データ入力システムおよびデータ入力プログラム
【課題】記入用帳票に記入された所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保しつつ、当該所定の事項の信頼度を向上させることが可能なデータ入力システム
【解決手段】コンピュータ装置2は、第1署名から第2署名のストローク情報を受信し、第1署名及び第2署名の同一性が確保された場合に、第1署名と第2署名の間に記入された記入事項については有効であると判断して当該記入事項に基づく申込を受け付ける構成を有している。
【解決手段】コンピュータ装置2は、第1署名から第2署名のストローク情報を受信し、第1署名及び第2署名の同一性が確保された場合に、第1署名と第2署名の間に記入された記入事項については有効であると判断して当該記入事項に基づく申込を受け付ける構成を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用帳票を用いて個人情報を入力するデータ入力システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。このアノトペンは、所定のアルゴリズムによりパターン化された位置座標を示すドットパターンが印刷された専用紙(以下、単に「専用紙」という。)とともに使用される。
【0003】
具体的には、このアノトペンは、ペン先部に、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。また、ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いた場合に、または、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入した場合に、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンが撮像され、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが記入した文字、記号または図形などの情報(以下、「記入情報」という。)が取得されるようになっている。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
最近では、このような電子ペンを利用し、データの入力を行うものが知られており、特に、インターネットにおける電子申請(以下、「Web申請」ともいう。)について、電子ペンを利用しつつ当該電子申請に係るデータの入力を行うシステムが知られている(例えば、特許文献2)。このシステムは、位置座標を示すドットパターンが重畳的に印刷された電子ペン用帳票(契約書)に電子ペンによって記入された情報をデータ化し、このデータ化された情報をサーバで管理するようになっている。
【0005】
一方、このような電子ペンを用いたデータ入力システムにおいて、当該電子ペンを用いて所定事項を記入する際に、ユーザの所定事項の記入をアシストするものが知られている。例えば、このシステムとしては、記入漏れや記入ミスを防止するために、または、ユーザの容易な記入をサポートするために、未記入項目または訂正項目について強調表示をするシステム(例えば、特許文献3または4)、入力の対象となっている項目について強調表示するシステム(例えば、特許文献5)、及び、次に記入すべき項目を強調表示または音声ガイダンスを行うシステム(例えば、特許文献6)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特開2007−199931号公報
【特許文献3】特開2004−259009号公報
【特許文献4】特開2004−127197号公報
【特許文献5】特開2001−150759号公報
【特許文献6】特開平11−249795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載のデータ入力システムにあっては、電子ペン用帳票に所定の事項を記入するための署名領域が設けられており、当該署名領域に記入された記載内容を電子署名として用いることができるものの、電子ペン用帳票に所定の事項を記入したユーザと電子署名をしたユーザの同一性及び記入した事項の有効性を確認することについては言及がない。
【0008】
一方、特許文献3乃至6に記載のデータ入力システムにあっては、ユーザに対して正確に入力すべき項目についてサポートを行うものであり、電子ペン用帳票に所定の事項を記入したユーザと電子署名をしたユーザの同一性及び記入した事項の有効性については言及されていない。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、記入用帳票に記入された所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保しつつ、当該所定の事項の信頼度を向上させることが可能なデータ入力システム及びデータ入力プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記課題を解決するため、本発明のデータ入力システムは、電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用帳票を用いるとともに、当該記入用帳票における所定の記入欄に、前記電子ペンによってユーザが記入した事項を、所定の申し込みを行う申し込みデータとして取得するデータ入力システムであって、前記電子ペンによって前記記入用帳票への記入が実行された際に、当該電子ペンによって読み取られたコード化パターンに基づいて算出された前記記入用帳票上の座標情報を、受信する受信手段と、表示手段に表示された前記記入用帳票のフォーマットに対応するフォーマット画像上に、前記受信した座標情報を描画しつつ、当該座標情報に基づいて前記電子ペンによる記入が実行された前記記入用帳票上の記入欄を認識する描画処理手段と、前記フォーマット画像を表示する表示領域を少なくとも有するとともに前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させて、前記記入用帳票における記入に関して前記ユーザを誘導するための誘導処理を行うとともに、前記認識された記入欄である認識記入欄に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークをユーザデータとして取得する誘導制御手段とを備え、前記誘導制御手段は、前記認識記入欄が前記ユーザの署名を記入するための第1署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第1署名情報として取得し、前記認識記入欄が前記第1署名記入欄とは異なる記入欄であって前記ユーザの署名を記入するための第2署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第2署名情報として取得し、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させる構成を有している。
【0011】
通常、第1署名と第2署名が同一のユーザであることにより、その間に記入された事項についても同一のユーザが記入したものであると推認することができる。したがって、本発明のデータ入力システムは、上記構成により、認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを申し込みデータとすることによって、記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保し、申込データの信頼度を向上させることができる。特に、本発明は、個人情報などの重要性が高い情報について記入用帳票を用いることなく直接的で安易な方法によって記入用帳票における記入すべき事項のデータ化を行う場合に、記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保し、申込データの信頼度を向上させることができる。
【0012】
(2)本発明のデータ入力システムにおいては、前記誘導制御手段は、前記受信手段によって前記第1署名情報に属する座標情報とともに受信された電子ペンが前記記入用帳票に当接した際の記入開始時刻と離脱した際の記入終了時刻に基づいて、前記電子ペンによって前記第1署名記入欄への第1署名の記入に要した時間を第1署名記入時間として演算し、前記受信手段によって前記第2署名情報に属する座標情報とともに受信された電子ペンが前記記入用帳票に当接した際の記入開始時刻と離脱した際の記入終了時刻に基づいて、前記電子ペンによって前記第2署名記入欄への第2署名の記入に要した時間を第2署名記入時間として演算し、前記第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分を演算し、前記演算された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値以下である場合に、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で、前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに、取得した前記ユーザデータを申し込みデータとして確定させる構成を有していてもよい。
【0013】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、経験により自己の署名をほぼ同一の時間長によって署名するとの観点から、第1署名と第2署名の記入時間を算出して比較することによって、当該第1署名と2署名の同一性を判断することができる。したがって、本発明は、記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保することがきるとともに、第1署名と第2署名のユーザの同一性をも確保することができるので、申し込みデータの信頼度を更に向上させることができる。また、本発明のデータ入力システムは、署名の同一性を容易に判断することができるので、処理の負担増加させずに、申し込みデータの信頼度を向上させることができる。
【0014】
(3)本発明のデータ入力システムにおいては、前記誘導制御手段は、前記演算された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値より大きい場合に、前記取得した第2署名情報を削除して前記第2署名領域への再記入を誘導する構成を有していてもよい。
【0015】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合であっても、第2署名を再入力させることができるので、同一性の判断においてシステムエラーなどの署名自体に起因しない原因が生じた場合であっても、記入用帳票に記入した内容を無駄にすることなく利用することができる。
【0016】
(4)また、本発明のデータ入力システムは、前記算出された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値より大きい場合に、前記取得したユーザデータを削除し、前記記入用帳票への再記入を誘導する構成を有していてもよい。
【0017】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合には、記入用帳票への再記入をさせることができるので、第2署名の再入力だけでは対応できない場合であっても、確実に申し込みを行うことができるとともに、一の記入用帳票を複数回利用することによって生ずる当該記入用帳票への記入が乱雑になることなく、所定事項の記入の際に用いるためだけのものではなく情報を保持するという当該記入用帳票の本来の役割をも十分に発揮させることができる。
【0018】
(5)また、本発明のデータ入力システムは、前記誘導制御手段は、前記第1署名情報における前記電子ペンのストローク形状と前記第2署名情報における前記電子ペンのストローク形状との同一性を判断し、前記第1署名と前記第2署名のストローク形状に同一性があると判断された場合に、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させる構成を有してもよい。
【0019】
通常、第1署名と第2署名が同一のユーザであることにより、その間に記入された事項についても同一のユーザが記入したものであると推認することができる。したがって、本発明のデータ入力システムは、上記構成により、第1署名と2署名の同一性を判断することができるとともに、認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを申し込みデータとすることによって、記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保することができるので、申し込みデータの信頼度を向上させることができる。特に、本発明は、個人情報などの重要性が高い情報について記入用帳票を用いることなく直接的で安易な方法によって記入用帳票における記入すべき事項のデータ化を行う場合に、署名と記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保し、申し込みデータの信頼度を向上させることができる。
【0020】
(6)また、本発明のデータ入力システムは、前記誘導制御手段は、前記第1署名と前記第2署名のストローク形状の同一性が否定された場合に、前記取得した第2署名情報を削除して前記第2署名記入欄への再記入を誘導する構成を有していてもよい。
【0021】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合であっても、第2署名を再入力させることができるので、同一性の判断においてシステムエラーなどの署名自体に起因しない原因が生じた場合であっても、記入用帳票に記入した内容を無駄にすることなく利用することができる。
【0022】
(7)また、本発明のデータ入力システムは、前記誘導制御手段は、前記第1署名と前記第2署名のストローク形状の同一性が否定された場合に、前記取得したユーザデータを削除し、前記記入用帳票への再記入を誘導する構成を有していてもよい。
【0023】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合には、記入用帳票への再記入をさせることができるので、第2署名の再入力だけでは対応できない場合であっても、確実に申し込みを行うことができるとともに、一の記入用帳票を複数回利用することによって生ずる当該記入用帳票への記入が乱雑になることなく、所定事項の記入の際に用いるためだけのものではなく情報を保持するという当該記入用帳票の本来の役割をも十分に発揮させることができる。
【0024】
(8)また、本発明のデータ入力システムは、前記誘導制御手段は、前記認識記入欄が前記ユーザの個人情報を選択入力するための選択入力用記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って複数の前記個人情報の中から一の個人情報を選択し、前記選択した個人情報を前記ユーザデータとして取得する構成を備えてもよい。
【0025】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、電子ペンによる選択入力用記入欄への記入によって複数の個人情報の中から一の個人情報を選択させることができるので、データ入力を行う際に個人情報を入力しなければならない場合であっても、記入用帳票に個人情報を直接記載せずに、当該個人情報をデータとして入力させることができる。したがって、本発明は、記入用帳票への記入事項をデータ化する利便性を確保しつつ、記入用帳票からの情報の漏洩を防止して個人情報を確実に保護することができる。
【0026】
(9)また、本発明のデータ入力システムは、前記選択入力用記入欄には、前記ユーザによって前記個人情報の区分を選択させるために用いる第1記入欄と前記ユーザによって前記選択された区分に属する複数の前記個人情報の中から一の前記個人情報を選択させるために用いる第2記入欄と前記ユーザによって前記選択された個人情報を前記ユーザデータとして確定させて取得させるための第3記入欄とが含まれ、前記誘導制御手段は、前記認識記入欄が第1記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記個人情報の区分を選択し、前記認識記入欄が第2記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記選択された個人情報の区分に属する複数の前記個人情報の中から一の前記個人情報を選択し、前記認識記入欄が第3記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記選択された個人情報をユーザデータとして取得する構成をしてもよい。
【0027】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、区分選択を実行しつつ、複数の個人情報の中から一の個人情報を選択させることができるので、多くの個人情報を区分によってカテゴライズすることが可能となり、かつ、当該カテゴライズによって多くの個人情報から一の個人情報を容易にサーチ可能となる。したがって、本発明は、選択入力に用いる個人情報の選択肢を多くすることができるので、ユーザが入力を所望する個人情報と実際に選択可能な個人情報とのギャップを埋め、的確な個人情報を取得することができる。
【0028】
(10)また、本発明のデータ入力システムは、前記記入用帳票への記入が実行される場所と離隔された場所に固定設置されたデータベースと、通信回線を介して前記確定手段によって確定された申し込みデータを前記データベースに送信する通信手段と、を更に備える構成を有してもよい。
【0029】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、取得したユーザデータをデータベースに蓄積することができるので、一括でユーザデータを管理することができる。したがって、本発明は、ユーザデータの漏洩を防止することができるので、個人情報の保護を高度に行うことができる。
【0030】
(11)上記課題を解決するため、本発明のデータ入力プログラムは、電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用帳票を用いるとともに、当該記入用帳票における所定の記入欄に、前記電子ペンによってユーザが記入した事項を、所定の申し込みを行う申し込みデータとして取得する、コンピュータを用いたデータ入力プログラムであって、前記コンピュータを、前記電子ペンによって前記記入用帳票への記入が実行された際に、当該電子ペンによって読み取られたコード化パターンに基づいて算出された前記記入用帳票上の座標情報を、受信する受信手段、表示手段に表示された前記記入用帳票のフォーマットに対応するフォーマット画像上に、前記受信した座標情報を描画しつつ、当該座標情報に基づいて前記電子ペンによる記入が実行された前記記入用帳票上の記入欄を認識する描画処理手段、前記フォーマット画像を表示する表示領域を少なくとも有するとともに前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させて、前記記入用帳票における記入に関して前記ユーザを誘導するための誘導処理を行うとともに、前記認識された記入欄である認識記入欄に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークをユーザデータとして取得する誘導制御手段、
として機能させるとともに、前記コンピュータを、前記認識記入欄が前記ユーザの署名を記入するための第1署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第1署名情報として取得し、前記認識記入欄が前記第1署名記入欄とは異なる記入欄であって前記ユーザの署名を記入するための第2署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第2署名情報として取得し、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させるように前記誘導制御手段として機能させる構成を有している。
【0031】
この構成により、本発明は、上記プログラムをコンピュータ装置にインストールすることにより、本発明に係るデータ入力システムを構成させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、第1署名領域への記入が実行されたときから第2署名領域への記入が実行されるときまでに取得されたユーザデータを申し込みデータとすることによって、記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保し、申込データの信頼度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】一実施形態におけるデータ入力システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】データ入力システムに用いられる告知書の書式の一例である。
【図3】ドットパターンにおけるドットの配置とそのドットが変換される値との関係を説明する図である。
【図4】ドットパターンを説明するための図であり、(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図5】電子ペンの構造を示す概略図であるとともに、その機能を示すブロック図である。
【図6】コンピュータ装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図7】告知書上の各記入欄に割り当てられたドットパターンの座標範囲を示す座標定義情報の一例である。
【図8】誘導制御処理を行うためのアプリケーション画面を説明するための図である。
【図9】ハイライト表示が実行されているアプリケーション画面の一例である。
【図10】警告処理が実行された際のアプリケーション画面であって、注意事項の確認警告における表示の一例である。
【図11】警告処理が実行された際のアプリケーション画面であって、病名記入/決定警告における表示の一例である。
【図12】注意事項の確認映像の再生処理が実行された場合におけるアプリケーション画面の一例である。
【図13】診察等履歴の有無に関する選択処理が実行された際のアプリケーション画面であって、「はい」選択欄の選択表示等の一例である。
【図14】警告処理が実行された際のアプリケーション画面であって、「いいえ」選択欄の選択表示等の一例である。
【図15】病名手書き入力処理が実行された際のアプリケーション画面の一例である。
【図16】病名選択入力処理に用いる病気のカテゴリ(区分)と各カテゴリに属する病名の階層構造を示すデータ例である。
【図17】病名選択入力処理が実行された際のアプリケーション画面であって、選択指示欄に電子ペンによるストロークが記入された場合の一例(その1)である。
【図18】病名選択入力処理が実行された際のアプリケーション画面であって、選択指示欄に電子ペンによるストローク記入された場合の一例(その2)である。
【図19】病名選択入力処理が実行された際のアプリケーション画面であって、病名が確定された場合の一例である。
【図20】第2署名記入処理が実行された際のアプリケーション画面の一例である。
【図21】署名整合判定処理が実行された際のアプリケーション画面であって、第2署名が第1署名との整合性を有することによって申込受付が完了した場合の一例である。
【図22】署名整合判定処理が実行された際のアプリケーション画面であって、第2署名が第1署名と不整合となり、第2署名の再入力を促す場合の一例である。
【図23】データ入力システムにおける誘導制御処理を含むデータ入力処理の動作を示すフローチャートである。
【図24】データ入力システムにおける誘導制御処理を示すフローチャート(その1)である。
【図25】データ入力システムにおける誘導制御処理を示すフローチャート(その2)である。
【図26】データ入力システムにおける誘導制御処理を示すフローチャート(その3)である。
【図27】データ入力システムにおける誘導制御処理を示すフローチャート(その4)である。
【図28】データ入力システムにおける誘導制御処理において実行されるハイライト更新処理を示すフローチャートである。
【図29】データ入力システムにおける誘導制御処理において実行される署名整合判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、電子ペンと、当該電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターン(ドットパターン)が予め形成されているとともに所定の記入欄を有する申込書(告知書)と、を用いたデータ入力システムに、本発明のデータ入力システム及びデータ入力プログラムを適用した場合の実施形態である。
【0035】
[データ入力システムのシステム構成]
まず、図1を用いて本実施形態に係るデータ入力システム10の構成について説明する。なお、図1は、データ入力システム10の構成を示すシステム構成図である。
【0036】
データ入力システム10は、告知書4を用いて生命保険などの所定の申込を行う際に、当該告知書4に記入された事項(以下、「記入事項」という。)をデータ化するシステムである。データ入力システム10は、図1に示すように、電子ペン1と、コンピュータ装置2と、サーバ装置3とから構成される。
【0037】
電子ペン1は、ユーザによって使用される。また、電子ペン1は、所定の書式によって複数の記入欄が設けられた申込用紙(以下、「告知書」という。)4に記入された文字または図形などのストローク(筆跡)やタップ(電子ペン1のペン先による告知書4への軽叩)に応じて記入情報を生成する。そして、電子ペン1は、生成した記入情報をコンピュータ装置2に送信する。
【0038】
コンピュータ装置2は、ユーザが告知書4への記入を行っている場所に隣接して用いられ、ユーザが告知書4とともにその画面を視覚することができるように用いられる。また、コンピュータ装置2は、電子ペン1によって生成された記入情報を受信し、受信した記入情報に基づいて、告知書4に対応する画像(告知書画像)に重ねて、ストロークを表示したり、ユーザの電子ペン1による告知書4の各記入欄への記入順序を誘導したり、記入された記入事項を受付データ(申し込みデータ)として記憶したりする。
【0039】
特に、コンピュータ装置2は、ユーザが電子ペン1によって記入事項を告知書4に記入する際に、告知書4への記入事項に関する説明または補足説明の表示、記入すべき記入欄への誘導、記入ミスの訂正及び記入ミス後の正しい記入欄への誘導、及び、記入事項における記入の確認など、容易な入力を可能にし、かつ、必要な記入事項を的確に取得するための誘導制御を実行する。また、コンピュータ装置2は、告知書4に記入する個人情報(本実施形態では、診察、検査、治療及び投薬などの経歴及びその際の病名といった健康情報)に関し、電子ペン1によって告知書4に直接に手書きされた文字をデータ化する(以下、単に、「健康情報の手書き入力」または「病名の手書き入力」という。)構成を有している。さらに、コンピュータ装置2は、ユーザが病名を手書き入力することで告知書4に残したくないまたは病名を忘れてしまった等で手書き入力できない場合に、当該手書き入力に代えて、電子ペン1による告知書4への入力に基づいて、コンピュータ装置2の画面に表示される選択肢の中から健康情報を選択入力(以下、単に、「健康情報の選択入力」または「病名の選択入力」という。)させる構成を有している。
【0040】
他方、データ入力システム10においては、個人情報の選択入力を行うことによって個人情報が入力されたときには、告知書4の紙面上に記録が残らないので、個人情報を選択入力したユーザと申込を行うユーザの同一性を確保する必要がある。一方、一般的に、書類などにおいて二つの署名が要求されている場合に所定時間内に記入された各署名が同一のものであれば、その間に記入された記入事項についても同一のユーザが記入したものであると推認することができる。したがって、告知書4の上部と下部(すなわち、最初と最後)にユーザの署名をそれぞれ記入させるための二つの署名記入欄402、411を設け、コンピュータ装置2は、上部の署名(以下、「第1署名」という。)記入欄402に記入されたストロークに基づく記入情報から下部の署名(以下、「第2署名」という。)記入欄411に記入されたストロークに基づく記入情報まで、電子ペン1によって告知書4に記入されたストロークに基づく全ての記入情報を受信し、第1署名及び第2署名の同一性が確保された場合に、第1署名と第2署名の間に記入された記入事項については有効であると判断して当該記入事項に基づく申込を受け付ける構成を有している。
【0041】
サーバ装置3は、インターネットに代表されるWAN(Wide Area Network)、公衆電話網、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介してコンピュータ装置2と接続される。また、サーバ装置3は、コンピュータ装置2が使用される場所から離隔した場所に固定設置され、ネットワークを介して、(ASP:Active Server Pages)等によってコンピュータ装置2が起動するアプリケーションプログラムと連動し、当該コンピュータ装置2との間において逐次的にデータの授受を行う。したがって、データ入力システム10は、コンピュータ装置2において実行されて取得された告知書4における記入事項に関する種々の情報においては、当該コンピュータ装置2の記憶手段25に記憶されつつ、逐次サーバ装置3にも提供され、当該サーバ装置3の図示しないデータベースにも蓄積される。
【0042】
[告知書]
次に、図2を用いて本実施形態の告知書4について説明する。なお、図2は、データ入力システムに用いられる告知書4の書式(様式)の一例である。
【0043】
告知書4には、紙などの用紙の一面に後述するドットパターン(コード化パターン)が印刷により全体的に形成され、その上に、複数のユーザエリア(記入領域)が規定されている。さらに、告知書4には、複数の記入欄、名称、マーク及びテキスト等の書式(様式)が印刷されている。各ユーザエリアは、予め各記入欄に関連付けられており、電子ペン1により告知書4に記入されて生成される記入情報が、どの記入欄への記入によるものであるのかを、コンピュータ装置2において識別することができる。なお、ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含有するインクによって印刷されており、書式は、赤外線を吸収しないインクによって印刷されている。そして、告知書4は、その書式の画像(告知書画像)がコンピュータ装置2に表示され、電子ペン1によってユーザが記入した記入事項をコンピュータ装置2に入力するため、及び、電子ペン1とともにコンピュータ装置2を操作するために用いられる。
【0044】
各記入欄は、図2に示すように、名称、マーク、当該記入欄の説明若しくは各記入欄に記入する際の注意事項の表記とともに、または、これらの表記に隣接されて印刷されており、それぞれ異なるユーザエリアに関連付けられている。なお、各記入欄の形成位置及び形状は、図2のものに限られず、見やすくかつ記入しやすいように所定の書式によって印刷されていればよい。
【0045】
記入欄としては、注意事項の確認に関し、ユーザが注意事項を表示させるための指示を行う欄(以下、「注意事項の表示指示欄」という。)401と、第1署名の記入欄(第1署名記入欄)402と、診察、検査、治療及び投薬(以下、「診察等」という。)の経歴に関する肯定選択欄(以下、「「はい」選択欄」という。)403及び否定選択欄(以下、「「いいえ」選択欄」という。)404と、当該診察等の経歴における病名を手書き入力するための欄(以下、単に「病名記入欄(文字入力用)」という。)405と、が印刷されている。さらに、告知書4には、記入欄として、コンピュータ装置2に表示された画像を選択操作する際に用いる選択指示欄(選択入力用記入欄)406〜409及び選択決定欄(選択入力用記入欄)410と、第2署名の記入欄(第2署名記入欄)411と、ユーザの申込を受け付ける際に用いる申込受付欄412と、が印刷されている。
【0046】
注意事項の表示指示欄401は、この名称が表記された所定の大きさを有する記入欄であり、電子ペン1によってチェックマークなどのストロークが記入される記入欄である。注意事項の表示指示欄401は、その性質上、ユーザが告知書4に関する所定事項を記入する前に最初にマーク(記入)される必要があるので第1署名記入欄402とともに、告知書4の上部に印刷されている。また、注意事項の表示指示欄401は、ユーザが告知書4に関する注意事項を確認するためにコンピュータ装置2に注意事項に関する所定の画像を表示させるためのユーザエリアに関連付けられている。
【0047】
第1署名記入欄402は、所定の大きさを有する空欄によって形成され、電子ペン1によって署名が記入される記入欄である。また、第1署名記入欄402は、告知書4を用いて所定の申込をする際にユーザの同一性を確保して当該告知書4に記載された内容の有効性を判断するための署名が記入される二つのユーザエリアのうち、最初の署名(すなわち、第1署名)が記入されるためのユーザエリアに関連付けられている。第1署名記入欄402は、ユーザが注意事項を確認後、告知書4に関する所定事項を記入する際に最初に記入される必要があるので、注意事項の表示指示欄401と同様に、告知書4の上部に印刷されている。さらに、第1署名記入欄402は、注意事項の表示指示欄401とともに、コンピュータ装置2に画像として表示された告知書4に関する注意事項をユーザ本人が確認したことを示すチェック欄としても機能する。
【0048】
「はい」選択欄403は、「はい」の文字と点線によって形成された円が表記された所定の大きさを有する記入欄である。「はい」選択欄403は、一定期間内(例えば、過去5年以内)における診察、検査、治療及び投薬の診察等の有無を問う質問に関するテキストに隣接されて印刷されている。また、「はい」選択欄403は、「いいえ」選択欄404に並設されるとともに、第1署名記入欄402の下段であって、病名記入欄405の上段に印刷されている。そして、「はい」選択欄403は、一定期間内に診察等における経歴がある場合に肯定の選択を行うためのユーザエリアに関連付けられている。以下において、電子ペン1によって「はい」選択欄403に円形が記入されたことを「「はい」が選択された」という。
【0049】
「いいえ」選択欄404は、「いいえ」の文字と点線によって形成された円が表記された所定の大きさを有する記入欄である。「いいえ」選択欄404は、「はい」選択欄404と同様に、一定期間内における診察等の有無を問う質問に関するテキストに隣接されて印刷されている。また、「いいえ」選択欄404は、「はい」選択欄403に並設されている。そして、「いいえ」選択欄404は、一定期間内に診察等における経歴がない場合に否定の選択を行うためのユーザエリアに関連付けられている。以下において、電子ペン1によって「いいえ」選択欄404に円形が記入されたことを「「いいえ」が選択された」という。
【0050】
病名記入欄405は、所定の大きさを有する空欄によって形成され、「はい」が選択された場合に、電子ペン1によって診察等における病名が手書き入力される記入欄である。病名記入欄405は、「はい」選択欄403において「はい」を選択したユーザに対して病名の記入を促すテキストに隣接されて印刷されているとともに、「はい」選択欄403及び「いいえ」選択欄404の下段に印刷されている。また、病名記入欄405は、個人情報(病名)の手書き入力を行うためのユーザエリアに関連付けられており、選択指示欄406〜409及び選択決定欄410と択一的に用いられる。
【0051】
各選択指示欄406〜409は、該当する方向を示すマークが表記された所定の大きさを有する記入欄であり、ユーザによってタップなどの比較的に短いストロークが記入される記入欄である。選択指示欄406〜409は、「はい」選択欄403において「はい」を選択したユーザに対して病名の記入を促すテキストに隣接されて印刷されているとともに、病名記入欄405の下段に印刷されている。また、選択指示欄406〜409は、選択決定欄410とともに個人情報(病名)の選択入力を行うためのユーザエリアに関連付けられており、病名記入欄405と択一的に用いられる。選択指示欄406〜409には、上方向選択指示欄(第2記入欄)406、左方向選択指示欄(第1記入欄)407、右方向選択指示欄(第1記入欄)408及び下方向選択指示欄409(第2記入欄)が含まれる。各選択指示欄406〜409にストロークが記入されると、コンピュータ装置2と連動して当該コンピュータ装置2上において病名を選択する際に用いられる。特に、左方向選択指示欄407及び右方向選択指示欄408は、「心臓・血圧」または「脳・精神・神経」など病気の区分(カテゴリ)を選択するカテゴリ選択を行うためのユーザエリアに関連付けられており、上方向選択指示欄406及び下方向選択指示欄409は、左方向選択指示欄407及び右方向選択指示欄408によって選択されたカテゴリに属する個々の病名を選択するためのユーザエリアに関連付けられている。
