説明

データ処理装置

【課題】鉄道などの公共交通機関は利用され難いので、道路上の自動車の総量は減少せず、道路渋滞は、解消されない。
【解決手段】HDD22には、駅番号、駐車場番号、駐車場位置および空き状況を対応させる駐車場データベースが記憶されている。また、HDD22には、駅番号、駐車場番号、駐車名、車両番号、車種、日時(本実施の形態では、車両を借り受け可能な日時)およびロック解除鍵を対応させる借車データベースが記憶されている。ここで、借車データベースは、駅番号、駐車場番号、駐車名、借車の可否(車両を借り受けられるか否か)およびロック解除鍵を対応させるものであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを処理するデータ処理装置に関するものであって、より詳しくは、ナビゲーション装置、携帯電話やPDAなどに関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術として、目的地までの経路の途中から公共交通機関(例えば、鉄道)を利用する旨が設定されると、目的地の近くに存在する駅までの路線について出発地に近い駅を探索し、この駅周辺の駐車場までの経路を表示するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2004−117031号公報(第4頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
背景技術によれば、「近く」の定義が数km以内である場合、目的地との距離が数kmである駅が最寄駅として案内されるので、ユーザは、最寄駅から目的地まで歩くことを避けるために、自動車のみを利用して目的地に向かってしまう。
【0004】
他方、「近く」の定義が数百m以内である場合、目的地との距離が数百mである駅が最寄駅として案内されるので、ユーザは、最寄駅から目的地まで歩くことを避けにくくなる。ところが、ユーザが自動車を利用して行く目的地は、一般的に、鉄道網が発達していな地域にあるので、「近く」の定義が数百m以内であれば、最寄駅が探索される確率は低くなる。すなわち、ユーザは、鉄道を利用して目的地に向かう機会を得難い。
【0005】
したがって、背景技術においては、「近く」がどのように定義されても、鉄道などの公共交通機関は利用され難いので、道路上の自動車の総量は減少せず、道路渋滞は、解消されない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<駅データと借車可否データとが対応付けられたもの:データ処理装置>本発明に係るデータ処理装置は、出発地周辺にある出発駅と目的地周辺にある目的駅とを結ぶ軌道交通網および前記出発地と前記出発駅周辺とを結ぶ道路網を求めるデータ処理装置であって、前記目的駅を示す目的駅データに対応付けられた借車可否データが借車可を示していれば、出力装置に対して前記道路網に係る案内を出力させる制御部を備えるものである。本発明における字句の解釈は、次のとおりである。
【0007】
「出発地」とは、指定地および現在地を含む概念である。指定地とは、ユーザが、機械式ボタンスイッチ、タッチパネルやリモートコントローラなどを通じて出発地に指定した地である。現在地とは、GPSデータなどが示す地である。
【0008】
「出発地周辺」とは、出発地との距離が予め定められた範囲内であることおよび出発地からの移動時間が予め定められた範囲内であることを含む概念である。距離や移動時間などは、ナビゲーションシステムに係る技術分野での一般的な方法によって求められる。
【0009】
「目的地」とは、ユーザが、機械式ボタンスイッチ、タッチパネルやリモートコントローラなどを通じて目的地に指定した地である。
【0010】
「目的地周辺にある」とは、目的地との距離が予め定められた範囲内にあることおよび目的地からの移動時間が予め定められた範囲内にあることを含む概念である。距離や移動時間などは、ナビゲーションシステムに係る技術分野での一般的な方法によって求められる。
【0011】
「軌道交通」とは、軌道上を往来する車両で人員を輸送するものである。例えば、鉄道や路面電車などがある。
【0012】
「求める」とは、データベースから特定の網を探索することを含む概念である(例えば、特開2001−124569号公報や特開2004−117031号公報などを参照)。
【0013】
「前記目的駅を示す」とは、目的地周辺の駅として検索された一または複数の駅を識別するためのという意味である。
【0014】
「目的駅データ」は、特定の軌道交通網を検索するために用いられるデータ(データベースでもよい)に含まれているものである。このデータは、データ処理装置に内蔵または外付けされる記憶媒体(光ディスク、ハードディスクや半導体メモリなど)に記憶されている。
【0015】
