説明

デブリドマン機構を用いる減圧治療システムおよび方法

減圧治療システムおよび方法が開示されており、それらは望まない組織部位を取り除くためのデブリドマン機構を用いる。一例において、患者の組織部位を治療するための減圧治療システムは、減圧を組織部位に分配するためのマニホルド部材と、組織部位とマニホルドとに近接配置する支持部材と、支持部材に結合されるデブリドマン機構とを含む。デブリドマン機構は組織部位を鮮創するためのものである。システムはさらに、組織部位とマニホルド部材との上に配置するためのシーリングドレープを含む。シーリングドレープは組織部位とマニホルド部材との上に流体シールを形成可能である。システムはまた、減圧をシーリングドレープに送達するための減圧サブシステムを含む。システムはさらに、化学デブリドマンサブシステムを含んでもよい。他のシステム、マニホルド、および方法が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は米国特許法第119条第(e)項の下で、2008年12月24日に提出された「Reduced-Pressure Treatment Systems and Methods Employing Debridement Mechanisms」なるタイトルの米国仮特許出願番号61/140,654の優先権を主張するものであり、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
創傷は時にデブリドマン、または望まない組織を取り除くことを必要とし治癒を促進させる。大抵のデブリドマン技術は、望まない組織の特定に欠けるものである。したがって、健康な組織が望まない組織とともに取り除かれることがあり、患者に不快感や苦痛を与えるだけでなく治癒期間を長引かせてしまう。
【0003】
マゴットデブリドマンセラピーは一般に、無傷の健康な組織を残したまま、壊死組織のような望まない組織を創傷から取り除くよう創傷を鮮創(debride)する能力で長く有名であった。マゴットセラピーは創傷を鮮創するのに用いることができるが、費用と時間がかかるものであった。さらにマゴットセラピーは労働力を多く必要とし、ヘルスケア提供者と患者の双方にとって好ましくないことも多い。他にも欠点がある。
【発明の概要】
【0004】
創傷ケアシステムおよび方法を用いる欠点は、本書の例示的な、非限定的な実施例により克服される。一例示的な、非限定的な実施例によると、患者の組織部位を治療する減圧治療システムは、組織部位に減圧を分配するマニホルド部材と、前記組織部位および前記マニホルド部材の近くに配置する支持部材と、前記支持部材に機械的に結合されるデブリドマン機構とを含む。前記デブリドマン機構は前記組織部位を鮮創するためのものである。前記システムはさらに、前記組織部位およびマニホルド部材上に配置するシーリングドレープを含む。前記シーリングドレープは、前記組織部位およびマニホルド部材上に流体シールを形成可能である。前記システムはまた、前記シーリングドレープに減圧を送達する減圧サブシステムを含む。前記システムはさらに、化学デブリドマンサブシステムを含んでもよい。
【0005】
患者の組織部位を治療するマニホルド部材は、減圧を分配するマニホルド材と、前記マニホルド材に付随する支持部材と、前記組織部位を鮮創するデブリドマン機構とを含む。前記デブリドマン機構は前記支持部材と結合している。
【0006】
患者の組織部位を治療する方法は、前記組織部位の近くにマニホルド部材を配置するステップを含む。前記マニホルド部材は、前記組織部位を鮮創するデブリドマン機構を含む。前記方法はさらに、前記マニホルド部材と患者の表皮上にシーリングドレープを配置するステップと、前記シーリングドレープと前記患者の表皮との間に流体シールを形成するステップと、減圧を前記マニホルド部材に提供するステップとを含む。減圧がかけられると、前記デブリドマン機構は前記組織部位を鮮創する。
【0007】
患者の組織部位を治療するマニホルド部材を製造する方法は、組織部位上に配置するマニホルド部材を形成するステップを含む。前記マニホルド部材は支持部材を含む。前記方法はさらに、デブリドマン機構を前記支持部材に結合させるステップを含む。前記デブリドマン機構は、減圧の影響下で組織部位を鮮創するよう構成されている。
【0008】
例示的な、非限定的な実施例の他の特徴と利点が、以下の図面と詳細な説明とを参照することにより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
より完全な理解は添付図面とともに以下の詳細な説明を参照して得られ、同じ番号は同じ部材を示す。
【図1】図1は、デブリドマン機構を用いる減圧治療システムの例示的な、非限定的な実施例の断面に示された一部を有する概略図である。
【図2】図2Aは、図1の減圧治療システムから、開位置に示されたピンサー(pincer)の概略断面図である。図2Bは、減圧開始後に示された図2Aのピンサーの概略断面図である。図2Cは、閉位置に示された図2Aのピンサーの概略断面図である。
【図3】図3は、デブリドマン機構を用いる減圧治療システムの一部の代替実施例の概略断面図である。
【図4】図4は、デブリドマン機構を用いる減圧治療システムの他の例示的な、非限定的な実施例の断面図に示された一部を有する概略図である。
【図5】図5Aは、デブリドマン機構を用いる減圧治療システムの部分として用いるための例示的な、非限定的な実施例の概略断面図であり、第1の位置に示されている。図5Bは、第2の位置に示された図5Aのデブリドマン器械の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な、非限定的な実施例の以下の詳細な説明において、参照はその一部を形成する添付図面になされる。これらの実施例は、当業者が本発明を実施できるよう十分詳細に記載されており、他の実施例が利用可能であり、論理的、構造的、機械的、電気的、および化学的な変更が本発明の精神または範囲から逸脱することなくなされてもよいことを理解されたい。当業者が本書に記載される実施例を実施するのに必要ではない詳細を避けるために当業者に周知の情報は記載しなくてもよい。以下の詳細な記載は、したがって、限定の意味に取られるのではなく、例示的な、非限定的な実施例は添付のクレームによってのみ規定される。
