説明

データ処理装置およびデータ処理方法

【課題】特別な表示領域を必要とせずに、速やかに所望の領域からデータ処理を開始させることが可能なデータ処理装置およびデータ処理方法を実現する。
【解決手段】ウィンドウ40においては、内視鏡観察フォルダに含まれる第1〜第4のデータファイル41〜44等が一覧表示されている。第1〜第4のデータファイル41〜44の各ファイル名に含まれる複数個の指標、すなわちアルファベット、数字、ドット等の記号と、各データファイルのデータ領域とは対応している。このため、第2のデータファイル42の処理を開始させるべく、ファイル名“sample1.mpeg”中のいずれかのアルファベットがダブルクリックされて指定されると、第2のデータファイル42の処理は、選択された全指標中の指定されたアルファベットの位置に対応するデータ領域から開始される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置およびデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、文書、動画像等のデータファイルを再生し、あるいは編集等の処理を施す場合、まずデータファイルが開かれる。そして開かれたデータファイルは、通常、最初の領域から再生される。このため、データファイルの途中の領域から再生、処理を施す場合、文書であれば該当する頁を探し、動画像であれば早送りさせるといった動作が必要となる。
【0003】
また、動画像から時系列のサムネイル画像を形成、表示させ、動画像を途中から再生可能にすることが知られている(特許文献1〜3参照)。この場合、いずれかのサムネイル画像が指定されると、指定されたサムネイル画像に対応する領域から動画像が再生される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−228134号公報
【特許文献2】特開2008−311847号公報
【特許文献3】特開2009−246722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
データファイルの途中の領域から再生等の処理を施すためには、所望の領域を指定する必要がある。そしてデータファイルが常に最初から再生される場合、所望の領域を指定するためには、煩雑な操作と比較的長い時間を要してしまう。
【0006】
また、複数のサムネイル画像を表示させることにより、動画像の途中から再生を可能にする場合、再生開始後には不要となり得るサムネイル画像を表示するための表示領域が必要となる。さらに、サムネイル画像を生成する処理および表示が必要となるため、電力消費量とデータ処理のための所要時間の増大を招く。
【0007】
本発明は、特別な表示領域を必要とせずに、速やかに所望の領域からデータ処理を開始させることが可能なデータ処理装置およびデータ処理方法の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のデータ処理装置は、識別情報を有するデータファイルを処理するデータ処理手段と、データファイルの処理を所定のデータ領域から開始させるように制御するデータ処理制御手段とを備えている。データ処理装置においては、表示されている識別情報に含まれる領域とデータファイルのデータ領域とが対応しており、データ処理制御手段が、データファイルの処理を開始させるために識別情報が選択される動作において指定された識別情報の指定領域に対応したデータ領域から処理を開始させる。
【0009】
データ処理装置においては、識別情報に含まれる複数の指標とデータ領域とが対応しており、いずれかの指標が、指定領域として指定されることが好ましい。また、識別情報においては、所定のデータ領域に対応した領域を特定領域として特定可能であることが好ましい。特定領域は、例えば、データファイルの前回の処理が終了したデータ領域に対応している。
【0010】
識別情報を含む表示領域とデータ領域とは対応しており、表示領域における任意の点が、指定領域として指定されることが好ましい。データ処理装置は、データファイルの全データ領域における、指定領域に対応したデータ領域の位置を示すデータ領域表示を表示するデータ領域表示手段をさらに有することが好ましい。データ領域表示においては、実際に処理を開始させるデータ領域を調整可能であることがより好ましい。
【0011】
データ処理装置は、識別情報が選択されると、データファイルの処理方法を選択するための選択肢を表示する選択肢表示手段をさらに有することが好ましい。
【0012】
識別情報は、例えば、データファイルのファイル名またはタイトル名である。識別情報は、例えば、文字、記号の少なくともいずれかを含む。この場合、例えば、記号はアイコンを含む。識別情報は、例えば、データファイルの再生時間の長さ、データファイルのサイズ、変更日時、更新日時、データファイルに付されたコメントの少なくともいずれかを含む。
【0013】