【0052】
選択決定欄(第3記入欄)410は、「決定」の文字が表記された所定の大きさを有する記入欄であり、電子ペン1によってタップなどの比較的に短いストロークが記入される記入欄である。選択決定欄410は、選択指示欄406〜409に並設されて印刷されている。また、選択決定欄410は、選択指示欄406〜409とともに病名(個人情報)の選択入力を行うためのユーザエリアに関連付けられており、選択指示欄406〜409によって選択された一の病名を、診察等における病名として確定するために用いられる。
【0053】
第2署名記入欄411は、第1署名記入欄402と同様に、所定の大きさを有する空欄によって印刷され、ユーザによって署名が記入される記入欄である。また、第2署名記入欄411は、第1署名記入欄402とともに、告知書4を用いて所定の申込をする際にユーザの同一性を確保して当該告知書4に記載された内容の有効性を判断するために記入させる二つのユーザエリアのうち、最後の署名(すなわち、第2署名)が記入されるためのユーザエリアに関連付けられている。第2署名記入欄411は、ユーザが告知書4に関する所定事項を記入する際に最後に記入される必要があるので、告知書4の下部に印刷されている。さらに、第2署名記入欄411は、ユーザ本人に対して告知書4に記入した記入事項や選択入力した病名が正しいものであるかを確認したことを示すチェック欄としても機能する。
【0054】
申込受付欄412は、「受付」の文字と点線によって形成された円とが表記された所定の大きさを有する記入欄であり、電子ペン1によって円が記入される記入欄である。申込受付欄412は、ユーザが告知書4に関する所定事項を記入した後に最後にマーク(記入)される必要があるので、その性質上、第2署名記入欄411と同様に、告知書4の下部に形成されている。
【0055】
なお、選択欄403、404及び申込受付欄412に電子ペンで記入されるストロークは、完全な円形でなくてもよく、また、その他の形状やチェックマーク等の文字としてもよい。
【0056】
[ドットパターン]
次に、図3及び図4の各図を用いて本実施形態における告知書4に印刷されているアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。なお、図3は、ドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。また、図4は、ドットパターンを説明するための図である。
【0057】
図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できるようになっており、このようにして対応付けられた情報の組合せにより、告知書4上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0058】
図4(a)は、ある位置のドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmにおける範囲内に6×6の36個のドットが、告知書4上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。そして、これら36個のドットにより形成されるドットパターンは、告知書4上における相対的な位置座標及びドットパターンアドレスを保持している。なお、図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、仮想格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0059】
[電子ペン]
次に、図5を用いて本実施形態における電子ペン1の構造とその動作について説明する。なお、図5は、電子ペン1の構造を示す概略図であるとともに、その機能を示すブロック図である。
【0060】
電子ペン1は、告知書4へのタップ(ペン先部103による告知書4への軽叩)及び文字または図形などを記入に用いられる。また、ユーザによって電子ペン1を用いて告知書4上にタップされると、または、文字や図形が描かれると、電子ペン1は、ペン先部103の告知書4上の移動経路(すなわち、筆跡またはストローク)に沿って、告知書4に印刷されたドットパターンを局所的、かつ、連続的に読み取る。そして、電子ペン1は、告知書4におけるその局所位置の座標を算出するとともに、その算出した位置座標データをコンピュータ装置2へ送信する。
【0061】
具体的には、電子ペン1は、図5に示すように、その筐体101の内部に、ペン部104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111及びバッテリー112を備える。
【0062】
ペン部104の先端は、ペン先部103となっており、ペン先部103は、文字などの記入又はタップを行う際に、ユーザによって告知書4に当接される。なお、ペン部104には、第1署名または第2署名を書面として保存するなどの告知書4の性質上、インクカートリッジにインクが充填されているものがよい。
【0063】
バッテリー112は、電子ペン1内の各部材に電力を供給するためのものであり、例えば、電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うように構成されている。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン1により告知書4に文字などを記入したりタップしたりする際に、ペン先部103からペン部104を通じて与えられる圧力、すなわち、筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0064】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧のデータ(筆圧データ)に基づいて、電子ペン1のペンダウン(告知書4に接触してストロークが書き出しされること)及びペンアップ(接触している状態からペン先部103が離れること)を判定してLED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切換える。すなわち、ユーザが電子ペン1によって告知書4に文字などを記入すると、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されるので、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、ユーザが告知書4から電子ペン1を離すと、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧の検出がされなくなるので、その際には、プロセッサ108は、ユーザが1つの筆跡の記入を終了したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106の作動を終了させる。
【0065】
LED105及びCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、告知書4上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照射する。赤外線が照射される領域は、ペン先部103が告知書4に接触する位置とはわずかにずれるように構成されている。CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内における上述したドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。
【0066】
上述のように、ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含有するインクによって印刷されているので、LED105によって照射された赤外線は、ドットの位置においては吸収される。したがって、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多くなる。このため、CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。CMOSカメラ106の受光面側に、ノイズを低減して座標検出の信頼性を高めるため、赤外光を選択的に透過する赤外線透過フィルタを備えてもよい。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。
【0067】
プロセッサ108は、ユーザによって告知書4に文字等のストロークが記入されている間、すなわち、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいてLED105及びCMOSカメラ106のスイッチがオンの状態のときに、CMOSカメラ106によって供給される各画像データから、X、Y座標(以下、単に「位置座標」、「座標情報」又は「座標データ」ともいう。)及びドットパターンアドレスを個々に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを、図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値及びY座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データ及びドットパターンアドレスを演算する。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻と、筆圧データと、X,Y座標データ及びドットパターンアドレスとを関連付けて一の座標属性情報を生成する。
【0068】
なお、上述のように、告知書4における6×6のドットパターンは、告知書4内で重複することはないため、ユーザが電子ペン1で文字等のストロークを記入すると、記入された位置が告知書4のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により、ストロークに沿ってCMOSカメラ6により撮像されたドットパターンの告知書4における位置座標を特定することができる。
【0069】
メモリ109には、電子ペン1を識別するための「pen01」などのペンID(電子ペン識別情報)、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、座標属性情報にペンIDが関連付けられた各記入情報をコンピュータ装置2へ順次送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって即時的かつ逐次的に行われる。
【0070】
次に、電子ペン1よりコンピュータ装置2へ送信される記入情報について説明する。ユーザが電子ペン1を用いて告知書4にストローク(筆跡)を記入する際には、まず、電子ペン1を告知書4に接触させる。すると、電子ペン1の圧力センサ107によってペン先部103にかかる筆圧を検出する。電子ペン1のプロセッサ108は、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたと判断すると、電子ペン1の告知書4への接触を示すペンダウン情報PDと、電子ペン1の識別情報であるペンID等とを関連付けた記入情報を生成して、通信ユニット111に、その記入情報をコンピュータ装置2へ送信させる。
【0071】
また、ユーザは、電子ペン1のペン先部103を告知書4に接触させた後、筆圧を維持しつつ、ペン先部103を移動させてストロークを描くが、電子ペン1のプロセッサ108も引き続き、演算により求めた座標情報(X,Y)及びドットパターンアドレスと、圧力センサ107により検出される筆圧データ、リアルタイムクロック110により発信された時刻情報とを含む座標属性情報及びペンID等を関連付けた記入情報を、CMOSカメラ106によるドットパターンの撮影周期に応じて、逐次生成し、通信ユニット111に当該記入情報を順次コンピュータ装置2へ送信させる。
【0072】
そして、ユーザがストロークを描き終えて電子ペン1を告知書4から離すと、圧力センサ107は、筆圧を検出しなくなるため、プロセッサ108は、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されなくなったと判断する。すると、プロセッサ108は、電子ペン1の告知書4への離脱を示すペンアップ情報PUと、電子ペン1の識別情報であるペンID等とを関連付けた記入情報を生成して、通信ユニット111に、その記入情報をコンピュータ装置2へ送信させる。このように、電子ペン1がペンダウンと判定してからペンアップと判定するまでに、すなわち、ユーザの一つのストロークの記入により、電子ペン1によって生成される記入情報の集合をストローク情報と呼ぶ。換言すると、一つの記入情報は、一つのストロークの一部分のストローク(以下、「部分ストローク」とも呼ぶ。)に関する情報である。
【0073】
[コンピュータ装置]
次に、図6〜図8の各図を用いて本実施形態のコンピュータ装置2について説明する。なお、図6は、コンピュータ装置2の各機能を示す機能ブロック図であり、図7は、告知書4上の各ユーザエリア(記入欄)とドットパターンの座標範囲を示す座標定義情報の一例である。また、図8は、誘導制御処理を行うためのアプリケーション画面6を説明するための図である。
【0074】
コンピュータ装置2は、例えば、パーソナルコンピュータであって、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMなどのメモリ、ディスプレイ、スピーカ、マウスやキーボード等によって構成される。また、コンピュータ装置2は、図6に示すように、機能的には、マウスやキーボードなどから構成される入力手段21、受信手段22、処理手段24、記憶手段25、表示手段26、送信手段27及びスピーカなどから構成される音声出力手段28を備え、電子ペン1から受信した記入情報に基づいて所定の処理を行う。
【0075】
受信手段22は、アンテナや受信回路等により構成され、電子ペン1から送信された各記入情報を順次受信し、処理手段24に伝送する。
【0076】
記憶手段25は、ハードディスク又はROM、RAMなどのメモリによって構成される。そして、記憶手段25には、アプリケーション画面6の表示制御、誘導制御処理、病名選択入力処理、記録制御処理、署名整合判定処理及び受付処理など上述の各処理を実行するためのアプリケーションプログラムと、当該アプリケーションプログラムが実行する際に用いられる告知書画像などの画像データ、病名データベース、時間判定に用いる閾値などの各種パラメータ、及び、図7に示すような、告知書4における各ユーザエリアと各記入欄とドットパターンの位置座標の範囲(座標範囲)とを関連付けた座標定義情報などが予め記憶されている。位置座標の範囲(座標範囲)は、領域の左上隅の位置座標(以下、「基準座標(Xn、Yn)」という。)と当該基準座標からの高さ(y軸方向)Hn及び幅(x軸方向)Wnによって規定される(nは変数を示す。)。そして、処理手段24は、電子ペン1から受信した記入情報に含まれる位置座標データが属する座標範囲を、記憶手段25に記憶された座標定義情報を参照して特定することで、当該記入情報に対応するストロークが記入されたユーザエリア及び記入欄を特定できる。なお、これらのドットパターンが告知書4に割り当てられたドットパターンであることを特定するために、座標定義情報にはドットパターンアドレスの関連付け情報も含まれている(不図示)。
【0077】
また、記憶手段25には、アプリケーションプログラムが実行されている際に、ユーザが告知書4に文字、記号又は図形を記入した際に電子ペン1によって生成された記入情報や、病名情報、署名記入時間、及び、申込の受付完了時に受付データとなるデータなどアプリケーションプログラムの実行によって生成された各種データが記憶される。なお、受付データとは、注意事項を確認した旨、第1署名を示すストローク情報(第1署名情報)、一定期間内における診察等の有無、手書き入力されたまたは選択入力された病名情報、第2署名を示すストローク情報(第2署名情報)などの、告知書4の記入に基づく処理手段24の処理によって生成される各種のデータ群をいう。
【0078】
処理手段24は、CPU等のプロセッサによって構成される。処理手段24は、アプリケーションプログラムを実行し、表示手段26に表示されたアプリケーション画面6を制御しつつ、電子ペン1の告知書4におけるストロークの表示制御処理及びユーザの告知書4への的確な記入を誘導するための誘導制御処理を実行する。
【0079】
具体的な処理としては、処理手段24は、電子ペン1から受信した記入情報に基づいてストロークを描画し、アプリケーション画面6に表示した告知書画像に、描画したストロークを重畳表示するためのストローク描画処理と、アプリケーション画面6における表示制御など各種の処理を行う誘導制御処理とを実行する。処理手段24は、このような各処理を実行するために、図6に示すように、ストローク描画処理部241と、誘導制御部242とを有している。
【0080】
ストローク描画処理部241は、電子ペン1から送信されて受信した各記入情報(すなわち、一のストロークを構成する部分ストロークの座標属性情報及びペンID)を記憶手段25に記憶しつつ、記憶手段25に記憶された座標定義情報を参照して、記入情報に含まれるX,Y座標データ(位置座標)が告知書4上のどの位置にあたるかを認識してストロークを描画し、アプリケーション画面6上に描画したストロークを表示する、ストローク描画処理を実行する。また、ストローク描画処理部241は、記入情報が記入された告知書4上の記入欄として前記認識した記入欄を、認識記入欄として誘導制御部242に伝達する。なお、ストローク描画処理部241は、描画したストローク情報を送信手段27を介してサーバ装置3に逐次送信する。そして、サーバ装置3は、受信したストローク情報を図示しないデータベースにペンID毎に蓄積する。
【0081】
誘導制御部242は、記憶手段25に予め記憶された誘導制御プログラムを含むアプリケーションプログラムに基づいて、ストローク描画処理部241と連動しつつ、告知書4の各記入欄が記入済みか否かを判定し、告知書4における記入欄への記入順を誘導する、誘導制御処理を実行する。なお、誘導制御部242の誘導制御処理の詳細については後述する。
【0082】
表示手段26は、液晶又は有機ELなどのディスプレイ等によって構成され、処理手段24によって指示された内容を表示するものである。特に、表示手段26は、アプリケーションが実行されている際に、アプリケーション画面6を表示し、さらにアプリケーション画面6上に、告知書画像等を表示する。また、表示手段26は、署名整合判定処理が実行された際に、アプリケーション画面6上に所定の警告画面を表示したり、告知書4による申込の受付を完了することを示す受付完了画面などのポップアップ画面7、8を表示したりする。
【0083】
アプリケーション画面6は、図8に示すように、告知書4と同一の書式を有する告知書画像(フォーマット画像)を表示する告知書画像表示領域601と、ユーザが告知書4に記入事項を記入する際に必要な情報を視覚的に提供するための画像(お知らせ画像)を表示するお知らせ画像表示領域602と、電子ペン1における告知書4への記入に連動し、病名選択入力処理が実行される際に病名のカテゴリ及び病名が選択可能に表示される選択入力表示領域603と、を有する。また、このアプリケーション画面6は、アプリケーションを終了させる指示ボタン604を有するタイトルバーなどのアプリケーションプログラムを実行する上で必要な情報が表示される。
【0084】
告知書画像表示領域601に表示される告知書画像は、図8に示すように、告知書4の書式を画像データ化したものであり、告知書画像には告知書4と同一の記入欄が表示形成される。すなわち、注意事項の表示指示欄611と、第1署名記入欄612と、「はい」選択欄613と、「いいえ」選択欄614と、病名記入欄615と、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620と、第2署名記入欄621と、申込受付欄622とが表示形成される。
【0085】
送信手段27は、インターネットまたは公衆電話網などのネットワークを介してサーバ装置3と接続されている。また、送信手段27は、ASPによるサーバ装置3とのデータの授受を行う。
【0086】
[誘導制御処理]
次に、図9〜図22の各図を用いて誘導制御部242において実行される誘導制御処理について説明する。
【0087】
(記入済み判定)
まず、誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される記入済み判定処理について説明する。
【0088】
誘導制御部242は、誘導制御処理中の所定のタイミング及び所定の処理時に、告知書4上の記入欄における記入済みか否かの判定(すなわち、記入済み判定)を行う。具体的には、誘導制御部242は、特定の記入欄に対応するユーザエリアに割り当てられた座標範囲に属するストローク情報が記憶手段25に記憶されている際には、当該特定の記入欄が記入済みであると判定する。このとき、誘導制御部242は、一のストローク情報に含まれる全てのX、Y座標データが特定の一のユーザエリアに関連付けられた座標範囲に属する場合に、そのユーザエリアに関連付けられた記入欄に電子ペン1によってストロークが記入されたとして判別する。なお、誘導制御部242は、一のストローク情報に含まれる全てのX、Y座標データのうち、一定以上(例えば、8割以上)のX、Y座標データが一のユーザエリアに関連付けられた座標範囲に含まれる場合に、そのユーザエリアに関連付けられた記入欄に電子ペン1によってストロークが記入されたとして判別することとしてもよい。また、後述するように、誘導制御部242は、アプリケーション画面6上から削除(表示の解除)が実行された場合には、当該記入欄に属するストローク情報を記憶手段25から削除する、または、誘導制御処理などに用いる情報としては取り扱わないように無効化する(例えば、無効フラグを付与する)ので、各記入欄に記入されたストローク情報に基づいて記入済み判定を行うことができる。
【0089】
(記入順の誘導)
次に、誘導制御部242の誘導制御処理における記入順の誘導について説明する。
【0090】
誘導制御部242は、ストローク描画処理部241におけるストローク情報の描画処理と連動し、ストローク描画処理部241から伝達された認識記入欄や、記憶手段25に記憶されたストローク情報などの所定の情報及びフラグ情報に基づいて、予め定められた告知書4における記入欄へのユーザによる記入の順序(記入順)を誘導する。誘導制御部242は、誘導制御処理のアプリケーションプログラムに基づいて、告知書4の上部から順に、かつ、択一的な選択に関しては何れか一方の記入欄にユーザによる記入が行われるように誘導する。
【0091】
具体的には、誘導制御部242は、ストローク描画処理部241から伝達された認識記入欄と、記憶手段25に記憶されるストローク情報と、告知書4上における記入欄へユーザが記入した場合に実行される所定の処理について設けられたフラグ情報と、アプリケーション画面6に表示されている項目に基づいて、告知書4における記入欄のユーザによる記入が記入順に従って実行されるように、記入順を誘導する。
【0092】
(1)注意事項の表示指示欄401にユーザの記入がされた際に実行される注意事項の確認映像の再生が実行されたか否かを示すフラグ情報。なお、誘導制御部242は、当該映像が再生された場合に「実行済み」を示すフラグ情報を記憶手段25に記憶する。このとき、誘導制御部242は、当該映像が所定の時間再生されたことを判定してから「実行済み」を示すフラグ情報を記憶手段25に記憶するように構成するとよい。
(2)第1署名記入欄402にユーザの記入がされた際に実行される第1署名における記入開始時刻及び記入終了時刻を有する時刻情報(以下、「第1署名時刻情報」という。)の記憶の有無。
(3)「はい」選択欄403または「いいえ」選択欄404にユーザの記入がされた際に記憶されたストローク情報の有無、あるいは、「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614の選択表示の状態。
(4)選択指示欄406〜409に電子ペン1によってストロークが記入された際に実行される選択入力表示領域603に表示される病名の有無。
(5)病名記入欄405に電子ペン1によってストロークが記入された際に記憶されたストローク情報の有無、または、選択決定欄410に電子ペン1によってストロークが記入された際に確定されて記憶された病名情報の有無。
(6)第2署名記入欄411に電子ペン1によってストロークが記入された際に実行される第2署名における記入開始時刻及び記入終了時刻を有する時刻情報(以下、「第2署名時刻情報」という。)の記憶の有無。
【0093】
(ハイライト更新処理)
次に、図9を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行されるハイライト(強調)更新処理について説明する。なお、図9は、ハイライト表示605Aが実行されているアプリケーション画面の一例である。
【0094】
誘導制御部242は、誘導制御処理中の所定のタイミングにハイライト更新処理を実行する。誘導制御部242は、記入済み判定処理を実行し、所定の記入欄について記入済みではないと判定した場合に、告知書画像上の該当する記入欄に対してハイライト表示605を実行させる。ハイライト表示605としては、誘導制御部242は、告知書画像表示領域601に表示された告知書画像上における該当する記入欄に対して当該記入欄の外枠を強調表示する表示制御を行う。また、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を行う毎に、一度全てのハイライト表示605を解除するとともに、告知書画像表示領域601に表示された告知書画像上の何れかの記入欄に対してハイライト表示605を実行する。
【0095】
なお、図9に示すアプリケーション画面6は、アプリケーションプログラムが起動した際の初期画面であって、告知書画像表示領域601の注意事項の表示指示欄611に対してハイライト表示605Aが実行されている例である。すなわち、ユーザは最初に注意事項の表示指示欄401に記入をしなければならないので、初期画面にそれを誘導するためのハイライト表示605Aが実行されている。
【0096】
(警告処理)
次に、図10及び図11を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される警告処理について説明する。なお、図10及び図11は、警告処理が実行された際のアプリケーション画面6であって、図10は、注意事項の確認警告における表示の一例であり、図11は、病名記入/決定警告における表示の一例である。
【0097】
誘導制御部242は、誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従っていれば記入される告知書4上の所定の記入欄への電子ペン1による記入が実行されていないと判断した場合に、所定の警告処理を行う。警告処理としては、誘導制御部242は、電子ペン1によって告知書4上に記入されている記入欄と同一の告知書画像上の記入欄に対して、当該記入欄をハイライト表示にする警告表示606を行うとともに警告用表示マーク607を表示する表示制御を行う。ただし、警告表示におけるハイライト表示は、ハイライト更新処理におけるハイライト表示とは異なる表示、例えば、該当する記入欄の外枠を点滅表示させたり、異なる色でハイライト表示させたり、あるいは、該当する記入欄全体をハイライト表示させたりすることによって実行される。
【0098】
また、誘導制御部242は、告知書画像上の所定の記入欄に対して警告表示した際に、お知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602に警告内容及びユーザが記入すべき記入欄を示す所定の画像を表示するように表示手段26を制御するとともに、スピーカ(音声出力手段)28から警告音を出力する。
【0099】
図10に示すアプリケーション画面6は、ユーザが注意事項の表示指示欄401に記入をしなければならない際に第1署名記入欄402に記入した場合に、告知書画像表示領域601の第1署名記入欄612に対する警告表示606Aの実行、及び、警告用表示マーク607Aの表示がされている例である。また、この場合に、所定の画像がお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602Bに表示されている。
【0100】
一方、図11に示すアプリケーション画面6は、ユーザが病名を病名記入欄405に手書き入力または選択指示欄406〜409及び選択決定欄410によって選択入力をしなければならない際に第2署名記入欄411に記入した場合に、告知書画像表示領域601の第2署名記入欄621に対する警告表示606Bの実行、及び、警告用表示マーク607Bの表示がされている例である。なお、警告表示606B及び警告用表示マーク607Bの表示を含めて「第2署名記入警告」という。また、この場合に、所定の画像がお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602Fに表示される。
【0101】
なお、図10及び図11以外の状況で実行される警告処理については、その状況に合わせたお知らせ画像がお知らせ画像表示領域602に表示されるとともに、警告表示606の実行、及び、警告用表示マーク607の表示が該当する記入欄に実行される。
【0102】
(注意事項の確認映像の再生処理)
次に、図12を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される注意事項の確認映像の再生処理について説明する。なお、図12は、注意事項の確認映像の再生処理が実行された場合におけるアプリケーション画面6の一例である。
【0103】
誘導制御部242は、誘導制御処理中に、ストローク描画処理部241から伝達された認識記入欄が注意事項の表示指示欄401であった場合に、お知らせ画像表示領域602に注意事項の確認映像を再生する。また、誘導制御部242は、注意事項の確認映像の再生終了後に、「確認映像の再生完了」を示すフラグ情報を記憶手段25に記憶する。
【0104】
なお、誘導制御部242は、注意事項の確認映像の再生処理が実行された後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき告知書画像上の記入欄、すなわち、第1署名記入欄612に対してハイライト表示605を行う。また、図12に示すアプリケーション画面6は、電子ペン1による注意事項の表示指示欄401への記入がされた場合に、注意事項の確認映像がお知らせ画像表示領域602Aに再生されている例である。
【0105】
また、お知らせ画像表示領域602における注意事項の確認映像の再生においては、テキストのみに限らず、イラストが含まれてもよいし、動画として再生させてもよい。
【0106】
(第1署名記入処理)
次に、誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される第1署名記入処理について説明する。
【0107】
誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従って電子ペン1による告知書4への記入が実行されている場合であって、受信した記入情報の認識記入欄が第1署名記入欄402であるとストローク描画処理部241によって認識された場合には、誘導制御部242は、当該記入情報に含まれる時刻情報を、第1署名記入開始時刻及び第1署名記入終了時刻(以下、単にまとめて「第1署名時刻情報」ともいう。)として、記憶手段25に記憶する。すなわち、注意事項の確認映像におけるフラグ情報が再生済みであって、受信した記入情報の認識記入欄が第1署名記入欄402である場合には、誘導制御部242は、当該記入情報に含まれる時刻情報を第1署名時刻情報として記憶手段25に記憶する。
【0108】
このとき、誘導制御部242は、第1署名記入開始時刻が既に記憶手段25に記憶されている場合、第1署名記入開始時刻は更新せずに、第1署名記入終了時刻のみ記憶手段25に更新記憶する。これにより、第1署名の記入が終了すると、必然的に第1署名記入欄402に記入された最初のストロークにおけるペンダウン時の時刻情報が第1署名記入開始時刻として、最後のストロークにおけるペンアップ時の時刻情報が第1署名終了時刻として、それぞれ記憶手段25に記憶される。
【0109】
なお、誘導制御部242は、第1署名記入処理が実行された後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき記入欄である「はい」選択欄403及び「いいえ」選択欄404に対応する告知書画像上の記入欄、すなわち、「はい」選択欄613及び「いいえ」選択欄614に対してハイライト表示605を行う。
【0110】
(診察等履歴の有無に関する選択処理)
次に、図13及び図14を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される診察等履歴の有無に関する選択処理について説明する。なお、図13及び図14は、診察等履歴の有無に関する選択処理が実行された際のアプリケーション画面6であって、図13は、「はい」選択欄403の選択表示等の一例であり、図14は、「いいえ」選択欄404の選択表示等の一例である。
【0111】
誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従って電子ペン1による告知書4への記入が実行されている場合であって、受信したストローク情報がストローク描画処理部241によって「はい」選択欄403または「いいえ」選択欄404の何れかに属するストロークと認識されていた場合には、誘導制御部242は、ストロークの記入がされた「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614に対して選択表示608を行う。すなわち、誘導制御部242は、注意事項の確認映像が再生済みであることを示すフラグ情報と第1署名時刻情報が記憶手段25に記憶されている場合であって、認識記入欄が「はい」選択欄403または「いいえ」選択欄404の何れかである場合には、認識された方の選択欄に対して選択表示608を行う。
【0112】
選択表示608としては、誘導制御部242は、アプリケーション画面6の告知書画像上における「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614をハイライト表示にする。そして、誘導制御部242は、「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614に対して選択表示した際に、スピーカ28から選択音を出力する。ただし、選択表示608におけるハイライト表示は、「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614の外枠に対してハイライト更新処理または警告処理におけるハイライト表示とは異なる強調表示を行うことによって実行される。
【0113】
認識記入欄が「はい」選択欄403である場合には、誘導制御部242は、お知らせ画像表示領域602に所定の画像をお知らせ画像として表示させるとともに、選択入力表示領域603に病名選択入力処理が実行される際に用いられるナビゲーション画面(以下、単に「ナビゲーション画面」という。)の初期画像を表示させる。また、認識記入欄が「いいえ」選択欄404である場合には、誘導制御部242は、告知書画像に設けられた病名記入欄615と、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620との画像上に「×」印の記入不要マーク609を表示させる。なお、ナビゲーション画面とは、電子ペン1による選択指示欄406〜409の記入に従って病名のカテゴリ及びそのカテゴリに属する病名が選択可能に表示される画面であり、病名選択入力処理において用いられる。
【0114】
一方、認識記入欄が「はい」選択欄403または「いいえ」選択欄404の何れかである場合に、既に反対の選択欄が記入済みであると判断すると、誘導制御部242は、記入済みの記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対する選択表示、お知らせ画像の表示及びナビゲーション画面の表示を解除するとともに、該当するストローク情報を記憶手段25から削除または無効化するとともに、認識記入欄に対応する告知書画像上の「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614に対して選択表示608を行う。なお、誘導制御部242は、既に「はい」選択欄403もしくは「いいえ」選択欄404の座標範囲に含まれる座標情報を含む記入情報(ストローク情報)が記憶されているか、又は、「はい」選択欄403もしくは「いいえ」選択欄404が選択表示されているかに基づいて、反対の選択欄への記入があるか否かを判断することができる。
【0115】
また、誘導制御部242は、診察等履歴の有無に関する選択処理が実行された後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき記入欄に対する告知書画像上の記入欄にハイライト表示605を行う。
