説明

データベース生成装置およびデータベース生成方法

【課題】モデル毎の地図データベースを生成するのにかかるコストおよび時間を削減できる「データベース生成装置およびデータベース生成方法」を提供する。
【解決手段】基データベース20に対してコンパイルを行うことにより、データ種別により分類された複数のレコードと、それぞれのレコードのデータ種別を表すタグ情報とから成るタグ方式データベース30を生成する。そして、複数のモデル毎に、地図データベース51,52において使用するデータ種別を定義したモデル定義情報ファイル41,42を入力し、それに定義されているデータ種別と合致するタグ情報が付与されたレコードのデータをタグ方式データベース30から取得して各モデルの地図データベース51,52を生成する。これにより、処理に長時間を要するコンパイルを複数のモデル毎に行う必要をなくす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データベース生成装置およびデータベース生成方法に関し、特に、ハイエンドやローエンドなどの機種モデル、更新年度に応じた年度モデルといった各種モデルのデータベースを生成する装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナビゲーション装置では、経路探索や経路案内の処理を行うために地図データを使用する。この地図データは、実際の道路や周辺施設などを反映して生成される。そのため、新しく作られる道路や周辺施設に対応するために、地図データは適宜更新する必要がある。また、ナビゲーション装置に改良を加えて新たな機能を盛り込む際に、それに合わせて地図データの更新が必要になる場合もある。このような要求に対応するために、地図データを格納したデータベースを例えば年度毎に更新すること、つまり更新年度に応じた各年度モデルの地図データベースを生成することが行われている。
【0003】
また、企業の販売戦略として、ハイエンドやローエンドといった複数の商品群を揃えてナビゲーション装置を市場に投入することがよく行われる。この場合、多くの機能を盛り込んだハイエンド商品に対応した地図データ、最低限の機能に絞り込んだローエンド商品に対応した地図データがそれぞれ必要になる。このような要求に対応するために、ハイエンドやローエンドなどの商品群に応じた各機種モデルの地図データベースを生成することが行われている。
【0004】
各機種モデルの地図データベースは、最新年度のナビゲーション装置が備えるべき全ての機能に対応する全ての地図データを格納した基データベースを、所定のコンパイラによってフォーマット変換することによって生成する。例えば、ハイエンド商品に対応した地図データベースは、基データベースに格納されている全ての地図データを対象としてコンパイルを行うことによって生成する。また、ローエンド商品に対応した地図データベースは、基データベースに格納されている地図データのうち、ローエンド商品に実装すべき機能に対応する地図データのみを対象としてコンパイルを行うことによって生成する。このように、各機種モデルの地図データベースを生成する際には1つの基データベースを使用することから、図6に示すように、各機種モデルの地図データベースを順次に生成していく必要がある。
【0005】
最新年度のナビゲーション装置に使う各機種モデルの地図データベースを生成した後は、旧年度のナビゲーション装置に使う地図データベースを生成する。これは次の理由による。すなわち、最新年度の地図データベースに格納された地図データは、新しく作られた道路や周辺施設が盛り込まれているため、これを旧年度のナビゲーション装置でも使用できるようにするのが好ましい。ところが、最新年度の地図データには、旧年度のナビゲーション装置が備えていない機能に対応した情報も含まれているため、最新年度の地図データを旧年度のナビゲーション装置でそのまま使用することはできない。そのため、最新年度用の地図データベースとは別に、旧年度用の地図データベースを生成する必要がある。
【0006】
旧年度用の地図データベースは、最新年度の地図データベースを、所定のコンバータによってフォーマット変換することによって生成する。具体的には、最新年度の地図データベースから不要な地図データを削除するようなフォーマット変換によって、旧年度用の地図データベースを生成する。例えば、図7に示すように、最新年度として生成した2011年度の地図データベースをコンバータでフォーマット変換することにより、旧年度である2010年度の地図データベースを生成する。さらに、当該生成した2010年度の地図データベースをフォーマット変換することにより、更に1年古い2009年度の地図データベースを生成する。
【0007】
なお、あらかじめ生成したデータベースの変更を行うために記述した記述言語と元の記述言語とを比較して、変更する部分の両者の比較リストを自動生成し、この比較リストに基づいて元のデータベースの変更を行うようにした技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−15733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、各機種モデルの地図データベースは、基データベースをコンパイルすることによって生成する。この場合、地図データベースに格納される地図データのデータ量が膨大なため、1回のコンパイルにかかる時間は長時間になる。複数台のサーバを使用しても数日かかるのが普通である。しかも、各機種モデルの地図データベースを生成する際には、図6に示したように、複数回に亘ってコンパイルを順次行っていく必要がある。そのため、全ての機種モデルの地図データベースを生成するのに莫大な時間がかかってしまう。
