説明

データ処理装置およびデータファイル

【課題】ユーザーの利便性を向上させることが可能なデータ処理装置を提供する。
【解決手段】このデータ処理装置は、データファイルの処理に関する設定値と設定値記号とを対応付けた設定値情報SDを記憶する記憶部113と、処理指示を受けたデータファイルのファイル名に含まれる設定値記号と設定値情報SDとを照合し、現時点の設定値を設定値記号に対応する設定値に設定するとともに、その設定後の設定値に基づき処理指示を受けたデータファイルの処理を行う主制御部110と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置およびデータファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置をプリンタとして利用するユーザーは、画像データを画像形成装置に転送し、画像形成装置に印刷処理を行わせる。たとえば、ユーザーは、USBメモリーなどの外部メモリーを画像形成装置に装着し、外部メモリーに記憶された画像データの印刷処理を画像形成装置に行わせる。あるいは、ユーザーは、パーソナルコンピューターから転送した画像データの印刷処理を画像形成装置に行わせる。
【0003】
この際、ユーザーは、自身の所望する設定値で印刷処理が行われるように、現時点の設定値(たとえば、デフォルトの設定値、または、従前に別のユーザーによって設定された設定値)を変更する。したがって、画像形成装置には、設定値の設定指示をユーザーから受け付けるための操作パネルが設けられているのが一般的である。操作パネルが設けられた画像形成装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。
【0004】
これにより、ユーザーは、操作パネルに対して入力操作を行うことによって、設定値の設定を行うことができる。なお、設定値の設定は、パーソナルコンピューターからでも行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−119176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、印刷処理に関して言えば、設定値の設定が可能な設定項目は、用紙サイズ、片面/両面、モノクロ/カラー、縮小/拡大、濃度、および、ページ集約など多数ある。したがって、ユーザーは、画像形成装置に印刷処理を行わせる際、複数の設定項目から必要な設定項目を抽出した後、抽出した設定項目の現時点の設定値を確認し、さらに、現時点の設定値が自身の所望する設定値になっていなければ設定変更する、という一連の動作を行わなければならない。このため、ユーザーからすると、画像形成装置による印刷処理の際に、操作パネルやパーソナルコンピューターに対して数多くの入力操作を行わなければならないので、利便性が悪い。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザーの利便性を向上させる(ユーザーが行う操作を減らす)ことが可能なデータ処理装置およびデータファイルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のデータ処理装置は、データファイルの処理に関する設定値と設定値記号とを対応付けた設定値情報を記憶するとともに、現時点の設定値を記憶する記憶部と、処理指示を受けたデータファイルのファイル名に含まれる設定値記号と設定値情報とを照合し、データファイルの処理に関する設定値を、処理指示を受けたデータファイルのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値に設定するとともに、その設定後の設定値に基づき処理指示を受けたデータファイルの処理を行う処理部と、を備えている。
【0009】
本発明のデータ処理装置によると、処理部は、処理指示を受けたデータファイルのファイル名に設定値記号が含まれていれば、自動的に、データファイルの処理に関する設定値を設定値記号に対応する設定値に設定する。このため、ユーザーからすると、自身の所望する設定値に対応付けられた設定値記号をファイル名に予め盛り込んでおくだけで(設定値を設定するための操作を行うことなく)、自身の所望する設定値でデータファイルの処理が行われるので、利便性が良い。すなわち、本発明のデータ処理装置では、ユーザーの利便性を向上させる(ユーザーが行う操作を減らす)ことができる。
【0010】
上記の構成において、設定後の設定値を表示する操作表示部をさらに備えることが好ましい。このように構成すれば、ユーザーからすると、設定内容を容易に確認することができるので、利便性が良い。
【0011】
上記の構成において、好ましくは、操作表示部は、設定後の設定値に基づく処理を許可するか否かを受け付け、処理部は、設定後の設定値に基づく処理を許可する旨を操作表示部が受け付けた場合に、設定後の設定値に基づき処理指示を受けたデータファイルの処理を行う。すなわち、この構成では、データファイルの処理に関する設定値を設定値記号に対応する設定値に設定した後、その設定後の設定値で強制的にデータファイルの処理を行うわけではない。このため、ユーザーからすると、設定後の設定値に不備などがあった場合に、設定後の設定値に基づくデータファイルの処理を止めることができるので、利便性が良い。
【0012】
上記の構成において、好ましくは、操作表示部は、設定後の設定値の追加設定指示を受け付け、処理部は、設定後の設定値の追加設定指示を操作表示部が受け付ければ、設定後の設定値を、操作表示部が受け付けた追加設定指示に応じて再度設定する。このように構成すれば、設定後の設定値の追加設定を所望するユーザーからすると、利便性が良い。
【0013】
上記の構成において、好ましくは、印刷部をさらに備え、処理部は、設定後の設定値に基づいて、処理指示を受けたデータファイルの印刷処理を印刷部に行わせる。このように構成すれば、印刷部を備えるデータ処理装置による印刷処理に際して、ユーザーの利便性を向上させる(ユーザーが行う操作を減らす)ことができる。