「目的駅データに対応付けられた」とは、目的駅データをキーとして検索されたことを含む概念である。ここで、検索対象となるデータ(データベースでもよい)は、データ処理装置にバスまたはネットワークを介して接続される記憶媒体(光ディスク、ハードディスク、半導体メモリなど)に記憶されている。
【0016】
「借車可否」とは、目的駅周辺で車両を借りられるか否かを意味する。車両とは、好ましくは、他人(自然人および法人)が所有するものである。
【0017】
「借車可を示していれば」とは、出発地と出発駅周辺とを結ぶ道路網についての案内を出力するか否かの条件である。ユーザが軌道交通を利用した場合、借車が不可であれば、ユーザは目的駅から目的地までを歩かなければならない。このような不都合を避けるために、「借車可を示していれば」という条件が設けられている。
【0018】
「出力装置」とは、画像を表示する表示装置(いわゆるディスプレイ)および音声を出力する音声出力装置(いわゆるスピーカ)の少なくとも一方を意味する。
【0019】
「前記道路網に係る案内」とは、出発地と出発駅周辺とを結ぶ道路網についての案内である。例えば、出発地から出発駅周辺まで誘導するための誘導案内がある。案内態様は、画像案内および音声案内の少なくとも一方である。
【0020】
「制御部」とは、ハードウエアまたはハードウエアとソフトウエアとの協働によって特定の制御を実行するものである。
【0021】
「制御部」は、好ましくは、通信装置に対して、前記目的駅データをネットワークを介して送信させ、送信された前記目的駅データに対応付けられた前記借車可否データを前記ネットワークを介して受信させるものである。
【0022】
「通信装置」とは、ネットワークを介してデータを送受信する装置である。
【0023】
「ネットワーク」とは、各種装置を通信回線を通じて接続する通信網である。
【0024】
<駅データと借車可否データとが対応付けられたもの:センタ装置>本発明に係るセンタ装置は、駅を示す駅データと借車可否を示す借車可否データとを対応付けて記憶する記憶媒体に接続される制御部を備え、前記制御部は、通信装置に対して、目的地周辺にある目的駅を示す目的駅データをネットワークを介して受信させ、受信された前記目的駅データに対応し前記記憶媒体に記憶された前記借車可否データを送信させるものである。本発明における字句の解釈のうち前述の解釈に追加されるものは、次のとおりである。
【0025】
「対応付けて」とは、駅データをキーとして検索可能な状態を意味する。
【0026】
「記憶媒体」とは、データを記憶する金物である。例えば、光ディスク、ハードディスクや半導体メモリなどがある。
【0027】
「目的駅データ」と「駅データ」とは、前者が後者に等しい関係または前者が後者に包含される関係にある。
【0028】
「制御部」は、好ましくは、前記記憶媒体が前記駅データとロック解除鍵を示す解除鍵データとを対応付けて記憶している場合に、前記通信装置に対して、受信された前記目的駅データに対応し前記記憶媒体に記憶された前記解除鍵データを前記ネットワークを介して送信させるものである。
【0029】
「ロック解除鍵」とは、目的駅周辺で借用可能な車両を利用するために必要な情報である。例えば、車両の物理的な鍵を保管するロッカーについてそのロックを解除するためのパスワードや車両に直接入力されるIDなどがある。
【0030】
<目的駅データならびに日時データおよび車種データの少なくとも一方から借車可否データを求めるもの:データ処理装置>本発明に係るデータ処理装置は、出発地周辺にある出発駅と目的地周辺にある目的駅とを結ぶ軌道交通網および前記出発地と前記出発駅周辺とを結ぶ道路網を求めるデータ処理装置であって、前記目的駅を示す目的駅データならびに操作装置で出力され日時を示す日時データおよび前記操作装置で出力され車種を示す車種データの少なくとも一方から求まる借車可否データが借車可を示していれば、出力装置に対して前記道路網に係る案内を出力させる制御部を備えるものである。本発明における字句の解釈のうち前述の解釈に追加するものは、次のとおりである。
【0031】
「操作装置」とは、ユーザの操作に応じてデータを出力するものである。その一例として、機械式ボタンスイッチ、タッチパネルやリモートコントローラなどがある。
【0032】
「目的駅データならびに操作装置で出力され日時を示す日時データおよび前記操作装置で出力され車種を示す車種データの少なくとも一方」とは、目的駅データが必ず用いられ、かつ、日時データおよび車種データの少なくとも一方が必ず用いられることを意味する。
【0033】
「から求まる」とは、借車の可否が目的駅データならびに日時データおよび車種データの一方から判断されることを意味する。ここで、「求まる」場所は、ネットワークに接続された場所(装置)であるか否かを問わない。
【0034】
