説明

データキャリアを製造する方法

この要約書は、概ね平行な把持エリア(10)を具備する支持体ストリップに関し、該支持体ストリップは更に、多くの支持体エレメント(1a、1b、1c)を具備し、各支持体エレメントは導電性素子からなり、該導電体エレメントはコンタクトパッドおよび配線パッドを含んでいる。当該支持体ストリップは、支持体エレメント(1a)が、スナップオフ連結エリア(11)を使用して把持エリア(10)に接続されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ回路を設けたデータキャリアを製造する方法に関する。該データキャリアは、例えば携帯電話に挿入できるプラグであることができ、該データキャリアは、電気通信ネットワークにアクセスするために携帯電話のユーザを識別する。前記プラグは、例えば、GSM 11.11規格(2Gプラグ)または第三世代プロジェクト(3Gプラグ)に関するGSMプラグであることができる。このGSMプラグは、加入者識別モジュールカード(SIMカード)としても知られている。本発明はまた、実質的に平行なグリップ領域を含んでなる支持体ストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、携帯電話に使用できるプラグを製造する方法を図示している。このようなプラグは、カード本体およびモジュールを具備する。該モジュールは、マイクロ回路および保護樹脂を含んでいる。このモジュールは、一般にはカード本体とは独立に製造され、別々に試験される。その試験が満足できるものであれば、当該モジュールは、ISOカードのカード本体に組込まれる。次いで、該カードはGSMプラグのフォーマットにプレカットされる。次に、第二の試験工程において、マイクロ回路は再度試験される。また、この第二の試験は、組込み後で且つ切断前に行うこともできる。こうして、当該プラグのフォーマットのプレカット輪郭を備えたISOカードが得られる。使用前に、該プラグは末端ユーザによってISOカードから分離される。こうして、GSMプラグは不連続な様式で製造される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一つの目的は、コストの節減を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一つの側面に従えば、支持体ストリップから複数のデータキャリアを製造する方法が提供され、該データキャリアはマイクロ回路を設けたデータキャリア本体を含み、前記支持体ストリップは複数の支持体エレメントを含み、該支持体エレメントは配線パッドを含んでおり、当該方法は次の工程を含んでなるものである:
・オーバーモールド工程;ここでは、複数のデータキャリア本体が得られるように、前記支持体ストリップの支持体エレメントがオーバーモールドされる;
・マイクロ回路接続工程;ここでは、マイクロ回路がデータキャリア本体の配線パッドに電気的に接続されて、複数のデータキャリアが得られる。
【0005】
このデータキャリアは、特に、GSMプラグであることができる。本発明によって、GSMプラグは、プレカットされたISOカードを製造する必要なしに、直接得ることができる。より少ないプラスチック材料しか必要とされない。加えて、1回の試験工程だけが必要とされ、また製造に際しては、一つの支持体ストリップだけが取扱われる。従って、本発明はコストの低減を可能にする。
【0006】
本発明の他の側面に従えば、本発明は、概ね平行なグリップ領域を具備する支持体ストリップである。当該支持体ストリップは更に多くの支持体エレメントを具備する。支持体エレメントは、導電性素子を具備する。導電性素子は、コンタクトパッドおよび配線パッドを含む。支持エレメントは、スナップオフ連結領域を使用してグリップ領域に接続されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図2は、マイクロ回路を設けたカード本体を具備するGSMプラグを図示している。該カード本体は、第一の面および第二の面を備えている。切断された金属格子(1)が、カード本体の中に組込まれる。この切断された金属格子は、コンタクトパッド(2)、配線パッド(3)および取扱い領域(位置出し孔、サポート等を含む)を具備している。コンタクトパッドは、第一の面と同一面上にある。カード本体は、有利には熱可塑性材料(4)製である。当該GSMプラグは、更に、金属格子(1)のためのサポート、プラグの参照エッジ(5)、2G(6b)および3G(6a)の失敗防止領域(foolproofing area)、並びにマイクロ回路を収容し且つコーティングを区画するように構成されたキャビティー(7)を備えている。第二の面がグラフィックで容易にパーソナライズできるように、該キャビティー(7)は、第一の面に配置されるのが有利である。このようなプラグは、本明細書の一部として本願に援用する国際特許出願WO 02/45010に記載されている。
