説明

デュアルユースのRF指向性エネルギー兵器および撮像装置

デュアルユースのRF指向性エネルギー兵器および撮像装置を開示する。発電機が、ビームディレクターによって対象物に向けられる、RF電磁エネルギーの第1のビームを提供してもよい。撮像装置が対象物の画像を形成してもよい。撮像装置は、ビームディレクターによって規定される開口を共有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【著作権およびトレードドレスについて】
【0001】
本特許文書の開示の一部は、著作権保護を受ける素材を含む。本特許文書は、所有者のトレードドレスであるか、または、所有者のトレードドレスになるかもしれない事項を示し、および/または記述するかもしれない。著作権およびトレードドレスは、特許商標庁の特許ファイルまたは記録において現れていることから、著作権およびトレードドレスの所有者は、だれかによる、特許開示の、ファクシミリによる複写に対して異議をもたないが、さもなければ、いずれにしても、すべての著作権およびトレードドレスの権利を保有する。
【背景】
【0002】
分野
本開示は、非致死性兵器システムに関し、特に、指向性マイクロ波エネルギーを利用する非致死性兵器システムに関する。
【0003】
関連技術の説明
指向性マイクロ波エネルギーを用いる非致死性兵器は、規制されたエリアに入ることから、またはいくつかの望まれない動作を継続することから、侵入者または他のターゲットの個体を抑止する、または阻止する既知の方法である。“アクティブディナイアル”システムとも呼ばれる、マイクロ波指向性エネルギー兵器の例は、US7,126,477B2およびUS2007/0040725A1において説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】図1は、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置のブロック図である。
【図2】図2は、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置のブロック図である。
【図3A】図3Aは光学システムの概略図である。
【図3B】図3Bは光学システムの概略図である。
【図4】図4は光学システムの概略図である。
【図5】図5は、ハンドヘルドのデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置の概念立面図である。
【図6】図6は、車両に搭載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置の概念立面図である。
【詳細な説明】
【0005】
この説明全体にわたって示される実施形態および例は、開示する、または請求される装置および方法に対する限定ではなく、模範と考えるべきである。
【0006】
装置の説明
これから図1を参照すると、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100は、電磁エネルギーの第1のビーム114を発生させる発電機110と、電磁エネルギーの第1のビーム114を対象物190に向けるビームディレクター120と、対象物190の画像を取り込む撮像装置140とを含んでもよい。デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100は、オプションとして、電磁エネルギーの第2のビーム132により対象物190に光を当てる照明器130を含んでいてもよい。画像装置140は、画像ビーム134として対象物190から反射される、電磁エネルギーの第2のビーム132の少なくとも一部を使用して対象物190の画像を取り込んでもよい。発電機110は、電磁エネルギー源112を含んでいてもよく、電磁エネルギー源112は、電力調整器116および冷却サブシステム118によってサポートされてもよい。電磁エネルギー源112は、ソリッドステートの源、真空管の源、または別の源であってもよい。電磁エネルギー源112は、プレーナーリフレクトアレイ、グリッド発振器アレイ、グリッド増幅器アレイ、または別の形態の増幅器アレイのような、ソリッドステート源のアレイを含んでいてもよい。ソリッドステート源のアレイの出力は、空間的に結合してもよく、あるいは、従来の導波路電力結合器、ストリップライン電力結合器、または別の電力結合技術を使用して結合してもよい。電磁エネルギー源112は、広帯域のミリメートル波(MMW)の電磁エネルギーを発生させてもよく、広帯域のミリメートル波(MMW)の電磁エネルギーは、75GHzないし110GHzの周波数を有していてもよい。電磁エネルギー源112は、マイクロ波エネルギー、テラヘルツエネルギー、または他の電磁エネルギーを発生させてもよい。
【0007】
電力調整器116は、一次電源からの電力を、電磁エネルギー源112によって必要とされる1つ以上の電力形態に変換してもよい。一次電源は、バッテリー、車両発電機または他の発電機、あるいは、従来の120ボルトの、または他のAC電源であってもよい。
【0008】
