説明

デュシェンヌ型筋ジストロフィーを治療するための化合物

一般式(I)の化合物(式中、X1、X2、X3、R1、R2、R3、Y及びZは、本件明細書において定義されたとおりである)は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、及び悪液質の治療及び予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、150年以上前に、名付けの基になったフランスの神経科医、デュシェンヌ・ド・ブルコーニュにより最初に記載された、進行性の筋機能の低下を伴う広く知られた遺伝性神経筋疾患である。DMDは、ジストロフィン遺伝子の突然変異により起こる、男性3,500人に1人を冒すX連鎖性劣性疾患として特徴づけられている。その遺伝子は、ヒトゲノムの中で最大であり、DNAの260万塩基対を含み79のエクソンを含む。ジストロフィン変異のおよそ60%は、下流にフレームシフトエラーを生む大きな挿入又は欠失であるが、およそ40%は点突然変異又は小さなフレームシフト転位(frameshift rearrangement)である。DMD患者の大多数は、ジストロフィンタンパク質を欠く。ベッカー型筋ジストロフィーは、ジストロフィンタンパク質の量の低下又は大きさの変化により起こるDMDよりはるかに穏やかな形態である。DMDの高発生率(精子又は卵10,000あたり1)は、遺伝子スクリーニングが決して該疾患を除去しないことを意味しており、そのため有効な治療が非常に望ましい。
【0003】
DMDの天然又は遺伝子改変動物モデルが多く存在し、前臨床研究の要となっている(Allamand, V.及びCampbell, K.P.の論文「筋ジストロフィーのための動物モデル:治療法開発のための有用な道具(Animal models for muscular dystrophy: valuable tools for the development of therapies)」 Hum. Mol. Genet. 9, 2459-2467 (2000))。マウス、ネコ、及びイヌのモデルは全てDMD遺伝子に突然変異がありヒトに見られるものと類似の生化学的なジストロフィン異常症を示すが、それらは、表現型の点で驚くべき多くのバリエーションを示す。ヒトのように、イヌ(ゴールデンリトリバー筋ジストロフィー及びジャーマンショートヘアードポインター)モデルは重症の表現型を有する。これらのイヌは典型的には心不全で死ぬ。イヌは、ヒトの疾患の最良の表現型模写を与え、前臨床研究のための高いベンチマークであると考えられている。残念なことに、これらの動物の飼育は費用がかかり困難であり、臨床の時間経過は同腹子の間で変わりうる。
【0004】
mdxマウスは、利用可能性、短い妊娠期間、成熟する時間、及び比較的低いコストのため、最も広く使用されているモデルである(Bulfield, G., Siller, W. G., Wight, P. A.及びMoore, K. J.の論文「マウスにおけるX染色体連鎖性筋ジストロフィー(mdx)(X chromosome-linked muscular dystrophy (mdx) in the mouse)」Proc. Natl Acad. Sci. USA 81, 1189-1192 (1984))。
【0005】
約20年前のDMD遺伝子の発見以来、DMD治療における様々な程度の成功が前臨床動物研究で達成され、その一部はヒトにおいて追跡調査されている。現在の治療戦略は、大まかに3群に分けることができる:第1に、遺伝子治療アプローチ;第2に細胞治療;及び最後に薬理学的治療である。遺伝子治療及び細胞治療には、特に疾患の経過の中で早く開始すれば、二次的な欠損/病状(例えば拘縮)を別に矯正する必要が無くなる根本的な利点がある。残念なことに、これらのアプローチはいくつかの技術的な障害に直面する。毒性、安定な発現の欠如、及び送達の困難に加え、ウイルスベクター、筋芽細胞、及び新しく合成されたジストロフィンに対する免疫応答が報告されている。
【0006】
筋ジストロフィーの治療の薬理学的アプローチは、欠けている遺伝子及び/又はタンパク質を送達するように設計されていないという点で、遺伝子治療及び細胞治療とは異なる。一般的に薬理学的戦略は、炎症の低減、カルシウムホメオスタシスの改善及び筋前駆体の増殖又は分化決定(commitment)の増加などの手段により、表現型を改善しようとして薬剤/分子を使用する。これらの戦略は、全身に送達しやすく、ベクター及び細胞治療に関連する免疫及び/又は毒性問題の多くを回避することができるという利点を与える。炎症を低減するコルチコステロイド及びクロモグリク酸ナトリウム、カルシウムホメオスタシスを維持するダントロレン及び筋肉強度を上げるクレンブテロールによる研究は見込みのある結果を生み出したが、これらの潜在的な治療法のいずれもDMDの治療に有効であることが示されていない。
【0007】
別な薬理学的アプローチは発現増加療法である。発現増加療法は、欠損遺伝子を置換する代わりの遺伝子の発現の増加に基づいており、以前は存在しなかったタンパク質に対して免疫応答が起こる場合に特に有益である。ジストロフィンの常染色体パラログであるユートロフィンの発現増加は、DMDの潜在的な治療法として提案されてきた(Perkins及びDavies, Neuromuscul Disord, S1: S78-S89 (2002), Khurana及びDavies, Nat Rev Drug Discov 2:379-390 (2003))。トランスジェニックmdxマウス中でユートロフィンが過剰発現されると、筋細胞の筋繊維鞘に局在化し、ジストロフィン結合タンパク質複合体(DAPC)の成分を元に戻し、それが、ジストロフィーの進行を防ぎ、次に骨格筋の機能的向上をもたらす。イヌでのアデノウイルスによるユートロフィンの送達が症状を予防することが示されている。マウスモデルで出生直後にユートロフィン発現の増加を開始することは有効であり、ユートロフィンが遍在的に発現する場合、毒性は全く見られず、この治療法のヒトへの翻訳にとって見込みがある。症状を低減するに十分なレベルへの内因性ユートロフィンの発現増加は、小さく拡散性の化合物の送達により達成できる。
【0008】
発明者らの先の出願、PCT/GB2007/050055、PCT/GB2007/050056、英国特許出願第0617739.8号、英国特許出願第0619282.7号、英国特許出願第0623985.9号、英国特許出願第0617740.6号及び英国特許出願第0619283.5号において、発明者らは、予測スクリーン(predictive screens)において内因性ユートロフィンを発現増加し、従ってDMDの治療に有用であろう化合物を開示した。
【発明の概要】
【0009】
発明者らは、類似の効果を持ち、やはりこの病気の治療に有用であろう追加の化合物群を見いだし、従って、本件発明の第1の態様において、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、又は悪液質の治療又は予防に使用するための、一般式(I)の化合物、又はその互変異性体、エナンチオマー、或いは医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、錯体、又はプロドラッグが提供される:
【化1】