【0011】
ここでまず図1−図2Cを参照すると、例えば、創傷102のような組織部位101を治療する減圧治療システム100が呈される。創傷102は、限定ではないが、開放創、外科創、または患部組織のような組織を有する任意の不揃いなものを含みうる。減圧治療システム100は、表皮104、または一般に皮膚、および真皮106を通り、下皮、または皮下組織108内に到達する創傷102を含む一般的な組織部位101のコンテクストに示される。減圧治療システム100は、開放創または他の組織部位を含む創傷の多くの異なるタイプと同じ任意の深さの創傷を治療するのに用いることができる。組織部位101は、任意の人、動物、または他の生物体であってもよく、骨組織、脂肪組織、筋組織、皮膚組織、維管束組織、結合組織、軟骨、腱、靭帯、または任意の他の組織を含む。示されない限り本書に用いられるような「or」は相互排他性を要しない。創傷102は一層の壊死組織124層を含んでもよい。少なくともいくつか例において、創傷102の治癒を促進させるために壊死組織124を取り除くことは望ましいかもしれない。例示的な、非限定的な実施例は、一層の壊死組織124を有する創傷102に関する減圧治療システム100を示し、減圧治療システム100は痂皮、壊死、損傷、感染、汚染、または付着した組織、または異質材料のような望まない組織を有する任意の組織部位とともに用いることができる。
【0012】
減圧治療システム100は、マニホルド部材110と、シーリングドレープ112と、減圧サブシステム114とを含む。前記減圧治療システム100はまた、取付装置116を含んでもよい。前記マニホルド部材110は、シーリングドレープ112の組織に面する面118と組織部位101との間に配置することができる。
【0013】
本書に用いられる用語「マニホルド」は一般に、例えば、創傷102のような組織部位に減圧をかけたり、流体を送達したり、流体を取り除いたりする際の補助を提供する物質または構造を言う。マニホルド部材110は一般に、マニホルド部材110周りに提供したり、取り除いたりする流体の分配を促進させるよう内部接続された複数の流路または経路を含む。マニホルド部材110は、例えば、創傷102などの組織部位と接触配置、および組織部位101に減圧を分配可能な生体適合性材料であってもよい。マニホルド部材110の例は、例えば、限定しないが、細胞状発泡体、連続気泡発泡体、多孔質組織集合体、液体、ゲル、および流路を含むか、あるいは含むよう治療(cure)する発泡体を形成するよう配置された構造要素を有する装置を含んでもよい。マニホルド部材110は多孔性であってもよく、発泡体、ガーゼ、フェルトマットなどでできていてもよい。マニホルド部材110は、多孔性材料、例えば、発泡体であってもよいし、多孔性、例えば、開口のある固体部材の材料であってもよい。一例示的な、非限定的な実施例において、マニホルド部材110は多孔性発泡体であり、複数の内部接続された細胞、または流路として機能する細孔を含む。多孔性発泡体はポリウレタン、連続気泡発泡体、テキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.製造の材料GranuFoam(登録商標)のような網状発泡体であってもよい。他の実施例は「独立気泡」を含んでもよい。いくつかの状況において、マニホルド部材110はまた、薬物、抗菌物質、成長要因、および組織部位への様々な溶液のような流体を分配するよう用いることができる。吸水性材料、吸い上げ材料、疎水性材料、および親水性材料のようなマニホルド部材110内またはその上に他の層を含んでもよい。
【0014】
マニホルド部材110の組織に面する面120は、例えば、創傷102のような組織部位101を鮮創する1以上のデブリドマン機構122を含む。本書に用いられるように、用語「鮮創する」、「鮮創すること」、および「デブリドマン」は焼痂、壊死、損傷、感染、汚染、または付着した組織、または組織部位からの異物材料のような望まない組織を取り除く行為、または取り除くことに関する。例示的な、非限定的な実施例において、各デブリドマン機構122は、創傷102から壊死組織124を取り除くことができる。しかしながら、各デブリドマン機構124が任意の好適な種類の望まない組織を取り除いたり、任意の好適な組織部位から異物材料を取り除いたりできることが理解できよう。一実施例において、デブリドマン機構124は、マニホルド部材110が、例えば、創傷102内の組織部位101でマイクロステインを誘発できるよう構成される。他の実施例において、デブリドマン機構124およびマニホルド部材110はともに、例えば、創傷102内の組織部位101でマイクロステインを誘発できる。
【0015】
デブリドマン機構122はマニホルド部材110と結合していてもよい。本書に用いられるように、用語「結合された」は別個の物体を介する結合および直接結合を含む。用語「結合された」はまた、同種の材料から形成された要素の各々により互いに連続する2以上の要素を包含する。また、用語「結合された」は化学的、機械的、熱的、または電気的結合を含んでもよい。流体結合は、流体が所定部分または位置間に連通していることを意味する。あるいはデブリドマン機構122は、結合しないでマニホルド部材110に近接するものであってもよい。
【0016】
例示的な、非限定的な実施例は、図2A−図2Cに明確に示されるように、各デブリドマン機構122がピンサー126であってもよい。一実施例において、複数のピンサー126がマニホルド部材110の組織に面する面120上に配置されている。しかしながら、任意の数のピンサー126が用いられてもよいことを理解されたい。ピンサー126はパターンで、またはランダムに配置されてもよい。
【0017】
各ピンサー126は一般にマニホルド部材110の成形要素であるが、各ピンサー126が付随する別個の要素であっても、マニホルド部材110と結合していてもよい。代替的な実施例において、図3に示されるように、各ピンサー126はマニホルド部材110と結合するか、付随する第2のマニホルド201の成形要素であってもよいし、結合してもよい。第2のマニホルド201はマニホルド部材110と構造上似ていてもよいし、第2のマニホルド201がマニホルド部材110の前述の機能と干渉しないように1以上のピンサー刃130間または隣接して1以上の開口(図示せず)を含んでもよい。さらに他の例示的な、非限定的な実施例において、デブリドマン機構は支持部材128と結合する第1の顎部材と、支持部材128と結合し、第1の顎部材と離れている第2の顎部材とを含み、第1および第2の顎部材は、第1の開口位置から、減圧の影響下の第2の咬合位置まで動かすことができる。