【0014】
上記の構成において、好ましくは、外部メモリーに接続される接続部をさらに備え、処理部は、接続部に外部メモリーが接続され、外部メモリーに記憶されたデータファイルの処理指示を受けたとき、外部メモリーに記憶されたデータファイルのファイル名に含まれる設定値記号に応じた設定値で、外部メモリーに記憶されたデータファイルの印刷処理を印刷部に行わせる。このように構成すれば、USBメモリーのような外部メモリーの接続部への装着により印刷処理を開始するダイレクトプリントにおいて、設定値を設定するための操作をユーザーに行ってもらう必要がなくなる。したがって、ダイレクトプリントを所望するユーザーからすると、利便性が非常に良い。
【0015】
また、本発明のデータファイルは、データ処理装置によって処理されるデータファイルであって、データ処理装置が行う処理に関する設定値に対応付けられた設定値記号を含むファイル名を有し、データ処理装置による処理に際して、データ処理装置が行う処理に関する設定値を、ファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値に設定させ、設定後の設定値に基づき処理を行わせる。これにより、ユーザーからすると、自身の所望する設定値に対応付けられた設定値記号をファイル名に予め盛り込んでおくだけで(設定値を設定するための操作を行うことなく)、自身の所望する設定値でデータファイルの処理が行われるので、利便性が良い。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、ユーザーの利便性を向上させる(ユーザーが行う操作を減らす)ことが可能なデータ処理装置およびデータファイルを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による画像形成装置の全体構成図
【図2】図1に示した画像形成装置の操作パネル(操作表示部)の平面図
【図3】図1に示した画像形成装置の画像形成部を示した概略図
【図4】図1に示した画像形成装置のハードウェア構成を示したブロック図
【図5】図1に示した画像形成装置の記憶部に記憶される設定値情報の概略を説明するための図
【図6】図1に示した画像形成装置の操作パネルに表示される画面(ファイル名が表示されたときの画面)の一例を示した図
【図7】図1に示した画像形成装置の操作パネルに表示される画面(設定後の設定値が表示されたときの画面)の一例を示した図
【図8】図1に示した画像形成装置の操作パネルに表示される画面(設定後の設定値が表示されたときの画面)の一例を示した図
【図9】図1に示した画像形成装置の操作パネルに表示される画面(設定後の設定値の追加設定指示を受け付けるときの画面)の一例を示した図
【図10】図1に示した画像形成装置が画像データの印刷処理を行うときの動作を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、図1〜図3を参照して、本発明のデータ処理装置の一実施形態による画像形成装置100の全体構成について説明する。
【0019】
本実施形態の画像形成装置100は、たとえば、図1に示すようなタンデム方式のカラー複合機であり、コピー、プリンタ、スキャナおよびファックスなどの複数種のジョブを実行することができる。また、この画像形成装置100は、操作パネル101、画像読取部102、給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108などを備える。なお、給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108を含む機構部は、画像データに応じた画像を用紙Pに印刷して出力する印刷部109である。
【0020】
操作パネル101は、操作表示部に相当し、たとえば、図1中の破線で示された箇所に配置される。この操作パネル101には、図2に示すように、液晶表示部11が設けられている。液晶表示部11には、各種設定などを行うためのメニューおよび設定キー(ソフトキー)が表示されるとともに、装置状態などを示すメッセージも表示される。そして、ユーザーは、液晶表示部11に表示された設定キーを押下することで、各種設定などを行うことができる。なお、液晶表示部11は、その表示面がタッチパネルで覆われた形態をとる。これにより、液晶表示部11に表示された設定キーがユーザーによって押下されたとき(タッチパネルが押下されたとき)、タッチパネルの出力に基づいて押下位置の座標を検出できるようになっている。
【0021】
また、操作パネル101には、テンキー12やスタートキー13などのハードキーが設けられている。テンキー12は、数値入力が必要な設定指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。スタートキー13は、各種ジョブの実行開始の指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。
【0022】
さらに、操作パネル101には、ハードキーとして、コピーキー14、送信キー15およびボックスキー16なども設けられている。そして、コピーキー14をユーザーが押下すると、コピージョブの設定値を入力する上で必要な設定キーなどが液晶表示部11に表示される。送信キー15をユーザーが押下すると、スキャナジョブおよびファックスジョブの設定値を入力する上で必要な設定キーなどが液晶表示部11に表示される。ボックスキー16をユーザーが押下すると、ボックス(たとえば、後述する記憶部113に設けられた保存領域)を利用する上で必要な設定キーなどが液晶表示部11に表示される。
【0023】
