説明

データ入力装置、情報処理システム、およびプログラム

【課題】 指先による単純な転がし操作によってデータ入力や設定が可能であり、装置本体を転がしたとき回転角度を安価な電極配列の接触状態の変化によって検出すること。
【解決手段】 情報機器へデータを入力するためのデータ入力装置であって、その装置表面は操作者の指による転動を可能にする曲面を有し、装置表面における指の接触位置を検知する接触検知手段と、転動に伴い前記接触位置の連続的または離散的な変位方向および変位量を演算する変位演算手段と、前記接触位置、または、前記変位方向および変位量を前記情報機器へ送信するデータ送信手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報機器へデータを入力するためのデータ入力装置、情報処理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、情報技術やインターネットが家庭に深く浸透しており、その中で誰でも容易に情報機器を操作できるようにするユニバーサルデザインのユーザインターフェイスと入力装置が求められている。従来、多様な情報を入力する装置では、視覚を頼りに細かなボタンやメニューを操作するため、ボタンは小さく緻密になる傾向があった。このため、操作者にとっては操作しづらく、また操作に慣れるためには時間を要していた。
【0003】
このため、情報機器の本体全体を操作対象として扱い、操作者が本体の姿勢を変化させたときに、その変化を検出し、検出された姿勢の変化に基づき入力する情報を決定することで、細かなボタンやつまみを用いなくとも、大きな装置本体へ加える操作によって多様な情報を入力する技術が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの技術は、手首や腕の細かな運動を必要として、操作性が必ずしもよいとはいえない。また、偏光技術を利用してその回転角度を検出するものであるから、手首の稼動範囲に限られてしまい。往復運動させるとすると操作者の疲労が軽視できなくなるという問題がある。
【0005】
また、従来は本体の姿勢の変化を検出するためには、加速度センサー等、特殊なセンサーを用いていておりコストアップの原因となっていた。
【0006】
(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2004−357236号公報
【特許文献2】特開2001−60140号公報
【特許文献3】特開2001−224084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のかかる事情に鑑みてなされたものであり、指先による単純な転がし操作によってデータ入力や設定が可能であり、また、装置本体を転がしたとき回転角度を安価な電極配列の接触状態の変化によって検出することのできるデータ入力装置、情報処理システム、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般に、データ入力装置本体(以下、装置本体という)の姿勢を検出する方法には、ジャイロや加速センサー、重力センサー、地磁気センサーなどを使用するが、本発明は、より安価で、確実、低消費電力な手段によって人の手指に対する相対的な姿勢変化を検出し、この変化量を情報機器の制御データとして送信するというものである。
【0009】
本入力方式では、曲面を成している装置表面を指の上で転がす。転がし運動では摩擦がなく、指と装置表面の接触位置を連続的に変えてゆく。一方、指を装置表面上で滑らせる場合には摩擦を伴い、指の装置に接触する部位は一定のまま、装置表面上の指に接触する部位のみが連続的に変わってゆく。
【0010】
本発明の特徴は、機器本体全体を大きな操作対象とみなして、操作者は装置本体の姿勢を変えて入力する情報を指定し、装置本体に対して相対的に動くスイッチやつまみ類を用いずに、本体そのものの姿勢変化を検出して入力情報として利用することである。
【0011】
具体的には、本発明に係るデータ入力装置は、情報機器にデータを入力するためのデータ入力装置であって、その装置表面は操作者の指による転動を可能にする曲面を有し、装置表面における指の接触位置を検知する接触検知手段と、前記接触位置を前記情報機器へ送信するデータ送信手段と、を備え、転動を通じて装置全体の姿勢を変えることによってデータを入力することを特徴とする。
【0012】
ここで、接触は、単に触れている状態のみならず、加圧状態も含む趣旨である。
(以下、特に区別しない限り、接触は加圧も含む意である。)
【0013】
好ましくは、データ入力装置に、転動に伴い前記接触位置の連続的または離散的な変位方向および変位量を演算する変位演算手段を設け、前記データ送信手段は、前記接触位置に替え、あるいは、前記接触位置と共に、前記変位方向および変位量を前記情報機器へ送信するようにするとよい。これにより、情報機器側の負荷を軽くすることができる。
【0014】
なお接触検知手段が与える情報と、変位演算手段の与える情報には冗長性があり、前記情報機器へ送信する情報としては、どちらか一方だけでも良い。すなわち、接触検知手段が与える接触位置情報を、時々刻々、あるいは、接触ON/OFFの状変時に送ることによって、接触位置情報のみから変位情報を計算することができる。
【0015】
ここで、情報機器とは、いわゆる汎用コンピュータのみでなく、マイクロプロセッサ等によって動作するTV、音楽プレイヤーなども含む趣旨である。また、曲面とは、断面が円形の曲面のみでなく、断面が多角形となるような屈曲面も含む趣旨である。
【0016】
装置本体を操作対象とする場合の問題は、触覚フィードバックが乏しいことである。このため、表面に設ける凹凸や電気的に生成する振動を利用して触覚に応答を返す仕組みがあることが望ましい。
【0017】
なお、装置を誤ってどこかにぶつけたときや、操作中に手の他の部位が装置に触れたときに、誤入力が起こる問題を防ぐために、装置の構造や入力を解釈するソフトウェアに特別な工夫が必要になる。例えば、指で押し込む外側の円筒の素材をある程度硬いものにして、円筒を親指と人差し指で挟んで押すと円筒は楕円状に変形し、押したところが楕円の短軸部となって半径が小さくなるが、他の部位は逆に半径が増して、もしも円筒の内側に円筒を押し込んだときに接触するような電極を用意しておくと、長軸側は電極から浮き上がるようになる。こうして1箇所のみを排他的に押し込むことが可能になる。他にも、大きな円の内側に入れた小さな円の円周が外側の円の円周に接触する点が幾何学上1点に制限される事実に基づいて、外側の円筒の中空部分の内面に内側の円筒の外面が接触する点を1つに制約することもできる。あるいは密閉された空壁に液体や空気を入れて、ある部位を押すとそこから逃げる液体や空気が他の部位を押し上げることによって、押し込まれる部位を1つに制限することもできる。あるいは、一方を押し込むと支点を挟んで反対側は逆に持ち上がるシーソーの原理を利用して、支点の役割をするスペーサーを2枚の電極の間にところどころ挟みこむことにより、スペーサーが入っていない部分を押すと、スペーサーを挟んで反対側が持ち上がるので、1箇所のみを排他的に押し込めるようになる。
【0018】
好ましくは、接触検知手段は、装置表面上の少なくとも相異なる2点の接触位置を検知し、夫々の接触位置が装置曲断面の略直径上に位置することを条件に有効な信号か否かを判定し、また、前記変位演算手段は、夫々の接触位置の変位方向が同じであり、変位量の差が所定範囲内である場合に変位方向および変位量を有効であるとして演算するのがよい。
【0019】
装置本体を親指と人差し指でつまんで転がすようにして、本体の姿勢を変える場合、本体の姿勢が変化するにつれて指と本体の接触位置が変わる。ある部位が押し込まれて、その部位の電極が導通したときに、そこからほぼ180度の角度離れた位置にある反対側の電極も同時に導通しているのかを調べて、同時に導通しているときのみにそれを入力として解釈する。ここで反対側からの押し込みを検出するのには押し込み位置を詳細に検出する電極の代わりに単一のタクトスイッチ等を導入し、厳密に180度であるかどうかは問題としない、簡易化した方式も有効である。さらに転がす際には接触する電極が連続的に隣り合ったものへと変わって行くべきであるので、これが不連続に接触する場合に、それを誤入力として排除する方法も考えられる。これにより、操作者が装置本体を二つの指で両側から挟んで操作したときに入力するデータを有効なデータとして受付け、不注意で操作中に手の他の部位が触れたり、落下させたりするときなどの誤入力を防止することができる。
【0020】
また、本発明に係るデータ入力装置は、さらに、前記データ入力装置内に設けられた空間内に、重力によって空間内の相対的な位置を変化させる錘と、その錘の位置を検出するセンサーを用いて、錘の位置から本体の姿勢を検出する簡易な姿勢検出手段を導入することもできる。安価に構成しようとすれば、該錘と空間内の一壁面との間に取り付けられ前記錘を支える支持手段を用い、前記錘は、前記支持手段の長手方向またはこれと直角方向のいずれか一の方向のみについて、当該方向に重力が働いたときに空間壁面と接触するように形成し、錘と空間壁面との接触頻度を電気的に検知する手段を設け、接触頻度の大小を比較してデータ入力装置が垂直に立っているか、あるいは水平に横たわっているか判断すると良い。あるいは、別の構成として、球状の錘を、錘よりも半径の大きな球状の中空部に収納し、球の動きを光学的または磁気的に追跡し、その平均所在地点からデータ入力装置の姿勢を判定すると良い。
【0021】
ここで、長手方向とは、錘を付けず支持手段が変位していない状態で空間内のどの壁面からもほぼ均等な距離をとったときの支持手段の長さ方向を意味する。
【0022】
