説明

データ伝送方法及びシステム、送信装置並びに受信装置

【課題】
簡易な構成で、セキュアなデータ伝送を実現する。
【解決手段】
宛先判別装置24は、入力データフレームの宛先を判別する。整合確認パターン付加装置32は、送信すべきデータフレームに整合確認パターンを付加する。分割装置34は、装置32の出力フレームを所定分割規則に従い2つの分割フレーム78,80に分割する。一方の分割フレームは、誤り訂正符号化装置36a、可変遅延装置38a及び電気/光変換装置40aを介して光ファイバ伝送路12に入力し、他方の分割フレームは、誤り訂正符号化装置36b、可変遅延装置38b及び電気/光変換装置40bを介して光ファイバ伝送路14に入力する。遅延制御装置26は、両分割フレームが実質的に同時に受信装置50に到達するように、可変遅延装置38a,38bの遅延時間を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ伝送方法及びシステム、送信装置並びに受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子商取引や秘密の情報のやり取りのため、セキュリティを高めた通信方法が提案されている。一般的には、送信側でデータを暗号鍵で暗号化し、受信側で暗号化されたデータを復号鍵で復号し、もとの平文を得る方法が取られている。しかし、この方法では、復号鍵を盗まれると、データを解読されてしまう。
【0003】
そこで、暗号化された情報を単独では意味のない複数のデータに分け、これらのデータを複数の通信路で別々に伝送することによって通信の秘匿性を高めるシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−115162公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リング型の通信システムでは、従前、暗号化が使用されてきたが、先に説明したように、復号鍵が盗まれることにより、データを解読される恐れがある。
【0005】
特許文献1に記載の方法をリング型通信システムに適用する場合、通信路として、波長で分ける方法と、伝送方向で分ける方法が考えられる。前者の方法では、同一リングに接続する子機(受信機)数が増加すると、親機(送信機)は多数の波長を用意する必要がある。後者の方法では、複数の子機が接続された際に特定の子機に特定のデータを送信できなければいけないが、従前、そのような方法は知られていない。
【0006】
本発明は、簡易な構成で高いセキュリティを実現できるデータ伝送方法及びシステム、送信装置並びに受信装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るデータ伝送方法は、正当性を確認するための整合確認パターンをデータフレームに付加する整合確認パターン付加ステップと、当該整合確認パターンを付加された当該データフレームを複数の分割フレームに分割する分割ステップと、当該複数の分割フレームのそれぞれに、複数の伝送路間の伝搬時間差を補償する遅延を与える遅延ステップと、遅延された各分割フレームを、当該複数の伝送路のうちのそれぞれ異なる伝送路に出力する出力ステップと、各伝送路からの各分割フレームを合成する合成ステップと、当該合成ステップによる合成フレームに正しい整合確認パターンがあるかどうかを判別する整合確認パターン判別ステップと、正しい整合確認パターンが確認されない場合に、当該合成フレームを破棄するステップとを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るデータ伝送システムは、複数の伝送路を使って、送信装置から受信装置にデータを伝送するデータ伝送システムである。特徴的には、当該送信装置が、入力データフレームの宛先を判別する宛先判別装置と、宛先毎の、複数の伝送路での伝搬時間の情報を記憶する宛先データベースと、当該入力データフレームを前処理する前処理装置であって、正当性を確認するための整合確認パターンを当該入力データフレームに付加する整合確認パターン付加装置を具備する前処理装置と、当該前処理装置から出力されるフレームを複数の分割フレームに分割するフレーム分割装置と、各分割フレームの伝送に使用する伝送路の伝搬時間差を実質的に補償する遅延時間を設定され、当該複数の分割フレームのそれぞれを遅延する複数の可変遅延装置と、当該複数の可変遅延装置により遅延された各分割フレームを搬送する信号を当該複数の伝送路のうちの互いに異なる伝送路に出力する複数の出力装置とを具備する。当該受信装置が、当該複数の伝送路のそれぞれから、当該分割フレームを搬送する信号を入力する複数の入力装置と、当該複数の入力装置からの複数の分割フレームを1のフレームに合成する合成装置と、当該合成装置から出力される合成フレームに正しい整合確認パターンがあるかどうかを判別する整合確認パターン判別装置と、正しい整合確認パターンが確認されない場合に、当該合成フレームを破棄する装置とを具備する。