冷却サブシステム118は、電磁エネルギー源112および電力調整器116によって発生された熱を取り除いてもよい。冷却サブシステムは、冷却材を組み込んでいてもよく、冷却材は、空気または他の気体、液体、あるいは相変化材料であってもよい。冷却システムは、冷却材として、気体のボトルから低温気体を使用してもよい。電磁エネルギー源112から冷却材に、ならびに/あるいは、冷却材から、周囲の空気に、または別の媒体に、熱を移すために、冷却システムは1つ以上の熱交換器を含んでいてもよい。
【0009】
ビームディレクター120は、少なくとも1つの光学エレメント125を含んでいてもよく、少なくとも1つの光学エレメント125は、電磁エネルギーの第1のビーム114が通過しなければならない開口を規定してもよい。光学エレメント125は、曲面鏡として図1において概略的に示しているが、ビームディレクター120は、複数の光学エレメントを含んでいてもよく、複数の光学エレメントは、球面鏡、放物面鏡、非球面鏡、または他の曲面鏡、平面鏡、球面および非球面のレンズ、ならびに物理的に平坦であるが、曲面鏡に類似の機能のパッシブリフレクトアレイを含んでいてもよい。
【0010】
ビームディレクター120はまた、画像化するために使用される画像ビーム134を、電磁エネルギーの第1のビーム114から分離するために開口共有エレメント128を含んでいてもよい。開口共有エレメントの多くの構成が知られている。図1の例において、開口共有エレメント128は、電磁エネルギーの第1のビーム114を透過させるが、対象物190からの画像ビーム134を反射する。開口共有エレメント128における分離を可能にするために、電磁エネルギーの第1のビーム114と画像ビーム134とは、周波数、偏光状態、または周波数および偏光の両方において異なっていてもよい。
【0011】
照明器130は、ミリメートル波または他の電磁エネルギーの、持続波(CW)または変調波の源であってもよい。論じるように、撮像装置140は、対象物190から反射される、照明器130からのエネルギーの一部を使用して、対象物190の画像を取り込んでもよい。対象物に対する射距離を決定するために、またはさもなければ3次元画像を形成するために、いかなる試みもなされないことから、照明器130および撮像装置140は、レーダーセンサを構成しない。開口共有エレメント128において、反射されたビーム134を電磁エネルギーの第1のビーム114から分離することを可能にするために、照明器130は、電磁エネルギーの第1のビーム114とは異なる周波数、または異なる偏光、あるいはその両方を有する照射ビーム132を発生させてもよい。
【0012】
対象物190の画像を取り込む撮像装置140は、画像検出器アレイ142を含んでいてもよく、画像検出器アレイ142は、開口共有エレメント128から画像ビーム134を受け取る。この文書内で、句“画像を取り込む”は、焦点面で画像を光学的に形成し、検出器のアレイにより画像を検出して画像を表す電子画像信号を形成することを意味するように向けられている。取り込まれた画像は、表示してもよく、および/または記録してもよい。この文書内で、“撮像装置”は、対象物の画像を取り込むオプトエレクトロニクシステムである。画像検出器アレイ142は、対応する数のボロメーターを供給するアンテナのアレイや、または、検出器ダイオードに結合されたアンテナのアレイのような、エネルギー検出器のアレイであってもよい。画像検出器アレイ142は、各検出器エレメントに対する低ノイズ増幅器を含んでいてもよい。画像検出器アレイ142は、照明器130によって提供される照射エネルギーを検出するのに適した検出器の任意のアレイであってもよい。
【0013】
撮像装置140は画像プロセッサ144を含んでいてもよく、画像プロセッサ144は、画像検出器アレイ142からの画像信号を、ディスプレイ146上での表示に適した形態に変換する。画像プロセッサ144は、増幅、しきい値処理、ガンマ補正または他の非線形レベルの変換、解像度の向上、およびジッターの低減のような、広範囲の信号処理および画像処理の機能を含んでいてもよい。後に論じるように、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100は、照準サブシステム170を含んでいてもよく、照準サブシステム170は、対象物190の別の画像を形成するビデオカメラまたは他の計器を含んでいてもよい。画像プロセッサ144は、照準サブシステム170から(図1中で示していない)1つ以上の追加の画像信号を受け取ってもよく、ディスプレイ146上での表示のために、受け取った画像信号を画像検出器アレイ142からの画像と結合してもよい。画像プロセッサ144は、疑似着色のような既知の技術を使用して、複数の画像を結合してもよい。
【0014】
