説明

データ再現プログラム、データ再現装置、データ再現方法

【課題】現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報に基づいて、その現実の状況を、忠実に再現することができるデータ再現プログラムを、提供することにある。
【解決手段】本プログラムでは、現実空間において打者又は走者が走り込む塁へ野手が送球する時のプレイの情報JDに基づいて、現実空間のプレイ結果が決定される。そして、打者キャラクタ又は走者キャラクタの走塁時間Tk(基準時間)と、守備に要する必要時間Tnとに基づいて、仮想空間におけるプレイ結果が決定される。そして、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、一致するように、必要時間Tnが調節される。そして、調整後の必要時間Tnで結果が決定するプレイに対応する画像が、画像表示部23に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ再現プログラム、特に、サーバに格納された、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報を、受信可能なコンピュータの制御部において実行されるプログラムに関する。また、このデータ再現プログラムを実行可能なデータ再現装置、およびこのデータ再現プログラムに基づいてコンピュータにより制御されるデータ再現方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、現実世界の状況たとえばスポーツの状況を再現するためのアプリケーションが、提案されている。このようなアプリケーションは、コンピュータやゲーム装置等のようなデータ再現装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なデータ再現装置は、モニタと、モニタとは別体の装置本体と、装置本体とは別体の入力装置(ex. キーボード、マウス、およびコントローラ等)とを、有している。入力装置には、たとえば、複数の入力釦が配置されている。また、ポータブルタイプのデータ再現装置は、タッチパネル式のモニタと、モニタと一体の装置本体と、装置本体に一体に設けられた入力ボタンとを有している。さらに、近年では、データを無線で送受信可能な携帯型の通信装置、たとえば携帯電話も、データ再現装置として利用されることがある。携帯電話は、モニタと、モニタと一体の携帯電話本体と、携帯電話本体に一体に設けられた入力ボタンとを有している。
【0003】
近年の携帯電話は、通話用の装置としての利用だけでなく、専用ネットワーク網やインターネット等に接続することによって、データ送受信装置としての利用も可能になった。このため、携帯電話をデータの送受信装置として積極的に利用する様々な試みが、なされるようになってきた。この一例としては、専用ネットワーク網やインターネット上に配置されたサーバに格納された情報を用いて、現時世界において実行されているスポーツの状況を、配信データとして携帯電話等に送信するシステムが構築されつつある。(非特許文献1)
また、現実世界のリアルタイムデータをゲームにおいて活用するものが提案されている。特開2000−308757には、例えば野球に関するリアルタイムデータとして、時刻、試合時間、何回の表または裏か、等のデータ等をホスト装置から取得する内容が開示されている。そして、具体的なゲーム例としては、プレイヤが現実世界で行われた野球の所定のタイミングを決め、その時点における現実世界のデータを利用してゲームに切替え、プレイヤが遊技するといった内容が示されている。(特許文献1を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−308757
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】データ・スタジアム「一球テキスト速報」、(参考URL;2009年12月11日現在)http://datastadium.co.jp/corp/backnumber/press/000279.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、現実世界の野球の状況を再現するアプリケーション(以下では、再現アプリと呼ぶ)を用いて、現実世界の野球の状況を、携帯電話において、忠実に再現する試みが行われている。しかしながら、現実世界の野球に関するデータをすべて取得することはできないため、取得できないデータについては、仮想のデータによって補完を行なうことになる。このため、現実世界のデータと仮想のデータを、常時、うまく整合させることが困難なケースが多く、シミュレーションによっては、プレイの自然な再現ができないことが想定される場合がある。
【0007】
例えば、現実世界の野球において、内野手がボールを捕球し一塁に送球した結果がセーフになった事象を携帯電話において再現しようとした場合、野手キャラクタの位置やボールの飛球方向等によっては、現実世界の野球の結果がセーフであるにもかかわらず、仮想空間の結果はアウトになってしまうという問題が発生すると想定されるケースがある。
【0008】
また、逆に、現実世界の野球において、内野手がボールを捕球し一塁に送球した結果がアウトになった事象を再現しようとした場合、仮想空間における結果がセーフになってしまうと想定されるケースもある。
【0009】
本発明は、このような考察を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報に基づいて、その現実の状況を、忠実に再現することができるデータ再現プログラムを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係るデータ再現プログラムは、サーバに格納された、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報を受信可能なコンピュータの制御部に、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(1)現実空間において打者又は走者が走り込む塁へ野手が送球する時のプレイの情報を含む、リアルタイム情報を、サーバから受信し記憶部に格納する情報格納機能。
(2)記憶部に格納されたプレイの情報に基づいて、現実空間におけるプレイがアウトかセーフかを、認識するプレイ結果認識機能。
(3)記憶部に格納されたプレイの情報に基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間、および走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間を、基準時間として設定する基準時間設定機能。
(4)ボールオブジェクトが打者キャラクタにより打ち返された時点から、ボールオブジェクトが野手キャラクタに捕球される時点までのボールオブジェクト移動時間と、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間と、野手キャラクタから送球されたボールオブジェクトが塁に到達するまでのボールオブジェクト送球時間とからなる時間を、仮想空間においてプレイに要する必要時間として、設定する必要時間設定機能。
(5)基準時間と必要時間とに基づいて、仮想空間におけるプレイがアウトかセーフかを、判断するプレイ結果判断機能。
(6)現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かを、判断する結果相違判断機能。
(7)現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、一致するように、必要時間を調節する必要時間調節機能。
(8)調整後の必要時間で結果が決定するプレイに対応する画像を、画像表示部に表示する画像表示機能。
【0011】
このデータ再現プログラムでは、コンピュータの制御部が各機能を実行する。情報格納機能では、現実空間において打者又は走者が走り込む塁へ野手が送球する時のプレイの情報を含む、リアルタイム情報を、サーバから受信し、このリアルタイム情報が記憶部に格納される。プレイ結果認識機能では、記憶部に格納されたプレイ情報に基づいて、現実空間におけるプレイ結果がアウトかセーフかが、認識される。基準時間設定機能では、記憶部に格納されたプレイの情報に基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間、および走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間が、基準時間として設定される。必要時間設定機能では、ボールオブジェクトが打者キャラクタにより打ち返された時点から、ボールオブジェクトが野手キャラクタに捕球される時点までのボールオブジェクト移動時間と、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間と、野手キャラクタから送球されたボールオブジェクトが塁に到達するまでのボールオブジェクト送球時間とからなる時間が、仮想空間においてプレイに要する必要時間として、設定される。プレイ結果判断機能では、基準時間と必要時間とに基づいて、仮想空間におけるプレイ結果がアウトかセーフかが、判断される。結果相違判断機能では、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かが、判断される。必要時間調節機能では、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、一致するように、必要時間が調節される。画像表示機能では、調整後の必要時間で結果が決定するプレイに対応する画像が、画像表示部に表示される。
【0012】
ここでは、走塁時間に対応する基準時間と、野手キャラクタの捕球および送球に必要となる必要時間とに基づいて、仮想空間におけるプレイ結果がアウトかセーフかが、判断される。そして、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、一致するように、必要時間が調節される。そして、調整後の必要時間で結果が決定するプレイに対応する画像が、画像表示部に表示される。
【0013】
このように、本発明では、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とが一致しない場合については、仮想空間において野手キャラクタの捕球および送球に必要となる必要時間を調節することにより、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とを一致させることができ、現実空間のプレイを自然な映像で再現することができる。
【0014】
なお、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とが一致しない場合に、基準時間の方を調整することも考えられる。しかしながら、基準時間は走者キャラクタの走塁時間に対応するものであって、走者キャラクタは人間を模したものであり、且つ走行は現実世界の身近な動作でもあることから、基準時間の調整の結果として、その基準時間、即ち走行速度が現実世界の速度から乖離して過度に速く、または遅くなってしまうと、見た目上の違和感が強く生じることになる。そこで、本発明では、この基準時間の方を原則、固定とし(なお、キャラクタ毎の能力に基づき、キャラクタ間では走行速度に差異がある)、必要時間の方を調整するようにしている。
【0015】
ここで、必要時間は、ボールオブジェクトが野手キャラクタに捕球される時点までのボールオブジェクト移動時間と、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間と、野手キャラクタから送球されたボールオブジェクトが塁に到達するまでのボールオブジェクト送球時間とから構成されるので、これらの時間のいずれかを調整しても、見た目上、あまり違和感が生じない。また、調節すべき時間分を、これらの複数の移動時間等に分散すれば、さらに、見た目上の違和感を抑制することができる。
【0016】
請求項2に係るデータ再現プログラムでは、請求項1に記載のデータ再現プログラムにおいて、プレイ結果認識機能において認識された現実世界のプレイ結果がアウトのときに、プレイ結果判断機能において判断された仮想空間のプレイ結果がセーフの場合、必要時間が基準時間以下になるように必要時間が調節され、プレイ結果認識機能において認識された現実世界のプレイ結果がセーフのときに、プレイ結果判断機能において判断された仮想空間のプレイ結果がアウトの場合、必要時間が基準時間よりも長くなるように必要時間が調節される。この機能は、必要時間調節機能において実現される。ここに示した請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明における必要時間調節機能の具体的な形態を、示したものである。
【0017】
請求項3に係るデータ再現プログラムでは、請求項1又は2に記載のデータ再現プログラムにおいて、記憶部に格納された、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度を、修正することにより、必要時間に含まれるボールオブジェクト移動時間が、調節される。この機能は、必要時間調節機能において実現される。
【0018】
