説明

デバイス制御装置、デバイス制御システム及びデバイス情報表示方法

【課題】
ネットワークを介して共用されるデバイスの操作に際して、利用者の利便性を向上させる。
【解決手段】
制御ユニット1101は、制御ユニット1101に直接的に、又は、制御ユニット1101と通信可能な他の制御ユニットを介して間接的に接続され、制御ユニット1101が操作権限を有する可能性があるデバイスの接続構成情報を取得する。また、制御ユニット1101は、操作権限を有する可能性があるデバイスのそれぞれについて、制御ユニット1101が操作権限を有しているか否かの操作権限情報を取得する。そして、制御ユニット1101は、取得された接続構成情報及び操作権限情報を含むデバイス情報を、表示ユニット2101に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイス制御装置、デバイス制御システム、デバイス情報表示方法及びデバイス情報表示プログラム、並びに、当該デバイス情報表示プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の利用者が、放送受信装置等のデバイスを共有することが行われている。こうしたデバイスの共有に際しては、複数の利用者間で、当該デバイスの操作を行うためのリモコンユニット等の操作入力手段を物理的に受け渡したり、複数の利用者のそれぞれが操作入力手段を独自に有するようにしたりすることが考えられる。
【0003】
上記の操作入力手段の物理的な受け渡しを行う方式は、通信ネットワークを介してデバイスを共有する場合のように、複数の利用者が互いに離れた位置にいる場合には、採用できない。このため、複数の利用者が互いに離れた位置にいる場合には、複数の利用者のそれぞれが操作入力手段を独自に有する方式を採用することになるが、複数の操作入力手段によるデバイスの機能設定の競合が問題となる。
【0004】
かかる競合の問題を合理的に処理するために、複数の利用者(すなわち、複数の操作入力手段)間で、当該デバイスに対する操作権限の優先順位を設定する技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。この従来例の技術では、複数の放送受信部を有する放送受信デバイスに対する放送受信部ごとの利用者の操作権限の優先順位を予め登録しておく。そして、複数の放送受信部を有する放送受信デバイスに対する放送受信部ごとの利用に競合が発生した場合に、当該優先順位に基づいて、競合処理を行うとともに、当該競合処理による競合解決のメッセージを各利用者へ伝えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−194974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来例の技術では、複数の放送受信部を有する1台の放送受信デバイスに対する放送受信部ごとの利用者の操作権限の優先順位に基づいて、競合処理を行うとともに、当該競合処理による競合解決のメッセージを各利用者へ伝える。このため、利用者の数が増えたり、共有するデバイスの数が増えたりすると、優先順位に基づく競合処理が複雑化することになる。
【0007】
また、複数の利用者が複数のデバイスを共有する場合、特に、ネットワークを介して複数のデバイスを共有する場合には、個々の利用者にとっては、第1に、所望のデバイスに関する操作入力に先立って、当該所望のデバイスの操作権限を現時点において有しているか否かを把握できることが望ましい。また、第2に、個々の利用者にとっては、自身が操作権限をする可能性があるデバイスが、現時点において何種類存在しているか把握できることが望ましい。これらが把握できることを前提として、利用者同士のネットワークを介したネゴシエーションにより個々のデバイスの操作権限の授受を行うことができれば、従来例の技術のように、操作権限の優先順位に基づく自動的な競合処理を行わなくとも、操作性は十分に確保できる。
【0008】
このため、複数の利用者が複数のデバイスを共有する場合において、簡易な構成で、操作性を向上させることができるデバイス制御装置が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、利用者の利便性を向上させることができる新たなデバイス制御装置、デバイス制御システム及びデバイス情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、操作権限を有しているデバイスの制御を行う自制御部と;前記自制御部に、直接的に、又は、前記自制御部とは別に設けられた前記自制御部と同等な制御を行う他制御部を介して間接的に、接続される少なくとも1つのデバイスのそれぞれについての、前記自制御部が操作権限を有しているか否かを含むデバイス情報を表示部に表示させる表示制御部と;を備えることを特徴とするデバイス制御装置である。
【0011】
請求項7に記載の発明は、操作権限を有しているデバイスの制御を行う自制御部と;前記自制御部に、直接的に、又は、前記自制御部とは別に設けられた前記自制御部と同等な制御を行う他制御部を介して間接的に、接続される少なくとも1つのデバイスのそれぞれについての、前記自制御部が操作権限を有しているか否かを含むデバイス情報を表示する表示部と;を備えることを特徴とするデバイス制御装置である。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の複数のデバイス制御装置が、相互に通信可能に接続されている、ことを特徴とするデバイス制御システムである。
【0013】
請求項9に記載の発明は、操作権限を有しているデバイスの制御を行う自制御部を備えるデバイス制御装置で使用されるデバイス情報表示方法であって、前記自制御部に、直接的に、又は、前記自制御部とは別に設けられた前記自制御部と同等な制御を行う他制御部を介して間接的に、接続される少なくとも1つのデバイスのそれぞれについての、前記自制御部が操作権限を有しているか否かを含むデバイス情報を、前記自制御部が取得する取得工程と;前記取得工程において取得されたデバイス情報を、前記自制御部が表示部に表示させる表示工程と;を備えることを特徴とするデバイス情報表示方法である。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のデバイス情報表示方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とするデバイス情報表示プログラムである。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のデバイス情報表示プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るデバイス制御システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1のデバイス制御サブシステムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】図2の記憶ユニットに記憶されるデバイス制御用情報を説明するための図である。
【図4】図3の通信先情報の内容の例を示す図である。
【図5】図3のデバイス情報の構成を説明するための図である。
【図6】図5の直接接続情報の内容の例を示す図である。
【図7】図5の間接接続情報の内容の例を示す図である。
【図8】図5の操作権限情報の内容の例を示す図である。
【図9】当初状態のデバイス情報の表示例を示す図である。