(式中、X1、X2、及びX3は、それぞれ独立に、結合、-NR4-、-O-、-S-、-NR4C(O)-、-NR4C(S)-、-NR4C(O)O-、-NR4SO2-、-NR4C(O)NR4-、-NR4C(S)NR4-、-NR4C(NH)NR4-、-NR4C(NH)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)NR4-、-C(S)NR4-、-SO-、-SO2-、-OC(O)O-、-SO2NR4-、-OC(O)NR4-又は-P(O)OR4-から選択されるリンカーであり;
それぞれのR4は、独立に、H又は任意にハロにより置換されているC1-C6アルキルであり;
R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、水素、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、又はC2-C10アルキニルであり、これらのいずれもハロ又は基X4-R6により任意に置換されていてよく、或いはX1、X2、及びX3が結合である場合、R1、R2、又はR3は、ハロ、NO2、又はCNでもよく;その代わりに
R2及びR3が、それらが結合している原子と共に、O、S、又はNから選択されるヘテロ原子を1つ以上任意に含み、1つ以上の置換基X4R6に任意に置換されている、5員から12員の単環又は二環の芳香族又は非芳香族環系を形成してもよく;
X4は、結合、-NR4-、-O-、-S-、-NR4C(O)-、-NR4C(S)-、-NR4C(O)O-、-NR4SO2-、-NR4C(O)NR4-、-NR4C(S)NR4-、-NR4C(NH)NR4-、-NR4C(NH)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)NR4-、-C(S)NR4-、-SO-、-SO2-、-OC(O)O-、-SO2NR4-、-OC(O)NR4-、又は-P(O)OR4-から選択され;
R4は、先に定義されたとおりであり;かつ
R6は、H又はC1-C6アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、ハロ又は-O(C1-C6アルキル)により任意に置換されていてよく、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、C1-C6アルキル基により置換されていてもよく;
或いは、X4が結合である場合、R6は、ハロ、NO2、又はCNでもよく;
Yは、O、S、又はNR7であり;
R7は、水素又はC1-C6アルキルであり;
Zは、N又はCR8であり;
R8は、水素又はC1-C6アルキルであり;
但し、R1がX4R6により置換されているフェニルでありX4が-NR4C(O)-である場合、R6はフェニルでない)。
【0010】
また、本件発明は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、又は悪液質の治療又は予防のための方法であって、そのような治療を必要とする患者に、先に定義された有効量の一般式(I)の化合物を投与する工程を含む方法に関する。
一般式(I)の化合物のいくつかは公知であるが、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、又は悪液質の治療のためには使用されていなかった。
【0011】
Mekonnnenら(J. Het. Chem. 1997, 589)は、YがOである一般式(I)の化合物であるイミダゾ[2,1-b]オキサゾールの合成を記載している。そのような化合物の用途の1つは、非細菌性感染症の治療であるといわれている。該文書は、駆虫剤及び殺菌剤として有用であると言われている、イミダゾ[2,1-b]チアゾールにも言及している。いくつかのイミダゾチアゾールは免疫調節剤であるとも言われ、イミダゾイミダゾールアナログは免疫調節活性及び抗炎症活性を有するといわれる。
Jagら(Indian Journal of Heterocyclic Chemistry, 6(1), 21-24 (1996))は、チアゾロ[3,2-b]-s-トリアゾール及び異性体のチアゾロ[2,3-c]-s-トリアゾールの合成及び生物活性を記載している。
【0012】
本件明細書では、「C1-C6アルキル」は、1から6つの炭素原子を持つ直鎖又は分岐状の飽和炭化水素鎖を意味する。例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、t-ブチル、n-ヘキシルがある。
「C1-C4アルキル」及び「C1-C10アルキル」は、それぞれ1から4つ及び1から10個の炭素原子を含む以外は類似の意味を有する。
「C2-C6アルキニル」は、2から6つの炭素原子を有し少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分岐状炭化水素鎖を意味する。例には、エテニル、2-プロペニル、及び3-ヘキセニルがある。
【0013】
「C2-C6アルキニル」は、2から6つの炭素原子を有し少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖又は分岐状炭化水素鎖を意味する。例には、エチニル、2-プロピニル、及び3-ヘキシニルがある。
「C2-C10アルキニル」及び「C2-C10アルキニル」という用語は、1から10個の炭素原子を含む以外は類似の意味を有する。
【0014】
「C2-C6ハロアルキル」という用語は、1つ以上のハロゲン原子により置換された先に定義されたC1-C6アルキル基を意味する。
「環状基」という用語は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール基を意味する。
【0015】
「シクロアルキル」という用語は、縮合した二環又は三環系を含む飽和の3員から14員炭素環を意味する。そのような基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル並びにノルボルニル及びアダマンチルなどの橋かけ系がある。
【0016】
「ヘテロシクリル」は、シクロアルキルと類似だが、少なくとも1つの炭素原子がN、O、又はSにより置換されている、飽和の3員から14員環系を意味する。例には、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、及びピロリジンがある。
本件明細書の文脈において、「アリール」及び「芳香族部分」という用語は、5から14個の環炭素原子を有し最大3つの環を含む、芳香族環系を意味する。芳香族部分の例は、ベンゼン及びナフタレンである。
【0017】
「ヘテロアリール」及び「複素芳香族部分」という用語は、部分的に飽和していてもよく、5から14個の環炭素原子を有し、最大3つの環及びN、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む芳香族環系を意味する。例には、ピリジン、ピリミジン、フラン、チオフェン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾリン、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、キナゾリン、チアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、インダゾール、及びイミダゾール環系がある。
【0018】
本件明細書において、「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。
一般式(Ia)及び(Ib)の化合物の適切な医薬として、及び獣医学的に許容し得る塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、及び他の金属塩などの塩基性付加塩並びに塩素、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチルジアミン、及び他の周知の塩基性付加塩がある。
【0019】
適切な場合、医薬として、又は獣医学的に許容し得る塩は、有機酸、特に、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、パントテン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタン酸(cyclopentanate)、グルコヘプタン酸(glucoheptanate)、グリセロリン酸塩、シュウ酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、ニコチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、ラクトビオン酸塩、ピボル酸塩、ショウノウ酸塩、ウンデカン酸塩、及びコハク酸塩があるが、これらに限定されないカルボン酸の塩、有機スルホン酸塩、例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-クロロベンゼンスルホン酸塩、及びp-トルエンスルホン酸塩;及び塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、ヘミ硫酸塩、チオシアン酸塩、過硫酸塩、リン酸、及びスルホン酸などの無機酸の塩がある。