この場合、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度を、修正することにより、ボールオブジェクト移動時間が調節される。たとえば、現実空間におけるプレイ結果は、セーフという結果であるにもかかわらず、仮想空間におけるプレイ結果が、アウトという結果になったとしても、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度を、デフォルト速度よりも遅い速度に設定し、仮想空間における一連のプレイを再計算することによって、現実空間におけるプレイ結果に一致するプレイを、違和感なく再現することができる。逆に、現実空間におけるプレイ結果は、アウトという結果であるにもかかわらず、仮想空間におけるプレイ結果が、セーフという結果になったとしても、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度を、デフォルト速度よりも早い速度に設定し、仮想空間における一連のプレイを再計算することによって、現実空間におけるプレイ結果に一致するプレイを、違和感なく再現することができる。
【0019】
請求項4に係るデータ再現プログラムでは、請求項3に記載のデータ再現プログラムにおいて、記憶部に格納された、野手キャラクタから送球されたボールオブジェクトの移動速度を、修正することにより、必要時間に含まれるボールオブジェクト送球時間が、さらに調節される。この機能は、必要時間調節機能において実現される。
【0020】
この場合、上述したように、現実空間におけるプレイ結果と、仮想空間におけるプレイ結果とが、一致しなかった場合、まず、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度(第1移動速度)が修正され、次に、野手キャラクタから送球されたボールオブジェクトの移動速度(第2移動速度)が修正される。これにより、ボールオブジェクト移動時間およびボールオブジェクト送球時間が調節される。このように、本発明では、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度(第1移動速度)だけが修正される場合と比較して、デフォルト速度に対する2つのボールオブジェクトの移動速度(第1移動速度および第2移動速度)それぞれの変動が小さくなるので、ボールオブジェクトの移動状態を違和感なく再現することができる。特に、必要時間を大幅に変更しなければならない場合には、この効果が顕著に現れる。
【0021】
請求項5に係るデータ再現プログラムでは、請求項4に記載のデータ再現プログラムにおいて、記憶部に格納された、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作速度を、修正することにより、必要時間に含まれる動作時間が、さらに調節される。この機能は、必要時間調節機能において実現される。
【0022】
この場合、上述したように、現実空間におけるプレイ結果と、仮想空間におけるプレイ結果とが、一致しなかった場合、まず、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度が修正され、次に、野手キャラクタから送球されたボールオブジェクトの移動速度が修正され、最後に、野手キャラクタが捕球動作および送球動作を行うときの動作速度が修正される。これにより、野手キャラクタの動作時間が調節される。このように、本発明では、ボールオブジェクトの移動速度が修正された後に、野手キャラクタの動作速度が修正される。このため、ボールオブジェクトの移動速度の修正によって、必要時間の主要な調整を行い、野手キャラクタの動作速度の修正によって、必要時間の微調整を行うことができる。これにより、現実空間におけるプレイ結果と、仮想空間におけるプレイ結果とが、一致しなかったとしても、現実空間におけるプレイ結果に一致するプレイを、より違和感なく再現することができる。
【0023】
請求項6に係るデータ再現プログラムは、請求項1から5のいずれかに記載のデータ再現プログラムにおいて、コンピュータの制御部に、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(9)記憶部に格納された野手キャラクタの能力を、認識する能力認識機能。
(10)野手キャラクタの能力が高くなるほど、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作速度を、速くすることにより、野手キャラクタの動作時間を修正し、必要時間を再設定する必要時間再設定機能。
【0024】
このデータ再現プログラムでは、コンピュータの制御部が各機能を実行する。能力認識機能では、記憶部に格納された野手キャラクタの能力が、認識される。必要時間再設定機能では、野手キャラクタの能力が高くなるほど、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作速度を、速くすることにより、野手キャラクタの動作時間が修正され、必要時間が再設定される。
【0025】
この場合、野手キャラクタの能力が高くなるほど、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作速度を、速くすることにより、野手キャラクタの動作時間が修正される。これにより、必要時間が再設定される。たとえば、野手キャラクタの守備力が高い場合は、野手キャラクタの動作速度を早くし、野手キャラクタの守備力が低い場合は、野手キャラクタの動作速度を遅くする。このように、本発明では、野手キャラクタの能力に応じて、野手キャラクタの動作速度を変更することにより、リアリティのある選手キャラクタの捕球動作を、再現することができる。
【0026】
請求項7に係るデータ再現プログラムは、請求項6に記載のデータ再現プログラムにおいて、コンピュータの制御部に、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(11)記憶部に格納された野手キャラクタの能力を、認識する能力認識機能。
【0027】
このデータ再現プログラムでは、コンピュータの制御部が各機能を実行する。能力認識機能では、記憶部に格納された野手キャラクタの能力が、認識される。必要時間再設定機能では、野手キャラクタの能力が高くなるほど、野手キャラクタが捕球動作を開始する時間を、早くし、且つ記憶部に格納された、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度を、速くすることにより、ボールオブジェクト移動時間が修正され、必要時間が再設定される。
【0028】
この場合、野手キャラクタの能力が高くなるほど、野手キャラクタが捕球動作を開始する時間を、早くする処理、および打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度を、速くする処理が、実行される。これにより、ボールオブジェクト移動時間が、調節される。たとえば、野手キャラクタの能力が高くなるほど、野手キャラクタが捕球動作を開始する時間を、早くする処理が、実行される。より具体的には、野手キャラクタの守備力が高い場合は、打者キャラクタによりボールオブジェクトが打ち返されたときに野手キャラクタに動作を開始させる命令が、発行される。一方で、野手キャラクタの守備力が低い場合は、打者キャラクタによりボールオブジェクトが打ち返された時点から所定の時間が経過した後に、野手キャラクタに動作を開始させる命令が、発行される。このように、本発明では、野手キャラクタの能力に応じて、野手キャラクタの動作開始時間が変更されるので、リアリティのある選手キャラクタの捕球動作を、再現することができる。
【0029】
なお、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球する場合、上記のように、野手キャラクタが移動を開始する時間(移動開始時間)が変更されると、仮想空間における野手キャラクタと、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトとの位置関係が変化する。このため、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球できるようにするためには、この位置関係を補正する必要がある。ここでは、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度を変更することによって、この位置関係を補正している。
【0030】
請求項7に係るデータ再現装置は、サーバに格納された、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報を、受信可能なデータ再現装置である。このデータ再現装置では、データ再現装置の制御部が、現実空間において打者又は走者が走り込む塁へ野手が送球する時のプレイの情報を含む、リアルタイム情報を、サーバから受信し記憶部に格納する情報格納手段と、記憶部に格納されたプレイの情報に基づいて、現実空間におけるプレイがアウトかセーフかを、認識するプレイ結果認識手段と、記憶部に格納されたプレイの情報に基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間、および走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間を、基準時間として設定する基準時間設定手段と、ボールオブジェクトが打者キャラクタにより打ち返された時点から、ボールオブジェクトが野手キャラクタに捕球される時点までのボールオブジェクト移動時間と、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間と、野手キャラクタから送球されたボールオブジェクトが塁に到達するまでのボールオブジェクト送球時間とからなる時間を、仮想空間においてプレイに要する必要時間として、設定する必要時間設定手段と、基準時間と必要時間とに基づいて、仮想空間におけるプレイがアウトかセーフかを、判断するプレイ結果判断手段と、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かを、判断する結果相違判断手段と、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、一致するように、必要時間を調節する必要時間調節手段と、調整後の必要時間で結果が決定するプレイに対応する画像を、画像表示部に表示する画像表示手段と、を備えている。
【0031】
請求項8に係るデータ再現方法は、サーバに格納された、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報を、受信可能なコンピュータにより、制御されるデータ再現方法である。このデータ再現方法では、コンピュータの制御部が、現実空間において打者又は走者が走り込む塁へ野手が送球する時のプレイの情報を含む、リアルタイム情報を、サーバから受信し記憶部に格納する情報格納ステップと、記憶部に格納されたプレイの情報に基づいて、現実空間におけるプレイがアウトかセーフかを、認識するプレイ結果認識ステップと、記憶部に格納されたプレイの情報に基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間、および走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間を、基準時間として設定する基準時間設定ステップと、ボールオブジェクトが打者キャラクタにより打ち返された時点から、ボールオブジェクトが野手キャラクタに捕球される時点までのボールオブジェクト移動時間と、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間と、野手キャラクタから送球されたボールオブジェクトが塁に到達するまでのボールオブジェクト送球時間とからなる時間を、仮想空間においてプレイに要する必要時間として、設定する必要時間設定ステップと、基準時間と必要時間とに基づいて、仮想空間におけるプレイがアウトかセーフかを、判断するプレイ結果判断ステップと、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かを、判断する結果相違判断ステップと、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、一致するように、必要時間を調節する必要時間調節ステップと、調整後の必要時間で結果が決定するプレイに対応する画像を、画像表示部に表示する画像表示ステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0032】
本発明では、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とが一致しなかったとしても、仮想空間において野手キャラクタの捕球および送球に必要となる必要時間を調節することにより、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とを一致させることができる。すなわち、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とが一致しなかったとしても、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とが一致するように、必要時間を構成するボールオブジェクト移動時間、動作時間、およびボールオブジェクト送球時間の中の少なくともいずれか1つを、調整することによって、現実空間におけるプレイ結果に一致するプレイを、自然な映像で再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態によるサーバと携帯電話との関係を示す図。
