データ処理装置、入出力装置、タッチパネルの制御方法、記憶媒体及びプログラム伝送装置
【課題】 OSのデスクトップ画面のような汎用的な環境において、タッチパネルを用いたタッチ操作によりディスプレイ画面の外側に設定された表示画像への表示領域の移動制御を可能にする。
【解決手段】 タッチパネルユニット100を備えたデータ処理装置において、このタッチパネルユニット100に対する入力操作のうち、タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらにこの操作領域内でカーソルを移動させる操作を検出する操作イベント検出部12と、検出された操作におけるカーソルの移動方向に応じて、カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成するカーソル移動情報生成部13と、生成された移動情報に基づいて表示画像上でカーソルの位置を移動させるカーソル動作制御部14と、このカーソルの移動に応じてディスプレイ画面の表示内容をスクロールさせる仮想画面制御部15とを備える。
【解決手段】 タッチパネルユニット100を備えたデータ処理装置において、このタッチパネルユニット100に対する入力操作のうち、タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらにこの操作領域内でカーソルを移動させる操作を検出する操作イベント検出部12と、検出された操作におけるカーソルの移動方向に応じて、カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成するカーソル移動情報生成部13と、生成された移動情報に基づいて表示画像上でカーソルの位置を移動させるカーソル動作制御部14と、このカーソルの移動に応じてディスプレイ画面の表示内容をスクロールさせる仮想画面制御部15とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに係り、ディスプレイ装置の表示画面(以下、ディスプレイ画面と称す)の外側にまで表示画像が設定されている場合に、ディスプレイ画面に表示される表示領域を移動させる表示領域の移動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンピュータ装置における出力表示は高解像度化が進む傾向にある。これは、解像度が高い方が1画像に表示できる情報量が増えるためである。アプリケーションプログラムの中には、ある程度以上の高い解像度による表示を要求するものも存在する。
【0003】
この解像度の高い表示画像をディスプレイ画面上に表示するには、ディスプレイ画面にも同等の解像度が求められることとなる。しかし、大きさの固定されたディスプレイ画面において表示画像の解像度を上げると、これに応じて表示画像中の文字や図形が小さくなってしまうため、視認性が低下してしまう。大きなディスプレイ画面を用いれば、文字や図形を小さくすることなく高解像度の表示画像を表示することができる。しかし、携帯性が重視されるノートブック型パーソナルコンピュータなどでは、ディスプレイ画面の大きさに物理的な制限があるため、文字や図形の表示が小さくなってしまうことを回避できない。また、デスクトップ型パーソナルコンピュータにおいても、設置領域の大きさを考慮すれば、無制限に大きなディスプレイ画面を用意することはできない。
【0004】
そこで、低解像度のディスプレイ画面を用いて高解像度の表示画像を表示する手段として、仮想画面による表示技術がある。これは、ビデオメモリ上に展開された表示画像上にディスプレイ画面の大きさに相当する表示領域(ビューポート画面)を設定し、ディスプレイ画面にはこの表示領域の内容を表示する技術である。
【0005】
図11は、表示画像と表示領域の関係を説明する図である。
図11において、表示画像1101の解像度は1600(dots)×1200(dots)であり、表示領域1102の解像度は800(dots)×600(dots)であるものとする。この場合、表示画像1101と表示領域1102の解像度を考慮すれば、ディスプレイ画面には表示画像1101の4分の1の領域が表示されることとなる。
【0006】
この仮想画面による表示技術において、表示領域1102は表示画像1101上を移動することができる。表示領域1102が表示画像1101上を移動するとき、ディスプレイ画面の表示は上下左右にスクロールすることとなる。この表示領域1102の移動は、GUI(Graphical User Interface)におけるカーソル(マウスポインタ)の移動を用いて制御するのが一般的である。すなわち、ディスプレイ画面の周縁にカーソルを位置させた状態で、さらにその外側へカーソルを移動させるようにマウスを操作すると、この操作に応じて表示領域1102をカーソルの移動方向へ移動させる。
【0007】
ところで、このカーソルの移動による表示領域1102の移動制御は、ポインティングデバイスとして、マウスやトラックポイント、トラックパッド、トラックボールなどを用いる場合には適用が容易であるが、タッチパネルを用いる場合には単純に適用することはできない。
タッチパネルは、ディスプレイ画面上に感圧式や静電式のパネルを載せ、表示画面の表面へのタッチによる位置情報を検出してパーソナルコンピュータに送る装置である。この種の、タッチパネルにおいては、表示画面に対して操作者の指や入力用のスタイラス・ペンによるタッチが行われると、タッチされた位置までカーソルを移動する。
【0008】
マウスやトラックポイント、トラックパッド、トラックボールなどでは、操作に応じて、カーソルを現在の位置からどの方向にどれだけ動かすかといった相対的な指定を相対画素データにより行う。このため、カーソルがディスプレイ画面の周縁に位置していても、さらにその外側へ向けてカーソルを移動させるような操作を行うことができる。したがって、これらをポインティングデバイスとして用いるならば、表示画像1101における表示領域1102の外側へカーソルを移動させることは容易である。
【0009】
しかし、タッチパネルでは、ディスプレイ画面上の座標とタッチによる入力(以下、タッチ入力と称す)を受け付けるパネル上の座標とが1対1で対応しているため、カーソルの移動先として表示領域1102の外側を指定することができない。すなわち、ディスプレイ画面の周縁とタッチパネルの周縁とが一致してしまうため、その外側をタッチしてカーソルを移動させることができなかった。
【0010】
この問題を解決し、ポインティングデバイスとしてタッチパネルを用いながら仮想画面による表示技術を採用するための従来技術として、例えば、下記特許文献1に開示された技術がある。図9は、同公報に開示された従来技術を説明する図である。図9において、ディスプレイ装置900は、領域901と領域902とを備える。領域901は、タッチ入力を受け付ける有効領域である。また、領域902は、画像が表示される有効表示領域であり、ディスプレイ画面に相当する。図示のように、領域901は領域902よりも広く、領域902の周囲にまで及んでいる。すなわち、この従来技術では、ディスプレイ画面の外側にタッチ入力を受け付けるための領域が存在する。
この従来技術では、領域901のうちの領域902と重なっていない部分である領域903へ行われたタッチ入力を、仮想画面におけるディスプレイ画面の外側への移動を指示する操作として受け付け、ディスプレイ画面の表示をスクロールさせる。
【0011】
また、ポインティングデバイスとしてタッチパネルを用いながら仮想画面による表示技術を採用するための他の従来技術として、下記特許文献2に開示されたナビゲーション装置がある。図10は、同公報に開示された従来技術を説明する図である。この従来技術では、ナビゲーション装置のディスプレイ画面1000の端部分にタッチすることにより、任意の方向へ表示をスクロールさせ、ディスプレイ画面に現在表示している地図を超える範囲を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平7−72976号公報
【特許文献2】特開2000−180188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術は、ディスプレイ画面の外側にまでタッチ入力を受け付けるための一定の領域を設けているため、ディスプレイ画面の大きさは、ディスプレイ装置の全体の大きさに比べて、このタッチ入力を受け付ける領域の分だけ小さくならざるを得ない。これは、ノートブック型パーソナルコンピュータのように、物理的に制限された大きさの中でできるだけ大きなディスプレイ画面を得ようとする場合には好ましくない。
【0014】
また、特許文献2に記載された従来技術は、ディスプレイ画面の端部分にタッチすることによって表示をスクロールさせるものであるため、ディスプレイ画面の外側に一定の領域を設けるためにディスプレイ画面自体の大きさが犠牲になることはない。しかしながら、この機能は、ナビゲーションシステムのように特定の閉じたアプリケーションにおいては有効であるが、オペレーティングシステムが提供する基本画面(デスクトップ画面)などの汎用的な環境で利用すると不具合が生じる場合がある。
【0015】
すなわち、そのような汎用的な環境では、ディスプレイ画面の周縁付近にアイコンや表示されているアプリケーションのボタンなどのオブジェクトが存在する場合がある。そのため、ディスプレイ画面の周縁にタッチされた場合、当該オブジェクトをポイントしたいのか、ディスプレイ画面の表示をスクロールさせたいのか判断できない。したがって、操作者にとっては、オブジェクトをポイントしただけで意に反して表示がスクロールしてしまうといった状況が起こり得る。
【0016】
そこで本発明は、タッチパネルにおいて、ディスプレイ画面の外側にタッチ入力を受け付ける領域を設けることなく、ディスプレイ画面へのタッチ操作によりディスプレイ画面の外側に設定された表示画像への表示領域の移動制御を可能にすることを目的とする。
【0017】
また、本発明は、タッチパネルにおいて、ディスプレイ画面へのタッチ操作によるディスプレイ画面の外側に設定された表示画像に対する表示領域の移動制御を、オペレーティングシステムの基本画面のような汎用的な環境で利用可能とすることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するため、本発明は、入力手段としてタッチパネルを備え、このタッチパネルへのタッチ操作による入力をカーソルの動作に変換して処理するデータ処理装置において、タッチパネルに対する入力操作のうち、タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらにこの操作領域内でカーソルを移動させる操作が行われた場合にこの操作を検出する操作イベント検出部と、検出された操作におけるカーソルの移動方向に応じて、カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成する移動情報生成部と、生成された移動情報に基づいて表示画像上でカーソルの位置を移動させるカーソル動作制御部と、カーソル動作制御部によるカーソルの移動に応じてディスプレイ画面の表示内容をスクロールさせる表示制御部とを備えることを特徴とする。
このデータ処理装置は、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ装置の他、PDA、タッチパネルを備えた家電製品などを含む。また、表示制御部は、例えばコンピュータ装置におけるビデオドライバとすることができる。
【0019】
ここで、この操作イベント検出部は、ディスプレイ画面と大きさが一致するタッチパネルの入力面に設定された操作領域に対して、カーソルを移動させる操作が行われた場合に、この操作を検出する。
この操作領域は、ディスプレイ画面のどの位置に設定しても良いが、より好ましくは、タッチパネルの入力面の周縁に設定することができる。ここで、周縁とは、タッチパネルの入力面の最外周から指やスタイラス・ペンでタッチすることができ、かつ所定の操作ができる程度の幅を有する領域である。
また、上述のようにこの入力画面はディスプレイ画面と大きさが一致しているので、この操作領域にも表示画像が表示されることとなる。そして、この操作領域は、予め設定された操作だけでなく、当該表示への通常の入力も受け付ける。
【0020】
操作イベント検出部は、カーソルを移動させる操作におけるカーソルの移動距離が予め定められた一定距離以上である場合に、この操作を検出することとしても良い。
また、移動情報生成部は、操作イベント検出部により検出された操作におけるカーソルの移動速度に応じて、生成する移動情報におけるカーソルの移動距離を決定することとしても良い。
【0021】
