説明

デバイスの製造方法および製造装置、デバイスおよび電子機器

【課題】各ノズルの吐出特性を短時間で電気的に検出してヘッド動作補正を行うことによって、各ノズルの吐出特性ばらつきに起因する不良デバイスの発生を低減する。
【解決手段】デバイスを製造するインクジェット装置は、基板102のパターン形成領域103に対して、インク滴を吐出するインクジェットヘッド101と、パターン形成領域103以外の部分にダミー領域104を有している。ダミー領域104にインクジェットヘッド101でインク滴を吐出し、吐出されたインク滴に対し高周波回路特性評価装置105により、インク滴の位置および大きさ、形状を検出する。この検出結果に応じてインクジェットヘッド101に所定の処理(パージ処理、ワイピング処理やフラッシング処理等)を行った上でパターン形成領域103に対するインク滴の吐出動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッドを用いてデバイスを製造する製造方法および製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年において、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法として、インクジェット方式を用いたデバイスの製造方法が注目されている。インクジェット方式を用いたデバイス製造では、通常複数のノズルを有するインクジェットヘッドが用いられるが、流路抵抗などノズルごとに吐出特性に差があってインク吐出量や吐出位置が異なる場合が生じる。
【0003】
この場合、インクを基板上に均一に設けることができず、所定の精度を有するデバイスを製造することが難しくなるといった問題が生じる。
【0004】
従来の発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドを用いてデバイスを製造する際、吐出特性のばらつきによる不良デバイスの発生を低減できるデバイスの製造方法および装置の提供を目的としていた。
【0005】
特許文献1には、撮像した印字パターンより吐出異常を検出して動作補正することによって、吐出特性のばらつきによる不良デバイスの発生を低減する方法が開示されている。そして図9は、特許文献1に記載された従来の検査を行う製造装置を示すものである。
【0006】
図9において、インクジェットヘッド901は、基板902内のパターン形成領域903以外のダミー領域904にインク滴を吐出し、そのインク滴の大きさと形状を撮像装置905で測定し、吐出異常のノズルを検出していた。その検出結果に応じて、ヘッド制御装置906によって駆動制御を行い、パターン形成領域903にインク滴を吐出していた。
【特許文献1】特開2003−282247号公報
【特許文献2】特開昭57−51781号公報
【特許文献3】特開昭59−194393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の構成では、印字パターンの微細化や基板の大判化に伴って、画像処理時間が著しく長くなる。その間にノズルごとの吐出特性、例えばインク吐出速度、角度、インク滴サイズなどが大きく変化するため、的確なヘッド動作補正が困難となり、所定の精度を有するデバイスを製造することが難しくなるという問題が生じる。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、各ノズルの吐出特性を短時間で電気的に検出してヘッド動作補正を行うことによって、各ノズルの吐出特性ばらつきに起因する不良デバイスの発生を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るデバイスの製造方法は、基板のパターン形成領域に対して液滴吐出ヘッドより液体材料を吐出する工程を有するデバイスの製造方法において、パターン形成領域以外の所定領域に対して液体材料の液滴を吐出する第1工程と、所定領域に吐出された液滴の位置および大きさ、形状を、所定領域の下地に複数個形成された機能素子の高周波回路特性変化によって検出する第2工程と、パターン形成領域に対する吐出動作を行う第3工程とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2はデバイスの製造方法において、電気的に検出した結果に基づいて、吐出動作を制御する構成が採用される。これにより、所定領域に吐出された液滴の位置および大きさ、形状の検出結果に基づいて異常なノズルを特定し、例えばこの異常なノズルを使用しないといった制御を行うことができ、不良デバイスの発生を抑えることができる。
【0011】
本発明の請求項3はデバイスの製造方法において、検出結果に基づいて、液滴吐出ヘッドに対して所定の処理を行う構成が採用される。これにより、異常なノズルを特定したら、例えばノズルのワイピング処理やフラッシング処理といった所定の処理を行うことにより、液滴吐出ヘッドの吐出状態を良好にすることができる。
【0012】
本発明の請求項4はデバイスの製造方法において、検出結果に応じて、液滴吐出ヘッドを他の液滴吐出ヘッドに交換する構成が採用される。これにより、異常な液滴吐出ヘッドを用いてのデバイス製造が回避される。
【0013】
本発明の請求項5デバイスの製造方法において、検出を電気検査装置(高周波回路特性評価装置)によって行う構成が採用される。これにより、所定領域に吐出された液滴の位置および大きさ、形状を精度良く短時間で検出できる。
【0014】