【0009】
本発明に係る送信装置は、入力データフレームの宛先を判別する宛先判別装置と、宛先毎の、複数の伝送路での伝送時間の情報を記憶する宛先データベースと、当該入力データフレームを前処理する前処理装置であって、正当性を確認するための整合確認パターンを当該入力データフレームに付加する整合確認パターン付加装置を具備する前処理装置と、当該前処理装置から出力されるフレームを複数の分割フレームに分割するフレーム分割装置と、各分割フレームの伝送に使用する伝送路の伝搬時間差を実質的に補償する遅延時間を設定され、当該複数の分割フレームのそれぞれを遅延する複数の可変遅延装置と、当該複数の可変遅延装置により遅延された各分割フレームを搬送する信号を当該複数の伝送路のうちの互いに異なる伝送路に出力する複数の出力装置とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る受信装置は、1つのデータフレームから分割された複数の分割フレームを互いに異なる伝送路を介して実質的に同時に受信することにより、当該データフレームを受信する受信装置であって、複数の伝送路のそれぞれから、当該分割フレームを搬送する信号を入力する複数の入力装置と、当該複数の入力装置からの複数の分割フレームを1のフレームに合成する合成装置と、当該合成装置から出力される合成フレームに所定の整合確認パターンがあるかどうかを判別する整合確認パターン判別装置と、当該所定の整合確認パターンが確認されない場合に、当該合成フレームを破棄する装置とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、1つのデータフレームを複数の分割フレームに分割し、各分割フレームを、使用する伝送路の伝搬時間差に応じた遅延時間を与えた上で、互いに異なる伝送路で伝送するので、他の受信装置による傍受を防止できる。整合確認パターンを送信前に付加し、受信側で確認することで、合成フレームが正しいものか否かを確認できる。これらにより、傍受の困難な高いセキュリティのデータ伝送を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例の概略構成図を示し、図2は、本実施例におけるフレーム構成の変遷を示す。
【0014】
リング伝送路10は、時計方向に信号光が伝送する光ファイバ伝送路12と、反時計方向に信号光が伝送する光ファイバ伝送路14からなる。光ファイバ伝送路12,14には光送信装置20と光受信装置50が接続し、光送信装置20が、光ファイバ伝送路12,14を介して光受信装置50にデータを送信する。光ファイバ伝送路12,14には、更に、別の1又は2以上の光送信装置又は1以上の光受信装置が接続可能である。それらの代表として、光ファイバ伝送路12,14に接続する光送受信装置70を図示して在る。
【0015】
光送信装置20は予め、光受信装置50に対して、光ファイバ伝送路12を介した場合の信号伝送時間と、光ファイバ伝送路14を介した場合の信号伝搬時間を計測する。光送信装置20から光受信装置50までの光ファイバ伝送路12,14の信号伝搬時間は、例えば、特開2004−054494公報に記載されている方法で計測できる。宛先情報データベース22は、宛先毎に、光ファイバ伝送路12,14の伝搬時間差の情報(又は時間情報そのもの)、および、暗号化方法とその暗号化鍵の情報を記憶する。
【0016】
光送信装置20の宛先判別装置24には、光受信装置50に送信すべきデータフレーム、即ち送信フレーム72が入力する。送信フレーム72は、本実施例では、図2(a)に示すようなEthernet(登録商標)のフレーム構造からなる。Ethernet(登録商標)フレーム構造は、7バイトのプリアンブル、1バイトのSFD(Start Frame Delimiter)、6バイトの宛先アドレス、6バイトの送信元アドレス、46乃至1500バイトのデータ部及び、4バイトの誤り検出訂正用のCRC(Cyclic Redundancy Check)からなる。データ部に、送信すべきデータが格納されている。プリアンブルは1と0の交互の繰り返しからなる。SFDは”10101011”である。
【0017】
宛先判別装置24は、図2に示すフレーム72の宛先アドレスから宛先(ここでは、光受信装置50)を判別し、宛先情報データベース22を参照して、その宛先(光受信装置50)に関する光ファイバ伝送路12,14の伝搬時間差の情報、および、暗号化方法とその暗号化鍵の情報を読み出し、伝搬時間差の情報を遅延制御装置26に、暗号化方法と暗号化鍵の情報を暗号化制御装置28に供給する。宛先判別装置24はまた、入力したデータフレーム72をそのまま、暗号化装置30に出力する。