さらにデータ入力装置の姿勢を検出するために、電波や光波の偏向方向を利用したり、外部から撮影したデータ入力装置のマーカーの位置を利用したりすることが可能である。マーカーをデータ入力装置に取り付け、それをカメラで撮影し、マーカーの位置関係からデータ入力装置の姿勢を推定する。この場合にはカメラがコスト増要因になるので、より安価な方法としては、データ入力装置から、所定の偏光方向を持った光や特定方向に偏波した電波を発信して、それを受信する側で光波や電波の偏向方向からデータ入力装置の姿勢を検出する。あるいは、逆に外部に設けられた基準位置から所定の偏光方向を持った光や特定方向に偏波した電波を発信して、それをデータ入力装置側で受信して、光波や電波の偏向方向から自己の姿勢を検出する。偏波や偏光方向の検出方法やそれによる姿勢判定方法としては、既に各種の方式が開発されているが、それを本発明の中に組み入れて、本発明のデータ入力装置の姿勢を検出する目的に応用すれば、データ入力装置の転がし方向と組み合わせて利用することで、コストを下げながら、装置をどの姿勢にしてどちら方向に転がすかという直感的にわかりやすい操作によって、多様の情報入力を行えるという、従来にない画期的な効果が得られるのである。
【0023】
本発明に係るデータ入力装置では、さらに指が接触する側面が、転動時の回転軸に沿って複数の区分に分割され、前記接触検知手段は、前記区分ごとに接触位置を検知し、前記変位演算手段は、前記区分ごとに変位方向および変位量を演算し、前記データ送信手段は、前記区分に基づくデータ種別と、区分ごとの変位方向および変位量を送信することを特徴とする。あるいは前記データ送信手段は、前記接触検知手段が、前記区分ごとに検出した接触位置だけを送信するようにしても良い。接触位置の情報だけからでも、それが時間的な系列として与えられれば、受信する側で変位方向および変位量を計算することができる。
【0024】
たとえば、円筒形縦長のペン型で構成することによって、その長い側面に沿って、指が接触して操作する部位を複数区分して設けることが可能となる。この操作部ごとに、操作部を識別するためのデータ種別を付して入力データを送信することにより、多様な操作指令が可能となる。
【0025】
本発明では、装置本体に対して相対的に回転するダイヤルを廻すのではなく、装置そのものを転がすのであるが、その利点としては、上述したように操作部が大きくなって操作が楽になることに加え、さらに廻す際に一体の装置の側面上の摘む位置を変えて転がすことにより、多様な情報を入力できることがある。同様の多様な情報をダイヤルで入力しようとすると多数のダイヤルを平行して設けることになり、操作性は相当悪くなることが予想される。しかしながら、本発明では、例えば長めの円筒を用いて装置を構成し、円筒のどこを摘んで転がすかによって、入力する情報を変えるようにし、さらに円筒表面に凹凸を形成して、摘んでいる位置を区別できるようにすれば、装置の構成も単純に保たれ、なおかつ操作者にとっても触感で分かりやすく情報を区別しながら、入力することができる。
【0026】
また、本発明に係る情報処理システムは、情報機器と、情報機器へデータを入力するためのデータ入力装置とを有する情報処理システムであって、前記データ入力装置は、データ種別、該装置の姿勢データ、指操作に伴う接触位置、またはその変位方向および変位量を送信する手段を備え、前記情報機器は、前記データ入力装置から送られてくるデータを受信する手段と、受信したデータのうち、データ種別によって処理内容を決定する手段と、前記処理内容がメニュー項目の選択処理の場合は、前記姿勢データと前記変位方向によって複数のメニュー項目のハイライト表示の移動方向を決定し、前記変位量に基づいてハイライト表示の移動量を決定するメニュー項目選択処理手段と、前記処理内容がカーソル移動またはスクロール処理の場合は、前記姿勢データと前記変位方向によって定まる方向へカーソルの移動またはスクロールを実行し、前記変位量に基づいてカーソルの移動量またはスクロール量を決定する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
なお上記の情報機器とデータ入力装置は、分離して別個に存在しながら、無線あるいは有線で通信し合うものであっても良い。あるいは両者が一体となり、一体の装置の中で通信しあっても良い。また上記の説明の中で、情報機器に送る情報は接触位置の相対的な変位量でなく、接触位置そのものであっても良く、アプリケーションによっては、接触位置の絶対位置情報に基づいてハイライト表示するメニュー項目を決めても良い。
【0028】
装置本体そのものを転がすことで情報を入力する方式では、装置本体を転がす運動に対して操作者に触覚フィードバックを返すことが難しい。装置本体に対して相対的にダイヤルを回すときには、回す運動に対して反力を周期的に与えて、クリクリした感触を作り出せたが、装置本体を廻す時にはそのような感触を作り出せないのである。このとき、データ入力装置そのもの、あるいはデータ入力装置から入力情報を受信する情報機器の機能として、ハイライト表示されているメニュー項目の切り替わりの際に前記データ入力装置へ信号を送出し、前記データ入力装置は当該信号を受信することによって所定時間振動を発生させることによって操作者へメニュー項目の切り替わりを通知する触覚フィードバック手段を設ける。
【0029】
なお入力装置から情報機器へ一方向の通信しか行えないときには、本体が所定の角度転がる度に振動を生成するようにしても良い。ただし振動の発生とハイライト表示の移動の同期をとる為に、データ入力装置側で振動を生成する度に、そのことを通知する信号を情報機器側に送って、その信号に同期してハイライト表示されている項目を切り替えてゆく必要がある。なお上記の所定の角度は予め決めておくか、あるいは後からダイヤル操作や本発明のデータ入力装置の操作によって、変更できるようにしてもよい。
【0030】
操作者が自分の操作を確認するためのフィードバックには、以上に述べた触覚の他に聴覚や視覚を用いても良い。
【0031】
聴覚の場合には、所定量以上の圧力を加えたこと、圧力を加えたまま所定量以上回転した(転がした)ことを音でも区別して確認できるようにする。音であればリモコン側でなくテレビ側で鳴らしても良いので、上述した双方向通信の必要がない。例えば接触した指が所定量以上の圧力で加圧したときと、指を離してこの圧力を解除したときにそれぞれピッという音また、所定量転がすたびにプツッという音を出すと良い。この所定量は、指が接触して加圧した時点から数え始める。または加圧したまま廻し続けるときには前にプツッと鳴ったときから数えるようにすると良い。メニューのハイライト項目の切り替えは、このプツッという音に同期して行われる。または転がした角度に依存しなくとも、情報機器の側でメニューのハイライト項目が切り替わる度にプツッという音を出すようにしても良い。
【0032】
また、本発明の大きな問題点の一つは、装置本体そのものを転がすときには、本体を保持しなければならないため、情報を入力したくないときにも、本体に指が触れており、それによって誤入力が生じる可能性があることである。この問題を防ぐには、指が接触するときにはいつも情報が入力してしまうのではなく、ある所定の圧力以上の力で指が装置本体に接触していなければ、情報が入力しないようにすることである。そうすれば装置を保持するためだけに軽く指が装置に接触しているときや、装置を転がした後で指を元に位置に復帰しようとして、装置本体を逆方向に転がしてしまったときには情報は入力しない。
【0033】
ここで指が所定の大きさ以上の圧力で装置本体をつまんでいるのか判断するためには、接触を検出するための機構に加えて、別途タクトスイッチを導入し、親指と人差し指で本体を摘むときに、このタクトスイッチをONとする程度の強い力で摘んでいながら、装置を転がせば、転がしに伴う情報が入力するようにする。一方、摘んでいてもこのタクトスイッチが入っていなければ、転がしても情報が入力しないようにする。
【0034】
なお、上記によれば、データ入力装置の転動範囲が限られていても、転動範囲の限界に到達する度に、指を軽く接したままデータ入力装置を逆方向に転がして元の姿勢に戻して、加圧しながらの転動を繰り返すことにより、スクロールやカーソルを一定の方向へ連続して移動制御することができる。
【0035】
上記では、転動時に所定の大きさ以上の加圧量を必要としたが、そうしなくとも指が接触する間の時間を利用して、上記の問題を防ぐこともできる。すなわち、データ入力装置から押圧されているか否かを示す押圧状態データを送信し、情報機器において、押圧有りの場合、直前の押圧無し状態の時間が所定値未満のときは、前記メニュー項目選択手段またはスクロール手段において移動処理を続きから実行し、直前の押圧無し状態の時間が所定値以上のときは、前記移動処理をメニューの初期位置から開始することによって、データ入力装置の限られた転動範囲に関わらず、一定の方向へ連続して移動制御することができる。
【0036】
ペン状のデータ入力装置を親指と人差し指で挟んで転がす場合、指の運動範囲に制限があるため、一度に転がせる角度に制限があり、さらに大きな角度に対応する情報を入力するためには、指を転がす前の位置に戻してから、再度前と同じ方向に転がす操作を繰り返す必要がある。また装置自体がディスプレイを備えていたり、装置上の特定部位に押し込みを検出するスイッチを別途備えていたりする場合には、標準時には、ディスプレイが見やすくなる位置に来るように、あるいはスイッチが押しやすくなる位置に来るように、装置の姿勢を標準位置(ホームポジション)へ復帰させる必要がある。
【0037】
こうした状況では、装置を特定の方向に転がして情報を入力した後に、ホームポジションに復帰させるために、装置を逆方向に転がして元の姿勢に戻す必要がある。この戻すために逆方向に転がす操作を入力のために転がす操作と混同しないようにするために、入力を意図して転がすときには親指と人差し指で装置を強くつまんで加圧しながら廻すようにし、またホームポジションへの復帰のために廻すときには、装置を保持する目的に足りるくらいの弱い力で摘んで、強く加圧することなく転がして標準姿勢に復帰するようにする。そして加圧の強さを検出すセンサー、あるいは所定の大きさ以上の力で加圧したときに導通するスイッチを用いて、加圧しながら廻しているか、加圧せずに廻しているのかを区別して、加圧しながら廻している場合に対応する情報を入力するようにする。