本発明の請求項6はデバイスの製造方法において、液滴の基準位置に対する所定領域における吐出位置を検出する構成が採用される。これにより、液滴の目標位置に対する吐出位置の誤差を求めることができ、この求めた結果に基づいて、異常なノズルを特定することができる。そして、異常なノズルが特定されると、例えばこの異常なノズルを用いないといった制御を行うことで、所定の性能を有するデバイスを製造できる。
【0015】
本発明の請求項7はデバイスの製造方法において、所定領域を、基板のうちパターン形成領域以外の部分に設ける構成が採用される。これにより、基板の表面状態が正常(所定の状態)かどうかを把握することができる。すなわち、例えば、基板のうちパターン形成領域と所定領域とを同じ構造(例えばバンクや電極等の形状)にするとともに、同じ表面処理(撥液処理や親液処理等)を施し、基板の所定領域における液滴が所定の位置および大きさ、形状でない場合には、パターン形成領域における構造や表面処理状態も異常であると判断できる。このように、パターン形成領域と同じ表面状態(構造や表面処理)を有する所定領域を基板に設け、この所定領域に吐出された液滴の位置および大きさ、形状を検出することにより、パターン形成領域の表面状態を把握することができる。
【0016】
本発明の請求項8はデバイスの製造方法において、所定領域を、基板を支持するステージのうち基板を支持する以外の部分に設ける構成が採用される。これにより、基板の表面状態を考慮せずにノズルの吐出特性だけを把握することができる。すなわち、ステージ上に、所定領域として例えば表面処理を施していないガラス板を配置し、このガラス板に複数のノズルから吐出された液滴の位置と大きさ、形状を検出することにより、複数のノズルから吐出された液滴のそれぞれの位置、量などを求めることができる。このように、ステージ上に設けられた所定領域に吐出された液滴の位置および大きさ、形状に基づいて、複数のノズルそれぞれの吐出特性を把握することができる。
【0017】
本発明の請求項9はデバイスの製造方法において、基板に対して有機エレクトロルミネッセンス装置形成用材料を吐出する構成が採用される。これにより、有機エレクトロルミネッセンス装置を精度良く製造することができる。
【0018】
本発明の請求項10のデバイスの製造装置は、基板のパターン形成領域に対して液体材料の液滴を吐出可能な液滴吐出ヘッドを有するデバイスの製造装置において、パターン形成領域以外の部分に設けられたダミー領域と、ダミー領域に対して液滴吐出ヘッドより吐出された液滴の位置および大きさ、形状を検出する検出装置とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の製造装置によれば、基板のパターン形成領域以外の所定領域に対して吐出された液滴の位置および大きさ、形状を検出する検出装置を設けたことにより、この検出結果に基づいて液滴吐出ヘッドの複数のノズルの吐出特性のばらつきを把握したり、異常なノズルを特定することができる。したがって、吐出特性のばらつきによる不良デバイスの発生を低減することができる。
【0020】
本発明の請求項11はデバイスの製造装置において、検出装置の検出結果に基づいて液滴吐出ヘッドの吐出動作を制御する制御装置を備える構成が採用される。これにより、所定領域に吐出された液滴の位置および大きさ、形状の検出結果に基づいて異常なノズルを特定し、例えばこの異常なノズルを使用しないといった制御を行うことができ、不良デバイスの発生を抑えることができる。
【0021】
本発明の請求項12はデバイスの製造装置において、基板を支持するステージを有し、ダミー領域は、ステージのうち前記基板を支持する以外の部分に設けられている構成が採用される。これにより、基板と所定領域とは近接した構成であるので、所定領域に対して液滴を吐出した後、基板のパターン形成領域に対する吐出動作を直ちに行うことができる。
【0022】
本発明の請求項13はデバイスの製造装置において、検出装置は電気検査装置(高周波回路特性評価装置)を有する構成が採用される。これにより、所定領域に吐出された液滴の位置および大きさ、形状を精度良く短時間で検出できる。
【0023】
本発明の請求項14はデバイスの製造装置において、液滴吐出ヘッドは、有機エレクトロルミネッセンス装置形成用材料を吐出する構成が採用される。これにより、有機エレクトロルミネッセンス装置を精度良く製造することができる。
【0024】
本発明の請求項15,16のデバイスは、前述のデバイスの製造方法、またはデバイスの製造装置で製造されたことを特徴とする。これによれば、精度良いパターンで形成されたことにより所定の性能を有するデバイスが提供できる。
【0025】
本発明の請求項17の電子機器は、前記記載のデバイスを備えたことを特徴とする。これによれば、所定の性能を有した薄型の高精細な表示部を有する電子機器を得ることができる。
【0026】
ここで、液滴吐出工法は、フレキソ印刷、グラビア印刷、平版印刷、スクリーン印刷、ディスペンス、ダイコート、インクジェットなど、いかなる方式であってもよい。インクジェット方式としては、圧電体素子の体積変化により流動体を吐出させるピエゾジェット方式であっても、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式であってもよい。パターンを形成する液滴吐出ヘッドとしてインクジェット方式を採用することにより、安価な設備でパターン形成領域の任意の場所に任意の厚さで液体材料を設けることができる。
【0027】