【0018】
暗号化制御装置28は、宛先判別装置24からの暗号化方法と暗号化鍵を暗号化装置30にセットする。暗号化装置22は、暗号化制御装置28により指定される暗号化方法で、暗号化制御装置28により指示された暗号化鍵を使い、宛先判別装置24からの図2(a)に示すデータフレーム72の全体を暗号化する。即ち、暗号化装置30は、宛先判別装置24からのプリアンブル、SFD,宛先アドレス、送信元アドレス、データ及びCRCの全部を一括して暗号化し、図2(b)に示す暗号化フレーム74を出力する。
【0019】
整合確認パターン付加装置32は、暗号化装置30からの暗号化フレーム74の直前に所定ビット数の整合確認パターンを付加し、図2(c)に示すように、暗号化フレーム74とこれに先行する整合確認パターンとからなるフレーム76を出力する。本実施例では、1つのフレームを2つに分割し、それぞれ別の伝送路で伝送し、受信側で合成する。整合確認パターンは、受信側で合成する際に、正しい2つの分割フレームを合成していることを簡易に確認する目的で付加される。
【0020】
暗号化装置30の後段に整合確認パターン付加装置32を配置したが、この逆でもよい。
【0021】
分割装置34は、整合確認パターン付加装置32から出力される図2(c)に示すフレーム76を、所定分割規則に従い、図2(d),(e)に示すように2つの分割フレーム78,80に分割する。このとき、所定分割規則として、整合確認パターン付加装置32から出力される図2(c)に示すフレーム76を単純に前半と後半の2つに分割する方法や、偶数ビットと奇数ビットに分割する方法などが考えられる。セキュリティ上は、より複雑な規則に従い、好ましくは宛先毎に異なりうる規則に従い、図2(c)に示すフレーム76を2分割するのが好ましい。分割比は1:1が好ましいが、必ずしも、1:1に限定されない。
【0022】
分割装置34は、一方の分割フレーム78を誤り訂正符号化装置36aに供給し、他方の分割フレーム80を誤り訂正符号化装置36bに供給する。誤り訂正符号化装置36aはフレーム78に誤り訂正のためのパリティ又は誤り訂正符号(ECC)を付加し、図2(f)に示すフレーム82を可変遅延装置38aに出力する。同様に、誤り訂正符号化装置36bは、フレーム80に誤り訂正のためのパリティを付加し、図2(g)に示すフレーム84を可変遅延装置38bに出力する。
【0023】
遅延制御装置26は、宛先判別装置24からの伝搬時間差の情報に従い、可変遅延装置38a,38bに、光ファイバ伝送路12,14の伝搬時間差を相殺する遅延時間をセットする。例えば、光ファイバ伝送路12の伝搬時間をT1、光ファイバ伝送路14の伝搬時間をT2とする。T1>T2である場合、遅延制御装置26は、可変遅延装置38bに、可変遅延装置38aの遅延時間よりも(T1−T2)だけ長い遅延時間をセットする。逆に、T1<T2である場合、遅延制御装置26は、可変遅延装置38aに、可変遅延装置38bの遅延時間よりも(T2−T1)だけ長い遅延時間をセットする。このように、ECC付きの分割フレーム82,84の遅延時間を調整することで、異なる光ファイバ伝送路12,14を伝送する場合の伝送時間差を予め補償でき、両フレーム82,84は実質的に同時に光受信装置50に到達する。
【0024】
図1に実施例では、誤り訂正符号化装置36a,36bを可変遅延装置38a,38bの前段に配置したが、その逆であってもよい。但し、図1に示す配置の方が、逆の配置よりも、可変遅延装置38a,38bによる遅延時間の制御が精確になる。
【0025】
電気/光(E/O)変換装置40aは、可変遅延装置38aの出力電気信号を光信号に変換して、光ファイバ伝送路12に出力する。また、電気/光(E/O)変換装置40bは、可変遅延装置38bの出力電気信号を光信号に変換して、光ファイバ伝送路14に出力する。これにより、ECC付きの分割フレーム82は、光ファイバ伝送路12を介して光受信装置50に到達し、ECC付きの分割フレーム84は、光ファイバ伝送路14を介して光受信装置50に到達する。
【0026】
光受信装置50では、光/電気(O/E)変換器52aが光ファイバ伝送路12からの光信号を電気信号に変換し、光/電気(O/E)変換器52bが光ファイバ伝送路14からの光信号を電気信号に変換する。光送信装置20の可変遅延装置38a,38bによる遅延調節により、O/E変換装置52a,52bは、実質的に同時に、それぞれフレーム82及び同84を搬送する光信号を受信する。2値判別装置54aは、O/E変換器52aの出力電気信号を2値判別し、2値判別装置54bは、O/E変換器52bの出力電気信号を2値判別する。2値判別装置54aの出力は、図2(f)に示すフレーム82に相当し、2値判別装置54bの出力は、図2(g)に示すフレーム84に相当する。