【0116】
なお、図13に示すアプリケーション画面6は、告知書画像表示領域601の「はい」選択欄613に選択表示608Aが実行されている場合であって、病名記入欄615と、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620に対するハイライト表示605Dが実行されている例である。また、このとき、図13に示すように、お知らせ画像表示領域602Cには、「はい」選択欄403が選択されたことを示すお知らせ画像が表示されているとともに、選択入力表示領域603にはナビゲーション画面が表示されている。
【0117】
また、図14に示すアプリケーション画面6は、告知書画像表示領域601の「いいえ」選択欄614に選択表示608Bが実行されている場合であって、病名記入欄615と、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620に対して「×」印の記入不要マーク609が表示されているとともに、第2署名記入欄621に対するハイライト表示605Eが実行されている例である。また、このとき、図14に示すように、お知らせ画像表示領域602Dには、「いいえ」選択欄404が選択されたことを示すお知らせ画像が表示され、病名の手書き記入または選択入力が不要である旨を示すテキストが含まれたお知らせ画像が表示されている。
【0118】
(病名手書き入力処理)
次に、図15を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される病名手書き入力処理について説明する。なお、図15は、病名手書き入力処理が実行された際のアプリケーション画面6の一例である。
【0119】
誘導制御部242は、誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従って電子ペン1による告知書4への記入が実行されている場合であって、認識記入欄が病名記入欄405である場合には、該当する記入情報(ストローク情報)を病名情報として記憶手段25に記憶する。すなわち、注意事項の確認映像が再生済みであることを示すフラグ情報と第1署名時刻情報とが記憶手段25に記憶されていて、「はい」選択欄613が選択表示されている場合であって、受信した記入情報の認識記入欄が病名記入欄405である場合には、誘導制御部242は、該当する記入情報(ストローク情報)を病名情報として記憶手段25に記憶する。なお、通常、複数のストロークによって病名記入欄405に病名が記入されるので、誘導制御部242は、複数のストローク情報を病名情報として記憶手段25に記憶する。
【0120】
なお、誘導制御部242は、病名手書き入力処理が実行された後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき記入欄である第2署名記入欄411に対応する告知書画像上の記入欄、すなわち、第2署名記入欄621に対してハイライト表示605を行う。また、図15に示すアプリケーション画面6は、告知書4の病名記入欄405に病名が手書き入力された場合であって、第2署名記入欄621がハイライト表示605Eが実行されている例である。なお、病名記入欄405に記入を始めると直ぐに第2署名記入欄621がハイライト表示されるが、ユーザは、病名を最後まで記入後、第2署名記入欄411に第2署名を記入すればよい。
【0121】
(病名選択入力処理)
次に、図16〜図19の各図を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される病名選択入力処理について説明する。なお、図16は、病名選択入力処理に用いる病気のカテゴリ(区分)と各カテゴリに属する病名の階層構造を示すデータ例であり、図17及び図18は、病名選択入力処理が実行された際のアプリケーション画面6であって、選択指示欄406〜409に電子ペン1によるストローク記入された場合の一例である。図19は、病名選択入力処理が実行された際のアプリケーション画面6であって、病名が確定された場合の一例である。
【0122】
誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従ってユーザによる告知書4への記入が実行されている場合であって、受信した記入情報の認識記入欄が選択指示欄406〜409の何れかである場合には、誘導制御部242は、該当する選択指示欄406〜409に基づいて、病気のカテゴリの選択または各カテゴリに属する病名の選択を行う。すなわち、注意事項の確認映像が再生済みであることを示すフラグ情報と第1署名時刻情報とが記憶手段25に記憶されていて、さらに、「はい」選択欄613が選択表示されている場合であって、認識記入欄が選択指示欄406〜409の何れかであると判別された場合には、誘導制御部242は、該当する選択指示欄406〜409に基づいて、病気のカテゴリの選択または各カテゴリの病名の選択を行う。
【0123】
誘導制御部242は、図16に示すように、記憶手段25に予め記憶された「心臓・血圧」または「脳・精神・神経」など病気のカテゴリと各カテゴリ毎に対応付けられた複数の病名の情報とを有する階層構造の病名選択用データと選択入力表示領域603に表示されるナビゲーション画面とを連動させる。そして、誘導制御部242は、認識記入欄が左方向選択指示欄407ないし右方向選択指示欄408と判断された場合には、カテゴリを遷移させ、認識記入欄が上方向選択指示欄406ないし下方向選択指示欄409と判断された場合には、選択されたカテゴリに属する病名の一覧をスクロール(またはカーソルや太文字などの強調表示を移動)させて一の病名を選択する。
【0124】
具体的には、認識記入欄が左方向選択指示欄407の場合には、誘導制御部242は、カテゴリの選択において表示されているカテゴリから一つ左のカテゴリに切り換えてナビゲーション画面上に表示させる。そして、誘導制御部242は、切り換えられたカテゴリとともに当該カテゴリに属する病名の一覧も遷移させてナビゲーション画面上に表示させる。また、認識記入欄が右方向選択指示欄408の場合には、誘導制御部242は、カテゴリの選択において表示されているカテゴリから一つ右のカテゴリに遷移させてナビゲーション画面上に表示させる。そして、誘導制御部242は、切り換えられたカテゴリとともに当該カテゴリに属する病名の一覧も遷移させてナビゲーション画面上に表示させる。一方、認識記入欄が上方向選択指示欄406の場合には、誘導制御部242は、選択されたカテゴリの病名の一覧の一部としてナビゲーション画面上に表示している病名の一覧を一つ上の病名から表示されるようにスクロールさせる(またはカーソルや太文字などの強調表示を一つ上の病名に移動)させる。また、認識記入欄が下方向選択指示欄409の場合には、誘導制御部242は、選択されたカテゴリの病名の一覧の一部としてナビゲーション画面上に表示している病名の一覧を一つ下の病名まで表示されるようにスクロール(またはカーソルや太文字などの強調表示を一つ下の病名に移動)させる。
【0125】
なお、図17に示すアプリケーション画面6は、告知書4の右方向選択指示欄408に電子ペン1による記入が行われている場合であって、選択入力表示領域603のナビゲーション画面で、この記入によりカテゴリ「脳・精神・神経」(603A)が選択されている例である。また、図18に示すアプリケーション画面6は、図17の処理の後に、告知書4の下方向選択指示欄409に電子ペン1による記入が行われている場合であって、選択入力表示領域603のナビゲーション画面に、カテゴリ「脳・精神・神経」における病名「自律神経失調症」(603B)が選択されている例である。
【0126】
一方、誘導制御部242は、病名選択入力処理中に、受信した記入情報の認識記入欄が選択決定欄410である場合には、選択された病名、すなわち、選択入力表示領域603に表示されている病名(カーソル内に表示または太文字などによって強調表示されている病名)を病名情報として確定し、当該確定した病名情報を記憶手段25に記憶するとともに、選択入力表示領域603に表示されている当該病名の選択表示欄に対して選択表示608を行う。なお、誘導制御部242は、病名が確定した後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき記入欄、すなわち、第2署名記入欄621に対してハイライト表示605を行う。
【0127】
なお、図19に示すアプリケーション画面6は、告知書4の選択決定欄410に電子ペン1による記入が行われている場合であって、選択入力表示領域603に選択されている病名「自律神経失調症」が選択表示608Cされている例である。このとき、図19に示すように、お知らせ画像表示領域602Eには、病名が決定されたことを示すお知らせ画像が表示されるとともに、第2署名記入欄621がハイライト表示605Eされる。
【0128】
(第2署名記入処理)
次に、図20を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される第2署名記入処理について説明する。なお、図20は、第2署名記入処理が実行された際のアプリケーション画面6の一例である。
【0129】
誘導制御部242は、誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従って電子ペン1による告知書4への記入が実行されている場合であって、認識記入欄が第2署名記入欄411である場合には、当該記入情報に含まれる時刻情報を、第2署名記入開始時刻及び第2署名記入終了時刻(以下、単にまとめて「第2署名時刻情報」ともいう。)として、記憶手段25に記憶する。すなわち、注意事項の確認映像が再生済みであることを示すフラグ情報と、第1署名時刻情報とが記憶手段25に記憶されていて、さらに、「はい」選択欄613が選択表示されていて及び病名情報が記憶手段25に記憶されているか、もしくは、「いいえ」選択欄614が選択表示されているかの何れか一方である場合であって、受信した記入情報の認識記入欄が第2署名記入欄411である場合には、誘導制御部242は、当該記入情報に含まれる時刻情報を第2署名時刻情報として記憶手段25に記憶する。
【0130】
このとき、誘導制御部242は、第2署名記入開始時刻が既に記憶手段25に記憶されている場合、第2署名記入開始時刻は更新せずに、第1署名記入終了時刻のみ記憶手段25に更新記憶する。これにより、第2署名の記入が終了すると、必然的に第2署名記入欄411に記入された最初のストロークにおけるペンダウン時の時刻情報が第2署名記入開始時刻として、最後のストロークにおけるペンアップ時の時刻情報が第2署名終了時刻として、それぞれ記憶手段25に記憶される。
【0131】
なお、誘導制御部242は、第2署名記入処理が実行された後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき記入欄である申込受付欄412に対応する告知書画像上の記入欄、すなわち、申込受付欄622に対してハイライト表示605Fを行う。また、図20に示すアプリケーション画面6は、告知書4の第2署名記入欄411に電子ペン1による記入が行われている場合であって、申込受付欄622に対してハイライト表示605Fが実行されている例である。
【0132】
(署名整合判定処理)
次に、図21及び図22の各図を用いて誘導制御部243において誘導制御処理の一処理として実行される署名整合判定処理について説明する。なお、図21及び図22は、署名整合判定処理が実行された際のアプリケーション画面6であって、図21は、第2署名が第1署名と整合性を有することにより申込受付が完了した場合の一例であり、図22は、第2署名が第1署名と不整合となり、第2署名の再入力を促す場合の一例である。
【0133】
誘導制御部242は、誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従って電子ペン1による告知書4への記入が実行されている場合であって、受信した記入情報の認識記入欄が申込受付欄412である場合には、記憶手段25に記憶された第1署名時刻情報及び第2署名時刻情報に基づいて署名整合判定処理を行う。すなわち、注意事項の確認映像が再生済みであることを示すフラグ情報と、第1署名時刻情報とが記憶手段25に記憶されていて、さらに、「はい」選択欄613が選択表示されていて及び病名情報が記憶手段25に記憶されているか、もしくは、「いいえ」選択欄614が選択表示されているかの何れか一方であって、第2署名時刻情報が記憶手段25に記憶されている場合であって、認識記入欄が申込受付欄412である場合には、誘導制御部242は、署名整合判定処理を行う。
【0134】
署名整合判定処理としては、誘導制御部242は、第1署名時刻情報における第1署名記入開始時刻から第1署名記入終了時刻までの経過時間を演算し、当該経過時間を第1署名記入時間として記憶手段25に記憶する。また、誘導制御部242は、第2署名時刻情報における第2署名記入開始時刻から第2署名記入終了時刻までの経過時間を演算し、当該経過時間を第2署名記入時間として記憶手段25に記憶する。そして、誘導制御部242は、第1署名記入時間と第2署名記入時間とを比較してその差分が予め定められた閾値以下であるか否かを判断し、ユーザの申込を受け付けるか否かを決定する。
【0135】
通常、ユーザが自己の署名を何度記載したとしても、ほぼ同一の時間長によって署名することができるので、第1署名と第2署名の記入時間を比較すれば、当該第1署名と第2署名の同一性をも判断することができる。したがって、誘導制御部243は、第1署名記入時間と第2署名記入時間の差分が閾値以下の場合には、ユーザの申込を受け付け、所定のデータを受付データとして所定の受付番号(ID番号)を付して記憶手段25に記憶し、その旨をユーザに通知する。
【0136】
受付データには、注意事項の確認映像欄401へのストローク情報、第1署名のストローク情報、「はい」選択欄403もしくは「いいえ」選択欄404へのストローク情報、病名情報(病名記入欄405へのストローク情報もしくは選択入力により確定した病名情報)、第2署名のストローク情報、並びに、申込受付欄412へのストローク情報が含まれる。
【0137】
なお、図21に申込受付の完了時のアプリケーション画面6及び当該申込受付の完了の旨を示すポップアップ画面8の例を示す。ポップアップ画面8は、図21に示すように、アプリケーション画面6の前面に表示されるとともに、診察等履歴の有無、診察等履歴がある場合はその病名、第1署名及び第2署名のストロークを表示する。そして、ユーザのコンピュータ装置2への所定の入力指示(OKボタンのクリック)後は、アプリケーションプログラムを終了させる。なお、図21では、病名選択入力により確定された病名情報に基づく病名が表示されているが、病名情報として病名手書き入力によるストローク情報が記憶手段25に記憶されている場合には、当該ストローク情報に基づくストロークの画像が病名として表示される。
【0138】
一方、誘導制御部242は、第1署名記入時間と第2署名記入時間の差分が閾値より大きい場合には、第2署名が第1署名と異なると判断してユーザの申込を拒否し、署名不一致の告知画像の表示及び警告音の出力などの警告処理を行うとともに、再入力を促す画像を表示する。このとき、誘導制御部242は、記憶手段25に記憶されている第2署名時刻情報、第2署名記入欄411に記入されたストローク情報及び申込受付欄412に記入されたストローク情報を削除または当無効化する。なお、このとき、誘導制御部242は、送信手段27を介してサーバ装置3の図示しないデータベースに既に蓄積されている該当するペンIDのストローク情報を削除または無効化する制御を行う。
【0139】
なお、図22に第2署名の再記入を促すときのアプリケーション画面6及びポップアップ画面7の例を示す。ポップアップ画面7は、図22に示すように、アプリケーション画面6の前面に表示される。そして、ユーザのコンピュータ装置2への所定の入力指示(OKボタンのクリック)後は、第2署名時刻情報及び第2署名記入時間、第2署名に記入されたストローク情報及び申込受付欄412に記入されたストローク情報を削除または無効化し、第2署名記入欄621のハイライト表示605を実行する。
【0140】
[誘導制御処理を含むデータ入力処理]
次に、図23を用いてデータ入力システム10における誘導制御処理を含むデータ入力処理の動作について説明する。なお、図23は、データ入力システム10における誘導制御処理を含むデータ入力処理の動作を示すフローチャートである。また、本動作は、コンピュータ装置2を基準として説明する。
【0141】
まず、コンピュータ装置2においては、入力手段21を介して入力されたユーザの操作指示に基づいてアプリケーションプログラムを起動させると(ステップS201)、誘導制御部242は、告知書画像表示領域601に表示された告知書画像の注意事項の表示指示欄611に対してハイライト表示605を行う(ステップS202)(参照図9、605A)。
【0142】
そして、ユーザが電子ペン1によって告知書4上に一のストロークを記入すると、電子ペン1は、この記入されたストロークの各記入情報をコンピュータ装置2に順次送信する(ステップS101)。具体的には、電子ペン1は、圧力センサ107によって検出した筆圧に基づいてペンダウンが検知されてユーザによるストロークの記入開始を認識すると、LED105及びCMOSカメラ106をオンにし、圧力センサ107によってペンアップが検出されてユーザによるストロークの終了を認識するまで、所定の時間間隔毎に告知書4のドットパターンを撮影し、当該撮影された画像毎に、ペンID、時刻情報及びX、Y座標データ等を含む記入情報を生成して順次コンピュータ装置2に送信する。
【0143】
一方、コンピュータ装置2においては、電子ペン1より各記入情報(ストローク情報)が順次送信されると、電子ペン1から送信された記入情報の受信を開始する。なお、コンピュータ装置2は、記入情報を受信する毎に以下の動作を繰り返す。具体的には、ストローク描画処理部241は、受信手段22を介して受信した記入情報をペンID毎に記憶手段25に記憶させる(ステップS203)。
【0144】
次いで、ストローク描画処理部241は、記憶手段25に記憶された座標定義情報を参照して、受信した記入情報のX、Y座標データの座標が告知書4上のどの記入欄に属しているか又どの位置に当たるかを認識し、一のストロークの部分ストロークとして描画して告知書画像表示領域601の告知書画像上の対応する位置に重畳表示する(ステップS204)。
【0145】
次いで、送信手段27は、受信した記入情報をサーバ装置3に送信する(ステップS205)。このとき、サーバ装置3は、受信した記入情報をペンID毎に所定のデータベースに蓄積する(ステップS301)。
【0146】
次いで、コンピュータ装置2においては、誘導制御部242は、受信した記入情報及び各種処理によって生成した各種データに基づいて誘導制御処理を実行する(ステップS206)。
【0147】
[誘導制御処理]
次に、図24〜図27の各図を用いてデータ入力システム10において、告知書4へのユーザの記入を誘導する誘導制御処理の動作について説明する。なお、図24〜図27は、誘導制御処理を示すフローチャートである。
【0148】
はじめに、図24を用いて図23におけるステップS206で実行される誘導制御処理について説明する。
【0149】
まず、誘導制御部242は、電子ペン1による告知書4への記入が注意事項の表示指示欄401への記入であるか否かを判別する、すなわち、ステップS204でストローク描画処理部241が認識した、受信した記入情報の属するユーザエリアに対応する記入欄(「認識記入欄」)が、注意事項の表示指示欄401であるか否かを判別する(ステップS401)。
【0150】
認識記入欄が注意事項の表示指示欄401であると判別した場合には(ステップS401:Yes)、誘導制御部242は、お知らせ画像表示領域602に注意事項の確認映像を再生して表示する(ステップS402)(図12、602Aを参照)。そして、誘導制御部242は、「確認映像の再生完了」を示すフラグ情報(以下、「確認映像の再生完了フラグ」ともいう。)を記憶手段25に記憶する(ステップS403)。
【0151】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行してアプリケーション画面6における告知書画像表示領域601に対してハイライト表示605を行い(ステップS404)、本動作を終了させる。なお、ハイライト更新処理の動作の詳細については後述する。
【0152】
一方、ステップS401の処理において、認識記入欄が注意事項の表示指示欄401ではないと判別した場合には(ステップS401:No)、誘導制御部242は、注意事項の確認映像が再生完了しているか否かを判断する(ステップS411)。具体的には、誘導制御部242は、「確認映像の再生完了」を示すフラグ情報が記憶手段25に記憶されているか否かを判断する。
【0153】
そして、誘導制御部242は、注意事項の確認映像が再生完了していないと判別した場合には(ステップS411:No)、注意事項を確認するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS421)、本動作を終了する。なお、この注意事項の確認警告として、誘導制御部242は、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄、例えば図10に示すように、第1署名記入欄612に対して警告表示606Aの実行及び警告用表示マーク607Bの表示を行ったり、警告映像602Bをお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602に表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS421)。
【0154】
一方、判別処理部242は、ステップS411の処理において、注意事項の確認映像が再生完了していると判別した場合には(ステップS411:Yes)、電子ペン1による告知書4への記入が第1署名記入欄402への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が第1署名記入欄402であるか否かを判別する(ステップS412)。
【0155】
このとき、誘導制御部242は、認識記入欄が第1署名記入欄402であると判別した場合には(ステップS412:Yes)、ステップS413の処理に移行し、認識記入欄が第1署名記入欄402への記入でないと判別した場合には(ステップS412:No)、ステップS431の処理に移行する。
【0156】
誘導制御部242は、認識記入欄が第1署名記入欄402であると判別した場合には(ステップS412:Yes)、第1署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されているか否かを判断する(ステップ413)。誘導制御部242は、第1署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されていないと判断した場合には(ステップS413:No)、受信した記入情報に含まれる時刻情報を第1署名記入開始時刻として記憶手段25に記憶する(ステップS414)。さらに、誘導制御部242は、受信した記入情報に含まれる時刻情報を第1署名記入終了時刻として記憶手段25に記憶して(ステップS415)、本動作を終了させる。
【0157】
一方、誘導制御部242は、ステップS413の処理において、第1署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されていると判断した場合には(ステップS413:Yes)、受信した記入情報の時刻情報を第1署名記入終了時刻として記憶手段25に更新記憶する(ステップS416)。
【0158】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行してアプリケーション画面6における告知書画像表示領域601に対してハイライト表示605を行い(ステップS417)、本動作を終了させる。
【0159】
また、誘導制御部242は、ステップS412の処理において、認識記入欄が第1署名記入欄402への記入でないと判別した場合には(ステップS412:No)、第1署名時刻情報(第1署名記入開始時刻及び第1署名記入終了時刻)が記憶手段25に記憶されているか否かを判断する、すなわち、第1署名記入欄402に記入されているか否かを判断する(ステップS431)。誘導制御部242は、第1署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていると判断した場合には(ステップS431:Yes)、図25のステップS601の処理に移行する。一方、第1署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていないと判断した場合には(ステップS431:No)、誘導制御部242は、第1署名を記入するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS432)、本動作を終了する。なお、この第1署名記入警告として、誘導制御部242は、上述の注意事項の確認警告と同様に、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対して警告表示606の実行及び警告用表示マーク607の表示を行ったり、警告映像をお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602に表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS432)。
【0160】
次に、図25を用いて、図24のステップS431において第1署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていると判断された後の誘導制御処理について説明する。
【0161】
まず、誘導制御部242は、電子ペン1による告知書4への記入が「はい」選択欄403への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が「はい」選択欄403であるか否かを判別する(ステップS601)。誘導制御部242は、認識記入欄が「はい」選択欄403であると判別した場合には(ステップS601:Yes)、ステップS602の処理に移行し、認識記入欄が「はい」選択欄403でないと判別した場合には(ステップS601:No)、ステップS611の処理に移行する。
【0162】
誘導制御部242は、ステップS601の処理において、認識記入欄が「はい」選択欄403であると判別した場合には(ステップS601:Yes)、アプリケーション画面6における告知書画像上の「いいえ」選択欄614を選択表示している状態か否かを判断する(ステップS602)。誘導制御部242は、「いいえ」選択欄614を選択表示していないと判断した場合には(ステップS602:No)、ステップS605の処理に移行する。
【0163】
一方、誘導制御部242は、「いいえ」選択欄614を選択表示していると判断した場合には、「いいえ」選択欄614の選択表示を解除するとともに(ステップS603)、病名記入欄615、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620上に形成された「×」印の記入不要マーク609の表示を解除する(ステップS604)。
【0164】
次いで、誘導制御部242は、「はい」選択欄613に対して選択表示608Aを行うとともに(参照図13)、選択音をスピーカ28から出力する(ステップS605)。なお、選択音は、選択された記入欄ごとに異なる音声情報としても、同じ音声情報としてもよい。
【0165】
次いで、誘導制御部242は、アプリケーション画面6における選択入力表示領域603にナビゲーション画面の初期画像を表示させる(ステップS606)(参照図13)。このとき、誘導制御部242は、お知らせ画像表示領域602に病名を記入または選択するよう促すお知らせ画像602Cを表示させる。
【0166】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行してアプリケーション画面6における告知書画像表示領域601の所定の記入欄、すなわち、病名記入欄615、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620に対してハイライト表示605Dを行い(ステップS607)(参照図13)、本動作を終了させる。
【0167】
一方、誘導制御部242は、ステップS601の処理において、認識記入欄が「はい」選択欄403でないと判別した場合には(ステップS601:No)、電子ペン1による告知書4への記入が「いいえ」選択欄404への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が「いいえ」選択欄404であるか否かを判別する(ステップS611)。誘導制御部242は、認識記入欄が「いいえ」選択欄404であると判別した場合には(ステップS611:Yes)、ステップS612の処理に移行し、認識記入欄が「いいえ」選択欄404でないと判別した場合には(ステップS611:No)、ステップS621の処理に移行する。
【0168】
誘導制御部242は、ステップS611の処理において、認識記入欄が「いいえ」選択欄404であると判別した場合には(ステップS611:Yes)、アプリケーション画面6における告知書画像上の「はい」選択欄613を選択表示している状態か否かを判断する(ステップS612)。誘導制御部242は、「はい」選択欄613を選択表示していないと判断した場合には(ステップS612:No)、ステップS615の処理に移行する。
【0169】
一方、誘導制御部242は、「はい」選択欄613を選択表示していると判断した場合には、「はい」選択欄613の選択表示を解除するとともに(ステップS613)、選択入力表示領域603におけるナビゲーション画面の表示を解除する(ステップS614)。
【0170】
次いで、誘導制御部242は、「いいえ」選択欄614に対して選択表示608Bを行うとともに(参照図14)、選択音をコンピュータ装置2のスピーカ28から出力する(ステップS615)。
【0171】
次いで、誘導制御部242は、病名記入欄615、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620上に「×」印の記入不要マーク609を表示させる(ステップS616)(参照図14)。このとき、誘導制御部242は、病名の記入や選択が不要なことを伝えるお知らせ画像602Dを表示させる。
【0172】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行して告知書画像表示領域601の所定の記入欄、すなわち、第2署名記入欄621に対してハイライト表示605Eを行い(ステップS617)(参照図14)、本動作を終了させる。
【0173】
他方、誘導制御部242は、ステップS611の処理において、認識記入欄が「いいえ」選択欄404でないと判別された場合には(ステップS611:No)、「はい」選択欄613又は「いいえ」選択欄614が選択表示されているか否かを判断する(ステップS621)。このとき、誘導制御部242は、「はい」選択欄613又は「いいえ」選択欄614が選択表示されていると判断した場合には(ステップS621:Yes)、図26のステップS701の処理に移行する。一方、「はい」選択欄613及び「いいえ」選択欄614がどちらも選択表示されていないと判断した場合には(ステップS621:No)、誘導制御部242は、「はい」又は「いいえ」を選択するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS622)、本動作を終了する。「はい」「いいえ」選択警告として、誘導制御部242は、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対して警告表示606の実行、及び警告用表示マーク607の表示を行ったり、警告映像をお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602に表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS622)。
【0174】
次に、図26を用いて、図25のステップS621において「はい」選択欄613又は「いいえ」選択欄614が選択されていると判断した後の誘導制御処理について説明する。
【0175】
まず、誘導制御部242は、電子ペン1による告知書4への記入が病名記入欄405への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が、病名記入欄405であるか否かを判別する(ステップS701)。
【0176】
認識記入欄が病名記入欄405への記入であると判別した場合に(ステップS701:Yes)、誘導制御部242は、受信した記入情報を病名情報として記憶手段25に記憶する(ステップS702)。このとき、誘導制御部242は、以前に受信した記入情報の中で、ステップS702の処理によって記憶された記入情報がある場合には、その記入情報とともに今回受信した記入情報を記憶手段25に記憶する。
【0177】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行してアプリケーション画面6における告知書画像表示領域601に対してハイライト表示605Eを行い(ステップS703)(参照図15)、本動作を終了させる。
【0178】
一方、判別処理部242は、ステップS701の処理において、認識記入欄が病名記入欄405への記入でないと判別した場合には(ステップS701:No)、電子ペン1による告知書4への記入が選択指示欄406〜409の何れかへの記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が選択指示欄406〜409の何れかであるか否かを判別する(ステップS711)。
【0179】
このとき、誘導制御部242は、認識記入欄が選択指示欄406〜409の何れかへの記入であると判別した場合には(ステップS711:Yes)、病名選択入力処理を実行する(ステップS712)(参照図17、図18)。具体的には、誘導制御部242は、該当する選択指示欄406〜409の何れかに基づいて、病気のカテゴリの選択または各カテゴリの病名の選択を行う。すなわち、誘導制御部242は、認識記入欄が左方向選択指示欄407と判断された場合には、表示されているカテゴリから一つ左のカテゴリに切り換えてナビゲーション画面上に表示させる。また、誘導制御部242は、当該認識記入欄が右方向選択指示欄408と判断された場合には、表示されているカテゴリから一つ右のカテゴリに切り換えてナビゲーション画面上に表示させる。なお、誘導制御部242は、切り換えられたカテゴリとともに当該カテゴリに属する病名の一覧も遷移させてナビゲーション画面上に表示させる。そして、誘導制御部242は、当該認識記入欄が上方向選択指示欄406と判断された場合には、選択されたカテゴリの病名の一覧に対してナビゲーション画面上のカーソル(または太文字などの強調表示)を一つ上の病名に移動させる。また、誘導制御部242は、当該認識記入欄が下方向選択指示欄409と判断された場合には、誘導制御部242は、選択されたカテゴリの病名の一覧に対してナビゲーション画面上のカーソル(または太文字などの強調表示)を一つ下の病名に移動させる。
【0180】
他方、誘導制御部242は、ステップS711の処理において、認識記入欄が選択指示欄406〜409でないと判別した場合には(ステップS711:No)、電子ペン1による告知書4への記入が選択決定欄410への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が選択決定欄410の何れかであるか否かを判別する(ステップS721)。
【0181】
このとき、誘導制御部242は、認識記入欄が選択決定欄410であると判別した場合には(ステップS721:Yes)、ステップS722の処理に移行し、認識記入欄が選択決定欄410への記入でないと判別した場合には(ステップS721:No)、ステップS731の処理に移行する。
【0182】
誘導制御部242は、認識記入欄が選択決定欄410であると判別した場合には(ステップS721:Yes)、選択入力表示領域603に病名が選択されている状態か否かを判断する(ステップS722)。具体的には、誘導制御部242は、ナビゲーション画面上のカーソル内に病名が選択表示されているか(または太文字などによって強調表示されているか)否かを判断する。そして、誘導制御部242は、選択入力表示領域603に病名が選択表示されていないと判別した場合には(ステップS722:No)、病名を選択するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS723)、本動作を終了する。この病名選択警告として、誘導制御部242は、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対して警告表示606の実行、及び警告用表示マーク607の表示を行ったり、お知らせ画像表示領域602に警告映像をお知らせ画像として表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS723)。
