説明

デリバリーデバイスを有する食料品およびその調製方法

【課題】デリバリーデバイスを含む食料品およびその調製方法を提供する。
【解決手段】マイクロカプセルを含む食料品であって、前記マイクロカプセルが、個々が一次シェルを有する一次マイクロカプセルの凝集体と、充填物質とを含み、前記充填物質が前記一次シェルによってカプセル化され、前記凝集体が外側シェルによってカプセル化されており、前記一次シェルおよび前記外側シェルが、タイプAゼラチン、タイプBゼラチン、ポリリン酸塩など、またはこれらの混合物を含むコアセルベート錯体から形成され;そして、前記マイクロカプセルが、前記食料品を調製する前に、前記食料品を調製するために使用される1以上の材料と混合される。前記充填物質が魚油、オメガ3脂肪酸、オメガ3脂肪酸エステルなど、またはこれらの混合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2005年7月7日に出願された米国仮特許出願第60/697,092号、2006年6月8日に出願された米国仮特許出願第60/811,830号、2006年6月7日に出願された米国仮特許出願第60/811,503号、および2006年5月17日に出願された米国実用新案出願第11/435,605号の優先権の利益を主張し、これらはすべて、参照によりそれら全体が本明細書中に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は一般に、デリバリーデバイスを含む食料品に関する。このような食料品を調製する方法も開示される。
【背景技術】
【0003】
背景
ポリ不飽和脂肪酸、たとえば、オメガ3脂肪酸は、日常の生活および機能にとって不可欠である。このような化合物は、細胞膜の構造において重要な役割を果たし、多くの細胞の伝達物質(たとえば、プロスタグランジンおよびロイコトリエン)の合成のための基盤を形成する。これら細胞の伝達物質は、人間生理学の重要な部分であり、たとえば、細胞増殖、細胞シグナリング、遺伝子発現、凝固および炎症に影響を与えることがある。
【0004】
一例としては、オメガ3脂肪酸およびそれらの誘導体が、脳組織および神経組織の主成分であることが知られている。また、オメガ3脂肪酸は、炎症性伝達物質(たとえば、プロスタグランジン、ロイコトリエンおよびトロンボキサン)の産生を招くいくつかの経路を変更することによって、血栓形成(thrombogenisis)および炎症を抑えることができる。たとえば、Sugano,Michihiro、「Balanced intake of polyunsaturated fatty acids for health benefits」、Journal of Oleo Science(2001年)、50(5):305−311を参照のこと。さらに、オメガ3脂肪酸は、心機能、血行動態および動脈内皮機能に積極的に影響を与えることが知られている。米国心臓協会は、オメガ3脂肪酸が心臓血管疾患および心臓疾患の危険性を低減することができることを報告している。
【0005】
このようなポリ不飽和脂肪酸の主要な源は、食事を通じてのものである。オメガ3脂肪酸のようなポリ不飽和脂肪酸が豊富な食事は、心臓疾患、癌、関節炎、アレルギーおよび他の慢性疾患にとって有益な効果があることが知られている(たとえば、米国心臓協会、Scientific Statement、「Fish Consumption,Fish Oil,Omega−3 Fatty Acids and Cardiovascular Disease」、2002年11月、Radackら、「The effects of low doses of omega−3 fatty acid supplementation on blood pressure in hypertensive subjects:a randomized controlled trial」、Arch.Intern.Med.(1991年)151:1173−1180、Appelら、「Does supplementation of diet with ‘fish oil’ reduce blood pressure? A meta−analysis of controlled clinical trials」Arch.Intern.Med.(1993年)153(12):1429−1438、GISSI−Prevenzione Investigators、「Dietary supplementation with omega−3 polyunsaturated fatty acids and vitamin E after myocardial infarction:results of the GISSI−Prevenzione trial」、Lancet(1999年)354:447−455を参照のこと)。
【0006】
米国心臓協会は、人には1日当たり2〜4グラムのオメガ3脂肪酸が必要とされるのではないかと提言している。残念ながら、大部分の西洋の食事は、これらの有益な脂肪酸が不足している。1グラム/日の摂取量でさえ、食事だけで容易に得ることができる量を超えている。したがって、このようなポリ不飽和脂肪酸の摂取量を増やすことを望む人々は、通常栄養補助食品に頼っている。しかしながら、このような栄養補助食品は通常酸化に敏感であり、悪臭や嫌な味がすることがある。さらに、栄養補助食品療法のコンプライアンスには、規律が必要とされるが、多くの場合欠けている。
【発明の開示】
【0007】
ポリ不飽和脂肪酸の健康上の利益およびこのような化合物の十分な摂取量に関連する問題を踏まえると、たとえばポリ不飽和脂肪酸など有益な化合物を含み、消費者にとってより口当たりが良く喜ばしい食料品が、当技術分野では必要とされる。本明細書中に開示されている対象は、これらの、また他の必要を満たす。
【0008】
要約
本明細書中で具体化され広く記載されているような、開示の材料、化合物、組成物、品目および方法の目的に従って、開示の対象は、一態様において、化合物および組成物、ならびにこのような化合物および組成物を調製し使用する方法に関する。さらなる態様においては、開示の対象は、デリバリーデバイスを含む食料の品目に関する。また、さらなる態様おいては、開示の対象は、このような食料品を調製する方法に関する。さらに、さらなる態様においては、開示の対象は、マイクロカプセルを含む均質化配合物に、また均質化配合物により調製された食料品または均質化配合物を含む食料品に関する。また、さらなる態様においては、開示の対象は、開示の均質化配合物を、また均質化配合物から調製された食料品または均質化配合物を含む食料品を作製し使用する方法に関する。
【0009】
追加の利点は、一部が以下の説明に記載され、一部が説明から明らかとなる、または以下に説明する態様の実施によって知ることができる。以下に記載の利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘されている要素および組合せによって認識され実現されるであろう。上記概要も以下の詳細な説明も共に例示的で説明のためのものにすぎず、限定的ではないことを理解されたい。
【0010】
図面の簡単な説明
本明細書中に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、以下に説明するいくつかの態様を示す。
図1は、開示のマイクロカプセル化栄養素をチップに適用するプロセスを示す図である。
【0011】
本明細書中に記載されている材料、化合物、組成物、食料品および方法は、開示の対象の具体的な態様についての以下の詳細な説明および本明細書中に含まれる実施例、ならびに図面を参照することによって、より容易に理解することができる。
【0012】
本発明の材料、化合物、組成物、品目および方法を開示し説明する前に、以下に記載されている態様は特定の合成法または特定の試薬に限定されず、もちろん変えることができることを理解されたい。本明細書中で使用する用語は特定の態様を説明するためのものにすぎず、限定的なものではないことも理解されたい。
【0013】
また、本明細書を通して様々な出版物を参照する。開示事項が関係する最先端技術をさらに十分に説明するために、これら出版物の開示は参照によりそれら全体が本明細書中に組み込まれる。開示の参考文献はまた、参考文献が引用される文章の中で議論されている、それら参考文献に含まれる材料について参照により本明細書中に個別にかつ具体的に組み込まれる。
【0014】
本明細書中、また添付の特許請求の範囲の中で、多くの用語について言及することになるが、これらの用語は以下の意味を有するよう定義されるものとする。
【0015】
本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、単語「comprise」、ならびに「comprising」や「comprises」などこの単語の他の形態は、含むが限定されないことを意味し、たとえば、他の添加剤、成分、整数または工程を排除するものではない。
【0016】
明細書および添付の特許請求の範囲で使用する単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明示していない限り、複数形を含む。したがって、たとえば、「a compound(化合物)」と言及する場合、このような化合物2つ以上の混合物を含み、「an omega−3 fatty acid(オメガ3脂肪酸)」と言及する場合、このようなオメガ3脂肪酸2つ以上の混合物を含み、「the microcapsule(マイクロカプセル)」と言及する場合、このようなマイクロカプセル2つ以上の混合物を含む、等々である。
【0017】
「任意選択の」または「所望により」は、その後に記載されている事象または出来事が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、またこの記述は事象または出来事が起こる場合も起こらない場合も含むことを意味する。
【0018】
「約」ある特定の値から、および/または、「約」別の特定の値まで、と本明細書中で範囲を表すことがある。このような範囲を表す場合、別の態様が、この一方の特定の値から、および/または、もう一方の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」を用いて近似値として値を表す場合、特定の値が別の態様を形成することが理解されよう。各範囲の端点がもう一方の端点に関連して、またもう一方の端点とは関係なく重要であることがさらに理解されよう。また、本明細書中には多くの値が開示され、各値が、値自体に加えて、「約」その特定の値、としても本明細書中に開示されていることも理解される。たとえば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。ある値が開示されている場合、当業者には適宜理解されるように、その値「以下」、その値「以上」、および値の間の可能な範囲も開示されていることも理解される。たとえば、値「10」が開示されている場合、「10以下」ならびに「10以上」も開示されている。本出願を通して多くの異なる形式でデータが提供され、これらのデータが終点および始点を、またデータ点の任意の組合せについて範囲を表すことも理解される。たとえば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点「15」が開示されている場合、10を超える、10以上、10未満、10以下、10に等しい、15を超える、15以上、15未満、15以下および15に等しい、ならびに10と15の間が開示されていると見なされることが理解される。2つの特定の単位間の各単位も開示されていることも理解される。たとえば、10および15が開示されている場合、11、12、13および14も開示されている。
【0019】
明細書および添付の特許請求の範囲における、組成物中の特定の元素または成分の重量部についての言及は、この元素または成分と、組成物中の他の任意の元素または成分あるいは重量部で表される品目との間の重量関係を示す。したがって、2重量部の成分Xおよび5重量部の成分Yを含む化合物においては、XおよびYは2:5の重量比で存在し、この化合物中に追加の成分が含まれるかどうかにかかわらずこのような比で存在する。
【0020】
成分の重量パーセントは、異なる記述が特にない限り、成分が含まれる配合物または組成物の総重量に基づく。
【0021】
本明細書中で使用する「対象」は、個体を意味する。したがって、「対象」には、愛玩動物(たとえば、猫、犬等)、家畜類(たとえば、牛、馬、豚、羊、ヤギ等)、実験動物(たとえば、マウス、うさぎ、ラット、モルモット等)および鳥類を含めることができる。また、「対象」には、霊長類や人類などの哺乳類も含めることができる。
【0022】
これから、開示の材料、化合物、組成物、品目および方法について詳細に言及する。これら材料、化合物、組成物、品目および方法の例は添付の実施例および図面に示してある。
【0023】
本明細書中に開示されているいくらかの材料、化合物、組成物および成分は、市販品から得るまたは当業者には一般に公知の技術を用いて容易に合成することができる。たとえば、開示の化合物および組成物を調製する際に使用する出発材料および試薬は、Ocean Nutrition Canada(ダートマス、ノバスコシア州)、Aldrich Chemical Co.(ミルウォーキー、ウィスコンシン州)、Acros Organics(モリスプレーンズ、ニュージャージー州)、Fisher Scientific(ピッツバーグ、ペンシルベニア州)、Sigma(セントルイス、ミズーリ州)などの民間供給者から入手可能であるが、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis、第1〜17巻(John Wiley and Sons、1991年)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、第1〜5巻および補足(Elsevier Science Publishers、1989年)、Organic Reactions、第1〜40巻(John Wiley and Sons、1991年)、March’s Advanced Organic Chemistry(John Wiley and Sons、第4版)、Larock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.、1989年)などの参考文献に記載されている手順に従って当業者に公知の方法によっても調製される。
【0024】
また、開示の方法および組成物に使用することができる、開示の方法および組成物と共に使用することができる、開示の方法および組成物の調製において使用することができる、あるいは開示の方法および組成物の製品である材料、化合物、組成物および成分も本明細書中に開示されている。これらの材料および他の材料が本明細書中に開示されおり、これらの材料の組合せ、一部、相互作用、群等が開示されている場合、これらの化合物の様々な個別および集団の順列および組合せ各々についての具体的な言及は明確には開示されていないかもしれないが、各々は具体的に企図され本明細書中に記載されていることが理解される。たとえば、ある化合物が開示され、その化合物のいくつかの成分に加えることができるいくつかの改質について議論されている場合、異なる記述が特にない限り、ありとあらゆる可能な順列および組合せが企図される。したがって、成分A、BおよびCの群も、また成分D、EおよびFの群も開示され、組合せの一例、化合物A−Dが開示されている場合に、たとえ各々が個別に列挙されていない場合であっても、各々が個別でも集団でも企図される。したがって、この例では、組合せA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−EおよびC−Fが具体的に企図されており、またA、BおよびC、D、EおよびF、ならびに組合せの例A−Dの開示から開示されているものと考えるべきである。同様に、これらの任意の一部または組合せも、具体的に企図され開示されている。したがって、たとえば、A−E、B−FおよびC−Eの部分群が具体的に企図されており、またA、BおよびC、D、EおよびF、ならびに組合せの例A−Dの開示から開示されているものと考えるべきである。この概念は、本開示のすべての態様に当てはまり、これらの態様には、開示の組成物を作製し使用する方法における工程が含まれるが、これらの工程に限定されない。したがって、実行することができる様々な追加の工程がある場合、これら追加の工程の各々を、開示の方法の態様のうちの任意の具体的な態様または開示の方法の態様の任意の具体的な組合せにより実行することができ、またこのような組合せ各々が具体的に企図されており、開示されているものと考えるべきであることが理解される。
【0025】
食料品
1つまたは複数のデリバリーデバイスを含む食料品が本明細書中に開示されている。本明細書中でさらに十分に説明するデリバリーデバイスは、食料品を食べる/飲む際に対象に送達するべき充填物質を含むことができる。開示の食料品は、対象が消費する(たとえば、食べる、飲むまたは摂取する)ことができる任意の食料品でよい。たとえば、食料品は、農業用動物、ペットおよび動物園の動物によって消費される食料/飲料を含む、食用および飼料用の組成物でよい。食料品は口当たりが良く人気のある食料品であることが望ましいことがある。広く受け入れられている食料品を用いることによって、充填物質についての食事療法または用法用量のコンプライアンスを向上させることができる。
【0026】
食料品(すなわち、食用の食料もしくは飲料またはこれらの前駆体)を調製し販売する当業者は、食料品の多種多様なクラス(class)、サブクラス(subclass)および種類を十分承知しており、それら食料品のバリエーションを調製し販売しようと努力しながらも、認識されている周知の専門用語を利用してそれら食料品について言及する。このような専門用語のリストを以下に列挙し、それにより、本明細書中に開示されている様々なデリバリーデバイスを使用して、本明細書中に記載されているような食料品中にまたは食料品上にデリバリーデバイスを単独で、またはそのあらゆる合理的な組合せもしくは混合物で組み込むことのいずれかによって、対象に充填物質を送達することができることが本明細書により具体的に考慮される。
【0027】
1種または複数種の菓子類、チョコレート菓子、タブレット、カウントライン(countlines)、袋入りセルフライン(selfline)/ソフトライン(softline)、箱入り詰合せ、標準的な箱入り詰合せ、ねじり包装ミニチュア、季節のチョコレート、おもちゃ付きチョコレート、アルファジョア(alfajore)、他のチョコレート菓子、ミント、標準的なミント、パワーミント、茹で菓子(boiled sweet)、トローチ、ガム、ゼリー、およびチュー(chew)、タフィー、キャラメルおよびヌガー、薬用菓子、ロリポップ、甘草、他の砂糖菓子、ガム、チューインガム、砂糖入りガム、砂糖なしガム、機能的ガム、風船ガム、パン、包装された/工場製パン、非包装/職人製パン、ペーストリー、ケーキ、包装された/工場製ケーキ、非包装/職人製ケーキ、クッキー、チョコレートコートされたビスケット、サンドビスケット、充填ビスケット、甘くないビスケットおよびクラッカー、パン代替物、朝食シリアル、RTE(ready−to−eat)シリアル、家族用朝食シリアル、フレーク、ミューズリ、他のRTEシリアル、子供用朝食シリアル、ホットシリアル、甘味および甘くないスナック、フルーツスナック、チップ/クリスプ、押出しスナック、トルティーヤ/コーンチップ、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、他の甘味および甘くないスナック、スナックバー、グラノーラバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、他のスナックバー、食物代替製品、スリミング用製品、病後用飲料、インスタント食品、缶詰インスタント食品、冷凍インスタント食品、乾燥インスタント食品、冷蔵インスタント食品、ディナーミックス、デザートミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶詰スープ、脱水スープ、インスタントスープ、冷蔵スープ、冷凍スープ、パスタ、缶詰パスタ、乾燥パスタ、冷蔵/生パスタ、麺、プレーンな麺、インスタント麺、冷凍麺、カップ/ボウル入りインスタント麺、袋入りインスタント麺、冷蔵麺、スナック麺、缶詰食品、缶詰肉および肉製品、缶詰魚/魚介類、缶詰野菜、缶詰トマト、缶詰豆、缶詰果物、缶詰インスタント食品、缶詰パスタ、他の缶詰食品、冷凍食品、冷凍加工赤肉、冷凍加工鶏肉、冷凍加工魚/魚介類、冷凍加工野菜、冷凍肉置換物、冷凍ポテト、オーブンで焼いたポテトチップ、他のオーブンで焼いたポテト製品、オーブンで焼いていない冷凍ポテト、冷凍ベーカリー製品、冷凍デザート、他の冷凍食品、乾燥食品、冷蔵加工肉、冷蔵魚/魚介類製品、冷蔵加工魚、冷蔵のコーティングされた魚、冷蔵燻製魚、冷蔵ランチキット、冷蔵/生パスタ、冷蔵麺、油脂、オリーブオイル、野菜油および種油、調理用油脂、バター、マーガリン、スプレッド油脂、機能性スプレッド油脂、ソース、ドレッシングおよび調味料、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ストックキューブ、グレービー顆粒、液体ストックおよびフォンデュ、ハーブおよびスパイス、発酵ソース、大豆ベースのソース、パスタソース、湿性ソース、乾燥ソース/粉末ミックス、ケチャップ、マヨネーズ、通常のマヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、通常のサラダドレッシング、低脂肪サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、酢漬け製品、他のソース、ドレッシングおよび調味料、スプレッド、ジャムおよびプレザーブ、蜂蜜、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、ならびに酵母ベースのスプレッド。
【0028】
適切な食料品の他の一部の具体例には、果物、野菜、肉、穀類、でんぷん食品、甘い物(ハードキャンディ、ソフトキャンディ、ゼリー、ジャム、キャンディバー等)などの菓子類、チューインガム、焼き菓子類または型菓子類(クッキー、ビスケット類)、蒸し菓子類、カカオまたはカカオ製品(チョコレートおよびココア)、冷凍菓子類(アイスクリーム、氷菓子等)、飲料(フルーツジュース、清涼飲料、炭酸飲料、健康飲料)、健康バーまたは栄養バー、焼いた食品、パスタ、乳製品、チーズ製品、卵製品、調味料、スープミックス、スナック食品、ナッツ製品、植物性タンパク質製品、家禽肉製品、グラニュー糖(たとえば、ホワイトまたはブラウン)、ソース、グレービー、シロップ、乾燥飲料粉末、魚製品またはペットフードが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、適切な食料品が、パン、トルティーヤ、シリアル、ソーセージ、チキン、アイスクリーム、ヨーグルト、牛乳、サラダドレッシング、米ぬか、フルーツジュース、乾燥飲料粉末、ロールパン、クッキー、クラッカー、フルーツパイまたはケーキを含むことができるが、これらに限定されない。一部の特定の例では、食料品はチップ(ポテトチップ、コーンチップ、トルティーヤチップ等)、プレッツェル、クラッカー等でよい。さらに他の例では、食料品が冷凍食品(たとえば、冷凍野菜)を含むことができる。さらなる例では、食料品が、たとえばもちやポップコーンなど、塩味で甘くないスナック食品である。
【0029】
本明細書中に開示されているようなデリバリーデバイスを含むことができる食料品のさらなる例は、湿性スープカテゴリー、脱水および調理された食品カテゴリー、飲料カテゴリー、冷凍食品カテゴリー、スナック食品カテゴリー、ならびに調味料または調味料ブレンドにあってよい。
【0030】
「湿性スープカテゴリー」とは、濃度または容器にかかわらず、冷凍スープを含む湿性/液体スープを意味する。この定義のため、スープとは、液体中で調理される肉、鶏肉、魚、野菜、穀物、果物および他の材料から調製される食品を意味し、これら材料の一部またはすべての目に見える断片を含むことができる。このスープは、澄んでいても(ブロスとしての)または濃厚であっても(チャウダーとしての)よく、滑らかであっても、ピューレ仕立てであっても、または具が入っていてもよく、インスタントであっても、半濃縮であっても、または濃縮されていてよく、また食事の前菜としてもしくは主菜として、または間食として(飲料のようにすする)、温かくまたは冷たく給仕することができる。スープは、他の食事成分を調製するための材料としてとして使用することができ、ブロス(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズベースのスープ)までの範囲に及ぶことができる。
【0031】
「脱水および調理された食品カテゴリー」とは、(i)最終製品として別個に販売される、あるいは製品、ソースおよび調理ミックス中の材料として販売される(技術にかかわらず)粉末、顆粒、ペースト、固形キューブの、タブレットのまたは粉末状もしくは顆粒状の濃縮ブイヨン、ブイヨンおよびブイヨン様製品を含めた濃縮液状製品などの調理補助製品と、(ii)脱水スープミックス、脱水インスタントスープ、脱水され調理用に準備されたスープを含める脱水および凍結乾燥スープ、パスタ料理、ポテト料理および米料理を含めた脱水または常温調製の既成の料理、食事および単独で給仕されるアントレなどのミールソリューション製品と、(iii)脱水されているか、液体であるかまたは凍結されているかにかかわらず、最終製品としてまたは製品中の材料として販売される、サラダ用調理ミックスを含めた、調味料、マリネ、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン粉づけ、バターミックス、保存安定スプレッド、バーベキューソース、液体調理ミックス、濃縮物、ソースもしくはソースミックスなどの食事に添える製品とを意味する。
【0032】
「飲料カテゴリー」とは、飲料、飲料ミックスおよび濃縮物を意味し、アルコールおよびノンアルコール飲料、すぐに飲める乾燥粉末飲料、炭酸および非炭酸飲料、たとえば、ソーダ、フルーツまたは野菜ジュースを含むが、これらに限定されない。
【0033】
均質化配合物
均質化配合物を調製するための方法も、本明細書中に開示されている。これらの方法は、1つまたは複数のデリバリーデバイス(たとえば、マイクロカプセル)を含む均質化前組成物を提供すること、ならびにこの組成物を均質化することを含む。これらの方法では、均質化の前にデリバリーデバイスが均質化前組成物中に存在する。したがって、均質化前組成物を本明細書中に開示されているように均質化する場合、デリバリーデバイスが均質化プロセス時に存在し、均質化プロセスを受ける。さらに、本明細書中に開示の多くの例では、均質化配合物がさらに加工される(たとえば、低温殺菌される/滅菌される)。したがって、開示の均質化配合物は、低温殺菌または滅菌された配合物であってもよい。多くの例において、開示の均質化配合物は、本明細書中に開示の食料品の多くに組み込む(たとえば、調製するために使用する)ことができる。たとえば、食料品と均質化配合物の組合せが本明細書中に開示されている。
【0034】
開示の均質化配合物では、均質化配合物中のデリバリーデバイスの量は、均質化前組成物中のデリバリーデバイスの量の少なくとも50%でよい。他の例では、均質化配合物中のデリバリーデバイスの量は、均質化前組成物中のデリバリーデバイスの量の少なくとも約55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98または99%でよく、上記値のいずれも、範囲の上端点または下端点を形成することができる。開示の均質化配合物および均質化前組成物中のデリバリーデバイスの量は、当技術分野で公知の方法によって決定することができる(たとえば、本明細書中に開示の実施例を参照のこと)。
【0035】
開示の均質化配合物および方法は、多くの既存の組成物に対していくつかの利点を有する。たとえば、「粗(crude)」出発材料中にデリバリーデバイスが存在することによって(すなわち、均質化の前に、また場合によっては、低温殺菌や滅菌などの他の加工技法の前に)、プラントの既存の加工の流れを使用することができ、したがって、低温殺菌が均質化直前または均質化直後に行われる大部分の既存の設計に対するコストのかかる変更を回避することができる。別の利点は、デリバリーデバイスが均質化プロセスを受けることである(また、他の例では、低温殺菌および滅菌プロセスも同様に)。これにより、デリバリーデバイス(または他の添加剤)が低温殺菌/滅菌後に添加され、通常製品を再度低温殺菌または滅菌することが必要となる方法を取り巻く規制問題を回避することができる。
【0036】
