説明

デルタ構造のカラーディスプレイにカラー画像をレンダリングする方法及びデルタ構造のカラーディスプレイの駆動装置

【課題】本発明は、デルタ構造のディスプレイに画像をレンダリングする方法に関する。
【解決手段】前記ディスプレイは、交差配置された複数の第1のサブピクセル群と第2のサブピクセル群とを備え、各第1のサブピクセル群は、第1色を有する第1のサブピクセルを備え、各第2のサブピクセル群は、第2色を有する第2のサブピクセル及び第3色を有する第3のサブピクセルを備えている。前記方法は、カラー画像を入力し;カラー画像を分析して、そのカラー画像のパターンを推定し;カラーテンプレートを決定し、当該カラーテンプレートは複数のサブピクセルを備え、一つのカラーテンプレートは少なくとも一つのパターンに対応し;強度分布図を生成し、強度分布図には、ディスプレイの第1のサブピクセル、第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルの強度が含まれ、その強度はカラーテンプレートに基づいて生成され;強度分布図に基づいて、電気信号をディスプレイに出力する、ステップを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ディスプレイに係り、特に、色共有可能なデルタ配列のサブピクセルを有するディスプレイにサブピクセルをレンダリングする方法、及びデルタ構造を有するディスプレイの駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイにおいて、エレクトロルミネセンス平面表示素子(例えば有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode;OLED))を使用した表示装置は、人気のあるものとして、多くの人々に選ばれている。OLEDディスプレイは、テレビの画面、コンピュータのディスプレイ、携帯電話及び個人用の携帯情報端末(PDA)のような携帯式電子システムによく使われている。OLEDは、有機化合物薄膜が発光するエレクトロルミネセンス層になっている発光ダイオードであって、有機化合物薄膜に電流を流すことにより発光する。この有機半導体材料層は、両電極の間に位置する。通常、これら電極のいずれか一つは透明になっている。OLEDディスプレイの作動には、バックライトが必要ない。このため、黒い層を表示することができ、液晶ディスプレイの他のフラットパネルディスプレイより軽薄になる。OLEDディスプレイは、受動マトリックスOLED(Passive-Matrix OLED;PMOLED)または 能動マトリックスOLED(Active-Matrix OLED;AMOLED)のアドレス指定構造(addressing schemes)を使用している。そのうち、AMOLEDのほうが、高解像度または大型寸法のディスプレイにより適合する。
【0003】
通常、AMOLEDディスプレイは、ガラス基板上に形成された回路層及び当該回路層上に形成された発光層を備える。発光層は複数の等距離に配置された発光画素を備え、これら発光画素は、複数の行と複数の列を有したマトリックスの形式で、表示領域に配置される。カラーディスプレイにおいて、各々の発光画素は、それぞれ赤光、緑光及び青光を発する三つのサブピクセルを備える。
【0004】
図9は、従来のカラーAMOLEDディスプレイにおけるサブピクセルの帯状配列を示す図である。このような配列において、各々の発光画素(例えば、点線により囲まれた正方形のブロック)は、行方向にアレイ配列されたRGBの三つのサブピクセルを備える。各々のサブピクセルにおいて、高さは幅の3倍になっているので、各々の発光画素は略正方形状を呈している。同じ色のサブピクセルは、列方向において連続帯状に配列される。
【0005】
カラーAMOLEDディスプレイの回路層は、複数のサブピクセル回路を有している。各サブピクセル回路は、各自のサブピクセルに電気接続されて、印加されるデータ信号にサブピクセルが反映するよう、そのサブピクセルを流す電流を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7176940号明細書
【特許文献2】米国特許第6768482号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ただし、サブピクセル回路の典型的な例として、各々のサブピクセル回路は、少なくとも二つの薄膜トランジスタ(TFT)を備えているので、ディスプレイ上において、重大な領域を占めるようになっている。このため、カラーAMOLEDディスプレイの空間解像度は、200画素毎インチ(Pixels Per Inch;PPI)かまたはその以下まで制限される。
