説明

データライブラリ装置

【課題】
データライブラリ装置内のディスク格納場所を考慮し、ディスクアクセスを高速化する。
【解決手段】
ディスクに記録されている情報やディスクのアクセス履歴に基づいてディスクの格納位置を変える。次にアクセスされると予測されるディスクは、データ記録再生装置の中や近くのスロット、ディスク運搬装置などに事前に格納しておく。また、関連するディスクは、ディスク運搬装置が動かずに取込める位置に格納しておく。これにより、ディスクアクセスに要する時間を短縮させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データライブラリ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開平8−63857号公報がある。特許文献1には「アクセス性能を向上でき、また所要記録容量によるアクセス頻度の差を確実に温存できるライブラリ装置及びそのアクセス頻度制御方法を提供する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−63857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1には、アクセス頻度に応じて光ディスクの格納位置を変えるライブラリ装置における、アクセス頻度の制御方法について記載されている。しかし、ディスクアクセスを早めるためのディスクの準備や格納方法については考慮していない。そこで、本発明は、ディスクの準備や格納方法に注目し、ディスクアクセスの高速化を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、その一例として、データライブラリ装置において一のディスクと関連のあるディスクを予め準備することで達成できる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ディスクに記録されている情報やディスクのアクセス履歴に基づいて予め次のディスクを準備することができるため、データライブラリ装置におけるディスクアクセス時間を短縮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】データライブラリ装置の構成を示したブロック図である。
【図2】データライブラリ装置内の各種装置の配置について一例を示した図である。
【図3】メモリに記憶するディスク情報について一例を示した図である。
【図4】次にアクセスされると予測されるディスクを準備するための処理を示すフローチャートである。
【図5】格納先のスロットを決定するための処理を示すフローチャートである。
【図6】関連ディスクを格納する処理について一例を示すフローチャートである。
【図7】複数の光ディスク格納装置を搭載したデータライブラリ装置の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図1はデータライブラリ装置の構成を示したブロック図である。
【0010】
101はデータライブラリ装置であり、記録時には、データをネットワーク104から受け取り、サーバ103を介してハードディスク105に蓄積し、蓄積したデータを光ディスク109に記録する。再生時には、ハードディスク105または光ディスク109からデータを再生し、サーバ103を介してネットワーク104に送る。103はサーバであり、データライブラリ装置101の内蔵するCPU(Central Processing Unit)102との通信によってデータライブラリ装置を制御するとともに、ハードディスク105を制御し、データの記録再生やネットワーク104を介したデータ送受信等のデータ管理を行う。105はハードディスクであり、サーバ103に制御されてネットワーク104から送られたデータを蓄える。109は光ディスクであり、光ディスク格納装置108の内部に複数枚格納されている。図1では光ディスク格納装置108は1つしか図示しないが、複数内蔵してもよく、例えば一方は未記録ディスク格納装置、他方は記録済ディスク格納装置など、用途に応じて使い分けても構わない。もちろん、光ディスク格納装置108の内部を未記録ディスク格納領域と記録済ディスク格納領域とに区切っても構わない。光ディスク109は、データ記録時、ディスク運搬装置107によって光ディスク格納装置108から取り出され、データ記録再生装置110、111、112、113に装填され、データ記録が終了すると、ディスク運搬装置107によってディスク格納装置108へと戻される。一方、データ再生時、光ディスク109は光ディスク運搬装置107によってディスク格納装置108から取り出され、データ記録装置110、111、112、113でデータを再生し、データ再生が終了すると、ディスク運搬装置107によってディスク格納装置108へと戻される。