【0018】
ここでまた図2A−図2Cを参照すると、各ピンサー126はマニホルド部材110と結合する支持部材128を含む。一対のピンサー刃130が支持部材128から延在している。例示的な、非限定的な実施例は、支持部材128からほぼ垂直に延在しているピンサー刃130を示しているが、各ピンサー刃130が任意の好適な角度で支持部材128から延在してもよいことを理解されたい。各ピンサー刃130は、ピンサー刃130が点132にテーパするよう形成されているが、各ピンサー刃130が任意の好適な形状を有してもよいことを理解されたい。さらに例示的な、非限定の実施例は、ピンサー126が一対のピンサー刃130を有するよう示されているが、ピンサー126が任意の好適な数のピンサー刃130を有してもよいことを理解されたい。さらに後述するように、ピンサー126は減圧影響下では開位置(図2A)から閉位置に動き、これにより壊死組織124の一部136が創傷102(図2C)から取り除かれるよう構成される。開位置から閉位置に動くと、ピンサー126は創傷102(図2Bを参照)から壊死組織124の一部136内に入り込んで掻き出す。他の実施例において、ピンサー126が閉位置まで移動し、減圧の継続した影響下でピンサー刃130は閉位置から倒れた位置まで動き、これにより各ピンサー刃130の内面134はマニホルド部材110の組織に面する面120に対向、または近づく。
【0019】
ここでまた図1を参照すると、シーリングドレープ112は第1の面140と組織に面する面118とを含む。シーリングドレープ112は、そのドレープ延在部138が創傷102の外面を超えて延在して創傷102を覆うよう寸法調整されてもよい。シーリングドレープ112は流体シールを設ける任意の材料であってもよい。「流体シール」または「シール」は、含まれる特定の減圧源またはサブシステムが与えられた所望の部位で減圧を維持するのに十分なシールを意味する。シーリングドレープ112は、例えば、約20ミクロンより小さい細孔寸法を有する不浸透性または半浸透性の弾性材料であってもよい。「弾性の」はエラストマの性質を有することを意味する。それは一般に、ゴムのような性質を有するポリマ材料を言う。さらに具体的には、大抵のエラストマは100%以上の最大伸び率と著しい量の弾性を有する。材料の弾性は弾性変形から回復する材料の能力を言う。エラストマの例は、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリエステル、およびシリコーンを含むが、これらに限定されない。シーリング部材材料のさらなる具体的な例は、シリコーンドレープ、3M社のTegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennisonから入手可能なもののようなアクリルドレープ、またはインサイスドレープを含む。
【0020】
取付装置116は、ガスケットまたはさらなるシーリング部材のような患者の表皮104または他の層に対してシーリングドレープ112を保持するよう用いられてもよい。取付装置116は多くの形態を取りうる。例えば、取付装置116は、シーリングドレープ112の1以上のドレープ延在部138周りに延在する医学的に受容可能な、感圧接着剤であってもよい。代替的に、感圧接着剤はシーリングドレープ112の幅全体にわたってもよい。代替的に、取付装置は熱活性化剤、シーリングテープ、両面シーリングテープ、糊、親水コロイド、ヒドロゲル、フック、縫い目などを含むが、それらに限定されない。
【0021】
減圧サブシステム114は多くの異なる形態をとりうる減圧源142を含む。この減圧源142は減圧治療システム100の一部として減圧を提供する。本書に用いられるように、「減圧」は一般に治療が施される組織部位で雰囲気より低い圧力を言う。大抵の場合、この減圧は患者が置かれている雰囲気圧より低くなる。もしくは、減圧は組織部位の静水圧よりも低いかもしれない。減圧はまず、マニホルド部材110、減圧導管144、または導管144、および近くの組織部位101、例えば、創傷102に流体流を生じさせる。組織部位101、例えば、創傷102周りの静水圧が所望の減圧に近づくにつれて、流れは静まり、減圧が維持されうる。示されない限り、本書に述べられる圧力値はゲージ圧である。送達された減圧は静的、動的(パターンまたはランダム)であってもよく、連続的または間欠的に送達されてもよい。用語「真空」および「負圧」は組織部位にかけられる圧力を記載するのに用いられてもよいが、組織部位にかけられる実際の圧力は完全真空と一般に関連する圧力より大きくてもよい。本書での使用と一貫して、減圧または真空圧における増加は絶対圧力における相対的な減少を言う。
【0022】
減圧サブシステム114は減圧を提供する。この減圧サブシステム114は真空ポンプまたは壁面吸込のような減圧を供給する任意の手段であってもよい減圧源142を含む。組織部位にかけられる減圧の量と性質は一般に適用により変化し、減圧は一般に−5mmHg乃至−500mmHgである。
【0023】
例示的な、非限定的な実施例において、減圧源142はバッテリ区画146と窓150付キャニスタ領域148とを有し、キャニスタ148内の流体レベルの視覚的な表示を提供する。疎水性または油に対する親和性が欠如したフィルタのような挿入されたろ過膜は、減圧導管144と減圧源142との間に組み込まれてもよい。
【0024】
減圧源142によって提供された減圧は、減圧導管144を通り減圧接続器152、またはL形部分154でありうる接続器152に送達される。一例示的な、非限定的な実施例において、L形部分154はテキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts Inc.より入手可能なTRAC(登録商標)技術ポートである。減圧接続器152により減圧がシーリングドレープ112に送達されるようになり、シーリングドレープ112とマニホルド部材110の内部に実現可能となる。この例示的な、非限定的な実施例において、L形部分154はシーリングドレープ112を通りマニホルド部材110まで延在するが、多くの配置が可能である。
