説明

データアクセス

音声トラフィックとデータトラフィックとを取り扱うことができる無線端末(1)は、インターネット接続(3)が利用可能な場合にはインターネット接続(3)を使用し、それ以外の場合にはセルラネットワーク(7)への接続を使用するように構成されている。システム間のハンドオーバを可能にするために、VoIPプロトコルを使用する音声呼は、インターネット(3)とセルラネットワーク(7)との間のブリッジングポイント(74)に通される。しかしながら、セルラネットワークを経由してデータをルーティングして、その後でインターネットに戻す必要を回避するために、ハブとモバイルアクセスブリッジ(74)との間のトンネル接続は、VoIPネットワーク制御装置(4)のような中間ブレイクアウトポイントを備えた、ユーザ(1)とMAB(74)とを接続する2つの異なるトンネル(14,47)に替えられる。このブレイクアウトポイントから、ネットワークアクセス制御プロキシ(5)を経由して非音声データトラフィックを伝送するために、インターネットへの第3の接続(46)が作られる。この構成により、VoIPトラフィックだけでなく、他の全てのアプリケーショントラフィックも、第1のトンネル接続(14)を通ってネットワーク制御装置(4)に転送し、ネットワーク制御装置(4)から、音声トラフィックを識別して第2のトンネル接続(47)によって転送し、一方で、他のデータトラフィックを第3のリンク(46)によってインターネット(6)にルーティングすることができる。この構成により、高速データアプリケーションを、VoIPトラフィックと同時に、リンク(14)によって伝送することができる。この構成により、ハンドセット(1)、アクセスポイント(2)、及びブロードバンド接続(3)と、ネットワーク制御装置(4)との間で、同じ1本のIPSecトンネル(14)を用いて、1つのワイファイ接続を使用して、ハンドフリーデバイスによる音声呼を進行させながら、遠隔カメラ送信のようなストリーミングデータアプリケーションを受信する能力を備えることができる。別のブレイクアウトポイントについては、明細書に記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線接続による端末からのデータアクセスに関する。より具体的には、本発明は、無線アクセスポイントによる接続が利用可能である場合には、(第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project, 3GPP)標準の一部である、802.11の「ワイファイ(wifi)」標準、特に、UMA(ユニバーサルモビリティアクセスを使用して)無線アクセスポイントによって、又はさもなければ、セルラネットワークによって、両者で接続可能なタイプのデュアルモードハンドセットを使用して接続することに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示されているような構成では、「ワイファイ」基地局2(「ハブ」としても知られている)が利用可能でない場合に、ハンドセット1は、セルラネットワーク7の基地局71を通して接続される通常のセルラハンドセットとして動作する。「ワイファイ」基地局2が利用可能である場合には、音声呼は、「ボイスオーバインターネットプロトコル」(Voice over Internet Protocol, VoIP)を使用して、ハブ2を通して接続される。この構成では、セルラネットワーク7に対するインターフェイスの役割をするモビリティアクセスブリッジ(mobility access bridge, MAB)74として知られているネットワーク制御装置と、ハンドセット1との間で、トンネルデータ接続(tunneled data connection)17が確立される。以下では、トンネルデータ接続17を、「トンネル」17と称する。一般に、トンネルのエンドツウエンドのセキュリティは、「IPSec」インターネットプロトコルセキュリティ(Internet protocol security)によって提供される。モビリティアクセスブリッジ74において、VoIP呼は、電話ネットワーク7によって取り扱うことができる符号に変換される。従って、このような呼は、ワイファイハブ2と、ブロードバンドインターネット接続3と、VoIPネットワーク制御装置4とを通って、モビリティアクセスブリッジ(MAB)74にルーティングされる。トンネル17が確立されると、ディジタル化された呼は、ルーティング以外の処理をすることなく、これらの要素2、3、4を通って中継されるだけである。MAB74は、セルラネットワーク7の「疑似基地局(quasi-base station)」の役割をして、移動ハンドセット1がハブ2の範囲に入るときと、出るときに、モビリティアクセスブリッジ74とネットワークの通常の基地局71との間で、呼をハンドオフすることができるようにする。