【0010】
さらに、各年度モデルの地図データベースは、コンバータを用いて不要な地図データを削除することによって生成する。図7に示したように、旧年度の地図データベースは、最新年度の地図データベースを基にコンバータで処理をすることによって生成する。そのため、最新年度の地図データベースが毎年できる度に、コンバータの開発が必要になる。このコンバータの開発にも長時間を要する。そして、開発したコンバータを用いて各年度モデルの地図データベースを生成するのにも長時間を要する。
【0011】
以上のことから、従来は、各機種モデルの地図データベースおよび各年度モデルの地図データベースを生成するのにかかるコストが莫大になるという問題があった。また、地図データベースを生成してリリースできるまでに莫大な時間を要するため、リリースされる頃には地図データの鮮度が落ちてしまうという問題もあった。
【0012】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、モデル毎の地図データベースを生成するのにかかるコストおよび時間を削減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した課題を解決するために、本発明では、地図データを格納して成る基データベースに対して所定のフォーマット変換処理を行うことにより、データ種別により分類された複数のレコードと、それぞれのレコードに付与したデータ種別を表すタグ情報とから成るタグ方式データベースを生成する。そして、複数のモデル毎に、生成すべき地図データベースにおいて使用するデータ種別を定義したモデル定義情報を入力し、当該モデル定義情報に定義されているデータ種別と合致するタグ情報が付与されたレコードのデータをタグ方式データベースから取得して地図データベースを生成する。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成した本発明によれば、タグ方式データベースを1つ生成しておけば、複数のモデルの地図データベースに対応したモデル定義情報をそれぞれ与えるだけで、タグ方式データベースから各モデルに必要なデータ種別のレコードが取り出されて複数のモデルの地図データベースがそれぞれ生成される。これにより、処理に長時間を要するコンパイルを複数のモデル毎に行う必要がなくなる。また、コンバータの開発も不要となる。したがって、複数のモデル毎の地図データベースを生成するのにかかるコストおよび時間を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態によるデータベース生成装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施形態による変換処理部の処理内容を示す図である。
【図3】本実施形態によるタグ情報の構成例を示す図である。
【図4】本実施形態によるデータベース生成部の処理内容を示す図である。
【図5】本実施形態によるデータベース生成装置の動作例を示すフローチャートである。
【図6】各機種モデルの地図データベースを生成する従来の手順を示す図である。
【図7】各年度モデルの地図データベースを生成する従来の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるデータベース生成装置10の構成例を示す機能ブロック図である。図2は、本実施形態による変換処理部11の処理内容を示す図である。図3は、本実施形態によるタグ情報の構成例を示す図である。図4は、本実施形態によるデータベース生成部の処理内容を示す図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のデータベース生成装置10は、複数のモデルの地図データベース51,52を生成するためのものであって、変換処理部11、モデル定義情報入力部12およびデータベース生成部13を機能構成として備えている。なお、本実施形態のデータベース生成装置10は、実際には、CPU、ROM、RAMなどを備えたコンピュータなどにより構成されている。
【0018】
変換処理部11は、地図データを格納して成る基データベース20に対して所定のフォーマット変換処理を行うことにより、データ種別により分類された複数のレコードと、それぞれのレコードに付与したタグ情報とから成るタグ方式データベース30を生成する。タグ情報は、各レコードのデータ種別を表す情報である。
【0019】
基データベース20は、機種モデル毎の地図データベースおよび年度モデル毎の地図データベースを生成するための大元となるデータベースであり、主にテキスト形式のデータで構成されている。この基データベース20は、図2に示すように、ナビゲーション装置における基本的な処理に必要な地図系基本データを格納した地図系基本データベース21、交差点名称データを格納した交差点名称データベース22、現実世界に近い交差点の画像データを格納したリアル交差点画像データベース23、および方面名称データを格納した方面名称データベース24など、データ種別毎に用意された複数のデータベースの総体である。なお、図2は、経路案内に必要な地図データの例を示している。
