説明

デモ画面を有する生体情報モニタおよびデモ画面を有するセントラルモニタ

【課題】 使い勝手がよく患者を危険に晒すことのないデモ画面を有する生体情報モニタおよびデモ画面を有するセントラルモニタを提供する。
【解決手段】 現在表示しているメニューと操作者が触れた位置の情報とから、デモモードに入るキーが押されたか否かを判定し、デモモードに入るキーが押されていないと判定された場合は他の処理に移り、デモモードに入るキーが押されたと判定された場合は患者ケーブルが接続されているか否かを判定し、患者ケーブルが接続されていると判定された場合は患者ケーブル接続警告メニューのダイアログを表示し、患者ケーブルが接続されていないと判定された場合はデモモードに入り擬似的な波形や数値を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デモ画面を有する生体情報モニタおよびデモ画面を有するセントラルモニタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、集中治療室等で治療を受けている患者の状態を監視するための患者監視用装置として、生体情報モニタが知られている。この生体情報モニタでは、患者に取り付けたセンサを経由して患者の脈波、脈拍数、血圧、呼吸数等の生体情報をモニタするということが行なわれる。このような生体情報モニタにおいて、展示用や医療従事者の教育等の目的のためにデモ画面を表示することのできる生体情報モニタが知られている。
【0003】
図15は、従来の、デモ画面を有する生体情報モニタの外観を示す図である。
【0004】
図15に示す生体情報モニタ150には、表示部152と、その表示部152の下部に設けられた心電入力コネクタ13,観血血圧入力コネクタ14,酸素飽和度入力コネクタ15,体温入力コネクタ16,非観血血圧接続ジョイント17,炭酸ガス濃度入力コネクタ18が備えられている。これら心電入力コネクタ13,観血血圧入力コネクタ14,酸素飽和度入力コネクタ15,体温入力コネクタ16,非観血血圧接続ジョイント17,炭酸ガス濃度入力コネクタ18には、患者の生体情報をモニタするために、心電中継ケーブル,観血血圧中継ケーブル,酸素飽和度センサケーブル,体温プローブ,非観血血圧測定用のカフのチューブ,炭酸ガス濃度中継ケーブルが接続される。また、背面にはテレコントロールユニットを構成するダイバシティアンテナ19a,19bが備えられている。
【0005】
ここで、上述したコネクタやジョイントに何も接続されていない状態で、表示部152の下部に設けられたメニューボタンを操作してデモモードを選択する。すると、表示部152上に心電図,呼吸,酸素飽和度といった生体パラメータが波形および数値で表示される。このため、いかにも患者をモニタしているかのように見せることができる。また、デモモードが選択された旨を知らせるために、表示部152の左上に「DEMO」といった文字列153が表示される。
【0006】
また、心電図,血圧等の生体情報を入力し、入力された生体情報を増幅して変調処理を施して無線で送信する生体情報モニタも提案されている(特許文献1参照)。この生体情報モニタによれば、患者の生体情報を管理するセントラルモニタに患者の生体情報を送信することができる。
【特許文献1】実開平07−22702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の、デモ画面を有する生体情報モニタでは、デモモードが選択されて「DEMO」といった文字列が画面に表示されているにもかかわらず、その生体情報モニタに備えられた入力コネクタ等にケーブル等が接続された場合、患者の生体情報がモニタリングされる恐れがある。また、これとは逆に、患者の生体情報がモニタリングされている状態で、デモモードが選択された場合、デモモードに入れてしまう恐れもある。従って、生体情報モニタの使い勝手が悪いのみならず患者の容体の変化を把握できないため患者を危険に晒してしまうという問題がある。さらに、このような、患者の生体情報をモニタする生体情報モニタであるベッドサイドモニタから出力された生体情報を通信により取得して患者の生体情報を管理するとともにデモ画面を有するセントラルモニタにおいても、上述した問題が発生する恐れがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、使い勝手がよいデモ画面を有する生体情報モニタおよびデモ画面を有するセントラルモニタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明のデモ画面を有する生体情報モニタは、
患者の生体情報を検出するためのケーブルないしはチューブが接続される1つ以上の患者入力部と、