図1に戻って、画像読取部102は、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。画像読取部102には、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。この画像読取部102は、コンタクトガラス21に載置される原稿に光を照射し、反射光を受けたイメージセンサーの出力値をA/D変換した後、A/D変換後のデータに対して各種補正を施すことによって、画像データを生成する。これにより、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データに基づき印刷を行うことができる。また、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データを蓄積することもできる。なお、画像読取部102による原稿の読み取り時には、コンタクトガラス21に載置された原稿を原稿カバー22で押えることができる。
【0024】
給紙部103は、用紙Pを収容するカセット31を複数有し、それら複数のカセット31に収容された用紙Pを搬送路104に供給する。また、この給紙部103には、用紙Pを引き出すピックアップローラー32や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー対33などが設けられている。
【0025】
搬送路104は、装置内部において用紙Pを搬送する。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、搬送路104によって、中間転写部106および定着部107をこの順番で通過して排出トレイ41に導かれる。この搬送路104には、用紙Pを中間転写部106の手前で待機させ、タイミングを合わせて中間転写部106に送り出すレジストローラー対42などが設けられている。
【0026】
画像形成部105は、画像データに基づいてトナー像を形成するものであって、4色分の画像形成部50(ブラックのトナー像を形成する画像形成部50Bk、イエローのトナー像を形成する画像形成部50Y、シアンのトナー像を形成する画像形成部50C、および、マゼンダのトナー像を形成する画像形成部50M)と、露光装置5とを備えている。なお、画像形成部50Bk、50Y、50Cおよび50Mは、互いに異なる色のトナー像を形成するが、いずれも基本的に同様の構成である。したがって、以下の説明では、各色を表す符号(Bk、Y、CおよびM)を省略する。
【0027】
各画像形成部50のそれぞれは、図3に示すように、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置3および清掃装置4を含んでいる。
【0028】
各感光体ドラム1は、外周面にトナー像を担持するものであって、外周面に感光層を有するとともに、周方向に回転可能に支持されている。各帯電装置2は、対応する感光体ドラム1を一定の電位で帯電させる。各現像装置3は、対応する色の現像剤を収容し、対応する感光体ドラム1にトナーを供給する。各清掃装置4は、対応する感光体ドラム1の清掃を行う。そして、露光装置5は、各感光体ドラム1の外周面に対して露光走査を行うことによって、各感光体ドラム1の外周面に静電潜像を形成する。
【0029】
露光装置5は、図示しないが、半導体レーザー素子、ポリゴンミラー、ポリゴンモーター、Fθレンズおよび反射ミラーなどを含む。そして、これら露光装置5の構成部材は、各色の画像形成部50に対して1セットずつ設けられていてもよい。あるいは、半導体レーザー素子、Fθレンズおよび反射ミラーのみを各色の画像形成部50に対して1セットずつ設け、ポリゴンミラーおよびポリゴンモーターについては2色分(または、4色分)の画像形成部50で共用してもよい。
【0030】
図1に戻って、中間転写部106は、画像形成部105からトナー像の1次転写を受けた後、用紙Pに2次転写を行う。中間転写部106は、中間転写ベルト61と、各画像形成部50にそれぞれ割り当てられた1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mとを少なくとも含んでいる。1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mは、対応する画像形成部50(具体的には、感光体ドラム1)との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
【0031】
また、中間転写部106は、駆動ローラー63および従動ローラー64も含んでいる。そして、駆動ローラー63および従動ローラー64は、1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mと共に、中間転写ベルト61を張架している。このため、駆動ローラー63が回転駆動すると、中間転写ベルト61が循環移動する。
【0032】
さらに、中間転写部106は、2次転写ローラー65も含んでいる。この2次転写ローラー65は、駆動ローラー63との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
【0033】
そして、各画像形成部50で形成されたトナー像は、転写用電圧が印加された1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mにより、順次ずれなく重畳して中間転写ベルト61に1次転写される。すなわち、中間転写ベルト61にフルカラートナー像が転写される。その後、中間転写ベルト61に1次転写されたトナー像は、転写用電圧が印加された2次転写ローラー65により、用紙Pに2次転写される。
【0034】
また、中間転写部106は、ベルト清掃装置66も含んでいる。そして、このベルト清掃装置66によって、中間転写ベルト61から用紙Pへのトナー像の2次転写の後、中間転写ベルト61の清掃が行われる。
【0035】
定着部107は、用紙Pに2次転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。この定着部107は、発熱源を内蔵する定着ローラー71と、定着ローラー71に圧接される加圧ローラー72とを含んでいる。そして、トナー像が2次転写された用紙Pは、定着ローラー71と加圧ローラー72との間を通過することにより、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着される。