【図10】デバイス情報が更新された場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】直接接続デバイスが追加された場合のデバイス情報及びデバイス情報表示の更新例を示す図である。
【図12】直接接続デバイスが外された場合のデバイス情報及びデバイス情報表示の更新例を示す図である。
【図13】操作権限を獲得した場合のデバイス情報及びデバイス情報表示の更新例を示す図である。
【図14】操作権限を委譲した場合のデバイス情報及びデバイス情報表示の更新例を示す図である。
【図15】間接接続デバイスが追加された場合のデバイス情報及びデバイス情報表示の更新例を示す図である。
【図16】間接接続デバイスが外された場合のデバイス情報及びデバイス情報表示の更新例を示す図である。
【図17】他の制御ユニット間で操作権限の授受が行われた場合のデバイス情報の更新例を示す図である。
【図18】新たにデバイス制御サブシステムが参画した場合の通信先情報の更新例を示す図である。
【図19】新たにデバイス制御サブシステムが参画した場合のデバイス情報及びデバイス情報表示の更新例を示す図である。
【図20】デバイス制御システムからデバイス制御サブシステムが脱退した場合の通信先情報、デバイス情報及びデバイス情報表示の更新例を示す図である。
【図21】操作権限の獲得に際して実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】操作権限を獲得済みである旨の表示例を示す図である。
【図23】操作権限を獲得処理の結果の表示例を示す図である。
【図24】図21の操作権限の獲得処理を説明するためのフローチャートである。
【図25】操作権限の委譲要求中である旨の表示例を示す図である。
【図26】操作権限の委譲要求を受信した際に実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【図27】委譲要求受信表示の例を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図27を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
[構成]
図1には、一実施形態に係るデバイス制御システム300の概略的な構成が、ブロック図にて示されている。
【0019】
図1に示されるように、デバイス制御システム300は、デバイス制御サブシステム2001,2002,2003を備えている。デバイス制御サブシステム2001,2002,2003の相互間では、ネットワーク290を介したデータ通信が行われる。かかるデータ通信により、デバイス制御サブシステム200j(j=1〜3)が備える後述の制御ユニット110jのそれぞれは、他のデバイス制御サブシステムのそれぞれに含まれるデバイスの情報、及び、他のデバイス制御サブシステムが備える制御ユニットのそれぞれが、どのデバイスに対して操作権限を有しているかの情報の取得、並びに、デバイスの操作権限の授受を行う。
【0020】
次に、上記のデバイス制御サブシステム200j(j=1〜3)のそれぞれの構成について、代表例として、デバイス制御サブシステム2001の構成を説明する。なお、デバイス制御サブシステム2002,2003は、含んでいるデバイスを除いて、デバイス制御サブシステム200jと同様に構成されている。
【0021】
デバイス制御サブシステム2001は、図2に示されるように、デバイス制御装置1001と、表示部としての表示ユニット2101と、デバイス2501,1(以下、「デバイスA」と呼ぶ)及びデバイス2501,2(以下、「デバイスB」と呼ぶ)とを備えている。ここで、デバイスA及びデバイスBの例としては、テレビ放送受信装置、ラジオ放送受信装置、CD(Compact Disk)プレイヤ、DVD(Digital Versatile Disk)プレイヤ、BD(Blue ray Disk)プレイヤ、シリコンプレイヤ、画像モニタ装置等のAV機器が挙げられる。また、デバイスA及びデバイスBは、上記のような物理的形状を伴うものに限定されず、いわゆる仮想デバイス(CDやDVD等の光学ドライブをコンピュータ上に仮想的にソフトウエアで作成し、あたかもその記録媒体をドライブに挿入してアクセスしているかのように扱われる仮想ディスクドライブ等)であってもよい。
【0022】
上記のデバイス制御装置1001は、デバイス制御装置1001にとっての自制御部及び表示制御部としての制御ユニット1101と、記憶ユニット1201とを備えている。また、デバイス制御装置1001は、操作入力部としての操作入力ユニット1301を備えている。
【0023】
上記の制御ユニット1101には、デバイス制御サブシステム2001における他の要素が直接的に接続されている。また、制御ユニット1101は、ネットワーク290に接続されている。
【0024】
なお、本実施形態では、制御ユニット1101と、デバイスA及びデバイスBとの接続が、スター型接続となっているが、デイジーチェイン型接続であってもよいし、バス型接続であってもよい。
【0025】
制御ユニット1101は、デバイス制御装置1001の全体を統括制御するとともに、様々な処理を実行する。この制御ユニット1101が実行する処理ついては、後述する。
【0026】
なお、制御ユニット1101は、制御ユニット1101に直接的に接続されているデバイス(以下、「直接接続デバイス」と呼ぶ:図2の状態のときには、デバイスA及びデバイスB)を検出できるようになっている。そして、制御ユニット1101は、直接接続デバイスの検出結果に基づいて、後述する直接接続情報DCI1の更新を行う。
【0027】
また、制御ユニット1101は、デバイス制御システム300への参画前には、直接接続デバイスに対する操作権限を有するようになっている。そして、制御ユニット1101は、デバイス制御システム300への参画前には、直接接続デバイスの検出結果に基づいて、直接接続デバイスについてのみ操作権限を有することを内容とする後述の操作権限情報CAI1の更新を行う。
【0028】
さらに、デバイス制御システム300への参画後において直接接続デバイスが増加した場合には、その増加した直接接続デバイスに対する操作権限は、まず、制御ユニット1101が獲得するようになっている。そして、制御ユニット1101は、後述するように、その獲得結果を追加する操作権限情報CAI1の更新を行う。
【0029】
上記の記憶ユニット1201は、書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるフラッシュメモリ素子等から構成され、制御ユニット1101がアクセスできるようになっている。この記憶ユニット1201には、後述するデバイス制御用情報が記憶されている。
【0030】
上記の操作入力ユニット1301は、本実施形態では、表示ユニット2101の表示デバイスに設けられたタッチパネルを備えて構成される。なお、操作入力ユニット1301としては、本体部に設けられたキー部、及び/又は、キー部を備えるリモート入力装置等により構成されるようにしてもよい。また、キー部を有する構成に代えて、又は、併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
【0031】
この操作入力ユニット1301を利用者が操作することにより、制御ユニット1101に対する設定や動作指令の入力等が行われる。操作入力ユニット1301への入力内容は、操作入力データとして、制御ユニット1101へ送られる。
【0032】
