1に対して各種指示が入力されるのを待機する。CPU12は、ユーザによって設定欄44の設定値V1を変更値V2に変更する、あるいは変更値V2をさらに異なる変更値V2に変更する等の変更指示が入力された場合(図7:Y11)、その指示に従って設定欄44の表示を変更する。尚、CPU12は、上記の変更指示が入力された場合でも、メモリ14に記憶されている設定画面データD1を書き換えない。
【0035】
CPU12は、ユーザによってヘルプボタン50が選択された場合(図7:Y11)、各設定項目42に応じたヘルプ情報を表示する。
【0036】
CPU12は、設定画面G1において、キャンセルボタン48が選択された場合(S10:NO、S12:YES 図7:Y13)、設定欄44に表示された変更値V2を設定値V1に復元する復元処理を実行する(S14)。メモリ14には、設定値V1を含んだ設定画面データD1が記憶されている。CPU12は、復元処理(S14)において、メモリ14に記憶された設定画面データD1を用いて、設定欄44に表示された変更値V2を設定値V1に復元し、復元した設定画面G1を表示部18に表示する(S8 図7:Y15)。
【0037】
CPU12は、設定画面G1において、設定ボタン46が選択された場合(S10:YES 図7:Y17)、変更値V2に基づいてpost信号(供給指示)を生成する(S16)。CPU12は、表示部18に表示されている設定画面G1の変更値V2と、その変更値V2が入力されている設定欄44に対応する設定項目42と、を関連させた内容を含むpost信号をプリンタ30に送信する(S18 図7:Y19)。
【0038】
CPU12は、post信号の送信に基づいて、エラー画面データD2を受け取らなかった場合(S20:NO)、書き換えた設定画面データD1がプリンタ30において設定されたと判断し、処理を終了する。
【0039】
一方、CPU12は、post信号の送信に基づいて、エラー画面データD2を受け取った場合(S20:YES 図7:Y27)、メモリ14にエラー画面データD2を記憶するとともに、表示部18にエラー画面G2を表示する(S22 図7:Y29)。
【0040】
エラー画面G2を表示した後、CPU12はユーザからエラー画面G2に対して各種指示が入力されるのを待機する。CPU12は、ユーザによって設定欄54の変更指示が入力された場合、その指示に従って設定欄44の表示を変更する。尚、CPU12は、上記の変更指示が入力された場合でも、メモリ14に記憶されている設定画面データD1を書き換えない。
【0041】
CPU12は、ユーザによってヘルプボタン60が選択された場合、各設定項目52に応じたヘルプ情報を表示する。
【0042】
CPU12は、エラー画面G2において、キャンセルボタン58が選択された場合(S24:NO、S26:YES 図7:Y31)、プリンタ30に設定画面データD1の再供給を要求するためのリクエスト信号(再供給指示)を送信する(S28 図7:Y33)。
【0043】
CPU12は、再供給指示の送信に基づいて、プリンタ30から設定画面データD1を再び受け取る(S30 図7:Y37)と、その設定画面データD1をメモリ14に記憶されている設定画面データD1に上書きして記憶するとともに、上書きした設定画面データD1を用いて復元処理(S32)を実行し、復元した設定画面G1を表示部18に表示する(S8 図7:Y39)。なお、復元処理(S32)における処理は、上述した復元処理(S14)における処理と同一であり、重複した説明を省略する。
【0044】
CPU12は、設定画面G1において、設定ボタン56が選択された場合(S24:YES)、S16に戻り、上述した処理を繰り返す。またCPU12は、設定画面G1において、ユーザから処理中断の指示が入力された場合に(S10:NO、S12:NO)、またエラー画面G2において、ユーザから処理中断の指示が入力された場合に(S24:NO、S26:NO)、処理を終了する。
【0045】
(プリンタにおける処理)
次に、プログラムP2に従って動作するプリンタ30のCPU32の処理について説明する。
【0046】
図5に示すように、CPU32は、一定期間毎にPC10からリクエスト信号/post信号が入力されるのを待機しており(S42)、入力が無い場合(S42:NO)には処理を終了する。一方、一定期間内にPC10からリクエスト信号/post信号が入力された場合(S42:YES 図7:Y3、Y9、Y33)に、CPU32はリクエスト信号/post信号を受信(S44)し、受信した信号がいずれの信号であるかを確認する(S46)。尚、post信号を受信する際に、ネットワークインターフェイス36は受付部として機能する。
【0047】