【0036】
そして、用紙Pは、定着部107を通過した後、排出トレイ41に排出される。これによって、印刷処理が完了する。
【0037】
また、両面搬送路108は、両面印刷を可能とするものである。この両面搬送路108は、定着ローラー71および加圧ローラー72の下流側おいて搬送路104と分岐し、レジストローラー対42の上流側において搬送路104と合流している。そして、両面搬送路108には、搬送路104との分岐点に配置された切替爪81、排出トレイ41に繋がる排出口41aに配置されているとともに正逆回転の切り換えが可能な排出ローラー対82、および、用紙Pを搬送する搬送ローラー対83などが設けられている。
【0038】
両面印刷を行う場合、切替爪81は、両面搬送路108を閉じるポジションとなり、定着部107から送られた用紙Pを排出トレイ41に導く。また、排出ローラー対82は、ひとまず正回転して用紙Pの一部分を排出トレイ41に排出する。この後、排出ローラー対82は、用紙Pが排出ローラー対82を通過しきる前に逆回転する。このとき、切替爪81は、両面搬送路108を開く方向に回動する。これにより、片面印刷された用紙Pは、両面搬送路108に導かれる。
【0039】
両面搬送路108に導かれた用紙Pは、搬送ローラー対83により搬送され、レジストローラー対42の上流側に至る。そして、再び、中間転写部106から定着部107へと送られる。このときには、用紙Pの表裏が逆転しているので、用紙Pの裏面(未印刷面)に対して、2次転写処理および定着処理がなされる。そして、両面印刷が終わった用紙Pは、排出トレイ41に排出される。
【0040】
次に、図4を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。
【0041】
画像形成装置100は、主制御部110を有する。この主制御部110は、中央演算処理装置であるCPU111や画像処理部112などを含む。また、主制御部110は、操作パネル101、画像読取部102および印刷部109(給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108)などと接続されている。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶された各種のプログラムおよびデータに基づき、各部の制御や演算などを行う。なお、主制御部110は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモーターのオン/オフを制御するエンジン制御部とに分割されていてもよい。
【0042】
記憶部113は、ROM113a、RAM113bおよびHDD113cなどの揮発性の記憶装置と不揮発性の記憶装置とを含む。そして、各種のプログラムおよびデータは、たとえば、ROM113aに記憶され、RAM113bに展開される。
【0043】
なお、主制御部110は「処理部」に相当し、その主制御部110と記憶部113とによってデータ処理装置が構成される。
【0044】
主制御部110に接続される操作パネル101は、表示制御部17を有する。表示制御部17は、CPUやICなどからなり、液晶表示部11の表示動作を制御する。具体的には、表示制御部17は、ユーザーが操作パネル101に対して行った入力操作に基づき、記憶部18(あるいは、記憶部113)に格納された情報を読み出し、適切な画面を液晶表示部11に表示させる。たとえば、ユーザーがコピーキー14などのジョブ選択キーを押下すると、表示制御部17は、ユーザーによるジョブ選択キーの押下操作を受けて、選択されたジョブの設定値の入力をユーザーから受け付けるための画面(種々の設定キーやメッセージなどが配された画面)を表示する。なお、この画面を液晶表示部11に表示させるための画面情報は、たとえば、記憶部18(あるいは、記憶部113)に記憶されている。
【0045】
そして、表示制御部17は、液晶表示部11(タッチパネル)に表示された設定キーがユーザーによって押下されたとき、タッチパネルの出力を受けて押下位置の座標を特定する。これによって、液晶表示部11に対するユーザーの押下位置(ユーザーが押下した設定キー)が特定される。たとえば、タッチパネルの出力と押下位置の座標との対応を示すテーブルなどのデータは、記憶部18(あるいは、記憶部113)に記憶される。
【0046】
液晶表示部11に表示された設定キーをユーザーが押下すると、表示制御部17は、ユーザーによって押下された設定キーを特定し、その結果を主制御部110に出力する。そして、主制御部110は、ユーザーが押下した設定キーに応じて設定値を設定する。この後、表示制御部17は、ソフトキーとしてのスタートキーを液晶表示部11に表示させる。これにより、ユーザーは、液晶表示部11に表示されたスタートキーを押下することによって、自身の所望する設定値でジョブを実行させることができる。あるいは、ハードキーとしてのスタートキー13をユーザーが押下した場合にも、ジョブが実行される。
【0047】
また、主制御部110は、通信部114と接続される。通信部114は、たとえば、外部のパーソナルコンピューター200とネットワーク(あるいは、ケーブル)を介して通信可能に接続される。このため、パーソナルコンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うことができる。また、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データをパーソナルコンピューター200に送信することもできる。なお、通信部114にモデムなどを内蔵してもよく、この場合、電話回線などのネットワークを介して、外部のファックス装置300とファックス通信を行うことができる。
【0048】