本発明の内視鏡システムは、上述のデータ処理装置を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明のデータ処理方法は、識別情報が付されたデータファイルの処理を開始させるために、表示されている識別情報が選択される動作において指定された識別情報の指定領域に対応するデータファイルのデータ領域を認識するデータ領域認識工程と、指定領域に対応したデータ領域から処理を開始させる処理開始工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、特別な表示領域を必要とせずに、速やかに所望の領域からデータ処理を開始させることが可能なデータ処理装置およびデータ処理方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態の内視鏡システムを概略的に示す図である。
【図2】保存されているデータファイルがモニタ上に一覧表示されているウィンドウを例示する図である。
【図3】データファイルが再生されているウィンドウを例示する図である。
【図4】図3とは異なるデータファイルが再生されているウィンドウを例示する図である。
【図5】第2の実施形態のデータファイルがモニタ上に一覧表示されているウィンドウを例示する図である。
【図6】第3の実施形態のデータファイルがモニタ上に一覧表示されているウィンドウを例示する図である。
【図7】スライドバーが表示されているウィンドウを例示する図である。
【図8】データ処理制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】第4の実施形態のデータファイルがモニタ上に一覧表示されているウィンドウを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態の内視鏡システムを概略的に示す図である。
【0018】
内視鏡システム10は、プロセッサ20とパソコン30とを含む。プロセッサ20には、スコープ(図示せず)が取り付けられる。スコープの挿入部は、体内器官の画像データを生成するために、体腔内に挿入される。パソコン30は、画像データ等のデータを処理するパソコン本体32を有する。パソコン本体32には、モニタ34、マウス36、キーボード38が接続されている。
【0019】
パソコン本体32においては、パソコン本体32全体を制御するCPU(図示せず)が内蔵されている。また、パソコン本体32のハードディスクドライブ(データ記憶手段)には、プロセッサ20から送信された画像データ等のデータファイルが記憶されている。
【0020】
図2は、ハードディスクドライブのフォルダに保存されているデータファイルがモニタ34上に一覧表示されているウィンドウを例示する図である。図3は、データファイルが再生されているウィンドウを例示する図であり、図4は、図3とは異なるデータファイルが再生されているウィンドウを例示する図である。
【0021】
ハードディスクドライブに保存されているフォルダ、例えば内視鏡観察という名称のフォルダが開かれると、ウィンドウ40がモニタ34(図1参照)上に表示される。ウィンドウ40においては、内視鏡観察フォルダに含まれる第1〜第4のデータファイル41〜44等が一覧表示されている。第1〜第4のデータファイル41〜44は、それぞれ順にテキストファイル、動画像ファイル、音声ファイル、静止画像ファイルである。
【0022】
ウィンドウ40においては、フォルダ名46とともに各データファイル41〜44のファイルサイズ48が表示されている。そして第1〜第4のデータファイル41〜44のファイル名等が表示されている表示エリア50をスクロールする場合、マウス36(図1参照)によるスクロールボタン52のクリック、またはスクロールボックス54のドラッグが用いられる。
【0023】
本実施形態では、第1〜第4のデータファイル41〜44を識別するためのファイル名(識別情報)に含まれる複数個の指標、すなわちアルファベット、数字、ドット等の記号と、各データファイルのデータ領域とが対応している。例えば、第2のデータファイル42の処理を開始させるべくファイル名“sample1.mpeg”が選択される際に、アルファベット“s”がダブルクリックされて、全ファイル名“sample1.mpeg”の指標における最初の“s”が指定されると、第2のデータファイル42の最初から再生が開始される(図3参照)。
【0024】
なおこのとき、ファイル名“sample1.mpeg”の選択により、動画像再生プログラムが自動的に起動される。このように、本明細書におけるデータファイルの処理には、データファイルの編集、送信等のみならず、データファイルの再生も含まれる。また、データファイルの再生なしに、編集、あるいは送信等の処理が実行されても良い。
【0025】
上述のように本実施形態では、例えばクリック動作によりファイル名が選択される際に、そのファイル名に含まれる複数の指標のいずれかを指定することにより、ファイル名の指標全体における指定された領域(以下、指定領域という)の位置に対応したデータ領域から、データファイルを再生等することができる。
【0026】
図3では、2つのスクロールボタン56の間で移動可能なスクロールボックス58が、左側の端部にある。これは、全指標中の指定領域が最初のアルファベット“s”であったことから、第2のデータファイル42の全データ領域における指定領域に対応した再生開始位置が、データ領域の最初だからである。このように、ファイル名に含まれる指標のみならず、スクロールボックス58の位置も第2のデータファイル42のデータ領域に対応している。