本明細書中に開示されているいくつかの均質化配合物(たとえば、乳製品配合物)および方法のさらなる利点には、デリバリーデバイスが均質化後に添加され、したがって均質化されていない配合物に比べて、均質化配合物中のデリバリーデバイスの粒径分布が狭いことを含めることができる。また、通常乳製品に行われるように均質化配合物が低温殺菌されると、乳タンパク質は低温殺菌時にデリバリーデバイスの外側シェルの周りに会合することができる。会合の程度および量は、低温殺菌の時間および温度に依存すると考えられている。乳タンパク質(たとえば、乳漿タンパクおよびカゼイン)の会合は、配合物の風味を向上させることができる。というのは、このようなタンパク質は、ある種の風味および臭気の優れた吸着体であることが知られているからである。また、関連する乳タンパク質は、デリバリーデバイスおよびそれらの中身をさらに安定させることができる。
【0037】
開示の方法では、均質化前組成物は、均質化しようとする任意の流体でよい。したがって、開示の方法は、特定の均質化前組成物によって何ら限定されるものではない。たとえば、均質化前組成物は、均質化しようとする任意の食用製品、化粧品、医薬品、栄養製品または医療製品でよい。いくつかの特定の例では、均質化前組成物が乳製品(たとえば、牛乳)であってもよい。
【0038】
適切な均質化前組成物がすでに1回または複数回前もって均質化されていることがあると理解される。これらの組成物を少なくとももう一度均質化しようとする限り、それら組成物は開示の方法にとって受け入れ可能な均質化前組成物である。
【0039】
均質化前組成物は、低温殺菌してもしなくてもよい。たとえば、低温殺菌されてはいるがさらに均質化しなければならない乳組成物は、適切な均質化前組成物である。また、さらに均質化または低温殺菌しなければならない(任意の順序で)乳組成物も、適切な均質化前組成物である。
【0040】
開示の均質化前組成物、ならびに得られる均質化配合物およびそれらから提供される食料品は、本明細書に記載されているような1つまたは複数のデリバリーデバイスを含むことができる。一部の例では、開示の均質化前組成物および得られる均質化配合物が、同じタイプのデリバリーデバイスを含むことができ、他の例では、異なるタイプのデリバリーデバイス(たとえば、異なる充填物質を含むマイクロカプセル)を含むことができる。
【0041】
本明細書中に開示の均質化配合物の一部の具体例は、マイクロカプセル1グラム当たり約130mgのDHAを有するマイクロカプセル(たとえば、充填物質がマグロおよび/またはカツオから得られる5:25油を含むマイクロカプセル)を含み、これらのマイクロカプセルの外側シェルが豚ゼラチンまたは魚ゼラチンを含む。別の具体例では、本明細書中に開示されている均質化配合物が、マイクロカプセル1グラム当たり約150mgのDHAまたはEPAを有するマイクロカプセル(たとえば、充填物質がイワシおよび/またはアンチョビから得られる18:12油を含むマイクロカプセル)を含み、これらのマイクロカプセルの外側シェルが豚ゼラチンまたは魚ゼラチンを含む。これらの配合物のいずれかが、たとえば、特殊調整粉乳、牛乳、またはヨーグルト配合物であってもよい。
【0042】
開示のデリバリーデバイスのいずれかを、開示の均質化前組成物のいずれかに添加することができる。特定の添加方法は、特定の均質化前組成物、特定のデリバリーデバイス、その最終用途と調製方法および調製装置とを含めた均質化組成物、ならびに好みに依存することになる。開示の方法は、均質化前組成物にマイクロカプセルを添加する任意の特定の方法によって限定されるものではない。一部の例では、デリバリーデバイスを、均質化前組成物に手動で添加するまたは注ぐ(あるいは、再度均質化しようとする均質化組成物に添加する)。他の例では、デリバリーデバイスまたはこれらの溶液を、均質化前組成物にポンプで注入する、またはホッパーにより添加することができる。均質化前組成物にデリバリーデバイスを添加する他の適切な方法は、当技術分野で公知である。さらに、均質化前組成物にデリバリーデバイスを十分に組み込むために、混合することが望ましいこともある。このような混合は、機械的撹拌機、磁気撹拌機、シェーカー、バブリングガス、音波処理(sonication)、ボルテックス(vortexing)など、当技術分野で公知の方法によって実現することもできるが、これらの方法に限定されない。
【0043】
均質化前組成物中に存在することができるデリバリーデバイスの特定の量は、好みおよび均質化配合物の特定の最終用途に依存することになる。たとえば、本明細書中に開示されている均質化配合物において特定の量のデリバリーデバイスが望まれるまたは必要とされる場合、ほぼ同じ量が均質化前組成物中に存在することも、またはほぼ同じ量を均質化前組成物に添加することもできる。均質化乳配合物中のデリバリーデバイスの量の具体例は、たとえば、全組成物の約0.005重量%〜約25重量%、約0.01重量%〜約20重量%、約0.05重量%〜約18重量%、約0.1重量%〜約16重量%、約1重量%〜約10重量%でよい。他の例は、全組成物の約0.005重量%〜約5重量%、約0.01重量%〜約5重量%または約0.1重量%〜約5重量%のデリバリーデバイスを含有する配合物を含むことができる。さらに他の例では、開示の均質化配合物が、全組成物の0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25重量%のデリバリーデバイスを含むことができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。
【0044】
開示の方法では、均質化前組成物を均質化する。当技術分野で公知の任意の均質化技法および均質化装置を、開示の方法において使用することができる。このような均質化技法および均質化装置は、たとえば、食品産業、乳製品産業、医薬産業、化粧品産業、香料産業において一般に使用されている。多くの適切なホモジナイザーが市販されている。均質化は、流体を均質化するための音波処理、圧力および/または機械デバイスの使用を含むことができる。たとえば、この均質化は、一段階均質化、多工程または多段階均質化(たとえば、二段階均質化)、高圧均質化(たとえば、一段階または多段階高圧均質化)、超高圧均質化、回転子−固定子均質化、ブレード均質化等でよい。
【0045】
一部の例では、この均質化工程は、約200〜約15,000psi、約500〜約12,000psi、約1,000〜約9,000psiまたは約3,000〜約6,000psiの圧力で作動する圧力ベースの均質化技法でよい。さらに他の例では、均質化工程を、200、500、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10000、10500、11000、11500、または12000、12500、13000、13500、14000、14500、15000で行うことができ、上記値のいずれも、上端点または下端点を形成することができる。これらの圧力の組合せを含むこれらの圧力のいずれかにおける複数のパスの均質化を使用することができることがさらに考えられる。
【0046】
均質化の後、開示の均質化配合物をさらに加工することができる。たとえば、均質化配合物を滅菌するまたは低温殺菌することができる。典型的な低温殺菌条件の例は、高温短時間低温殺菌(HTST)、超殺菌(UP)および超高温(UHT)殺菌である。均質化の後、たとえば、添加剤の添加、最終製品へのさらなる配合、パッケージ化、噴霧乾燥等によって均質化配合物をさらに加工することもできる。一部の例では、均質化配合物を蒸気噴射することができる。蒸気噴射は、乳製品産業において時々使用される公知の技法である。一般には、低温殺菌時に水分を飛ばしたときに生成される臭気を取り除くために、牛乳に蒸気を噴射する。このプロセスは通常、UHT低温殺菌される牛乳に使用される。
【0047】
1つまたは複数のマイクロカプセルを含む均質化前組成物を、均質化の前に加工することも考えられる。たとえば、1つまたは複数のマイクロカプセルを含むこのような均質化前組成物をまず滅菌または低温殺菌し、次いで均質化することができる。同様に、1つまたは複数のマイクロカプセルを含む均質化前組成物に、均質化の前に他の加工工程を施すことができる(たとえば、添加剤の添加等)。
【0048】
開示の均質化配合物には多くの様々な用途がある。均質化流体の任意の現行の用途が、開示の均質化配合物に適していることもある。食用配合物では、本明細書中に開示されている均質化前組成物は、一般に経口摂取することができ、経口投与に適した任意の形であってよい。たとえば、均質化配合物を噴霧乾燥し、その後タブレットに成形するまたは小袋(sachet)で提供することができる。あるいは、ジェルキャップ、カプセル、液体、シロップ、軟膏、ローション、クリーム、ゲルまたはドロップに均質化配合物を組み込むこともできる。
【0049】
所与の個体に推奨される食事摂取量に基づき、人間または動物向けに均質化配合物を設計することもできる。このような検討は一般に、上述のような種、年齢、性別など様々な因子に基づいている。これらの因子は既知である、または当業者によって決定することができる。一例では、家畜類(たとえば、豚、鶏、牛、ヤギ、馬等)や家庭用ペット(たとえば、猫、犬、鳥等)などの動物用の飼料の成分として、開示の配合物を使用することができるが、これらの動物に限定されない。
【0050】
開示の均質化配合物は、本明細書中に開示されているマイクロカプセルに加えて、追加のキャリア、ならびに香味料、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、防腐剤、界面活性剤、乳化剤、分散助剤、結合剤等を含むこともできる。
【0051】
本明細書中に開示されている方法によって調製することができる均質化配合物またはそれらから得られる製品の他の例には、新鮮/低温殺菌乳、全脂肪新鮮/低温殺菌乳、半脱脂新鮮/低温殺菌乳、長期保存/UHT乳、全脂肪長期保存/UHT乳、半脱脂長期保存/UHT乳、無脂肪長期保存/UHT乳、ヤギ乳、濃縮(condensed/evaporated)乳、プレーン濃縮(condensed/evaporated)乳、風味付濃縮乳、機能性濃縮乳および他の濃縮乳、風味付乳飲料、乳製品のみの風味付乳飲料、フルーツジュース入り風味付乳飲料、豆乳、酸乳飲料、発酵乳飲料、コーヒーミルク(coffee whitener)、粉乳、風味付粉乳飲料、クリーム、チーズ、プロセスチーズ、スプレッドプロセスチーズ、非スプレッドプロセスチーズ、非加工チーズ、スプレッド非加工チーズ、硬質チーズ、包装された硬質チーズ、非包装硬質チーズ、ヨーグルト、プレーン/ナチュラルヨーグルト、風味付ヨーグルト、フルーツヨーグルト、共生細菌(probiotic)ヨーグルト、飲用ヨーグルト、通常の飲用ヨーグルト、共生細菌飲用ヨーグルト、冷蔵スナック、フロマージュフレおよびクアルク、プレーンフロマージュフレおよびクアルク、風味付フロマージュフレおよびクアルク、ならびにカイフェ(kifer)が含まれる。
【0052】
あるいは、開示の均質化配合物を、粉末状(たとえば、噴霧乾燥または脱水により)に調製し、小袋やシェーカーなどの品目内に含ませることができ、これらの品目は、開示の組成物を食料および飲料上にまたは食料および飲料中に注ぐまたは振りかけるために使用することができる。さらに他の例には、焼いた食品(たとえば、パン、ロールパン、クッキー、クラッカー、フルーツパイまたはケーキ)、パスタ、調味料、サラダドレッシング、スープミックス、スナック食品、加工フルーツジュース、ソース、グレービー、シロップ、飲料、乾燥飲料粉末、ジャムまたはゼリー、あるいは本明細書中に開示されているような均質化配合物を用いて調製されたペットフードが含まれる。
【0053】
デリバリーデバイス
開示の食料品および方法において使用することができるデリバリーデバイスの例には、マイクロカプセル、マイクロスフェア、ナノスフェアまたはナノ粒子、リポソーム、ニオソーム、エマルジョンあるいは粉末が含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
本明細書中でさらに十分に説明するような充填物質を、リポソームに組み込むことができる。当技術分野で公知のとおり、リポソームは一般にリン脂質または他の脂質物質から得られる。リポソームは、水性媒体中に分散した単一膜または多重膜水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができる任意の無毒で生理的に受け入れ可能な代謝性の脂質も使用することができる。リポソームは、安定剤、防腐剤、賦形剤等を含有することができる。適切な脂質の例は、天然および合成のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は、当技術分野で公知である。たとえば、リポソームおよびその調製の教示について参照により本明細書中に組み込まれる、Prescott編集、Methods in Cell Biology、第14巻、Academic Press、New York、33頁以降、1976年を参照のこと。他の例では、リポソームはカチオン性リポソーム(たとえば、DOTMA、DOPE、DCコレステロール)であっても、アニオン性リポソームであってもよい。
【0055】
本明細書中に記載されているように、ニオソームは、本明細書中に開示されているような充填物質を送達するために使用することができるデリバリーデバイスである。ニオソームは、非イオン性界面活性剤を含む多重膜または単一膜ベシクルである。
【0056】
本明細書中に記載されているような固体脂質ナノ粒子は、本明細書中に開示されているような充填物質を送達するために使用することができる他のデリバリーデバイスである。固体脂質ナノ粒子は、水性界面活性剤溶液中に分散しているナノ粒子である。それら固体脂質ナノ粒子は、リン脂質の単分子層を有する疎水性固体コアで構成され、通常に高圧均質化技法よって調製される。
【0057】
マイクロカプセル
本明細書に記載されているようなマイクロカプセルは、本明細書中に開示されているような開示の食料品および方法において使用することができるデリバリーデバイスのさらなる例である。リポソームのデリバリーシステムとは対照的に、マイクロカプセル(マイクロスフェアを含む)は通常水性コアを有することはないが、固体ポリマーマトリックスまたは膜を有する。これらのデリバリーデバイスは、ポリマー沈殿の制御、可溶性ポリマーの化学架橋、および2つのモノマーの界面重合あるいは高圧均質化技法によって得られる。カプセル化した化合物(すなわち、充填物質)は、浸食または粒子からの拡散によって、貯蔵所(depot)から徐々に放出される。リュープリンおよびトリプトレリンのようなLHRH作動薬など、短時間作用型ペプチド類の成功した配合物が開発されている。ポリ(ラクチドコグリコリド)(PLGA)マイクロスフェアが、進行したサジダ癌、子宮内膜症および他のホルモン反応性疾患の治療において、月1回および3ヶ月に1回の剤形として現在使用されている。ロイプロリド、LHRH超作動薬(superagonist)は、溶媒抽出/蒸発法を用いて、様々なPLGAマトリックスに組み込まれていた。述べたとおり、これらのデリバリーデバイスはすべて、本明細書中に開示されている食料品および方法において使用することができる。
【0058】
マイクロカプセルを使用すると、ある種の組成物を酸化および劣化から保護することができ、それにより充填物質を新鮮に保つことができる。また、マイクロカプセルはある種の組成物の不快な臭気または味を隠すことができるため、本明細書中に開示されている食料品および方法は、不快な組成物をデリバリーし補うために特に有用であることがある。さらに、マイクロカプセルを使用すると、そうでなければ補給しにくい様々な充填物質を食料品に添加することが可能となることがある。たとえば、オメガ3脂肪酸は空気中で劣化または酸化することがあり、食品調製技法(たとえば、ベーキング)に敏感であることがある。マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸の使用によって、食品調製時の著しい劣化なしにこれらの組成物を食品に添加することができる。
【0059】
開示の食料品における使用に適しているマイクロカプセルは、蜜ろう、でんぷん、ゼラチン、ポリアクリル酸などのシェル材料の薄いコーティングの内側にある、固体の小さい粒子または液体の液滴と定義される。それらマイクロカプセルは、たとえば、自由に流動する粉末または圧縮固体として液体を調製する、反応性材料を分離する、毒性を低減させる、酸化に対して保護する、および/または酵素、フレーバー、栄養素、薬剤などの物質の放出速度を制御するために使用される。
【0060】
過去50年にわたって、いわゆる「シングルコア」マイクロカプセルに焦点が多く当てられてきた。しかしながら、シングルコアマイクロカプセルの問題の1つは、破壊に対するそれらの脆弱性である。マイクロカプセルの強度を増大させるために、マイクロカプセル壁の厚さを増大させることができる。しかしながら、これにより、マイクロカプセルの充填容量が減少してしまうことがある。別の手法は、いわゆる「マルチコア」マイクロカプセルを作製することである。たとえば、米国特許第5780056号は、シェル材料としてゼラチンを有する「マルチコア」マイクロカプセルを開示している。これらのマイクロカプセルは、ゼラチンが油の「コア」またはカロチノイド粒子の周りで固まるように油またはカロチノイド粒子の水性エマルジョンを噴霧冷却することによって形成される。Yoshidaら(Chemical Abstract 1990:140735または特開平01−148338)は、アラビアゴム溶液にゼラチンとパラフィンろうとのエマルジョンを添加し、次いで界面活性剤と混合して「マルチコア」マイクロカプセルを形成する、マイクロカプセルを製造するための複合コアセルベーション法を開示している。Ijichiら(J.Chem.Eng.Jpn.(1997年)30(5):793−798)は、複合コアセルベーション法を用いてビフェニルの大きい液滴をマイクロカプセル化して、多層マイクロカプセルを形成した。米国特許第4219439号および第4222891号は、感圧コピー用紙および感熱記録紙で使用するための、油滴径が約1〜約10μmである平均直径が約3〜約20μmの「多核の」油含有マイクロカプセルを開示している。
【0061】
特に適切なマイクロカプセルには、食料品調製時(食料品のパッケージ化、輸送および保存を含む)の破壊(rupture)に耐性のあるマイクロカプセルが含まれる。一部の例では、マイクロカプセルは、食料品のテクスチャおよび構成を損なわない寸法および稠度(consistency)を有することができる。
【0062】
開示の品目および方法における使用に適したマイクロカプセルは、本明細書中に開示されているような任意のマイクロカプセルであることができる。具体例において、マイクロカプセルは、一次マイクロカプセルの凝集体と、充填物質とを含むことができる。個々の各一次マイクロカプセルは一次シェルを有する。充填物質を一次シェルによってカプセル化し、凝集体を外側シェルによってカプセル化する。これらのマイクロカプセルは、本明細書中で「マルチコアマイクロカプセル」と称される。別の例では、充填物質、一次シェルおよび二次シェルを含むマイクロカプセルが本明細書中に記載されており、一次シェルは充填物質をカプセル化し、二次シェルは組成物および一次シェルをカプセル化する。これらのマイクロカプセルは、明細書中で「シングルコアマイクロカプセル」と称される。別段の記述がない限り、用語「マイクロカプセル」は、マルチコアマイクロカプセル、シングルコアマイクロカプセル、またはマルチコアマイクロカプセルとシングルコアマイクロカプセルとの混合物について言及するために、本明細書中で使用される。少なくともマイクロカプセル、その調製方法および使用方法の開示について、参照によりそれら全体が本明細書中にすべて組み込まれる米国特許第6974592号および第6969530号ならびに米国特許出願公開第2005−0019416号に、特に適切なマイクロカプセルが開示されている。
【0063】
本明細書中に開示されているマイクロカプセルは一般に、高いペイロード(payload)と構造強度とを兼ね備えている。たとえば、開示のマイクロカプセルは、均質化プロセスに耐えられるほど十分に強い。さらに、開示のマイクロカプセル内の充填物質のペイロードは、マイクロカプセルの約20重量%〜約90重量%、約50重量%〜約70重量%、または約60重量%であることができる。他の例では、開示のマイクロカプセルが、マイクロカプセルの約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90重量%含有することができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。
【0064】
マイクロカプセルの外側シェル上に1つまたは複数の追加のシェル層を設置することができることも考えられる。参照によりその全体が組み込まれる国際公開第2004/041251A1号に記載されている技法を使用して、マイクロカプセルに追加のシェル層を加えることができる。
【0065】
いくつかの異なるポリマー類を使用して、シングルコアおよびマルチコアマイクロカプセルのシェル層を生成することができる。たとえば、開示のマイクロカプセルの一次シェルおよび/または外側シェル材料は、界面活性剤、ゼラチン、タンパク質、ポリリン酸塩、多糖またはこれらの混合物を含むことができる。一次シェルおよび/または外側シェルに適した材料のさらなる例には、タイプAゼラチン、タイプBゼラチン、ポリリン酸塩、アラビアゴム、アルギン酸塩、キトサン、カラギナン、ペクチン、でんぷん、加工でんぷん、アルファ−ラクトアルブミン、ベータ−ラクトグロブミン、オボアルブミン、ポリソルビタン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、乳タンパク質、乳漿タンパク、大豆タンパク、カノーラタンパク、アルブミン、キチン、ポリラクチド、ポリ−ラクチド−コグリコリド、誘導体化キチン、ポリ−リシン、コーシャゼラチン、非コーシャゼラチン、ハラールゼラチンおよび非ハラールゼラチンが含まれ、これらの組合せおよび混合物が含まれるが、これらに限定されない。これらのポリマーの誘導体を同様に使用することも考えられる。開示のマイクロカプセルで使用することができる1つの特定タイプの一次シェルおよび/または外側シェル材料は、魚ゼラチンまたは豚ゼラチンである。
【0066】
適切なマイクロカプセルの多くの例において、一次シェルおよび/または外側シェル材料は、約0〜約350のブルーム強度を有することができる。ブルーム強度とは、18時間でゲル化した6.67%の溶液により10℃で形成されたゲルの強度を表す。物質のブルーム強度の決定は、当技術分野で公知の方法によって実現することができる。一次シェルおよび/または外側シェル材料は、約0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349または350のブルーム強度を有することができることが考えられ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。一部の具体例では、一次シェルおよび/または外側シェル材料は約0〜約50のブルーム強度を有することができ、他の例では、一次シェルおよび/または外側シェル材料は約51〜約350のブルーム強度を有することができる。さらに他の具体例には、約0、約210、約220または約240のブルーム強度を有する一次シェルおよび/または外側シェル材料を含むマイクロカプセルが含まれる。一例では、マイクロカプセルは、ブルーム強度が50未満のゼラチンである「低ブルーム」ゼラチンを含まない。
【0067】
シェル材料は、異なるタイプのポリマー成分の混合物からなる2成分系でよい。他の例では、シェル材料は、2種以上のポリマー成分(たとえば、ゼラチンAおよびポリリン酸塩)のコアセルベート錯体でよい。成分AはタイプAゼラチンでよいが、シェル材料向けに上述した他のポリマー類も成分Aとして考えられる。成分Bは、タイプBゼラチン、ポリリン酸塩、アラビアゴム、アルギン酸塩、キトサン、カラギナン、ペクチン、カルボキシメチルセルロースまたはこれらの混合物でよい。この場合もやはり、シェル材料向けに上に開示した他のポリマー類も成分Bとして考えられる。使用する成分A:成分Bのモル比は、成分のタイプに依存するが、通常約1:5〜約15:1である。たとえば、タイプAゼラチンおよびポリリン酸塩を、それぞれ成分AおよびBとして使用する場合、成分A:成分Bのモル比は約8:1〜約12:1でよく、タイプAゼラチンおよびタイプBゼラチンを、それぞれ成分AおよびBとして使用する場合、成分A:成分Bのモル比は約2:1〜約1:2でよく、タイプAゼラチンおよびアルギン酸塩を、それぞれ成分AおよびBとして使用する場合、成分A:成分Bのモル比は約3:1〜約5:1でよい。開示のマイクロカプセルの多くにおいて、一次シェルおよび/または外側シェルがコアセルベート錯体を含むことができる。たとえば、一次シェルおよび/または外側シェルは、ゼラチンとポリリン酸塩とのコアセルベート錯体を含むことができる。
【0068】
開示のマイクロカプセルにおいて、外側シェルは約1μm〜約2,000μm、約20μm〜約1,000μm、または約30μm〜約80μmの平均直径を有することができる。さらなる例では、外側シェルの平均直径は約1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900または2000μmでよく、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。
【0069】
開示のマイクロカプセルの一次シェルは、約40nm〜約10μmまたは約0.1μm〜約5μmの平均直径を有することができる。さらなる例では、一次シェルの平均直径は、約40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μmでよく、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。
【0070】
粒径は、当技術分野で公知の任意の典型的な機器、たとえば、米国フロリダ州マイアミのCoulter LS230粒径分析器を用いて測定することができる。
【0071】
充填物質
開示のデリバリーデバイスにおいて、充填物質は、対象に送達することが望まれる任意の物質であることができる。多くの例において、適切な充填物質は水性混合物に完全には可溶とならない。充填物質は固体、疎水性液体または固体と疎水性液体との混合物でよい。本明細書中の例の多くにおいて、充填物質が長鎖ポリ不飽和脂肪酸を含むことができ、この長鎖ポリ不飽和脂肪酸の具体例は以下に含まれる。さらに、充填物質は、生物活性物質、栄養補給剤などの栄養素、香味物質、オメガ3脂肪酸のようなポリ不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラル、炭水化物、ステロイド、微量元素および/またはタンパク質などを、これらの混合物および組合せを含めて含むことができる。他の例では、充填物質は、微生物油、藻類油(たとえば、Crypthecodinium cohniiなどの渦鞭毛藻からの油)、真菌油(たとえば、Thraustochytrium、Schizochytriumまたはこれらの混合物からの油)および/または植物油(たとえば、亜麻、野菜)を、これらの混合物および組合せを含めて、含むことができる。他の例では、充填物質は、医薬組成物(たとえば、薬剤および/または酵素)あるいはフレーバーであることができる。充填物質が、グリース、油、これらの混合物などの疎水性液体であってもよい。典型的な油は、魚油、植物油(たとえば、カノーラ、オリーブ、コーン、菜種)、鉱油、これらの誘導体またはこれらの混合物でよい。充填物質は、脂肪酸、トリグリセリド、またはこれらの混合物など、精製されたまたは部分的に精製された油性物質を含むことができる。
【0072】
さらに他の例においては、適切な充填物質が、天然魚油、精製魚油、濃縮魚油などの海産油を含むことができる。適切な魚油の例には、大西洋の魚の油、太平洋の魚の油、地中海の魚の油、軽く加圧した魚の油、アルカリで処理した魚の油、加熱処理した魚の油、軽重の茶色い魚の油、カツオ油、ピルチャード油、マグロ油、シーバス油、オヒョウ油、フウライカジキ油、バラクーダ油、タラ油、メンハーデン油、イワシ油、アンチョビ油、カラフトシシャモ油、大西洋タラの油、大西洋ニシンの油、大西洋サバの油、大西洋メンハーデン油、サケ科の魚の油またはサメ油が、これらの混合物および組合せを含めて含まれるが、これらに限定されない。アルカリで処理していない魚の油も適切な充填物質である。ここでの使用に適した他の海産油には、イカ(squid)油、イカ(cuttle fish)油、タコ油、オキアミ油、アザラシ油、鯨油等が、これらの混合物および組合せを含めて含まれるが、これらに限定されない。任意の海産油および海産油の組合せを、開示のデリバリーデバイスにおいて、また開示の食料品および方法において使用することができる。
【0073】
本明細書中に開示されている、微生物油、藻類油、真菌油、植物油および海産油の多くが、オメガ3脂肪酸を含む。そのようなものとして、本明細書中に開示されているいくつかのデリバリーデバイスは、オメガ3脂肪酸、オメガ3脂肪酸のアルキルエステル、オメガ3脂肪酸のトリグリセリドエステル、オメガ3脂肪酸の植物ステロールエステル、ならびに/またはこれらの混合物および組合せを含む充填物質を含有することができる。オメガ3脂肪酸は、その末端としてCH−CH−CH=CH−を含む不飽和脂肪酸である。一般に、オメガ3脂肪酸は以下の式である。
【0074】
【化1】