「制御部」は、好ましくは、通信装置に対して、前記目的駅データならびに前記日時データおよび前記車種データの少なくとも一方をネットワークを介して送信させ、送信された前記目的駅データならびに送信された前記日時データおよび送信された前記車種データの少なくとも一方から求まる前記借車可否データを前記ネットワークを介して受信させるものである。ここで、「求まる」場所は、ネットワークに接続された場所である。
【0035】
<目的駅データならびに日時データおよび車種データの少なくとも一方から借車可否データを求めるもの:センタ装置>本発明に係るセンタ装置は、駅を示す駅データ、日時を示す日時データおよび車種を示す車種データを対応付けて記憶する記憶媒体に接続される制御部を備え、前記制御部は、通信装置に対して、目的地周辺にある目的駅を示す目的駅データならびに日時を示す日時データおよび車種を示す車種データの少なくとも一方をネットワークを介して受信させ、受信された前記目的駅データならびに受信された前記日時データおよび受信された前記車種データの少なくとも一方から求まり借車可否を示す借車可否データを前記ネットワークを介して送信させるものである。本発明における字句の解釈のうち前述の解釈に追加するものは、次のとおりである。
【0036】
「制御部」は、好ましくは、ロック解除鍵を示す解除鍵データと前記駅データとが対応付けて前記記憶媒体に記憶されている場合に、前記通信装置に対して、受信された前記目的駅データに対応し前記記憶媒体に記憶された前記解除鍵データを前記借車可否データとともに前記ネットワークを介して送信させるものである。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、渋滞の原因を取り除くことができるという効果を有する。なぜなら、目的地周辺の目的駅で借りられる車があれば、出発地と出発駅周辺とを結ぶ道路網が案内され、軌道交通網の利用が促進されるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明を実施するための最良の形態は、図1ないし図12で示される。
【0039】
<概略について>本実施の形態に係るデータ通信システム1の概略は、図1で示される。データ通信システム1は、データ処理装置2と、データ処理装置2にネットワークを介して接続されるセンタ装置3とを備える。
【0040】
<データ処理装置2のハードウエア構成について>データ処理装置2のハードウエア構成は、図2で示される。データ処理装置2は、データを入出力するI/O11と、各種データを整合するIF12と、各種データやプログラムなどを記憶するHDD13と、BIOSなどの基本プログラムを格納するROM14と、各種プログラムを実行するCPU15と、各種データを保持するRAM16と、画像データを処理する画像プロセッサ17と、画像データを保持するVRAM18とを備える。これらのハードウエアは、それぞれバスで接続されている。
【0041】
I/O11には、速度を示す速度データを出力する速度センサ21と、方位を示す方位データを出力する方位センサ22と、画像データが示す画像を出力する表示装置23と、音声データが示す音声を出力するスピーカ24とが接続されている。
【0042】
IF12には、GPSデータを受信するGPSレシーバ25と、表示装置23の表示座標に対応する座標を示す座標データを出力するタッチセンサ26と、ネットワークを介して各種データを送受信する通信装置27とが接続されている。
【0043】
HDD13には、駅番号と駅の位置とを対応させる駅データベース(図3(a)を参照)が記憶されている。また、HDD13には、リンク番号、リンクコスト、駅番号(ノード1)および他の駅番号(ノード2)を対応させる軌道交通網データベース(図3(b)を参照)が記憶されている。また、HDD13には、地図を示す地図データが記憶されている。また、HDD12には、リンク番号、リンクコスト、リンク元位置(ノード1)およびリンク先位置(ノード2)を対応させる道路網データベース(図3(c)を参照)が記憶されている。また、HDD12には、名称(地名、施設名、電話番号や住所なども含む)と位置とを対応させる地名データベースが記憶されている(図3(d)を参照)。さらに、HDD12には、ユーザに対して探索条件を入力させるための入力画面を示す入力画面データが記憶されている。
【0044】
<センタ装置3のハードウエア構成について>センタ装置3のハードウエア構成は、図2で示される。センタ装置3は、各種データを整合するIF31と、各種データやプログラムなどを記憶するHDD32と、BIOSなどの基本プログラムを格納するROM23と、各種プログラムを実行するCPU24と、各種データを保持するRAM25とを備える。これらのハードウエアは、それぞれバスで接続されている。
【0045】
IF21には、ネットワークを介して各種データを送受信する通信装置41が接続されている。