さらに、主制御部110は、外部メモリー400(たとえば、USBメモリーなど)の装着が可能な接続部115と接続される。このため、外部メモリー400に記憶された画像データに基づき印刷を行うことができる。また、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データを外部メモリー400に蓄積することもできる。
【0049】
ここで、たとえば、画像データが記憶された外部メモリー400の接続部115への装着をユーザーが行ったとする。言い換えると、ユーザーは、外部メモリー400に記憶させた画像データを画像形成装置100で印刷処理しようとしている。
【0050】
この場合、主制御部110は、外部メモリー400が接続部115に装着されたことを認識すると、画像データに付されたファイル名を操作パネル101に表示させる。なお、操作パネル101は、外部メモリー400に記憶された画像データが複数有れば、複数の画像データにそれぞれ付された複数のファイル名を表示する。このときに操作パネル101が表示する画面は、印刷処理する画像データをユーザーに選択してもらうための選択画面である。たとえば、ユーザーは、所望の画像データを選択する際、所望の画像データに付したファイル名を押下する。
【0051】
そして、ユーザーによる押下操作を受けて、操作パネル101は、印刷処理に関する設定値の入力をユーザーに行ってもらうための設定キーを表示する。設定キーには、たとえば、「用紙サイズ」、「片面印刷/両面印刷」および「画質」などの設定項目名が付されている。ここでは、一例として、3つの設定項目のみを挙げているが、設定値の設定が可能な設定項目は他にも多数ある。
【0052】
なお、「用紙サイズ」という設定キーでは、用紙サイズ(A4サイズ、B5サイズおよびレターサイズなど)を設定することができる。また、「片面印刷/両面印刷」という設定キーでは、片面印刷するか両面印刷するかを設定することができる。また、「画質」という設定キーでは、モノクロ印刷するかカラー印刷するかを設定することができる。
【0053】
ここで、通常では、各設定項目の現時点の設定値は、電源投入直後であれば、デフォルトの設定値となっている。あるいは、従前に別のユーザーが使用していれば、その別のユーザーによって設定された設定値になっている(ただし、別のユーザーが設定値をリセットしていれば、デフォルトの設定値となっている)。したがって、ユーザーからすると、各設定項目の現時点の設置値を確認し、必要であれば設定値を設定しなければならないので、煩わしい。
【0054】
そこで、本実施形態では、記憶部113は、印刷処理に関する設定値と設定値記号とを対応付けた設定値情報SD(図5参照)を記憶する。そして、主制御部110は、印刷処理の実行指示をユーザーから受け付けたとき、処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号と設定値情報SDとを照合し、印刷処理に関する現時点の設定値を、処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値に設定するとともに、設定後の設定値に基づいた印刷処理を印刷部109に行わせる。
【0055】
印刷処理に関する設定値と設定値記号とを対応付けた設定値情報SDとしては、図5に示すようなテーブルが考えられる。以下に、「用紙サイズ」、「片面印刷/両面印刷」および「画質」を例にとって説明する。
【0056】
図5に示すように、用紙サイズという設定項目では、設定可能な設定値として、A4サイズ、B5サイズおよびレターサイズがある。このため、A4サイズを「A4」という設定値記号と対応付けるとともに、B5サイズを「B5」という設定値記号と対応付け、さらに、レターサイズを「LTR」という設定値記号と対応付ける。これにより、主制御部110は、たとえば、ファイル名に「A4」という設定値記号が含まれていれば、現時点の設定値をA4サイズに設定する。
【0057】
また、片面印刷/両面印刷という設定項目では、設定可能な設定値として、片面印刷および両面印刷がある。このため、片面印刷を「S」という設定値記号と対応付けるとともに、両面印刷を「D」という設定値記号と対応付ける。これにより、主制御部110は、たとえば、ファイル名に「S」という記号が含まれていれば、現時点の設定値を両面印刷に設定する。
【0058】
また、画質という設定項目では、設定可能な設定値として、モノクロおよびカラーがある。このため、モノクロを「M」という設定値記号と対応付けるとともに、カラーを「C」という設定値記号と対応付ける。これにより、主制御部110は、たとえば、ファイル名に「M」という記号が含まれていれば、現時点の設定値をモノクロに設定する。
【0059】
また、図示しないが、他の設定項目についても、何らかの設定値記号と設定値とを対応付けておけば良い。
【0060】
なお、設定値を設定するための設定値記号をファイル名に盛り込む場合には、ユーザーが任意に決定する画像データの識別名と区別するため、画像データの識別名と設定値記号とを「$」で区切る。たとえば、A4用紙の両面にモノクロ印刷する場合には、「$A4$D$M$○○○.△△△」というファイル名にしておけば良い。このファイル名において、「○○○」は、画像データの識別名であり、「△△△」は、拡張子である。
【0061】
また、本実施形態では、操作パネル101は、主制御部110が設定した設定値を表示し、かつ、その設定後の設定値に基づく印刷処理を許可するか否かをユーザーから受け付ける。そして、主制御部110は、設定後の設定値に基づく印刷処理を許可する旨を操作パネル101が受け付けた場合に、設定後の設定値に基づいて、処理指示を受けた画像データの印刷処理を印刷部109に行わせる。
【0062】
具体的には、操作パネル101は、まず、図6に示すように、印刷処理する画像データをユーザーに選択してもらうための選択画面S1を表示する(画像データに付されたファイル名を表示する)。
【0063】
