データ処理装置及び保険証照合システム
【課題】保険証の照合処理を迅速且つ的確に行いうる技術を提供する。
【解決手段】初診受付装置において、複数の光源を順次用いて保険証を読み取り、光源毎の第1画像データを生成し、光源毎の第1画像データに対し、予め定められた複数の画像処理パラメータを順次適用して画像処理を行い、第2画像データを生成する。光源毎及び画像処理パラメータ毎の第2画像データから文字列を抽出し、抽出した文字列のうち保険証の項目名と項目名の内容を表す文字列を特定する。特定結果を用いて予め定められた条件を満たす光源及び画像処理パラメータを画像情報とし、当該画像情報が適用された第2画像データから特定された文字列を照合用保険証データとして記憶する。
【解決手段】初診受付装置において、複数の光源を順次用いて保険証を読み取り、光源毎の第1画像データを生成し、光源毎の第1画像データに対し、予め定められた複数の画像処理パラメータを順次適用して画像処理を行い、第2画像データを生成する。光源毎及び画像処理パラメータ毎の第2画像データから文字列を抽出し、抽出した文字列のうち保険証の項目名と項目名の内容を表す文字列を特定する。特定結果を用いて予め定められた条件を満たす光源及び画像処理パラメータを画像情報とし、当該画像情報が適用された第2画像データから特定された文字列を照合用保険証データとして記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険証等の本人を確認するための情報を照合する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
初めて診察を受ける場合や、前回の保険証の確認手続日から月を跨って診察を受ける場合には、本人若しくは家族が加入している健康保険の保険証を病院の受付で提示し、保険者情報の変更や期限切れ等が無いかを確認する受給資格確認手続が行われる。病院の担当者は、このような保険証の有効性を確認する作業を毎月行っている。下記特許文献1には、保険証の確認手続の作業負担を減らすために、保険証の確認手続を行う毎に患者の保険証を保険証読取装置で読み取ったテキストデータと、前回の確認時に有効性が確認された保険証データとを自動照合する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−101869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来技術のように保険証の画像を読み取ってテキストデータを自動照合する場合や、読み取った画像同士を照合する場合、保険証の文字認識結果や画像の読取精度が悪ければ適切に自動照合することができない。また、高精度なスキャナ装置を用いることで画像の読取精度等を向上させることができるが、処理時間が増大して患者を待たせることとなる。
本発明は、保険証の照合処理を迅速且つ的確に行いうる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るデータ処理装置は、波長帯が異なる複数の光源毎に、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、読み取った光源毎の画像を示す第1画像データを出力する第1画像読取手段と、予め定められた複数のパラメータを順次用いて前記第1画像データに対して画像処理を施し、前記光源毎及び前記パラメータ毎の第2画像データを生成する第1画像処理手段と、前記第1画像処理手段によって生成された前記光源毎及び前記パラメータ毎の前記第2画像データから文字列を抽出する第1抽出手段と、前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第1記憶手段と、前記第1記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第1項目名特定手段と、前記第1項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第1内容特定手段と、前記第1項目名特定手段及び前記第1内容特定手段の特定結果を用いて予め定められた条件に合致する光源、パラメータ、及びこれらに対応する前記第1内容特定手段により特定された前記文字列の組合せを特定する特定手段と、前記特定手段が特定した組合せの前記文字列を照合用データとし、当該組合せの前記光源及びパラメータを画像情報として、患者を識別する患者識別情報と対応づけてデータベースに登録する登録手段と備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の請求項2に係るデータ処理装置において、前記特定手段は、前記項目名特定手段により特定された項目名の数に応じて前記組合せを特定することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項3に係るデータ処理装置において、前記項目名定義情報は、前記項目名を表す文字列と一致及び類似する文字列を当該項目名と対応づけて記憶し、前記項目名特定手段は、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列が前記項目名定義情報に記憶されている場合に、前記項目名定義情報に記憶された当該文字列に対応する前記項目名を特定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項4に係るデータ処理装置は、前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取るICカード読取手段を備え、前記登録手段は、前記照合用データ、前記画像情報、及び前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータを前記患者識別情報と対応付けて前記データベースに登録することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項5に係るデータ処理装置は、患者を識別する患者識別情報の入力を受付ける受付手段と、前記受付手段により受付けられた患者識別情報に対して予め対応づけられた光源及び画像処理パラメータを含む画像情報をデータベースから取得する画像情報取得手段と、前記画像情報取得手段により取得した画像情報の光源を用いて、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、第3画像データを出力する第2画像読取手段と、前記第2画像読取手段により出力された前記第3画像データに対し、取得した前記画像情報の画像処理パラメータを用いて画像処理を行う第2画像処理手段と、前記第2画像処理手段によって画像処理がなされた前記第3画像データから文字列を抽出する第2抽出手段と、前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第2記憶手段と、前記第2記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第2抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第2項目名特定手段と、前記第2項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第2内容特定手段と、前記第2内容特定手段により特定された前記文字列を前記保険証の照合データとし、予めデータベースに記憶されている当該保険証の照合用データと当該照合データとを照合した結果を取得する照合手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項6に係るデータ処理装置は、前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取るICカード読取手段を備え、前記データベースには、前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータが予め記憶されており、前記照合手段は、前記照合データと前記照合用データの照合結果と、前記データベースにおける前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータと前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータの照合結果とを取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項7に係る保険証照合システムは、第1データ処理装置と第2データ処理装置とを備え、前記第1データ処理装置は、波長帯が異なる複数の光源毎に、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、読み取った光源毎の画像を示す第1画像データを出力する第1画像読取手段と、予め定められた複数のパラメータを順次用いて前記第1画像データに対して画像処理を施し、前記光源毎及び前記パラメータ毎の第2画像データを生成する第1画像処理手段と、前記第2画像処理手段によって生成された前記光源毎及び前記パラメータ毎の前記第2画像データから文字列を抽出する第1抽出手段と、前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第1記憶手段と、前記第1記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第1項目名特定手段と、前記第1項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第1内容特定手段と、前記第1項目名特定手段及び前記第1内容特定手段の特定結果を用いて予め定められた条件に合致する光源、パラメータ、及びこれらに対応する前記第1内容特定手段により特定された前記文字列の組合せを特定する特定手段と、前記特定手段が特定した組合せの前記文字列を照合用データとし、当該組合せの前記光源及びパラメータを画像情報として、患者を識別する患者識別情報と対応づけてデータベースに登録する登録手段とを有し、前記第2データ処理装置は、前記患者識別情報の入力を受付ける受付手段と、前記受付手段により受付けられた患者識別情報に対応する画像情報を前記データベースから取得する画像情報取得手段と、前記画像情報取得手段により取得した画像情報の光源を用いて、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、第3画像データを出力する第2画像読取手段と、前記第2画像読取手段により出力された前記第3画像データに対し、取得した前記画像情報の画像処理パラメータを用いて画像処理を行う第2画像処理手段と、前記第2画像処理手段によって画像処理がなされた前記第3画像データから文字列を抽出する第2抽出手段と、前記項目名定義情報を予め記憶する第2記憶手段と、前記第2記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第2抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第2項目名特定手段と、前記第2項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第2内容特定手段と、前記第2内容特定手段により特定された前記文字列を前記保険証の照合データとして、当該照合データと、前記データベースに記憶されている当該保険証の照合用データとを照合した結果を取得する照合手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項8に係る保険証照合システムは、前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、前記第1処理装置は、予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取る第1ICカード読取手段を備え、前記登録手段は、前記照合用データ、前記画像情報、及び前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータを前記患者識別情報と対応付けて前記データベースに登録し、前記第2処理装置は、予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取る第2ICカード読取手段を備え、前記照合手段は、前記照合データと前記照合用データの照合結果と、前記データベースにおける前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータと前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータの照合結果とを取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る本発明によれば、照合用データに係る画像情報を保険証の照合時に用いることが可能となるため、保険証の照合処理を迅速且つ的確に行うことができる。
【0014】
請求項2に係る本発明によれば、特定された項目名の数によって照合用データ及び画像情報を特定することができる。
【0015】
請求項3に係る本発明によれば、保険証に記載された項目名の文字列が誤って認識されて抽出された場合においても当該項目名を表す文字列として特定されうる。
【0016】
請求項4に係る本発明によれば、保険証の画像から特定された照合用データだけでなく、保険証に記憶されているICカードデータをも用いた保険証の照合が可能となり、照合精度を高めることができる。
【0017】
請求項5に係る本発明によれば、各患者に対応する画像情報を用いて保険証データが生成されるので、当該患者の保険証の照合処理を迅速且つ的確に行うことができる。
【0018】
請求項6に係る本発明によれば、保険証の画像から特定された保険証データの照合結果より照合精度が高い照合結果を得ることができる。
【0019】
請求項7に係る本発明によれば、照合用データに係る画像情報を適用して照合対象の保険証に係る保険証データが生成されるため、保険証の照合処理を迅速且つ的確に行うことができる。
【0020】
請求項8に係る本発明によれば、保険証の画像から特定された保険証データと保険証に記憶されているICカードデータとを用いた保険証の照合結果を得ることができるので、保険証データだけを用いた照合結果に比べて照合精度の高い照合結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】保険証照合システムの構成を示す図である。
【図2】(a)は、初診受付装置の構成を説明する図である。(b)は、保険証読取装置の外観を説明する図である。(c)は、診察券の例を説明する図である。
【図3】初診受付装置の初診受付処理の構成を表すブロック図である。
【図4】(a)は、照合項目定義情報の構成及びデータ例を示す図である。(b)は、照合項目キーワードの構成及びデータ例を示す図である。(c)は、保険者番号テーブルの構成及びデータ例を示す図である。
【図5】サーバ装置の構成を表すブロック図である。
【図6】(a)は、患者データベースの構成及びデータ例を示す図である。(b)は、保険証データベースの構成及びデータ例を示す図である。(c)は、受診番号管理データの構成及びデータ例を示す図である。
【図7】(a)は、再来受付装置の外観を説明する図である。(b)は、再来受付装置の構成を表すブロック図である。
【図8】初診受付処理を示す動作フロー図である。
【図9】照合用保険証データの抽出処理を示す動作フロー図である。
【図10】再来受付処理を示す動作フロー図である。
【図11】(a)〜(d)は、再来受付装置における画面表示例を示す図である。
【図12】変形例(11)に係る保険証読取装置の構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(概要)
図1は、本実施形態の保険証照合システムの構成例を示している。保険証照合システム1は、ネットワークケーブルを介して、サーバ装置10、初診受付装置20(第1データ処理装置)、再来受付装置30(第2データ処理装置)が接続されて構成されている。初診受付装置20は、初診患者の診察申込書に記載された患者情報や保険証の情報を登録する初診受付処理を担当者の操作に応じて行う。初診受付装置20は、初診受付処理時に、当該患者が再来したときに保険証の照合を行う場合の照合元となる照合用データ(以下、照合用保険証データと言う)を生成する。この照合用保険証データは、保険証の画像から抽出されたテキストデータである。
再来受付装置30は、再来患者の受付操作に応じて再来受付処理を行い、保険証の照合対象者に対しては、初診受付装置20において生成された照合用保険証データと照合するための保険証データを生成する。この保険証データは、再来患者の保険証の画像から抽出されたテキストデータである。
サーバ装置10は、初診受付装置20による初診受付処理結果と、再来受付装置30による再来受付処理結果を用い、再来受付装置30からの要求に応じて保険証の照合を行い、再来受付装置30に照合結果を通知する処理や、初診患者及び再来患者に対する受診番号を付与する処理を行う。尚、説明の便宜上、各装置は1台の場合について説明するが、各装置の数はこれに限定されない。
【0023】
<構成>
以下、サーバ装置10、初診受付装置20、再来受付装置30の各構成について、初診受付装置20、サーバ装置10、再来受付装置30の順に説明する。
(初診受付装置20)
初診受付装置20は、図2(a)に示すように、パソコン等のデータ処理装置21、保険証読取装置22、診察券発行装置23、受診票発行装置24とで構成されている。保険証読取装置22は、図2(b)に示すように、カードサイズの保険証に対応した保険証挿入口22aと、カードサイズより大きい用紙型の保険証に対応した保険証挿入口22bとを有する光学式画像読取装置である。保険証読取装置22は、赤(R)、緑(G)、近赤外光(K)の波長帯が異なる光源を有し、データ処理装置21の指示に応じて各光源を切り換え、挿入された保険証の画像を例えば300dpi等の低解像度で読み取る。また、保険証読取装置22の保険証挿入口22a及び22bには保険証が挿入されているか否かを検知するセンサ(図示略)が設けられている。
【0024】
診察券発行装置23は、図2(c)に示すような磁気カード3を発行する磁気カード発行機であり、磁気カード3の磁気部分に患者の氏名や患者番号等のデータの書き込みを行い、これらの内容を磁気カード3の表面に印字する。受診票発行装置24は、所定の用紙に患者の受診番号や患者名等を印字して出力するプリンターである。
【0025】
図3は、初診受付装置20の初診受付処理に係る構成を表すブロック図である。図3に示すように、初診受付装置20は、制御部201、保険証読取部202、操作部203、表示部204、画像処理部205、記憶部206、診察券発行部207、受診票発行部208、及び通信部209を含んで構成されている。