また、本発明のデータ処理装置は、GUIにより種々の入力処理を受け付け、出力を行うための入出力画面を作成し、この入出力画面上でのカーソルの動作を制御する基本制御部と、タッチパネルに対する入力をこの基本制御部におけるカーソルの移動情報に変換してこの基本制御部に送る入力制御部と、この入出力画面に基づいてディスプレイ画面よりも大きい表示画像を生成し、この表示画像上にこのディスプレイ画面に対応する大きさの表示領域を設定し、このディスプレイ画面にこの表示領域を表示させる表示制御部とを備え、この入力制御部は、タッチパネルに対する入力操作のうち、タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらにこの操作領域内でカーソルを移動させる操作が行われた場合に、この操作を検出する操作イベント検出部と、この操作イベント検出部により検出された操作におけるカーソルの移動方向に応じて、カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成して基本制御部へ送る移動情報生成部とを備え、表示制御部は、カーソルが表示領域を越えて移動する場合に、表示画像上においてこのカーソルの移動方向に表示領域を移動させる構成とすることができる。
ここで、基本制御部は、例えば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置におけるオペレーティングシステムとすることができる。入力制御部は、タッチパネルの動作を制御するタッチパネルドライバとすることができる。
【0022】
さらにまた、本発明は、次のように構成されたことを特徴とする入出力装置を提供する。すなわち、この入出力装置は、ディスプレイ画面上に表示された表示画像へのタッチ操作を入力として受け付けるタッチパネルユニットと、このタッチパネルユニットによる入力をカーソルの動作に変換して処理する処理部とを備え、この処理部は、このタッチパネルユニットの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらにこの操作領域内でカーソルを移動させる操作が行われた場合に、この操作におけるカーソルの移動方向に応じて、カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成し、このタッチパネルユニットは、この処理部により生成された移動情報に基づく表示命令にしたがってディスプレイ画面に表示画像を表示し、かつこの表示画像をスクロールすることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、タッチパネルの制御方法において、このタッチパネルに対する入力操作のうち、タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらにこの操作領域内でカーソルを移動させる操作が行われた場合にこの操作を検出するステップと、検出された操作におけるカーソルの移動方向に応じて、カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成するステップとを含む。
【0024】
ここで、この操作を検出するステップでは、カーソルを移動させる操作におけるカーソルの移動距離が予め定められた一定距離以上である場合に、この操作を検出することとしても良い。
また、カーソルの移動情報を生成するステップでは、検出された操作におけるカーソルの移動速度に応じて、生成する移動情報におけるカーソルの移動距離を決定することとしても良い。
【0025】
さらに、本発明は、これらのステップに対応する処理をコンピュータに実行させるプログラムであるタッチパネルドライバとして作成し、このタッチパネルドライバを格納した記憶媒体や、このタッチパネルドライバを伝送するプログラム伝送装置として提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ディスプレイ画面の外側にタッチ入力を受け付ける領域を設けることなく、ディスプレイ画面へのタッチ操作によりディスプレイ画面の外側に設定された表示画像への表示領域の移動を制御することができる。
また、本発明によれば、ディスプレイ画面へのタッチ操作によるディスプレイ画面の外側に設定された表示画像に対する表示領域の移動制御を、オペレーティングシステムの基本画面のような汎用的な環境で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施の形態におけるタッチパネル制御システムの構成を説明する図である。
【図2】本実施の形態によるタッチパネル制御を実現搭載するコンピュータ装置の構成例を示す図である。
【図3】本実施の形態のタッチパネル制御を実現するソフトウェアの構成例を示す図である。
【図4】オペレーティングシステムの基本画面(デスクトップ画面)に対して表示領域を設定した様子を例示する図である。
【図5】図4の表示領域をディスプレイ画面に表示した様子を例示する図である。
【図6】本実施の形態におけるタッチパネルユニットの入力面の構成を説明する図である。
【図7】本実施の形態における、第1の特定の操作に対応する処理の流れを説明するフローチャートである。
【図8】本実施の形態における、第2の特定の操作に対応する処理の流れを説明するフローチャートである。
【図9】従来のタッチパネルによる表示制御を説明する図である。
【図10】従来のタッチパネルによる他の表示制御を説明する図である。
【図11】ディスプレイ画面に対する表示制御において、ビデオメモリに展開される表示画像とディスプレイ画面に表示される表示領域との関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図2は、本実施の形態によるタッチパネル制御を実現搭載するコンピュータ装置の構成例を示す図である。
図2を参照すると、このコンピュータ装置は、CPU(中央処理装置)20と、システムバスを介してCPU20に接続されたM/B(マザーボード)チップセット30及びメインメモリ40と、PCIバスなどの高速なバスを介してM/Bチップセット30に接続されたビデオカード50及びハードディスク60と、さらにブリッジ回路200及びISAバスなどの低速なバスを介してM/Bチップセット30に接続されたフロッピー(登録商標)ディスクドライブ70、キーボード80及びシリアルI/Oポート90と、シリアルI/Oポート90に接続されたタッチパネルユニット100とを備える。
【0029】
なお、図2は本実施の形態のタッチパネル制御を実現するコンピュータ装置の構成を例示するに過ぎず、本実施の形態を適用可能であれば、他の種々のシステム構成を取ることが可能である。例えば図2では、シリアルI/Oポート90を介してタッチパネルユニット100をシステムに接続しているが、パラレルI/OポートやUSB(Universal Serial Bus)を介してシステムに接続するようにしても良い。また、ビデオカード50の代わりにビデオメモリのみを設け、CPU20自身が描画命令を実行するようなシステム構成とすることも可能である。さらに、図示はしないが、一般的なコンピュータ装置には、入力手段としてのマウス、音声入出力機構、CD−ROMドライブなどが接続される。
また、本実施の形態は、図2に示したようなパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ装置の他、各種のPDA(Personal Digital Assistants)、コンピュータにて制御されるテレビ受像機その他の家電製品などであって、入力手段としてタッチパネルを備えたハードウェアにても実現することができる。
【0030】
図3は、本実施の形態のタッチパネル制御を実現するソフトウェアの構成例を示す図である。
図3を参照すると、タッチパネルユニット100から入力された入力データは、ディスプレイ画面と1対1で対応するパネル上の座標データである。この入力データは、タッチパネルコントローラ310とシリアルI/Oポートを制御するシリアルドライバ320とを経てタッチパネルドライバ330にて処理される。
タッチパネルドライバ330において、座標データは、カーソルの移動データに変換される。また、後述するように、タッチパネルユニット100へのタッチ入力の中から特定の操作を示す操作イベントを検出し、これを対応するカーソルの移動データに置き換える。このようにして生成されたカーソルはオペレーティングシステムのマウスドライバ340に送られる。
これにより、オペレーティングシステムは、マウスによる入力と全く変わらずにタッチパネルユニット100からの入力を扱うことができる。
【0031】
なお、図3は図2のコンピュータ装置を想定した本実施の形態を実現するソフトウェア構成の一例に過ぎない。タッチパネルユニット100からの入力をエミュレーションしてマウスドライバ340で処理できるデータに変換する手段を有していれば、図示の構成の他にも、タッチパネルユニット100の接続手段や本実施の形態を適用するハードウェアの構成に応じて、種々の構成を取り得る。また、マウスドライバ340を介さずに、タッチパネルユニット100からの入力データに基づいて直接カーソルの移動を制御する構成とすることも可能である。
【0032】
図1は、本実施の形態におけるタッチパネル制御システムの構成を説明する図である。
図1を参照すると、本実施の形態のタッチパネル制御システムは、タッチパネルユニット100に対するタッチ入力をマウスによる入力に変換するマウスエミュレータ11と、タッチパネルユニット100に対するタッチ入力の中から特定の操作イベントを検出する操作イベント検出部12と、操作イベント検出部12により検出された操作イベントに応じたカーソルの移動情報を生成するカーソル移動情報生成部13と、マウスによる入力に応じてカーソルの動作を制御するカーソル動作制御部14と、カーソルの動作に応じてタッチパネルユニット100のディスプレイ画面に表示する表示画像上の表示領域の移動を制御する表示制御部としての仮想画面制御部15とを備える。なお、図1において、矢印はデータの流れを示す。
【0033】
図1に示す各構成要素は、コンピュータプログラムにより制御された図2のCPU20にて実現される仮想的なソフトウェアブロックである。このコンピュータプログラムは、例えば図2のメインメモリ40に読み込まれてCPU20の動作を制御する。かかるコンピュータプログラムは、CD−ROMやフロッピーディスクなどの記憶媒体に格納したり、ネットワークを介して伝送したりすることにより提供される。
【0034】
上記構成において、マウスエミュレータ11、操作イベント検出部12及びカーソル移動情報生成部13は、例えば、図3に示したタッチパネルドライバ330の機能として設けられる。
マウスエミュレータ11は、上述したように、タッチパネルユニット100から入力される座標データを、マウスによる入力データと同等のカーソルの移動データに変換し、出力する。
【0035】
操作イベント検出部12は、タッチパネルユニット100に対するタッチ入力の中から、タッチパネルユニット100の特定の場所に特定の手順でタッチ入力が行われたというような特定の操作が行われた場合に、これを操作イベントとして検出する。操作イベントの詳細な内容については後述する。
【0036】
カーソル移動情報生成部13は、操作イベント検出部12により検出された操作イベントの種類に応じて、予め設定された方向に予め設定された距離だけカーソルが移動したことを示す移動データを生成し、出力する。カーソル移動情報生成部13の具体的な動作については、操作イベントの内容と共に後述する。
【0037】
カーソル動作制御部14は、例えば、図3に示したマウスドライバ340の機能として実現される。カーソル動作制御部14は、マウスエミュレータ11及びカーソル移動情報生成部13から出力されたカーソルの移動データに基づいて、ディスプレイ画面に表示する表示画像上でカーソルを移動させ、必要に応じてオブジェクトをポイントするなどの処理を行う。
【0038】
仮想画面制御部15は、例えば、図2に示したビデオカード50の動作を制御するビデオドライバの機能として実現される。仮想画面制御部15は、ビデオカード50を制御して、CPU20から出力された描画命令に基づき、表示画像の描画データを作成する。また、仮想画面による表示制御を実行し、表示画像上にディスプレイ画面に実際に表示させる表示領域を設定する。
【0039】
仮想画面による表示制御の手法は、従来から一般的に用いられている手法を用いることができる。すなわち、例えば図11に示したように、表示画像1101の解像度を1600(dots)×1200(dots)とし、表示領域1102の解像度を800(dots)×600(dots)とすれば、ディスプレイ画面には表示画像1101の4分の1の領域が表示される。そして、表示領域1102の移動は、カーソルの移動を用いて制御する。すなわち、ディスプレイ画面の周縁にカーソルを位置させた状態で、さらにその外側へカーソルを移動させるような操作が行われた場合に、この操作に応じて表示領域1102をカーソルの移動方向へ移動させる。
