データベース検索経路指定方法
【課題】複数のデータベースに対し、関連する他のデータベースの検索キーの抽出とレコードの抽出を連鎖的に行うデータベース間の検索経路の指定を容易にする。
【解決手段】2次元画面上に検索対象となりうるデータベースを図形として配置し、ポインティングデバイスによって個々の図形を指示し、指示された図形に対応するデータベースA〜F中からキーデータベースAと終端データベースDとを指示し、画面上で指示されたキーデータベースAと終端データベースDとの間の他のデータベースを経由するありうる経路302a、302bのうち指定した1またはそれ以上の経路に従って連鎖的な検索キーとレコードの抽出を実行する。
【解決手段】2次元画面上に検索対象となりうるデータベースを図形として配置し、ポインティングデバイスによって個々の図形を指示し、指示された図形に対応するデータベースA〜F中からキーデータベースAと終端データベースDとを指示し、画面上で指示されたキーデータベースAと終端データベースDとの間の他のデータベースを経由するありうる経路302a、302bのうち指定した1またはそれ以上の経路に従って連鎖的な検索キーとレコードの抽出を実行する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデータベース検索システムに関し、特に複数のデータベース間でレコードの抽出と検索キーの抽出を連鎖的に実行する検索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ある特定のテーマに関する複数の各種レコードが、異なる複数のデータベースに格納されている場合がある。典型的な例として、特定の遺伝子またはタンパク質に関して、視点の異なる属性をレコードとして保持する複数のデータベースがそれぞれ別々の組織によって運用されているという例がある。これらのデータベースのユーザは、かかるデータベース群に対して、主として次の述べる2種類の形態により利用することができる。
(1)1つのテーマに対する検索キーを、複数のデータベースに対して並列に入力し、レコードの抽出を行う。
(2)1つのテーマに対する検索キーを、1つの特定のデータベースに対して入力し、その結果として抽出されたレコードを参照する。そのレコードには、関連するレコードへのリンク情報として、他のデータベースに入力可能な検索キーが記述されている場合が多い。この検索キーを取り出し、その検索キーが入力可能なデータベースに対して入力し、抽出されたレコードを参照する。
【0003】
複数のデータベースにおいては、それらに入力可能な検索キーの形式、すなわちレコードIDや文献番号等は異なることが多く、(1)の利用形態では、ユーザは所望のテーマに対応した複数種類の検索キーを予め入手しておく必要があり、作業が煩雑となる。
【0004】
従って、(2)の利用形態に従い、所望のテーマに対応した1つの検索キーのみを入力することにより、連鎖的に他のデータベースの同一テーマのレコードも抽出できるという手順の方が利用価値が高い場合が多い。さらに、2個のデータベースが1対1で対応しているデータベース群の形態ではなく、3個以上のデータベースが存在し、これらに対して連鎖的に検索処理を実行し、予めユーザによって指定されている終端データベースに至るまで、検索キーの抽出と他のデータベースへの入力という手順を自動的に繰り返すという方法も用いられる。この方法によれば、関連するレコードへのリンク情報であるキーを連鎖的に辿ることにより、ユーザが最終的にその内容を所望している終端データベースに対して直接には入力できない検索キーを他のデータベースを介して間接的に入力することができれば、その終端データベースのレコードを抽出し参照することが可能となり、検索キーの入手作業を著しく効率化することができる。
【0005】
【非特許文献1】
遺伝子索引情報提供サービス、DNASIS GeneIndex、Version1.0
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(2)の利用形態には以下に述べる問題がある。すなわち、ユーザにとっては、どのデータベースのレコード中に別のどのデータベースに入力可能な検索キーが格納されているかを知る手段がなく、入手済みの検索キーに対して、所望の終端データベースに至る連鎖的なレコードと検索キーの抽出が可能であるか否か、また、可能であるとしても終端データベース以外のどのデータベースを経由して連鎖的なレコードと検索キーの抽出を行えば終端データベースのレコードの抽出が可能であるのかを知ることができない。
【0007】
また、特定のデータベース(以下、「キーデータベース」と呼ぶ。)に検索キーを入力し、終端データベースに至る連鎖的な処理が可能な途中のデータベース(以下、「途中データベース」と呼ぶ。)の候補が多数存在する場合であって、経路によって最終的に終端データベース上で抽出されるレコードの集合が異なる場合などに、ユーザには、複数の候補となる経路の中から特定の経路を指示する手段がない。
【0008】
そこで、実行可能な経路候補を自動的に選別し、その全てを対象としてレコードの抽出を実行するという方法も考えられるが、候補経路の数が多い場合には最終的に抽出されるレコードの数も膨大になり、それらの区別を視覚的に行うことがユーザの負担となってしまうという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、複数のデータベースに対し、関連する他のデータベースの検索キーの抽出とレコードの抽出を連鎖的に行う場合、そのデータベース間の検索経路を容易に指定できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では以下の手段により上記解決を解決することができる。すなわち、キーデータベースに対し入力した第1の検索キーによるレコード抽出を行い、その抽出されたレコード内に含まれる第1の検索キーとは異なるキーを第2の検索キーとしてキーデータベースとは異なる第2の途中データベースに対して入力し、第2の途中データベースでのレコード抽出を行い、以下2つ以上複数のデータベースに対して連鎖的に検索キーとレコードの抽出を実行し、予め指定された終端データベースにおけるレコード抽出を実行した時点で、その抽出されたレコードを検索結果として提供するデータベースシステムに対し、画面上に検索対象となりうるデータベースを図形として配置する機能と、ポインティングデバイスによって個々の図形を指示する機能と、指示された図形に対応するデータベースを前記第1のデータベースおよび終端データベースとして指示する機能を持たせ、画面上で指示された第1のデータベースと終端データベースとの間の他のデータベースを経由するありうる経路に従って前記連鎖的な検索キーとレコードの抽出を実行する。