【0025】
動作中、マニホルド部材110は、例えば、創傷102の組織部位101の近くに配置されてもよい。マニホルド部材110は創傷102内に配置されてもよいし、創傷102の一部を覆ってもよい。図2Aに明確に示されているように、マニホルド部材110がまず創傷102に配置され、各ピンサー126が開位置にあり、これによりピンサー刃130に対応する2以上の点132が互いに間隔を空けた関係にある。さらに、各ピンサー刃130の点132は、創傷102内の組織の一部に当接し、好ましくは壊死組織124に当接する。例示的な、非限定的な実施例において、各ピンサー刃130の外面156と(示された配向用の)水平参照線158との初期角度(θ)は70度乃至110度であり、より具体的には80度乃至100度であり、さらに具体的には85度乃至95度である。特定の一例示的な、非限定的な実施例において、初期角度は約90度(90°)である。しかしながら、初期角度(θ)が任意の好適な角度でありうると解されよう。
【0026】
シーリングドレープ112は、ドレープ延在部138が創傷102の外面を超えて延在するようにマニホルド部材110上に配置されてもよい。ドレープ延在部138は、患者の表皮104とシーリングドレープ112との間に流体シールを形成するために取付装置116により患者の表皮104に固定されてもよい。次いで減圧接続器152が適用されてもよいし、まだ取り付けられていないなら、減圧導管144が減圧接続器152に流体接続されてもよい。減圧導管144は減圧源142に流体接続されている。減圧源142は次いで、減圧がシーリングドレープ112およびマニホルド部材110の内部に送達させることができる。
【0027】
減圧が送達されると、マニホルド部材110は半硬質の基質を形成するように収縮してもよい。減圧がマニホルド部材110に送達されると収縮し始め、圧縮力が力ベクトル160により示される方向に発生し、この力が各ピンサー刃130の点132を壊死組織124内へと動かし始める。さらに、図2Bに示されるように、2以上の対応するピンサー刃130の点132は互いに力が作用し始め、これにより壊死組織124の一部136が対応するピンサー刃130の間に受容される。例示的な、非限定的な実施例において、2以上の対応するピンサー刃130の点132が互いに作用し始めると、各ピンサー刃130の外面156と水平参照線158との角度(θ)は一般に、初期角度(θ>θ)より大きい。
【0028】
図2Cに示されるように、減圧を継続して送達し、マニホルド部材110を継続して収縮させることにより、各ピンサー126は閉位置に動くことができ、ここで対応するピンサー刃130の点132は互いに近づくよう力が作用し、これによりその間にある壊死組織124の一部136は創傷102から取り除かれる。例示的な、非限定的な実施例において、ピンサー126が閉位置に動くと、各ピンサー刃130の外面156と水平参照線158との角度(θ)は、ピンサー刃130が互いに力が作用し始めるとき(すなわち、θ)の角度より大きく、初期角度(θ>θ>θ)より小さい。マニホルド部材110を通り送達された減圧は、壊死組織124の任意の自由に動く、または切除された部分136とともに創傷102から任意の滲出液や他の流体を取り除く補助となりうる。このように、減圧治療システム100は、例えば、創傷102のような組織部位101の治癒を促進させることができる。さらに、一実施例において、ピンサー126の1が閉位置に動いたら、減圧を継続して送達し、マニホルド部材110を継続して収縮させることにより各ピンサー刃130が閉位置からつぶれた位置に動き、これにより各ピンサー刃130の内面134はマニホルド部材110の組織に面する面120と対峙するか近づくか、あるいはピンサー自体またはピンサー126に隣接してとじる。
【0029】
図3を再び参照すると、マニホルド部材110はマニホルド部材110に付随するが結合していない第2のマニホルド201とともに用いられると、第2のマニホルド201は組織に当接するピンサー126を用いて組織部位101の近くに配置することができる。次いで、マニホルド部材110は第2のマニホルド201の近くに配置することができる。動作は次いで、上述のように進めることができる。
【0030】
ここで図4を参照すると、減圧治療システム300の他の例示的な、非限定的な実施例が、創傷302のような組織部位301を治療するために示される。減圧治療システム300は、図1−図2Cの減圧治療システム100と似ている点が多く、部材の関係は一般に、200により図1−2Cの数字を示すことにより本実施例に示されている。
【0031】
減圧治療システム300はさらに流体管理サブシステム362を含む。この流体管理サブシステム362は、減圧サブシステム314と、化学デブリドマンサブシステム364とを含む。減圧サブシステム314は、図1の減圧サブシステム114と類似、または同じである。
【0032】
減圧サブシステム314は減圧を送達する減圧源342を含む。減圧サブシステム314はまた、シーリングドレープ312、組織部位301、またはマニホルド部材310の内部から排出されてもよい滲出液、組織の部分、鮮創化学薬品などを受容するキャニスタ348を含む。以下にさらに説明されるように、減圧の送達は弁部材366を介してコントローラ368により制御されてもよい。代替的、または追加で、看護師、医師または患者といった任意の適したオペレータが、減圧の送達を制御する弁部材366を手動で操作してもよい。弁部材366は、減圧源342からシーリングドレープ312およびマニホルド部材310の内部への減圧の送達を制御するのに動作可能な任意の好適な装置であってもよい。好適な弁部材366はクランプ、止め弁、または逆止弁を含むが、これらに限定されない。
【0033】
減圧源342により生じた減圧は、減圧導管344を通り減圧接続器352、またはL形部分354でありうる接続器352に送達される。滲出液、組織の部分、鮮創化学薬品などは、シーリングドレープ312、組織部位301(例えば、創傷302)またはマニホルド部材310の内部から取り出され、接続器352と減圧導管344とを介してキャニスタ348に送達される。
