データ作成装置、データ作成方法、データ作成用プログラム、描画装置、描画方法、描画用プログラム、および、コンピュータ読取可能な記録媒体

【課題】図形を表示するためのデータである画像データの生成に際し、図形が表示される環境に適した表示データを生成する。
【解決手段】データ作成装置では、基本的なアンチエリアシング処理によって処理された画像データに対して、図形の基本部分の一例である骨格の近傍部分の階調データが、表示特性情報に基づいて補正される。たとえば、表示装置の表示特性によって文字が太めに見えるような特性の場合や、文字色と背景色の組合せが文字が太く見せてしまうような組合せである場合には、文字を細らせるような補正がなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字等の描画対象物の表示データの作成に関し、特に、文字等の描画対象物の基本部分の近傍部分の階調情報の作成に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的に使用されるディスプレイの解像度は、肉眼の解像度に比べて粗いため、図形を表示する場合、その輪郭線に段差を生じることがある。このような現象をエリアシングという。このエリアシングを解消する方法として、アンチエリアシングと呼ばれる技術(アンチエイリアシング、アンチエリアスまたはアンチエイリアスとも言う)が知られている。アンチエリアシングとは、ディスプレイに表示しようとする図形の輪郭線の近傍のピクセルの塗りつぶし濃度を連続的に変化させることにより、エリアシングを目立たなくする技術をいう。
【0003】
通常、正確なアンチエリアシングを行なうには、格子状のピクセルに図形を投影し、ピクセル単位に、その図形が占めている面積が求められる。特許文献1には、輪郭線により分割されるピクセルの面積を算出し、当該面積に基づいて、描画データを作成する技術が開示されている。
【0004】
なお、アンチエリアシングの手法の一つに、オーバーサンプリングがある。オーバーサンプリングによるアンチエリアシングでは、たとえば1ピクセルを64×64などのサブピクセルに分割し、対象となる図形が占めるサブピクセルの数を計数することにより近似的に面積を導出し、導出された面積に基づいて中間色が得られる。図16に、1ピクセルを2×2のサブピクセルに分割した場合の中間色のパターン(階調パターン)の例を示す。
【0005】
図16に示された例では、図形が占めるサブピクセルの数に基づいて5階調の中間色が表されている。具体的には、図形が占めるサブピクセルの数が0,1,2,3,4のそれぞれによって、0,1,2,3,4の階調パターンで階調表現がなされている。
【特許文献1】特開2004−86479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来では、たとえば図16に示されたようなオーバーサンプリングによるアンチエリアシング処理が行なわれることによって、より滑らかに文字等の図形の描画がなされるよう試みられていた。
【0007】
なお、従来の技術では、図形が表示される環境に関係なく一律にアンチエリアシング処理がなされていた。しかしながら、同じ図形が表示されても、当該図形が表示される環境によって視覚効果が変化する場合がある。
【0008】
したがって、表示される環境によっては、アンチエリアシング処理の効果が十分に得られないという事態が生じていた。
【0009】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、図形を表示するためのデータである画像データの生成に際し、図形が表示される環境に適した画像データを生成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に従ったデータ作成装置は、図形を表示装置に表示するための画像データを作成するデータ作成装置であって、前記表示装置の表示特性情報を取得する取得手段と、前記図形の基本部分を示す情報を記憶する記憶手段と、前記図形の基本部分以外の部分の階調データを補正するための情報である階調情報を作成する階調情報作成手段とを備え、前記階調情報作成手段は、前記表示装置の前記表示特性情報に基づいて前記階調情報を作成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のデータ作成装置では、前記階調情報は、前記表示装置が前記図形を表示する色と背景を表示する色とを混合する割合を表す情報であることが好ましい。
【0012】
また、本発明のデータ作成装置では、前記階調情報は、前記表示装置についての、表示ピクセル単位、前記表示ピクセルに対する単数もしくは複数のサブピクセル単位、または、前記表示ピクセルに対して所定の方向に仮想的に複数倍された仮想表示ピクセル単位で、前記表示装置が前記図形を表示する色と背景を表示する色とを混合する割合を表す情報であることが好ましい。
【0013】
また、本発明のデータ作成装置は、前記図形の基本部分を示す情報に基づいて、前記図形を当該図形の基本部分の傾きごとにブロックに分割するブロック分割手段をさらに備え、前記階調情報作成手段は、前記図形のブロックごとに前記階調情報を作成することが好ましい。
【0014】
また、本発明のデータ作成装置は、図形の基本部分の傾きに関連付けて前記階調情報を記憶する階調情報記憶手段をさらに備え、前記階調情報作成手段は、前記図形のブロックごとに前記階調情報記憶手段から前記階調情報を抽出することが好ましい。
【0015】
また、本発明のデータ作成装置では、前記表示装置の表示特性情報は、図形の表示色と背景の表示色とを含み、前記階調情報作成手段は、前記図形の表示色と前記背景の表示色の組合せに基づいて、前記階調情報を作成することが好ましい。
【0016】
また、本発明のデータ作成装置では、図形の表示色と背景の表示色との組合せに関連付けて前記階調情報を記憶する階調情報記憶手段をさらに備え、前記階調情報作成手段は、前記階調情報記憶手段において前記階調情報が記憶されている組合せの中で、前記取得手段が取得した前記図形の表示色と前記背景の表示色の組合せに関連付けられて記憶された前記階調情報を、前記階調情報記憶手段から抽出することが好ましい。
【0017】
また、本発明のデータ作成装置は、前記階調情報作成手段は、前記階調情報記憶手段において前記階調情報が記憶されている組合せの中で、前記取得手段が取得した前記図形の表示色と前記背景の表示色の組合せに対して類似度が所定の閾値より高い組合せに関連付けられて記憶された前記階調情報を、前記階調情報記憶手段から抽出することが好ましい。
【0018】
また、本発明のデータ作成装置は、前記表示装置に表示する図形の種類を取得する種類取得手段をさらに備え、前記階調情報記憶手段は、前記階調情報を図形の種類に関連付けて記憶し、前記階調情報作成手段は、前記種類取得手段が取得した図形の種類に関連付けられた前記階調情報を抽出することが好ましい。