【0011】
また、画面上で指示されたキーデータベースと終端データベースとの間の他のデータベースを経由するありうる経路を、各データベースに対応した図形間を接続する図形を表示することにより認識可能とする。
【0012】
また、キーデータベースと終端データベース以外にポインティングデバイスによって指示された図形に対応するデータベースを全て経由するありうる経路に従って連鎖的な検索キーとレコードの抽出を実行する。
【0013】
また、キーデータベースと終端データベース以外にポインティングデバイスによって指示された図形に対応するデータベースを全て経由しないありうる経路に従って連鎖的な検索キーとレコードの抽出を実行する。
【0014】
また、キーデータベースの指示時に、キーデータベースとして指示可能なデータベースに対応する図形のみを画面上に表示するか、または他の図形と区別できる特徴とともに表示する機能、または終端データベースの指示時に、終端データベースとして指示可能なデータベースに対応する図形のみを画面上に表示するか、または他の図形と区別できる特徴とともに表示する機能を持たせる。
【0015】
上記手段により、次の作用を得ることができる。
(1)ユーザは、キーデータベースと終端データベースを指定した時点で、視覚的に理解しやすい形式でありうる候補経路を認識することが可能となる。
(2)ありうる候補経路が複数ある場合、適切なデータベースを途中データベースあるいは必ず経由しないデータベース(以下「除外データベース」と呼ぶ)を指示することで、所望のデータベースを経由する経路のみに絞り込んだ上でレコードの抽出を実行することができる。
(3)キーデータベースとして選択可能なデータベースであるか否か、または終端データベースとして選択可能なデータベースであるか否かを視覚的に理解しやすい形式で認識することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
複数の候補経路の中から特定の経路を指示するという利用形態については、あるデータベースのレコード内に別のデータベースへのリンク情報であるキーが含まれているか否かが、そのデータベースが主に注目しているレコードの属性に依存して検索対象としているテーマの特徴を表している可能性が高く、ユーザはキーデータベースと終端データベースのみでなく、経由すべき途中データベースも合わせて指示することにより、キーデータベースに入力した検索キーによって抽出されるレコードの数を、その特徴にしたがって絞り込むことができると考えられる。尚、以下に示す実施の形態においては、データベース間の関連性についてはユーザが知っており、システムはデータベースに埋め込まれている識別番号(リンク又はIDなど)の関連性について記憶していることを前提としている。
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は本実施例のシステム構成例を示す図である。符号101〜104は、検索対象となる各種データベースである。符号105は、検索結果およびデータベース中のレコードを表示する機能を有するディスプレイ装置である。符号106はディスプレイ装置105の画面上において1点を指示する機能を有するマウス装置である。符号107はデータベース101〜104への検索リクエストの送信処理およびその結果の受信処理を行い、その結果をディスプレイ装置105に表示するよう指示する機能を有する送受信・演算装置である。
【0018】
図2は各種データベース101〜104内にそれぞれ保持されているテーブルの構造例を示す図である。符号201で示す列は、図2に示すテーブルを保持するデータベースの検索キーを格納するフィールドである。符号202で示す列は、データベースが保持する各レコードを格納するフィールドである。符号203列は、同じ行に格納されたレコードに関連する他のデータベースが保持するレコードの他のデータベースにおける検索キーを保持するフィールドである。
【0019】
例えば、図2の例ではA001の行のレコードはデータベースA内の検索キーA001で参照可能なレコードであり、データベースB内の検索キーB001、B002、B003で参照可能なレコードと関連していることを示している。もちろんこのデータベース名に続いて番号が付加されている検索キーの記述方法は単なる一例であり、他の形式の検索キーであっても構わない。
【0020】
図3から図8までは、本発明の実施の形態によるシステムを用いてデータベースの検索を行っていく場合に順次変化するデータベース選択画面の構成例を示す図である。符号301は、個々のデータベースに対応する図形である。符号302は、データベース間で関連するレコードについて、符号203(図2)の列に検索キーが格納されている可能性があることを示す点線である。例えば、データベースEとデータベースBとは検索キーによって関連付けされているため、システムはその旨を記憶・判断して点線で結ぶ。一方、例えばデータベースEとデータベースCとは、関連付けがないため、点線では結ばれていない。符号303は、検索処理の開始を演算装置107に指示するためのOKボタンである。符号304はマウス装置106の操作によって画面上を移動させることができるカーソルである。
【0021】
図9は、検索結果のレコード群を表示する画面の構成例を示す図である。符号901は各レコードの検索キーを表示する列である。符号902は各レコード自体の内容を表示する列である。図10は、本実施の形態による処理の流れを示すフローチャート図であり、図1111は図10の続きの図である。以下、図10及び図11に示すフローチャート図の流れに沿って、本実施の形態によるデータベース検索経路指定方法について詳細に説明する。適宜図1から9までを参照して説明を行う。尚、キーデータベースに対して入力する検索キーは、既にユーザによって入力済みであることが前提となる。検索キーとしては、識別番号(ID)、シーケンス(遺伝子配列等)又は特定のキーワードなどが挙げられる。
【0022】
処理の開始時点において、ユーザが検索キーを入力し、検索の種別を指定する(ステップ1000)。ディスプレイ装置105上に図3に示す画面が表示される。図3に示すように、表示画面には、例えばA〜Gの7個のデータベースが示される。また、データベースを結ぶ線分302は、線分302により結ばれたデータベース同士において、一方のデータベースのレコードにおいて、図2の符号203のフィールドに他方のデータベースのレコードに対する検索キーが格納されている可能性があることを示している。すなわち、一方のレコード1個を抽出することにより、少なくとも1以上、例えば複数の関連キーをフィールド203から抽出することができ、それを他方のデータベースに入力し、他方のデータベース上の何らかのレコードを抽出することができる可能性があることを示している。換言すれば、複数のデータベースに関して、それらが線分302で連続的に接続されている場合(例えば、A―B−C−D)は、キーデータベースAと終端データベースDとを選んだ上で連鎖的にレコードと検索キーとの抽出を実行することが可能であることを示している。