【0008】
図3は、複数のGSMプラグを製造する方法を図示している。この方法は、支持体ストリップを使用することを含んでいる。該支持体ストリップは、位置出しおよび失敗防止用の孔(9)、支持または取扱いシステムによるクランピング用のグリップ領域(10)、およびスナップオフ連結領域(11)を備えている。該支持体ストリップは更に、幾つかの金属格子(1a、1b、1c)を具備している。一つの金属格子(1a)は、コンタクトパッド(2)、配線パッド(3)ハンドリング領域(位置出し孔、サポート等)を備えている。スナップオフ連結領域(11)は、金属格子(1a)を支持体ストリップのグリップ領域(10)に連結するために使用される。
【0009】
オーバーモールド工程においては、支持体ストリップの種々の金属格子(1a、1b、1c)がオーバーモールドされて、複数のカード本体が得られる。このオーバーモールドは、例えば熱可塑性材料を使用して行うことができる。
【0010】
次いで、マイクロ回路挿入工程においては、マイクロ回路が、カード本体のキャビティー(7)の中に挿入される。次いで、このマイクロ回路は、配線パッド(3)に電気的に接続され、保護樹脂でコーティングされて、GSMプラグが得られる。
【0011】
試験およびパーソナライゼーション工程においては、該カード本体が、グラフィック的にパーソナライズされる。この工程では、マイクロ回路が試験され、パーソナライズされる。
【0012】
切断工程においては、GSMプラグが切断されて、支持体の残余部分から分離される。
こうして、連続様式でGSMプラグが製造される。
【0013】
ここまでの説明は、支持体ストリップから複数のデータキャリアを製造する方法であって、該データキャリアはマイクロ回路を設けたデータキャリア本体を具備し、該支持体ストリップは複数の支持体エレメント(1)を具備し、該支持体エレメントは配線パッドを具備しており、当該方法は下記の工程を含んでなる方法を例示している:
・オーバーモールド工程;ここでは、複数のデータキャリア本体が得られるように、支持体ストリップの支持体エレメントがオーバーモールドされる;
・マイクロ回路接続工程;ここでは、複数のデータキャリアが得られるように、複数のマイクロ回路がデータキャリア本体の配線パッド(3)に電気的に接続される。
【0014】
本発明のもう一つの側面に従えば、前記支持体ストリップは、概ね平行なグリップ領域(10)を具備している。この支持体ストリップは、複数の支持体エレメント(1)を備えている。各支持体エレメントは、コンタクトパッドおよび配線パッドを備えている。支持体エレメント(1)は、スナップオフ連結領域(11)を使用して、グリップ領域(10)に接続される。
【0015】
当該データキャリア素子は、GSMプラグである。より一般的には、当該データキャリア素子は、例えばプラスチック本体のようなモールドできる本体を備えた如何なるデータキャリアであってもよい。
【0016】
当該支持体エレメントは、例えば、金属格子(1a、1b、1c)である。より一般的には、当該支持体エレメントは、損傷を伴わずにオーバーモールドするのに充分に硬い如何なる材料からも製造することができる。
【0017】
支持体ストリップのエレメント9,10および11は、金属、または良好な把持を可能にするために十分に堅い他の材料で製造することができる。例えば、プラスチック材料を使用することができるであろう。
【0018】
或いは、オーバーモールド工程の際には、種々の形状を得ることができる。単一のデータキャリアの可能な個別の取扱いのために使用される取り扱い領域は、オバーモールドすることができる。これらの取扱い領域は、例えば整列、配向に使用される、例えばノッチおよび/または孔であることができる。
【0019】
図4に示すように、金属格子は、こうして得られたGSMプラグが、受け側カードの中に挿入され得るような方法で、オーバーモールドすることができる。この点において、例えば、クリップエレメントは、GSMプラグ本体の中にモールドすることができる。
【0020】