【0027】
誤り訂正装置56aは、2値判別装置54aから出力されるフレームに付属する誤り訂正符号、ここでは、誤り訂正符号化装置36aで付加された誤り訂正符号を使って、伝送誤りを訂正する。同様に、誤り訂正装置56bは、2値判別装置54bから出力されるフレームに付属する誤り訂正符号、ここでは、誤り訂正符号化装置36bで付加された誤り訂正符号を使って、伝送誤りを訂正する。誤り訂正装置56aの出力は、図2(d)に示す分割フレーム78に相当し、誤り訂正装置56bの出力は、図2(e)に示す分割フレーム80に相当する。
【0028】
O/E変換装置52a、2値判別装置54a及び誤り訂正装置56aが、特許請求の範囲にいう入力装置に対応する。
【0029】
合成装置58は、誤り訂正装置56a,56bからの誤りを訂正された分割フレーム78,80を元の1つのフレーム76に合成し、合成結果をバッファメモリ60に書き込む。フレーム76を2つの分割フレーム78,80に分割する規則が、光送信装置20に依存する場合、データ送信に先立ち、光送信装置20から光受信装置50に分割規則(光受信装置50から見れば、合成規則)を通知しておけばよい。高度のセキュリティを必要としないデータに対して、光送信装置20及び光受信装置50は、光ファイバ伝送路12,14の一方のみ、例えば、予め決められた一方のみを使って、データを伝送する。この場合には、合成装置58は、誤り訂正装置56a,56bのうちの、受信に関わった方の出力をスルーする。
【0030】
バッファメモリ60は、合成装置58により合成された合成フレームを一時記憶する。整合パターン判別装置62は、メモリ60に記憶される合成フレームの先頭に、光送信装置20の整合確認パターン付加装置32で付加されたのと同じ整合確認パターンがあるかどうかを判別する。
【0031】
正しい整合確認パターンがある場合、メモリ60に記憶される合成フレームは、光送信装置20から送信された正しいデータを含むので、整合確認パターン判別装置62は、バッファメモリ60から当該整合確認パターンを破棄し、当該整合確認パターンに続く部分、即ち図2(b)の暗号化フレーム74に相当する部分を解読装置64に読み出す。バッファメモリ60は、整合確認パターンを除去する装置として機能する。
【0032】
解読装置64は、暗号化装置30の暗号化に対応する解読鍵を使って、メモリ60からの暗号化フレームを解読する。解読装置64の出力は、図2(a)に示すフレーム72に相当する。解読装置64の出力フレームが、受信フレームとして外部に出力される。
【0033】
正しい整合確認パターンがバッファメモリ60に存在しない場合、メモリ60に記憶されるフレームは、光送信装置20から送信された正しいデータを含まない。この場合、整合確認パターン判別装置62は、バッファメモリ60に記憶されるフレームを削除する。これにより、光受信装置50宛でないデータは破棄される。
【0034】
光送受信装置70の受信系では、光ファイバ伝送路12を介して受信するフレームと、光ファイバ伝送路14を介して受信するフレームに時間差がある。この時間差により、合成装置58による合成結果は、図2(c)に示すフレーム76とは異なるデータ内容のもの、より具体的には、先頭の整合確認パターン部分が異なる内容のものになる。従って、正しい整合確認パターンがバッファメモリ60に相当するバッファメモリに存在しないことになり、光送受信装置70は、光送信装置20からのデータを破棄する。仮に、整合確認パターンのチェックをかいくぐったとしても、光受信装置50と光送受信装置70とで解読鍵が異なるので、光送受信装置70は、暗号化フレーム74を正しく解読できない。
【0035】
このようにして、本実施例では、(1)1データフレームを2つの分割フレームに分割し、各分割フレームをそれぞれ異なる伝送路で伝送すること、および(2)分割フレームの合成の適否を判定する手段、即ち、整合確認パターンを具備することにより、他の受信装置が自分宛でないデータを取り込んでしまうのを、簡易な構成で防止できる。更に、(3)送信装置と受信装置に依存した暗号化を施すことで、他の受信装置による傍受の可能性を低減できる。分割前の段階で暗号化しているので、仮に、解読鍵を取得されたとしても、2つの分割フレームの両方を取得し、かつ、2つの分割フレーム間の正しい遅延時間差を取得できないと、内容を解読できない。このような3つの特徴を具備することで、他の受信装置による傍受を排除でき、極めて秘匿性の高い通信を実現できる。傍受のためには、2つの光ファイバ伝送路12,14の両方から対応する分割フレームの光信号を受信し、正しい遅延時間差で両受信フレームを合成し、合成フレームを解読しなければならず、極めて困難である。