【0038】
一方、入力装置が特定の側面に上記のスイッチやディスプレイを持たずに、どの側面も対称でどの転がし位置でも同等の機能を持つ場合には、ホームポジションに復帰する必要はない。その場合には、時間間隔を利用して、上記のように継続した操作か否かを判断することで、加圧しながらのまわす運動が難しい場合、あるいは加圧を検出する機構を省いてコストを削減したい場合に対応できる。
【0039】
また、本発明に係るプログラムは、本発明のデータ入力装置から送られてくるデータに基づいて動作する情報機器上で実行されるプログラムであって、データ種別と処理内容とを関連付けて保存する処理と、データ入力装置から送られてくるデータ種別、該装置の姿勢データ、接触位置、変位方向、変位量の各データを受信する処理と、受信したデータのうち、データ種別によって処理内容を選択し、前記姿勢データと前記変位方向によって、前記選択された処理内容における制御アイテムの移動方向を決定し、前記接触位置または変位量によって、制御アイテムの位置または移動量を決定する処理と、制御アイテムが所定の条件に該当すると、データ入力装置へ向けて該装置を振動させるための信号を送出する処理と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
上述のごとく、本発明によれば、装置の姿勢や指の接触位置を区別しながら、装置全体に対する指先による転がし操作によって、多様な情報のデータ入力や設定が可能であり、操作者は細かなボタンやダイヤルの操作で混乱せずに、大きな装置全体を操作対象とするので、装置全体が小型化しても高い操作性を維持することができる。また、装置本体の密閉性を保つことで防水性、防塵性を確保し、装置全体の回転角度や回転方向等の姿勢を安価な方法で検出し、一体構成の装置の表面に凹凸を形成したり、振動を生成したりして、触覚手がかりを与えて、手探りで操作できるユーザインターフェイスを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態によるデータ入力装置の外観図および操作説明図である。データ入力装置10は、側面が円筒形状に形成されており、図1(b)に示すように操作者が装置側面を指先で転がして操作を行い、情報機器に対して処理に必要なデータを送信するものである。
【0042】
図2は、データ入力装置10の構成図である。この図に示すように、データ入力装置10は、操作のときのベースとなる円柱形状の基部12と、この基部12の側面に固定されたドーナツ状の一対の支持部11aと、支持部11aによって固定され基部12の側面の一部を覆う円筒形状の弾性体で構成された弾性支持部11b、その外周を弾性支持部11bよりも長さの短い円筒形状の押圧部11cを備えている。また、押圧部11cの表面には、複数の突起11dが設けられている。これは押圧すべきところを触覚的に確認するためのものであり、入力するデータの種別に応じて異なる区分に分ける場合には、この突起を区分毎に設けて、触覚により区分を区別できるようにすると良い。この基部12、支持部11a、弾性支持部11b、押圧部11c、突起11dで操作手段95が構成される。
【0043】
押圧部11c自体は高い硬性を持ち、押圧しても変形しないのであれば、押圧時に図1(c)のように外側円筒は断面形状を円形に保ったまま、その内面電極を内側の半径の一回り小さな円柱表面の電極に接触する。半径の異なる円は1点でしか接触しないので、接触点は加圧地点1箇所に制限されることになり、側抑制的接触位置検出センサーを構成できる。
【0044】
図3(a)に示すデータ入力装置10は、押圧部11cが加圧されないときは、図3(b)に示すように、基部12の表面は、弾性支持部11bの裏面と接触していない。
【0045】
押圧部11cに指先で一方向から圧力を加えたとき、押圧部11cは基部12に対して、図3(c)に示すように、中心点が移動するのみで、基部12に対して回転しないように、支持部11a、弾性支持部11b、押圧部11cとも固定されている。
【0046】
弾性支持部11bは、導電性ゴム等の導電性を有する弾性材料によって構成され、指先で押されることによって、押圧部11cから圧力が加わると変形して基部12と接触し、圧力の解除によって復元する。押圧部11cはプラスチック等の容易に変形しない材料で構成されている。
【0047】
この状態において、操作者は、データ入力装置10の基部12の両端をそれぞれ人差し指と中指で支え、反対方向から押圧部11cを親指で加圧する。これにより、図2(b)に示すように、押圧部11cの内側に位置する弾性支持部11bは変形し、基部12に接触する。データ入力装置1はこの接触位置を求めることによって、押圧部11cの押圧位置を検知する。
【0048】
押圧位置の検出方法は、本発明のポイントではないが、たとえば、図4に示すように、基部12の表面に軸方向にわずかなスリット(隙間)を設け、抵抗を有する導電材料15を塗布する。導電材料を用いて形成された弾性支持部11bと基部12のスリット境界の導電部の一端に電極16b、16aを設け、そこから夫々リード線を引き出し、両端に電圧Vを印加し、電流計測手段17によって電流値を計測する。この電流値は、弾性支持部11bと基部12との接触位置によって変化するため、押圧部11cの円周上どの位置で押されたかがわかる。
【0049】
なお、押圧部11cの加圧位置(接触位置)を検知する手法は、これに限らず、たとえば、図5に示すように電極を基部12の円周に沿って多数配列して、どの電極が導通するかによって検出する手法もある。この他、圧電素子を用いて加圧位置を検出したり、加圧によって光の経路を遮断あるいは透過するようにして光学的に光の遮断位置や透過位置を検出したりするようにしてもよい。あるいは、加圧地点の電極間隔が狭くなるようにしてそのときの静電容量の変化を検出しても良い。
【0050】
データ入力装置10の押圧部11cの表面には、複数の突起11dが配置されており、操作者は、転がした量(基部12の回転量)を触角によって認識することができる。なお、突起11dは、その形状や突起間の間隔を変えることによって、操作者にどの位置を押下したかを指先の感触で容易に認識できるようにするのが望ましい。
【0051】
たとえば、図3(b)において、押圧部11cを図中上側から押下すると図3(c)のように押圧部11cを通して弾性支持部11bと基部12が接触する。この状態で、押下したまま、データ入力装置1を手指で転がして、接触状態を保ったまま、押下位置を図3(d)方向へ移動させるような場合、連続的に抵抗値が変化するので、その抵抗値が増加方向か減少方向かによって、その回転方向(以下、一般的に変位方向という)と回転量(以下、一般的に変位量という)を検知することができる。
【0052】
データ入力装置10には、情報機器80とデータの送受信を行うための赤外線受発光手段59や実行スイッチ58などが設けられており、データ入力装置10から接触位置、または、回転方向と回転量などのデータ、スイッチ状態のデータなどが情報機器80へ送られる。なお回転方向や回転量の計算は、データ入力装置10で行ってもよいが、データの送信先である情報機器80側で行うようにすることもできる。
(他の実施例1)
【0053】
次に他の実施例を図6を用いて説明する。図6(a)は、他の実施例によるデータ入力装置10の外観構成図、図6(b)〜(d)は、A−A断面における加圧時の状態を示した図である。本実施例は、図6(a)に示すように、図中、下半分をスイッチ部28としてタクトスイッチ21fを用い、上半分を半円筒形状の押圧部11cで構成する。この押圧部11cは、バネ作用を有するジャバラ構造21eを有しており、押圧によってバネ部分21eが収縮し、押圧部11cの内側と基部12とが接触する。この接触位置の変化を求めることによって、指の動きを検知する。
【0054】
検知方法は、上述と同様に、たとえば、押圧部11cの内側に導電材料を塗布し、抵抗性を有する基部表面との間に電流を流し、その電流値を検知することによって実現できるし、その他の方法によって実現するようにしても良い。
(他の実施例2)
【0055】
次に、さらに他の実施例を図7を用いて説明する。本実施例は、押圧部11cを圧力の印加によって変形し、印加の解除によって復元する材料、たとえば、薄い金属板で構成したものである。また、基部12には、表面に複数の導電性を有する突起32aを設け、また、適度な弾性を有する絶縁材料、たとえば、絶縁ゴムで形成された支柱32bを突起32aの間に配置している。この押圧部11c、基部12、突起32a、支柱32bで構成された2つの操作手段95a、95bを備えている。
【0056】
ここで適度な間隔を空けて突起32a、支柱(スペーサー)32bを交互に配置すると、支柱(スペーサー)32bがシーソーの支点の役割を果たす。すなわち、交互に配置した状態において、押圧部11c上のある位置を押して、加圧点において押圧部11cの内面が突起32aに触れるようにすると、支柱(スペーサー)32bがシーソーの支点の役割を果たし、この支点を挟んで、加圧点の反対側では、押圧部11cの内面が持ち上がり、加圧点周辺では押圧部11cの内面が突起32aに触れないように、抑制することができる。あるいは空気やオイルを押圧部11cの内壁と基部12の外壁の間の空壁に注入しておけば、ある一箇所を押すとそこから逃げる空気やオイルが他の部位を押し上げることによって、側抑制的接触位置検出センサーを構成できる。
【0057】
