説明

データ共有システム、端末装置、データ共有方法、及びプログラム

【課題】低コストでデータを共有でき、且つ、負荷を増加させることなく最新データの取得を可能にし得る、データ共有システム、端末装置、データ共有方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】ネットワーク40を介して互いに接続された端末装置1〜3各々は、管理部(11、21、31)と格納部(12、22、32)とを備えている。各端末装置の格納部は、共有データのいずれか、各共有データの格納場所、及び各共有データの更新日時を格納する。各端末装置の管理部は、それを備える当該端末装置以外の別の端末装置の格納部に格納されている共有データの使用が指示されると、別の端末装置から、使用が指示された共有データを取得すると共に、当該端末装置の格納部が格納している格納場所を更新し、別の端末装置以外の端末装置に対して、取得した共有データの格納場所の更新を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ共有システム、端末装置、データ管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータネットワークの発展により、企業等においては、多くの端末で電子データを共有する場合は、データベースによって一括して管理されている。そして、各端末は、データベースにアクセスすることにより、必要な最新の電子データを取得することができる。
【0003】
但し、このようなシステムでは、電子データを監理しているデータベースに障害が発生すると、いずれの端末もアクセスすることができなくなり、業務に支障を来す結果となる。また、データベースが復旧しても、目的の電子データの格納場所が不明となる場合がある。この場合も、電子データを取得することが困難となり、業務に支障を来す結果となる。
【0004】
このため、例えば、特許文献1は、データを複数のデータベースに分散させて管理するシステムを提案している。特許文献1に開示されたシステムでは、データベース毎に異なる情報が格納されるので、上述した事態となった場合の被害が最小限となる。
【0005】
また、特許文献1に開示されたシステムでは、システムが格納しているデータの管理は、各データベースに設けられた管理サーバによって、データベース毎に、管理テーブルを用いて行なわれる。但し、管理テーブルは、全ての管理サーバ間で定期的に同期されているので、ユーザは、端末装置を介して、いずれかの管理サーバにアクセスすれば、システムが格納している最新のデータを取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−305714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示されたシステムでは、データベースの数を増加させる程、リスク分散が可能となるが、これに応じて高価な管理サーバの台数も増加させる必要があり、コストが高いという問題がある。また、ユーザが確実に最新のデータにアクセスできるようにするためには、頻繁に管理テーブルの同期をとる必要があり、システムに大きな負担となる。
【0008】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、低コストでデータを共有でき、且つ、負荷を増加させることなく最新データの取得を可能にし得る、データ共有システム、端末装置、データ共有方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるデータ共有システムは、ネットワークを介して互いに接続された複数の端末装置を備え、
前記複数の端末装置それぞれは、管理部と、格納部とを備え、
前記複数の端末装置それぞれの格納部は、共有対象となるデータのいずれか、前記データそれぞれの格納場所、及び前記データそれぞれの更新日時を格納し、
前記複数の端末装置それぞれの前記管理部は、
それを備えている当該端末装置以外の別の端末装置の前記格納部に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記別の端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、当該端末装置の前記格納部が格納している前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記別の端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における端末装置は、ネットワークを介して接続された別の端末装置との間でデータを共有する端末装置であって、
管理部と、格納部とを備え、
前記格納部は、共有対象となるデータのいずれかと、前記データそれぞれの格納場所と、前記データそれぞれの更新日時とを格納し、
前記管理部は、前記別の端末装置に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記別の端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記別の端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるデータ共有方法は、ネットワークを介して接続された端末装置との間でデータを共有するための方法であって、
(a)共有対象となるデータのいずれかと、前記データそれぞれの格納場所と、前記データそれぞれの更新日時とを格納する、ステップと、