【0026】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)のメモリを含んで構成されており、CPUがROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部201と接続された各部を制御して初診受付処理を行う。
具体的には、患者の保険証を保険証読取装置22において、光源(R、G、K)毎に読み取られて出力された保険証の各画像データ(以下、第1画像データと言う)に対し、後述の画像処理部205において所定の画像処理が施された各光源の画像データ(以下、第2画像データと言う)に対し文字認識処理を行って文字列を抽出する第1抽出手段としての機能を有する。また、制御部201は、保険証の照合に用いる項目名とその内容を示す各キーワードを特定する第1項目名特定手段及び第1内容特定手段としての機能と、各第2画像データについて抽出されたキーワードの抽出精度が最も高い第2画像データの光源及び画像処理のパラメータとキーワード群の組合せを特定する特定手段としての機能と、特定した組合せのキーワード群を照合用保険証データとし、特定した光源及び画像処理のパラメータを画像情報としてサーバ装置10に登録する登録手段としての機能とを有する。
なお、本実施形態において、上記キーワードは、照合すべき保険証の項目名とその内容とを示す文字列であり、以下、項目名を表す文字列を照合項目キーワード、内容を表す文字列を照合キーワードと呼ぶ。
【0027】
また、患者が記入した診察申込書に基づいて入力された患者情報のデータをサーバ装置10に送信し、サーバ装置10から各初診患者に対する患者番号と受診番号を取得して診察券と受診票の発行を行う。
【0028】
保険証読取部202は、上記保険証読取装置22を有し、制御部201の制御の下、初診患者の保険証の画像を上記光源毎に順次読み取り、読み取った第1画像データを制御部201へ送出する第1画像読取手段として機能する。なお、本実施形態では、保険証の画像を読み取る際、保険証の種類(カード型、用紙型)に応じて定められている印字領域において、所定の読取位置から予め決められた方向に順次走査して画像を読み取る。
【0029】
操作部203は、キーボードやマウス等の入力装置で構成されており、担当者による入力操作を受付け、受付けた入力操作を示す操作信号を制御部201に送出する。表示部204は、液晶等のディスプレイで構成され、制御部201の制御の下、初診受付処理のメニュー画面等を表示する。
【0030】
画像処理部205は、画像処理用のDSP(Digital Signal Processor)を有し、保険証読取部202において読み取られた光源毎の各第1画像データに対して所定の画像処理を行う第1画像処理手段として機能する。即ち、画像処理部205は、所定の画像処理として、読み取られた保険証の背景画像の除去や罫線除去などの画像処理を行うと共に、予め定められた倍率(例えば2倍)で第1画像データを拡大する拡大処理と、予め定められた複数のガンマ値毎にガンマ補正を行うガンマ補正処理と、ガンマ補正処理後に倍率を元に戻す縮小処理を行う。光源毎の各第1画像データに対して適用したガンマ値(画像処理パラメータ)と画像処理が施された第2画像データを制御部201へ送出する。上記拡大処理により、保険証に印字されているコピーガード等の画像の濃度が下がり、拡大された画像データに対してガンマ補正処理を行うことでこれらの画像が消去される。本実施形態では、予め定められた4つのガンマ値毎にガンマ補正処理を行う。なお、本実施形態では、画像処理部205は、DSPを用いて所定の画像処理を行う例とするが、制御部201において上記所定の画像処理を行うプログラムを記憶し、当該プログラムを実行して上述の各画像処理を行うように構成してもよい。
【0031】
記憶部206は、ハードディスク等の不揮発性記憶媒体で構成されており、文字認識結果から照合項目キーワード及び照合キーワードを抽出する際に参照される項目名定義情報(照合項目定義情報及び照合項目キーワードテーブル)、照合キーワードの検証に用いられる保険者番号テーブル等の各種データを記憶する第1記憶手段として機能する。
【0032】
ここで、本実施形態における照合項目定義情報、照合項目キーワードテーブル、保険者番号テーブルについて説明する。図4(a)は、照合項目定義情報の構成及びデータ例を示している。図示するように、照合項目定義情報51は、照合項目キーワードを識別する識別番号、照合項目キーワード、照合項目キーワードの種別が対応づけられている。種別は、照合項目キーワードが必須の照合項目か否かを示すフラグを記憶し、本実施形態では、必須の照合項目は1、他の照合項目は0が予め設定されている。
【0033】
図4(b)は、照合項目キーワードテーブルの構成及びデータ例を示している。図示するように、照合項目キーワードテーブル52は、各照合項目キーワードの識別番号K1〜K7と各照合項目キーワードに対応する文字列とが対応づけられている。この照合項目キーワードテーブル52は、保険証の画像データを文字認識して抽出された文字列が照合項目キーワードであるか否かの判断に用いられる。
【0034】
即ち、本実施形態では、文字認識により誤って認識されて抽出された文字列であっても、照合項目キーワードテーブル52に登録されている文字列であれば、当該文字列に対応する当該照合項目キーワードとみなす。
【0035】
例えば、照合項目キーワード“K1”の場合、図4(b)に示すように、“保険者番号・名称”、“保険者番号”、“保険者播号”・・・等、保険者番号の文字と同一又は類似の文字列が記憶されている。保険証の画像の読み取り状況により、“保険者番号”の文字が“保険者播号”等に誤認されて抽出された場合であっても、“保険者播号”の文字列が照合項目キーワードテーブル52に登録されているので、“保険者播号”は“保険者番号”とみなされる。
【0036】
このように、本実施形態では、文字認識によって抽出された文字列が照合項目キーワードの文字と完全に一致していない場合であっても、照合項目キーワードテーブル52における当該文字列と対応する照合項目キーワードの文字列が抽出されたものとする。このように構成することで、読み取られた保険証の画質が高くない場合であっても、適切に照合項目キーワードが抽出される。なお、各照合項目キーワードに対応する文字列は担当者によって変更、追加等を行うことができる。
【0037】
次に、図4(c)は、保険者番号テーブルの構成及びデータ例を示している。図示するように、保険者番号テーブル53には、健康保険協会によって管理されている保険者番号が記憶されている。この保険者番号テーブル53は、初診患者の保険証の画像から抽出された照合項目キーワード“保険者番号”に対する照合キーワードが実在する保険者番号か否かを判断するために参照され、保険者番号テーブル53に登録されている保険者番号と一致していれば、照合キーワードが適切に抽出されていると判断される。
【0038】
図3に戻り、説明を続ける。診察券発行部207は、上記診察券発行装置23を有し、制御部201の制御の下、初診患者の患者番号と当該初診患者の氏名が印字された診察券を発行する。受診票発行部208は、上記受診票発行装置24を有し、制御部201の制御の下、患者番号、患者名、診察順を示す受診番号等の情報を所定の用紙に印字した受診票を発行する。通信部209は、LAN(Local Area Network)等の通信インタフェースであり、制御部201の制御の下、予め割当てられたアドレスを用いて、サーバ装置10との間で通信を確立してデータ通信を行う。
【0039】
(サーバ装置10)
次に、本実施形態におけるサーバ装置10の構成について説明する。図5は、サーバ装置10の構成を表すブロック図である。図5に示すように、サーバ装置10は、制御部101、記憶部102、及び通信部103を含んで構成されている。制御部101は、CPUとRAM及びROMのメモリを含んで構成されており、CPUがROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部101と接続された各部を制御する処理を行う。具体的には、初診受付装置20での初診受付処理結果と再来受付装置30での再来受付処理結果に基づいて、後述の患者データベース(患者DB)と保険証データベース(保険証DB)を更新し、初診患者に対しては患者番号を付与し、初診患者及び再来患者に受診番号を付与する処理を行う。また、再来受付装置30の要求に応じて、再来患者が照合対象者であるか否かを判断し、照合対象者の場合には保険証の照合結果を再来受付装置30へ通知してその照合結果を記憶する処理を行う。
【0040】
記憶部102は、ハードディスク等の記憶媒体で構成されており、患者DB100aや保険証DB100b、受診番号管理データ100c等の各種データを記憶する。通信部103は、LAN等の通信インタフェースであり、制御部101の制御の下、サーバ装置10、初診受付装置20、及び再来受付装置30に予め割当てられたアドレスを用いて各装置との間で通信を確立してデータ通信を行う。
【0041】
次に、上記患者DB100a、保険証DB100b、及び受診番号管理データ100cについて説明する。図6(a)は、患者DB100aの構成及びデータ例を示している。図6(a)に示すように、患者DB100aは、患者番号、患者名、性別、生年月日等の診察申込書の記載内容を表す情報、保険証を最後に確認した保険証確認日の情報が対応づけられている。
図6(b)は、保険証DB100bの構成及びデータ例を示している。図6(b)に示すように、保険証DB100bは、患者番号、照合用保険証データ、画像情報、登録日時が対応付けられている。患者番号は、患者DB100aにおいて記憶されている患者番号と同様である。また、照合用保険証データは、上述した照合項目テーブル51の照合項目キーワードの識別番号に対応する照合キーワードとして抽出された文字列が記憶される。画像情報は、保険証のサイズ(カード型、用紙型)、照合キーワードの抽出元である第2画像データに適用された光源、ガンマ(γ)値を示すガンマ補正情報が記憶される。登録日時は、保険証DB100bに、レコードが記憶された日時が記憶される。患者DB100a、保険証DB100bの各レコードは、初診受付装置20からの初診受付処理データの送信処理によって記憶される。
【0042】
次に、図6(c)は、受診番号管理データの構成及びデータ例を示している。図6(c)に示すように、受診番号管理データ100cは、受付日時と患者番号と受診番号とが対応づけられている。この受診番号管理データ100cは、初診受付装置20及び再来受付装置30において受付処理がなされた患者に対して付与された当日の受診番号が記憶されており、受診番号を付与する際に参照される。サーバ装置10において付与された受診番号は、受診番号の要求元である初診受付装置20又は再来受付装置30へ送信される。
【0043】
(再来受付装置30)
次に、再来受付装置30の構成について説明する。図7(a)は、再来受付装置30の外観を例示した図である。図示するように、再来受付装置30には、診察券3を挿入する診察券挿入口31、カード型の保険証を挿入する保険証挿入口32a及び用紙型の保険証を挿入する保険証挿入口32b、再来受付処理に関する画面を表示するディスプレイ33が設けられている。
図7(b)は、上記再来受付装置30の構成を表すブロック図である。再来受付装置30は、制御部301、診察券読取部302、表示部303、保険証読取部304、記憶部305、受診票発行部306、及び通信部307を含んで構成されている。
【0044】
制御部301は、CPUとRAM及びROMのメモリを含んで構成されており、CPUがROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部301と接続された各部を制御して再来受付処理を行う。具体的には、再来患者が保険証照合対象者である場合には、サーバ装置10から当該患者の保険証に関する画像情報を取得し、画像情報の光源を用いて保険証を読み取って画像データ(以下、第3画像データと言う)を出力する第2画像読取手段としての機能と、画像情報のガンマ補正情報に従って第3画像データに対して画像処理を行う第2画像処理手段としての機能を有する。また、画像処理された第3画像データから照合項目キーワード及び照合キーワードを抽出する第2項目名特定手段と第2内容特定手段としての機能と、抽出した照合項目キーワード及び照合キーワードをサーバ装置10へ送信し、サーバ装置10から当該患者の保険証の照合結果を取得する照合手段としての機能を有する。
【0045】
診察券読取部302は、磁気カードリーダ装置を有し、診察券挿入口31に挿入された診察券から患者番号と患者名を含む診察券データを読み取り、読み取った診察券データを制御部301に送出する受付手段として機能する。
【0046】
表示部303は、タッチスクリーン機能を備えたディスプレイ33を有し、制御部301の制御の下、再来受付処理のメニュー画面や、保険証の照合対象者に対して保険証の挿入を要求する画面や、照合結果を報知する画面等の各種画面を表示し、ディスプレイに接触された位置に応じた操作信号を制御部301に送出する。
【0047】
保険証読取部304は、上述した初診受付装置20の保険証読取部202と同様の機能を備え、制御部301の制御の下、再来受付装置30に設けられたカード型と用紙型の保険証挿入口32a及び32bに挿入された保険証を光源毎に読み取り、読み取った保険証の画像データを制御部301に送出する第2画像読取手段として機能する。
【0048】
記憶部305は、ハードディスク等の不揮発性記憶媒体で構成されており、上述した初診受付装置20と同様の項目名定義情報として、照合項目定義情報61及び照合項目キーワードテーブル62の各種データを記憶する第2記憶手段として機能する。なお、照合項目定義情報61、照合項目キーワードテーブル62は、上述した照合項目定義情報51、照合項目キーワードテーブル52と同様の構成であるためここでの説明を省略する。
【0049】
受診票発行部306は、制御部301の制御の下、再来受付処理が完了した再来患者の患者番号、患者名、受診番号を、初診受付装置20と同様に所定の用紙に印字した受診票を発行する。通信部307は、上述した初診受付装置20の通信部209と同様、制御部301の制御の下、予め割当てられたアドレスを用いてサーバ装置10との間でデータ通信を行う。
【0050】
<動作>
次に、本実施形態に係る保険証照合システム1の初診受付装置20及び再来受付装置30における各動作を順に説明する。
(初診受付装置20)
図8は、初診受付装置20において初診受付処理を行った際の初診受付装置20とサーバ装置10の動作フローを示している。初診受付窓口の担当者は、患者の氏名等の患者情報を記入した診察申込書と保険証とを初診患者から受取り、診察申込書の記入内容に従い、初診受付装置20において患者データの入力を行う。
【0051】
初診受付装置20の制御部201は、操作部203を介して、患者データの入力画面を表示部204に表示し、担当者による患者データの入力を受付ける(ステップS201)。また、制御部201は、保険証読取部202において初診患者の保険証の画像を読み取り、読み取った保険証の第1画像データから抽出された照合用保険証データを含む保険証データと患者データとを対応づけ、通信部209を介してサーバ装置10へ送信する処理を行う(ステップS202)。
【0052】
ここで、ステップS202の具体的な処理について図9を用いて説明する。図9は、照合用保険証データを含む保険証データの抽出処理を説明する動作フローである。図9において、初診受付装置20の制御部201は、担当者により初診患者の保険証がカード型又は用紙型の保険証挿入口へ挿入されると(ステップS10:YES)、保険証が挿入された保険証挿入口に応じて保険証のサイズ(カード型又は用紙型)を保険証読取装置22において検出し、検出した保険証のサイズを示す情報を保険証読取装置22から取得する(ステップS11)。
制御部201は、挿入された保険証の画像を赤(R)光源を用いて読み取ることを保険証読取部202に指示する(ステップS12)。保険証読取部202は、保険証読取装置22における所定の画像読取位置に搬送された保険証を赤(R)光源を用いて読み取り、読み取った赤(R)光源の第1画像データ(以下、第1画像データRと言う)を制御部201へ出力する(ステップS13)。
【0053】
制御部201は、保険証読取部202から取得した第1画像データRに対する画像処理を画像処理部205において行う(ステップS14)。即ち、画像処理部205は、まず、第1画像データRを例えば2倍に拡大し、拡大した第1画像データRに対し、予め定められた4つのガンマ値毎にガンマ補正処理を順次行って元の倍率に縮小し、画像処理後の第2画像データ(以下、第2画像データRと言う)を、当該ガンマ補正処理で用いたガンマ値を示すガンマ補正情報を対応づけてRAMに記憶する。これにより、赤光源で読み取られた第1画像データRに対して画像処理を行った4つの第2画像データRがRAMに記憶される。
【0054】
制御部201は、画像処理部205において画像処理された4つの第2画像データRをRAMから読み出し、各第2画像データRについて文字認識処理を行い(ステップS15)、記憶部206内の照合項目定義情報51において定義されている照合項目キーワードの文字列と照合項目キーワードに対応する照合キーワードを抽出する(ステップS16)。
【0055】
即ち、画像処理がなされた4つの第2画像データR毎に、照合項目定義情報51の照合項目キーワードに相当する文字列を、照合項目キーワードテーブル52を用いて文字認識結果から抽出し、当該文字列の保険証上の位置を予め定義された保険証の座標系に基づいて特定し、特定した位置を基準として、予め定められた抽出条件に基づく位置の文字列を照合キーワードとして抽出する。本実施形態では、保険証の画像における各照合項目キーワードの最後尾にある文字列の位置を基準とし、当該位置の右隣から2文字以内の空白の後に位置する文字列を照合キーワードとして抽出する抽出条件をデフォルトの抽出条件として用いる。
【0056】
なお、このデフォルトの抽出条件を用いた照合キーワードの抽出率が所定値以下である場合には、他の抽出条件に変えて照合キーワードを抽出するようにしてもよい。例えば、照合項目キーワードの右隣から改行された位置(照合項目キーワードの下側)の文字列を照合キーワードとして抽出する抽出条件を予め設定しておき、抽出率に応じてこの抽出条件を適用して照合キーワードの抽出を行うようにしてもよい。このように、保険証上の照合項目キーワードと照合キーワードの文字列の位置関係が定義された抽出条件に従って照合項目キーワードに対する照合キーワードが抽出される。
【0057】
制御部201は、記憶部206内の保険者番号テーブル53を参照し、ステップS16において抽出した照合項目キーワード及び照合キーワードのうち、保険者番号の照合項目キーワードに対応する照合キーワードが保険者番号テーブル53に登録されているか否かを判断する。そして、その判断結果を当該照合キーワードに対応づけ、抽出した全ての照合項目キーワード及び照合キーワード(以下、キーワード群と言う)と、当該キーワード群の抽出元である第2画像データRのガンマ値を示すガンマ補正情報とを対応づけてRAMに記憶する(ステップS17)。