【0003】
このタイプの既存のシステムは、ボイスオーバインターネット呼を取り扱うことができるが、ハンドセットは、データがセルラネットワーク7によって常に伝送されて、GPRS(GSMパケット無線サービス)システムを使用して、ゲートウェイGPRS支援ノード(GGSN)72を通って、インターネット6に到達するように構成されている。ルーティングは、参照番号75(図1)によって表されている。
【0004】
ハンドセット1がインターネット6に接続する場合に、ハンドセット1がワイファイハブ2を通ってインターネット6に接続するのが好都合である。その理由は、ハンドセット1が、(セルラ基地局71を通る)第2の無線接続の使用を避けるからであり、更に、ブロードバンドインターネットの速度は、GPRSサービスよりもはるかに速いからである。
【0005】
図2に示されているように、ハンドセットで開始されたGPRSセッションを、VoIP呼に使用される既存のトンネル接続17によってルーティングするように構成することによって、これらの欠点のうちの第1の欠点を改善できるが、これは速度を改善しない。更に、データパケットはルート76をとらなければならず、ルート76は、インターネット(参照番号3、6で示されている)を2回通り、その途中でモビリティアクセスブリッジ74とセルラネットワーク7とを通る。これは明らかに面倒である。更に、両者の接続17、76は、セルラネットワーク7に対して同じネットワーク識別を使用する。多くの場合に、これは、両者のサービスを同時に使用することを不可能にし得る。
【0006】
本発明は、標準のインターネットプロトコル(Internet Protocol, IP)を使用して、ハンドセット1がハブ2にデータを送信できるように構成することによって、これを改善することを目的とする。これは、データセッションが電話ネットワーク7から完全に独立して動作することができるように、データセッションとVoIPセッションとを取り扱う新たなプロセスを必要とする。
【0007】
通信端末から基地局への複数のトンネルデータ接続を提供することによって、基地局を経由する交換電話ネットワークへの接続を通るディジタル音声アプリケーションを、交換電話ネットワーク以外のルートへのデータアプリケーションと同時に実行することができるように、通信端末を基地局に接続することは、米国特許出願2006/265504号から知られている。各トンネルデータ接続は、ディジタル音声アプリケーション又は非音声データトラフィックを伝送する。しかしながら、ハンドセットにおいてデータセッションからVoIPトラフィックを切り離すと、2つの異なるワイファイ接続が必要になり、両者の利用可能容量を制限することになる。更に、このような構成では、2つのサービスに対して異なる認証資格証明(authentication credential)が必要であり、2本のトンネルは、ハンドセットに対して処理の影響を及ぼす可能性が高い。
【0008】
本発明は、これらの制約を回避する。
【発明の概要】
【0009】
本発明によると、基地局を経由する交換電話ネットワークへのトンネル接続を通るディジタル音声アプリケーションを、交換電話ネットワーク以外のルートへのデータアプリケーションと同時に実行することができるように、通信端末を基地局に接続する方法であって、交換電話ネットワークへのトラフィックと、他のルートへのトラフィックとが、通信端末とネットワーク制御装置との間の1つのトンネルデータ接続を通じて伝送され、ネットワーク制御装置が、トンネルに通されたトラフィックをインターセプトして、データと音声トラフィックとをそれぞれ異なるルーティングに向かわせることを特徴とする、方法が提供される。記載されている実施形態において、端末と基地局との接続は、IEEE 802.11の「ワイファイ」標準を使用する無線接続であるが、「イーサネット(登録商標)」のような、他の無線又は固定接続が可能である。
【0010】
データネットワークへのアクセスを制御及び監視するプロキシサーバに、データトラフィックを向かわせることができる。
【0011】
この構成は、GPRSデータチャネル(図1の75)を高速データ経路に替えることを可能にし、更に、端末からインターネットアプリケーションへのアクセスを制御することができるアクセス制御システム(「ウォールドガーデン(walled garden)」アプリケーション)への、又はインターネットへの、仮想プライベートネットワーク経路を提供する。
【0012】