(b)前記端末装置に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0012】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータによって、ネットワークを介して接続された端末装置との間でデータを共有するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)共有対象となるデータのうちのいずれかと、前記データそれぞれの格納場所と、前記データそれぞれの更新日時とを格納する、ステップと、
(b)前記端末装置に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、低コストでデータを共有でき、且つ、負荷を増加させることなく最新データの取得が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態におけるデータ共有システム及び端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)〜図2(c)は、それぞれ、各端末装置が格納している管理情報の一例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態におけるデータ共有システム及び端末装置の動作を示すフロー図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態における端末装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における、データ共有システム、端末装置、データ共有方法、及びプログラムについて、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0016】
[システム構成]
最初に、本実施の形態におけるデータ共有システム及び端末装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるデータ共有システム及び端末装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示す本実施の形態におけるデータ共有システム100は、共有対象となるデータ(以下「共有データ」と表記する。)を複数の端末装置で共有及び管理するためのシステムである。
【0018】
図1に示すように、データ共有システム100は、端末装置1〜3を備えている。また、端末装置1〜3は、LAN(Local Area Network)、インターネット、等のネットワーク40を介して互いに接続されている。なお、図1の例では、3台の端末装置のみが開示されているが、本実施の形態において、端末装置の数は特に限定されるものではない。
【0019】
端末装置1〜3は、それぞれ、管理部と、格納部とを備えている。各端末装置において、格納部12、22、及び32は、それぞれ、共有データのいずれかと、共有データそれぞれの格納場所と、共有データそれぞれの更新日時とを格納している。
【0020】
各端末装置において、管理部11、21、及び31は、それぞれ、それを備えている端末装置以外の別の端末装置の格納部に格納されている共有データの使用が指示されると、この別の端末装置から、使用が指示された共有データを取得する。
【0021】
更に、管理部11、21、及び31は、共有データを取得すると共に、それを備えている端末装置の格納部が格納している格納場所を更新し、そして、取得元となった別の端末装置以外の端末装置に対して、取得した共有データの格納場所の更新を通知する。
【0022】
このように、本実施の形態では、データ共有システム100は、端末装置のみで構成され、高価なサーバコンピュータを用いる必要がないため、データ共有を低コストで実現できる。また、本実施の形態では、端末装置間でのデータの送受信は必要な場合にだけ行なわれ、共有データの格納場所を各端末装置に通知するだけで良いので、システムにかかる負荷を増加させることなく最新データの取得が可能になる。
【0023】
ここで、図1に加えて図2を用いて、本実施の形態におけるデータ共有システム100及び端末装置1〜3の構成について更に具体的に説明する。図2(a)〜図2(c)は、それぞれ、各端末装置が格納している管理情報の一例を示す図である。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態では、端末装置1〜3それぞれは、コンピュータであり、管理部11、21、及び31、それぞれはプログラムによって構築されている。また、端末装置1〜3それぞれにおいては、共有データを利用するアプリケーションプログラム14、24、又は34が実行され、このアプリケーションプログラムからの命令によって共有データの使用が指示される。
【0025】
また、図2(a)〜図2(c)に示すように、本実施の形態では、各端末装置において、共有データそれぞれの格納場所及び更新日時は、共有データ単位で、各端末装置自体のID(以下「端末ID」と表記する。)と共有データの名称(以下「DATA名称」と表記する。)と共に、管理情報として格納される。
【0026】
更に、本実施の形態では、格納場所としては、共有データを格納している端末装置のID(端末ID)が用いられている。なお、図1において、各格納部が実際に格納している共有データは実線で表示され、他の格納部が格納している共有データは破線で表示されている。
【0027】