【0058】
制御部201は、第1画像データRについて4つのガンマ値毎の画像処理及びキーワード抽出処理が終了するまで、ステップS14〜S17の各処理を繰り返し行う(ステップS18:NO)。そして、全ての画像処理及びキーワード抽出処理が終了した場合に(ステップS18:YES)、赤(R)光源の場合と同様、緑(G)光源、近赤外光(K)の光源を用いて保険証の画像の読み取りを行うよう保険証読取部202に順次指示し、保険証読取部202において読み取られた緑(G)光源の第1画像データG、近赤外光(K)の光源の第1画像データKについて、上述したステップS13〜S17と同様の処理を各々の各第1画像データに対して順次行う(ステップS19:NO)。
【0059】
そして、全ての光源についてステップS13〜S14の各処理が完了した場合に(ステップS19:YES)、制御部201は、光源毎及びガンマ補正情報毎のキーワード群をRAMから読み出す。そして、読み出したキーワード群のうち、照合項目定義情報51の種別が1である必須照合項目キーワードとその照合キーワードが全て抽出されているか否か判断する(ステップS20)。
【0060】
制御部201は、全ての必須照合項目キーワードとその照合キーワードが抽出されたキーワード群がある場合には(ステップS20:YES)、そのキーワード群における保険者番号が保険者番号テーブル53に登録されていることを示す判断結果が対応づけられているか否か判断する(ステップS21)。
【0061】
ステップS21において、制御部201は、保険者番号テーブル53に登録されていることを示す判断結果が対応づけられているキーワード群があり(ステップS21:YES)、そのキーワード群が複数である場合には(ステップS22:YES)、複数のキーワード群のうち、抽出された照合項目キーワードと照合キーワードの数が最も多いキーワード群を特定する(ステップS23)。そして、特定したキーワード群の抽出元である第2画像データの光源及びガンマ補正情報とステップS11において取得した保険証のサイズの情報を含む画像情報と、当該キーワード群を照合用保険証データとする保険証データをRAMに記憶する(ステップS24)。
【0062】
また、制御部201は、ステップS22において、該当するキーワード群が複数ではない場合(ステップS22:NO)、そのキーワード群の抽出元である第2画像データの光源及びガンマ補正情報とステップS11において取得した保険証のサイズの情報を含む画像情報と、当該キーワード群を照合用保険証データとする保険証データをRAMに記憶する(ステップS24)。
【0063】
また、ステップS20において、制御部201は、全ての必須照合項目キーワードと照合キーワードを抽出したキーワード群がない場合(ステップS20:NO)、又は、ステップS21において、保険者番号テーブル53に登録されている旨の判断結果が対応づけられているキーワード群がない場合には(ステップS21:NO)、その判断結果を示す情報を表示部204に表示して担当者に報知する(ステップS25)。なお、この報知を確認した担当者は、抽出されたキーワード群のうち最もキーワード数が多いキーワード群を表示部204に表示し、保険証に記載されている内容を視認して、照合項目キーワード及び照合キーワードの入力操作を行い、入力した照合項目キーワード及び照合キーワードをサーバ装置10に送信するようにしてもよい。また、ステップS10において、担当者によって保険証が保険証読取装置22の保険証挿入口22a又は保険証挿入口22bに挿入されなければ(ステップS10:NO)、制御部201は処理を終了する。以上が、初診受付装置20における保険証データの抽出処理である。図8に戻り、説明を続ける。
【0064】
サーバ装置10の制御部101は、初診受付装置20から送信された患者データと保険証データとを通信部103を介して取得すると(ステップS301)、取得した患者データに患者番号を付与して記憶部102の患者DB100aに登録すると共に、取得した保険証データを当該患者番号と対応づけて記憶部102の保険証DB100bに登録する(ステップS302)。これにより、保険証データに含まれる照合用保険証データと画像情報の各々の情報が保険証DB100bに記憶される。
【0065】
そして、制御部101は、記憶部102から受診番号管理データ100cを読み出し、ステップS301において初診受付装置20から患者データを取得した日時を受付日時とし、次に付与すべき受診番号を特定する(ステップS303)。
【0066】
制御部101は、当該初診患者の患者データに含まれている患者番号及び患者名と、ステップS303で特定した受付日時及び受診番号とを受診番号管理データ100cに記憶し(ステップS304)、当該初診患者の患者番号、患者名、受診番号を対応づけて初診受付装置20へ通信部103を介して送信する(ステップS305)。
【0067】
初診受付装置20の制御部201は、通信部209を介してサーバ装置10から初診患者の患者番号、患者名、受診番号を取得すると(ステップS203)、取得した患者番号と患者名を記録した診察券を診察券発行部207において発行し、取得した患者番号と患者名と受診番号を所定用紙に印字した受診票を受診票発行部208において発行する(ステップS204)。
以上が、本実施形態における初診受付装置20の初診受付処理である。次に、再来受付装置30における再来受付処理について説明する。
【0068】
(再来受付装置30の動作)
図10は、再来受付処理を示す動作フローである。再来患者は、再来受付装置30で再来受付処理を行う。再来受付装置30の表示部303には、制御部301の制御の下、図11(a)に示すような再来受付画面310が表示されており(ステップS401)、再来患者は、再来受付装置30に設けられた診察券挿入口31に診察券を挿入する(ステップS402:YES)。
【0069】
再来受付装置30の制御部301は、挿入された診察券の診察券データ(患者番号及び患者名)を診察券読取部302において読み取り、読み取った診察券データを、通信部307を介してサーバ装置10へ送信する(ステップS403)。
【0070】
サーバ装置10の制御部101は、通信部103を介して再来受付装置30から診察券データを取得すると(ステップS311)、付与すべき受診番号を受診番号管理データ100cに基づいて特定し、保険証の照合対象者か否かの判断を患者DB100aに基づいて行う(ステップS312)。即ち、制御部101は、記憶部102から受診番号管理データ100cを読み出し、診察券データを取得した日時を受付日時とし、次に付与すべき受診番号を受付日時の順序で特定する。また、記憶部102の患者DB100aから当該診察券データの患者番号に対応する患者情報の保険証確認日を読み出し、保険証確認日と受付日時とに基づいて、当該患者情報を有する患者が保険証の照合対象者か否かを判断する。例えば、当該患者の保険証確認日が2010年01月05日であり、再来受付装置30での再来受付日が2010年2月10日である場合、当該再来患者は保険証の照合対象者として判断される。
【0071】
そして、制御部101は、受診番号と、保険証の照合対象者であるか否かの判断結果を含む保険証確認情報と、当該患者情報とを再来受付装置30へ送信する(ステップS313)。即ち、制御部101は、保険証の照合対象者である場合には、保険証DB100bから当該患者番号に対応づけられた画像情報を読み出し、当該画像情報と保険証の照合対象者であることを示す情報とを含む保険証確認情報と、患者情報とを再来受付装置30へ送信する。また、当該患者が保険証の照合対象者でない場合には、保険証の照合対象者でないことを示す保険証確認情報と患者情報とを再来受付装置30へ送信する。
【0072】
再来受付装置30の制御部301は、再来患者の受診番号、患者情報、保険証確認情報をサーバ装置10から取得し、これらの情報をRAMに記憶する(ステップS404)。制御部301は、保険証確認情報により再来患者が保険証の照合対象者である場合(ステップS405:YES)、保険証確認情報に含まれる画像情報の保険証のサイズに基づいて、保険証挿入口32a又は32bに保険証を挿入することを要求する画面320を表示部303に表示する(ステップS406)。例えば、画像情報の保険証のサイズがカード型である場合には、図11(b)に示すように、再来受付装置30において上段に設けられたカード型の保険証挿入口32aに保険証を挿入するよう報知される。また、画像情報のサイズが用紙型を示す場合、再来受付装置30において下段に設けられた用紙型の保険証挿入口32bに保険証を挿入するよう報知される。
【0073】
再来受付装置30の保険証挿入口32a又は32bに再来患者により保険証が挿入されると(ステップS407:YES)、制御部301は、保険証読取部304に保険証確認情報に含まれる画像情報の光源を指示し、保険証読取部304は、所定の画像読取位置に搬送された保険証を指示された光源を用いて読み取り、読み取った保険証の第3画像データを制御部301へ送出する。制御部301は、第3画像データを例えば2倍に拡大し、画像情報のガンマ補正情報に従ってガンマ補正を行って元の倍率に戻す画像処理を行う(ステップS408)。
【0074】
制御部301は、ステップS408において画像処理された第3画像データに対し文字認識処理を行って文字列を抽出し、記憶部305内の照合項目定義情報61と照合項目キーワードテーブル62を参照して、抽出した文字列の中から照合項目キーワードに対応する文字列を特定する。また、特定した照合項目キーワードを表す文字列の保険証上の位置を特定し、当該文字列の位置を基準として、初診受付処理の場合と同様の抽出条件に従って照合キーワードの文字列を特定する(ステップS409)。
制御部301は、ステップS409において特定された照合項目キーワード及び照合キーワードを保険証データとして、診察券データの患者番号と共にサーバ装置10へ送信する(ステップS410)。
【0075】
サーバ装置10の制御部101は、再来受付装置30から保険証データ及び患者番号を取得し、当該患者番号に対応する照合用保険証データを記憶部102の保険証DB100bから抽出し、保険証データの照合項目キーワード及び照合キーワードと照合する(ステップS314)。そして、制御部101は、ステップS314において照合した照合結果を再来受付装置30へ送信すると共に、照合した保険証データを患者番号と照合日時とを対応づけて保険証DB100bに登録する。また、患者DB100aにおける当該患者番号に対応する保険証確認日を、保険証を照合した日時に更新する(ステップS315)。この処理により、患者DB100aの保険証確認日が更新され、保険証DB100bにおいて各照合項目キーワードに対応する照合キーワードが保険証DB100bに追加登録される。
【0076】
なお、本実施形態では、照合結果が一致か否かに関わらず、照合した保険証データを保険証DB100bに追加登録するように構成しているが、照合結果が一致している場合には、保険証DB100bにおける照合キーワードを追加登録せずに登録日時だけを更新するようにしてもよい。
【0077】
再来受付装置30の制御部301は、再来患者の保険証の照合結果をサーバ装置10から取得し、照合結果を示す情報を表示部303に表示して報知すると共に(ステップS411)、受診票発行部306において、RAMに記憶されている受診番号を所定用紙に印字した受診票を発行する(ステップS412)。即ち、照合結果が一致していることを示す情報であれば、図11(c)に示すように、保険証の有効性が確認されたことを示す画面330が表示部303に表示され、照合結果が不一致であることを示す情報であれば、図11(d)に示すように、保険証の有効性が確認されなかったことを示す画面340が表示部303に表示される。
【0078】
なお、ステップS405において、再来患者が保険証の照合対象者でない場合には(ステップS405:NO)、上述のステップS412に制御を移し、受診票を発行して終了する。
また、ステップS407において、再来患者により保険証が挿入されなければ(ステップS407:NO)、制御部301は、保険証が挿入されるまで保険証の挿入を要求する画面32を表示部303に表示した状態で待機する。また、ステップS402において、再来患者により診察券が挿入されなければ(ステップS402:NO)、再来受付画面31を表示部303に表示した状態で待機する。
【0079】
上述した実施形態では、初診受付装置20において抽出された照合項目キーワードと照合キーワードの抽出精度が最も高いキーワード群の光源及びガンマ補正情報とを画像情報とし、当該キーワード群が照合用保険証データとして各々サーバ装置10に登録される。また、再来受付装置30において再来患者の保険証を照合する場合には、当該患者の保険証の画像情報に基づいて保険証の読み取りと画像処理を行うことができる。そのため、前回照合した保険証から変更がない場合には、当該保険証の照合に適した画像情報を用いて照合対象となる保険証データを迅速に生成することができ、保険証の照合精度を高めることができる。
【0080】
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、以下の変形例も含まれる。
(1)上述した実施形態の初診受付装置20では、予め定められた抽出条件に従って、保険証の照合項目キーワード及び照合キーワードを抽出する際、キーワードの抽出率が所定値以下である場合には、他の抽出条件に従って照合キーワードの抽出を行ったが、担当者が照合項目キーワードと照合キーワードの位置を定義した保険証のテンプレートを設定するようにしてもよい。即ち、例えば、抽出精度が所定値以下であった保険証の画像データに基づいて、保険証の画像上の各照合項目キーワードと照合キーワードの位置を定義したテンプレートを担当者が生成して登録する。そして、デフォルトの抽出条件に基づいて抽出した照合キーワードの抽出精度が所定値以下である場合に、登録されているテンプレートと保険証の第2画像データにおける照合項目キーワードの位置を照合し、一致している場合にはそのテンプレートの照合キーワードの位置に基づいて、保険証の第2画像データから照合キーワードの文字列を抽出するようにする。
【0081】
(2)また、上述した実施形態の初診受付装置20において、保険証読取装置22で読み取られた画像に対して文字認識処理を行った結果、文字認識の精度が一定値以下である場合には、保険証読取装置22において保険証を読み取る際の角度を所定角度単位にずらして画像を読み取る等、一定の文字認識精度が得られるように調整を行うようにしてもよい。
【0082】
(3)また、上述した実施形態の再来受付装置30において生成された保険証の画像データから抽出された照合項目キーワードとその照合キーワードが、サーバ装置10に登録されている照合用保険証データと一致しなかった場合においても当該照合キーワードを照合用保険証データとして、画像情報と共にサーバ装置10に記憶する構成とした。保険証を変更していない場合であっても、保険証の表面上の汚れや傷等が原因で照合項目キーワードや照合キーワードの文字列が誤って抽出されると、次回の保険証の照合時に前回と同様の照合用保険証データと照合すると照合結果が不一致となる。そのため、照合結果が不一致であった照合用保険証データ、即ち、保険証DB100bにおける登録日時が最新の照合用保険証データを用いて保険証の照合を行うように構成してもよいし、照合対象の患者について登録されている、照合結果が不一致であった照合用保険証データを含む全ての照合用保険証データと照合を行うように構成してもよい。なお、この場合には、一つの患者番号に対し、予め定めた数又は登録日時の範囲内の照合用保険証データが記憶されるように構成する。
【0083】
(4)また、上述した実施形態では、再来受付装置30において再来患者に対して保険証の挿入を要求する際、保険証DB100bに登録されている保険証のサイズに応じた保険証挿入口32a又は32bへ保険証を挿入することを表示する例であったが、当該保険証のサイズに応じた保険証挿入口32a又は32bへの挿入を音声で報知してもよいし、カード型と用紙型の各保険証挿入口32a及び32bの近傍にLED等の発光手段を設け、当該保険証のサイズに応じた保険証挿入口32a及び32bの発光手段を点灯させるように構成してもよい。また、カード型と用紙型の各保険証挿入口32a及び32bを開閉するシャッタを各々設け、当該保険証のサイズに応じた保険証挿入口32a又は32bのシャッタだけを開け、他方の保険証挿入口32a又は32bのシャッタは閉じた状態にするよう構成してもよい。なお、この場合、いずれかのシャッタしか開かない状態では、保険証のサイズが変更になったときに患者が保険証を挿入することができないため、シャッタの開閉操作を受付ける操作ボタンやサイズ変更になったことを入力する入力手段等を設けるように構成してもよい。
【0084】
(5)また、上述した実施形態では、サーバ装置10、初診受付装置20、再来受付装置30とで構成されている例であったが、例えば、サーバ装置10が接続されていない構成であってもよい。この場合には、初診受付装置20及び再来受付装置30においてサーバ装置10における患者DB100a及び保険証DB100bのデータを記憶し、初診受付装置20と再来受付装置30との間で各データの同期をとるように構成する。また、例えば、病院の規模が小さい場合等においては、初診受付装置20と再来受付装置30の機能を併せ持つ受付装置だけで構成されていてもよい。この場合には、初診受付処理と再来受付処理を病院の受付担当者が行うようにする。
【0085】
(6)また、上述した実施形態では、再来受付装置30において挿入された診察券から患者番号等の診察券データを読み取る例であったが、再来受付装置30において、入力操作を受付ける受付手段を設け、診察券に登録されている患者番号の入力を受付けるように構成してもよい。
【0086】
(7)また、上述した実施形態では、全ての必須照合項目キーワードと照合キーワードが抽出されたキーワード群が複数ある場合に、照合項目キーワード「保険者番号」の照合キーワードが保険者番号テーブル53に登録されているキーワード群を照合用保険証データとして特定する例であったが、以下のようにして照合用保険証データを特定してもよい。例えば、保険者番号テーブル53に登録されているか否かに関係なく、抽出された必須照合項目キーワード数が最も多いキーワード群を照合用保険証データとし、当該キーワード群に対応する光源及び画像処理パラメータを画像情報として特定してもよい。また、必須照合項目キーワードか否かに関わりなく、抽出された照合項目キーワード数が最も多いキーワード群を照合用保険証データとし、当該キーワード群に対応する光源及び画像処理パラメータを画像情報として特定してもよい。また、例えば、図4(b)の例において、「保険者播号」のように、照合項目キーワード「保険者番号」とみなされた場合等、誤って認識された照合項目キーワードの数が最も少ないキーワード群を照合用保険証データとし、当該キーワード群に対応する光源及び画像処理パラメータを画像情報として特定するようにしてもよい。
