説明

データコード読取装置

【課題】データコードを認識したことなどの各種動作状態を確実に報知するデータコード読取装置を提供する。
【解決手段】イメージセンサ3による通常のデータコードの読み取り可能状態として照明部4−1〜4−4を第2の発光色に点灯する。データコード情報読取部によりデータコードを認識したとき、照明部4−1〜4−4による第2の発光色の点灯を停止して第2の発光色とは別の第1の発光色で所定期間点灯し、再び第2の発光色による点灯に戻る。商品検知センサ5−1〜5−4により商品を予め設定された期間検知しなければ、スタンバイモードとして予め設定された第3の発光色で前記照明部4−1〜4−4を点灯する。スタンバイモードの状態で商品検知センサ5−1〜5−4により商品を検知すると、通常のデータコードの読み取り可能状態に戻して第2の発光色に点灯する。異常発生時には、予め設定された第4の発光色で照明部4−1〜4−4を点灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば商品に付けられたデータコードを読み取ったことを表示する機能を備えたデータコード読取装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
商品に付けられ、この商品のデータを含むデータコード、具体的にはバーコードを読み取るデータコード読取装置がある。この装置は、例えば商品に付けられたデータコードを撮像するイメージセンサと、このイメージセンサの撮像方向と同一方向すなわちデータコードが付けられた商品を含む空間領域を照明する照明用発光ダイオード(以下、照明用LEDと称する)と、イメージセンサの撮像により取得された画像データ中のデータコードを認識し、このデータコードに含まれる商品データを読み取るデータコード情報読取部と、このデータコード情報読取部によりデータコードを認識したこと等の装置の動作状態を表示する動作状態用LEDとを備える。
【0003】
このうち、動作状態用LEDは、装置本体における照明用LEDとは異なる部分に設けられている。例えば、照明用LEDは、イメージセンサの近傍に並んで設けられるが、動作状態用LEDは、例えば装置本体の背面等に設けられる。この動作状態用LEDの点灯により例えばデータコードを認識したことなどの動作状態をオペレータに報知する。
なお、撮影対象を撮影して読取対象物を認識する読取装置としては、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−114913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、照明用LEDと動作状態用LEDとが互いに異なる部分に設けられている。このため、商品に付けられたデータコードをイメージセンサにより撮像させる場合、オペレータは、商品に付けられたデータコードの位置が照明用LEDの照明領域に入っているか否かを確認するために、視点を照明用LED及びこの照明用LEDの照明領域に向けることになる。
このため、照明用LEDと異なる部分に設けられた動作状態用LEDを目視してデータコードを認識したこと確認するには、オペレータは、照明用LEDから動作状態用LEDに視点を移さなければならない。
【0006】
本発明の目的は、データコードを認識したことなどの各種動作状態を確実に報知できるデータコード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な局面に係るデータコード読取装置は、撮像領域内に配置された商品を撮像し、その画像データを出力するイメージセンサと、このイメージセンサの周囲に設けられ、当該イメージセンサの撮像方向と同一方向の空間領域を照明し、複数の発光色の中から1色の発光色が点灯可能である複数の照明部と、イメージセンサの周囲に設けられ、当該イメージセンサの撮像方向と同一方向の空間領域内に商品が配置されたことを検知する商品検知センサと、イメージセンサの撮像により取得された画像データ中のデータコードを認識し、当該データコードを読み取るデータコード情報読取部と、イメージセンサによる通常のデータコードの読み取り可能状態として照明部を第2の発光色に点灯し、データコード情報読取部によりデータコードを認識したとき、照明部による第2の発光色の点灯を停止して第2の発光色とは別の第1の発光色で所定期間点灯し、再び第2の発光色による照明部の点灯に戻り、かつ商品検知センサにより商品を予め設定された期間検知しなければ、スタンバイモードとして予め設定された第3の発光色で照明部を点灯し、スタンバイモードの状態で商品検知センサにより商品を検知すると通常のデータコードの読み取り可能状態に戻して第2の発光色に点灯し、異常発生時に予め設定された第4の発光色で照明部を点灯する制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通常のデータコードの読み取り可能状態と、データコードを認識したときと、商品検知センサにより商品を予め設定された期間検知しないとしたスタンバイモードの状態と、スタンバイモードの状態で商品を検知して通常のデータコードの読み取り可能状態に戻ったときと、異常発生時などの各種動作状態を確実に報知できるデータコード読取装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るデータコード読取装置の一実施の形態を示す外観図。