【0019】
本発明に従った描画装置は、上記したデータ作成装置によって作成された画像データに基づいて前記表示装置に前記図形を表示させる描画装置であって、前記階調情報に基づいて図形の表示色の表示データと背景の表示色の表示データとを混合することにより前記階調データを生成する、データ混合手段と、前記階調データと、前記図形の基本部分を表示するためのデータとを含む画像データを、前記表示装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明に従ったデータ作成方法は、図形を表示装置に表示するための画像データを作成し、前記図形の基本部分を示す情報を記憶する記憶手段を備えたデータ作成装置において実行される、データ作成方法であって、前記表示装置の表示特性情報を取得するステップと、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて前記図形の基本部分以外の部分を抽出するステップと、前記図形の基本部分以外の部分の階調データを、前記表示装置の前記表示特性情報に基づいて補正するための情報である階調情報を作成するステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明に従った描画方法は、上記したデータ作成方法によって作成された画像データを、前記表示装置に送信することにより前記表示装置において前記図形を表示させる描画方法であって、前記階調情報に基づいて図形の表示色の表示データと背景の表示色の表示データとを混合することにより前記階調データを生成するステップと、前記階調データと、前記図形の基本部分を表示するためのデータとを含む画像データを、前記表示装置に送信するステップとを備えることを特徴とする。
【0022】
本発明に従ったデータ作成用プログラムは、図形を表示装置に表示するための画像データを作成し、前記図形の基本部分を示す情報を記憶する記憶手段を備えたデータ作成装置において実行される、データ作成用プログラムであって、前記データ作成装置に、前記表示装置の表示特性情報を取得するステップと、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて前記図形の基本部分以外の部分を抽出するステップと、前記図形の基本部分以外の部分の階調データを、前記表示装置の前記表示特性情報に基づいて補正するための情報である階調情報を作成するステップとを実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明に従った描画用プログラムは、上記したデータ作成用プログラムによって作成された画像データを、前記表示装置に送信することにより前記表示装置において前記図形を表示させるための実行される描画用プログラムであって、前記データ作成装置に、前記階調情報に基づいて図形の表示色の表示データと背景の表示色の表示データとを混合することにより前記階調データを生成するステップと、前記階調データと、前記図形の基本部分を表示するためのデータとを含む画像データを、前記表示装置に送信するステップとを実行させることを特徴とする。
【0024】
本発明のある局面に従ったコンピュータ読取可能な記録媒体は、上記したデータ作成用プログラムを記録していることを特徴とする。
【0025】
本発明のある局面に従ったコンピュータ読取可能な記録媒体は、上記した描画用プログラムを記録していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、図形の基本部分以外の部分の階調データが、表示装置の前記表示特性情報に基づいて補正される。
【0027】
これにより、図形を表示するためのデータである画像データの生成に際し、画像が表示される環境に適した画像データを生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明のデータ作成装置および描画装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、同一の構成要素については各図において同一の符号を付すものとし、その名称や機能が同一である場合には、当該構成要素についての詳細な説明は繰返さない。
【0029】
[1.装置の構成]
[1−1.ハードウェア構成]
図1は、本発明のデータ作成装置および描画装置の一実施の形態である情報処理装置を含む情報処理システムのハードウェア構成を模式的に示す図である。
【0030】
図1を参照して、情報処理システム500は、情報処理装置1と表示装置300から主に構成される。
【0031】
情報処理装置1は、当該情報処理装置1全体の制御を行なうCPU(Central Processing Unit)1Aと、CPU1AのワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)2と、CPU1Aが実行するプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)3と、ハードディスク5と、光ディスクドライブ6と、磁気ディスクドライブ7と、リモコン(リモートコントローラ)8Aと、リモコンI/F8とを備えている。情報処理装置1において各構成要素はバス9で接続されている。光ディスクドライブ6と磁気ディスクドライブ7は、それぞれ、情報処理装置1に対して着脱可能な光ディスク6Aと磁気ディスク7Aに対して情報の読取および/または書込が可能である。ユーザは、リモコン8Aを操作することにより、情報処理装置1に対して情報を入力できる。リモコンI/F8は、情報処理装置1から離間して操作されるリモコン8Aから送信される情報を受信して、CPU1Aに送信する。
【0032】
情報処理装置1は、表示装置300と接続されている。CPU1Aは、表示装置300に対して、当該表示装置300で表示される情報を出力する。これにより、表示装置300では、情報処理装置1から送信されてきた表示データに基づいた表示が行なわれる。
【0033】
[1−2.データ作成装置の制御ブロック構成]
図2は、情報処理装置1がデータ作成装置として機能する場合の制御ブロック図である。
【0034】
図2を参照して、データ作成装置100は、一般的なアンチエリアシング処理を施されたデータにおける階調データを補正するための情報である階調情報を格納する階調情報格納部13を含む。
【0035】
データ作成装置100では、階調情報作成部10は、表示装置300に図形を含む画像を表示させる場合、当該図形の階調データを、表示装置300の表示特性情報に基づいて補正する。具体的には、階調情報作成部10は、表示装置300の表示特性情報に応じた階調情報を階調情報格納部13から抽出し、当該抽出した階調情報を用いて一般的なアンチエリアシング処理を施されたデータの階調データを補正する。
【0036】