また、本実施の形態では、管理部は、それを備えている取得先の端末装置以外の別の端末装置から共有データを取得した場合は、取得した共有データの更新日時が、取得先の端末装置の格納部が格納している共有データの更新日時と異なるかどうかを判定することができる。
【0028】
通常、データ共有システム100においては、共有データのヘッダに記録されている更新日時が最新の更新日時となる。よって、管理部が上記判定において異なると判定する場合は、取得した共有データの更新日時の方が、取得先となった端末装置に格納されている更新日時よりも新しい日時となる。従って、判定の結果、異なると判定する場合は、管理部は、格納部が格納している共有データの更新日時を、取得した共有データの更新日時に更新する。
【0029】
但し、いずれかの端末装置において不具合が生じていた場合は、取得した共有データの更新日時の方が、取得先の端末装置に格納されている更新日時よりも古い日時となる可能性がある。このため、管理部は、上記判定において、更に、取得した共有データの更新日時の方が、取得先の端末装置に格納されている更新日時よりも古い日時となっていると判断した場合は、端末装置の利用者に対して、異常の発生を警告することができる。
【0030】
また、管理部は、格納部が格納している共有データの更新日時を、取得した共有データの更新日時に更新する場合は、取得元となった別の端末装置以外の端末装置に対して、最新の更新日時を通知することもできる。この場合、データ共有システム100において、共有データの取得効率の更なる向上が図られる。
【0031】
また、加えて、上記の場合、取得元となった別の端末装置では、その管理部は、格納部から、取得された共有データを削除すると共に、管理情報において、その格納場所を取得先の端末装置に変更する。
【0032】
また、本実施の形態では、各端末装置においては、上述したように、アプリケーションプログラム14、24、又は34が、元々格納されていた共有データ又は別の端末装置から取得した共有データを使用し、その後、データ内容を更新する。この場合、当該端末装置の管理部は、管理情報において、使用された共有データの更新日時を更新する。更に、この場合、管理部は、他の端末装置に対して、更新後の最新の更新日時を通知することができる。これにより、データ共有システム100においては、共有データの取得効率の更なる向上が図られることになる。
【0033】
[システム動作]
次に、本発明の実施の形態におけるデータ共有システム100及び端末装置1〜3の動作について図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態におけるデータ共有システム及び端末装置の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜図1、図2(a)〜(c)を参酌する。また、以下の説明では、端末装置1での動作を中心に説明するが、端末装置2及び3も同様に動作することができる。
【0034】
なお、本実施の形態では、各端末装置を動作させることによって、データ共有方法が実施される。よって、本実施の形態におけるデータ共有方法の説明は、以下のデータ共有システム100及び端末装置1〜3の動作説明に代える。
【0035】
最初に、端末装置1において、アプリケーションプログラム14が実行される。そして、アプリケーションプログラム14から管理部11に対して共有データの使用が要求されると、図3に示すように、管理部11は、共有データの使用要求を受け付ける(ステップS1)。
【0036】
次に、管理部11は、使用が要求された共有データが、端末装置1以外の別の端末装置に格納されているかどうかを判定する(ステップS2)。具体的には、管理部11は、管理情報13を参照し、使用が要求された共有データの格納場所を特定し、特定した格納場所に基づいて判定を行なう。
【0037】
ステップS2の判定の結果、使用が要求された共有データが、端末装置1以外の別の端末装置に格納されていない場合、即ち、端末装置1の格納部12が格納している場合は、管理部11は、ステップS9を実行する。具体的には、図1の例において、共有データAAAの使用が要求された場合は、管理部11は、ステップS9を実行する。ステップS9については後述する。
【0038】
一方、ステップS2の判定の結果、使用が要求された共有データが、端末装置1以外の別の端末装置に格納されている場合は、管理部11は、ステップS3を実行する。ステップS3では、管理部3は、格納場所となっている端末装置にアクセスし、そこから、使用が要求された共有データを取得する。
【0039】
例えば、図1の例において、共有データBBBの使用が要求された場合は、端末装置1の管理部11は端末装置2にアクセスして、共有データBBBを取得する。また、この場合において、端末装置2においては、管理部21は、格納部22に格納されている共有データBBBを削除すると共に、管理情報23において共有データBBBの格納場所を端末装置1に変更する。
【0040】
次に、ステップS3の実行後、管理部11は、取得した共有データの更新日時が、端末装置1の格納部12が格納している共有データの更新日時と一致しているかどうかを判定する(ステップS4)。具体的には、管理部11は、取得した共有データのヘッダに登録されている更新日時と、管理情報13として格納されている更新日時とを対比して、判定する。
【0041】
ステップS4の判定の結果、一致している場合は、管理部11は、ステップS8を実行する。ステップS8については後述する。一方、ステップS4の判定の結果、一致していない場合は、管理部11は、取得した共有データの更新日時が最新であるかどうかを判定する(ステップS5)。具体的には、管理部11は、取得した共有データの更新日時が、管理情報13として格納されている更新日時よりも新しいかどうかを判定する。
