説明

デュアルサンプルモードの分光光度計

【課題】小容積サンプルおよび大容積サンプルの双方の分光測光を可能にする。
【解決手段】容器(72)内にサンプル(5)が含まれるモードまたは表面張力により2つの対向するペデスタル(A’,A’’)の間にサンプル(5)を保持するモードのいずれかでサンプル(5、5’)を選択的に測定するデュアルモードの方法および装置が提供される。いずれのコンフィギュレーションにおいても、かかるモードは光源システムから小容積または大容積サンプルを通り分光計に基づくシステムまでの光路を更に含む。かかるシステムは、所定の波長に対し、約0.005〜約2.0の吸光度単位の範囲の吸光度を有するサンプルをユーザーが測定することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本願で参考例として援用する「デュアルサンプルモードの分光光度計」を発明の名称として2008年10月3日に出願された米国仮特許出願第61/102,728号の権利を主張するものである。
【0002】
本発明は、分光光度計(スペクトロフォトメータ)の技術分野に関し、液体および溶液を光学的に定量化し、および/または特性を測定する際の、それら分光光度計の使用に関する。より詳細には、本発明は、大容積サンプルだけでなく、約10ミクロンから約25ミリまでの光路長さを有する小容積サンプルもの光透過率および吸光度の特性も測定するための、分光光度計および関連する器具に関する。
【背景技術】
【0003】
液体、混合物、溶液および反応中の混合物は、測光法、分光測光法、蛍光測光法、および分光蛍光測光法のような光学的技術を使用して、それらの特性が測定されることが多い。
【0004】
特に赤外線−可視光分光測光法で使用されるサンプリング技術は、半閉状態にサンプルを保持するよう、1つ以上の光学的ウィンドーおよび固定された光路長さを有するように構成されたキューベットを使用するステップを含む。かかるキューベットに基づく容器方法は、10mmまたは2mmの光路長さのいずれかを有するかかる容器内にサンプルをピペットで移すことにより、一般に実行される。キューベットは1mLのサンプルを必要とすることがほとんどであるので、この方法自体は、ほとんどの生物学的サンプルにとって限られたものとなっており、1mLのサンプルは測定後廃棄されることが多い。従って、量が限られている有益な生物学的サンプルに対して、サンプル容積が大きいことおよびその損失が問題となり得る。更に、かかるキューベットに向けられたサンプルは、測定光路内に空気と表面内バブルとの間の境界を発生することがあり、このことは、測定誤差を生じさせることがある。更に、1mmまたは10mmの光路長さは、ほとんどの分光光度計の吸光度のダイナミックレンジが限られていることに起因し、DNA/RNAサンプルに対し測定できるサンプル濃度を1000ng/mlまで限定している。
【0005】
量が限られており、および/または希釈を必要とし、および/または汚染の問題がある生物学的サンプルを取り扱う上での上記問題を克服するため、ユーザーは、約0.2〜2mmまでの範囲の光路を検討し、キューベットに基づく技術を使用した場合の値に容易に補正できる吸光度を発生できるようにする他の技術が開発されている。これら他の技術としては、本願で全体を参考例として援用する米国特許第6,809,826号および6,628,382号に同じように開示されているような技術がある。上記米国特許に記載されている教示内容によれば、キューベットに基づく装置では研究できなかったより小さい容積のサンプルが、2つの対向する実質的に平行な表面の間に表面張力で保持され、一方の表面が他方の表面に接近したり離間したりするように制御可能となっている。測定のために光を発生し、小滴に光を透過させ、測定のための光を収集するために、表面のうちの少なくとも一方は光学的測定品位の一部を有することができる。このようなことは、表面のうちの少なくとも一方の少なくとも一部を光ファイバーの研磨された端部として設けることによって達成でき、かかる光ファイバーの各々は、周辺表面部分と面一となるように仕上げることが好ましい。かかる周辺表面部分は、標準的な光ファイバーコネクタまたは他のファイバーホルダーの端部の表面を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記表面張力技術は、キューベットに基づく方法よりも有利な特徴を有するが、約25mmまで、ほとんどは約10mmまでの測定長さを有する容器内に構成された、より大容積のサンプルを更に取り扱いできると共に、小容積のサンプルも検査できるよう構成された一体的な分光装置に対するニーズが緊急かつ強く求められている。その理由は、かかる一体的な装置およびその対応する方法は、業界で現在使用されている他の従来器具および方法とクロス較正し、インターフェース化する他に、測定器具自体の内部でユーザーがクロス較正測定をすることを可能にするからである。したがって、本発明は、かかるニーズを満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、サンプルが容器(例えばキューベット)に収納されたモード、および/またはサンプルが表面張力で係止されたモード、例えば2つの対向するペデスタルの間に表面張力によりサンプルが収納されたモードでサンプルを選択的に測定できる光学的装置であって、各モードは、光源システムからサンプルを通り、最終的に分光計に基づくシステムまでの光路を含み、所定の光路に対し、約0.005〜約2.0の吸光度単位の吸光度を測定する能力を可能にする光学的装置に関する。
【0008】
従って、本発明の1つの様相は、サンプルの光学的性質を測定するためのデュアルモードの分光光度計であって、光透過性端部を有する第1光学的導管に結合された第1ペデスタル表面と、ベースプレートと、前記ベースプレートに機械的に結合されると共に第1サンプルを受けるようになっている第2ペデスタル表面とを備え、この第2ペデスタル表面は、受光端部を有する第2光導管に結合されており、前記第2ペデスタル表面は、更に前記第1ペデスタル表面と前記第2ペデスタル表面との間の分離距離を可変距離(P)に調節し、前記第1液体サンプルをコラムに引き寄せ、サンプルが表面張力によってコラム内に収納され、よって測光または分光測定のための、前記第1光導管の前記光透過性端部および前記第2光導管の前記受光端部を有する光路を提供するようになっており、リセス状ガイド手段が構成され、前記ベースプレートに取り外し自在に結合されるようになっている容器ホルダーと、前記リセス状ガイド手段内に弾性的に固定されるようになっているサンプル容器とを更に備え、前記サンプル容器は、内部に第2液体サンプルを有し、内部に少なくとも2つのウィンドー手段が構成され、よって測光または分光測定のための光路も提供するようになっている、デュアルモードの分光光度計に関する。