【0023】
図3の状態では、いずれのデータベースも選択していない状態なので、キーデータベースとして選択可能なデータベースAだけが実線で表示されており、それ以外のデータベースは、実線とは異なる点線で表示される。どのデータベースがキーデータベースとして選択可能かはステップ1000で入力した検索キーの種類に従ってシステムによって定められる。すなわち、検索キーとして遺伝子配列が入力された場合は、システムはあらかじめ保持している検索キーの種類とその検索キーで検索可能なデータベースの対応テーブル(図示せず)などを参照し、遺伝子配列をキーとして検索できるデータベースのみがキーデータベースの候補として実線で表示される。
【0024】
ステップ1001において、ユーザは実線で表示されているデータベースAにマウスカーソル304を移動し、マウスボタン(左クリック)の押し下げ操作などによりデータベースAを選択することができる。尚、実線で表示されているデータベースが複数存在する場合は、複数のデータベース中からユーザがキーデータベースとしたいデータベースを1つ選択することになる。
【0025】
図4に示すように、キーデータベースとして選択したデータベースAの図形は他のデータベースと識別可能な状態、例えば色が付された状態で表示され、かつ、終端データベースとして選択可能なデータベース候補(この例では、データベースD、F、G)が実線で表示されることにより他のデータベースと識別できるようになる。終端データベースの候補は選択したキーデータベースが何であるかによってシステムが選択する。すなわち、あるデータベースをキーデータベースとした場合、終端データベースになりうるデータベースの対応テーブル(図示せず)などを参照し、終端データベースの候補を求め、実線で表示する。
【0026】
次に、ステップ1002において、マウスボタンを押したままマウスカーソル304をユーザが終端データベースとしたいデータベースの図形上までドラッグすることにより、図5R>5に示すように、キーデータベースAから終端データベースDまでを接続する線分が実線で表示される。次に、ステップ1003において、終端データベースD上でマウスボタンを離すと、図6に示すように、キーデータベースAと終端データベースDとを接続する線分が消え、次いで、終端データベースDの図形が他のデータベースと識別できるように例えば色が付いた状態で表示される。
【0027】
次に、ステップ1004において、選択されたキーデータベースAから終端データベースDに至る経路であって、同一のデータベースを2回以上経路上に含まない(一筆書きで書ける)全ての経路の候補を求める処理が行われる。この処理は、キーデータベースAから開始して、線分302に沿って、ありうる(可能性のある)全ての経路(検索経路候補)を順に辿りながら最終的に終端データベースDに到達した場合にはその経路を記憶しておくという単純な迷路探索の方法により実現可能である。
【0028】
その結果、図6に示すように、「A→B→C→D」と「A→B→E→F→D」という2つの経路302b、302bが求められる。次に、ステップ1005において、図6に示したように、その候補経路に沿って線分を着色して表示すると同時に、その経路上にあるデータベースが選択可能なデータベースであるものとして実線で表示される。次に、ステップ1006において、キーデータベースAと終端データベースD以外のデータベースであって、実線で表示されている選択可能なデータベース(B,C,D,E,F)のうちのいずれかを途中データベースとしてその図形上でマウスボタンを押す。例えば、ステップ1007において、データベースEの図形上でマウスの左ボタンを押す。
【0029】
ステップ1008に進み、データベースEを途中データベースとして、図6に示した候補経路「A→B→C→D」302bと「A→B→E→F→D」302aのうち、ユーザが指定した途中データベースEを経由する経路、すなわち「A→B→E→F→D」302aという経路のみに候補が絞り込まれ、ステップ1004に進む。この結果、図7に示したように、データベースEが途中データベースであることを示すよう色が付いた状態で表示され、かつ、「A→B→E→F→D」302aに沿った線分302aが実線で表示される。
【0030】
また、ステップ1009において、データベースEの図形上をマウスの右ボタンで押す。するとステップ1010に進み、データベースEを除外データベースとして、図6に示した候補経路のうちデータベースEを経由しない経路、すなわち「A→B→C→D」302bの経路のみに候補が絞り込まれ、ステップ1004に進む。この結果、図8に示したように、データベースEが除外データベースであることを示すように色が付いた状態で表示され、かつ「A→B→C→D」に沿った線分302bが実線で表示される。
【0031】
尚、選択される経路は1つであっても複数であっても良いが、途中データベース又は除外データベースを指定することにより、多くの経路候補中からの絞り込みが可能である。
【0032】
次に、ステップ1006において、ボタン303が押された場合はステップ1101に進み、検索対象をキーデータベースとする検索処理を開始する。まず、ステップ1102において、検索キーの1つに対応するレコードを検索対象データベース上のテーブル(図2に示される)を参照することにより抽出する。そして、ステップ1103において、検索対象データベースが終端データベースでない場合はステップ1105に進み、フィールド203から検索キーを抽出する。
【0033】
次に、ステップ1106において、検索対象を図7または図8において選択した経路に沿った次のデータベースとして、ステップ1102に戻る。ステップ1103において、検索対象データベースが終端データベースである場合はステップ1104に進み、終端データベースに対して入力した検索キーと、それに対応するレコードとを各々領域901および領域902とに表示する(図9)。複数のレコードが終端データベースから抽出された場合は、その全てについて領域901及び領域902の列に表示させる。
尚、図10及び図11を参照して説明した処理は、プログラム化してコンピュータにより実行させることも可能であり、このようなプログラムも本発明の範疇に入るものとする。