【0075】
式中、Rは、二重結合を少なくとも1つ含むC〜C40のアルキルまたはアルケニル基であり、RはHまたはアルキル基である。本明細書で使用する用語「アルカン」または「アルキル」は飽和炭化水素基(たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシル等)である。本明細書中で使用する用語「アルケン」または「アルケニル」は、炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ含む炭化水素基である。(AB)C=C(CD)などの非対称構造は、E異性体とZ異性体と(シスおよびトランス)を共に含むものである。さらなる例では、Rは、C〜C38、C〜C36、C〜C34、C10〜C32、C12〜C30、C14〜C28、C16〜C26またはC18〜C24のアルケニル基でよい。さらに別の例では、Rのアルケニル基は、2〜6個、3〜6個、4〜6個または5〜6個の二重結合を有することができる。さらに、Rのアルケニル基は、1個、2個、3個、4個、5個または6個の二重結合を有することができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。
【0076】
開示のデリバリーデバイス中で使用することができる適切な充填物質であるオメガ3脂肪酸の具体例には、α−リノレン酸(18:3ω3)、オクタデカテトラエン酸(18:4ω3)、エイコサペンタエン酸(20:5ω3)(EPA)、エイコサテトラエン酸(20:4ω3)、ヘンイコサペンタエン酸(21:5ω3)、ドコサヘキサエン酸(22:6ω3)(DHA)、ドコサペンタエン酸(22:5ω3)(DPA)が、これらの誘導体および混合物を含めて含まれるが、これらに限定されない。多くのタイプの脂肪酸誘導体が当業者には周知である。適切な誘導体の例は、植物ステロールエステル類、フラノイドエステル類、分岐したまたは分岐していないC〜C30のアルキルエステル類、分岐したまたは分岐していないC〜C30のアルケニルエステル類あるいは分岐したまたは分岐していないC〜C30のシクロアルキルエステル類、特に植物ステロールエステル類やC〜Cのアルキルエステル類などのエステル類である。さらなる例では、充填物質は、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸の植物ステロールエステル、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸のC〜Cのアルキルエステル、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸のトリグリセリドエステル、ならびに/あるいはこれらの混合物でよい。
【0077】
開示のデリバリーデバイス中に存在することができる適切な充填物質の他の例は、少なくとも4個、少なくとも6個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、少なくとも16個、少なくとも18個または少なくとも20個の炭素原子を含む。他の一部の例では、充填物質は約8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、40個、41個、42個、43個、44個または45個の炭素原子を含むことができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。さらに他の例では、充填物質は、ある範囲の炭素原子を有する脂肪酸(その誘導体を含む)の混合物を含むことができる。たとえば、充填物質は、約8個〜約40個、約10個〜約38個、約12個〜約36個、約14個〜約34個、約16個〜約32個、約18個〜約30個、または約20個〜約28個の炭素原子を含むことができる。
【0078】
充填物質のさらなる一部の例は、不飽和結合(すなわち、炭素−炭素二重または三重結合)を少なくとも1つ含むものである。たとえば、充填物質は、少なくとも2個、少なくとも3個少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、または少なくとも8個の炭素−炭素二重結合、三重結合またはこれらの任意の組合せを含むことができる。別の例では、充填物質は1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個または8個の不飽和結合を含むことができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。
【0079】
不飽和脂肪酸である充填物質の一部の具体例を、以下の表に示す。これらの脂肪酸の誘導体も適切であり、したがって本明細書中で考慮される。
【0080】
【表1】