【0034】
化学デブリドマンサブシステム364は、シーリングドレープ312の内部と流体連通している鮮創化学薬品貯留層370を含む。鮮創化学薬品貯留層370は、L形部分380のような、第2の導管372及び第2の接続器378を介してシーリングドレープ312の内部と流体連通して配置されてもよい。鮮創化学薬品貯留層370は、例えば、創傷302などの組織部位301で、壊死組織324などの望まない組織を軟化、消化、部分的に消化、分解、あるいは部分的に分解することができる鮮創化学薬品を含む。例示的な鮮創化学薬品は、コラゲナーゼ、フィシン、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パパインおよびエラスターゼを含むが、これらに限定されない。代替的に、または追加で、鮮創化学薬品は1以上の酵素、またはその1以上の類似体、任意の好適な昆虫の幼虫から分離してもよい。一実施例において、幼虫はヒロズキンバエの幼虫であるが、任意の好適な昆虫の幼虫が用いられてもよいことを理解されたい。一態様において、鮮創化学薬品は、組織部位301の健康な組織を残したままで、組織部位301の望まない組織を軟化、消化、部分的に消化、分解、または部分的に分解可能である。
【0035】
ポンプ374は鮮創化学薬品貯留層370から、シーリングドレープ312の内部へ鮮創化学薬品を送達可能であってもよい。代替的に、または追加で、鮮創化学薬品は、重力を介して鮮創化学薬品貯留層370から、シーリングドレープ312の内部へ送達されてもよいし、減圧サブシステム314の動作により取り込まれてもよい。何れの場合においても、鮮創化学薬品の送達は、第2の弁部材376を介してコントローラ368によって制御されうる。代替的に、または追加で、看護師、医師、または患者のような任意の好適なオペレータは、鮮創化学薬品の送達を制御するために弁部材376を手動で操作可能であってもよい。第2の弁部材376は、鮮創化学薬品貯留層370のシーリングドレープ312およびマニホルド部材310の内部への送達を制御するよう動作可能である任意の好適な装置であってもよい。好適な第2の弁部材376は、クランプ、止め弁、または逆止弁を含むが、これらに限定されない。
【0036】
例示的な、非限定的な実施例は、減圧導管344および第2の導管372を用い、他方、単一導管は、減圧および鮮創化学薬品の双方をシーリングドレープ312の内部に送達するよう用いてもよく、ここで設置サブシステムは鮮創化学薬品送達モードと減圧モードとの間を循環するよう構成される。さらに、一実施例において、流体管理サブシステムは、テキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts Inc.により開発されたV.A.C.(登録商標)Instill(登録商標)システムを含んでもよい。
【0037】
減圧治療システム300の作動中、マニホルド部材310と減圧サブシステム314とは、図1の減圧治療システム100と関連して前述のように配置および設置される。第2の接続器378が適用されてもよく、まだ設置されていないなら、第2の導管372は第2の接続器378と流体接続されてもよい。第2の導管372はまた、鮮創化学薬品が重力を介して、または減圧サブシステム314の動作を介して送達されると、ポンプ374または鮮創化学薬品貯留層370に流体接続されてもよい。
【0038】
化学デブリドマンサブシステム364は、第2の弁部材376の開放、または部分的な開放により、シーリングドレープ312の内部に鮮創化学薬品を送達するよう動作可能である。第2の弁部材376はコントローラ368または任意の好適なオペレータにより操作されてもよい。ポンプ374、重力、または減圧サブシステム314の動作は、鮮創化学薬品を鮮創化学薬品貯留層370からシーリングドレープ312の内部と組織部位301へ移動するよう用いることができる。鮮創化学薬品は、例えば、創傷302のような組織部位301で、例えば、壊死組織324などの望まない組織を軟化、消化、部分的に消化、分解、部分的に分解可能である。
【0039】
減圧サブシステム314は、弁部材366の開放、または部分的な開放によりシーリングドレープ312の内部に減圧を送達する。この弁部材366はコントローラ368または任意の好適なオペレータによって動作しうる。一実施例において、弁部材366の開放、または部分的な開放は、第2の弁部材376の閉鎖、または部分的な閉鎖と一致し、これにより鮮創化学薬品の送達は中断し、減圧はシーリングドレープ312の内部に送達される。減圧サブシステム314は第1の圧力で流体を取り除くことが可能であり、続いて望まない組織を取り除くよう減圧が増加し、もしくは、1回の動作で流体および望まない組織を取り除くことができる。
【0040】
減圧の送達は、図1−図2Cと関連して前述のようにピンサー326を動作させ、これにより、ピンサー326は、例えば、創傷302などの組織部位から、例えば、軟化、消化、部分的に消化、分解、または部分的に分解した望まない組織、例えば、壊死組織324などを取り除く。減圧サブシステム314はまた、キャニスタ348により受けるためのシーリングドレープ312の内部から、滲出液、壊死組織の部分、鮮創化学薬品などを取り込むことができる。さらに、一実施例において、減圧サブシステム314はまた、鮮創化学薬品貯留層370から、その送達のためにシーリングドレープ312の内部に鮮創化学薬品を取り込むことができる。
【0041】
減圧治療システム300は周期的な方法で動作してもよく、これにより鮮創化学薬品はシーリングドレープ312の内部に送達され、続いて、減圧の送達およびピンサー326による鮮創が生じ、順次、鮮創化学薬品の第2の送達が起こり、次いで、減圧の第2の送達およびピンサー326による鮮創が生じる。
【0042】
代替的な実施例において、化学デブリドマンサブシステム364は減圧導管344と流体連通する鮮創化学薬品貯留層370を具え、鮮創化学薬品が接続器352に送達されるとき、および減圧が減圧源342から送達されるとき、2方向弁を制御することができる。この化学デブリドマンサブシステム364の実施例において、送達は鮮創化学薬品と減圧との間を交互し、単一の接続器を用いることが可能となる。