以上の問題に鑑みて、本発明は、今までの問題を解決するために提供された発明である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの実施形態は、デルタ構造のカラーディスプレイにカラー画像をレンダリングする方法に関する。ここで、前記デルタ構造のカラーディスプレイは、複数の第1のサブピクセル群と複数の第2のサブピクセル群を備え、前記複数の第2のサブピクセル群と前記複数の第1のサブピクセル群が交差して、複数の列と複数の行を有するマトリックスを形成し、各第1のサブピクセル群は、第1色を有する第1のサブピクセルを備え、各第2のサブピクセル群は、第2色を有する第2のサブピクセル及び第3色を有する第3のサブピクセルを備え、前記各第2のサブピクセル群の第2のサブピクセルと第3のサブピクセルは、行方向において相互隣接している。また、本実施形態において、前記第1色が緑色であり、前記第2色が青色であり、第3色が赤色である。
【0009】
本実施形態において、前記方法は、前記カラー画像を入力するステップと、前記カラー画像を分析して、そのカラー画像の少なくとも一つのパターンを推定するステップと、少なくとも一つのカラーテンプレートを決定するステップと、ここで、各カラーテンプレートは複数のサブピクセルを備え、前記少なくとも一つのカラーテンプレートの各々は、前記カラー画像の少なくとも一つのパターンに対応しており、強度分布図を生成するステップと、ここで、前記強度分布図には、少なくとも前記デルタ構造のカラーディスプレイの前記第1のサブピクセル、前記第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルの強度が含まれ、前記強度は、前記少なくとも一つのカラーテンプレートの前記サブピクセルに対応する複数の輝度値に基づいて生成されており、前記強度分布図に基づいて、複数の電気信号を前記デルタ構造のカラーディスプレイに出力するステップと、を含んでいる。
【0010】
本発明のまた一つの実施形態は、デルタ構造のカラーディスプレイの駆動装置に関する。ここで、前記デルタ構造のカラーディスプレイは、複数の第1のサブピクセル群と複数の第2のサブピクセル群を備え、前記複数の第2のサブピクセル群と前記複数の第1のサブピクセル群が交差して、複数の列と複数の行を有するマトリックスを形成し、各第1のサブピクセル群は、第1色を有する第1のサブピクセルを備え、各第2のサブピクセル群は、第2色を有する第2のサブピクセル及び第3色を有する第3のサブピクセルを備え、前記各第2のサブピクセル群の第2のサブピクセルと第3のサブピクセルは、行方向において相互隣接している。また、本実施形態において、前記第1色が緑色であり、前記第2色が青色であり、第3色が赤色である。
【0011】
本実施形態において、前記駆動装置は、画像入力部と、パターン推定部と、サブピクセルレンダリング部と、画像出力部とを備えている。前記画像入力部は、前記デルタ構造のカラーディスプレイに表示しようとするカラー画像を入力するために用いられる。前記パターン推定部は、前記画像入力部に電気接続されており、前記カラー画像を分析して、そのカラー画像の少なくとも一つのパターンを推定し、複数のサブピクセルを備える少なくとも一つのカラーテンプレートを決定するために用いられ、前記少なくとも一つのカラーテンプレートの各々は、前記カラー画像の少なくとも一つのパターンに対応する。前記サブピクセルレンダリング部は、前記パターン推定部に電気接続されて、強度分布図を生成するために用いられ、前記強度分布図には、少なくとも前記デルタ構造のカラーディスプレイの前記第1のサブピクセル、前記第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルの強度が含まれ、前記強度は、前記少なくとも一つのカラーテンプレートの前記サブピクセルに対応する複数の輝度値に基づいて生成される。前記画像出力部は、前記サブピクセルレンダリング部に電気接続されて、前記強度分布図に基づいて、複数の電気信号を前記デルタ構造のカラーディスプレイに出力するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るカラーディスプレイのサブピクセルのデルタ配列の構造を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るカラー画像を、図1に示されたデルタ配列の構造を有するカラーディスプレイにレンダリングする方法を説明するための図であって、表示領域を複数の第1のサブピクセル群と複数の第2のサブピクセル群に概念的に分けられた様子を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る(a)第1のサブピクセル群の一例と、(b)第2のサブピクセル群の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係るドットパターンに対しカラーテンプレートを生成する方法を説明するための図であって、(a)第1のサブピクセル群が中心に位置した様子の一例を示す模式図であり、(b)第2のサブピクセル群が中心に位置した様子の一例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施形態に係る垂直線パターンに対しカラーテンプレートを生成する方法を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態に係る水平線パターンに対しカラーテンプレートを生成する方法を説明するための図である。