【図2】前記携帯電話のハードウェア構成を示す図。
【図3】前記携帯電話の一例としての機能ブロック図。
【図4】リアルタイム情報データの構成を示す図。
【図5】仮想空間において基準時間の算定に用いられる距離を示す図。
【図6】選手キャラクタの位置およびボールの捕球位置を示す図。
【図7】基準時間の算定形態の一例を示す図。
【図8】選手キャラクタの成績データ(失策率データ)、および能力データ(守備力データ)の対応関係を示す図。
【図9A】情報再現システムを示すフロー。
【図9B】情報再現システムを示すフロー。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔データ送受信装置の構成および動作〕
データ送受信装置2たとえば携帯電話は、通信設備たとえば基地局を介して、サーバ1に接続される。詳細には、図1に示すように、携帯電話2は、通信網3に含まれる基地局を介して、サーバ1に接続され、データの送受信を行う。ここでは、データ送受信装置2が、携帯電話である場合の例が示されるが、データ送受信装置2は、携帯電話以外の手段であっても良い。たとえば、データ送受信装置2が、家庭用のデータ再現装置やポータブルタイプのデータ再現装置等であっても良い。家庭用のデータ再現装置およびポータブルタイプのデータ再現装置は、制御部および記憶部等を有する。また、コントローラからの入力、タッチパネルからの入力、および入力ボタンからの入力等は、入力部26において制御され、モニタは画像表示部において制御される。
【0035】
サーバ1は、各種のデータを格納しており、携帯電話2からの要求に基づいて各種の処理を実行し、データや処理結果を携帯電話2に送信する。サーバは、主に、CPU101(Central Processing Unit)と、RAM102(Random Access Memory)と、データ記憶部103と、ネットワーク通信部104(通信部)と、ROM105(Read Only Memory)とを備えている。
【0036】
CPU101は、データ記憶部103に格納されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムに基づいて各種処理を制御する。ROM105は、サーバ1を制御するための基本プログラム、各種のデータ、および各種のパラメータ等を、記憶する。RAM102は、各種のプログラム、各種のデータ、処理中のデータ、携帯電話2から送信されてきたデータ等を、一時的に記憶する。データ記憶部103には、たとえば、ハードディスクが用いられる。データ記憶部103は、制御プログラムや、携帯電話2から送信されてきたデータなどを記憶する。通信部104は、基地局を介して、携帯電話2とデータの送受信を制御する。
【0037】
上記の構成を有するサーバ1は、携帯電話2の端末情報に関する端末データや制御データ等を、携帯電話2から受信する。その後、携帯電話2において各種プログラムを実行するときに必要なデータが、サーバ1から携帯電話2へと送信される。ここに示す各種プログラムには、後述するデータ再現プログラムが含まれる。
【0038】
携帯電話2では、サーバ1から取得したデータに基づいて、各種プログラムが実行される。携帯電話2は、主に、制御部21、記憶部22、描画処理部23(画像表示部)、通信部24、音出力部25、および入力部26等を、備えている。制御部21には、CPU201(Central Processing Unit)が含まれ、記憶部22には、ROM205(Read Only Memory)、RAM202(Random Access Memory)、および記録媒体が含まれる。描画処理部23(画像表示部)には、ディスプレイ203(モニタ)が含まれ、音出力部25には、スピーカ204が含まれる。通信部24は、外部機器との通信を制御し、入力部26は、複数のボタンを制御する。図2は、携帯電話2のハードウェア構成を示す。
【0039】
CPU201は、記憶部22、たとえばROM205、RAM202、および記録媒体の少なくともいずれか1つに記憶されているプログラムを、実行する。また、CPU201は、各種の命令を発行し、各種のプログラムを制御する。ROM205は、携帯電話2を制御するための基本プログラム、各種のデータ、および各種のパラメータ等を、記憶する。RAM202は、各種のプログラム、各種のデータ、処理中のデータ、サーバから受信したデータ等を、一時的に記憶する。記録媒体は、各種のプログラム、各種のデータ、および各種のパラメータ等を記憶し、記録媒体に格納されたプログラムやデータは読み書き可能になっている。
【0040】
モニタ203は、通信に関する情報や画像、各種プログラムの処理時の情報や画像、および各種プログラムの処理結果としての情報や画像等を表示する。携帯電話2に内蔵された描画用の制御部207において画像データが生成され、この画像データに基づいて情報や画像がモニタ203に表示される。スピーカ204は、通信に関する音、各種プログラムの処理時の音、および各種プログラムの処理結果としての音等を出力する。携帯電話2に内蔵された音制御部208により音データが生成され、この音データに基づいて音がスピーカ204に出力される。なお、画像データの生成時および音データの生成時に用いられる基本画像データは、RAM202および記録媒体に格納されている。
【0041】
通信部24には、データの送受信を行うための通信装置が含まれている。通信部24では、CPU201からの命令に基づいて、通信装置において、基地局やサーバ1等に対してデータを送信する処理や、基地局やサーバ1等からデータを受信する処理等が実行される。
【0042】
入力部26は、複数のボタンおよびこれらのボタンを制御するための制御装置から構成されている。たとえば、ボタンが押されると、押されたボタンに対応する入力信号が、制御装置から発行される。すると、この入力信号に対応する命令がCPU201から発行される。
【0043】
カードリーダ・ライタ210には、記録媒体が装填可能となっている。この記録媒体から抽出されたデータは、外部機器制御部211において制御され、CPU201やRAM202に供給される。
【0044】
上記のように構成された携帯電話2において、たとえば、RAM202に記憶されたプログラム、たとえばデータ再現プログラムが実行されると、携帯電話2は、通信部24からサーバ1に対して接続要求を発行する。そして、この接続要求がサーバ1に認証されると、サーバ1のデータ記憶部103に格納されたデータ、たとえばデータ再現プログラムの実行に必要なデータが、サーバ1の通信部104を介して、サーバ1から携帯電話2へと送信される。すると、このデータが携帯電話2にダウンロードされ、このデータに基づいて、データ再現プログラムの各種処理が実行される。
【0045】
〔情報再現システムにおける各種処理概要〕
図3は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。本システムでは、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報が、サーバ1に格納されており、このリアルタイム情報をサーバ1から受信する。そして、このリアルタイム情報に基づいて、以下の機能(手段)を実現する。
【0046】
情報格納手段50は、リアルタイム情報を、サーバ1から受信し記憶部22に格納する機能を備えている。
【0047】
この手段では、リアルタイム情報をサーバ1から受信し、このリアルタイム情報を記憶部22に格納する。このリアルタイム情報には、現実空間において打者又は走者が走り込む塁へ野手が送球する時のプレイの情報が、含まれている。
【0048】
具体的には、サーバ1への接続を要求する信号が、携帯電話2の通信部24から出力され、サーバ1の通信部104に入力される。そして、この信号に基づいて、サーバ1のCPU101において携帯電話2の接続が許可された場合、サーバ1のデータ記憶部103に格納されたリアルタイム情報が、RAM102に供給される。そして、RAM102に格納されたリアルタイム情報が、サーバ1の通信部104から出力され、携帯電話2の通信部24へ入力される。そして、このリアルタイム情報は、携帯電話2のRAM202に格納される。このようにして、携帯電話2は、リアルタイム情報をサーバ1から受信する。ここで携帯電話2が受信したリアルタイム情報には、現実空間において打者又は走者が走り込む塁へ野手が送球する時のプレイの情報が、含まれている。
【0049】
プレイ結果認識手段51は、記憶部22に格納されたプレイの情報に基づいて、現実空間におけるプレイ結果がアウトかセーフかを、認識する機能を備えている。
【0050】
この手段では、記憶部22に格納されたプレイの情報に基づいて、現実空間におけるプレイ結果がアウトかセーフかが、制御部21において認識される。プレイの情報には、現実空間におけるプレイ結果がアウトかセーフかを判別するための情報が、含まれている。たとえば、プレイの情報には、ヒット、二塁打、三塁打、ホームラン、およびアウト等を示す情報が含まれており、この情報に基づいて、プレイ結果がアウトであったか否かが、CPU201に認識される。
【0051】
基準時間設定手段52は、記憶部22に格納されたプレイの情報に基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間、および走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間を、基準時間として設定する機能を備えている。
【0052】
この手段では、記憶部22に格納されたプレイの情報に基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間、および走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間が、基準時間として、制御部21において設定される。たとえば、プレイの情報には、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に到達する塁を示す情報、および走者キャラクタが走塁し到達する塁を示す情報が、含まれている。このようなプレイの情報に基づいて、上記の走塁時間を計算する処理が、CPU201により実行される。そして、ここで計算された走塁時間を基準時間として設定する処理が、CPU201により実行され、この基準時間が、RAM202に格納される。
【0053】
必要時間設定手段53は、仮想空間においてプレイに要する必要時間を設定する機能を備えている。
【0054】
この手段では、仮想空間においてプレイに要する必要時間が、制御部21において設定される。この必要時間は、たとえば、ボールオブジェクトが打者キャラクタにより打ち返された時点から、ボールオブジェクトが野手キャラクタに捕球される時点までのボールオブジェクト移動時間と、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間と、野手キャラクタから送球されたが塁に到達するまでのボールオブジェクト送球時間とからなる時間とから構成されている。
【0055】
能力認識手段54は、記憶部22に格納された野手キャラクタの能力を、認識する機能を備えている。
【0056】
この手段では、記憶部22に格納された選手キャラクタの能力が、制御部21において認識される。具体的には、RAM202に格納された選手キャラクタの守備力を含む能力が、CPU201に認識される。なお、選手キャラクタの守備力は、データ再現プログラムにおいて予め規定されており、RAM202に格納されている。
【0057】
プレイ結果判断手段55は、基準時間と必要時間とに基づいて、仮想空間におけるプレイ結果がアウトかセーフかを、判断する機能を備えている。
【0058】
この手段では、基準時間と必要時間とに基づいて、仮想空間におけるプレイ結果がアウトかセーフかを判断する処理が、CPU201により実行される。たとえば、走塁時間に対応する基準時間が、捕球および送球に必要な必要時間以下であるか否かが、CPU201により判断される。そして、走塁時間に対応する基準時間が、捕球および送球に必要な必要時間以下である場合、仮想空間におけるプレイ結果はアウトであると判断される。一方で、走塁時間に対応する基準時間が、捕球および送球に必要な必要時間より大きい場合、仮想空間におけるプレイ結果はセーフであると判断される。
【0059】
結果相違判断手段56は、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かを、判断する機能を備えている。
【0060】
この手段では、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かが、制御部21において判断される。たとえば、現実空間におけるプレイ結果がアウトである場合、仮想空間におけるプレイ結果もアウトかセーフかを判断する処理が、CPU201により実行される。同様に、現実空間におけるプレイ結果がセーフである場合、仮想空間におけるプレイ結果もセーフであるか否かを判断する処理が、CPU201により実行される。
【0061】
必要時間調節手段57は、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、一致するように、必要時間を調節する機能を備えている。
【0062】