【0020】
変換処理部11は、データ種別毎のデータベース21〜24をそれぞれコンパイルすることにより、テキスト形式からバイナリ形式にフォーマット変換する。このとき変換処理部11は、図2に示すように、データ種別により分類された複数のレコード31〜34を生成する。複数のレコード31〜34は、複数のモデルの地図データベース51,52の全てにおいて共通に使用する地図系基本データを格納した基本レコード31と、複数のモデルのうち何れかのモデルの地図データベースにおいて使用する付加データを格納した付加レコード32〜34とを含む。
【0021】
本実施形態では、変換処理部11は、地図系基本データベース21をフォーマット変換することによって基本レコード31を生成する。また、変換処理部11は、交差点名称データベース22、リアル交差点画像データベース23、方面名称データベース24をそれぞれフォーマット変換することにより、交差点名称データを格納した交差点名称付加レコード32、現実世界に近い交差点の画像データを格納したリアル交差点画像付加レコード33、方面名称データを格納した方面名称付加レコード34をそれぞれ生成する。
【0022】
変換処理部11はさらに、生成した付加レコード32〜34のそれぞれに対して、当該付加レコード32〜34のデータ種別を表すタグ情報32a〜34aを付与する。すなわち、変換処理部11は、交差点名称付加レコード32に対してデータ種別が交差点名称であることを表すタグ情報32aを付与する。また、リアル交差点画像付加レコード33に対してデータ種別が現実の交差点画像であることを表すタグ情報33aを付与する。また、方面名称付加レコード34に対してデータ種別が方面名称であることを表すタグ情報34aを付与する。
【0023】
図3に示すように、タグ情報は、通常は基本データタグ101の2バイトで構成され、ここに付加レコード32〜34のサイズとタイプ(種類)とが格納される。サイズとタイプの最大値を超える場合には、それぞれ2バイトの拡張データサイズ102および拡張データタイプ103に格納される。
【0024】
タグ方式データベース30は、基本レコード31と、タグ情報32a〜34aが付与された複数の付加レコード32〜34との総体である。なお、ここでは基本レコード31にタグ情報を付与していないが、データ種別が地図系基本データであることを表すタグ情報を基本レコード31に付与してもよい。
【0025】
モデル定義情報入力部12は、複数のモデル毎に、地図データベース51,52において使用するデータ種別を定義したモデル定義情報を入力する。本実施形態では、例えば、ハイエンド機種に対応したモデルAの地図データベース51において使用するデータ種別を定義したモデル定義情報ファイル41と、ローエンド機種に対応したモデルBの地図データベース52において使用するデータ種別を定義したモデル定義情報ファイル42とを入力するものとする。なお、モデル定義情報ファイル41,42は、本実施形態のデータベース生成装置10とは別のパーソナルコンピュータ等(図示せず)により、ユーザがあらかじめ生成しておく。
【0026】
ハイエンドモデルAのモデル定義情報ファイル41は、例えば、データ種別が交差点名称であることを表すタグ情報32a、データ種別が現実の交差点画像であることを表すタグ情報33a、およびデータ種別が方面名称であることを表すタグ情報34aの3つを定義したファイルとして構成される。一方、ローエンドモデルBのモデル定義情報ファイル42は、例えば、データ種別が交差点名称であることを表すタグ情報32a、およびデータ種別が現実の交差点画像であることを表すタグ情報33aの2つを定義したファイルとして構成される。
【0027】
データベース生成部13は、複数のモデル(ハイエンドモデルAおよびローエンドモデルB)毎に、モデル定義情報入力部12により入力されたモデル定義情報ファイル41,42に定義されているデータ種別と合致するタグ情報が付与されたレコードのデータをタグ方式データベース30から取得し、取得したレコードのデータにより地図データベース51,52を生成する。具体的には、タグ方式データベース30から取得したデータをコピーするだけの簡単な処理で、各モデルの地図データベース51,52を生成することができる。
【0028】
なお、モデル定義情報ファイル41,42には基本レコード31のタグ情報が定義されていないが、基本レコード31はどのモデルでも必ず使用して地図データベース51,52を生成する。基本レコード31にもタグ情報を付与する場合には、モデル定義情報ファイル41,42において必ず基本レコード31のタグ情報を定義する。
【0029】
本実施形態では、データベース生成部13は、図4に示すように、基本レコード31のデータと、ハイエンドモデルAのモデル定義情報ファイル41に定義されているデータ種別と合致するタグ情報32a,33a,34aが付与された付加レコード32,33,34のデータとをタグ方式データベース30から取得し、取得したレコードのデータによりハイエンドモデルAの地図データベース51を生成する。