表示特性情報には、表示装置300の解像度やガンマ特性を含む表示装置特性情報502や、表示装置300において文字や記号などの図形を表示する色(以下、「文字色」とも言う)を特定する情報である色情報503やその背景において表示される色を特定する情報である背景色情報504を含む。
【0037】
データ作成装置100では、表示装置特性情報取得部14は、表示装置特性情報502を、表示装置300に送信する表示データを作成するときまたは表示装置300に接続されたときに取得し、表示装置特性情報格納部15に格納する。
【0038】
階調情報作成部10は、色情報取得部11を介して色情報503を取得し、そして、背景色情報取得部12を介して背景色情報504を取得する。
【0039】
階調情報作成部10は、上記表示データを作成する際には、表示装置特性情報502、ならびに/または、色情報503および背景色情報504を取得する。
【0040】
階調情報作成部10は、表示装置300に表示させる文字や記号を含む図形の種類を特定する情報である文字情報501を取得し、当該文字情報501に応じた階調情報を用いて表示データを補正することもできる。データ作成装置100では、文字情報501は、文字情報格納部19に格納される。階調情報作成部10は、表示データの作成の際に、文字情報取得部16を介して文字情報501を取得する。
【0041】
なお、データ作成装置100では、表示装置300に表示させるそれぞれの図形において、部分ごとの傾きを検出し、検出した傾きによって当該図形を2以上のブロックに分割することができる。そして、階調情報作成部10は、表示装置300に表示させる図形の階調データの中でも、ブロックごとに、階調データの補正をすることができる。
【0042】
階調情報作成部10は、上記のように補正した階調データを、出力部20を介して、表示装置300へ送信する。なお、階調情報作成部10は、当該階調データを外部装置400等の他の装置に送信することもできる。
【0043】
以上、図2を参照して説明したデータ作成装置100は、情報処理装置1によって構成される。具体的には、階調情報作成部10、色情報取得部11、背景色情報取得部12、表示装置特性情報取得部14、文字情報取得部16、傾き検出部17およびブロック分割部18は、ROM3および/またはハードディスク5等に記憶されたプログラムを実行するCPU1Aによって構成される。また、階調情報格納部13、表示装置特性情報格納部15および文字情報格納部19は、RAM2および/またはハードディスク5によって構成される。
【0044】
[1−3.階調情報]
階調情報格納部13に格納された階調情報の内容について説明する。
【0045】
階調情報は、上記したように、画像データにおける階調データを補正するための情報である。このような情報は、たとえば、テーブル形式で表わすことができる。
【0046】
階調情報作成部10による階調データの補正は、文字または記号などの図形の基本部分の近傍部分であって当該基本部分以外の部分の階調データを補正するものである。
【0047】
表1〜表3に、3種類の階調情報(階調情報1〜階調情報3)の一例を示す。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
表1に示された階調情報1は、補正前の階調データの値が0,1,2,3,4である場合、それぞれ、0,1,1,2,4へと補正する。表1に示した階調情報1を用いて補正が行なわれることにより、補正後の文字や記号などの図形の画像は、若干細めに見えることとなる。補正前の階調データの値が2や3である場合に、当該一の階調データの値が1や2に補正される、つまり、表示される濃度が低い値へと補正されるからである。
【0052】
表2に示された階調情報2は、補正前の階調データが0,1,2,3,4である場合、それぞれ、0,2,3,4,4に補正する。階調情報2を用いた補正では、補正前の階調データが1〜3のそれぞれである場合、それぞれの階調が1段階上がるように、2〜4に補正される。これにより、補正後の文字や記号などの図形の画像が、若干太めに見えるようになる。
【0053】
表3に示された階調情報3では、補正後の階調データは、補正前の階調データと同じものとされる。
【0054】
なお、本実施の形態のデータ作成装置において扱われる階調データの階調数は、5に限定されるものではない。階調情報1〜階調情報3のそれぞれに対応する階調情報であって、16階調で階調データが扱われる場合の階調情報を、表4〜表6に、階調情報4〜階調情報6としてそれぞれ示す。
【0055】
また、表7に、階調データが16階調で扱われた場合に、中間調において補正後の値が一定となるような階調情報の例を、階調情報7として示す。
【0056】
【表4】

【0057】
【表5】

【0058】
【表6】

【0059】
【表7】

【0060】
[1−4.図形の基本部分を示す情報]
文字情報格納部19には、表示装置300に表示させる文字または記号などの図形についてのスケルトンデータ(文字や記号の基本部分を示す情報の一例)が、当該文字または記号ごとに付与されたコード番号に関連付けられて記憶されている。
【0061】
本実施の形態では、基本部分を示す情報の一例であるスケルトンデータとして、図4(A)に示すように、各図形の基本部分の一例である骨格を示す線(骨格線)を特定するための座標が記憶されている。
【0062】
図4には、「仲」という文字のスケルトンデータが示されている。具体的には、「仲」という文字の骨格線が、図4(B)に示されているように、ST1〜ST8の8本のストロークから構成されるものとされ、そして、ST1〜ST8の各ストロークの始点と終点を特定する座標が、図4(A)に、端点1と端点2として記憶されている。
【0063】
なお、本実施の形態では、図形の基本部分を示す情報は、スケルトンデータに限定されず、たとえば、アウトラインデータであっても良い。つまり、データ作成装置100は、アウトラインデータを基本部分とし、当該アウトラインデータまたは当該アウトラインデータに対してアンチエリアシング処理を施されたデータに対して、当該データにおける基本部分の近傍部分の階調データの補正を行なうこともできる。
【0064】
[1−5.描画装置]
図3は、情報処理装置1が描画装置として機能する場合の、制御ブロック図である。
【0065】
描画装置200は、データ作成装置100で作成された階調データに基づいて、たとえば文字色の色データと背景色の色データとを混合することにより表示用データを作成し、当該表示用データを表示装置300に対して送信する。
【0066】
図3を参照して、描画装置200は、データ作成装置100を含む。描画装置200では、文字情報抽出部121は、文字情報格納部19から表示装置300に表示させる図形の基本部分を特定する情報を抽出し、ブレンド処理部122は、表示装置300に表示させる図形の基本部分の近傍であって基本部分以外の部分についての階調データに応じて、文字色と背景色を混合し、当該部分の表示用データを生成する。ここで、文字色とは、色情報503(図2参照)で特定される色であり、背景色とは、背景色情報504(図2参照)で特定される色である。