上記の表示ユニット2101は、液晶パネル等の表示デバイスを備えて構成される。この表示ユニット2101は、制御ユニット1101から送られた情報表示データを受ける。そして、表示ユニット2101は、情報表示データに対応する画像を表示する。この表示ユニット2101は、制御ユニット1101による制御のもとで、制御ユニット1101が操作権限を有する可能性があるデバイス構成情報、及び、制御ユニット1101が操作権限を有するデバイスを示す操作権限情報を含むデバイス情報、並びに、制御ユニット1101の動作状態情報、操作ガイダンス情報等を表示する。
【0033】
以下の説明においては、デバイス制御サブシステム2002の構成要素を示す場合には、添字として「2」を付すとともに、デバイス制御サブシステム2003の構成要素を示す場合には、添字として「3」を付す。なお、デバイス制御サブシステム2002に含まれるデバイスは、デバイスC、デバイスD及びデバイスEとなっている。また、デバイス制御サブシステム2003に含まれるデバイスは、デバイスF及びデバイスGとなっている。このため、本実施形態では、制御ユニット110j(j=1〜3)が操作権限を有する可能性があるデバイスは、デバイスA〜デバイスGとなっている。
【0034】
なお、デバイス制御装置1001〜1003を備えるデバイス制御システム300においては、デバイス制御装置1001にとっては、制御ユニット1101が自制御部であるとともに、制御ユニット1102及び制御ユニット1103が他制御部となっている。また、デバイス制御装置1002にとっては、制御ユニット1102が自制御部であるとともに、制御ユニット1101及び制御ユニット1103が他制御部となっている。さらに、デバイス制御装置1003にとっては、制御ユニット1103が自制御部であるとともに、制御ユニット1101及び制御ユニット1102が他制御部となっている。
【0035】
次に、記憶ユニット1201に記憶される上述したデバイス制御用情報の内容について、説明する。このデバイス制御用情報は、図3に示される通信先情報1211とデバイス情報1221とが含まれている。
【0036】
上記の通信先情報1211は、図4に示されるように、制御ユニット1101がデータ通信を行う制御ユニットの識別子と通信先アドレスとが関連付けられて登録された情報である。なお、本実施形態では、制御ユニット1101がデータ通信を行う制御ユニットは制御ユニット1102,1103である。このため、通信先情報1211では、制御ユニット1102の識別子CU2と通信アドレスCAD2とが関連付けられるとともに、制御ユニット1103の識別子CU3と通信アドレスCAD2とが関連付けられている。
【0037】
上記のデバイス情報1221は、図5に示されるように、デバイス接続情報CDI1と操作権限情報CAI1とから構成されている。そして、デバイス接続情報CDI1は、直接接続情DCI1と間接接続情報ICI1とから構成されている。
【0038】
ここで、直接接続情報DCI1は、制御ユニット1101にとっての直接接続デバイスの構成情報である。また、間接接続情報ICI1は、制御ユニット1102又は制御ユニット1103に直接的に接続されることにより、制御ユニット1101に間接的に接続されているデバイス(以下、「間接接続デバイス」と呼ぶ)の構成情報である。
【0039】
上記の直接接続情DCI1は、図6に示されるように、制御ユニット1101の識別子CU1と、制御ユニット1101に直接的に接続されているデバイスとが関連付けられて登録された情報である。なお、本実施形態では、制御ユニット1101に直接的に接続されているデバイスが、デバイスA及びデバイスBなので、直接接続情DCI1では、制御ユニット1101の識別子CU1と、デバイスA及びデバイスBとが関連付けられている。
【0040】
上記の間接接続情ICI1は、図7に示されるように、デバイス制御システム300における制御ユニット1101以外の制御ユニット1102,1103の識別子CU2,CU3と、制御ユニット1102,1103に直接的に接続されているデバイスとが関連付けられて登録された情報である。なお、本実施形態では、上述のように、制御ユニット1102に直接的に接続されているデバイスが、デバイスC、デバイスD及びデバイスEであり、制御ユニット1103に直接的に接続されているデバイスが、デバイスF及びデバイスGであるので、間接接続情ICI1では、制御ユニット1102の識別子CU2と、デバイスC、デバイスD及びデバイスEとが関連付けられるとともに、制御ユニット1103の識別子CU3と、デバイスF及びデバイスGとが関連付けられている。
【0041】
上記の操作権限情報CAI1は、デバイスA〜デバイスGと、デバイスA〜デバイスGのそれぞれに対する操作権限を有している制御ユニットの識別子とが関連付けられて登録された情報である。操作権限情報CAI1の内容の例が、図8に示されている。この例においては、制御ユニット1101はデバイスA、デバイスC及びデバイスGの操作権限を、制御ユニット1102はデバイスD及びデバイスEの操作権限を、制御ユニット1103はデバイスB及びデバイスFの操作権限を、それぞれ有している。
【0042】
[動作]
次に、上記のように構成されたデバイス制御システム300の動作について、デバイス制御装置1001における制御ユニット1101による処理に主に着目して説明する。なお、デバイス制御装置1002,1003における制御ユニット1102,1103も、制御ユニット1101と同様の処理を行う。
【0043】
<デバイス制御システムへの参画に際しての処理>
制御ユニット1101は、デバイス制御サブシステム2001のデバイス制御システム300への参画に先立って利用者が行う操作ユニット1301への通信先指定入力に基づいて、当該参画時の通信先情報1211を生成する。
【0044】
引き続き、制御ユニット1101は、当該生成された通信先情報1211を参照して、デバイス制御システム300への参画通知を、通信先情報1211に通信アドレスが登録されている他の制御ユニットのそれぞれへ送信する。また、制御ユニット1101は、当該参画通知とともに、当該参画時の直接接続情報DCI1、及び、参画時の直接接続情報DCI1で示される直接接続デバイスに対する操作権限を有していることのみを示している操作権限情報CAI1を、通信先情報1211に通信アドレスが登録されている他の制御ユニットのそれぞれへ送信する。
【0045】
なお、制御ユニット1101は、制御ユニット1101のデバイス制御システム300への参画後に、デバイス制御システム300に新たに参画した制御ユニットから送信された参画通知、直接接続情報及び操作権限情報を受信した場合には、まず、後述のように、通信先情報1211、間接接続情報ICI1及び操作権限情報CAI1を更新する。この後、制御ユニット1101は、直接接続情報DCI1及び更新された操作権限情報CAI1を、新たに参画した制御ユニットへ送信する。
【0046】
制御ユニット1101が送信した参画通知に対する応答として、制御ユニット1101と同様に動作する他の制御ユニットから送信された情報を受信すると、制御ユニット1101は、当該受信した情報に基づいて、間接接続情報ICI1及び操作権限情報CAI1を更新する。かかる更新が終了すると、制御ユニット1101は、デバイス制御システム300への参画に際しての処理を終了する。
【0047】
<デバイス制御システムへの参画後の処理>
次に、デバイス制御システム300への参画後における制御ユニット1101による処理について説明する。
【0048】