【0087】
(8)上述した実施形態では、4つのガンマ値を順次用いて光源毎の第2画像データにガンマ補正処理を施す例であったが、適用するガンマ値は異なる複数のガンマ値であればこれに限らない。また、実施形態では、3つの光源(R、G、K)を用いて保険証の画像を読み取る例であったが、適用する光源の種類及び数はこれに限定されない。
【0088】
(9)また、上述した実施形態では、光源毎の第1画像データを拡大してガンマ補正を行い、元の倍率に縮小する画像処理を行う例であったが、第1画像データに対して拡大及び縮小処理を行わずに複数のガンマ値を順次適用してガンマ補正処理を行うように構成してもよい。
【0089】
(10)また、上述した実施形態では、再来受付装置30は、再来患者の診察券を読み取ってサーバ装置10から通知された受診番号の受診票を発行する再来受付処理機能と、保険証照合対象患者である場合には、保険証を読み取ってサーバ装置10へ送信し、サーバ装置10から通知された照合結果を再来患者に対して報知する保険証照合処理機能と有する一体型の装置である例について説明したが、再来受付処理と保険証照合処理とを各々別の装置で行うように構成してもよい。なお、この場合には、各装置との間を通信接続し、再来受付処理を行う装置に表示部303を設け、保険証の照合結果を当該表示部303に表示するように構成する。
【0090】
(11)また、上述した実施形態において、保険証がRFID(Radio Frequency Identification)方式等のICカードで構成されている場合における保険証の照合処理の例を以下に説明する。本変形例においては、非接触式のICカードを用い、ICカードの表面には従来と同様に保険者番号等の保険者情報が印字され、ICカードのメモリ内の所定領域には、患者毎にICカードに一意に付与されたIDと保険者情報のデータ(以下、ICカードデータと言う)が記憶されている場合について説明する。また、初診受付装置20は、保険証の画像を読み取ると共に、ICカード内に記憶されているICカードデータを読取るためのICカード読取手段を設けるように構成する。なお、ICカード読取手段は、初診受付装置20の保険証読取装置22に設けられている例を説明するが、ICカードリーダー等のICカード読取手段を別体として初診受付装置20に接続するように構成してもよい。また、本変形例では、保険証が非接触式のICカードを例に説明するが、保険証のカード内部に電子的に情報を記憶する媒体を備え、その媒体に対するデータの書き込みや読み出しを無線方式で行う非接触式又は接触端子を介して行う接触式のいずれであってもよい。
【0091】
本変形例に係る保険証読取装置22は、例えば、図12に示すように、保険証の画像を読取る画像読取部221と、RFIDアンテナを備え、RFIDアンテナを介してICカードデータを読取るICカード読取部222とを有する。保険証挿入口22aにカード型の保険証Cが挿入されると、保険証読取装置22は、破線で示す搬送路において矢印A1の方向に沿って画像読取位置B1まで保険証を搬送し、画像読取部221において光源毎に保険証の画像を読取る。そして、保険証読取装置22は、画像読取部221で保険証の画像を読取った後、矢印A1の方向に沿ってICカード読取位置B2まで保険証を搬送し、ICカード読取部222でICカードデータの読取りを行う。保険証読取装置22は、ICカード読取部222でICカードデータを読み終えた後、矢印A2の方向に沿って保険証を搬送し、保険証挿入口22aから保険証を排出する。保険証読取装置22は、画像読取部221で読取られた光源毎の画像データとICカード読取部222で読取られたICカードデータを初診受付装置20の制御部201へ送出する。
【0092】
制御部201は、実施形態と同様、保険証読取装置22から送出された光源毎の画像データに基づいて照合用保険証データを生成すると共に、その照合用保険証データと保険証読取装置22から送出されたICカードデータ(以下、照合用ICカードデータと言う)とを患者の保険証データとしてサーバ装置10に送信し、サーバ装置10の制御部101において保険証データが患者DB100aに記憶される。
また、再来受付装置30の保険証読取部304は、上記した本変形例に係る保険証読取装置22と同様の構成を備えるものであり、再来患者の保険証の画像データとICカードデータとが保険証読取部304によって読取られる。
【0093】
再来受付装置30における保険証の照合処理は、再来受付装置30の制御部301により、保険証読取部304で読取られた保険証の画像データに対して文字認識処理を行って実施形態と同様の方法で保険証データを生成すると共に、当該保険証データと読取ったICカードデータとをサーバ装置10に送信して照合結果をサーバ装置10から取得する。
具体的には、サーバ装置10の制御部101は、再来受付装置30から受信した保険証データを実施形態と同様の方法で照合用保険証データと照合すると共に、再来受付装置30から受信したICカードデータと患者DB100aに記憶されている照合用ICカードデータと、再来受付装置30から受信したICカードデータとを照合し、保険証データとICカードデータのいずれも照合用保険証データと照合用ICカードデータと一致していれば、再来患者の保険証の有効性が確認されたことを示す照合結果を再来受付装置30に送信する。また、サーバ装置10の制御部101は、保険証データと照合用保険証データが一致しない場合において、ICカードデータと照合用ICカードデータとが一致しない場合には、再来患者の保険証の有効性が確認できなかったことを示す照合結果を再来受付装置30に送信する。
【0094】
再来受付装置30の制御部301は、サーバ装置10から送信された照合結果が、再来患者の保険証の有効性が確認されたことを示す結果の場合には、実施形態と同様の図11(c)に示す画面330を表示部303に表示する。また、制御部301は、サーバ装置10から送信された照合結果が、再来患者の保険証の有効性が確認されなかったことを示す結果の場合には、実施形態と同様の図11(d)に示す画面340を表示部303に表示する。本変形例では、このように、保険証の画像データに基づく保険証データの照合だけでなく、保険証に記憶されている保険者情報のデータを照合することができるので、例えば、再来受付時における保険証の画像の読取精度が初診受付時の画像の読取精度と比べて悪かった場合でも、ICカードデータの照合により保険証の有効性を確実に判断することができる。
【0095】
(12)また、上述した変形例(11)では、保険証のICカードにおいて保険証に印字されている保険者情報と同じ情報が記憶されている例であったが、例えば、一の患者に対する保険者情報が、保険証に印字されている保険者情報(以下、第1保険者情報と言う)とICカードに記憶されている保険者情報(以下、第2保険者情報と言う)とから構成されていてもよい。この場合には、サーバ装置10の制御部101は、再来患者の保険証の画像データに基づく保険証データとICカードデータとを再来受付装置30から受信し、当該再来患者の照合用保険証データと照合用ICカードデータとを患者DB100aから読み出して、保険証データと照合用保険証データとを照合すると共に、ICカードデータと照合用ICカードデータとを照合する。制御部101は、保険証データとICカードデータが各々一致している場合には、再来患者の保険証の有効性が確認されたことを示す照合結果を再来受付装置30に送信し、保険証データとICカードデータのいずれか一方又は両方が一致してない場合には、再来患者の保険証の有効性が確認できなかったことを示す照合結果を再来受付装置30に送信する。なお、保険証データとICカードデータのいずれか一方又は両方が一致してない場合には、第1保険者情報と第2保険者情報のいずれが一致しなかったのかを示す情報を照合結果と合わせて送信するようにしてもよい。
このように構成することにより、例えば、他人の保険証のカードから抜き取ったICチップが埋め込まれた保険証のカードが再来受付装置30に挿入された場合でも、保険証の画像データに基づく保険証データとICカードデータとで照合するため、保険証のカードが偽造されたものか否かを容易に判断することができ、保険証の認証精度を向上させることができる。
【0096】
(13)上述した実施形態では、保険証を用いて照合処理を行う例を説明したが、例えば、医療券等でもよい。つまり、患者が加入している保険の種類や患者を識別する情報が記載され、患者を証明するものであれば保険証には限らない。
【符号の説明】
【0097】
1・・・保険証照合システム、10・・・サーバ装置、20・・・初診受付装置、21・・・データ処理装置、22・・・保険証読取装置、23・・・診察券発行装置、24・・・受診票発行装置、30・・・再来受付装置、101,201,301・・・制御部、102,206,305・・・記憶部、103,209,307・・・通信部、202,304・・・保険証読取部、205・・・画像処理部、207・・・診察券発行部、208,305・・・受診票発行部、203・・・操作部、204,303・・・表示部、302・・・診察券読取部、221・・・画像読取部、222・・・ICカード読取部
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険証等の本人を確認するための情報を照合する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
初めて診察を受ける場合や、前回の保険証の確認手続日から月を跨って診察を受ける場合には、本人若しくは家族が加入している健康保険の保険証を病院の受付で提示し、保険者情報の変更や期限切れ等が無いかを確認する受給資格確認手続が行われる。病院の担当者は、このような保険証の有効性を確認する作業を毎月行っている。下記特許文献1には、保険証の確認手続の作業負担を減らすために、保険証の確認手続を行う毎に患者の保険証を保険証読取装置で読み取ったテキストデータと、前回の確認時に有効性が確認された保険証データとを自動照合する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−101869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来技術のように保険証の画像を読み取ってテキストデータを自動照合する場合や、読み取った画像同士を照合する場合、保険証の文字認識結果や画像の読取精度が悪ければ適切に自動照合することができない。また、高精度なスキャナ装置を用いることで画像の読取精度等を向上させることができるが、処理時間が増大して患者を待たせることとなる。
本発明は、保険証の照合処理を迅速且つ的確に行いうる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るデータ処理装置は、波長帯が異なる複数の光源毎に、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、読み取った光源毎の画像を示す第1画像データを出力する第1画像読取手段と、予め定められた複数のパラメータを順次用いて前記第1画像データに対して画像処理を施し、前記光源毎及び前記パラメータ毎の第2画像データを生成する第1画像処理手段と、前記第1画像処理手段によって生成された前記光源毎及び前記パラメータ毎の前記第2画像データから文字列を抽出する第1抽出手段と、前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第1記憶手段と、前記第1記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第1項目名特定手段と、前記第1項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第1内容特定手段と、前記第1項目名特定手段及び前記第1内容特定手段の特定結果を用いて予め定められた条件に合致する光源、パラメータ、及びこれらに対応する前記第1内容特定手段により特定された前記文字列の組合せを特定する特定手段と、前記特定手段が特定した組合せの前記文字列を照合用データとし、当該組合せの前記光源及びパラメータを画像情報として、患者を識別する患者識別情報と対応づけてデータベースに登録する登録手段と備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の請求項2に係るデータ処理装置において、前記特定手段は、前記項目名特定手段により特定された項目名の数に応じて前記組合せを特定することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項3に係るデータ処理装置において、前記項目名定義情報は、前記項目名を表す文字列と一致及び類似する文字列を当該項目名と対応づけて記憶し、前記項目名特定手段は、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列が前記項目名定義情報に記憶されている場合に、前記項目名定義情報に記憶された当該文字列に対応する前記項目名を特定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項4に係るデータ処理装置は、前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取るICカード読取手段を備え、前記登録手段は、前記照合用データ、前記画像情報、及び前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータを前記患者識別情報と対応付けて前記データベースに登録することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項5に係るデータ処理装置は、患者を識別する患者識別情報の入力を受付ける受付手段と、前記受付手段により受付けられた患者識別情報に対して予め対応づけられた光源及び画像処理パラメータを含む画像情報をデータベースから取得する画像情報取得手段と、前記画像情報取得手段により取得した画像情報の光源を用いて、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、第3画像データを出力する第2画像読取手段と、前記第2画像読取手段により出力された前記第3画像データに対し、取得した前記画像情報の画像処理パラメータを用いて画像処理を行う第2画像処理手段と、前記第2画像処理手段によって画像処理がなされた前記第3画像データから文字列を抽出する第2抽出手段と、前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第2記憶手段と、前記第2記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第2抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第2項目名特定手段と、前記第2項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第2内容特定手段と、前記第2内容特定手段により特定された前記文字列を前記保険証の照合データとし、予めデータベースに記憶されている当該保険証の照合用データと当該照合データとを照合した結果を取得する照合手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項6に係るデータ処理装置は、前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取るICカード読取手段を備え、前記データベースには、前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータが予め記憶されており、前記照合手段は、前記照合データと前記照合用データの照合結果と、前記データベースにおける前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータと前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータの照合結果とを取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項7に係る保険証照合システムは、第1データ処理装置と第2データ処理装置とを備え、前記第1データ処理装置は、波長帯が異なる複数の光源毎に、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、読み取った光源毎の画像を示す第1画像データを出力する第1画像読取手段と、予め定められた複数のパラメータを順次用いて前記第1画像データに対して画像処理を施し、前記光源毎及び前記パラメータ毎の第2画像データを生成する第1画像処理手段と、前記第2画像処理手段によって生成された前記光源毎及び前記パラメータ毎の前記第2画像データから文字列を抽出する第1抽出手段と、前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第1記憶手段と、前記第1記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第1項目名特定手段と、前記第1項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第1内容特定手段と、前記第1項目名特定手段及び前記第1内容特定手段の特定結果を用いて予め定められた条件に合致する光源、パラメータ、及びこれらに対応する前記第1内容特定手段により特定された前記文字列の組合せを特定する特定手段と、前記特定手段が特定した組合せの前記文字列を照合用データとし、当該組合せの前記光源及びパラメータを画像情報として、患者を識別する患者識別情報と対応づけてデータベースに登録する登録手段とを有し、前記第2データ処理装置は、前記患者識別情報の入力を受付ける受付手段と、前記受付手段により受付けられた患者識別情報に対応する画像情報を前記データベースから取得する画像情報取得手段と、前記画像情報取得手段により取得した画像情報の光源を用いて、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、第3画像データを出力する第2画像読取手段と、前記第2画像読取手段により出力された前記第3画像データに対し、取得した前記画像情報の画像処理パラメータを用いて画像処理を行う第2画像処理手段と、前記第2画像処理手段によって画像処理がなされた前記第3画像データから文字列を抽出する第2抽出手段と、前記項目名定義情報を予め記憶する第2記憶手段と、前記第2記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第2抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第2項目名特定手段と、前記第2項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第2内容特定手段と、前記第2内容特定手段により特定された前記文字列を前記保険証の照合データとして、当該照合データと、前記データベースに記憶されている当該保険証の照合用データとを照合した結果を取得する照合手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項8に係る保険証照合システムは、前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、前記第1処理装置は、予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取る第1ICカード読取手段を備え、前記登録手段は、前記照合用データ、前記画像情報、及び前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータを前記患者識別情報と対応付けて前記データベースに登録し、前記第2処理装置は、予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取る第2ICカード読取手段を備え、前記照合手段は、前記照合データと前記照合用データの照合結果と、前記データベースにおける前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータと前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータの照合結果とを取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る本発明によれば、照合用データに係る画像情報を保険証の照合時に用いることが可能となるため、保険証の照合処理を迅速且つ的確に行うことができる。