液体材料(流動体)とは、液滴吐出ヘッドのノズルから吐出可能な粘度を備えた媒体をいう。水性、油性を問わない。ノズル等から吐出可能な流動性(粘度)を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。また、液体材料に含まれる固体物質は融点以上に加熱されて溶解されたものでも、溶媒中に微粒子として分散させたものでもよく、溶媒の他に染料や顔料その他の機能性材料を添加したものであってもよい。
【0028】
また、パターン形成領域とは、フラット基板の表面を指す他、曲面状の基板であってもよい。さらにパターン形成面の硬度が硬い必要はなく、フィルム、紙、ゴム等可撓性を有するものの表面であってもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、基板のパターン形成領域に対して液滴を吐出する直前に所定領域に対して液滴を吐出して、その吐出された液滴の位置および大きさ、形状を短時間で検出することが可能となるため、その検出結果に基づいて液滴吐出ヘッドの複数のノズルそれぞれの吐出量や吐出位置といった吐出特性のばらつきを把握することができ、異常なノズルを特定することができ、この異常なノズルに対して所定の処理を行ってからパターン形成領域に対する吐出動作を行うことで、吐出特性のばらつきによる不良デバイスの発生を低減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0031】
(実施形態1)
図1(a),(b)は本発明の実施形態1におけるデバイスの製造装置を示す図であって、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を有するインクジェット装置(液滴吐出装置)の構成で概略斜視図である。
【0032】
図1(a)において、インクジェット装置は、基板102を支持するステージ107と、ステージ107に支持されている基板102に対して所定の材料を含むインク(液体材料、流動体)を吐出可能なインクジェットヘッド101と、インクジェットヘッド101のインクの吐出動作を制御するヘッド制御装置106とを備えている。さらに、インクジェット装置は、不図示ではあるが、インクジェットヘッド101と基板102を支持するステージ107とを所定の方向に相対移動する移動装置を有している。
【0033】
本実施形態1において、移動装置はステージ107をX軸方向に移動し、ステージ107に支持されている基板102はX軸方向に走査しつつ、インクジェットヘッド101からインクが吐出される。ここで、以下の説明では、ステージ107の移動方向(走査方向)をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向(非走査方向)、X軸方向およびY軸方向のそれぞれと直交する方向をZ軸方向とする。
【0034】
ステージ107は基板102を保持し、所定の位置に位置決めする。また、ステージ107は不図示の吸着保持装置を有しており、吸着保持装置が作動することにより、基板102をステージ107の上に吸着して保持する。
【0035】
インクジェットヘッド101は、Y軸方向に並ぶ複数のノズルを有しており、ノズルより基板102に対してインク液滴を吐出する。本実施形態1におけるインクジェットヘッド101は圧電体素子に体積変化を生じさせてインクを吐出させる構成であるが、発熱体によりインクに熱を加えその膨張によって液滴を吐出させるようなヘッド構成であってもよい。また、インクジェットヘッド101は、不図示の支持装置に支持され、不図示の移動装置により、Y軸方向にステップ移動可能となっている。
【0036】
基板102は、パターンが形成されるパターン形成領域103と、パターン形成領域103以外の部分に設けられたダミー領域(所定領域)104とを有している。本実施形態1において、ダミー領域104は、パターン形成領域103のX軸方向(走査方向)のうちの一方の側に設けられている。パターン形成領域103のY軸方向の大きさとダミー領域104のY軸方向における大きさとはほぼ同じに設定されている。
【0037】
ステージ107の上方には、ダミー領域104に対してインクジェットヘッド101より吐出されたインク滴の量を検出可能な複数の高周波プローブなどからなる高周波回路特性評価装置(検出装置)105が設けられている。高周波回路特性評価装置105の高周波プローブはY軸方向に複数並んで設けられている。
【0038】
図1(b)において、基板102上のダミー領域104には、インクジェットヘッド101の吐出ノズル数と同数の隔壁108と、セル隔壁の内側に格子状に複数配置されたFET(Field Effect Transistor)素子109と、FET素子109を保護する保護膜110とが備えられており、保護膜110上にインクジェットヘッド101から吐出されたインク滴111が着弾する。隔壁108や保護膜110を、パターン形成領域103と同じ膜材料、形状で形成するのが好ましいが、隔壁108を具備しなくても良く、インクジェットヘッド101のY軸方向に並ぶ複数のノズルのそれぞれからダミー領域104に吐出されたインク滴のそれぞれの位置および大きさ、形状を検出可能である。
【0039】
高周波回路特性評価装置105の一部を構成する高周波プローブのそれぞれは、基板102上のダミー領域104に形成されているFET素子109から引き出された各電極に接続されることでSパラメータが測定され、結果は高周波回路特性評価装置105の一部を構成するデータ処理装置に出力される。データ処理装置は、高周波回路特性評価装置105の検出結果(Sパラメータ測定結果)に基づいて、インク滴の位置および大きさ、形状を求める。
【0040】