【0009】
本発明の別の様相は、表面張力モード、またはキューベット内にサンプルが含まれるモードでサンプルの光学的性質を測定するためのデュアルモードの分光測光方法であって、光透過性端部を有する第1光学的導管に結合された第1ペデスタル表面を設けるステップと、ベースプレートに機械的に結合された第2ペデスタルに第1サンプルを置くステップとを備え、前記第2ペデスタル表面は、受光端部を有する第2光導管に結合されており、前記第2ペデスタル表面は、更に前記第1ペデスタル表面と前記第2ペデスタル表面との間の分離距離を可変距離(P)に調節し、前記第1液体サンプルをコラムに引き寄せ、サンプルが表面張力によってコラム内に収納され、よって測光または分光測定のための、前記第1光導管の前記光透過性端部および前記第2光導管の前記受光端部を有する光路を提供するようになっており、リセス状ガイド手段が構成され、前記ベースプレートに取り外し自在に結合されるようになっている容器ホルダーを設けるステップと、前記リセス状ガイド手段内に弾性的に固定されるようになっているサンプル容器を設けるステップを更に備え、前記サンプル容器は、内部に第2液体サンプルを有し、内部に少なくとも2つのウィンドー手段が構成され、よって測光または分光測定のための光路も提供するようになっており、表面張力で保持されたサンプル上および/または前記容器内に配置された前記第2液体サンプルで所望する測光または分光測定を行うことができるデュアルモードの分光光度計に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】本発明の差分吸光度光路能力を示すための2つの光路長さのうちの1つの斜視図である。
【図1B】本発明の差分吸光度光路能力を示すための2つの光路長さのうちの1つの斜視図である。
【図2】「開位置」にあるデュアルモードの分光装置の一般的図である。
【図3】「閉位置」にあるデュアルモードの分光装置の一般的図である。
【図4】本発明のデュアルモードの分光計と共に構成できるキューベットホルダーの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願における本発明の説明では、特に暗黙的に、または明示的に逆であると理解または記載されない限り、単一で記載される単語は、複数も含み、複数で記載される単語は、反対に単数も含むと理解されよう。更に、特に暗黙的または明示的に逆であると理解または記載されない限り、本願に記載の所定のコンポーネントまたは実施形態に対し、そのコンポーネントに対する可能な候補物または代替物のいずれも、一般に別々に、または互いに組み合わせて使用できると理解されよう。更に、暗黙的に、または明示的に逆であると理解又は記載されない限り、かかる候補物または代替物のいずれのリストも単なる説明のものであり、限定的なものでないと理解できよう。
【0012】
更に、そうでないと表示されない限り、明細書および請求の範囲で使用される配合物、成分の量、反応条件などを示す数字は、「約」という用語を付けると変更し得ると理解すべきである。従って、そうでないとの表示がない限り、本明細書および特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、本願で記載した要旨によって得ることを求める、所望する性質に応じて変更し得る近似値である。少なくとも特許請求の範囲の均等物の原理の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告される最大の桁の数字に鑑み、かつ通常の丸め技術を適用して解釈すべきである。本願に記載した要旨の広い範囲を定める数値範囲およびパラメータは、近似であるにもかかわらず、特定の例内に記載した数値は、できるだけ正確に報告する。しかしながら、いずれの数値もそれぞれの検査測定値に見られる標準偏差から必ず生じる所定の誤差を、本来含むものである。
【0013】
本発明は、容器(例えばキューベット)または自由空間環境(例えば表面張力によって保持された環境)内に含まれる所望する液体の蛍光測光、測光、分光測光および/または分光蛍光分析を含む、サンプル内の検体を測定するための光学的装置および方法に関する。
【0014】
より詳細には、本発明は、約10μl未満の小容積の分光分析のために、表面張力モードで作動でき、かつ化学的酸素要求量(COD)キューベット、チューブ、注文製造された容器などを含むことができる、構成されたセルを通して大容積のサンプルも分析するように同様に作動できる、デュアルモードの光学的分析システムを提供するものである。
【0015】
一般的な動作では、本発明のいずれかのモードで、溶液またはサスペンションに指向性のある光学的放射線が透過され、色付き化合物による光の吸収および/または粒状物質による光線の散乱によって、入射光が減少する。かかる発明は、多くの用途を有する。すなわち本発明は、顔料を含む分子の研究、培地内のバクテリアの密度のモニタ、および酵素反応の進行の追跡に使用できる。別の利点の例として、本発明は、例えば環境分析のための工業的環境における有機または無機媒体内の化学的検体の研究に使用できる。例えばCODキューベットを使用することにより、本発明の技術および装置を使って、排水内の有機汚染物の測定が可能となる。主な条件は、調査中のサンプル内のある物質によって光が吸収または散乱されることである。
【0016】
当技術分野では、測光法または分光測光法の場合、関心のある通常の量は吸光度Aであり、この吸光度は液体サンプルに対し、次のように定義されることがほとんどである。
【数1】

【0017】
ここで、Tは透過率であり、IRは測定中のサンプルを透過する光の強度(例えばパワー)であり、IOは、ブランクまたは基準サンプルを透過する光の基準サンプルであり、これによってキューベットに基づく方法だけでなく、本発明の表面張力方法も同じように有効にできる。
【0018】
表面張力に基づく作動モードまたはキューベットに基づく作動モードのいずれにおいても、分析する成分がない状態でのブランクサンプル、および分析する成分が存在する状態でのサンプルを利用し、吸光度の値Aを規定できる。この吸光度の値Aは、次の溶液1および2の濃度を記述するビール(Beer)の法則により、分析中の成分の濃度に関連させることができる。