【0040】
図4は、米国マイクロソフト社のオペレーティングシステムであるWindowsの基本画面(デスクトップ画面)を表示画像1101として、表示領域1102を設定した様子を示す図である。また図5は、図4の表示領域1102をディスプレイ画面に表示した様子を示す図である。
オペレーティングシステムの基本画面は、本来、全体がディスプレイ画面に表示されることを想定しているが、従来技術において説明したように仮想画面による表示制御を行うことにより、基本画面を高解像度で作成した場合であっても、低解像度のディスプレイ画面に表示することが可能となる。
【0041】
次に、操作イベント検出部12及びカーソル移動情報生成部13にて実現される、特定の操作によるカーソルの動作制御について説明する。
図6は、本実施の形態におけるタッチパネルユニット100の入力面(以下、単に入力面と称す)の構成を説明する図である。
図6を参照すると、入力面600の周縁に所定の幅の操作領域601〜604を設けてある。操作領域601〜604は、入力面600の最外周から指やスタイラス・ペンでタッチすることができ、かつ所定の操作ができる程度の広さを有する。また、各操作領域601〜604の幅は、同一であっても良いし、異なっていても良い。操作イベント検出部12は、この操作領域601〜604において操作者の指やスタイラス・ペンによる特定のタッチ入力が行われた際に、操作イベントを検出する。
カーソル移動情報生成部13は、操作イベント検出部12により検出された操作イベントの種類に応じて、図6に示すように、カーソル610をディスプレイ画面の周縁からさらに外側へ向かって移動させる移動データを生成する。図示の例では入力面600の上側の操作領域601からさらにその上方へ移動させる移動データを生成する。そして、この移動データに基づいてカーソル動作制御部14がカーソル610を移動させる。
【0042】
ここで、カーソル610の動作はディスプレイ画面上で視認されるため、ディスプレイ画面の周縁から外側へ向かってカーソルを移動させるという表現を用いた。しかし、ディスプレイ画面に表示されている表示領域1102はオペレーティングシステムなどにより作成された表示画像1101の一部であるため、オペレーティングシステム及びオペレーティングシステムが提供するマウスドライバ340においては、単に表示画像1101上でカーソル610を移動したものとして扱われる。
そして、このカーソル610の移動が表示領域1102の境界を越えたため、仮想画面制御部15がビデオドライバによるローカルな(オペレーティングシステムによらない)制御により、表示領域1102を移動させることとなる。
【0043】
次に、タッチパネルの入力面600の操作領域601〜604に対して行われる操作について説明する。
本実施の形態においては、入力面600とディスプレイ画面とは同一の大きさを有し、完全に重なっている。したがって、操作領域601〜604に対応するディスプレイ画面の周縁にも、表示画像1101における表示領域1102の周縁に位置する画像が表示されており、表示画像1101上のアイコンやアプリケーションのボタンなどが存在する場合がある。このため、操作領域601〜604に対して指やスタイラス・ペンで単にタッチしただけで表示領域1102を移動させるように制御すると、操作領域601〜604に表示されているアイコンやボタンを操作しようとしてタッチしたことによって、表示領域1102が移動してしまい、アイコンやボタンの操作に支障をきたす恐れがある。
そこで、操作イベント検出部12が単なるタッチと区別して操作イベントを検出するための特定の操作を予め定めておく必要がある。この操作の内容(すなわち、操作イベントを発生させる条件)は、単なるタッチと区別できる操作であればどのような操作であっても良い。本実施の形態では代表的な2種類の操作について詳細に説明する。
【0044】
本実施の形態において提案する第1の操作は、操作領域601〜604に一定の時間タッチし続ける操作である。
これを実現するため、操作領域601〜604にタッチされたまま、時間t以上経過した場合に操作イベントを発生するタイムアウト条件を設定する。これにより、時間tの間、操作領域601〜604にタッチした指やスタイラス・ペンが留まっていると、操作イベント検出部12がタイムアウトを検知し、これに応じてカーソル移動情報生成部13がカーソル610の移動データを生成する。
【0045】
図6を参照して具体的に説明する。
初期設定として、一回のタイムアウトでカーソル移動情報生成部13が生成する移動データにおいてカーソル610を相対的に動かすドット数をdとする。また、カーソル610の入力面600におけるX方向の座標をh(1≦h≦H)、Y方向の座標をv(1≦v≦V)とし、操作領域601〜604の幅を一様にmとする。さらに、仮想画面制御部15は、カーソル610が表示領域1102の外側へdドット移動する場合、表示領域1102を表示画像1101上でカーソル610が移動する方向にdドット移動させることとする。
【0046】
まず、カーソル610のY座標vが1≦v≦mであるとき(操作領域601に対応)にタイムアウトが発生した場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を上方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が上方向へdドット移動する。
カーソル610のY座標vがV−m≦v≦Vであるとき(操作領域602に対応)にタイムアウトが発生した場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を下方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が下方向へdドット移動する。
カーソル610のX座標hが1≦h≦mであるとき(操作領域603に対応)にタイムアウトが発生した場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を左方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が左方向へdドット移動する。
カーソル610のX座標hがH−m≦h≦Hであるとき(操作領域604に対応)にタイムアウトが発生した場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を右方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が右方向へdドット移動する。
【0047】
以上の制御により、操作者が、操作領域601〜604にタッチすればカーソル610がタッチした位置に移動し、さらにタッチした指やスタイラス・ペンをタイムアウト条件である時間tの間そのまま留めておけば、ディスプレイ画面に表示されている表示領域1102が移動して、ディスプレイ画面の表示内容を上下左右にスクロールすることとなる。また、操作者が表示領域1102の移動後もさらに指やスタイラス・ペンをタッチしたまま留めておけば、タイムアウト条件である時間tが経過する度にディスプレイ画面の表示内容がスクロールし続けることとなる。
なお、上記の説明では入力面600の角の部分(座標(1〜m,1〜m)、(H−m〜H,1〜m)、(1〜m,V−m〜V)、(H−m〜H,V−m〜V)の4カ所)において、操作領域601〜604が重なっているが、この位置においては、例えば横方向の移動または縦方向の移動のいずれかを優先させることにより矛盾無く制御することができる。
【0048】
図7は、上述した第1の操作に対応する処理の流れを説明するフローチャートである。
図7を参照すると、まず、操作領域601〜604にタッチがなされ(ステップ701)、そのままの状態で一定時間が経過し、タイムアウト条件が満足すると(ステップ702)、操作イベント検出部12によりこの操作が検出される。そして、カーソル移動情報生成部13により、タッチがなされている操作領域601〜604に応じてカーソル610の移動データが生成される(ステップ703)。そして、生成されたカーソル610の移動データに応じて、カーソル動作制御部14によりカーソル610が移動され、このカーソル移動に応じて、仮想画面制御部15により表示領域1102が移動されて、ディスプレイ画面に表示されている画像が上下左右にスクロールする(ステップ704、705)。なお、操作領域601〜604以外の領域にタッチされた場合及び操作領域601〜604にタッチされたがタイムアウト条件を満足しない場合は(ステップ701、702でNo)、タッチ操作をマウスによる操作にエミュレーションする通常の処理を行う(ステップ706)。
【0049】
本実施の形態において提案する第2の操作は、操作領域601〜604にタッチしたまま特定の方向にカーソル610を移動させる操作である。
これを実現するため、操作領域601〜604に存在するカーソル610が特定の方向に移動した場合に操作イベントを発生する方向条件を設定する。なお、操作領域601〜604内におけるカーソル610の移動は、マウスエミュレータ11によりエミュレーションされる通常のタッチ入力である。これにより、操作領域601〜604に存在するカーソル610が方向条件を満足する方向へ移動すると、操作イベント検出部12が当該操作を検知し、これに応じてカーソル移動情報生成部13がカーソル610の移動データを生成する。
【0050】
図6を参照して具体的に説明する。なお、方向条件を満足する操作が一回行われた場合のカーソル移動情報生成部13が生成する移動データにおけるカーソル610の移動量をdドットとし、その他の初期設定は上述した第1の操作の場合と同様とする。
まず、カーソル610のY座標vが1≦v≦mであるとき(操作領域601に対応)にカーソル610を下から上へ動かす操作が行われた場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を上方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が上方向へdドット移動する。
カーソル610のY座標vがV−m≦v≦Vであるとき(操作領域602に対応)にカーソル610を上から下へ動かす操作が行われた場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を下方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が下方向へdドット移動する。
カーソル610のX座標hがH−m≦h≦Hであるとき(操作領域603に対応)にカーソル610を右から左へ動かす操作が行われた場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を左方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が左方向へdドット移動する。
カーソル610のX座標hがH−m≦h≦Hであるとき(操作領域604に対応)にカーソル610を左から右へ動かす操作が行われた場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を右方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が右方向へdドット移動する。
【0051】
以上の制御により、操作者が例えば操作領域601にタッチすればカーソル610がタッチした位置に移動し、さらにその領域内で指やスタイラス・ペンを上方へ移動させれば、ディスプレイ画面に表示されている表示領域1102が上方へ移動して、ディスプレイ画面の表示内容をスクロールすることとなる。同様に、他の各操作領域602〜604においても、その領域内で所定の方向に指やスタイラス・ペンを移動させることにより、表示領域1102がそれぞれの方向へ移動し、ディスプレイ画面の表示内容をスクロールする。
【0052】
図8は、上述した第2の操作に対応する処理の流れを説明するフローチャートである。