図2は、高周波回路特性評価装置105により測定されたSパラメータ測定結果の一例を示す模式図である。図2中の曲線は、測定周波数を走査させた時のSパラメータ電力利得(S21)値を示したもので、FET素子109上に存在するインク滴の量によって、極小となる周波数や極小値が変化する。例えば、インク滴なしの場合は図2中の破線で示されるとすると、FET素子109上に所定のインク滴が存在する場合は図2中の実線で示され、極小となる周波数が低周波数側にシフトすると同時に極小値が増大する。
【0041】
この特性変化を利用して、複数のノズルのそれぞれから吐出されたインク滴の位置および大きさ、形状を検出するため、図3のように基板102のダミー領域104にFET素子109を配置する。図3は、インクジェットヘッド101の例えば180個並んだ複数のノズルのうち、No.1〜No.4のノズルのそれぞれからダミー領域104上に吐出されたインク滴が示されている。それぞれのインク滴が着弾する所定の位置に格子状で複数のFET素子を配置し、それぞれのFET素子のSパラメータ測定結果からインク敵の量を検出することによって、それぞれのインク滴の位置および大きさ、形状を求めることができる。
【0042】
ここで、それぞれのノズルからは、X軸方向に走査する基板102のダミー領域104の走査方向3箇所に液滴が吐出されている。図3において、破線の円は所望の吐出インク形状114を示しており、黒色領域は吐出インクの形状115を示しており、No.1からダミー領域104に吐出されたインク滴は、位置および大きさ、形状とも正常であるのに対して、No.2からダミー領域104に吐出されたインク滴の位置は格子の中心からズレており、No.3からダミー領域104に吐出されたインク滴の大きさは目標サイズと異なっている。また、No.4からダミー領域104に吐出されたインク滴の形状は楕円形状となっており、目標形状(円形)と異なっている。高周波回路特性評価装置105による検査結果はヘッド制御装置106に出力されるようになっている。
【0043】
次に、上述したインクジェット装置を用いて、ステージ107に支持されている基板102のパターン形成領域103に対してインクジェットヘッド101からインクを吐出することにより、パターン形成領域103にパターンを形成する方法について説明する。
【0044】
基板102がステージ107に対して搬入されると、ステージ107は基板102を吸着保持し位置決めする。そして、基板102を支持したステージ107は、基板102のダミー領域104とインクジェットヘッド101とが対向するように移動する。
【0045】
ヘッド制御装置106は、インクジェットヘッド101よりダミー領域104に対してY軸方向に並んだ複数のノズルのそれぞれよりインクを吐出する。
【0046】
ここで、本実施形態1において、インクジェット装置は、基板102上に材料層を積層することにより有機エレクトロルミネッセンス装置を製造するものであり、基板102には吐出されたインク滴を所定の位置に配置させるためのバンク(隔壁)が予め形成されている。さらに、基板102には予め所定の表面処理、例えば撥液処理や親液処理が施されている。具体的には、基板102上には平面視円形状のバンク(隔壁)が形成され、このバンクに対して撥液処理および親液処理を含む表面処理が施されている。そして、バンクに対してインク滴を吐出することによって、表面処理の作用によりインク滴はバンク内に配置される。
【0047】
ここで、ノズルが正常であり、バンクの形状およびこのバンクに対する表面処理が正常である場合には、図3に示したNo.1のノズルから吐出されたインク滴のように、バンクに配置されるインク滴は平面視円形状となる。一方、ノズルが異常であったり、例えばバンクに対する表面処理にムラがある場合には、図3に示したNo.2およびNo.3、No.4のノズルから吐出されたインク滴のように、目標形状と異なって例えば平面視楕円形状となる。そして、パターン形成領域103とダミー領域104とのそれぞれは、予め同じ構造、すなわち同じ形状を有するバンクが形成されているとともに、同じ表面処理を施されている。
【0048】
インクジェットヘッド101よりダミー領域104に対して液滴が吐出されたら、ステージ107が移動して、高周波回路特性評価装置105とダミー領域104とを対向させる。ダミー領域104に吐出された液滴のそれぞれは高周波回路特性評価装置105で測定される高周波回路特性評価装置105の測定結果に基づいて、ダミー領域104に配置されているインク滴の位置および大きさ、形状を求める。
【0049】
高周波回路特性評価装置105は、予め設定されている基板上におけるインク滴の目標の位置および大きさ、形状と、高周波回路特性評価装置105を用いて検出した実際のインク滴の位置および大きさ、形状とを比較する。そして、高周波回路特性評価装置105は、比較した結果に基づいて、インク滴それぞれが目標の位置および大きさ、形状に対して許容範囲内にあるかどうかを判別し、インク滴の良否を判断する。
【0050】
すなわち、図3において、No.1のノズルから吐出されたインク滴のように、ダミー領域104上における形状が円形で大きさも位置も許容範囲内である場合、高周波回路特性評価装置105は、このNo.1のノズルから吐出されたインク滴は所定の位置および大きさ、形状であると判断する。一方、No.2のノズルから吐出されたインク滴のように、ダミー領域104上における位置が目標位置と異なっている場合、高周波回路特性評価装置105は、このNo.2のノズルから吐出されたインク滴は所定の位置ではないと判断する。
【0051】