【図7】(a)、(b)は本発明の実施形態に係る対角線パターンに対しカラーテンプレートを生成する方法を説明するための二つの例図である。
【図8】本発明の実施形態に係るデルタ構造を有するカラーディスプレイの駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図9】従来におけるカラーディスプレイにおけるサブピクセルの帯状配列を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。なお、図面において、同じまたは類似したものには同じ参考符号をつけている。
また、本発明の実施形態において、「約」とは、特定値または特定範囲の20%以内、好ましくは10%以内、更に好ましくは5%以内の値または範囲を意味している。
また、本発明の実施形態において、「グレースケール(gray-levelまたはgrayscale)値」とは、画像の複数のグレースケールを指し、この画像に関し、人間の目に入る光の量を表す。例えば、このカラー画像の輝度をn(nは0より大きい整数)ビットグレースケールの形式で表すと、グレースケール値として、黒色を示す「0」から白色を示す「2-1」に至る数値を採用し、その範囲内における数値が漸増するグレースケールを示す。
【0014】
以下、図1〜図8を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るカラーディスプレイのサブピクセルのデルタ配列の構造を示す図である。当該配列において、各々のサブピクセルは、その幅と高さの比が約2:3になっている。このため、一行における相互隣接の三つのサブピクセルが占める領域は、図9に示された従来の帯状構造のディスプレイ中の二つのピクセル(サブピクセル)が占める領域と同じである。各行において、サブピクセルは、R-G-Bサブピクセルが順序で繰り返して配列されている。連続しているいずれか二つの行において、その順序に従うサブピクセルは、実際には、互いに1.5個のサブピクセル距離をずれて配列されている。図1に示すようなサブピクセルの配列を、複数組のR-G-Bこの三つのサブピクセルの配列として説明することもできる。各々の組において、R-G-Bこの三つのサブピクセルは三角形(点線により囲まれた形状)に配列されている。また、行方向において、相互隣接のいずれかの2組は、相互に逆三角形となっている。
【0016】
図1に示されたデルタ構造を有するカラーディスプレイに、カラー画像をレンダリングするために、サブピクセルレンダリング(Sub-pixel Rendering;SPR)技術を利用して、サブピクセルのデルタ配列を活用している。図2は、本発明の実施形態に係るカラー画像を、図1に示されたデルタ配列の構造を有するカラーディスプレイにレンダリングする方法を説明するための図であって、点線で示したように、表示領域を複数の第1のサブピクセル群と複数の第2のサブピクセル群に概念的に分けられた様子を示している。
また、図3(a)のように、各サブピクセル群は、第1のサブピクセル群の中心位置している緑色(G)のサブピクセルを含んでおり、図3(b)のように、各サブピクセル群は、並列している青色(B)のサブピクセル、及び赤色(R)のサブピクセルを含んでいる。
第2のサブピクセル群と第1のサブピクセル群は、交差配列されて、複数の行と複数の列を有するマトリックスを形成し、緑色を第1のサブピクセル群における第1のサブピクセルの色とする。これは、人間の目が、緑色に一番敏感であるためであり、このように選ぶことにより、もっと自然的な色混合を実現することができる。したがって、入力されたカラー画像のグレースケール値が1より大きいまたは同じである場合、各々の緑色サブピクセルの強度は0より大きく設定される。もちろん、その他の色の組合せを用いてもよい。
【0017】
以上説明した第1のサブピクセル群と第2のサブピクセル群との概念は、画像中の各種パターンを表示するための多様なカラーテンプレートを生成するために使われる。図4(a)は、本発明の実施形態に係るドットパターンに対しカラーテンプレートを生成する方法を説明するための図であって、第1のサブピクセル群がドットパターンの中心に位置した様子の例を示している。また、前記中心に位置した第1のサブピクセル群の不足の色を補償するために、二つの第2のサブピクセル群(一つは、この中心における第1のサブピクセル群の上方に直接位置し、他の一つは、前記中心における第1のサブピクセル群の下方に直接位置している)を含んで、前記ドットパターンを表示する。