【0020】
医薬として、又は獣医学的に許容できない塩も、中間体として貴重なこともある。
プロドラッグは、一般式(I)の活性のある親薬剤を生体内で放出する、共有結合で結合した化合物である。
【0021】
キラル中心又は他の形態の異性中心が本件発明の化合物中に存在する場合、エナンチオマー及びジアステレオアイソマーを含む、そのような異性体又は複数の異性体の全形態が本件明細書に含まれるものとする。キラル中心を含む本件発明の化合物は、ラセミ混合物、エナンチオマーリッチな混合物として使用することができるが、或いは、ラセミ混合物を周知の技術を利用して分割して個々のエナンチオマーを単独で使用してもよい。
【0022】
一般式(I)の好ましい化合物において、独立に、又は任意の組み合わせで、
X1、X2、及びX3は、結合であり;
R1は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、これらのいずれも、ハロ、OH、O(C1-C6アルキル)、又はNHC(O)R6から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されていてよく、R6は、ハロ又はO(C1-C6アルキル)により任意に置換されているC1-C6アルキルであり;
R2及びR3は、水素、C1-C6アルキル、又はハロであり、或いは、R2及びR3は、それらが結合している原子と共に芳香族環を形成し;
YはO又はSであり;かつ
ZはCR8であり、R8は先に定義のとおりである。
【0023】
一般式(I)のより好ましい化合物において、独立に、又は任意の組み合わせで、
X1、X2、及びX3は、結合であり;
R1は、ハロ、OH、O(C1-C4アルキル)、又はNHC(O)R6から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されたシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール基であり、R6は、ハロにより任意に置換されたC1-C6アルキルであり;
R2及びR3は、水素、C1-C4アルキル、又はハロであり、或いは、R2及びR3は、それらが結合している原子と共にフェニル環を形成し;
YはO又はSであり;かつ
ZはCR8であり、R8は、水素、メチル、又はエチルである。
【0024】
一般式(I)の最も活性のある化合物において、
X1、X2、及びX3は、結合であり;
R1は、フェニル、ナフチル、チエニル、シクロヘキシル、又は3-クロメネ-2-オニルであり、これらのいずれも、ハロ、OH、メトキシ、エトキシ、又はNHC(O)R6から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されており、R6は、C1-C4アルキルであり;
R2及びR3は、水素、メチル、又はクロロであり、或いは、R2及びR3は、それらが結合している原子と共にフェニル環を形成し;
YはO又はSであり;かつ
ZはCHである。
【0025】
一般式(I)の特に好ましい化合物には、次のものがある。
1. 4-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)-N,N-ジメチルアニリン;
2. 6-(ナフタレン-2-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
3. 6-(3-クロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
4. 6-(4-クロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
5. N-(4-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェニル)アセトアミド;
6. 2-(チオフェン-2-イル)-4H-ベンゾイミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアゾール;
7. 8-メトキシ-3-(イミダゾ[2,1-b]ベンゾチアゾル-4-イル)-2H-クロメン-2-オン;
8. N-(3-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェニル)イソブチルアミド;
9. N-(3-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェニル)-3-メチルブタンアミド;
10. 6-(4-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]オキサゾール;
11. 2-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェノール;
12. 6-(4-クロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
13. 2-メチル-6-(ナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
14. 6-(3-クロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
15. 6-(3',4'-ジクロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
16. 6-(4'-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
17. 6-(3',4'-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
18. 6-(2'-ナフチル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
19. 6-(3-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
20. 2-クロロ-6-(4'-クロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
21. 6-(3,4-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-カルボン酸;
22. 2-クロロ-6-(ナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
23. 2-クロロ-6-シクロヘキシルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
24. 3-メチル-6-(2'-ナフチル)イミダゾ[2,1-b]オキサゾール;
25. 2-クロロ-6-(5',6',7',8'-テトラヒドロナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール
又はその互変異性体、エナンチオマー、或いは医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、錯体、又はプロドラッグである。
【0026】
化合物15から19及び21から25は新規であり、従って、本件発明のさらなる態様において、
6-(3',4'-ジクロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(4'-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3',4'-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(2'-ナフチル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3,4-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-カルボン酸;
2-クロロ-6-(ナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
2-クロロ-6-シクロヘキシルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
3-メチル-6-(2'-ナフチル)イミダゾ[2,1-b]オキサゾール;
2-クロロ-6-(5',6',7',8'-テトラヒドロナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール
から選択される化合物、又はその互変異性体、エナンチオマー、或いは医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、錯体、又はプロドラッグが提供される。
【0027】
本件発明のさらなる態様において、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、又は悪液質の治療又は予防のための薬剤の調製における、先に定義された一般式(I)の化合物の使用が提供される。
一般式(I)の化合物の多くは市販されており、その他は市販の出発物質から以下の方法を利用して合成できる。
【0028】
ZがCR8である一般式(I)の化合物は、一般式(II)の化合物:
【化2】