〔数2〕
A1/A2=濃度1/濃度2
【0019】
従って、ブランクのサンプルを比較すると、分析する当該成分の濃度を吸光度Aから直接決定できる。
【0020】
特に本発明の表面張力モードの特徴に関して、図1Aおよび1Bに示されるように、かつ引用した米国特許第6,628,382号に記載されているように、差分吸光光路によってサンプルを測定することもできる。ここで、サンプルの吸光度は1つ以上の光路長さの各々でサンプルを測定することにより、吸光度を測定する光路を変えることによってサンプルの吸光度を測定でき、ここで、サンプルの吸光度を計算するのに透過強度の差と組み合わせた光路の長さの差を使用できる。サンプルの吸光性が極めて高く、絶対的な全光路よりも良好に小さい光路差に対する光路差の精度を決定することができる場合、この値は重要な値となり得る。
【0021】
図1Aに示されるように、差分モードでの測定をすることができる。この場合、サンプル2は、比較的長い光路P1に示されており、図1Bでは、向き合った表面7、9を支持する移動自在なペデスタルまたはアンビル状の表面の間の光路長さP2は、比較的短く示されている。従って、1つ以上の光路差ΔPにより、1つ以上のより長い光路の吸光度からより短い光路P2における吸光度を減算し、サンプルの吸光度を得ることができる。これら光路長さは、相互に向き合う2つの表面、すなわち上部部材1の表面7と下部部材3の表面9との間で特定される。測定中、2つの表面のうちの一方を通してサンプル内に光が送られ、サンプルを透過した光の比率が、2つの表面のうちの他方の表面を通してサンプルから収集される。上部部材および下部部材をそれぞれ上部アンビルまたはペデスタル、および下部アンビルまたはペデスタルと称すことができるが、本発明の要旨から逸脱することなく、両者の間に液体サンプルを含むような他のプラットフォーム幾何学的形状も含むことができる。従って、図1A〜1Bに示されるサンプル2の吸光度を計算するのに、光路長さの差ΔP(=|P2−P1|)を使用してもよい。その理由は、ΔPは、P1およびP2のいずれよりもより高い正確さおよび精度でよく知ることができるからである。
【0022】
特にキューベット作動モードに関し、ペデスタルに基づくシステムにキューベットを加えると、ユーザーはより汎用性を得ることができる。研究者は所定のタイプのサンプルを分析したかったり、容器を使用しない技術には適していない所定の毛細管技術を当該サンプルに対して使用したいことがときどきある。これらの例としてより光路長さが長いことに起因する、長い(低濃度の)距離でサンプルに対する測定を行いたいこと、所定の温度または撹拌を必要とする不均一な混合物を有すること、および/または揮発性であり急速な蒸発を受けた希釈サンプルを有することが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0023】
従って、本発明の新規な一体的装置は、(約10ミクロンまでの光路長さを有する、約2μl未満のサンプル容積を有し、表面張力で保持された環境内にあるサンプルまたは例えばチューブ、キューベット、CODキューベット、注文容器などを通して約50mlまでの、より大きい容積のサンプル(例えば希釈サンプル)を通過する光の量により、所定光路長さに対し、約0.005〜約2.0吸光単位を測定でき、その結果、約2mm〜約100mm、より頻繁には約10mmまでの光路長さとなる測定器具を考慮したものである。
【0024】
有利な特徴として、本発明の、表面張力で保持されたコンフィギュレーションと、一体的キューベットコンフィギュレーションで得られた測定値とを直接比較できることが挙げられる。特に本発明は、表面張力モードにおける光路長さ、例えば約10ミクロンまでの光路長さに対して調節し、よって後者の容器コンフィギュレーションにおける約1cmまたはそれ以上の光路長さに等しくなるようにすることにより、表面張力モードと容器コンフィギュレーションとの間の光路長さの差を補正できるようにする。更に、本発明の別の有利な特徴は、当業者に周知の他の市販されている吸光度分光光度計からのデータと、より迅速かつ容易に比較できることが挙げられる。
【0025】
特別な説明
図の説明に戻ると、図2は、本発明の開示された特徴に従い、容器(例えばキューベット)装置と一体的な自由空間(表面張力方法)のキューベットを用いないコンフィギュレーションを含む装置の一例の側面図を一般に示す。
【0026】
表面張力モード
特に本発明の表面張力モードのキューベットを使用しない特徴に関し、図2に示され、全体が参照番号50で示された装置は、開位置に示されており、この開位置では、約100μl未満または、より頻繁に約2μl未満のSで示された液体小滴検体、すなわち基準サンプルが下方のプラットフォーム表面A”に分散または吸引されている。後により詳細に説明するように、かかる開位置は、表面、例えば液体サンプルを含む表面A”の端部に容易にアクセスできるようにすると共に、更にユーザーがかかる表面を容易にクリーンにし、所望するときに装置の内部に新しいサンプルを装着できるようにしている。
【0027】
従って、図2の開状態では、約10μl未満、多くは約2μl未満の液体サンプルSの分散液は、ピペット手段6、例えば米国マサチューセッツ州のサーモフィッシャーサイエンティフィックオブウォルサム社からのFinnpipette(登録商標)(これだけに限定されない)により送ることができることが多い。従って、ピペットで取り出された液体は、下方のプラットフォームA”に移動される。この下方のプラットフォームA”は、注文または市販されているSMA光ファイバーコネクタ16sの端部を含むことができるペデスタル状またはアンビル状表面として構成されていることが多く、このプラットフォームの一部の用途では、このプラットフォームを当業者に公知の材料で処理し、塗布される液体小滴の検体または基準サンプルSの過度の広がりを防止することもできる。
【0028】
その後、液体小滴を塗布すると、図3により詳細に示されているような装置50は、ユーザーにより閉位置まで回転角方向に移動され、この結果、上部ペデスタルすなわちアンビル状表面A”、更に、多くは注文または市販のSMA光ファイバーコネクタ12sの端部も、液体小滴のサンプルSに接触し、下方の表面A”は表面張力モードとなった状態で、上部表面A’と下部表面A”の間に液体小滴サンプルSを捕捉すると共に、これらの間に収納する。