なお、以下の説明に際しては、当初においては、通信先情報1211、直接接続情DCI1、間接接続情ICI1及び操作権限情報CAI1が、上述した図4及び図6〜図8に示される内容となっている状態(以下、「当初状態」と呼ぶ)にあるものとする。そして、本実施形態では、表示ユニット2101において、当初状態のデバイス情報表示は、図9に示されるように表示されているものとする。この図9では、制御ユニット1101が操作権限を有しているデバイスが、白地上に黒字表示されるとともに、制御ユニット1101が操作権限を有していないデバイスが、黒字上に白抜き表示される例が示されている。
【0049】
《デバイス情報の更新に際しての処理》
デバイス情報1221の更新に際しての処理は、図10に示されるように、まず、ステップS11において、制御ユニット1101が、デバイス情報1221が更新されたか否かを判定する。かかるデバイス情報1221の更新は、直接接続デバイスの増減、制御ユニット1101と他の制御ユニット間におけるデバイスの操作権限の授受があった場合に行われる。また、デバイス情報1221の更新は、制御ユニット1101が能動的に関連せず行われる、間接接続デバイスの増減、及び、デバイス制御システム300に参画している制御ユニット(ひいては、デバイス制御サブシステム)の増減があった場合にも行われる。
【0050】
ここで、制御ユニット1101は、デバイス制御システム300に参画している他の制御ユニットから送信された当該他の制御ユニットにとっての直接接続情報を受信した場合に、間接接続デバイスの増減があったと判断し、デバイス情報1221を更新するようになっている。また、制御ユニット1101は、他の制御ユニットから送信されたデバイス制御システム300への参画通知又はデバイス制御システム300からの脱退通知を受けた場合に、デバイス制御システム300に参画している制御ユニットの増減があったと判断し、デバイス情報1221を更新するようになっている。
【0051】
ステップS11における判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、ステップS11の処理が繰り返される。一方、デバイス情報1221が更新され、ステップS11における判定の結果が肯定的となると(ステップS11:Y)、処理はステップS12へ進む。
【0052】
ステップS12では、デバイス情報1221の更新に直接接続情報DCI1の更新又は操作権限の獲得に起因する操作権限情報CAI1の更新が含まれているか否かを、制御ユニット1101が判定する。ステップS12における判定の結果が否定的であった場合(ステップS12:N)には、処理はステップS13へ進む。
【0053】
ステップS13では、デバイス情報1221の更新が他の制御ユニット間の操作権限の授受に関する操作権限情報CAI1の更新であるか否かを判定する。ステップS13における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS13:Y)には、処理はステップS11へ戻る。一方、ステップS13における判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、処理は、後述するステップS15へ進む。
【0054】
上述したステップS12における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS12:Y)には、処理はステップS14へ進む。このステップS14では、制御ユニット1101が、更新された情報を、通信先情報1211に通信アドレスが登録されている他の制御ユニットのそれぞれへ送信する。そして、処理はステップS15へ進む。
【0055】
ステップS15では、制御ユニット1101が、更新されたデバイス情報1221を表示ユニット2101に表示させることにより、デバイス情報表示を更新する。そして、処理はステップS11に戻る。
【0056】
以後、ステップS11〜S15の処理が繰り返される。この結果、デバイス情報1221の更新が行われるたびに、必要に応じて、更新情報の他の制御ユニットのそれぞれへの送信、又は、デバイス情報表示の更新が行われる。
【0057】
こうしたデバイス情報1221の更新例を、更新例aから更新例iとして、図11〜図20を参照して説明する。
【0058】
更新例a:
制御ユニット1101にとっての直接接続デバイスが追加された場合には、デバイス情報1221としては、直接接続情報DCI1及び操作権限情報CAI1が更新される。図11には、制御ユニット1101にとっての直接接続デバイスHが当初状態から追加された場合における直接接続情報DCI1の更新例(図11(A))及び操作権限情報CAI1の更新例(図11(B))が示されている。また、図11には、こうしたデバイス情報1221の更新に伴うデバイス情報表示の更新例(図11(C))が示されている。
【0059】
なお、制御ユニット1101にとっての直接接続デバイスが追加された場合には、制御ユニット1101は、デバイスの追加の更新がなされた直接接続情報DCI1、及び、操作権限の獲得の更新がなされた操作権限情報CAI1を、通信先情報1211に通信アドレスが登録されている他の制御ユニットのそれぞれへ送信する。
【0060】
更新例b:
制御ユニット1101にとっての直接接続デバイスが外された場合には、デバイス情報1221としては、直接接続情報DCI1及び操作権限情報CAI1が更新される。図12には、制御ユニット1101にとっての直接接続デバイスBが当初状態から外された場合の直接接続情報DCI1の更新例(図12(A))及び操作権限情報CAI1の更新例(図12(B))が示されている。また、図12には、こうしたデバイス情報1221の更新に伴うデバイス情報表示の更新例(図12(C))が示されている。
【0061】
なお、制御ユニット1101にとっての直接接続デバイスが外された場合には、制御ユニット1101は、デバイスの削除の更新がなされた直接接続情報DCI1を、通信先情報1211に通信アドレスが登録されている他の制御ユニットのそれぞれへ送信する。
【0062】
更新例c:
制御ユニット1101が操作権限を獲得した場合には、デバイス情報1221としては、操作権限情報CAI1が更新される。図13には、当初状態から、制御ユニット1101がデバイスDに対する操作権限の委譲を受けた場合の操作権限情報CAI1の更新例(図13(A))が示されている。また、図13には、こうしたデバイス情報1221の更新に伴うデバイス情報表示の更新例(図13(B))が示されている。操作権限の獲得、すなわち、操作権限の委譲を受ける際の制御ユニット1101の処理については、後述する。
【0063】
なお、制御ユニット1101が操作権限を獲得した場合には、制御ユニット1101は、更新された操作権限情報CAI1を、通信先情報1211に通信アドレスが登録されている他の制御ユニットのそれぞれへ送信する。
【0064】
更新例d:
制御ユニット1101が操作権限を喪失した場合には、デバイス情報1221としては、操作権限情報CAI1が更新される。図14には、当初状態から、制御ユニット1101がデバイスGに対する操作権限を喪失した場合の操作権限情報CAI1の更新例(図14(A))が示されている。また、図14には、こうしたデバイス情報1221の更新に伴うデバイス情報表示の更新例(図14(B))が示されている。操作権限の喪失、すなわち、操作権限の委譲を行う際の制御ユニット1101の処理については、後述する。
【0065】
なお、制御ユニット1101が操作権限を喪失した場合には、制御ユニット1101は、更新された操作権限情報CAI1を、通信先情報1211に通信アドレスが登録されている他の制御ユニットのそれぞれへ送信する。