【0081】
少なくとも一対のメチレン中断型不飽和結合を含む不飽和脂肪酸も、適切な充填物質である。「メチレン中断型不飽和結合」とは、ある炭素−炭素二重または三重結合が、少なくとも1つのメチレン基(たとえば、CH)によって別の炭素−炭素二重または三重結合から分離されていることを意味する。このような充填物質の具体例には、9、12、15〜16:3から得られるn−1系、9、12、15〜17:3、15:3、17:3、17:4、20:4から得られるn−2系、9、12、15〜18:3、15:2、15:3、15:4、16:3、16:4、18:3(α−リノレン酸)、18:4、18:5、20:2、20:3、20:4、20:5(EPA)、21:5、22:3、22:5(DPA)、22:6(DHA)、24:3、24:4、24:5、24:6、26:5、26:6、28:7、30:5から得られるn−3系、9、12〜16:2、16:2、16:3、18:2、18:3から得られるn−4系、9、12〜17:2、15:2、17:2、17:3、19:2、19:4、20:3、20:4、21:4、21:5から得られるn−5系、9、12〜18:2、15:2、16:2、18:2(リノール酸)、18:3(γ−リノレン酸)、20:2、20:3、20:4(アラキドン酸)、22:2、22:3、22:4(アドレン酸)、22:5、24:2、24:4、25:2、26:2、30:4から得られるn−6系、9〜16:1、15:2、16:2、17:2、18:2、19:2から得られるn−7系、9〜17:1、15:2、16:2、17:2、18:2、19:2から得られるn−8系、9〜18:1、17:2、18:2、20:2、20:3、22:3、22:4から得られるn−9系、n−11系19:2およびn−12系20:2が含まれるが、これらに限定されない。特定の一具体例では、充填物質がアラキドン酸を含むことができる。
【0082】
上記段落において(全体を通して)、化合物は、まず「n−x系」を参照することによって識別される。ここで、xは、最初の二重結合が始まる脂肪酸における位置である。この番号付けスキーム(numbering scheme)は、脂肪酸の末端から始まり、ここで、たとえば、末端CH基は位置1に指定される。このような意味において、n−3系は上述のようにオメガ3脂肪酸となるはずである。次の数字は、脂肪酸中の炭素原子の総数を識別する。コロンの後にある3番目の数字は、脂肪酸中の二重結合の総数を指定する。よって、たとえば、n−1系において、16:3は、各々がメチレンによって分離されている3つの二重結合を有する炭素数16の長い脂肪酸を指し、最初の二重結合は位置1、すなわち脂肪酸の末端から始まる。別の例では、n−6系において、18:3は、位置6、すなわち脂肪酸の末端から数えて6番目の炭素から始まる3個のメチレンによって分離されている二重結合を有する炭素数18の長い脂肪酸を指すなどである。
【0083】
少なくとも一対のメチレン中断型不飽和結合を含む充填物質のさらなる例を表2に示す。
【0084】
【表2】

【0085】
共役不飽和結合を含む適切な充填物質の具体例には、表3のものが含まれるが、これらに限定されない。「共役不飽和結合」とは、少なくとも一組の炭素−炭素二重および/または三重結合が、それらの間にメチレン(CH)基なしで互いに結合していることを意味する(たとえば、−CH=CH−CH=CH−)。
【0086】
【表3】