【0029】
図2の開位置の結果、図3の閉位置になるように示されるように、スイングアーム54の回転角方向の移動は、スイングアーム54とヒンジスペーサブロック57の双方にあるボアを貫通するように構成されたヒンジロッド56の機械的カップリングによって可能となる。この場合、ヒンジスペーサブロック57は、ベースプレート52に対して剛性的に固定されている。従って、表面A’を含み、スイングアーム54内のボア内に取り付けられ、これを貫通する光ファイバーコネクタ12sも、ヒンジロッド56を中心としてベースプレート52に対して回転角方向に回転し、液体小滴サンプルSに接触する。ベースプレート52に結合されており、ピンの形態にすることができるストッパー53は、アームが上記のように液体小滴サンプルSに接触し、これを特定するように回転されたときに、アーム54の各表面が当接する所望する位置を提供する。
【0030】
図2および図3にも示されるように、それぞれのコネクタ、例えばコネクタ12sおよび16s内に配置された一対の光導管、例えば上部光ファイバー18aおよび下部光ファイバー18bは、作動位置、すなわち図3に示された閉位置にて、互いに径方向に対向することによって光通信を可能にする。
【0031】
かかる光導管、例えば光ファイバー18aおよび18bは、単一モードファイバー、偏光維持ファイバーを含むが、好ましくはマルチモードファイバーを含む任意のタイプとし、本発明を特定の光ファイバー測定モードおよび制限値に限定しないことに留意すべきである。別の例の構造として、ファイバーの端部を劈開または研磨し、必ずしも必要ではないが、光ファイバーコネクタ12sおよび16sの端部と面一となっていることが多い。別の有利な構造では、更にかかる光ファイバーコネクタ12sおよび16s内に配置された1つ以上の光学的屈折表面(例えばレンズ(図示せず))に、かかる光ファイバー18aおよび18bが結合され、向けられた光の光学的補正(例えばコリメーション)および受光された光(例えば集光ファイバーの開口数への補正)の光学的補正を行い、それぞれの光学的導管18aと18bの間の有害な光学的損失を最小にするようになっている。
【0032】
次にサンプルSを測定するための表面A’およびA”の精密な位置決めについて説明するために、専ら図3を参照する。下部光ファイバー18bのための下部光ファイバーホルダー16sは、後により詳細に説明するように、リニアアクチュエータのためのシャフトとしても働く。スイングアーム54に対して上部光ファイバーコネクタ12s(および従って結合された光導管ファイバー18a)が、固定されているが、下部光ファイバーコネクタ16sは、(従って下部光導管、例えばファイバー18bも)(例えば垂直方向に沿って)軸に平行に並進し、2つの光ファイバーの間のスペースを変えることができる。ベースプレート52にはリニアアクチュエータが設けられており、このリニアアクチュエータは、ベースプレート52に取り付けられ、下部光ファイバーコネクタ16sの精密な並進を可能にし得る。図3に示されるように、リニアアクチュエータは締結具65(例えば関連するブッシングと共に、またはブッシングを用いることなく、ネジ、ポスト、ピン、リベットなど)により、ベースプレート52に固定されたモータ62を含むことができる。これら締結具は、伸長したモータ装着ネジを含むことができ、後に更に説明するように、プレートまたはボード64と機械的にスライド可能に係合するブッシング68を貫通できる。
【0033】
図3に一般に示されるように、モータは、下部光ファイバーホルダー16sの嵌合するネジ切りされたシャフト部分(図示せず)に載ったネジ切りマット(図示せず)の回転運動を発生するようになっている。下部光ファイバーコネクタ16sは、リニアアクチュエータのアクチュエータシャフトに置き換わり、および/またはシャフトとして働く。モータ62により、いずれかの方向に駆動される、雄ネジの切られたシャフト部分に対して、雌ネジが切られたネジが回転すると、下部光ファイバーコネクタ16sおよびその内部に収納された光ファイバー、例えば18bの制御された並進運動が生じる。下部光ファイバーコネクタ16sの位置は、プレートまたはボード64によって安定化でき、このボード64は挿入リング66により下部光ファイバーホルダー16sに機械的に結合されている。プレートまたはボード64は、ブッシング68およびネジ65のような締結具が貫通する孔またはスロット(図示せず)を有することができる。締結具65は伸長したモータ装着ネジを含むことができる。モータ62は、追加締結具(図示せず)により更にベースプレート52に固定できる。
【0034】
有利な構造として、モータは市販されているモータまたはリニアアクチュエータまたはリニア並進モータとすることができる。一例として、米国コネチカット州ウォーターベリーのヘイドンスイッチインストラメンツ社から、部品番号28H43−05−036としてリニアアクチュエータモータアセンブリを入手できる。後述するように標準的な在庫のリニアアクチュエータまたはリニア並進装置のアクチュエータシャフトを本願に記載するような下部光ファイバーホルダー16sに置換しなければならない場合がある。
【0035】
図3に示されるように、装置10の作動中に下部光ファイバーホルダー16sの走行距離および/または位置をモニタすることが好ましい。有利なコンフィギュレーションとして、プレートまたはボードが下部光ファイバーホルダーと共に移動するように、作動時にプレートまたはボード64を下部光ファイバーコネクタ16sに固定してもよい。プレートまたはボード64は、プレートまたはボード64の運動または位置を検出する機能を実行する電子部品を支持するプリント回路基板(PCB)を含むことができる。例えばボード64は、モータ62のプリントまでのボード64の距離を検出できる渦電流または容量センサを担持できる。かかる渦電流センサのPCBボードは、多数の異なるメーカーから市販されている。ボード64は、基準位置センサ82も含むことができ、このセンサは、モータ制御システムが始動時に初期化されたとき、または光インタラプタデバイス79によって中断されたときの「ホーム」または基準位置を定める。更に、プレートまたはボード64の下方に延びる下部光ファイバーコネクタ16sの最下端のネジ切りされていない部分にプレス嵌合されたカラーまたはブッシング67をストッパーとして働くように追加し、意図している機械的限界を超えるような下部光ファイバーホルダー16sの過度の走行を防止できる。
【0036】