【0034】
本発明の実施の形態による実施の形態によるデータベース検索経路の指定方法を用いると、(1)ユーザは、キーデータベースと終端データベースを指定した時点で、視覚的に理解しやすい形式でありうる候補経路を認識することが可能となる。(2)ありうる候補経路が複数ある場合、適切なデータベースを途中データベースあるいは必ず経由しないデータベースを指示することにより、所望のデータベースを経由する経路のみに絞り込んだ上でレコードの抽出を実行することができる。(3)キーデータベースとして選択可能なデータベースであるか否か、または終端データベースとして選択可能なデータベースであるか否かを視覚的に理解しやすい形式で認識することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、キーデータベースに対し入力した第1の検索キーによるレコード抽出を行い、その抽出されたレコード内に含まれる第1の検索キーとは異なるキーを第2の検索キーとしてキーデータベースとは異なる第2のデータベースに対して入力し、第2のデータベースでのレコード抽出を行い、以下2つ以上複数のデータベースに対して連鎖的に検索キーとレコードの抽出を実行し、あらかじめ指定された終端データベースにおけるレコード抽出を実行した時点で、その抽出されたレコードを検索結果として提供するデータベースシステムにおいて、以下に述べる効果を得ることができる。
(1)ユーザは、キーデータベースと終端データベースを指定した時点で、視覚的に理解しやすい形式でありうる候補経路を認識することが可能となる。
(2)ありうる候補経路が複数ある場合、適切なデータベースを途中データベースあるいは必ず経由しないデータベースを指示することで、所望のデータベースを経由する経路のみに絞り込んだ上でレコードの抽出を実行することができる。
(3)キーデータベースとして選択可能なデータベースであるか否か、または終端データベースとして選択可能なデータベースであるか否かを視覚的に理解しやすい形式で認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるデータベース検索経路指定システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示すデータベース内に格納されるテーブル構造例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態によるデータベース検索経路指定方法により表示されたデータベース選択画面構成例を示す図であり、各種データベース間の関連付けが表示されるとともに、キーデータベースとなりうるデータベースが実線で表示されている図である。
【図4】図3に続く図であり、キーデータベースをマウスのポインタにより指定した図である。
【図5】図4に続く図であり、終端データベースをマウスのポインタにより指定した図である。
【図6】図5に続く図であり、検索経路の候補が実線で表示された図である。
【図7】図6において、途中データベースを指定することにより検索経路の絞り込み処理を行った様子を示す図である。
【図8】図6において、除外データベースを指定することにより検索経路の絞り込み処理を行った様子を示す図である。
【図9】検索結果として得られたレコード群の構成例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態によるデータベース検索経路指定方法による処理の流れを示すフローチャート図である。
【図11】本発明の実施の形態によるデータベース検索経路指定方法による処理の流れを示すフローチャート図であり、図10に続く図である。
【符号の説明】
101〜104…検索対象となる各種データベース、105…ディスプレイ装置、106…マウス装置、107…送受信・演算装置。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデータベース検索システムに関し、特に複数のデータベース間でレコードの抽出と検索キーの抽出を連鎖的に実行する検索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ある特定のテーマに関する複数の各種レコードが、異なる複数のデータベースに格納されている場合がある。典型的な例として、特定の遺伝子またはタンパク質に関して、視点の異なる属性をレコードとして保持する複数のデータベースがそれぞれ別々の組織によって運用されているという例がある。これらのデータベースのユーザは、かかるデータベース群に対して、主として次の述べる2種類の形態により利用することができる。
(1)1つのテーマに対する検索キーを、複数のデータベースに対して並列に入力し、レコードの抽出を行う。
(2)1つのテーマに対する検索キーを、1つの特定のデータベースに対して入力し、その結果として抽出されたレコードを参照する。そのレコードには、関連するレコードへのリンク情報として、他のデータベースに入力可能な検索キーが記述されている場合が多い。この検索キーを取り出し、その検索キーが入力可能なデータベースに対して入力し、抽出されたレコードを参照する。
【0003】
複数のデータベースにおいては、それらに入力可能な検索キーの形式、すなわちレコードIDや文献番号等は異なることが多く、(1)の利用形態では、ユーザは所望のテーマに対応した複数種類の検索キーを予め入手しておく必要があり、作業が煩雑となる。
【0004】
従って、(2)の利用形態に従い、所望のテーマに対応した1つの検索キーのみを入力することにより、連鎖的に他のデータベースの同一テーマのレコードも抽出できるという手順の方が利用価値が高い場合が多い。さらに、2個のデータベースが1対1で対応しているデータベース群の形態ではなく、3個以上のデータベースが存在し、これらに対して連鎖的に検索処理を実行し、予めユーザによって指定されている終端データベースに至るまで、検索キーの抽出と他のデータベースへの入力という手順を自動的に繰り返すという方法も用いられる。この方法によれば、関連するレコードへのリンク情報であるキーを連鎖的に辿ることにより、ユーザが最終的にその内容を所望している終端データベースに対して直接には入力できない検索キーを他のデータベースを介して間接的に入力することができれば、その終端データベースのレコードを抽出し参照することが可能となり、検索キーの入手作業を著しく効率化することができる。
【0005】
【非特許文献1】
遺伝子索引情報提供サービス、DNASIS GeneIndex、Version1.0