【0018】
カラーテンプレートは、ドットパターンの色によって決められる。カラーテンプレートにおいて、前記中心に位置した第1のサブピクセル群中の緑色のサブピクセルは、第1の輝度値を有し、二つの第2のサブピクセル群中の青色のサブピクセルは、第2の輝度値を有し、二つの第2のサブピクセル群中の赤色のサブピクセルは、第3の輝度値を有する。各々の第1の輝度値、第2の輝度値及び第3の輝度値は、各自色のグレースケール値(輝度)の最大グレースケール値に対する比であり、0%〜100%の範囲で示される。例えば、ある色のnビットグレースケール値に対して、このグレースケール値は、該当する色のない0から全色を示す「2-1」までの範囲の数値を採用する。前者は0%の輝度値を有し、後者は100%の該当する色の輝度値を有する。本実施形態の以下に述べる一例において、輝度値は、8ビットグレースケール値に基づいたものであって、すなわち、グレースケール値は、0、1、2、…、254、255の数値を採用する。当然、本発明は、8ビットグレースケール値以外のビットグレースケール値を使用してもよい。
【0019】
例えば、白色のドットパターンを表示するために、カラーテンプレートは、約100%の緑色の輝度値、約50〜100%の青色の輝度値、約50〜100%の赤色の輝度値を有する。また、赤色のドットパターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約50〜100%の赤色の輝度値を有する。また、緑色のドットパターンを表示するために、カラーテンプレートは、約100%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約1〜30%の赤色の輝度値を有する。また、青色のドットパターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約50〜100%の青色の輝度値、約0〜30%の赤色の輝度値を有する。
【0020】
図4(b)は、本実施形態の他の一例に係るドットパターンに対しカラーテンプレートを生成する方法を説明するための図であって、第2のサブピクセル群が中心に位置した様子の例を示している。また、前記中心に位置した第2のサブピクセル群の不足の色を補償するために、二つの第1のサブピクセル群(一つは、この中心における第2のサブピクセル群の上方に直接位置し、他の一つは、前記中心における第1のサブピクセル群の下方に直接位置している)を含んで、前記ドットパターンを表示する。
【0021】
図4(a)に対する説明のように、カラーテンプレートは、ドットパターンの色によって決められる。例えば、白色のドットパターンを表示するために、カラーテンプレートは、約50〜100%の緑色の輝度値、約100%の青色の輝度値、約100%の赤色の輝度値を有する。また、赤色のドットパターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約100%の赤色の輝度値を有する。また、緑色のドットパターンを表示するために、カラーテンプレートは、約50〜100%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約1〜30%の赤色の輝度値を有する。また、青色のドットパターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約100%の青色の輝度値、約0〜30%の赤色の輝度値を有する。
【0022】
図5は、本発明の実施形態に係る垂直線パターンに対しカラーテンプレートを生成する方法を説明するための図である。この垂直線パターンは、一列における少なくとも二つの第1のサブピクセル群、及び、同一列において少なくとも二つの第1のサブピクセル群と交差して配置された、少なくとも二つの第2のサブピクセル群により表示される。カラーテンプレートは、垂直線パターンの色によって決められる。例えば、白色の垂直線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約100%の緑色の輝度値、約50〜100%の青色の輝度値、約50〜100%の赤色の輝度値を有する。また、赤色の垂直線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約100%の赤色の輝度値を有する。また、緑色の垂直線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約100%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約1〜30%の赤色の輝度値を有する。また、青色の垂直線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約100%の青色の輝度値、約0〜30%の赤色の輝度値を有する。
【0023】