ディスプレイ146は、対象物190の画像を表示するのに十分な解像度を有する、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイのような任意のディスプレイデバイスであってもよい。ディスプレイデバイスは、不透明であってもよく、または透明であってもよく、対象物190に対するオペレーターの視線の中に、またはその近くに配置されていてもよい。ディスプレイデバイスは、ヘッドアップディスプレイであってもよく、ヘッドアップディスプレイは、対象物と同じ、目に見える距離において、対象物に対して表示画像を重ね合わせ、それにより、オペレーターは画角または目の焦点において何らかの変更をすることなく、同時に、対象物と表示画像とを見ることができる。対象物に対して表示情報を重ね合わせるために必要な構成部分を図1中で示していないが、それらは、表示技術においてよく知られている。
【0015】
デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100はまた、制御サブシステム150を含んでいてもよい。制御サブシステム150は、照明器130および撮像装置140を作動させる、1つ以上の人間工学的に知覚できる制御だけでなく、発電機110を作動させて電磁エネルギーの第1のビームを発生させる、トリガーまたは他の制御手段を含んでいてもよい。制御サブシステム150は、ディスプレイ146の外観を調整することや、電磁エネルギーの第1のビームを対象物に向けることができる継続時間を制限することや、電磁エネルギーの源112における過度の温度のような危険な状態を検出することや、一次電源または冷却材の供給が欠乏するときをオペレーターに知らせることのような、他の手動のまたは自立的な機能を含んでいてもよい。
【0016】
制御サブシステム150は、セキュリティサブシステム160と相互に作用して、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100の、認可されていない、または適切でない使用を防ぎ、盗まれた、または捕獲された兵器を取得する、認可されていない人物によるこの兵器の使用から守ってもよい。セキュリティサブシステム160は、ユーザを認証するための個人識別番号を入力する単純なキーパッド、あるいは、自動車へのキーレスエントリに対して使用されているような、指紋読み取り装置または他のバイオメトリック識別手段を含んでいてもよい。セキュリティサブシステム160は、バッテリーを交換するための特別のプロトコルのような、はっきりと分からない保護手段を含んでいてもよい。セキュリティサブシステム160はまた、認可されていない使用または認可されていない分解における試行の場合に、電磁エネルギー源112のような、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100の重要な部分を損傷または破壊する“自己破壊”メカニズムを含んでいてもよい。
【0017】
デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100はまた、照準サブシステム170を含んでいてもよい。照準サブシステム170は、第1の電磁ビーム114の方向に位置合わせされる、目に見えるポインティングビームを提供するために、低倍率の、または等倍率の光学望遠鏡、あるいはレーザーまたは他の光源を含んでいてもよい。照準サブシステム170は、ビデオカメラ、赤外線カメラ、または第1の電磁ビーム114の方向に位置合わせされる他の照準センサを含んでいてもよい。そのような照準センサからの画像を表示して、対象物190に対する直接の視界をもたないオペレーターによる、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100の操作を可能にしてもよい。照準センサからの画像は、オペレーターのトレーニングや、契約の規定されたルール内での適切な使用の確認や、戦術およびコマンド決定の、使用後の分析のために記録してもよい。照準サブシステム170は、ことによるとバックアップ照準手段として、ライフルに対する通常の前後の視界のような、機械的な位置合わせターゲットを組み込んでいてもよい。
【0018】
デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100はまた、通信サブシステム180を含んでいてもよい。通信サブシステム180は、双方向の、ワイヤードの、ワイヤレスの、または光のリンクを使用して、遠隔の、または分離した場所に対して画像および制御情報を伝達してもよい。通信サブシステム180を、照準サブシステム170、セキュリティサブシステム160、および制御サブシステム150とともに使用して、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100の遠隔操作を、または、その使用のための遠隔の認証を可能にしてもよい。通信サブシステム180は、撮像装置140および照準サブシステム170から、監視、記録、または分析のための遠隔の場所に、画像データを送信してもよい。
【0019】