110、111、112、113はデータ記録再生装置であり、データライブラリ装置のCPU102に制御されて、光ディスク109へのデータ記録または光ディスク109からのデータ再生を行う。図1では4つのデータ記録再生装置を図示しているが、その数は幾つであってもよい。107は光ディスク運搬装置であり、データライブラリ装置のCPU102に制御されて、光ディスク109を光ディスク格納装置108から取り出し、運搬し、データ記録装置110、111、112、113に装填する。あるいは、光ディスク109をデータ記録装置110、111、112、113から受け取り、運搬し、光ディスク格納装置108へと格納する。また、光ディスク格納装置108の内部で、光ディスクの配置を変更する場合、その光ディスクの運搬処理にも使用する。102はデータライブラリ装置のCPUであり、サーバ103からの要求により、光ディスク運搬装置107を制御して、光ディスク格納装置108に格納された複数枚の光ディスク109の中から所望の光ディスクを選択し、データ記録再生装置110、111、112、113に送る。また、光ディスク運搬装置107を制御してデータ記録再生装置110、111、112、113から光ディスク109を受け取り、光ディスク格納装置108内の所定の位置に光ディスクを格納する。106はメモリであり、データライブラリ装置のCPU102を制御するためのプログラムや各種の情報を記憶する。
【0011】
図2はデータライブラリ装置内の各種装置の配置について一例を示した図である。
【0012】
光ディスク格納装置108の隣にデータ記録再生装置110を配置する。これらの装置に沿ってレール114を設置し、このレール上を光ディスク運搬装置107が移動する。ディスクアクセスを行う場合、アクセスするディスクの格納位置へ光ディスク運搬装置107が移動し、該当ディスクを取り出す。光ディスク格納装置108は取り出したディスクをデータ記録再生装置110の位置まで運搬し、ディスクを装填する。ディスクアクセス終了後は、同様にしてディスクを元の位置へと運搬、格納する。なお、配置するデータ記録再生装置は複数でもよい。その場合には、レール114に沿って複数のデータ記録再生装置を配置し、光ディスク運搬装置107が各データ記録再生装置にアクセスできるようにすればよい。
【0013】
本実施例では、次にアクセスされるディスクを予測し、要求があった場合に素早くアクセスすることを可能にするための方法について示す。
【0014】
次にアクセスされるディスクを予測する方法として、2つの例を挙げる。
【0015】
1つめは、ディスクを跨いで記録されたデータの再生である。ユーザのアクセスしているデータが、ディスクを跨いで記録されているものである場合、そのデータを全て再生するためには、ディスクを跨ぐ前のデータと跨いだ後のデータの両方のデータが必要となる。従って、ディスクを跨いで記録されたデータを再生する場合には、ディスク跨いだ後のデータが記録されているディスクを事前に準備しておくことで、ディスクアクセスに要する時間の短縮を可能にする。そして2つめは、関連するデータの再生である。ユーザのアクセスしているデータの内容から、次にアクセスする可能性のあるデータを予測する。関連する内容を含むディスクを事前に準備しておくことでディスクアクセスに要する時間の短縮を可能にする。これらを実現するための手段を以下に示す。
【0016】
図3はメモリに記憶するディスク情報について一例を示した図である。
【0017】
メモリ106には、ディスク情報として、個々のディスクを識別するためのディスクID、ディスクの位置情報、ディスクのアクセス回数、ディスクを跨いだ記録データがあるか否かを示すディスク跨ぎ情報と、ディスクに記録されているデータ内容の情報を記憶する。例えば図3では、ディスクID(0002)のディスクは、光ディスク格納装置108の2番目のスロットに格納されており、これまでに10回のアクセスがあり、データ内容は文書データであることを示す。スロットとは、光ディスク格納装置108の中で、個々のディスクを格納するための場所を意味する。また、ディスクID(0004)のディスクは、光ディスク運搬装置107に格納されており、これまでに20回のアクセスがあり、データ内容は映像データであることを示す。なお、ディスク跨ぎ情報には“0001”とある。これは、ディスクを跨いで記録したデータがあり、跨いだ後のデータはディスクID(0001)のディスクに記録されていることを示す。従って、ユーザがディスクID(0004)のディスクにアクセスした場合、データライブラリ装置内では、ディスクID(0001)のディスクを予め準備しておき、ディスクアクセス時間の短縮を図る。また、ディスクID(0004)のディスクのデータ内容は“映像データ”となっている。ユーザが映像データにアクセスしている場合、続けて別の映像にもアクセスすることが予測される。従って、ユーザがディスクID(0004)のディスクにアクセスした場合、データライブラリ装置内では、映像データを記録したディスクID(0007)のディスクについても予め準備しておくことで、ディスクアクセス時間の短縮を図る。