【0066】
更新例e:
制御ユニット1101以外の制御ユニットとっての直接接続デバイスが追加された場合には、デバイス情報1221としては、間接接続情報ICI1が更新される。図15には、制御ユニット1103にとっての直接接続デバイスIが当初状態から追加され、制御ユニット1103から送信された直接接続情報DCI3を受信した場合における間接接続情報ICI1の更新例(図15(A))及び操作権限情報CAI1の更新例(図15(B))が示されている。また、図15には、こうしたデバイス情報1221の更新に伴うデバイス情報表示の更新例(図15(C))が示されている。
【0067】
なお、制御ユニット1101以外の制御ユニットにとっての直接接続デバイスが追加された場合には、制御ユニット1101は、デバイスの追加の更新がなされた間接接続情報ICI1の他の制御ユニットのそれぞれへの送信を行わない。
【0068】
更新例f:
制御ユニット1101以外の制御ユニットとっての直接接続デバイスが外された場合には、デバイス情報1221としては、間接接続情報ICI1が更新される。図16には、制御ユニット1102にとっての直接接続デバイスCが当初状態から外され、制御ユニット1102から送信された直接接続情報DCI2を受信した場合における間接接続情報ICI1の更新例(図16(A))及び操作権限情報CAI1の更新例(図16(B))が示されている。また、図16には、こうしたデバイス情報1221の更新に伴うデバイス情報表示の更新例(図16(C))が示されている。
【0069】
なお、制御ユニット1101以外の制御ユニットにとっての直接接続デバイスが外された場合には、制御ユニット1101は、デバイスの削除の更新がなされた間接接続情報ICI1の他の制御ユニットのそれぞれへの送信を行わない。
【0070】
更新例g:
制御ユニット1101以外の制御ユニット間でデバイスの操作権限の授受が行われた場合には、デバイス情報1221としては、操作権限情報CAI1が更新される。図17には、デバイスFの操作権限が、当初状態から、制御ユニット1103から制御ユニット1102へ委譲されたことに伴い、制御ユニット1102から送信された操作権限情報CAI2を受信した場合における操作権限情報CAI1の更新例が示されている。
【0071】
なお、制御ユニット間でデバイスの操作権限の授受が行われた場合には、制御ユニット1101は、デバイス情報表示の更新、及び、更新された操作権限情報CAI1の他の制御ユニットのそれぞれへの送信を行わない。
【0072】
更新例h:
デバイス制御システム300に新たなデバイス制御サブシステムが参画した場合には、デバイス情報1221としては、間接接続情報ICI1及び操作権限情報CAI1が更新される。なお、この場合には、通信先情報1211も更新される。
【0073】
図18には、当初状態から、デバイス制御サブシステム2004がデバイス制御システム300に新たに参画した場合に、デバイス制御サブシステム2004の制御ユニット1104が送信した参画通知を受けた制御ユニット1101による通信先情報1211の更新例が示されている。なお、デバイス制御サブシステム2004は、デバイスA及びデバイスBに代えてデバイスJを含む以外は、デバイス制御サブシステム2001と同様に構成されている。
【0074】
また、図19には、デバイス制御サブシステム2004がデバイス制御システム300に新たに参画した場合に、制御ユニット1104が送信した直接接続情報DCI4及び操作権限情報CAI4を受信した場合における間接接続情報ICI1の更新例(図19(A))及び操作権限情報CAI1(図19(B))が示されている。また、図19には、こうしたデバイス情報1221の更新に伴うデバイス情報表示の更新例(図19(C))が示されている。
【0075】
なお、デバイス制御システム300に新たなデバイス制御サブシステムが参画した場合には、制御ユニット1101は、デバイスの追加の更新がなされた間接接続情報ICI1、及び、間接接続デバイスとして追加されたデバイスの操作権限に関する更新がなされた操作権限情報CAI1の他の制御ユニットのそれぞれへの送信を行わない。
【0076】
更新例i:
デバイス制御システム300からデバイス制御サブシステム2001以外のデバイス制御サブシステムが脱退した場合には、デバイス情報1221としては、間接接続情報ICI1及び操作権限情報CAI1が更新される。なお、この場合には、通信先情報1211も更新される。
【0077】
図20(A)には、当初状態から、デバイス制御サブシステム2002がデバイス制御システム300から脱退した場合に、制御ユニット1102が送信した脱退通知を受けた制御ユニット1101による通信先情報1211の更新例が示されている。図20(B)及び図20(C)には、間接接続情報ICI1の更新例及び操作権限情報CAI1がそれぞれ示されている。また、図20(D)には、こうしたデバイス情報1221の更新に伴うデバイス情報表示の更新例が示されている。
【0078】
なお、本実施形態では、当該脱退したデバイス制御サブシステムにおける制御ユニットが、制御ユニット1101にとっての直接接続デバイスに対する操作権限を有していた場合には、制御ユニット1101が、当該デバイスに対する操作権限を獲得する。こうした場合には、当該デバイスに対する操作権限に関する更新がなされた操作権限情報CAI1を、通信先情報1211に登録されている他の制御ユニットのそれぞれへ送信する。
【0079】
《操作権限の獲得に際しての処理》
次に、制御ユニット1101による操作権限の獲得に際しての処理について説明する。
【0080】
操作権限の獲得に際しては、図21に示されるように、まず、ステップS21において、制御ユニット1101が、操作入力ユニット1301が送信した操作権限獲得指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)には、ステップS21の処理が繰り返される。
【0081】
利用者が、操作権限の獲得対象のデバイスを指定した操作権限獲得指令を操作入力ユニット1301に入力し、操作入力ユニット1301から、入力データとして送信された当該操作権限獲得指令を受けると、ステップS21における判定の結果が肯定的となる(ステップS21:Y)。この結果、処理はステップS22へ進む。ステップS22では、制御ユニット1101が、操作権限情報CAI1を参照して、当該操作権限獲得指令で指定されたデバイスの操作権限を有している制御ユニットを特定する。
【0082】
次に、ステップS23において、制御ユニット1101が、当該特定された制御ユニットが制御ユニット1101であるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS23:Y)には、処理はステップS24へ進む。
【0083】
ステップS24では、制御ユニット1101が、当該デバイスの操作権限を既に獲得している旨を、所定時間T1にわたって、表示ユニット2101に表示させる(図22参照)。そして、処理はステップ21へ戻る。
【0084】
なお、所定時間T1は、利用者への確実な情報提示の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0085】
上述したステップS23における判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、処理はステップS25へ進む。このステップS25では、制御ユニット1101が、操作権限の獲得処理を行う。ステップS25における操作権限の獲得処理については、後述する。