すぐ上で述べたように、プレートまたはボード64が位置センサとして利用されるとき、ブッシング68はボード64の孔またはスロット(図示せず)と締結具65との間のスライド可能な機械的係合を生じさせる。従って、かかるスロット(図示せず)および締結具65は、下部光ファイバーホルダー16sの軸に平行な(下部光ファイバーホルダー16sと一体的な)ボード64の並進運動を可能にするが、全体として装置に対するボードおよび下部光ファイバーホルダーの回転を防止する。かかる回転は、下部光ファイバーホルダー16s内に含まれる光ファイバーの不整合、ねじれ、この光ファイバーからの光ファイバーの損失またはこの光ファイバーの破損さえも生じさせるので、好ましいものではない。
【0037】
プレートまたはボード64に永続的または一時的にインサートリング66を締結できる。例えばハンダにより、プレートまたはボードにこのインサートリングを永続的に締結できる。同様に、当業者が理解する公知の技術により、下部光ファイバーホルダー16sにインサートリング66を永続的または一時的に締結できる。作動時に、ホルダー16sの下部光ファイバーおよびプレートおよびボード64が、一致して移動する場合、少なくともかかる作動中に下部光ファイバーホルダー16s、およびプレートまたはボード64の双方にインサートリング66が締結される。部品の組み立てまたは置換を容易にするためには、下部光ファイバーホルダーを装置の他の部分からときどき除くことができるように、下部光ファイバーホルダー16sとインサートリング66との間には、非永続的締結具を使用することが望ましい。非永続的な締結として、下部光ファイバーホルダー16sのネジ切りされた部分(図示せず)の雄ネジとインサートリング66の内側中空部分の雌ネジとの間の、きつくロックされた機械的な係合を挙げることができる。このように、インサートリング内に下部光ファイバーホルダー16sを十分密に保持し、ホルダーがモータ62の作動中に回転しないようにするが、分解中にインサートリングから容易に外すことができる。
【0038】
上記モータによって駆動された機構およびセンサにより、表面A’およびA”が正しく位置決めされると、サンプルコラムは表面張力モードにされる。この表面張力モードでは、例えば光ファイバー18aまたは他の従来の光学的手段を通して光が向けられ、次に光はコネクタ12s、次にサンプルSを通過し、その後、光ファイバー18bによって受光される。次に、光は市販の、または注文の光スイッチ94によって分析できるように選択され、その後、所望する光導管、例えば光ファイバー18dを介して、市販または注文製造された検出マスター分光計96へ結合される。
【0039】
検討のための光源92は、放射線源、例えばキセノンフラッシュランプまたはオーシャンオプティクスインコーポレーションからp/nDT−1000として市販されている重水素アークと石英ハロゲン白熱ランプとの組み合わせを含む。かかる市販されていう光源が有利であるが、本発明の設計パラメータを満たすものであれば、本発明では、少なくとも約200nmの照明波長長さ、多くは約190nm〜約840nmの照明波長長さを発生できる任意の光源も使用できること理解すべきである。更に、利用される光源および行うべき測定によっては、1つ以上のフィルタ、例えば干渉フィルタを使用し、約190nm〜約840nmまでの所望する波長を発生してもよい。所望すれば、光路の所望する設計領域内に、かかるフィルタを即座に挿入したり、この領域から即座に取り出すことができるように、カートリッジまたはホイールフォーマット(図示せず)となるようにフィルタを形成してもよい。
【0040】
更に、スペクトルメータ96、光源92、モータ駆動の機構などは、コンピュータ(PC)で駆動されるシステム(図示せず)に結合され、このシステムは、一部のケースではDNA、RNAおよびタンパク質の定量化のような共通機能のためのあらかじめプログラムされたモジュールと共に、所望する波長長さを選択し、更にペデスタルまたは容器コンフィギュレーションを選択するための高度かつ複雑な、注文または市販のソフトウェアを有する。基準(またはブランク)のサンプルからのデータを含む取得データを公知の方法によりディスプレイし、将来の基準およびユーザーフレンドリーな操作を可能にするように行われる統計的な計量のためにこれらデータを記憶することができる。別の構造として、PCとは異なり、分光計92内にソフトウェアを組み込んでもよい。別の有利な構造として、フラッシュドライブのようなポータブル記憶デバイスにデータをイクスポートしたり、USBもしくは無線(ブルートゥース、IEEE、ウルトラワイドバンド)UWB接続を通して、直接PCにイクスポートすることも可能である。
【0041】
従って、図2および3の装置により、表面張力モードでのユーザーは、かさばった支持部品を機械的に移動しなくても、または使用できる場合のキューベットおよび希釈を必要としない大容積のサンプルを必要とすることなく、約10μl未満、多くは約2μl未満であって、約10μまでの光路長さを有する少量の液体小滴検体サンプルの制御された吸光度測定を行うために、上部光ファイバー(または他の光コンポーネント)と下部光ファイバー(または他の光コンポーネント)との間の分離長さを精密に制御することが可能となる。
【0042】
容器モード
次に、本発明の容器(例えばキューベット)に基づく構造を検討するために、図2に示される「開位置」に説明を戻す。所望するとき、例えば大容積のサンプルを測定するときには、約10mmまでの光路長さの全体の測定を行うために、容器72内に約50mlまでの溶液から構成された検体S’または基準液のサンプルを配置できる。再び、市販のピペット手段6により、かかる検体S’または基準液を、より大容積の材料にすることができる(容器72は、研究室のベンチで満たされることが多く、(ピペットにより満たすことができるが必ずしもピペットを用いる必要はない)、次に測定器具に容器が挿入されることが多い)。
【0043】
かかる容器72は、ホルダー400(仮想線で示されている)の設計されたリセス状部分内にスライド可能に取り付けられたスプリング手段74により、所定場所に弾性的に保持される。ホルダー400は、ベースプレート52の下面に取り外し自在に固定されている。図2および図3に示されるように、所定長さの容器72(点線をつけた部分で示されている)は、ベースプレート52内の設計され赤い後部を貫通するように構成されており、図3に示されるように、スイングアーム54が閉じた位置まで回転角方向に回転すると、容器72はその後固定される。特に、大容積の液体検体S’を送り、汚染されないように適当な手段(図示せず)によって容器をキャッピングした後、図3に、より詳細に示されるような装置50のスイングアーム54は、再びユーザーによって閉位置まで回転角方向に移動され、本願に開示したシステムにより、液体サスペンション/検体S’の光学的な測定を行うようになっている。