【0027】
ウィンドウ40の表示中には、第2のデータファイル42において、実際に再生を開始させる位置を調整することもできる。この再生開始位置の調整は、スクロールボタン56の操作等でスクロールボックス58の位置を変更することにより、可能である。このスクロールボックス58の位置の変更は、動画が再生中であるか否かに関わらず、可能である。なお、第2のデータファイル42を再生させるために、ウィンドウ40に含まれる再生ボタン61、停止ボタン62、巻戻しボタン63、早送りボタン64等が操作される。
【0028】
また、図2のウィンドウ40において、第3のデータファイル43が選択される際にファイル名“sample2.aiff”のうちアルファベット“l”が指定された場合、第3のデータファイル43の途中のデータ領域が編集対象位置として定められる(図4参照)。より具体的には、例えば、12個の指標からなるファイル名“sample2.aiff”において、左から5番目に位置するアルファベット“l”が指定されたことから、第3のデータファイル43の全データ領域を略12等分したうちの開始側から4番目のデータ領域が編集対象となる。
【0029】
従って図4においては、スクロールボックス58の位置が、2つのスクロールボタン56の間の中心よりもやや左側となっている。なおファイル名“sample2.aiff”が選択されたときには、音声編集プログラムが自動的に起動される。
【0030】
データが文書ファイルであった場合においても、データ処理の開始位置は、全指標中の指定領域に位置に応じて定められる。例えば、1000行の文章がデータとして含まれており、合計10個のアルファベット、記号でファイル名“readme.txt”が形成されている第1のデータファイル41(図2参照)において、アルファベット“a”が指定されると、テキストエディタにより、再生、編集の初期位置が、例えば200行目、あるいは300行目に自動的に設定される。
【0031】
また、本実施形態では、ファイル名に含まれる指標のうち、データファイルの所定のデータ領域に対応した指標を特定させることもできる。例えば、内視鏡観察により得られた画像データにおいて、後に処置を施すことが必要である患部が含まれるといった重要な画像が、全データ領域の略中心に位置する場合、そのファイル名を構成する全指標の中心に位置する指標に、他とは異なる色を付し、あるいは下線を引くことができる。この場合、例えばマウス36またはキーボード38(図1参照)が使用される。
【0032】
このように、ファイル名中のいずれかの指標を特定領域として他の指標と差別化することにより、たとえ異なるユーザがデータを取り扱う場合であっても、より重要なデータから優先的に再生等させることができる。また、指標中の特定領域は、データファイルの前回の処理が終了したデータ領域に対応させても良い。この場合、次回のデータ処理をどの位置から継続させるべきかが、容易に判断可能である。
【0033】
なお、上述のように所定のデータ領域から開始されるデータファイルの処理は、パソコン本体32(図1参照)のCPU(制御手段)により制御される。また、データファイルを処理する演算も、パソコン本体32のCPU(データ処理手段)において行われる。
【0034】
以上のように本実施形態によれば、ファイル名に含まれる指標の位置と、データファイルのデータ領域とを対応させることにより、所望の領域からデータ処理を開始させることができる。そして、ファイル名を選択してデータファイルを開く動作において、いずれかの指標を指定することのみによってデータ処理の開始位置が自動的に定められることから、特別な機器、操作は不要であり、容易かつ速やかに、データ処理を開始させることができる。
【0035】
さらに、データ処理の開始位置を定めるためだけの特別な表示、例えば、複数のサムネイル画像等は不要である。このため、携帯電話器等の小型電子機器においても、処理を開始させるデータ領域を容易に設定することができる。
【0036】
次に、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。図5は、本実施形態のデータファイルがモニタ34上に一覧表示されているウィンドウ40を例示する図である。
【0037】
本実施形態では、データファイルのファイル名を含む所定の表示エリア66と、データファイルのデータ領域とが対応している。本実施形態では、表示エリア66の幅66W、すなわち表示エリア66の左側の輪郭線66Aから右側の輪郭線66Bまでの長さが、各データファイルの全データ領域に対応している。
【0038】
そして、第1のデータファイル41を選択する際に、ポインティングディバイス(図示せず)等を用いて表示エリア66のいずれかの点が指定されると、指定された点の位置に応じて、第1のデータファイル41の処理を開始するデータ領域上の位置が設定される。例えば、指定された点が右側の輪郭線66Bに近く、左側の輪郭線66Aと指定点との距離が、幅66Wの9割程度であった場合、1000行分のデータを有する第1のデータファイル41を処理する初期位置は、例えば800行目〜900行目等に自動的に設定される。