【0043】
ここで図5Aおよび図5Bを参照すると、減圧治療システム100、300(図1−図4)のような減圧治療システムとともに用いる代替的なデブリドマン機構422が示される。デブリドマン機構422はデブリドマン器械482を含み、これは組織を取り除くのを助けるために多くの形状および寸法をとりうる。マニホルド部材410は、任意の好適な数のデブリドマン器械482を含んでもよい。一実施例において、複数のデブリドマン器械482はマニホルド部材410の組織に面する面420上の配列に配置されている。代替的に、マニホルド部材410は1以上のピンサー126(図1−図4)と1以上のデブリドマン器械482の双方を含むことができる。
【0044】
各デブリドマン器械482は、その遠位端部に面486を有するデブリドマンアーム484を含む。デブリドマンアーム484の近位端部は支持部材428と一体的でもよいし、結合されていてもよい。支持部材428はマニホルド部材410と一体的でもよいし、結合されてもよいし、付随してもよい。デブリドマン器械482は任意の好適な角度でマニホルド部材410から延在してもよい。デブリドマンアーム484は望まない組織を係合するよう動作可能である遠位端部を有する。
【0045】
デブリドマンアーム484は減圧下で変形する。デブリドマン器械482は、デブリドマンアーム484と(示された配向のための)水平参照線458との間の第1の角度(Φ)を有する第1のまたは自然な位置から、デブリドマンアーム484と水平参照線458との間の第2の角度(Φ)を有する、第2のまたは鮮創する位置まで動くことができる。一実施例において、第2の角度は第1の角度(Φ<Φ)より小さい。他の例示的な、非限定的な実施例において、デブリドマン機構はつぶすことができるデブリドマン器械の組織に対する直接動作を通して望まない組織を取り除くことができる。デブリドマン器械は、減圧の影響下で変形し、望まない組織を動かす。
【0046】
一例示的な、非限定的な実施例による動作において、マニホルド部材410は、例えば、創傷402のような組織部位の近くに配置され、これによりデブリドマン面486の端部488は創傷、例えば、壊死組織424(図5A)内の組織の一部に当接する。シーリングドレープおよび減圧サブシステムまたは流体管理サブシステムは前述のように適用および動作してもよい。減圧が送達されると、マニホルド部材410は半硬質の基板を形成するように接触してもよい。減圧が送達され、マニホルド部材410が接触し始めると、圧縮力はベクトル460によって示される方向に生じ、このベクトルは面486の端部488を壊死組織424内に動かし始め、これによりデブリド器具482を第1のまたは自然な位置から、第2のまたは鮮創位置まで動かす。デブリド器具482が第2のまたは鮮創位置に動くと、壊死組織424の一部436は創傷402(図5B)から面486により力が与えられる。
【0047】
代替的な実施例において、マニホルド部材410は治療を受ける組織部位より小さく寸法調整されてもよく、これにより減圧の周期的な適用は、各面486を取り除かれた壊死組織424の隣接部位436に「押しつけ」て、こうしてデブリドマン器械は壊死組織424の第2の部分へ「ステップ」し、これによりマニホルド部材410は創傷402をわたり「動く」。換言すると、減圧の各周期はマニホルド部材410を1「ステップ」で縦に前進させる。
【0048】
上述のシステムおよび方法は、様々な方法で用いることができ、他の、例示的な創傷の治療方法がここに記載されるであろう。方法は図1−図5Bの前述の減圧治療システム100、300の任意の1、あるいは任意の他の好適な装置または手段により用いられてもよい。方法は、図4のコントローラ368のようなコントローラにプログラムされるか、伴われた論理であってもよい。代替的に、方法は、医師、看護師、または患者のような任意の好適なオペレータに用いられてもよい。第1に、鮮創化学薬品は、例えば、創傷などの組織部位に導入され、例えば、壊死組織などを取り除くために望まない組織の少なくとも一部を有する。鮮創化学薬品は組織部位の望まない組織を軟化、消化、部分的に消化、分解、あるいは部分的に分解するのに好適な任意の化学薬品であってもよい。例示的なデブリドマン化学薬品は、コラーゲン、フィシン、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、エラスターゼ、任意の好適な昆虫の幼虫、または1以上のその類似体から分離した酵素を含むが、これらに限定されない。
【0049】
鮮創化学薬品は、所定時間、組織部位に保持されてもよく、これにより組織部位の望まない組織を軟化、消化、部分的に消化、分解、あるいは部分的に分解できるようになる。減圧は次いで、組織部位にかけられ、これにより1以上のデブリドマン機構が組織部位に鮮創する。組織部位への減圧の適用はまた、組織部位から滲出液、鮮創化学薬品、望まない組織の自由な浮遊部分を取り除いたり、部分的に取り除いたりするよう設けられてもよい。さらに、一実施例において、減圧の組織部位への適用は、周期的な方法でなされてもよく、例えば、圧力は第1の圧力レベルの第1の圧力と第2のレベルの第2の圧力との間の周期であってもよい。この周期は複数の周期間生じうる。
【0050】
減圧の組織部位への適用後に続いて、鮮創化学薬品の組織部位への導入が行われてもよい。続く鮮創化学薬品の組織部位への導入は、組織部位から望まない組織の自由な浮遊部分と面一となるよう設けられてもよいし、組織部位の望まない組織の続く軟化、消化、部分的な消化、分解、または部分的な分解のために組織部位に鮮創化学薬品の新しいバッチを導入してもよい。鮮創化学薬品は次いで、所望時間およびプロセスの繰り返し間、保持されてもよい。代替的に、または追加で、組織部位は、続く鮮創化学薬品の導入前、またはデブリドマン機構による最後のデブリドマンの後、食塩水または任意の他の医療的に受容可能な流体または溶液のような洗浄液で洗浄されてもよい。
【0051】
本発明及びその利点がある例示的な、非限定的な実施例の内容において開示されてきたが、様々な変更、代替、および変化が、添付の特許請求の範囲により規定されるような発明の範囲を逸脱することなくなされてもよいことを理解されたい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の組織部位を治療する減圧治療システムであって、当該システムが、