同様に、No.3のノズルから吐出されたインク滴のように、ダミー領域104上における大きさが目標の大きさと異なっている場合、高周波回路特性評価装置105は、このNo.3のノズルから吐出されたインク滴は所定の大きさではないと判断し、No.4のノズルから吐出されたインク滴のように、ダミー領域104上における大きさが目標の形状と異なっている場合、高周波回路特性評価装置105は、このNo.4のノズルから吐出されたインク滴は所定の形状ではないと判断する。
【0052】
高周波回路特性評価装置105の前記判断結果はヘッド制御装置106に出力される。ヘッド制御装置106は、高周波回路特性評価装置105の判断結果(検出結果)に基づいて、インクジェットヘッド101の吐出動作を制御する。具体的には、高周波回路特性評価装置105でインク滴が正常に吐出されていると判断したら、ヘッド制御装置106は、インクジェットヘッド101には異常なノズルがないと判断し、基板102のパターン形成領域103に対する所定の吐出動作を行う。基板102のパターン形成領域103には所定のパターンが形成される。
【0053】
一方、高周波回路特性評価装置105でインク滴が正常に吐出されていないと判断したら、すなわち、高周波回路特性評価装置105でNo.2のノズルに対応するインク滴が目標位置と異なっていると判断したら、ヘッド制御装置106はNo.2のノズルを異常なノズルと判断し、この異常なノズルに対するパージ処理、ワイピング処理や、インクのフラッシング処理といったインクジェットヘッド101に対する所定の処理を行う。
【0054】
こうして、インクジェットヘッド101に対して所定の処理を行ったら、ヘッド制御装置106は、インクジェットヘッド101よりダミー領域104に対して再びインク滴を吐出し、高周波回路特性評価装置105でダミー領域104上のインク滴の位置および大きさ、形状を検出する。そして、前回異常であったNo.2のノズルに対応するインク滴の位置および大きさ、形状が目標値に対して許容範囲内となったら、ヘッド制御装置106は、インクジェットヘッド101の吐出動作を制御しつつ基板102のパターン形成領域103に対する吐出動作を行う。
【0055】
一方、所定の処理(パージ処理、ワイピング処理やフラッシング処理)を行ったにもかかわらず、インク滴の位置および大きさ、形状が目標値と異なっている場合には、ヘッド制御装置106は、インクジェットヘッド101の吐出動作を制御しつつ、基板102のパターン形成領域103に対する吐出動作を行う。具体的には、ヘッド制御装置106は、高周波回路特性評価装置105による判断結果に基づいて、インクジェットヘッド101の複数のノズルのうち、No.2のノズルを異常なノズルと判断し、この異常なノズルを用いずに別のノズルで補完することでパターン形成領域103に対する吐出動作を行う。あるいは、ヘッド制御装置106によって、駆動部に印加する電圧、圧力、時間、温度などの駆動エネルギーを調整することで、パターン形成領域103に対する吐出動作を行う。
【0056】
あるいは、異常なノズルを有するインクジェットヘッド101が、他の新しいインクジェットヘッド101に交換されてもよい。なお、この場合、インクジェットヘッド101を支持する支持装置は、少なくとも2つのインクジェットヘッドを支持しており、ヘッド制御装置106は、1つ目のインクジェットヘッド101が異常であると判断したら、2つ目の新しいインクジェットヘッド101に交換する。インクジェット装置が交換用のインクジェットヘッド101を有していることにより、交換作業を短時間で行うことができる。
【0057】
以上説明したように、基板102のパターン形成領域103に対して液滴を吐出する前にダミー領域104に対してインク滴を吐出しておき、この吐出されたインク滴の位置および大きさ、形状を高周波回路特性評価装置105で予め検出することにより、この検出結果に基づいてインクジェットヘッド101の複数のノズルの吐出特性のばらつきを把握したり、異常なノズルを特定することができる。そして、吐出特性のばらつきや、異常なノズルに対する対策(処理)を施してからパターン形成領域103に対する吐出動作を行うことにより、不良デバイスの発生を低減することができる。
【0058】
前記実施形態1では、パターン形成領域103は1つであるように説明したが、図4(a)に示すように、基板102上のパターン形成領域103は複数設定されてもよい。図4(a)では、ダミー領域104は、基板102のうち、複数のパターン領域103のX軸方向一方の側の端部に設けられている。なお、ダミー領域104は基板102の端部に設けられている必要はなく、図4(b)に示すように、基板102の中央部であってもよい。また、図4(c)に示すように、基板102の両端部で複数あってもよい。
【0059】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2におけるデバイスの製造装置を示す図である。ここで、以下の説明において、前記実施形態1の図1において説明した構成部材に対応し同等の機能を有するものには同一の符号を付して示すし、その説明を省略する。
【0060】
図5に示すように、インクジェット装置は、基板102を支持するステージ107と、ステージ107のうち基板102を支持する以外の部分に設けられたダミー領域104Bとを備えている。ダミー領域104Bは基板102のX軸方向一方の側に設けられている。ダミー領域104Bは、例えばガラス板によって形成されており、表面処理を施されていないか、あるいは表面処理を一様に施されている。
【0061】
図5に示すインクジェット装置を用いて基板102のパターン形成領域103に対してインク滴を吐出する際には、ヘッド制御装置106は、まず、ステージ107のダミー領域104Bに対してインクジェットヘッド101よりインク滴を吐出する。次いで、高周波回路特性評価装置105がダミー領域104B上のインク滴の位置および大きさ、形状を検出する。