本実施例におけるデータ入力装置10では、押圧部11cの内側と接触している突起32aを検知することによって、押下位置や回転量を計測する。これは、たとえば、押圧部11cの内側に導電材料を塗布し、各突起32aとの間で電圧を印加し、その導通状態を検知することによって実現できる。このとき、接触している点が断面の直径方向2箇所存在することによって有効な操作として、データを送信するのが望ましい。なお、データの有効性の判定は情報機器80側で行うこともできる。
【0058】
通常、操作者が指先で装置本体を転がすとき、図7(c)に示すように押圧部11cの両側を挟む状態にするので、図7(d)の矢印で示すように必ず相対する2点が接触する。データ入力装置10を誤って落したときなどは、図7(e)のように一点のみ接触することになるので、このような状態を排除することによって、データの誤入力を防止することができる。
【0059】
なお、図7のように操作手段95を基部12に対して複数設けた場合は、夫々、押圧部11c上の突起の間隔を変えたり、形状を変えたりすることによって、操作者はどの操作手段を操作しているかを触覚によって認識することができる。このとき、データ入力装置10は、各操作手段95a、95bの接触位置あるいは変位方向、変位量に加え、操作手段の識別情報を送信するようにする。この操作手段95a、95bのデータ識別情報は、情報機器80において複数の制御対象があるときに、それぞれを個別に操作するためのデータ種別として用いることができる。
(他の実施例3)
【0060】
次に、さらに他の実施例を図8を用いて説明する。本実施例は、円筒形状の断面半分をタクトスイッチ等を用いたスイッチ部28で構成し、他の半分を押圧部11cで構成したものである。スイッチ部28は押下によってONする。スイッチ部28がON状態のとき、押圧部11cの位置情報は有効として、そのときの接触位置等を送信する。
(他の実施例4)
【0061】
図9に示すように、円筒形状の操作手段95aを長手方向に2分割し、中央にタクトスイッチ等を用いたスイッチ部53を設け、その両端に押圧部11cを設ける。
【0062】
これにより、指先に力を入れて押圧したとき、スイッチ部53がONし、この状態で、指先で転動させて、変形した押圧部11cと基部12上の複数の突起32aの接触位置を検知する。
(他の実施例5)
【0063】
本実例は、データ入力装置10に安価に実現できる重力方向検知手段96を設けたものである。図10に示すように、基部12内に空洞64を設け、導体で構成された錘66をバネ67を通して空洞内の一端に固定する。空洞の内部表面64は、導電性を有し、同じく導電性を有する錘66との接触位置を検知する。このとき、バネ67は伸縮方向(図10において縦方向)への重力に対しては、空洞壁面には接触しないが、横方向の重力に対しては接触するように設定する。
【0064】
たとえば、図10に示すようにバネを基部12の長手方向に取り付けた場合、装置10を垂直にしたときは、錘67は壁面に接触せず、装置10を水平方向にすると図10(d)に示すようにバネ67の横方向へ重力Gが働き、このため錘66は空洞壁面64に接触するので、この接触を検知することによって装置が水平状態にあるのか、垂直状態にあるのかを区別することができる。
【0065】
なお、遠心力によって錘66と空洞壁面64とが接触するような場合を区別するには、図11のように基部12の中心軸を挟んで対象位置に重力方向検知手段96を設けるようにする。そして、空洞壁面の異なる側(中心軸に対して外側)に接触している場合は、遠心力による接触、同じ側に接触している場合は重力による接触と判定する。一般の加速度センサーを用いる場合にも図11のように回転軸を挟んで対称な位置に2つの加速度センサーを配置すれば、検出される加速度が遠心力によるものなのか、それとも重力によるものなのか、区別できるようになる。
【0066】
また錘66は空洞壁面64に常時接触、非接触状態を維持する保証はない。手が震えれば、本来接触するべきでないときでも接触するし、本来接触し続けるべきときでも、一時的に離れてしまうこともある。このような場合は、接触、非接触の持続時間、あるいはその時間平均を用いることで、時間的解像度が低下しても、安定に姿勢を検出することを優先する場合がある。
【0067】
上記の各実施例で説明した構成は、種々組み合わせて実現することができる。たとえば、図7の操作手段95a、95bの構成に図10で示した重力方向検知手段96を設けるようにしても良い。
(他の実施例6)
【0068】
装置10の空間における姿勢を検知するには、このほか、偏光、偏波を利用して情報機器80側で、角度情報を取得するなど、光や電波の指向性を利用して姿勢データを取得するのも有効である。
【0069】
図12にその原理図を示す。この図において、偏光を用いるリモコンの姿勢センサーは次のように機能する。
【0070】
まずリモコン(データ入力装置)10の一端から赤外線受発光手段59により赤外線を放射するが、その際に図12のリモコン端部の発光素子表面に記載した縞の方向に偏光した光だけを通す偏光フィルター75を通過させる。そうすると空間中を伝播する光の偏光方向は図の空間中に記載した大きな縞模様の方向に示されるようになる。
【0071】
一方、受信する側では二つのフォトダイオード72a、72bの受光用開口部に図に示すように互いに直交する方向に偏光した光のみを通過させる偏光フィルター71a、72bを設けておく。
【0072】
そうするとリモコン10から発信した光はリモコン10の姿勢に応じて異なる方向に偏光し、その偏光方向に応じて異なるフォトダイオード72a、72bが強く光を受光することになるので、受信する側ではどのフォトダイオードが最も強く光を受信しているか調べることによってリモコン10の姿勢を検出できることになる。
【0073】
なおフォトダイオードあるいは他の赤外線検出センサーを2つ以上の複数個使っても良く、その場合には180度をその個数で等分した角度に偏光した赤外光を選択的に通過させるフィルターを各フォトダイオードの前面に設けるようにし、より細かな角度でリモコンの姿勢を検出できるようにすると良い。あるいは2つのフォトダイオードだけでも受ける光の強度の比率からリモコンの姿勢をより細かな角度で推定できる。さらに赤外光でなくとも一般の電波とその偏波を用いて上記と同様の原理でリモコンの姿勢を検出できる。
【0074】
以上、本実施の形態によれば、データ入力装置10の本体全体を操作対象として扱い、操作者が本体の姿勢を変化させたときに、その変化を検出し、検出された姿勢の変化に基づき入力する情報を決定することで、細かなボタンやつまみを用いなくとも、大きな装置本体へ加える操作によって多様な情報を入力することが可能となる。また、従来は本体の姿勢の変化を検出するためには、加速度センサー等、特殊なセンサーを用いていたが、本実施の形態では装置本体を回転したときの回転角度を安価な電極配列の接触状態の変化を通じて検出することを可能とし、さらに凹凸や振動を用いて操作性を改善している。
【0075】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、データ入力装置10から送られる入力データを受信して動作する情報機器におけるデータ処理方法を開示するものである。
【0076】
次に、図13を用いて、情報機器80とデータ入力装置10を有する情報処理システム1の構成を説明する。
【0077】
情報機器80は、データ入力装置10から送信されてくるデータを受信する受信手段81、受信したデータに基づいて、ディスプレイ84上の制御アイテム(カーソル等)の移動や実行処理を行う制御手段82、データ入力装置10へデータを送信する送信手段83を有している。一方、データ入力装置10は、押圧部11c等によって構成され操作入力を行うための操作手段95、接触位置を検出する接触検知手段93、接触位置の変位方向、変位量を演算する変位演算手段94、装置本体の姿勢を検出する姿勢検出手段(上述の重力方向検知手段に相当)96、接触位置等のデータを情報機器80に送信するデータ送信手段91、情報機器80から送られてくるデータを受信するデータ受信手段92、装置を振動させる振動手段97を有している。なお、振動手段97は、情報機器80の処理状況に応じて操作者にその内容を伝えるためのもので、発音手段等に置き換えても良い。また、変位演算手段94は、情報機器80側に設けるようにしても良い。以下の情報機器80の基本処理の説明では、情報機器80側で変位演算処理を行うことを前程とする。
データ入力装置10と情報機器80との通信は、赤外線やブルートゥースなどの無線のほか、有線で接続するようにしてもよい。
【0078】
上記の構成において、まず制御手段82の制御アイテム(たとえばカーソル)の移動に関する基本的な処理を図14を用いて説明する。なお、以下は、データ入力装置10が指先で挟まれて、少なくとも2点が接触する場合(図7の構成)を例にしている。
(基本処理)
【0079】
情報機器80の受信手段81は、データ入力装置10から送られてくるデータを受信すると、制御手段82を起動する。制御手段82は起動されると、まず、データ入力装置10の2点の加圧の有無を判定する(S101)。このとき、短時間だけ圧力が解除されてもそれを無視するチャタリング防止技術を適用すると誤入力防止に有効である。ただしこの方法が有効となるのは十分高解像度に回転角度を検出場合である。
【0080】
ステップS101で「No」の場合は、次に加圧されていない時間が所定時間以上か否かを判定する(S102)。そして、所定時間以上加圧されていない場合は(S102で「Yes」)、座標データをメニューの初期位置にリセットする(S103)。
【0081】
一方、ステップS101で加圧点が2点存在する場合は(S101で「No」)、その2点の位置が180度を基準として所定の範囲内か否かを判定し(S104)、所定の範囲内の場合は、その2点の位置座標を記憶する(S105)。
【0082】