【0067】
そして、描画装置200では、描画処理部123は、文字情報抽出部121から取得される文字や記号等の図形の基本部分の表示用データと、ブレンド処理部122から取得される基本の近傍部分の表示用データとを組合せて、図形の表示用データを作成し、表示装置300へ送信する。
【0068】
以上図3を参照して説明した描画装置200は、情報処理装置1によって構成される。
具体的には、文字情報抽出部121、ブレンド処理部122および描画処理部123は、ROM3および/またはハードディスク5等に記憶されたプログラムを実行するCPU1Aによって構成される。
【0069】
[2.階調データの補正]
本実施の形態のデータ作成装置100では、図形の基本部分以外の部分についての階調データを、階調情報格納部13に格納された階調情報を用いて補正する。ここで、階調情報を用いた補正の具体例について説明する。
【0070】
[2−1.基本的なアンチエリアシング処理]
本実施の形態における階調データの補正の前提として、まず、図5を参照して、基本的なアンチエリアシング処理による、図形の基本部分の近傍部分に対する階調データの付与について説明する。
【0071】
基本的なアンチエリアシング処理とは、たとえば、オーバーサンプリングがある。なお、本実施の形態において、アンチエリアシング処理の手法は、オーバーサンプリングに限定されず、他の手法が用いられてもよい。データ作成装置100では、他の装置において従来のアンチエリアシング処理で近傍部分の階調データを生成された画像データを処理対象とされてもよいし、または、後述する階調データ作成処理に先立って、階調情報作成部10が、従来の手法によるアンチエリアシング処理によって図5(a)に示すような画像データを作成してもよい。
【0072】
図5(a)には、図形の一部分の画像データが示されている。
図5(a)において、黒で塗り潰されたマス目は、図形の基本部分の画素を示している。そして、その基本部分の近傍に位置する数字を記入されたマス目は、従来のアンチエリアシング処理によって階調データを付与された画素を意味する。
【0073】
図5に示された例では、画像データは、0〜4の階調データによって、5階調で示されている。
【0074】
図5(b)は、図5(a)に示された、基本部分の近傍部分の画素の階調データに対応した濃度で各画素のマス目が埋められることによって作成された表示用データの一例が、模式的に示されている。
【0075】
[2−2.細らせる補正]
図6は、表1に示した階調情報1を用いた、基本部分の近傍部分の階調データ補正を説明するための図である。
【0076】
図6(a)は、基本的なアンチエリアシング処理によって、近傍部分に付与された階調データを示しており、図5(a)と同様の図となっている。
【0077】
図6(b)は、図6(a)において数字で記載された、近傍部分の階調データを、表1の階調情報1を用いて補正した状態が示されている。
【0078】
図6(c)は、図6(b)に示された階調データに従って作成される表示用データの一例を模式的に示す図である。
【0079】
図5(b)と図6(c)を比較すると、図6(c)に示された状態では、図5(b)に示された状態よりも線が全体的に細く表示されている。つまり、階調情報1を用いて補正が行なわれることにより、表示される線が細くなることがわかる。
【0080】
なお、このような補正は、表示装置300の液晶の表示特性によって文字が太めに見えるような特性の場合(例えば、階調特性が文字色に近くなるような特性をもつような場合)や、文字色と背景色の組合せが文字を太く見せてしまうような組合せである場合に、適している。
【0081】
[2−3.太らせる補正]
図7は、表2に示した階調情報2を用いた、基本部分の近傍部分の階調データ補正を説明するための図である。
【0082】
図7(a)は、基本的なアンチエリアシング処理によって、近傍部分に付与された階調データを示しており、図5(a)と同様の図となっている。
【0083】
図7(b)は、図7(a)において数字で記載された、近傍部分の階調データを、表2の階調情報2を用いて補正した状態が示されている。
【0084】
図7(c)は、図7(b)に示された階調データに従って作成される表示用データの一例を模式的に示す図である。
【0085】
図5(b)と図7(c)を比較すると、図6(c)に示された状態では、図5(b)に示された状態よりも線が全体的に太く表示されている。つまり、階調情報2を用いて補正が行なわれることにより、表示される線が太くなることがわかる。
【0086】
このような補正は、表示装置300の液晶の表示特性によって文字が細めに見えるような特性の場合(例えば、階調補正が背景色に近くなるような特性を持つような場合)や、文字色と背景色の組合せが文字を細く見せてしまうような組合せである場合に、適している。
【0087】
[2−4.ブロックごとの補正]
図8(a)は、直線部分と曲線部分とを有する図形の部分について、基本的なアンチエリアシング処理によって基本部分の近傍部分に対して階調データが付された状態が示されている。図8(a)において、黒で塗り潰されたマス目は、図形の基本部分の画素を示している。そして、その基本部分の近傍に位置する数字を記入されたマス目は、従来のアンチエリアシング処理によって階調データを付与された画素を意味する。
【0088】
なお、図8(a)では、直線部分がブロックB2で示され、曲線部分がブロックB1で示されている。このようなブロック分割は、たとえば、図4を参照して説明したスケルトンデータにおける、ストロークごとに図形を分割することによって実現される。
【0089】
図8(b)は、曲線部分であるブロックB1に対しては階調情報2(表2参照)を利用して、また、直線部分であるブロックB2を階調情報3(表3参照)を用いて、それぞれ階調データの補正が行なわれた状態を示す。
【0090】
また、図8(c)は、図8(b)に示された階調データに従って作成される表示用データの一例を模式的に示す図である。
【0091】
データ作成装置100では、図8(a)〜図8(c)を参照して説明したように、図形の階調データの補正の際に、連続する基本部分の画素の並びの傾きに応じて当該図形をブロック分割し、分割されたブロックごとに異なる階調情報を利用して、階調データの補正を行なうことができる。
【0092】
[3.階調データ作成処理]
以下、データ作成装置100における階調データの作成についての具体的な処理内容について説明する。
【0093】
[3−1.解像度に基づく階調データの補正]
図9は、階調データ作成処理のフローチャートである。
【0094】
階調情報作成部10は、まずステップS10で、表示装置特性情報取得部14、色情報取得部11および/または背景色情報取得部12から、表示特性情報の入力があるか否かを判断し、あると判断するとステップS12へ処理を進める。