【0183】
一方、誘導制御部242は、ステップS722の処理において、選択入力表示領域603に病名が選択表示されていると判断した場合には(ステップS722:Yes)、選択入力表示領域603のナビゲーション画面で選択されている病名(カーソルによって選択または太文字などによって強調表示されている病名)を病名情報として確定し、当該確定した病名情報を記憶手段25に記憶するとともに、選択入力表示領域603に表示されている当該病名の選択表示欄に対して選択表示608Cを行う(ステップS724)(参照図19)。
【0184】
次いで、誘導制御部242は、お知らせ画像表示領域に、決定した病名の確認及び第2署名記入欄412への署名を誘導するためのお知らせ画像602Eを表示させる署名誘導表示を行う(ステップS725)(参照図19)。
【0185】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行して告知書画像表示領域601の所定の領域、すなわち、第2署名記入欄621に対してハイライト表示605Eを行い(ステップS726(図19を参照))、本動作を終了させる。
【0186】
また、誘導制御部242は、ステップS721の処理において、認識記入欄が選択決定欄410でないと判別した場合には、病名記入欄405が記入済みであるか、または、病名選択入力処理によって病名が確定しているかを、記憶手段25に病名情報が記憶されているか否かによって判断する(ステップS731)。このとき、誘導制御部242は、病名記入欄405が記入済み、または、病名が確定していると判断した場合には(ステップS731:Yes)、図27のステップS801の処理に移行する。一方、誘導制御部242は、病名記入欄405が記入済みでもなく、病名が確定してもいないと判断した場合には(ステップS731:No)、アプリケーション画面6における告知書画像上の「いいえ」選択欄614を選択表示している状態か否かを判断する(ステップS732)。誘導制御部242は、「いいえ」選択欄614を選択表示していると判断した場合には(ステップS732:Yes)、図27のステップS801の処理に移行する。一方、誘導制御部242は、「いいえ」選択欄614を選択表示していないと判断した場合には(ステップS732:No)、病名を記入するか病名選択を決定するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS733)、本動作を終了する。病名記入/決定警告として、誘導制御部242は、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄(例えば、第2署名記入欄621)に対して警告表示606Bの実行、及び警告用表示マーク607Bの表示を行ったり、お知らせ画像表示領域602に警告映像をお知らせ画像として表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS733)(参照図11)。
【0187】
次に、図27を用いて、図26のステップS731において病名記入欄405が記入済み、若しくは、病名が確定していると判断した後、又は、ステップS732において「いいえ」選択欄614を選択表示していると判断した後の誘導制御処理について説明する。
【0188】
まず、判別処理部242は、受信したストローク情報に基づいて、電子ペン1による告知書4への記入が第2署名記入欄411への記入であるか否かを判別する、すなわち、選択記入欄が第2署名記入欄411であるか否かを判別する(ステップS801)。このとき、判別処理部242は、認識記入欄が第2署名記入欄411であると判別した場合には(ステップS801:Yes)、ステップS802の処理に移行し、認識記入欄が第2署名記入欄411でないと判別した場合には(ステップS801:No)、ステップS811の処理に移行する。
【0189】
認識記入欄が第2署名記入欄411であると判別した場合には(ステップS801:Yes)、誘導制御部243は、第2署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されているか否かを判断する(ステップ802)。誘導制御部243は、第2署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されていないと判断した場合には(ステップS802:No)、受信した記入情報に含まれる時刻情報を第2署名記入開始時刻として記憶手段25に記憶する(ステップS803)。さらに、誘導制御部424は、受信した記入情報に含まれる時刻情報を第2署名記入終了時刻として記憶手段25に記憶し(ステップS804)、本動作を終了させる。
【0190】
一方、誘導制御部242は、ステップS802の処理において、第2署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されていると判断した場合には(ステップS802:Yes)、受信した記入情報の時刻情報を第2署名記入終了時刻として記憶手段25に更新記憶する(ステップS805)。
【0191】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行して告知書画像表示領域601の所定の記入欄、すなわち、申込受付欄622に対してハイライト表示605Fを行い(ステップS806)(参照図20)、本動作を終了させる。
【0192】
また、誘導制御部242は、ステップS801の処理において、電子ペン1による告知書4への記入が第2署名記入欄411への記入でないと判別した場合には(ステップS801:No)、第2署名時刻情報(第2署名記入開始時刻及び第2署名記入終了時刻)が記憶手段25に記憶されているか否かを判断する、すなわち、第2署名記入欄411が記入済みであるか否かを判断する(ステップS811)。誘導制御部242は、第2署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていると判別した場合には(ステップS811:Yes)、ステップS821の処理に移行する。一方、第2署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていないと判断した場合には(ステップS811:No)、誘導制御部242は、第2署名を記入するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS812)、本動作を終了する。この第2署名記入警告として、誘導制御部242は、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対して警告表示606の実行、及び警告用表示マーク607の表示を行ったり、警告映像をお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602に表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS812)。
【0193】
他方、誘導制御部242は、ステップS811の処理において、第2署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていると判断した場合には(ステップS811:Yes)、電子ペン1による告知書4への記入が申込受付欄412への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が申込受付欄412であるか否かを判別する(ステップS821)。このとき、判別処理部242は、認識記入欄が申込受付欄412でないと判別した場合には(ステップS821:No)、本動作を終了させる。
【0194】
一方、誘導制御部243は、ステップS821の処理において、選択記入欄が申込受付欄412であると判別した場合には(ステップS821:Yes)、署名整合判定処理を実行する(ステップS822)。なお、署名整合判定処理の動作の詳細については後述する。
【0195】
次いで、誘導制御部243は、アプリケーション画面6における告知書画像表示領域601の所定の記入欄に対してハイライト表示605をするためのハイライト更新処理を実行して(ステップS823)、本動作を終了させる。なお、ハイライト更新処理の動作の詳細については後述する。
【0196】
[ハイライト更新処理]
次に、図28を用いてデータ入力システム10における誘導制御処理において実行されるハイライト更新処理の動作について説明する。なお、図28は、ハイライト更新処理を示すフローチャートである。
【0197】
誘導制御処理のステップS404、ステップS417、ステップS607、ステップS617、ステップS703、ステップS726、ステップS806及びステップS823においてハイライト更新処理が開始されると、誘導制御部243は、まず、全てのハイライト表示605を解除する(ステップS501)。
【0198】
次いで、誘導制御部243は、「確認映像の再生完了」を示すフラグ情報が記憶手段25に記憶されているか否かに基づいて、注意事項の表示指示欄401が記入済みであるか否かを判断する(ステップS502)。このとき、誘導制御部243は、注意事項の表示指示欄401が記入済みでないと判断した場合には(ステップS502:No)、告知書画像表示領域601における注意事項の表示指示欄611に対してハイライト表示605Aを実行し(ステップS503)(参照図9)、本動作を終了させる。
【0199】
一方、誘導制御部243は、注意事項の表示指示欄401が記入済みであると判断した場合には(ステップS502:Yes)、記憶手段25に第1署名時刻情報が記憶されているか否かに基づいて、第1署名記入欄402が記入済みであるか否かを判断する(ステップS504)。このとき、誘導制御部243は、第1署名記入欄402が記入済みでないと判断した場合には(ステップS504:No)、告知書画像表示領域601における第1署名記入欄612に対してハイライト表示605を実行し(ステップS505)、本動作を終了させる。
一方、誘導制御部243は、第1署名記入欄402が記入済みであると判断した場合には(ステップS504:Yes)、「いいえ」選択欄404が記入済みであるか否かを判断する記入済み判定を実行する(ステップS506)。このとき、誘導制御部243は、「いいえ」選択欄404が記入済みであると判断した場合には(ステップS506:Yes)、ステップS511の処理に移行する。
【0200】
一方、誘導制御部243は、「いいえ」選択欄404が記入済みでないと判断した場合には(ステップS506:No)、「はい」選択欄403が記入済みであるか否かを判断する記入済み判定を実行する(ステップS507)。このとき、誘導制御部243は、「はい」選択欄403が記入済みでないと判断した場合には(ステップS507:No)、告知書画像表示領域601における「はい」選択欄613及び「いいえ」選択欄614に対してハイライト表示605を実行し(ステップS508)、本動作を終了させる。
他方、誘導制御部243は、「はい」選択欄403が記入済みであると判断した場合には(ステップS507:Yes)、記憶手段25に病名情報が記憶されているか否かに基づいて、病名記入欄405または選択決定欄410が記入済みであるか否かを判断する(ステップS509)。このとき、誘導制御部243は、病名記入欄405及び選択決定欄410の何れも記入済みでないと判断した場合には(ステップS509:No)、告知書画像表示領域601における病名記入欄615、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620に対してハイライト表示605Dを実行し(ステップS510(図13を参照))、本動作を終了させる。誘導制御部243は、病名記入欄405または選択決定欄410が記入済みであると判断した場合には、ステップS511の処理に移行する。
【0201】
一方、誘導制御部243は、ステップS506の処理において、「いいえ」選択欄404が記入済みであると判断した場合、及び、ステップS509の処理において、病名記入欄405または選択決定欄410が記入済みであると判断した場合には(ステップS509:Yes)、記憶手段25に第2署名時刻情報が記憶されているか否かに基づいて、第2署名記入欄411が記入済みであるか否かを判断する(ステップS511)。このとき、誘導制御部243は、第2署名記入欄411が記入済みでないと判断した場合には(ステップS511:No)、告知書画像表示領域601における第2署名記入欄621に対してハイライト表示605Eを実行し(ステップS512)(参照図14、図15及び図19)、本動作を終了させる。
一方、誘導制御部243は、第2署名記入欄411が記入済みであると判断した場合には(ステップS511:Yes)、申込受付欄412が記入済みであるか否かを判断する記入済み判定を実行する(ステップS513)。このとき、誘導制御部243は、申込受付欄412が記入済みでないと判断した場合には(ステップS513:No)、告知書画像表示領域601における申込受付欄622に対してハイライト表示605Fを実行し(ステップS514)(参照図20)、本動作を終了させる。
【0202】
[署名整合判定処理]
次に、図29を用いてデータ入力システム10における誘導制御処理において実行される署名整合判定処理の動作について説明する。なお、図29は、署名整合判定処理を示すフローチャートである。
【0203】
誘導制御処理のステップS822において署名整合判定処理が開始されると、誘導制御部243は、まず、記憶手段25に記憶された第1署名時刻情報を読み出すとともに、第1署名時刻情報における第1署名記入開始時刻から第1署名記入終了時刻までの経過時間を演算し、当該経過時間を第1署名記入時間として記憶手段25に記憶する(ステップS901)。
【0204】
次いで、誘導制御部243は、記憶手段25に記憶された第2署名時刻情報を読み出すとともに、第2署名時刻情報における第2署名記入開始時刻から第2署名記入終了時刻までの経過時間を演算し、当該経過時間を第2署名記入時間として記憶手段25に記憶する(ステップS902)。
【0205】
次いで、誘導制御部243は、第1署名記入時間と第2署名記入時間とを比較してその差分が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する(ステップS903)。このとき、誘導制御部243は、第1署名記入時間と第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値以下であると判定した場合には(ステップS903:Yes)、所定のデータを受付データとして記憶手段25に記憶するとともに(ステップS904)、申込受付の完了の旨をポップアップ画面8によってユーザに通知して(ステップS905)(図21を参照)、本動作を終了させる。なお、誘導制御部243は、ステップS904の処理において受付データを記憶手段25に記憶すると、当該受付データを送信手段27を介してサーバ装置3に送信する。
【0206】
一方、誘導制御部243は、ステップS903の処理において、第1署名記入時間と第2署名記入時間の差分が閾値より大きいと判定した場合には(ステップS903:No)、第2署名が第1署名と異なると判断して署名エラーを警告するための画面表示及び警告音の出力を実行する(ステップS906)。なお、この署名エラー警告の画面表示は、ポップアップ画面7によって実行する(図22を参照)。
【0207】
次いで、誘導制御部243は、記憶手段25に記憶された第2署名時刻情報及び第2署名記入時間を削除する(またはエラーデータとして無効化する)(ステップS907)とともに、第2署名記入欄411に記入されたストローク情報及び申込受付欄412に記入されたストローク情報を記憶手段25から削除して(ステップS908)、本動作を終了させる。なお、本動作(署名整合判定処理)が終了すると、誘導制御部243は、誘導制御処理のステップS823の処理を実行する。また、ステップS907の処理において、誘導制御部243は、送信手段27を介してサーバ装置3の図示しないデータベースに既に蓄積されている該当するペンIDのストローク情報を削除または無効化する制御を行う。
【0208】
[実施形態の作用効果]
以上のように、データ入力システム10は、電子ペン1による選択指示欄406〜409への記入によって複数の病名の中から一の病名を表示手段26に選択表示させることができるとともに、選択表示された病名を受付データとして記憶することができる。したがって、データ入力システム10は、所定の申込を行う際に、病名を個人情報として提供しなければならない場合であっても、告知書4に直接記載せずに、病名をデータとして入力させて記憶させることができるので、告知書4への記入事項をデータ化する利便性を確保しつつ、告知書4からの情報の漏洩を防止して個人情報である病名の情報を確実に保護することができる。
【0209】
また、データ入力システム10は、カテゴリ選択及び病名選択(項目選択)を実行することによって一の個人情報である病名を選択することができるので、多くの病名から一の病名を容易にサーチ可能となる。したがって、データ入力システム10は、選択入力に用いる個人情報の選択肢を多くすることができるので、ユーザが入力を所望する病名情報(個人情報)と実際に選択可能な病名情報(個人情報)とのギャップを埋め、的確な病名情報(個人情報)を取得することができる。
【0210】
また、データ入力システム10は、個人情報である病名の告知書4への記入が可能な場合には、電子ペン1によって病名記入欄405に記入をし、当該病名の告知書4への記入を希望しない場合には、電子ペン1による選択指示欄406〜409への記入によって複数の病名の中から一の病名を選択することができるので、告知書4における病名の情報漏洩からの保護を希望する場合に又は記入すべき病名を忘れてしまった場合など、病名を受付データとして取得する際にユーザの嗜好または状況に合わせて当該病名を入力させることができる。
【0211】
また、データ入力システム10は、ハイライト表示605などの誘導制御処理によって、第1署名記入欄402及び第2署名記入欄411へのユーザの署名を確実に実行させることができるので、ユーザデータとして取得した情報の信頼性を保証することができる。
【0212】
また、種々処理を含む誘導制御処理を実行することによって、告知書4へのユーザの記入を迅速にかつ確実に実行させることができるとともに、ユーザデータである取得した受付データをサーバ装置3に蓄積し、一括で受付データを管理することによって、受付データの漏洩を防止し、個人情報である病名情報を含めて受付データの保護を高度に行うことができる。
【0213】
また、データ入力システム10は、電子ペン1による第1署名記入欄402への記入が実行されたときから第2署名記入欄411への記入が実行されるときまでに告知書4に記入されたストローク情報及び病名情報などの種々の情報を受付データとすることができる。通常、第1署名と第2署名が同一のユーザであることにより、その間に記入された事項についても同一のユーザが記入したものであると推認することができる。したがって、データ入力システム10は、告知書4に所定事項を記入したユーザと第1署名及び第2署名をしたユーザの同一性を確保し、受付データの信頼度を向上させることができる。
【0214】
特に、データ入力システム10は、第1署名と第2署名の記入する際の時間長によって第1署名と2署名の同一性を容易に判断することができるので、第1署名と第2署名の同一性をも確保することができる。
【0215】
また、データ入力システム10は、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合であっても、第2署名を再入力させることができるので、同一性の判断においてシステムエラーなどの署名自体に起因しない原因が生じた場合であっても、告知書4に記入した内容を無駄にすることなく利用することができる。
【0216】
[変形例]
次に、データ入力システム10の変形例について説明する。
【0217】
変形例1は、上記実施形態において、第1署名と第2署名の記入時間に基づいて第1署名と第2署名の同一性を判断している点に代えて、または、それとともに、第1署名と第2署名のそれぞれの筆跡を解析して当該第1署名と第2署名の同一性を判断する。この場合には、処理手段24は、第1署名記入欄402及び第2署名記入欄411に記入されたストローク情報に基づいて、各ストロークの「トメ」、「ハネ」、「点」及び「形状」などの筆跡及び筆圧を解析し、第1署名と第2署名の同一性を判断する。したがって、変形例1のデータ入力システム10は、第1署名と第2署名の同一性をより確実に判断することができ、第1署名と第2署名の間に記入事項を記入したユーザの同一性を確保して申込データの信頼度を向上させることができる。
【0218】
変形例2は、上記実施形態において、第1署名と第2署名の同一性が否定された際に、第2署名の再入力を促している点に代えて、新たな告知書4への記入を促す。この場合には、誘導制御部243は、告知書4の電子ペン1による記入によって記憶手段25に記憶された種々のデータを削除して誘導制御処理を最初から実行し直す。なお、この場合には、誘導制御部242は、誘導制御処理上において記憶手段25に記憶された情報及び各ストローク情報を削除してもよいし、当該各情報を無効化してエラーデータとしてその記憶を維持してもよい。したがって、変形例2のデータ入力システム10は、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合には、告知書4への再記入をさせることができるので、第2署名の再入力だけでは対応できない場合であっても、確実に申込を行うことができるとともに、告知書4への記入が乱雑になることなく、所定事項の入力の際に用いるだけでなく記入された情報を保持するという告知書4の本来の役割も十分に発揮させることができる。
【0219】
変形例3は、上記実施形態において、電子ペン1からコンピュータ装置2へ即時的かつ逐次的に記入情報を送信する点に代えて、逐次的にストローク情報をサーバ装置3に送信する。この場合には、誘導制御部242は、第1及び第2署名記入処理において、ストローク情報に含まれるペンダウン情報PDの時刻を第1及び第2署名記入開始時刻として、ストローク情報に含まれるペンアップ情報PUの時刻を第1及び第2署名記入終了時刻として、記憶手段25に記憶する。このとき、既に第1ないし第2署名時刻情報が既に記憶手段25に記憶されている場合は、第1ないし第2署名記入開始時刻は更新せずに、第1ないし第2署名記入終了時刻のみ記憶手段25に更新記憶する。
【0220】
変形例4は、上記実施形態において、記入情報を電子ペン1から受信される毎にサーバ装置3に送信する点に代えて、各記入欄への記入が終了する毎にサーバ装置3に送信する。この場合には、誘導制御部242は、認識記入欄が新たな記入欄に属するものと判定する毎に直前の記入欄に属するストローク情報をサーバ装置3に送信するようにしてもよい。例えば、誘導制御部242は、電子ペン1の記入が第1署名記入欄402から「はい」選択欄403に切り替わった際に、第1署名記入欄402に属するストローク情報をサーバ装置3に送信する。
【0221】
変形例5は、上記実施形態の記入済み判定において、記憶手段25に同一記入欄における2以上のストローク情報が記憶されている際に(または2以上のストロークがカウントされた際に)、当該記入欄が記入済みであると判断する点に代えて、最初に記入欄にストロークが記入されたときから同一の記入欄にストロークが記入され続けて一定の時間を経過した際に、当該記入欄が記入済みであると判断する。この場合には、誘導制御部242は、各ストローク情報に含まれる時刻情報を用いるとともに、各記入欄毎に第1署名記入処理及び第2署名記入処理と同様に、記入開始時刻及び記入終了時刻を記憶手段25に記憶し、記入済み判定を行う際に、該当する記入欄の記入終了時刻から記入開始時刻を減算して当該算出された時間が一定以上の場合に、当該記入欄が記入済みであると判断する。
【0222】
変形例6は、上記の実施形態において、記入すべき記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対してハイライト表示を実行している点に代えて、電子ペン1により記入中の記入欄に対してハイライト表示する。
【0223】
変形例7は、上記の実施形態において、誘導制御処理において実行される署名整合判定処理を省略する。この場合に、図27のステップS821の処理において、受信した記入情報の認識記入欄が申込受付欄412であると判別された場合には、誘導制御部242は、ステップS822の処理を行うことなく、図29のステップS904及びステップ905の処理を実行して図27のステップ823の処理を実行する。
【0224】
変形例8は、上記の実施形態の病名選択処理において、誘導制御部242は、選択入力表示領域603に表示されたナビゲーション画面に従って、病気のカテゴリの選択または各カテゴリに属する病名情報の選択を行う際に、ナビゲーション画面に表示されているカテゴリ及び病名情報をランダムに表示させて選択処理を行うようにしてもよい。すなわち、誘導制御部242は、ステップS606の処理において、ナビゲーション画面を表示する際に、記憶手段25に予め記憶されている病名データベースから病気のカテゴリと各カテゴリに対応付けられた複数の病名情報を読み出し、各カテゴリと各カテゴリに属する病名情報の関係を維持しつつ、ランダムな表示順で選択入力表示領域603に表示する。すなわち、例えば、カテゴリが選択入力表示領域603の左側で病名情報が右側またはそれらの左右の位置が反対に表示される。そして、誘導制御部242は、選択入力表示領域603に表示されたナビゲーション画面に従って、該当する選択指示欄406〜409、選択決定欄410の記入に基づき病気のカテゴリの選択または各カテゴリに属する病名の選択を行うようにしてもよい。この場合には、電子ペン1による告知書4上のストロークの軌跡(すなわち、筆跡)からユーザが選択した病名を特定することができなくなり、ユーザのプライバシーを保護することができる。
【0225】
なお、上記実施形態のデータ入力システム10は、電子ペン1、コンピュータ装置2及びサーバ装置3を有するが、電子ペン1及びコンピュータ装置2によって形成するようにしてもよい。この場合に、サーバ装置3の機能をコンピュータ装置2で実現する。
【産業上の利用可能性】
【0226】
本発明は、生命保険などの保険の販売、スポーツ大会等の参加申込み、クレジットカード等の入会申込み等の各種個人情報が必要な申込に対して、申込書に記載された記入事項をデータ化するデータ入力システムなどで利用することができる。
【符号の説明】
【0227】
1 … 電子ペン
2 … コンピュータ装置
3 … サーバ装置
4 … 告知書
6 … アプリケーション画面
7、8 … ポップアップ画面
10 … データ入力システム
21 … 入力手段
22 … 受信手段
24 … 処理手段
25 … 記憶手段
26 … 表示手段
27 … 送信手段
101 … 筐体
102 … 開口部
103 … ペン先部
104 … ペン部
105 … LED
106 … CMOSカメラ
107 … 圧力センサ
108 … プロセッサ
109 … メモリ
110 … リアルタイムクロック
111 … 通信ユニット
112 … バッテリー
241 … ストローク描画処理部
242 … 判別処理部
243 … 誘導制御部
401、611 … 表示指示欄
402、612 … 署名記入欄
403、613 … 「はい」選択欄
404、614 … 「いいえ」選択欄
405、615 … 病名記入欄
406、616 … 上方向選択指示欄
407、617 … 左方向選択指示欄
408、618 … 右方向選択指示欄
409、619 … 下方向選択指示欄
410、620 … 選択決定欄
411、621 … 署名記入欄
412、622 … 申込受付欄
601 … 告知書画像表示領域
602 … お知らせ画像表示領域
603 … 選択入力表示領域
605 … ハイライト表示
606 … 警告表示
607 … 警告用表示マーク
608 … 選択表示
609 … 記入不要マーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用帳票を用いて個人情報を入力するデータ入力システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。このアノトペンは、所定のアルゴリズムによりパターン化された位置座標を示すドットパターンが印刷された専用紙(以下、単に「専用紙」という。)とともに使用される。
【0003】
具体的には、このアノトペンは、ペン先部に、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。また、ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いた場合に、または、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入した場合に、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンが撮像され、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが記入した文字、記号または図形などの情報(以下、「記入情報」という。)が取得されるようになっている。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
最近では、このような電子ペンを利用し、データの入力を行うものが知られており、特に、インターネットにおける電子申請(以下、「Web申請」ともいう。)について、電子ペンを利用しつつ当該電子申請に係るデータの入力を行うシステムが知られている(例えば、特許文献2)。このシステムは、位置座標を示すドットパターンが重畳的に印刷された電子ペン用帳票(契約書)に電子ペンによって記入された情報をデータ化し、このデータ化された情報をサーバで管理するようになっている。
【0005】
一方、このような電子ペンを用いたデータ入力システムにおいて、当該電子ペンを用いて所定事項を記入する際に、ユーザの所定事項の記入をアシストするものが知られている。例えば、このシステムとしては、記入漏れや記入ミスを防止するために、または、ユーザの容易な記入をサポートするために、未記入項目または訂正項目について強調表示をするシステム(例えば、特許文献3または4)、入力の対象となっている項目について強調表示するシステム(例えば、特許文献5)、及び、次に記入すべき項目を強調表示または音声ガイダンスを行うシステム(例えば、特許文献6)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特開2007−199931号公報
【特許文献3】特開2004−259009号公報
【特許文献4】特開2004−127197号公報
【特許文献5】特開2001−150759号公報
【特許文献6】特開平11−249795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載のデータ入力システムにあっては、電子ペン用帳票に所定の事項を記入するための署名領域が設けられており、当該署名領域に記入された記載内容を電子署名として用いることができるものの、電子ペン用帳票に所定の事項を記入したユーザと電子署名をしたユーザの同一性及び記入した事項の有効性を確認することについては言及がない。
【0008】
一方、特許文献3乃至6に記載のデータ入力システムにあっては、ユーザに対して正確に入力すべき項目についてサポートを行うものであり、電子ペン用帳票に所定の事項を記入したユーザと電子署名をしたユーザの同一性及び記入した事項の有効性については言及されていない。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、記入用帳票に記入された所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保しつつ、当該所定の事項の信頼度を向上させることが可能なデータ入力システム及びデータ入力プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記課題を解決するため、本発明のデータ入力システムは、電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用帳票を用いるとともに、当該記入用帳票における所定の記入欄に、前記電子ペンによってユーザが記入した事項を、所定の申し込みを行う申し込みデータとして取得するデータ入力システムであって、前記電子ペンによって前記記入用帳票への記入が実行された際に、当該電子ペンによって読み取られたコード化パターンに基づいて算出された前記記入用帳票上の座標情報を、受信する受信手段と、表示手段に表示された前記記入用帳票のフォーマットに対応するフォーマット画像上に、前記受信した座標情報を描画しつつ、当該座標情報に基づいて前記電子ペンによる記入が実行された前記記入用帳票上の記入欄を認識する描画処理手段と、前記フォーマット画像を表示する表示領域を少なくとも有するとともに前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させて、前記記入用帳票における記入に関して前記ユーザを誘導するための誘導処理を行うとともに、前記認識された記入欄である認識記入欄に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークをユーザデータとして取得する誘導制御手段とを備え、前記誘導制御手段は、前記認識記入欄が前記ユーザの署名を記入するための第1署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第1署名情報として取得し、前記認識記入欄が前記第1署名記入欄とは異なる記入欄であって前記ユーザの署名を記入するための第2署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第2署名情報として取得し、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させる構成を有している。
【0011】
通常、第1署名と第2署名が同一のユーザであることにより、その間に記入された事項についても同一のユーザが記入したものであると推認することができる。したがって、本発明のデータ入力システムは、上記構成により、認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを申し込みデータとすることによって、記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保し、申込データの信頼度を向上させることができる。特に、本発明は、個人情報などの重要性が高い情報について記入用帳票を用いることなく直接的で安易な方法によって記入用帳票における記入すべき事項のデータ化を行う場合に、記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保し、申込データの信頼度を向上させることができる。
【0012】
(2)本発明のデータ入力システムにおいては、前記誘導制御手段は、前記受信手段によって前記第1署名情報に属する座標情報とともに受信された電子ペンが前記記入用帳票に当接した際の記入開始時刻と離脱した際の記入終了時刻に基づいて、前記電子ペンによって前記第1署名記入欄への第1署名の記入に要した時間を第1署名記入時間として演算し、前記受信手段によって前記第2署名情報に属する座標情報とともに受信された電子ペンが前記記入用帳票に当接した際の記入開始時刻と離脱した際の記入終了時刻に基づいて、前記電子ペンによって前記第2署名記入欄への第2署名の記入に要した時間を第2署名記入時間として演算し、前記第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分を演算し、前記演算された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値以下である場合に、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で、前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに、取得した前記ユーザデータを申し込みデータとして確定させる構成を有していてもよい。
【0013】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、経験により自己の署名をほぼ同一の時間長によって署名するとの観点から、第1署名と第2署名の記入時間を算出して比較することによって、当該第1署名と2署名の同一性を判断することができる。したがって、本発明は、記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保することがきるとともに、第1署名と第2署名のユーザの同一性をも確保することができるので、申し込みデータの信頼度を更に向上させることができる。また、本発明のデータ入力システムは、署名の同一性を容易に判断することができるので、処理の負担増加させずに、申し込みデータの信頼度を向上させることができる。