【0087】
適切な充填物質の上記の例において、開示の充填物質の誘導体を使用することもできる。「誘導体」とは、脂肪酸のエステル(たとえば、メチルエステルおよびエチルエステル)、脂肪酸の塩(たとえば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、ならびにトリグリセリド類、ジグリセリド類およびモノグリセリド類、ステロールエステル類、酸化防止剤−油共役(たとえば、パルミチン酸アスコルビル)、ならびにフラノイド脂肪酸誘導体などの天然誘導体を意味する。
【0088】
本明細書中に開示されている充填物質は、原油、半精製油(脱酸油とも呼ばれる)、または本明細書中に開示されているこのような源からの精製油であってもよい。さらに、開示の組成物および方法では、再エステル化トリグリセリド類を含む油類を使用することができる。
【0089】
開示の充填物質のうち1種または複数種を使用することができることが本明細書では考えられる。たとえば、開示のデリバリーデバイスは、2種以上の異なる充填物質を含むことができる。さらに、充填物質は、マイクロカプセルの約1重量%〜約50重量%の量で存在することができる。具体例においては、充填物質は、マイクロカプセルの約1重量%〜約40重量%、約1重量%〜約30重量%、約1重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%、または約1重量%〜約10重量%の量で存在することができる。
【0090】
一例では、充填物質は共役脂肪酸ではない。共役脂肪酸は、金属(たとえば、クロム)や補因子(CoQ10)など別の化学的部分と対になっている(たとえば、結合している)脂肪酸である。
【0091】
一例では、充填物質は酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤の適切な例には、フェノール化合物、植物抽出物または硫黄含有化合物を含めることができるが、これらに限定されない。本明細書に開示されているいくつかの例では、酸化防止剤はアスコルビン酸、またはその塩、たとえば、アスコルビン酸ナトリウムでよい。他の例では、酸化防止剤はクエン酸またはその塩でよい。さらに他の例では、酸化防止剤は、ビタミンE、CoQ10、トコフェロール類、アスコルビル脂肪酸エステル類(たとえば、パルミチン酸アスコルビル)などより極性のある酸化防止剤の脂溶性誘導体、植物抽出物(たとえば、ローズマリー油、セージ油およびオレガノ油)、藻類抽出物、ならびに合成酸化防止剤(たとえば、BHT、TBHQ、エトキシキン、アルキルガレート類、ハイドロキノン類、トコトリエノール類)でよい。
【0092】
開示の充填物質は、ビタミン類、他の微量元素、ミネラルなど他の栄養素を含むこともできる。さらに、これらの充填物質は、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散助剤、結合剤など他の成分を、これらの任意の混合物を含めて含むことができる。
【0093】
具体例
適切なデリバリーデバイスの具体例には、シェル材料のいずれかと、本明細書中に開示されている充填物質のいずれかとを含むマイクロカプセルが含まれる。一部の具体例には、シェル材料がコアセルベート錯体、たとえば、ゼラチンとポリリン酸塩とのコアセルベートであるマイクロカプセルが含まれるが、これらに限定されない。シェル材料は、いくつかの例において、約0〜約50のブルーム強度を有するゼラチンを含むことができる。使用することができる充填物質は、多くの例において、海産油(たとえば、魚油および藻類油)を含むことができる。EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸を含む充填物質が望ましいこともある。さらに、モノグリセリド類、ジグリセリド類、トリグリセリド類、アルキルエステル類、ステロールエステル類、抗酸化エステル類(たとえば、アスコルビルエステルおよびシトリルエステル)、フラノイドエステルなど、オメガ3脂肪酸の誘導体が適切な充填物質であることもある。
【0094】
一部の特に適切なマイクロカプセルには、魚油を含有するマイクロカプセルが含まれる。このような魚油の例には、イワシ、アンチョビ、カツオおよび/またはマグロの油が含まれるが、これらに限定されない。油中に見られるEPAとDHAとの、またはこれらの誘導体の近似比率によって、本明細書中では魚油を参照することもできる。たとえば、18:12油は一般に、EPA対DHA(または、たとえば、それらのトリグリセリドエステル)の比が約18:12である。同様に、5:25油は一般に、EPA対DHAの比が約5:25である。これらの油のいずれも、魚ゼラチンまたは豚ゼラチンを含むコアセルベート錯体内にカプセル化することができる。このようなマイクロカプセルは、一般に安全と見なされているものでも(GRAS)、コーシャおよび/またはハラールであってもよい。また、このようなマイクロカプセルは、粉末1グラム当たり少なくとも約130mgのDHAを、あるいは少なくとも約150mgのEPAおよびDHAを有することができる。さらに、アスコルビン酸、クエン酸および/またはリン酸(あるいはこれらの塩)などの酸化防止剤が、このようなマイクロカプセル内に存在していてもよい。
【0095】
本明細書に開示されている食料品の一部の具体例は、マイクロカプセル1グラム当たり約130mgのDHAを有するマイクロカプセル(たとえば、充填物質がマグロおよび/またはカツオから得られる5:25油を含むマイクロカプセル)を含み、これらのマイクロカプセルの外側シェルが豚ゼラチンまたは魚ゼラチンを含む。別の具体例では、本明細書に開示されている食料品が、マイクロカプセル1グラム当たり約150mgのDHAおよびEPAを有するマイクロカプセル(たとえば、充填物質がイワシおよび/またはアンチョビから得られる18:12油を含むマイクロカプセル)を含むことができ、これらのマイクロカプセルの外側シェルが豚ゼラチンまたは魚ゼラチンを含む。
【0096】
一例では、充填物質は共役脂肪酸ではない。別の例では、マイクロカプセルは低ブルームゼラチンを含まない。
【0097】
マイクロカプセルを作製する方法
本明細書中に開示されている方法によって調製されるマイクロカプセルは通常、開示の食料品および方法に適したペイロードと構造強度とを兼ね備えている。一例では、参照によりそれら全体が組み込まれる米国特許第6974592号および第6969530号に開示されている方法を使用して、本明細書中に開示されている食料品に組み込むことができるマイクロカプセルを調製することができる。シングルコアまたはマルチコアマイクロカプセルの外側シェル上に1つまたは複数の追加のシェル層を配置することも考えられる。一例では、参照によりその全体が組み込まれる国際公開第2004/041251号に記載されている技法を使用して、シングルコアまたはマルチコアマイクロカプセルに追加のシェル層を加えることができる。
【0098】
一般に、第1のポリマー成分および充填物質を含むエマルジョンを提供すること、エマルジョンに第2のポリマー成分を添加すること、pH、温度、濃度、混合速度またはこれらの組合せを調整して、第1および第2のポリマー成分を含み、かつ充填物質を取り囲む一次シェル材料を含む水性混合物を形成すること、一次シェル材料が凝集体を形成するまで、一次シェル材料のゲル化温度より高い温度に水性混合物を冷却すること、ならびに水性混合物をさらに冷却して、凝集体の周りに外側シェルを形成することを含む方法によって、適切なマイクロカプセルを調製することができる。
【0099】
これらの方法において、第1のポリマー成分および第2のポリマー成分は、本明細書中に記載されている一次シェル材料および外側シェル材料のいずれかと同じでよい。すなわち、第1および第2のポリマー成分は、マイクロカプセルを調製するための開示の方法において一次シェル材料および/または外側シェル材料となることができる。さらに、本明細書中に記載されている充填物質のいずれも、マイクロカプセルを調製するためのこれらの方法において使用することができる。
【0100】
開示の方法では、充填物質と、シェル材料の第1のポリマー成分と、シェル材料の第2のポリマー成分との水溶性混合物を形成する。この水溶性混合物は、機械的混合物、すなわち懸濁液またはエマルジョンであることができる。液体の充填物質、特に疎水性液体を使用する場合、水溶性混合物は充填物質とポリマー成分とのエマルジョンであることができる。別の例では、第1のポリマー成分を、酸化防止剤などの加工助剤と共に水溶液中に提供する。次いで充填物質を、たとえばホモジナイザーを用いることによって水性混合物中に分散させる。充填物質が疎水性液体である場合、第1のポリマー成分の一部分が充填物質の個々の液滴の周りに堆積して一次シェルの形成を始めるエマルジョンが形成される。充填物質が固体粒子である場合、第1のポリマー成分の一部分が個々の粒子の周りに堆積して一次シェルの形成を始める懸濁液が形成される。この時点で、第2のポリマー成分の別の水溶液を水溶性混合物に添加することができる。
【0101】
本明細書中に開示されているマイクロカプセルを調製するための方法において、第1のポリマー成分および充填物質を含むエマルジョンを提供することは、当技術分野で公知の方法および装置、たとえば、均質化および高圧/高せん断ポンプによって実現することができる。たとえば、約1,000〜約15,000rpmで乳化することによって乳化を行うことができる。この乳化工程は、混合物のサンプルを取り出し、顕微鏡法、光散乱、濁度等のような方法でこのサンプルを分析することによって監視することができる。一般に、約1,000、750、500、100または10nm未満の平均液滴径が得られるまで乳化を行うことができる。理論に束縛されることを望むわけではないが、乳化速度を変化させることによってシングルコアまたはマルチコアマイクロカプセルを生成することが可能であると考えられている。たとえば、より遅い乳化速度を使用する場合(たとえば、1,000〜2,000rpm)、充填物質の液滴が単一粒子を形成するほど十分に大きく、これによりカプセル化の際シングルコアマイクロカプセルが生成される。逆に、速い乳化速度を使用する場合(たとえば、5,000〜15,000rpm)、得られる充填物質の液滴は通常小さい(たとえば、1〜10μm)。これらの極めて小さい液滴はより高い表面エネルギーを有することができ、pHおよび/または温度を適宜調製すると容易に凝集体を形成することができる。これによりカプセル化の際マルチコアマイクロカプセルが形成される。粒径は、当技術分野で公知の任意の典型的な機器、たとえば、米国フロリダ州マイアミのCOULTER(商標)LS230粒径分析器を用いて測定することができる。
【0102】
この乳化工程は、室温を超える温度、すなわち、30、40、50、60、70、または80℃を超える温度で行うことができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。具体例には、約30℃〜約60℃または約40℃〜約50℃で混合物を乳化することが含まれる。
【0103】
やはり本明細書中に記載されている酸化防止剤および/または界面活性剤を、水溶性混合物に添加することができることもさらに考えられる。このような酸化防止剤および/または界面活性剤は、エマルジョンが提供される前、提供される間および/または提供された後に添加することができる。
【0104】
水性混合物中に提供されるシェル材料のポリマー成分の量は通常、マイクロカプセルの充填凝集体の一次シェルと外側シェルとを共に形成するのに十分な量である。充填物質は、水溶性混合物の約1重量%〜約15重量%、約3重量%〜約8重量%、または約6重量%の量で提供することができる。
【0105】
pH、温度、濃度、混合速度またはこれらの組合せを調整して、一次シェル材料を含む水溶性混合物を形成することができ、この一次シェル材料は第1および第2のポリマー成分を含み、充填物質を取り囲む。2種類以上のポリマー成分が存在する場合、成分間で錯体のコアセルベーションが起こってコアセルベートを形成し、このコアセルベートは充填物質の周りにさらに堆積してシェル材料の一次シェルを形成する。pH調整は、形成しようとするシェル材料のタイプに依存する。たとえば、3.5〜5.0または4.0〜5.0の値にpHを調整することができる。混合物のpHが所望の範囲内に入り始めている場合には、pH調整は殆どまたは全く必要ない。
【0106】
水溶性混合物の初期温度は、約20℃〜約60℃、または約30℃〜約50℃であることができる。
【0107】
混合は、形成するマイクロカプセルを破壊することのない良好な混合となるように調整することができる。特定の混合パラメータは、使用される機器のタイプに依存する。当技術分野で公知の様々なタイプの混合機器のいずれも使用することができる。一例では、LIGHTNIN A310またはA510などの軸流羽根車を使用することができる。
【0108】
本明細書中に開示されている多くの例において、開示のマイクロカプセルの一次シェルおよび外側シェルがコアセルベート錯体を含むことができる。このコアセルベート錯体は、第1および第2のポリマー成分から形成することができる。たとえば、一次シェルおよび外側シェルは、ゼラチンとポリリン酸塩とのコアセルベート錯体を含むことができる。コアセルベート錯体ならびに一次シェルおよび外側シェル向けに、第1のポリマー成分と第2のポリマー成分とのすべての組合せが本明細書中では考えられる。
【0109】
次いで、冷却速度および混合パラメータの制御下水溶性混合物を冷却して、一次シェルの凝集が一次シェルのカプセル化凝集体を形成することを可能にする。理論に束縛されることを望むわけではないが、これらのカプセル化凝集体はそれら自体が離散粒子である。シェル材料のゲル化温度よりも高い温度でカプセル化凝集体の形成を制御し、より厚い外側シェルを過剰なシェル材料に形成させることが有利となる。この段階で、外側シェルを厚くするために、かつ/または異なる組成の一次シェルおよび外側シェルを有するマイクロカプセルを生成するために、使用するシェル材料と同じまたは異なるさらなるポリマーを添加することも可能である。外側シェルは、一次シェルの凝集体をカプセル化して、マイクロカプセルの剛性カプセル化凝集体を形成する。
【0110】
水溶性混合物の冷却は、当技術分野で公知の方法(たとえば、冷却装置の使用)によって実現することができる。冷却速度は、約1〜約100分当たり約1℃であることができる。たとえば、冷却速度は、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100分当たり約1℃であることができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。具体例では、冷却速度は約1℃/5分であることができる。冷却は、混合物が約5℃〜約10℃、たとえば、約5℃の温度に達するまで行うことができる。
【0111】
シェル材料(たとえば、一次シェルおよび/または外側シェル)には、加工助剤を含めることができる。様々な理由で加工助剤を使用することができる。たとえば、一次マイクロカプセルの凝集を促進するために、エマルジョン系を安定化させるために、外側シェルの特性を向上させるために、マイクロカプセルの寸法を制御するために、かつ/または酸化防止剤として作用するために、加工助剤を使用することができる。一態様では、加工助剤は乳化剤、脂肪酸、脂質、ワックス、微生物細胞(たとえば、酵母細胞株)、粘土、または無機化合物(たとえば、炭酸カルシウム)であることができる。理論に束縛されることを望むわけではないが、これらの加工助剤は、マイクロカプセルのバリア特性を向上させることができる。一態様では、シェル材料に1種または複数種の酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤特性は、プロセス中(たとえば、コアセルベーションおよび/または噴霧乾燥中)にも、形成された後のマイクロカプセル(すなわち、保存期間延長のため等)においても有用である。好ましくは、多くの機能を果たす少数の加工助剤を使用することができる。一態様では、酸化防止剤はフェノール化合物、植物抽出物、または硫黄含有アミノ酸であることができる。一態様では、アスコルビン酸またはクエン酸(あるいは、アスコルビン酸ナトリウムもしくはアスコルビン酸カリウムまたはクエン酸ナトリウムもしくはクエン酸カリウムなどこれらの塩)を使用して、一次マイクロカプセルの凝集を促進し、マイクロカプセル寸法を制御し、かつ酸化防止剤として作用することができる。酸化防止剤は、約100ppm〜約12,000ppmまたは約1,000ppm〜約5,000ppmの量で使用することができる。たとえば金属キレートなど、他の加工助剤を同様に使用することもできる。たとえば、エチレンジアミン四酢酸を使用して金属イオンを結合することができ、これにより充填物質の触媒酸化を低減させることができる。
【0112】
開示のマイクロカプセルでは、シェル材料を架橋させることもできる。したがって、開示の方法は、架橋剤の添加をさらに含むことができる。外側シェル中にも一次シェル中にもあるシェル材料を架橋することによってマイクロカプセルの剛性をさらに増大させるために、また水性媒体にも油性媒体にもシェルが不溶性となるように、架橋剤を添加することができる。一例では、マイクロカプセルの外側シェルを生成した後に架橋剤を添加する。任意の適切な架橋剤を使用することができ、架橋剤の選択は第1および第2のポリマー成分の選択によって異なることがある。別の例では、架橋剤は酵素架橋剤(たとえば、トランスグルタミナーゼ)、アルデヒド類(たとえば、ホルムアルデヒドまたはグルテルアルデヒド)、タンニン酸、ミョウバンまたはこれらの混合物でよい。別の態様では、架橋剤は植物抽出物またはフェノールでよい。1種また複数種の充填物質(たとえば、酸化防止剤)を架橋剤と共に使用することができることも考えられる。生物にデリバリーしようとする配合物中でマイクロカプセルを使用しようとする場合、架橋剤は好ましくは毒性がない、または十分に毒性が低い。使用する架橋剤の量は選択する成分に依存し、多かれ少なかれ所望どおりに構造的剛性を提供するように調整することができる。使用することができる架橋剤の量は、第1のポリマー成分の約0.1重量%〜約5.0重量%、約0.5重量%〜約5.0重量%、約1.0重量%〜約5.0重量%、約2.0重量%〜約4.0重量%、または約2.5重量%の量である。一般に、当業者は、簡単な実験によって任意の所与の場合における所望量を日常的に決定することができる。架橋剤は、プロセスの任意の段階で添加することができるが、通常冷却工程の後に添加することができる。
【0113】
さらに、開示のマイクロカプセルを水で洗浄し、かつ/または乾燥させて、自由に流動する粉末を提供することができる。したがって、マイクロカプセルを調製する開示の方法は、マイクロカプセルの乾燥工程を含むことができる。乾燥は、たとえば、凍結乾燥、エタノールによる乾燥、噴霧乾燥など、当技術分野で公知の多くの方法によって実現することができる。一態様では、マイクロカプセルを乾燥させるために噴霧乾燥を使用することができる。噴霧乾燥技法は、少なくとも噴霧乾燥法についての教示については参照によりその開示が本明細書中に組み込まれる「Spray Drying Handbook」、K.Masters、第5版、Longman Scientific Technical UK、1991年に開示されている。
【0114】
食料品を調製する方法
本明細書中に開示されている食料品は、本明細書中に開示されているようなデリバリーデバイスを含み、デリバリーデバイス内でカプセル化されている充填物質(たとえば、オメガ3脂肪酸)を栄養または医療目的で対象に送達するために使用することができる。一例では、デリバリーデバイスはマイクロカプセルである。本明細書中に開示されているマイクロカプセルは、食品または他の配合物に組み込む間のマイクロカプセル破壊の低減または防止を助ける優れた破壊強度を有する。さらに、マイクロカプセルのシェルは水性媒体にも油性媒体にも不溶性であり、マイクロカプセルの調製中、長期貯蔵中、および/または配合物ビヒクルに、たとえば、食料品にマイクロカプセルを組み込む間の充填物質の酸化および/または劣化の低減または防止を助ける。
【0115】
開示の食料品を調製する特定の方法は、特定の食料品、デリバリーデバイス、充填物質などの因子に依存することになる。一部の例では、食料品を調製する前に、デリバリーデバイス(たとえば、マイクロカプセル)を食料品の成分と混合することができる。このような例には、様々な食料品(たとえば、魚、えび、鶏肉、野菜)のための衣用生地(batter)またはパン粉にデリバリーデバイスを加え、次いで食品を調理することが含まれる。他の例では、食料品を調製した後ではあるが包装する前に、デリバリーデバイスを食料品に添加する(たとえば、接触させる、または注ぐ、または振りかける)ことができる。この方法の典型的な例には、食料品をデリバリーデバイスと接触させることを含む。このような接触工程は、味付け工程と組み合わせることができる。さらに別の例では、食料品とは別にデリバリーデバイスを包装し、(たとえば、マイクロカプセルを調味料パックとして単独で包装する、または他の調味料に混ぜることができ)、次いで消費前に食料品に添加することができる(たとえば、消費者または食品調製員によって)。
【0116】
一例では、デリバリーデバイスを、他の任意選択の調味料と共に、食料品の表面にパルス噴霧するまたはミスト噴霧することができる。あるいは、ドラムがデリバリーデバイスを含むこともでき、食料品をこのドラムに導入しかき混ぜる(たとえば、ドラム内で転がす)ことができる。図1はこの技法の一例を示し、たとえば、調味料とオメガ3脂肪酸を含むデリバリーデバイスとを水平ミキサー1内で混合する。次いで、この混合物を噴霧器2内に設置し、この噴霧器2がドラム3内に存在する食料品4に混合物を適用する。食料品への混合物の均一な分布を確実にするために、食料品に混合物を噴霧する一方でドラム3を回転させることができる。デリバリーデバイスを導入するための適切な装置は、FMC Technologies(チャルフォント、ペンシルベニア州)などの供給者から市販品として得ることができる。
【0117】
開示の食料品と共に使用することができるデリバリーデバイス(したがって充填物質)の量は、食料品のタイプ、充填物質のタイプ、追加の調味料の存在、所望の食事摂取量、好みなどの因子に依存することになる。所与のクラスの充填物質の適切な量については、文献に指針を見いだすことができ、特定の量を決定することは当業者の範囲内である。一般に、所望の量の充填物質を対象に提供することになるが、食料品の味覚およびテクスチャを損なうことはないデリバリーデバイス量を使用することができる。
【0118】
一例では、開示の食料品はスナック食品(たとえば、チップ)およびマイクロカプセルを含む。さらなる例では、食料品がチップで、充填物質がオメガ3脂肪酸を含む。チップに使用することができるマイクロカプセルの典型的な量は、チップの総重量に基づき、約0.5重量%、1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、2.5重量%、2.9重量%、3.0重量%、3.5重量%、4.0重量%、4.5重量%、5.0重量%、5.5重量%または6.0重量%であり、上記値のいずれも、適切な場合には範囲の上端点または下端点を形成することができる。他の例では、チップの総重量に基づき、約6.0重量%以下、約5.0重量%以下、約4.0重量%以下、約3.0重量%以下、約2.0重量%以下、約1.0重量%以下を使用することができる。他の例では、チップが、約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、2.9、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5または6.0重量部のマイクロカプセルを有することができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。他の例では、約6.0重量部以下、約5.0重量部以下、約4.0重量部以下、約3.0重量部以下、約2.0重量部以下、または約1.0重量部以下のマイクロカプセルを有することができる。別の例では、チップが、チップの総重量に基づき、約1〜約6重量%、約2〜約4重量%、または約3重量%でマイクロカプセルを有することができる。さらには、チップが約1〜約6重量部の、約2〜約4重量部の、また約3重量部のマイクロカプセルを有ことができる。
【0119】
別の例では、開示の食料品が、デリバリーデバイスに加えて調味料を含むことができる。これらの調味料は、マイクロカプセルと混ぜ合わせ、次いで食料品(たとえば、チップ)に添加することができる。そのようなものとして、マイクロカプセルを含む食料品用の調味料が、本明細書中に開示されている。一例では、デリバリーデバイスがマイクロカプセルを含む。調味料と混ぜ合わせることができるマイクロカプセルの例示的な量は、ブレンドの総重量に基づき、約5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%または40重量%で、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。他の例では、ブレンドの総重量に基づき、約20〜約25重量%、約15〜約30重量%、約10〜約35重量%、約5〜約40重量%、約5〜約20重量%、約20〜約40重量%を使用することができる。また、マイクロカプセルを、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40重量部で調味料と混ぜ合わせることもでき、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。他の例では、調味料ブレンドが、約20〜約25重量部、約15〜約30重量部、約10〜約35重量部、約5〜約40重量部、約5〜約20重量部、約20〜約40重量部のマイクロカプセルを含むことができる。
【0120】
調味料がチップの調味料である場合、チップの総量に基づき、約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%または20重量%の量で存在することができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。他の例では、チップが約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20重量部の調味料を含むことができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。
【0121】
チップを調製する場合、チップは約1、2、3、4、5、6、7または8重量%の量で油を含むこともでき、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。
【0122】
本明細書中に開示されている他の方法は、食料品を調製する前に、デリバリーデバイス(たとえば、マイクロカプセル)を、食料品を調製するために使用する1種または複数種の材料と混合することを含む。代替のまたは追加の方法は、すでに調製した食料品をデリバリーデバイスと接触させることを含む。たとえば、デリバリーデバイスを、食料品用の調味料と混ぜ合わせることができる。食料品にデリバリーデバイスを噴霧することもできる。さらに、デリバリーデバイスを食料品と混合することができる。
【0123】
食料品を調製するために使用するデリバリーデバイスの量は、食料品のタイプ、デリバリーデバイスのタイプ、充填物質の量、所望の用量、好み等によって異なることがある。一般に、デリバリーしたい充填物質の量が主な考慮事項となる。一例としては、マイクロカプセルを含有する食料品が1食当たり約10mg〜約250mgのEPA+DHAを有することができるような量で、EPAおよびDHAを含有するマイクロカプセルを添加することができる。たとえば、食料品は1食当たり充填物質を約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240または250mg有することができ、上記値のいずれも、適切な場合には上端点または下端点を形成することができる。デリバリーデバイスが多量の充填物質を含む場合には、所望のレベルの充填物質を得るために、デリバリーデバイスを少量食料品中で使用する必要があるだけである。デリバリーデバイスが少量の充填物質を含む場合には、所望のレベルの充填物質を得るために、デリバリーデバイスを多量に食料品中で使用する必要がある。より多くの充填物質を望む場合には、より多くのデリバリーデバイスを添加することができ、より少ない充填物質を望む場合には、より少ないデリバリーデバイスしか添加しなくてよい。
【0124】
他の例では、食料品が他の添加剤および成分を含むことができる。たとえば、本明細書中に開示されている食料品は、プロバイオティクスを含むこともできる。プロバイオティクスは、対象に投与することができ、また対象に有益な健康影響を与えることができる生きた微生物である。適切なプロバイオティクスの例には、ラクトバシラス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属およびペジオコックス(Pediococcus)属が含まれるが、これらに限定されない。一例では、プロバイオティクスは、アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチシラスサケイ(Lactobacillus sakei)、乳酸連鎖球菌(Lactococcus lactis)およびアシディラクティシ菌(Pediococcus acidilactici)から選択される一種または複数種の細菌でよい。これらの細菌は、安全な食品であるため(すなわち、食品中、食品上または食品近くで使用しても安全)、明細書中に開示されている方法および組成物において特に有用であり得る。
【0125】
使用方法
一態様では、本明細書中に開示されているような食料品を対象に投与することによって対象に充填物質を送達する方法が、本明細書中に開示されている。特定の例において、開示の食料品を脂肪酸(たとえば、オメガ3脂肪酸)源として使用することができ、それによりトリグリセリド類を低減し、糖尿病に関連する生化学に影響を与えることができる。別の特定の例において、本明細書中に開示されている食料品を有効量投与することによって対象にオメガ3脂肪酸を補給する方法が、本明細書中に開示されており、ここでは充填物質がオメガ3脂肪酸を含む。別の例では、本明細書中に開示されている食料品を有効量投与することによって対象内のコレステロールレベル、トリグリセリドレベルまたはこれらの組合せを下げる方法が、本明細書中に開示されている。
【0126】
オメガ3脂肪酸は、日常の生活および機能にとって不可欠である。たとえば、シス−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(EPA)およびシス−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸(DHA)のようなオメガ3脂肪酸の、血清トリグリセリド低下に対する有益な効果には定評がある。これらの化合物は、心不整脈の防止、アテローム斑の安定化、血小板凝集の低減、血圧の低下など、他の心臓保護効果でも知られている。たとえば、Dyrbergら、In:Omega−3 Fatty Acids:Prevention and Treatment of Vascular Disease、Kristensenら編、Bi&Gi Publ.、Verona−Springer−Verlag、London、217〜226頁、1995年、O’KeefeおよびHarris、Am.J.Cardiology 2000、85:1239−1241、Radackら、「The effects of low doses of omega−3 fatty acid supplementation on blood pressure in hypertensive subjects:a randomized controlloed trial」、Arch.Intern.Med.1991年、151:1173−1180、Harris、「Extending the cardiovascular benefits of omega−3 fatty acids」、Curr Atheroscler Rep 2005、7:375−380、Holub、「Clinical nutrition:4 omega−3 fatty acids in cardiovascular care」、CMAJ 2002、166(5):608−615を参照のこと。実際に、米国心臓協会は、オメガ3脂肪酸が心血管疾患および心臓疾患の危険性を低減することができることも報告している。オメガ3脂肪酸の他の利点は、炎症疾患および神経変性疾患の予防および/または治療に、また認知発達の改善に関連する利点である。たとえば、SuganoおよびMichihiro、「Balanced intake of polyunsaturated fatty acids for health benefits」J.Oleo Sci.2001、50(5):305〜311を参照のこと。
【0127】
脂肪酸EPAおよびDHAは、人体内でα−リノレン酸(18:3)から合成することができるが、この前駆体分子からの変換率は限られている(Muskietら、「Is docosahexaenoic acid(DHA) essential? Lessons from DHA status regulation,our ancient diet,epidemiology and randomized controlled trials」、J.Nutr.2004年、134(1):183−186)。したがって、体内のEPAおよびDHAは、主に食事源(たとえば、脂肪分の多い魚)から得られる。魚油が豊富な食事は、心臓疾患、癌、関節炎、アレルギーおよび他の慢性疾患に多くの有益な効果があることが知られている。疫学的臨床試験は、魚または魚油補給剤の形で食事によるオメガ3脂肪酸の摂取量を増大させることにより、心血管疾患に関連する様々な危険因子を低減することができることを示している。たとえば、米国心臓協会、Scientific Statement、「Fish Consumption,Fish Oil,Omega−3 Fatty Acids and Cardiovascular Disease」、2002年11月、Appelら、「Does supplementation of diet with ‘fish oil’ reduce blood pressure? A meta−analysis of controlled clinical trials」Arch.Intern.Med.1993年、153(12):1429−1438、GISSI−Prevenzione Investigators、「Dietary supplementation with omega−3 polyunsaturated fatty acids and vitamin E after myocardial infarction:results of the GISSI−Prevenzione trial」、Lancet 1999年、354:447−455を参照のこと。
【0128】
心血管疾患の予防におけるEPAおよびDHAのようなオメガ3脂肪酸の効果についての強力な証拠にもかかわらず、北米人によるこれら脂肪酸の1日の平均消費量は、利益を与えるために推奨される1日摂取量0.65グラムと比較して、0.1〜0.2グラムと推定されている(Webb、「Alternative sources of omega−3 fatty acids」、Natural Foods Merchandiser 2005年、XXVI(8):40−44)。人々の食習慣を変えることは困難で、また多くの人々が魚を食べることを好まないため、EPAおよびDHAの食事による補給が、この問題に対処するための重要な手法である。残念ながら、オメガ3脂肪酸の多くの補給剤が酸化に敏感であり、悪臭や嫌な味がすることがある。さらに、栄養補助食品療法のコンプライアンスには、規律が必要とされるが、多くの場合欠けている。オメガ3脂肪酸の健康効果を踏まえ、マイクロカプセルを含む開示の配合物を使用して対象にオメガ3脂肪酸を送達することができる。開示の使用方法において、投与される食料品は、本明細書中に開示されている配合物のいずれかでよい。
【0129】
上述の方法または他の治療において使用する場合、開示の食料品の1つ(またはその中の充填物質の1つ)の「有効量」を、純粋な形で、あるいはこのような形が存在する場合、医薬的に受け入れ可能な塩の形、食品または他の形で使用することができる。
【0130】
任意の特定対象に対する具体的な有効用量レベルは、治療下の疾患および疾患の重症度、利用する具体的な組成物の身元(identity)および活性、患者の年齢、体重、全体的な健康状態、性別および食生活、投与時間、投与経路、使用する具体的な組成物の排せつ速度、治療期間、使用する具体的な組成物と組み合わせてまたは同時に使用する薬物、ならびに医療の分野で周知の同様の因子を含む様々な因子に依存することになる。たとえば、所望の治療効果を実現するために必要とされるレベルよりも低いレベルで組成物の投与を始めること、また所望の効果を実現するまで用量を徐々に増大させることは、十分当業者の範囲内である。必要に応じて、有効な日用量を、投与の目的で複数回に分割することができる。したがって、単回投与組成物は、このような量、または日用量を構成するその分量(submultiples)を含むことができる。
【0131】
この用量は、個人の医師が、または任意の意思決定の場合には対象が調整することができる。用量を変更し、1日につき単回または複数回投与で、1日または数日間投与することができる。所与のクラスの医薬品の適切な用量については、文献に指針を見いだすことができる。
【0132】
さらに、本明細書中に開示されている食料品のいずれかを対象に投与することによって対象に開示の組成物を送達するための方法が開示されている。
【0133】
以下の実施例は、開示の対象による方法および結果を説明するために以下に記載されている。これらの実施例は、本明細書中に開示されている対象のすべての態様を含むものではなく、正しくは代表的な方法および結果を示すためのものである。これらの実施例は、当業者にとって明らかな本発明の等価形態および変更形態を排除するものではない。
【0134】
数値(たとえば、量、温度等)に対する精度を確実にするための努力がなされてきたが、ある程度の誤差および偏差を考慮すべきである。特に明記しない限り、部は重量部、温度は℃で、または周囲温度で、圧力は大気圧で、または大気圧近くである。反応条件、たとえば、成分濃度、所望の溶媒、溶媒混合物、温度、圧力および他の反応範囲の多くの変形および組合せがあり、また所望のプロセスから得られる製品純度および収率を最適化するために使用することができる条件がある。このようなプロセス条件を最適化するためには、合理的で日常的な実験だけが必要となるであろう。
【実施例1】
【0135】
マイクロカプセルの調製
275ブルームのタイプAゼラチン(等電点は約9)54.5グラムを、0.5%のアスコルビン酸ナトリウムを含有する脱イオン水600グラムと、50℃で撹拌しながら完全に溶解するまで混ぜ合わせた。ポリリン酸ナトリウム5.45グラムを、0.5%のアスコルビン酸ナトリウムを含有する脱イオン水104グラムに溶解させた。30%のエイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)と、20%のドコサヘキサエン酸エチルエステル(DHA)とを含有する魚油濃縮物(ノバスコシア州ダートマスのOcean Nutrition Canadaから入手可能)90グラムを、1.0%の酸化防止剤(KALSEC(商標)からDURALOX(商標)として入手可能な、天然香味料と、トコフェロールと、クエン酸のブレンド)と共に、高速POLYTRON(商標)ホモジナイザーによりゼラチン溶液に分散させた。水中油型エマルジョンが形成された。油滴径は、COULTER(商標)LS230粒径分析器によって測定した平均径が約1μmである狭い分布を有していた。このエマルジョンを、0.5%のアスコルビン酸ナトリウムを含有する50℃の脱イオン水700グラムで希釈した。次いで、ポリリン酸ナトリウム溶液をエマルジョンに添加し、Lightning撹拌機により600rpmで混合した。次いで、10%の酢酸水溶液でpHを4.5に調整した。pH調整時、またpH調整に続く冷却工程時に、ゼラチンとポリリン酸塩から形成されるコアセルベートが油滴をコーティングして、一次マイクロカプセルを形成した。ゼラチンおよびポリリン酸塩のゲル化温度よりも高い温度まで冷却を行い、一次マイクロカプセルが凝集し始めて、撹拌下において塊(lump)を形成した。この混合物をさらに冷却すると、水相に残存しているポリマーが一次マイクロカプセルの塊をさらにコーティングして、外側シェルを有し、また50μmの平均径を有するマイクロカプセルのカプセル化凝集体を形成した。温度を5℃まで下げたら、混合物に50%のグルテルアルデヒドを2.7グラム添加して、シェルをさらに補強した。次いで混合物を室温まで温め、12時間撹拌し続けた。最後に、マイクロカプセル懸濁液を水で洗浄した。次いで、洗浄した懸濁液を噴霧乾燥して、自由に流動する粉末を得た。60%のペイロードを得た。
【実施例2】
【0136】
マイクロカプセルの調製
0.25%のアスコルビン酸ナトリウムを使用したこと以外は実施例1の方法に従って、マイクロカプセルのカプセル化凝集体を形成した。60%のペイロードを得た。
【実施例3】
【0137】
マイクロカプセルの調製
アスコルビン酸塩を使用しなかったこと以外は実施例1の方法に従って、マイクロカプセルのカプセル化凝集体を形成した。60%のペイロードを得た。
【実施例4】
【0138】
マイクロカプセルの調製
105グラムの魚油濃縮物を使用したこと以外は実施例1の方法に従って、マイクロカプセルのカプセル化凝集体を形成し、70%のペイロードを得た。
【実施例5】
【0139】
マイクロカプセルの調製
実施例1の方法をエチルエステル魚油にではなくトリグリセリド(TG)魚油(Ocean Nutrition Canada Ltd.から入手可能)に適用したこと以外は実施例1の方法に従って、マイクロカプセルのカプセル化凝集体を形成した。
【実施例6】
【0140】
マイクロカプセルの調製
シェル材料のポリマー成分としてゼラチン(タイプA)およびアラビアゴムを使用したこと以外は実施例1の方法に従って、マイクロカプセルのカプセル化凝集体を形成した。
【実施例7】
【0141】
マイクロカプセルの調製
シェル材料のポリマー成分として150ブルームのゼラチン(タイプA)およびポリリン酸塩を使用し、105グラムの魚油濃縮物を使用したこと以外は実施例1の方法に従って、マイクロカプセルのカプセル化凝集体を形成して、70%のペイロードを得た。
【実施例8】
【0142】
マイクロカプセルの調製
シェル材料を架橋するためにトランスグルタミナーゼを使用したこと以外は実施例1の方法に従って、マイクロカプセルのカプセル化凝集体を形成した。
【実施例9】
【0143】
ポテトチップ
マイクロカプセル化オメガ3油(MEG−3(商標)粉末)は、Ocean Nutrition Canada(ダートマス、カナダ)によって提供された。味付けされていないポテトチップおよび乾燥調味料は、Kettle Chip Company(セーレム、オレゴン州)によって提供された。
【0144】
乾燥調味料(周囲温度で)およびマイクロカプセル(マイナス18℃で)を、プラスチックの実験槽内に入れた。この槽にふたをし、混合物が均質になるまで中身を約1分間激しく手で振った。短時間低速で市販のブレンダーを使用することもできる。乾燥したブレンドはこの混合プロセス中に熱くなることがあるため、混合物を冷たく保つことが望ましいことがある。表4を参照のこと。
【0145】
ステンレス製のボウルの中で、味付けされていないチップに油(たとえば、PAM、ネブラスカ州オマハのConAgra Foods)を、油の約4重量%がチップに吹き付けられるまで、チップをへらで軽く混ぜながら吹き付けた。残りの油は乾燥調味料の粘着剤として働くことができるため、揚げたてのチップを使用することも可能である。
【0146】
PAMを吹き付けたチップに乾燥調味料を、乾燥調味料の少なくとも95%がチップに付着するまで、軽く混ぜ続けながら添加した。複数回の試行において、付着した調味料の量は、約95%〜約99%であった。所定の比率で添加される乾燥調味料とチップをあえる標準的な回転ドラムを使用することもできる。表4を参照のこと。
【0147】
乾燥調味料を混ぜ合わせてからチップに添加するまでの時間を最小限に抑えることが望ましいこともある。
【0148】
次いで、チップを気体遮断性パウチに入れ、周囲窒素ガスで置換し密封した。
【0149】
【表4】