上記患者入力部の各々に対応した患者入力検出手段と、
患者の生体パラメータを波形ないし数値によって出力する患者画面発生手段と、
デモの波形ないし数値を出力するデモ画面発生手段と、
上記患者入力検出手段の出力に基づき上記患者画面発生手段とデモ画面発生手段の出力信号のいずれかを選択する選択手段と、
上記選択手段が選択した出力信号を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明のデモ画面を有する生体情報モニタは、患者入力検出手段の出力に基づき患者画面発生手段とデモ画面発生手段の出力信号のいずれかを選択し、選択した出力信号を表示するものである。このため、患者の生体情報を検出するためのケーブルないしはチューブが接続されている場合、デモ画面の表示を禁止することができる。また、デモ画面が選択されているにもかかわらず患者入力部にケーブルないしチューブが接続された場合、患者の生体情報をモニタリングするための患者画面の表示を禁止することができる。従って、使い勝手がよいデモ画面を有する生体情報モニタを提供することができる。
【0011】
ここで、上記選択手段は、上記患者入力検出手段が患者入力部に患者に接続するためのケーブルないしはチューブが接続されていることを検出した場合には上記デモ画面発生手段の選択を行なわないものであることが好ましい。
【0012】
このようにすると、操作者がデモモードを選択した場合であっても、患者の生体情報をモニタリングするための患者画面をそのまま表示させることができる。
【0013】
また、上記選択手段は、上記デモ画面発生手段の出力信号が選択されている場合に上記患者入力検出手段が患者入力部に患者に接続するためのケーブルないしはチューブが接続されたことを検出した場合には、上記患者画面発生手段の出力信号を選択し直すものであることも好ましい態様である。
【0014】
このようにすると、デモ画面が表示されている状態において、患者入力部に患者に接続するためのケーブルないしはチューブが接続された場合、デモ画面から抜けて患者の生体情報をモニタリングするための患者画面を表示させることができる。従って、操作の手間が削減され且つデモモードに入ったまま患者の生体情報がモニタリングされるということを防止することができる。
【0015】
さらに、警告を行なう警告手段をさらに有しており、患者入力検出手段が検出できないケーブルないしはチューブが患者入力部に接続されている場合に、上記ケーブルないしはチューブを使用する生体パラメータの計測開始が指示された時点で測定を行なう旨の警告を行なうことも好ましい。
【0016】
このようにすると、例えば非観血血圧測定時のカフのチューブのように、生体情報モニタに接続されていることを検出できない場合、操作者の指示により測定を行なうことができる。
【0017】
また、本発明のデモ画面を有するセントラルモニタは、請求項1に記載の生体情報モニタから出力された生体パラメータ情報を取得するセントラルモニタであって、上記生体情報モニタの選択手段が患者画面発生手段を選択している場合には当該患者の生体パラメータ情報を表示し、デモ画面発生手段の出力信号を選択している場合には表示を行なわないか警告を発することを特徴とする。
【0018】
本発明のデモ画面を有するセントラルモニタは、上記構成のため、本発明のデモ画面を有する生体情報モニタと連動されることとなり、従って使い勝手がよいデモ画面を有するセントラルモニタを提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、使い勝手がよく患者を危険に晒すことのないデモ画面を有する生体情報モニタおよびデモ画面を有するセントラルモニタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明のデモ画面を有する生体情報モニタの一実施形態の外観斜視図である。
【0022】
図1に示すデモ画面を有する生体情報モニタ(以下、単に生体情報モニタと称する)1は、患者の生体情報をモニタするベッドサイドモニタであり、この生体情報モニタ1には、前面にタッチパネルが装備された表示部12(本発明にいう表示手段の一例に相当)が備えられている。この生体情報モニタ1への入力動作は、このタッチパネルを通じて行なわれる。
【0023】
また、生体情報モニタ1の、表示部12の下方には、本発明にいう患者入力部の一例である心電入力コネクタ13、観血血圧入力コネクタ14、酸素飽和度入力コネクタ15、体温入力コネクタ16、非観血血圧接続ジョイント17、および炭酸ガス濃度入力コネクタ18が備えられている。
【0024】