【0030】
また、データベース生成部13は、基本レコード31のデータと、ローエンドモデルBのモデル定義情報ファイル42に定義されているデータ種別と合致するタグ情報32a,33aが付与された付加レコード32,33のデータとをタグ方式データベース30から取得し、取得したレコードのデータによりローエンドモデルBの地図データベース52を生成する。
【0031】
次に、上記のように構成した本実施形態によるデータベース生成装置10の動作を説明する。図5は、本実施形態によるデータベース生成装置10の動作例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、データベース生成装置10を起動したときに開始する。
【0032】
図5において、まず変換処理部11は、基データベース20に対して所定のフォーマット変換処理(コンパイル)を行うことにより、データ種別により分類された複数のレコード(基本レコード31、タグ情報32a〜34aが付与された付加レコード32〜34)から成るタグ方式データベース30を生成する(ステップS1)。
【0033】
次に、モデル定義情報入力部12は、複数のモデル(ハイエンドモデルAおよびローエンドモデルB)毎に生成すべき地図データベース51,52において使用するデータ種別を定義したモデル定義情報ファイル41,42を入力する(ステップS2)。
【0034】
そして、データベース生成部13は、入力されたモデル定義情報ファイル41,42の1つ目(例えば、ハイエンドモデルAのモデル定義情報ファイル41)を用いて、当該モデル定義情報ファイル41に定義されているデータ種別と合致するタグ情報32a,33a,34aが付与された付加レコード32,33,34のデータと、基本レコード31のデータとをタグ方式データベース30から取得し、取得したレコードのデータによりハイエンドモデルAの地図データベース51を生成する(ステップS3)。
【0035】
その後、データベース生成部13は、別のモデルに関するモデル定義情報ファイルが未処理で残っているか否かを判定する(ステップS4)。残っている場合はステップS3に戻り、残っていない場合は図5に示すフローチャートの処理を終了する。なお、今の例では、ローエンドモデルBのモデル定義情報ファイル42が未処理で残っているので、ステップS3に戻る。
【0036】
これに応じてデータベース生成部13は、ローエンドモデルBのモデル定義情報ファイル42に定義されているデータ種別と合致するタグ情報32a,33aが付与された付加レコード32,33のデータと、基本レコード31のデータとをタグ方式データベース30から取得し、取得したレコードのデータによりローエンドモデルBの地図データベース52を生成する(ステップS3)。その後、ステップS4の判定により、未処理のモデル定義情報ファイルが存在しないと判定され、図5に示すフローチャートの処理を終了する。
【0037】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、基データベース20を変換処理部11によりコンパイルしてタグ方式データベース30を1つ生成しておけば、複数の機種モデルの地図データベース51,52に対応したモデル定義情報ファイル41,42をそれぞれ与えるだけで、タグ方式データベース30から各機種モデルに必要なデータ種別のレコードが取り出されて各機種モデルの地図データベース51,52がそれぞれ生成される。これにより、処理に長時間を要するコンパイルを複数の機種モデル毎に行う必要がなくなる。したがって、複数の機種モデル毎の地図データベース51,52を生成するのにかかるコストおよび時間を大幅に削減することができる。
【0038】
なお、上記実施形態では、複数の機種モデルの地図データベース51,52を生成する場合に本発明を適用する例について説明したが、複数の年度モデルの地図データベースを生成する場合にも同様に本発明を適用することが可能である。例えば、上記実施形態で生成した各機種モデルの地図データベース51,52が最新年度モデルだとした場合、それよりも古い旧年度モデルの地図データベースも簡単に生成することができる。
【0039】
この場合、ハイエンドモデルAおよびローエンドモデルBのそれぞれについて、旧年度モデルのモデル定義情報ファイルを作成し、それらをモデル定義情報入力部12がデータベース生成装置10に入力する。例えば、最新年度に関するハイエンドモデルAのモデル定義情報ファイル41が、交差点名称であることを表すタグ情報32a、現実の交差点画像であることを表すタグ情報33a、および方面名称であることを表すタグ情報34aの3つを定義したファイルとして構成されるのに対し、旧年度に関するハイエンドモデルA’のモデル定義情報ファイル(図示せず)が、交差点名称であることを表すタグ情報32a、および方面名称であることを表すタグ情報34aの2つを定義したファイルとして構成されるものとする。
【0040】
一方、最新年度に関するローエンドモデルBのモデル定義情報ファイル42が、交差点名称であることを表すタグ情報32a、および現実の交差点画像であることを表すタグ情報33aの2つを定義したファイルとして構成されるのに対し、旧年度に関するローエンドモデルB’のモデル定義情報ファイル(図示せず)が、交差点名称であることを表すタグ情報32aだけを定義したファイルとして構成されるものとする。