別の態様によると、ディジタル音声トラフィックと非音声データトラフィックとを同時にサポートすることができる通信端末であって、それぞれのネットワーク制御装置への1つ以上のトンネルデータ接続を確立する手段と、各クラスのトラフィックに対して、1つ以上のトンネルデータ接続を渡る異なるルーティングを確立する手段と、を具備する、通信端末が提供される。好ましい実施形態において、端末は、全クラスのトラフィックを伝送するために1つのトンネルデータ接続を生成する手段と、トンネルデータ接続の遠端においてトラフィックの前方へのルーティング(onward routing)を制御するルーティング情報をデータのオーバーヘッドに生成する手段と、を有する。
【0013】
端末は、基地局に対して無線接続を使用するように構成され、アベイラビリティ(availability)に従って2以上のタイプの無線接続の基地局と通信する能力を有することができ、例えば、ブロードバンドインターネットの無線接続が利用可能でない場合は、GPRSセルラ接続を使用する。
【0014】
データネットワーク制御装置は、端末に関連付けられていて、端末からのデータストリームを伝送するトンネルデータ接続を終端させる手段と、トンネルデータ接続を通じて受信したデータストリームからデータを抽出する手段と、を有し、抽出されたデータに従って、データストリーム中のデータの指定された宛先を識別する手段と、識別された指定された宛先にデータを転送する手段と、を特徴とする。ネットワーク制御装置は、双方向トラフィックに対処できることが好ましく、従って、ネットワーク制御装置は、複数のソースからデータを受信する手段を更に具備し、各ソースから個々の宛先に宛てられたデータを識別して、トンネルデータ接続を通じて宛先に送信するために、このようなデータを1本のデータストリームに結合する手段を特徴とする。しかしながら、併合及び結合する機能は、異なる機能要素によって実行することができ、一方向のみのトラフィックを必要とするある特定の特別な場合において、併合又は結合する機能のうちの1つは、他の併合又は結合する機能を必要とすることなく動作することができる。
【0015】
好ましい実施形態において、データネットワーク制御装置は、それぞれ、ユーザ端末に接続されたトンネルデータ接続と、交換ネットワークにアクセスさせる別のデータネットワーク制御装置に接続されたトンネルデータ接続との、少なくとも2つのトンネルデータ接続を終端させる手段を有し、データネットワーク制御装置は、少なくとも2つのトンネルデータ接続のうちの1つのトンネルデータ接続を通じて受信したトラフィックの指定された宛先を識別して、少なくとも1つの他のトンネルデータ接続を通じてトラフィックを適切にルーティングする手段を有する。好ましい実施形態は、ユーザ端末から受信した、交換ネットワークに宛てられていない任意のトラフィックを抽出して、このような抽出された任意のトラフィックをネットワークアクセス監視及び制御システムにルーティングする手段を提供する。
【0016】
ここで、図面を参照して、本発明の実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】GPRSのようなパケットデータサービスを使用してセルラシステムによってデータを伝送する、既存の構成を示す図である。
【図2】無線データリンクとセルラシステムとによってデータを伝送する、上述の構成を示す図である。
【図3】本発明に従う端末の機能要素を示す図である。
【図4】本発明で使用されているネットワーク制御装置の機能要素を示す図である。
【図5】モバイルアクセスブリッジにおいてVoIPトラフィックとデータトラフィックとを切り離す実施形態を示す図である。
【図6】VoIPネットワーク制御装置においてVoIPトラフィックとデータトラフィックとを切り離す実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
これらの実施形態はUMA標準に関連して記載されているが、本発明は、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol, SIP)のような他のデータ転送プロトコルに適用することができる。
【0019】
