説明

デュアルソース質量分析システム

デュアルソース質量分析計システム(10)は、LCソース[LC/MS](12)を用いて第1のモードで動作可能でありかつGCソース[GC/MS](18)を用いて第2のモードで動作可能である。GCソースは、イオン化出力をGCソースから質量分析計に送出するためのイオンソースチャンバ(22)内に入力する。GCソースはGCインタフェースプローブ(30)を備えており、GCインタフェースプローブ(30)は、GCインタフェースプローブを、それが質量分析計から係合解除され、それによりシステムは第1のLC/MSモードで動作可能となる後退位置からGCインタフェースプローブが質量分析計のイオンソースチャンバに動作可能に連結され、それによりシステムは前記GC/MSモードで動作可能となる使用位置にまで持っていくために、イオンソースチャンバに後退可能に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に科学研究所の分析機器に関し、より詳細には、クロマトグラフィシステムと質量分析計とを組み合わせたものに関する。
【背景技術】
【0002】
科学研究所は一般に、サンプル内の様々な成分を分離するために、クロマトグラフィを用いてサンプルを分析する必要がある。サンプルが分離されると、科学研究所は、様々な成分が何であるかを同定するために、さらなる分析を必要とすることがある。通常、分離された成分の分析を実行する最も効果的な方法が質量分析計を用いることである。
【0003】
クロマトグラフィは、気体サンプルか液体サンプルのどちらかに対して実行され得る。しかしながら、液体クロマトグラフィを実行するのに必要な装置とガスクロマトグラフィを実行するのに必要な装置とは、異なる分析を実行するために異なる機械が必要とされるので、かなり異なる。
【0004】
質量分析計は、質量分析計内で生じ得るイオンのフラグメンテーションを調べることにより、イオンの質量を測定しかつこれらのイオンの構造を分析するために使用され得る。クロマトグラフィシステムは一般にイオン以外の分子を生成し、したがって、質量分析計はそれに送出される分子からイオンを生成する必要がある。これは通常、イオンソース内で行われる。イオンソース内に注入された分子をイオン化する多くの方法がある。大気圧化学イオン化[APCI]はこれらの方法のうちの1つである。この方法では、分子がイオンソースチャンバ内に噴霧され、噴霧はイオンを作り出すコロナ放電にさらされる。
【0005】
APCIは、通常は一価のイオンを生成するので、望ましいフラグメンテーション技術であり、したがって、分析の結果はより解釈しやすい。さらに、APCIは、液体サンプルと気体サンプルの両方に使用することが可能なイオン化法である。
【0006】
質量分析計は、複雑で精密な計器であり、したがって高価かつ精巧である。最近まで、質量分析計は、常にLCMSまたはGCMSの一方のために特別に設計されてきており、互換使用のためではない。これまでは、GCMSとLCMSとの間で切り替わる計器も設計されてきた。しかしながら、切替えに時間がかかり、デュアル計器(dual instruments)は、2つの技法のどちらか一方の性能を損なうことが多かった。これは、電子衝撃イオン化(Electron Impact Ionization)を利用する真空GCMSシステムに特に当てはまる。APCIを用いる利点は、LCMSとGCMSが共に同じ圧力で運転されること、および円錐ガスノズルの代わりにイオンチャンバを置くこと以外にMSを変える必要がないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
デュアルソース質量分析システムを提供しようとする試みでは、LCMSにもGCMSにも使用されることができるイオンソースを有する質量分析計を備えるものである。しかしながら、イオンソースの設計は、LCMSインタフェースプローブとGCMSインタフェースプローブの両方がAPIソースハウジングに恒久的に連結されるようにする。この構成は、別個のLCMS機械およびGCMS機械を使用することに勝る改良であるが、非効率的であり、したがってサンプル中に存在し得る少量のアナライトを容易には同定できない。
【0008】