【0044】
図4は、参照番号400で全体が示された、本発明の容器ホルダーの好ましいコンフィギュレーションの一例を示す。かかる容器ホルダー400は、任意の適当な材料から製造できる。例えばこのホルダーは、金属から機械加工してもよいし、プラスチック、例えば高強度プラスチックから成形してもよい。図4に示されたホルダーは、図2または図3に示されるベースプレート52の底部に取り外し自在に固定されるように、結合装置、例えば貫通孔402が構成されている。
【0045】
かかるホルダーは、クリーニングのために取り外されるとき、または別のマウントを利用した場合に再結合されるときに、適当な座着を保証するための整合ピン406を更に備える。容器ホルダー400には、(仮想線で示される)横方向ボア412も形成されており、当該サンプルを含む透過性容器(図示せず)を通過するように光路の向きを定めることができるようにしている。(仮想線で示される)横方向ボア412は、容器ホルダー400内のスロットつきクランプ手段420と共に、(仮想線で示された)さら穴状の開口部412’および412”内に一対の光学的マウント(図示せず)を取り付け、所定の透過および受光光学系(図3に示されるように73’および73”)、例えばボールレンズ、非球面体などのような屈折光学系を固定することができる。
【0046】
更に、容器ホルダー400は、リセス状ガイド構造体416を有し、この構造体は所定の容器(図示せず)、例えばチューブまたは規則的な形状の容器となっているが、多くは業界で公知でありかつ知られているような標準的キューベットを取り外し自在に収納するようなサイズとなっている。多くは、リセス状のガイド構造体416は、図3に示されるように、スプリング手段74も収納し、所定の容器とリセス状ガイド構造体416との間をスライドできるが、摩擦嵌めできるようにし、かかる開口部内に容器が遊嵌するように構成されていることに留意すべきである。スプリング手段74は、所望する容器を押圧し、リセス状ガイド構造体416内に正しく整合させ、正確な測定を可能にすることが好ましい。最後に、熱制御センサ(図示せず)を挿入できるようにするオリフィス408が設けられていることが多く、よって所望するときに液状サンプルの温度制御をするようになっている。更に、容器ホルダー400の下面には磁気撹拌器(図示せず)を固定し、例えば液体サンプルを含むキューベット(図示せず)に挿入された関連する磁気カプセル(図示せず)に結合できるようになっている。
【0047】
例えば図3で仮想線で示されるような容器72は、市販の任意の、または注文製造の容器を含むが、サンプルS’を収納するために図3に例として示されるような標準的キューベットであることが多いことも理解すべきである。かかるキューベットは、図2の開位置で液体サンプルS’を収納するように、頂部が開口しており、少なくとも200nmの光波長を透過でき、多くは図3に示されるような所望する光学的照明光源92からの約190nm〜約840nmの間の光波長を透過できる、光学的品位の少なくとも2つの対向する側面を有する、実質的に所定の平行関係にある複数の側面が構成されている。上記のような標準的キューベットは、好ましい構造であるが、本発明の範囲から逸脱することなく、市販されているか、または注文の長方形の任意のキューベット(例えばCOD用)だけでなく、他の長方形でない容器、例えばチューブおよび注文の容器なども、本発明に結合できると理解すべきである。
【0048】
特に化学的酸素要求量(COD)は、有機物質が分解する間、およびアンモニア並びに窒化物のような無機化学物質が酸化する間に、水が酸素を消費する容量の尺度となっている。このCODは、家庭または業界の廃棄物によって汚染される水、例えば排水または自然水内の有機物を決定するための迅速かつ安価な手段である。基本的には、COD検査は、サンプルが反応する酸素量を測定することにより、炭素をベースとする材料の量を決定するものである。従って、本発明は、当業者に公知のCOD態様で調製されたスマートなキューベットを設けることにより、測光技術(測色技術)により、水内の有機物のレベルを検査できる。従って、作動方法の一部として水サンプルを調製されたキューベットに導入し、所定の温度条件下で特定の時間の間、化学的オキシダントによりサンプルを培養できる。その後、サンプルを含むキューベットを本願に記載のように、本発明のデュアルモードの装置内に導入し、本システムによって可能となる測光測定を行い、提供されたサンプル内の家庭廃棄物または業界の廃棄物のレベルを決定する。
【0049】
どんなタイプの容器を選択するか、またはどんなサンプルを測定するかにかかわらず、図2の開位置に示されるように、サンプルを装填し、図3の閉位置に示されるように、検査のために読み出しを行った後、ユーザーはこれまで簡単に説明したように、本発明の結合された制御装置(例えば制御コンピュータシステム)を操作し、測定を実行する。従って、図3に詳細に示されているように、光導管、例えば光ファイバー18a’または他の従来の光学的屈折性、回折性または反射性光学的手段を通過するように光を向け、更に光学的要素73’、例えばボールレンズのような屈折要素によって向きおよび条件を定める。実質的にコリメート化された光となっていることが多い光を、容器72の壁に対して実質的に垂直に向け、容器72内に含まれる液体サンプルを透過するようにし、容器72の対向する所定の壁から出るように向きを定め、集光光学系73”(例えば、多くはボールレンズとなっている設計された屈折性または反射性光学系)により受光し、光導管、例えば光ファイバー18cとの開口数の適合を可能にする。光は再び市販の、または注文の光スイッチ94により、分析のために選択される。従って、その後分析すべき所望する光は、表面張力モードの前のように、所望する光導管、例えば光ファイバー18dを通して市販または注文製造の検出マスター分光計96に結合される。
【0050】