【0150】
【表5】

【実施例10】
【0151】
アップルソース離乳食
マイクロカプセルを含むアップルソースを、表5に示す配合に従って調製した。具体的には、99.5℃に予熱したスチームジャケット付きの(water−jacketed)釜にアップルソースを入れた。このアップルソースに、マイクロカプセル化オメガ3油(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada製のMC601812TGまたはMC60DHA)を添加した。ロッド付属品付き高せん断ミキサーを混合物中に置き、混合速度をバッチにつき800rpmに設定した。この混合物にふたをして蒸発を最小限に抑え、90.5℃で約10分間保持した。次いで、この熱い混合物をガラスの容器に詰めた(1人分125g)。これらの容器にフォイルシールをアイロン付けし、容器を2分間以上逆さにした。次いで、これらの容器を氷水槽中で冷却し、冷蔵保存した。
【0152】
【表6】

【0153】
加速条件下または周囲条件下で保存したアップルソースにおいて、異臭は検知されなかった。これらのサンプルは、1食125g当たり約60mgのEPA+DHAを有していた。
【実施例11】
【0154】
アップルバナナ離乳食
まずバナナを、約4.20〜4.30の目標pHまでクエン酸と混ぜ合わせることによって、マイクロカプセルを含むアップルとバナナとの離乳食を調製した。次いで、スチームジャケット付きの釜の中で、このバナナをアップルと混ぜ合わせ、混合物を所望の稠度まで裏ごしした。マイクロカプセル化オメガ3油(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada製のMEG−3(商標)粉末、1食当たり30〜50mgのEPA+DHA)を、ハンドミキサーで混合物に混ぜ合わせた。この混合物にふたをして蒸発を最小限に抑え、91℃で保持した。次いで、この熱い混合物をガラスの容器に詰めた(1人分125g)。これらの容器にフォイルシールをアイロン付けし、容器を2分間以上逆さにした。次いで、これらの容器を氷水槽中で冷却し、冷蔵保存した。味覚試験により、より低いレベルのEPA+DHAがより高いレベルよりも好ましいことが明らかとなった。
【実施例12】
【0155】
パン粉をまぶしたえび
マイクロカプセルを含むえびを、表6に示す配合に従って調製した。具体的には、マイクロカプセル化オメガ3油(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada製のMEG−3(商標)粉末)を含むプレダスト(predust)に、冷凍えびを浸した。えびを軽く振って、えびに付着している余分なプレダストを取り除いた。次いで、このえびに衣用生地をつけ、パン粉をまぶした。各えびには、最大約0.3gのプレダスト、0.4gの衣用生地、および1gのパン粉をつけた。次いでこのえびを、約4分間177℃の油の中で揚げた。試験の準備ができるまで、えびをビニール袋の中で冷凍保存した。
【0156】
【表7】

【0157】
【表8】

【0158】
【表9】

【0159】
このえびは、1食当たり(約18尾のえび)175mgのEPA+DHA(揚げる前は350mg)を有していた。味覚試験において、風味は受け入れ可能であった。マイクロカプセルは、えびへの皮(crust)の付着を妨げることがあるため、衣用生地およびパン粉をつけるプロセス時には気を付けるべきである。
【実施例13】
【0160】
低温殺菌プロセスチーズ食品
マイクロカプセルを含む低温殺菌プロセスチーズを、表7に示す配合に従って調製した。まず、すべての乾燥材料を混ぜ合わせた。次いで、これらの乾燥材料に、すべての湿潤材料を泡立て器で徐々に混ぜ合わせた。この混合物を、二重鍋内で約60℃まで加熱した。この混合物にチーズを加え、混合しながら約79〜82℃まで加熱することによって溶かした。この混合物をプラスチックフィルムパウチ内に真空包装してスライスを形成した。これらのパウチを冷蔵して成形し、冷蔵保存した。
【0161】
【表10】

【0162】
マイクロカプセル化オメガ3油(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada製のMEG−3(商標)粉末)を、乾燥材料または湿潤材料と共に加えた。どちらの方法でも同様の結果が得られたが、マイクロカプセル化オメガ3油を乾燥材料と共に加えるほうがより容易であった。製品は、1食当たり(30gのスライス)32mgのEPA+DHA油を有していた。これらのEPA+DHA充填レベルにおいて、製品の味は受け入れ可能であった。より高いレベル(50mgのEPA+DHA/1食およびそれ以上)を含む製品は、検知可能な魚の風味を有していたが、製品が熟成するにつれて魚の風味は多少消失した。
【実施例14】
【0163】
歯応えがあるグラノーラバー
マイクロカプセルを含む歯応えがあるグラノーラバーを、図8に示す配合に従って調製した。具体的には、マイクロカプセル化オメガ3油(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada製のMEG−3(商標)粉末)を、前もってハチミツと混ぜ合わせた。移行時の損失を考慮して、以下の計算(16.54%のマイクロカプセルとハチミツとの混合物)に基づき必要量よりも多く調製した。この混合物をよく撹拌し、そのまま置き水和させた。大きいミキシングボウルの中で、オート麦とサクサクしたライスパフ(crisp rice)とを混ぜ合わせ、優しく混合した。混合を継続する一方でこの混合物に油を振りかけた。この混合物にマイクロカプセルとハチミツとの混合物を混合し、1分間穏やかに撹拌した。この混合物を、ノンスティックスプレーでコーティングした天板上に広げ、対流式オーブンにおいて20分間121℃で焼いたが、10分後には軽く混ぜ合わせた。冷却後、使用する準備ができるまで、気密フォイル包装内に保存した。
【0164】
【表11】

【0165】
製品は、1食当たり(40g)130mgのEPA+DHAを含んでいた。魚のような風味が、マイクロカプセル化油をシリアルと共に焼いたときには少なくとも顕著であった。シナモンがこの魚のような風味を強調していたように思われる。しかしながら、ハチミツ(またはシロップ)と共に焼きかつ混ぜ合わせたマイクロカプセルが、受け入れ可能な風味を生み出した。
【実施例15】
【0166】
チキンディナー離乳食
マイクロカプセルを含むチキンディナー離乳食を、図9に示す配合に従って調製した。具体的には、乾燥材料を混ぜ合わせ、傍らに置いておいた。鶏肉をゆで、冷まし、小さく切り、次いでフードプロセッサで細かく挽いた。卵麺を調理し、冷まし、傍らに置いておいた。豆を調理し、冷まし、ふるいにかけ、傍らに置いておいた。ニンジン、スプリットピー(split pea)、鶏脂、油および麺を、フードプロセッサ内で混ぜ合わせた。混ぜ合わせながら、乾燥材料および水をゆっくりと加えた。次いで、挽いた鶏肉を加え、完全に合わされ滑らかになるまでこの混合物を混ぜ合わせた。次いで、この製品を8オンス(226.8g)のガラスびんに詰め、40分間15psiでレトルトにした。この製品を周囲温度で保存した。
【0167】
【表12】

【0168】
この製品では異臭も悪臭も検知されなかった。この製品は、1食当たり(125g)約60mgのEPA+DHAを含んでいた。マイクロカプセルのせん断および損傷を避けるために、マイクロカプセルの添加前に離乳食ベースを調製する必要があることがわかった。
【実施例16】
【0169】
ポテトチップ調味料
マイクロカプセルを含むポテトチップ調味料を、表10に示す配合に従って調製した。具体的には、材料を互いに混ぜ合わせた。試験した風味には、BBQ、サワークリームおよびグリーンオニオン、ならびに塩コショウが含まれていた。次いで、この混合物を、12.9%のレベルでポテトチップに適用した。調味料の適切な付着を可能にするには不十分な油しかチップ上に残っていない場合には、チップに油が吹き付けられて(約4重量%)、粘着剤として作用した。窒素置換した金属蒸着フィルム内にチップを詰め、周囲温度で保存した。これらのチップは、1食当たり(味付けしたチップ30g)130gのEPA+DHAを含んでいた。
【0170】
【表13】