【0046】
HDD22には、駅番号、駐車場番号、駐車場位置および空き状況を対応させる駐車場データベース(図4(a)を参照)が記憶されている。また、HDD22には、駅番号、駐車場番号、駐車名、車両番号、車種、日時(本実施の形態では、車両を借り受け可能な日時)およびロック解除鍵を対応させる借車データベース(図4(b)を参照)が記憶されている。ここで、借車データベースは、駅番号、駐車場番号、駐車名、借車の可否(車両を借り受けられるか否か)およびロック解除鍵を対応させるものであってもよい(図4(c)を参照)。
【0047】
<処理について>以上のように構成されたデータ通信システム1での処理は、図5ないし図12で示される。本実施の形態では、出発地Sから目的地Gまでの道路が渋滞しているものとする。また、出発地Sの周辺には、軌道交通網をなすA駅およびB駅が存在するものとする。他方、目的地Gの周辺には、軌道交通網をなすC駅およびD駅が存在するものとする。また、A駅の周辺には、X駐車場が存在するものとする。他方、D駅の周辺には、Y駐車場が存在するものとする(図5を参照)。
【0048】
<案内処理について>データ処理装置2における案内処理は、図6で示される。CPU15は、HDD13に記憶された各種プログラムおよび各種データをRAM16に展開し、タッチセンサ26でユーザ操作(例えば、軌道交通網探索ボタンの押下(図7(a)を参照)など)に応じて出力された操作データを割り込みとして、以下の処理を実行する。
【0049】
CPU15は、表示装置23に対して入力画面データが示す入力画面を表示させるための制御データを出力する(ステップS1)。このとき、画像プロセッサ17は、CPU14で出力された制御データに従って、VRAM18に対してRAM16に展開された入力画面データを保持させる。また、画像プロセッサ17は、VRAM18に保持された入力画面データを表示装置23側に出力する。これによって、表示装置23は、その表示領域で入力画面(図7(b)を参照)を表示する。入力画面は、目的地、出発地、借車日時および車種を探索条件とし、探索条件を決定するための決定ボタンを含んでいる。
【0050】
ステップS1で入力画面が表示されると、CPU15は、RAM16に保持された座標データを参照し、決定ボタンが選択されたか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、座標データが示す座標は決定ボタンが表示されている表示領域に含まれるか否かが判定される。
【0051】
ステップS2で決定ボタンが選択されないとの判定がなされると(S2のNo)、CPU15は、案内処理を終了する。
【0052】
他方、ステップS2で決定ボタンが選択されたとの判定がなされると(S2のYes)、CPU15は、ステップS2までに入力された検索条件、名称データベース、駅データベースおよび道路網データベースを用いて、出発地からのリンクコスト(距離または移動時間)が予め定められた範囲内にある出発駅および目的地からのリンクコスト(距離または移動時間)が予め定められた範囲内にある目的駅を検索する(ステップS3)。
【0053】
ステップS3で出発駅および目的駅が検索されると、CPU15は、センタ装置3に対して、出発駅周辺での空き駐車場の有無および目的駅の周辺での借車の可否を問い合せる(以下、問合せ処理という)(ステップS4)。
【0054】
ステップS4で問合せ処理が実行されると、CPU15は、センタ装置3からの借車可否の応答を用いて、借車は目的駅周辺で可能であるか否かを判定する(ステップS5)。本実施の形態では、借車として、他人の自家用車を借りることが想定されている。
【0055】
ステップS5で借車は目的駅周辺で可能ではないとの判定がなされると(ステップS5のNo)、CPU15は、案内処理を終了する。
【0056】
他方、ステップS5で借車は目的駅周辺で可能であるとの判定がなされると(ステップS5のYes)、CPU15は、空き状況の応答、駅データベースおよび道路網データベースを用いて、出発地から出発駅周辺の駐車場までの道路網を探索する(ステップS6)。
【0057】
ステップS6で道路網が探索されると、CPU15は、表示装置23に対して出発地から出発駅までの経路に係る画像(「案内」に相当する)を表示させるための制御データを出力する(ステップS7)。画像プロセッサ17は、CPU15からの制御データに従って、出発地から出発駅までの経路に係る画像に対応する画像データをVRAM18に保持させ、VRAM18に保持された画像データを表示装置23に順番に出力する。また、ロック解除鍵を示す解除鍵データおよび駐車場名を示す駐車場名データが借車可否データ以外に受信されていれば、表示装置23は、ロック解除鍵および駐車場名を表示する。
【0058】