表面張力モードの場合のように、光自体は光源92、例えばキセノンフラッシュランプまたはオーシャンオプティクスインコーポレーションからp/nDT−1000として市販されている重水素アークと石英ハロゲン白熱ランプの組み合わせを含み、または本発明の設計パラメータを満たすものであれば、本発明では、少なくとも約200nmの照明波長長さ、多くは約190nm〜約840nmの照明波長長さを発生できる任意の光源も使用できる。更に、利用される光源および行うべき測定によっては、フィルタ、例えば干渉フィルタを使用し、約190nm〜約840nmまでの所望する波長を発生してもよい。所望すれば、光路の所望する設計領域内に、かかるフィルタを即座に挿入したり、この領域から即座に取り出すことができるように、カートリッジフォーマット(図示せず)となるようにフィルタを形成してもよい。
【0051】
前に述べたものと同じように、高度かつ複雑な、注文または市販のソフトウェアを有するコンピュータ(PC)で駆動されるシステム(図示せず)は、一部のケースではDNA、RNAおよびタンパク質の定量化のような共通機能のためのあらかじめプログラムされたモジュールによる測定を容易できる。基準(またはブランク)のサンプルからのデータを含む取得データを公知の方法によりディスプレイし、将来の基準およびユーザーフレンドリーな操作を可能にするように行われる、統計的な計量のためにこれらデータを記憶することができる。前と同じように、ソフトウェアを分光計92内に組み込んでもよいし、またはPC内に常駐させてもよく、フラッシュドライブのようなポータブル記憶デバイスにデータをイクスポートしたり、USBもしくは無線(ブルートゥース、IEEE、ウルトラワイドバンド)UWB接続を通して、直接PCにイクスポートすることも可能である。
【0052】
従って、図2および3の装置は、容器サンプルモードのユーザーが他の市販の測定器具と直接比較するために、または同じ装置で利用できる表面張力モードの測定と直接比較するために利用される、約10mmの好ましいサンプル長さを有する、約50mlまでの大容積のサンプルの制御された吸光度測定も可能にする。
【0053】
本願に記載の説明は、基本的な説明である。以上で、図示し、記載した種々の実施形態に従って本発明について説明したが、当業者であれば、本発明の要旨の範囲内で実施形態について種々の変更が可能であることが容易に認識できよう。読者は、特定の説明は可能なすべての実施形態を明示的に記載するものではなく、多くの代替例が暗黙的になっていることを知るべきである。かかる変形例および同等な例は、当業者の能力の範囲内、かつ本発明の要旨の範囲内にある簡単な変形例と見なされる。従って、当業者によれば、本発明の要旨から逸脱することなく、かかる変形の多くを行うことができる。詳細な説明、図面または用語のいずれも、請求項に記載した発明の範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの光学的性質を測定するためのデュアルモードの分光光度計であって、
光透過性端部を有する第1光学的導管に結合された第1ペデスタル表面と、
ベースプレートと、
前記ベースプレートに機械的に結合されると共に第1サンプルを受けるようになっている第2ペデスタル表面であって、この第2ペデスタル表面は、受光端部を有する第2光導管に結合されており、前記第2ペデスタル表面は、更に前記第1ペデスタル表面と前記第2ペデスタル表面との間の分離距離を可変距離(P)に調節し、前記第1液体サンプルをコラムに引き寄せ、サンプルが表面張力によってコラム内に収納され、よって測光または分光測定のための、前記第1光導管の前記光透過性端部および前記第2光導管の前記受光端部を有する光路を提供するようになっている前記第2ペデスタル表面と、
リセス状ガイド手段が構成され、前記ベースプレートに取り外し自在に結合されるようになっている容器ホルダーと、
前記リセス状ガイド手段内に弾性的に固定されるようになっているサンプル容器であって、前記サンプル容器は、内部に第2液体サンプルを有し、内部に少なくとも2つのウィンドー手段が構成され、よって測光または分光測定のための光路も提供するようになっている前記サンプル容器と、
を有するデュアルモードの分光光度計。
【請求項2】
約2μl未満の導入されたサンプル容積から、約50mlまでのサンプル容積に対して、吸光度測定を行う、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項3】
約10ミクロンから約100mmまでの長さの前記光路を有する、導入されたサンプル容積に対して吸光度測定を行う、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項4】
光路長さの差に対する補正を等しくし、測定値のクロス較正を行う、請求項3に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項5】
前記デュアルモードの分光光度計は、所定の光路長さに対し、約0.005〜約2.0の吸光単位までの吸光度を測定するようになっている、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項6】
前記容器は、長方形のキューベット、チューブおよび注文製造された容器から選択された少なくとも1つの容器を含む、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項7】
前記長方形のキューベットは、化学的酸素要求量(COD)センサを含む、請求項6に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項8】
前記容器ホルダーは、取り除いた後に再結合する際の正しい座着を保証するための整合ピンを備える、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項9】
前記容器ホルダーは、光路が前記容器を通って向くことができるようにする横断ボアを備える、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項10】
前記容器ホルダー内のスロット付きクランプ手段と組み合わされた前記横方向ボアは、所定の透光および受光光学系を固定するためのさら穴状開口部内に一対の光学的マウントを装着できるようにする、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項11】
前記デュアルモードの分光光度計によって設けられるスイングアームは、前記容器を回転角方向に固定する、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項12】