【0014】
請求項2に係る本発明によれば、特定された項目名の数によって照合用データ及び画像情報を特定することができる。
【0015】
請求項3に係る本発明によれば、保険証に記載された項目名の文字列が誤って認識されて抽出された場合においても当該項目名を表す文字列として特定されうる。
【0016】
請求項4に係る本発明によれば、保険証の画像から特定された照合用データだけでなく、保険証に記憶されているICカードデータをも用いた保険証の照合が可能となり、照合精度を高めることができる。
【0017】
請求項5に係る本発明によれば、各患者に対応する画像情報を用いて保険証データが生成されるので、当該患者の保険証の照合処理を迅速且つ的確に行うことができる。
【0018】
請求項6に係る本発明によれば、保険証の画像から特定された保険証データの照合結果より照合精度が高い照合結果を得ることができる。
【0019】
請求項7に係る本発明によれば、照合用データに係る画像情報を適用して照合対象の保険証に係る保険証データが生成されるため、保険証の照合処理を迅速且つ的確に行うことができる。
【0020】
請求項8に係る本発明によれば、保険証の画像から特定された保険証データと保険証に記憶されているICカードデータとを用いた保険証の照合結果を得ることができるので、保険証データだけを用いた照合結果に比べて照合精度の高い照合結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】保険証照合システムの構成を示す図である。
【図2】(a)は、初診受付装置の構成を説明する図である。(b)は、保険証読取装置の外観を説明する図である。(c)は、診察券の例を説明する図である。
【図3】初診受付装置の初診受付処理の構成を表すブロック図である。
【図4】(a)は、照合項目定義情報の構成及びデータ例を示す図である。(b)は、照合項目キーワードの構成及びデータ例を示す図である。(c)は、保険者番号テーブルの構成及びデータ例を示す図である。
【図5】サーバ装置の構成を表すブロック図である。
【図6】(a)は、患者データベースの構成及びデータ例を示す図である。(b)は、保険証データベースの構成及びデータ例を示す図である。(c)は、受診番号管理データの構成及びデータ例を示す図である。
【図7】(a)は、再来受付装置の外観を説明する図である。(b)は、再来受付装置の構成を表すブロック図である。
【図8】初診受付処理を示す動作フロー図である。
【図9】照合用保険証データの抽出処理を示す動作フロー図である。
【図10】再来受付処理を示す動作フロー図である。
【図11】(a)〜(d)は、再来受付装置における画面表示例を示す図である。
【図12】変形例(11)に係る保険証読取装置の構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(概要)
図1は、本実施形態の保険証照合システムの構成例を示している。保険証照合システム1は、ネットワークケーブルを介して、サーバ装置10、初診受付装置20(第1データ処理装置)、再来受付装置30(第2データ処理装置)が接続されて構成されている。初診受付装置20は、初診患者の診察申込書に記載された患者情報や保険証の情報を登録する初診受付処理を担当者の操作に応じて行う。初診受付装置20は、初診受付処理時に、当該患者が再来したときに保険証の照合を行う場合の照合元となる照合用データ(以下、照合用保険証データと言う)を生成する。この照合用保険証データは、保険証の画像から抽出されたテキストデータである。
再来受付装置30は、再来患者の受付操作に応じて再来受付処理を行い、保険証の照合対象者に対しては、初診受付装置20において生成された照合用保険証データと照合するための保険証データを生成する。この保険証データは、再来患者の保険証の画像から抽出されたテキストデータである。
サーバ装置10は、初診受付装置20による初診受付処理結果と、再来受付装置30による再来受付処理結果を用い、再来受付装置30からの要求に応じて保険証の照合を行い、再来受付装置30に照合結果を通知する処理や、初診患者及び再来患者に対する受診番号を付与する処理を行う。尚、説明の便宜上、各装置は1台の場合について説明するが、各装置の数はこれに限定されない。
【0023】
<構成>
以下、サーバ装置10、初診受付装置20、再来受付装置30の各構成について、初診受付装置20、サーバ装置10、再来受付装置30の順に説明する。
(初診受付装置20)
初診受付装置20は、図2(a)に示すように、パソコン等のデータ処理装置21、保険証読取装置22、診察券発行装置23、受診票発行装置24とで構成されている。保険証読取装置22は、図2(b)に示すように、カードサイズの保険証に対応した保険証挿入口22aと、カードサイズより大きい用紙型の保険証に対応した保険証挿入口22bとを有する光学式画像読取装置である。保険証読取装置22は、赤(R)、緑(G)、近赤外光(K)の波長帯が異なる光源を有し、データ処理装置21の指示に応じて各光源を切り換え、挿入された保険証の画像を例えば300dpi等の低解像度で読み取る。また、保険証読取装置22の保険証挿入口22a及び22bには保険証が挿入されているか否かを検知するセンサ(図示略)が設けられている。
【0024】
診察券発行装置23は、図2(c)に示すような磁気カード3を発行する磁気カード発行機であり、磁気カード3の磁気部分に患者の氏名や患者番号等のデータの書き込みを行い、これらの内容を磁気カード3の表面に印字する。受診票発行装置24は、所定の用紙に患者の受診番号や患者名等を印字して出力するプリンターである。
【0025】
図3は、初診受付装置20の初診受付処理に係る構成を表すブロック図である。図3に示すように、初診受付装置20は、制御部201、保険証読取部202、操作部203、表示部204、画像処理部205、記憶部206、診察券発行部207、受診票発行部208、及び通信部209を含んで構成されている。
【0026】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)のメモリを含んで構成されており、CPUがROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部201と接続された各部を制御して初診受付処理を行う。
具体的には、患者の保険証を保険証読取装置22において、光源(R、G、K)毎に読み取られて出力された保険証の各画像データ(以下、第1画像データと言う)に対し、後述の画像処理部205において所定の画像処理が施された各光源の画像データ(以下、第2画像データと言う)に対し文字認識処理を行って文字列を抽出する第1抽出手段としての機能を有する。また、制御部201は、保険証の照合に用いる項目名とその内容を示す各キーワードを特定する第1項目名特定手段及び第1内容特定手段としての機能と、各第2画像データについて抽出されたキーワードの抽出精度が最も高い第2画像データの光源及び画像処理のパラメータとキーワード群の組合せを特定する特定手段としての機能と、特定した組合せのキーワード群を照合用保険証データとし、特定した光源及び画像処理のパラメータを画像情報としてサーバ装置10に登録する登録手段としての機能とを有する。
なお、本実施形態において、上記キーワードは、照合すべき保険証の項目名とその内容とを示す文字列であり、以下、項目名を表す文字列を照合項目キーワード、内容を表す文字列を照合キーワードと呼ぶ。
【0027】
また、患者が記入した診察申込書に基づいて入力された患者情報のデータをサーバ装置10に送信し、サーバ装置10から各初診患者に対する患者番号と受診番号を取得して診察券と受診票の発行を行う。
【0028】
保険証読取部202は、上記保険証読取装置22を有し、制御部201の制御の下、初診患者の保険証の画像を上記光源毎に順次読み取り、読み取った第1画像データを制御部201へ送出する第1画像読取手段として機能する。なお、本実施形態では、保険証の画像を読み取る際、保険証の種類(カード型、用紙型)に応じて定められている印字領域において、所定の読取位置から予め決められた方向に順次走査して画像を読み取る。
【0029】
操作部203は、キーボードやマウス等の入力装置で構成されており、担当者による入力操作を受付け、受付けた入力操作を示す操作信号を制御部201に送出する。表示部204は、液晶等のディスプレイで構成され、制御部201の制御の下、初診受付処理のメニュー画面等を表示する。
【0030】
画像処理部205は、画像処理用のDSP(Digital Signal Processor)を有し、保険証読取部202において読み取られた光源毎の各第1画像データに対して所定の画像処理を行う第1画像処理手段として機能する。即ち、画像処理部205は、所定の画像処理として、読み取られた保険証の背景画像の除去や罫線除去などの画像処理を行うと共に、予め定められた倍率(例えば2倍)で第1画像データを拡大する拡大処理と、予め定められた複数のガンマ値毎にガンマ補正を行うガンマ補正処理と、ガンマ補正処理後に倍率を元に戻す縮小処理を行う。光源毎の各第1画像データに対して適用したガンマ値(画像処理パラメータ)と画像処理が施された第2画像データを制御部201へ送出する。上記拡大処理により、保険証に印字されているコピーガード等の画像の濃度が下がり、拡大された画像データに対してガンマ補正処理を行うことでこれらの画像が消去される。本実施形態では、予め定められた4つのガンマ値毎にガンマ補正処理を行う。なお、本実施形態では、画像処理部205は、DSPを用いて所定の画像処理を行う例とするが、制御部201において上記所定の画像処理を行うプログラムを記憶し、当該プログラムを実行して上述の各画像処理を行うように構成してもよい。
【0031】
記憶部206は、ハードディスク等の不揮発性記憶媒体で構成されており、文字認識結果から照合項目キーワード及び照合キーワードを抽出する際に参照される項目名定義情報(照合項目定義情報及び照合項目キーワードテーブル)、照合キーワードの検証に用いられる保険者番号テーブル等の各種データを記憶する第1記憶手段として機能する。
【0032】
ここで、本実施形態における照合項目定義情報、照合項目キーワードテーブル、保険者番号テーブルについて説明する。図4(a)は、照合項目定義情報の構成及びデータ例を示している。図示するように、照合項目定義情報51は、照合項目キーワードを識別する識別番号、照合項目キーワード、照合項目キーワードの種別が対応づけられている。種別は、照合項目キーワードが必須の照合項目か否かを示すフラグを記憶し、本実施形態では、必須の照合項目は1、他の照合項目は0が予め設定されている。
【0033】
図4(b)は、照合項目キーワードテーブルの構成及びデータ例を示している。図示するように、照合項目キーワードテーブル52は、各照合項目キーワードの識別番号K1〜K7と各照合項目キーワードに対応する文字列とが対応づけられている。この照合項目キーワードテーブル52は、保険証の画像データを文字認識して抽出された文字列が照合項目キーワードであるか否かの判断に用いられる。
【0034】
即ち、本実施形態では、文字認識により誤って認識されて抽出された文字列であっても、照合項目キーワードテーブル52に登録されている文字列であれば、当該文字列に対応する当該照合項目キーワードとみなす。
【0035】
例えば、照合項目キーワード“K1”の場合、図4(b)に示すように、“保険者番号・名称”、“保険者番号”、“保険者播号”・・・等、保険者番号の文字と同一又は類似の文字列が記憶されている。保険証の画像の読み取り状況により、“保険者番号”の文字が“保険者播号”等に誤認されて抽出された場合であっても、“保険者播号”の文字列が照合項目キーワードテーブル52に登録されているので、“保険者播号”は“保険者番号”とみなされる。
【0036】
このように、本実施形態では、文字認識によって抽出された文字列が照合項目キーワードの文字と完全に一致していない場合であっても、照合項目キーワードテーブル52における当該文字列と対応する照合項目キーワードの文字列が抽出されたものとする。このように構成することで、読み取られた保険証の画質が高くない場合であっても、適切に照合項目キーワードが抽出される。なお、各照合項目キーワードに対応する文字列は担当者によって変更、追加等を行うことができる。
【0037】
次に、図4(c)は、保険者番号テーブルの構成及びデータ例を示している。図示するように、保険者番号テーブル53には、健康保険協会によって管理されている保険者番号が記憶されている。この保険者番号テーブル53は、初診患者の保険証の画像から抽出された照合項目キーワード“保険者番号”に対する照合キーワードが実在する保険者番号か否かを判断するために参照され、保険者番号テーブル53に登録されている保険者番号と一致していれば、照合キーワードが適切に抽出されていると判断される。
【0038】
図3に戻り、説明を続ける。診察券発行部207は、上記診察券発行装置23を有し、制御部201の制御の下、初診患者の患者番号と当該初診患者の氏名が印字された診察券を発行する。受診票発行部208は、上記受診票発行装置24を有し、制御部201の制御の下、患者番号、患者名、診察順を示す受診番号等の情報を所定の用紙に印字した受診票を発行する。通信部209は、LAN(Local Area Network)等の通信インタフェースであり、制御部201の制御の下、予め割当てられたアドレスを用いて、サーバ装置10との間で通信を確立してデータ通信を行う。
【0039】
(サーバ装置10)
次に、本実施形態におけるサーバ装置10の構成について説明する。図5は、サーバ装置10の構成を表すブロック図である。図5に示すように、サーバ装置10は、制御部101、記憶部102、及び通信部103を含んで構成されている。制御部101は、CPUとRAM及びROMのメモリを含んで構成されており、CPUがROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部101と接続された各部を制御する処理を行う。具体的には、初診受付装置20での初診受付処理結果と再来受付装置30での再来受付処理結果に基づいて、後述の患者データベース(患者DB)と保険証データベース(保険証DB)を更新し、初診患者に対しては患者番号を付与し、初診患者及び再来患者に受診番号を付与する処理を行う。また、再来受付装置30の要求に応じて、再来患者が照合対象者であるか否かを判断し、照合対象者の場合には保険証の照合結果を再来受付装置30へ通知してその照合結果を記憶する処理を行う。
【0040】
記憶部102は、ハードディスク等の記憶媒体で構成されており、患者DB100aや保険証DB100b、受診番号管理データ100c等の各種データを記憶する。通信部103は、LAN等の通信インタフェースであり、制御部101の制御の下、サーバ装置10、初診受付装置20、及び再来受付装置30に予め割当てられたアドレスを用いて各装置との間で通信を確立してデータ通信を行う。
【0041】
次に、上記患者DB100a、保険証DB100b、及び受診番号管理データ100cについて説明する。図6(a)は、患者DB100aの構成及びデータ例を示している。図6(a)に示すように、患者DB100aは、患者番号、患者名、性別、生年月日等の診察申込書の記載内容を表す情報、保険証を最後に確認した保険証確認日の情報が対応づけられている。
図6(b)は、保険証DB100bの構成及びデータ例を示している。図6(b)に示すように、保険証DB100bは、患者番号、照合用保険証データ、画像情報、登録日時が対応付けられている。患者番号は、患者DB100aにおいて記憶されている患者番号と同様である。また、照合用保険証データは、上述した照合項目テーブル51の照合項目キーワードの識別番号に対応する照合キーワードとして抽出された文字列が記憶される。画像情報は、保険証のサイズ(カード型、用紙型)、照合キーワードの抽出元である第2画像データに適用された光源、ガンマ(γ)値を示すガンマ補正情報が記憶される。登録日時は、保険証DB100bに、レコードが記憶された日時が記憶される。患者DB100a、保険証DB100bの各レコードは、初診受付装置20からの初診受付処理データの送信処理によって記憶される。
【0042】
次に、図6(c)は、受診番号管理データの構成及びデータ例を示している。図6(c)に示すように、受診番号管理データ100cは、受付日時と患者番号と受診番号とが対応づけられている。この受診番号管理データ100cは、初診受付装置20及び再来受付装置30において受付処理がなされた患者に対して付与された当日の受診番号が記憶されており、受診番号を付与する際に参照される。サーバ装置10において付与された受診番号は、受診番号の要求元である初診受付装置20又は再来受付装置30へ送信される。
【0043】
(再来受付装置30)
次に、再来受付装置30の構成について説明する。図7(a)は、再来受付装置30の外観を例示した図である。図示するように、再来受付装置30には、診察券3を挿入する診察券挿入口31、カード型の保険証を挿入する保険証挿入口32a及び用紙型の保険証を挿入する保険証挿入口32b、再来受付処理に関する画面を表示するディスプレイ33が設けられている。