これから図2を参照すると、別のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置200は、電磁エネルギーの第1のビーム114を発生させる発電機210と、電磁エネルギーの第1のビーム114を対象物190に向けるビームディレクター220と、電磁エネルギーの第2のビーム132により対象物190に光を当てる照明器130と、画像ビーム134として対象物190から反射される、電磁エネルギーの第2のビーム132の少なくとも一部を使用して、対象物190の画像を形成する撮像装置240とを含んでいてもよい。110と190との間の参照識別子を有する図2のエレメントは、図1に関連して記述したものと同じ機能を有し、そのようなエレメントの説明は繰り返さない。デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置200は、統合された電磁エネルギー源および画像検出器212を含んでいてもよく、統合された電磁エネルギー源および画像検出器212は、発電機210および撮像装置240の両方の部分を構成する。統合された電磁エネルギー源および画像検出器212は、送信/受信モジュールのアレイを含んでいてもよく、送信/受信モジュールのアレイのそれぞれは、電磁エネルギー源および検出器の両方として機能する。統合された電磁エネルギー源および画像検出器212は、検出器の第2のアレイによりインターリーブされた、電磁エネルギー源のアレイを含んでいてもよい。検出器のアレイを適応して、源のアレイにより提供された電磁エネルギーとは異なる偏光または異なる波長の電磁エネルギーを検出してもよい。
【0020】
統合された電磁エネルギー源および画像検出器212は、電磁エネルギーの第1のビーム114の源と画像検出器との両方を含んでいてもよいことから、ビームディレクター220は、図1中のエレメント128のような開口共有エレメントを含む必要はない。
【0021】
図3Aは、図1におけるビームディレクター120に適している、例示的な光学システム300の概略図である。光学システム300は、二次反射エレメント340と一次反射エレメント330とを含んでいてもよい。用語“一次”および“二次”は、光学望遠鏡に対する共通用語と一致している。二次反射エレメント340は、パッシブリフレクトアレイであってもよく、パッシブリフレクトアレイは、物理的に平坦であるが、破線の曲面345によって示されるように、負の屈折力を有する。パッシブリフレクトアレイは、ディスクリートの再放射エレメントのパターンを有していてもよく、パッシブリフレクトアレイのそれぞれは、適切な相変化により入射波面のそれぞれの部分を受け取り、再送信し、それにより、電気的に、パッシブリフレクトアレイは、曲面の反射器の光学的な働きをまねる。パッシブリフレクトアレイの例は、Malibu Research株式会社によって開発されたフラップアンテナ技術である。
【0022】
電磁エネルギー源310は、電磁エネルギーの指向性エネルギービーム312を発生させてもよく、電磁エネルギーの指向性エネルギービーム312は、開口共有エレメント350を通過して、二次反射エレメント340に至る。二次反射エレメント340は、一次反射エレメント330に向けて、発散する指向性エネルギービーム314を反射してもよい。一次反射要素330はまた、パッシブリフレクトアレイであってもよく、パッシブリフレクトアレイは、物理的に平坦であるが、破曲線335によって示されるように正の屈折力を有していてもよい。一次反射エレメント330は、二次反射エレメント340から、発散する指向性エネルギービーム314を受け入れてもよく、対象物平面390におけるスポットに焦点が合う、集束する指向性エネルギービーム316を形成してもよい。
【0023】
一次反射エレメント330の物理的な範囲は、光学システム300の解像度を制限する開口を規定してもよい。光学システムの解像度は、次の単純な関係によって近似できる。
【数1】

【0024】
ここでWは空間解像度であり、Rは射距離であり、λは波長であり、Dは開口の有効直径である。対象物平面390における比較的小さいスポットに対して、集束する指向性エネルギービーム316の焦点を合わせるために、開口の直径は、指向性エネルギービーム316の導波路に対して非常に大きくなければならない。例えば、15メートルの射距離と、3.16ミリメートルの波長を有する95GHzの周波数と、18インチの有効開口直径を仮定すると、光学システムは、対象物平面において10.4センチメートルすなわち約4インチの解像度Wを有するだろう。
【0025】
18インチの一次反射エレメントの直径は、人間が持ち運びできるデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置に適している。三脚に搭載の、車両に搭載の、および半固定された、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像システムは、より大きな一次反射エレメントを含んでいてもよく、比例して改善された解像度(対象物平面におけるより小さいスポットサイズ)を結果として生じる。
【0026】
ミリメートル波またはサブミリメートル波(テラヘルツ)波の放射を使用して対象物または個体の画像を形成することは、兵器および爆発物のような隠された対象物を検出し、位置を突き止めるのに有効な技術であることが知られている。ミリメートルまたはサブミリメートルの放射は、衣服を貫通し、下に横たわる対象物から散乱し、反射する。散乱され、反射された放射は、適切な光学システムによって焦点面において画像に形成でき、画像は、焦点面において配列された検出器のアレイによって検出できる。画像を形成するときの光学システムの解像度は、以前に示した等式によって近似できる。したがって、ミリメートル波またはサブミリメートル波の撮像装置は、画像を形成するために使用される波長と比較して非常に大きな開口を必要とする。