【0042】
ステップS5の判定の結果、取得した共有データの更新日時が最新でない場合は、いずれかの端末装置において不具合が生じている可能性があることから、管理部11は、端末装置1の利用者に対して、異常の発生を警告し(ステップS7)、その後、処理を終了する。
【0043】
一方、ステップS5の判定の結果、取得した共有データの更新日時が最新である場合は、管理部11は、管理情報13として格納されている更新日時を、取得した共有データの更新日時に更新する(ステップS6)。また、ステップS6では、管理部11は、取得元となった別の端末装置以外の端末装置に対して、例えば、取得元が端末装置2である場合は端末装置3に対して、更新後の更新日時を通知することもできる。なお、更新日時の通知は、後述するステップS8において行なうこともできる。
【0044】
ステップS4においてイエスと判定された場合、又はステップS6が実行された場合は、管理部11は、管理情報13において、取得した共有データの格納場所を更新する。そして、管理部11は、取得元となった別の端末装置以外の端末装置に対して、取得した共有データの格納場所の更新を通知する(ステップS8)。
【0045】
次に、ステップS8の実行後、管理部11は、アプリケーションプログラム14に対して、使用を要求した共有データの使用を許可する(ステップS9)。ステップS9の実行後、アプリケーションプログラム14による処理が行なわれ、使用された共有データのデータ内容が更新される。
【0046】
次に、管理部11は、管理情報13において、使用された共有データの更新日時を、アプリケーションプログラムによる更新後の最新の更新日時に更新する(ステップS10)。続いて、管理部11は、他の端末装置、即ち、端末装置2及び3に対して、更新後の最新の更新日時を通知する(ステップS11)。その後、端末装置1における処理は終了する。
【0047】
以上のように本実施の形態では、端末装置間では、常に管理情報が更新されるので、各端末装置は、効率良く共有データを取得することができる。また、管理情報の更新は、必要に応じてのみ行なわれるので、システムにおける負荷の増大は抑制されている。更に、高価なサーバコンピュータは一台も必要とされないので、低コスト化が実現される。
【0048】
[プログラム]
また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図3に示すステップS1〜S11を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態におけるデータ共有システム100、端末装置1〜3、及びデータ共有方法を実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、管理部として機能し、処理を行なう。また、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置は、格納部として機能する。
【0049】
ここで、本実施の形態におけるプログラムを実行することによって、端末装置1〜3を実現するコンピュータについて図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態における端末装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0050】
図4に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0051】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0052】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0053】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash)及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【0054】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記12)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0055】
(付記1)
ネットワークを介して互いに接続された複数の端末装置を備え、
前記複数の端末装置それぞれは、管理部と、格納部とを備え、
前記複数の端末装置それぞれの格納部は、共有対象となるデータのいずれか、前記データそれぞれの格納場所、及び前記データそれぞれの更新日時を格納し、
前記複数の端末装置それぞれの前記管理部は、
それを備えている当該端末装置以外の別の端末装置の前記格納部に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記別の端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、当該端末装置の前記格納部が格納している前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記別の端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、
ことを特徴とするデータ共有システム。
【0056】
(付記2)