図7(b)は、上記再来受付装置30の構成を表すブロック図である。再来受付装置30は、制御部301、診察券読取部302、表示部303、保険証読取部304、記憶部305、受診票発行部306、及び通信部307を含んで構成されている。
【0044】
制御部301は、CPUとRAM及びROMのメモリを含んで構成されており、CPUがROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部301と接続された各部を制御して再来受付処理を行う。具体的には、再来患者が保険証照合対象者である場合には、サーバ装置10から当該患者の保険証に関する画像情報を取得し、画像情報の光源を用いて保険証を読み取って画像データ(以下、第3画像データと言う)を出力する第2画像読取手段としての機能と、画像情報のガンマ補正情報に従って第3画像データに対して画像処理を行う第2画像処理手段としての機能を有する。また、画像処理された第3画像データから照合項目キーワード及び照合キーワードを抽出する第2項目名特定手段と第2内容特定手段としての機能と、抽出した照合項目キーワード及び照合キーワードをサーバ装置10へ送信し、サーバ装置10から当該患者の保険証の照合結果を取得する照合手段としての機能を有する。
【0045】
診察券読取部302は、磁気カードリーダ装置を有し、診察券挿入口31に挿入された診察券から患者番号と患者名を含む診察券データを読み取り、読み取った診察券データを制御部301に送出する受付手段として機能する。
【0046】
表示部303は、タッチスクリーン機能を備えたディスプレイ33を有し、制御部301の制御の下、再来受付処理のメニュー画面や、保険証の照合対象者に対して保険証の挿入を要求する画面や、照合結果を報知する画面等の各種画面を表示し、ディスプレイに接触された位置に応じた操作信号を制御部301に送出する。
【0047】
保険証読取部304は、上述した初診受付装置20の保険証読取部202と同様の機能を備え、制御部301の制御の下、再来受付装置30に設けられたカード型と用紙型の保険証挿入口32a及び32bに挿入された保険証を光源毎に読み取り、読み取った保険証の画像データを制御部301に送出する第2画像読取手段として機能する。
【0048】
記憶部305は、ハードディスク等の不揮発性記憶媒体で構成されており、上述した初診受付装置20と同様の項目名定義情報として、照合項目定義情報61及び照合項目キーワードテーブル62の各種データを記憶する第2記憶手段として機能する。なお、照合項目定義情報61、照合項目キーワードテーブル62は、上述した照合項目定義情報51、照合項目キーワードテーブル52と同様の構成であるためここでの説明を省略する。
【0049】
受診票発行部306は、制御部301の制御の下、再来受付処理が完了した再来患者の患者番号、患者名、受診番号を、初診受付装置20と同様に所定の用紙に印字した受診票を発行する。通信部307は、上述した初診受付装置20の通信部209と同様、制御部301の制御の下、予め割当てられたアドレスを用いてサーバ装置10との間でデータ通信を行う。
【0050】
<動作>
次に、本実施形態に係る保険証照合システム1の初診受付装置20及び再来受付装置30における各動作を順に説明する。
(初診受付装置20)
図8は、初診受付装置20において初診受付処理を行った際の初診受付装置20とサーバ装置10の動作フローを示している。初診受付窓口の担当者は、患者の氏名等の患者情報を記入した診察申込書と保険証とを初診患者から受取り、診察申込書の記入内容に従い、初診受付装置20において患者データの入力を行う。
【0051】
初診受付装置20の制御部201は、操作部203を介して、患者データの入力画面を表示部204に表示し、担当者による患者データの入力を受付ける(ステップS201)。また、制御部201は、保険証読取部202において初診患者の保険証の画像を読み取り、読み取った保険証の第1画像データから抽出された照合用保険証データを含む保険証データと患者データとを対応づけ、通信部209を介してサーバ装置10へ送信する処理を行う(ステップS202)。
【0052】
ここで、ステップS202の具体的な処理について図9を用いて説明する。図9は、照合用保険証データを含む保険証データの抽出処理を説明する動作フローである。図9において、初診受付装置20の制御部201は、担当者により初診患者の保険証がカード型又は用紙型の保険証挿入口へ挿入されると(ステップS10:YES)、保険証が挿入された保険証挿入口に応じて保険証のサイズ(カード型又は用紙型)を保険証読取装置22において検出し、検出した保険証のサイズを示す情報を保険証読取装置22から取得する(ステップS11)。
制御部201は、挿入された保険証の画像を赤(R)光源を用いて読み取ることを保険証読取部202に指示する(ステップS12)。保険証読取部202は、保険証読取装置22における所定の画像読取位置に搬送された保険証を赤(R)光源を用いて読み取り、読み取った赤(R)光源の第1画像データ(以下、第1画像データRと言う)を制御部201へ出力する(ステップS13)。
【0053】
制御部201は、保険証読取部202から取得した第1画像データRに対する画像処理を画像処理部205において行う(ステップS14)。即ち、画像処理部205は、まず、第1画像データRを例えば2倍に拡大し、拡大した第1画像データRに対し、予め定められた4つのガンマ値毎にガンマ補正処理を順次行って元の倍率に縮小し、画像処理後の第2画像データ(以下、第2画像データRと言う)を、当該ガンマ補正処理で用いたガンマ値を示すガンマ補正情報を対応づけてRAMに記憶する。これにより、赤光源で読み取られた第1画像データRに対して画像処理を行った4つの第2画像データRがRAMに記憶される。
【0054】
制御部201は、画像処理部205において画像処理された4つの第2画像データRをRAMから読み出し、各第2画像データRについて文字認識処理を行い(ステップS15)、記憶部206内の照合項目定義情報51において定義されている照合項目キーワードの文字列と照合項目キーワードに対応する照合キーワードを抽出する(ステップS16)。
【0055】
即ち、画像処理がなされた4つの第2画像データR毎に、照合項目定義情報51の照合項目キーワードに相当する文字列を、照合項目キーワードテーブル52を用いて文字認識結果から抽出し、当該文字列の保険証上の位置を予め定義された保険証の座標系に基づいて特定し、特定した位置を基準として、予め定められた抽出条件に基づく位置の文字列を照合キーワードとして抽出する。本実施形態では、保険証の画像における各照合項目キーワードの最後尾にある文字列の位置を基準とし、当該位置の右隣から2文字以内の空白の後に位置する文字列を照合キーワードとして抽出する抽出条件をデフォルトの抽出条件として用いる。
【0056】
なお、このデフォルトの抽出条件を用いた照合キーワードの抽出率が所定値以下である場合には、他の抽出条件に変えて照合キーワードを抽出するようにしてもよい。例えば、照合項目キーワードの右隣から改行された位置(照合項目キーワードの下側)の文字列を照合キーワードとして抽出する抽出条件を予め設定しておき、抽出率に応じてこの抽出条件を適用して照合キーワードの抽出を行うようにしてもよい。このように、保険証上の照合項目キーワードと照合キーワードの文字列の位置関係が定義された抽出条件に従って照合項目キーワードに対する照合キーワードが抽出される。
【0057】
制御部201は、記憶部206内の保険者番号テーブル53を参照し、ステップS16において抽出した照合項目キーワード及び照合キーワードのうち、保険者番号の照合項目キーワードに対応する照合キーワードが保険者番号テーブル53に登録されているか否かを判断する。そして、その判断結果を当該照合キーワードに対応づけ、抽出した全ての照合項目キーワード及び照合キーワード(以下、キーワード群と言う)と、当該キーワード群の抽出元である第2画像データRのガンマ値を示すガンマ補正情報とを対応づけてRAMに記憶する(ステップS17)。
【0058】
制御部201は、第1画像データRについて4つのガンマ値毎の画像処理及びキーワード抽出処理が終了するまで、ステップS14〜S17の各処理を繰り返し行う(ステップS18:NO)。そして、全ての画像処理及びキーワード抽出処理が終了した場合に(ステップS18:YES)、赤(R)光源の場合と同様、緑(G)光源、近赤外光(K)の光源を用いて保険証の画像の読み取りを行うよう保険証読取部202に順次指示し、保険証読取部202において読み取られた緑(G)光源の第1画像データG、近赤外光(K)の光源の第1画像データKについて、上述したステップS13〜S17と同様の処理を各々の各第1画像データに対して順次行う(ステップS19:NO)。
【0059】
そして、全ての光源についてステップS13〜S14の各処理が完了した場合に(ステップS19:YES)、制御部201は、光源毎及びガンマ補正情報毎のキーワード群をRAMから読み出す。そして、読み出したキーワード群のうち、照合項目定義情報51の種別が1である必須照合項目キーワードとその照合キーワードが全て抽出されているか否か判断する(ステップS20)。
【0060】
制御部201は、全ての必須照合項目キーワードとその照合キーワードが抽出されたキーワード群がある場合には(ステップS20:YES)、そのキーワード群における保険者番号が保険者番号テーブル53に登録されていることを示す判断結果が対応づけられているか否か判断する(ステップS21)。
【0061】
ステップS21において、制御部201は、保険者番号テーブル53に登録されていることを示す判断結果が対応づけられているキーワード群があり(ステップS21:YES)、そのキーワード群が複数である場合には(ステップS22:YES)、複数のキーワード群のうち、抽出された照合項目キーワードと照合キーワードの数が最も多いキーワード群を特定する(ステップS23)。そして、特定したキーワード群の抽出元である第2画像データの光源及びガンマ補正情報とステップS11において取得した保険証のサイズの情報を含む画像情報と、当該キーワード群を照合用保険証データとする保険証データをRAMに記憶する(ステップS24)。
【0062】
また、制御部201は、ステップS22において、該当するキーワード群が複数ではない場合(ステップS22:NO)、そのキーワード群の抽出元である第2画像データの光源及びガンマ補正情報とステップS11において取得した保険証のサイズの情報を含む画像情報と、当該キーワード群を照合用保険証データとする保険証データをRAMに記憶する(ステップS24)。
【0063】
また、ステップS20において、制御部201は、全ての必須照合項目キーワードと照合キーワードを抽出したキーワード群がない場合(ステップS20:NO)、又は、ステップS21において、保険者番号テーブル53に登録されている旨の判断結果が対応づけられているキーワード群がない場合には(ステップS21:NO)、その判断結果を示す情報を表示部204に表示して担当者に報知する(ステップS25)。なお、この報知を確認した担当者は、抽出されたキーワード群のうち最もキーワード数が多いキーワード群を表示部204に表示し、保険証に記載されている内容を視認して、照合項目キーワード及び照合キーワードの入力操作を行い、入力した照合項目キーワード及び照合キーワードをサーバ装置10に送信するようにしてもよい。また、ステップS10において、担当者によって保険証が保険証読取装置22の保険証挿入口22a又は保険証挿入口22bに挿入されなければ(ステップS10:NO)、制御部201は処理を終了する。以上が、初診受付装置20における保険証データの抽出処理である。図8に戻り、説明を続ける。
【0064】
サーバ装置10の制御部101は、初診受付装置20から送信された患者データと保険証データとを通信部103を介して取得すると(ステップS301)、取得した患者データに患者番号を付与して記憶部102の患者DB100aに登録すると共に、取得した保険証データを当該患者番号と対応づけて記憶部102の保険証DB100bに登録する(ステップS302)。これにより、保険証データに含まれる照合用保険証データと画像情報の各々の情報が保険証DB100bに記憶される。
【0065】
そして、制御部101は、記憶部102から受診番号管理データ100cを読み出し、ステップS301において初診受付装置20から患者データを取得した日時を受付日時とし、次に付与すべき受診番号を特定する(ステップS303)。
【0066】
制御部101は、当該初診患者の患者データに含まれている患者番号及び患者名と、ステップS303で特定した受付日時及び受診番号とを受診番号管理データ100cに記憶し(ステップS304)、当該初診患者の患者番号、患者名、受診番号を対応づけて初診受付装置20へ通信部103を介して送信する(ステップS305)。
【0067】
初診受付装置20の制御部201は、通信部209を介してサーバ装置10から初診患者の患者番号、患者名、受診番号を取得すると(ステップS203)、取得した患者番号と患者名を記録した診察券を診察券発行部207において発行し、取得した患者番号と患者名と受診番号を所定用紙に印字した受診票を受診票発行部208において発行する(ステップS204)。
以上が、本実施形態における初診受付装置20の初診受付処理である。次に、再来受付装置30における再来受付処理について説明する。
【0068】
(再来受付装置30の動作)
図10は、再来受付処理を示す動作フローである。再来患者は、再来受付装置30で再来受付処理を行う。再来受付装置30の表示部303には、制御部301の制御の下、図11(a)に示すような再来受付画面310が表示されており(ステップS401)、再来患者は、再来受付装置30に設けられた診察券挿入口31に診察券を挿入する(ステップS402:YES)。
【0069】
再来受付装置30の制御部301は、挿入された診察券の診察券データ(患者番号及び患者名)を診察券読取部302において読み取り、読み取った診察券データを、通信部307を介してサーバ装置10へ送信する(ステップS403)。
【0070】
サーバ装置10の制御部101は、通信部103を介して再来受付装置30から診察券データを取得すると(ステップS311)、付与すべき受診番号を受診番号管理データ100cに基づいて特定し、保険証の照合対象者か否かの判断を患者DB100aに基づいて行う(ステップS312)。即ち、制御部101は、記憶部102から受診番号管理データ100cを読み出し、診察券データを取得した日時を受付日時とし、次に付与すべき受診番号を受付日時の順序で特定する。また、記憶部102の患者DB100aから当該診察券データの患者番号に対応する患者情報の保険証確認日を読み出し、保険証確認日と受付日時とに基づいて、当該患者情報を有する患者が保険証の照合対象者か否かを判断する。例えば、当該患者の保険証確認日が2010年01月05日であり、再来受付装置30での再来受付日が2010年2月10日である場合、当該再来患者は保険証の照合対象者として判断される。
【0071】
そして、制御部101は、受診番号と、保険証の照合対象者であるか否かの判断結果を含む保険証確認情報と、当該患者情報とを再来受付装置30へ送信する(ステップS313)。即ち、制御部101は、保険証の照合対象者である場合には、保険証DB100bから当該患者番号に対応づけられた画像情報を読み出し、当該画像情報と保険証の照合対象者であることを示す情報とを含む保険証確認情報と、患者情報とを再来受付装置30へ送信する。また、当該患者が保険証の照合対象者でない場合には、保険証の照合対象者でないことを示す保険証確認情報と患者情報とを再来受付装置30へ送信する。
【0072】
再来受付装置30の制御部301は、再来患者の受診番号、患者情報、保険証確認情報をサーバ装置10から取得し、これらの情報をRAMに記憶する(ステップS404)。制御部301は、保険証確認情報により再来患者が保険証の照合対象者である場合(ステップS405:YES)、保険証確認情報に含まれる画像情報の保険証のサイズに基づいて、保険証挿入口32a又は32bに保険証を挿入することを要求する画面320を表示部303に表示する(ステップS406)。例えば、画像情報の保険証のサイズがカード型である場合には、図11(b)に示すように、再来受付装置30において上段に設けられたカード型の保険証挿入口32aに保険証を挿入するよう報知される。また、画像情報のサイズが用紙型を示す場合、再来受付装置30において下段に設けられた用紙型の保険証挿入口32bに保険証を挿入するよう報知される。
【0073】
再来受付装置30の保険証挿入口32a又は32bに再来患者により保険証が挿入されると(ステップS407:YES)、制御部301は、保険証読取部304に保険証確認情報に含まれる画像情報の光源を指示し、保険証読取部304は、所定の画像読取位置に搬送された保険証を指示された光源を用いて読み取り、読み取った保険証の第3画像データを制御部301へ送出する。制御部301は、第3画像データを例えば2倍に拡大し、画像情報のガンマ補正情報に従ってガンマ補正を行って元の倍率に戻す画像処理を行う(ステップS408)。
【0074】
制御部301は、ステップS408において画像処理された第3画像データに対し文字認識処理を行って文字列を抽出し、記憶部305内の照合項目定義情報61と照合項目キーワードテーブル62を参照して、抽出した文字列の中から照合項目キーワードに対応する文字列を特定する。また、特定した照合項目キーワードを表す文字列の保険証上の位置を特定し、当該文字列の位置を基準として、初診受付処理の場合と同様の抽出条件に従って照合キーワードの文字列を特定する(ステップS409)。
制御部301は、ステップS409において特定された照合項目キーワード及び照合キーワードを保険証データとして、診察券データの患者番号と共にサーバ装置10へ送信する(ステップS410)。
【0075】
サーバ装置10の制御部101は、再来受付装置30から保険証データ及び患者番号を取得し、当該患者番号に対応する照合用保険証データを記憶部102の保険証DB100bから抽出し、保険証データの照合項目キーワード及び照合キーワードと照合する(ステップS314)。そして、制御部101は、ステップS314において照合した照合結果を再来受付装置30へ送信すると共に、照合した保険証データを患者番号と照合日時とを対応づけて保険証DB100bに登録する。また、患者DB100aにおける当該患者番号に対応する保険証確認日を、保険証を照合した日時に更新する(ステップS315)。この処理により、患者DB100aの保険証確認日が更新され、保険証DB100bにおいて各照合項目キーワードに対応する照合キーワードが保険証DB100bに追加登録される。
【0076】
なお、本実施形態では、照合結果が一致か否かに関わらず、照合した保険証データを保険証DB100bに追加登録するように構成しているが、照合結果が一致している場合には、保険証DB100bにおける照合キーワードを追加登録せずに登録日時だけを更新するようにしてもよい。