図8を参照すると、まず、操作領域601〜604にタッチがなされ(ステップ801)、さらに通常のタッチ入力において方向条件が満足するようにカーソル610が移動すると(ステップ802)、操作イベント検出部12によりこの操作が検出される。そして、タッチがなされている操作領域601〜604及びカーソル610の移動方向に応じて、カーソル移動情報生成部13によりカーソル610の移動データが生成される(ステップ803)。そして、生成されたカーソル610の移動データに応じて、カーソル動作制御部14によりカーソル610が移動され、このカーソル移動に応じて、仮想画面制御部15により表示領域1102が移動されて、ディスプレイ画面に表示されている画像が上下左右にスクロールする(ステップ804、805)。なお、操作領域601〜604以外の領域にタッチされた場合及び操作領域601〜604にタッチされたが方向条件を満足する操作が行われなかった場合は(ステップ801、802でNo)、タッチ操作をマウスによる操作にエミュレーションする通常の処理を行う(ステップ806)。
【0053】
なお、上記の操作において、カーソル610を移動させる方向は、ある程度の誤差を想定して設定することができる。例えば、操作領域601については、まっすぐ上方に移動するだけでなく、多少斜めに移動しても操作イベント検出部12において操作イベントを検出する。
また、操作者がタッチパネルにおいて所定の場所をポイントする場合、手作業であるため、ポイントした指やスタイラス・ペンが多少動くことがある。このような場合、操作者の意に反してディスプレイ画面の表示内容がスクロールしてしまうといった誤動作が発生する恐れがある。そこで、カーソル610の移動距離を操作イベント検出の条件に加え、操作領域601〜604において、カーソル610が一定以上の距離を動いた場合に操作イベント検出部12において操作イベントを検出するように制御することもできる。
【0054】
さらに、上記の操作例では方向条件を満足する操作が行われた場合のカーソル610の移動量をdドットとしたが、操作イベント検出の条件としてカーソル610の移動速度や加速度を加え、操作領域601〜604におけるカーソル610の移動が高速に行われた場合は、カーソル移動情報生成部13が生成する移動データによるカーソル610の移動距離を長くするような制御を行うこともできる。
【0055】
また、上記の操作例では、各操作領域601〜604に固有の方向条件を与えた。すなわち、入力面600の上方に位置する操作領域601では方向条件を上とし、入力面600の下方に位置する操作領域602では方向条件を下とし、入力面600の左方に位置する操作領域603では方向条件を左とし、入力面600の右方に位置する操作領域604では方向条件を右とした。これは、最初にタッチした位置からさらに外側へ指やスタイラス・ペンを移動させることにより、その方向へ表示領域1102を移動させるといった直感的に分かりやすい操作を実現する。
しかしながら、方向条件を各操作領域601〜604で固有とせず、全ての操作領域601〜604において指やスタイラス・ペンを上へ動かせば表示領域1102も上方へ移動し、指やスタイラス・ペンを左へ動かせば表示領域1102も左方へ移動するといった制御を行うこともできる。
【0056】
なお、本実施の形態では、入力面600に一定の操作領域601〜604を設定し、この領域内で特定の操作が行われた場合に操作イベント検出部12が操作イベントを検出することとした。しかし、特定の操作とカーソル610の移動とを対応付けるという技術的観点に立てば、操作領域601〜604は必ずしも必要ではない。すなわち、通常のタッチ入力では行われないような特殊な操作を予め定義しておき、当該操作が行われた場合に、操作イベント検出部12によりこの操作を検出し、カーソル移動情報生成部13により所定の移動データを生成するような制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0057】
11…マウスエミュレータ、12…操作イベント検出部、13…カーソル移動情報生成部、14…カーソル動作制御部、15…仮想画面制御部、100…タッチパネルユニット、310…タッチパネルコントローラ、320…シリアルドライバ、330…タッチパネルドライバ、340…マウスドライバ、600…入力面、601〜604…操作領域、1101…表示画像、1102…表示領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに係り、ディスプレイ装置の表示画面(以下、ディスプレイ画面と称す)の外側にまで表示画像が設定されている場合に、ディスプレイ画面に表示される表示領域を移動させる表示領域の移動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンピュータ装置における出力表示は高解像度化が進む傾向にある。これは、解像度が高い方が1画像に表示できる情報量が増えるためである。アプリケーションプログラムの中には、ある程度以上の高い解像度による表示を要求するものも存在する。
【0003】
この解像度の高い表示画像をディスプレイ画面上に表示するには、ディスプレイ画面にも同等の解像度が求められることとなる。しかし、大きさの固定されたディスプレイ画面において表示画像の解像度を上げると、これに応じて表示画像中の文字や図形が小さくなってしまうため、視認性が低下してしまう。大きなディスプレイ画面を用いれば、文字や図形を小さくすることなく高解像度の表示画像を表示することができる。しかし、携帯性が重視されるノートブック型パーソナルコンピュータなどでは、ディスプレイ画面の大きさに物理的な制限があるため、文字や図形の表示が小さくなってしまうことを回避できない。また、デスクトップ型パーソナルコンピュータにおいても、設置領域の大きさを考慮すれば、無制限に大きなディスプレイ画面を用意することはできない。
【0004】
そこで、低解像度のディスプレイ画面を用いて高解像度の表示画像を表示する手段として、仮想画面による表示技術がある。これは、ビデオメモリ上に展開された表示画像上にディスプレイ画面の大きさに相当する表示領域(ビューポート画面)を設定し、ディスプレイ画面にはこの表示領域の内容を表示する技術である。
【0005】
図11は、表示画像と表示領域の関係を説明する図である。
図11において、表示画像1101の解像度は1600(dots)×1200(dots)であり、表示領域1102の解像度は800(dots)×600(dots)であるものとする。この場合、表示画像1101と表示領域1102の解像度を考慮すれば、ディスプレイ画面には表示画像1101の4分の1の領域が表示されることとなる。
【0006】
この仮想画面による表示技術において、表示領域1102は表示画像1101上を移動することができる。表示領域1102が表示画像1101上を移動するとき、ディスプレイ画面の表示は上下左右にスクロールすることとなる。この表示領域1102の移動は、GUI(Graphical User Interface)におけるカーソル(マウスポインタ)の移動を用いて制御するのが一般的である。すなわち、ディスプレイ画面の周縁にカーソルを位置させた状態で、さらにその外側へカーソルを移動させるようにマウスを操作すると、この操作に応じて表示領域1102をカーソルの移動方向へ移動させる。
【0007】
ところで、このカーソルの移動による表示領域1102の移動制御は、ポインティングデバイスとして、マウスやトラックポイント、トラックパッド、トラックボールなどを用いる場合には適用が容易であるが、タッチパネルを用いる場合には単純に適用することはできない。
タッチパネルは、ディスプレイ画面上に感圧式や静電式のパネルを載せ、表示画面の表面へのタッチによる位置情報を検出してパーソナルコンピュータに送る装置である。この種の、タッチパネルにおいては、表示画面に対して操作者の指や入力用のスタイラス・ペンによるタッチが行われると、タッチされた位置までカーソルを移動する。
【0008】
マウスやトラックポイント、トラックパッド、トラックボールなどでは、操作に応じて、カーソルを現在の位置からどの方向にどれだけ動かすかといった相対的な指定を相対画素データにより行う。このため、カーソルがディスプレイ画面の周縁に位置していても、さらにその外側へ向けてカーソルを移動させるような操作を行うことができる。したがって、これらをポインティングデバイスとして用いるならば、表示画像1101における表示領域1102の外側へカーソルを移動させることは容易である。
【0009】
しかし、タッチパネルでは、ディスプレイ画面上の座標とタッチによる入力(以下、タッチ入力と称す)を受け付けるパネル上の座標とが1対1で対応しているため、カーソルの移動先として表示領域1102の外側を指定することができない。すなわち、ディスプレイ画面の周縁とタッチパネルの周縁とが一致してしまうため、その外側をタッチしてカーソルを移動させることができなかった。
【0010】
この問題を解決し、ポインティングデバイスとしてタッチパネルを用いながら仮想画面による表示技術を採用するための従来技術として、例えば、下記特許文献1に開示された技術がある。図9は、同公報に開示された従来技術を説明する図である。図9において、ディスプレイ装置900は、領域901と領域902とを備える。領域901は、タッチ入力を受け付ける有効領域である。また、領域902は、画像が表示される有効表示領域であり、ディスプレイ画面に相当する。図示のように、領域901は領域902よりも広く、領域902の周囲にまで及んでいる。すなわち、この従来技術では、ディスプレイ画面の外側にタッチ入力を受け付けるための領域が存在する。
この従来技術では、領域901のうちの領域902と重なっていない部分である領域903へ行われたタッチ入力を、仮想画面におけるディスプレイ画面の外側への移動を指示する操作として受け付け、ディスプレイ画面の表示をスクロールさせる。
【0011】
また、ポインティングデバイスとしてタッチパネルを用いながら仮想画面による表示技術を採用するための他の従来技術として、下記特許文献2に開示されたナビゲーション装置がある。図10は、同公報に開示された従来技術を説明する図である。この従来技術では、ナビゲーション装置のディスプレイ画面1000の端部分にタッチすることにより、任意の方向へ表示をスクロールさせ、ディスプレイ画面に現在表示している地図を超える範囲を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平7−72976号公報
【特許文献2】特開2000−180188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術は、ディスプレイ画面の外側にまでタッチ入力を受け付けるための一定の領域を設けているため、ディスプレイ画面の大きさは、ディスプレイ装置の全体の大きさに比べて、このタッチ入力を受け付ける領域の分だけ小さくならざるを得ない。これは、ノートブック型パーソナルコンピュータのように、物理的に制限された大きさの中でできるだけ大きなディスプレイ画面を得ようとする場合には好ましくない。
【0014】
また、特許文献2に記載された従来技術は、ディスプレイ画面の端部分にタッチすることによって表示をスクロールさせるものであるため、ディスプレイ画面の外側に一定の領域を設けるためにディスプレイ画面自体の大きさが犠牲になることはない。しかしながら、この機能は、ナビゲーションシステムのように特定の閉じたアプリケーションにおいては有効であるが、オペレーティングシステムが提供する基本画面(デスクトップ画面)などの汎用的な環境で利用すると不具合が生じる場合がある。
【0015】
すなわち、そのような汎用的な環境では、ディスプレイ画面の周縁付近にアイコンや表示されているアプリケーションのボタンなどのオブジェクトが存在する場合がある。そのため、ディスプレイ画面の周縁にタッチされた場合、当該オブジェクトをポイントしたいのか、ディスプレイ画面の表示をスクロールさせたいのか判断できない。したがって、操作者にとっては、オブジェクトをポイントしただけで意に反して表示がスクロールしてしまうといった状況が起こり得る。
【0016】
そこで本発明は、タッチパネルにおいて、ディスプレイ画面の外側にタッチ入力を受け付ける領域を設けることなく、ディスプレイ画面へのタッチ操作によりディスプレイ画面の外側に設定された表示画像への表示領域の移動制御を可能にすることを目的とする。
【0017】
また、本発明は、タッチパネルにおいて、ディスプレイ画面へのタッチ操作によるディスプレイ画面の外側に設定された表示画像に対する表示領域の移動制御を、オペレーティングシステムの基本画面のような汎用的な環境で利用可能とすることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するため、本発明は、入力手段としてタッチパネルを備え、このタッチパネルへのタッチ操作による入力をカーソルの動作に変換して処理するデータ処理装置において、タッチパネルに対する入力操作のうち、タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらにこの操作領域内でカーソルを移動させる操作が行われた場合にこの操作を検出する操作イベント検出部と、検出された操作におけるカーソルの移動方向に応じて、カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成する移動情報生成部と、生成された移動情報に基づいて表示画像上でカーソルの位置を移動させるカーソル動作制御部と、カーソル動作制御部によるカーソルの移動に応じてディスプレイ画面の表示内容をスクロールさせる表示制御部とを備えることを特徴とする。