前記複数の端末装置それぞれの前記管理部は、
当該端末装置が、その前記格納部に格納している前記データを更新すると、前記データの前記更新日時を更新し、
当該端末装置以外の端末装置に、更新した前記更新日時を通知する、
付記1に記載のデータ共有システム。
【0057】
(付記3)
前記複数の端末装置それぞれの前記管理部は、
前記別の端末装置から、使用が指示された前記データを取得した際に、取得した前記データの更新日時が、当該端末装置の格納部が格納している前記データの更新日時と異なるかどうかを判定し、
異なると判定する場合に、当該端末装置の格納部が格納している前記データの更新日時を、取得した前記データの更新日時に更新する、
付記1または2に記載のデータ共有システム。
【0058】
(付記4)
ネットワークを介して接続された別の端末装置との間でデータを共有する端末装置であって、
管理部と、格納部とを備え、
前記格納部は、共有対象となるデータのいずれかと、前記データそれぞれの格納場所と、前記データそれぞれの更新日時とを格納し、
前記管理部は、前記別の端末装置に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記別の端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記別の端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、
ことを特徴とする端末装置。
【0059】
(付記5)
前記管理部は、
それを備えている当該端末装置が、前記格納部に格納している前記データを更新すると、前記データの前記更新日時を更新し、
当該端末装置以外の端末装置に、更新した前記更新日時を通知する、
付記4に記載の端末装置。
【0060】
(付記6)
前記管理部は、
前記別の端末装置から、使用が指示された前記データを取得した際に、取得した前記データの更新日時が、当該端末装置の格納部が格納している前記データの更新日時と異なるかどうかを判定し、
異なると判定する場合に、当該端末装置の格納部が格納している前記データの更新日時を、取得した前記データの更新日時に更新する、
付記4または5に記載の端末装置。
【0061】
(付記7)
ネットワークを介して接続された端末装置との間でデータを共有するための方法であって、
(a)共有対象となるデータのいずれかと、前記データそれぞれの格納場所と、前記データそれぞれの更新日時とを格納する、ステップと、
(b)前記端末装置に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、ステップと、
を有することを特徴とするデータ共有方法。
【0062】
(付記8)
(c)前記(a)のステップで格納された前記データが更新された場合に、前記データの前記更新日時を更新し、前記端末装置に、更新した前記更新日時を通知する、ステップを、
更に有する付記7に記載のデータ共有方法。
【0063】
(付記9)
前記(b)のステップにおいて、前記端末装置から、使用が指示された前記データを取得した際に、取得した前記データの更新日時が、前記(a)のステップで格納された前記データの更新日時と異なるかどうかを判定し、
異なると判定する場合に、前記(a)のステップで格納された前記データの更新日時を、取得した前記データの更新日時に更新する、
付記7または8に記載のデータ共有方法。
【0064】
(付記10)
コンピュータによって、ネットワークを介して接続された端末装置との間でデータを共有するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)共有対象となるデータのうちのいずれかと、前記データそれぞれの格納場所と、前記データそれぞれの更新日時とを格納する、ステップと、
(b)前記端末装置に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、ステップと、
を実行させるプログラム。
【0065】
(付記11)
(c)前記(a)のステップで格納された前記データが前記コンピュータによって更新された場合に、前記データの前記更新日時を更新し、前記端末装置に、更新した前記更新日時を通知する、ステップを、
更に前記コンピュータに実行させる付記10に記載のプログラム。
【0066】
(付記12)
前記(b)のステップにおいて、前記端末装置から、使用が指示された前記データを取得した際に、取得した前記データの更新日時が、前記(a)のステップで格納された前記データの更新日時と異なるかどうかを判定し、
異なると判定する場合に、前記(a)のステップで格納された前記データの更新日時を、取得した前記データの更新日時に更新する、
付記10または11に記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明によれば、低コストでデータを共有でき、且つ、負荷を増加させることなく最新データの取得が可能になる。本発明は、データの共有が求められる各種コンピュータシステムに有用である。
【符号の説明】
【0068】
1 端末装置
2 端末装置
3 端末装置
11 管理部
12 格納部
13 管理情報
14 アプリケーションプログラム
21 管理部
22 格納部
23 管理情報
24 アプリケーションプログラム
31 管理部
32 格納部
33 管理情報
34 アプリケーションプログラム
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して互いに接続された複数の端末装置を備え、