【0062】
ここで、ダミー領域104Bはガラス板よりなり、実施形態1と異なってバンクが形成されておらず、パターニングされた表面処理を施されていない。したがって、例えばダミー領域104B上のインク滴が所定の位置および大きさ、形状を有していない場合には、高周波回路特性評価装置105は、インクジェットヘッド101の異常なノズルを特定できる。すなわち、実施形態1では、異常なインク滴が検出された際には、その原因は、インクジェットヘッド101のノズルに異常があるか、基板102の表面処理に異常があるかのいずれか一方であるが特定できなかった。
【0063】
一方、本実施形態2のように、一様なガラス板からなるダミー領域104Bにインク滴を吐出し、このインク滴の位置および大きさ、形状を検出し、異常なインク滴が検出された際には、異常の原因はインクジェットヘッド101にあると特定できる。例えば、ステージ107上に設けられたガラス板からなるダミー領域104Bにおいて、特定のノズルからのインク滴の大きさが他のノズルからのインク滴に対して小さい場合には、吐出量が少ないと判断され、この特定のノズルが異常であると判断できる。ヘッド制御装置106は、この吐出量の少ないノズルに対する印加電圧を上昇させるなどの制御を行うことにより、所定の吐出量で吐出動作を行うことができる。
【0064】
そして、高周波回路特性評価装置105の検出結果に基づいて、ヘッド制御装置106は、異常なノズルがないと判断したら、基板102のパターン形成領域103に対する吐出動作を行う。一方、異常なノズルがあると判断したら、ヘッド制御装置106は、実施形態1と同様に、インクジェットヘッド101に対して所定の処理を行ったり、インクジェットヘッド101の基板102に対する位置をY軸方向にずらして吐出動作を行ったり、新しいインクジェットヘッド101と交換したりする。
【0065】
なお、ステージ107上にダミー領域104Bを設けるとともに、基板102にもダミー領域104を設け、これらを併用してもよい。そして、ステージ107上におけるダミー領域104Bを用いて、インクジェットヘッド101の複数のノズルの全てが正常なノズルであることを確認した後、基板102上に設けられたダミー領域104に対してインク滴を吐出し、仮に、基板102のダミー領域104に配置されているインク滴の位置および大きさ、形状が異常であれば、基板102のバンク形状や表面処理に異常があると判断できる。
【0066】
前記各実施形態において、高周波回路特性評価装置105によるインク滴の検査結果に基づいて高周波回路特性評価装置105が処理している間、インクジェットヘッド101はパターン形成領域103に対する吐出動作を行わずに待機している構成であるが、高周波回路特性評価装置105が処理中において、インクジェットヘッド101が走査する基板102に対して吐出動作を開始してもよい。
【0067】
こうすることにより、スループットを向上できる。ここで、インクジェットヘッド101の吐出動作中に、高周波回路特性評価装置105がダミー領域のインク滴の位置および大きさ、形状が異常であると判断した場合には、ヘッド制御装置106はインクジェットヘッド101の吐出動作および基板102の走査を中断し、前記所定の処理(パージ処理、ワイピング処理やフラッシング処理)を行う。
【0068】
なお、前記各実施形態において、ダミー領域に吐出されたインク滴が正常であるかどうかの判断は、高周波回路特性評価装置105(あるいはヘッド制御装置106)が行う構成であるが、高周波回路特性評価装置105に検査結果を表示可能な表示部を設けておき、この表示部の表示に基づいて、オペレータがインク滴の正常か異常かの判断を行うようにしてもよい。
【0069】
また、ステージ107上に設けられたダミー領域104Bは、凹凸のないフラットな形状であり、ワイピング処理などの所定の洗浄処理を行うことによって、半永久的に繰り返し使用することができる。
【0070】
本発明の各実施形態において説明したインクジェット装置(デバイス製造装置)は、有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置という)の製造に適用可能である。図6は有機EL装置の一例を示す断面図である。図6において、有機EL装置601は、光を透過可能な基板602と、基板602の一方の面側に設けられ一対の陰極(電極)607および陽極(電極)608に狭持された有機EL(エレクトロルミネッセンス)材料からなる発光層605と正孔輸送層606とからなる有機EL素子(発光素子)609と、基板602と有機EL素子609との間に設けられている封止層604とを備えている。
【0071】
ここで、図6に示す有機EL装置601は、発光層605からの発光光を基板602側から装置外部に取り出す形態であり、基板602の形成材料としては、光を透過可能な透明あるいは半透明材料、例えば、透明なガラス、石英、サファイア、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルケトンなどの透明な合成樹脂などが挙げられる。特に、基板602の形成材料としては、安価なソーダガラスが好適に用いられる。
【0072】
一方、基板と反対側から発光光を取り出す形態の場合には、基板は不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミック、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0073】