図2に示したように、3Gプラグはまた、モールドされたスナップオフ領域(8)を加えることによって、2Gプラグの本体と共に直接集積することができる。従って、このモールドされたスナップオフ領域は、主領域(MA)および補助領域(AA)を定義する。有利には、補助領域(AA)に対応する金属格子の部分は、例えばメモリー部品、特にフラッシュメモリーのような電子部品を収容するように構成することもできる。このメモリー部品は、例えばDSIバスを使用して、マイクロ回路に接続することができる。また、該電子部品は、暗号プロセッサ(crypto-processor)または他の何れかの電子部品であることもできる。
【0021】
有利には、且つ好ましくは、マイクロ回路挿入工程の直前に印刷工程を導入することができ、該工程において種々のカード本体が印刷される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、携帯電話に使用できるプラグを製造するための公知の方法を示す図である。
【図2】図2は、データキャリアの断面図および頂面図を示している。
【図3】図3は、複数のGSMプラグを製造する方法を示している。
【図4】図4は、ISOカードに挿入されるように構成されたGSMプラグを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの支持体ストリップから複数のデータキャリアを製造する方法であって、該データキャリアはマイクロ回路を備えたデータキャリア本体を具備し、前記支持体ストリップは複数の支持体エレメント(1a、1b、1c)を具備し、該支持体エレメントは配線パッドを具備する前記方法において:
・前記支持体ストリップの支持体エレメントをオーバーモールドして、複数のデータキャリア本体を得るオーバーモールド工程と;
・前記マイクロ回路を前記データキャリア本体の配線パッド(3)に電気的に接続して、複数のデータキャリアを得るマイクロ回路接続工程と;
を含んでなる方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、更に、前記データキャリアを切出す切断工程を含んでなる方法。
【請求項3】
概ね平行なグリップ領域(10)を具備する支持体ストリップにおいて、該支持体ストリップは更に多くの支持体エレメント(1a、1b、1c)を具備し、各支持体エレメントは導電性素子を具備し、該導電性素子はコンタクトパッドおよび配線パッドを含み、前記支持体ストリップは、一つの支持体エレメント(1a)がスナップオフ連結領域(11)を使用してグリップ領域(10)に接続されることを特徴とする支持体ストリップ。
【請求項4】
請求項3に記載の支持体ストリップにおいて、前記支持体エレメント(1a)が支持体格子であることを特徴とする支持体ストリップ。
【請求項5】
請求項3に記載の支持体ストリップにおいて、前記支持体エレメント(1a)が失敗防止エッジ(foolproofing edge)(6a)を具備することを特徴とする支持体ストリップ。
【請求項6】
請求項4に記載の支持体ストリップにおいて、前記支持体エレメント(1a)が第二の失敗防止エッジ(6b)を具備することを特徴とする支持体ストリップ。
【請求項7】
請求項3に記載の支持体ストリップにおいて、前記支持体エレメント(1a)が金属製であることを特徴とする支持体ストリップ。
【請求項8】
請求項4に記載の支持体ストリップにおいて、前記支持体エレメント(1a)は、その形状が実質的にGSM 11.11規格に従う輪郭を有することを特徴とする支持体ストリップ。
【請求項9】
請求項3に記載の支持体ストリップにおいて、前記支持体エレメント(1a)が電子部品を収容するように構成される支持体ストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−503383(P2006−503383A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501327(P2005−501327)
【出願日】平成15年10月15日(2003.10.15)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004536
【国際公開番号】WO2004/036648
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(504239847)アクサルト ソシエテ アノニム (17)
【Fターム(参考)】