前記複数の端末装置それぞれは、管理部と、格納部とを備え、
前記複数の端末装置それぞれの格納部は、共有対象となるデータのいずれか、前記データそれぞれの格納場所、及び前記データそれぞれの更新日時を格納し、
前記複数の端末装置それぞれの前記管理部は、
それを備えている当該端末装置以外の別の端末装置の前記格納部に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記別の端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、当該端末装置の前記格納部が格納している前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記別の端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、
ことを特徴とするデータ共有システム。
【請求項2】
前記複数の端末装置それぞれの前記管理部は、
当該端末装置が、その前記格納部に格納している前記データを更新すると、前記データの前記更新日時を更新し、
当該端末装置以外の端末装置に、更新した前記更新日時を通知する、
請求項1に記載のデータ共有システム。
【請求項3】
前記複数の端末装置それぞれの前記管理部は、
前記別の端末装置から、使用が指示された前記データを取得した際に、取得した前記データの更新日時が、当該端末装置の格納部が格納している前記データの更新日時と異なるかどうかを判定し、
異なると判定する場合に、当該端末装置の格納部が格納している前記データの更新日時を、取得した前記データの更新日時に更新する、
請求項1または2に記載のデータ共有システム。
【請求項4】
ネットワークを介して接続された別の端末装置との間でデータを共有する端末装置であって、
管理部と、格納部とを備え、
前記格納部は、共有対象となるデータのいずれかと、前記データそれぞれの格納場所と、前記データそれぞれの更新日時とを格納し、
前記管理部は、前記別の端末装置に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記別の端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記別の端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
ネットワークを介して接続された端末装置との間でデータを共有するための方法であって、
(a)共有対象となるデータのいずれかと、前記データそれぞれの格納場所と、前記データそれぞれの更新日時とを格納する、ステップと、
(b)前記端末装置に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、ステップと、
を有することを特徴とするデータ共有方法。
【請求項6】
(c)前記(a)のステップで格納された前記データが更新された場合に、前記データの前記更新日時を更新し、前記端末装置に、更新した前記更新日時を通知する、ステップを、
更に有する請求項5に記載のデータ共有方法。
【請求項7】
前記(b)のステップにおいて、前記端末装置から、使用が指示された前記データを取得した際に、取得した前記データの更新日時が、前記(a)のステップで格納された前記データの更新日時と異なるかどうかを判定し、
異なると判定する場合に、前記(a)のステップで格納された前記データの更新日時を、取得した前記データの更新日時に更新する、
請求項5または6に記載のデータ共有方法。
【請求項8】
コンピュータによって、ネットワークを介して接続された端末装置との間でデータを共有するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)共有対象となるデータのうちのいずれかと、前記データそれぞれの格納場所と、前記データそれぞれの更新日時とを格納する、ステップと、
(b)前記端末装置に格納されている前記データの使用が指示されると、
前記端末装置から、使用が指示された前記データを取得すると共に、前記格納場所を更新し、そして、取得元となった前記端末装置以外の端末装置に対して、取得した前記データの前記格納場所の更新を通知する、ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項9】
(c)前記(a)のステップで格納された前記データが前記コンピュータによって更新された場合に、前記データの前記更新日時を更新し、前記端末装置に、更新した前記更新日時を通知する、ステップを、
更に前記コンピュータに実行させる請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記(b)のステップにおいて、前記端末装置から、使用が指示された前記データを取得した際に、取得した前記データの更新日時が、前記(a)のステップで格納された前記データの更新日時と異なるかどうかを判定し、
異なると判定する場合に、前記(a)のステップで格納された前記データの更新日時を、取得した前記データの更新日時に更新する、
請求項8または9に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−114459(P2013−114459A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260189(P2011−260189)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)