【0014】
(3)本発明のデータ入力システムにおいては、前記誘導制御手段は、前記演算された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値より大きい場合に、前記取得した第2署名情報を削除して前記第2署名領域への再記入を誘導する構成を有していてもよい。
【0015】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合であっても、第2署名を再入力させることができるので、同一性の判断においてシステムエラーなどの署名自体に起因しない原因が生じた場合であっても、記入用帳票に記入した内容を無駄にすることなく利用することができる。
【0016】
(4)また、本発明のデータ入力システムは、前記算出された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値より大きい場合に、前記取得したユーザデータを削除し、前記記入用帳票への再記入を誘導する構成を有していてもよい。
【0017】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合には、記入用帳票への再記入をさせることができるので、第2署名の再入力だけでは対応できない場合であっても、確実に申し込みを行うことができるとともに、一の記入用帳票を複数回利用することによって生ずる当該記入用帳票への記入が乱雑になることなく、所定事項の記入の際に用いるためだけのものではなく情報を保持するという当該記入用帳票の本来の役割をも十分に発揮させることができる。
【0018】
(5)また、本発明のデータ入力システムは、前記誘導制御手段は、前記第1署名情報における前記電子ペンのストローク形状と前記第2署名情報における前記電子ペンのストローク形状との同一性を判断し、前記第1署名と前記第2署名のストローク形状に同一性があると判断された場合に、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させる構成を有してもよい。
【0019】
通常、第1署名と第2署名が同一のユーザであることにより、その間に記入された事項についても同一のユーザが記入したものであると推認することができる。したがって、本発明のデータ入力システムは、上記構成により、第1署名と2署名の同一性を判断することができるとともに、認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを申し込みデータとすることによって、記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保することができるので、申し込みデータの信頼度を向上させることができる。特に、本発明は、個人情報などの重要性が高い情報について記入用帳票を用いることなく直接的で安易な方法によって記入用帳票における記入すべき事項のデータ化を行う場合に、署名と記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保し、申し込みデータの信頼度を向上させることができる。
【0020】
(6)また、本発明のデータ入力システムは、前記誘導制御手段は、前記第1署名と前記第2署名のストローク形状の同一性が否定された場合に、前記取得した第2署名情報を削除して前記第2署名記入欄への再記入を誘導する構成を有していてもよい。
【0021】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合であっても、第2署名を再入力させることができるので、同一性の判断においてシステムエラーなどの署名自体に起因しない原因が生じた場合であっても、記入用帳票に記入した内容を無駄にすることなく利用することができる。
【0022】
(7)また、本発明のデータ入力システムは、前記誘導制御手段は、前記第1署名と前記第2署名のストローク形状の同一性が否定された場合に、前記取得したユーザデータを削除し、前記記入用帳票への再記入を誘導する構成を有していてもよい。
【0023】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合には、記入用帳票への再記入をさせることができるので、第2署名の再入力だけでは対応できない場合であっても、確実に申し込みを行うことができるとともに、一の記入用帳票を複数回利用することによって生ずる当該記入用帳票への記入が乱雑になることなく、所定事項の記入の際に用いるためだけのものではなく情報を保持するという当該記入用帳票の本来の役割をも十分に発揮させることができる。
【0024】
(8)また、本発明のデータ入力システムは、前記誘導制御手段は、前記認識記入欄が前記ユーザの個人情報を選択入力するための選択入力用記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って複数の前記個人情報の中から一の個人情報を選択し、前記選択した個人情報を前記ユーザデータとして取得する構成を備えてもよい。
【0025】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、電子ペンによる選択入力用記入欄への記入によって複数の個人情報の中から一の個人情報を選択させることができるので、データ入力を行う際に個人情報を入力しなければならない場合であっても、記入用帳票に個人情報を直接記載せずに、当該個人情報をデータとして入力させることができる。したがって、本発明は、記入用帳票への記入事項をデータ化する利便性を確保しつつ、記入用帳票からの情報の漏洩を防止して個人情報を確実に保護することができる。
【0026】
(9)また、本発明のデータ入力システムは、前記選択入力用記入欄には、前記ユーザによって前記個人情報の区分を選択させるために用いる第1記入欄と前記ユーザによって前記選択された区分に属する複数の前記個人情報の中から一の前記個人情報を選択させるために用いる第2記入欄と前記ユーザによって前記選択された個人情報を前記ユーザデータとして確定させて取得させるための第3記入欄とが含まれ、前記誘導制御手段は、前記認識記入欄が第1記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記個人情報の区分を選択し、前記認識記入欄が第2記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記選択された個人情報の区分に属する複数の前記個人情報の中から一の前記個人情報を選択し、前記認識記入欄が第3記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記選択された個人情報をユーザデータとして取得する構成をしてもよい。
【0027】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、区分選択を実行しつつ、複数の個人情報の中から一の個人情報を選択させることができるので、多くの個人情報を区分によってカテゴライズすることが可能となり、かつ、当該カテゴライズによって多くの個人情報から一の個人情報を容易にサーチ可能となる。したがって、本発明は、選択入力に用いる個人情報の選択肢を多くすることができるので、ユーザが入力を所望する個人情報と実際に選択可能な個人情報とのギャップを埋め、的確な個人情報を取得することができる。
【0028】
(10)また、本発明のデータ入力システムは、前記記入用帳票への記入が実行される場所と離隔された場所に固定設置されたデータベースと、通信回線を介して前記確定手段によって確定された申し込みデータを前記データベースに送信する通信手段と、を更に備える構成を有してもよい。
【0029】
この構成により、本発明のデータ入力システムは、取得したユーザデータをデータベースに蓄積することができるので、一括でユーザデータを管理することができる。したがって、本発明は、ユーザデータの漏洩を防止することができるので、個人情報の保護を高度に行うことができる。
【0030】
(11)上記課題を解決するため、本発明のデータ入力プログラムは、電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用帳票を用いるとともに、当該記入用帳票における所定の記入欄に、前記電子ペンによってユーザが記入した事項を、所定の申し込みを行う申し込みデータとして取得する、コンピュータを用いたデータ入力プログラムであって、前記コンピュータを、前記電子ペンによって前記記入用帳票への記入が実行された際に、当該電子ペンによって読み取られたコード化パターンに基づいて算出された前記記入用帳票上の座標情報を、受信する受信手段、表示手段に表示された前記記入用帳票のフォーマットに対応するフォーマット画像上に、前記受信した座標情報を描画しつつ、当該座標情報に基づいて前記電子ペンによる記入が実行された前記記入用帳票上の記入欄を認識する描画処理手段、前記フォーマット画像を表示する表示領域を少なくとも有するとともに前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させて、前記記入用帳票における記入に関して前記ユーザを誘導するための誘導処理を行うとともに、前記認識された記入欄である認識記入欄に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークをユーザデータとして取得する誘導制御手段、
として機能させるとともに、前記コンピュータを、前記認識記入欄が前記ユーザの署名を記入するための第1署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第1署名情報として取得し、前記認識記入欄が前記第1署名記入欄とは異なる記入欄であって前記ユーザの署名を記入するための第2署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第2署名情報として取得し、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させるように前記誘導制御手段として機能させる構成を有している。
【0031】
この構成により、本発明は、上記プログラムをコンピュータ装置にインストールすることにより、本発明に係るデータ入力システムを構成させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、第1署名領域への記入が実行されたときから第2署名領域への記入が実行されるときまでに取得されたユーザデータを申し込みデータとすることによって、記入用帳票に所定事項を記入したユーザと署名をしたユーザの同一性を確保し、申込データの信頼度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】一実施形態におけるデータ入力システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】データ入力システムに用いられる告知書の書式の一例である。
【図3】ドットパターンにおけるドットの配置とそのドットが変換される値との関係を説明する図である。
【図4】ドットパターンを説明するための図であり、(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図5】電子ペンの構造を示す概略図であるとともに、その機能を示すブロック図である。
【図6】コンピュータ装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図7】告知書上の各記入欄に割り当てられたドットパターンの座標範囲を示す座標定義情報の一例である。
【図8】誘導制御処理を行うためのアプリケーション画面を説明するための図である。
【図9】ハイライト表示が実行されているアプリケーション画面の一例である。
【図10】警告処理が実行された際のアプリケーション画面であって、注意事項の確認警告における表示の一例である。
【図11】警告処理が実行された際のアプリケーション画面であって、病名記入/決定警告における表示の一例である。
【図12】注意事項の確認映像の再生処理が実行された場合におけるアプリケーション画面の一例である。
【図13】診察等履歴の有無に関する選択処理が実行された際のアプリケーション画面であって、「はい」選択欄の選択表示等の一例である。
【図14】警告処理が実行された際のアプリケーション画面であって、「いいえ」選択欄の選択表示等の一例である。
【図15】病名手書き入力処理が実行された際のアプリケーション画面の一例である。
【図16】病名選択入力処理に用いる病気のカテゴリ(区分)と各カテゴリに属する病名の階層構造を示すデータ例である。
【図17】病名選択入力処理が実行された際のアプリケーション画面であって、選択指示欄に電子ペンによるストロークが記入された場合の一例(その1)である。
【図18】病名選択入力処理が実行された際のアプリケーション画面であって、選択指示欄に電子ペンによるストローク記入された場合の一例(その2)である。
【図19】病名選択入力処理が実行された際のアプリケーション画面であって、病名が確定された場合の一例である。
【図20】第2署名記入処理が実行された際のアプリケーション画面の一例である。
【図21】署名整合判定処理が実行された際のアプリケーション画面であって、第2署名が第1署名との整合性を有することによって申込受付が完了した場合の一例である。
【図22】署名整合判定処理が実行された際のアプリケーション画面であって、第2署名が第1署名と不整合となり、第2署名の再入力を促す場合の一例である。
【図23】データ入力システムにおける誘導制御処理を含むデータ入力処理の動作を示すフローチャートである。
【図24】データ入力システムにおける誘導制御処理を示すフローチャート(その1)である。
【図25】データ入力システムにおける誘導制御処理を示すフローチャート(その2)である。
【図26】データ入力システムにおける誘導制御処理を示すフローチャート(その3)である。
【図27】データ入力システムにおける誘導制御処理を示すフローチャート(その4)である。
【図28】データ入力システムにおける誘導制御処理において実行されるハイライト更新処理を示すフローチャートである。
【図29】データ入力システムにおける誘導制御処理において実行される署名整合判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、電子ペンと、当該電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターン(ドットパターン)が予め形成されているとともに所定の記入欄を有する申込書(告知書)と、を用いたデータ入力システムに、本発明のデータ入力システム及びデータ入力プログラムを適用した場合の実施形態である。
【0035】
[データ入力システムのシステム構成]
まず、図1を用いて本実施形態に係るデータ入力システム10の構成について説明する。なお、図1は、データ入力システム10の構成を示すシステム構成図である。
【0036】
データ入力システム10は、告知書4を用いて生命保険などの所定の申込を行う際に、当該告知書4に記入された事項(以下、「記入事項」という。)をデータ化するシステムである。データ入力システム10は、図1に示すように、電子ペン1と、コンピュータ装置2と、サーバ装置3とから構成される。
【0037】
電子ペン1は、ユーザによって使用される。また、電子ペン1は、所定の書式によって複数の記入欄が設けられた申込用紙(以下、「告知書」という。)4に記入された文字または図形などのストローク(筆跡)やタップ(電子ペン1のペン先による告知書4への軽叩)に応じて記入情報を生成する。そして、電子ペン1は、生成した記入情報をコンピュータ装置2に送信する。
【0038】
コンピュータ装置2は、ユーザが告知書4への記入を行っている場所に隣接して用いられ、ユーザが告知書4とともにその画面を視覚することができるように用いられる。また、コンピュータ装置2は、電子ペン1によって生成された記入情報を受信し、受信した記入情報に基づいて、告知書4に対応する画像(告知書画像)に重ねて、ストロークを表示したり、ユーザの電子ペン1による告知書4の各記入欄への記入順序を誘導したり、記入された記入事項を受付データ(申し込みデータ)として記憶したりする。
【0039】
特に、コンピュータ装置2は、ユーザが電子ペン1によって記入事項を告知書4に記入する際に、告知書4への記入事項に関する説明または補足説明の表示、記入すべき記入欄への誘導、記入ミスの訂正及び記入ミス後の正しい記入欄への誘導、及び、記入事項における記入の確認など、容易な入力を可能にし、かつ、必要な記入事項を的確に取得するための誘導制御を実行する。また、コンピュータ装置2は、告知書4に記入する個人情報(本実施形態では、診察、検査、治療及び投薬などの経歴及びその際の病名といった健康情報)に関し、電子ペン1によって告知書4に直接に手書きされた文字をデータ化する(以下、単に、「健康情報の手書き入力」または「病名の手書き入力」という。)構成を有している。さらに、コンピュータ装置2は、ユーザが病名を手書き入力することで告知書4に残したくないまたは病名を忘れてしまった等で手書き入力できない場合に、当該手書き入力に代えて、電子ペン1による告知書4への入力に基づいて、コンピュータ装置2の画面に表示される選択肢の中から健康情報を選択入力(以下、単に、「健康情報の選択入力」または「病名の選択入力」という。)させる構成を有している。
【0040】
他方、データ入力システム10においては、個人情報の選択入力を行うことによって個人情報が入力されたときには、告知書4の紙面上に記録が残らないので、個人情報を選択入力したユーザと申込を行うユーザの同一性を確保する必要がある。一方、一般的に、書類などにおいて二つの署名が要求されている場合に所定時間内に記入された各署名が同一のものであれば、その間に記入された記入事項についても同一のユーザが記入したものであると推認することができる。したがって、告知書4の上部と下部(すなわち、最初と最後)にユーザの署名をそれぞれ記入させるための二つの署名記入欄402、411を設け、コンピュータ装置2は、上部の署名(以下、「第1署名」という。)記入欄402に記入されたストロークに基づく記入情報から下部の署名(以下、「第2署名」という。)記入欄411に記入されたストロークに基づく記入情報まで、電子ペン1によって告知書4に記入されたストロークに基づく全ての記入情報を受信し、第1署名及び第2署名の同一性が確保された場合に、第1署名と第2署名の間に記入された記入事項については有効であると判断して当該記入事項に基づく申込を受け付ける構成を有している。
【0041】
サーバ装置3は、インターネットに代表されるWAN(Wide Area Network)、公衆電話網、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介してコンピュータ装置2と接続される。また、サーバ装置3は、コンピュータ装置2が使用される場所から離隔した場所に固定設置され、ネットワークを介して、(ASP:Active Server Pages)等によってコンピュータ装置2が起動するアプリケーションプログラムと連動し、当該コンピュータ装置2との間において逐次的にデータの授受を行う。したがって、データ入力システム10は、コンピュータ装置2において実行されて取得された告知書4における記入事項に関する種々の情報においては、当該コンピュータ装置2の記憶手段25に記憶されつつ、逐次サーバ装置3にも提供され、当該サーバ装置3の図示しないデータベースにも蓄積される。
【0042】
[告知書]
次に、図2を用いて本実施形態の告知書4について説明する。なお、図2は、データ入力システムに用いられる告知書4の書式(様式)の一例である。
【0043】
告知書4には、紙などの用紙の一面に後述するドットパターン(コード化パターン)が印刷により全体的に形成され、その上に、複数のユーザエリア(記入領域)が規定されている。さらに、告知書4には、複数の記入欄、名称、マーク及びテキスト等の書式(様式)が印刷されている。各ユーザエリアは、予め各記入欄に関連付けられており、電子ペン1により告知書4に記入されて生成される記入情報が、どの記入欄への記入によるものであるのかを、コンピュータ装置2において識別することができる。なお、ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含有するインクによって印刷されており、書式は、赤外線を吸収しないインクによって印刷されている。そして、告知書4は、その書式の画像(告知書画像)がコンピュータ装置2に表示され、電子ペン1によってユーザが記入した記入事項をコンピュータ装置2に入力するため、及び、電子ペン1とともにコンピュータ装置2を操作するために用いられる。
【0044】
各記入欄は、図2に示すように、名称、マーク、当該記入欄の説明若しくは各記入欄に記入する際の注意事項の表記とともに、または、これらの表記に隣接されて印刷されており、それぞれ異なるユーザエリアに関連付けられている。なお、各記入欄の形成位置及び形状は、図2のものに限られず、見やすくかつ記入しやすいように所定の書式によって印刷されていればよい。
【0045】
記入欄としては、注意事項の確認に関し、ユーザが注意事項を表示させるための指示を行う欄(以下、「注意事項の表示指示欄」という。)401と、第1署名の記入欄(第1署名記入欄)402と、診察、検査、治療及び投薬(以下、「診察等」という。)の経歴に関する肯定選択欄(以下、「「はい」選択欄」という。)403及び否定選択欄(以下、「「いいえ」選択欄」という。)404と、当該診察等の経歴における病名を手書き入力するための欄(以下、単に「病名記入欄(文字入力用)」という。)405と、が印刷されている。さらに、告知書4には、記入欄として、コンピュータ装置2に表示された画像を選択操作する際に用いる選択指示欄(選択入力用記入欄)406〜409及び選択決定欄(選択入力用記入欄)410と、第2署名の記入欄(第2署名記入欄)411と、ユーザの申込を受け付ける際に用いる申込受付欄412と、が印刷されている。
【0046】
注意事項の表示指示欄401は、この名称が表記された所定の大きさを有する記入欄であり、電子ペン1によってチェックマークなどのストロークが記入される記入欄である。注意事項の表示指示欄401は、その性質上、ユーザが告知書4に関する所定事項を記入する前に最初にマーク(記入)される必要があるので第1署名記入欄402とともに、告知書4の上部に印刷されている。また、注意事項の表示指示欄401は、ユーザが告知書4に関する注意事項を確認するためにコンピュータ装置2に注意事項に関する所定の画像を表示させるためのユーザエリアに関連付けられている。
【0047】
第1署名記入欄402は、所定の大きさを有する空欄によって形成され、電子ペン1によって署名が記入される記入欄である。また、第1署名記入欄402は、告知書4を用いて所定の申込をする際にユーザの同一性を確保して当該告知書4に記載された内容の有効性を判断するための署名が記入される二つのユーザエリアのうち、最初の署名(すなわち、第1署名)が記入されるためのユーザエリアに関連付けられている。第1署名記入欄402は、ユーザが注意事項を確認後、告知書4に関する所定事項を記入する際に最初に記入される必要があるので、注意事項の表示指示欄401と同様に、告知書4の上部に印刷されている。さらに、第1署名記入欄402は、注意事項の表示指示欄401とともに、コンピュータ装置2に画像として表示された告知書4に関する注意事項をユーザ本人が確認したことを示すチェック欄としても機能する。
【0048】
「はい」選択欄403は、「はい」の文字と点線によって形成された円が表記された所定の大きさを有する記入欄である。「はい」選択欄403は、一定期間内(例えば、過去5年以内)における診察、検査、治療及び投薬の診察等の有無を問う質問に関するテキストに隣接されて印刷されている。また、「はい」選択欄403は、「いいえ」選択欄404に並設されるとともに、第1署名記入欄402の下段であって、病名記入欄405の上段に印刷されている。そして、「はい」選択欄403は、一定期間内に診察等における経歴がある場合に肯定の選択を行うためのユーザエリアに関連付けられている。以下において、電子ペン1によって「はい」選択欄403に円形が記入されたことを「「はい」が選択された」という。
【0049】
「いいえ」選択欄404は、「いいえ」の文字と点線によって形成された円が表記された所定の大きさを有する記入欄である。「いいえ」選択欄404は、「はい」選択欄404と同様に、一定期間内における診察等の有無を問う質問に関するテキストに隣接されて印刷されている。また、「いいえ」選択欄404は、「はい」選択欄403に並設されている。そして、「いいえ」選択欄404は、一定期間内に診察等における経歴がない場合に否定の選択を行うためのユーザエリアに関連付けられている。以下において、電子ペン1によって「いいえ」選択欄404に円形が記入されたことを「「いいえ」が選択された」という。
【0050】
病名記入欄405は、所定の大きさを有する空欄によって形成され、「はい」が選択された場合に、電子ペン1によって診察等における病名が手書き入力される記入欄である。病名記入欄405は、「はい」選択欄403において「はい」を選択したユーザに対して病名の記入を促すテキストに隣接されて印刷されているとともに、「はい」選択欄403及び「いいえ」選択欄404の下段に印刷されている。また、病名記入欄405は、個人情報(病名)の手書き入力を行うためのユーザエリアに関連付けられており、選択指示欄406〜409及び選択決定欄410と択一的に用いられる。
【0051】
各選択指示欄406〜409は、該当する方向を示すマークが表記された所定の大きさを有する記入欄であり、ユーザによってタップなどの比較的に短いストロークが記入される記入欄である。選択指示欄406〜409は、「はい」選択欄403において「はい」を選択したユーザに対して病名の記入を促すテキストに隣接されて印刷されているとともに、病名記入欄405の下段に印刷されている。また、選択指示欄406〜409は、選択決定欄410とともに個人情報(病名)の選択入力を行うためのユーザエリアに関連付けられており、病名記入欄405と択一的に用いられる。選択指示欄406〜409には、上方向選択指示欄(第2記入欄)406、左方向選択指示欄(第1記入欄)407、右方向選択指示欄(第1記入欄)408及び下方向選択指示欄409(第2記入欄)が含まれる。各選択指示欄406〜409にストロークが記入されると、コンピュータ装置2と連動して当該コンピュータ装置2上において病名を選択する際に用いられる。特に、左方向選択指示欄407及び右方向選択指示欄408は、「心臓・血圧」または「脳・精神・神経」など病気の区分(カテゴリ)を選択するカテゴリ選択を行うためのユーザエリアに関連付けられており、上方向選択指示欄406及び下方向選択指示欄409は、左方向選択指示欄407及び右方向選択指示欄408によって選択されたカテゴリに属する個々の病名を選択するためのユーザエリアに関連付けられている。
【0052】
選択決定欄(第3記入欄)410は、「決定」の文字が表記された所定の大きさを有する記入欄であり、電子ペン1によってタップなどの比較的に短いストロークが記入される記入欄である。選択決定欄410は、選択指示欄406〜409に並設されて印刷されている。また、選択決定欄410は、選択指示欄406〜409とともに病名(個人情報)の選択入力を行うためのユーザエリアに関連付けられており、選択指示欄406〜409によって選択された一の病名を、診察等における病名として確定するために用いられる。
【0053】
第2署名記入欄411は、第1署名記入欄402と同様に、所定の大きさを有する空欄によって印刷され、ユーザによって署名が記入される記入欄である。また、第2署名記入欄411は、第1署名記入欄402とともに、告知書4を用いて所定の申込をする際にユーザの同一性を確保して当該告知書4に記載された内容の有効性を判断するために記入させる二つのユーザエリアのうち、最後の署名(すなわち、第2署名)が記入されるためのユーザエリアに関連付けられている。第2署名記入欄411は、ユーザが告知書4に関する所定事項を記入する際に最後に記入される必要があるので、告知書4の下部に印刷されている。さらに、第2署名記入欄411は、ユーザ本人に対して告知書4に記入した記入事項や選択入力した病名が正しいものであるかを確認したことを示すチェック欄としても機能する。
【0054】
申込受付欄412は、「受付」の文字と点線によって形成された円とが表記された所定の大きさを有する記入欄であり、電子ペン1によって円が記入される記入欄である。申込受付欄412は、ユーザが告知書4に関する所定事項を記入した後に最後にマーク(記入)される必要があるので、その性質上、第2署名記入欄411と同様に、告知書4の下部に形成されている。
【0055】
なお、選択欄403、404及び申込受付欄412に電子ペンで記入されるストロークは、完全な円形でなくてもよく、また、その他の形状やチェックマーク等の文字としてもよい。
【0056】
[ドットパターン]
次に、図3及び図4の各図を用いて本実施形態における告知書4に印刷されているアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。なお、図3は、ドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。また、図4は、ドットパターンを説明するための図である。
【0057】
図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できるようになっており、このようにして対応付けられた情報の組合せにより、告知書4上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0058】
図4(a)は、ある位置のドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmにおける範囲内に6×6の36個のドットが、告知書4上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。そして、これら36個のドットにより形成されるドットパターンは、告知書4上における相対的な位置座標及びドットパターンアドレスを保持している。なお、図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、仮想格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0059】
[電子ペン]
次に、図5を用いて本実施形態における電子ペン1の構造とその動作について説明する。なお、図5は、電子ペン1の構造を示す概略図であるとともに、その機能を示すブロック図である。
【0060】
電子ペン1は、告知書4へのタップ(ペン先部103による告知書4への軽叩)及び文字または図形などを記入に用いられる。また、ユーザによって電子ペン1を用いて告知書4上にタップされると、または、文字や図形が描かれると、電子ペン1は、ペン先部103の告知書4上の移動経路(すなわち、筆跡またはストローク)に沿って、告知書4に印刷されたドットパターンを局所的、かつ、連続的に読み取る。そして、電子ペン1は、告知書4におけるその局所位置の座標を算出するとともに、その算出した位置座標データをコンピュータ装置2へ送信する。
【0061】
具体的には、電子ペン1は、図5に示すように、その筐体101の内部に、ペン部104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111及びバッテリー112を備える。
【0062】
ペン部104の先端は、ペン先部103となっており、ペン先部103は、文字などの記入又はタップを行う際に、ユーザによって告知書4に当接される。なお、ペン部104には、第1署名または第2署名を書面として保存するなどの告知書4の性質上、インクカートリッジにインクが充填されているものがよい。
【0063】
バッテリー112は、電子ペン1内の各部材に電力を供給するためのものであり、例えば、電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うように構成されている。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン1により告知書4に文字などを記入したりタップしたりする際に、ペン先部103からペン部104を通じて与えられる圧力、すなわち、筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0064】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧のデータ(筆圧データ)に基づいて、電子ペン1のペンダウン(告知書4に接触してストロークが書き出しされること)及びペンアップ(接触している状態からペン先部103が離れること)を判定してLED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切換える。すなわち、ユーザが電子ペン1によって告知書4に文字などを記入すると、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されるので、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、ユーザが告知書4から電子ペン1を離すと、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧の検出がされなくなるので、その際には、プロセッサ108は、ユーザが1つの筆跡の記入を終了したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106の作動を終了させる。
【0065】
LED105及びCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、告知書4上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照射する。赤外線が照射される領域は、ペン先部103が告知書4に接触する位置とはわずかにずれるように構成されている。CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内における上述したドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。
【0066】
上述のように、ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含有するインクによって印刷されているので、LED105によって照射された赤外線は、ドットの位置においては吸収される。したがって、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多くなる。このため、CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。CMOSカメラ106の受光面側に、ノイズを低減して座標検出の信頼性を高めるため、赤外光を選択的に透過する赤外線透過フィルタを備えてもよい。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。
【0067】
プロセッサ108は、ユーザによって告知書4に文字等のストロークが記入されている間、すなわち、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいてLED105及びCMOSカメラ106のスイッチがオンの状態のときに、CMOSカメラ106によって供給される各画像データから、X、Y座標(以下、単に「位置座標」、「座標情報」又は「座標データ」ともいう。)及びドットパターンアドレスを個々に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを、図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値及びY座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データ及びドットパターンアドレスを演算する。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻と、筆圧データと、X,Y座標データ及びドットパターンアドレスとを関連付けて一の座標属性情報を生成する。
【0068】
なお、上述のように、告知書4における6×6のドットパターンは、告知書4内で重複することはないため、ユーザが電子ペン1で文字等のストロークを記入すると、記入された位置が告知書4のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により、ストロークに沿ってCMOSカメラ6により撮像されたドットパターンの告知書4における位置座標を特定することができる。