この手段では、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、一致するように、必要時間を調節する処理が、CPU201により実行される。たとえば、現実世界のプレイ結果がアウトのときに、仮想空間のプレイ結果がセーフの場合、必要時間が基準時間以下になるように、必要時間が調節される。また、プレイ結果認識機能が認識した現実世界のプレイ結果がセーフのときに、プレイ結果判断機能が判断した仮想空間のプレイ結果がアウトの場合、必要時間が基準時間より大きくなるように、必要時間が調節される。
【0063】
ここでは、RAM202に格納された、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度を、修正する処理を、CPU201に実行させることにより、ボールオブジェクト移動時間が調節される。また、RAM202に格納された、野手キャラクタから送球されたボールオブジェクトの移動速度を、修正する処理を、CPU201に実行させることにより、ボールオブジェクト送球時間が調節される。さらに、RAM202に格納された、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作速度を、修正する処理を、CPU201に実行させることにより、動作時間が調節される。このような処理によって、仮想空間においてプレイに要する必要時間は、調節される。
【0064】
必要時間再設定手段58は、野手キャラクタの能力に応じて、ボールオブジェクト移動時間、ボールオブジェクト送球時間、および動作時間の少なくともいずれか1つの時間を修正することにより、必要時間を再設定する機能を備えている。
【0065】
この手段では、野手キャラクタの能力に応じて、ボールオブジェクト移動時間、ボールオブジェクト送球時間、および動作時間の少なくともいずれか1つの時間を修正する処理が、制御部21において実行される。これにより、必要時間が再設定される。ここでは、たとえば、野手キャラクタの能力たとえば守備力が高くなればなるほど、野手キャラクタが捕球動作を開始する時間が早くなるように、野手キャラクタが捕球動作を開始する時間を設定する処理が、CPU201により実行される。そして、野手キャラクタが捕球動作を開始する時間に応じて、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度を、速くする処理が、CPU201により実行され、ボールオブジェクト移動時間が修正される。また、野手キャラクタの守備力が高くなればなるほど、野手キャラクタがボールオブジェクトを捕球した時点から、野手キャラクタがボールオブジェクトを送球する時点までの動作速度を、速くする処理が、CPU201により実行され、動作時間が修正される。
【0066】
画像表示手段59は、調整後の必要時間で結果が決定するプレイに対応する画像を、画像表示部23に表示する機能を備えている。
【0067】
この手段では、調整後の必要時間で結果が決定するプレイに対応する画像が、画像表示部23において表示される。たとえば、調整後の必要時間で結果が決定するプレイに対応する画像が、画像データを用いて、モニタ203に表示される。なお、画像データは、亜RAM202に格納されており、必要に応じて、RAM202から読み出され、モニタ203へと供給される。
【0068】
〔情報再現システムの詳細説明〕
次に、本システムの具体的な内容について説明する。また、図9に示すフローについても同時に説明する。本システムでは、サーバ1における各種データは、データ記憶部103に格納されている。各種データが利用される場合、この各種データは、データ記憶部103からRAM102へと供給され、RAM102上の各種データを用いることによって、CPU101は各種の処理および制御等を実行する。
【0069】
以下では、本システムが、現実世界の野球状況を携帯電話2で再現するための再現アプリケーション(以下、再現アプリと呼ぶ)において実現される場合の例を示す。なお、ここでは、本システムが、再現アプリにおいて独立して機能する場合の例を示すが、本システムは、必ずしも独立して機能する必要はなく、たとえばゲーム中の1つのモードとして機能するようにしても良い。この場合、モード選択画面において本システム用のモードが選択されると、本システムが実行される。
【0070】
本システムは、携帯電話2において実行される。本システムでは、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報を用いて、現実空間において実行中の野球の状況を報知する画像が、携帯電話2のモニタ203上に表示される。
【0071】
まず、携帯電話2の電源がオンの状態において、入力部26の所定のボタンが操作されると、本システムを実現するための再現アプリが、起動する(S1)。具体的には、RAM202に格納された再現アプリ用のプログラム(データ再現プログラム)の実行を、開始する処理が、CPU201により実行される。すると、現実空間の野球を携帯電話2上で再現するために必要となる各種のデフォルトデータが、CPU201に認識される。デフォルトデータは、データ再現プログラムに含まれており、RAM202に格納されている。
【0072】
なお、ここでは、データ再現プログラムがRAM202に格納されている場合の例を示すが、データ再現プログラムを記録媒体に格納し、このデータ再現プログラムを記録媒体からRAM202へと供給することにより、データ再現プログラムを実行するようにしても良い。
【0073】
たとえば、デフォルトデータには、仮想空間用の各種の画像に関するデータが含まれている。仮想空間用の各種の画像に関するデータには、たとえば、スタジアム用のモデルデータ、選手キャラクタ用のモデルデータ、および各種のオブジェクトのモデルデータ等が、含まれている。また、デフォルトデータには、仮想空間用のモデルデータを仮想空間に配置するための位置座標データが、含まれている。また、デフォルトデータには、仮想空間に配置されたモデルを、モニタ203に表示するための画像データが、含まれている。さらに、デフォルトデータには、本システムで用いられる他の各種データも、含まれている。
【0074】
なお、上記のモデルが、モデル用の位置座標データが示す位置において、仮想空間に配置されると、このモデルは、仮想空間の所定の位置に配置された仮想カメラにより1フレームごとに撮影され、ここで撮影された画像データが、RAM202に格納される。すると、この画像データを用いて、再現画像がモニタ203に表示される。これら一連の処理を実行するための命令は、CPU201から発行される。
【0075】
次に、再現アプリの実行が開始されると、携帯電話2が、サーバ1に接続され、サーバ1からリアルタイム情報に対応する情報データJDを受信する(S2)。たとえば、再現アプリの実行が開始されると、サーバ1への接続を要求する信号が、携帯電話2の通信部24から出力され、サーバ1の通信部104に入力される。また、このときには、携帯電話2を識別するための端末識別データも同時に、携帯電話2からサーバ1へと送信され、RAM102に格納される。そして、この信号を受信したサーバ1では、携帯電話2の端末識別データに基づいて接続を許可するか否かを判断する処理が、CPU101により実行される。サーバ1のRAM102には、携帯電話2の端末識別データと同じデータが格納されており、このデータと照合することにより、携帯電話2の接続を許可するか否かが、CPU101により判断される。
【0076】
そして、サーバ1が携帯電話2の接続を許可した場合、サーバ1のRAM102に格納されたリアルタイム情報に対応する情報データJDが、サーバ1の通信部104および携帯電話2の通信部24を介して、サーバ1から携帯電話2へと送信され、携帯電話2のRAM202に格納される。このようにして、携帯電話2は、リアルタイム情報をサーバ1から受信する。
【0077】
なお、リアルタイム情報に対応する情報データJDは、現実空間における野球の1球ごとの情報に対応するものである。この情報データJDは、サーバ1のデータ記憶部103に格納されており、サーバ1と携帯電話2との接続が確立されたときに、データ記憶部103からRAM102に供給される。そして、この情報データJDが、上述したように、サーバ1から携帯電話2へと送信され、携帯電話2のRAM202に格納される。
【0078】
ここで、図4に示すように、リアルタイム情報に対応する情報データJDは、基本データJD1と補足データJD2とから構成されている。基本データJD1は、たとえば、現実空間における、投手、打者、野手、および走者に関する情報を示すデータである。補足データJD2は、たとえば、現実空間において野手がボールを捕球したときの捕球姿勢を示すデータである。
【0079】
投手用の基本データJD1tは、たとえば、投手名を示すデータtd1、投手が投球したボールがストライクである否かを示すデータtd2、投球コースを示すデータtd3、および球種を示すデータtd4等から構成されている。また、打者用の基本データJD1dは、たとえば、打者名を示すデータdd1、打ち返し、空振り、および見送り等を示すデータdd2、ヒット、二塁打、三塁打、ホームラン、ファール、およびアウト(アウトになった塁の情報を含む)等を示すデータdd3、フライ、ライナー、およびゴロ等を示すデータdd4、およびボールが飛んだ方向(投手、捕手、一塁、二塁、三塁、ショート、ライト、センター、レフト)を示すデータdd5等から構成されている。また、野手用の基本データJD1yは、たとえば、各守備位置の野手名を示すデータyd1(n)、各野手の守備位置を示す位置データyd2(n)、捕球位置を示すデータyd3、各野手の捕球結果(捕球又はエラー)等を示すデータyd4(n)、および野手が送球した塁を示すデータyd5等から構成されている。また、走者用の基本データJD1sは、たとえば、走者が存在していた塁を示すデータsd1、および走者が進塁した塁を示すデータsd2等から構成されている。なお、走者が進塁した塁を示すデータsd2には、アウトになった塁の情報を含んでいる。
【0080】
さらに、補足データJD2は、たとえば、通常キャッチ、および特別キャッチ(ジャンピングキャッチ、ダイビングキャッチ、およびスライディングキャッチ)等の捕球姿勢を示す姿勢データJD2s、各選手の成績を示す成績データJD2r(n)、および試合の終了を示すデータJD2f等から構成されている。
【0081】
基本データJD1および補足データJD2は、テキストデータたとえばCSV形式のデータになっている。図4では、各項目のデータJD1t,JD1d,JD1y,JD1s,JD2が、CSV形式のデータとなっている。たとえば、各項目のデータJD1t,JD1d,JD1y,JD1s,JD2は、それぞれが、(td1,td2,td3,td4)、(dd1,dd2,dd3,dd4,dd5)、(yd1(n),yd2(n),yd3,yd4(n),yd5)、(sd1,sd2)、(JD2s,JD2r(n),JD2f)のような形式になっている。
【0082】
なお、td1には登板中の投手名を識別するための数値、td2にはストライクとボールとを区別するための数値(ex. ストライクの場合は1、ボールの場合は2)、td3には投球コースを示す座標データ、td4には球種を識別するための数値(ex. ストレートの場合は1、カーブの場合は2、シュートの場合は3、フォークの場合4等)が、割り当てられる。
【0083】
また、dd1には打席の打者名を識別するための数値、dd2には、打ち返し、空振り、および見送りを区別するための数値(ex. 打ち返しの場合は1、空振りの場合は2、および見送りの場合3)、dd3には、ヒット、二塁打、三塁打、ホームラン、アウト、およびファールを区別するための数値(ex. ヒットの場合は1、二塁打の場合は2、三塁打の場合は3、ホームランの場合は4、アウトの場合は5、ファールの場合は6)が、割り当てられる。また、dd4にはフライ、ライナー、およびゴロを区別するための数値(ex. フライの場合は1、ライナーの場合は2、ゴロの場合3)、dd5にはボールが飛んだ方向を区別するための数値(ex. 投手の場合は1、捕手の場合は2、一塁の場合は3、二塁の場合は4、三塁の場合は5、ショートの場合は6、ライトの場合は7、センターの場合は8、レフトの場合は9)が、割り当てられる。
【0084】
また、yd1(n)には各守備位置の野手名に対応する数値、yd2(n)には各野手の守備位置を示す位置座標データ、yd3には捕球位置を示す位置座標データ、yd4(n)には各野手の捕球結果を示す数値(ex. 捕球の場合は1、エラーの場合は2、捕球してない場合は3)が、割り当てられる。ここで、nは、選手を区別するための数値である。また、yd5には、野手が送球した塁を示す数値が割り当てられる。たとえば、野手が送球した塁が、一塁の場合は1、二塁の場合は2、三塁の場合は3、ホームの場合は4が、割り当てられる。なお、ダブルプレーやトリプルプレーの場合は、野手が送球した塁の数に応じて、桁数を増やすことにより、処理している。たとえば、「6−4−3」のダブルプレーの場合は、二塁に送球した後に一塁に送球するので、yd5には21が割り当てられる。また、「2−6−4−3」のトリプルプレーの場合は、ホーム、二塁、一塁の順にアウトになるので、yd5には421が割り当てられる。
【0085】
また、sd1には進塁前の出塁状況を示す数値(ex. 一塁に走者が存在していた場合は100、二塁に走者が存在していた場合は010、三塁に走者が存在していた場合は001、一塁と二塁とに走者が存在していた場合は110、二塁と三塁とに走者が存在していた場合は011、一塁と三塁とに走者が存在していた場合は101、満塁の場合は111)が、割り当てられる。また、sd2には、進塁後の出塁状況を示す数値(ex. sd1と同じ)が、割り当てられる。sd2には、アウトになった塁を示す数値も、進塁後の出塁状況を示す数値(ex. sd1と同じ)に続けて、同じ形式で、割り当てられる。
