説明

データ入力制御方法

【目的】キーボード上のテンキー配列に対応するように3×3の機能マトリクスを、大きな3×3マトリクス状に配置して「テンキー」により選択できるようにすることで、操作性の向上を図る。
【構成】機能選択の時画面上に拡張機能の3×3マトリクスを複数個ウインド内に表示し、かつ3×3の機能マトリクス並びに大きなマトリクス状に配置して、テンキーから大きなマトリクスとその中の小さなマトリクスの選択ができるような機能を付加する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、データ処理装置におけるデータ入力装置からの機能選択方法に関するものであり、特にデータ入力装置上の特定キーに複数の機能が割り当てられている場合の、機能選択方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の日本語ワードプロセッサは機能が高級化し、入力装置であるキーボードのキー数だけでは全ての機能を実現することができなくなってきている。このためキーボード上の一つのキーに2〜5の機能を割り当てて対応してきたが、それでもキー数が不足し、特定のキーに対して5以上の機能を付加して複数機能を示すマトリクスを表示して、その内容より選択実行するという方法を取っている。従来方式では、拡張機能キーを押下することにより3×3のマトリクスが表示され、その機能中から目的の機能を「テンキー」のマトリクスに対応する位置のキーにより選択するが、機能数が3×3のマトリクス中に表示されていないものは次頁キー等により次のマトリクスを表示してその中から選択する。従って、機能が9以上,18以上というように9の倍数以上になれば、その都度次頁キーにより次のマトリクスを開かなければならない。
【0003】また別の方法では、拡張機能キーの指定により、サポートする機能を全てウインド中に表示して、必要な機能の指示は機能の番号を入力することにより行う方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来例では、拡張機能キーに9以上の機能が割り当てられている場合で、3×3マトリクスの最初に目的の機能がないときは、マトリクスの次頁を開いていき、その中から選択しなければならない。このため、目的の機能の選択の手順が多くなってしまう。これは拡張機能中の機能が増えれば増えるほど選択作業手順が増え操作の階層が深くなる。
【0005】また他の方法で拡張機能キーでサポートする機能を、全て一つのウインド中に表示する方法では、複数表示されている機能中より目的機能を検索し、各機能に付してある番号により選択しなければならないという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題は、機能選択の時画面上に拡張機能の3×3マトリクスを複数個ウインド内に表示し、かつ3×3の機能マトリクス並びを大きなマトリクス状に配置して、「テンキー」から大きなマトリクスとその中の小さなマトリクスの選択ができるような機能を付加することで解決される。
【0007】
【作用】前記機能を付加することにより、1つの機能キーに多くの機能を割り当てなければならない場合に、操作性を損なうことなく容易に必要な機能を選択できる方法を提供できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0009】図6は、本発明の一実施例を用いた日本語ワードプロセッサの外観を示す図である。106は文字や記号等の入力を行うキーボード入力装置(K/B)、113はK/B106から入力された文字を表示するディスプレイ装置(CRT)、108は日本語ワードプロセッサを動作させるためのプログラムや作成した文書等を記憶するフロッピディスク装置(FDD)であり、201はこれらK/B106,CRT113,FDD108を制御し文書の作成/編集/印字等を行う本体である。
【0010】図5は本体201内に有る制御回路のブロック図を示したものである。
【0011】101はシステム全体の制御を行う中央処理装置(CPU)、102は各LSIのイニシャルや、ワープロとして動作させるプログラムをFDD108から読み出しプログラムメモリ103(プログラムメモリはワープロとして動作させるプログラムと、編集作成した文書等を記憶するメモリ)に転送するプログラムが格納されているイニシャル・プログラム・ローダ(IPL)、105はK/B106とCPU101との間にあってデータの送受信を行うキー入力コントローラ、107はFDD108とデータのリード/ライトを行うための制御信号を発生するためのフロッピディスクコントローラ(FDC)、109はK/B106から読み込まれた文字列データを、CPU101がかな漢字交じり文に変換するために参照する辞書が格納されている辞書メモリ、110はディスプレイ113への表示、プリンタへの印字を行うための文字が格納されているキャラクタジェネレータ、111はディスプレイ113に文字や図形等を表示するため、画像メモリ112からデータを読み出しディスプレイ113に転送するための制御信号を発生し、またCPU101の画像メモリ112へのアクセス制御を行う表示コントローラ、112はディスプレイ113へ表示するためのデータを格納する画像メモリである。
【0012】電源を投入するとCPU101はIPL102のプログラムに従って各コントローラのイニシャルを行い、次にFDD108からFDC107を介してプログラムメモリ103へワードプロセッサとして動作させるためのプログラムを転送する。CPU101はこのプログラムにより文書の編集印刷等の処理を行うことになる。
【0013】図7はK/B106の外観を示す図である。K/B106は図のように約100ケ程度のキー数で様々な機能を実現しなければならず、近年のワープロの高機能化によりキーの絶対数が足りなくなってきている。K/Bのキー数を増加させることはK/Bのサイズを大きくすることになるため限界があり、従って1つのキーに複数の機能を割り当てる方法を採用している。