さらに、生体情報モニタ1の背面には、テレコントロールユニット19が備えられている。このテレコントロールユニット19の上面には、ダイバシティアンテナ19a,19bが配備されている。
【0025】
図2は、図1に示す生体情報モニタに備えられた各コネクタやジョイントに、各ケーブルやプローブやチューブが接続される様子を示す図である。
【0026】
図2(a)には、生体情報モニタ1に備えられた心電入力コネクタ13に心電中継ケーブル23が接続される様子が示されている。
【0027】
また、図2(b)には、生体情報モニタ1に備えられた観血血圧入力コネクタ14に観血血圧中継ケーブル24が接続される様子が示されている。
【0028】
さらに、図2(c)には、生体情報モニタ1に備えられた酸素飽和度入力コネクタ15に酸素飽和度センサケーブル25が接続される様子が示されている。
【0029】
また、図2(d)には、生体情報モニタ1に備えられた体温入力コネクタ16に体温プローブ26が接続される様子が示されている。
【0030】
さらに、図2(e)には、生体情報モニタ1に備えられた非観血血圧接続ジョイント17に非観血血圧測定用のカフのチューブ27が接続される様子が示されている。
【0031】
また、図2(f)には、生体情報モニタ1に備えられた炭酸ガス濃度入力コネクタ18に炭酸ガス濃度中継ケーブル28が接続される様子が示されている。
【0032】
図3は、本実施形態の生体情報モニタの内部ブロックを示す図である。
【0033】
尚、本発明に直接関係のないブロックやデバイスは省略してある。中央演算回路(以下CPUと略記する)31には、プログラムおよびデータを格納するリード・オンリ・メモリ(以下、ROMと略記する)31a、演算および一時記憶に使用するランダム・アクセス・メモリ(以下、RAMと略記する)31bなどが内蔵されている。CPU31は、表示部12と通信して表示の制御や入力されたキーの判別を行なう。また、CPU31は、心電入力コネクタ13、観血血圧入力コネクタ14、酸素飽和度入力コネクタ15、体温入力コネクタ16、炭酸ガス濃度入力コネクタ18の各々にケーブルが接続されているか否かの検出を行なう割り込みポートP1,P2,P3,P4,P5(本発明にいう患者入力検出手段の一例)を有する。さらに、CPU31は、非観血血圧接続ジョイント17に対応したポートP6,P7(本発明にいう患者入力検出手段の他の一例)を有する。
【0034】
さらに、CPU31のROM31aに格納されているプログラムにより、患者の生体パラメータを波形ないし数値によって出力する患者画面発生手段と、デモの波形ないし数値を出力するデモ画面発生手段と、ポートP1〜P7の出力に基づき上記患者画面発生手段とデモ画面発生手段の出力信号のいずれかを選択する選択手段とが実現される。
【0035】
また、CPU31は、テレメータユニット37やテレコントロールユニット19とシリアル通信を行なうためのポートP8,P9を有し、後述するセントラルモニタなどの外部機器との通信を行なう。
【0036】
ダイバシティアンテナ19a,19bは、テレコントロールのためのアンテナであり、非観血血圧の開始/停止をはじめとするパケット情報を送受信する。尚、テレメータ用のアンテナ37aは、生体情報モニタ1の筐体に内蔵されている。
【0037】
さらに、CPU31は、ポンプユニット32と通信し、このポンプユニット32は非観血血圧接続ジョイント17を通じて不図示のカフに空気を送るとともに、定排弁33、急排弁34を制御して排気を行なう。圧センサユニット35は、CPU31に圧力情報を出力する。これらポンプユニット32,非観血血圧接続ジョイント17,定排弁33,急排弁34,圧センサユニット35は、内部チューブ36を通じて接続されている。
【0038】
次に、本実施形態の生体情報モニタ1の動作について説明する。先ず、本実施形態の生体情報モニタ1の、表示部12からキー入力が行なわれた場合の動作について、図4,図5,図6を参照して説明する。
【0039】
図4は、本実施形態の生体情報モニタの、表示部からキー入力が行なわれた場合に起動するキー入力割り込みルーチンのフローを示す図である。また、図5は、表示部に表示された患者ケーブル接続警告メニューのダイアログを示す図である。さらに、図6は、表示部に表示されたデモモードの画面を示す図である。
【0040】
表示部12の前面に配置されたタッチパネルに操作者が触れると、ハードウェア割り込みがかかり、図4に示すキー入力割り込みルーチンが起動する。
【0041】
先ず、ステップS101において、現在表示しているメニューと操作者が触れた位置の情報とから、入力されたキーの判定を行なう。
【0042】