このデータ処理装置は、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ装置の他、PDA、タッチパネルを備えた家電製品などを含む。また、表示制御部は、例えばコンピュータ装置におけるビデオドライバとすることができる。
【0019】
ここで、この操作イベント検出部は、ディスプレイ画面と大きさが一致するタッチパネルの入力面に設定された操作領域に対して、カーソルを移動させる操作が行われた場合に、この操作を検出する。
この操作領域は、ディスプレイ画面のどの位置に設定しても良いが、より好ましくは、タッチパネルの入力面の周縁に設定することができる。ここで、周縁とは、タッチパネルの入力面の最外周から指やスタイラス・ペンでタッチすることができ、かつ所定の操作ができる程度の幅を有する領域である。
また、上述のようにこの入力画面はディスプレイ画面と大きさが一致しているので、この操作領域にも表示画像が表示されることとなる。そして、この操作領域は、予め設定された操作だけでなく、当該表示への通常の入力も受け付ける。
【0020】
操作イベント検出部は、カーソルを移動させる操作におけるカーソルの移動距離が予め定められた一定距離以上である場合に、この操作を検出することとしても良い。
また、移動情報生成部は、操作イベント検出部により検出された操作におけるカーソルの移動速度に応じて、生成する移動情報におけるカーソルの移動距離を決定することとしても良い。
【0021】
また、本発明のデータ処理装置は、GUIにより種々の入力処理を受け付け、出力を行うための入出力画面を作成し、この入出力画面上でのカーソルの動作を制御する基本制御部と、タッチパネルに対する入力をこの基本制御部におけるカーソルの移動情報に変換してこの基本制御部に送る入力制御部と、この入出力画面に基づいてディスプレイ画面よりも大きい表示画像を生成し、この表示画像上にこのディスプレイ画面に対応する大きさの表示領域を設定し、このディスプレイ画面にこの表示領域を表示させる表示制御部とを備え、この入力制御部は、タッチパネルに対する入力操作のうち、タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらにこの操作領域内でカーソルを移動させる操作が行われた場合に、この操作を検出する操作イベント検出部と、この操作イベント検出部により検出された操作におけるカーソルの移動方向に応じて、カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成して基本制御部へ送る移動情報生成部とを備え、表示制御部は、カーソルが表示領域を越えて移動する場合に、表示画像上においてこのカーソルの移動方向に表示領域を移動させる構成とすることができる。
ここで、基本制御部は、例えば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置におけるオペレーティングシステムとすることができる。入力制御部は、タッチパネルの動作を制御するタッチパネルドライバとすることができる。
【0022】
さらにまた、本発明は、次のように構成されたことを特徴とする入出力装置を提供する。すなわち、この入出力装置は、ディスプレイ画面上に表示された表示画像へのタッチ操作を入力として受け付けるタッチパネルユニットと、このタッチパネルユニットによる入力をカーソルの動作に変換して処理する処理部とを備え、この処理部は、このタッチパネルユニットの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらにこの操作領域内でカーソルを移動させる操作が行われた場合に、この操作におけるカーソルの移動方向に応じて、カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成し、このタッチパネルユニットは、この処理部により生成された移動情報に基づく表示命令にしたがってディスプレイ画面に表示画像を表示し、かつこの表示画像をスクロールすることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、タッチパネルの制御方法において、このタッチパネルに対する入力操作のうち、タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらにこの操作領域内でカーソルを移動させる操作が行われた場合にこの操作を検出するステップと、検出された操作におけるカーソルの移動方向に応じて、カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成するステップとを含む。
【0024】
ここで、この操作を検出するステップでは、カーソルを移動させる操作におけるカーソルの移動距離が予め定められた一定距離以上である場合に、この操作を検出することとしても良い。
また、カーソルの移動情報を生成するステップでは、検出された操作におけるカーソルの移動速度に応じて、生成する移動情報におけるカーソルの移動距離を決定することとしても良い。
【0025】
さらに、本発明は、これらのステップに対応する処理をコンピュータに実行させるプログラムであるタッチパネルドライバとして作成し、このタッチパネルドライバを格納した記憶媒体や、このタッチパネルドライバを伝送するプログラム伝送装置として提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ディスプレイ画面の外側にタッチ入力を受け付ける領域を設けることなく、ディスプレイ画面へのタッチ操作によりディスプレイ画面の外側に設定された表示画像への表示領域の移動を制御することができる。
また、本発明によれば、ディスプレイ画面へのタッチ操作によるディスプレイ画面の外側に設定された表示画像に対する表示領域の移動制御を、オペレーティングシステムの基本画面のような汎用的な環境で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施の形態におけるタッチパネル制御システムの構成を説明する図である。
【図2】本実施の形態によるタッチパネル制御を実現搭載するコンピュータ装置の構成例を示す図である。
【図3】本実施の形態のタッチパネル制御を実現するソフトウェアの構成例を示す図である。
【図4】オペレーティングシステムの基本画面(デスクトップ画面)に対して表示領域を設定した様子を例示する図である。
【図5】図4の表示領域をディスプレイ画面に表示した様子を例示する図である。
【図6】本実施の形態におけるタッチパネルユニットの入力面の構成を説明する図である。
【図7】本実施の形態における、第1の特定の操作に対応する処理の流れを説明するフローチャートである。
【図8】本実施の形態における、第2の特定の操作に対応する処理の流れを説明するフローチャートである。
【図9】従来のタッチパネルによる表示制御を説明する図である。
【図10】従来のタッチパネルによる他の表示制御を説明する図である。
【図11】ディスプレイ画面に対する表示制御において、ビデオメモリに展開される表示画像とディスプレイ画面に表示される表示領域との関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図2は、本実施の形態によるタッチパネル制御を実現搭載するコンピュータ装置の構成例を示す図である。
図2を参照すると、このコンピュータ装置は、CPU(中央処理装置)20と、システムバスを介してCPU20に接続されたM/B(マザーボード)チップセット30及びメインメモリ40と、PCIバスなどの高速なバスを介してM/Bチップセット30に接続されたビデオカード50及びハードディスク60と、さらにブリッジ回路200及びISAバスなどの低速なバスを介してM/Bチップセット30に接続されたフロッピー(登録商標)ディスクドライブ70、キーボード80及びシリアルI/Oポート90と、シリアルI/Oポート90に接続されたタッチパネルユニット100とを備える。
【0029】
なお、図2は本実施の形態のタッチパネル制御を実現するコンピュータ装置の構成を例示するに過ぎず、本実施の形態を適用可能であれば、他の種々のシステム構成を取ることが可能である。例えば図2では、シリアルI/Oポート90を介してタッチパネルユニット100をシステムに接続しているが、パラレルI/OポートやUSB(Universal Serial Bus)を介してシステムに接続するようにしても良い。また、ビデオカード50の代わりにビデオメモリのみを設け、CPU20自身が描画命令を実行するようなシステム構成とすることも可能である。さらに、図示はしないが、一般的なコンピュータ装置には、入力手段としてのマウス、音声入出力機構、CD−ROMドライブなどが接続される。
また、本実施の形態は、図2に示したようなパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ装置の他、各種のPDA(Personal Digital Assistants)、コンピュータにて制御されるテレビ受像機その他の家電製品などであって、入力手段としてタッチパネルを備えたハードウェアにても実現することができる。
【0030】
図3は、本実施の形態のタッチパネル制御を実現するソフトウェアの構成例を示す図である。
図3を参照すると、タッチパネルユニット100から入力された入力データは、ディスプレイ画面と1対1で対応するパネル上の座標データである。この入力データは、タッチパネルコントローラ310とシリアルI/Oポートを制御するシリアルドライバ320とを経てタッチパネルドライバ330にて処理される。
タッチパネルドライバ330において、座標データは、カーソルの移動データに変換される。また、後述するように、タッチパネルユニット100へのタッチ入力の中から特定の操作を示す操作イベントを検出し、これを対応するカーソルの移動データに置き換える。このようにして生成されたカーソルはオペレーティングシステムのマウスドライバ340に送られる。
これにより、オペレーティングシステムは、マウスによる入力と全く変わらずにタッチパネルユニット100からの入力を扱うことができる。
【0031】
なお、図3は図2のコンピュータ装置を想定した本実施の形態を実現するソフトウェア構成の一例に過ぎない。タッチパネルユニット100からの入力をエミュレーションしてマウスドライバ340で処理できるデータに変換する手段を有していれば、図示の構成の他にも、タッチパネルユニット100の接続手段や本実施の形態を適用するハードウェアの構成に応じて、種々の構成を取り得る。また、マウスドライバ340を介さずに、タッチパネルユニット100からの入力データに基づいて直接カーソルの移動を制御する構成とすることも可能である。
【0032】
図1は、本実施の形態におけるタッチパネル制御システムの構成を説明する図である。
図1を参照すると、本実施の形態のタッチパネル制御システムは、タッチパネルユニット100に対するタッチ入力をマウスによる入力に変換するマウスエミュレータ11と、タッチパネルユニット100に対するタッチ入力の中から特定の操作イベントを検出する操作イベント検出部12と、操作イベント検出部12により検出された操作イベントに応じたカーソルの移動情報を生成するカーソル移動情報生成部13と、マウスによる入力に応じてカーソルの動作を制御するカーソル動作制御部14と、カーソルの動作に応じてタッチパネルユニット100のディスプレイ画面に表示する表示画像上の表示領域の移動を制御する表示制御部としての仮想画面制御部15とを備える。なお、図1において、矢印はデータの流れを示す。
【0033】
図1に示す各構成要素は、コンピュータプログラムにより制御された図2のCPU20にて実現される仮想的なソフトウェアブロックである。このコンピュータプログラムは、例えば図2のメインメモリ40に読み込まれてCPU20の動作を制御する。かかるコンピュータプログラムは、CD−ROMやフロッピーディスクなどの記憶媒体に格納したり、ネットワークを介して伝送したりすることにより提供される。
【0034】
上記構成において、マウスエミュレータ11、操作イベント検出部12及びカーソル移動情報生成部13は、例えば、図3に示したタッチパネルドライバ330の機能として設けられる。