CPU32は、受信した信号がリクエスト信号である場合(S46:NO)に、PC10へのレスポンスデータを作成するレスポンスデータ作成処理(S54 図7:Y5、Y35)へと移行する。またCPUは、受信した信号がpost信号である場合(S46:YES)に、post信号に含まれる設定画面データD1に対してエラー判断処理(S48 図7:Y21)を実行する。
【0048】
エラー判断処理において、CPU32は、post信号に含まれる設定項目44に関連する変更値V2が適切な値であるか否かを判断する。CPU32は、上記変更値V2の全てが適切な値である場合に、エラーが無いと判断する(S48:NO)。この場合、CPU32は、メモリ34に記憶されている(つまり、プリンタ30に現在設定されている)設定値V1をpost信号に含まれる変更値V2に書き換える(S50)。CPU32はその後、レスポンスデータ作成処理(S54 図7:Y25)へと移行する。
【0049】
CPU32は、CPU32は、上記変更値V2の少なくとも1つが不適切な値である場合に、エラーが有ると判断する(S48:YES)。この場合、メモリ34に記憶されている設定値V1を書き換えることなく、エラー画面データD2を生成する(S52)。CPU32は、上記変更値V2に不適切な値が含まれていた場合に、当該変更値V2が表示された設定欄54に対応する設定項目52の色及び書体を変更したエラー画面データD2を生成する。CPU32は、エラー画面データD2の生成後、レスポンスデータ作成処理(S54 図7:Y25)へと移行する。
【0050】
図6に示すように、レスポンスデータ作成処理では、CPU32は、受信した信号がpost信号であるか否か、及びpost信号であれば、含まれている変更値V2にエラーが有るか否かを確認する(S62)。CPU32は、受信した信号がpost信号であり、含まれている変更値V2にエラーが有る場合(S62:YES)に、メモリ34に記憶されているエラー画面データD2を含むレスポンスデータを作成する(S64)。一方、CPU32は、その他の場合(S62:NO)に、メモリ34に記憶されている設定画面データD1を含むレスポンスデータを作成する(S66)。
【0051】
CPU32は、レスポンスデータを作成した場合に、そのレスポンスデータをPC10に送信し(S56 図7:Y7、Y27、Y37)、処理を終了する。
【0052】
CPU32は、post信号を受信した場合に、レスポンスデータ作成処理に先立って設定画面データD1が書き換えられた場合には、レスポンスデータ作成処理において、書き換えられた設定画面データD1を含むレスポンスデータを作成する。
【0053】
一方、CPU32は、post信号を受信した場合に、レスポンスデータ作成処理に先立って設定画面データD1が書き換えられない場合には、レスポンスデータ作成処理において、post信号を受信した際に作成されメモリ14に記憶されるエラー画面データD2を含むレスポンスデータを作成する。
【0054】
また、メモリ14に記憶されていた設定画面データD1は、エラー判断処理(S48)において、エラーが無いと判断される以外には、書き換えられることがない。そのため、再供給指示(リクエスト信号)を受信した場合にPC10に送信される設定画面データD1は、以前のリクエスト信号を受信した際にPC10に送信した設定画面データD1と等しい。そのため、再供給指示を受信した際にPC10に送信した設定画面データD1は、PC10に以前送信された設定画面データD1が再送信されたこととなる。
【0055】
3.本実施形態の効果
(1)本実施形態のプリンタ30では、設定画面G1においてキャンセルボタン48が選択された場合、設定ボタン46が未だ選択されておらず、PC10では供給された設定画面データD1が書き換えられることなくメモリ14に記憶されている。この場合に、PC10に既に供給されている設定画面データD1を用いて設定値V1を復元することで、迅速に設定値V1を復元することができる。また、エラー画面G2においてキャンセルボタン58が選択された場合、設定ボタン46が既に選択されており、PC10では供給された設定画面データD1が書き換えられている可能性がある。この場合に、PC10に再供給される供給設定画面データD1を用いて設定値V1を復元することで、正確に設定値V1を復元することができる。
【0056】
(2)本実施形態のプリンタ30では、エラー画面G2においてキャンセルボタン58が選択された場合、プリンタ30に対して再供給指示をプリンタ30に送信し、プリンタ30のCPU32は、再供給指示を受けた場合に、供給設定画面データD1をPC10に供給する。このプリンタ30によれば、PC10に供給設定画面データD1の供給が必要なタイミングで、供給設定画面データD1を供給することができる。