【0077】
再来受付装置30の制御部301は、再来患者の保険証の照合結果をサーバ装置10から取得し、照合結果を示す情報を表示部303に表示して報知すると共に(ステップS411)、受診票発行部306において、RAMに記憶されている受診番号を所定用紙に印字した受診票を発行する(ステップS412)。即ち、照合結果が一致していることを示す情報であれば、図11(c)に示すように、保険証の有効性が確認されたことを示す画面330が表示部303に表示され、照合結果が不一致であることを示す情報であれば、図11(d)に示すように、保険証の有効性が確認されなかったことを示す画面340が表示部303に表示される。
【0078】
なお、ステップS405において、再来患者が保険証の照合対象者でない場合には(ステップS405:NO)、上述のステップS412に制御を移し、受診票を発行して終了する。
また、ステップS407において、再来患者により保険証が挿入されなければ(ステップS407:NO)、制御部301は、保険証が挿入されるまで保険証の挿入を要求する画面32を表示部303に表示した状態で待機する。また、ステップS402において、再来患者により診察券が挿入されなければ(ステップS402:NO)、再来受付画面31を表示部303に表示した状態で待機する。
【0079】
上述した実施形態では、初診受付装置20において抽出された照合項目キーワードと照合キーワードの抽出精度が最も高いキーワード群の光源及びガンマ補正情報とを画像情報とし、当該キーワード群が照合用保険証データとして各々サーバ装置10に登録される。また、再来受付装置30において再来患者の保険証を照合する場合には、当該患者の保険証の画像情報に基づいて保険証の読み取りと画像処理を行うことができる。そのため、前回照合した保険証から変更がない場合には、当該保険証の照合に適した画像情報を用いて照合対象となる保険証データを迅速に生成することができ、保険証の照合精度を高めることができる。
【0080】
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、以下の変形例も含まれる。
(1)上述した実施形態の初診受付装置20では、予め定められた抽出条件に従って、保険証の照合項目キーワード及び照合キーワードを抽出する際、キーワードの抽出率が所定値以下である場合には、他の抽出条件に従って照合キーワードの抽出を行ったが、担当者が照合項目キーワードと照合キーワードの位置を定義した保険証のテンプレートを設定するようにしてもよい。即ち、例えば、抽出精度が所定値以下であった保険証の画像データに基づいて、保険証の画像上の各照合項目キーワードと照合キーワードの位置を定義したテンプレートを担当者が生成して登録する。そして、デフォルトの抽出条件に基づいて抽出した照合キーワードの抽出精度が所定値以下である場合に、登録されているテンプレートと保険証の第2画像データにおける照合項目キーワードの位置を照合し、一致している場合にはそのテンプレートの照合キーワードの位置に基づいて、保険証の第2画像データから照合キーワードの文字列を抽出するようにする。
【0081】
(2)また、上述した実施形態の初診受付装置20において、保険証読取装置22で読み取られた画像に対して文字認識処理を行った結果、文字認識の精度が一定値以下である場合には、保険証読取装置22において保険証を読み取る際の角度を所定角度単位にずらして画像を読み取る等、一定の文字認識精度が得られるように調整を行うようにしてもよい。
【0082】
(3)また、上述した実施形態の再来受付装置30において生成された保険証の画像データから抽出された照合項目キーワードとその照合キーワードが、サーバ装置10に登録されている照合用保険証データと一致しなかった場合においても当該照合キーワードを照合用保険証データとして、画像情報と共にサーバ装置10に記憶する構成とした。保険証を変更していない場合であっても、保険証の表面上の汚れや傷等が原因で照合項目キーワードや照合キーワードの文字列が誤って抽出されると、次回の保険証の照合時に前回と同様の照合用保険証データと照合すると照合結果が不一致となる。そのため、照合結果が不一致であった照合用保険証データ、即ち、保険証DB100bにおける登録日時が最新の照合用保険証データを用いて保険証の照合を行うように構成してもよいし、照合対象の患者について登録されている、照合結果が不一致であった照合用保険証データを含む全ての照合用保険証データと照合を行うように構成してもよい。なお、この場合には、一つの患者番号に対し、予め定めた数又は登録日時の範囲内の照合用保険証データが記憶されるように構成する。
【0083】
(4)また、上述した実施形態では、再来受付装置30において再来患者に対して保険証の挿入を要求する際、保険証DB100bに登録されている保険証のサイズに応じた保険証挿入口32a又は32bへ保険証を挿入することを表示する例であったが、当該保険証のサイズに応じた保険証挿入口32a又は32bへの挿入を音声で報知してもよいし、カード型と用紙型の各保険証挿入口32a及び32bの近傍にLED等の発光手段を設け、当該保険証のサイズに応じた保険証挿入口32a及び32bの発光手段を点灯させるように構成してもよい。また、カード型と用紙型の各保険証挿入口32a及び32bを開閉するシャッタを各々設け、当該保険証のサイズに応じた保険証挿入口32a又は32bのシャッタだけを開け、他方の保険証挿入口32a又は32bのシャッタは閉じた状態にするよう構成してもよい。なお、この場合、いずれかのシャッタしか開かない状態では、保険証のサイズが変更になったときに患者が保険証を挿入することができないため、シャッタの開閉操作を受付ける操作ボタンやサイズ変更になったことを入力する入力手段等を設けるように構成してもよい。
【0084】
(5)また、上述した実施形態では、サーバ装置10、初診受付装置20、再来受付装置30とで構成されている例であったが、例えば、サーバ装置10が接続されていない構成であってもよい。この場合には、初診受付装置20及び再来受付装置30においてサーバ装置10における患者DB100a及び保険証DB100bのデータを記憶し、初診受付装置20と再来受付装置30との間で各データの同期をとるように構成する。また、例えば、病院の規模が小さい場合等においては、初診受付装置20と再来受付装置30の機能を併せ持つ受付装置だけで構成されていてもよい。この場合には、初診受付処理と再来受付処理を病院の受付担当者が行うようにする。
【0085】
(6)また、上述した実施形態では、再来受付装置30において挿入された診察券から患者番号等の診察券データを読み取る例であったが、再来受付装置30において、入力操作を受付ける受付手段を設け、診察券に登録されている患者番号の入力を受付けるように構成してもよい。
【0086】
(7)また、上述した実施形態では、全ての必須照合項目キーワードと照合キーワードが抽出されたキーワード群が複数ある場合に、照合項目キーワード「保険者番号」の照合キーワードが保険者番号テーブル53に登録されているキーワード群を照合用保険証データとして特定する例であったが、以下のようにして照合用保険証データを特定してもよい。例えば、保険者番号テーブル53に登録されているか否かに関係なく、抽出された必須照合項目キーワード数が最も多いキーワード群を照合用保険証データとし、当該キーワード群に対応する光源及び画像処理パラメータを画像情報として特定してもよい。また、必須照合項目キーワードか否かに関わりなく、抽出された照合項目キーワード数が最も多いキーワード群を照合用保険証データとし、当該キーワード群に対応する光源及び画像処理パラメータを画像情報として特定してもよい。また、例えば、図4(b)の例において、「保険者播号」のように、照合項目キーワード「保険者番号」とみなされた場合等、誤って認識された照合項目キーワードの数が最も少ないキーワード群を照合用保険証データとし、当該キーワード群に対応する光源及び画像処理パラメータを画像情報として特定するようにしてもよい。
【0087】
(8)上述した実施形態では、4つのガンマ値を順次用いて光源毎の第2画像データにガンマ補正処理を施す例であったが、適用するガンマ値は異なる複数のガンマ値であればこれに限らない。また、実施形態では、3つの光源(R、G、K)を用いて保険証の画像を読み取る例であったが、適用する光源の種類及び数はこれに限定されない。
【0088】
(9)また、上述した実施形態では、光源毎の第1画像データを拡大してガンマ補正を行い、元の倍率に縮小する画像処理を行う例であったが、第1画像データに対して拡大及び縮小処理を行わずに複数のガンマ値を順次適用してガンマ補正処理を行うように構成してもよい。
【0089】
(10)また、上述した実施形態では、再来受付装置30は、再来患者の診察券を読み取ってサーバ装置10から通知された受診番号の受診票を発行する再来受付処理機能と、保険証照合対象患者である場合には、保険証を読み取ってサーバ装置10へ送信し、サーバ装置10から通知された照合結果を再来患者に対して報知する保険証照合処理機能と有する一体型の装置である例について説明したが、再来受付処理と保険証照合処理とを各々別の装置で行うように構成してもよい。なお、この場合には、各装置との間を通信接続し、再来受付処理を行う装置に表示部303を設け、保険証の照合結果を当該表示部303に表示するように構成する。
【0090】
(11)また、上述した実施形態において、保険証がRFID(Radio Frequency Identification)方式等のICカードで構成されている場合における保険証の照合処理の例を以下に説明する。本変形例においては、非接触式のICカードを用い、ICカードの表面には従来と同様に保険者番号等の保険者情報が印字され、ICカードのメモリ内の所定領域には、患者毎にICカードに一意に付与されたIDと保険者情報のデータ(以下、ICカードデータと言う)が記憶されている場合について説明する。また、初診受付装置20は、保険証の画像を読み取ると共に、ICカード内に記憶されているICカードデータを読取るためのICカード読取手段を設けるように構成する。なお、ICカード読取手段は、初診受付装置20の保険証読取装置22に設けられている例を説明するが、ICカードリーダー等のICカード読取手段を別体として初診受付装置20に接続するように構成してもよい。また、本変形例では、保険証が非接触式のICカードを例に説明するが、保険証のカード内部に電子的に情報を記憶する媒体を備え、その媒体に対するデータの書き込みや読み出しを無線方式で行う非接触式又は接触端子を介して行う接触式のいずれであってもよい。
【0091】
本変形例に係る保険証読取装置22は、例えば、図12に示すように、保険証の画像を読取る画像読取部221と、RFIDアンテナを備え、RFIDアンテナを介してICカードデータを読取るICカード読取部222とを有する。保険証挿入口22aにカード型の保険証Cが挿入されると、保険証読取装置22は、破線で示す搬送路において矢印A1の方向に沿って画像読取位置B1まで保険証を搬送し、画像読取部221において光源毎に保険証の画像を読取る。そして、保険証読取装置22は、画像読取部221で保険証の画像を読取った後、矢印A1の方向に沿ってICカード読取位置B2まで保険証を搬送し、ICカード読取部222でICカードデータの読取りを行う。保険証読取装置22は、ICカード読取部222でICカードデータを読み終えた後、矢印A2の方向に沿って保険証を搬送し、保険証挿入口22aから保険証を排出する。保険証読取装置22は、画像読取部221で読取られた光源毎の画像データとICカード読取部222で読取られたICカードデータを初診受付装置20の制御部201へ送出する。
【0092】
制御部201は、実施形態と同様、保険証読取装置22から送出された光源毎の画像データに基づいて照合用保険証データを生成すると共に、その照合用保険証データと保険証読取装置22から送出されたICカードデータ(以下、照合用ICカードデータと言う)とを患者の保険証データとしてサーバ装置10に送信し、サーバ装置10の制御部101において保険証データが患者DB100aに記憶される。
また、再来受付装置30の保険証読取部304は、上記した本変形例に係る保険証読取装置22と同様の構成を備えるものであり、再来患者の保険証の画像データとICカードデータとが保険証読取部304によって読取られる。
【0093】
再来受付装置30における保険証の照合処理は、再来受付装置30の制御部301により、保険証読取部304で読取られた保険証の画像データに対して文字認識処理を行って実施形態と同様の方法で保険証データを生成すると共に、当該保険証データと読取ったICカードデータとをサーバ装置10に送信して照合結果をサーバ装置10から取得する。
具体的には、サーバ装置10の制御部101は、再来受付装置30から受信した保険証データを実施形態と同様の方法で照合用保険証データと照合すると共に、再来受付装置30から受信したICカードデータと患者DB100aに記憶されている照合用ICカードデータと、再来受付装置30から受信したICカードデータとを照合し、保険証データとICカードデータのいずれも照合用保険証データと照合用ICカードデータと一致していれば、再来患者の保険証の有効性が確認されたことを示す照合結果を再来受付装置30に送信する。また、サーバ装置10の制御部101は、保険証データと照合用保険証データが一致しない場合において、ICカードデータと照合用ICカードデータとが一致しない場合には、再来患者の保険証の有効性が確認できなかったことを示す照合結果を再来受付装置30に送信する。
【0094】
再来受付装置30の制御部301は、サーバ装置10から送信された照合結果が、再来患者の保険証の有効性が確認されたことを示す結果の場合には、実施形態と同様の図11(c)に示す画面330を表示部303に表示する。また、制御部301は、サーバ装置10から送信された照合結果が、再来患者の保険証の有効性が確認されなかったことを示す結果の場合には、実施形態と同様の図11(d)に示す画面340を表示部303に表示する。本変形例では、このように、保険証の画像データに基づく保険証データの照合だけでなく、保険証に記憶されている保険者情報のデータを照合することができるので、例えば、再来受付時における保険証の画像の読取精度が初診受付時の画像の読取精度と比べて悪かった場合でも、ICカードデータの照合により保険証の有効性を確実に判断することができる。
【0095】
(12)また、上述した変形例(11)では、保険証のICカードにおいて保険証に印字されている保険者情報と同じ情報が記憶されている例であったが、例えば、一の患者に対する保険者情報が、保険証に印字されている保険者情報(以下、第1保険者情報と言う)とICカードに記憶されている保険者情報(以下、第2保険者情報と言う)とから構成されていてもよい。この場合には、サーバ装置10の制御部101は、再来患者の保険証の画像データに基づく保険証データとICカードデータとを再来受付装置30から受信し、当該再来患者の照合用保険証データと照合用ICカードデータとを患者DB100aから読み出して、保険証データと照合用保険証データとを照合すると共に、ICカードデータと照合用ICカードデータとを照合する。制御部101は、保険証データとICカードデータが各々一致している場合には、再来患者の保険証の有効性が確認されたことを示す照合結果を再来受付装置30に送信し、保険証データとICカードデータのいずれか一方又は両方が一致してない場合には、再来患者の保険証の有効性が確認できなかったことを示す照合結果を再来受付装置30に送信する。なお、保険証データとICカードデータのいずれか一方又は両方が一致してない場合には、第1保険者情報と第2保険者情報のいずれが一致しなかったのかを示す情報を照合結果と合わせて送信するようにしてもよい。
このように構成することにより、例えば、他人の保険証のカードから抜き取ったICチップが埋め込まれた保険証のカードが再来受付装置30に挿入された場合でも、保険証の画像データに基づく保険証データとICカードデータとで照合するため、保険証のカードが偽造されたものか否かを容易に判断することができ、保険証の認証精度を向上させることができる。
【0096】
(13)上述した実施形態では、保険証を用いて照合処理を行う例を説明したが、例えば、医療券等でもよい。つまり、患者が加入している保険の種類や患者を識別する情報が記載され、患者を証明するものであれば保険証には限らない。
【符号の説明】
【0097】
1・・・保険証照合システム、10・・・サーバ装置、20・・・初診受付装置、21・・・データ処理装置、22・・・保険証読取装置、23・・・診察券発行装置、24・・・受診票発行装置、30・・・再来受付装置、101,201,301・・・制御部、102,206,305・・・記憶部、103,209,307・・・通信部、202,304・・・保険証読取部、205・・・画像処理部、207・・・診察券発行部、208,305・・・受診票発行部、203・・・操作部、204,303・・・表示部、302・・・診察券読取部、221・・・画像読取部、222・・・ICカード読取部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長帯が異なる複数の光源毎に、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、読み取った光源毎の画像を示す第1画像データを出力する第1画像読取手段と、
予め定められた複数のパラメータを順次用いて前記第1画像データに対して画像処理を施し、前記光源毎及び前記パラメータ毎の第2画像データを生成する第1画像処理手段と、
前記第1画像処理手段によって生成された前記光源毎及び前記パラメータ毎の前記第2画像データから文字列を抽出する第1抽出手段と、
前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第1項目名特定手段と、
前記第1項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第1内容特定手段と、
前記第1項目名特定手段及び前記第1内容特定手段の特定結果を用いて、予め定められた条件に合致する光源、パラメータ、及びこれらに対応する前記第1内容特定手段により特定された前記文字列の組合せを特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した組合せの前記文字列を照合用データとし、当該組合せの前記光源及びパラメータを画像情報として、患者を識別する患者識別情報と対応づけてデータベースに登録する登録手段と
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記第1項目名特定手段により特定された項目名の数に応じて前記組合せを特定することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記項目名定義情報は、前記項目名を表す文字列と一致及び類似する文字列を当該項目名と対応づけて記憶し、