【図2】同装置におけるブロック構成図。
【図3】同装置における照明用LEDの構成図。
【図4】同装置におけるLED駆動部に対して並列接続された各LEDを示す図。
【図5】同装置における状態表示フローチャート。
【図6】同装置における各照明用LEDの状態遷移図。
【図7】同装置における異常発生時の状態表示フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はCCDスキャナであるデータコード読取装置の外観図を示す。装置本体1の正面2には、CCDカメラ等のイメージセンサ3が設けられている。このイメージセンサ3の周囲には、照明部としての例えば4つの照明用LED4−1〜4−4が設けられている。又、これら照明用LED4−1〜4−4とイメージセンサ3との間には、例えば4つの商品検知センサ5−1〜5−4が設けられている。装置本体1の内部には、制御部6が設けられている。又、装置本体1の側面には、電源スイッチ7が設けられている。
【0011】
図2はデータコード読取装置のブロック構成図を示す。制御部6は、主制御部10を有する。この主制御部10は、CPU、RAM、ROM等から成る。この主制御部10には、イメージセンサ3と、各商品検知センサ5−1〜5−4と、電源スイッチ7とが接続されている。又、主制御部10には、データコード情報読取部11と、LED駆動部12と、伝送部13と、記憶部14とが接続されている。
イメージセンサ3は、商品15に付けられたデータコード16、具体的にはバーコードを撮像し、その画像データを出力する。バーコード16は、例えば商品の価格、日付、割引価格等の商品データを含む。
【0012】
各照明用LED4−1〜4−4は、それぞれイメージセンサ3の撮像方向と同一方向の空間領域を照明する。例えばイメージセンサ3の撮像領域内にデータコード16が付けられた商品15が配置されると、この商品15及びデータコード16を含む空間領域を照明する。これら照明用LED4−1〜4−4は、それぞれ複数の発光色、例えば緑色、青色、赤色及び白色の4色の発光色で発光することが可能である。図3は各照明用LED4−1〜4−4の構成図を示す。これら照明用LED4−1〜4−4は、それぞれ例えば3色のLED素子17〜19を備える。例えばLED素子17は、緑色を発光する(以下、緑色LED素子17と称する)。LED素子18は、青色を発光する(以下、青色LED素子18と称する)。LED素子19は、赤色を発光する(以下、赤色LED素子19と称する)。
【0013】
各商品検知センサ5−1〜5−4は、それぞれ例えばイメージセンサ3の撮像方向と同一方向の空間領域内にデータコード16が付けられた商品15が配置されたか否かを検知する。
電源スイッチ7は、制御部6に電源20からの電力の供給、遮断を行う。この電源スイッチ7は、例えば主制御部10からの指令を受けて開閉する。
【0014】
データコード情報読取部11は、イメージセンサ3の撮像により取得された画像データ中のデータコード16を認識し、この認識したデータコード16に含まれる商品データを読み取る。
【0015】
LED駆動部12には、4つの照明用LED4−1〜4−4が接続されている。このLED駆動部12は、例えば主制御部10により指示された発光色に従って緑色LED素子17、青色LED素子18又は赤色LED素子19を点灯する。これら緑色LED素子17と青色LED素子18と赤色LED素子19とは、図4に示すように例えばLED駆動部12に対して並列接続されている。LED駆動部12は、緑色LED素子17のみに通電を行うことにより緑色LED素子17のみを発光させ、各照明用LED4−1〜4−4を緑色(第1の発光色)に発光する。同様に、LED駆動部12は、青色LED素子18のみに通電を行うことにより青色LED素子18のみを発光させ、各照明用LED4−1〜4−4を青色(第3の発光色)に発光する。LED駆動部12は、赤色LED素子19のみに通電を行うことにより赤色LED素子19のみを発光させ、各照明用LED4−1〜4−4を赤色(第4の発光色)に発光する。又、LED駆動部12は、緑色LED素子17と青色LED素子18と赤色LED素子19との全てに通電を行うことにより緑色LED素子17と青色LED素子18と赤色LED素子19との全てを発光し、各照明用LED4−1〜4−4を白色(第2の発光色)に発光する。
【0016】
伝送部13には、例えばPOSシステム21を構成する電子キャッシュレジスタが接続されている。この電子キャッシュレジスタは、例えばスーパマーケットやコンビニエンスストア、百貨店等の小売店には、現金やクレジットカードを用いて商取引を行う。
記憶部14には、例えばイメージセンサ3の撮像により取得された画像データ等を記憶する。
【0017】
主制御部10のROMには、予め状態表示プログラムが格納されている。この状態表示読取プログラムは、通常のイメージセンサ3の撮影動作状態に白色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯させ、この状態でデータコード16を認識すると、各照明用LED4−1〜4−4による白色の点灯を停止させ、各照明用LED4−1〜4−4を緑色で所定期間点灯させ、再び白色による各照明用LED4−1〜4−4の点灯に戻し、かつ各商品検知センサ5−1〜5−4により商品15を予め設定された期間検知しなければ、予め設定された青色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯させ、異常発生時に予め設定された赤色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯させる。
【0018】
主制御部10は、ROMに予め格納されている状態表示プログラムを実行し、データコード16の認識を含む各種動作状態に応じて各照明用LED4−1〜4−4を緑色、白色、青色又は赤色の各発光色の中から1色の発光色で点灯する。すなわち、主制御部10は、データコード情報読取部11によりデータコード16を認識したときに予め設定された緑色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯する。主制御部10は、通常のイメージセンサ3の撮影動作状態に、予め設定された白色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯する。主制御部10は、データコード16を認識したとき、各照明用LED4−1〜4−4による白色の点灯を停止し、緑色の点灯を所定期間例えば1s間行う。主制御部10は、各商品検知センサ5−1〜5−4により商品15を予め設定された期間例えば5分間検知しなければ、予め設定された青色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯する。さらに各商品検知センサ5−1〜5−4により商品15を予め設定された期間例えば15分間検知しなければ、主制御部10は、電源スイッチ7を遮断する。主制御部10は、例えば水濡れ、電源の異常、エラー等の異常発生時、予め設定された赤色で各照明用LED4−1〜4−4を例えば周波数2.5Hで100ms間点滅する。
【0019】
次に、上記の如く構成された装置の動作について図5に示す状態表示フローチャートに従って説明する。
電源スイッチ7が遮断されていると、各照明用LED4−1〜4−4は、図6の各照明用LED4−1〜4−4の状態遷移図に示すように全て消灯している。主制御部10は、ステップ#1において、電源スイッチ7が投入されたか否かを判断し、オペレータによって電源スイッチ7が投入されると、ステップ#2に移ってLED駆動部12に対して白色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯させる指令を発する。この指令を受けてLED駆動部12は、全ての緑色LED素子17と青色LED素子18と赤色LED素子19とのに対して通電を行い、全ての緑色LED素子17と青色LED素子18と赤色LED素子19とを点灯する。このとき、LED駆動部12は、図6に示すように例えば周波数30Hzで10ms間全ての緑色LED素子17と青色LED素子18と赤色LED素子19とのを点灯する。これにより、全ての緑色LED素子17と青色LED素子18と赤色LED素子19とが点灯するので、これら緑色と青色と赤色とが混合して各照明用LED4−1〜4−4は、それぞれ白色を発光する。このように各照明用LED4−1〜4−4が白色を発光するので、オペレータは、データコード読取装置が通常のデータコードの読取可能状態にあることを知ることができる。
【0020】
次に、主制御部10は、ステップ#3において、各商品検知センサ5−1〜5−4により商品15を検知したか否かを監視し、図6に示すように例えば電源投入から5分間商品15を検知したか否かを監視する。例えば5分間以内に各商品検知センサ5−1〜5−4により商品15を検知すると、主制御部10は、ステップ#4に移り、商品に付いているデータコード16を認識したか否かを判断する。すなわち、オペレータは、商品15を把持してイメージセンサ3の撮像領域に配置する。このとき、オペレータは、商品15に付けられているデータコード16をイメージセンサ3に向けて配置すると共に、イメージセンサ3のフォーカス位置にデータコード16が配置されるように商品16をイメージセンサ3に対して近付けたり遠ざけたりする。
【0021】
イメージセンサ3は、例えばオペレータによって把持されている商品16に付けられたデータコード16を撮像し、その動画の画像データを出力する。主制御部10は、イメージセンサ3から出力される動画の画像データを受け取り、データコード16に対してフォーカスの合ったときの画像データを取り込み、この画像データをデータコード情報読取部11に送る。このデータコード情報読取部11は、イメージセンサ3の撮像により取得された画像データ中からデータコード16を認識し、この認識したデータコード16に含まれる商品データを読み取る。なお、主制御部10は、データコード16を認識するまで、ステップ#2〜#4を繰り返す。
【0022】
次に、データコード情報読取部11によってデータコード16が認識されると、このとき、主制御部10は、ステップ#5において、LED駆動部12に対して緑色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯させる指令を発する。この指令を受けてLED駆動部12は、緑色LED素子17のみに通電を行い、緑色LED素子17のみを点灯する。このとき、LED駆動部12は、図6に示すように例えば1s間緑色LED素子17のみを点灯する。これにより、各照明用LED4−1〜4−4は、それぞれ緑色を発光する。このように各照明用LED4−1〜4−4が緑色を発光するので、商品15やこの商品15に付けられているデータコード16、さらには商品15の周辺が緑色に照明される。これにより、オペレータは、商品15に付けられているデータコード16がデータコード読取装置によって認識されたことを知ることができる。