【0014】図3,図4はワードプロセッサの表示画面を示したものであり、図7のK/B106中の拡張機能キー302を選択したときの表示例を示したものである。拡張機能キー302を選択すると図3のように3×3の機能マトリクスが表示画面の右下に表示される。拡張機能キー302のサポートする機能が9ケ以内の場合、図3に示したマトリクス中より必要な機能をK/B106中の「テンキー」301により選択すれば良い。また、拡張機能キー302に9ケ以上の機能が割り付けられている場合、拡張機能キー302を選択すると始めに図3のごとく第1のマトリクスが表示される。目的の機能が第1のマトリクス中にないときは、K/B106上の次頁キーによって図4(1)のごとく第2のマトリクスを表示させる。図4(2)は、拡張機能キー302に割り当てられている機能が第3のマトリクス中にあるため、次頁キーにより第3のマトリクスを表示して、IXの機能を「テンキー」301により選択したときの画面表示例である。このように本方式では、拡張機能キー302に多くの機能が割り当てられている場合で、目的の機能が階層化されたマトリクスの奥にある場合、該機能を達成するために多くのキータッチを要し、またどこに目的の機能があるかを一度に見ることができないため、操作性にも問題がある。
【0015】図8は拡張機能キー302の選択により編集画面中にウインドを表示し、そのウインド中に各機能を番号付けして表示する方式の例である。本方式での機能選択は、各機能についている番号を入力することにより行うものであり、また、機能数が増加するとウインド内に表示される情報量が増え、目的の機能の視認が難しくなるという問題がある。
【0016】図1,図2は本発明にかかる一実施例を示すものである。
【0017】図1はK/B106の拡張機能キー302を選択した場合に、編集中画面に表示される拡張機能ウインドの表示例である。拡張機能ウインド内を3×3の大きなマトリクスに分割して、その中に各機能を割り付けた小さな3×3のマトリクスを表示する。機能の選択法は、K/B106の拡張機能キー302を選択することでウインドを表示した後、大きな3×3のマトリクスのうちの目的のマトリクスを選択するため「テンキー」301のマトリクスに対応する位置のキーを押す。すると表示画面上の拡張機能ウインドは図2(1)の如く選択されたマトリクスのみが強調(網掛け)表示され操作者に対して選択されたことを知らしめる。続いて選択された大きなマトリクスの中の小さなマトリクス中から目的の機能を「テンキー」301によって選択実行する。この時マトリクス中の機能選択時の表示画面は図2(2)のようになり、選択された機能を強調(白黒反転)して表示する。
【0018】マトリクス中の機能選択時の表示方法として大きいマトリクスに網掛け、小さいマトリクスに白黒反転としたが、それぞれ他の強調方法を用いても良い。また、表示装置として液晶を使用する場合には階調表示を、カラーCRTの場合には表示色を変える等の強調方法も考えられる。
【0019】マトリクスの並びについては、拡張機能数が少ないものは図9の如く1×3,3×1のマトリクスとして、「テンキー」301の横1列、または縦1列のキーを共通に機能を割り付ける方法も考えられる。
【0020】本方式を採用することにより、1つのキーに割り当てられた複数の機能の中から、目的の機能選択が「テンキー」による2回のキータッチのみで容易に行うことができる。
【0021】
【発明の効果】以上の本発明によれば、キーボード上の1つのキーに割り当てられた複数の機能中より目的の機能選択を容易に行うことができ、また、サポートする全機能を一度に見ることが可能になるため、操作者が操作に熟練するほど目的の機能選択効率を向上できるメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である拡張機能を選択したときの編集処理画面を示す図である。
【図2】同じく編集処理画面を示す図である。
【図3】従来例である拡張機能を選択したときの編集処理画面を示す図である。
【図4】同じく編集処理画面を示す図である。
【図5】本発明の一実施例である日本語ワードプロセッサ本体内部の制御回路ブロック図である。
【図6】日本語ワードプロセッサの外観を示す図である。
【図7】文字入力装置であるキーボードのキー配列図である。
【図8】従来例である拡張機能を選択したときの編集処理画面を示す図である。
【符号の説明】
101…CPU、103…プログラムメモリ、106…キーボード、113…ディスプレイ、301…テンキー、302…拡張機能キー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】文字や英数,記号等の入力を行うデータ入力装置と、入力したデータを格納する記憶装置と、前記データ入力装置より入力したデータやデータの編集に必要な情報を表示する表示装置とを備える、データ処理装置において、前記データ入力装置上の特定のキーに複数の機能を割当て、該特定キーの選択により、該複数機能を3×3のマトリクス単位に複数個まとめ、前記表示装置上に大きなマトリクス状に配列表示して、前記データ入力装置上の「テンキー」の配置と表示装置上の各マトリクスとを対応付けすることで、該「テンキー」からの入力で必要とする機能の選択が容易に行える構成としたことを特徴とするデータ入力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図7】
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【図5】
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【図8】
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