マウスエミュレータ11は、上述したように、タッチパネルユニット100から入力される座標データを、マウスによる入力データと同等のカーソルの移動データに変換し、出力する。
【0035】
操作イベント検出部12は、タッチパネルユニット100に対するタッチ入力の中から、タッチパネルユニット100の特定の場所に特定の手順でタッチ入力が行われたというような特定の操作が行われた場合に、これを操作イベントとして検出する。操作イベントの詳細な内容については後述する。
【0036】
カーソル移動情報生成部13は、操作イベント検出部12により検出された操作イベントの種類に応じて、予め設定された方向に予め設定された距離だけカーソルが移動したことを示す移動データを生成し、出力する。カーソル移動情報生成部13の具体的な動作については、操作イベントの内容と共に後述する。
【0037】
カーソル動作制御部14は、例えば、図3に示したマウスドライバ340の機能として実現される。カーソル動作制御部14は、マウスエミュレータ11及びカーソル移動情報生成部13から出力されたカーソルの移動データに基づいて、ディスプレイ画面に表示する表示画像上でカーソルを移動させ、必要に応じてオブジェクトをポイントするなどの処理を行う。
【0038】
仮想画面制御部15は、例えば、図2に示したビデオカード50の動作を制御するビデオドライバの機能として実現される。仮想画面制御部15は、ビデオカード50を制御して、CPU20から出力された描画命令に基づき、表示画像の描画データを作成する。また、仮想画面による表示制御を実行し、表示画像上にディスプレイ画面に実際に表示させる表示領域を設定する。
【0039】
仮想画面による表示制御の手法は、従来から一般的に用いられている手法を用いることができる。すなわち、例えば図11に示したように、表示画像1101の解像度を1600(dots)×1200(dots)とし、表示領域1102の解像度を800(dots)×600(dots)とすれば、ディスプレイ画面には表示画像1101の4分の1の領域が表示される。そして、表示領域1102の移動は、カーソルの移動を用いて制御する。すなわち、ディスプレイ画面の周縁にカーソルを位置させた状態で、さらにその外側へカーソルを移動させるような操作が行われた場合に、この操作に応じて表示領域1102をカーソルの移動方向へ移動させる。
【0040】
図4は、米国マイクロソフト社のオペレーティングシステムであるWindowsの基本画面(デスクトップ画面)を表示画像1101として、表示領域1102を設定した様子を示す図である。また図5は、図4の表示領域1102をディスプレイ画面に表示した様子を示す図である。
オペレーティングシステムの基本画面は、本来、全体がディスプレイ画面に表示されることを想定しているが、従来技術において説明したように仮想画面による表示制御を行うことにより、基本画面を高解像度で作成した場合であっても、低解像度のディスプレイ画面に表示することが可能となる。
【0041】
次に、操作イベント検出部12及びカーソル移動情報生成部13にて実現される、特定の操作によるカーソルの動作制御について説明する。
図6は、本実施の形態におけるタッチパネルユニット100の入力面(以下、単に入力面と称す)の構成を説明する図である。
図6を参照すると、入力面600の周縁に所定の幅の操作領域601〜604を設けてある。操作領域601〜604は、入力面600の最外周から指やスタイラス・ペンでタッチすることができ、かつ所定の操作ができる程度の広さを有する。また、各操作領域601〜604の幅は、同一であっても良いし、異なっていても良い。操作イベント検出部12は、この操作領域601〜604において操作者の指やスタイラス・ペンによる特定のタッチ入力が行われた際に、操作イベントを検出する。
カーソル移動情報生成部13は、操作イベント検出部12により検出された操作イベントの種類に応じて、図6に示すように、カーソル610をディスプレイ画面の周縁からさらに外側へ向かって移動させる移動データを生成する。図示の例では入力面600の上側の操作領域601からさらにその上方へ移動させる移動データを生成する。そして、この移動データに基づいてカーソル動作制御部14がカーソル610を移動させる。
【0042】
ここで、カーソル610の動作はディスプレイ画面上で視認されるため、ディスプレイ画面の周縁から外側へ向かってカーソルを移動させるという表現を用いた。しかし、ディスプレイ画面に表示されている表示領域1102はオペレーティングシステムなどにより作成された表示画像1101の一部であるため、オペレーティングシステム及びオペレーティングシステムが提供するマウスドライバ340においては、単に表示画像1101上でカーソル610を移動したものとして扱われる。
そして、このカーソル610の移動が表示領域1102の境界を越えたため、仮想画面制御部15がビデオドライバによるローカルな(オペレーティングシステムによらない)制御により、表示領域1102を移動させることとなる。
【0043】
次に、タッチパネルの入力面600の操作領域601〜604に対して行われる操作について説明する。
本実施の形態においては、入力面600とディスプレイ画面とは同一の大きさを有し、完全に重なっている。したがって、操作領域601〜604に対応するディスプレイ画面の周縁にも、表示画像1101における表示領域1102の周縁に位置する画像が表示されており、表示画像1101上のアイコンやアプリケーションのボタンなどが存在する場合がある。このため、操作領域601〜604に対して指やスタイラス・ペンで単にタッチしただけで表示領域1102を移動させるように制御すると、操作領域601〜604に表示されているアイコンやボタンを操作しようとしてタッチしたことによって、表示領域1102が移動してしまい、アイコンやボタンの操作に支障をきたす恐れがある。
そこで、操作イベント検出部12が単なるタッチと区別して操作イベントを検出するための特定の操作を予め定めておく必要がある。この操作の内容(すなわち、操作イベントを発生させる条件)は、単なるタッチと区別できる操作であればどのような操作であっても良い。本実施の形態では代表的な2種類の操作について詳細に説明する。
【0044】
本実施の形態において提案する第1の操作は、操作領域601〜604に一定の時間タッチし続ける操作である。
これを実現するため、操作領域601〜604にタッチされたまま、時間t以上経過した場合に操作イベントを発生するタイムアウト条件を設定する。これにより、時間tの間、操作領域601〜604にタッチした指やスタイラス・ペンが留まっていると、操作イベント検出部12がタイムアウトを検知し、これに応じてカーソル移動情報生成部13がカーソル610の移動データを生成する。
【0045】
図6を参照して具体的に説明する。
初期設定として、一回のタイムアウトでカーソル移動情報生成部13が生成する移動データにおいてカーソル610を相対的に動かすドット数をdとする。また、カーソル610の入力面600におけるX方向の座標をh(1≦h≦H)、Y方向の座標をv(1≦v≦V)とし、操作領域601〜604の幅を一様にmとする。さらに、仮想画面制御部15は、カーソル610が表示領域1102の外側へdドット移動する場合、表示領域1102を表示画像1101上でカーソル610が移動する方向にdドット移動させることとする。
【0046】
まず、カーソル610のY座標vが1≦v≦mであるとき(操作領域601に対応)にタイムアウトが発生した場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を上方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が上方向へdドット移動する。
カーソル610のY座標vがV−m≦v≦Vであるとき(操作領域602に対応)にタイムアウトが発生した場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を下方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が下方向へdドット移動する。
カーソル610のX座標hが1≦h≦mであるとき(操作領域603に対応)にタイムアウトが発生した場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を左方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が左方向へdドット移動する。
カーソル610のX座標hがH−m≦h≦Hであるとき(操作領域604に対応)にタイムアウトが発生した場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を右方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が右方向へdドット移動する。
【0047】
以上の制御により、操作者が、操作領域601〜604にタッチすればカーソル610がタッチした位置に移動し、さらにタッチした指やスタイラス・ペンをタイムアウト条件である時間tの間そのまま留めておけば、ディスプレイ画面に表示されている表示領域1102が移動して、ディスプレイ画面の表示内容を上下左右にスクロールすることとなる。また、操作者が表示領域1102の移動後もさらに指やスタイラス・ペンをタッチしたまま留めておけば、タイムアウト条件である時間tが経過する度にディスプレイ画面の表示内容がスクロールし続けることとなる。
なお、上記の説明では入力面600の角の部分(座標(1〜m,1〜m)、(H−m〜H,1〜m)、(1〜m,V−m〜V)、(H−m〜H,V−m〜V)の4カ所)において、操作領域601〜604が重なっているが、この位置においては、例えば横方向の移動または縦方向の移動のいずれかを優先させることにより矛盾無く制御することができる。
【0048】
図7は、上述した第1の操作に対応する処理の流れを説明するフローチャートである。
図7を参照すると、まず、操作領域601〜604にタッチがなされ(ステップ701)、そのままの状態で一定時間が経過し、タイムアウト条件が満足すると(ステップ702)、操作イベント検出部12によりこの操作が検出される。そして、カーソル移動情報生成部13により、タッチがなされている操作領域601〜604に応じてカーソル610の移動データが生成される(ステップ703)。そして、生成されたカーソル610の移動データに応じて、カーソル動作制御部14によりカーソル610が移動され、このカーソル移動に応じて、仮想画面制御部15により表示領域1102が移動されて、ディスプレイ画面に表示されている画像が上下左右にスクロールする(ステップ704、705)。なお、操作領域601〜604以外の領域にタッチされた場合及び操作領域601〜604にタッチされたがタイムアウト条件を満足しない場合は(ステップ701、702でNo)、タッチ操作をマウスによる操作にエミュレーションする通常の処理を行う(ステップ706)。
【0049】
本実施の形態において提案する第2の操作は、操作領域601〜604にタッチしたまま特定の方向にカーソル610を移動させる操作である。
これを実現するため、操作領域601〜604に存在するカーソル610が特定の方向に移動した場合に操作イベントを発生する方向条件を設定する。なお、操作領域601〜604内におけるカーソル610の移動は、マウスエミュレータ11によりエミュレーションされる通常のタッチ入力である。これにより、操作領域601〜604に存在するカーソル610が方向条件を満足する方向へ移動すると、操作イベント検出部12が当該操作を検知し、これに応じてカーソル移動情報生成部13がカーソル610の移動データを生成する。
【0050】
図6を参照して具体的に説明する。なお、方向条件を満足する操作が一回行われた場合のカーソル移動情報生成部13が生成する移動データにおけるカーソル610の移動量をdドットとし、その他の初期設定は上述した第1の操作の場合と同様とする。
まず、カーソル610のY座標vが1≦v≦mであるとき(操作領域601に対応)にカーソル610を下から上へ動かす操作が行われた場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を上方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が上方向へdドット移動する。
カーソル610のY座標vがV−m≦v≦Vであるとき(操作領域602に対応)にカーソル610を上から下へ動かす操作が行われた場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を下方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が下方向へdドット移動する。