【0095】
ここで、表示特性情報とは、たとえば表示装置300の解像度などの、階調データの補正に用いる階調情報の種類を決定するための情報である。
【0096】
ステップS12では、階調情報作成部10は、表示特性情報を読出して、ステップS14へ処理を進める。
【0097】
ステップS14では、階調情報作成部10は、階調データの補正に利用する階調情報を作成する処理を実行して、ステップS16へ処理を進める。
【0098】
ここで、ステップS14で実行される階調情報作成処理の内容について、当該処理のサブルーチンのフローチャートである図10を参照して説明する。
【0099】
図10を参照して、階調情報作成処理では、階調情報作成部10は、まずステップSB10で、ステップS12で読出した表示特性情報に適した階調情報が階調情報格納部13に格納されているか否かを判断する。そして、適した階調情報があると判断するとステップSB12へ処理を進め、ないと判断するとステップSB14へ処理を進める。
【0100】
階調情報格納部13では、表1〜表7を参照して説明した階調情報の他に、表示装置300の表示特性情報と当該表示特性情報に適した階調情報とを関連付けるための情報(最適階調情報)が格納されている。ここで、最適階調情報の例を示す。
【0101】
表8は、表示装置300の画像表示解像度と、各画像表示解像度に適した階調情報を示す最適階調情報の一例である。
【0102】
【表8】

【0103】
表8では、画像表示解像度(以下、単に解像度という)の種類として、K1、K2、K3が例示されている。ここで、解像度とは、たとえば、VGA(Video Graphics Array(640×RGB×480ドット))、SVGA(Super Video Graphics Array(800×RGB×600ドット))、XGA(eXtended Graphics Array(1,024×RGB×768ドット))、SXGA(Super eXtended Graphics Array(1,280×RGB×1,024ドット))、SXGA+(Super eXtended Graphics Array +(1,400×RGB×1,050ドット))、または、UXGA(Ultra eXtended Graphics Array(1,600×RGB×1,200ドット))のようなものが挙げられる。
【0104】
そして、表示特性情報として表示装置300の解像度に基づいて補正に用いる階調情報が決定される場合、階調情報作成部10は、ステップS10では、表示装置特性情報格納部15において表示装置300の解像度が格納され、それを表示装置特性情報取得部14を介して取得できるか否かを判断し、ステップS12では、表示装置特性情報取得部14から取得する情報の中から表示装置300の解像度を抽出し、そして、ステップSB10では、表8に示すような最適階調情報を参照してステップS12で抽出した解像度に関連付けられた階調情報があるか否かを判断する。
【0105】
ステップSB12では、階調情報作成部10は、表示特性情報に適した階調情報を階調情報格納部13から抽出して、図9に処理を戻す。
【0106】
一方、ステップSB14では、階調情報格納部13に予め格納されたデフォルトの階調情報を抽出して、図9へ処理を戻す。ここで、デフォルトの階調情報とは、任意の設定されるものであるが、たとえば、表3を参照して説明したような階調情報とされる。
【0107】
図9に戻って、ステップS14で階調情報作成処理を実行した後、階調情報作成部10は、ステップS16で、ステップS14で抽出した階調情報を用いて、表示装置300に表示させる図形の基本部分の近傍部分の階調データを補正して、階調データ作成処理を終了させる。
【0108】
以上説明した階調データ作成処理により、図6等を参照して説明したような、図形の基本部分の近傍部分の画素の階調データが補正される。つまり、階調データ作成処理では、基本的なアンチエリアシング処理によって処理された画像データが処理対象とされる。そして、階調データ作成処理によって、たとえば図6(a)に示されたような画像データが、図6(b)に示されたように、図形の基本部分の近傍部分の階調データを補正されたデータとされる。なお、補正に利用される階調情報は、表示特性情報に基づいて選択される。
【0109】
[3−2.表示装置のガンマ特性に基づく階調データの補正]
本実施の形態の階調データ作成処理では、表8を参照して説明したように、最適階調情報では、表示特性情報の一例として、表示装置300の解像度に応じて最適とされる階調情報が特定されていた。
【0110】
なお、最適階調情報において階調情報と関連付けられる他の表示特性情報としては、表示装置300のガンマ特性についての情報とすることもできる。
【0111】
表示装置300のガンマ特性としては、たとえば、図11においてG1〜G3として示されるように3種類の分類ができる。図11には、表示装置に入力された輝度信号(横軸)に対する実際の表示装置上の蛍光体の輝度(縦軸)の関係が示されている。図11では、G1は、入力された輝度信号と実際の輝度が比例関係にある場合を示している。G2およびG3は、それぞれ、比例関係とはならない場合を示している。具体的には、G2は下に凸となる傾向を示し、G3は上に凸となる傾向を示している。
【0112】
階調データ作成処理では、表示装置300のガンマ特性を、G1のように直線関係となるもの、G2のように下に凸となるもの、G3のように上に凸になるもの、という3つの傾向で分類し、これらのそれぞれについて最適な階調情報を特定するように、最適階調情報が設定されても良い。このような最適階調情報の一例を、表9に示す。
【0113】
【表9】

【0114】
表9には、G1、G2、G3のそれぞれのガンマ特性傾向に関連付けられて、最適な階調情報が示されている。
【0115】
このような最適階調情報が利用されて階調データ作成処理が実行される場合には、ステップS10では、階調情報作成部10は、表示装置特性情報格納部15から、表示装置特性情報取得部14を介して表示装置300のガンマ特性についての情報が得られたか否かを判断する。また、ステップS12では、階調情報作成部10は、表示装置300のガンマ特性に関する情報を読込み、かつ、当該ガンマ特性が図11のG1〜G3のいずれの傾向に分類されるかを決定する。そして、ステップSB10では、階調情報作成部10は、表9を参照して、ステップS12で決定したガンマ特性傾向に対応する階調情報があるか否かを判断し、そして、ステップSB12で、ステップS12で決定したガンマ特性傾向に対応する階調情報を抽出する。
【0116】
[3−3.文字色と背景色の組合せに基づく階調データの補正]
本実施の形態の階調データ作成処理では、表示特性情報として、文字色と背景色の組合せを採用することができる。このような場合の最適階調情報の一例を表10に示す。