【0023】
次に、主制御部10は、ステップ#6において、緑色LED素子17の点灯が例えば1s経過したか否かを判断し、1s経過すると、LED駆動部12に対して緑色の点灯を停止させる指令を発し、再び、ステップ#2に戻ってLED駆動部12に対して白色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯させる指令を発する。これにより、各照明用LED4−1〜4−4は、再び、それぞれ白色を発光する。
【0024】
これ以降、オペレータによって複数の商品15が順次イメージセンサ3の撮像領域に配置されると、主制御部10は、ステップ#2〜#6を繰り返し、データコード情報読取部11によって各商品15のデータコード16の認識時毎に、例えば1s間緑色LED素子17のみを点灯する。これにより、各照明用LED4−1〜4−4は、それぞれ緑色を発光する。オペレータは、各照明用LED4−1〜4−4が緑色に発光する毎に各商品15のデータコード16がデータコード読取装置によって認識されたことを知ることができる。
【0025】
主制御部10は、上記ステップ#3において、各商品検知センサ5−1〜5−4により商品15を検知したか否かを監視する。すなわち、主制御部10は、例えば電源投入から5分間経過しても商品15に付けられているデータコード16がデータコード読取装置によって認識されていない状態にあること、又は商品15に付けられているデータコード16がデータコード読取装置によって認識されてから5分間経過しても次の商品15に付けられているデータコード16がデータコード読取装置によって認識されていない状態にあるか否かを監視する。
【0026】
この監視の結果、商品15に付けられているデータコード16がデータコード読取装置によって認識されていない状態が5分間続くと、主制御部10は、図6に示すスタンバイモードに移行するとしてステップ#3からステップ#7に移り、LED駆動部12に対して青色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯させる指令を発する。この指令を受けてLED駆動部12は、青色LED素子18のみに通電を行い、青色LED素子18のみを点灯する。このとき、LED駆動部12は、例えば連続して青色LED素子18のみを点灯する。これにより、各照明用LED4−1〜4−4は、それぞれ青色を発光する。このように各照明用LED4−1〜4−4が青色を発光するので、オペレータは、データコード読取装置がスタンバイモードにあることを知ることができる。
【0027】
次に、主制御部10は、ステップ#8において、一定期間、例えば青色LED素子18のみを点灯してスタンバイモードになったときから15分間、各商品検知センサ5−1〜5−4により商品15を検知したか否かを判断する。この判断の結果、15分間以内に各商品検知センサ5−1〜5−4により商品15が検知されると、主制御部10は、ステップ#2に戻り、各照明用LED4−1〜4−4をそれぞれ白色で発光させる。これにより、オペレータは、データコード読取装置が通常のデータコードの読取可能状態にあることを知ることができる。
これに対して15分間以内に各商品検知センサ5−1〜5−4により商品15が検知されなければ、主制御部10は、ステップ#9に移り、電源スイッチ7を遮断する。これにより、各照明用LED4−1〜4−4は、全て消灯する。
【0028】
一方、データコード読取装置に例えば水濡れ、電源の異常、エラー等の異常発生が発生したときの状態表示の動作について図7に示す異常発生時の状態表示フローチャートに従って説明する。
主制御部10は、ステップ#10において、電源スイッチ7が投入されている状態で、通常のイメージセンサ3の撮影動作状態及びスタンバイモードにあるときに各種の異常、例えば水濡れ、電源の異常、エラー等の異常が発生したか否かを監視する。これら異常が発生しなければ、主制御部10は、ステップ#10、#11を繰り返す。
【0029】
例えば水濡れ、電源の異常、エラー等の異常が発生すると、主制御部10は、ステップ#11からステップ#12に移り、LED駆動部12に対して赤色で各照明用LED4−1〜4−4を点灯させる指令を発する。この指令を受けてLED駆動部12は、赤色LED素子19のみに通電を行い、赤色LED素子19のみを点灯する。このとき、LED駆動部12は、例えば図6に示すように周波数2.5Hzで100ms間赤色LED素子19のみを点滅する。これにより、各照明用LED4−1〜4−4は、それぞれ赤色を点滅する。このように各照明用LED4−1〜4−4が赤色を発光するので、オペレータは、例えば水濡れ、電源の異常、エラー等の異常が発生したことを知ることができる。
【0030】
このように上記一実施の形態によれば、データコード情報読取部11によりデータコード16を認識したとき、各照明用LED4−1〜4−4による白色の点灯を停止し、緑色の点灯を所定期間例えば1s間行う。これにより、商品15やこの商品15に付けられているデータコード16、さらには商品15の周辺が緑色に照明されるので、オペレータは、商品15に付けられているデータコード16がデータコード読取装置によって認識されたことを知ることができる。このとき、オペレータは、従来のように視点を各照明用LED4−1〜4−4から動作状態用LEDに移す必要もなくデータコード16がデータコード読取装置によって認識されたことを確実に知ることができる。これにより、商品15に付けられているデータコード16の読取作業の効率を向上できる。