【0057】
(3)本実施形態のプリンタ30では、設定画面G1に含まれる設定欄44に対応する設定項目42と、エラー画面G2に含まれる設定欄54に対応する設定項目52とが同一の設定項目である。このプリンタ30によれば、設定画面G1とエラー画面G2とが共通した設定欄に対応する設定項目を含むため、設定画面G1とエラー画面G2とが同等の画面であることをユーザに認識させやすい。
【0058】
(4)本実施形態のプリンタ30では、プリンタ30のCPU32が、ネットワークインターフェイス36を介して、エラー画面データD2をPC10に供給する場合に、変更値V2が適切な値であると判断された設定欄54に対応する設定項目52と、変更値V2が不適切な値であると判断された設定欄54に対応する設定項目52と、色及び書体において異なる様式であり、識別可能に構成されたエラー画面データD2をPC10に供給する。このプリンタ30によれば、エラー画面G2を視認したユーザが、いずれの設定項目52が不適切と判断されたかを容易に認識することができる。
【0059】
<実施形態2>
実施形態2を図8ないし図10を用いて説明する。図8、10に示すように、本実施形態のシステムは、エラー画面G2を表示した後には、キャンセルボタン58が選択された場合でも、設定画面データD1の再供給を要求するための再供給指示を送信しない点で実施形態1のシステムと異なる。以下の説明では、実施形態1と同一の内容については重複した記載を省略する。
【0060】
1.設定処理
(プリンタにおける処理)
図9に示すように、本実施形態のプリンタ30では、レスポンスデータ作成処理において、CPU32は、受信した信号がpost信号であり、含まれている設定項目44に関連する変更値V2にエラーが有る場合(S62:YES)に、メモリ34に記憶されている設定画面データD1とエラー画面データD2を共に含むレスポンスデータを作成する(S68 図10:Y41)。
【0061】
(PCにおける処理)
図8に示すように、本実施形態のPC10では、post信号の送信に基づいて、エラー画面データD2と設定画面データD1を受け取った場合(S20:YES 図10:Y43)、エラー画面データD2をメモリ14に記憶するとともに、設定画面データD1をメモリ14に記憶されている設定画面データD1に上書きして記憶する。CPU12は、メモリ14に記憶されているエラー画面データD2に基づいて表示部18にエラー画面G2を表示する(S22 図10:Y29)。その一方、CPU12は設定画面G1を表示しない。
【0062】
CPU12は、エラー画面G2において、キャンセルボタン58が選択された場合(S24:NO、S26:YES 図10:Y31)、復元処理(S34)を実行する。CPU12は、復元処理S34において、エラー画面データD2と共にメモリ14に記憶された設定画面データD1を用いて、設定欄44に表示された変更値V2を設定値V1に復元(図10:Y45)し、復元した設定画面G1を表示部18に表示する(図10:Y47)。
【0063】
2.本実施形態の効果
(1)本実施形態のプリンタ30では、CPU32が、エラー画面データD2の供給と共に、設定画面データD1をPC10に再供給する。このプリンタ30によれば、PC10に設定画面データD1の再供給が必要となった際に、PC10から再供給設定画面データD1が供給されるのを待機する必要がなく、迅速に設定値V1を復元することができる。
【0064】
<実施形態3>
実施形態3を、図11を用いて説明する。図11に示すように、本実施形態のシステムは、PC10とプリンタ30が、通信回線22及び図示しないルータを介して例えばインターネット等の外部ネットワーク24に接続されており、外部ネットワーク24を介してPC10とプリンタが接続されている点で実施形態1のシステムと異なる。
【0065】
1.システムの構成
PC10のメモリ14には、プログラムP1としてウェブブラウザがインストールされており、プリンタ30のメモリ34は、ウェブサーバのメモリとして機能する。また、プリンタ30のメモリ34には、ダウンロード可能な設定画面データD1がURL(Uniform Resource Locator)に関連付けて格納されている。
【0066】
PC10のCPU12は、ユーザからURLが入力された場合(図2:S2:YES 図7:Y1)に、ウェブブラウザに従って、プリンタ30にリクエスト信号を送信し(図2:S4 図7:Y3)、入力されたURLに関連付けられている設定画面データD1をプリンタ30から受け取る(図2:S6 図7:Y7)。
【0067】