【0171】
加速条件(37.8℃)下では、4週間後にある異臭を検知した。周囲条件(21.1℃)では、6週間の保存で製品の風味がわずかに薄れたが、対照と類似していた。
【実施例17】
【0172】
押出しシリアルバー
マイクロカプセルを含む押出しシリアルバーを、表11に示す配合に従って調製した。具体的には、脂を砂糖と共にクリーム状にし、液状材料を加えた。次いで、マイクロカプセルを乾燥材料と混ぜ合わせた。すべての材料を混ぜ合わせ混合して、生地を形成した。この生地を、フルーツフィリングを中央にして押し出した。この製品を163℃で約6〜7分間焼いた。
【0173】
【表14】

【0174】
【表15】

【0175】
この製品は、1食当たり(40g)50mgのEPA+DHAを含んでいた。この製品は製造時に受け入れ可能な風味を有していた。さらに、製品の風味は4カ月も受け入れ可能であった。
【実施例18】
【0176】
チキンナゲット
マイクロカプセルを含むチキンナゲットを、表12に示す配合に従って調製した。対照、1食100g当たり150mgのEPA+DHAを含むバッチ、1食100g当たり175mgのEPA+DHAを含むバッチ、および1食100g当たり300mgのEPA+DHAを含むバッチの4バッチを調製した。大豆タンパクに、マイクロカプセル化オメガ3油(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada製のMEG−3(商標)粉末)を加え、これを鶏挽き肉に加えた。この混合物を撹拌し、ナゲット形状に成形し、プレダストでコーティングし、次いで衣用生地およびパン粉をつけた。この製品を約196℃で30秒間軽く揚げて、ころも(coating)および色を整えた。次いで、この製品をオーブンに移し、そこで177℃で約3分間完全調理した。マイクロカプセルを含むチキンナゲットでは、cider trimを減らしてマイクロカプセル添加分を相殺した。各バッチの最終的な重量は400kgであった。最終製品を透明なビニール袋に詰め、消費するまで冷凍保存した。この製品のための調理指示には、オーブン内において220℃で10〜15分間再加熱すること、電子レンジで加熱することまたは油で揚げることが含まれる。
【0177】
【表16】

【0178】
これらのサンプルを、12カ月の保存期間中、官能的特性(sensory attribute)、色およびpHについて月1回評価した。これらのサンプルを、最初は対照との差異について評価し、保存期間の終わりには受容性(acceptability)について評価した。またこれらのサンプルを、保存期間の最初と最後に、EPA+DHAおよび含水量についても試験した。
【0179】
ナゲットのEPA+DHAおよび含水量は、保存期間を通して一定のままであった。1食当たり300mgのEPA+DHAを含むナゲットと対照との間に、保存期間の始めには有意差は見い出されなかった。12カ月の保存期間の終わりに、官能検査員が、1食当たり300mgのEPA+DHAを含むナゲットが「大好きである」と述べた。サンプルのナゲットは、対照のナゲットと類似の安定性を有していた。ナゲットの官能的特性および物理的特性あるいは全般的な安定性に影響を与えることなく1食当たりに高いレベルのEPA+DHAを添加することができる。
【実施例19】
【0180】
豆乳
マイクロカプセルを含む豆乳を、自動豆乳メーカーを用いて調製した。1つは対照、1つは1食250mL当たり250mgのEPA+DHAを含む豆乳である2バッチの豆乳を生成した。具体的には、85gの乾燥大豆を水道水に一晩浸した。浸した大豆の水を切り、すすいだ。豆乳メーカーに1.5Lの水を注ぎ、大豆をフィルターカップ内に設置した。次いで、豆乳メーカーを起動させた。豆乳を回収し、使用済みの大豆を廃棄した。この豆乳を冷ました。マイクロカプセル化オメガ3油(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada製のMEG−3(商標)粉末)を添加し、豆乳を85℃で5秒間低温殺菌した。低温殺菌およびプレーン豆乳へのMEG−3(商標)粉末の添加は、豆のオフノート(off−note)の低減に役立った。
【0181】
豆乳をさらにもう3バッチ、低温殺菌豆乳、1cmの塩および30cmの砂糖入り低温殺菌豆乳、マイクロカプセル化オメガ3油、1cmの塩および30cmの砂糖入り低温殺菌豆乳を説明したとおりに生成した(塩および砂糖は、低温殺菌後に豆乳に加えた)。塩および砂糖を含む低温殺菌豆乳は、市販の豆乳と同様の味がした。マイクロカプセル、塩および砂糖を含む低温殺菌豆乳は、塩も砂糖も含まない低温殺菌豆乳よりもわずかに甘さが少なかったが、塩も砂糖も含まない低温殺菌豆乳よりもおいしかった。
【0182】
豆乳は、マイクロカプセルの添加について受け入れ可能な飲料であった。1食当たりのEPA+DHAが250mgであっても、粉末に起因する異臭も悪臭も観測されなかった。典型的な大豆の風味の一部が、マイクロカプセルによって消されていた。
【実施例20】
【0183】
冷凍ワッフル
マイクロカプセルを含む冷凍ワッフルを、表13に示す配合に従って調製した。具体的には、乾燥材料を互いに混ぜ合わせた。次いでこの乾燥混合物に、水、溶かしバターおよびバニラを加えた。これらの材料を混ぜ合わせた後、はけで油を塗ったワッフルメーカー上に生地(batter)を設置し、70秒間焼いた。ワッフルをワッフルメーカーから取り出し、プラスチックのパウチに入れ、ワックスペーパーによって分離し、冷凍した。
【0184】
【表17】

【0185】
これらのワッフルは、1食85g当たり130mgのEPA+DHAを有していた。1回目の試食では、いずれのレベルにおける風味も受け入れ可能であった。プレーンワッフルおよびブルーベリーワッフルも調製した。初期開発においてはアップルシナモンフレーバーが含まれていたが、シナモンは風味を損なうようである。このタイプの製品用のフレーバーとしてシナモンを使用すべきではない。
【実施例21】
【0186】
グラノーラシリアル
マイクロカプセルを含むグラノーラシリアルを、表14に示す配合に従って調製した。マイクロカプセル化オメガ3油(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada製のMEG−3(商標)粉末)をハチミツと混ぜ合わせた。この混合物をよく撹拌し、この混合物を水和させた。次いで、この混合物にバニラを加え、よく混合した。ブラウンシュガー、小麦粉、シナモンおよび脱脂粉乳をゆっくりと1分間撹拌した。次いで、オート麦、ヒマワリの種、アーモンドおよびゴマを加えた。レーズンは、ベーキングの終わりに冷ましたグラノーラに加えた。油を43℃に加熱し、1分間撹拌し続けながらボウルに振りかけた。マイクロカプセルと、バニラと、ハチミツとの混合物を60℃に加熱し、混合物に振りかけた。2分間混合した後、コーティングしていない天板上に混合物を広げた。この混合物を、低ファンの対流式オーブン内において約30分間121℃で焼いた。次いで、15分後に混合物を軽く混ぜた。冷却後、使用する準備ができるまでグラノーラを気密容器内で保存した。
【0187】
【表18】

【0188】
このグラノーラシリアルは、1食当たり(55g)約50mgのEPA+DHAを含んでいた。シリアルが新鮮なときは、魚のような風味は顕著であったが、これは10〜12日かけて消えていった。シナモンが魚のような風味を薄めたのかもしれない。牛乳を入れて試食したサンプルは、何ら異臭はなかった。
【実施例22】
【0189】
グミキャンディ
マイクロカプセルを含むグミキャンディを、表15に示す配合に従って調製した。具体的には、砂糖、コーンシロップ、マイクロカプセル化オメガ3油(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada製のMEG−3(商標)粉末)および水を、調理用容器内で混ぜ合わせた。この混合物を、118℃で沸騰させた。この混合物を火から下ろし、96℃まで冷ました。ガム粘液をシロップ中で激しく撹拌して、均質なブレンドを作った。ガム粘液は、水にゼラチンを加え、60℃の水槽中で1時間、すなわち溶液が透明になるまで保持することによって調製した。この溶液を、グミキャンディに使用する準備ができるまで温かく(54℃よりも高く)保った。フレーバー、色素および酸溶液を加え、混合物をよく混ぜ合わせた。次いで、この混合物をでんぷん流し型に入れ、48時間室温で固めた。得られたグミを流し型から取り外し、鉱油/ココナッツ油の1:3ブレンドで軽く油を塗った。この製品を2日間熟成させた後、窒素置換した金属蒸着フィルム内に詰めた。
【0190】
【表19】

【0191】
1食当たり(40g)約50、100および130mgのEPA+DHAを含むグミキャンディを試した。より低いレベルにより良好な結果が得られた。また、粘液中にゼラチンと共に漬浸、シロップと共に煮沸、シロップの添加前に5分間水中で煮沸など、異なるマイクロカプセルの添加方法も試した。粘液へのマイクロカプセルの添加により、粒々の(grainy)テクスチャがもたらされ、柔らかいゲルが生成された。シロップの添加前に水中でマイクロカプセルを煮沸することにより、実際に最良の結果が得られた。
【実施例23】
【0192】
パスタソース
マイクロカプセルを含むパスタソースを、表16に示す配合に従って調製した。具体的には、湿潤材料を混ぜ合わせ、また乾燥材料を混ぜ合わせた。次いで、これらの乾燥混合物と湿潤混合物を組み合わせた。この混合物を88℃に加熱し、その温度で1分間保持した。次いで、この混合物をガラスの瓶に注ぎ入れた。
【0193】
【表20】

【0194】
1食当たり(125g)約100mg、120mgおよび130mgのEPA+DHAを含むサンプルを調製した。魚の風味は、最初または3カ月貯蔵後にいかなるレベルでも検知されなかった。
【実施例24】
【0195】
ストロベリーヨーグルトスムージー
マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada,Ltd.製の1812TGオメガ3粉末)が組み込まれたストロベリーヨーグルトスムージー(1人分8fl oz(118.3mL)、約226g)を、表17の配合に従って調製した。製品は、1食当たり130mg用量のEPA+DHAを有していた。
【0196】
【表21】

【0197】
具体的には、ストロベリーピューレ、水、液状果糖、ストロベリーフレーバーおよび赤色色素をポットの中で混ぜ合わせた。次いで、これらの湿潤材料に、リン酸二カリウム、ペクチンおよびマイクロカプセルを加えた。この混合物を88℃まで加熱し、その後室温まで冷却した。次にヨーグルトを加え、混合物を再度88℃まで加熱した。次いで、この混合物を全圧2,500psiで(第1段階は2,000psiで、第2段階は500psiで)均質化した。次いで、この配合物をボトルに入れ、使用するまで冷蔵保存した。
【0198】
第2のスムージーを、表6の配合に従って調製した。具体的には、1%の牛乳、でんぷん、ゼラチンおよび乳漿タンパクを混ぜ合わせた。次いで、マイクロカプセルを表面全体に振りかけ、5分間水和させた。次いで、この混合物を55℃まで加熱し、全圧2,300psiで(第1段階は1,800psiで、第2段階は500psiで)均質化した。次いで、この均質化配合物を86℃で30分間低温殺菌し、38℃まで冷却した。この均質化/低温殺菌配合物に、2%の牛乳と混合したヨーグルト培養物を添加し、38℃で約10時間、すなわち混合物がpH4.5に達するまで培養した。次いで、得られた混合物をフルーツプレパレーションと混合し、88℃まで加熱した。次いで、この混合物を、全圧2,500psiで(第1段階は2,000psiで、第2段階は500psiで)再度均質化した。混合物を冷し、使用する準備ができるまで冷蔵保存した。
【0199】
【表22】

【0200】
両プロセスにより、風味、臭気およびテクスチャが受け入れ可能なスムージーが生成された。
【実施例25】
【0201】
オレンジジュース
マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada,Ltd.製の1812TGオメガ3粉末)が組み込まれたオレンジジュース1バッチ(18人分、1人分は250mg)を、表19の配合に従って調製した。具体的には、最低30rpmを提供する撹拌機を備えるブレンド槽内のオレンジジュースの表面にマイクロカプセルを振りかけた。このジュースを5分間混ぜ合わせた。その後、流量を212L/分として91℃で17秒間このジュースを低温殺菌した。低温殺菌したジュースをゲーブルトップ型(gable top)容器に詰め、冷蔵保存した。
【0202】
【表23】

【0203】
このオレンジジュースは、1食当たり100mgのEPA+DHA(総オメガ3脂肪酸120mg)を含んでいた。味覚試験において、オメガ3オレンジジュースと対照との間に味覚、テクスチャまたは品質の知覚可能な差はなかった。
【実施例26】
【0204】
チョコレートの冷凍乳製品デザート
マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada,Ltd.製のMEG−3粉末)が組み込まれたチョコレートの冷凍乳製品デザート(1人分1/2カップ、約118mL)を、表20の配合に従って調製した。この製品は、1食当たり100mg用量のEPA+DHAを有していた。
【0205】
【表24】

【0206】
具体的には、リン酸カルシウムおよびプロバイオティクブレンド以外の乾燥材料をすべて混ぜ合わせた。次いで、この乾燥材料混合物を、牛乳、クリームおよびコーンシロップと混ぜ合わせた。この混合物を滑らかになるまで撹拌した。次に、この混合物を30秒間で72℃まで加熱した。約4℃まで冷却した後、混合物を冷蔵して24時間熟成した。次いで、チョコレートフレーバーおよび残りの材料を加え、得られた混合物を所望のオーバーラン(目標70%)となるまでアイスクリーム製造機に入れておいた。このアイスクリームを製造機から取り出し、個々の容器に詰め、これらを一晩で固く凍らせた。
【0207】
このアイスクリームの4fl.oz(118.3mL)当たりの出発重量は150、4fl.oz(118.3mL)当たりの最終重量は90、オーバーランは67.00%であった。このアイスクリームは、1食118mL当たり100mgのEPA+DHAを有していた。さらに、このアイスクリームの1人分は、1食当たり200,000,000コロニー形成単位(CFU)のプロバイオティクスを含んでいた。
【0208】
このアイスクリームの栄養素(nutrirtional fact)は次のとおりである。150カロリー(脂から45)、全脂肪5g(飽和脂肪から3g、トランス脂肪から0g)、コレステロール20mg、ナトリウム40mg、全炭水化物19g(食物繊維から1g未満、糖から18g)、およびタンパク質7g。このアイスクリームはまた、6%のビタミンA、15%のビタミンC、15%のカルシウムおよび4%の鉄も含んでいた。これらの割合は、2000カロリーの食事に基づく1日当たりのパーセント値である。
【実施例27】
【0209】
ストロベリーの冷凍乳製品デザート
マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada,Ltd.製のMEG−3粉末)が組み込まれたストロベリーの冷凍乳製品デザート(1人分1/2カップ、約118mL)を、表21の配合に従って調製した。この製品は、1食当たり100mg用量のEPA+DHAを有していた。
【0210】
【表25】

【0211】
具体的には、リン酸カルシウムおよびプロバイオティクブレンド以外の乾燥材料をすべて混ぜ合わせた。次いで、この乾燥材料混合物を、牛乳およびクリームと混ぜ合わせた。この混合物を滑らかになるまで撹拌した。次に、この混合物を30秒間で72℃まで加熱した。約4℃まで冷却した後、混合物を冷蔵して24時間熟成した。次いで、ストロベリーシロップおよび残りの材料を加え、得られた混合物を所望のオーバーラン(目標70%)となるまでアイスクリーム製造機に入れておいた。このアイスクリームを製造機から取り出し、個々の容器に詰め、これらを一晩で固く凍らせた。
【0212】
このアイスクリームの4fl.oz(118.3mL)当たりの出発重量は150、4fl.oz(118.3mL)当たりの最終重量は95、オーバーランは65.00%であった。このアイスクリームは、1食118mL当たり100mgのEPA+DHAを有していた。さらに、このアイスクリームの1人分は、1食当たり200,000,000コロニー形成単位(CFU)のプロバイオティクスを含んでいた。
【0213】
このアイスクリームの栄養素は次のとおりである。150カロリー(脂から40)、全脂肪4.5g(飽和脂肪から2.5g、トランス脂肪から0g)、コレステロール20mg、ナトリウム35mg、全炭水化物21g(食物繊維から0g、糖から18g)、およびタンパク質6g。このアイスクリームはまた、6%のビタミンA、20%のビタミンC、15%のカルシウムおよび0%の鉄も含んでいた。これらの割合は、2000カロリーの食事に基づく1日当たりのパーセント値である。
【実施例28】
【0214】
電子レンジ用ポップコーン
マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada,Ltd.製のMEG−3粉末)が組み込まれた電子レンジ用ポップコーン(1人分30g)を、表22の配合に従って調製した。この製品は、1食当たり32mg用量のEPA+DHAを有していた。
【0215】
【表26】