図6は、本発明の実施形態に係る水平線パターンに対しカラーテンプレートを生成する方法を説明するための図である。この水平線パターンは、一行における少なくとも二つの第1のサブピクセル群、及び、同一行において少なくとも二つの第1のサブピクセル群と交差して配置された、少なくとも二つの第2のサブピクセル群により表示される。前記水平線パターンの各端の不足の色を補償するために、二つの第1のサブピクセル群(一つは、この水平線パターンの一端における第2のサブピクセル群の上方に直接位置し、他の一つは、この水平線パターンの一端における第2のサブピクセル群の下方に直接位置している)と、二つの第2のサブピクセル群(一つは、この水平線パターンの他端における第2のサブピクセル群の上方に直接位置し、他の一つは、この水平線パターンの他端における第2のサブピクセル群の下方に直接位置している)とを更に含んで、前記水平線パターンを表示する。
【0024】
カラーテンプレートは、水平線パターンの色によって決められる。言い換えると、この水平線パターンのカラーテンプレートの両端点は、上述した実施形態のドットパターンを含む。例えば、白色の水平線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約50〜100%の緑色の輝度値、約50〜100%の青色の輝度値、約50〜100%の赤色の輝度値を有する。また、赤色の水平線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約50〜100%の赤色の輝度値を有する。また、緑色の水平線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約50〜100%の緑色の輝度値、約1〜50%の青色の輝度値、約1〜30%の赤色の輝度値を有する。また、青色の水平線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜10%の緑色の輝度値、約50〜100%の青色の輝度値、約0〜30%の赤色の輝度値を有する。
【0025】
図7(a)は、本発明の実施形態に係る一例の対角線パターンに対しカラーテンプレートを生成する方法を説明するための図である。この対角線パターンは、連続する少なくとも2行における、少なくとも二つの第1のサブピクセル群により表示される。この少なくとも二つの第1のサブピクセル群は、一行から他の一行まで実際に1.5個ピッチのサブピクセル距離がずれている。少なくとも二つの第1のサブピクセル群の不足の色を補償するために、少なくとも二つの第2のサブピクセル群の赤色サブピクセルを含み、そのうち、各第2のサブピクセルは、各自が位置している行の左側で、前記少なくとも二つの第1のサブピクセル群中のいずれか一つと接続し、少なくとも二つの第2のサブピクセル群の青色サブピクセルを含み、そのうち、各第2のサブピクセルは、各自が位置している行の右側で、前記少なくとも二つの第1のサブピクセル群中のいずれか一つと接続して、前記対角線パターンを表示する。更に、この対角線パターンの各端での不足の色を補償するために、少なくとも二つの第2のサブピクセル群(一つは、頂部の第1のサブピクセル群の上方に位置し、他の一つは、底部の第1のサブピクセルの下方に位置している)を加えて含んでいる。
【0026】
カラーテンプレートは、対角線パターンの色によって決められる。例えば、白色の対角線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約100%の緑色の輝度値、約50〜100%の青色の輝度値、約50〜100%の赤色の輝度値を有する。また、赤色の対角線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約100%の赤色の輝度値を有する。また、緑色の対角線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約50〜100%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約1〜30%の赤色の輝度値を有する。また、青色の対角線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約100%の青色の輝度値、約0〜30%の赤色の輝度値を有する。
【0027】
図7(b)は、本発明の実施形態に係る他の一例の対角線パターンに対しカラーテンプレートを生成する方法を説明するための図である。この対角線パターンは、連続する少なくとも2行における、少なくとも二つの第2のサブピクセル群により表示される。この少なくとも二つの第2のサブピクセル群は、一行から他の一行まで実際に1.5個ピッチのサブピクセル距離がずれている。少なくとも二つの第2のサブピクセル群の不足の色を補償するために、少なくとも二対の第1のサブピクセル群を含み、そのうち、各対の第1のサブピクセルは、各自が位置している行の左側及び右側で、前記少なくとも二つの第2のサブピクセル群中のいずれか一つと接続して、前記対角線パターンを表示する。更に、この対角線パターンの各端での不足の色を補償するために、少なくとも二つの第1のサブピクセル群(一つは、頂部の第2のサブピクセル群の上方に位置し、他の一つは、底部の第2のサブピクセルの下方に位置している)を加えて含んでいる。