図3は、本発明に従う端末1の概略図であり、本発明を実施するために協働する機能要素を示している。端末1は、データ処理能力61と音声能力62とを有し、音声能力62は、アナログ対ディジタル変換器63に関連付けられている。指定された宛先への音声呼とデータセッションとのルーティングは、アドレス指定機能64によって制御される。アドレス指定機能64は、適切なパケット化ヘッダ又は他のディジタルアドレス指定を適用して、トラフィックを、セルラ基地局71(図1)に接続するためにRF出力65にルーティングするか、又はワイファイハブ2(図1、5、及び6)に接続するためにワイファイ出力66にルーティングする。更に、ルーティング機能64は、音声トラフィックを符号化するプロトコル、例えば、GSM(セルラ)又はVoIP(ボイスオーバインターネットプロトコル)を決定する。これらの出力65、66間の切り換えは、ハンドオーバ機能67に制御される。送られてきたデータ音声トラフィックも、RF65とワイファイインターフェイス66とによって処理されて、ルータ64によって、データ処理機能61と音声機能62とに適切に渡される。
【0020】
ワイファイインターフェイス66には、トンネル制御機能が関連付けられていて、トンネル制御機能は、ワイファイインターフェイス66から、データ接続3を通って、1以上の宛先端末点へのデータトンネルを確立する。図4の実施形態では、複数のトンネル接続を同時に設定することができ、このような1つのトンネル17はVoIPフォーマットの音声トラフィックをモバイルアクセスブリッジ74に伝送し、一方でデータは1つ以上の他のトンネル16で伝送される。他の実施形態(図5及び6)では、端末1は、ネットワーク制御装置4(図4)への1本のトンネル17(図5)、14(図67)を確立して、データとVoIPトラフィックとの両者を伝送する。これらの実施形態では、ルータ64によって加えられたヘッダ情報により、遠端4、74は、前方へのルーティングを識別することができる。
【0021】
簡潔に記載される図5及び6の実施形態は、図4を参照して次に記載されるデータネットワーク制御装置4、74を変更しなければならない。
【0022】
図4に示されているように、データ制御装置4は、幾つかのトンネルデータ接続14、46、47(図6を参照)を終端させる手段51を有する。各トンネルデータ接続14、46、47は、協働するデバイス(それぞれ1、5、74)からインターネット3、6を通じて受信したデータストリームを伝送する。図5の実施形態において、トンネル接続17、45は、データ制御装置4において同様に終端させられる。この実施形態において、データ制御装置4は、モバイルアクセスブリッジ74(図4において点線で示されている)と共に配置されている。トンネル終端51は、トラフィックをアドレス抽出機能53に渡す。ルーティング機能54は、抽出されたアドレスデータを使用して、受信トラフィックの転送ルーティングを識別する。専用トンネルデータ接続14、46、47(17、45)の宛先、又はモバイルアクセスブリッジ74のような一緒に配置されている機能に送信するために、多数のソースから受信したデータは、ルーティング機能54によって、個々の宛先ごとに1つのデータストリームに結合される。
【0023】
ルーティング機能54は、限られた数の終端のみとデータを交換することができるように構成されている。終端は、例えば、個々の登録した加入者(トンネル17)、VoIPトラフィックの場合にはモバイルアクセスブリッジ74(トンネル46)、並びに他の全てのトラフィックの場合にはネットワークアクセス監視及び制御システム5(トンネル47)である。
【0024】
図5の実施形態において、IPSecトンネル17は再使用され、インターネットトラフィックとVoIPトラフィックは、モビリティアクセスブリッジ74と一緒に配置された外部器(outer)において切り離される。従って、モビリティアクセスブリッジ74は、セルラネットワーク7にルーティングされる音声トラフィックと、インターネット6にルーティングすることができるデータトラフィックとを区別できなければならない。この構成により、全てのインターネットアクセスを、プロキシ5(「ウォールドガーデン」として知られている場合もある)アプリケーション(トンネル45)を経由して、容易にルーティングさせることができる。このようなアプリケーションは、許可されたネットワークアドレス又は許可されていないネットワークアドレスのリストと、アクセス要求を比較することによって、インターネットの動作を監視して、例えば、ウィルス保護、ペアレンタルコントロール、及び他のセーフガード機能により、所定のインターネットアドレスへのユーザによるアクセスを許可又は拒絶する。
【0025】