カーソル610のX座標hがH−m≦h≦Hであるとき(操作領域603に対応)にカーソル610を右から左へ動かす操作が行われた場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を左方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が左方向へdドット移動する。
カーソル610のX座標hがH−m≦h≦Hであるとき(操作領域604に対応)にカーソル610を左から右へ動かす操作が行われた場合、操作イベント検出部12による当該イベントの検出に応じて、カーソル移動情報生成部13は、カーソル610を右方向にdドット移動させる。そして、仮想画面制御部15の制御により、表示領域1102が右方向へdドット移動する。
【0051】
以上の制御により、操作者が例えば操作領域601にタッチすればカーソル610がタッチした位置に移動し、さらにその領域内で指やスタイラス・ペンを上方へ移動させれば、ディスプレイ画面に表示されている表示領域1102が上方へ移動して、ディスプレイ画面の表示内容をスクロールすることとなる。同様に、他の各操作領域602〜604においても、その領域内で所定の方向に指やスタイラス・ペンを移動させることにより、表示領域1102がそれぞれの方向へ移動し、ディスプレイ画面の表示内容をスクロールする。
【0052】
図8は、上述した第2の操作に対応する処理の流れを説明するフローチャートである。
図8を参照すると、まず、操作領域601〜604にタッチがなされ(ステップ801)、さらに通常のタッチ入力において方向条件が満足するようにカーソル610が移動すると(ステップ802)、操作イベント検出部12によりこの操作が検出される。そして、タッチがなされている操作領域601〜604及びカーソル610の移動方向に応じて、カーソル移動情報生成部13によりカーソル610の移動データが生成される(ステップ803)。そして、生成されたカーソル610の移動データに応じて、カーソル動作制御部14によりカーソル610が移動され、このカーソル移動に応じて、仮想画面制御部15により表示領域1102が移動されて、ディスプレイ画面に表示されている画像が上下左右にスクロールする(ステップ804、805)。なお、操作領域601〜604以外の領域にタッチされた場合及び操作領域601〜604にタッチされたが方向条件を満足する操作が行われなかった場合は(ステップ801、802でNo)、タッチ操作をマウスによる操作にエミュレーションする通常の処理を行う(ステップ806)。
【0053】
なお、上記の操作において、カーソル610を移動させる方向は、ある程度の誤差を想定して設定することができる。例えば、操作領域601については、まっすぐ上方に移動するだけでなく、多少斜めに移動しても操作イベント検出部12において操作イベントを検出する。
また、操作者がタッチパネルにおいて所定の場所をポイントする場合、手作業であるため、ポイントした指やスタイラス・ペンが多少動くことがある。このような場合、操作者の意に反してディスプレイ画面の表示内容がスクロールしてしまうといった誤動作が発生する恐れがある。そこで、カーソル610の移動距離を操作イベント検出の条件に加え、操作領域601〜604において、カーソル610が一定以上の距離を動いた場合に操作イベント検出部12において操作イベントを検出するように制御することもできる。
【0054】
さらに、上記の操作例では方向条件を満足する操作が行われた場合のカーソル610の移動量をdドットとしたが、操作イベント検出の条件としてカーソル610の移動速度や加速度を加え、操作領域601〜604におけるカーソル610の移動が高速に行われた場合は、カーソル移動情報生成部13が生成する移動データによるカーソル610の移動距離を長くするような制御を行うこともできる。
【0055】
また、上記の操作例では、各操作領域601〜604に固有の方向条件を与えた。すなわち、入力面600の上方に位置する操作領域601では方向条件を上とし、入力面600の下方に位置する操作領域602では方向条件を下とし、入力面600の左方に位置する操作領域603では方向条件を左とし、入力面600の右方に位置する操作領域604では方向条件を右とした。これは、最初にタッチした位置からさらに外側へ指やスタイラス・ペンを移動させることにより、その方向へ表示領域1102を移動させるといった直感的に分かりやすい操作を実現する。
しかしながら、方向条件を各操作領域601〜604で固有とせず、全ての操作領域601〜604において指やスタイラス・ペンを上へ動かせば表示領域1102も上方へ移動し、指やスタイラス・ペンを左へ動かせば表示領域1102も左方へ移動するといった制御を行うこともできる。
【0056】
なお、本実施の形態では、入力面600に一定の操作領域601〜604を設定し、この領域内で特定の操作が行われた場合に操作イベント検出部12が操作イベントを検出することとした。しかし、特定の操作とカーソル610の移動とを対応付けるという技術的観点に立てば、操作領域601〜604は必ずしも必要ではない。すなわち、通常のタッチ入力では行われないような特殊な操作を予め定義しておき、当該操作が行われた場合に、操作イベント検出部12によりこの操作を検出し、カーソル移動情報生成部13により所定の移動データを生成するような制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0057】
11…マウスエミュレータ、12…操作イベント検出部、13…カーソル移動情報生成部、14…カーソル動作制御部、15…仮想画面制御部、100…タッチパネルユニット、310…タッチパネルコントローラ、320…シリアルドライバ、330…タッチパネルドライバ、340…マウスドライバ、600…入力面、601〜604…操作領域、1101…表示画像、1102…表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段として、ディスプレイ画面上に表示された表示画像へのタッチ操作を入力として受け付けるタッチパネルを備え、当該タッチパネルへのタッチ操作による入力をカーソルの動作に変換して処理するデータ処理装置において、
前記タッチパネルに対する入力操作のうち、当該タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作を検出する操作イベント検出部と、
前記操作イベント検出部により検出された前記操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であって前記ディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成する移動情報生成部と、
前記移動情報生成部により生成された移動情報に基づいて前記表示画像上で前記カーソルの位置を移動させるカーソル動作制御部と、
前記カーソル動作制御部によるカーソルの移動に応じて前記ディスプレイ画面の表示内容をスクロールさせる表示制御部と
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記操作イベント検出部は、前記ディスプレイ画面と大きさが一致する前記タッチパネルの入力面に設定された操作領域に対して、前記カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作を検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記操作イベント検出部は、前記ディスプレイ画面と大きさが一致する前記タッチパネルの入力面の周縁に設定された操作領域に対して、前記カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作を検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記操作イベント検出部は、前記カーソルを移動させる操作において当該カーソルの移動距離が予め定められた一定距離以上である場合に、当該操作を検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記移動情報生成部は、前記操作イベント検出部により検出された前記操作における前記カーソルの移動速度に応じて、前記移動情報における当該カーソルの移動距離を決定することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
入力手段として、ディスプレイ画面上に表示された表示画像へのタッチ操作を入力として受け付けるタッチパネルを備えたデータ処理装置において、
GUIにより種々の入力処理を受け付け、出力を行うための入出力画面を作成し、当該入出力画面上でのカーソルの動作を制御する基本制御部と、
前記タッチパネルに対する入力を前記基本制御部におけるカーソルの移動情報に変換して前記基本制御部に送る入力制御部と、
前記入出力画面に基づいて前記ディスプレイ画面よりも大きい表示画像を生成し、当該表示画像上に前記ディスプレイ画面に対応する大きさの表示領域を設定し、前記ディスプレイ画面に当該表示領域を表示させる表示制御部とを備え、
前記入力制御部は、
前記タッチパネルに対する入力操作のうち、当該タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作を検出する操作イベント検出部と、
前記操作イベント検出部により検出された前記操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であって前記ディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成して前記基本制御部へ送る移動情報生成部とを備え、
前記表示制御部は、
前記カーソルが当該表示領域を越えて移動する場合に、前記表示画像上において当該カーソルの移動方向に当該表示領域を移動させること
を特徴とするデータ処理装置。
【請求項7】
前記入力制御部の前記操作イベント検出部は、前記ディスプレイ画面と大きさが一致する前記タッチパネルの入力面の周縁に設定された操作領域に対して、前記カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作を検出することを特徴とする請求項6に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
ディスプレイ画面上に表示された表示画像へのタッチ操作を入力として受け付けるタッチパネルユニットと、
前記タッチパネルユニットによる入力をカーソルの動作に変換して処理する処理部とを備え、
前記処理部は、前記タッチパネルユニットの入力面に設定された操作領域に前記カーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であって前記ディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成し、
前記タッチパネルユニットは、前記処理部により生成された前記移動情報に基づく表示命令にしたがって前記ディスプレイ画面に表示画像を表示し、かつ当該表示画像をスクロールすること
を特徴とする入出力装置。
【請求項9】
前記タッチパネルユニットは、前記ディスプレイ画面と同じ大きさの入力面を備え、当該入力面の周縁に、前記カーソルを移動させる操作を受け付ける操作領域を備え、
前記処理部は、前記入力面の操作領域に対して行われた操作に応じてカーソルの前記移動情報を生成すること
を特徴とする請求項8に記載の入出力装置。
【請求項10】
ディスプレイ画面上に表示された表示画像へのタッチ操作を入力として受け付けるタッチパネルの制御方法において、
前記タッチパネルに対する入力操作のうち、当該タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に当該操作を検出するステップと、
検出された前記操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であって前記ディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成するステップと
前記移動情報に基づく表示命令にしたがって前記ディスプレイ画面に表示画像を表示し、かつ当該表示画像をスクロールするステップと、
を含むことを特徴とするタッチパネルの制御方法。
【請求項11】
前記操作を検出するステップは、前記カーソルを移動させる操作において当該カーソルの移動距離が予め定められた一定距離以上である場合に、当該操作を検出するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のタッチパネルの制御方法。