次に、ステップS102において、デモモードに入るキーが押されたか否かが判定される。デモモードに入るキーが押されていないと判定された場合は他の処理に移る。一方、デモモードに入るキーが押されたと判定された場合はステップS103に進む。
【0043】
ステップS103では、患者ケーブルが接続されているか否かが判定される。患者ケーブルが接続されていると判定された場合はステップS104に進む。
【0044】
ステップS104では、表示部12に、以下に説明する図5に示す患者ケーブル接続警告メニューのダイアログを表示して、このルーチンを終了する。図5には、患者ケーブル接続警告メニューのダイアログD01が表示されている。このダイアログD01には、患者ケーブルを外さないとデモモードに入れない旨のメッセージM01が示されている。このダイアログD01の下部にあるOKボタンB01を押すと元の画面に戻る。
【0045】
一方、ステップS103において、患者ケーブルが接続されていないと判定された場合はステップS105に進む。ステップS105では、特にダイアログやウィンドウは開かずそのままデモモードに入り、図6に示す擬似的な波形や数値を表示して、このルーチンを終了する。尚、図6には、後述する非観血血圧測定ボタンB02も示されている。
【0046】
続いて、患者ケーブルが接続された場合の動作について、図7,図8,図9を参照して説明する。
【0047】
図7は、患者ケーブルが接続された場合に起動する患者ケーブル接続割り込みルーチンのフローを示す図である。また、図8は、表示部に表示された通常モード復帰メニューのダイアログを示す図である。さらに、図9は、表示部に表示された入床ウインドウを示す図である。
【0048】
操作者が心電入力コネクタ13、観血血圧入力コネクタ14、酸素飽和度入力コネクタ15、体温入力コネクタ16、炭酸ガス濃度入力コネクタ18のいずれかに対応するケーブルを差し込むとハードウェア割り込みがかかり、これにより患者ケーブル接続割り込みルーチンが起動する。先ず、ステップS201において、生体情報モニタ1が現在通常モードとデモモードのいずれで動作しているかを取得する。
【0049】
次に、ステップS202において、現在のモードがデモモードであるか否かが判定される。現在のモードがデモモードでないと判定された場合は、そのままこのルーチンを終了する。一方、現在のモードがデモモードであると判定された場合はステップS203に進む。
【0050】
ステップS203では、表示部12に、図8に示す通常モード復帰メニューのダイアログD02を表示し、このダイアログD02のメッセージM02にて通常モードに戻る旨を操作者に知らせる。ここで、このダイアログD02の下部にあるOKボタンB03を押すとステップS204に進む。
【0051】
ステップS204では、図9に示す通常モードの入床ウィンドウW01に移り、これから患者ケーブルがつながれようとしている患者情報の入力を促して、このルーチンを終了する。
【0052】
続いて、デモモードにおいて非観血血圧測定ボタンB02(図6参照)が押された場合の動作について、図10を参照して説明する。
【0053】
図10は、非観血血圧測定用の前処理ルーチンのフローを示す図である。
【0054】
操作者が非観血血圧測定ボタンB02を押すと、この非観血血圧測定用の前処理ルーチンが起動する。このルーチンでは、先ずステップS301において、生体情報モニタ1が現在通常モードとデモモードのいずれで動作しているかを取得する。
【0055】
次に、ステップS302において、現在のモードがデモモードであるか否かが判定される。現在のモードがデモモードでないと判定された場合は、そのままこのルーチンを終了する。その後、非観血血圧測定が行なわれることとなる。一方、現在のモードがデモモードであると判定された場合はステップS303に進む。
【0056】
ステップS303では、表示部12に、前述した図8に示す通常モード復帰メニューのダイアログD02を表示し、このダイアログD02のメッセージM02にて通常モードに戻る旨を操作者に知らせる。ここで、このダイアログD02の下部にあるOKボタンB03を押すとステップS304に進む。
【0057】
ステップS304では、前述した図9に示す通常モードの入床ウィンドウW01に移り、これから患者ケーブルがつながれようとしている患者情報の入力を促して、このルーチンを終了する。その後、非観血血圧測定が行なわれることとなる。
【0058】
非観血血圧測定用のカフのチューブ27が接続される非観血血圧接続ジョイント17は、電気的な接点を持っていないので、図7に示す患者ケーブル接続割り込みルーチンのフローチャートを参照して説明したコネクタのようにハードウェア割り込みがかからない。そこで、現在のモードがデモモードにある場合は、操作者が非観血血圧測定ボタンB02を押して計測の意思表示をした時点でデモモードから抜けて非観血血圧測定が行なわれる。尚、上記の実施形態では、通常モードに戻る前にダイアログを表示する例で説明したが、これを省略していきなり入床ウィンドウを表示してもよい。いずれも、本発明の思想の範囲内で自由に変更が可能である。