したがって、2つの異なる入力間の転送が容易であるとともに、次に本発明によって提供されるように必要とされる変更が容易かつ最小限である、液体クロマトグラフィシステムかガスクロマトグラフィシステムのどちらかの出力を効率的に分析することができる質量分析計を製造することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のデュアルソース質量分析システムには、例えば合成物確認および不純物プロファイリングで、天然生成物研究の用途があり、風味および芳香の分野では、栄養補給食品、石油化学製品、メタボロミクス、環境スクリーニング、残留農薬分析、およびいくつかの法医学的用途があると想定される。LCMSとGCMSを組み合わせることにより、より広範な化合物が単一の機器プラットフォーム上で分析されることが可能になる。
【0010】
本発明の一態様は、LCソース[LC/MS]を用いて第1のモードで動作可能でありかつGCソース[GC/MS]を用いて第2のモードで動作可能であるデュアルソース質量分析計システムであって、前記GCソースが、イオン化出力をGCソースから質量分析計に送出するためのイオンソースチャンバ内に入力し、GCソースがGCインタフェースプローブを備え、GCインタフェースプローブは、GCインタフェースプローブを、それが質量分析計から係合解除され、それによりシステムは前記第1のLC/MSモードで動作可能となる後退位置からGCインタフェースプローブが質量分析計のイオンソースチャンバに動作可能に連結され、それによりシステムは前記第2のGC/MSモードで動作可能となる使用(deployed)位置にまで持っていくために、前記イオンソースチャンバに後退可能に連結される、デュアルソース質量分析計システムを提供する。LCMSモードではイオンチャンバは使用されない。イオンチャンバは円錐ガスノズルで置き換えられ、コロナ放電は、APCIプローブからの溶離剤に対してソース筺体内で行われる。
【0011】
本発明の一特徴によれば、GCインタフェースプローブとイオンソースチャンバのハウジングとは、それらがGCイオンソースチャンバを用いて前記第2のモードで動作可能となるように解放可能に係合され得るように、相補的ドッキング手段を有することができる。ドッキング手段は、GCインタフェースプローブとプローブがドッキングポート内に次第に引き込まれ適所で解放可能にロックされ得るようにする相補的ロッキング手段とを受容するために、GCイオンソースハウジング内にドッキングポートを備えることが好ましい。GCインタフェースプローブは、開放しているチャンバの後部内にトランスファライン(transfer line)の端部が位置するように、イオンソースハウジングに対してドッキングする。ドッキングポートは封止手段を組み込んだねじ山付きノズルを備え、GCインタフェースプローブは、ノズルと解放可能に係合するために相補的ねじ山付きロッキングレバーを備え、それによってプローブがノズルに封止可能に連結され得ることも好ましい。
【0012】
本発明の別の特徴によれば、GCインタフェースプローブは、GCイオンソースチャンバが存在するときにシステムの質量分析計に後退可能に連結することができるガスクロマトグラフィユニットによって担持され得る。ガスクロマトグラフィユニットは、システムの質量分析計に摺動可能に連結できることが好ましい。別の好ましい特徴では、ガスクロマトグラフィユニットは、レールシステムの上でのユニットの摺動可能な運動を可能にするためにロック可能なレールシステムを組み込み、ガスクロマトグラフィユニットが、システムの質量分析計にまで提供されたり質量分析計から引っ込められたりすることができるようにする。
【0013】
本発明の別の態様は、デュアルソース質量分析計システムを、LCソース[LC/MS]を用いて第1のモードで動作させかつGCソース[GC/MS]を用いて第2のモードで動作させる方法であって、前記GCソースが、イオン化出力をGCソースから質量分析計に送出するためのイオンソースチャンバ内に入力し、GCソースがGCインタフェースプローブを備え、GCインタフェースプローブを、それがイオンソースチャンバから係合解除され、それによりシステムは前記第1のLC/MSモードで動作可能となる後退位置からGCインタフェースプローブがイオンソースチャンバに動作可能に連結され、それによりシステムは前記第2のGC/MSモードで動作可能となる使用位置にまで持っていくステップを含む方法を提供する。
【0014】