【0039】
データファイルの処理を開始する初期位置は、幅66Wに沿って横方向に並ぶ全画素における、指定点を含む画素の位置を基準として演算される。例えば、幅66Wに沿って配列された画素の総数が234であり、第2のデータファイル42を選択するために“sample1.mpeg”のファイル名中で指定された点と左側の輪郭線66Aとの間の横方向に沿った画素数が67であった場合、第2のデータファイル42は、全データ領域の67/234に対応する位置から処理が開始される。
【0040】
なおデータ領域上の処理開始位置を概ね正確に設定できるように、左側および右側の輪郭線66A、66Bは視認できるように表示されている。ただし、輪郭線66A、66Bの代わりに、ウィンドウ40の輪郭線や、スクロールボックス54を含むスクロールバーの輪郭線を用いて表示エリア66を規定しても良い。
【0041】
以上のように本実施形態によれば、表示エリア66中の画素数に基づいてデータファイルの処理の初期位置をより詳細に定めることが可能である。なお、指標の数が多いファイル名が複数行に渡って表示されている場合、複数行の表示エリア66を想定しても良い。例えば、幅66Wに沿って配置された画素の総数が345であって、ファイル名が3行目まで表示されているときに、第2行目の左から78番目の画素に指定点が含まれた場合、全データ領域における(345+78)/345×3の演算結果に対応する位置を、処理の初期位置として定めても良い。
【0042】
次に、第3の実施形態について、上述の実施形態との相違点を中心に説明する。図6は、本実施形態のデータファイルがモニタ34上に一覧表示されているウィンドウ40を例示する図である。図7は、スライドバーが表示されているウィンドウ40を例示する図である。
【0043】
本実施形態においては、ファイル名が選択されると、そのファイル名が付されたデータファイルに対して可能な処理方法を選ぶためのコンテクストメニュー68がウィンドウ40にて表示される。例えば、ファイル名“sample2.aiff”が右クリックされて第3のデータファイル43が選択されると、第3のデータファイル43に対して可能な処理の選択肢として、再生(Play)、編集(Edit)、送信(Send)の3つを含むコンテクストメニュー68が表示される。
【0044】
そしてユーザが第3のデータファイル43を再生させるためにコンテクストメニュー68のPlayの領域をクリックして選択すると、さらに図7に示されるスライドバー70およびスライダ72が表示される。本実施形態では、スライドバー70の長さが、第3のデータファイル43の全データ領域に対応しており、スライドバー70におけるスライダ72の位置が、第3のデータファイル43の全データ領域において処理を開始させる初期位置、すなわち指定領域の位置に対応している。
【0045】
従って、これまでの実施形態と同様に、ファイル名“sample2.aiff”を選択するときのクリック動作によりいずれかの指標が指定され、あるいは表示エリア66(図5参照)中のある一点が指定されたときには、パソコン本体32のCPUにおいて指定領域が算出され、さらに指定領域に対応したスライダ72の位置が算出される。
【0046】
例えば、全データ領域の中心がファイル名の指標中の指定領域に対応する場合、図7にて示されたように、第3のデータファイル43の全データの再生には1分20秒間要するところ、その半分の40秒経過時点のデータ領域から再生が開始されるように、スライダ72の表示位置が調整される。なお本実施形態においても、スライドバー70およびスライダ72が表示された状態で、全データ領域中の実際に処理を開始させる位置を調整することができる。この場合、図7にて例示されたスライダ72の位置が、マウス36のドラッグ操作等により変更される。また、例えば選択されたデータファイルの前回の処理が終了したデータ領域に対応するように、スライダ72の初期位置を定めても良い。
【0047】
なお、データファイルに対して実施可能な処理の選択肢は、データファイルの種類や、パソコン本体32においてインストールされているソフトウェアの種類によって異なる。このため、コンテクストメニュー68に含まれるデータ処理の選択肢は、データファイルごとに異なり得る。また、送信処理が行われる場合、データファイルは、例えばストリーミング再生されつつサーバを介して他のパソコン(いずれも図示せず)に送られる。
【0048】
図8は、本実施形態におけるデータ処理制御ルーチンを示すフローチャートである。データ処理制御ルーチンは、ウィンドウ40がモニタ34上に表示されるとスタートする。
【0049】
ステップS102では、ファイル名が選択されたか否かが判断され、選択されたと判断されるとステップS104に進む。ステップS104では、選択されたファイル名のデータファイルが再生可能であるか否かが判断される。データファイルが再生可能であると判断されるとステップS106に進み、再生可能でないと判断されるとステップS108に進む。ステップS106では、コンテクストメニュー68の項目に再生(Play)が加えられる処理が実行され、ステップS108に進む。
【0050】