またプリンタ30のメモリ34では、設定画面データD1に対応したエラー画面データD2が設定画面データD1に関連付けられたURLと同一のURLに関連付けられて記憶されている。そのため、PC10では、設定画面G1の設定ボタン46が選択されたことに基づいてエラー画面G2を表示する場合に、プリンタ30から当該設定画面G1に対応した設定画面データD1と同一のURLに関連付けられたエラー画面データD2をプリンタ30から受け取る。本実施形態の処理は、URLを介して行われる他は、実施形態1と同一の処理であり、重複した記載を省略する。
【0068】
2.本実施形態の効果
(1)本実施形態のプリンタ30では、外部ネットワーク24を介してPC10とプリンタが接続されているとともに、メモリ34には設定画面データD1やエラー画面データD2が同一のURLに関連付けられて記憶されている。このプリンタ30によれば、設定画面データD1を表すURLとエラー画面データD2を表すURLとが共通していることによって、設定画面G1とエラー画面G2とが同等の画面であることをユーザに認識させることができる。
【0069】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、端末装置であるPC10に接続されるデバイスとして、プリンタ30を用いて説明を行ったが、本発明の「デバイス」はプリンタ30に限られるものではない。この技術は、例えば、ルータやTV、ファクシミリや複合機等、PC10との間で、設定画面G1を用いた設定項目42の変更が必要なすべてのデバイスに適用可能である。
【0070】
(2)上記実施形態では、変更値V2が適切か否かをプリンタ30のCPU32で判断する例を用いて説明を行ったが、PC10のCPU12で判断を行ってもよい。この場合、判断に先立ってプリンタ30のメモリ34に記憶されている基準範囲データDrをPC10に送信しておくとともに、CPU12で判定した結果をプリンタ30のCPU32に送信する処理が必要となる。
【0071】
(3)上記実施形態では、プリンタ30の通信に係る設定項目を設定するための設定画面G1を用いて説明を行ったが、本発明の「設定項目」は通信に係るものに限られるものではない。この技術は、例えば、プリンタ30であれば、印刷枚数や印刷範囲等の印刷設定等にも適用可能である。
【0072】
(4)上記実施形態では、変更値V2を単に適切な値又は不適切な値として定義したが、具体的には、変更値V2として設定可能な値を適切な値、設定不可能な値を不適切な値と定義する。また、その他にも、プリンタ30に設定は可能であるが正常に動作しない値を不適切な値としてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10:PC、12:CPU、14:メモリ、16:操作部、18:表示部、30:プリンタ、32:CPU、34:メモリ、42:設定項目、44:設定欄、46:設定ボタン、48:キャンセルボタン、52:設定項目、54:設定欄、56:設定ボタン、58:キャンセルボタン、D1:設定画面データ、D2:エラー画面データ、G1:設定画面、G2:エラー画面、R:基準範囲、V1:設定値、V2:変更値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と接続されるデバイスであって、
前記デバイスの設定項目に現在設定されている第1の値を変更可能に表示する第1設定値フィールドと、当該第1設定値フィールド内に新たに表示されている第2の値を前記設定項目に設定するための設定ボタンと、前記第1設定値フィールド内の前記第2の値を前記第1の値に戻すための第1キャンセルボタンと、を含む設定画面を表す設定画面データを前記端末装置に供給する供給部と、
前記設定画面にて前記設定ボタンが選択され前記第2の値が不適切な値であると判断される場合にエラー画面データを供給するための、供給指示を受け付ける受付部と、
を備え、
前記供給部は、さらに、前記受付部によって前記供給指示を受け付けた場合、前記第2の値を表示する第2設定値フィールドと、前記第1設定値フィールド内の第2の値を前記第1の値に戻すための第2キャンセルボタンと、を含むエラー画面を表す前記エラー画面データを前記端末装置に供給し、
前記設定画面内の前記第1キャンセルボタンは、当該第1キャンセルボタンが選択された場合に、前記端末装置に既に供給されている前記設定画面データを用いて、前記第2の値に代えて前記第1の値が前記第1設定値フィールド内に表示された前記設定画面を、前記端末装置に再度表示させるためのボタンであり、