たとえば、外部メモリー400に画像データが記憶されているとすると、操作パネル101は、ユーザーが外部メモリー400を接続部115に装着し、その外部メモリー400を主制御部110が認識したとき、選択画面S1を表示する。続いて、この選択画面S1内のファイル名をユーザーが押下(選択)すると、主制御部110は、外部メモリー400に記憶された画像データを印刷処理するジョブ(たとえば、ダイレクトプリントなどと称されるジョブ)の実行指示をユーザーから受け付けたと判断する。
【0064】
なお、画像データは、パーソナルコンピューター200から送信される場合もあるし、記憶部113のボックスと称される保存領域に格納されている場合もある。
【0065】
ここで、図6に示した選択画面S1には、2つのファイル名が表示されている。一方のファイル名は、「$A4$D$M$KYOCERA1」となっており、他方のファイル名は、「$A4$S$C$KYOCERA2」となっている。すなわち、「$A4$D$M$KYOCERA1」には、A4用紙の両面にモノクロ印刷するための設定値記号が含まれ、「$A4$S$C$KYOCERA2」には、A4用紙の片面にカラー印刷するための設定値記号が含まれている。
【0066】
したがって、主制御部110は、選択画面S1においてユーザーが「$A4$D$M$KYOCERA1」を選択すれば、用紙サイズの設定を「A4サイズ」に設定し、片面印刷/両面印刷の設定を「両面印刷」に設定し、画質の設定を「モノクロ」に設定する。その一方、主制御部110は、選択画面S1においてユーザーが「$A4$S$C$KYOCERA2」を選択すれば、用紙サイズの設定を「A4サイズ」に設定し、片面印刷/両面印刷の設定を「片面印刷」に設定し、画質の設定を「カラー」に設定する。
【0067】
また、操作パネル101は、主制御部110が設定値の設定を行うと、設定後の設定値(処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値)をユーザーに確認してもらうための設定値画面S2(図7および図8参照)を表示する。たとえば、操作パネル101は、選択画面S1においてユーザーが「$A4$D$M$KYOCERA1」を選択した場合には、図7に示すような設定値画面S21を表示し、選択画面S1においてユーザーが「$A4$S$C$KYOCERA2」を選択した場合には、図8に示すような設定値画面S22を表示する。
【0068】
また、この設定値画面S2は、設定後の設定値(処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値)に基づく印刷処理を許可するか否かをユーザーから受け付けるようになっている。すなわち、設定値画面S2の「印刷」キーK1をユーザーが押下すると、主制御部110は、設定後の設定値に基づいて、印刷部109に印刷処理を行わせる。なお、主制御部110は、選択画面S1の「印刷」キーK1をユーザーが押下した場合には、設定値画面S2を操作パネル101に表示させることなく、設定後の設定値に基づいて、印刷部109に印刷処理を行わせる。
【0069】
さらに、設定値画面S2は、設定後の設定値(処理指示を受けたファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値)の追加設定指示をユーザーから受け付けるようにもなっている。たとえば、設定値画面S2においてユーザーが「用紙サイズ」を押下すると、操作パネル101は、図9に示すように、用紙サイズの設定値についての追加設定指示をユーザーから受け付けるための設定値設定画面S3を表示する。
【0070】
この設定値設定画面S3には、設定可能な設定値を付した設定キーCKが設けられている。たとえば、主制御部110は、「B5サイズ」という設定キーCKがユーザーによって押下された場合には、用紙サイズの設定をB5サイズに設定し、「レターサイズ」という設定キーCKがユーザーによって押下された場合には、用紙サイズの設定をレターサイズに設定する。
【0071】
そして、設定値設定画面S3の「OK」キーK2がユーザーによって押下されると、操作パネル101は、表示画面を設定値画面S2に戻す。このとき、操作パネル101は、設定値設定画面S3においてユーザーが行った設定値の設定に基づき、表示する設定値を変更する。たとえば、設定値設定画面S3において、ユーザーが用紙サイズの設定をB5サイズに設定したとする。この場合、操作パネル101は、図示しないが、用紙サイズの設定値の表示を「A4」から「B5」に設定する。その後、設定値画面S2の「印刷」キーK1をユーザーが押下すると、主制御部110は、ユーザーからの追加設定指示によって再度設定した設定値に基づいて、印刷部109に印刷処理を行わせる。
【0072】
次に、図10を参照して、画像形成装置100の印刷動作について説明する。
【0073】
まず、図10のフローのスタート時点では、たとえば、ユーザーが外部メモリー400を装着部115に装着し、主制御部110が外部メモリー400を認識しているとする。したがって、この時点では、操作パネル101は、印刷処理する画像データをユーザーに選択してもらうための選択画面S1(図6参照)を表示している。そして、この選択画面S1内のファイル名をユーザーが押下(選択)したとき、すなわち、外部メモリー400に記憶された画像データを印刷処理するジョブの実行指示をユーザーが行ったとき、図10のフローがスタートする。
【0074】
ステップS1において、主制御部110は、処理指示を受けた画像データのファイル名を識別する。続いて、ステップS2において、主制御部110は、処理指示を受けた画像データのファイル名に設定値記号が含まれているか否かを判別する。そして、処理指示を受けた画像データのファイル名に設定値記号が含まれていれば、ステップS3に移行し、処理指示を受けた画像データのファイル名に設定値記号が含まれていなければ、ステップS9に移行する。
【0075】