【0031】
又、データコード読取装置の各種動作状態に応じて各照明用LED4−1〜4−4を予め設定された発光色で点灯して各種動作状態を報知できる。例えば、各照明用LED4−1〜4−4を白色で発光することによりデータコード読取装置が通常のデータコードの読取可能状態にあることを報知できる。各照明用LED4−1〜4−4を青色で発光することによりデータコード読取装置がスタンバイモードにあることを報知できる。各照明用LED4−1〜4−4を赤色で発光することにより例えば水濡れ、電源の異常、エラー等の異常が発生したことを報知できる。これら通常のデータコードの読取可能状態、データコード読取装置がスタンバイモード、又は異常の発生をオペレータは、視点を移すことなく各照明用LED4−1〜4−4の発光色で確実に知ることができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
上記一実施の形態では、白色、緑色、赤色の各発光色を用いて通常のデータコードの読取可能状態、スタンバイモード、異常発生の各状態を報知しているが、これら発光色に限らず、他の発光色を用いてもよい。例えば、緑色LED素子17と青色LED素子18とを発光させた色、緑色LED素子17と赤色LED素子19とを発光させた色、又は青色LED素子18と赤色LED素子19とを発光させた色を用いてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1:装置本体、2:装置本体の正面、3:イメージセンサ(CCDカメラ)、4−1〜4−4:照明用LED、5−1〜5−4:商品検知センサ、6:制御部、7:電源スイッチ、10:主制御部、11:データコード情報読取部、12:LED駆動部、13:伝送部、14:記憶部、15:商品、16:データコード、17:緑色LED素子、18:青色LED素子、19:赤色LED素子、20:電源、21:POSシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像領域内に配置された商品を撮像し、その画像データを出力するイメージセンサと、
このイメージセンサの周囲に設けられ、当該イメージセンサの撮像方向と同一方向の空間領域を照明し、複数の発光色の中から1色の発光色が点灯可能である複数の照明部と、
前記イメージセンサの周囲に設けられ、当該イメージセンサの撮像方向と同一方向の空間領域内に商品が配置されたことを検知する商品検知センサと、
前記イメージセンサの撮像により取得された画像データ中のデータコードを認識し、当該データコードを読み取るデータコード情報読取部と、
前記イメージセンサによる通常の前記データコードの読み取り可能状態として前記照明部を第2の発光色に点灯し、前記データコード情報読取部により前記データコードを認識したとき、前記照明部による前記第2の発光色の点灯を停止して前記第2の発光色とは別の第1の発光色で所定期間点灯し、再び前記第2の発光色による前記照明部の点灯に戻り、かつ前記商品検知センサにより前記商品を予め設定された期間検知しなければ、スタンバイモードとして予め設定された第3の発光色で前記照明部を点灯し、前記スタンバイモードの状態で前記商品検知センサにより前記商品を検知すると前記通常の前記データコードの読み取り可能状態に戻して前記第2の発光色に点灯し、異常発生時に予め設定された第4の発光色で前記照明部を点灯する制御部と、
を具備することを特徴とするデータコード読取装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記照明部に対して前記第1の発光色として緑色を点灯し、前記第2の発光色として白色を点灯し、前記第3の発光色として青色を点灯し、前記第4の発光色として赤色を点灯することを特徴とする請求項1記載のデータコード読取装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記異常発生時に前記第4の発光色を点滅することを特徴とする請求項2記載のデータコード読取装置。
【請求項4】
前記照明部は、緑色、青色、赤色をそれぞれ発光する3つの発光ダイオードから成ることを特徴とする請求項1記載のデータコード読取装置。
【請求項5】
前記制御部は、水濡れ、電源の異常、エラーを含む前記異常発生時に予め設定された前記第4の発光色で前記照明部を点滅することを特徴とする請求項1記載のデータコード読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−159316(P2011−159316A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87352(P2011−87352)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【分割の表示】特願2008−55443(P2008−55443)の分割
【原出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】