ステップS108では、ステップS102で選択されたファイル名のデータファイルが編集可能であるか否かが判断される。データファイルが編集可能であると判断されるとステップS110に進み、編集可能でないと判断されるとステップS112に進む。ステップS110では、コンテクストメニュー68の項目に編集(Edit)が加えられる処理が実行され、ステップS112に進む。
【0051】
ステップS112では、ステップS102で選択されたファイル名のデータファイルが送信可能であるか否かが判断される。データファイルが送信可能であると判断されるとステップS114に進み、送信可能でないと判断されるとステップS116に進む。ステップS114では、コンテクストメニュー68の項目に送信(Send)が加えられる処理が実行され、ステップS116に進む。
【0052】
ステップS116では、ステップS104〜S114において定められた所定の項目を含むコンテクストメニュー68(図7参照)がウィンドウ40上に表示され、ステップS118に進む。ステップS118では、マウス36がクリックされたか否かが判断され、クリックされたと判断されるとステップS120に進む。ステップS120では、クリック位置がコンテクストメニュー68上であったか否かが判断され、コンテクストメニュー68上であったと判断されるとステップS122に進み、コンテクストメニュー68上ではなかったと判断されるとステップS124に進む。
【0053】
ステップS122では、ステップS120においてクリックされたコンテクストメニュー68における項目用にスライドバー70およびスライダ72が表示され、ステップS126に進む。一方、ステップS124では、コンテクストメニュー68が消去され、ステップS102に戻る。
【0054】
ステップS126では、マウス36の操作によりウィンドウ40がクリックされたか否かが判断され、クリックされたと判断されるとステップS128に進む。ステップS128では、クリック位置がスライドバー70上であったか否かが判断され、スライドバー70上であったと判断されるとステップS130に進み、スライドバー70上ではなかったと判断されるとステップS132に進む。ステップS130では、クリックされた位置にスライダ72が移動するとともに、クリックされた位置に対応したデータ領域から再生、編集等の処理が行われ、ステップS102に戻る。
【0055】
ステップS132では、クリック位置がスライダ72上であったか否かが判断され、スライダ72上であったと判断されるとステップS134に進み、スライダ72上ではなかったと判断されるとステップS124に進み、コンテクストメニュー68が消去される。ステップS134では、マウス36が開放されてドラッグ操作が終了したか否かが判断され、マウス36が開放されたと判断されるとステップS130に進んでデータ処理が開始され、マウス36が開放されていないと判断されるとステップS136に進む。ステップS136では、マウスのドラッグ操作に対応するようにスライダ72の位置が更新され、ステップS134に戻る。
【0056】
以上のように本実施形態によれば、これまでの実施形態と同様に、データファイルを開くときにデータ処理の開始位置が容易に定められるとともに、選択されたデータファイルに対して可能な処理が容易に把握できる。
【0057】
次に、第4の実施形態について、上述の実施形態との相違点を中心に説明する。図9は、本実施形態のデータファイルがモニタ34上に一覧表示されているウィンドウ40を例示する図である。
【0058】
本実施形態においては、音楽や動画等のデータファイルを連続して再生するために、再生する順番に従ってリスト化されたプレイリストがウィンドウ40上に表示される。例えば、第5〜第7のデータファイル75〜77の識別情報には、データファイルのファイル名以外にも、タイトル名、再生時間の長さ(長さ)、データファイルのサイズ、変更日時、更新日時、データファイルに付されたコメント等が含まれる。本実施形態では、これらの識別情報の少なくともいずれかにおける指定領域に対応するように、データ処理の開始位置が定められる。
【0059】
以上のように本実施形態によれば、様々な識別情報のいずれか、あるいは複数の識別情報に含まれる領域を指定することによりデータファイル処理の開始位置が定められるため、データ処理の利便性がより高められる。例えば、同じデータファイルについての識別情報であって、ある程度以上の数の文字、記号等を含む複数の識別情報を、それぞれデータファイルのデータ領域と対応させておくことにより、データ処理の開始位置を速やかに決定することができる。タイトル名、ファイル名等の多くを同時に表示できない場合であっても、そのときに表示されているいずれかの識別情報の領域を指定すれば十分だからである。
【0060】
データ処理のためのウィンドウ40における表示方法等は、上述のいずれの実施形態にも限定されない。例えば、ファイル名を構成する指標としては、アルファベット等の文字、アイコン等の記号に加え、数字、スペース等が含まれても良い。さらに、拡張子を除くファイル名の指標を全データ領域に対応させても良い。ウィンドウ40をタッチパネルで表示しても良い。また、第1〜第4の実施形態を適宜組み合わせても良い。例えば、第4の実施形態におけるタイトル名等の識別情報において、第2の実施形態と同様に画素数に基づいてデータファイルの処理の初期位置を定めても良い。