【0059】
次に、本発明のデモ画面を有するセントラルモニタの一実施形態について図11を参照して説明する。
【0060】
図11は、図1に示す生体情報モニタの外観斜視図および本発明のデモ画面を有するセントラルモニタの一実施形態の外観斜視図を示す図である。
【0061】
ここでは、前述したデモ画面を有する生体情報モニタ1と、この生体情報モニタ1と通信可能な他のモニタであるセントラルモニタ2とを使用してデモモードの警告を行なうことのできるシステムを構築した場合の実施形態について具体的に説明する。
【0062】
図11に示すように、生体情報モニタ1とテレメータおよびテレコントロールが通信可能な距離にセントラルモニタ2が置かれている。セントラルモニタ2には、不図示のケーブルで接続されてなる表示部112が備えられている。この表示部112の前面には、生体情報モニタ1の表示部12の前面と同様に、タッチパネルが装備されており、入力動作はこのタッチパネルを通じて行なわれる。
【0063】
また、セントラルモニタ2には、生体情報モニタ1に内蔵されているアンテナ37a(図3参照)から送信された電波によるパケット信号を受けるためのアンテナ137aが備えられている。
【0064】
さらに、セントラルモニタ2の背面には、生体情報モニタ1のテレコントロールユニット19と通信するためのテレコントロールユニット119が備えられている。
【0065】
また、セントラルモニタ2の背面に備えられたテレコントロールユニット119の上面には、ダイバシティアンテナ119a,119bが備えられている。
【0066】
次に、本実施形態のセントラルモニタ2の動作について説明する。先ず、テレメータ通信によるデータの取り込みがあった場合の動作について、図12,図13,図14を参照して説明する。
【0067】
図12は、図11に示すセントラルモニタの、テレメータ通信によるデータ取り込みルーチンのフローを示す図、図13は、セントラルモニタの表示部に表示されたデモモードの画面を示す図、図14は、セントラルモニタの表示部に表示された入床ウインドウを示す図である。
【0068】
本実施形態のセントラルモニタ2は、無線にて他のベッドサイドモニタやテレメータ送信機と定期的に通信し、これらから送られてくる通信パケットを受信して解析し、画面上のあらかじめ床ごとに決められた位置に表示する。ここで、セントラルモニタ2で実行されているメインルーチンから、このテレメータ通信によるデータ取り込みルーチンが呼び出される(コールされる)と、このルーチンが起動する。
【0069】
先ず、ステップS401において、通信パケットを取得する。
【0070】
次に、ステップS402において、このパケットをデコードして解析する。
【0071】
さらに、ステップS403において、パケットを解析した結果、通信元である生体情報モニタ1がデモモードに入っていることを示すフラグが立っていなければそのままこのルーチンを終了して、次の処理に移行する。
【0072】
一方、フラグが立っている場合には、ステップS404に進む。ここで、図13に示すように該当する床(図14に示すセントラルモニタ1の表示部112に表示された入床ウインドウには、8床分の生体情報が表示されており、この生体情報モニタ1の床はBED−001で示されている)に、「現在デモモードです」というメッセージM03と入床ボタンB03とを表示し、波形や数値などのデータはいっさい表示せず、このルーチンを終了する。
【0073】
この状態で入床ボタンB03を押す。すると、図14に示すように、患者入床ウインドウW02が開き、患者の入床処理を行なうことができる。入床処理を行なった後は、テレコントロールユニット19,119を通じて遠隔操作にて非観血血圧の測定を行なうことができる。
【0074】
尚、上述した実施形態では、生体情報モニタとセントラルモニタを無線で通信する例で説明したが、有線で通信しても同じように実現可能である。いずれも、本発明の思想の範囲内で自由に変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明のデモ画面を有する生体情報モニタの一実施形態の外観斜視図である。
【図2】図1に示す生体情報モニタに備えられた各コネクタやジョイントに、各ケーブルやプローブやチューブが接続される様子を示す図である。
【図3】本実施形態の生体情報モニタの内部ブロックを示す図である。