【0018】
ここで、次にアクセスされることが予測されるディスクの準備方法について、3つの例を挙げる。
【0019】
1つめは、記録再生装置110、111、112、113に装填しておく方法である。使用していない記録再生装置がある場合、事前にその記録再生装置にアクセスが予測されるディスクを装填しておくことで、ディスクアクセスを短縮することが可能となる。そして2つめは、光ディスク運搬装置107に格納しておく方法である。記録再生装置110、111、112、113が全て使用されており、事前にディスクを装填できない場合、光ディスク運搬装置107に格納しておく。これにより、記録再生装置110、111、112、113の何れかが空き状態になった場合に、すぐに次のディスクを装填することが可能となる。そして3つめは、光ディスク格納装置108の中で、現状よりも記録再生装置110、111、112、113に近いスロットに格納しておく方法である。記録再生装置110、111、112、113が全て使用されており、光ディスク運搬装置107も使用されている場合には、できる限り記録再生装置110、111、112、113に近いスロットにディスクを格納しておくことでディスクアクセスを早くすることを考える。ただし、3つめの方法に関しては、ディスクを格納するスロットを変えるために光ディスク運搬装置107を使用する必要がある。光ディスク運搬装置107が別の処理で使用されている場合は、その処理の合間に実行するなど、他の処理に負荷をかけないように実行する必要がある。
【0020】
図4は次にアクセスされると予測されるディスクを準備するための処理を示すフローチャートである。
【0021】
ステップS401において、ディスクアクセスが発生する。
【0022】
次にステップS402において、メモリ106に記憶しているディスク跨ぎ情報やデータ内容に基づいて、先に述べた方法により次にアクセスされると予測される関連ディスクを抽出する。抽出した関連ディスクは、ステップS403以降の処理において、ユーザ要求に応じて素早くアクセスできるように準備される。
【0023】
まず、ステップS403では、使用していない記録再生装置があるか確認を行う。例えば、図1に示した構成の場合、4つの記録再生装置110、111、112、113が存在する。これらの記録再生装置のうち、1つでも使用していないものがあれば、ステップS404に進む。ステップS404において、先に抽出した関連ディスクを使用していない記録再生装置に装填する。そしてステップS405において、メモリ106に対して変更の生じたディスク情報を更新して終了する。
【0024】
ステップS403において、すべての記録再生装置が使用されている場合には、ステップS406において、光ディスク運搬装置107がディスクを格納できる状態であるかを確認する。光ディスク運搬装置107が別のディスクを運搬中で無ければ、光ディスク運搬装置107はディスクを格納可能なため、ステップS407に進む。ステップS407では、先に抽出した関連ディスクを光ディスク運搬装置107に格納する。そしてステップS405において、メモリ106に対して変更の生じたディスク情報を更新して終了する。
【0025】
ステップS406において、光ディスク運搬装置107が別のディスクを運搬しているなど、ディスクを格納しておけない場合には、運搬処理の合間を用いてステップS408を実行する。運搬処理の合間とは、光ディスク運搬装置107は、光ディスク格納装置108と、記録再生装置110、111、112、113の間におけるディスク運搬処理の空き時間である。ディスクアクセス要求に応じて、ディスク運搬処理は実行されるが、ディスクアクセス要求が無い間は、ディスク運搬処理は行われない。この空き時間を利用してステップS408を実行する。ステップS408では、先に抽出した関連ディスクを、現状よりも記録再生装置110、111、112、113に近いスロットへ格納する。そしてステップS405において、メモリ106に対して変更の生じたディスク情報を更新して終了する。ステップS408でのディスク格納処理においては、移動先のスロットに既にディスクが格納されている場合もある。一般的に、アクセス頻度の高いディスクはすぐにアクセスできるようにするため、記録再生装置110、111、112、113に近いスロットに格納される場合が多いため、このようなケースは発生し易い。この場合は、メモリ106に記憶しているディスク情報を参照し、アクセス回数などを考慮した上で格納先のスロットを決定すればよい。この方法を以下に示す。