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(2)の利用形態には以下に述べる問題がある。すなわち、ユーザにとっては、どのデータベースのレコード中に別のどのデータベースに入力可能な検索キーが格納されているかを知る手段がなく、入手済みの検索キーに対して、所望の終端データベースに至る連鎖的なレコードと検索キーの抽出が可能であるか否か、また、可能であるとしても終端データベース以外のどのデータベースを経由して連鎖的なレコードと検索キーの抽出を行えば終端データベースのレコードの抽出が可能であるのかを知ることができない。
【0007】
また、特定のデータベース(以下、「キーデータベース」と呼ぶ。)に検索キーを入力し、終端データベースに至る連鎖的な処理が可能な途中のデータベース(以下、「途中データベース」と呼ぶ。)の候補が多数存在する場合であって、経路によって最終的に終端データベース上で抽出されるレコードの集合が異なる場合などに、ユーザには、複数の候補となる経路の中から特定の経路を指示する手段がない。
【0008】
そこで、実行可能な経路候補を自動的に選別し、その全てを対象としてレコードの抽出を実行するという方法も考えられるが、候補経路の数が多い場合には最終的に抽出されるレコードの数も膨大になり、それらの区別を視覚的に行うことがユーザの負担となってしまうという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、複数のデータベースに対し、関連する他のデータベースの検索キーの抽出とレコードの抽出を連鎖的に行う場合、そのデータベース間の検索経路を容易に指定できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では以下の手段により上記解決を解決することができる。すなわち、キーデータベースに対し入力した第1の検索キーによるレコード抽出を行い、その抽出されたレコード内に含まれる第1の検索キーとは異なるキーを第2の検索キーとしてキーデータベースとは異なる第2の途中データベースに対して入力し、第2の途中データベースでのレコード抽出を行い、以下2つ以上複数のデータベースに対して連鎖的に検索キーとレコードの抽出を実行し、予め指定された終端データベースにおけるレコード抽出を実行した時点で、その抽出されたレコードを検索結果として提供するデータベースシステムに対し、画面上に検索対象となりうるデータベースを図形として配置する機能と、ポインティングデバイスによって個々の図形を指示する機能と、指示された図形に対応するデータベースを前記第1のデータベースおよび終端データベースとして指示する機能を持たせ、画面上で指示された第1のデータベースと終端データベースとの間の他のデータベースを経由するありうる経路に従って前記連鎖的な検索キーとレコードの抽出を実行する。
【0011】
また、画面上で指示されたキーデータベースと終端データベースとの間の他のデータベースを経由するありうる経路を、各データベースに対応した図形間を接続する図形を表示することにより認識可能とする。
【0012】
また、キーデータベースと終端データベース以外にポインティングデバイスによって指示された図形に対応するデータベースを全て経由するありうる経路に従って連鎖的な検索キーとレコードの抽出を実行する。
【0013】
また、キーデータベースと終端データベース以外にポインティングデバイスによって指示された図形に対応するデータベースを全て経由しないありうる経路に従って連鎖的な検索キーとレコードの抽出を実行する。
【0014】
また、キーデータベースの指示時に、キーデータベースとして指示可能なデータベースに対応する図形のみを画面上に表示するか、または他の図形と区別できる特徴とともに表示する機能、または終端データベースの指示時に、終端データベースとして指示可能なデータベースに対応する図形のみを画面上に表示するか、または他の図形と区別できる特徴とともに表示する機能を持たせる。
【0015】
上記手段により、次の作用を得ることができる。
(1)ユーザは、キーデータベースと終端データベースを指定した時点で、視覚的に理解しやすい形式でありうる候補経路を認識することが可能となる。
(2)ありうる候補経路が複数ある場合、適切なデータベースを途中データベースあるいは必ず経由しないデータベース(以下「除外データベース」と呼ぶ)を指示することで、所望のデータベースを経由する経路のみに絞り込んだ上でレコードの抽出を実行することができる。
(3)キーデータベースとして選択可能なデータベースであるか否か、または終端データベースとして選択可能なデータベースであるか否かを視覚的に理解しやすい形式で認識することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
複数の候補経路の中から特定の経路を指示するという利用形態については、あるデータベースのレコード内に別のデータベースへのリンク情報であるキーが含まれているか否かが、そのデータベースが主に注目しているレコードの属性に依存して検索対象としているテーマの特徴を表している可能性が高く、ユーザはキーデータベースと終端データベースのみでなく、経由すべき途中データベースも合わせて指示することにより、キーデータベースに入力した検索キーによって抽出されるレコードの数を、その特徴にしたがって絞り込むことができると考えられる。尚、以下に示す実施の形態においては、データベース間の関連性についてはユーザが知っており、システムはデータベースに埋め込まれている識別番号(リンク又はIDなど)の関連性について記憶していることを前提としている。
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は本実施例のシステム構成例を示す図である。符号101〜104は、検索対象となる各種データベースである。符号105は、検索結果およびデータベース中のレコードを表示する機能を有するディスプレイ装置である。符号106はディスプレイ装置105の画面上において1点を指示する機能を有するマウス装置である。符号107はデータベース101〜104への検索リクエストの送信処理およびその結果の受信処理を行い、その結果をディスプレイ装置105に表示するよう指示する機能を有する送受信・演算装置である。
【0018】
図2は各種データベース101〜104内にそれぞれ保持されているテーブルの構造例を示す図である。符号201で示す列は、図2に示すテーブルを保持するデータベースの検索キーを格納するフィールドである。符号202で示す列は、データベースが保持する各レコードを格納するフィールドである。符号203列は、同じ行に格納されたレコードに関連する他のデータベースが保持するレコードの他のデータベースにおける検索キーを保持するフィールドである。