(式中、X1、X2、X3、R1、R2、R3、R8、及びYは、一般式(I)において定義されたとおりである)から、トルエンなどの有機溶媒中で四塩化チタンなどのルイス酸との反応により調製できる。
【0029】
ルイス酸を添加する前に、出発物質を約-15から0℃の温度に冷却することが好ましい。次いで、反応混合物を室温まで温め、生成物を単離する前に、還流下で1から5時間加熱する。
【0030】
一般式(II)の中間体化合物は、一般式(III)の化合物:
【化3】

(式中、X2、X3、R2、R3、及びYは、一般式(I)において定義されたとおりである)から、一般式(IV)の化合物との縮合により調製できる:
【化4】

(式中、X1、R1、及びR8は、一般式(I)において定義されたとおりであり、Qは、典型的には臭素などのハロゲンである脱離基である)。
【0031】
該反応は、アセトニトリルなどの極性有機溶媒中の一般式(III)の化合物と、テトラヒドロフランなどの有機溶媒中の一般式(IV)の化合物を混合して実施できる。該反応は、無水条件下で、窒素又はアルゴンなどの不活性雰囲気下で実施するのが最も好適である。反応温度は、約15から25℃が好適である。
一般式(III)の化合物は当業者に公知であり、且つ容易に入手可能であり、又は、例えばMekonnenら、J. Heterocyclic Chem, 34, 589-599 (1997)に記載の方法などの公知の方法により調製できる。
【0032】
X2R2又はX3R3が、任意に置換されているアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、又はC2-C10アルキニルである、一般式(III)の化合物は、X2R2又はX3R3が、ハロゲン、特にブロモである一般式(III)の等価な化合物から、パラジウム触媒を利用して、一般式(IX)の化合物との反応により調製できる:

R5B(OH)2 (IX)
(式中、R5は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、又はC2-C10アルキニルであり、そのいずれも、一般式(I)においてR1、R2、及びR3に対して定義されたとおり置換されていてよい)。
【0033】
一般式(IV)の多くの化合物も当業者に公知であり、容易に入手可能である。その代わりに、一般式(V)の化合物をハロゲン化剤と反応させて、一般式(IV)の化合物を調製することができる:
【化5】

(式中、X1、R1、及びR8は、一般式(I)において定義されたとおりである)。
例えば、Qがブロモである一般式(IV)の化合物は、一般式(V)の適当な化合物を臭素と、極性有機溶媒、特にメタノールなどのアルコール性溶媒中で反応させて調製できる。
【0034】
ZがCR8であり、かつX1がSである一般式(I)の化合物は、一般式(VI)の化合物:
【化6】

(式中、X2、X3、R1、R2、R3、及びYは、一般式(I)において定義されたとおりである)から、一般式(VII)の化合物との反応により調製できる:

Q-CH2R8 (VII)
(式中、R8は一般式(I)に対して定義されたとおりであり、Qは一般式(IV)に対して先に定義されたとおりである)。
該反応は、典型的には塩基性条件下で実施される。
【0035】
一般式(VI)の化合物は、二硫化炭素との反応、次いで一般式(VIII)の化合物との反応により、先に定義される一般式(II)の化合物から調製できる:

R1-Br (VIII)
(式中、R1は一般式(I)に対して先に定義されたとおりである)。該反応は、一般的に塩基性条件下で実施される。
一般式(VII)及び(VIII)の化合物は当業者に周知であり、且つ容易に入手可能であるか、又は周知の方法により調製できる。
【0036】
X1、X2、又はX3がSO2である一般式(I)の化合物は、X1、X2、又はX3がSである一般式(I)の化合物から、標準的な方法を利用して酸化により調製できる。
【0037】
ZがCR8であり、かつX1R1がハロゲン、例えばクロロ又はブロモである一般式(I)の化合物は、X1R1がOHである先に定義された一般式(II)の化合物から、適当なハロゲン化ホスホリルとの反応により調製できる。
【0038】
ZがNである一般式(I)の化合物は、Jagらの論文「縮合した橋頭窒素複素環系:チアゾロ[3,2-b]-s-トリアゾール及び異性体チアゾロ[2,3-c]-s-トリアゾールの合成及び生物活性(Condensed bridgehead nitrogen heterocyclic systems: Synthesis and bio-activity of thiazolo [3,2-b]-s-triazoles and isomeric thiazolo [2,3-c]-s-triazoles)」(Indian Journal of Heterocyclic Chemistry, 6(1), 21-24 (1996))に記載の方法に従い調製できる。
【0039】
一般式(I)の化合物は、一般式(I)の他の化合物に転化できる。例えば、X1R1、X2R2、又はX3R3がC(O)O(C1-C10)アルキルである一般式(I)の化合物を、加水分解、例えば、テトラヒドロフランなどの極性有機溶媒中で水酸化ナトリウムを利用する塩基加水分解により、X1R1、X2R2、又はX3R3がC(O)OHである一般式(I)の等価な化合物に転化できる。次に、X1R1、X2R2、又はX3R3がC(O)OHである化合物を、標準的な還元法、例えば、0℃でテトラヒドロフラン中でNMMを利用し、次いでホウ化水素ナトリウム水溶液との反応により、X1R1、X2R2、又はX3R3がOHである化合物に転化できる。次いで、アルコールを、当業者に周知の標準的な方法を利用して、多くの他の官能基、例えば、カルバメート、ホスフィネート、エーテル、又はアミンに転化できる。
【0040】
X1R1、X2R2、又はX3R3がC(O)OHである化合物は、他に、アミン誘導体(クルチウス反応により)、アシル誘導体及びカルボニル誘導体などのある範囲のさらなる化合物に転化できる。これらの転化に利用される方法は周知であり、熟練した化学者にはなじみがあるであろう。
【0041】
上述の合成において、保護基の使用が必要な場合もある。そのような保護基を使用とする必要性は、熟練した化学者には明らかであろうし、適切な保護基を選択することも可能であろう。保護基に関する情報は、Theodora W. Greene及びPeter G. M. Wutsの文献「有機合成における保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」(John Wiley & Sons Inc.発行)中に入手できる。
DMDの治療に使用される一般式(I)の化合物は、一般的に医薬組成物の形態で投与され、これらの医薬組成物のいくつかは本発明のさらなる態様を形成する。
【0042】
本発明は、
6-(3',4'-ジクロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(4'-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3',4'-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(2'-ナフチル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3,4-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-カルボン酸;
2-クロロ-6-(ナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
2-クロロ-6-シクロヘキシルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
3-メチル-6-(2'-ナフチル)イミダゾ[2,1-b]オキサゾール;
2-クロロ-6-(5',6',7',8'-テトラヒドロナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール
から選択される化合物、又はその互変異性体、エナンチオマー、或いは医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、錯体、又はプロドラッグ;及び医薬として許容しうる賦形剤を含む医薬組成物も提供する。
【0043】
該医薬組成物は、80%w/w未満、より好ましくは50%w/w未満、例えば0.1から20%の一般式(I)の化合物、又は先に定義されたその医薬として許容し得る塩を、医薬として許容し得る希釈剤又はキャリアと混合して含んでよい。
発明者らは、成分を混合する工程を含む、そのような医薬組成物を製造する方法も提供する。
【0044】
使用できる医薬製剤及び好適な希釈剤又はキャリアの例は以下のとおりである:
静脈注射又は注入には、精製水又は食塩水;
吸入組成物には、粗いラクトース;
錠剤、カプセル、及び糖衣錠には、微晶質セルロール、リン酸カルシウム、珪藻土、ラクトース、デキストロース、又はマンニトールなどの糖類、タルク、ステアリン酸、スターチ、炭酸水素ナトリウム及び/又はゼラチン;
坐薬には、天然又は硬化油又はワックス。
【0045】
該化合物が、例えば注入用など水溶液中に使用される場合、他の賦形剤を混合することが必要なこともある。特に、キレート剤又は金属封鎖剤、酸化防止剤、張性調整剤、pH-調整剤及び緩衝剤が言及される。
望まれる場合、一般式(I)の化合物を含む溶液を、例えば凍結乾燥又は噴霧乾燥により蒸発させ、使用前に元に戻すことのできる固体組成物を与えることができる。
【0046】
溶解状態でない場合、一般式(I)の化合物は、好ましくは、0.01から10μmの粒子径中央値を持つ形態である。該組成物は、好適な保存剤、安定剤、及び湿潤剤及び可溶化剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セルロースポリマー又はプロピレングリコールなどの水溶性グリコール、甘味料及び香味料も含んでよい。該組成物は、適切な場合、徐放性形態に処方してもよい。医薬組成物中の一般式(I)の化合物の含有量は、調合物全体に対して、一般的には約0.01〜約99.9重量%であり、好ましくは約0.1〜約50重量%である。
【0047】
一般式(I)の化合物の用量は、年齢、体重、全般的な健康状態、食事、投与時間、投与方法、クリアランス速度、薬剤の組み合わせ、その時点で患者が治療を受けている疾患のレベル、及び他の因子を考慮して決定される。
用量は、標的疾患、状態、投与の対象、投与方法などにより変わるが、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを患っている患者への該疾患の治療のための治療薬としての経口用に、0.01mg〜10g、好ましくは0.1〜100mgであり、好ましくは単一投与又は1日に2又は3回に分けて投与される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明を以下の実施例及び図面に関連してより詳細に記載する。
【図1】マウスユートロフィンに特異的な抗体で染色されたTA筋肉切片の例である。ジストロフィン欠損mdx筋肉中のユートロフィンタンパク質濃度を上昇させると知られている陽性対照化合物5-アミノ-2-(5,6-ジメチルベンゾ[d]オキサゾル-2-イル)フェニル(CPD-A)を、(陰性対照として)ビヒクルのみを注射されたmdx筋肉と比較すると、筋繊維鞘結合ユートロフィンの量の増加が示される。
【図2】特異的抗体により染色された、上記の処理されたマウスから切除・処理した筋肉のウェスタンブロットを示す(図2参照)。CPD-Aを投与された筋肉は、TA下肢筋肉及び隔膜の両方に存在するユートロフィンの全体濃度の著しい上昇を示す。CPD-Aに暴露された両マウス(V2及びV3)は、陰性対照に比べユートロフィン発現のレベル上昇を示した。
【実施例】
【0049】
HPLC-UV-MS は、Gilson 170 DADにより検出するGilson 321 HPLC及びエレクトロスプレーイオン化モードで運転するFinnigan AQA質量分析計で実施した。使用したHPLCカラムはPhenomenex Gemini C18 150x4.6mmである。分取HPLCは、Gilson 170 DADにより検出するGilson 321で実施した。画分は、Gilson 215フラクションコレクターで集めた。使用した分取用HPLCカラムはPhenomenex Gemini C18 150x10mmであり、移動相はアセトニトリル/水である。
1H NMRスペクトルは、300MHzで運転するBruker装置で記録した。MNRスペクトルは、クロロホルム(7.25ppm)又はDMSO-D6(2.50ppm)を基準として利用し、CDCl3溶液として得た(ppmで報告)。ピークの多重度が報告される場合、以下の略称、s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、m(マルチプレット)、br(ブロード化)、dd(ダブレットのダブレット)、dt(トリプレットのダブレット)、td(ダブレットのトリプレット)を使用する。カップリング定数がある場合には、ヘルツ(Hz)で報告する。
【0050】
カラムクロマトグラフィーは、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40-65μmシリカゲル)により、又は自動精製システム(Biotage(登録商標)から市販のSP1(商標)精製システム)を利用して実施した。マイクロ波中での反応は、Initiator 8(商標)(Biotage)中で実施した。
使用する略称は、DMSO(ジメチルスルホキシド)、HATU(O-(7-アザベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HCl(塩化水素酸)、MgSO4(硫酸マグネシウム)、NaOH(水酸化ナトリウム)、Na2CO3(炭酸ナトリウム)、NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)、STAB(ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド)、THF(テトラヒドロフラン)である。
【0051】
以下の試薬は全てChembridgeから購入した:
4-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)-N,N-ジメチルアニリン(化合物1)
6-(ナフタレン-2-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール(化合物2)
6-(3-クロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール(化合物3)
6-(4-クロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール(化合物4)
N-(4-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェニル)アセトアミド(化合物5)
4-(6-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾル-5-イル)-N-(ピリジン-2-イル)チアゾル-2-アミン
N-アリル-4-(6-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾル-5-イル)チアゾル-2-アミン
N-(2,5-ジメトキシフェニル)-4-(6-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾル-5-イル)チアゾル-2-アミン
N-(3-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェニル)イソブチルアミド(化合物8)
N-(3-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェニル)-3-メチルブタンアミド(化合物9)
6-(4-クロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール(化合物12)
2-メチル-6-(ナフタレン-2-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール(化合物13)
6-(3-クロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール(化合物14)
2-(チオフェン-2-イル)-4H-ベンゾイミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアゾール(化合物6);
8-メトキシ-3-(イミダゾ[2,1-b]ベンゾチアゾル-4-イル)-2H-クロメン-2-オン(化合物7)。
以下の化合物はBionetから購入した:
6-(4-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]オキサゾール(化合物10)。
以下の化合物はButtparkから購入した:
2-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェノール(化合物11)。
【0052】
(実施例1) 一般式(I)の化合物の合成
該化合物を以下の一般反応スキームを利用して合成した。
【化7】