【0086】
さらに、JD2sには通常キャッチと特別キャッチとを区別するための数値(ex. 通常キャッチの場合は1、ジャンピングキャッチの場合は2、ダイビングキャッチの場合は3、スライディングキャッチの場合は4)、JD2r(n)には各選手の成績を示す数値(ex. 打率や失策率等)、JD2fには試合の終了を示す数値(ex. 試合終了の場合は1、試合中の場合は2)が、割り当てられる。
【0087】
なお、現実空間における野手、打者、および走者と、仮想空間における野手キャラクタ、打者キャラクタ、および走者キャラクタとは、一対一に対応している。また、仮想空間における各キャラクタは、識別データn'(上記のnに対応)によりCPU201に管理されている。上記の対応関係を定義するテーブルは、携帯電話2のRAM202に格納されている。ここでは、このテーブルを携帯電話2が予め所有している場合の例を示すが、このテーブルは、携帯電話2がサーバ1に最初にアクセスしたときに、サーバ1から携帯電話2のRAM202にダウンロードするようにしても良い。
【0088】
続いて、RAM202に格納された情報データJDに基づいて、現実空間におけるプレイ結果がアウトであったか否かが、CPU201に判断される(S3)。たとえば、情報データJDに含まれる打者用の基本データJD1d(dd3)に基づいて、現実空間におけるプレイ結果がアウトであったか否かが、CPU201に判断される。
【0089】
たとえば、打者用の基本データJD1dに含まれるデータdd3には、ヒット、二塁打、三塁打、ホームラン、およびアウトを区別するための数値(ex. ヒットの場合は1、二塁打の場合は2、三塁打の場合は3、ホームランの場合は4、およびアウトの場合は5)が、割り当てられている。このデータdd3をRAM202から読み出しCPU201に認識させることにより、現実空間におけるプレイ結果がアウトであったか否かが判断される。この場合、たとえば、データdd3の値が5の場合は、現実空間におけるプレイ結果がアウトであると判断される(S3でYes)。
【0090】
一方で、現実空間におけるプレイ結果がアウトでなかった場合(S3でNo)、データdd3をCPU201に参照させることにより、このプレイ結果が、ホームランを除く安打(ヒット、二塁打、三塁打)であるか否かが判断される(S4)。ここで、このプレイ結果が、ホームランを除く安打(ヒット、二塁打、三塁打)であった場合(S4でYes)、現実空間におけるプレイ結果がセーフであると判断される(S5)。
【0091】
そして、このプレイ結果が、ホームランを除く安打(ヒット、二塁打、三塁打)でなかった場合(S4でNo)、現実空間におけるプレイ結果が、その他であると判断される(S6)。この場合は、現実空間におけるプレイ結果が、アウトでもセーフでもない場合に相当する。たとえば、現実空間におけるプレイ結果が、ホームラン、空振り、見送り、およびファール等であった場合に相当する。
【0092】
ここで判断された現実空間におけるプレイ結果は、第1結果データRD1に所定の数値を割り当てることにより、CPU201により管理される(S7)。たとえば、現実空間におけるプレイ結果がアウトの場合、第1結果データRD1には1が割り当てられ、このプレイ結果がセーフの場合、第1結果データRD1には2が割り当てられる。また、このプレイ結果がその他の場合、第1結果データRD1には3が割り当てられる。なお、ここで、第1結果データRD1に割り当てられる数値は、プログラムにおいて予め規定されている。
【0093】
続いて、情報データJDに含まれる打者用の基本データJD1d(dd2)に基づいて、ボールが打ち返された否かを判断する処理が、CPU201により実行される(S8)。そして、ボールが打ち返された場合(S8でYes)、RAM202に格納された情報データJDに基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間データTs、および走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間データTsが、基準時間データTkとして、CPU201において設定される(S9)。
【0094】
たとえば、情報データJDに含まれる野手用の基本データJD1yには、野手が送球した塁を示すデータyd5が含まれている。このデータyd5をCPU201に認識させることにより、野手キャラクタが送球する塁が、決定される。また、ここで決定された塁が、打者キャラクタ又は走者キャラクタが最終的に向かう塁として、設定される。すると、この塁の情報yd5に基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間、又は走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間データTsを計算する処理が、CPU201により実行される。
【0095】
ここでは、打者キャラクタの走塁速度データVdおよび走者キャラクタの走塁速度データVsは、所定の同じ値に設定されている。また、各塁間の距離データも所定の距離に設定されているので、打者キャラクタ又は走者キャラクタが走塁する距離を示す距離データL1を、走塁速度データVd(=Vs)で除算する処理を、CPU201に実行させることにより、走塁時間データTs(=L1/Vd)が設定される。すると、この走塁時間データTsが、1プレイの時間を定義するための基準時間データTkとして、CPU201により設定される。そして、この基準時間データTkは、RAM202に格納される。
【0096】
ここで、上述した距離データL1が示す距離は、図5に示すように、打者キャラクタ又は走者キャラクタが走塁を開始した塁から、打者キャラクタ又は走者キャラクタが走塁を終了した塁までの距離に対応している。たとえば、図5(a)は、打者キャラクタが一塁へ走塁したときの距離データL1の設定形態を示し、図5(b)は、走者キャラクタが一塁から二塁へ走塁したときの距離データL1の設定形態を示している。なお、各塁の位置は、仮想空間における所定の位置に設定されている。ここでは、この各塁の位置を定義する位置座標データをCPU201に認識させることにより、塁間の距離は求められる。
【0097】
また、上述した基準時間データTkは、図5に示した距離データL1を、打者キャラクタ又は走者キャラクタが走塁したときの時間データに対応している。図5の例では、この基準時間データTkが、括弧書きで示されている。
【0098】
続いて、情報データJDに含まれる野手用の基本データJD1y(yd4(n))に基づいて、ボールオブジェクトを捕球する野手キャラクタTC(対象キャラクタ)を特定する処理が、CPU201により実行される(S10)。たとえば、捕球結果を示すデータyd4(n)に基づいて、捕球情報又はエラー情報を有する野手に対応する野手キャラクタの識別データn'が、CPU201に認識される。すなわち、yd4(n)の値が1又は2である野手に対応する野手キャラクタの識別データn'が、CPU201に認識される。そして、この野手キャラクタの識別データn'を、対象キャラクタTCの識別データNに割り当てる処理を、CPU201に実行させることにより、対象キャラクタTCが、特定される。
【0099】
なお、ボールオブジェクトが打ち返されなかった場合(S8でNo)、たとえば、捕球情報又はエラー情報を有する野手が存在しなかった場合(全野手のyd4(n)の値が3の場合)、打者は空振り又は見送り等を行ったことになる。この場合、ストライクカウント、ボールカウント、およびアウトカウントのいずれか1つを変更する処理が、CPU201により実行され、この結果が、カウント用の画像データを用いてモニタ203に表示される(図示しない)。そして、後述するステップ29(S29)の処理が、CPU201により実行される。
【0100】
続いて、情報データJDに含まれる野手用の基本データJD1y,yd3に基づいて、捕球位置HPを示すデータすなわち捕球位置の位置座標データyd3が、CPU201に認識される。これにより、図6に示すように、対象キャラクタTCがボールオブジェクトを捕球する捕球位置HPが、仮想空間に設定される(S11)。図6では、捕球位置HPをX記号で示している。なお、仮想空間は、現実空間と同じ空間を仮想的に形成したものであって、単位系も同じに設定されている。このため、この仮想空間では、情報データJDに含まれる現実空間の位置座標データが、直接的に利用される。
【0101】
続いて、各選手キャラクタを仮想空間に配置する処理が、CPU201により実行される(S12)。たとえば、基本データJD1に含まれる野手用の基本データJD1y,yd2(n)に基づいて、各野手キャラクタの守備位置を示す位置座標データが、RAM202から読み出され、この位置座標データが、CPU201に認識される。そして、この位置座標データが示す位置に、各野手キャラクタを配置する命令が、CPU201から発行される。すると、図6に示すように、各野手キャラクタに対応するモデルが、仮想空間に配置される。図6では、野手キャラクタを丸記号で示し、対象キャラクタTCを二重丸記号で示している。また、図6では、打者キャラクタを四角記号で示している。なお、図6は、走者キャラクタが出塁していない場合のものである。
【0102】
なお、ここでは、基本データJD1に含まれる野手用の基本データJD1y,yd2(n)に基づいて、各野手キャラクタの守備位置を設定する場合の例を示すが、野手キャラクタの初期状態としての守備位置を、データ再現プログラムにおいて予め規定された所定の位置に設定するようにしても良い。
【0103】
また、走者キャラクタが塁上に存在する場合、走者キャラクタも、各基本データJD1s,sd1に基づいて、仮想空間に配置される。この場合、走者キャラクタは、塁上の所定の位置において、仮想空間に配置される。
【0104】
続いて、仮想空間においてプレイに要する必要時間データTnを設定する処理が、CPU201により実行される(S13)。この必要時間データTnは、たとえば、ボールオブジェクトが打者キャラクタにより打ち返された時点から、ボールオブジェクトが対象キャラクタTCに捕球される時点までのボールオブジェクト移動時間データTh、対象キャラクタTCがボールオブジェクトを捕球した時点から、対象キャラクタTCがボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間データTd、および対象キャラクタTCから送球されたボールオブジェクト送球時間データTiから構成されている(図7を参照)。ここでは、ボールオブジェクト移動時間データTh、動作時間データTd、およびボールオブジェクト送球時間データTiを加算する処理を、CPU201に実行させることにより、必要時間データTnは設定される。
【0105】
図7(a)には、打者キャラクタが打ち返したボールオブジェクトを、ショートの野手キャラクタが捕球し一塁に送球する場合の例が示されている。図7(b)には、走者キャラクタが一塁から二塁に走塁し、打者キャラクタが打ち返したボールオブジェクトを、ショートの野手キャラクタが捕球し二塁に送球する場合の例が示されている。なお、図7(a)および図7(b)では、ボールオブジェクトの移動および対象キャラクタTCの動作に要する各時間データTh,Td,Tiが、括弧書きで示されている。
【0106】
ここでは、ボールオブジェクトが打者キャラクタにより打ち返された時点から、ボールオブジェクトが捕球位置HPに到達するまでのボールオブジェクト移動時間データThを、設定する処理が、CPU201により実行される。たとえば、RAM202に格納された打球の軌道方程式に基づいて、上記のボールオブジェクト移動時間データThを計算する処理が、CPU201により実行される。より具体的には、初期条件に基づいて、打球の軌道方程式が、CPU201により決定される。たとえば、ボールオブジェクトの放出位置BP、ボールオブジェクトの到達位置(捕球位置HPを含む)、ボールの初速、およびボール放出角度等に基づいて、打球の軌道方程式が、一意に設定される。そして、この打球の軌道方程式により規定される軌道上を、ボールオブジェクトが所定の時間間隔で所定の移動速度Vb1で移動したときのボールオブジェクト移動時間データThが、CPU201により計算され、このボールオブジェクト移動時間データThが、RAM202に格納される。
【0107】
なお、打球の軌道方程式を設定するための初期条件、たとえば、ボールオブジェクトの放出位置BP、ボールオブジェクトの到達位置(捕球位置HPを除く)、およびボールの初速、およびボール放出角度等は、データ再現プログラムにおいて予め規定されており、所定の値に設定されている。
【0108】
また、対象キャラクタTCがボールオブジェクトを捕球した時点から、対象キャラクタTCがボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間データTdを、設定する処理が、CPU201により実行される。この動作時間データTdは、対象キャラクタTCがボールオブジェクトを捕球してから、対象キャラクタTCがボールオブジェクトを送球するまでの一連の画像データ(動画データ)の再生時間データに対応する。
【0109】