【0117】
【表10】

【0118】
表10では、文字色と背景色の組合せごとに最適な階調情報が示されている。最適階調情報として表10に示されたような情報が利用される場合、階調データ作成処理のステップS10では、階調情報作成部10は、色情報取得部11を介して文字色を取得でき、かつ背景色情報取得部12を介して背景色を取得できたか否かを判断する。そして、ステップS12では、階調情報作成部10は、これらの情報を読込む。
【0119】
そして、ステップS14で示す階調情報作成処理は、図12に示すものとされる。
図12を参照して、ステップSA10では、階調情報作成部10は、ステップS12で読込んだ文字色と背景色の組合せに対応した階調情報が、表10に示される最適階調情報に存在するか否かを判断する。そして、存在すると判断するとステップSA12へ処理を進め、存在しないと判断するとステップSA14へ処理を進める。
【0120】
なお、ステップSA10における判断では、文字色と背景色のそれぞれが近い色であると判断できる範囲であれば、表10に規定されている色と同じものとして扱うことができる。具体的には、たとえば、表10に規定された各色とステップS12で読込んだ文字色と背景色をそれぞれRGBの値で表わし、文字色同士が次の式(1)で示す関係を満たし、かつ、背景色同士が式(1)の関係を満たす場合には、ステップS12で読込まれた文字色と背景色のそれぞれが表10に記憶される色と同じものとして取扱われる。
【0121】
|(R1-R2)|*Wr+|(G1-G2)|*Wg+|(B1-B2)|*Wb < Th …(1)
式(1)において、R1,G1,B1は、それぞれ表10に記憶される文字色または背景色のRGBのそれぞれの値であり、R2,G2,B2は、ステップS12で読込まれた文字色または背景色のRGBの値である。また、Wr,Wg,Wbは、RGBのそれぞれに対する重み(たとえば、それぞれ1/3)であり、そして、Thは、適宜定められる閾値である。
【0122】
図12に戻って、ステップSA12では、階調情報作成部10は、ステップS12で読込んだ文字色と背景色の組合せに対応した階調情報を、表10から抽出して、図9に処理を戻す。
【0123】
ステップSA14では、階調情報作成部10は、ステップS12で読込んだ文字色と背景色の組合せに対応した階調情報を作成して、図9に処理を戻す。
【0124】
なお、ステップSA14では、階調情報作成部10は、デフォルトの階調情報を抽出してもよいし、表10から、ステップS12で読込んだ文字色と背景色の組合せと類似度が所定の閾値を越える組合せまたは類似度が最も高い組合せに係る文字色と背景色に関連付けられた階調情報を抽出してもよい。
【0125】
ここで、類似度とは、文字色同士の類似する度合と背景色同士の類似する度合を総合的に考慮したものであり、たとえば、文字色同士について算出した式(2)の値と背景色同士について算出した式(2)の値の和が最も大きいものとすることができる。
【0126】
1/{|(R1-R2)|*Wra+|(G1-G2)|*Wga+|(B1-B2)|*Wba} …(2)
なお、式(2)中のR1,G1,B1は、それぞれ表10に記憶される文字色または背景色のRGBのそれぞれの値であり、R2,G2,B2は、ステップS12で読込まれた文字色または背景色のRGBの値である。また、Wra,Wga,Wbaは、RGBのそれぞれに対する重み(たとえば、それぞれ1/3)である。
【0127】
[3−4.多段階での補正]
以上説明したように、本実施の形態では、階調データの補正により、図形が太らされたり細らされたりする補正がなされていた。なお、このような補正は、補正後の階調データにおいてより細かい階調を行なうことによって、太らせる段階や細らせる段階を多く設定でき、補正後の階調データにおいてより詳細な階調表現をすることができる。
【0128】
たとえば、{0/16、4/16、8/16、12/16、16/16}のように表現される5階調の階調データを、表示特性情報に応じて次の1)〜10)のような10段階に分けられた5階調のデータとして補正することも考えられる。この場合、1)〜10)のそれぞれが階調情報に相当し、そして、表示特性情報と下記の1)〜10)のいずれかとを関連付ける情報が最適階調情報に相当する。
【0129】
1){0/16、11/16、14/16、15/16、16/16}
2){0/16、11/16、13/16、15/16、16/16}
3){0/16、10/16、13/16、15/16、16/16}
4){0/16、10/16、12/16、14/16、16/16}
・・・
7){0/6、5/16、9/16、13/16、16/16}
・・・
10){0/16、2/16、5/16、10/16、16/16}
そして、このように10段階で補正された場合の、補正後の階調データに基づいて表示される画像の変化を、図13に示す。
【0130】
図13(A)および図13(B)では、それぞれ、「川」という図形(文字)が10個並べて示されている。
【0131】
図13(A)および図13(B)は、いずれも、補正前の同じ階調データが上記1)〜10)の10種類の異なる階調情報のそれぞれによって補正された場合の図形(「川」)の画像を示している。
【0132】
図13(A)では、文字色が「黒」であり、背景色が「白」である。
図13(B)では、文字色が「白」であり、背景色が「黒」である。
【0133】
図13(A)と図13(B)では、それぞれ、左方ほど文字を太らせる補正が、つまり、右方ほど文字を細らせる補正がなされた、図形が示されている。
【0134】
図13(A)および図13(B)から理解されるように、補正に用いられる階調情報が変更されることにより、補正後の階調データに基づいて表示される図形の画像による視覚的な効果を変更することができる。
【0135】
[3−5.ブロックごとの階調データの補正]
本実施の形態の階調データ作成処理では、図8を参照して説明したように、図形をその基本部分の傾きごとにブロック分割し、ブロックごとに、基本部分の近傍部分の階調データを補正することができる。
【0136】
ここで、このような場合の階調データ作成処理について、説明する。
図14は、階調データ作成処理の変形例のフローチャートである。
【0137】
この変形例における階調データ作成処理では、階調情報作成部10は、まずステップS20で、図形に関するデータを抽出し、次に、ステップS22で、当該図形データから基本部分の一例である骨格部分の傾きを算出し、そして、ステップS24で、骨格部分の傾きに応じて図形をブロック分割する。
【0138】
なお、ステップS20〜ステップS24の処理は、図4および図8を参照して説明したように、表示装置300に表示する図形のスケルトンデータを読出し、当該スケルトンデータに基づいて図形をブロック分割することもできる。
【0139】