6-(3',4'-ジクロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール(化合物15)
5-メチルチアゾール-2-アミン(100mg、0.88ミリモル)及び2-ブロモ-1-(3,4-ジクロロフェニル)エタノン(235mg、0.88ミリモル)をエタノール(5mL)に溶かした溶液を、マイクロ波中150℃で5分間加熱した。冷却後、混合物を真空中で濃縮し、酢酸エチルに溶解した。有機層を、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、合わせた有機層を無水MgSO4で乾燥した。蒸発の後に得られた生成した固体を、酢酸エチル/ヘキサン1:2v/vで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製すると、64mg(26%)の標題化合物が得られた(LCMS RT=7.50分、MH+ 282.9)。
【化8】

【0053】
以下の化合物は全て同じ一般的な方法に従い調製した。
【化9】

(実施例2) 2-クロロ-6-シクロヘキシルイミダゾ[2,1-b]チアゾール(化合物23)の合成)
【化10】

A. 2-ブロモ-1-シクロヘキシルエタノンの調製
臭素(2mL、39.6ミリモル)を、メタノール(30mL)に溶かした1-シクロヘキシルエタノン(5g、39.6ミリモル)の溶液に0℃で一度に加えた。得られた溶液を2時間攪拌すると、赤色が消えた。水(30mL)を加え、反応混合物を16時間攪拌した。この時間の後、混合物を、酢酸エチル:40-60石油(3:1)で抽出し、合わせた有機抽出物を10%炭酸カリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮すると、淡い黄色の油として標題化合物を与えた(7.466g、92%)。クーゲルロール蒸留を試みると、同等な純度の2.447gの物質が得られ、これを後の反応に直接使用した。
【化11】

B. 2-クロロ-6-シクロヘキシルイミダゾ[2,1-b]チアゾールの調製
2-ブロモ-1-シクロヘキシルエタノン(539mg、2.63ミリモル)及び5-クロロ-2-アミノチアゾール(354mg、2.63ミリモル)を密封したバイアル中でIMS(10mL)に溶解し、マイクロ波により150℃で10分間加熱した。この時間の後、混合物を室温まで冷却し、溶媒を真空中で除去した。得られた残渣を、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の間で分配した。水層を酢酸エチルで再抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗反応混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製すると、黄色の固体として標題化合物が得られた(195mg、31%)。この物質を40-60石油で粉砕すると白色の固体が得られた(29mg、5%)。(LCMS RT=7.20分、MH+ 241)。
【化12】

【0054】
(実施例3) 3-メチル-6-(2'-ナフチル)イミダゾ[2,1-b]オキサゾール(化合物24)の合成)
J. Heterocyclic Chem., 1997, 34, 589-599を参照されたい。
【化13】

A. 2-イミノ-4-メチル-3-(2'-ナフタシル)-2,3-ジヒドロオキサゾールの調製
無水THF(5mL)中に溶かした2-ブロモアセチルナフタレン(889mg、3.57ミリモル)の溶液を、無水アセトニトリル(5mL)に溶かした2-アミノ-4-メチルオキサゾール(350mg、3.57ミリモル)の溶液に、カニューレを通して滴下して加え、得られた溶液を窒素下で16時間攪拌した。この時間の後、形成した沈殿を濾過し、冷アセトニトリルで洗浄した。固体を氷水中に懸濁させ、2M水酸化アンモニウム水溶液でpH12に調整した。得られた黄色の粉末を濾過し、水で洗浄した。次いで、粉末をトルエン中に懸濁させ、真空中で濃縮し、ジエチルエーテルで粉砕すると、濾過の後に桃色の固体として標題化合物が得られた(127mg、13%)。
【化14】

【0055】
B. 3-メチル-6-(2'-ナフチル)イミダゾ [2,1-b]オキサゾールの調製
無水トルエン中の2-イミノ-4-メチル-3-(2'-ナフタシル)-2,3-ジヒドロオキサゾール(125mg、0.469ミリモル)の懸濁液に、四塩化チタン(223mg、129μL)を0℃で滴下して加えた。反応混合物を20分かけて室温まで温め、次いで還流下で2時間加熱した。この時間の後、反応混合物を室温まで冷却し、氷上に注いだ。有機層を分離し、有機層をクロロホルムで再抽出した。合わせた有機層を炭酸カリウムの短いカラムに通し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(5:2から2:1、40-60石油:酢酸エチル)で精製すると、白色固体として標題化合物が得られた(39mg、33%)。(LCMS RT=6.42分、MH+ 249)。
【化15】

【0056】
(実施例4) 2-クロロ-6-(5',6',7',8'-テトラヒドロナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール(化合物25)の調製
【化16】

A. 2-ブロモ-1-(5',6',7',8'-テトラヒドロナフタレン-2'-イル)エタノンの調製
メタノール(15mL)に1-(5',6',7',8'-テトラヒドロナフタレン-2'-イル)エタノン(2.13g、12.3ミリモル)を溶かした攪拌している溶液に、0℃で臭素(0.63mL、12.3ミリモル)を加え、得られた溶液を2.75時間攪拌してから、反応混合物を水で希釈し、16時間かけて室温まで温めた。この時間の後、反応混合物を、酢酸エチル:40-60石油(v:v 3:1、x3)で抽出し、合わせた有機層を10%炭酸カリウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空中で濃縮すると、粗生成物(2.755g、89%)が得られた。
【化17】

【0057】
B. 2-クロロ-6-(5',6',7',8'-テトラヒドロナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾールの調製
2-ブロモ-1-(5',6',7',8'-テトラヒドロナフタレン-2'-イル)エタノン(564 mg、2.23ミリモル)及び5-クロロ-2-アミノチアゾール(300 mg、2.23ミリモル)をIMS(10mL)に溶解し、マイクロ波中で150℃で10分間加熱した。揮発物を真空中で除き、混合物を酢酸エチルに再溶解した。有機層を、飽和炭酸水素アンモニウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空中で濃縮すると、カラムクロマトグラフィー(9:1、40-60石油:酢酸エチル)及び分取HPLC(LCMS, RT=8.00分)で精製した後、粉末として標題化合物(54mg、8%)が得られた。
【化18】