本発明のこの態様の別の特徴によれば、GCインタフェースプローブとイオンソースチャンバのハウジングとの間に設けられた相補的ドッキング手段が、プローブとハウジングとが、GCイオンソースチャンバを用いて前記第2のモードで動作可能となりかつGCイオンソースハウジングをLCイオンソースハウジングで置き換えてLCイオンソースチャンバを用いて前記第1のモードで動作可能となるように解放可能に係合され得るように作動され得る。ドッキング手段はドッキングポートを備え、相補的ロッキング手段は、プローブがドッキングポート内に次第に引き込まれ適所で解放可能にロックされるように作動されることが好ましい。ドッキングポートは封止手段を組み込んだねじ山付きノズルを備え、GCインタフェースプローブは相補的ねじ山付きロッキングレバーを備え、ロッキングレバーはノズルと解放可能に係合するように操作され、それによってプローブがノズルに封止可能に連結され得ることがさらに好ましい。
【0015】
本発明のこの態様のさらなる特徴によれば、GCインタフェースプローブはガスクロマトグラフィユニットによって担持されることができ、ガスクロマトグラフィユニットは、GCイオンソースチャンバが存在するときにシステムの質量分析計に後退可能に連結される。さらにより好ましくは、この特徴が採用される場合、ガスクロマトグラフィユニットは、システムの質量分析計に摺動可能に連結される。さらに好ましくは、ガスクロマトグラフィユニットがシステムの質量分析計にまで提供されたり質量分析計から引っ込められたりするように、ガスクロマトグラフィユニットはロック可能なレールシステムを組み込み、方法はレールシステムの上でのユニットの摺動可能な運動を含む。
【0016】
次に、本発明の一実施形態が、例として添付図面を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】LCソースユニット、MSユニットおよびGCユニットを備えるデュアルソース質量分析システムの斜視図である。
【図2】GCイオンソースハウジングおよびGCインタフェースプローブの断面図である。
【図2A】イオンソース筺体またはハウジングとGCユニット内のGCオーブンとを示すGCトランスファラインの概略図である。
【図3】GCインタフェースプローブが後退位置にあるGCユニットおよびGCイオンソースハウジングの斜視図である。
【図4】GCインタフェースプローブがGCイオンソースハウジングにまで提供されているのを示す以外は図3と同様の図である。
【図5】GCインタフェースプローブが使用位置でGCイオンソースハウジングと係合しているのを示す以外は図4と同様の図である。
【図6】GCユニットを受容するとともにベースユニットに対してレール上に取り付けられている摺動可能なキャリッジの斜視図である。
【図7】キャリッジ、レールシステムおよびベースユニットの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照すると、液体クロマトグラフィ[LC]ユニット12と、質量分析計[MS]ユニット14と、LCユニットまたはGCユニットと共に使用するのに適し得るイオンソースハウジング16と、ガスクロマトグラフィ[GC]ユニット18と、を備えるデュアルソース質量分析システム10が示されている。
【0019】
システムがLC/MSモードで動作する必要がある場合、イオンソースハウジング16はLCユニット12のLCカラムと共に使用するのに適しているものであり、その場合、GCユニット18はMSユニット14から係合解除され引っ込められる。システムをGC/MSモードで動作させるためには、LCイオンソースハウジング(図示せず)はGCイオンソースハウジングによって置き換えられ、GCユニット18は、それがMSユニットに動作可能に連結される使用位置に置かれる。
【0020】
ここで図面のうちの図2を参照すると、GCイオンソースハウジング16はイオンソースチャンバ22を組み込んでいる。チャンバ22は、少なくとも1つの出口ポート24と、少なくとも1つのガス入口(図示せず)と、サンプルポート26と、少なくとも1つのコロナピンポート28とを有する。
【0021】
ハウジング16は、プラスチック、金属、ガラス、セラミックなどの構造材料で作られる。好ましい金属は、ステンレス鋼、チタニウム、アルミニウム、銅、黄銅、およびその他の合金である。
【0022】
サンプルポート26は、ガスクロマトグラフカラム32を備えるGCインタフェースプローブ30を受容するように構成され配置される。カラムは、加熱シースガス管(heated sheath gas tube)34で取り囲まれる。ガスクロマトグラフカラム32は、チャンバ22内にアナライト分子を入れるためのものである。アナライト分子はガス中に懸濁されるかまたは溶解される。カラムは移動相および固定相を有し、それらの蒸気圧に基づいて成分を分離するために使用される。成分がカラムからチャンバ内へ溶出したときに、成分は気相状態である。ガスクロマトグラフカラムは当技術分野で知られており、いくつかのベンダから入手可能である。例えば、ガスクロマトグラフカラムは、限定するものではないが、Varian,Inc.(Palo Alto,California,USA)によりFactorFour(TM)、CP−Sil、Select(TM)などのいくつかの商標で販売されている。