【0086】
ステップS25の処理が終了すると、処理はステップS26へ進む。このステップS22では、制御ユニット1101が、操作権限を獲得できたか否かを判定する。
【0087】
ステップS26における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS26:Y)には、処理はステップS27へ進む。このステップS27では、制御ユニット1101が、デバイス情報1221における操作権限情報CAI1の内容を、操作権限の獲得結果を反映した内容に更新する。
【0088】
引き続き、ステップS28において、制御ユニット1101が、「操作権限を獲得した」旨を、所定時間T1にわたって、表示ユニット2101に表示させる(図23(A)参照)。そして、処理はステップ21へ戻る。
【0089】
上述したステップS26における判定の結果が否定的であった場合(ステップS26:N)には、処理はステップS29へ進む。このステップS29では、制御ユニット1101が、「操作権限を獲得できなかった」旨を、所定時間T1にわたって、表示ユニット2101に表示させる(図23(B)参照)。そして、処理はステップ21へ戻る。
【0090】
以後、ステップS21〜S29の処理が繰り返される。これにより、利用者による操作権限獲得指令が行われるたびに、制御ユニット1101は、デバイスの操作権限の獲得のための処理を行う。
【0091】
次に、上記のステップS25における操作権限の獲得処理について説明する。この操作権限の獲得処理では、図24に示されるように、まず、ステップS31において、制御ユニット1101が、上述したステップS22で特定された制御ユニットへ、操作権限の獲得対象デバイスを指定した操作権限の委譲要求を送信する。そして、制御ユニット1101は、操作権限の委譲要求中である旨を表示ユニット2101に表示させる(図25参照)。
【0092】
次に、ステップS32において、制御ユニット1101が、委譲不許可の応答を受信した否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS32:N)には、処理はステップS33へ進む。
【0093】
ステップS33では、制御ユニット1101が、委譲許可の応答を受信した否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS33:N)には、処理はステップS34へ進む。
【0094】
ステップS34では、制御ユニット1101が、当該委譲要求を送信してから所定時間T2が経過したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS34:N)には、処理はステップS32へ戻る。
【0095】
なお、所定時間T2は、当該委譲要求を受信した制御ユニットの利用者の応答操作時間として必要かつ十分な時間を確保するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0096】
上述したステップS32〜S34の処理の繰り返し中に、ステップS33又はステップS34における判定の結果が肯定的となると(ステップS33:Y、又は、ステップS34:Y)、処理は、ステップS35へ進む。このステップS35では、制御ユニット1101が、操作権限を獲得したと判断する。そして、上記の操作権限の委譲要求中である旨の表示を終了させ、今回のステップS25の処理を終了する。この後、処理は、上述した図21のステップS26へ進む。
【0097】
一方、ステップS32〜S34の処理の繰り返し中に、ステップS32における判定の結果が肯定的となると(ステップS32:Y)、処理は、ステップS36へ進む。このステップS36では、制御ユニット1101が、操作権限を獲得できなかったと判断する。そして、上記の操作権限の委譲要求中である旨の表示を終了させ、今回のステップS25の処理を終了する。この後、処理は、上述した図21のステップS26へ進む。
【0098】
なお、制御ユニット1101から送信された操作権限の委譲要求を受信した他の制御ユニットは、後述する他の制御ユニットから送信された操作権限の委譲要求を受信した制御ユニット1101の場合と同様の処理を実行する。
【0099】
《操作権限の委譲に際しての処理》
次に、制御ユニット1101による操作権限の委譲に際しての処理について説明する。
【0100】
操作権限の委譲に際しては、図26に示されるように、まず、ステップS41において、制御ユニット1101が、操作権限の委譲要求を受信したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS41:N)には、ステップS41の処理が繰り返される。
【0101】
操作権限の委譲要求を受信し、ステップS41における判定の結果が肯定的になると(ステップS41:Y)、処理はステップS42へ進む。このステップS42では、制御ユニット1101が、利用者による操作権限の委譲の許可/不許可の判断を仰ぐための委譲要求受信画面を、表示ユニット2101に表示させる(図27参照)。
【0102】
なお、本実施形態では、委譲要求受信画面には、当該委譲要求を送信した制御ユニットの識別子が含まれるようになっている。
【0103】
次に、ステップS43において、制御ユニット1101が、利用者による委譲不許可指令が入力されたかを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS43:N)には、処理はステップS44へ進む。
【0104】
ステップS44では、制御ユニット1101が、利用者による委譲許可指令が入力されたかを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS44:N)には、処理はステップS45へ進む。
【0105】
ステップS45では、制御ユニット1101が、当該委譲要求を受信してから所定時間T2が経過したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS45:N)には、処理はステップS43へ戻る。
【0106】
上述したステップS43〜S45の処理の繰り返し中に、ステップS43における判定の結果が肯定的となると(ステップS43:Y)、処理はステップS46へ進む。このステップS46では、制御ユニット1101が、委譲不許可の応答を、当該委譲要求を送信した制御ユニットへ送信する。そして、処理は、後述するステップS49へ進む。
【0107】
また、ステップS43〜S45の処理の繰り返し中に、ステップS44における判定の結果が肯定的となると(ステップS44:Y)、処理はステップS47へ進む。このステップS47では、制御ユニット1101が、委譲許可の応答を、当該委譲要求を送信した制御ユニットへ送信する。そして、処理は、後述するステップS48へ進む。
【0108】
また、ステップS43〜S45の処理の繰り返し中に、ステップS45における判定の結果が肯定的となると(ステップS45:Y)、制御ユニット1101は、委譲許可がなされたものと判断する。そして、処理はステップS48へ進む。
【0109】
ステップS48では、制御ユニット1101が、操作権限の委譲に伴うデバイス情報1221における操作権限情報CAI1の更新を行う。そして、処理はステップS49へ進む。
【0110】
ステップS49では、制御ユニット1101が、ステップS42で開始した委譲要求受信画面の表示を終了させる。そして、処理はステップS41へ戻る。