【0028】
カラーテンプレートは、対角線パターンの色によって決められる。例えば、白色の対角線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約50〜100%の緑色の輝度値、約100%の青色の輝度値、約100%の赤色の輝度値を有する。また、赤色の対角線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約100%の赤色の輝度値を有する。また、緑色の対角線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約50〜100%の緑色の輝度値、約0〜50%の青色の輝度値、約1〜30%の赤色の輝度値を有する。また、青色の対角線パターンを表示するために、カラーテンプレートは、約1〜20%の緑色の輝度値、約100%の青色の輝度値、約0〜30%の赤色の輝度値を有する。
【0029】
図8は、カラー映像をデルタ構造のカラーディスプレイにレンダリングするための駆動装置800を示している。駆動装置800は、画像入力部802、輝度写像部804、パターン推定部806、サブピクセルレンダリング部808、輝度バッファ810及び画像出力部812を備えている。
画像入力部802は、カラーディスプレイに表示しようとするカラー画像を入力するための構成である。輝度写像部804は、前記カラー画像に対して輝度分布図を生成するための構成である。輝度分布図には、各々の赤色の輝度値、緑色の輝度値及び青色の輝度値が含まれる。パターン推定部806は、輝度分布図を分析して、カラー画像に対応する少なくとも一つのパターンを推定する。カラー画像に対応する少なくとも一つのパターンとして、ドットパターン、垂直線パターン、水平線パターンまたは対角線パターンがある。パターン推定部806は、各パターンに対して、少なくとも一つのカラーテンプレートを生成することもできる。サブピクセルレンダリング部808は、少なくとも一つのカラーテンプレートに基づいて強度分布図を生成し、その強度分布図を輝度バッファ10に出力する。強度分布図には、各々の第1のサブピクセル、第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルの強度値が含まれる。輝度バッファ810は、強度分布図に基づいて複数の電圧信号を生成して、画像出力部812を介してディスプレイに出力する。駆動装置800は、輝度写像部804及びパターン推定部806を配設せずに、入力された画像から直接に強度分布図を生成する構成になってもよい。
【0030】
上述したように、幾つかの実施形態により、本発明のデルタ構造のカラーディスプレイにカラー画像をレンダリングする方法を説明した。説明のように、表示領域を、緑色が中心にある複数の第1のサブピクセル群と、第1のサブピクセル群と交差した、赤色と青色からなる複数の第2のサブピクセル群とに概念的に分けたことにより、自然的な色混合及び高い空間解像度を図ることができる。なお、AMOLEDカラーディスプレイを例にして本発明の上記方法を説明したが、本方法は、液晶ディスプレイの他の型式のカラーディスプレイにも適用できる。
【0031】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる形態例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる
【符号の説明】
【0032】
B 青色サブピクセル
R 赤色サブピクセル
G 緑色サブピクセル
800 駆動装置
802 画像入力部
804 輝度写像部
806 パターン推定部
808 サブピクセルレンダリング部
810 輝度バッファ
812 画像出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デルタ構造のカラーディスプレイにカラー画像をレンダリングする方法であって、
前記デルタ構造のカラーディスプレイは、複数の第1のサブピクセル群と複数の第2のサブピクセル群を備え、前記複数の第2のサブピクセル群と前記複数の第1のサブピクセル群が交差して、複数の列と複数の行を有するマトリックスを形成し、各第1のサブピクセル群は、第1色を有する第1のサブピクセルを備え、各第2のサブピクセル群は、第2色を有する第2のサブピクセル及び第3色を有する第3のサブピクセルを備え、前記各第2のサブピクセル群の第2のサブピクセルと第3のサブピクセルは、行方向において相互隣接しており、
前記方法は、
(a)カラー画像を入力し、