【0041】
この場合、データベース生成部13は、基本レコード31のデータと、旧年度に関するハイエンドモデルA’のモデル定義情報ファイルに定義されているデータ種別と合致するタグ情報32a,34aが付与された付加レコード32,34のデータとをタグ方式データベース30から取得し、取得したレコードのデータにより旧年度に関するハイエンドモデルA’の地図データベースを生成する。
【0042】
また、データベース生成部13は、基本レコード31のデータと、旧年度に関するローエンドモデルB’のモデル定義情報ファイルに定義されているデータ種別と合致するタグ情報32aが付与された付加レコード32のデータとをタグ方式データベース30から取得し、取得したレコードのデータにより旧年度に関するローエンドモデルB’の地図データベースを生成する。
【0043】
このように、本実施形態によれば、タグ方式データベース30を1つ生成しておけば、複数の年度モデルの地図データベースに対応したモデル定義情報ファイルをそれぞれ与えるだけで、タグ方式データベース30から各年度モデルに必要なデータ種別のレコードが取り出されて複数の年度モデルの地図データベースがそれぞれ生成される。このとき、基本的な地図データに関しては、旧年度モデルであっても、最新年度の地図データが格納された基本レコード31が使われる。これにより、最新年度モデルから旧年度モデルへ変換するためのコンバータの開発を行う必要がなくなる。したがって、複数の年度モデル毎の地図データベースを生成するのにかかるコストおよび時間を大幅に削減することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、経路案内に必要な地図データに関する付加レコード32〜34として、交差点名称、リアル交差点画像、方面名称の3つを例示したが、これらに限定されるものではない。また、上記実施形態では、経路案内に必要な地図データを例示したが、地図描画や経路探索など他の地図データに対しても同様に処理を実行することが可能である。
【0045】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 データベース生成装置
11 変換処理部
12 モデル定義情報入力部
13 データベース生成部
20 基データベース
30 タグ方式データベース
31 基本レコード
32〜34 付加レコード
32a〜34a タグ情報
41,42 モデル定義情報ファイル
51,52 各モデルの地図データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモデルの地図データベースを生成するデータベース生成装置であって、
地図データを格納して成る基データベースに対して所定のフォーマット変換処理を行うことにより、データ種別により分類された複数のレコードと、それぞれのレコードに付与した上記データ種別を表すタグ情報とから成るタグ方式データベースを生成する変換処理部と、
上記複数のモデル毎に、上記地図データベースにおいて使用するデータ種別を定義したモデル定義情報を入力するモデル定義情報入力部と、
上記複数のモデル毎に、上記モデル定義情報入力部により入力された上記モデル定義情報に定義されているデータ種別と合致するタグ情報が付与されたレコードのデータを上記タグ方式データベースから取得し、取得したレコードのデータにより上記地図データベースを生成するデータベース生成部とを備えたことを特徴とするデータベース生成装置。
【請求項2】
上記変換処理部は、上記複数のレコードとして、上記複数のモデルの地図データベースの全てにおいて共通に使用する基本データを格納した基本レコードと、上記複数のモデルのうち何れかのモデルの地図データベースにおいて使用する付加データを格納した付加レコードとを生成することを特徴とする請求項1に記載のデータベース生成装置。
【請求項3】
複数のモデルの地図データベースをコンピュータにより生成するデータベース生成方法であって、
上記コンピュータが、地図データを格納して成る基データベースに対して所定のフォーマット変換処理を行うことにより、データ種別により分類された複数のレコードと、それぞれのレコードに付与した上記データ種別を表すタグ情報とから成るタグ方式データベースを生成する第1のステップと、
上記コンピュータが上記複数のモデル毎に、上記地図データベースにおいて使用するデータ種別を定義したモデル定義情報を入力する第2のステップと、
上記コンピュータが上記複数のモデル毎に、上記第2のステップで入力された上記モデル定義情報に定義されているデータ種別と合致するタグ情報が付与されたレコードのデータを上記タグ方式データベースから取得し、取得したレコードのデータにより上記地図データベースを生成する第3のステップとを有することを特徴とするデータベース生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−133478(P2012−133478A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283435(P2010−283435)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】