ここでは、たとえば、対象キャラクタTCが送球動作を行うときの動作速度に対応する速度データ、すなわち動作速度データVyを、所定の速度に設定する処理が、CPU201により実行される。ここでは、動作速度データVyは、所定のフレーム数に対応している。すなわち、この動作速度データVyに1フレーム時間(ex. 1/60(sec))を乗じる処理をCPU201に実行させることにより、動作時間データTdが設定され、この動作時間データTdが、RAM202に格納される。なお、動作速度データVyすなわち所定のフレーム数は、データ再現プログラムにおいて予め規定されており、所定の値に設定されている。
【0110】
さらに、対象キャラクタTCから送球されたボールオブジェクト送球時間データTiを、設定する処理が、CPU201により実行される。ここでは、送球時のボールオブジェクトの移動速度データVb2が、データ再現プログラムにおいて予め所定の値に設定されている。また、捕球位置HPの位置座標データおよび送球先の位置を示す位置座標データに基づいて、捕球位置HPと送球先(送球先の塁)の位置とを結ぶ距離たとえば直線の距離を計算する処理が、CPU201により実行され、この距離を示す距離データL2がRAM202に格納される。そして、この距離データL2を移動速度データVb2で除算する処理をCPU201に実行させることにより、ボールオブジェクト送球時間データTi(=L2/Vb2)が算出される。そして、このボールオブジェクト送球時間データTiは、RAM202に格納される。
【0111】
すると、ボールオブジェクト移動時間データTh、動作時間データTd、およびボールオブジェクト送球時間データTiを加算する処理が、CPU11により実行される。そして、この処理結果の値を、必要時間データTnの値としてCPU201に認識させることにより、必要時間データTnが設定される。そして、この必要時間データTnは、RAM202に格納される。
【0112】
続いて、野手キャラクタの能力たとえば守備力を設定する処理が、CPU201により実行される(S14)。たとえば、補足データJD2に含まれる成績データJD2r(n)に基づいて、対象キャラクタTCの守備力データSDを生成する処理が、CPU201により実行される。成績データJD2r(n)には、各野手の捕球回数に対する失策数を示す失策率データssが含まれている。この失策率データssに基づいて、野手キャラクタの守備力が評価され、守備力データSDが生成される(図8を参照)。このようにして、各野手キャラクタの守備力データSDが設定されると、対象キャラクタTCの守備力データSDが、CPU201に認識される。
【0113】
図8の対応テーブルに基づいた守備力データSDの設定は、次のようにして行われる。対応テーブルは、失策率データssの値が小さくなるにつれて守備力データSDの値が大きくなるように、設定されている。たとえば、図8の対応テーブルをCPU201に参照させることにより、野手キャラクタの失策率データssに対応する守備力データSDが、設定される。失策率データssに対応する守備力データSDの値は、線形補間によって設定される。
【0114】
なお、図8に示した対応テーブルは、データ再現プログラムにおいて予め規定されており、RAM202に格納されている。
【0115】
続いて、基準時間データTkと必要時間データTnとに基づいて、仮想空間におけるプレイ結果がアウト又はセーフに設定される(S15)。ここでは、たとえば、走塁時間データTsに対応する基準時間データTk(=Ts)が、捕球および送球に必要な必要時間データTn以下であるか否かが、CPU201により判断される。そして、走塁時間データTsに対応する基準時間データTkが、捕球および送球に必要な必要時間データTn以下である場合(Tk≦Tn、Tn=Th+Td+Ti)、仮想空間におけるプレイ結果はアウトに設定される。一方で、走塁時間データTsに対応する基準時間データTkが、捕球および送球に必要な必要時間データTnより大きい場合(Tk>Tn、Tn=Th+Td+Ti)、仮想空間におけるプレイ結果はセーフに設定される。
【0116】
すると、このプレイ結果は、第2結果データRD2に所定の数値を割り当てることにより、CPU201により管理される(S16)。たとえば、仮想空間におけるプレイ結果がアウトの場合、第2結果データRD2には1が割り当てられ、このプレイ結果がセーフの場合、第2結果データRD2には2が割り当てられる。なお、ここで、第2結果データRD2に割り当てられる数値は、データ再現プログラムにおいて予め規定されている。
【0117】
続いて、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かが、CPU201において判断される(S17)。たとえば、現実空間におけるプレイ結果がアウトであった場合、仮想空間におけるプレイ結果もアウトであるか否かを判断する処理が、CPU201により実行される。同様に、現実空間におけるプレイ結果がセーフであった場合、仮想空間におけるプレイ結果もセーフであるか否かを判断する処理が、CPU201により実行される。
【0118】
ここでは、第1結果データRD1と第2結果データRD2とを比較することにより、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かが、CPU201において判断される。より具体的には、第1結果データRD1と第2結果データRD2とが等しいか否かを比較する処理が、CPU201により実行される。ここでは、第1結果データRD1と第2結果データRD2とが等しい場合(RD1=RD2)、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致したものと判断される(S17でYes)。この場合、後述するステップ23(S23)の処理が、CPU201により実行される。
【0119】
一方で、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合(S17でNo)、第1結果データRD1が1又は2であるか否かが、CPU201により判断される(S18)。そして、第1結果データRD1が1又は2であった場合(S18でYes)、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、一致するように、必要時間データTnを調節する処理が、CPU201により実行される(S19)。なお、第1結果データRD1が3であった場合(S18でNo)、必要時間データTnを調節する処理は実行されず、ステップ29(S29)の処理が、CPU201により実行される。
【0120】
以下では、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、一致するように、必要時間データTnを調節する処理についての、詳細な説明を行う。ここでは、ボールオブジェクト移動時間データTh、ボールオブジェクト送球時間データTi、ボールオブジェクトの動作時間データTdの順に、必要時間データTnを構成する各時間データを修正する処理が、CPU201により実行される。
【0121】
まず、RAM202に格納された、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトの移動速度データVb1を、修正する処理が、CPU201により実行される。たとえば、仮想空間においてアウトであったプレイ結果がセーフになるように調節する場合、打ち返されたボールオブジェクトの移動速度が遅くなるように、ボールオブジェクトの移動速度データVb1を、修正する処理が、CPU201により実行される。より具体的には、ボールオブジェクトの移動速度データVb1に、所定の修正係数、たとえば1.0未満の所定の正数を乗じることにより、ボールオブジェクトの移動速度データVb1が修正される。
【0122】
また、仮想空間においてセーフであったプレイ結果がアウトになるように調節する場合、打ち返されたボールオブジェクトの移動速度が早くなるように、ボールオブジェクトの移動速度データVb1を、修正する処理が、CPU201により実行される。より具体的には、ボールオブジェクトの移動速度データVb1に、所定の修正係数、たとえば1.0より大きく且つ2.0以下の所定の正数を乗じることにより、ボールオブジェクトの移動速度データVb1が修正される。
【0123】
なお、ここで用いられる修正係数は、データ再現プログラムにおいて予め所定の値に規定されており、RAM202に格納されている。
【0124】
すると、この修正後のボールオブジェクトの移動速度データVb1’を用いることによって、上述したボールオブジェクト移動時間データThの計算と同じ形態で、ボールオブジェクト移動時間データThが修正される。すなわち、上記の打球の軌道方程式により規定される軌道上を、ボールオブジェクトが、所定の時間間隔で、修正後の移動速度データVb1’が示す移動速度で移動したときのボールオブジェクト移動時間データTh’が、CPU201により計算される。このボールオブジェクト移動時間データTh’が、修正後のボールオブジェクト移動時間データとなり、新規のボールオブジェクト移動時間データTh’として、RAM202に格納される。このようにして、ボールオブジェクト移動時間データThが、調節される。
【0125】
すると、調節後のボールオブジェクト移動時間データTh’、上記のボールオブジェクト送球時間データTi、および上記の動作時間データTdを加算することにより、必要時間データTnを再計算する処理が、CPU201により実行される(S19)。そして、この再計算後の必要時間データTn’を用いて、仮想空間におけるプレイ結果がアウト又はセーフに再設定される(S20)。すると、このプレイ結果に対応する第2結果データRD2’を設定する処理が、CPU201により実行される(S21)。すると、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かが、CPU201において判断される(S22)。たとえば、第1結果データRD1と第2結果データRD2’とが一致するか否かが、CPU201において判断される。そして、第1結果データRD1と第2結果データRD2’とが一致した場合、後述するステップ23(S23)の処理が、CPU201により実行される。
【0126】
なお、ここに示したステップ20(S20)からステップ22(S22)までの処理は、上記のステップ15(S15)からステップ17(S17)までの処理と同様である。このため、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0127】
続いて、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合(S22でNo)、RAM202に格納された、対象キャラクタTCから送球されるボールオブジェクトの移動速度データVb2を、修正する処理が、CPU201に実行される。たとえば、仮想空間においてアウトであったプレイ結果を、セーフにする場合、送球後のボールオブジェクトの移動速度が遅くなるように、ボールオブジェクトの移動速度データVb2を、修正する処理が、CPU201により実行される。より具体的には、ボールオブジェクトの移動速度データVb2に、所定の修正係数、たとえば1.0未満の所定の正数を乗じることにより、ボールオブジェクトの移動速度データVb2が修正される。
【0128】
また、仮想空間においてセーフであったプレイ結果を、アウトにする場合、送球後のボールオブジェクトの移動速度が早くなるように、ボールオブジェクトの移動速度データVb2を、修正する処理が、CPU201により実行される。より具体的には、ボールオブジェクトの移動速度データVb2に、所定の修正係数、たとえば1.0以上2.0以下の所定の正数を乗じることにより、ボールオブジェクトの移動速度データVb2が修正される。
【0129】
なお、ここで用いられる修正係数は、データ再現プログラムにおいて予め所定の値に規定されており、RAM202に格納されている。
【0130】
すると、修正後のボールオブジェクトの移動速度データVb2’を用いることによって、上述したボールオブジェクト送球時間データTiの計算と同じ形態で、ボールオブジェクト送球時間データTiが修正される。すなわち、上記の距離データL2を修正後の移動速度データVb2’で除算する処理をCPU201に実行させることにより、ボールオブジェクト送球時間データTi’(=L2/Vb2’)が算出される。そして、このボールオブジェクト送球時間データTi’は、RAM202に格納される。このようにして、ボールオブジェクト送球時間データTiが、調節される。
【0131】
すると、調節後のボールオブジェクト移動時間データTh’、調節後のボールオブジェクト送球時間データTi’、および上記の動作時間データTdを加算することにより、必要時間データTn’を再計算する処理が、CPU201により実行される。そして、この再計算後の必要時間データTn’を用いて、上記のステップ19(S19)からステップ21(S21)までの処理が、CPU201により再実行される。そして、ステップ22(S22)の処理、すなわち現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かが、CPU201において判断される。そして、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致した場合、後述するステップ23(S23)の処理が、CPU201により実行される。
【0132】