(b)前記カラー画像を分析して、そのカラー画像の少なくとも一つのパターンを推定し、
(c)少なくとも一つのカラーテンプレートを決定し、各カラーテンプレートは複数のサブピクセルを備え、前記少なくとも一つのカラーテンプレートの各々は、前記カラー画像の少なくとも一つのパターンに対応し、
(d)強度分布図を生成し、前記強度分布図には、少なくとも前記デルタ構造のカラーディスプレイの前記第1のサブピクセル、前記第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルのいずれかの一つの強度が含まれ、前記強度は、前記少なくとも一つのカラーテンプレートの前記サブピクセルに対応する複数の輝度値に基づいて生成され、
(e)前記強度分布図に基づいて、複数の電気信号を前記デルタ構造のカラーディスプレイに出力する、
ステップを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1色が緑色であり、前記第2色が青色であり、第3色が赤色である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カラー画像のグレースケールが1または1以上である場合、前記少なくとも一つのパターンに対応する前記少なくとも一つのカラーテンプレートにおいて、緑色を有する各第1のサブピクセルの強度は0より大きい、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記カラー画像の少なくとも一つのパターンはドットパターンを含んでおり、
前記ドットパターンに対応する前記カラーテンプレートにおいて、
前記ドットパターンの中心に位置している前記第1のサブピクセル群の前記第1のサブピクセルは、第1の輝度値を有し、
前記第1のサブピクセル群に隣接している二つの第2のサブピクセル群の前記第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルは、それぞれ、第2の輝度値及び第3の輝度値を有しており、
前記二つの第2のサブピクセル群中、いずれか一つは、前記第1のサブピクセル群の上方における行に位置し、他の一つは、前記第1のサブピクセル群の下方における行に位置している、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カラー画像の少なくとも一つのパターンはドットパターンを含んでおり、
前記ドットパターンに対応する前記カラーテンプレートにおいて、
前記ドットパターンの中心に位置している前記第2のサブピクセル群の前記第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルは、それぞれ、第2の輝度値及び第3の輝度値を有し、
前記第2のサブピクセル群に隣接している二つの第1のサブピクセル群の前記第1のサブピクセルは、第1の輝度値を有し、
前記二つの第1のサブピクセル群中、いずれか一つは、前記第2のサブピクセル群の上方における行に位置し、他の一つは、前記第2のサブピクセル群の下方における行に位置している、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カラー画像の少なくとも一つのパターンは垂直線パターンを含んでおり、
前記垂直線パターンに対応する前記カラーテンプレートにおいて、
少なくとも二つの前記第1のサブピクセル群の前記第1のサブピクセルは、第1の輝度値を有し、
少なくとも二つの前記第2のサブピクセル群の前記第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルは、それぞれ、第2の輝度値及び第3の輝度値を有し、
前記少なくとも二つの第1のサブピクセル群と前記少なくとも二つの第2のサブピクセル群は、同一列で相互交差している、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カラー画像の少なくとも一つのパターンは水平線パターンを含んでおり、
前記水平線パターンに対応する前記カラーテンプレートにおいて、
少なくとも二つの前記第1のサブピクセル群の前記第1のサブピクセルは、第1の輝度値を有し、
少なくとも二つの前記第2のサブピクセル群の前記第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルは、それぞれ、第2の輝度値及び第3の輝度値を有し、
前記少なくとも二つの第1のサブピクセル群と前記少なくとも二つの第2のサブピクセル群は、同一行で相互交差している、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記カラー画像の少なくとも一つのパターンは対角線パターンを含んでおり、
前記対角線パターンに対応する前記カラーテンプレートにおいて、