その後、加圧位置が移動した場合は(S106で「Yes」)、次にその2点の移動方向が同じか否かを判定し(S108)、移動方向が同じ場合は、移動距離を算出する(S109)。この算出方法は、第1の実施の形態で説明したように、たとえば、接触位置による抵抗の変化を検出するなどの方法がある。
【0083】
次に、姿勢データを取得して(S110)、装置10が垂直状態で操作されているのか、水平状態で操作されているのかを調べる。なお、垂直、水平に限らず、斜め方向や奥行きなどのデータを収集して、制御処理に用いるようにしても良い。
【0084】
そして、保存されている前回処理の制御アイテムの座標データを抽出して(S111)、姿勢データと移動方向(すなわち、装置10の回転方向)で決まる方向へステップS109で算出した移動距離分だけ移動させ(S112)、移動後の座標データを記憶すると共に画面上に表示する(S113)。
【0085】
次に移動前後の状態が所定条件に該当しているか否かを判定し(S114)、該当している場合は、装置10に対して振動データを送信する(S115)。
なお、上記のステップS101、S104など所定の処理については、データ入力装置10側で行うようにしても良い。
(選択キャンセル処理)
【0086】
ステップS108において、移動方向が所定時間内に所定回数以上の往復運動があった場合には、ステップS103へジャンプして、強制的にメニュー初期位置に戻るようにしても良い。これによって、間違えて選択した場合のリセットが可能となる。
(メニュー項目選択処理)
【0087】
次に、上述の制御処理手順の応用例を説明する。
図15〜図18は、情報機器80のディスプレイ上に表示されたメニュー項目とスクロールバーの制御方法の説明図である。
【0088】
データ入力装置10は操作手段が2組設けられており、操作手段95aによって、メニュー画面におけるメニュー項目の選択を行い、操作手段95bによって、スクロールバーによってボリューム等の調整を実行する。なお、本発明はこれに限らず、情報機器80の機能によって種々の使用が可能である。
【0089】
操作者は、情報機器80の画面上に表示された、メニュー項目等の選択をする場合は、図15に示すように、まず、データ入力装置10のメニュー選択用の操作手段95aを親指と、人差し指(もしくは中指)で挟む。これにより、押圧部11cは変形し、指先で押圧された位置のデータがデータ入力装置10から情報機器80へ送られる。
【0090】
受信手段81は、データを受信すると、そのデータに含まれている操作手段ごとに設定されているデータ種別を抽出し、いずれの操作手段によるデータかを判定する。
【0091】
操作手段95aによるデータの場合は、メニュー画面のセンターのメニュー項目(初期項目または初期位置ともいう。)をハイライト表示する。同時に、振動信号をデータ入力装置10へ送信する。
【0092】
データ入力装置10は、この振動信号を受信すると、振動手段97によって、一定時間振動させる。
【0093】
次に、操作者は、メニュー項目の上下方向にハイライトを移動させたい場合は、データ入力装置を水平方向にして指先で回転させる。たとえば、上側のメニュー項目を選択したい場合(ハイライトを上に移動させたい場合)は、親指を上方向にずらしながら回転させる。この回転に伴って、周期的にデータを送信する。
【0094】
図16は、横方向のメニュー項目を選択する場合の処理を示す図であり、データ入力装置10を縦にして、図面の左右に回転させてハイライト表示を移動させる。
【0095】
また、図17はデータ入力装置10の操作手段95bを用いて、装置10を水平にして、図面上下方向に回転させることによって上下方向にスクロールさせる処理、図18は、装置10を垂直にして、図面横方向に回転させることによって、横方向にスクロールする様子を示している。
(触覚フィードバック処理)
【0096】
情報処理システム1の図示しない触覚フィードバック手段85の一般的な処理内容としては、まず、加圧したことを操作者が確認できるように、加圧状態をデバイス(データ入力装置)10が検知すると第1の振動パターンを生成して振動手段97を介して操作者の指に加える。所定の角度だけ転がしたことを操作者が確認できるようにするために、加圧検知後、一定量の角度の回転を検知すると、第2の振動パターンを生成して操作者の指に加える。または以前にデバイスが一定量の角度の回転を検知した後、操作者が加圧したままさらに転がし運動を続けて、さらに2回目に、一定量の角度の回転を検知すると、第2の振動パターンを再び生成して操作者の指に加える。この一定量の角度の回転の検知は情報機器80側で行ってもよいし、データ入力装置10側で行うようにしても良い。図15の例で言えば、メニュー項目の切り替わりを情報機器80側で判定して、その切り替わりのタイミングで振動パターンをデータ入力装置10へ送信するようにする。
【0097】
上記の「一定量」は感度調整手段86(図示せず)、またはプログラムによって状況に依存して変更可能とする。 また、触覚フィードバックは、振動でなくとも音で反応を通知するようにしても良い。特に音楽プレイヤーの場合には、有効である。
【0098】
次に、振動などを用いる触覚フィードバックの利用方法について説明する。
まず、図19に示すデータ入力装置10の円筒のどの位置で加圧して転がすかということによって入力する機能が変わる。この機能の違いを操作者が触覚的に把握する必要がある。そのためには、円筒表面に位置を区別するための凹凸の手掛かりが設ける。また回すときの場所に応じて振動パターンや周期を変えるようにする。例えば、連続してカーソルが移動するときは高周波の一定振幅の振動、メニューの項目をジャンプしながら移動するときには、移動の度にパルス状に短期間続く高周波の振動を与える。加圧を弱めて逆方向に転がしてホームポジションに復帰する際にはこうした振動を発生しないようにすることによって、操作者は何も入力していないことを確認することができる。
【0099】
なお、上記の方式を、従来の接触検出方式(例えば静電容量方式)で実現する場合には、入力を意図して転がす場合と、ホームポジションへ戻すために転がす場合とを区別するために、接触検出方式とは別途に、加圧を検出するセンサーかスイッチが必要になる。また、第1の実施の形態で示した誤入力を排除する仕組も必要となる。こうした構成要素を必要とする点に、従来のタッチパッドと異なる新規性がある。静電容量で検出しても良いが、その場合には、逆に回して戻すときに入力してしまわないようにするために、加圧力を検出するセンサーが必要になる。静電容量方式のタッチパッドとの違いは、接触していても加圧していなければ、座標変化の情報が入力されないことである。加圧を検出する仕組みを持ち、加圧開始から加圧解除の間の移動量を用いてカーソルやスクロールを制御することができる。
【0100】
メニュー選択の取り消しは、たとえば、押圧状態で、親指を上下に動かして、回転方向を変化させる。情報機器30は、所定時間内に、所定回数の回転方向の変化を検出することによってメニュー選択をリセットするようにする。
(メニュー項目実行処理)
【0101】
選択したメニュー項目を実行するには、種々のやり方がある。たとえば、ハイライト表示されているところの状態で、回転させずに1度あるいは所定回数押圧のON、OFFを実行する。実行処理は、このほか、転がして加圧を解除したときに実行されるようにしてもよい。もちろん実行ボタンを別に設けて、そのボタンの押下によって選択したメニュー項目を実行することも可能である。
(文字情報等の入力処理)
【0102】
次に、図20を用いて、文字情報の選択操作について説明する。
たとえば、携帯電話のテンキーと同様の文字配列を用いる。円筒状リモコンの筒に沿って3つの加圧位置を区別し、各加圧位置で転がす運動を検出する。3つの加圧位置によってテンキーの列を選択し、さらに転がして行を選択する。
【0103】
リモコン10の姿勢を水平方向に向けた状態で上記のように操作して3列のテンキーを選択できる。ひらがな入力をするときには上記によってテンキーのキーの一つを選択した後でリモコンの向きを変えてリモコンを垂直にする。するとこの姿勢をセンサーが検出し、選択したキーに割り当てられている50音表の一つの列ひらがなを横に並べて画面に表示し、リモコンを垂直にしたまま転がすとこの横に並んだひらがなの一つを選択できる。あるいは上記の3列の他にもう1列区別できるように、計4つの加圧地点を区別できるようにし、余分の1列でひらがなを選択するようにすれば、リモコン10の姿勢を水平方向に保ったままひらがな入力できる。
(音楽プレイヤーのリモコンとしての利用)
【0104】
音楽プレイヤーの操作、あるいは、音楽プレイヤーのヘッドフォンケーブルに付けるリモコンとしても使用したりすることができる。
【0105】
特に、音楽プレイヤーでは、円筒上で複数の操作部を設けておいて、加圧する場所に応じて転がしたときに、(1)アルバム選択、(2)曲選択、(3)ボリューム調整、(4)表示内容のスクロール、(5)曲の早送り、早戻し(曲のスクロール)(6)再生、停止、サウンドイフェクトなど各種操作メニューの選択と実行などの各操作を実行するようにすると利便性が向上する。
【0106】
以下、図19を用いて音楽プレイヤーの操作例を説明する。
(a)アルバム名を送って行く際に摘んで加圧する位置。この位置で加圧しながら本体を転がすとアルバム名が順々と変わって行く。
(b)一行で収まらないアルバム名の情報をスクロールする際に摘む位置。この位置で加圧しながら本体を転がすと同じアルバムの名や付随情報が数行に渡っているときに表示される行が順々と変わって行く。
(c)曲を送る際に摘む位置。この位置で摘んで加圧しながら転がすと別の曲の表示へと切り替わってゆく。
(d)この位置(中列と右列の突起の間で中列寄りの場所)で加圧しながら転がすと曲の情報が数行に渡る場合に、行をスクロールして表示する。
(e)この位置(中列と右列の突起間の右列寄りの場所)で転がすと音量のボリュームを調整できる。