図14に戻って、次に、階調情報作成部10は、ステップS26において、ステップS24で分割したすべてのブロックについて階調情報を決定していないブロックがあるか否かを判断し、あると判断するとステップS28へ処理を進める。
【0140】
ステップS28では、処理対象となっているブロックについて、図10を参照して説明したような階調情報作成処理が実行され、当該ブロックに適した階調情報が抽出される。
【0141】
なお、この場合の階調情報作成処理では、ステップSB10において、表示特性情報に適した階調情報が抽出される代わりに、処理対象となっているブロックにおける骨格部分の傾きに適した階調情報が抽出される。
【0142】
骨格部分の傾きと、当該傾きに適した階調情報は、たとえば表11に示すようなテーブルによって関連付けられる。
【0143】
【表11】

【0144】
表11では、ストロークの垂直方向に対する角度(骨格部分の傾き)と、それに適した階調情報とが関連付けられている。
【0145】
図14に戻って、ステップS28では、上記のように、表11に示すようなテーブルが利用されて、ブロックごとに、最適な階調情報が抽出される。そして、ステップS26で、すべてのブロックについて階調情報が決定されたと判断すると、階調情報作成部10は、ステップS30で、すべてのブロックについて、ステップS28で抽出した階調情報を用いた階調データの補正を行なって、階調データ作成処理を終了させる。
【0146】
[4.その他の変形例について]
本実施の形態の階調情報作成処理では、階調情報格納部13に予め格納された階調情報を、表示特性情報等に基づいて抽出している。なお、データ作成装置100は、表1〜表7を参照して説明したような階調情報を予め記憶しておくのではなく、同等の情報を、階調情報作成処理が実行されるごとに作成してもよい。
【0147】
また、本実施の形態では、階調情報は、補正の前後の階調データを関連付けたテーブル形式で示されたが、階調情報の形態はこのようなものに限定されるものではなく、補正前の階調データを同様に補正後の階調データに変換できるものであれば、変換式等の形態でハードディスク5等に記憶されていてもよい。
【0148】
本実施の形態の階調情報作成処理では、文字や記号等の図形の種類に応じて、階調データの補正に利用する階調情報を選択しても良い。たとえば、表示装置300に表示させる図形を、曲線の割合が多い文字(たとえば「の」)や記号(たとえば「○」)と、直線の割合が多い文字(たとえば「山」)や記号(たとえば「□」)とに分け、前者の図形に対しては階調情報1または階調情報2を用いて階調データを補正し、後者の図形に対しては階調情報3を用いて階調データを補正する(または、階調データの補正を行なわない)ようにしても良い。
【0149】
また、本実施の形態の階調情報作成処理における階調データの補正では、表示特性情報に加えて、骨格の隣接部分の画素の、隣接する骨格部分の画素数に応じて、補正の態様が変更されても良い。つまり、オーバーサンプリングによって、サブピクセルの色が付いている(数だけでなく)位置に応じて、階調値を変更されても良い。
【0150】
たとえば、図15では、骨格部分の1つである画素P1に隣接する画素C1と画素C2では、図15中に(a)(b)としてそれぞれ示されるように、4つのサブピクセルの中の2つに色を有している。なお、画素C2は、別の骨格部分の画素P2にも隣接している。このような場合、画素C2の方が画素C1よりも高い濃度で表示された方が図15に示された画像が滑らかに見えると考えられる。
【0151】
このことから、画素C2の階調データは、画素C1の階調データよりも大きい値となるように補正されても良い。
【0152】
[5.描画装置による描画処理]
上記したように、描画装置200は、データ作成装置100で作成された階調データに基づいて、たとえば文字色の色データと背景色の色データとを混合することにより表示用データを作成し、当該表示用データを表示装置300に対して送信する。
【0153】
ここで、ブレンド処理部122は、たとえば、階調データと、文字色の色データと背景色の色データの混合比率とを関連付ける情報を記憶している。
【0154】
具体的には、5階調の場合には、0〜4の5段階のそれぞれについて、([文字色の色データ]/[背景色の色データ])の割合を、0/4、1/4、2/4、3/4、4/4とすることができる。
【0155】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明のデータ作成装置および描画装置の一実施の形態である情報処理装置を含む情報処理システムのハードウェア構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明のデータ作成装置の一実施の形態に係る制御ブロック図である。
【図3】本発明の描画装置の一実施の形態に係る制御ブロック図である。
【図4】図2のデータ作成装置が利用するスケルトンデータの一例を模式的に示す図である。
【図5】一般的なアンチエリアシング処理の内容を説明するための図である。
【図6】図2のデータ作成装置による階調データの補正の内容を説明するための図である。
【図7】図2のデータ作成装置による階調データの補正の内容を説明するための図である。
【図8】図2のデータ作成装置による階調データの補正の内容を説明するための図である。
【図9】図2のデータ作成装置において実行される階調データ作成処理のフローチャートである。
【図10】図2の階調情報作成処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図11】表示装置のガンマ特性について説明するための図である。
【図12】図10の階調情報作成処理の変形例のフローチャートである。
【図13】図2のデータ作成装置による階調データの補正の変形例を説明するための図である。
【図14】図9の階調データ作成処理の変形例のフローチャートである。
【図15】図2のデータ作成装置における階調データの補正の変形例について説明するための図である。
【図16】アンチエリアシングの手法の一つであるオーバーサンプリングについて説明するための図である。
【符号の説明】
【0157】
1 情報処理装置、1A CPU、2 RAM、3 ROM、5 ハードディスク、6 光ディスクドライブ、6A 光ディスク、7 磁気ディスクドライブ、7A 磁気ディスク、8 リモコンI/F、8A リモコン、9 バス、10 階調情報作成部、11 色情報取得部、12 背景色情報取得部、13 階調情報格納部、14 表示装置特性情報取得部、15 表示装置特性情報格納部、16 文字情報取得部、17 傾き検出部、18 ブロック分割部、19 文字情報格納部、20 出力部、100 データ作成装置、121 文字情報抽出部、122 ブレンド処理部、123 描画処理部、200 描画装置、300 表示装置、400 外部装置、500 情報処理システム、501 文字情報、502 表示装置特性情報、503 色情報、504 背景色情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図形を表示装置に表示するための画像データを作成するデータ作成装置であって、