【0023】
図2Aを参照すると、サンプルポート26は、トランスファライン29の内管27とカラム32が突出しているトランスファライン先端部31とを受容する。サンプルポート26は、チャンバが金属トランスファラインに乗り上げないようにするために、トランスファラインとぴったりではなく適度な隙間を有している。カラム32の外壁とサンプルポートの内径は協働して締まりばめを形成する。しかしながら、はめ合いは気密である必要はない。空隙によりチャンバ22内の余分なガスが放出し大気圧イオン化ハウジングのベント構造によって持ち去られるのを可能にする。それにより、チャンバはクロマトグラフピークの時間尺度で一掃される。
【0024】
ガス入口は、不活性ガスをチャンバ22内に入れるための不活性ガスソース[図示せず]と流体連通して置かれるように構成され配置される。不活性ガスは、窒素などの任意の実質的に非反応性の気体を含む。このようなガスはタンク内に加圧されて多くのベンダによって販売されている。
【0025】
出口ポート24は、数字40で全体的に表されている質量分析計の真空領域38の開口36上でまたはその周囲で受容されるように構成され配置される。開口36は、通常、真空領域38と大気圧イオン化ハウジング16の大気圧領域との間のインタフェースとなる。大気領域は、大気圧からわずかにはずれていてもよいが、実質的に大気圧近傍である。
【0026】
開口36は入口コーン42に形成され、入口コーン42は、出口ポート24を実質的にふさいで実質的に閉鎖されたチャンバ22を形成する。出口ポート24が真空領域38の開口36上でまたはその周囲で受容されたとき、チャンバ22の容積は0.5から5.0ccである。
【0027】
真空領域38の開口36はサンプル軸を画定する。好ましいサンプルポート24は、サンプル軸に対して垂直なラインの60度以内にアナライト分子33を導入するように構成され配置される。
【0028】
コロナピンポート28は、電子を放出するためのコロナ放電ピンを受容するために構成され配置される。放出された電子は、アナライト分子33がガスクロマトグラフカラム32から出るときにアナライト分子33上に電荷を置く(図2)。これらの荷電アナライト分子および非荷電アナライト分子は、ガス入口から導入されたガスによってチャンバ22で循環させられ、質量分析のための真空領域の開口36で受け取られる。
【0029】
コロナ放電ポートは、ガスクロマトグラフカラム32から放出されたサンプルの流れの中にコロナ放電ピンを置くように構成され配置されることが好ましい。通常、コロナ放電ポートはサンプル軸と位置合せされて、ガスがコロナ放電ピンの周囲を循環できるようにする。
【0030】
コロナ放電によってガス中に形成されるプラズマは、連結ライン35からトランスファ内管27を経由して供給されるメイクアップガス(make−up gas)と組み合わせたキャリアガスからなる。
【0031】
N2メイクアップガスの場合、N2およびN4がプラズマ中で形成され、
N2+M>M+N2
N4+M>M+2N2
さらに、微量の水分H30により、
H30+M>MH+H20
より高濃度の水H(H20)により、
(H20)+M>MH+nH20
選択的イオン化は光イオン化によっても実行され得る。
【0032】
GCイオンソースハウジング16を除去すると、質量分析計はLC大気圧イオン化ソース[図示せず]から液体サンプルを従来の方式で受け取ることが可能になる。
【0033】
図2、図3および図4を参照すると、GCイオンソースハウジング16は、GCカラム32を組み込んだGCインタフェースプローブ30を着脱可能に受容するための相補的ドッキング手段の一部を形成しているノズル42を具備する。ノズルは、GCインタフェースプローブがノズル内に封止可能に係合されるようにする封止Oリング44(図2)を具備している。図3および図4を再び参照すると、GCインタフェースプローブ30は、ロッキングノズルのはめ合いねじ山付き部分48と協働する回転可能なねじ山付きドッキングレバー46を具備する相補的ドッキング手段の別の部分を有していて、プローブがノズルにまで提供されると、ロッキングレバーの操作により相補的ねじ山付き部分が係合することにより、プローブ、したがってGCカラムがGCイオンソースハウジング16のチャンバ22内に次第にドッキングされるようにする。