【0026】
図5は格納先のスロットを決定するための処理を示すフローチャートである。
【0027】
ステップS501では、メモリ106に記憶しているディスク情報に基づき、データ記録再生装置110、111、112、113に最も近いスロットの情報を確認する。ここで、近い順に、スロット1、2、3・・・となっている場合、データ記録再生装置110、111、112、113に最も近いスロットはスロット1である。ステップS502において、スロット1の情報を確認し、既にディスクが格納されている場合には、ステップS503でアクセス頻度の比較を行う。既に格納されているディスクのアクセス頻度の方が高い場合、ステップS504に進み、次に近い隣のスロットの情報を確認する。ステップS502〜S504を繰り返し行い、ステップS502で、ディスクが格納されていないスロットが見つかった場合には、ステップS506に進み、そのスロットへディスクを格納する。最後にステップS507において、メモリ106に対して変更の生じたディスク情報を更新して終了する。また、ステップS502〜S504を繰り返し行い、ステップS503で、既に格納されているディスクのアクセス頻度の方が低いものが見つかった場合には、ステップS505に進み、格納先のスロットを交換する。そしてステップS507において、メモリ106に対して変更の生じたディスク情報を更新して終了する。
【0028】
本実施例では、次にアクセスされるディスクを予測する方法として、ディスク跨ぎ情報や関連データに基づく方法を示したが、これ以外の情報に基づいてアクセスディスクを予測してもよい。また、次にアクセスされることが予測されるディスクの準備方法について、記録再生装置110、111、112、113に装填しておく方法、光ディスク運搬装置107に格納しておく方法、現状よりも記録再生装置110、111、112、113に近いスロットに格納しておく方法を示した。これらの準備方法の優先順位は任意であり、図4に示したフローチャートによる準備方法は一例に過ぎない。なお、光ディスク運搬装置107に格納しておく場合、光ディスク運搬装置107は記録再生装置110、111、112、113の位置に移動させておいてもよい。このようにすることで、記録再生装置110、111、112、113が空き次第、すぐに次のディスクを装填することが可能になるため、ディスクアクセス時間をより高速化できる。また、本実施例では、非稼動時の光ディスク運搬装置107の位置については示していないが、記録再生装置110、111、112、113の位置に配置しておくと効果的である。これは、記録再生装置110、111、112、113に対するディスク入れ替え処理がすぐに行えるためである。また、記録再生装置110、111、112、113に近い位置のスロットに配置しておいても効果的である。これは、一般的に、アクセス頻度の高いディスクが記録再生装置110、111、112、113の近くのスロットに格納されるケースが多いためである。また、本実施例では、次にアクセスされることが予測されるディスクを記録再生装置110、111、112、113に装填しておく方法を示したが、記録再生装置110、111、112、113の全てに対し、予測されるディスクを装填しなくともよい。例えば、記録再生装置110、111、112には、次にアクセスされることが予測されるディスクを装填しておき、記録再生装置113は未使用状態にしておく。このようにすることで、予測していたディスクとは全く異なるディスクに対する再生要求があった場合でも、即座に未使用状態の記録再生装置113を利用することが可能になるため、より柔軟な装置を構成できる。また、本実施例では、次にアクセスされることが予測されるディスク、つまり、記録済みのディスクに対するリードアクセスに関して、ディスクの準備方法を示した。先に述べた方法により、リードアクセスの頻度の高いディスクは、光ディスク格納装置108内で、記録再生装置110、111、112、113に近いスロットに配置される。一方、ライトアクセスが要求される未記録ディスクの配置については示していないが、データライブラリ装置においては、リードアクセス要求があまり発生しない夜間などの時間帯にライトを行うことがある。これは、ライブラリ装置にかかる負担を減らすためである。このように、一般的に、データのライト要求はリード要求ほど高速化を求められることはない。従って、未記録ディスクは、光ディスク格納装置108内で、記録再生装置110、111、112、113から遠いスロットに配置されても支障はない。本実施例を適用した場合、リードアクセス要求が予測されるディスクは記録再生装置110、111、112、113に近い位置に配置されるため、ライトアクセス要求の対象ディスクは録再生装置110、111、112、113から遠い位置に配置することが可能となり、容易に実現可能である。
【0029】