【0111】
以後、ステップS41〜S49の処理が繰り返される。これにより、操作権限の委譲要求を受信するたびに、制御ユニット1101は、デバイスの操作権限の委譲のための処理を行う。
【0112】
《デバイスに対する主体的な制御》
次いで、制御ユニット1101によるデバイスに対する主体的な制御の処理について説明する。
【0113】
上述のようにして表示ユニット2101に表示されたデバイス情報を見た利用者が、操作入力ユニット1301を操作して、制御ユニット1101が操作権限を有しているデバイスの操作指令を入力すると、当該操作指令が、入力データとして、操作入力ユニット1301から制御ユニット1101へ送られる。
【0114】
なお、制御ユニット1101が操作権限を有していないデバイスに対する操作指令を受けた場合には、制御ユニット1101は、当該操作指令の対象となったデバイスの操作権限を有していない旨を、所定時間T1にわたって表示ユニット2101に表示させる。この後、制御ユニット1101は、当該操作指令に対応する処理を終了する。
【0115】
操作権限を有しているデバイスに対する操作指令を受けた制御ユニット1101は、当該操作指令の対象となったデバイスが制御ユニット1101に直接的に接続されている場合には、当該操作指令に従って、必要な制御を当該デバイスに対して行う。そして、制御ユニット1101は、操作ガイダンス情報や操作進行状況情報を表示ユニット2101に表示させる。
【0116】
また、当該操作指令の対象となったデバイスが制御ユニット1101に間接的に接続されている場合には、当該操作指令を操作要求として、当該デバイスが直接的に接続されている他の制御ユニットへ送信する。そして、制御ユニット1101は、当該操作要求に対応する応答の待ち状態となる。
【0117】
こうした操作要求に対応する応答として、操作ガイダンス情報や操作進行状況情報を受信すると、制御ユニット1101は、受信した情報を表示ユニット2101に表示させる。この後、制御ユニット1101は、当該操作指令に対応する処理を終了する。
【0118】
なお、制御ユニット1101から送信された操作指令を受信した他の制御ユニットは、後述する他の制御ユニットから送信された操作指令を受信した制御ユニット1101の場合と同様の処理を実行する。
【0119】
《デバイスに対する従属的な制御》
次に、制御ユニット1101によるデバイスに対する従属的な制御の処理について説明する。
【0120】
他の制御ユニットから送信された操作指令を受信した制御ユニット1101は、制御ユニット1101に直接的に接続され、かつ、当該操作指令で指定されたデバイスに対して、当該操作指令に従って必要な制御を行う。そして、制御ユニット1101は、当該デバイスに関する操作ガイダンス情報や操作進行状況情報を、当該操作指令を送信した制御ユニットへ送信する。この後、制御ユニット1101は、受信した操作指令に関する処理を終了する。
【0121】
なお、制御ユニット1101は、操作入力ユニット1301から送られた入力データとして、デバイス制御システム300からの脱退指定を受けると、脱退通知を、その時点で通信先情報1211に通信アドレスが登録されている他の制御ユニットのそれぞれへ送信する。引き続き、制御ユニット1101は、通信先情報1211及び間接接続情報ICI1内容を全て消去する。そして、制御ユニット1101は、操作権限情報CAI1の内容を、直接接続デバイスのみが登録され、かつ、直接接続デバイスの全ての操作権限を制御ユニット1101が有している旨の内容に更新する。
【0122】
上記のようにして動作する制御ユニット1101、及び、制御ユニット1101と同様に動作する他の制御ユニットによる制御もとで、デバイス制御システム300におけるデバイス制御動作及びデバイス制御関連動作が行われる。
【0123】
以上説明したように、本実施形態では、制御ユニット110jが、制御ユニット110jに直接的に、又は、制御ユニット110jと通信可能な他の制御ユニットを介して間接的に接続され、制御ユニット110jが操作権限を有する可能性があるデバイスに関するデバイス接続情報を取得する。また、制御ユニット110jは、当該制御ユニット110jが操作権限を有する可能性があるデバイスのそれぞれについて制御ユニット110jが操作権限を有しているか否かの操作権限情報を取得する。そして、制御ユニット110jは、当該取得されたデバイス接続情報及び操作権限情報を含むデバイス情報を、表示ユニット210jに表示させる。
【0124】
このため、本実施形態では、ネットワークを介して共用可能なデバイスの全容と、それらのデバイスのうちで、各時点において、操作可能なデバイスと操作不可能なデバイスとの区別が、視覚的な情報として個々の利用者に提供される。したがって、本実施形態によれば、利用者の利便性を向上させることができる。
【0125】
また、本実施形態では、利用者間の合意を前提として、制御ユニット間でデバイスの操作権限の授受を行う。このため、個々の利用者は、操作すること欲するデバイスの操作権限を有している制御ユニットの利用者の承諾が得られれば、当該デバイスの操作を行うことができるようにすることができる。
【0126】
また、本実施形態では、制御ユニットでデバイスの操作権限の授受に際して、操作権限の委譲要求を送信した制御ユニットは、予め定められた時間内に当該委譲要求に対する応答を受信しなかった場合には、操作権限の委譲許可がなされたと判断する。このため、操作権限の委譲要求を受けた制御ユニットの利用者は、操作権限の委譲を不許可とする場合にのみ、操作入力ユニットへの入力を行えばよいので、操作権限の委譲を許可する際の当該利用者の手間を軽減することができる。
【0127】
また、本実施形態では、操作権限の委譲要求を受信した制御ユニットが、当該委譲要求があった旨とともに、当該委譲要求を送信した制御ユニットの識別情報を、表示ユニットに表示させる。このため、操作権限の委譲要求を受信した制御ユニットの利用者は、当該委譲要求を送信した制御ユニット(ひいては、その利用者)を確認したうえで、操作権限の委譲を許可するか、又は、許可しないかを判断することができる。
【0128】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0129】
例えば、上記の実施形態では、制御ユニット間でのデバイスの操作権限の授受に際して、操作権限の委譲要求を送信した制御ユニットは、所定時間T2内に当該委譲要求に対する応答を受信しなかった場合には、操作権限の委譲許可がなされたと判断するようにした。これに対し、操作権限の委譲要求を送信した制御ユニットは、所定時間T2内に当該委譲要求に対する応答を受信しなかった場合には、操作権限の委譲不許可がなされたと判断するようにしてもよい。この場合には、操作権限の委譲要求を受けた制御ユニットの利用者は、操作権限の委譲を許可とする場合にのみ、操作入力ユニットへの入力を行えばよいので、操作権限の委譲を不許可とする際の当該利用者の手間を軽減することができる。
【0130】
また、上記の実施形態では、操作権限の委譲要求を受信した制御ユニットが、当該委譲要求があった旨とともに、当該委譲要求を送信した制御ユニットの識別情報を、表示ユニットに表示させるようにしたが、当該委譲要求を送信した制御ユニットの識別情報の表示を省略するようにしてもよい。
【0131】