少なくとも二つの隣接している前記第1のサブピクセル群の前記第1のサブピクセルは、第1の輝度値を有し、前記少なくとも二つの隣接している前記第1のサブピクセル群は、行方向において相互オフセットを有し、
少なくとも二つの前記第2のサブピクセル群は、それぞれ、前記少なくとも二つの第1のサブピクセル群中のいずれか一つの両側に位置し、
前記少なくとも二つの前記第2のサブピクセル群の前記第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルは、それぞれ、第2の輝度値及び第3の輝度値を有している、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記カラー画像の少なくとも一つのパターンは対角線パターンを含んでおり、
前記対角線パターンに対応する前記カラーテンプレートにおいて、
少なくとも二つの隣接している前記第2のサブピクセル群の前記第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルは、それぞれ、第2の輝度値及び第3の輝度値を有し、
少なくとも二つの隣接している前記第2のサブピクセル群は、行方向において相互オフセットを有し、
少なくとも二つの前記第1のサブピクセル群は、それぞれ、前記少なくとも二つの第2のサブピクセル群中のいずれか一つの両側に位置し、
前記少なくとも二つの前記第1のサブピクセル群の前記第1のサブピクセルは、第1の輝度値を有している、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
デルタ構造のカラーディスプレイの駆動装置であって、
前記デルタ構造のカラーディスプレイは、複数の第1のサブピクセル群と複数の第2のサブピクセル群を備え、前記複数の第2のサブピクセル群と前記複数の第1のサブピクセル群が交差して、複数の列と複数の行を有するマトリックスを形成し、各第1のサブピクセル群は、第1色を有する第1のサブピクセルを備え、各第2のサブピクセル群は、第2色を有する第2のサブピクセル及び第3色を有する第3のサブピクセルを備え、前記各第2のサブピクセル群の第2のサブピクセルと第3のサブピクセルは、行方向において相互隣接しており、
前記駆動装置は、画像入力部と、パターン推定部と、サブピクセルレンダリング部と、画像出力部とを備え、
(a)前記画像入力部は、前記デルタ構造のカラーディスプレイに表示しようとするカラー画像を入力し、
(b)前記パターン推定部は、前記画像入力部に電気接続されており、前記カラー画像を分析して、そのカラー画像の少なくとも一つのパターンを推定し、複数のサブピクセルを備える少なくとも一つのカラーテンプレートを決定するために用いられ、前記少なくとも一つのカラーテンプレートの各々は、前記カラー画像の少なくとも一つのパターンに対応し、
(c)前記サブピクセルレンダリング部は、前記パターン推定部に電気接続されて、強度分布図を生成するために用いられ、前記強度分布図には、少なくとも前記デルタ構造のカラーディスプレイの前記第1のサブピクセル、前記第2のサブピクセル及び第3のサブピクセルのいずれかの一つの強度が含まれ、前記強度は、前記少なくとも一つのカラーテンプレートの前記サブピクセルに対応する複数の輝度値に基づいて生成され、
(d)前記画像出力部は、前記サブピクセルレンダリング部に電気接続されて、前記強度分布図に基づいて、複数の電気信号を前記デルタ構造のカラーディスプレイに出力するために用いられる、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項11】
輝度写像部を更に備え、
前記輝度写像部は、前記サブピクセルレンダリング部及び前記画像出力部に電気接続されて、前記カラー画像に対して輝度分布図を生成するために用いられ、
前記輝度分布図には、赤色、緑色及び青色を含む複数の輝度値が含まれている、
ことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
輝度バッファを更に備え、
前記輝度バッファは、前記サブピクセルレンダリング部及び前記画像出力部に電気接続されており、前記強度分布図に基づいて前記電気信号を生成するために用いられる、
ことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−97371(P2013−97371A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−64113(P2012−64113)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(501358079)友達光電股▲ふん▼有限公司 (220)
【氏名又は名称原語表記】AU Optronics Corporation
【住所又は居所原語表記】No.1,Lt−Hsin Rd,II,Science−Based Industrial Park,Hsinchu,Taiwan,R.O.C.
【Fターム(参考)】