【0069】
メモリ109には、電子ペン1を識別するための「pen01」などのペンID(電子ペン識別情報)、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、座標属性情報にペンIDが関連付けられた各記入情報をコンピュータ装置2へ順次送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって即時的かつ逐次的に行われる。
【0070】
次に、電子ペン1よりコンピュータ装置2へ送信される記入情報について説明する。ユーザが電子ペン1を用いて告知書4にストローク(筆跡)を記入する際には、まず、電子ペン1を告知書4に接触させる。すると、電子ペン1の圧力センサ107によってペン先部103にかかる筆圧を検出する。電子ペン1のプロセッサ108は、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたと判断すると、電子ペン1の告知書4への接触を示すペンダウン情報PDと、電子ペン1の識別情報であるペンID等とを関連付けた記入情報を生成して、通信ユニット111に、その記入情報をコンピュータ装置2へ送信させる。
【0071】
また、ユーザは、電子ペン1のペン先部103を告知書4に接触させた後、筆圧を維持しつつ、ペン先部103を移動させてストロークを描くが、電子ペン1のプロセッサ108も引き続き、演算により求めた座標情報(X,Y)及びドットパターンアドレスと、圧力センサ107により検出される筆圧データ、リアルタイムクロック110により発信された時刻情報とを含む座標属性情報及びペンID等を関連付けた記入情報を、CMOSカメラ106によるドットパターンの撮影周期に応じて、逐次生成し、通信ユニット111に当該記入情報を順次コンピュータ装置2へ送信させる。
【0072】
そして、ユーザがストロークを描き終えて電子ペン1を告知書4から離すと、圧力センサ107は、筆圧を検出しなくなるため、プロセッサ108は、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されなくなったと判断する。すると、プロセッサ108は、電子ペン1の告知書4への離脱を示すペンアップ情報PUと、電子ペン1の識別情報であるペンID等とを関連付けた記入情報を生成して、通信ユニット111に、その記入情報をコンピュータ装置2へ送信させる。このように、電子ペン1がペンダウンと判定してからペンアップと判定するまでに、すなわち、ユーザの一つのストロークの記入により、電子ペン1によって生成される記入情報の集合をストローク情報と呼ぶ。換言すると、一つの記入情報は、一つのストロークの一部分のストローク(以下、「部分ストローク」とも呼ぶ。)に関する情報である。
【0073】
[コンピュータ装置]
次に、図6〜図8の各図を用いて本実施形態のコンピュータ装置2について説明する。なお、図6は、コンピュータ装置2の各機能を示す機能ブロック図であり、図7は、告知書4上の各ユーザエリア(記入欄)とドットパターンの座標範囲を示す座標定義情報の一例である。また、図8は、誘導制御処理を行うためのアプリケーション画面6を説明するための図である。
【0074】
コンピュータ装置2は、例えば、パーソナルコンピュータであって、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMなどのメモリ、ディスプレイ、スピーカ、マウスやキーボード等によって構成される。また、コンピュータ装置2は、図6に示すように、機能的には、マウスやキーボードなどから構成される入力手段21、受信手段22、処理手段24、記憶手段25、表示手段26、送信手段27及びスピーカなどから構成される音声出力手段28を備え、電子ペン1から受信した記入情報に基づいて所定の処理を行う。
【0075】
受信手段22は、アンテナや受信回路等により構成され、電子ペン1から送信された各記入情報を順次受信し、処理手段24に伝送する。
【0076】
記憶手段25は、ハードディスク又はROM、RAMなどのメモリによって構成される。そして、記憶手段25には、アプリケーション画面6の表示制御、誘導制御処理、病名選択入力処理、記録制御処理、署名整合判定処理及び受付処理など上述の各処理を実行するためのアプリケーションプログラムと、当該アプリケーションプログラムが実行する際に用いられる告知書画像などの画像データ、病名データベース、時間判定に用いる閾値などの各種パラメータ、及び、図7に示すような、告知書4における各ユーザエリアと各記入欄とドットパターンの位置座標の範囲(座標範囲)とを関連付けた座標定義情報などが予め記憶されている。位置座標の範囲(座標範囲)は、領域の左上隅の位置座標(以下、「基準座標(Xn、Yn)」という。)と当該基準座標からの高さ(y軸方向)Hn及び幅(x軸方向)Wnによって規定される(nは変数を示す。)。そして、処理手段24は、電子ペン1から受信した記入情報に含まれる位置座標データが属する座標範囲を、記憶手段25に記憶された座標定義情報を参照して特定することで、当該記入情報に対応するストロークが記入されたユーザエリア及び記入欄を特定できる。なお、これらのドットパターンが告知書4に割り当てられたドットパターンであることを特定するために、座標定義情報にはドットパターンアドレスの関連付け情報も含まれている(不図示)。
【0077】
また、記憶手段25には、アプリケーションプログラムが実行されている際に、ユーザが告知書4に文字、記号又は図形を記入した際に電子ペン1によって生成された記入情報や、病名情報、署名記入時間、及び、申込の受付完了時に受付データとなるデータなどアプリケーションプログラムの実行によって生成された各種データが記憶される。なお、受付データとは、注意事項を確認した旨、第1署名を示すストローク情報(第1署名情報)、一定期間内における診察等の有無、手書き入力されたまたは選択入力された病名情報、第2署名を示すストローク情報(第2署名情報)などの、告知書4の記入に基づく処理手段24の処理によって生成される各種のデータ群をいう。
【0078】
処理手段24は、CPU等のプロセッサによって構成される。処理手段24は、アプリケーションプログラムを実行し、表示手段26に表示されたアプリケーション画面6を制御しつつ、電子ペン1の告知書4におけるストロークの表示制御処理及びユーザの告知書4への的確な記入を誘導するための誘導制御処理を実行する。
【0079】
具体的な処理としては、処理手段24は、電子ペン1から受信した記入情報に基づいてストロークを描画し、アプリケーション画面6に表示した告知書画像に、描画したストロークを重畳表示するためのストローク描画処理と、アプリケーション画面6における表示制御など各種の処理を行う誘導制御処理とを実行する。処理手段24は、このような各処理を実行するために、図6に示すように、ストローク描画処理部241と、誘導制御部242とを有している。
【0080】
ストローク描画処理部241は、電子ペン1から送信されて受信した各記入情報(すなわち、一のストロークを構成する部分ストロークの座標属性情報及びペンID)を記憶手段25に記憶しつつ、記憶手段25に記憶された座標定義情報を参照して、記入情報に含まれるX,Y座標データ(位置座標)が告知書4上のどの位置にあたるかを認識してストロークを描画し、アプリケーション画面6上に描画したストロークを表示する、ストローク描画処理を実行する。また、ストローク描画処理部241は、記入情報が記入された告知書4上の記入欄として前記認識した記入欄を、認識記入欄として誘導制御部242に伝達する。なお、ストローク描画処理部241は、描画したストローク情報を送信手段27を介してサーバ装置3に逐次送信する。そして、サーバ装置3は、受信したストローク情報を図示しないデータベースにペンID毎に蓄積する。
【0081】
誘導制御部242は、記憶手段25に予め記憶された誘導制御プログラムを含むアプリケーションプログラムに基づいて、ストローク描画処理部241と連動しつつ、告知書4の各記入欄が記入済みか否かを判定し、告知書4における記入欄への記入順を誘導する、誘導制御処理を実行する。なお、誘導制御部242の誘導制御処理の詳細については後述する。
【0082】
表示手段26は、液晶又は有機ELなどのディスプレイ等によって構成され、処理手段24によって指示された内容を表示するものである。特に、表示手段26は、アプリケーションが実行されている際に、アプリケーション画面6を表示し、さらにアプリケーション画面6上に、告知書画像等を表示する。また、表示手段26は、署名整合判定処理が実行された際に、アプリケーション画面6上に所定の警告画面を表示したり、告知書4による申込の受付を完了することを示す受付完了画面などのポップアップ画面7、8を表示したりする。
【0083】
アプリケーション画面6は、図8に示すように、告知書4と同一の書式を有する告知書画像(フォーマット画像)を表示する告知書画像表示領域601と、ユーザが告知書4に記入事項を記入する際に必要な情報を視覚的に提供するための画像(お知らせ画像)を表示するお知らせ画像表示領域602と、電子ペン1における告知書4への記入に連動し、病名選択入力処理が実行される際に病名のカテゴリ及び病名が選択可能に表示される選択入力表示領域603と、を有する。また、このアプリケーション画面6は、アプリケーションを終了させる指示ボタン604を有するタイトルバーなどのアプリケーションプログラムを実行する上で必要な情報が表示される。
【0084】
告知書画像表示領域601に表示される告知書画像は、図8に示すように、告知書4の書式を画像データ化したものであり、告知書画像には告知書4と同一の記入欄が表示形成される。すなわち、注意事項の表示指示欄611と、第1署名記入欄612と、「はい」選択欄613と、「いいえ」選択欄614と、病名記入欄615と、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620と、第2署名記入欄621と、申込受付欄622とが表示形成される。
【0085】
送信手段27は、インターネットまたは公衆電話網などのネットワークを介してサーバ装置3と接続されている。また、送信手段27は、ASPによるサーバ装置3とのデータの授受を行う。
【0086】
[誘導制御処理]
次に、図9〜図22の各図を用いて誘導制御部242において実行される誘導制御処理について説明する。
【0087】
(記入済み判定)
まず、誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される記入済み判定処理について説明する。
【0088】
誘導制御部242は、誘導制御処理中の所定のタイミング及び所定の処理時に、告知書4上の記入欄における記入済みか否かの判定(すなわち、記入済み判定)を行う。具体的には、誘導制御部242は、特定の記入欄に対応するユーザエリアに割り当てられた座標範囲に属するストローク情報が記憶手段25に記憶されている際には、当該特定の記入欄が記入済みであると判定する。このとき、誘導制御部242は、一のストローク情報に含まれる全てのX、Y座標データが特定の一のユーザエリアに関連付けられた座標範囲に属する場合に、そのユーザエリアに関連付けられた記入欄に電子ペン1によってストロークが記入されたとして判別する。なお、誘導制御部242は、一のストローク情報に含まれる全てのX、Y座標データのうち、一定以上(例えば、8割以上)のX、Y座標データが一のユーザエリアに関連付けられた座標範囲に含まれる場合に、そのユーザエリアに関連付けられた記入欄に電子ペン1によってストロークが記入されたとして判別することとしてもよい。また、後述するように、誘導制御部242は、アプリケーション画面6上から削除(表示の解除)が実行された場合には、当該記入欄に属するストローク情報を記憶手段25から削除する、または、誘導制御処理などに用いる情報としては取り扱わないように無効化する(例えば、無効フラグを付与する)ので、各記入欄に記入されたストローク情報に基づいて記入済み判定を行うことができる。
【0089】
(記入順の誘導)
次に、誘導制御部242の誘導制御処理における記入順の誘導について説明する。
【0090】
誘導制御部242は、ストローク描画処理部241におけるストローク情報の描画処理と連動し、ストローク描画処理部241から伝達された認識記入欄や、記憶手段25に記憶されたストローク情報などの所定の情報及びフラグ情報に基づいて、予め定められた告知書4における記入欄へのユーザによる記入の順序(記入順)を誘導する。誘導制御部242は、誘導制御処理のアプリケーションプログラムに基づいて、告知書4の上部から順に、かつ、択一的な選択に関しては何れか一方の記入欄にユーザによる記入が行われるように誘導する。
【0091】
具体的には、誘導制御部242は、ストローク描画処理部241から伝達された認識記入欄と、記憶手段25に記憶されるストローク情報と、告知書4上における記入欄へユーザが記入した場合に実行される所定の処理について設けられたフラグ情報と、アプリケーション画面6に表示されている項目に基づいて、告知書4における記入欄のユーザによる記入が記入順に従って実行されるように、記入順を誘導する。
【0092】
(1)注意事項の表示指示欄401にユーザの記入がされた際に実行される注意事項の確認映像の再生が実行されたか否かを示すフラグ情報。なお、誘導制御部242は、当該映像が再生された場合に「実行済み」を示すフラグ情報を記憶手段25に記憶する。このとき、誘導制御部242は、当該映像が所定の時間再生されたことを判定してから「実行済み」を示すフラグ情報を記憶手段25に記憶するように構成するとよい。
(2)第1署名記入欄402にユーザの記入がされた際に実行される第1署名における記入開始時刻及び記入終了時刻を有する時刻情報(以下、「第1署名時刻情報」という。)の記憶の有無。
(3)「はい」選択欄403または「いいえ」選択欄404にユーザの記入がされた際に記憶されたストローク情報の有無、あるいは、「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614の選択表示の状態。
(4)選択指示欄406〜409に電子ペン1によってストロークが記入された際に実行される選択入力表示領域603に表示される病名の有無。
(5)病名記入欄405に電子ペン1によってストロークが記入された際に記憶されたストローク情報の有無、または、選択決定欄410に電子ペン1によってストロークが記入された際に確定されて記憶された病名情報の有無。
(6)第2署名記入欄411に電子ペン1によってストロークが記入された際に実行される第2署名における記入開始時刻及び記入終了時刻を有する時刻情報(以下、「第2署名時刻情報」という。)の記憶の有無。
【0093】
(ハイライト更新処理)
次に、図9を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行されるハイライト(強調)更新処理について説明する。なお、図9は、ハイライト表示605Aが実行されているアプリケーション画面の一例である。
【0094】
誘導制御部242は、誘導制御処理中の所定のタイミングにハイライト更新処理を実行する。誘導制御部242は、記入済み判定処理を実行し、所定の記入欄について記入済みではないと判定した場合に、告知書画像上の該当する記入欄に対してハイライト表示605を実行させる。ハイライト表示605としては、誘導制御部242は、告知書画像表示領域601に表示された告知書画像上における該当する記入欄に対して当該記入欄の外枠を強調表示する表示制御を行う。また、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を行う毎に、一度全てのハイライト表示605を解除するとともに、告知書画像表示領域601に表示された告知書画像上の何れかの記入欄に対してハイライト表示605を実行する。
【0095】
なお、図9に示すアプリケーション画面6は、アプリケーションプログラムが起動した際の初期画面であって、告知書画像表示領域601の注意事項の表示指示欄611に対してハイライト表示605Aが実行されている例である。すなわち、ユーザは最初に注意事項の表示指示欄401に記入をしなければならないので、初期画面にそれを誘導するためのハイライト表示605Aが実行されている。
【0096】
(警告処理)
次に、図10及び図11を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される警告処理について説明する。なお、図10及び図11は、警告処理が実行された際のアプリケーション画面6であって、図10は、注意事項の確認警告における表示の一例であり、図11は、病名記入/決定警告における表示の一例である。
【0097】
誘導制御部242は、誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従っていれば記入される告知書4上の所定の記入欄への電子ペン1による記入が実行されていないと判断した場合に、所定の警告処理を行う。警告処理としては、誘導制御部242は、電子ペン1によって告知書4上に記入されている記入欄と同一の告知書画像上の記入欄に対して、当該記入欄をハイライト表示にする警告表示606を行うとともに警告用表示マーク607を表示する表示制御を行う。ただし、警告表示におけるハイライト表示は、ハイライト更新処理におけるハイライト表示とは異なる表示、例えば、該当する記入欄の外枠を点滅表示させたり、異なる色でハイライト表示させたり、あるいは、該当する記入欄全体をハイライト表示させたりすることによって実行される。
【0098】
また、誘導制御部242は、告知書画像上の所定の記入欄に対して警告表示した際に、お知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602に警告内容及びユーザが記入すべき記入欄を示す所定の画像を表示するように表示手段26を制御するとともに、スピーカ(音声出力手段)28から警告音を出力する。
【0099】
図10に示すアプリケーション画面6は、ユーザが注意事項の表示指示欄401に記入をしなければならない際に第1署名記入欄402に記入した場合に、告知書画像表示領域601の第1署名記入欄612に対する警告表示606Aの実行、及び、警告用表示マーク607Aの表示がされている例である。また、この場合に、所定の画像がお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602Bに表示されている。
【0100】
一方、図11に示すアプリケーション画面6は、ユーザが病名を病名記入欄405に手書き入力または選択指示欄406〜409及び選択決定欄410によって選択入力をしなければならない際に第2署名記入欄411に記入した場合に、告知書画像表示領域601の第2署名記入欄621に対する警告表示606Bの実行、及び、警告用表示マーク607Bの表示がされている例である。なお、警告表示606B及び警告用表示マーク607Bの表示を含めて「第2署名記入警告」という。また、この場合に、所定の画像がお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602Fに表示される。
【0101】
なお、図10及び図11以外の状況で実行される警告処理については、その状況に合わせたお知らせ画像がお知らせ画像表示領域602に表示されるとともに、警告表示606の実行、及び、警告用表示マーク607の表示が該当する記入欄に実行される。
【0102】
(注意事項の確認映像の再生処理)
次に、図12を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される注意事項の確認映像の再生処理について説明する。なお、図12は、注意事項の確認映像の再生処理が実行された場合におけるアプリケーション画面6の一例である。
【0103】
誘導制御部242は、誘導制御処理中に、ストローク描画処理部241から伝達された認識記入欄が注意事項の表示指示欄401であった場合に、お知らせ画像表示領域602に注意事項の確認映像を再生する。また、誘導制御部242は、注意事項の確認映像の再生終了後に、「確認映像の再生完了」を示すフラグ情報を記憶手段25に記憶する。
【0104】
なお、誘導制御部242は、注意事項の確認映像の再生処理が実行された後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき告知書画像上の記入欄、すなわち、第1署名記入欄612に対してハイライト表示605を行う。また、図12に示すアプリケーション画面6は、電子ペン1による注意事項の表示指示欄401への記入がされた場合に、注意事項の確認映像がお知らせ画像表示領域602Aに再生されている例である。
【0105】
また、お知らせ画像表示領域602における注意事項の確認映像の再生においては、テキストのみに限らず、イラストが含まれてもよいし、動画として再生させてもよい。
【0106】
(第1署名記入処理)
次に、誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される第1署名記入処理について説明する。
【0107】
誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従って電子ペン1による告知書4への記入が実行されている場合であって、受信した記入情報の認識記入欄が第1署名記入欄402であるとストローク描画処理部241によって認識された場合には、誘導制御部242は、当該記入情報に含まれる時刻情報を、第1署名記入開始時刻及び第1署名記入終了時刻(以下、単にまとめて「第1署名時刻情報」ともいう。)として、記憶手段25に記憶する。すなわち、注意事項の確認映像におけるフラグ情報が再生済みであって、受信した記入情報の認識記入欄が第1署名記入欄402である場合には、誘導制御部242は、当該記入情報に含まれる時刻情報を第1署名時刻情報として記憶手段25に記憶する。
【0108】
このとき、誘導制御部242は、第1署名記入開始時刻が既に記憶手段25に記憶されている場合、第1署名記入開始時刻は更新せずに、第1署名記入終了時刻のみ記憶手段25に更新記憶する。これにより、第1署名の記入が終了すると、必然的に第1署名記入欄402に記入された最初のストロークにおけるペンダウン時の時刻情報が第1署名記入開始時刻として、最後のストロークにおけるペンアップ時の時刻情報が第1署名終了時刻として、それぞれ記憶手段25に記憶される。
【0109】
なお、誘導制御部242は、第1署名記入処理が実行された後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき記入欄である「はい」選択欄403及び「いいえ」選択欄404に対応する告知書画像上の記入欄、すなわち、「はい」選択欄613及び「いいえ」選択欄614に対してハイライト表示605を行う。
【0110】
(診察等履歴の有無に関する選択処理)
次に、図13及び図14を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される診察等履歴の有無に関する選択処理について説明する。なお、図13及び図14は、診察等履歴の有無に関する選択処理が実行された際のアプリケーション画面6であって、図13は、「はい」選択欄403の選択表示等の一例であり、図14は、「いいえ」選択欄404の選択表示等の一例である。
【0111】
誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従って電子ペン1による告知書4への記入が実行されている場合であって、受信したストローク情報がストローク描画処理部241によって「はい」選択欄403または「いいえ」選択欄404の何れかに属するストロークと認識されていた場合には、誘導制御部242は、ストロークの記入がされた「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614に対して選択表示608を行う。すなわち、誘導制御部242は、注意事項の確認映像が再生済みであることを示すフラグ情報と第1署名時刻情報が記憶手段25に記憶されている場合であって、認識記入欄が「はい」選択欄403または「いいえ」選択欄404の何れかである場合には、認識された方の選択欄に対して選択表示608を行う。
【0112】
選択表示608としては、誘導制御部242は、アプリケーション画面6の告知書画像上における「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614をハイライト表示にする。そして、誘導制御部242は、「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614に対して選択表示した際に、スピーカ28から選択音を出力する。ただし、選択表示608におけるハイライト表示は、「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614の外枠に対してハイライト更新処理または警告処理におけるハイライト表示とは異なる強調表示を行うことによって実行される。
【0113】
認識記入欄が「はい」選択欄403である場合には、誘導制御部242は、お知らせ画像表示領域602に所定の画像をお知らせ画像として表示させるとともに、選択入力表示領域603に病名選択入力処理が実行される際に用いられるナビゲーション画面(以下、単に「ナビゲーション画面」という。)の初期画像を表示させる。また、認識記入欄が「いいえ」選択欄404である場合には、誘導制御部242は、告知書画像に設けられた病名記入欄615と、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620との画像上に「×」印の記入不要マーク609を表示させる。なお、ナビゲーション画面とは、電子ペン1による選択指示欄406〜409の記入に従って病名のカテゴリ及びそのカテゴリに属する病名が選択可能に表示される画面であり、病名選択入力処理において用いられる。
【0114】
一方、認識記入欄が「はい」選択欄403または「いいえ」選択欄404の何れかである場合に、既に反対の選択欄が記入済みであると判断すると、誘導制御部242は、記入済みの記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対する選択表示、お知らせ画像の表示及びナビゲーション画面の表示を解除するとともに、該当するストローク情報を記憶手段25から削除または無効化するとともに、認識記入欄に対応する告知書画像上の「はい」選択欄613または「いいえ」選択欄614に対して選択表示608を行う。なお、誘導制御部242は、既に「はい」選択欄403もしくは「いいえ」選択欄404の座標範囲に含まれる座標情報を含む記入情報(ストローク情報)が記憶されているか、又は、「はい」選択欄403もしくは「いいえ」選択欄404が選択表示されているかに基づいて、反対の選択欄への記入があるか否かを判断することができる。
【0115】
また、誘導制御部242は、診察等履歴の有無に関する選択処理が実行された後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき記入欄に対する告知書画像上の記入欄にハイライト表示605を行う。
【0116】
なお、図13に示すアプリケーション画面6は、告知書画像表示領域601の「はい」選択欄613に選択表示608Aが実行されている場合であって、病名記入欄615と、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620に対するハイライト表示605Dが実行されている例である。また、このとき、図13に示すように、お知らせ画像表示領域602Cには、「はい」選択欄403が選択されたことを示すお知らせ画像が表示されているとともに、選択入力表示領域603にはナビゲーション画面が表示されている。
【0117】
また、図14に示すアプリケーション画面6は、告知書画像表示領域601の「いいえ」選択欄614に選択表示608Bが実行されている場合であって、病名記入欄615と、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620に対して「×」印の記入不要マーク609が表示されているとともに、第2署名記入欄621に対するハイライト表示605Eが実行されている例である。また、このとき、図14に示すように、お知らせ画像表示領域602Dには、「いいえ」選択欄404が選択されたことを示すお知らせ画像が表示され、病名の手書き記入または選択入力が不要である旨を示すテキストが含まれたお知らせ画像が表示されている。
【0118】
(病名手書き入力処理)
次に、図15を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される病名手書き入力処理について説明する。なお、図15は、病名手書き入力処理が実行された際のアプリケーション画面6の一例である。
【0119】
誘導制御部242は、誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従って電子ペン1による告知書4への記入が実行されている場合であって、認識記入欄が病名記入欄405である場合には、該当する記入情報(ストローク情報)を病名情報として記憶手段25に記憶する。すなわち、注意事項の確認映像が再生済みであることを示すフラグ情報と第1署名時刻情報とが記憶手段25に記憶されていて、「はい」選択欄613が選択表示されている場合であって、受信した記入情報の認識記入欄が病名記入欄405である場合には、誘導制御部242は、該当する記入情報(ストローク情報)を病名情報として記憶手段25に記憶する。なお、通常、複数のストロークによって病名記入欄405に病名が記入されるので、誘導制御部242は、複数のストローク情報を病名情報として記憶手段25に記憶する。
【0120】
なお、誘導制御部242は、病名手書き入力処理が実行された後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき記入欄である第2署名記入欄411に対応する告知書画像上の記入欄、すなわち、第2署名記入欄621に対してハイライト表示605を行う。また、図15に示すアプリケーション画面6は、告知書4の病名記入欄405に病名が手書き入力された場合であって、第2署名記入欄621がハイライト表示605Eが実行されている例である。なお、病名記入欄405に記入を始めると直ぐに第2署名記入欄621がハイライト表示されるが、ユーザは、病名を最後まで記入後、第2署名記入欄411に第2署名を記入すればよい。
【0121】
(病名選択入力処理)
次に、図16〜図19の各図を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される病名選択入力処理について説明する。なお、図16は、病名選択入力処理に用いる病気のカテゴリ(区分)と各カテゴリに属する病名の階層構造を示すデータ例であり、図17及び図18は、病名選択入力処理が実行された際のアプリケーション画面6であって、選択指示欄406〜409に電子ペン1によるストローク記入された場合の一例である。図19は、病名選択入力処理が実行された際のアプリケーション画面6であって、病名が確定された場合の一例である。
【0122】
誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従ってユーザによる告知書4への記入が実行されている場合であって、受信した記入情報の認識記入欄が選択指示欄406〜409の何れかである場合には、誘導制御部242は、該当する選択指示欄406〜409に基づいて、病気のカテゴリの選択または各カテゴリに属する病名の選択を行う。すなわち、注意事項の確認映像が再生済みであることを示すフラグ情報と第1署名時刻情報とが記憶手段25に記憶されていて、さらに、「はい」選択欄613が選択表示されている場合であって、認識記入欄が選択指示欄406〜409の何れかであると判別された場合には、誘導制御部242は、該当する選択指示欄406〜409に基づいて、病気のカテゴリの選択または各カテゴリの病名の選択を行う。
【0123】
誘導制御部242は、図16に示すように、記憶手段25に予め記憶された「心臓・血圧」または「脳・精神・神経」など病気のカテゴリと各カテゴリ毎に対応付けられた複数の病名の情報とを有する階層構造の病名選択用データと選択入力表示領域603に表示されるナビゲーション画面とを連動させる。そして、誘導制御部242は、認識記入欄が左方向選択指示欄407ないし右方向選択指示欄408と判断された場合には、カテゴリを遷移させ、認識記入欄が上方向選択指示欄406ないし下方向選択指示欄409と判断された場合には、選択されたカテゴリに属する病名の一覧をスクロール(またはカーソルや太文字などの強調表示を移動)させて一の病名を選択する。
【0124】
具体的には、認識記入欄が左方向選択指示欄407の場合には、誘導制御部242は、カテゴリの選択において表示されているカテゴリから一つ左のカテゴリに切り換えてナビゲーション画面上に表示させる。そして、誘導制御部242は、切り換えられたカテゴリとともに当該カテゴリに属する病名の一覧も遷移させてナビゲーション画面上に表示させる。また、認識記入欄が右方向選択指示欄408の場合には、誘導制御部242は、カテゴリの選択において表示されているカテゴリから一つ右のカテゴリに遷移させてナビゲーション画面上に表示させる。そして、誘導制御部242は、切り換えられたカテゴリとともに当該カテゴリに属する病名の一覧も遷移させてナビゲーション画面上に表示させる。一方、認識記入欄が上方向選択指示欄406の場合には、誘導制御部242は、選択されたカテゴリの病名の一覧の一部としてナビゲーション画面上に表示している病名の一覧を一つ上の病名から表示されるようにスクロールさせる(またはカーソルや太文字などの強調表示を一つ上の病名に移動)させる。また、認識記入欄が下方向選択指示欄409の場合には、誘導制御部242は、選択されたカテゴリの病名の一覧の一部としてナビゲーション画面上に表示している病名の一覧を一つ下の病名まで表示されるようにスクロール(またはカーソルや太文字などの強調表示を一つ下の病名に移動)させる。
【0125】
なお、図17に示すアプリケーション画面6は、告知書4の右方向選択指示欄408に電子ペン1による記入が行われている場合であって、選択入力表示領域603のナビゲーション画面で、この記入によりカテゴリ「脳・精神・神経」(603A)が選択されている例である。また、図18に示すアプリケーション画面6は、図17の処理の後に、告知書4の下方向選択指示欄409に電子ペン1による記入が行われている場合であって、選択入力表示領域603のナビゲーション画面に、カテゴリ「脳・精神・神経」における病名「自律神経失調症」(603B)が選択されている例である。
【0126】
一方、誘導制御部242は、病名選択入力処理中に、受信した記入情報の認識記入欄が選択決定欄410である場合には、選択された病名、すなわち、選択入力表示領域603に表示されている病名(カーソル内に表示または太文字などによって強調表示されている病名)を病名情報として確定し、当該確定した病名情報を記憶手段25に記憶するとともに、選択入力表示領域603に表示されている当該病名の選択表示欄に対して選択表示608を行う。なお、誘導制御部242は、病名が確定した後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき記入欄、すなわち、第2署名記入欄621に対してハイライト表示605を行う。
【0127】
なお、図19に示すアプリケーション画面6は、告知書4の選択決定欄410に電子ペン1による記入が行われている場合であって、選択入力表示領域603に選択されている病名「自律神経失調症」が選択表示608Cされている例である。このとき、図19に示すように、お知らせ画像表示領域602Eには、病名が決定されたことを示すお知らせ画像が表示されるとともに、第2署名記入欄621がハイライト表示605Eされる。
【0128】
(第2署名記入処理)
次に、図20を用いて誘導制御部242において誘導制御処理の一処理として実行される第2署名記入処理について説明する。なお、図20は、第2署名記入処理が実行された際のアプリケーション画面6の一例である。
【0129】
誘導制御部242は、誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従って電子ペン1による告知書4への記入が実行されている場合であって、認識記入欄が第2署名記入欄411である場合には、当該記入情報に含まれる時刻情報を、第2署名記入開始時刻及び第2署名記入終了時刻(以下、単にまとめて「第2署名時刻情報」ともいう。)として、記憶手段25に記憶する。すなわち、注意事項の確認映像が再生済みであることを示すフラグ情報と、第1署名時刻情報とが記憶手段25に記憶されていて、さらに、「はい」選択欄613が選択表示されていて及び病名情報が記憶手段25に記憶されているか、もしくは、「いいえ」選択欄614が選択表示されているかの何れか一方である場合であって、受信した記入情報の認識記入欄が第2署名記入欄411である場合には、誘導制御部242は、当該記入情報に含まれる時刻情報を第2署名時刻情報として記憶手段25に記憶する。