陽極608は、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)等からなる透明電極であって光を透過可能である。正孔輸送層606は、例えばトリフェニルアミン誘導体(TPD)、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等からなる。このうち、トリフェニルジアミン誘導体が好ましく、中でも4,4’−ビス(N(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルが好適とされる。
【0074】
なお、正孔輸送層に代えて正孔注入層を形成するようにしてもよく、さらに正孔注入層と正孔輸送層を両方形成するようにしてもよい。その場合、正孔注入層の形成材料としては、例えば銅フタロシアニン(CuPc)や、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等が挙げられるが、特に銅フタロシアニン(CuPc)を用いるのが好ましい。
【0075】
発光層605の形成材料としては、低分子の有機発光色素や高分子発光体、すなわち各種の蛍光物質や燐光物質などの発光物質、Alq3(アルミキレート錯体)などの有機EL材料が使用可能である。発光物質となる共役系高分子の中ではアリーレンビニレン又はポリフルオレン構造を含むものなどが特に好ましい。低分子発光体では、例えばナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、ポリメチン系、キサテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン誘導体等、または特許文献2、特許文献3等に記載されている公知のものが使用可能である。陰極607はアルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)、金(Au)、銀(Ag)等からなる金属電極である。
【0076】
なお、陰極607と発光層605との間に、電子輸送層や電子注入層を設けることができる。電子輸送層の形成材料としては、特に限定されることなく、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体等が例示される。
【0077】
封止層604は、基板602側の外部から電極607,608を含む有機EL素子609に対して大気が侵入するのを遮断するものであって、膜厚や材料を適宜選択することにより光を透過可能となっている。封止層604を構成する材料としては、例えばセラミックや窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素などの透明な材料が用いられ、中でも酸化窒化珪素が透明性、ガスバリア性の観点から好ましい。なお、封止層604の厚さは発光層605から射出される光の波長より小さくなるように設定されることが好ましい(例えば、0.1μm)。
【0078】
図示しないが、この有機EL装置601はアクティブマトリクス型であり、実際には複数のデータ線と複数の走査線とが格子状に配置され、これらデータ線や走査線に区画されたマトリクス状に配置された画素ごとに、スイッチングトランジスタやドライビングトランジスタ等の駆動用TFT(Thin Film Transistor)を介して前記の有機EL素子609が接続されている。そして、データ線や走査線を介して駆動信号が供給されると電極間に電流が流れ、有機EL素子609の発光層605が発光して基板602の外面側に光が射出され、その画素が点灯する。
【0079】
また、有機EL装置601のうち、有機EL素子609を挟んで封止層604と反対側の表面にも、電極607,608を含む有機EL素子609に対して大気が侵入するのを遮断する封止部材610が形成されている。
【0080】
以上説明した有機EL装置601の各材料層(陽極608,正孔輸送層606,発光層605等)の形成材料を所定の溶媒でインク化することにより、本発明のデバイス製造装置を用いて製造することができる。
【0081】
前述した各実施形態により製造したデバイスの有機EL装置601を備えた電子機器の例について説明する。図7は携帯電話機の一例を示した斜視図である。図7において、符号700は携帯電話機本体を示し、符号701は前記の有機EL装置を表示に用いた表示部を示している。
【0082】
図8は、パソコン、テレビなどの情報処理装置の一例を示した斜視図である。図8において、符号800は情報処理装置、符号802はキーボードなどの入力部、符号804は情報処理装置本体、符号806は前記の有機EL装置を表示に用いた表示部を示している。
【0083】
図7と図8に示す電子機器は、前述した実施形態の有機EL装置の表示部を備えているので、表示品位に優れ、明るい画面の表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明に係るデバイスの製造方法および製造装置によれば、吐出特性のばらつきを低減して信頼性高くデバイスを製造することができるため、ディスプレイデバイスなどの機能膜形成工程以外にも回路基板の配線形成工程など、液滴吐出ヘッドを用いてデバイスを製造する様々な工程にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施形態1におけるデバイスの製造装置で(a)は概略斜視図、(b)はダミー領域の拡大断面図
【図2】高周波回路特性評価装置で測定したSパラメータの測定結果を示す図
【図3】ダミー領域に吐出された液滴の一例を示す図