【請求項12】
前記カーソルの移動情報を生成するステップは、検出された前記操作における前記カーソルの移動速度に応じて、前記移動情報における当該カーソルの移動距離を決定するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のタッチパネルの制御方法。
【請求項13】
コンピュータに実行させるプログラムを当該コンピュータの入力手段が読取可能に記憶した記憶媒体において、
前記プログラムは、
入力手段としてのタッチパネルに対する入力操作のうち、当該タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に当該操作を検出する処理と、
検出された前記操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成する処理と
前記移動情報に基づく表示命令にしたがって前記ディスプレイ画面に表示画像を表示し、かつ当該表示画像をスクロールする処理と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする記憶媒体。
【請求項14】
コンピュータに、
入力手段としてのタッチパネルに対する入力操作のうち、当該タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に当該操作を検出する処理と、検出された前記操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成する処理と、前記移動情報に基づく表示命令にしたがって前記ディスプレイ画面に表示画像を表示し、かつ当該表示画像をスクロールする処理と、を実行させるプログラムを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記プログラムを読み出して当該プログラムを送信する送信手段と
を備えたことを特徴とするプログラム伝送装置。
【請求項1】
入力手段として、ディスプレイ画面上に表示された表示画像へのタッチ操作を入力として受け付けるタッチパネルを備え、当該タッチパネルへのタッチ操作による入力をカーソルの動作に変換して処理するデータ処理装置において、
前記タッチパネルに対する入力操作のうち、当該タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作を検出する操作イベント検出部と、
前記操作イベント検出部により検出された前記操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であって前記ディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成する移動情報生成部と、
前記移動情報生成部により生成された移動情報に基づいて前記表示画像上で前記カーソルの位置を移動させるカーソル動作制御部と、
前記カーソル動作制御部によるカーソルの移動に応じて前記ディスプレイ画面の表示内容をスクロールさせる表示制御部と
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記操作イベント検出部は、前記ディスプレイ画面と大きさが一致する前記タッチパネルの入力面に設定された操作領域に対して、前記カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作を検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記操作イベント検出部は、前記ディスプレイ画面と大きさが一致する前記タッチパネルの入力面の周縁に設定された操作領域に対して、前記カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作を検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記操作イベント検出部は、前記カーソルを移動させる操作において当該カーソルの移動距離が予め定められた一定距離以上である場合に、当該操作を検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記移動情報生成部は、前記操作イベント検出部により検出された前記操作における前記カーソルの移動速度に応じて、前記移動情報における当該カーソルの移動距離を決定することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
入力手段として、ディスプレイ画面上に表示された表示画像へのタッチ操作を入力として受け付けるタッチパネルを備えたデータ処理装置において、
GUIにより種々の入力処理を受け付け、出力を行うための入出力画面を作成し、当該入出力画面上でのカーソルの動作を制御する基本制御部と、
前記タッチパネルに対する入力を前記基本制御部におけるカーソルの移動情報に変換して前記基本制御部に送る入力制御部と、
前記入出力画面に基づいて前記ディスプレイ画面よりも大きい表示画像を生成し、当該表示画像上に前記ディスプレイ画面に対応する大きさの表示領域を設定し、前記ディスプレイ画面に当該表示領域を表示させる表示制御部とを備え、
前記入力制御部は、
前記タッチパネルに対する入力操作のうち、当該タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作を検出する操作イベント検出部と、
前記操作イベント検出部により検出された前記操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であって前記ディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成して前記基本制御部へ送る移動情報生成部とを備え、
前記表示制御部は、
前記カーソルが当該表示領域を越えて移動する場合に、前記表示画像上において当該カーソルの移動方向に当該表示領域を移動させること
を特徴とするデータ処理装置。
【請求項7】
前記入力制御部の前記操作イベント検出部は、前記ディスプレイ画面と大きさが一致する前記タッチパネルの入力面の周縁に設定された操作領域に対して、前記カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作を検出することを特徴とする請求項6に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
ディスプレイ画面上に表示された表示画像へのタッチ操作を入力として受け付けるタッチパネルユニットと、
前記タッチパネルユニットによる入力をカーソルの動作に変換して処理する処理部とを備え、
前記処理部は、前記タッチパネルユニットの入力面に設定された操作領域に前記カーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に、当該操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であって前記ディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成し、
前記タッチパネルユニットは、前記処理部により生成された前記移動情報に基づく表示命令にしたがって前記ディスプレイ画面に表示画像を表示し、かつ当該表示画像をスクロールすること
を特徴とする入出力装置。
【請求項9】
前記タッチパネルユニットは、前記ディスプレイ画面と同じ大きさの入力面を備え、当該入力面の周縁に、前記カーソルを移動させる操作を受け付ける操作領域を備え、
前記処理部は、前記入力面の操作領域に対して行われた操作に応じてカーソルの前記移動情報を生成すること
を特徴とする請求項8に記載の入出力装置。
【請求項10】
ディスプレイ画面上に表示された表示画像へのタッチ操作を入力として受け付けるタッチパネルの制御方法において、
前記タッチパネルに対する入力操作のうち、当該タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に当該操作を検出するステップと、
検出された前記操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であって前記ディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成するステップと
前記移動情報に基づく表示命令にしたがって前記ディスプレイ画面に表示画像を表示し、かつ当該表示画像をスクロールするステップと、
を含むことを特徴とするタッチパネルの制御方法。
【請求項11】
前記操作を検出するステップは、前記カーソルを移動させる操作において当該カーソルの移動距離が予め定められた一定距離以上である場合に、当該操作を検出するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のタッチパネルの制御方法。
【請求項12】
前記カーソルの移動情報を生成するステップは、検出された前記操作における前記カーソルの移動速度に応じて、前記移動情報における当該カーソルの移動距離を決定するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のタッチパネルの制御方法。
【請求項13】
コンピュータに実行させるプログラムを当該コンピュータの入力手段が読取可能に記憶した記憶媒体において、
前記プログラムは、
入力手段としてのタッチパネルに対する入力操作のうち、当該タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に当該操作を検出する処理と、
検出された前記操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成する処理と
前記移動情報に基づく表示命令にしたがって前記ディスプレイ画面に表示画像を表示し、かつ当該表示画像をスクロールする処理と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする記憶媒体。
【請求項14】
コンピュータに、
入力手段としてのタッチパネルに対する入力操作のうち、当該タッチパネルの入力面に設定された操作領域にカーソルを移動させ、さらに当該操作領域内で当該カーソルを移動させる操作が行われた場合に当該操作を検出する処理と、検出された前記操作における前記カーソルの移動方向に応じて、当該カーソルの移動方向に応じて決定される方向であってディスプレイ画面の外側へ向かう方向へ、当該ディスプレイ画面の周縁に位置するカーソルを移動させる移動情報を生成する処理と、前記移動情報に基づく表示命令にしたがって前記ディスプレイ画面に表示画像を表示し、かつ当該表示画像をスクロールする処理と、を実行させるプログラムを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記プログラムを読み出して当該プログラムを送信する送信手段と
を備えたことを特徴とするプログラム伝送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−113733(P2012−113733A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−29334(P2012−29334)
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【分割の表示】特願2000−310149(P2000−310149)の分割
【原出願日】平成12年10月11日(2000.10.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
【復代理人】
【識別番号】100118201
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 武
【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【分割の表示】特願2000−310149(P2000−310149)の分割
【原出願日】平成12年10月11日(2000.10.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
【復代理人】
【識別番号】100118201
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 武
【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
【Fターム(参考)】
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