前記第2ペデスタルは、更にリニアアクチュエータのシャフトに結合されており、前記第2ペデスタルの並進を可能にすると共に、差のある吸光光路長さを可能にするよう、前記第1ペデスタルに対する可変距離(P)を可能にしている、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項13】
前記可変距離は、渦電流センサによってモニタされ、このセンサは、結果として生じる並進を計算できるように構成されたプレートまでの距離を検出できる、請求項12に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項14】
前記可変距離は、容量センサによってモニタされ、このセンサは、結果として生じる並進を計算できるように構成されたプレートまでの距離を検出できる、請求項12に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項15】
前記渦電流センサは、プリント回路基板(PCB)上に設けられている、請求項13に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項16】
前記プリント回路基板(PCB)は、位置センサを備え、この位置センサは、並進制御システムが始動時または光遮断デバイスによって遮断されるときに初期化されるときの基準位置を設定する、請求項15に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項17】
前記デュアルモードの分光光度計は、少なくとも200nmの波長を発生するように構成された照明光源を備える、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項18】
前記デュアルモードの分光光度計は、約190nm〜約840nmまでの波長を発生するように構成された照明光源を備える、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項19】
ブルートゥース接続、IEEE接続およびウルトラワイドバンド(UWB)接続から選択された少なくとも1つの無線通信手段により、測光または分光測定値の取得データをコンピュータに基づくシステムへイクスポートできる、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項20】
前記デュアルモードの分光光度計は、前記第1および第2ペデスタル、もしくは前記サンプル容器のいずれかにより、測定のための1つ以上の所望する光路を選択するようになっているソフトウェアを含む、請求項1に記載のデュアルモードの分光光度計。
【請求項21】
表面張力モード、またはキューベット内にサンプルが含まれるモードでサンプルの光学的性質を測定するためのデュアルモードの分光測光方法であって、
光透過性端部を有する第1光学的導管に結合された第1ペデスタル表面を設けるステップと、
ベースプレートに機械的に結合された第2ペデスタル表面に第1サンプルを置くステップであって、前記第2ペデスタル表面は、受光端部を有する第2光導管に結合されており、前記第2ペデスタル表面は、更に前記第1ペデスタル表面と前記第2ペデスタル表面との間の分離距離を可変距離(P)に調節し、前記第1液体サンプルをコラムに引き寄せ、サンプルが表面張力によってコラム内に収納され、よって測光または分光測定のための、前記第1光導管の前記光透過性端部および前記第2光導管の前記受光端部を有する光路を提供するようになっている前記ステップと、
リセス状ガイド手段が構成され、前記ベースプレートに取り外し自在に結合されるようになっている容器ホルダーを設けるステップと、
前記リセス状ガイド手段内に弾性的に固定されるようになっているサンプル容器を設けるステップであって、前記サンプル容器は、内部に第2液体サンプルを有し、内部に少なくとも2つのウィンドー手段が構成され、よって測光または分光測定のための光路も提供するようになっており、表面張力で保持されたサンプル上および/または前記容器内に配置された前記第2液体サンプルで所望する測光または分光測定を行うことができる前記ステップと、
を有するデュアルモードの分光測光方法。
【請求項22】
約2μl未満の導入されたサンプル容積から、約50mlまでのサンプル容積に対して、吸光度測定を行う、請求項21に記載のデュアルモードの分光測光方法。
【請求項23】
約10ミクロンから約100mmまでの長さの前記光路を有する、導入されたサンプル容積に対して吸光度測定を行う、請求項21に記載のデュアルモードの分光測光方法。
【請求項24】
表面張力で保持されている前記第1サンプルと前記容器内に配置されている前記第2サンプルとの間の光路長さの差に対する補正値を等しくし、測定値のクロス較正を行う、請求項21に記載のデュアルモードの分光測光方法。
【請求項25】
前記デュアルモードの分光測光方法は、所定の光路長さに対し、約0.005〜約2.0の吸光単位までの吸光度を測定するようになっている、請求項21に記載のデュアルモードの分光測光方法。
【請求項26】
前記容器は、長方形のキューベット、チューブおよび注文製造された容器から選択された少なくとも1つの容器を含む、請求項21に記載のデュアルモードの分光測光方法。
【請求項27】
前記長方形のキューベットは、化学的酸素要求量(COD)センサを含む、請求項21に記載のデュアルモードの分光測光方法。
【請求項28】
前記第1および第2ペデスタルまたは前記サンプル容器のいずれかを通る、測定のための、所望する1つ以上の光路を選択するステップを更に備える、請求項21に記載のデュアルモードの分光測光方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−504767(P2012−504767A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530242(P2011−530242)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/059253
【国際公開番号】WO2010/039975
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(511084991)ナノドロップ テクノロジーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】