【図4】基板上に形成されるダミー領域の配置例(a)〜(c)を示す図
【図5】本発明の実施形態2におけるデバイスの製造装置で(a)は概略斜視図、(b)はダミー領域の拡大断面図
【図6】有機EL装置を示す概略断面図
【図7】有機EL装置が搭載された電子機器を示す図
【図8】有機EL装置が搭載された電子機器を示す図
【図9】従来例のデバイスの製造装置を示す概略斜視図
【符号の説明】
【0086】
101 インクジェットヘッド
102 基板
103 パターン形成領域
104,104B ダミー領域
105 高周波回路特性評価装置
106 ヘッド制御装置
107 ステージ
108 隔壁
109 FET素子
110 保護膜
111 インク滴
112 インク滴なしの測定結果
113 インク滴ありの測定結果
114 所望の吐出インク形状
115 実際の吐出インク形状
601 有機EL装置
602 基板
604 封止層
605 発光層
606 正孔輸送層
607 陰極(電極)
608 陽極(電極)
609 有機EL素子(発光素子)
610 封止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板のパターン形成領域に対して液滴吐出ヘッドより液体材料を吐出する工程を有するデバイスの製造方法において、
前記パターン形成領域以外の所定領域に対して前記液体材料の液滴を吐出する第1工程と、前記所定領域に吐出された前記液滴の位置および大きさ、形状を、前記所定領域の下地に複数個形成された機能素子の高周波回路特性変化によって検出する第2工程と、前記パターン形成領域に対する吐出動作を行う第3工程とを有することを特徴とするデバイスの製造方法。
【請求項2】
前記第2工程の検出結果に基づいて、前記吐出動作を制御することを特徴とする請求項1記載のデバイスの製造方法。
【請求項3】
前記第2工程の検出結果に基づいて、前記液滴吐出ヘッドに対して所定の処理を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のデバイスの製造方法。
【請求項4】
前記第2工程の検出結果に応じて、前記液滴吐出ヘッドを他の液滴吐出ヘッドに交換することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のデバイスの製造方法。
【請求項5】
前記第2工程の検出が高周波回路特性評価装置を用いて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のデバイスの製造方法。
【請求項6】
前記第2工程が液滴の基準位置に対する前記所定領域における吐出位置を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のデバイスの製造方法。
【請求項7】
前記第2工程の所定領域を、前記基板のうち前記パターン形成領域以外の部分に設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のデバイスの製造方法。
【請求項8】
前記第2工程の所定領域を、前記基板を支持するステージのうち前記基板を支持する以外の部分に設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のデバイスの製造方法。
【請求項9】
前記基板に対して有機エレクトロルミネッセンス装置形成用材料を吐出することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のデバイスの製造方法。
【請求項10】
基板のパターン形成領域に対して液体材料の液滴を吐出可能な液滴吐出ヘッドを有するデバイスの製造装置において、
前記パターン形成領域以外の部分に設けられたダミー領域と、前記ダミー領域に対して前記液滴吐出ヘッドより吐出された液滴の位置および大きさ、形状を、前記ダミー領域の下地に複数個形成された機能素子の高周波回路特性変化によって検出する検出装置とを備えることを特徴とするデバイスの製造装置。
【請求項11】
前記検出装置の検出結果に基づいて前記液滴吐出ヘッドの吐出動作を制御する制御装置を備えることを特徴とする請求項10記載のデバイスの製造装置。
【請求項12】
前記基板を支持するステージを有し、前記ダミー領域が、前記ステージのうち前記基板を支持する以外の部分に設けられていることを特徴とする請求項10又は11記載のデバイスの製造装置。
【請求項13】
前記検出装置が高周波回路特性評価装置を有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項記載のデバイスの製造装置。
【請求項14】
前記液滴吐出ヘッドが、有機エレクトロルミネッセンス装置形成用材料を吐出することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項記載のデバイスの製造装置。
【請求項15】
請求項1〜9のいずれか1項記載のデバイスの製造方法で製造されたことを特徴とするデバイス。
【請求項16】
請求項10〜14のいずれか1項記載のデバイスの製造装置で製造されたことを特徴とするデバイス。
【請求項17】
請求項15又は16記載のデバイスを備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−182442(P2010−182442A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22506(P2009−22506)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】