【図4】本実施形態の生体情報モニタの、表示部からキー入力が行なわれた場合に起動するキー入力割り込みルーチンのフローを示す図である。
【図5】表示部に表示された患者ケーブル接続警告メニューのダイアログを示す図である。
【図6】表示部に表示されたデモモードの画面を示す図である。
【図7】患者ケーブルが接続された場合に起動する患者ケーブル接続割り込みルーチンのフローを示す図である。
【図8】表示部に表示された通常モード復帰メニューのダイアログを示す図である。
【図9】表示部に表示された入床ウインドウを示す図である。
【図10】非観血血圧測定用の前処理ルーチンのフローを示す図である。
【図11】図1に示す生体情報モニタの外観斜視図および本発明のデモ画面を有するセントラルモニタの一実施形態の外観斜視図を示す図である。
【図12】図11に示すセントラルモニタの、テレメータ通信によるデータ取り込みルーチンのフローを示す図である。
【図13】セントラルモニタの表示部に表示されたデモモードの画面を示す図である。
【図14】セントラルモニタの表示部に表示された入床ウインドウを示す図である。
【図15】従来の、デモ画面を有する生体情報モニタの外観を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 生体情報モニタ
2 セントラルモニタ
12,112 表示部
13 心電入力コネクタ
14 観血血圧入力コネクタ
15 酸素飽和度入力コネクタ
16 体温入力コネクタ
17 非観血血圧接続ジョイント
18 炭酸ガス濃度入力コネクタ
19,119 テレコントロールユニット
19a,19b,119a,119b ダイバシティアンテナ
23 心電中継ケーブル
24 観血血圧中継ケーブル
25 酸素飽和度センサケーブル
26 体温プローブ
27 非観血血圧測定用のカフのチューブ
28 炭酸ガス濃度中継ケーブル
31 CPU
31a ROM
31b RAM
32 ポンプユニット
33 定排弁
34 急排弁
35 圧センサユニット
36 内部チューブ
37 テレメータユニット
37a,137a アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の生体情報を検出するためのケーブルないしはチューブが接続される1つ以上の患者入力部と、
前記患者入力部の各々に対応した患者入力検出手段と、
患者の生体パラメータを波形ないし数値によって出力する患者画面発生手段と、
デモの波形ないし数値を出力するデモ画面発生手段と、
前記患者入力検出手段の出力に基づき前記患者画面発生手段とデモ画面発生手段の出力信号のいずれかを選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した出力信号を表示する表示手段とを有することを特徴とするデモ画面を有する生体情報モニタ。
【請求項2】
前記選択手段は、前記患者入力検出手段が患者入力部に患者に接続するためのケーブルないしはチューブが接続されていることを検出した場合には前記デモ画面発生手段の選択を行なわないことを特徴とする請求項1記載のデモ画面を有する生体情報モニタ。
【請求項3】
前記選択手段は、前記デモ画面発生手段の出力信号が選択されている場合に前記患者入力検出手段が患者入力部に患者に接続するためのケーブルないしはチューブが接続されたことを検出した場合には、前記患者画面発生手段の出力信号を選択し直すことを特徴とする請求項1記載のデモ画面を有する生体情報モニタ。
【請求項4】
警告を行なう警告手段をさらに有しており、患者入力検出手段が検出できないケーブルないしはチューブが患者入力部に接続されている場合に、前記ケーブルないしはチューブを使用する生体パラメータの計測開始が指示された時点で測定を行なう旨の警告を行なうことを特徴とするデモ画面を有する生体情報モニタ。
【請求項5】
請求項1に記載の生体情報モニタから出力された生体パラメータ情報を取得するセントラルモニタであって、前記生体情報モニタの選択手段が患者画面発生手段を選択している場合には当該患者の生体パラメータ情報を表示し、デモ画面発生手段の出力信号を選択している場合には表示を行なわないか警告を発することを特徴とするデモ画面を有するセントラルモニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−215582(P2007−215582A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36580(P2006−36580)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000112602)フクダ電子株式会社 (196)
【Fターム(参考)】