【0130】
このとき、誘導制御部242は、第2署名記入開始時刻が既に記憶手段25に記憶されている場合、第2署名記入開始時刻は更新せずに、第1署名記入終了時刻のみ記憶手段25に更新記憶する。これにより、第2署名の記入が終了すると、必然的に第2署名記入欄411に記入された最初のストロークにおけるペンダウン時の時刻情報が第2署名記入開始時刻として、最後のストロークにおけるペンアップ時の時刻情報が第2署名終了時刻として、それぞれ記憶手段25に記憶される。
【0131】
なお、誘導制御部242は、第2署名記入処理が実行された後に、上記のハイライト更新処理を実行し、次にユーザが記入すべき記入欄である申込受付欄412に対応する告知書画像上の記入欄、すなわち、申込受付欄622に対してハイライト表示605Fを行う。また、図20に示すアプリケーション画面6は、告知書4の第2署名記入欄411に電子ペン1による記入が行われている場合であって、申込受付欄622に対してハイライト表示605Fが実行されている例である。
【0132】
(署名整合判定処理)
次に、図21及び図22の各図を用いて誘導制御部243において誘導制御処理の一処理として実行される署名整合判定処理について説明する。なお、図21及び図22は、署名整合判定処理が実行された際のアプリケーション画面6であって、図21は、第2署名が第1署名と整合性を有することにより申込受付が完了した場合の一例であり、図22は、第2署名が第1署名と不整合となり、第2署名の再入力を促す場合の一例である。
【0133】
誘導制御部242は、誘導制御処理中に、予め定められた記入順に従って電子ペン1による告知書4への記入が実行されている場合であって、受信した記入情報の認識記入欄が申込受付欄412である場合には、記憶手段25に記憶された第1署名時刻情報及び第2署名時刻情報に基づいて署名整合判定処理を行う。すなわち、注意事項の確認映像が再生済みであることを示すフラグ情報と、第1署名時刻情報とが記憶手段25に記憶されていて、さらに、「はい」選択欄613が選択表示されていて及び病名情報が記憶手段25に記憶されているか、もしくは、「いいえ」選択欄614が選択表示されているかの何れか一方であって、第2署名時刻情報が記憶手段25に記憶されている場合であって、認識記入欄が申込受付欄412である場合には、誘導制御部242は、署名整合判定処理を行う。
【0134】
署名整合判定処理としては、誘導制御部242は、第1署名時刻情報における第1署名記入開始時刻から第1署名記入終了時刻までの経過時間を演算し、当該経過時間を第1署名記入時間として記憶手段25に記憶する。また、誘導制御部242は、第2署名時刻情報における第2署名記入開始時刻から第2署名記入終了時刻までの経過時間を演算し、当該経過時間を第2署名記入時間として記憶手段25に記憶する。そして、誘導制御部242は、第1署名記入時間と第2署名記入時間とを比較してその差分が予め定められた閾値以下であるか否かを判断し、ユーザの申込を受け付けるか否かを決定する。
【0135】
通常、ユーザが自己の署名を何度記載したとしても、ほぼ同一の時間長によって署名することができるので、第1署名と第2署名の記入時間を比較すれば、当該第1署名と第2署名の同一性をも判断することができる。したがって、誘導制御部243は、第1署名記入時間と第2署名記入時間の差分が閾値以下の場合には、ユーザの申込を受け付け、所定のデータを受付データとして所定の受付番号(ID番号)を付して記憶手段25に記憶し、その旨をユーザに通知する。
【0136】
受付データには、注意事項の確認映像欄401へのストローク情報、第1署名のストローク情報、「はい」選択欄403もしくは「いいえ」選択欄404へのストローク情報、病名情報(病名記入欄405へのストローク情報もしくは選択入力により確定した病名情報)、第2署名のストローク情報、並びに、申込受付欄412へのストローク情報が含まれる。
【0137】
なお、図21に申込受付の完了時のアプリケーション画面6及び当該申込受付の完了の旨を示すポップアップ画面8の例を示す。ポップアップ画面8は、図21に示すように、アプリケーション画面6の前面に表示されるとともに、診察等履歴の有無、診察等履歴がある場合はその病名、第1署名及び第2署名のストロークを表示する。そして、ユーザのコンピュータ装置2への所定の入力指示(OKボタンのクリック)後は、アプリケーションプログラムを終了させる。なお、図21では、病名選択入力により確定された病名情報に基づく病名が表示されているが、病名情報として病名手書き入力によるストローク情報が記憶手段25に記憶されている場合には、当該ストローク情報に基づくストロークの画像が病名として表示される。
【0138】
一方、誘導制御部242は、第1署名記入時間と第2署名記入時間の差分が閾値より大きい場合には、第2署名が第1署名と異なると判断してユーザの申込を拒否し、署名不一致の告知画像の表示及び警告音の出力などの警告処理を行うとともに、再入力を促す画像を表示する。このとき、誘導制御部242は、記憶手段25に記憶されている第2署名時刻情報、第2署名記入欄411に記入されたストローク情報及び申込受付欄412に記入されたストローク情報を削除または当無効化する。なお、このとき、誘導制御部242は、送信手段27を介してサーバ装置3の図示しないデータベースに既に蓄積されている該当するペンIDのストローク情報を削除または無効化する制御を行う。
【0139】
なお、図22に第2署名の再記入を促すときのアプリケーション画面6及びポップアップ画面7の例を示す。ポップアップ画面7は、図22に示すように、アプリケーション画面6の前面に表示される。そして、ユーザのコンピュータ装置2への所定の入力指示(OKボタンのクリック)後は、第2署名時刻情報及び第2署名記入時間、第2署名に記入されたストローク情報及び申込受付欄412に記入されたストローク情報を削除または無効化し、第2署名記入欄621のハイライト表示605を実行する。
【0140】
[誘導制御処理を含むデータ入力処理]
次に、図23を用いてデータ入力システム10における誘導制御処理を含むデータ入力処理の動作について説明する。なお、図23は、データ入力システム10における誘導制御処理を含むデータ入力処理の動作を示すフローチャートである。また、本動作は、コンピュータ装置2を基準として説明する。
【0141】
まず、コンピュータ装置2においては、入力手段21を介して入力されたユーザの操作指示に基づいてアプリケーションプログラムを起動させると(ステップS201)、誘導制御部242は、告知書画像表示領域601に表示された告知書画像の注意事項の表示指示欄611に対してハイライト表示605を行う(ステップS202)(参照図9、605A)。
【0142】
そして、ユーザが電子ペン1によって告知書4上に一のストロークを記入すると、電子ペン1は、この記入されたストロークの各記入情報をコンピュータ装置2に順次送信する(ステップS101)。具体的には、電子ペン1は、圧力センサ107によって検出した筆圧に基づいてペンダウンが検知されてユーザによるストロークの記入開始を認識すると、LED105及びCMOSカメラ106をオンにし、圧力センサ107によってペンアップが検出されてユーザによるストロークの終了を認識するまで、所定の時間間隔毎に告知書4のドットパターンを撮影し、当該撮影された画像毎に、ペンID、時刻情報及びX、Y座標データ等を含む記入情報を生成して順次コンピュータ装置2に送信する。
【0143】
一方、コンピュータ装置2においては、電子ペン1より各記入情報(ストローク情報)が順次送信されると、電子ペン1から送信された記入情報の受信を開始する。なお、コンピュータ装置2は、記入情報を受信する毎に以下の動作を繰り返す。具体的には、ストローク描画処理部241は、受信手段22を介して受信した記入情報をペンID毎に記憶手段25に記憶させる(ステップS203)。
【0144】
次いで、ストローク描画処理部241は、記憶手段25に記憶された座標定義情報を参照して、受信した記入情報のX、Y座標データの座標が告知書4上のどの記入欄に属しているか又どの位置に当たるかを認識し、一のストロークの部分ストロークとして描画して告知書画像表示領域601の告知書画像上の対応する位置に重畳表示する(ステップS204)。
【0145】
次いで、送信手段27は、受信した記入情報をサーバ装置3に送信する(ステップS205)。このとき、サーバ装置3は、受信した記入情報をペンID毎に所定のデータベースに蓄積する(ステップS301)。
【0146】
次いで、コンピュータ装置2においては、誘導制御部242は、受信した記入情報及び各種処理によって生成した各種データに基づいて誘導制御処理を実行する(ステップS206)。
【0147】
[誘導制御処理]
次に、図24〜図27の各図を用いてデータ入力システム10において、告知書4へのユーザの記入を誘導する誘導制御処理の動作について説明する。なお、図24〜図27は、誘導制御処理を示すフローチャートである。
【0148】
はじめに、図24を用いて図23におけるステップS206で実行される誘導制御処理について説明する。
【0149】
まず、誘導制御部242は、電子ペン1による告知書4への記入が注意事項の表示指示欄401への記入であるか否かを判別する、すなわち、ステップS204でストローク描画処理部241が認識した、受信した記入情報の属するユーザエリアに対応する記入欄(「認識記入欄」)が、注意事項の表示指示欄401であるか否かを判別する(ステップS401)。
【0150】
認識記入欄が注意事項の表示指示欄401であると判別した場合には(ステップS401:Yes)、誘導制御部242は、お知らせ画像表示領域602に注意事項の確認映像を再生して表示する(ステップS402)(図12、602Aを参照)。そして、誘導制御部242は、「確認映像の再生完了」を示すフラグ情報(以下、「確認映像の再生完了フラグ」ともいう。)を記憶手段25に記憶する(ステップS403)。
【0151】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行してアプリケーション画面6における告知書画像表示領域601に対してハイライト表示605を行い(ステップS404)、本動作を終了させる。なお、ハイライト更新処理の動作の詳細については後述する。
【0152】
一方、ステップS401の処理において、認識記入欄が注意事項の表示指示欄401ではないと判別した場合には(ステップS401:No)、誘導制御部242は、注意事項の確認映像が再生完了しているか否かを判断する(ステップS411)。具体的には、誘導制御部242は、「確認映像の再生完了」を示すフラグ情報が記憶手段25に記憶されているか否かを判断する。
【0153】
そして、誘導制御部242は、注意事項の確認映像が再生完了していないと判別した場合には(ステップS411:No)、注意事項を確認するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS421)、本動作を終了する。なお、この注意事項の確認警告として、誘導制御部242は、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄、例えば図10に示すように、第1署名記入欄612に対して警告表示606Aの実行及び警告用表示マーク607Bの表示を行ったり、警告映像602Bをお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602に表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS421)。
【0154】
一方、判別処理部242は、ステップS411の処理において、注意事項の確認映像が再生完了していると判別した場合には(ステップS411:Yes)、電子ペン1による告知書4への記入が第1署名記入欄402への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が第1署名記入欄402であるか否かを判別する(ステップS412)。
【0155】
このとき、誘導制御部242は、認識記入欄が第1署名記入欄402であると判別した場合には(ステップS412:Yes)、ステップS413の処理に移行し、認識記入欄が第1署名記入欄402への記入でないと判別した場合には(ステップS412:No)、ステップS431の処理に移行する。
【0156】
誘導制御部242は、認識記入欄が第1署名記入欄402であると判別した場合には(ステップS412:Yes)、第1署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されているか否かを判断する(ステップ413)。誘導制御部242は、第1署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されていないと判断した場合には(ステップS413:No)、受信した記入情報に含まれる時刻情報を第1署名記入開始時刻として記憶手段25に記憶する(ステップS414)。さらに、誘導制御部242は、受信した記入情報に含まれる時刻情報を第1署名記入終了時刻として記憶手段25に記憶して(ステップS415)、本動作を終了させる。
【0157】
一方、誘導制御部242は、ステップS413の処理において、第1署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されていると判断した場合には(ステップS413:Yes)、受信した記入情報の時刻情報を第1署名記入終了時刻として記憶手段25に更新記憶する(ステップS416)。
【0158】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行してアプリケーション画面6における告知書画像表示領域601に対してハイライト表示605を行い(ステップS417)、本動作を終了させる。
【0159】
また、誘導制御部242は、ステップS412の処理において、認識記入欄が第1署名記入欄402への記入でないと判別した場合には(ステップS412:No)、第1署名時刻情報(第1署名記入開始時刻及び第1署名記入終了時刻)が記憶手段25に記憶されているか否かを判断する、すなわち、第1署名記入欄402に記入されているか否かを判断する(ステップS431)。誘導制御部242は、第1署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていると判断した場合には(ステップS431:Yes)、図25のステップS601の処理に移行する。一方、第1署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていないと判断した場合には(ステップS431:No)、誘導制御部242は、第1署名を記入するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS432)、本動作を終了する。なお、この第1署名記入警告として、誘導制御部242は、上述の注意事項の確認警告と同様に、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対して警告表示606の実行及び警告用表示マーク607の表示を行ったり、警告映像をお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602に表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS432)。
【0160】
次に、図25を用いて、図24のステップS431において第1署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていると判断された後の誘導制御処理について説明する。
【0161】
まず、誘導制御部242は、電子ペン1による告知書4への記入が「はい」選択欄403への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が「はい」選択欄403であるか否かを判別する(ステップS601)。誘導制御部242は、認識記入欄が「はい」選択欄403であると判別した場合には(ステップS601:Yes)、ステップS602の処理に移行し、認識記入欄が「はい」選択欄403でないと判別した場合には(ステップS601:No)、ステップS611の処理に移行する。
【0162】
誘導制御部242は、ステップS601の処理において、認識記入欄が「はい」選択欄403であると判別した場合には(ステップS601:Yes)、アプリケーション画面6における告知書画像上の「いいえ」選択欄614を選択表示している状態か否かを判断する(ステップS602)。誘導制御部242は、「いいえ」選択欄614を選択表示していないと判断した場合には(ステップS602:No)、ステップS605の処理に移行する。
【0163】
一方、誘導制御部242は、「いいえ」選択欄614を選択表示していると判断した場合には、「いいえ」選択欄614の選択表示を解除するとともに(ステップS603)、病名記入欄615、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620上に形成された「×」印の記入不要マーク609の表示を解除する(ステップS604)。
【0164】
次いで、誘導制御部242は、「はい」選択欄613に対して選択表示608Aを行うとともに(参照図13)、選択音をスピーカ28から出力する(ステップS605)。なお、選択音は、選択された記入欄ごとに異なる音声情報としても、同じ音声情報としてもよい。
【0165】
次いで、誘導制御部242は、アプリケーション画面6における選択入力表示領域603にナビゲーション画面の初期画像を表示させる(ステップS606)(参照図13)。このとき、誘導制御部242は、お知らせ画像表示領域602に病名を記入または選択するよう促すお知らせ画像602Cを表示させる。
【0166】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行してアプリケーション画面6における告知書画像表示領域601の所定の記入欄、すなわち、病名記入欄615、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620に対してハイライト表示605Dを行い(ステップS607)(参照図13)、本動作を終了させる。
【0167】
一方、誘導制御部242は、ステップS601の処理において、認識記入欄が「はい」選択欄403でないと判別した場合には(ステップS601:No)、電子ペン1による告知書4への記入が「いいえ」選択欄404への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が「いいえ」選択欄404であるか否かを判別する(ステップS611)。誘導制御部242は、認識記入欄が「いいえ」選択欄404であると判別した場合には(ステップS611:Yes)、ステップS612の処理に移行し、認識記入欄が「いいえ」選択欄404でないと判別した場合には(ステップS611:No)、ステップS621の処理に移行する。
【0168】
誘導制御部242は、ステップS611の処理において、認識記入欄が「いいえ」選択欄404であると判別した場合には(ステップS611:Yes)、アプリケーション画面6における告知書画像上の「はい」選択欄613を選択表示している状態か否かを判断する(ステップS612)。誘導制御部242は、「はい」選択欄613を選択表示していないと判断した場合には(ステップS612:No)、ステップS615の処理に移行する。
【0169】
一方、誘導制御部242は、「はい」選択欄613を選択表示していると判断した場合には、「はい」選択欄613の選択表示を解除するとともに(ステップS613)、選択入力表示領域603におけるナビゲーション画面の表示を解除する(ステップS614)。
【0170】
次いで、誘導制御部242は、「いいえ」選択欄614に対して選択表示608Bを行うとともに(参照図14)、選択音をコンピュータ装置2のスピーカ28から出力する(ステップS615)。
【0171】
次いで、誘導制御部242は、病名記入欄615、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620上に「×」印の記入不要マーク609を表示させる(ステップS616)(参照図14)。このとき、誘導制御部242は、病名の記入や選択が不要なことを伝えるお知らせ画像602Dを表示させる。
【0172】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行して告知書画像表示領域601の所定の記入欄、すなわち、第2署名記入欄621に対してハイライト表示605Eを行い(ステップS617)(参照図14)、本動作を終了させる。
【0173】
他方、誘導制御部242は、ステップS611の処理において、認識記入欄が「いいえ」選択欄404でないと判別された場合には(ステップS611:No)、「はい」選択欄613又は「いいえ」選択欄614が選択表示されているか否かを判断する(ステップS621)。このとき、誘導制御部242は、「はい」選択欄613又は「いいえ」選択欄614が選択表示されていると判断した場合には(ステップS621:Yes)、図26のステップS701の処理に移行する。一方、「はい」選択欄613及び「いいえ」選択欄614がどちらも選択表示されていないと判断した場合には(ステップS621:No)、誘導制御部242は、「はい」又は「いいえ」を選択するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS622)、本動作を終了する。「はい」「いいえ」選択警告として、誘導制御部242は、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対して警告表示606の実行、及び警告用表示マーク607の表示を行ったり、警告映像をお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602に表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS622)。
【0174】
次に、図26を用いて、図25のステップS621において「はい」選択欄613又は「いいえ」選択欄614が選択されていると判断した後の誘導制御処理について説明する。
【0175】
まず、誘導制御部242は、電子ペン1による告知書4への記入が病名記入欄405への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が、病名記入欄405であるか否かを判別する(ステップS701)。
【0176】
認識記入欄が病名記入欄405への記入であると判別した場合に(ステップS701:Yes)、誘導制御部242は、受信した記入情報を病名情報として記憶手段25に記憶する(ステップS702)。このとき、誘導制御部242は、以前に受信した記入情報の中で、ステップS702の処理によって記憶された記入情報がある場合には、その記入情報とともに今回受信した記入情報を記憶手段25に記憶する。
【0177】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行してアプリケーション画面6における告知書画像表示領域601に対してハイライト表示605Eを行い(ステップS703)(参照図15)、本動作を終了させる。
【0178】
一方、判別処理部242は、ステップS701の処理において、認識記入欄が病名記入欄405への記入でないと判別した場合には(ステップS701:No)、電子ペン1による告知書4への記入が選択指示欄406〜409の何れかへの記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が選択指示欄406〜409の何れかであるか否かを判別する(ステップS711)。
【0179】
このとき、誘導制御部242は、認識記入欄が選択指示欄406〜409の何れかへの記入であると判別した場合には(ステップS711:Yes)、病名選択入力処理を実行する(ステップS712)(参照図17、図18)。具体的には、誘導制御部242は、該当する選択指示欄406〜409の何れかに基づいて、病気のカテゴリの選択または各カテゴリの病名の選択を行う。すなわち、誘導制御部242は、認識記入欄が左方向選択指示欄407と判断された場合には、表示されているカテゴリから一つ左のカテゴリに切り換えてナビゲーション画面上に表示させる。また、誘導制御部242は、当該認識記入欄が右方向選択指示欄408と判断された場合には、表示されているカテゴリから一つ右のカテゴリに切り換えてナビゲーション画面上に表示させる。なお、誘導制御部242は、切り換えられたカテゴリとともに当該カテゴリに属する病名の一覧も遷移させてナビゲーション画面上に表示させる。そして、誘導制御部242は、当該認識記入欄が上方向選択指示欄406と判断された場合には、選択されたカテゴリの病名の一覧に対してナビゲーション画面上のカーソル(または太文字などの強調表示)を一つ上の病名に移動させる。また、誘導制御部242は、当該認識記入欄が下方向選択指示欄409と判断された場合には、誘導制御部242は、選択されたカテゴリの病名の一覧に対してナビゲーション画面上のカーソル(または太文字などの強調表示)を一つ下の病名に移動させる。
【0180】
他方、誘導制御部242は、ステップS711の処理において、認識記入欄が選択指示欄406〜409でないと判別した場合には(ステップS711:No)、電子ペン1による告知書4への記入が選択決定欄410への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が選択決定欄410の何れかであるか否かを判別する(ステップS721)。
【0181】
このとき、誘導制御部242は、認識記入欄が選択決定欄410であると判別した場合には(ステップS721:Yes)、ステップS722の処理に移行し、認識記入欄が選択決定欄410への記入でないと判別した場合には(ステップS721:No)、ステップS731の処理に移行する。
【0182】
誘導制御部242は、認識記入欄が選択決定欄410であると判別した場合には(ステップS721:Yes)、選択入力表示領域603に病名が選択されている状態か否かを判断する(ステップS722)。具体的には、誘導制御部242は、ナビゲーション画面上のカーソル内に病名が選択表示されているか(または太文字などによって強調表示されているか)否かを判断する。そして、誘導制御部242は、選択入力表示領域603に病名が選択表示されていないと判別した場合には(ステップS722:No)、病名を選択するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS723)、本動作を終了する。この病名選択警告として、誘導制御部242は、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対して警告表示606の実行、及び警告用表示マーク607の表示を行ったり、お知らせ画像表示領域602に警告映像をお知らせ画像として表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS723)。
【0183】
一方、誘導制御部242は、ステップS722の処理において、選択入力表示領域603に病名が選択表示されていると判断した場合には(ステップS722:Yes)、選択入力表示領域603のナビゲーション画面で選択されている病名(カーソルによって選択または太文字などによって強調表示されている病名)を病名情報として確定し、当該確定した病名情報を記憶手段25に記憶するとともに、選択入力表示領域603に表示されている当該病名の選択表示欄に対して選択表示608Cを行う(ステップS724)(参照図19)。
【0184】
次いで、誘導制御部242は、お知らせ画像表示領域に、決定した病名の確認及び第2署名記入欄412への署名を誘導するためのお知らせ画像602Eを表示させる署名誘導表示を行う(ステップS725)(参照図19)。
【0185】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行して告知書画像表示領域601の所定の領域、すなわち、第2署名記入欄621に対してハイライト表示605Eを行い(ステップS726(図19を参照))、本動作を終了させる。
【0186】
また、誘導制御部242は、ステップS721の処理において、認識記入欄が選択決定欄410でないと判別した場合には、病名記入欄405が記入済みであるか、または、病名選択入力処理によって病名が確定しているかを、記憶手段25に病名情報が記憶されているか否かによって判断する(ステップS731)。このとき、誘導制御部242は、病名記入欄405が記入済み、または、病名が確定していると判断した場合には(ステップS731:Yes)、図27のステップS801の処理に移行する。一方、誘導制御部242は、病名記入欄405が記入済みでもなく、病名が確定してもいないと判断した場合には(ステップS731:No)、アプリケーション画面6における告知書画像上の「いいえ」選択欄614を選択表示している状態か否かを判断する(ステップS732)。誘導制御部242は、「いいえ」選択欄614を選択表示していると判断した場合には(ステップS732:Yes)、図27のステップS801の処理に移行する。一方、誘導制御部242は、「いいえ」選択欄614を選択表示していないと判断した場合には(ステップS732:No)、病名を記入するか病名選択を決定するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS733)、本動作を終了する。病名記入/決定警告として、誘導制御部242は、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄(例えば、第2署名記入欄621)に対して警告表示606Bの実行、及び警告用表示マーク607Bの表示を行ったり、お知らせ画像表示領域602に警告映像をお知らせ画像として表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS733)(参照図11)。
【0187】
次に、図27を用いて、図26のステップS731において病名記入欄405が記入済み、若しくは、病名が確定していると判断した後、又は、ステップS732において「いいえ」選択欄614を選択表示していると判断した後の誘導制御処理について説明する。
【0188】
まず、判別処理部242は、受信したストローク情報に基づいて、電子ペン1による告知書4への記入が第2署名記入欄411への記入であるか否かを判別する、すなわち、選択記入欄が第2署名記入欄411であるか否かを判別する(ステップS801)。このとき、判別処理部242は、認識記入欄が第2署名記入欄411であると判別した場合には(ステップS801:Yes)、ステップS802の処理に移行し、認識記入欄が第2署名記入欄411でないと判別した場合には(ステップS801:No)、ステップS811の処理に移行する。
【0189】
認識記入欄が第2署名記入欄411であると判別した場合には(ステップS801:Yes)、誘導制御部243は、第2署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されているか否かを判断する(ステップ802)。誘導制御部243は、第2署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されていないと判断した場合には(ステップS802:No)、受信した記入情報に含まれる時刻情報を第2署名記入開始時刻として記憶手段25に記憶する(ステップS803)。さらに、誘導制御部424は、受信した記入情報に含まれる時刻情報を第2署名記入終了時刻として記憶手段25に記憶し(ステップS804)、本動作を終了させる。
【0190】
一方、誘導制御部242は、ステップS802の処理において、第2署名記入開始時刻が記憶手段25に記憶されていると判断した場合には(ステップS802:Yes)、受信した記入情報の時刻情報を第2署名記入終了時刻として記憶手段25に更新記憶する(ステップS805)。
【0191】
次いで、誘導制御部242は、ハイライト更新処理を実行して告知書画像表示領域601の所定の記入欄、すなわち、申込受付欄622に対してハイライト表示605Fを行い(ステップS806)(参照図20)、本動作を終了させる。
【0192】
また、誘導制御部242は、ステップS801の処理において、電子ペン1による告知書4への記入が第2署名記入欄411への記入でないと判別した場合には(ステップS801:No)、第2署名時刻情報(第2署名記入開始時刻及び第2署名記入終了時刻)が記憶手段25に記憶されているか否かを判断する、すなわち、第2署名記入欄411が記入済みであるか否かを判断する(ステップS811)。誘導制御部242は、第2署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていると判別した場合には(ステップS811:Yes)、ステップS821の処理に移行する。一方、第2署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていないと判断した場合には(ステップS811:No)、誘導制御部242は、第2署名を記入するよう警告するための画面表示及び警告音の出力を実行して(ステップS812)、本動作を終了する。この第2署名記入警告として、誘導制御部242は、認識記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対して警告表示606の実行、及び警告用表示マーク607の表示を行ったり、警告映像をお知らせ画像としてお知らせ画像表示領域602に表示したり、スピーカ28から警告音を出力したりする(ステップS812)。
【0193】
他方、誘導制御部242は、ステップS811の処理において、第2署名時刻情報が記憶手段25に記憶されていると判断した場合には(ステップS811:Yes)、電子ペン1による告知書4への記入が申込受付欄412への記入であるか否かを判別する、すなわち、認識記入欄が申込受付欄412であるか否かを判別する(ステップS821)。このとき、判別処理部242は、認識記入欄が申込受付欄412でないと判別した場合には(ステップS821:No)、本動作を終了させる。
【0194】
一方、誘導制御部243は、ステップS821の処理において、選択記入欄が申込受付欄412であると判別した場合には(ステップS821:Yes)、署名整合判定処理を実行する(ステップS822)。なお、署名整合判定処理の動作の詳細については後述する。
【0195】
次いで、誘導制御部243は、アプリケーション画面6における告知書画像表示領域601の所定の記入欄に対してハイライト表示605をするためのハイライト更新処理を実行して(ステップS823)、本動作を終了させる。なお、ハイライト更新処理の動作の詳細については後述する。
【0196】
[ハイライト更新処理]
次に、図28を用いてデータ入力システム10における誘導制御処理において実行されるハイライト更新処理の動作について説明する。なお、図28は、ハイライト更新処理を示すフローチャートである。
【0197】
誘導制御処理のステップS404、ステップS417、ステップS607、ステップS617、ステップS703、ステップS726、ステップS806及びステップS823においてハイライト更新処理が開始されると、誘導制御部243は、まず、全てのハイライト表示605を解除する(ステップS501)。
【0198】
次いで、誘導制御部243は、「確認映像の再生完了」を示すフラグ情報が記憶手段25に記憶されているか否かに基づいて、注意事項の表示指示欄401が記入済みであるか否かを判断する(ステップS502)。このとき、誘導制御部243は、注意事項の表示指示欄401が記入済みでないと判断した場合には(ステップS502:No)、告知書画像表示領域601における注意事項の表示指示欄611に対してハイライト表示605Aを実行し(ステップS503)(参照図9)、本動作を終了させる。
【0199】
一方、誘導制御部243は、注意事項の表示指示欄401が記入済みであると判断した場合には(ステップS502:Yes)、記憶手段25に第1署名時刻情報が記憶されているか否かに基づいて、第1署名記入欄402が記入済みであるか否かを判断する(ステップS504)。このとき、誘導制御部243は、第1署名記入欄402が記入済みでないと判断した場合には(ステップS504:No)、告知書画像表示領域601における第1署名記入欄612に対してハイライト表示605を実行し(ステップS505)、本動作を終了させる。
一方、誘導制御部243は、第1署名記入欄402が記入済みであると判断した場合には(ステップS504:Yes)、「いいえ」選択欄404が記入済みであるか否かを判断する記入済み判定を実行する(ステップS506)。このとき、誘導制御部243は、「いいえ」選択欄404が記入済みであると判断した場合には(ステップS506:Yes)、ステップS511の処理に移行する。