このように本実施例によれば、データライブラリ装置において、次にアクセスされると予測されるディスクを事前に準備しておき、ユーザ要求に応じて素早くアクセスすることができるようになる。これにより、光ディスク格納装置と記録再生装置間でアクセスディスクを運搬する光ディスク運搬装置が要する時間を減らすことができるため、データライブラリ装置におけるディスクアクセス時間を短縮することが可能になる。
【実施例2】
【0030】
本実施例では、光ディスク格納装置の中で、関連するディスクを纏めて格納しておくことで、効率よくディスクの取り出しを行うための方法について示す。関連ディスクとは、実施例1で示したような、ディスクを跨いでデータが記録されたディスク同士や、データ内容が関連しているディスク同士のことである。なお、本実施例を実現するデータライブラリ装置の構成は図1と同じであり、光ディスク運搬装置107が複数のディスクを同時に格納できる場合に効果を発揮する。
【0031】
ここで、光ディスク運搬装置107が複数の取り込み口を搭載しており、光ディスク格納装置108の複数のスロットから同時に複数枚のディスクを取り出すことが可能であるとする。複数の関連ディスクを、光ディスク運搬装置107が動くことなく取り込めるようにするため、関連ディスク同士を隣り合ったスロットあるいは互いに近いスロットに格納しておく。これにより、関連ディスクを一度に運搬可能になるため、ディスク運搬に要する時間を削減でき、データライブラリ装置におけるディスクアクセス時間を短縮することが可能になる。
【0032】
図6は関連ディスクを格納する処理について一例を示すフローチャートである。
【0033】
ステップS601において、メモリ106に記憶しているディスク跨ぎ情報やデータ内容に基づいて、関連ディスクの抽出を行う。ステップS602で関連ディスクが存在しなければ処理を終了する。関連ディスクが存在する場合、ステップS603では、関連ディスク同士を、光ディスク運搬装置107が動くことなく取り込める位置に格納するようにディスクの再配置を行う。そしてステップS604において、メモリ106に対して変更の生じたディスク情報を更新して終了する。
【0034】
図7は複数の光ディスク格納装置を搭載したデータライブラリ装置の一例を示した図である。
【0035】
図2に示したデータライブラリ装置に対し、レール114に沿うようにもう1つの光ディスク格納装置108を配置したものである。この構成においては、関連ディスクを、複数の光ディスク格納装置に分けて格納しておいても本手法が適用可能である。例えば、レール114を挟み、向かい合った位置に関連ディスクを格納しておく。図7においては、斜線で示したディスク同士が関連するディスク同士である。光ディスク運搬装置107が複数の取り込み口を搭載しており、複数の側面からディスク取り込みが可能な構成であれば、複数の光ディスク格納装置からの関連ディスクの同時取り込みが可能になる。
【0036】
本実施例では、2台の光ディスク格納装置108を搭載したデータライブラリ装置からの関連ディスク取り出しについて示したが、その数は任意で構わない。光ディスク運搬装置107のディスク取り込み口の数や位置に応じて、2台以上の光ディスク格納装置からのディスク取り込みも可能である。
【0037】
このように本実施例によれば、データライブラリ装置において、関連するディスク同士を、光ディスク運搬装置107が動くことなく取り込める位置に格納することができるようになる。これにより、光ディスク運搬装置がディスク取り出しのために要する移動距離が少なくなるため、データライブラリ装置におけるディスクアクセス時間を短縮することが可能になる。
【0038】
なお、以上の実施例は以下のようにも言い換えられる。すなわち、複数の光ディスクを管理し、データを再生するデータライブラリ装置であって、光ディスクを再生する複数の光ディスクドライブと、この光ディスクドライブに光ディスクを運ぶ光ディスク運搬装置と、この光ディスク運搬装置を制御するコントローラと、を有し、ホストから所定のデータ要求があった際には、コントローラは、複数の光ディスクのうち、いずれかの光ディスクを光ディスクドライブに運ぶよう光ディスク運搬装置を制御し、いずれかの光ディスクが光ディスクドライブに運ばれた後は、コントローラは、運ばれた光ディスクと関連のある光ディスクを準備するよう、光ディスク運搬装置を制御する。
【0039】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0040】
101…データライブラリ装置、102…CPU、103…サーバ、104…ネットワーク、105…ハードディスク、106…メモリ、107…光ディスク運搬装置、