(f)この位置で転がすと「再生」「早送り」等プレイヤーの各種機能を切り替える。また機能設定のためのメニューの項目を切り替える。
【0107】
次に、図21を用いて、音楽プレイヤーへの実装例について説明する。
図21(a)において、 本体側面のディスプレイが設けられており、その中の表示位置と操作時の側面への加圧位置が対応する。例えば、この例では、アルバム名:Morzart、曲名:Magic Flute、そして操作状態として再生中を示す三角マークが表示されているが、これらの表示位置が側面に設けられた3列の突起の位置に対応している。これらの突起は側面を転がすように操作するときに、側面のどこを指で挟んで転がすべきか、触覚的に把握できるようにするために設けられたものである。
【0108】
例えば、図21(g)に示すように3つの突起列のうち、左側の列を摘んで加圧しながら転がすとディスプレイに表示されるアルバム名が転がす方向に応じて順々に切り替わってゆく。その際に切り替わる度に本体を振動したり、ピッという音を発生したりして、触覚的、聴覚的に操作者にアルバムが変わったことを通知する。同様のことを中列の突起に対して行うと、曲名が次々と送られることになる。また右列で行うと「再生」や「停止」、「早送り」等の音楽プレイヤーの機能を選択できる。あるいは各種設定メニューの項目を切り替える際にも、右列の突起を指で挟んで転がすように操作する。
なお別紙の図19では、突起を摘んで操作するだけではなく、突起間を摘んで操作する様子も示している。突起間に加圧して転がすときには、例えば、1行で表示しきれないアルバム名や、曲名を転がし量にあわせてスクロールして表示して、1行のディスプレイに収まりきれない情報を表示するようにしている。
【0109】
図21(b)は、ころがし運動の検出機構の一例、および加圧の検出機構の一例を示す。図21(a)の破線部の断面図を示す。絶縁性で弾力性、可塑性があるスペーサー(円柱状)と導電性の電極(半球状)を側面に交互に並べて配置する。また外側の楕円形の筐体は押すと歪んで押された部分の下にある電極が導通する。どの電通が導通するかを検出して加圧位置を知る。この例では親指で触れる側と人差し指で触れる側の両方にこの仕組みを導入し、両指からの加圧位置を検出し、それらが対角線上にあるときにのみ有効な入力として受け付けるようにして、誤入力を排除している。また接触点が連続的に動いているときにだけ転がし運動が行われていると判断し、瞬間的な導通や開放は誤入力として排除することもできる。
【0110】
なお図21(e)には矢印の位置で加圧したときに外側の筐体の楕円が変形し、電極が接触する様子、ならびにタクトスイッチが入って加圧を検出している様子を示す。加圧時には筐体が歪んで、加圧地点では電極が接触しているが、スペーサーがシーソーの支点の役割をし、また更に筐体がある程度の硬性を持つため、変形時に加圧地点を中心に曲面の曲率が緩くなり、加圧地点以外の周辺の電極はむしろ浮き上がって、接触が抑制されていることが分かる。
【0111】
図21(c)では、親指で触れる側面と人差し指で触れる側面の両者に上記の機構を入れるとコストが増大するので、一方の側にのみ導入し、反対側にはタクトスイッチを入れて加圧だけを検出する仕組みにした。タクトスイッチでは加圧したかどうかしか検出できず、加圧位置を正確に検出できないが、それでも誤入力の検出能力はある程度確保される。
【0112】
図21(d)では、電極とスペーサーの配列の代わりに可変抵抗の原理で抵抗量として指の接触位置、加圧位置を検出する。可変抵抗と同様の原理で電極と抵抗膜の接触位置が変わると抵抗値が変わる。抵抗膜を貼り付けた内側円柱表面に外側の円弧状の電極が触れる位置を、抵抗値として検出する。ここで外側の電極は硬性が高く、押しても変形しない。この外側電極の円弧形状の半径は、内側の抵抗膜の張られた反円柱の半径よりも大きく、両者の幾何学的関係により接触点は一箇所に制約され、押した位置でのみ電極は抵抗膜と接触することになる。この様子を図21(f)に示すが、接触位置は一つに限定されていることを確認できる。また加圧を検出するタクトスイッチを、反対側側面に設けて、タクトスイッチのON−OFFによって加圧を検出するとともに、誤入力を排除している。
図21(e)、(f)については上で説明済みのため、ここでは説明を割愛する。
【0113】
図21(g)は装置の操作の仕方を示す。この図のように特定の突起の位置を親指と人差し指で挟んで、加圧しながら転がすことで、突起位置に対応した入力が行われる。この例では、転がす方向と量に応じてアルバムが順々に選ばれて表示される。
【0114】
最終的にアルバムを確定する方法としては、(1)加圧しながら転がして目的のアルバムを画面に表示して、加圧をやめたときに画面に表示されているアルバムが確定する方法、(2)目的のアルバムを画面に表示して、加圧して減圧する操作を転がすことなく同じ場所で行うと、そのときに表示されるアルバムに確定する方法、(3)転がす間はアルバムが順々に変わりながらディスプレイに表示され、転がすのをやめて、別個に設けられたタクトスイッチを押すときにアルバムが確定する、などがある。
【0115】
以上の如く、本実施の形態によれば、親指の移動方向にカーソル等の制御対象を移動させることによって、操作者は感覚的に間違えなく操作することができる。
【0116】
また、メニュー項目の切り替わりでデータ入力装置を振動させるので、操作者は、メニューの切り替わりを確実に認識することができる。
【0117】
また、押圧あり、無しの状態を送るので、たとえば、スクロール量が一回の指の操作で足りないときは、一旦離して(押圧無し状態にして)、適当な位置に指を戻してから、押圧して回転させ、情報機器側では、一定時間内の再押圧状態によって続きから変位量に伴ってカーソル等の移動処理を実行するようにしたので、データ入力装置の限られた運動領域でも任意の位置にカーソル等を移動させることができる。
【0118】
なお、連続して同じ方向へカーソル等を移動させる場合、一旦押圧を緩める瞬間に逆方向へ転がす可能性がある。このような場合、通常の処理では、逆方向へカーソル等が移動してしまう可能性があるが、情報機器で最初に制御された方向を順方向状態を記憶するようにして、押圧状態で移動方向が変化した場合は、一定の不感帯を設けることにより、操作者の一定方向への連続的な操作のときでも安定してカーソルを一方向へ移動させることができる。
【0119】
なお、上記は、水平方向と垂直方向へ制御アイテムを移動させる場合を例に説明したが、斜め方向を検知して斜めに移動させるようにしても良い。
【0120】
本実施の形態によるデータ入力装置をテレビのリモコンとして利用する場合には、リモコンの姿勢を変えながら各姿勢において加圧位置を変えてリモコンを転がすことにより、多様な情報を入力できる。例えば、加圧位置を変えて転がすことで、音量の調節、チャンネル送り、メニューの切り替え、文字入力ができる。さらにリモコンを水平状態で転がすときには、画面に表示された番組表を縦方向にスクロールし、垂直状態で転がすときには横方向にスクロールすることができる。またインターネットのコンテンツの閲覧においても、リモコンの姿勢を変えながら転がすことでコンテンツを自在にスクロールしたり、カーソル制御したりすることができる。
【0121】
また、本実施の形態によるデータ入力装置は、他の装置等に組み込んで使用することもできる。たとえば、図22に示すように、ペンと一体として形成するようにしてもよい。このとき、ジョイントの部分を着脱自在にしておけば、ペンの消耗品などを交換するのに便利である。これ以外に図23のように携帯電話に実装してもよい。
(振動パターン生成、誤入力・チャタリング排除のための手順)
【0122】
図24に、本発明のデータ入力装置、情報処理システム、およびプログラムにおいて、指から装置に加えられる圧力の変化をモニターして、適切なタイミングで振動パターンを生成する手順、および誤入力やチャタリングを入力から除外するための手順をフローチャートで示す。まず装置の加圧状態を常にモニターするか、あるいは加圧そのものをトリガーとして電源が入り、図24の手順を開始する。加圧量が所定値であれば、意図を持った操作が入力装置に加えられたものと判断し、それが以前から持続的に加えられている圧力なのか、それとも操作者が加圧を開始したことによって始めて加わった圧力なのか、記憶している過去の加圧状況を見て判断する(S202)。
【0123】
また加圧量が所定値以下であっても、最後に加圧されていた時点からその時点までの時間が短い間は、チャタリングで瞬間的に加圧量が減少している可能性があるので、加圧フラッグをONのままにして加圧が継続しているものとして扱う(S203で「YES」)。この短い期間を過ぎてもなお加圧量が所定値以下であれば、加圧が解除されたものと判定し、加圧フラッグをOFFとし、必要に応じて解除されたことを示す信号3を送信する(S204)。
【0124】
一方、ステップS202において、始めて加圧が開始されたと判断されたときには(S202で「YES」)、その地点を加圧開始地点として記憶し、加圧されたことを操作者に通知するための振動パターン1を生成し、振動をその位置で生成したことを記憶するために、加圧開始地点を振動生成地点として記憶する。また加圧フラッグをONとし、さらに信号1を送信する(S205)。また加圧が以前より継続している場合には、加圧中の加圧地点の移動が連続的に生じているのかを判断し(S206)、連続的でない場合には誤入力と判定する。連続的である場合には、正しく入力が行われていると判断し、以前に振動を生成した地点と現地点の距離(回転量)を求め、それが所定量を超えていたら(S207で「YES」)、振動パターン2を生成し、その地点を新たに振動生成地点として登録する。また情報処理システムに向けて信号2を発信する(S208)。その後、フローチャートの最初(S201)に戻って、上記の処理を繰り返す。
【0125】