【0027】
光学システム300は、単一の開口および少なくとも1つの光学エレメントが、電磁エネルギー源310からの指向性エネルギービームと画像化システムとの両方に対する光学システムによって共有されることを可能にする。光学エレメントが2つの光学システムの一部を形成する場合、光学エレメントが“共有される”ものと考えられ、2つの光学システムに対するビームが開口を通過する場合、開口が“共有される”ものと考えられる。例示的な光学システム300において、一次反射エレメント330、一次反射エレメント330によって規定される開口、二次反射エレメント340は、指向性エネルギー光学システムと画像化光学システムとの間で共有されていてもよい。
【0028】
図3Bは、光学システム300を通る画像化ビームのパスを示す。光学システム300は、図3A中で以前に示されている。画像化ビーム325は対象物平面390において発生し、(示していない)照明源からの光が、(示していない)対象物から反射する。対象物平面390の画像は、一次反射エレメント330と、二次反射エレメント340と、開口共有エレメント350と、オプションとして、レンズ360によって概略的に表される、付加的な光学エレメントとの組み合わされた屈折力によって、画像検出器320の焦点面において形成される。
【0029】
図3Aにおいて示したように、光学システム300は、対象物平面390における比較的小さいスポットに指向性エネルギービーム316の焦点を合わせるように構成されていてもよい。逆に、図3Bにおいて示すように、光学システム300は、画像検出器320において対象物平面390のより大きな領域の画像を形成するように構成されていてもよい。したがって光学システム300は、指向性エネルギービーム316に対するよりも、画像化ビーム325に対してより大きな倍率ファクターを有していてもよい。画像化ビーム325と指向性エネルギービーム316とに対して異なる倍率ファクターを提供するために、多数の技術が利用可能である。レンズ360によって概略的に表される、付加的な光学エレメントは、光学システムの画像化部分中に配置してもよい。さらに、一次反射エレメント330および/または二次反射エレメント340の、屈折力または焦点距離は、画像化ビームと指向性エネルギービームとに対して異なっていてもよい。ビーム共有エレメント350は、ビーム共有エレメントによって反射されるビームに対して屈折力を有していてもよい。これらの技術と他の技術との組み合わせを使用してもよい。
【0030】
画像化ビーム325は主に、指向性エネルギービーム(図3A中の312、314、316)と同じ空間を通って伝わる。画像化ビーム325は、開口共有エレメント350の動作によって指向性エネルギービームから分離され、この例において、開口共有エレメント350は、画像化ビーム325を反射する一方で、指向性エネルギービーム312を透過させる。他の光学システムにおいて、開口共有エレメント350は、指向性エネルギービームを反射し、画像化ビームを透過させてもよい。開口共有エレメント350は、偏光、周波数、または他のいくつかの特性に基づいて、指向性エネルギービーム312と画像化ビーム325とを識別してもよい。
【0031】
指向性エネルギービーム312は、開口共有エレメント350を透過する第1の偏光状態を有していてもよい。画像化ビーム325および関連する照明源は、第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態を有していてもよい。第2の偏光状態は、開口共有エレメント350から反射されてもよい。画像化ビーム325と指向性エネルギービーム312とに対して異なる倍率を提供するために、一次反射エレメント330と、オプションとして、二次反射エレメント340とは、第1の偏光状態と第2の偏光状態とに対して異なる屈折力を有していてもよい。
【0032】
同様に、指向性エネルギービーム312は、開口共有エレメント350を透過する第1の周波数を有していてもよい。画像化ビーム325および関連する照明源は、第1の周波数とは異なる第2の周波数を有していてもよい。第2の周波数は、開口共有エレメント350から反射されてもよい。画像化ビーム325と指向性エネルギービーム312とに対して異なる倍率を提供するために、一次反射エレメント330と、オプションとして、二次反射エレメント340とは、第1の周波数と第2の周波数とに対して異なる屈折力を有していてもよい。画像化解像度の向上を提供するために、画像化ビーム325は、指向性エネルギービーム312の周波数よりも高い周波数を有していてもよい。画像化ビーム325は、指向性エネルギービーム312の周波数の、1.5倍と10倍との間の周波数を有していてもよい。
【0033】