108…光ディスク格納装置、109…光ディスク、110…データ記録再生装置、111…データ記録再生装置、112…データ記録再生装置、113…データ記録再生装置、114…レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録媒体を管理し、前記複数の記録媒体にデータを記録再生するデータライブラリ装置において、
装置の処理を制御する制御装置と、
前記複数の記録媒体にデータを記録再生する1つ以上のデータ記録再生装置と、
記録媒体格納領域や前記データ記録再生装置に対して前記記録媒体を運搬して受け渡しを行う記録媒体運搬装置と、
前記記録媒体に関する情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御装置は、前記記憶部の情報を参照し、アクセス中の第一の記録媒体に関する情報に基づいて、次にアクセスされると予測される第二の記録媒体を選択しておくこと、
を特徴とするデータライブラリ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータライブラリ装置において、
前記制御装置は、
前記第二の記録媒体を抽出するための情報として、
前記第一の記録媒体に記録されたデータが、前記第二の記録媒体へ跨って記録されているかを参照すること、
を特徴とするデータライブラリ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデータライブラリ装置において、
前記制御装置は、
前記第二の記録媒体を抽出するための情報として、
前記第一の記録媒体に記録されたデータが、前記第二の記録媒体に記録されたデータと関連しているかを参照すること、
を特徴とするデータライブラリ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のデータライブラリ装置において、
前記制御装置は、前記第二の記録媒体を前記データ記録再生装置に格納すること、
を特徴とするデータライブラリ装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載のデータライブラリ装置において、
前記制御装置は、前記第二の記録媒体を前記記録媒体運搬装置に格納すること、
を特徴とするデータライブラリ装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載のデータライブラリ装置において、
前記制御装置は、前記記録媒体格納領域内における前記第二の記録媒体の格納位置を、現状の位置よりも記録再生装置に近い位置へ変えること、
を特徴とするデータライブラリ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のデータライブラリ装置において、
格納先に第三の記録媒体が存在している場合、
前記制御装置は、前記記憶部の情報を参照し、前記第二の記録媒体と前記第三の記録媒体のアクセス頻度を比較し、比較結果に基づいて前記第二の記録媒体と前記第三の記録媒体の格納位置の入れ替えを行うか判定すること、
を特徴とするデータライブラリ装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のデータライブラリ装置において、
前記記録媒体運搬装置は、前記記録媒体格納領域から、複数の前記記憶媒体を取込むことができること、
を特徴とするデータライブラリ装置。
【請求項9】
請求項8に記載のデータライブラリ装置において、
前記制御装置は、前記記憶部の情報を参照し、関連するデータを含む複数の前記記憶媒体を、前記記録媒体運搬装置が移動することなく取込むことができる位置に格納しておくこと、
を特徴とするデータライブラリ装置。
【請求項10】
複数の光ディスクを管理し、該複数の光ディスクからデータを再生するデータライブラリ装置であって、
光ディスクを再生する複数の光ディスクドライブと、
前記光ディスクドライブに光ディスクを運ぶ光ディスク運搬装置と、
前記光ディスク運搬装置を制御するコントローラと、
を有し、
ホストから所定のデータ要求があった際には、前記コントローラは、複数の光ディスクのうち、いずれかの光ディスクを前記光ディスクドライブに運ぶよう前記光ディスク運搬装置を制御し、
前記いずれかの光ディスクが前記光ディスクドライブに運ばれた後、前記コントローラは、該運ばれた光ディスクと関連のある光ディスクを準備するよう、前記光ディスク運搬装置を制御する、
データライブラリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−89275(P2013−89275A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231251(P2011−231251)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】