前記組織部位に減圧を分配するためのマニホルド部材と、
前記組織部位と前記マニホルドとに近接配置するための支持部材と、
当該支持部材に結合されるデブリドマン機構であって、前記組織部位を鮮創するための前記デブリドマン機構と、
前記組織部位と前記マニホルド部材の上に配置され、前記組織部位と前記マニホルド部材の上に流体シールを形成可能なシーリングドレープと、
前記シーリングドレープに減圧を送達するための減圧サブシステムとを含むことを特徴とする減圧治療システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記デブリドマン機構がピンサーを含むことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記デブリドマン機構がピンサーを含み、当該ピンサーが減圧の影響下で開位置から閉位置に動くことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記デブリドマン機構がデブリドマン器械を含むことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記デブリドマン機構が近位端部と遠位端部とを有するデブリドマンアームを有するデブリドマン器械を含み、前記近位端部が前記支持部材と結合し、前記遠位端部が望まない組織を係合するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記デブリドマン機構が近位端部と遠位端部とを有するデブリドマンアームを有するデブリドマン器械を具え、前記近位端部が前記支持部材に結合され、前記遠位端部が望まない組織に係合するよう動作可能であり、前記デブリドマンアームが減圧下で変形することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムがさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に送達するための化学デブリドマンサブシステムを具えることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムがさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に送達するための化学デブリドマンサブシステムを具え、前記化学デブリドマンサブシステムは、前記シーリングドレープと流体連通している鮮創化学薬品貯蔵層を含み、これにより前記鮮創化学薬品は前記組織部位に送達されることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムがさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に送達するための化学デブリドマンサブシステムを具え、前記鮮創化学薬品が、昆虫の幼虫から分離した1以上の酵素であることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムがさらに、前記組織部位に鮮創化学薬品を送達するための化学デブリドマンサブシステムを具え、前記鮮創化学薬品が、昆虫の幼虫から分離した1以上の酵素であり、前記幼虫がヒロズキンバエの幼虫であることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムがさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に送達するための化学デブリドマンサブシステムを具え、前記鮮創化学薬品が昆虫の幼虫から分離した1以上の酵素の1以上の類似化合物であることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムがさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に送達するための化学デブリドマンサブシステムを具え、前記鮮創化学薬品が昆虫の幼虫から分離した1以上の酵素の1以上の類似化合物であり、前記幼虫がヒロズキンバエの幼虫であることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムがさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に送達するための化学デブリドマンサブシステムを具え、前記鮮創化学薬品が、コラーゲナーゼ、フィシン、ペプシン、トリプシン、クロモティプシン、パパシンおよびエラスターゼからなる群から選択された化学薬品であることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記デブリドマン機構が、
前記支持部材に結合された第1の顎部材と、
前記支持部材に結合され、前記第1の顎部材から離れた第2の顎部材とを具え、
前記第1の顎部材と前記第2の顎部材とは、減圧の影響下で第1の開位置から、第2の咬合位置へと動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
患者の組織部位を治療するためのマニホルド部材であって、当該マニホルド部材が、
減圧を分配するためのマニホルド材と、
前記マニホルド材に付随する支持部材と、
前記組織部位を鮮創するためのデブリドマン機構であって、前記支持部材に結合されているデブリドマン機構を具えることを特徴とするマニホルド部材。
【請求項16】
請求項15に記載のマニホルド部材において、前記デブリドマン機構がピンサーを具えることを特徴とするマニホルド部材。
【請求項17】
請求項15に記載のマニホルド部材において、前記デブリドマン機構がピンサーを具え、前記ピンサーが、減圧の影響下で開位置から閉位置に動くことを特徴とするマニホルド部材。
【請求項18】
請求項15に記載のマニホルド部材において、前記デブリドマン機構がピンサーを具え、前記ピンサーが、減圧の影響下で開位置から閉位置に動き、前記ピンサーが、さらなる減圧の影響下で閉位置からつぶれた位置に動くことを特徴とするマニホルド部材。