【0019】
例えば、図2の例ではA001の行のレコードはデータベースA内の検索キーA001で参照可能なレコードであり、データベースB内の検索キーB001、B002、B003で参照可能なレコードと関連していることを示している。もちろんこのデータベース名に続いて番号が付加されている検索キーの記述方法は単なる一例であり、他の形式の検索キーであっても構わない。
【0020】
図3から図8までは、本発明の実施の形態によるシステムを用いてデータベースの検索を行っていく場合に順次変化するデータベース選択画面の構成例を示す図である。符号301は、個々のデータベースに対応する図形である。符号302は、データベース間で関連するレコードについて、符号203(図2)の列に検索キーが格納されている可能性があることを示す点線である。例えば、データベースEとデータベースBとは検索キーによって関連付けされているため、システムはその旨を記憶・判断して点線で結ぶ。一方、例えばデータベースEとデータベースCとは、関連付けがないため、点線では結ばれていない。符号303は、検索処理の開始を演算装置107に指示するためのOKボタンである。符号304はマウス装置106の操作によって画面上を移動させることができるカーソルである。
【0021】
図9は、検索結果のレコード群を表示する画面の構成例を示す図である。符号901は各レコードの検索キーを表示する列である。符号902は各レコード自体の内容を表示する列である。図10は、本実施の形態による処理の流れを示すフローチャート図であり、図1111は図10の続きの図である。以下、図10及び図11に示すフローチャート図の流れに沿って、本実施の形態によるデータベース検索経路指定方法について詳細に説明する。適宜図1から9までを参照して説明を行う。尚、キーデータベースに対して入力する検索キーは、既にユーザによって入力済みであることが前提となる。検索キーとしては、識別番号(ID)、シーケンス(遺伝子配列等)又は特定のキーワードなどが挙げられる。
【0022】
処理の開始時点において、ユーザが検索キーを入力し、検索の種別を指定する(ステップ1000)。ディスプレイ装置105上に図3に示す画面が表示される。図3に示すように、表示画面には、例えばA〜Gの7個のデータベースが示される。また、データベースを結ぶ線分302は、線分302により結ばれたデータベース同士において、一方のデータベースのレコードにおいて、図2の符号203のフィールドに他方のデータベースのレコードに対する検索キーが格納されている可能性があることを示している。すなわち、一方のレコード1個を抽出することにより、少なくとも1以上、例えば複数の関連キーをフィールド203から抽出することができ、それを他方のデータベースに入力し、他方のデータベース上の何らかのレコードを抽出することができる可能性があることを示している。換言すれば、複数のデータベースに関して、それらが線分302で連続的に接続されている場合(例えば、A―B−C−D)は、キーデータベースAと終端データベースDとを選んだ上で連鎖的にレコードと検索キーとの抽出を実行することが可能であることを示している。
【0023】
図3の状態では、いずれのデータベースも選択していない状態なので、キーデータベースとして選択可能なデータベースAだけが実線で表示されており、それ以外のデータベースは、実線とは異なる点線で表示される。どのデータベースがキーデータベースとして選択可能かはステップ1000で入力した検索キーの種類に従ってシステムによって定められる。すなわち、検索キーとして遺伝子配列が入力された場合は、システムはあらかじめ保持している検索キーの種類とその検索キーで検索可能なデータベースの対応テーブル(図示せず)などを参照し、遺伝子配列をキーとして検索できるデータベースのみがキーデータベースの候補として実線で表示される。
【0024】
ステップ1001において、ユーザは実線で表示されているデータベースAにマウスカーソル304を移動し、マウスボタン(左クリック)の押し下げ操作などによりデータベースAを選択することができる。尚、実線で表示されているデータベースが複数存在する場合は、複数のデータベース中からユーザがキーデータベースとしたいデータベースを1つ選択することになる。
【0025】
図4に示すように、キーデータベースとして選択したデータベースAの図形は他のデータベースと識別可能な状態、例えば色が付された状態で表示され、かつ、終端データベースとして選択可能なデータベース候補(この例では、データベースD、F、G)が実線で表示されることにより他のデータベースと識別できるようになる。終端データベースの候補は選択したキーデータベースが何であるかによってシステムが選択する。すなわち、あるデータベースをキーデータベースとした場合、終端データベースになりうるデータベースの対応テーブル(図示せず)などを参照し、終端データベースの候補を求め、実線で表示する。
【0026】
次に、ステップ1002において、マウスボタンを押したままマウスカーソル304をユーザが終端データベースとしたいデータベースの図形上までドラッグすることにより、図5R>5に示すように、キーデータベースAから終端データベースDまでを接続する線分が実線で表示される。次に、ステップ1003において、終端データベースD上でマウスボタンを離すと、図6に示すように、キーデータベースAと終端データベースDとを接続する線分が消え、次いで、終端データベースDの図形が他のデータベースと識別できるように例えば色が付いた状態で表示される。
【0027】
次に、ステップ1004において、選択されたキーデータベースAから終端データベースDに至る経路であって、同一のデータベースを2回以上経路上に含まない(一筆書きで書ける)全ての経路の候補を求める処理が行われる。この処理は、キーデータベースAから開始して、線分302に沿って、ありうる(可能性のある)全ての経路(検索経路候補)を順に辿りながら最終的に終端データベースDに到達した場合にはその経路を記憶しておくという単純な迷路探索の方法により実現可能である。
【0028】
その結果、図6に示すように、「A→B→C→D」と「A→B→E→F→D」という2つの経路302b、302bが求められる。次に、ステップ1005において、図6に示したように、その候補経路に沿って線分を着色して表示すると同時に、その経路上にあるデータベースが選択可能なデータベースであるものとして実線で表示される。次に、ステップ1006において、キーデータベースAと終端データベースD以外のデータベースであって、実線で表示されている選択可能なデータベース(B,C,D,E,F)のうちのいずれかを途中データベースとしてその図形上でマウスボタンを押す。例えば、ステップ1007において、データベースEの図形上でマウスの左ボタンを押す。