図4は、図2中のビームディレクター220に適している例示的な光学システム400の概略図である。光学システム400は、二次反射エレメント440と一次反射エレメント430とを含んでいてもよい。一次反射エレメント430と二次反射エレメント440とのうちの1つまたは両方は、物理的に平坦であるが、屈折力を有するパッシブリフレクトアレイであってもよい。
【0034】
統合された電磁エネルギー源/画像検出器410は、電磁エネルギーの指向性エネルギービーム420を発生させてもよい。二次反射エレメント440は、一次反射エレメント430に向けて、発散するビームとして指向性エネルギービームを反射してもよい。一次反射エレメント430は、二次反射エレメント340から、発散するビームを受け入れてもよく、対象物平面490におけるスポットに焦点が合ってもよい、集束する指向性エネルギービーム420を形成してもよい。
【0035】
光学システム400は、統合された電磁エネルギー源/画像検出器410内の検出器アレイにおいて対象物平面490の一部の画像を形成してもよい。光学システム400を適応して、指向性エネルギービーム420に対するよりも、画像化ビーム425に対してより高い倍率ファクターを提供してもよい。
【0036】
指向性エネルギービーム420は、第1の偏光状態を有していてもよい。画像化ビーム425および関連する照明源は、第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態を有していてもよい。画像化ビーム425と指向性エネルギービーム420とに対して異なる倍率を提供するために、一次反射エレメント430と、オプションとして、二次反射エレメント440とは、第1の偏光状態と第2の偏光状態とに対して異なる屈折力を有していてもよい。
【0037】
同様に、指向性エネルギービーム420は、第1の周波数を有していてもよい。画像化ビーム425および関連する照明源は、第1の周波数とは異なる第2の周波数を有していてもよい。画像化ビーム425と指向性エネルギービーム420とに対して異なる倍率を提供するために、一次反射エレメント430と、オプションとして、二次反射エレメント440とは、第1の周波数と第2の周波数とに対して異なる屈折力を有していてもよい。光学システム400は、2つの反射光学エレメントに限定されず、1つ以上の追加のエレメントを加えてもよい。
【0038】
図5は、人間が持ち運びできるデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置500の例であり、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置500は、それぞれ、図1および図2の、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100または200であってもよい。デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置500は、一般にライフルまたは他の兵器の形状にならってモデル化される筐体510を含んでいてもよい。既存の兵器は、それらのオペレーターにより正確かつ快適に向けられるように人間工学的に設計されており、かつ、心理的な影響のために、筐体510は既知の兵器のように成形されてもよい。筐体510は、オペレーターの肩に置くために銃床570を含んでいてもよい。筐体510は、ライフルまたは他の従来の兵器に似ていない、いくつかの形状を有していてもよい。
【0039】
筐体510は、520において一般に示されているように、電磁エネルギーの源と、撮像装置とを包含していてもよい。筐体510は、第1の反射エレメント545と第2の反射エレメント540とをサポートしてもよく、第1の反射エレメント545と第2の反射エレメント540は、図3Aおよび図3Bの、一次および二次の反射エレメント340、330に類似していてもよい。筐体510は照明源530を包含していてもよく、照明源530は、撮像装置によって画像化すべき対象物の照射を可能にする任意の位置で、筐体上または筐体内に配置されていてもよい。照準サブシステム580は、示すように、第1の反射エレメント545上に搭載されていてもよく、あるいは、筐体510上の、または筐体510とともに、他の位置に配置されていてもよい。照準サブシステム580は、ポインティングビームを発生させるための、レーザーまたは他の光源を含んでいてもよく、ビデオまたは他のカメラを含んでいてもよい。
【0040】
筐体510は、アンビリカルケーブル595によって、補助機器コンテナ590に接続されていてもよい。補助機器コンテナ590は、バックパック、ヒップベルトの形をとってもよく、または、人間が持ち運びできるシステムのための他の形をとってもよい。デュアル目的の指向性エネルギー兵器および撮像装置500に含まれる場合、補助機器コンテナ590は、バッテリーまたは他の一次電源のすべてまたは一部と、冷却サブシステム、電力調整サブシステム、セキュリティサブシステム、および通信サブシステム、のすべてまたは一部とを包含していていもよい。アンビリカルケーブル595は、補助機器コンテナ590と筐体510との間で電力、信号、気体または液体の冷却材を伝えるための、電気配線および/またはフレキシブルな管材料を含んでいてもよい。
【0041】