ステップS3に移行すると、主制御部110は、処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号と設定値情報SD(図5参照)とを照合する。また、ステップS4において、主制御部110は、印刷処理に関する現時点の設定値を、処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値に設定する。
【0076】
その後、ステップS5において、操作パネル101は、主制御部110が設定した設定値(処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値)を表示し、その設定後の設定値に基づく処理を許可するか否かをユーザーから受け付ける。すなわち、操作パネル101は、設定値画面S2(図7および図8参照)を表示する。
【0077】
ステップS6において、主制御部110は、設定後の設定値(処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値)に基づく処理を許可する旨の受け付けが有ったか否か(設定値画面S2の「OK」キーK1をユーザーが押下したか否か)を判断する。そして、設定後の設定値に基づく処理を許可する旨の受け付けが有った場合には、ステップS7に移行し、主制御部110は、記憶部113に記憶された設定値(処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値)に基づき、印刷部109に印刷処理を行わせる。
【0078】
その一方、ステップS6において、設定後の設定値(処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値)に基づく処理を許可する旨の受け付けがなかった場合には、ステップS8に移行する。ステップS8に移行すると、操作パネル101は、ユーザーによる設定値画面S2に対する入力操作に応じて設定値設定画面S3を表示し、設定値の追加設定指示をユーザーから受け付ける。すなわち、主制御部110は、設定後の設定値を、ユーザーから受け付けた追加設定指示に応じて再度設定する。その後、ステップS7に移行し、主制御部110は、記憶部113に記憶された設定値(ユーザーからの追加設定指示によって再度設定した設定値)に基づき、印刷部109に印刷処理を行わせる。
【0079】
なお、ステップS2からステップS9に移行した場合には、操作パネル101は、設定値の設定指示をユーザーから受け付けるための設定値画面を表示し、設定値の設定指示をユーザーから受け付ける。なお、ここで操作パネル101が表示する設定値画面は、ステップS5の設定値画面S2と同様である。ただし、ステップS9の設定値画面には、ステップS5の設定値画面S2とは異なり、従前の設定値(たとえば、デフォルトの設定値)が表示される。
【0080】
この後、ステップS7に移行し、主制御部110は、記憶部113に記憶された設定値に基づき、印刷部109に印刷処理を行わせる。すなわち、ユーザーによって設定値が設定されていれば、主制御部110は、ユーザーからの設定指示によって設定した設定値に基づき、印刷部109に印刷処理を行わせる。その一方、ユーザーによって設定値が設定されていなければ、主制御部110は、従前の設定値(たとえば、デフォルトの設定値)に基づき、印刷部109に印刷処理を行わせる。
【0081】
なお、図10のフローにおいて、ステップS5およびステップS6を省略しても良い。この場合には、ステップS4において、主制御部110は、印刷処理に関する現時点の設定値を、処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値に設定する。そして、ステップS7に移行し、主制御部110は、設定値画面S2を操作パネル101に表示させることなく、すなわち、設定後の設定値に基づく処理を許可するか否かを受け付けることなく(設定後の設定値を再度設定することなく)、処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値に基づいて、印刷部109に印刷処理を行わせる。
【0082】
本実施形態では、上記のように、記憶部113は、画像データ(データファイル)の処理に関する設定値と設定値記号とを対応付けた設定値情報SDを記憶するとともに、現時点の設定値を記憶する。また、主制御部110(処理部)は、処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号と設定値情報SDとを照合し、印刷処理に関する現時点の設定値を、処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値に設定するとともに、その設定後の設定値に基づいた印刷処理を印刷部109に行わせる。すなわち、本実施形態の画像形成装置100(主制御部110)によって印刷処理される画像データは、印刷処理に関する設定値に対応付けられた設定値記号を含むファイル名を有し、印刷処理に際して、印刷処理に関する現時点の設定値を、ファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値に設定させ、設定後の設定値に基づいた印刷処理を画像形成装置100(印刷部109)に行わせる。このため、主制御部110は、処理指示を受けた画像データのファイル名に設定値記号が含まれていれば、設定値を設定するための入力操作をユーザーが行っていなかったとしても、自動的に、印刷処理に関する現時点の設定値を設定値記号に対応する設定値に設定する。したがって、ユーザーからすると、自身の所望する設定値に対応付けられた設定値記号をファイル名に予め盛り込んでおくだけで(設定値を設定するための操作を行うことなく)、自身の所望する設定値で印刷処理が行われるので、利便性が良い。すなわち、本実施形態では、ユーザーの利便性を向上させる(ユーザーが行う操作を減らす)ことができる。
【0083】