図6に示されている好ましい構成では、VoIPネットワーク制御装置4において、音声とデータのトラフィックを切り離す。これは、ハブとモバイルアクセスブリッジ74との間のトンネル接続17を、ハブ2をVoIPネットワーク制御装置4に接続するトンネル14と、VoIPネットワーク制御装置4をMAB74に接続するトンネル47との、2つの異なるトンネルに置き換える。第3の接続46は、ネットワーク制御装置4からインターネット6に続いている(ここでも、図5と同様に、プロキシ5が使用されている)。この構成により、VoIPトラフィックだけでなく、他の全てのアプリケーショントラフィックも、第1のトンネル接続14を通して、ネットワーク制御装置4に転送することができる。ネットワーク制御装置4から、音声トラフィックを識別して第2のトンネル接続47によって転送し、一方で、他のデータトラフィックを第3のリンク46によってインターネット6にルーティングすることができる。この構成により、高速データアプリケーションを、VoIPトラフィックと同時に、リンク14によって伝送することができる。ここでは、VoIPとデータトラフィックの選択的なルーティングは、VoIPネットワーク制御装置4によって処理されるので、モビリティアクセスブリッジ74を再構成する必要なしに、インターネット6に接続することができる。
【0026】
この構成により、ハンドセット1、アクセスポイント2、及びブロードバンド接続3と、ネットワーク制御装置4との間で、同じ1本のIPSecトンネル14を用いて、1つのワイファイ接続を使用して、ハンドフリーデバイスによる音声呼を進行させながら、遠隔カメラ送信のようなストリーミングデータアプリケーションを受信する能力を提供することができる。
【0027】
これらのアプリケーションは、1本の安全なトンネル内で混合されたフレームを用いて、データを同時に転送することができる。ユーザは、例えば、VoIPの音声品質を維持するために、又は適切なデータストリーミングレートを維持するために、このようなデータにどのように優先順位を付けるかを選択することができる。トラフィック46と47は、ネットワーク制御装置において切り離されるので、異なる音声経路とデータ経路とに対して、個々のサービス品質パラメータを設定することができる。
【0028】
この実施形態は、ハンドセットに対する変更を比較的にあまり必要としない。ハンドセット1は、UMA(ユニバーサルモビリティアクセス)標準に従い、更に、音声呼が行なわれるのと同時に、アプリケーション間でデータ転送を実行することができる。これは、音声呼に対してGSM媒体を使用し、データ転送に対してGPRS媒体を使用することによって達成することができる。
【0029】
任意の定められたサービスが、ネットワーク制御装置4によってルーティングされるか、又は従来のGPRSルーティング75(図1)を使用して、GPRSを使用し、固有のIPを使用するかについて、ハンドセット1が決定するように構成してもよい。この構成は、ハンドセットにおいてハードコード化されても、又はユーザが制御してもよい。
【0030】
ワイファイネットワークの範囲内である場合に、即ち、ハブ2を通る場合に、全てのデータは、ブロードバンド接続3により転送可能であり、オフネット時にデータ転送のために、他の媒体、例えばGPRS75(図1)に切り換えることができる。
【0031】
図1の先行技術の構成において、VoIPトラフィックのために使用される、ユーザ1とモバイルアクセスブリッジ74とを相互に接続するトンネル接続17は、最初に呼が接続されるときに、ネットワーク制御装置4によって確立されるが、データを送信するときにアクティブな役割をしない。図6の提示された実施形態において、ネットワーク制御装置4は、3本のトンネル14、46、47を設定する。1本の安全なIPSecトンネル14の終端として、ネットワーク制御装置4は、データストリームを抽出する。次に、抽出されたVoIPデータストリーム47は、モバイルアクセスブリッジ74に送られ、モバイルアクセスブリッジ74は、セルラネットワーク7に対するインターフェイスを提供する。更に、ネットワーク制御装置4は、他のアプリケーションによって送られたデータを抽出して回復し、インターネット6にアクセスさせるゲートウェイ5、従って、他の(非音声)アプリケーション46に、これを送る。
【符号の説明】
【0032】
1・・・ハンドセット、2・・・ハブ、3・・・ブロードバンドインターネット接続、4・・・VoIPネットワーク制御装置、17・・・トンネルデータ接続、71・・・基地局、74・・・モビリティアクセスブリッジ(MAB)、75,76・・・ルート、14、46、47・・・トンネルデータ接続、51・・・トンネル終端、53・・・アドレス抽出機能、54・・・ルーティング機能。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局を経由する交換電話ネットワークへのトンネル接続を通るディジタル音声アプリケーションを、前記交換電話ネットワーク以外のルートへのデータアプリケーションと同時に実行することができるように、通信端末を前記基地局に接続する方法であって、