【0036】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】本実施例におけるフレーム加工の手順を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0038】
10:リング伝送路
12,14:光ファイバ伝送路
20:光送信装置
22:宛先情報データベース
24:宛先判別装置
26:遅延制御装置
28:暗号化制御装置
30:暗号化装置
32:整合確認パターン付加装置
34:分割装置
36a,36b:誤り訂正符号化装置
38a,38b:可変遅延装置
40a,40b:電気/光変換装置
50:光受信装置
52a,52b:光/電気(O/E)変換器
54a,54b:2値判別装置
56a,56b:誤り訂正装置
58:合成装置
60:バッファメモリ
62:整合確認パターン判別装置
64:解読装置
70:光送受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正当性を確認するための整合確認パターンをデータフレームに付加する整合確認パターン付加ステップと、
当該整合確認パターンを付加された当該データフレームを複数の分割フレームに分割する分割ステップと、
当該複数の分割フレームのそれぞれに、複数の伝送路間の伝搬時間差を補償する遅延を与える遅延ステップと、
遅延された各分割フレームを、当該複数の伝送路のうちのそれぞれ異なる伝送路に出力する出力ステップと、
各伝送路からの各分割フレームを合成する合成ステップと、
当該合成ステップによる合成フレームに正しい整合確認パターンがあるかどうかを判別する整合確認パターン判別ステップと、
正しい整合確認パターンが確認されない場合に、当該合成フレームを破棄するステップ
とを具備することを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項2】
更に、
当該分割ステップによる分割前に、当該データフレームを所定の暗号化鍵で暗号化する暗号化ステップと、
正しい整合確認パターンが確認された当該合成フレームの、当該データフレームに相当する部分を解読する解読ステップ
とを具備することを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項3】
当該所定の暗号化鍵が、送信装置と受信装置に応じて決定されることを特徴とする請求項2に記載のデータ伝送方法。
【請求項4】
更に、
各分割フレームを誤り訂正符号化する誤り訂正符号化ステップと、
各伝送からの各分割フレームを誤り訂正する誤り訂正ステップ
とを具備することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のデータ伝送方法。
【請求項5】
当該複数の伝送路が、伝送方向の異なる2つのリング伝送路からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のデータ伝送方法。
【請求項6】
複数の伝送路を使って、送信装置から受信装置にデータを伝送するデータ伝送システムであって、
当該送信装置(20)が、
入力データフレームの宛先を判別する宛先判別装置(24)と、
宛先毎の、複数の伝送路(12,14)での伝搬時間の情報を記憶する宛先データベース(22)と、
当該入力データフレームを前処理する前処理装置であって、正当性を確認するための整合確認パターンを当該入力データフレームに付加する整合確認パターン付加装置(32)を具備する前処理装置(30,32)と、
当該前処理装置から出力されるフレームを複数の分割フレームに分割するフレーム分割装置(34)と、
各分割フレームの伝送に使用する伝送路の伝搬時間差を実質的に補償する遅延時間を設定され、当該複数の分割フレームのそれぞれを遅延する複数の可変遅延装置(38a,38b)と、
当該複数の可変遅延装置により遅延された各分割フレームを搬送する信号を当該複数の伝送路のうちの互いに異なる伝送路に出力する複数の出力装置(40a,40b)
とを具備し、
当該受信装置(50)が、
当該複数の伝送路のそれぞれから、当該分割フレームを搬送する信号を入力する複数の入力装置(52a,54a,56a;52b,54b,56b)と、
当該複数の入力装置からの複数の分割フレームを1のフレームに合成する合成装置(58)と、
当該合成装置(58)から出力される合成フレームに正しい整合確認パターンがあるかどうかを判別する整合確認パターン判別装置(62)と、
正しい整合確認パターンが確認されない場合に、当該合成フレームを破棄する装置(60)
とを具備することを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項7】
当該前処理装置が、当該入力データフレームを暗号化する暗号化装置(30)を具備し、
当該受信装置が更に、