【0058】
(実施例5)
DMDの治療に使用するための一般式(I)の化合物の潜在的な活性を、以下の予測アッセイ及びスクリーンで示すことができる。
1. ルシフェラーゼリポーターアッセイ(マウスH2K細胞)
スクリーンに使用する細胞系は、ルシフェラーゼレポーター遺伝子に連結した第1の非翻訳エクソンを含むユートロフィンAプロモーターの約5kb断片を含むプラスミドを安定導入された不死化mdxマウスH2K細胞系である。
【0059】
低温及びインターフェロン含有媒体の条件下で、細胞は筋芽細胞のままである。これらを96ウェルプレートに播種し、化合物の存在下で3日間培養した。次いで、ルシフェラーゼの濃度を、細胞溶解及びプレートルミノメーターを利用し発現したルシフェラーゼ遺伝子からの光出力を読み取ることにより決定する。
【0060】
2. mdxマウス
ADMETデータから得たデータを優先し、最良の生体外ルシフェラーゼ活性及び妥当なADMETデータを持つ化合物をmdx概念証明型試験で試験するが、そこでは、確認される結果は、ビヒクルのみ投与の陰性対照動物に比べジストロフィン欠損筋肉におけるユートロフィンタンパク質の濃度を上げる能力である。
【0061】
年齢を合わせた対照(age matched controls)と共に、動物に、10mg/kgの化合物を28日間毎日腹腔内に注射する。筋肉サンプルをとり、切片化(ユートロフィンの筋繊維鞘染色の増加を確認するため)及びウェスタンブロット(ユートロフィン濃度の全体的な増加を確認するため)のために処理した。
【0062】
図1は、マウスユートロフィンに特異的な抗体により染色されたTA筋肉切片の例を示す。ジストロフィン欠損mdx筋肉中にユートロフィンタンパク質の濃度を増加させると知られている陽性対照化合物、5-アミノ-2-(5,6-ジメチルベンゾ[d]オキサゾル-2-イル)フェノール(CPD-A)を、(陰性対照として)ビヒクルのみを注入されたmdx筋肉と比べると、筋繊維鞘結合ユートロフィンの量の増加が示されている。
【0063】
上記のように処理されたマウスの筋肉も切除し、ウェスタンブロットのために処理し特異的抗体で染色した(図2参照)。再び、CPD-Aを投与した筋肉を使用すると、TA下肢筋肉及び隔膜の両方に存在するユートロフィンの全体的な濃度の著しい増加が示される。CPD-Aに暴露されたマウスの両方(V2及びV3)が、陰性対照と比べてユートロフィン発現レベルの増加を示した。
【0064】
次いで、最初の28日間の試験からの陽性の発現増加データをさらに2匹のマウスの28日間試験に繰り返す。そのようなデータは、腹腔内に送達される場合のmdx筋肉におけるユートロフィン濃度を著しく増加させる、試験化合物の能力を表すであろう。現在までに発表されているデータは全て、3倍を超えてユートロフィン濃度が増加すればジストロフィン欠損筋肉に著しい機能的効果があることを示しているので、そのようなアッセイは臨床効果の素晴らしい手がかりとなりそうである。
【0065】
(H2K/mdx/Utro Aレポーター細胞系の維持)
H2K/mdx/Utro Aレポーター細胞系は、30%以下コンフルエントまで週に2回継代した。細胞を10%CO2の存在下で33℃で生育した。
播種のために筋芽細胞を除くため、単層が剥がれ始めるまでトリプシン/EDTAにより培養した。
生育培地
DMEM Gibco 41966
20%FCS
1%Pen/Sterp
1%グルタミン
10mlsニワトリ胚抽出物
インターフェロン(1276 905 Roche)
新鮮な10μl/50ml培地を加える。
【0066】
(96ウェルプレートのためのルシフェラーゼアッセイ)
H2K/mdx/Utro Aレポーター細胞系を、190μlの通常の生育培地におよそ5000細胞/ウェルの密度で、96ウェルプレート(Falcon 353296、白色不透明)に播種した。次いで、プレートを10%CO2の存在下で33℃で24時間インキュベートした。
【0067】
各ウェルに希釈した化合物を10μl加えて、化合物を投与し、最終濃度を10μMとした。次いで、プレートをさらに48時間インキュベートした。次いで、製造業者のプロトコルに従い(Promega Steady- Glo Luciferase Assay System(E2520))細胞をその場で溶解した。次いで、プレートルミノメーター(Victor 1420)を利用して10秒間数えた。
【0068】
(化合物の保存)
スクリーニングのための化合物は、必要になるまで100%DMSO中で10mMストックとして-20℃で保存した。
(化合物のmdxマウスへの注射)
繁殖コロニーからmdxを試験のために選択した。マウスに、ビヒクル又は10mg/kgの化合物を、腹腔内経路(ip)を利用して、毎日注射した。マウスの体重を量り、化合物は、PBS中5%DMSO、0.1%Tween(商標)に希釈した。
マウスを所望の時間点で頸部脱臼により屠殺し、分析のため筋肉を切除した。
【0069】
(筋肉分析)
(免疫組織化学)
切片形成のための組織を切り開き、OCT(Bright Cyro-M-Bed)に浸漬し、液体窒素冷却イソペンタンで凍結した。固定してない8μMの凍結切片をBright Cryostat上で切り、-80℃で保存した。
【0070】
染色の用意ができると、切片を、5%ウシ胎児血清を含むPBSで30分間ブロックした。一次抗体をブロッキング試薬に希釈し、切片上で1.5時間加湿チャンバー中でインキュベートし、次いでPBS中で5分間3回洗浄した。やはりブロッキング試薬に希釈されている二次抗体を、加湿チャンバー中で1時間暗くしてインキュベートした。最後に切片をPBS中で5分間3回洗浄し、カバーガラスをハイドロマウントでマウントした。Leica蛍光顕微鏡を使用してスライドを分析した。
【0071】
(結果)
マウスH2K細胞中でルシフェラーゼレポーターアッセイを利用して評価した生物活性を以下のとおり分類する:
+ 対照に比べ最大200%
++ 対照に比べ201から300%
+++ 対照に比べ301から400%
++++ 対照に比べ401%超
【0072】
結果を表1に示すが、表から、例示された化合物の全てで、ルシフェラーゼレポーターアッセイにおいて対照に比べ活性が増加したことが分かる。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、又は悪液質の治療又は予防に使用するための、一般式(I)の化合物、又はその互変異性体、エナンチオマー、或いは医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、錯体、又はプロドラッグ:
【化1】