【0061】
ファイル名に含まれる全指標中の指定領域の位置と、処理が開始されるデータ領域との対応関係を適宜調整しても良い。例えば、データファイルがいくつかのグループ、例えばn個のグループに分割されている場合、ファイルサイズをファイル名の全指標数で均等に分割させることなく、指定領域の位置に応じて、第1、第2、第3・・・のいずれかのグループの最初から処理を開始しても良い。また、マウス36、キーボード38以外の部材を用いてデータ処理を実行させても良い。
【0062】
上述の実施形態におけるデータ処理を、内視鏡システム10の他にビデオデッキ、携帯電話機等に適用しても良い。また、プロセッサ20を含まないパソコン30単体に適用しても良い。
【符号の説明】
【0063】
10 内視鏡システム
30 パソコン
32 パソコン本体(データ処理手段・データ処理制御手段)
34 モニタ(データ領域表示手段・選択肢表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を有するデータファイルを処理するデータ処理手段と、
前記データファイルの処理を所定のデータ領域から開始させるように制御するデータ処理制御手段とを備え、
表示されている前記識別情報に含まれる領域と前記データファイルのデータ領域とが対応しており、前記データ処理制御手段が、前記データファイルの処理を開始させるために前記識別情報が選択される動作において指定された前記識別情報の指定領域に対応した前記データ領域から処理を開始させることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記識別情報に含まれる複数の指標と前記データ領域とが対応しており、いずれかの前記指標が、前記指定領域として指定されることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記識別情報において、所定の前記データ領域に対応した領域を特定領域として特定可能であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記特定領域が、前記データファイルの前回の処理が終了した前記データ領域に対応していることを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記識別情報を含む表示領域と前記データ領域とが対応しており、前記表示領域における任意の点が、前記指定領域として指定されることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記データファイルの全データ領域における、前記指定領域に対応した前記データ領域の位置を示すデータ領域表示を表示するデータ領域表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記データ領域表示において、実際に処理を開始させる前記データ領域を調整可能であることを特徴とする請求項6に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記識別情報が選択されると、前記データファイルの処理方法を選択するための選択肢を表示する選択肢表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記識別情報が、前記データファイルのファイル名またはタイトル名であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記識別情報が、文字、記号の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記記号がアイコンを含むことを特徴とする請求項10に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記識別情報が、前記データファイルの再生時間の長さ、前記データファイルのサイズ、変更日時、更新日時、前記データファイルに付されたコメントの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項13】
請求項1に記載のデータ処理装置を備えたことを特徴とする内視鏡システム。
【請求項14】
識別情報が付されたデータファイルの処理を開始させるために、表示されている前記識別情報が選択される動作において指定された前記識別情報の指定領域に対応する前記データファイルのデータ領域を認識するデータ領域認識工程と、
前記指定領域に対応した前記データ領域から処理を開始させる処理開始工程とを備えることを特徴とするデータ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−146907(P2011−146907A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5926(P2010−5926)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】