前記項目名特定手段は、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列が前記項目名定義情報に記憶されている場合に、前記項目名定義情報に記憶された当該文字列に対応する前記項目名を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、
予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取るICカード読取手段を備え、
前記登録手段は、前記照合用データ、前記画像情報、及び前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータを前記患者識別情報と対応付けて前記データベースに登録することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
患者を識別する患者識別情報の入力を受付ける受付手段と、
前記受付手段により受付けられた患者識別情報に対して予め対応づけられた光源及び画像処理パラメータを含む画像情報をデータベースから取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報取得手段により取得した画像情報の光源を用いて、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、第3画像データを出力する第2画像読取手段と、
前記第2画像読取手段により出力された前記第3画像データに対し、取得した前記画像情報の画像処理パラメータを用いて画像処理を行う第2画像処理手段と、
前記第2画像処理手段によって画像処理がなされた前記第3画像データから文字列を抽出する第2抽出手段と、
前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第2記憶手段と、
前記第2記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第2抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第2項目名特定手段と、
前記第2項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第2内容特定手段と、
前記第2内容特定手段により特定された前記文字列を前記保険証の照合データとし、予め前記データベースに記憶されている当該保険証の照合用データと当該照合データとを照合した結果を取得する照合手段と
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項6】
前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、
予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取るICカード読取手段を備え、
前記データベースには、前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータが予め記憶されており、
前記照合手段は、前記照合データと前記照合用データの照合結果と、前記データベースにおける前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータと前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータの照合結果とを取得することを特徴とする請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
第1データ処理装置と第2データ処理装置とを備え、
前記第1データ処理装置は、
波長帯が異なる複数の光源毎に、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、読み取った光源毎の画像を示す第1画像データを出力する第1画像読取手段と、
予め定められた複数のパラメータを順次用いて前記第1画像データに対して画像処理を施し、前記光源毎及び前記パラメータ毎の第2画像データを生成する第1画像処理手段と、
前記第2画像処理手段によって生成された前記光源毎及び前記パラメータ毎の前記第2画像データから文字列を抽出する第1抽出手段と、
前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第1項目名特定手段と、
前記第1項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第1内容特定手段と、
前記第1項目名特定手段及び前記第1内容特定手段の特定結果を用いて予め定められた条件に合致する光源、パラメータ、及びこれらに対応する前記第1内容特定手段により特定された前記文字列の組合せを特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した組合せの前記文字列を照合用データとし、当該組合せの前記光源及びパラメータを画像情報として、患者を識別する患者識別情報と対応づけてデータベースに登録する登録手段とを有し、
前記第2データ処理装置は、
前記患者識別情報の入力を受付ける受付手段と、
前記受付手段により受付けられた患者識別情報に対応する画像情報を前記データベースから取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報取得手段により取得した画像情報の光源を用いて、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、第3画像データを出力する第2画像読取手段と、
前記第2画像読取手段により出力された前記第3画像データに対し、取得した前記画像情報の画像処理パラメータを用いて画像処理を行う第2画像処理手段と、
前記第2画像処理手段によって画像処理がなされた前記第3画像データから文字列を抽出する第2抽出手段と、
前記項目名定義情報を予め記憶する第2記憶手段と、
前記第2記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第2抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第2項目名特定手段と、
前記第2項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第2内容特定手段と、
前記第2内容特定手段により特定された前記文字列を前記保険証の照合データとして、当該照合データと、前記データベースに記憶されている当該保険証の照合用データとを照合した結果を取得する照合手段と
を有することを特徴とする保険証照合システム。
【請求項8】
前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、
前記第1処理装置は、
予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取る第1ICカード読取手段を備え、
前記登録手段は、前記照合用データ、前記画像情報、及び前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータを前記患者識別情報と対応付けて前記データベースに登録し、
前記第2処理装置は、
予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取る第2ICカード読取手段を備え、
前記照合手段は、前記照合データと前記照合用データの照合結果と、前記データベースにおける前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータと前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータの照合結果とを取得することを特徴とする請求項7に記載の保険証照合システム。
【請求項1】
波長帯が異なる複数の光源毎に、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、読み取った光源毎の画像を示す第1画像データを出力する第1画像読取手段と、
予め定められた複数のパラメータを順次用いて前記第1画像データに対して画像処理を施し、前記光源毎及び前記パラメータ毎の第2画像データを生成する第1画像処理手段と、
前記第1画像処理手段によって生成された前記光源毎及び前記パラメータ毎の前記第2画像データから文字列を抽出する第1抽出手段と、
前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第1項目名特定手段と、
前記第1項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第1内容特定手段と、
前記第1項目名特定手段及び前記第1内容特定手段の特定結果を用いて、予め定められた条件に合致する光源、パラメータ、及びこれらに対応する前記第1内容特定手段により特定された前記文字列の組合せを特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した組合せの前記文字列を照合用データとし、当該組合せの前記光源及びパラメータを画像情報として、患者を識別する患者識別情報と対応づけてデータベースに登録する登録手段と
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記第1項目名特定手段により特定された項目名の数に応じて前記組合せを特定することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記項目名定義情報は、前記項目名を表す文字列と一致及び類似する文字列を当該項目名と対応づけて記憶し、
前記項目名特定手段は、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列が前記項目名定義情報に記憶されている場合に、前記項目名定義情報に記憶された当該文字列に対応する前記項目名を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、
予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取るICカード読取手段を備え、
前記登録手段は、前記照合用データ、前記画像情報、及び前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータを前記患者識別情報と対応付けて前記データベースに登録することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
患者を識別する患者識別情報の入力を受付ける受付手段と、
前記受付手段により受付けられた患者識別情報に対して予め対応づけられた光源及び画像処理パラメータを含む画像情報をデータベースから取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報取得手段により取得した画像情報の光源を用いて、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、第3画像データを出力する第2画像読取手段と、
前記第2画像読取手段により出力された前記第3画像データに対し、取得した前記画像情報の画像処理パラメータを用いて画像処理を行う第2画像処理手段と、
前記第2画像処理手段によって画像処理がなされた前記第3画像データから文字列を抽出する第2抽出手段と、
前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第2記憶手段と、
前記第2記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第2抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第2項目名特定手段と、
前記第2項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第2内容特定手段と、
前記第2内容特定手段により特定された前記文字列を前記保険証の照合データとし、予め前記データベースに記憶されている当該保険証の照合用データと当該照合データとを照合した結果を取得する照合手段と
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項6】
前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、
予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取るICカード読取手段を備え、
前記データベースには、前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータが予め記憶されており、
前記照合手段は、前記照合データと前記照合用データの照合結果と、前記データベースにおける前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータと前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータの照合結果とを取得することを特徴とする請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
第1データ処理装置と第2データ処理装置とを備え、
前記第1データ処理装置は、
波長帯が異なる複数の光源毎に、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、読み取った光源毎の画像を示す第1画像データを出力する第1画像読取手段と、
予め定められた複数のパラメータを順次用いて前記第1画像データに対して画像処理を施し、前記光源毎及び前記パラメータ毎の第2画像データを生成する第1画像処理手段と、
前記第2画像処理手段によって生成された前記光源毎及び前記パラメータ毎の前記第2画像データから文字列を抽出する第1抽出手段と、
前記保険証に記載された項目名を識別するための項目名定義情報を予め記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第1抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第1項目名特定手段と、
前記第1項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第1内容特定手段と、
前記第1項目名特定手段及び前記第1内容特定手段の特定結果を用いて予め定められた条件に合致する光源、パラメータ、及びこれらに対応する前記第1内容特定手段により特定された前記文字列の組合せを特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した組合せの前記文字列を照合用データとし、当該組合せの前記光源及びパラメータを画像情報として、患者を識別する患者識別情報と対応づけてデータベースに登録する登録手段とを有し、
前記第2データ処理装置は、
前記患者識別情報の入力を受付ける受付手段と、
前記受付手段により受付けられた患者識別情報に対応する画像情報を前記データベースから取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報取得手段により取得した画像情報の光源を用いて、予め定められた読み取り位置にある保険証の画像を読み取り、第3画像データを出力する第2画像読取手段と、
前記第2画像読取手段により出力された前記第3画像データに対し、取得した前記画像情報の画像処理パラメータを用いて画像処理を行う第2画像処理手段と、
前記第2画像処理手段によって画像処理がなされた前記第3画像データから文字列を抽出する第2抽出手段と、
前記項目名定義情報を予め記憶する第2記憶手段と、
前記第2記憶手段内の項目名定義情報を参照し、前記第2抽出手段が抽出した前記文字列に対応する項目名を特定する第2項目名特定手段と、
前記第2項目名特定手段が特定した項目名を表す文字列の前記保険証上の位置を特定し、特定した位置に対して予め定められた位置関係にある文字列を当該項目名の内容を表す文字列として特定する第2内容特定手段と、
前記第2内容特定手段により特定された前記文字列を前記保険証の照合データとして、当該照合データと、前記データベースに記憶されている当該保険証の照合用データとを照合した結果を取得する照合手段と
を有することを特徴とする保険証照合システム。
【請求項8】
前記保険証はICカードで構成され、当該ICカードの所定の記憶領域には患者毎に一意に付与されたIDの情報を含むICカードデータが記憶されており、
前記第1処理装置は、
予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取る第1ICカード読取手段を備え、
前記登録手段は、前記照合用データ、前記画像情報、及び前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータを前記患者識別情報と対応付けて前記データベースに登録し、
前記第2処理装置は、
予め定められたICカード読取位置にある前記ICカードから前記ICカードデータを読取る第2ICカード読取手段を備え、
前記照合手段は、前記照合データと前記照合用データの照合結果と、前記データベースにおける前記患者識別情報に対応する前記ICカードデータと前記ICカード読取手段で読取られた前記ICカードデータの照合結果とを取得することを特徴とする請求項7に記載の保険証照合システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−238199(P2011−238199A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184129(P2010−184129)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(510000736)有限会社 医療福祉開発計画 (2)
【出願人】(396017534)コンピュータ・ハイテック株式会社 (3)
【出願人】(000132518)株式会社セコニック (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(510000736)有限会社 医療福祉開発計画 (2)
【出願人】(396017534)コンピュータ・ハイテック株式会社 (3)
【出願人】(000132518)株式会社セコニック (22)
【Fターム(参考)】
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