【0216】
具体的には、脂を約49℃で溶かした。次いで、撹拌し加熱保持しながら、溶かした脂にアンナットー色素を添加した。別の容器では、すべての乾燥材料を一緒に混ぜ合わせた。次いで、これら乾燥材料を溶かした脂に加えた。次いで、ポップコーンを電子レンジ用ポップコーン袋に入れた。マイクロカプセル化オメガ3油を含む脂−乾燥材料スラリーをこの袋に堆積させた(袋当たり30g)。袋を密封し、三つ折りにした。脂を固めた。
【実施例29】
【0217】
田舎風ベークドビーンズ
マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada,Ltd.製の1812TG粉末)が組み込まれた田舎風ベークドビーンズ(1人分1/2カップ、約130g)を、表23および表24の配合に従って調製した。この製品は、1食当たり32mg用量のEPA+DHA(0.2133gの粉末)を有していた。
【0218】
基本的には、豆をよくすすぎ、一晩周囲温度で水(豆の容量の3倍)に浸した。次に、大きいポットの水を沸騰させた。豆の水を切り、その後沸騰水に加えた。これらの豆を5分間煮た。沸騰水を捨て、豆を冷水ですすいだ。次いで豆をざるにとって15分間水を切り、その後缶に移した。
【0219】
田舎風ソースを表23の配合に従って調製した。
【0220】
【表27】

【0221】
これらの乾燥材料を秤量し、次いでソースパン内で前もって混ぜ合わせた。ソースパン内の乾燥材料に水を加え、混合物をよく混ぜ合わせた。次に糖蜜およびポークベースを加え、混合物を混ぜ合わせた。このソースを5分間煮込んで(>91℃)でんぷんを濃厚にした。ソースパンを氷水槽中で冷まし、収率100%とした。このソースのpHは5.6、ブリックス(brix)は22.5であった。
【0222】
次いで、表24の配合に従って豆を調製した。
【0223】
【表28】

【0224】
具体的には、豆を秤量して缶に入れた。ソースも秤量して缶に入れた。この混合物に塩漬け豚肉を一切れ載せ、缶を密封した。レトルトに水を加え、缶を層状に重ねてレトルトに入れた。この水を沸騰させ、レトルトのふたを密封した。蒸気が15分間通気孔を通して逃れることでレトルトは通気し、次いで温度計を上に置いた。温度が121℃に達したら(15psi)、豆を60分間でレトルトにした。次いで、熱を取り除き、周囲圧力に達するまで温度計を通気した。ふたを取り外し、氷水槽に缶を移した。サンプルを冷却後、サンプルを乾燥させ、冷蔵して保存した。
【実施例30】
【0225】
グミベア
マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada,Ltd.製のMEG−3粉末)が組み込まれたグミベア(グミベアにつき1人分2g)を、表25の配合に従って調製した。この製品は、1食2g当たり15mg用量のEPA+DHAを有していた。
【0226】
【表29】

【0227】
具体的には、オメガ3粉末を水に分散させ、完全に溶解するまで撹拌した。ゼラチンを添加し、77℃の水槽内で溶かした。次に、砂糖、コーンシロップおよび水を、調理用容器内で一緒に秤量した。この混合物を沸騰させ、ポットの側面を任意の結晶で洗い流した。90%が固形分となるまで沸騰を継続した(118℃)。このポットを火から下ろし、96℃まで冷却した。調理したシロップにガム粘液を加え、混ぜ合わせた。次に、フレーバー、色素および酸溶液を加え、よく混ぜ合わせた。得られた混合物を乾燥したでんぷん流し型内に堆積させ、48時間室温で固めた。グミを流し型から取り外し、余分なでんぷんを払い落とした。これらのグミをcapolで軽く払い、包装する前に2日間熟成させた。調理収率は90.16%であった。
【実施例31】
【0228】
天然レモンチュー
マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada,Ltd.製のMEG−3粉末)が組み込まれた天然レモンチュー(1人分5.6g)を、表26の配合に従って調製した。この製品は、1食5.6g当たり100mg用量のEPA+DHAを有していた。
【0229】
【表30】

【0230】
具体的には、ホイップ付属品付きミキサーボウル内で、卵タンパク質を第1の量の水に可溶化した。別個の容器内で、砂糖および第1の量のコーンシロップを沸騰させた。低速で混合しながら、ミキサーボウルに沸騰させたシロップをゆっくりと加えた。すべてのシロップを加えた後、速度を最大速度まで上昇させ、容量が最大になるまで混合物を泡立てた。
【0231】
別の容器では、パーム油を透明になるまで溶かし、濃厚化が始まるまでオメガ3粉末の80%と混ぜ合わせた。得られたペーストを、すべての乾燥材料が均一に脂でコーティングされるまで撹拌した。
【0232】
砂糖、第2の量のコーンシロップおよび水を沸騰させた(126℃)。ゆっくりと混合しながら、ミキサーボウルにシロップをゆっくりと注ぎ入れた。オメガ3ペーストを加え、均一になるまで混合した。次に、酸、残りの乾燥オメガ3粉末およびフレーバーを加え、均一になるまで混合した。得られた混合物を注ぎ入れ、冷たい表面上で厚板(slab)として成形した。この製品を切断し、包装した。この製品の調理収率は95.59%であった。
【実施例32】
【0233】
オレンジチュー
マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada,Ltd.製のMEG−3粉末)が組み込まれたオレンジチュー(1人分5.6g)を、表27の配合に従って調製した。この製品は、1食5.6g当たり100mg用量のEPA+DHAを有していた。
【0234】
【表31】

【0235】
具体的には、ホイップ付属品付きミキサーボウル内で、卵タンパク質を第1の量の水に可溶化した。別個の容器内で、砂糖および第1の量のコーンシロップを沸騰させた。低速で混合しながら、ミキサーボウルに沸騰させたシロップをゆっくりと加えた。すべてのシロップを加えた後、速度を最大速度まで上昇させ、容量が最大になるまで混合物を泡立てた。
【0236】
別の容器では、パーム油を透明になるまで溶かし、濃厚化が始まるまでオメガ3粉末の80%と混ぜ合わせた。得られたペーストを、すべての乾燥材料が均一に脂でコーティングされるまで撹拌した。
【0237】
砂糖、第2の量のコーンシロップおよび水を沸騰させた(126℃)。ゆっくりと混合しながら、ミキサーボウルにシロップをゆっくりと注ぎ入れた。オメガ3ペーストを加え、均一になるまで混合した。次に、酸、残りの乾燥オメガ3粉末およびフレーバーを加え、均一になるまで混合した。得られた混合物を注ぎ入れ、冷たい表面上で厚板として成形した。この製品を切断し、包装した。この製品の調理収率は95.62%であった。
【実施例33】
【0238】
パスタ
マイクロカプセル化オメガ3脂肪酸(カナダ、DartmouthのOcean Nutrition Canada,Ltd.製の1812TG粉末)が組み込まれたパスタ(1人分150g)を、表28の配合に従って調製した。この製品は、1食140g当たり32mg用量のEPA+DHAを有していた。
【0239】
【表32】

【0240】
小麦粉およびオメガ3粉末を1つの容器内で混ぜ合わせた。卵および水を別個の容器内で混ぜ合わせた。湿潤材料を、ドーフック(dough hook)を備えるミキサー内で混合される乾燥材料にゆっくりと注ぎ入れた。得られた生地を約30秒間こねた。次いで、この生地にラップをかけ、45分間寝かせた。次いで、この生地をシート状にしてフェトチーネサイズの麺とし、20分〜1時間乾燥させた。麺を調理するために、水を沸騰させ、麺を加えた。3.5分後、ゆで汁を切り、調理した麺を冷水ですすいだ。
【0241】
自明で本発明に固有の他の利点は、当業者にとって明らかであろう。一部の特徴およびサブコンビネーションは有用で、他の特徴やサブコンビネーションを考慮せずに採用することができることが理解されよう。このことは、特許請求の範囲によって企図され、また特許請求の範囲内にある。多くの可能な実施形態を、本発明の範囲から逸脱することなく本発明で構成することができるため、添付の図面に記載するまたは示す本明細書中のすべての事項を限定的にではなく、例示的なものとして解釈すべきであることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0242】
【図1】開示のマイクロカプセル化栄養素をチップに適用するプロセスを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロカプセルを備える食料品であって、前記マイクロカプセルが、個々が一次シェルを有する一次マイクロカプセルの凝集体と、充填物質とを含み、前記充填物質が前記一次シェルによってカプセル化され、前記凝集体が外側シェルによってカプセル化されている食料品。
【請求項2】
前記一次シェル、前記外側シェルまたは前記一次および外側シェルの両方が、界面活性剤、ゼラチン、ポリリン酸塩、多糖またはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項3】
前記一次シェル、前記外側シェルまたは前記一次および外側シェルの両方が、タイプAゼラチン、タイプBゼラチン、ポリリン酸塩、アラビアゴム、アルギン酸塩、キトサン、カラギナン、ペクチン、でんぷん、加工でんぷん、アルファ−ラクトアルブミン、ベータ−ラクトグロブミン、オボアルブミン、ポリソルビタン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、乳タンパク質、乳漿タンパク、大豆タンパク、カノーラタンパク、アルブミン、コーシャゼラチン、非コーシャゼラチン、ハラールゼラチン、非ハラールゼラチンまたはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項4】
前記一次シェル、前記外側シェルまたは前記一次および外側シェルの両方が魚ゼラチンを含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項5】
前記一次シェル、前記外側シェルまたは前記一次および外側シェルの両方が豚ゼラチンを含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項6】
前記一次シェル、前記外側シェルまたは前記一次および外側シェルの両方が、約0〜約50のブルーム強度を有するゼラチンを含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項7】
前記一次シェル、前記外側シェルまたは前記一次および外側シェルの両方が、約51〜約300のブルーム強度を有するゼラチンを含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項8】
前記一次シェル、前記外側シェルまたは前記一次および外側シェルの両方が、約0、約210、約220または約240のブルーム強度を有するゼラチンを含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項9】
前記一次シェル、前記外側シェルまたは前記一次および外側シェルの両方がコアセルベート錯体を含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項10】
前記コアセルベート錯体が、ゼラチンとポリリン酸塩とのコアセルベート錯体である、請求項9に記載の食料品。
【請求項11】
前記外側シェルが、約1μm〜約2,000μmの平均直径を有する、請求項1に記載の食料品。
【請求項12】
前記一次シェルが、約40nm〜約10μmの平均直径を有する、請求項1に記載の食料品。
【請求項13】
前記一次シェル、前記外側シェルまたは前記一次および外側シェルの両方が酸化防止剤を含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項14】
前記充填物質が、生物活性物質、栄養補給剤、香味物質、ビタミン、ミネラル、炭水化物、ステロイド、微量元素、タンパク質、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項15】
前記充填物質が、微生物油、藻類油、真菌油および植物油から選択される1種または複数種の油を含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項16】
前記充填物質が魚油を含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項17】
前記魚油が、大西洋の魚の油、太平洋の魚の油、地中海の魚の油、軽く加圧した魚の油、アルカリで処理した魚の油、加熱処理した魚の油、軽重の茶色い魚の油、カツオ油、ピルチャード油、マグロ油、シーバス油、オヒョウ油、フウライカジキ油、バラクーダ油、タラ油、メンハーデン油、イワシ油、アンチョビ油、カラフトシシャモ油、大西洋タラの油、大西洋ニシンの油、大西洋サバの油、大西洋メンハーデン油、サケ科の魚の油またはサメ油を含む、請求項16に記載の食料品。
【請求項18】
前記充填物質が、オメガ3脂肪酸、オメガ3脂肪酸エステルおよび/またはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項19】
前記オメガ3脂肪酸エステルが、オメガ3脂肪酸のアルキルエステル、オメガ3脂肪酸のモノグリセリド、オメガ3脂肪酸のジグリセリド、オメガ3脂肪酸トリグリセリドエステル、オメガ3脂肪酸の植物ステロールエステル、オメガ3脂肪酸のエステルおよび酸化防止剤、オメガ3脂肪酸のフラノイドエステル、ならびに/またはこれらの混合物を含む、請求項18に記載の食料品。
【請求項20】
前記充填物質が、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸、そのC〜Cアルキルエステル、そのトリグリセリドエステル、その植物ステロールエステル、ならびに/あるいはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項21】
前記充填物質が、防腐剤、抗菌剤、キレート剤、増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散助剤、結合剤またはこれらの任意の組合せをさらに含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項22】
前記充填物質が、前記マイクロカプセルの約20重量%〜約90重量%である、請求項1に記載の食料品。
【請求項23】
前記マイクロカプセルが、
a.前記第1のポリマー成分および前記充填物質を含むエマルジョンを提供すること、
b.前記エマルジョンに前記第2のポリマー成分を添加すること、
c.pH、温度、濃度、混合速度またはこれらの組合せを調整して、前記第1および第2のポリマー成分を含み、かつ前記充填物質を取り囲む一次シェル材料を含む水性混合物を形成すること、
d.前記一次シェル材料が凝集体を形成するまで、前記一次シェル材料のゲル化温度より高い温度に前記水性混合物を冷却すること、ならびに
e.前記水性混合物をさらに冷却して、前記凝集体の周りに外側シェルを形成すること
を含む方法によって調製される、請求項1に記載の食料品。
【請求項24】
前記エマルジョンおよび/または前記水性混合物に酸化防止剤が添加される、請求項23に記載の食料品。
【請求項25】
前記酸化防止剤が、アスコルビン酸、クエン酸またはこれらの塩を含む、請求項23に記載の食料品。
【請求項26】
冷却が、約1〜約100分につき約1℃の速度で行われる、請求項23に記載の食料品。
【請求項27】
冷却が、約1℃/5分の速度で行われる、請求項23に記載の食料品。
【請求項28】
前記混合物が、約5℃〜約10℃の温度に達するまで冷却される、請求項23に記載の食料品。
【請求項29】
架橋剤を添加して前記シェル材料を架橋する工程(e)をさらに含む、請求項23に記載の食料品。
【請求項30】
前記架橋剤が酵素架橋剤、アルデヒド、タンニン酸、ミョウバンまたはこれらの混合物である、請求項29に記載の食料品。
【請求項31】
前記架橋剤がグルテルアルデヒドである、請求項29に記載の食料品。
【請求項32】
前記架橋剤がトランスグルタミナーゼである、請求項29に記載の食料品。
【請求項33】
前記マイクロカプセルを乾燥させる工程(f)をさらに含む、請求項23に記載の食料品。
【請求項34】
前記マイクロカプセルが噴霧乾燥される、請求項33に記載の食料品。
【請求項35】
湿性スープである、請求項1に記載の食料品。
【請求項36】
脱水および調理された食品である、請求項1に記載の食料品。
【請求項37】
飲料である、請求項1に記載の食料品。
【請求項38】
冷凍食品である、請求項1に記載の食料品。
【請求項39】
調味料である、請求項1に記載の食料品。
【請求項40】
アップルソースである、請求項1に記載の食料品。
【請求項41】
離乳食である、請求項1に記載の食料品。
【請求項42】
パン粉をまぶした肉である、請求項1に記載の食料品。
【請求項43】
低温殺菌プロセスチーズ食品である、請求項1に記載の食料品。
【請求項44】
グラノーラバーまたはシリアルバーである、請求項1に記載の食料品。
【請求項45】
パン、シリアルまたはワッフルである、請求項1に記載の食料品。
【請求項46】
豆乳である、請求項1に記載の食料品。
【請求項47】
グミキャンディである、請求項1に記載の食料品。
【請求項48】
パスタまたはパスタソースである、請求項1に記載の食料品。
【請求項49】
トマトソースである、請求項1に記載の食料品。
【請求項50】
オレンジジュースである、請求項1に記載の食料品。
【請求項51】
スナック食品である、請求項1に記載の食料品。
【請求項52】
前記スナック食品が、ポテトチップ、コーンチップまたはトルティーヤチップである、請求項51に記載の食料品。
【請求項53】
チップであり、前記充填物質がオメガ3脂肪酸を含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項54】
前記マイクロカプセルが、前記チップの総重量に基づき約6重量%以下で存在する、請求項53に記載の食料品。
【請求項55】
前記マイクロカプセルが、前記チップの総重量に基づき約5重量%以下で存在する、請求項53に記載の食料品。
【請求項56】
前記マイクロカプセルが、前記チップの総重量に基づき約1重量%〜約4重量%で存在する、請求項53に記載の食料品。
【請求項57】
プロバイオティクスをさらに含む、請求項1に記載の食料品。
【請求項58】
対象に充填物質を送達する方法であって、請求項1から56のいずれかに記載の前記食料品を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項59】
請求項1から56に記載の前記食料品を調製する方法であって、前記食料品を調製する前に、前記マイクロカプセルを、前記食料品を調製するために使用される1種または複数種の材料と混合することを含む方法。
【請求項60】
請求項1から56に記載の前記食料品を調製する方法であって、前記食料品を前記マイクロカプセルと接触させることを含む方法。
【請求項61】
前記マイクロカプセルが、前記食料品用の調味料と混ぜ合わされる、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記食料品を前記マイクロカプセルと接触させることが、前記食料品に前記マイクロカプセルを噴霧することによって実現される、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記食料品を前記マイクロカプセルと接触させることが、前記食料品を前記マイクロカプセルと混合するとによって実現される、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
マイクロカプセルを含む食料品であって、前記マイクロカプセルが、充填物質、一次シェルおよび二次シェルを含み、前記一次シェルが前記充填物質をカプセル化し、前記二次シェルが前記充填物質および前記一次シェルをカプセル化する食料品。
【請求項65】
マイクロカプセルを含む食料品であって、前記マイクロカプセルがオメガ3油を含む食料品。
【請求項66】
前記オメガ3油が、ドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸、そのC〜Cアルキルエステル、そのトリグリセリドエステル、その植物ステロールエステル、ならびに/あるいはこれらの混合物である、請求項65に記載の食料品。

【図1】
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【公開番号】特開2011−254834(P2011−254834A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−179744(P2011−179744)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【分割の表示】特願2008−520263(P2008−520263)の分割
【原出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(502390201)オーシャン・ニュートリション・カナダ・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】