また、上記の実施形態では、制御ユニットは、デバイス制御システムへの参画通知、デバイス制御システムからの脱退通知、更新された直接接続情報、操作権限の獲得に伴って更新された操作権限情報、操作権限の委譲要求、及び操作指令を他の制御ユニットへ送信する場合に、個々に送信先を指定するようにしたが、デバイス制御システム内における同報送信を行うようにし、他の制御ユニットの全てに送信するようにしてもよい。この場合には、同報送信結果を受信した制御ユニットが、受信内容の取得の必要性を判断して、必要な情報を取得するとともに、応答が必要な場合には、当該同報送信を行った制御ユニットへ応答を返送するようにすればよい。
【0132】
また、上記の実施形態では、制御ユニット間の通信は、送信元の制御ユニットが、個々に送信先の制御ユニットに対して、1対1通信で情報を送信するようにした。これに対し、一の制御ユニットから発信された情報が、制御ユニット間で予め定められた順序で順送りされて、他の全ての制御ユニットへ伝達される通信方式を採用してもよい。この場合には、自らが発信した情報以外の情報を受信した制御ユニットは、当該予め定められた順序における次の順番の制御ユニットへ当該受信した情報を送信するようにすればよい。
【0133】
また、上記の実施形態では、表示ユニットをデバイス制御装置とは別途に用意することにしたが、デバイス制御装置が表示ユニットを備えるようにしてもよい。この場合、表示ユニットが表示制御機能を内蔵するようにすることができる。
【0134】
また、上記の実施形態では、表示ユニットにおける表示により、利用者に情報を提供するようにしたが、利用者への情報提供に際しては、音声出力を併用するようにしてもよい。
【0135】
また、上記の実施形態では、制御ユニット同士がネットワークを介して接続されるようにしたが、このネットワークは、広域ネットワークでもよいし、LAN(Local Area Network:例えば、車内LAN、家庭内LAN)であってもよい。また、車内や家庭内に存在する複数の制御ユニットのように、制御ユニット間の距離が短く、かつ、制御ユニットの数が少ない場合には、ネットワークを利用せずに、制御ユニット間で直接的にデータの授受を行うようにしてもよい。
【0136】
なお、上記の実施形態における制御ユニットを、演算手段としてのコンピュータを備えたコンピュータ装置として構成し、上述した制御ユニットの機能の一部又は全部の機能を、プログラムを実行することにより実現するようにすることができる。これらのプログラムは、CD−ROM,DVD,USBメモリ等のシリコン媒体等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにすることができる。
【符号の説明】
【0137】
100j … デバイス制御装置
110j … 制御ユニット(制御部及び表示制御部)
130j … 操作入力ユニット(操作入力部)
300 … デバイス制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作権限を有しているデバイスの制御を行う自制御部と;
前記自制御部に、直接的に、又は、前記自制御部とは別に設けられた前記自制御部と同等な制御を行う他制御部を介して間接的に、接続される少なくとも1つのデバイスのそれぞれについての、前記自制御部が操作権限を有しているか否かを含むデバイス情報を表示部に表示させる表示制御部と;
を備えることを特徴とするデバイス制御装置。
【請求項2】
前記自制御部に対する指令が入力される操作入力部を更に備え、
前記自制御部は、
操作権限を有していない第1デバイスに関する操作権限の獲得指令が入力された旨の報告を前記操作入力部から受けた場合に、前記第1デバイスの操作権限を有している他制御部へ、前記第1デバイスの操作権限の委譲要求を発行し、
前記表示制御部は、
前記委譲要求に対して委譲許可がなされたと前記自制御部が判断した場合に、前記自制御部による制御のもとで、前記表示部による表示内容を更新させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス制御装置。
【請求項3】
前記自制御部は、前記第1デバイスの操作権限の委譲要求に対する委譲許可応答を受信した場合に、前記第1デバイスの操作権限の委譲許可がなされたと判断する、ことを特徴とする請求項2に記載のデバイス制御装置。
【請求項4】
前記自制御部は、前記第1デバイスの操作権限の委譲要求に対する応答を所定時間以上受信しなかった場合に、前記第1デバイスの操作権限の委譲許可がなされたと判断する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のデバイス制御装置。
【請求項5】
前記自制御部は、
操作権限を有している第2デバイスに関する操作権限の委譲要求を受信した場合に、前記第2デバイスの操作権限の委譲要求を受信したことを前記表示部に表示させ、
前記第2デバイスに関する操作権限の委譲許可指令が入力された旨の報告を前記操作入力部から受けた場合に、前記第2デバイスの操作権限の委譲要求を発行した他制御部へ、前記第2デバイスの操作権限の委譲許可応答を返送し、
前記第2デバイスに関する操作権限の委譲不許可指令が入力された旨の報告を前記操作入力部から受けた場合に、前記第2デバイスの操作権限の委譲要求を発行した他制御部へ、前記第2デバイスの操作権限の委譲不許可応答を返送する、
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のデバイス制御装置。
【請求項6】
前記自制御部は、前記第2デバイスの操作権限の委譲要求を発行した他制御部の識別情報を、前記表示部に更に表示させる、ことを特徴とする請求項5に記載のデバイス制御装置。
【請求項7】
操作権限を有しているデバイスの制御を行う自制御部と;
前記自制御部に、直接的に、又は、前記自制御部とは別に設けられた前記自制御部と同等な制御を行う他制御部を介して間接的に、接続される少なくとも1つのデバイスのそれぞれについての、前記自制御部が操作権限を有しているか否かを含むデバイス情報を表示する表示部と;
を備えることを特徴とするデバイス制御装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の複数のデバイス制御装置が、相互に通信可能に接続されている、ことを特徴とするデバイス制御システム。
【請求項9】
操作権限を有しているデバイスの制御を行う自制御部を備えるデバイス制御装置で使用されるデバイス情報表示方法であって、
前記自制御部に、直接的に、又は、前記自制御部とは別に設けられた前記自制御部と同等な制御を行う他制御部を介して間接的に、接続される少なくとも1つのデバイスのそれぞれについての、前記自制御部が操作権限を有しているか否かを含むデバイス情報を、前記自制御部が取得する取得工程と;
前記取得工程において取得されたデバイス情報を、前記自制御部が表示部に表示させる表示工程と;
を備えることを特徴とするデバイス情報表示方法。
【請求項10】
請求項9に記載のデバイス情報表示方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とするデバイス情報表示プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のデバイス情報表示プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−50888(P2013−50888A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189192(P2011−189192)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】