本発明は上述の実施の形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。たとえば、上記の実施形態では、データ入力装置の各操作部に対応して、情報機器の処理を実行する場合について説明したが、情報機器の実行内容に応じて、操作指令の意味内容を変更可能にするようにしても良い。たとえば、リモコン(データ入力装置)からテレビ(情報機器)への通信だけでなく、テレビからリモコンへの通信が行われて、それによってリモコン側の割り当て機能が変わったり、振動による触覚フィードバックが制御されるなどである。また、複数の操作部のうちのある操作部を押して、転がすと感度調整(たとえば、転がす量とスクロールする量、カーソル移動量の対応関係の調整)ができるようにしてもよい。このほか、カスタマイズして各場所に割り当てる機能を変えられるようにしたり、使用状況(文脈)に応じて割り当て方が変わるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるデータ入力装置の外観構成図(図1(a))、操作状況の説明図(図1(b))、操作時の各構成要素の位置を示す説明図(図1(c))である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるデータ入力装置の構成図であり、図2(a)は、無加圧状態での構成図、図2(b)は加圧状態における変形の様子を示す構成図である。
【図3】図2のデータ入力装置の操作時の説明図であり、図3(a)はデータ入力装置の外観図、図3(b)〜(c)は、図3(a)のE−E断面において、矢印方向から力が加わったときの基部12と押圧部11cの加圧時における変位状態の説明図である。
【図4】図2のデータ入力装置の接触検知手段の一例の説明図である。
【図5】図2のデータ入力装置の接触検知手段の他の例の説明図である。
【図6】図6(a)は、本発明の他の実施例1によるデータ入力装置10の外観構成図、図6(b)〜(d)は、図6(a)のA−A断面における加圧時の状態を示す図である。
【図7】図7(a)は、本発明の他の実施例2によるデータ入力装置10の外観構成図(無加圧時)、図7(b)は、B−B断面における構成の説明図、図7(c)は、加圧時の様子を示す外観図、図7(d)〜(f)は、B−B断面における加圧時の状態を示す図である。
【図8】図8(a)は、他の実施例3によるデータ入力装置10の外観構成図(無加圧時)、図8(b)は、C−C断面における構成の説明図、図8(c)は、加圧時の様子を示す外観図、図7(d)〜(h)は、C−C断面における加圧時または操作時の状態を示す図である。
【図9】図9(a)は、他の実施例4によるデータ入力装置10の外観構成図(無加圧時)、図9(b)は、D−D断面における構成の説明図、図9(c)は、加圧時の様子を示す外観図、図9(d)、(e)は、D−D断面における加圧時の状態を示す図である。
【図10】本発明の他の実施例5によるデータ入力装置10の重力方向検知手段(姿勢検出手段)の構成図および動作説明図である。
【図11】加速度センサーを回転軸を挟んで対称に配置して遠心力の影響を相殺する方式の説明図である。
【図12】本発明の他の実施例6による姿勢検出手段の原理説明図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態による情報処理システムの機能ブロック図である。
【図14】図13の制御手段82の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態によるメニュー選択時の操作の説明図である。(垂直方向移動時)
【図16】本発明の第2の実施の形態によるメニュー選択時の操作の様子を表す図である。(水平方向移動時)
【図17】本発明の第2の実施の形態によるスクロール時の操作の様子を表す図である。(垂直方向移動時)
【図18】本発明の第2の実施の形態によるスクロール時の操作の様子を表す図である。(水平方向移動時)
【図19】本発明の第2の実施の形態による音楽プレイヤーの操作例の説明図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態による文字情報の選択操作例の説明図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態による音楽プレイヤーの実装例の説明図である。
【図22】ペンと一体化したときの外観および操作状態を表した図である。
【図23】携帯端末と一体化したときの平面図(上)および正面図(下)である。
【図24】振動パターン生成、および誤入力・チャタリング防止のためのプログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0127】
1 情報処理システム
10 データ入力装置(リモコン、デバイス)
11a 支持部
11b 弾性支持部
11c 押圧部
11d 突起
12 基部
15 導電材料
16a、16b 電極
17 電流検出手段
21e ジャバラ機構
21f タクトスイッチ
28、53 スイッチ部
32a 突起
32b 支柱
58 実行スイッチ
59 赤外線受発光手段
64 空洞
66 錘
67 バネ
71a、71b、75 偏光フィルター
72a、72b フォトダイオード
80 情報機器
81 受信手段
82 制御手段
83 送信手段
84 ディスプレイ(表示手段)
91 データ送信手段
92 データ受信手段
93 接触検知手段
94 変位演算手段
95、95a、95b 操作手段
96 重力方向検知手段(姿勢検出手段)
97 振動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報機器にデータを入力するためのデータ入力装置であって、その装置表面は操作者の指による転動を可能にする曲面を有し、
装置表面における指の接触位置を検知する接触検知手段と、
前記接触位置を前記情報機器へ送信するデータ送信手段と、を備え、
転動を通じて装置全体の姿勢を変えることによってデータを入力することを特徴とするデータ入力装置。
【請求項2】
情報機器にデータを入力するためのデータ入力装置であって、その装置表面は操作者の指による転動を可能にする曲面を有し、
転動に伴い接触位置の連続的または離散的な変位方向および変位量を演算する変位演算手段と、
前記変位方向および変位量を前記情報機器へ送信するデータ送信手段と、
を備えたことを特徴とするデータ入力装置。
【請求項3】
前記データ入力装置において、指から前記曲面に加えられる圧力が高い状態で行われる転動を入力を意図した転動と判定し、前記圧力が低い状態で行われる転動を入力を意図しない転動と判定し、前記圧力の高低を区別するために、前記接触検知手段は所定量以上の加圧量が加わる場合にのみ作動するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ入力装置。
【請求項4】
前記データ入力装置において、指から前記曲面に加えられる圧力が高い状態で行われる転動を入力を意図した転動と判定し、前記圧力が低い状態で行われる転動を入力を意図しない転動と判定し、前記圧力の高低を区別するために、前記接触検知手段とは別に押し込み検出スイッチを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ入力装置。
【請求項5】
前記接触検知手段は、装置表面上の少なくとも相異なる2点の接触位置を検知し、夫々の接触位置が装置曲断面の略直径上に位置することを条件に有効な信号か否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ入力装置。
【請求項6】
前記変位演算手段は、夫々の接触位置の変位方向が同じであり、変位量の差が所定範囲内である場合に変位方向および変位量を有効であるとして演算することを特徴とする請求項5記載のデータ入力装置。
【請求項7】
前記曲面の内側には、指が接触して加圧する地点において、加圧時に導通する電極または抵抗材の対と、加圧地点で変位する前記曲面の変位量を検出する変位量センサーと、加圧地点において前記曲面から加わる加圧量を検出する加圧量センサーと、のうち少なくとも一つを備え、
前記曲面の1点に指が接触して加圧して、前記電極または抵抗材の対が接触点において導通するときに、その周辺部の電極または抵抗材の対が導通しないように制約する機構、または前記変位量または前記加圧量の最大加圧地点の周辺で加圧を抑制する機構を備え、
さらに、排他的に接触・加圧・変位地点を検出する側抑制的接触位置検出センサーと、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載のデータ入力装置。
【請求項8】
(排他的に接触・加圧・変位を検出する側抑制的接触位置検出センサーを詳細化)
前記側抑制的接触位置検出センサーにおいて、前記曲面内部に設ける電極または抵抗材の対を異なる半径の円または円弧状の断面形状でもって対向するように配置し、これらの対の接触点または最接近点または最大加圧点を加圧地点1つに制約することを特徴とする請求項7に記載のデータ入力装置。
【請求項9】
前記側抑制的接触位置検出センサーにおいて、前記曲面内部に設ける電極または抵抗材の対を円または円弧状の断面形状でもって対向するように配置し、前記曲面を加圧するときに、前記電極または抵抗材の対のうち外側にあるものの曲率が加圧点を中心に緩むことによって、これらの対の接触点または最接近点または最大加圧点を加圧地点1つに制約することを特徴とする請求項7に記載のデータ入力装置。
【請求項10】
前記側抑制的接触位置検出センサーにおいて、前記曲面内部に設ける電極または抵抗材の対を円または円弧状の断面形状でもって対向するように配置し、前記対の間に空隙を確保するためのスペーサーを設け、このスペーサーをシーソー機構の支点として利用することによって、前記曲面の一点を加圧するときに、スペーサーを挟んで逆側が持ち上がるようにすることによって、これらの対の接触点または最接近点または最大加圧点を加圧地点1つに制約することを特徴とする請求項7に記載のデータ入力装置。