正しい整合確認パターンが確認された当該合成フレームの、当該暗号化装置で暗号化されたデータ部分を解読する解読装置(64)
を具備することを特徴とする請求項6に記載のデータ伝送システム。
【請求項8】
当該暗号化装置が、当該宛先判別装置で判別された宛先に応じた暗号化鍵で当該入力データフレームを暗号化することを特徴とする請求項7に記載のデータ伝送システム。
【請求項9】
当該宛先情報データベースが、宛先に応じた暗号化鍵の情報を保有することを特徴とする請求項8に記載のデータ伝送システム。
【請求項10】
当該送信装置が更に、各分割フレームを誤り訂正符号化する誤り訂正符号化装置(36a,36b)を具備し、
当該受信装置の当該複数の入力装置のそれぞれが、対応する当該伝送路からの当該分割フレームを搬送する信号の誤りを訂正する誤り訂正装置(56a,56b)を具備する
ことを特徴とする請求項6に記載のデータ伝送システム。
【請求項11】
当該複数の伝送路が、伝送方向の異なる2つのリング伝送路からなることを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載のデータ伝送システム。
【請求項12】
入力データフレームの宛先を判別する宛先判別装置(24)と、
宛先毎の、複数の伝送路(12,14)での伝搬時間の情報を記憶する宛先データベース(22)と、
当該入力データフレームを前処理する前処理装置であって、正当性を確認するための整合確認パターンを当該入力データフレームに付加する整合確認パターン付加装置(32)を具備する前処理装置(30,32)と、
当該前処理装置から出力されるフレームを複数の分割フレームに分割するフレーム分割装置(34)と、
各分割フレームの伝送に使用する伝送路の伝搬時間差を実質的に補償する遅延時間を設定され、当該複数の分割フレームのそれぞれを遅延する複数の可変遅延装置(38a,38b)と、
当該複数の可変遅延装置により遅延された各分割フレームを搬送する信号を当該複数の伝送路のうちの互いに異なる伝送路に出力する複数の出力装置(40a,40b)
とを具備することを特徴とする送信装置。
【請求項13】
当該前処理装置が、当該入力データフレームを暗号化する暗号化装置(30)を具備することを特徴とする請求項12に記載の送信装置。
【請求項14】
当該暗号化装置が、当該宛先判別装置で判別された宛先に応じた暗号化鍵で当該入力データフレームを暗号化することを特徴とする請求項13に記載の送信装置。
【請求項15】
当該宛先情報データベースが、宛先に応じた暗号化鍵の情報を保有することを特徴とする請求項14に記載の送信装置。
【請求項16】
更に、各分割フレームを誤り訂正符号化する誤り訂正符号化装置(36a,36b)を具備することを特徴とする請求項12に記載の送信装置。
【請求項17】
当該複数の伝送路が、伝送方向の異なる2つのリング伝送路からなることを特徴とする請求項12乃至16の何れか1項に記載の送信装置。
【請求項18】
1つのデータフレームから分割された複数の分割フレームを互いに異なる伝送路を介して実質的に同時に受信することにより、当該データフレームを受信する受信装置であって、
複数の伝送路のそれぞれから、当該分割フレームを搬送する信号を入力する複数の入力装置(52a,54a,56a;52b,54b,56b)と、
当該複数の入力装置からの複数の分割フレームを1のフレームに合成する合成装置(58)と、
当該合成装置(58)から出力される合成フレームに所定の整合確認パターンがあるかどうかを判別する整合確認パターン判別装置(62)と、
当該所定の整合確認パターンが確認されない場合に、当該合成フレームを破棄する装置(60)
とを具備することを特徴とする受信装置。
【請求項19】
当該データフレームが暗号化されており、
更に、正しい整合確認パターンが確認された当該合成フレームの、暗号化されたデータ部分を解読する解読装置(64)を具備することを特徴とする請求項18に記載の受信装置。
【請求項20】
当該複数の入力装置のそれぞれが、対応する当該伝送路からの当該分割フレームを搬送する信号の誤りを訂正する誤り訂正装置(56a,56b)を具備することを特徴とする請求項18又は19に記載の受信装置。
【請求項21】
当該複数の伝送路が、伝送方向の異なる2つのリング伝送路からなることを特徴とする請求項18乃至20の何れか1項に記載の受信装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−352499(P2006−352499A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−175871(P2005−175871)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】