(式中、X1、X2、及びX3は、それぞれ独立に、結合、-NR4-、-O-、-S-、-NR4C(O)-、-NR4C(S)-、-NR4C(O)O-、-NR4SO2-、-NR4C(O)NR4-、-NR4C(S)NR4-、-NR4C(NH)NR4-、-NR4C(NH)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)NR4-、-C(S)NR4-、-SO-、-SO2-、-OC(O)O-、-SO2NR4-、-OC(O)NR4-又は-P(O)OR4-から選択されるリンカーであり;
それぞれのR4は、独立に、H又は任意にハロにより置換されているC1-C6アルキルであり;
R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、水素、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、又はC2-C10アルキニルであり、これらのいずれもハロ又は基X4-R6により任意に置換されていてよく、或いはX1、X2、及びX3が結合である場合、R1、R2、又はR3は、ハロ、NO2、又はCNでもよく;その代わりに
R2及びR3が、それらが結合している原子と共に、O、S、又はNから選択されるヘテロ原子を1つ以上任意に含み、1つ以上の置換基X4R6に任意に置換されている、5員から12員の単環又は二環の芳香族又は非芳香族環系を形成してもよく;
X4は、結合、-NR4-、-O-、-S-、-NR4C(O)-、-NR4C(S)-、-NR4C(O)O-、-NR4SO2-、-NR4C(O)NR4-、-NR4C(S)NR4-、-NR4C(NH)NR4-、-NR4C(NH)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)NR4-、-C(S)NR4-、-SO-、-SO2-、-OC(O)O-、-SO2NR4-、-OC(O)NR4-、又は-P(O)OR4-から選択され;
R4は、先に定義されたとおりであり;かつ
R6は、H又はC1-C6アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、ハロ又は-O(C1-C6アルキル)により任意に置換されていてよく、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、また、C1-C6アルキル基により置換されていてもよく;
或いは、X4が結合である場合、R6は、また、ハロ、NO2、又はCNでもよく;
Yは、O、S、又はNR7であり;
R7は、水素又はC1-C6アルキルであり;
Zは、N又はCR8であり;
R8は、水素又はC1-C6アルキルであり;
但し、R1がX4R6により置換されているフェニルであり、かつX4が-NR4C(O)-である場合、R6はフェニルでない)。
【請求項2】
独立に、又は任意の組み合わせで、
X1、X2、及びX3が、結合であり;
R1が、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、これらのいずれも、ハロ、OH、O(C1-C6アルキル)、又はNHC(O)R6から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されていてよく、R6が、ハロ又はO(C1-C6アルキル)により任意に置換されているC1-C6アルキルであり;
R2及びR3が、水素、C1-C6アルキル、又はハロであり、或いは、R2及びR3が、それらが結合している原子と共に芳香族環を形成し;
YがO又はSであり;
ZがCR8であり、R8が先に定義のとおりである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
独立に、又は任意の組み合わせで、
X1、X2、及びX3が、結合であり;
R1が、ハロ、OH、O(C1-C4アルキル)、又はNHC(O)R6から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されたシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール基であり、R6が、ハロにより任意に置換されたC1-C6アルキルであり;
R2及びR3が、水素、C1-C4アルキル、又はハロであり、或いは、R2及びR3が、それらが結合している原子と共にフェニル環を形成し;
YがO又はSであり;かつ
ZがCR8であり、R8が、水素、メチル、又はエチルである、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
独立に、又は任意の組み合わせで、
X1、X2、及びX3が、結合であり;
R1が、フェニル、ナフチル、チエニル、シクロヘキシル、又は3-クロメネ-2-オニルであり、これらのいずれも、ハロ、OH、メトキシ、エトキシ、又はNHC(O)R6から選択される1つ以上の置換基により任意に置換されており、R6が、C1-C4アルキルであり;
R2及びR3が、水素、メチル、又はクロロであり、或いは、R2及びR3が、それらが結合している原子と共にフェニル環を形成し;
YがO又はSであり;かつ
ZがCHである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
以下から選択される請求項1に記載の化合物、又はその互変異性体、エナンチオマー、或いは医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、錯体、又はプロドラッグ:
4-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)-N,N-ジメチルアニリン;
6-(ナフタレン-2-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3-クロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(4-クロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
N-(4-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェニル)アセトアミド;
2-(チオフェン-2-イル)-4H-ベンゾイミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアゾール;
8-メトキシ-3-(イミダゾ[2,1-b]ベンゾチアゾル-4-イル)-2H-クロメン-2-オン;
N-(3-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェニル)イソブチルアミド;
N-(3-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェニル)-3-メチルブタンアミド;
6-(4-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]オキサゾール;
2-(イミダゾ[2,1-b]チアゾル-6-イル)フェノール;
6-(4-クロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
2-メチル-6-(ナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3-クロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3',4'-ジクロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(4'-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3',4'-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(2'-ナフチル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
2-クロロ-6-(4'-クロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3,4-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-カルボン酸;
2-クロロ-6-(ナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
2-クロロ-6-シクロヘキシルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
3-メチル-6-(2'-ナフチル)イミダゾ[2,1-b]オキサゾール;
2-クロロ-6-(5',6',7',8'-テトラヒドロナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール。
【請求項6】
以下から選択される化合物、又はその互変異性体、エナンチオマー、或いは医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、錯体、又はプロドラッグ:
6-(3',4'-ジクロロフェニル)-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(4'-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3',4'-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(2'-ナフチル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3-クロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
6-(3,4-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール-3-カルボン酸;
2-クロロ-6-(ナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール;
2-クロロ-6-シクロヘキシルイミダゾ[2,1-b]チアゾール;
3-メチル-6-(2'-ナフチル)イミダゾ[2,1-b]オキサゾール;
2-クロロ-6-(5',6',7',8'-テトラヒドロナフタレン-2'-イル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール。
【請求項7】
デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、又は悪液質の治療又は予防のための薬剤の調製における、請求項1から6のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項8】
請求項6に記載の化合物及び医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項9】
成分を混合する工程を含む、請求項8に記載の医薬組成物を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−534231(P2010−534231A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517478(P2010−517478)
【出願日】平成20年7月21日(2008.7.21)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002495
【国際公開番号】WO2009/013477
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(310013956)ビオマリン アイジーエー リミテッド (8)
【Fターム(参考)】