前記表示装置の表示特性情報を取得する取得手段と、
前記図形の基本部分を示す情報を記憶する記憶手段と、
前記図形の基本部分以外の部分の階調データを補正するための情報である階調情報を作成する階調情報作成手段とを備え、
前記階調情報作成手段は、前記表示装置の前記表示特性情報に基づいて前記階調情報を作成する、データ作成装置。
【請求項2】
前記階調情報は、前記表示装置が前記図形を表示する色と背景を表示する色とを混合する割合を表す情報である、請求項1に記載のデータ作成装置。
【請求項3】
前記階調情報は、前記表示装置についての、表示ピクセル単位、前記表示ピクセルに対する単数もしくは複数のサブピクセル単位、または、前記表示ピクセルに対して所定の方向に仮想的に複数倍された仮想表示ピクセル単位で、前記表示装置が前記図形を表示する色と背景を表示する色とを混合する割合を表す情報である、請求項2に記載のデータ作成装置。
【請求項4】
前記図形の基本部分を示す情報に基づいて、前記図形を当該図形の基本部分の傾きごとにブロックに分割するブロック分割手段をさらに備え、
前記階調情報作成手段は、前記図形のブロックごとに前記階調情報を作成する、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のデータ作成装置。
【請求項5】
図形の基本部分の傾きに関連付けて前記階調情報を記憶する階調情報記憶手段をさらに備え、
前記階調情報作成手段は、前記図形のブロックごとに前記階調情報記憶手段から前記階調情報を抽出する、請求項4に記載のデータ作成装置。
【請求項6】
前記表示装置の表示特性情報は、図形の表示色と背景の表示色とを含み、
前記階調情報作成手段は、前記図形の表示色と前記背景の表示色の組合せに基づいて、前記階調情報を作成する、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のデータ作成装置。
【請求項7】
図形の表示色と背景の表示色との組合せに関連付けて前記階調情報を記憶する階調情報記憶手段をさらに備え、
前記階調情報作成手段は、前記階調情報記憶手段において前記階調情報が記憶されている組合せの中で、前記取得手段が取得した前記図形の表示色と前記背景の表示色の組合せに関連付けられて記憶された前記階調情報を、前記階調情報記憶手段から抽出する、請求項6に記載のデータ作成装置。
【請求項8】
前記階調情報作成手段は、前記階調情報記憶手段において前記階調情報が記憶されている組合せの中で、前記取得手段が取得した前記図形の表示色と前記背景の表示色の組合せに対して類似度が所定の閾値より高い組合せに関連付けられて記憶された前記階調情報を、前記階調情報記憶手段から抽出する、請求項7に記載のデータ作成装置。
【請求項9】
前記表示装置に表示する図形の種類を取得する種類取得手段をさらに備え、
前記階調情報記憶手段は、前記階調情報を図形の種類に関連付けて記憶し、
前記階調情報作成手段は、前記種類取得手段が取得した図形の種類に関連付けられた前記階調情報を抽出する、請求項7に記載のデータ作成装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれかに記載のデータ作成装置によって作成された画像データに基づいて前記表示装置に前記図形を表示させる描画装置であって、
前記階調情報に基づいて図形の表示色の表示データと背景の表示色の表示データとを混合することにより前記階調データを生成する、データ混合手段と、
前記階調データと、前記図形の基本部分を表示するためのデータとを含む画像データを、前記表示装置に送信する送信手段とを備える、描画装置。
【請求項11】
図形を表示装置に表示するための画像データを作成し、前記図形の基本部分を示す情報を記憶する記憶手段を備えたデータ作成装置において実行される、データ作成方法であって、
前記表示装置の表示特性情報を取得するステップと、
前記記憶手段に記憶された情報に基づいて前記図形の基本部分以外の部分を抽出するステップと、
前記図形の基本部分以外の部分の階調データを、前記表示装置の前記表示特性情報に基づいて補正するための情報である階調情報を作成するステップとを備える、データ作成方法。
【請求項12】
請求項11に記載のデータ作成方法によって作成された画像データを、前記表示装置に送信することにより前記表示装置において前記図形を表示させる描画方法であって、
前記階調情報に基づいて図形の表示色の表示データと背景の表示色の表示データとを混合することにより前記階調データを生成するステップと、
前記階調データと、前記図形の基本部分を表示するためのデータとを含む画像データを、前記表示装置に送信するステップとを備える、描画方法。
【請求項13】
図形を表示装置に表示するための画像データを作成し、前記図形の基本部分を示す情報を記憶する記憶手段を備えたデータ作成装置において実行される、データ作成用プログラムであって、
前記データ作成装置に、
前記表示装置の表示特性情報を取得するステップと、
前記記憶手段に記憶された情報に基づいて前記図形の基本部分以外の部分を抽出するステップと、
前記図形の基本部分以外の部分の階調データを、前記表示装置の前記表示特性情報に基づいて補正するための情報である階調情報を作成するステップとを実行させる、データ作成用プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のデータ作成用プログラムによって作成された画像データを、前記表示装置に送信することにより前記表示装置において前記図形を表示させるための実行される描画用プログラムであって、
前記データ作成装置に、
前記階調情報に基づいて図形の表示色の表示データと背景の表示色の表示データとを混合することにより前記階調データを生成するステップと、
前記階調データと、前記図形の基本部分を表示するためのデータとを含む画像データを、前記表示装置に送信するステップとを実行させる、描画用プログラム。
【請求項15】
請求項13に記載のデータ作成用プログラムを記録した、コンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項16】
請求項14に記載の描画用プログラムを記録した、コンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−55374(P2010−55374A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219620(P2008−219620)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】