【0029】
ステップ1008に進み、データベースEを途中データベースとして、図6に示した候補経路「A→B→C→D」302bと「A→B→E→F→D」302aのうち、ユーザが指定した途中データベースEを経由する経路、すなわち「A→B→E→F→D」302aという経路のみに候補が絞り込まれ、ステップ1004に進む。この結果、図7に示したように、データベースEが途中データベースであることを示すよう色が付いた状態で表示され、かつ、「A→B→E→F→D」302aに沿った線分302aが実線で表示される。
【0030】
また、ステップ1009において、データベースEの図形上をマウスの右ボタンで押す。するとステップ1010に進み、データベースEを除外データベースとして、図6に示した候補経路のうちデータベースEを経由しない経路、すなわち「A→B→C→D」302bの経路のみに候補が絞り込まれ、ステップ1004に進む。この結果、図8に示したように、データベースEが除外データベースであることを示すように色が付いた状態で表示され、かつ「A→B→C→D」に沿った線分302bが実線で表示される。
【0031】
尚、選択される経路は1つであっても複数であっても良いが、途中データベース又は除外データベースを指定することにより、多くの経路候補中からの絞り込みが可能である。
【0032】
次に、ステップ1006において、ボタン303が押された場合はステップ1101に進み、検索対象をキーデータベースとする検索処理を開始する。まず、ステップ1102において、検索キーの1つに対応するレコードを検索対象データベース上のテーブル(図2に示される)を参照することにより抽出する。そして、ステップ1103において、検索対象データベースが終端データベースでない場合はステップ1105に進み、フィールド203から検索キーを抽出する。
【0033】
次に、ステップ1106において、検索対象を図7または図8において選択した経路に沿った次のデータベースとして、ステップ1102に戻る。ステップ1103において、検索対象データベースが終端データベースである場合はステップ1104に進み、終端データベースに対して入力した検索キーと、それに対応するレコードとを各々領域901および領域902とに表示する(図9)。複数のレコードが終端データベースから抽出された場合は、その全てについて領域901及び領域902の列に表示させる。
尚、図10及び図11を参照して説明した処理は、プログラム化してコンピュータにより実行させることも可能であり、このようなプログラムも本発明の範疇に入るものとする。
【0034】
本発明の実施の形態による実施の形態によるデータベース検索経路の指定方法を用いると、(1)ユーザは、キーデータベースと終端データベースを指定した時点で、視覚的に理解しやすい形式でありうる候補経路を認識することが可能となる。(2)ありうる候補経路が複数ある場合、適切なデータベースを途中データベースあるいは必ず経由しないデータベースを指示することにより、所望のデータベースを経由する経路のみに絞り込んだ上でレコードの抽出を実行することができる。(3)キーデータベースとして選択可能なデータベースであるか否か、または終端データベースとして選択可能なデータベースであるか否かを視覚的に理解しやすい形式で認識することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、キーデータベースに対し入力した第1の検索キーによるレコード抽出を行い、その抽出されたレコード内に含まれる第1の検索キーとは異なるキーを第2の検索キーとしてキーデータベースとは異なる第2のデータベースに対して入力し、第2のデータベースでのレコード抽出を行い、以下2つ以上複数のデータベースに対して連鎖的に検索キーとレコードの抽出を実行し、あらかじめ指定された終端データベースにおけるレコード抽出を実行した時点で、その抽出されたレコードを検索結果として提供するデータベースシステムにおいて、以下に述べる効果を得ることができる。
(1)ユーザは、キーデータベースと終端データベースを指定した時点で、視覚的に理解しやすい形式でありうる候補経路を認識することが可能となる。
(2)ありうる候補経路が複数ある場合、適切なデータベースを途中データベースあるいは必ず経由しないデータベースを指示することで、所望のデータベースを経由する経路のみに絞り込んだ上でレコードの抽出を実行することができる。
(3)キーデータベースとして選択可能なデータベースであるか否か、または終端データベースとして選択可能なデータベースであるか否かを視覚的に理解しやすい形式で認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるデータベース検索経路指定システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示すデータベース内に格納されるテーブル構造例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態によるデータベース検索経路指定方法により表示されたデータベース選択画面構成例を示す図であり、各種データベース間の関連付けが表示されるとともに、キーデータベースとなりうるデータベースが実線で表示されている図である。
【図4】図3に続く図であり、キーデータベースをマウスのポインタにより指定した図である。
【図5】図4に続く図であり、終端データベースをマウスのポインタにより指定した図である。
【図6】図5に続く図であり、検索経路の候補が実線で表示された図である。
【図7】図6において、途中データベースを指定することにより検索経路の絞り込み処理を行った様子を示す図である。
【図8】図6において、除外データベースを指定することにより検索経路の絞り込み処理を行った様子を示す図である。
【図9】検索結果として得られたレコード群の構成例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態によるデータベース検索経路指定方法による処理の流れを示すフローチャート図である。
【図11】本発明の実施の形態によるデータベース検索経路指定方法による処理の流れを示すフローチャート図であり、図10に続く図である。
【符号の説明】