【請求項11】
前記側抑制的接触位置検出センサーにおいて、前記曲面内部に設ける電極または抵抗材の対を変形し得る素材で構成し、前記対の間に空気を密閉し、対の一点を接近させると空気が押し出されて他の地点で対の間隔を広げようとする作用が働くことを利用して、これらの対の接触点または最接近点または最大加圧点を加圧地点1つに制約することを特徴とする請求項7に記載のデータ入力装置。
【請求項12】
前記データ入力装置内に設けられた空間内に、重力によって空間内の相対的な位置を変化させる錘と、該錘の空間内の位置を検出するセンサーまたはスイッチを設けて前記データ入力装置の姿勢を検出する姿勢検出手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載のデータ入力装置。
【請求項13】
前記データ入力装置は、転動時の回転軸に沿って複数の区分に分割され、
各区分は触覚的に識別できるように前記曲面に凹凸が設けられ、
前記接触検知手段は、前記区分ごとに接触位置を検知し、
前記変位演算手段は、前記区分ごとに変位方向および変位量を演算し、
前記データ送信手段は、前記区分に基づくデータ種別と、区分ごとの前記接触位置、または、前記変位方向および変位量を送信することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載のデータ入力装置。
【請求項14】
前記データ入力装置は、所定量転動すると、操作が受け入れられたことを操作者が確認できるように、所定時間振動を発生させる手段と、
前記の振動生成と同時にハイライト表示されているメニュー項目を切り替えるように信号を出力する手段と、
必要に応じて、前記所定量の大きさを調整する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載のデータ入力装置。
【請求項15】
前記データ入力装置は、指が接触し、加圧量が所定の大きさを超えたときに第1の振動パターンで振動し、加圧したまま所定量転動すると、第2の振動パターンで振動し、前記第1の振動パターンと第2の振動パターンを変えて、所定の大きさの力で加圧したことと所定の角度転動したことを触覚的に区別して確認することを可能にする請求項14記載のデータ入力装置。
【請求項16】
前記データ入力装置は、前記曲面に接触する指の押圧状態の持続時間を計測する手段を備え、直前の押圧無し状態の時間が所定値未満のときは、それを無視して押圧が継続しているものとして判定する手段を備えた、請求項1ないし15のいずれか一に記載のデータ入力装置。
【請求項17】
前記データ入力装置は、前記曲面に接触する指が所定の加圧量以上の圧力を加えたまま、転動の往復運動を所定量以上の転動量で実行したときに、直前の入力を取り消し、直前の指が加圧していない時点の入力状態に復帰することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか一に記載のデータ入力装置。
【請求項18】
情報機器と、情報機器へデータを入力するための請求項1ないし17のいずれか一に記載のデータ入力装置とが一体化して、あるいは分離して構成される情報処理システムであって、
前記データ入力装置は、データ種別と、該装置の姿勢データと、指の接触位置と、指操作に伴う接触位置の変位方向および変位量と、のうち少なくとも一つを送信する手段を備え、
前記情報機器は、前記データ入力装置から送られてくるデータを受信する手段と、
受信したデータによって処理内容を決定する手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項19】
情報機器と、情報機器へデータを入力するための請求項1ないし16のいずれか一に記載のデータ入力装置とが分離して構成される情報処理システムであって、前記データ入力装置が偏向した電波や光波を発信し、前記情報機器が受信する電波や光波の偏向方向を検出し、この偏向方向によって、前記データ入力装置の姿勢を検出する姿勢検出手段を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項20】
前記情報処理システムにおいて、前記処理内容が番組やメニュー項目の選択処理の場合は、前記接触位置と前記姿勢データによってハイライト表示する項目を決定するか、または前記姿勢データと前記変位方向によってメニューや番組の項目のハイライト表示の移動方向を決定し、前記変位量に基づいてハイライト表示の移動量を決定するメニュー項目選択処理手段と、
前記処理内容がカーソル移動またはスクロール処理の場合は、前記姿勢データと前記変位方向によって定まる方向へカーソルの移動またはスクロールを実行し、前記変位量に基づいてカーソルの移動量またはスクロール量を決定する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項18または19に記載の情報処理システム。
【請求項21】
前記情報処理システムにおいて、前記情報機器を音楽プレイヤーとし、また前記データ入力装置でこの音楽プレイヤーをコントロールする場合に、
音量調整、アルバム、曲、各種機能の選択、曲の早送り、等の操作のいずれを実行するかということを、前記区分に基づくデータ種別と必要に応じて該装置の姿勢データを組み合わせて、決定する手段と、
音量の増減、アルバムや曲の選択方向、機能の選択方向を、曲の早送りの方向、前記変位方向、または必要に応じて前記姿勢データによって決定し、前記変位量に基づいてこれらの選択、早送りの移動量または移動速度を決定する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項18または19に記載の情報処理システム。
【請求項22】
前記情報処理システムにおいて、前記情報機器をデジタルテレビやビデオプレイヤー等の映像機器とし、また前記データ入力装置でこの映像機器をコントロールする場合に、
音量調整、チャンネルや録画番組の選択、各種機能の選択、映像の早送り、等の操作のいずれを実行するのかを、前記区分に基づくデータ種別と必要に応じて該装置の姿勢データに基づいて決定する手段と、
音量の増減、チャンネルや録画番組を送る方向、録画番組の早送りの方向、機能の選択方向を、前記変位方向、または必要に応じてそれに前記姿勢データを組み合わせて決定し、前記変位量に基づいて前記送り時の送り量または送り速度を決定する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項18または19に記載の情報処理システム。
【請求項23】
前記情報機器は、操作が受け入れられたことを操作者が確認できるように、ハイライト表示されているメニュー項目の切り替わりの際に前記データ入力装置へ信号を送出し、前記データ入力装置は当該信号を受信することによって所定時間振動を発生させることによって操作者へメニュー項目の切り替わりを通知する触覚フィードバック手段を備えたことを特徴とする請求項18または19に記載の情報処理システム。
【請求項24】
前記情報処理システムは、前記曲面に接触する指の押圧状態の持続時間を計測する手段を備え、直前の押圧無し状態の時間が所定値未満のときは、それを無視して押圧が継続しているものとして判定する手段を備えたことを特徴とする請求項18または19に記載の情報処理システム。
【請求項25】
前記データ入力装置または前記情報処理システムは、前記曲面に接触する指が所定の加圧量以上の圧力を加えたまま、転動の往復運動を所定量以上の転動量で実行したときに、直前の入力を取り消し、直前の指が加圧していない時点の入力状態に復帰することを特徴とする請求項18または19に記載の情報処理システム。
【請求項26】
前記情報処理装置は、指が接触し、加圧量が所定の大きさを超えたときに第1の振動パターンで振動し、加圧したまま所定量転動すると、第2の振動パターンで振動し、前記第1の振動パターンと第2の振動パターンを変えて、所定の大きさの力で加圧したことと所定の角度転動したことを触覚的に区別して確認することを可能にする請求項18または19に記載の情報処理システム。
【請求項27】
前記情報機器は、操作が受け入れられたことを操作者が確認できるように、接触する指から加えられる圧力が所定の大きさを超えるときに第1のパターンの音を出し、またはハイライト表示されているメニュー項目の切り替わりの際に第2のパターンの音を出し、操作者へメニュー項目の切り替わりを通知する聴覚フィードバック手段を備えたことを特徴とする請求項18または19に記載の情報処理システム。
【請求項28】
請求項1ないし17のいずれか一に記載のデータ入力装置から送られてくるデータに基づいて動作する情報機器上で実行されるプログラムであって、
前記データのうち、データ種別によって処理内容を選択し、前記姿勢データと前記変位方向によって、前記選択された処理内容における制御アイテムの移動方向を決定し、前記変位量によって、制御アイテムの移動量を決定する処理と、
を含むことを特徴とするコンピュータ実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−90559(P2008−90559A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270083(P2006−270083)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人科学技術振興機構、独創的シーズ展開事業大学発ベンチャー創出推進「機器の簡単確実な操作を実現するハプティックユーザインターフェースの研究開発」にかかる委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】