前記エラー画面内の前記第2キャンセルボタンは、当該第2キャンセルボタンが選択された場合に、前記設定画面にて前記設定ボタンが選択され、前記第2の値が不適切な値であると判断された後に、前記デバイスから前記端末装置に再供給される前記設定画面データを用いて、前記第2の値に代えて前記第1の値が前記第1設定値フィールドに表示された前記設定画面を、前記端末装置に表示させるためのボタンである、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスであって、
前記第2キャンセルボタンは、当該第2キャンセルボタンが選択された場合に、前記デバイスに前記設定画面データを再供給させるための再供給指示を前記デバイスに送信する送信処理を、前記端末装置に実行させるためのボタンであり、
前記供給部は、前記端末装置から前記再供給指示を受けた場合に、前記設定画面データを前記端末装置に再供給する、デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスであって、
前記供給部は、前記エラー画面データを前記端末装置に供給する際に、第2キャンセルボタンが選択されるか否かに関わらず前記設定画面データを前記端末装置に再供給する、デバイス。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のデバイスであって、
前記第1設定値フィールドと前記第2設定値フィールドとは、共通した設定項目を表示する設定値フィールドである、デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のデバイスであって、
前記第1設定フィールドと前記第2設定フィールドとは、複数の設定項目を表示しており、
前記供給部は、前記受付部によって、前記複数の設定項目のうち少なくとも1つの前記第2の値が不適切な値であると判断された後に、前記供給指示を受け付けた場合に、前記エラー画面データを前記端末装置に供給し、
前記供給部は、前記第2の値が適切な値であると判断された前記第2設定フィールドと、前記第2の値が不適切な値であると判断された前記第2設定フィールドと、が識別可能に構成された前記エラー画面データを前記端末装置に供給する、デバイス。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のデバイスであって、
前記デバイスは、通信回線を通して前記端末装置に接続されているとともに、前記デバイスが供給する設定画面データ及びエラー画面データが、URLを表す文字列に関連付けられており、
前記設定画面データを表すURLは、前記エラー画面データを表すURLと同一である、デバイス。
【請求項7】
端末装置と接続されるデバイスに、
前記デバイスの設定項目に現在設定されている第1の値を変更可能に表示する第1設定値フィールドと、当該第1設定値フィールド内に新たに表示されている第2の値を前記設定項目に設定するための設定ボタンと、前記第1設定値フィールド内の前記第2の値を前記第1の値に戻すための第1キャンセルボタンと、を含む設定画面を表す設定画面データを前記端末装置に供給する第1供給処理と、
前記設定画面にて前記設定ボタンが選択され前記第2の値が不適切な値であると判断される場合にエラー画面データを供給するための、供給指示を受け付ける受付処理と、
前記受付処理によって前記供給指示を受け付けた場合、前記第2の値を表示する第2設定値フィールドと、前記第1設定値フィールド内の第2の値を前記第1の値に戻すための第2キャンセルボタンと、を含むエラー画面を表す前記エラー画面データを前記端末装置に供給する第2供給処理と、
前記設定画面内の前記第1キャンセルボタンが選択された場合に、前記端末装置に既に供給されている前記設定画面データを用いて、前記第2の値に代えて前記第1の値が前記第1設定値フィールド内に表示された前記設定画面を、前記端末装置に再度表示させる第1表示処理と、
前記エラー画面内の当該第2キャンセルボタンが選択された場合に、前記設定画面にて前記設定ボタンが選択され、前記第2の値が不適切な値であると判断された後に、前記デバイスから前記端末装置に再供給される前記設定画面データを用いて、前記第2の値に代えて前記第1の値が前記第1設定値フィールドに表示された前記設定画面を、前記端末装置に表示させる第2表示処理と、
を実行させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−78915(P2012−78915A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221247(P2010−221247)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】