続いて、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが、再び不一致であった場合(S22でNo)、RAM202に格納された、対象キャラクタTCがボールオブジェクトを捕球した時点から、対象キャラクタTCがボールオブジェクトを送球する時点までの動作速度データVyを、修正する処理が、CPU201に実行される。たとえば、仮想空間においてアウトであったプレイ結果が、セーフになるように調節する場合、対象キャラクタTCの動作速度が遅くなるように、対象キャラクタTCの動作速度データVyを、修正する処理が、CPU201により実行される。より具体的には、対象キャラクタTCの動作速度データVyに、所定の修正係数、たとえば1.0未満の所定の正数を乗じることにより、対象キャラクタTCの動作速度データVyが修正される。
【0133】
また、仮想空間においてセーフであったプレイ結果が、アウトになるように調節する場合、対象キャラクタTCの動作速度が早くなるように、対象キャラクタTCの動作速度データVyを、修正する処理が、CPU201により実行される。より具体的には、対象キャラクタTCの動作速度データVyに、所定の修正係数(所定の正数)、たとえば1.0より大きく且つ2.0以下の値を乗じることにより、対象キャラクタTCの動作速度データVyが修正される。
【0134】
なお、ここで用いられる修正係数は、データ再現プログラムにおいて予め所定の値に規定されており、RAM202に格納されている。
【0135】
すると、この修正後の対象キャラクタTCの動作速度データVy’を用いることによって、上述した動作時間データTdの計算と同じ形態で、動作時間データTdが修正される。すなわち、修正後の動作速度データVy’に1フレーム時間(ex. 1/60(sec))を乗じる処理をCPU201に実行させることにより、動作時間データTd’が算出される。そして、この動作時間データTd’が、RAM202に格納される。このようにして、対象キャラクタTCの動作時間データTd’が、調節される。
【0136】
そして、調節後のボールオブジェクト移動時間データTh’、調節後のボールオブジェクト送球時間データTi’、および調節後の動作時間データTd’を加算することにより、必要時間データTn’を再計算する処理が、CPU201により実行される(S19)。そして、この再計算後の必要時間データTn’を用いて、上記のステップ19(S19)からステップ21(S21)までの処理が、CPU201により再実行される。そして、ステップ22(S22)の処理、すなわち現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かが、CPU201において判断される。そして、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致した場合、後述するステップ23(S23)の処理が、CPU201により実行される。
【0137】
なお、上記の処理において、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが不一致であった場合(S22でNo)、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するまで、ボールオブジェクト移動時間データTh、ボールオブジェクト送球時間データTi、ボールオブジェクトの動作時間データTdの順に、必要時間データTn,Tn’を構成する各時間データTh,Ti,Tdを修正する処理が、CPU201により繰り返し実行される。
【0138】
また、各時間データTh,Ti,Tdの修正回数が増えるにつれて、所定の修正係数の値が小さくなるようにしても良い。これにより、各時間データTh,Ti,Tdを、微調整することができ、必要時間データTn’が、極端に大きな値になったり、極端に小さな値になったりしないようにすることができる。
【0139】
続いて、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致すると(S17でYes、S22でYes)、対象キャラクタTCの守備力データSDに基づいて、ボールオブジェクト移動時間データTh,Th’、および対象キャラクタTCの動作時間データTd,Td’の少なくともいずれか1つの時間データを修正する処理が、CPU201において実行される。すなわち、対象キャラクタTCの守備力データSDに応じて、必要時間データTn’が修正される(S23)。
【0140】
以下では、対象キャラクタTCの守備力データSDに応じた、必要時間データTn’の修正についての、詳細な説明を行う。まず、対象キャラクタTCの守備力データSDが高くなるにつれて、対象キャラクタTCが捕球位置へ移動を開始する時間が早くなるように、対象キャラクタTCの移動開始時間を定義するための時間データを設定する処理が、CPU201により実行される。
【0141】
たとえば、対象キャラクタTCの守備力データSDが最大である場合(ex. SD=10.0)、時間データtcは、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトが移動を開始した時間(tc=0)に設定される。すなわち、この場合は、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返したときに、対象キャラクタTCは移動を開始する。
【0142】
また、対象キャラクタTCの守備力データSDが、所定の値mづつ小さくなるにつれて、対象キャラクタTCが捕球位置へ移動を開始する時間が、所定時間dtづつ遅くなるように、時間データtcは設定される。ここでは、対象キャラクタTCの守備力データSDが、1.0づつ小さくなるにつれて、対象キャラクタTCが捕球位置へ移動を開始する時間が、0.1(sec)づつ遅くなるように、時間データtcは設定される。
【0143】
このため、対象キャラクタTCの守備力データSDが最低値である場合(ex. SD=0.0)、時間データtcは、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトが移動を開始した時間から所定の時間が経過した時間(tc=1.0)に設定される。すなわち、この場合は、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した時点を基準として、1.0(sec)後に、対象キャラクタTCは移動を開始する。
【0144】
なお、上記の時間データtcは、所定の設定式、たとえば「tc=dt×mX|SD−10.0|」式を用いて、設定される。
【0145】
このようにして時間データtcが設定されると、この時間データtcに基づいて、ボールオブジェクトの移動速度データVb1,Vb1’を修正する処理が、CPU201により実行される。
【0146】
本実施形態では、前提条件として、上記の捕球位置HPに、打ち返されたボールオブジェクトが到達するまでには、対象キャラクタTCも捕球位置HPに到達する。このため、たとえば、対象キャラクタTCの守備力データSDが最大である場合、打ち返されたボールオブジェクトが捕球位置HPに到達したときに、対象キャラクタTCも捕球位置HPに到達するように、対象キャラクタTCの移動速度データVtは設定されている。たとえば、対象キャラクタTCの守備位置から捕球位置HPまでの距離データL3を、ボールオブジェクト移動時間データTh,Th’で除算する処理を、CPU201に実行させることにより、対象キャラクタTCの移動速度データVtは設定される。
【0147】
しかしながら、上記のように、対象キャラクタTCが移動を開始する時間が遅くなると、打ち返されたボールオブジェクトが捕球位置HPに到達したときに、対象キャラクタTCが捕球位置HPに到達できなくなってしまう。このため、ここでは、ボールオブジェクトの移動速度データVb1,Vb1’を小さくする処理を、実行することにより、対象キャラクタTCが、打ち返されたボールオブジェクトを、捕球位置HPにおいて捕球できるようにする。
【0148】
この処理は、次のように実行される。たとえば、まず、ボールオブジェクト移動時間データTh,Th’に上記の時間データtcを加算する処理を、CPU201に実行させることにより、ボールオブジェクト移動時間データTh,Th’を修正する。そして、軌道方程式により規定される軌道の長さを計算し、この長さを示すデータを、この修正後のボールオブジェクト移動時間データTh,Th’によって除算する処理が、CPU201により実行される。すると、この処理結果が、新規のボールオブジェクトの移動速度データVb1”として、CPU201に認識される。すると、このボールオブジェクトの移動速度データVb1”に対応するボールオブジェクト移動時間データTh”が、上述した形態で、算出される。なお、このボールオブジェクトの移動速度データVb1”を用いれば、対象キャラクタTCは、打ち返されたボールオブジェクトを、捕球位置HPにおいて捕球することができる。
【0149】
また、ここでは、たとえば、対象キャラクタTCの守備力データSDが高くなるにつれて、対象キャラクタTCの捕球動作が速くなるように、動作速度データVy,Vy’を設定する処理が、CPU201により実行される。
【0150】
たとえば、対象キャラクタTCの守備力データSDが最大である場合(ex. SD=10.0)、対象キャラクタTCの動作速度データは、上記の動作速度データVy,Vy’の値で維持される。
【0151】
また、対象キャラクタTCの守備力データSDが、所定の値mづつ小さくなるにつれて、対象キャラクタTCの動作速度が、所定の割合で小さくなるように、動作速度データVy,Vy’は設定される。ここでは、対象キャラクタTCの守備力データSDが、1.0づつ小さくなるにつれて、対象キャラクタTCの動作速度データVy,Vy’から、所定の値ks(所定の正数)を減算することにより、新規の対象キャラクタTCの動作速度データVy”が設定される。すると、この新規の対象キャラクタTCの動作速度データVy”に対応する対象キャラクタTCの動作時間データTd”が、上述した形態で、算出される。
【0152】
なお、上記の動作速度データVy”は、所定の設定式、たとえば「Vy”=Vy’−ksXmX|SD−10.0|」式を用いて、設定される。ここで、ksは、データ再現プログラムにおいて予め所定の値に設定されている。
【0153】
すると、対象キャラクタTCの守備力データSDに基づいて修正された、ボールオブジェクト移動時間データTh”、および対象キャラクタTCの動作時間データTd”を用いて、必要時間データTn”が再設定される(S23)。
【0154】
すると、この必要時間データTn”を用いて、仮想空間におけるプレイ結果がアウト又はセーフに再設定される(S24)。すると、このプレイ結果に対応する第2結果データRD2”を設定する処理が、CPU201により実行される(S25)。すると、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するか否かが、CPU201において判断される(S26)。たとえば、第1結果データRD1と第2結果データRD2”とが一致するか否かが、CPU201において判断される。なお、ここに示したステップ24(S24)からステップ26(S26)までの処理は、上記のステップ15(S15)からステップ17(S17)までの処理と同様である。このため、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0155】
そして、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致しなかった場合(S26でNo)、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するように、必要時間データTn”に含まれるボールオブジェクト送球時間データTi’を修正する処理が、CPU201により実行される(S27)。ここでは、たとえば、基準時間データTkと必要時間データTn”との差の絶対値Z(|基準時間データTk−必要時間データTn”|)を用いて、ボールオブジェクト送球時間データTi’が修正される。
【0156】
たとえば、現実空間におけるプレイ結果がアウトであり、仮想空間におけるプレイ結果がセーフである場合、距離データL1を上記の絶対値Zで除算した値を、送球時のボールオブジェクトの移動速度データVb2’に加算する処理が、CPU201により実行される。また、現実空間におけるプレイ結果がセーフであり、仮想空間におけるプレイ結果がアウトである場合、距離データL1を上記の絶対値Zで除算した値を、送球時のボールオブジェクトの移動速度データVb2’から減算する処理が、CPU201により実行される。このように、送球時のボールオブジェクトの移動速度データVb2’を修正し、この修正後の移動速度データVb2’を用いて、ボールオブジェクト送球時間データTi’を計算することによって、現実空間におけるプレイ結果と仮想空間におけるプレイ結果とが一致するような、最終的な必要時間データTnsが、設定される。
【0157】
このようにして、必要時間データTnsが調整されると(S27)、調整後の必要時間データTnsで結果が決定するプレイに対応する画像が、画像表示部23において表示される(S28)。たとえば、仮想空間において選手キャラクタおよびボールオブジェクトが上記の速度で移動する状態を、仮想空間の所定の位置に配置された仮想カメラによって、撮影することによって、最終的な必要時間データTnsで結果が決定するプレイに対応する画像が、画像データを用いて、モニタ203に表示される。なお、ここで用いられる画像データは、RAM202に格納されており、必要に応じて、RAM202から読み出され、モニタ203へと供給される。
【0158】