101〜104…検索対象となる各種データベース、105…ディスプレイ装置、106…マウス装置、107…送受信・演算装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索キーを入力し、その検索キーを含むレコードを抽出する機能を持つデータベースシステムであって、第1のデータベースに対し入力した第1の検索キーによるレコード抽出を行い、その抽出されたレコード内に含まれる第1の検索キーとは異なる検索キーを第2の検索キーとして第1のデータベースとは異なる第2のデータベースに対して入力し、第2のデータベースでのレコード抽出を行い、以下2つ以上複数のデータベースに対して連鎖的に検索キーとレコードの抽出を実行し、予め指定された終端データベースにおけるレコード抽出を実行した時点で、その抽出されたレコードを検索結果として提供するデータベースシステムにおけるデータベース検索経路指定方法であって、
画面上に検索対象となりうるデータベースを図形として表示させる第1のステップと、
個々の図形を指示し、指示された図形に対応するデータベースを前記第1のデータベースおよび終端データベースとして指示する第2のステップと、
前記画面上において指示された前記第1のデータベースと終端データベースとの間の経路であって、前記第1のデータベース及び前記終端データベース以外のデータベースを経由する検索経路候補に沿って前記連鎖的な検索キーとレコードとの抽出を実行する第3のステップと
を有することを特徴とするデータベース検索経路指定方法。
【請求項2】
さらに、前記第3のステップにおいて、各データベースを表示する図形間を接続する図形により前記検索経路候補を表示させるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のデータベース検索経路指定方法。
【請求項3】
前記ステップ3において、
前記第1のデータベースと前記終端データベース以外のデータベースであって、指示された図形に対応するデータベースを全て経由する検索経路候補のみに検索経路を絞り込むステップを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータベース検索経路指定方法。
【請求項4】
前記ステップ3において、
前記第1のデータベースと前記終端データベース以外のデータベースであって、指示された図形に対応するデータベースを全て経由しない検索経路候補のみに検索経路を絞り込むステップを有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のデータベース検索経路指定方法。
【請求項5】
さらに、前記第1のデータベースの指示時に、前記第1のデータベースとして指示可能なデータベースに対応する図形のみを前記画面上に表示または他の図形と区別できる特徴を付して表示するステップと、終端データベースの指示時に、終端データベースとして指示可能なデータベースに対応する図形のみを画面上に表示または他の図形と区別できる特徴を付して表示するステップのうち少なくともいずれかのステップを有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のデータベース検索経路指定方法。
【請求項1】
検索キーを入力し、その検索キーを含むレコードを抽出する機能を持つデータベースシステムであって、第1のデータベースに対し入力した第1の検索キーによるレコード抽出を行い、その抽出されたレコード内に含まれる第1の検索キーとは異なる検索キーを第2の検索キーとして第1のデータベースとは異なる第2のデータベースに対して入力し、第2のデータベースでのレコード抽出を行い、以下2つ以上複数のデータベースに対して連鎖的に検索キーとレコードの抽出を実行し、予め指定された終端データベースにおけるレコード抽出を実行した時点で、その抽出されたレコードを検索結果として提供するデータベースシステムにおけるデータベース検索経路指定方法であって、
画面上に検索対象となりうるデータベースを図形として表示させる第1のステップと、
個々の図形を指示し、指示された図形に対応するデータベースを前記第1のデータベースおよび終端データベースとして指示する第2のステップと、
前記画面上において指示された前記第1のデータベースと終端データベースとの間の経路であって、前記第1のデータベース及び前記終端データベース以外のデータベースを経由する検索経路候補に沿って前記連鎖的な検索キーとレコードとの抽出を実行する第3のステップと
を有することを特徴とするデータベース検索経路指定方法。
【請求項2】
さらに、前記第3のステップにおいて、各データベースを表示する図形間を接続する図形により前記検索経路候補を表示させるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のデータベース検索経路指定方法。
【請求項3】
前記ステップ3において、
前記第1のデータベースと前記終端データベース以外のデータベースであって、指示された図形に対応するデータベースを全て経由する検索経路候補のみに検索経路を絞り込むステップを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータベース検索経路指定方法。
【請求項4】
前記ステップ3において、
前記第1のデータベースと前記終端データベース以外のデータベースであって、指示された図形に対応するデータベースを全て経由しない検索経路候補のみに検索経路を絞り込むステップを有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のデータベース検索経路指定方法。
【請求項5】
さらに、前記第1のデータベースの指示時に、前記第1のデータベースとして指示可能なデータベースに対応する図形のみを前記画面上に表示または他の図形と区別できる特徴を付して表示するステップと、終端データベースの指示時に、終端データベースとして指示可能なデータベースに対応する図形のみを画面上に表示または他の図形と区別できる特徴を付して表示するステップのうち少なくともいずれかのステップを有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のデータベース検索経路指定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2004−302671(P2004−302671A)
【公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−92619(P2003−92619)
【出願日】平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】
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