図6は、車両620に搭載された、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置610の例である。デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置610は、それぞれ、図1および図2のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置100または200であってもよい。デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置610は、第1の反射エレメント630と第2の反射エレメント640とを含むビームディレクターシステムを含んでいてもよく、第1の反射エレメント630と第2の反射エレメント640とは、少なくとも部分的に、車両の外部に配置されていてもよい。デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置610の残りは、乗客の客室、トランク、あるいは車両の他の外部または内部に配置されていてもよい。車両620は代表的であり、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置610は、自動車、トラック、バン、多目的車両、または他の任意の適切な車両に搭載されてもよい。
【0042】
車両に搭載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置610は、単一の軸または複数の軸のジンバル650を含んでいてもよく、ジンバル650は、ビームディレクターシステムによって形成された指向性エネルギービームを、方位角およびオプションとして、仰角において異なる方向に向けることを可能にする。車両に搭載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置610は、(図6において示していない)制御サブシステムを含んでいてもよく、制御サブシステムはジンバル650を駆動して、対象物を追跡する。制御サブシステムは、撮像装置(図1中の140)または照準サブシステム(図1中の170)からの画像情報を使用して、対象物を追跡してもよい。
【0043】
図5の、人間が持ち運ぶことができるデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置500と、図6の、車両に搭載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置610は、例にすぎず、三脚、固定された構造、船、または航空機上に搭載するように、他のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置システムを適応してもよい。そのような他のシステムは、単一の筐体内に完全に含まれていてもよく、または、アンビリカルおよび補助機器筐体を含んでいてもよく、追加のエレメントおよび特徴を含んでいてもよい。
【0044】
結びのコメント
上述したものは単なる実例であり、限定ではなく、一例として表されているにすぎない。例を示し、記述してきたが、変化、修正、および/または変更を実施してもよいことが当業者に明らかになるであろう。
【0045】
ここで表した例の多くは、方法の動作またはシステムのエレメントの特定の組み合わせを含むが、それらの動作およびそれらのエレメントは、同じ目的を達成するために他の方法で組み合わせてもよいことを理解すべきである。フローチャートに関して、追加のステップおよびより少ないステップをとってもよく、示すようなステップは、ここで記述した方法を達成するために、組み合わせ、またはさらに精密にしてもよい。1つの実施形態だけに関連して論じた動作、エレメント、および特徴は、他の実施形態における類似の役割から除外されるように向けられていない。
【0046】
特許請求の範囲に記載の、手段プラス機能の限定に対して、手段は、記載した機能を実行するために、ここで開示した手段を制限するように向けられておらず、記載した機能を実行するために、現在知られている、または後に開発される任意の手段の範囲をカバーするように向けられている。
【0047】
ここで使用するとき、“複数”は2以上を意味する。
【0048】
ここで使用するとき、項目の“組”は、そのような項目のうちの1つ以上を含んでいてもよい。
【0049】
ここで使用するとき、明細書の記載においてであろうと、または特許請求の範囲においてであろうと、用語“備える”、“含む”、“携える”、“有する”、“包含する”、“伴う”、およびこれらに類似するものは、制約がないものであると、すなわち、含んでいるが限定されないことを意味するものと理解すべきである。移行句“〜で構成される”および“基本的に〜で構成される”だけが、それぞれ、特許請求の範囲に関して、閉ざされた、または半ば閉ざされたものである。
【0050】
特許請求の範囲の要素を修飾するための、特許請求の範囲における“第1”、”第2”、“第3”などのような順序を表す用語の使用は、方法の動作が実行される、1つの特許請求の範囲の要素の、別の要素に対する何らかの優先、優位、または順序、あるいは時間の順序をそれだけで意味しないが、(順序を表す用語の使用に対するものであるが)ある名前を有する1つの特許請求の範囲の要素を、同じ名前を有する別の要素から区別して、特許請求の範囲の要素を区別するためのラベルとして単に使用される。