続いて、補足データJD2に含まれる試合の終了を示すデータに基づいて、試合が終了したか否かが、CPU201により判断される(S29)。試合が終了したか否かは、たとえば、補足データJD2に基づいて、CPU201により、判断される。そして、この補足データJD2に試合の終了を示すデータが含まれていない場合(S29でNo)、次のプレイを再現する命令が、CPU201から発行され、ステップ2(S2)の処理が、CPU201により再実行される。ここでは、ステップ28(S28)の処理が終了した時点から所定の時間たとえば3600フレーム時間が経過した場合、又は次プレイ再現用の所定のボタンが押された場合に、次のプレイを再現する命令が、CPU201から発行される。すると、ステップ2(S2)の処理が、CPU201により再実行される。
【0159】
一方で、補足データJD2に試合の終了を示すデータが含まれていた場合(S29でYes)、試合の終了を示す画像が、画像データを用いて、モニタ203に表示される(S30)。そして、再現アプリを終了するための所定のボタンが押された場合、又は所定の時間たとえば7200フレーム時間が経過した場合、再現アプリすなわち本システムは終了する(S31)。
【0160】
このように、本実施形態では、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とが一致しなかったとしても、仮想空間において対象キャラクタTCの捕球および送球に必要となる必要時間データTnを調節することにより、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とを一致させることができる。詳細には、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とが一致しなかったとしても、仮想空間におけるプレイ結果と、現実空間におけるプレイ結果とが一致するように、必要時間データTnを構成する時間データTh,Td,Tiを調節することにより、仮想空間におけるプレイ結果を、現実空間におけるプレイ結果に一致させることができる。これにより、このプレイ結果の映像を、違和感なく再現することができる。
【0161】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、データ再現プログラムを適用しうるコンピュータの一例として、携帯電話2を用いた場合の例を示したが、コンピュータは、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたデータ再現装置、モニタが一体に構成されたデータ再現装置、データ再現プログラムを実行することによってデータ再現装置として機能するパーソナルコンピュータ、ワークステーション、およびゲーム装置などにも同様に適用することができる。
(b)本発明には、前述したようなシステムを実現するプログラム、およびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明は、サーバに格納された、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報を、受信可能なコンピュータで実行される情報再現アプリケーションにおいて、利用可能である。
【符号の説明】
【0163】
1 サーバ
2 携帯電話
201 CPU
202 RAM
203 モニタ
50 情報格納手段
51 プレイ結果認識手段
52 基準時間設定手段
53 必要時間設定手段
54 能力認識手段
55 プレイ結果判断手段
56 結果相違判断手段
57 必要時間調節手段
58 必要時間再設定手段
59 画像表示手段
JD 情報データ、リアルタイム情報データ
HP 捕球位置
TC 対象キャラクタ
Th ボールオブジェクト移動時間データ
Td 対象キャラクタの動作時間データ
Ti ボールオブジェクト送球時間データ
Tn,Tns 必要時間データ
SD 守備力データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバに格納された、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報を、受信可能なコンピュータの制御部に、
現実空間において打者又は走者が走り込む塁へ野手が送球する時のプレイの情報を含む、前記リアルタイム情報を、サーバから受信し記憶部に格納する情報格納機能と、
記憶部に格納された前記プレイの情報に基づいて、現実空間における前記プレイがアウトかセーフかを、認識するプレイ結果認識機能と、
記憶部に格納された前記プレイの情報に基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間、および走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間を、基準時間として設定する基準時間設定機能と、
前記ボールオブジェクトが前記打者キャラクタにより打ち返された時点から、前記ボールオブジェクトが野手キャラクタに捕球される時点までのボールオブジェクト移動時間と、前記野手キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球した時点から、前記野手キャラクタが前記ボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間と、前記野手キャラクタから送球された前記ボールオブジェクトが塁に到達するまでのボールオブジェクト送球時間とからなる時間を、仮想空間においてプレイに要する必要時間として、設定する必要時間設定機能と、
前記基準時間と前記必要時間とに基づいて、仮想空間における前記プレイがアウトかセーフかを、判断するプレイ結果判断機能と、
現実空間における前記プレイ結果と仮想空間における前記プレイ結果とが一致するか否かを、判断する結果相違判断機能と、
現実空間における前記プレイ結果と仮想空間における前記プレイ結果とが不一致であった場合、現実空間における前記プレイ結果と仮想空間における前記プレイ結果とが、一致するように、前記必要時間を調節する必要時間調節機能と、
調整後の必要時間で結果が決定する前記プレイに対応する画像を、画像表示部に表示する画像表示機能と、
を実現させるためのデータ再現プログラム。
【請求項2】
前記必要時間調節機能では、前記プレイ結果認識機能において認識された現実世界の前記プレイ結果がアウトのときに、前記プレイ結果判断機能おいて判断された仮想空間の前記プレイ結果がセーフの場合、前記必要時間が前記基準時間以下になるように前記必要時間が調節され、前記プレイ結果認識機能において認識された現実世界の前記プレイ結果がセーフのときに、前記プレイ結果判断機能において判断された仮想空間の前記プレイ結果がアウトの場合、前記必要時間が前記基準時間よりも長くなるように前記必要時間が調節される、
請求項1に記載のデータ再現プログラム。
【請求項3】
前記必要時間調節機能では、記憶部に格納された、前記打者キャラクタにより打ち返された前記ボールオブジェクトの移動速度を、修正することにより、前記必要時間に含まれる前記ボールオブジェクト移動時間が、調節させる、
請求項1又は2に記載のデータ再現プログラム。
【請求項4】
前記必要時間調節機能では、記憶部に格納された、前記野手キャラクタから送球された前記ボールオブジェクトの移動速度を、修正することにより、前記必要時間に含まれる前記ボールオブジェクト送球時間が、さらに調節される、
請求項3に記載のデータ再現プログラム。
【請求項5】
前記必要時間調節機能では、記憶部に格納された、前記野手キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球した時点から、前記野手キャラクタが前記ボールオブジェクトを送球する時点までの動作速度を、修正することにより、前記必要時間に含まれる前記動作時間が、さらに調節される、
請求項4に記載のデータ再現プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータの制御部に、
記憶部に格納された野手キャラクタの能力を、認識する能力認識機能と、
前記野手キャラクタの能力が高くなるほど、前記野手キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球した時点から、前記野手キャラクタが前記ボールオブジェクトを送球する時点までの動作速度を、速くすることにより、前記動作時間を修正し、前記必要時間を再設定する必要時間再設定機能と、
請求項1から5のいずれかに記載のデータ再現プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータの制御部に、
記憶部に格納された野手キャラクタの能力を、認識する能力認識機能、
をさらに実現させ、
前記必要時間再設定機能では、前記野手キャラクタの能力が高くなるほど、前記野手キャラクタが捕球動作を開始する時間を、早くし、且つ記憶部に格納された、前記打者キャラクタにより打ち返された前記ボールオブジェクトの移動速度を、速くすることにより、前記ボールオブジェクト移動時間が修正され、前記必要時間が再設定される、
請求項6に記載のデータ再現プログラム。
【請求項8】
サーバに格納された、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報を、受信可能なデータ再現装置であって、
前記データ再現装置の制御部は、
現実空間において打者又は走者が走り込む塁へ野手が送球する時のプレイの情報を含む、前記リアルタイム情報を、サーバから受信し記憶部に格納する情報格納手段と、
記憶部に格納された前記プレイの情報に基づいて、現実空間における前記プレイがアウトかセーフかを、認識するプレイ結果認識手段と、
記憶部に格納された前記プレイの情報に基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間、および走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間を、基準時間として設定する基準時間設定手段と、
前記ボールオブジェクトが前記打者キャラクタにより打ち返された時点から、前記ボールオブジェクトが野手キャラクタに捕球される時点までのボールオブジェクト移動時間と、前記野手キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球した時点から、前記野手キャラクタが前記ボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間と、前記野手キャラクタから送球された前記ボールオブジェクトが塁に到達するまでのボールオブジェクト送球時間とからなる時間を、仮想空間においてプレイに要する必要時間として、設定する必要時間設定手段と、
前記基準時間と前記必要時間とに基づいて、仮想空間における前記プレイがアウトかセーフかを、判断するプレイ結果判断手段と、
現実空間における前記プレイ結果と仮想空間における前記プレイ結果とが一致するか否かを、判断する結果相違判断手段と、
現実空間における前記プレイ結果と仮想空間における前記プレイ結果とが不一致であった場合、現実空間における前記プレイ結果と仮想空間における前記プレイ結果とが、一致するように、前記必要時間を調節する必要時間調節手段と、
調整後の必要時間で結果が決定する前記プレイに対応する画像を、画像表示部に表示する画像表示手段と、
を備えるデータ再現装置。
【請求項9】
サーバに格納された、現実空間において実行中の野球に関するリアルタイム情報を、受信可能なコンピュータにより、制御されるデータ再現方法であって、
前記コンピュータの制御部は、
現実空間において打者又は走者が走り込む塁へ野手が送球する時のプレイの情報を含む、前記リアルタイム情報を、サーバから受信し記憶部に格納する情報格納ステップと、
記憶部に格納された前記プレイの情報に基づいて、現実空間における前記プレイがアウトかセーフかを、認識するプレイ結果認識ステップと、
記憶部に格納された前記プレイの情報に基づいて、打者キャラクタがボールオブジェクトを打ち返した後に走塁する走塁時間、および走者キャラクタが走塁する走塁時間のいずれか一方の走塁時間を、基準時間として設定する基準時間設定ステップと、
前記ボールオブジェクトが前記打者キャラクタにより打ち返された時点から、前記ボールオブジェクトが野手キャラクタに捕球される時点までのボールオブジェクト移動時間と、前記野手キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球した時点から、前記野手キャラクタが前記ボールオブジェクトを送球する時点までの動作時間と、前記野手キャラクタから送球された前記ボールオブジェクトが塁に到達するまでのボールオブジェクト送球時間とからなる時間を、仮想空間においてプレイに要する必要時間として、設定する必要時間設定ステップと、
前記基準時間と前記必要時間とに基づいて、仮想空間における前記プレイがアウトかセーフかを、判断するプレイ結果判断ステップと、
現実空間における前記プレイ結果と仮想空間における前記プレイ結果とが一致するか否かを、判断する結果相違判断ステップと、
現実空間における前記プレイ結果と仮想空間における前記プレイ結果とが不一致であった場合、現実空間における前記プレイ結果と仮想空間における前記プレイ結果とが、一致するように、前記必要時間を調節する必要時間調節ステップと、
調整後の必要時間で結果が決定する前記プレイに対応する画像を、画像表示部に表示する画像表示ステップと、
を実行するデータ再現方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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