【0034】
GCインタフェースプローブ30を、それがGCイオンソースチャンバから係合解除される後退位置(それによりシステムは第1のLC/MSモードで動作可能となる)からGCインタフェースプローブ30がGCイオンソースチャンバに動作可能に連結される使用位置(それによりシステムは第2のGC/MSモードで動作可能となる)にまで持っていくためには、図5に示されているように、GCユニットがレールシステム上に摺動可能に取り付けられる。
【0035】
ここで図面のうちの図6および図7を参照すると、GCユニットのレールシステムの詳細が示されている。GCユニット18(図1から図5参照)は、キール部分54および端壁56、58を有する床52を具備するキャリッジ50に受容され、GCユニット18は端壁56、58によってそれぞれキャリッジ50に固定される。端壁56は開口60を具備しており、GCインタフェースプローブはGCユニットから開口60を通って延びる。キール部分54には1対の平行なレール62、64(オフィスのファイリングキャビネットで見られるようなものと同じように動作する)が備え付けられ、レール62、64は、ベースユニット72の上面に形成されたチャネル70の対向壁66、68に固定されたランナを有していて、キール部分がチャネル内に隙間を有して位置するようにする。したがって、キャリッジ(GCユニット18と一体)は、ベースユニットに対して左右に摺動することができる。ロッキングハンドル74は、キャリッジの滑り運動を支援するためだけでなく、操作のためにレール66をチャネルに対してロックしてキャリッジがベースユニットに対して動かないようにするためにもキャリッジによって提供される。
【0036】
ベースユニットに対するキャリッジの移動は、GCユニットが引っ込められたときに、GCトランスファプローブがMSユニットから引き離され、GCユニットが反対方向の端へ移動したときに、相補的ドッキング手段がチャンバに動作可能に連結するためにプローブ、したがってGCカラムを次第に引き入れることができるように、GCトランスファプローブがドッキングノズルに与えられる、というものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LCソース[LC/MS]を用いて第1のモードで動作可能でありかつGCソース[GC/MS]を用いて第2のモードで動作可能であるデュアルソース質量分析計システムであって、前記GCソースが、イオン化出力をGCソースから質量分析計に送出するためのイオンソースチャンバ内に入力し、GCソースがGCインタフェースプローブを備え、GCインタフェースプローブが、GCインタフェースプローブを、それが質量分析計から係合解除され、それによりシステムが前記第1のLC/MSモードで動作可能となる後退位置からGCインタフェースプローブが質量分析計のイオンソースチャンバに動作可能に連結され、それによりシステムが前記第2のGC/MSモードで動作可能となる使用位置にまで持っていくために、前記イオンソースチャンバに後退可能に連結される、デュアルソース質量分析計システム。
【請求項2】
GCインタフェースプローブとイオンソースチャンバのハウジングとが、それらがGCイオンソースチャンバを用いて前記第2のモードで動作可能となりかつGCイオンソースハウジングをLCイオンソースハウジングで置き換えてLCイオンソースハウジングを用いて前記第1のモードで動作可能となるように解放可能に係合され得るように、相補的ドッキング手段を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ドッキング手段が、GCインタフェースプローブとプローブがドッキングポート内に次第に引き込まれ適所で解放可能にロックされ得るようにする相補的ロッキング手段とを受容するために、GCイオンソースハウジング内にドッキングポートを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
ドッキングポートが封止手段を組み込んだねじ山付きノズルを備え、GCインタフェースプローブが、ノズルと解放可能に係合するように相補的ねじ山付きロッキングレバーを備え、それによってプローブがノズルに封止可能に連結され得る、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