前記交換電話ネットワークへのトラフィックと、他のルートへのトラフィックとが、前記通信端末とネットワーク制御装置との間の1つのトンネルデータ接続を通じて伝送され、
前記ネットワーク制御装置が、トンネルに通されたトラフィックをインターセプトして、データと音声トラフィックとをそれぞれ異なるルーティングに向かわせることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記通信端末と前記基地局との接続は、無線接続である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
データネットワークへのアクセスを制御及び監視するプロキシサーバに、データトラフィックを向かわせる、請求項1又は2の何れか1項に記載の方法。
【請求項4】
ディジタル音声トラフィックと非音声データトラフィックとを同時にサポートすることができる通信端末であって、
それぞれのネットワーク制御装置への1つ以上のトンネルデータ接続を確立する手段と、
各クラスのトラフィックに対して、1つ以上のトンネルデータ接続を渡る異なるルーティングを確立する手段と、
を具備する、通信端末。
【請求項5】
前記通信端末から複数の異なるトンネルデータ接続を確立する手段を有し、
前記トンネルデータ接続の各々は、ディジタル音声アプリケーション又は非音声データトラフィックの何れかを伝送する、請求項4に記載の通信端末。
【請求項6】
全クラスのトラフィックを伝送する1つのトンネルデータ接続を生成する手段と、
前記トンネルデータ接続の遠端において前記トラフィックの前方へのルーティングを制御するルーティング情報をデータのオーバーヘッドに生成する手段と、
を具備する、請求項4に記載の通信端末。
【請求項7】
無線接続を通じて基地局と通信する手段を具備する、請求項4乃至6の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項8】
アベイラビリティに従って2以上のタイプの無線接続の基地局と通信する手段を有する、請求項7に記載の通信端末。
【請求項9】
端末からのデータストリームを伝送するトンネルデータ接続を終端させる手段と、
前記トンネルデータ接続を通じて受信した前記データストリームからデータを抽出する手段と、
を有する、データネットワーク制御装置であって、
前記抽出されたデータに従って、前記データストリーム中のデータの指定された宛先を識別する手段と、
識別された前記指定された宛先に前記データを転送する手段と、
を特徴とする、データネットワーク制御装置。
【請求項10】
データストリームを端末に伝送するトンネルデータ接続を終端させる手段と、
複数のソースからデータを受信する手段と、
を有する、データネットワーク制御装置であって、
各ソースから個々の宛先に宛てられたデータを識別して、トンネルデータ接続を通じて前記宛先に送信するために、前記データを1本のデータストリームに結合する手段、
を特徴とする、データネットワーク制御装置。
【請求項11】
端末に及び端末からデータストリームを伝送するトンネルデータ接続を終端させる手段を有し、
請求項9及び10の両者の特徴を有する、データネットワーク制御装置。
【請求項12】
それぞれ、ユーザ端末に接続されたトンネルデータ接続と、交換ネットワークにアクセスさせる別のネットワーク制御装置に接続されたトンネルデータ接続との、少なくとも2つのトンネルデータ接続を終端させる手段を有し、
前記データネットワーク制御装置は、前記少なくとも2つのトンネルデータ接続のうちの1つのトンネルデータ接続を通じて受信したトラフィックの指定された宛先を識別して、少なくとも1つの他のトンネルデータ接続を通じて前記トラフィックを適切にルーティングする手段を有する、請求項9乃至11の何れか1項に記載のデータネットワーク制御装置。
【請求項13】
ユーザ端末から受信した、前記交換ネットワークに宛てられていない任意のトラフィックを抽出して、前記抽出された任意のトラフィックをネットワークアクセス監視及び制御システムにルーティングする手段を有する、請求項12に記載のデータネットワーク制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−509551(P2011−509551A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537502(P2010−537502)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003884
【国際公開番号】WO2009/074767
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】