【請求項19】
請求項15に記載のマニホルド部材において、前記デブリドマン機構がデブリドマン器械を具えることを特徴とするマニホルド部材。
【請求項20】
患者の組織部位を治療する方法であって、当該方法が、マニホルド部材を前記組織部位に配置するステップであって、前記マニホルド部材が、前記組織部位を鮮創するためのデブリドマン機構を具えるステップと、
前記マニホルド部材と前記患者の表皮との上にシーリングドレープを配置するステップと、
前記シーリングドレープと、前記患者の表皮との間に流体シールを形成するステップと、
減圧を前記マニホルド部材に提供し、これにより前記デブリドマン機構が前記組織部位を鮮創するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法がさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に導入するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法がさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に導入するステップであって、当該鮮創化学薬品が、昆虫の幼虫から分離した1以上の酵素であることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項20に記載の方法がさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に導入するステップであって、前記鮮創化学薬品が、昆虫の幼虫から分離した1以上の酵素であって、前記幼虫がヒロズキンバエの幼虫であることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項20に記載の方法がさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に導入するステップであって、前記鮮創化学薬品が、昆虫の幼虫から分離した1以上の酵素の1以上の類似化合物であることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項20に記載の方法がさらに、前記組織部位に鮮創化学薬品を導入するステップであって、前記鮮創化学薬品が、前記昆虫の幼虫から分離した1以上の酵素の1以上の類似化合物であって、前記幼虫がヒロズキンバエの幼虫であることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項20に記載の方法がさらに、前記組織部位に鮮創化学薬品を導入するステップを含み、前記鮮創化学薬品が昆虫の幼虫から分離した1以上の酵素であって、前記鮮創化学薬品が、コラーゲナーゼ、フィシン、ペプシン、トリプシン、クロモティプシン、パパシンおよびエラスターゼからなる群から選択された化学薬品であることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項20に記載の方法がさらに、前記組織部位に鮮創化学薬品を導入するステップと、前記組織部位を洗浄するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項20に記載の方法において、前記デブリドマン機構がピンサーを具えることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項20に記載の方法において、前記デブリドマン機構がピンサーを具え、当該ピンサーが、減圧影響下で開位置から閉位置に動くことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項20に記載の方法がさらに、鮮創化学薬品を前記組織部位に導入するステップを含み、前記デブリドマン機構がデブリドマン器械を具えることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項20に記載の方法がさらに、前記組織部位に鮮創化学薬品を導入するステップを含み、前記デブリドマン機構がデブリドマン器械を具えることを特徴とする方法。
【請求項32】
患者の組織部位を治療するためのマニホルド部材を製造する方法であって、当該方法が、
組織部位上に配置するためのマニホルド部材を形成するステップであって、当該マニホルド部材が支持部材を有するステップと、
デブリドマン機構を前記支持部材に結合するステップとを具え、前記デブリドマン機構が、減圧の影響下で組織部位を鮮創するよう構成されることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、前記デブリドマン機構がピンサーを具えることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項32に記載の方法において、前記デブリドマン機構がピンサーを具え、前記ピンサーが、減圧の影響下で開位置から閉位置に動くことを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項32に記載の方法において、前記デブリドマン機構がピンサーを具え、前記ピンサーが、減圧の影響下で開位置から閉位置に動き、前記ピンサーが、さらなる減圧の影響下で閉位置からつぶれた位置に動くことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項32に記載の方法において、前記デブリドマン機構がデブリドマン器械を具えることを特徴とする方法。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2012−513824(P2012−513824A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543593(P2011−543593)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/068542
【国際公開番号】WO2010/075178
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】