説明

データ処理方法

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、データ処理方法に関する。
[従来の技術]
従来から、相手通信端末と、共通表示を行い、共通作業を行うデータ処理装置は考案されている。
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来の装置では自分専用のメモを書き込みは行えても、その書き込まれたメモを後に、共通画面に反映させるときに、メモの一部のみを共通画面に反映させることができず、相手に知られたくないメモの部分まで共通画面に反映されてしまうという問題がある。
本願発明は、上述の欠点を考慮して使い勝手のよいデータ処理方法を提供することを目的とする。
[課題を解決する手段]
本発明は、自端末の表示部に表示させる内容と他の通信端末の表示部に表示させる内容とが同じである共通表示を、上記自端末の表示部に表示する共通表示段階と、上記自端末の表示部に表示されている上記共通表示上に、所定の描画情報を追記し、しかも他の端末には上記所定の描画情報を表示させない追記段階と、上記追記されている描画情報のうちで、使用者が所定部分を指示する指示段階と、上記使用者が指示した上記所定部分を、上記共通表示として反映させて表示させるために、上記他の通信端末に送信する送信段階とを有し、上記追記されている描画情報のうちで、使用者が指示していない部分を、上記他の通信端末の表示部において上記共通表示として表示させないことを特徴とするデータ処理方法である。
[実施例]
第1図は、本発明の一実施例によるテレライティング装置を示すブロック構成図である。
このテレライティング装置は、回線制御部1、描画コーデック部2、音声入出力制御部3、音声入出力部4、記憶部5、全体制御部6、入出力制御部7、描画入力部8、制御情報入力部9および表示部10を有して構成され、1または複数のテレライティング装置との間で音声と描画情報の相互通信を行うものである。
回線制御部1は、本テレライティング装置と回線11とのインタフェースを司るものである。
また、描画コーデック部2は、描画情報の符号化および復号化を行う回路である。
音声入出力制御部3は、音声情報の入出力を制御するものであり、ISDN網接続時には、A/D変換を行う音声コーデックを含んでいる。
音声入出力部4は、音声情報を入力および出力するものであり、ハンドセット、マイクおよびスピーカ等に相当する。
記憶部5は、相互通信を行っている描画情報および自分専用のメモ情報を識別子付きで記憶する回路である。
全体制御部6は、テレライティング装置全体の制御を行う回路である。
入出力制御部7は、描画情報や制御情報等の入出力を制御するものである。
描画入力部8は、描画情報を入力するものであり、制御情報入力部9は、制御情報を入力するものである。
表示部10は、描画情報や制御情報等を表示するものであり、相互通信した描画情報による共通画面を構成する。
回線11は、ISDN回線、電話回線または専用線よりなるものである。
第2図は、このようなテレライティング装置を3地点で接続した会議システムを示す模式図である。
各テレライティング装置(端末A、B、C)20、21、22は、回線11により網または会議コントローラ30を介して多地点接続されている。
第3図は、このような会議システムで会議を行う場合の動作例を説明するフローチャートである。
まず今、各端末A、B、Cは、第4図に示す画面91を共通画面としてそれぞれの表示部10に表示し、打合せを行っている(S1)。
ここで端末Bのオペレータは、他の説明を聞きながら共通画面91上に自分のメモ用として情報を追記する必要が生じた。そこで、端末Bのオペレータは、まず描画の書込みモードをメモモードに切替える(S2)。次に、第5図5図に示す領域92のような描画情報を画面上にメモとして追記する(S3)。この領域92に追記したメモは端末Bの画面上にしか表示されていないし、端末Bの記憶部5にもメモモードの書込みとして記憶される。
ここで、このメモとして追記した領域92の中で領域93の描画情報を共通画面上に反映する必要が生じた。そこで、端末Bのオペレータは、メモとして追記した領域92のうち、領域93を共通画面に加筆するという指定を行い、この部分の描画情報を他の端末A、Cにも送信する。
そして、これと同時に、端末Bにおける記憶部5の記憶内容も、領域93の描画情報をメモモードより共通画面情報として変更される(S4)。
また、領域92の領域93以外の部分は、端末Bの中で、メモとして記憶されたままである。
なお、上記実施例では描画情報についてのみ述べたが、FAX等の静止画やワープロ、パソコン等のコード情報との組合せにより、より光度なシステムの構築も可能である。
また、自分用のメモを共通画面に追加する時も、無条件で追加する方式ではなく、全員に「メモ→共通情報変換要請」の形で送信し、相手側の承認を得た段階で共通画面情報として追加するといった方式も可能である。
さらに、自分のメモは画面上で識別される様、一時的または永続的に色分け表示したりすることも可能である。
[発明の効果]
本発明によれば、自端末の表示部に表示されている共通表示上に、所定の描画情報を追記し、しかも他の端末には上記所定の描画情報を表示させず、上記追記されている描画情報のうちで、使用者が所定部分を指定し、上記使用者が指定した情報所定部分を、上記共通表示として反映させて表示させるために、上記他の通信端末に送信するので、使用者が他の端末に公開すべきと考えた部分だけを、他の端末に表示させることができ、しかも、従来のように自端末のメモ部分のみを共通画面上に再度書き写す作業をせずに、そのまま相手端末の共通画面に反映させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例によるテレライティング装置を示すブロック構成図である。
第2図は、同実施例のテレライティング装置によって構成した会議システムの例を示す模式図である。
第3図は、同実施例における動作例を示すフローチャートである。
第4図は、同実施例における表示画面の一例を示す模式図である。
第5図は、第4図に示す表示画面に個人専用メモを書き込んだ例を示す模式図である。
1……回線制御部、
2……描画コーデック部、
3……音声入出力制御部、
4……音声入出力部、
5……記憶部、
6……全体制御部、
7……入出力制御部、
8……描画入力部、
9……制御情報入力部、
10……表示部、
11……接続回線、
91……表示画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】自端末の表示部に表示させる内容と他の通信端末の表示部に表示させる内容とが同じである共通表示を、上記自端末の表示部に表示する共通表示段階と;
上記自端末の表示部に表示されている上記共通表示上に、所定の描画情報を追記し、しかも他の端末には上記所定の描画情報を表示させない追記段階と;
上記追記されている描画情報のうちで、使用者が所定部分を指示する指示段階と;
上記使用者が指示した上記所定部分を、上記共通表示として反映させて表示させるために、上記他の通信端末に送信する送信段階と;
を有し、上記追記されている描画情報のうちで、使用者が指示していない部分を、上記他の通信端末の表示部において上記共通表示として表示させないことを特徴とするデータ処理方法。

【第1図】
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【第2図】
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【第3図】
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【第4図】
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【第5図】
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【特許番号】特許第3168423号(P3168423)
【登録日】平成13年3月16日(2001.3.16)
【発行日】平成13年5月21日(2001.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平1−271993
【出願日】平成1年10月19日(1989.10.19)
【公開番号】特開平3−133260
【公開日】平成3年6月6日(1991.6.6)
【審査請求日】平成8年9月18日(1996.9.18)
【前置審査】 前置審査
【出願人】(999999999)キヤノン株式会社
【参考文献】
【文献】特開 昭59−267(JP,A)
【文献】特開 昭60−9263(JP,A)
【文献】特開 昭61−224683(JP,A)