GCインタフェースプローブが、GCイオンソースチャンバが存在するときにシステムの質量分析計に後退可能に連結することができるガスクロマトグラフィユニットによって担持される、請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
ガスクロマトグラフィユニットが、システムの質量分析計に摺動可能に連結することができる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
ガスクロマトグラフィユニットが、ロック可能なレールシステムを組み込み、レールシステムの上でのユニットの摺動可能な運動を可能にし、ガスクロマトグラフィユニットが、システムの質量分析計にまで提供されたり質量分析計から引っ込められたりすることができるようにする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
実質的に、添付図面を参照して先に記述されかつ添付図面に示されているデュアルソース質量分析計システム。
【請求項9】
デュアルソース質量分析計システムを、LCソース[LC/MS]を用いて第1のモードで動作させかつGCソース[GC/MS]を用いて第2のモードで動作させる方法であって、前記GCソースが、イオン化出力をGCソースから質量分析計に送出するためのイオンソースチャンバ内に入力し、GCソースがGCインタフェースプローブを備え、GCインタフェースプローブを、それがイオンソースチャンバから係合解除され、それによりシステムが前記第1のLC/MSモードで動作可能となる後退位置からGCインタフェースプローブがイオンソースチャンバに動作可能に連結され、それによりシステムが前記第2のGC/MSモードで動作可能となる使用位置にまで持っていくステップを含む方法。
【請求項10】
GCインタフェースプローブとイオンソースチャンバのハウジングとが、GCイオンソースチャンバを用いて前記第2のモードで動作可能となりかつGCイオンソースハウジングをLCイオンソースハウジングで置き換えてLCイオンソースチャンバを用いて前記第1のモードで動作可能となるように解放可能に係合され得るように、GCインタフェースプローブとイオンソースチャンバのハウジングとの間に設けられた相補的ドッキング手段を作動させることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ドッキング手段がドッキングポートを備え、相補的ロッキング手段が、プローブがドッキングポート内に次第に引き込まれ適所で解放可能にロックされるように作動される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ドッキングポートが封止手段を組み込んだねじ山付きノズルを備え、GCインタフェースプローブが相補的ねじ山付きロッキングレバーを備え、ロッキングレバーがノズルと解放可能に係合するように操作され、それによってプローブがノズルと封止可能に連結され得る、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
GCインタフェースプローブがガスクロマトグラフィユニットによって担持され、ガスクロマトグラフィユニットが、GCイオンソースチャンバが存在するときにシステムの質量分析計に後退可能に連結される、請求項9から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ガスクロマトグラフィユニットが、システムの質量分析計に摺動可能に連結される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ガスクロマトグラフィユニットがシステムの質量分析計にまで提供されたり質量分析計から引っ込められたりするようにするように、ガスクロマトグラフィユニットがロック可能なレールシステムを組み込み、方法がレールシステムの上でのユニットの摺動可能な運動を含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−519840(P2012−519840A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552529(P2011−552529)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050391
【国際公開番号】WO2010/100507
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(511192218)マイクロマス・ユー・ケイ・リミテツド (6)
【Fターム(参考)】