【0051】
ここで使用するとき、“および/または”は、リスト表示された項目が選択肢であるが、選択肢はリスト表示された項目の任意の組み合わせを含んでいてもよいことを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置(100)において、
ミリメートル波の電磁エネルギーの第1のビーム(114)を供給する発電機(110)と、
前記発電機からの前記第1のビームを対象物(190)に向け、開口を規定するビームディレクター(120)と、
ミリメートル波またはサブミリメートル波の電磁エネルギーの第2のビーム(132)により、前記対象物に光を当てる照明器(130)と、
前記対象物から反射された第2のビームのうちの少なくとも一部(134)を使用して、前記対象物の画像を取り込む撮像装置(140)とを具備し、
前記撮像装置は、前記ビームディレクターによって規定される開口を共有する、デュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項2】
前記第1のビームは、75GHzないし110GHzの周波数を有する請求項1記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項3】
前記ビームディレクターは、一次反射エレメント(125)を備え、前記一次反射エレメントは、前記開口を規定する請求項1記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項4】
前記第1のビームは、第1の偏光状態を有し、前記第2のビームは、前記第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態を有する請求項1記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項5】
前記ビームディレクターは、偏光状態に基づいて、前記第1のビームと、前記第2のビームの反射された部分とを分離する開口共有エレメント(128)を備える請求項4記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項6】
前記一次反射エレメントは、前記第1の偏光状態と前記第2の偏光状態とに対して異なる屈折力を有する請求項5記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項7】
前記第1のビームは、75GHzないし110GHzの周波数を有し、前記第2のビームは、前記第1の周波数よりも高い第2の周波数を有する請求項1記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項8】
前記ビームディレクターは、周波数に基づいて、前記第1のビームと、前記第2のビームの反射された部分とを分離する開口共有エレメント(128)を備える請求項7記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項9】
前記一次反射エレメントは、前記第1の周波数と前記第2の周波数とに対して異なる屈折力を有する請求項8記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項10】
前記第2のビームは、前記第1のビームの周波数の1.5倍ないし10倍である周波数を有する請求項7記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項11】
制御サブシステム(150)をさらに具備する請求項1記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項12】
セキュリティサブシステム(160)をさらに具備する請求項1記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項13】
照準サブシステム(170)をさらに具備する請求項1記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。
【請求項14】
通信サブシステム(180)をさらに具備する請求項1記載のデュアルユースの指向性エネルギー兵器および撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−535322(P2010−535322A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508460(P2010−508460)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/006511
【国際公開番号】WO2009/045236
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)
【Fターム(参考)】