【0200】
一方、誘導制御部243は、「いいえ」選択欄404が記入済みでないと判断した場合には(ステップS506:No)、「はい」選択欄403が記入済みであるか否かを判断する記入済み判定を実行する(ステップS507)。このとき、誘導制御部243は、「はい」選択欄403が記入済みでないと判断した場合には(ステップS507:No)、告知書画像表示領域601における「はい」選択欄613及び「いいえ」選択欄614に対してハイライト表示605を実行し(ステップS508)、本動作を終了させる。
他方、誘導制御部243は、「はい」選択欄403が記入済みであると判断した場合には(ステップS507:Yes)、記憶手段25に病名情報が記憶されているか否かに基づいて、病名記入欄405または選択決定欄410が記入済みであるか否かを判断する(ステップS509)。このとき、誘導制御部243は、病名記入欄405及び選択決定欄410の何れも記入済みでないと判断した場合には(ステップS509:No)、告知書画像表示領域601における病名記入欄615、選択指示欄616〜619及び選択決定欄620に対してハイライト表示605Dを実行し(ステップS510(図13を参照))、本動作を終了させる。誘導制御部243は、病名記入欄405または選択決定欄410が記入済みであると判断した場合には、ステップS511の処理に移行する。
【0201】
一方、誘導制御部243は、ステップS506の処理において、「いいえ」選択欄404が記入済みであると判断した場合、及び、ステップS509の処理において、病名記入欄405または選択決定欄410が記入済みであると判断した場合には(ステップS509:Yes)、記憶手段25に第2署名時刻情報が記憶されているか否かに基づいて、第2署名記入欄411が記入済みであるか否かを判断する(ステップS511)。このとき、誘導制御部243は、第2署名記入欄411が記入済みでないと判断した場合には(ステップS511:No)、告知書画像表示領域601における第2署名記入欄621に対してハイライト表示605Eを実行し(ステップS512)(参照図14、図15及び図19)、本動作を終了させる。
一方、誘導制御部243は、第2署名記入欄411が記入済みであると判断した場合には(ステップS511:Yes)、申込受付欄412が記入済みであるか否かを判断する記入済み判定を実行する(ステップS513)。このとき、誘導制御部243は、申込受付欄412が記入済みでないと判断した場合には(ステップS513:No)、告知書画像表示領域601における申込受付欄622に対してハイライト表示605Fを実行し(ステップS514)(参照図20)、本動作を終了させる。
【0202】
[署名整合判定処理]
次に、図29を用いてデータ入力システム10における誘導制御処理において実行される署名整合判定処理の動作について説明する。なお、図29は、署名整合判定処理を示すフローチャートである。
【0203】
誘導制御処理のステップS822において署名整合判定処理が開始されると、誘導制御部243は、まず、記憶手段25に記憶された第1署名時刻情報を読み出すとともに、第1署名時刻情報における第1署名記入開始時刻から第1署名記入終了時刻までの経過時間を演算し、当該経過時間を第1署名記入時間として記憶手段25に記憶する(ステップS901)。
【0204】
次いで、誘導制御部243は、記憶手段25に記憶された第2署名時刻情報を読み出すとともに、第2署名時刻情報における第2署名記入開始時刻から第2署名記入終了時刻までの経過時間を演算し、当該経過時間を第2署名記入時間として記憶手段25に記憶する(ステップS902)。
【0205】
次いで、誘導制御部243は、第1署名記入時間と第2署名記入時間とを比較してその差分が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する(ステップS903)。このとき、誘導制御部243は、第1署名記入時間と第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値以下であると判定した場合には(ステップS903:Yes)、所定のデータを受付データとして記憶手段25に記憶するとともに(ステップS904)、申込受付の完了の旨をポップアップ画面8によってユーザに通知して(ステップS905)(図21を参照)、本動作を終了させる。なお、誘導制御部243は、ステップS904の処理において受付データを記憶手段25に記憶すると、当該受付データを送信手段27を介してサーバ装置3に送信する。
【0206】
一方、誘導制御部243は、ステップS903の処理において、第1署名記入時間と第2署名記入時間の差分が閾値より大きいと判定した場合には(ステップS903:No)、第2署名が第1署名と異なると判断して署名エラーを警告するための画面表示及び警告音の出力を実行する(ステップS906)。なお、この署名エラー警告の画面表示は、ポップアップ画面7によって実行する(図22を参照)。
【0207】
次いで、誘導制御部243は、記憶手段25に記憶された第2署名時刻情報及び第2署名記入時間を削除する(またはエラーデータとして無効化する)(ステップS907)とともに、第2署名記入欄411に記入されたストローク情報及び申込受付欄412に記入されたストローク情報を記憶手段25から削除して(ステップS908)、本動作を終了させる。なお、本動作(署名整合判定処理)が終了すると、誘導制御部243は、誘導制御処理のステップS823の処理を実行する。また、ステップS907の処理において、誘導制御部243は、送信手段27を介してサーバ装置3の図示しないデータベースに既に蓄積されている該当するペンIDのストローク情報を削除または無効化する制御を行う。
【0208】
[実施形態の作用効果]
以上のように、データ入力システム10は、電子ペン1による選択指示欄406〜409への記入によって複数の病名の中から一の病名を表示手段26に選択表示させることができるとともに、選択表示された病名を受付データとして記憶することができる。したがって、データ入力システム10は、所定の申込を行う際に、病名を個人情報として提供しなければならない場合であっても、告知書4に直接記載せずに、病名をデータとして入力させて記憶させることができるので、告知書4への記入事項をデータ化する利便性を確保しつつ、告知書4からの情報の漏洩を防止して個人情報である病名の情報を確実に保護することができる。
【0209】
また、データ入力システム10は、カテゴリ選択及び病名選択(項目選択)を実行することによって一の個人情報である病名を選択することができるので、多くの病名から一の病名を容易にサーチ可能となる。したがって、データ入力システム10は、選択入力に用いる個人情報の選択肢を多くすることができるので、ユーザが入力を所望する病名情報(個人情報)と実際に選択可能な病名情報(個人情報)とのギャップを埋め、的確な病名情報(個人情報)を取得することができる。
【0210】
また、データ入力システム10は、個人情報である病名の告知書4への記入が可能な場合には、電子ペン1によって病名記入欄405に記入をし、当該病名の告知書4への記入を希望しない場合には、電子ペン1による選択指示欄406〜409への記入によって複数の病名の中から一の病名を選択することができるので、告知書4における病名の情報漏洩からの保護を希望する場合に又は記入すべき病名を忘れてしまった場合など、病名を受付データとして取得する際にユーザの嗜好または状況に合わせて当該病名を入力させることができる。
【0211】
また、データ入力システム10は、ハイライト表示605などの誘導制御処理によって、第1署名記入欄402及び第2署名記入欄411へのユーザの署名を確実に実行させることができるので、ユーザデータとして取得した情報の信頼性を保証することができる。
【0212】
また、種々処理を含む誘導制御処理を実行することによって、告知書4へのユーザの記入を迅速にかつ確実に実行させることができるとともに、ユーザデータである取得した受付データをサーバ装置3に蓄積し、一括で受付データを管理することによって、受付データの漏洩を防止し、個人情報である病名情報を含めて受付データの保護を高度に行うことができる。
【0213】
また、データ入力システム10は、電子ペン1による第1署名記入欄402への記入が実行されたときから第2署名記入欄411への記入が実行されるときまでに告知書4に記入されたストローク情報及び病名情報などの種々の情報を受付データとすることができる。通常、第1署名と第2署名が同一のユーザであることにより、その間に記入された事項についても同一のユーザが記入したものであると推認することができる。したがって、データ入力システム10は、告知書4に所定事項を記入したユーザと第1署名及び第2署名をしたユーザの同一性を確保し、受付データの信頼度を向上させることができる。
【0214】
特に、データ入力システム10は、第1署名と第2署名の記入する際の時間長によって第1署名と2署名の同一性を容易に判断することができるので、第1署名と第2署名の同一性をも確保することができる。
【0215】
また、データ入力システム10は、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合であっても、第2署名を再入力させることができるので、同一性の判断においてシステムエラーなどの署名自体に起因しない原因が生じた場合であっても、告知書4に記入した内容を無駄にすることなく利用することができる。
【0216】
[変形例]
次に、データ入力システム10の変形例について説明する。
【0217】
変形例1は、上記実施形態において、第1署名と第2署名の記入時間に基づいて第1署名と第2署名の同一性を判断している点に代えて、または、それとともに、第1署名と第2署名のそれぞれの筆跡を解析して当該第1署名と第2署名の同一性を判断する。この場合には、処理手段24は、第1署名記入欄402及び第2署名記入欄411に記入されたストローク情報に基づいて、各ストロークの「トメ」、「ハネ」、「点」及び「形状」などの筆跡及び筆圧を解析し、第1署名と第2署名の同一性を判断する。したがって、変形例1のデータ入力システム10は、第1署名と第2署名の同一性をより確実に判断することができ、第1署名と第2署名の間に記入事項を記入したユーザの同一性を確保して申込データの信頼度を向上させることができる。
【0218】
変形例2は、上記実施形態において、第1署名と第2署名の同一性が否定された際に、第2署名の再入力を促している点に代えて、新たな告知書4への記入を促す。この場合には、誘導制御部243は、告知書4の電子ペン1による記入によって記憶手段25に記憶された種々のデータを削除して誘導制御処理を最初から実行し直す。なお、この場合には、誘導制御部242は、誘導制御処理上において記憶手段25に記憶された情報及び各ストローク情報を削除してもよいし、当該各情報を無効化してエラーデータとしてその記憶を維持してもよい。したがって、変形例2のデータ入力システム10は、第1署名と第2署名の同一性が否定された場合には、告知書4への再記入をさせることができるので、第2署名の再入力だけでは対応できない場合であっても、確実に申込を行うことができるとともに、告知書4への記入が乱雑になることなく、所定事項の入力の際に用いるだけでなく記入された情報を保持するという告知書4の本来の役割も十分に発揮させることができる。
【0219】
変形例3は、上記実施形態において、電子ペン1からコンピュータ装置2へ即時的かつ逐次的に記入情報を送信する点に代えて、逐次的にストローク情報をサーバ装置3に送信する。この場合には、誘導制御部242は、第1及び第2署名記入処理において、ストローク情報に含まれるペンダウン情報PDの時刻を第1及び第2署名記入開始時刻として、ストローク情報に含まれるペンアップ情報PUの時刻を第1及び第2署名記入終了時刻として、記憶手段25に記憶する。このとき、既に第1ないし第2署名時刻情報が既に記憶手段25に記憶されている場合は、第1ないし第2署名記入開始時刻は更新せずに、第1ないし第2署名記入終了時刻のみ記憶手段25に更新記憶する。
【0220】
変形例4は、上記実施形態において、記入情報を電子ペン1から受信される毎にサーバ装置3に送信する点に代えて、各記入欄への記入が終了する毎にサーバ装置3に送信する。この場合には、誘導制御部242は、認識記入欄が新たな記入欄に属するものと判定する毎に直前の記入欄に属するストローク情報をサーバ装置3に送信するようにしてもよい。例えば、誘導制御部242は、電子ペン1の記入が第1署名記入欄402から「はい」選択欄403に切り替わった際に、第1署名記入欄402に属するストローク情報をサーバ装置3に送信する。
【0221】
変形例5は、上記実施形態の記入済み判定において、記憶手段25に同一記入欄における2以上のストローク情報が記憶されている際に(または2以上のストロークがカウントされた際に)、当該記入欄が記入済みであると判断する点に代えて、最初に記入欄にストロークが記入されたときから同一の記入欄にストロークが記入され続けて一定の時間を経過した際に、当該記入欄が記入済みであると判断する。この場合には、誘導制御部242は、各ストローク情報に含まれる時刻情報を用いるとともに、各記入欄毎に第1署名記入処理及び第2署名記入処理と同様に、記入開始時刻及び記入終了時刻を記憶手段25に記憶し、記入済み判定を行う際に、該当する記入欄の記入終了時刻から記入開始時刻を減算して当該算出された時間が一定以上の場合に、当該記入欄が記入済みであると判断する。
【0222】
変形例6は、上記の実施形態において、記入すべき記入欄に対応する告知書画像上の記入欄に対してハイライト表示を実行している点に代えて、電子ペン1により記入中の記入欄に対してハイライト表示する。
【0223】
変形例7は、上記の実施形態において、誘導制御処理において実行される署名整合判定処理を省略する。この場合に、図27のステップS821の処理において、受信した記入情報の認識記入欄が申込受付欄412であると判別された場合には、誘導制御部242は、ステップS822の処理を行うことなく、図29のステップS904及びステップ905の処理を実行して図27のステップ823の処理を実行する。
【0224】
変形例8は、上記の実施形態の病名選択処理において、誘導制御部242は、選択入力表示領域603に表示されたナビゲーション画面に従って、病気のカテゴリの選択または各カテゴリに属する病名情報の選択を行う際に、ナビゲーション画面に表示されているカテゴリ及び病名情報をランダムに表示させて選択処理を行うようにしてもよい。すなわち、誘導制御部242は、ステップS606の処理において、ナビゲーション画面を表示する際に、記憶手段25に予め記憶されている病名データベースから病気のカテゴリと各カテゴリに対応付けられた複数の病名情報を読み出し、各カテゴリと各カテゴリに属する病名情報の関係を維持しつつ、ランダムな表示順で選択入力表示領域603に表示する。すなわち、例えば、カテゴリが選択入力表示領域603の左側で病名情報が右側またはそれらの左右の位置が反対に表示される。そして、誘導制御部242は、選択入力表示領域603に表示されたナビゲーション画面に従って、該当する選択指示欄406〜409、選択決定欄410の記入に基づき病気のカテゴリの選択または各カテゴリに属する病名の選択を行うようにしてもよい。この場合には、電子ペン1による告知書4上のストロークの軌跡(すなわち、筆跡)からユーザが選択した病名を特定することができなくなり、ユーザのプライバシーを保護することができる。
【0225】
なお、上記実施形態のデータ入力システム10は、電子ペン1、コンピュータ装置2及びサーバ装置3を有するが、電子ペン1及びコンピュータ装置2によって形成するようにしてもよい。この場合に、サーバ装置3の機能をコンピュータ装置2で実現する。
【産業上の利用可能性】
【0226】
本発明は、生命保険などの保険の販売、スポーツ大会等の参加申込み、クレジットカード等の入会申込み等の各種個人情報が必要な申込に対して、申込書に記載された記入事項をデータ化するデータ入力システムなどで利用することができる。
【符号の説明】
【0227】
1 … 電子ペン
2 … コンピュータ装置
3 … サーバ装置
4 … 告知書
6 … アプリケーション画面
7、8 … ポップアップ画面
10 … データ入力システム
21 … 入力手段
22 … 受信手段
24 … 処理手段
25 … 記憶手段
26 … 表示手段
27 … 送信手段
101 … 筐体
102 … 開口部
103 … ペン先部
104 … ペン部
105 … LED
106 … CMOSカメラ
107 … 圧力センサ
108 … プロセッサ
109 … メモリ
110 … リアルタイムクロック
111 … 通信ユニット
112 … バッテリー
241 … ストローク描画処理部
242 … 判別処理部
243 … 誘導制御部
401、611 … 表示指示欄
402、612 … 署名記入欄
403、613 … 「はい」選択欄
404、614 … 「いいえ」選択欄
405、615 … 病名記入欄
406、616 … 上方向選択指示欄
407、617 … 左方向選択指示欄
408、618 … 右方向選択指示欄
409、619 … 下方向選択指示欄
410、620 … 選択決定欄
411、621 … 署名記入欄
412、622 … 申込受付欄
601 … 告知書画像表示領域
602 … お知らせ画像表示領域
603 … 選択入力表示領域
605 … ハイライト表示
606 … 警告表示
607 … 警告用表示マーク
608 … 選択表示
609 … 記入不要マーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用帳票を用いるとともに、当該記入用帳票における所定の記入欄に、前記電子ペンによってユーザが記入した事項を、所定の申し込みを行う申し込みデータとして取得するデータ入力システムであって、
前記電子ペンによって前記記入用帳票への記入が実行された際に、当該電子ペンによって読み取られたコード化パターンに基づいて算出された前記記入用帳票上の座標情報を、受信する受信手段と、
表示手段に表示された前記記入用帳票のフォーマットに対応するフォーマット画像上に、前記受信した座標情報を描画しつつ、当該座標情報に基づいて前記電子ペンによる記入が実行された前記記入用帳票上の記入欄を認識する描画処理手段と、
前記フォーマット画像を表示する表示領域を少なくとも有するとともに前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させて、前記記入用帳票における記入に関して前記ユーザを誘導するための誘導処理を行うとともに、前記認識された記入欄である認識記入欄に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークをユーザデータとして取得する誘導制御手段と、
を備え、
前記誘導制御手段は、
前記認識記入欄が前記ユーザの署名を記入するための第1署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第1署名情報として取得し、
前記認識記入欄が前記第1署名記入欄とは異なる記入欄であって前記ユーザの署名を記入するための第2署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第2署名情報として取得し、
前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させることを特徴とするデータ入力システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、
前記受信手段によって前記第1署名情報に属する座標情報とともに受信された電子ペンが前記記入用帳票に当接した際の記入開始時刻と離脱した際の記入終了時刻に基づいて、前記電子ペンによって前記第1署名記入欄への第1署名の記入に要した時間を第1署名記入時間として演算し、
前記受信手段によって前記第2署名情報に属する座標情報とともに受信された電子ペンが前記記入用帳票に当接した際の記入開始時刻と離脱した際の記入終了時刻に基づいて、前記電子ペンによって前記第2署名記入欄への第2署名の記入に要した時間を第2署名記入時間として演算し、
前記第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分を演算し、
前記演算された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値以下である場合に、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で、前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに、取得した前記ユーザデータを申し込みデータとして確定させる、データ入力システム。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、前記演算された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値より大きい場合に、前記取得した第2署名情報を削除して前記第2署名領域への再記入を誘導する、データ入力システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載のデータ入力システムにおいて、
前記算出された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値より大きい場合に、前記取得したユーザデータを削除し、前記記入用帳票への再記入を誘導する、データ入力システム。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、
前記第1署名情報における前記電子ペンのストローク形状と前記第2署名情報における前記電子ペンのストローク形状との同一性を判断し、
前記第1署名と前記第2署名のストローク形状に同一性があると判断された場合に、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させることを特徴とするデータ入力システム。
【請求項6】
請求項5に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、前記第1署名と前記第2署名のストローク形状の同一性が否定された場合に、前記取得した第2署名情報を削除して前記第2署名記入欄への再記入を誘導する、データ入力システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、前記第1署名と前記第2署名のストローク形状の同一性が否定された場合に、前記取得したユーザデータを削除し、前記記入用帳票への再記入を誘導する、データ入力システム。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、前記認識記入欄が前記ユーザの個人情報を選択入力するための選択入力用記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って複数の前記個人情報の中から一の個人情報を選択し、前記選択した個人情報を前記ユーザデータとして取得する、データ入力システム。
【請求項9】
請求項8に記載のデータ入力システムにおいて、
前記選択入力用記入欄には、前記ユーザによって前記個人情報の区分を選択させるために用いる第1記入欄と前記ユーザによって前記選択された区分に属する複数の前記個人情報の中から一の前記個人情報を選択させるために用いる第2記入欄と前記ユーザによって前記選択された個人情報を前記ユーザデータとして確定させて取得させるための第3記入欄とが含まれ、
前記誘導制御手段は、
前記認識記入欄が第1記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記個人情報の区分を選択し、
前記認識記入欄が第2記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記選択された個人情報の区分に属する複数の前記個人情報の中から一の前記個人情報を選択し、
前記認識記入欄が第3記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記選択された個人情報をユーザデータとして取得する、データ入力システム。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載のデータ入力システムにおいて、
前記記入用帳票への記入が実行される場所と離隔された場所に固定設置されたデータベースと、
通信回線を介して前記確定手段によって確定された申込データを前記データベースに送信する通信手段と、
を更に備えるデータ入力システム。
【請求項11】
電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用帳票を用いるとともに、当該記入用帳票における所定の記入欄に、前記電子ペンによってユーザが記入した事項を、所定の申し込みを行う申し込みデータとして取得する、コンピュータを用いたデータ入力プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記電子ペンによって前記記入用帳票への記入が実行された際に、当該電子ペンによって読み取られたコード化パターンに基づいて算出された前記記入用帳票上の座標情報を、受信する受信手段、
表示手段に表示された前記記入用帳票のフォーマットに対応するフォーマット画像上に、前記受信した座標情報を描画しつつ、当該座標情報に基づいて前記電子ペンによる記入が実行された前記記入用帳票上の記入欄を認識する描画処理手段、
前記フォーマット画像を表示する表示領域を少なくとも有するとともに前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させて、前記記入用帳票における記入に関して前記ユーザを誘導するための誘導処理を行うとともに、前記認識された記入欄である認識記入欄に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークをユーザデータとして取得する誘導制御手段、
として機能させるとともに、
前記コンピュータを、
前記認識記入欄が前記ユーザの署名を記入するための第1署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第1署名情報として取得し、
前記認識記入欄が前記第1署名記入欄とは異なる記入欄であって前記ユーザの署名を記入するための第2署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第2署名情報として取得し、
前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させるように前記誘導制御手段として機能させることを特徴とするデータ入力プログラム。
【請求項1】
電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用帳票を用いるとともに、当該記入用帳票における所定の記入欄に、前記電子ペンによってユーザが記入した事項を、所定の申し込みを行う申し込みデータとして取得するデータ入力システムであって、
前記電子ペンによって前記記入用帳票への記入が実行された際に、当該電子ペンによって読み取られたコード化パターンに基づいて算出された前記記入用帳票上の座標情報を、受信する受信手段と、
表示手段に表示された前記記入用帳票のフォーマットに対応するフォーマット画像上に、前記受信した座標情報を描画しつつ、当該座標情報に基づいて前記電子ペンによる記入が実行された前記記入用帳票上の記入欄を認識する描画処理手段と、
前記フォーマット画像を表示する表示領域を少なくとも有するとともに前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させて、前記記入用帳票における記入に関して前記ユーザを誘導するための誘導処理を行うとともに、前記認識された記入欄である認識記入欄に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークをユーザデータとして取得する誘導制御手段と、
を備え、
前記誘導制御手段は、
前記認識記入欄が前記ユーザの署名を記入するための第1署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第1署名情報として取得し、
前記認識記入欄が前記第1署名記入欄とは異なる記入欄であって前記ユーザの署名を記入するための第2署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第2署名情報として取得し、
前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させることを特徴とするデータ入力システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、
前記受信手段によって前記第1署名情報に属する座標情報とともに受信された電子ペンが前記記入用帳票に当接した際の記入開始時刻と離脱した際の記入終了時刻に基づいて、前記電子ペンによって前記第1署名記入欄への第1署名の記入に要した時間を第1署名記入時間として演算し、
前記受信手段によって前記第2署名情報に属する座標情報とともに受信された電子ペンが前記記入用帳票に当接した際の記入開始時刻と離脱した際の記入終了時刻に基づいて、前記電子ペンによって前記第2署名記入欄への第2署名の記入に要した時間を第2署名記入時間として演算し、
前記第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分を演算し、
前記演算された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値以下である場合に、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で、前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに、取得した前記ユーザデータを申し込みデータとして確定させる、データ入力システム。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、前記演算された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値より大きい場合に、前記取得した第2署名情報を削除して前記第2署名領域への再記入を誘導する、データ入力システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載のデータ入力システムにおいて、
前記算出された第1署名記入時間と前記第2署名記入時間の差分が予め定められた閾値より大きい場合に、前記取得したユーザデータを削除し、前記記入用帳票への再記入を誘導する、データ入力システム。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、
前記第1署名情報における前記電子ペンのストローク形状と前記第2署名情報における前記電子ペンのストローク形状との同一性を判断し、
前記第1署名と前記第2署名のストローク形状に同一性があると判断された場合に、前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させることを特徴とするデータ入力システム。
【請求項6】
請求項5に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、前記第1署名と前記第2署名のストローク形状の同一性が否定された場合に、前記取得した第2署名情報を削除して前記第2署名記入欄への再記入を誘導する、データ入力システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、前記第1署名と前記第2署名のストローク形状の同一性が否定された場合に、前記取得したユーザデータを削除し、前記記入用帳票への再記入を誘導する、データ入力システム。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載のデータ入力システムにおいて、
前記誘導制御手段は、前記認識記入欄が前記ユーザの個人情報を選択入力するための選択入力用記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って複数の前記個人情報の中から一の個人情報を選択し、前記選択した個人情報を前記ユーザデータとして取得する、データ入力システム。
【請求項9】
請求項8に記載のデータ入力システムにおいて、
前記選択入力用記入欄には、前記ユーザによって前記個人情報の区分を選択させるために用いる第1記入欄と前記ユーザによって前記選択された区分に属する複数の前記個人情報の中から一の前記個人情報を選択させるために用いる第2記入欄と前記ユーザによって前記選択された個人情報を前記ユーザデータとして確定させて取得させるための第3記入欄とが含まれ、
前記誘導制御手段は、
前記認識記入欄が第1記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記個人情報の区分を選択し、
前記認識記入欄が第2記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記選択された個人情報の区分に属する複数の前記個人情報の中から一の前記個人情報を選択し、
前記認識記入欄が第3記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に従って前記選択された個人情報をユーザデータとして取得する、データ入力システム。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載のデータ入力システムにおいて、
前記記入用帳票への記入が実行される場所と離隔された場所に固定設置されたデータベースと、
通信回線を介して前記確定手段によって確定された申込データを前記データベースに送信する通信手段と、
を更に備えるデータ入力システム。
【請求項11】
電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用帳票を用いるとともに、当該記入用帳票における所定の記入欄に、前記電子ペンによってユーザが記入した事項を、所定の申し込みを行う申し込みデータとして取得する、コンピュータを用いたデータ入力プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記電子ペンによって前記記入用帳票への記入が実行された際に、当該電子ペンによって読み取られたコード化パターンに基づいて算出された前記記入用帳票上の座標情報を、受信する受信手段、
表示手段に表示された前記記入用帳票のフォーマットに対応するフォーマット画像上に、前記受信した座標情報を描画しつつ、当該座標情報に基づいて前記電子ペンによる記入が実行された前記記入用帳票上の記入欄を認識する描画処理手段、
前記フォーマット画像を表示する表示領域を少なくとも有するとともに前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させて、前記記入用帳票における記入に関して前記ユーザを誘導するための誘導処理を行うとともに、前記認識された記入欄である認識記入欄に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークをユーザデータとして取得する誘導制御手段、
として機能させるとともに、
前記コンピュータを、
前記認識記入欄が前記ユーザの署名を記入するための第1署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第1署名情報として取得し、
前記認識記入欄が前記第1署名記入欄とは異なる記入欄であって前記ユーザの署名を記入するための第2署名記入欄の場合に、前記表示手段に表示されるアプリケーション画面と連動させつつ、前記受信した座標情報に基づいて前記受信した座標情報によって当該認識記入欄内に形成される前記電子ペンのストロークを第2署名情報として取得し、
前記認識記入欄として前記第1署名記入欄が認識された後で前記認識記入欄として前記第2署名記入欄が認識された前までに取得した前記ユーザデータを、前記取得した第1署名情報及び前記第2署名情報とともに前記申し込みデータとして確定させるように前記誘導制御手段として機能させることを特徴とするデータ入力プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2011−244332(P2011−244332A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116405(P2010−116405)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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