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル101(操作表示部)は、設定後の設定値(処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値)を表示する。これにより、ユーザーからすると、設定内容を容易に確認することができるので、利便性が良い。
【0084】
また、本実施形態では、上記のように、操作パネル101は、設定後の設定値(処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値)に基づいた印刷処理を許可するか否かを受け付け、主制御部110は、設定後の設定値に基づいた印刷処理を許可する旨を操作パネル101が受け付けた場合に、設定後の設定値に基づいた印刷処理を印刷部109に行わせる。すなわち、この構成では、現時点の設定値を設定値記号に対応する設定値に設定した後、その設定後の設定値に基づく印刷処理を強制的に行うわけではない。このため、ユーザーからすると、設定後の設定値に不備などがあった場合に、設定後の設定値に基づく印刷処理を止めることができるので、利便性が良い。
【0085】
さらに、本実施形態では、操作パネル101は、設定後の設定値(処理指示を受けた画像データのファイル名に含まれる設定値記号に対応する設定値)の追加設定指示を受け付け、主制御部110は、設定後の設定値の追加設定指示を操作パネル101が受け付ければ、設定後の設定値を、操作パネル101が受け付けた追加設定指示に応じて再度設定する。これにより、設定後の設定値の追加設定を所望するユーザーからすると、利便性が良い。
【0086】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0087】
たとえば、上記実施形態では、本発明をデータ処理装置の一例として画像形成装置に適用する場合について説明したが、画像形成装置以外の電子機器に本発明を適用することもできる。一例を挙げると、画像形成装置以外に、携帯音楽プレーヤーのような音楽再生装置や、表示装置(デジタルカメラ、パーソナルコンピューターおよび携帯電話などの液晶ディスプレイ)などに本発明を適用することができる。
【0088】
本発明を音楽再生装置に適用する場合には、たとえば、音量や音質と対応付けた設定値記号をファイル名に含ませておくことが考えられる。また、本発明を表示装置に適用する場合には、たとえば、表示サイズと対応付けた設定値記号をファイル名に含ませておくことが考えられる。
【符号の説明】
【0089】
100 画像形成装置(データ処理装置)
101 操作パネル(操作表示部)
109 印刷部
110 主制御部(処理部)
113 記憶部
115 接続部
400 外部メモリー
SD 設定値情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データファイルの処理に関する設定値と設定値記号とを対応付けた設定値情報を記憶するとともに、現時点の設定値を記憶する記憶部と、
処理指示を受けたデータファイルのファイル名に含まれる前記設定値記号と前記設定値情報とを照合し、前記データファイルの処理に関する設定値を、前記処理指示を受けたデータファイルのファイル名に含まれる前記設定値記号に対応する設定値に設定するとともに、設定後の設定値に基づき前記処理指示を受けたデータファイルの処理を行う処理部と、を備えていることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記設定後の設定値を表示する操作表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記操作表示部は、前記設定後の設定値に基づく処理を許可するか否かを受け付け、
前記処理部は、前記設定後の設定値に基づく処理を許可する旨を前記操作表示部が受け付けた場合に、前記設定後の設定値に基づき前記処理指示を受けたデータファイルの処理を行うことを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記操作表示部は、前記設定後の設定値の追加設定指示を受け付け、
前記処理部は、前記設定後の設定値の追加設定指示を前記操作表示部が受け付ければ、前記設定後の設定値を、前記操作表示部が受け付けた追加設定指示に応じて再度設定することを特徴とする請求項2または3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
印刷部をさらに備え、
前記処理部は、前記設定後の設定値に基づいて、前記処理指示を受けたデータファイルの印刷処理を前記印刷部に行わせることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項6】
外部メモリーに接続される接続部をさらに備え、
前記処理部は、前記接続部に前記外部メモリーが接続され、前記外部メモリーに記憶されたデータファイルの処理指示を受けたとき、前記外部メモリーに記憶されたデータファイルのファイル名に含まれる前記設定値記号に応じた設定値で、前記外部メモリーに記憶されたデータファイルの印刷処理を前記印刷部に行わせることを特徴とする請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
データ処理装置によって処理されるデータファイルであって、
前記データ処理装置が行う処理に関する設定値に対応付けられた設定値記号を含むファイル名を有し、
前記データ処理装置による処理に際して、前記データ処理装置が行う処理に関する設定値を、前記ファイル名に含まれる前記設定値記号に対応する設定値に設定させ、設定後の設定値に基づき処理を行わせることを特徴とするデータファイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−59969(P2013−59969A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201455(P2011−201455)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】