<問合せイベント>本実施の形態における問合せイベントは、データ処理装置2が駐車場の空き状況をセンタ装置3に問い合わせる段階と、センタ装置3が駐車場の空き状況をデータ処理装置装置2に応答する段階と、データ処理装置2が借車の可否をセンタ装置3に問い合わせる段階と、センタ装置3が借車の可否をデータ処理装置装置2に応答する段階とを含む(図8を参照)。
【0059】
<問合せ処理>データ処理装置2での問合せ処理(図6のステップS4)は、図9で示される。CPU15は、ステップS3で検索された出発駅(出発駅番号)を示す出発駅データなどをセンタ装置3に送信するための制御データを出力する(ステップS11)。通信装置27は、CPU15からの制御データに従って、ネットワークを介して出発駅データなどをセンタ装置3に送信する。出発駅データは、センタ装置3のアドレス、空き状況の要求を示す要求データおよびデータ処理装置2のアドレスとともに前述の問合せ(空き駐車場の有無)を構成している(図10(a)を参照)。
【0060】
ステップS11で出発駅データが送信されると、CPU15は、センタ装置3で送信され出発駅データに対応付けられた空き状況データを受信するための制御データを出力する(ステップS12)。通信装置27は、CPU15からの制御データに従って、センタ装置3でネットワークを介して送信される空き状況データを受信する。
【0061】
ステップS12で出発駅データに対応付けられた空き状況データが受信されると、CPU15は、出発駅データに対応付けられた空き状況データを用いて、出発駅周辺に空き駐車場があるか否かを判定する(ステップS13)。
【0062】
ステップS13で出発駅周辺に空き駐車場がないとの判定がなされると(S13のNo)、CPU15は、問合せ処理から案内処理に戻る。
【0063】
他方、ステップS13で出発駅周辺に空き駐車場があるとの判定がなされると(S13のYes)、CPU15は、ステップS3で検索された目的駅(目的駅番号)を示す目的駅データなどをセンタ装置3に送信するための制御データを出力する(ステップS14)。通信装置27は、CPU15からの制御データに従って、ネットワークを介して目的駅データなどをセンタ装置3に送信する。目的駅データは、センタ装置3のアドレス、借車可否の要求を示す要求データ、車種を示す車種データ、借車日時を示す日時データおよびデータ処理装置2のアドレスとともに前述の問合せ(借車の可否)を構成している(図10(b)を参照)。
【0064】
ステップS14で目的駅データが送信されると、CPU15は、センタ装置3で送信され目的駅データに対応付けられた借車可否データを受信するための制御データを出力する(ステップS15)。通信装置27は、CPU15からの制御データに従って、センタ装置3でネットワークを介して送信される借車可否データを受信する。
【0065】
<検索処理>センタ装置3での検索処理は、図11で示される。CPU34は、HDD12に記憶された各種プログラムおよび各種データをRAM35に展開し、通信装置41におけるデータの受信を割り込みとして、以下の処理を実行する。
【0066】
通信装置41がデータ処理装置2で送信されたデータを受信すると、CPU34は、空き状況の要求を示す要求データが通信装置41で受信されたデータに含まれているか否かを判定する(ステップS21)。
【0067】
ステップS21で空き状況の要求が含まれているとの判定がなされると(S21のYes)、CPU34は、駐車場データベース(図4(a)を参照)および空き状況の要求を示す要求データとともに受信された出発駅データ(図10(a)を参照)を用いて、出発駅データに対応付けられた空き状況データを検索する(ステップS22)。
【0068】
ステップS22で空き状況データが検索されると、CPU34は、ステップS22で検索された空き状況データなどをデータ処理装置2に送信するための制御データを出力する(ステップS23)。通信装置41は、CPU34からの制御データに従って、ネットワークを介して空き状況データなどをデータ処理装置2に送信する。空き状況データは、データ処理装置2のアドレス、出発駅(番号)を示す出発駅データおよび駐車場の位置を示すデータとともに空き状況の応答を構成する(図10(c)を参照)。
【0069】
他方、ステップS21で空き状況の要求を示す要求データが含まれないとの判定がなされると(S21のNo)、CPU34は、借車可否の要求を示す要求データが通信装置41で受信されたデータに含まれているか否かを判定する(ステップS24)。
【0070】
ステップS24で借車可否の要求を示す要求データが含まれているとの判定がなされると(S24のYes)、CPU34は、借車データベース(図4(b)を参照)ならびに借車可否の要求を示す要求データとともに受信された目的駅データ、車種データおよび日時データ(図10(b)を参照)を用いて、目的駅データなどに対応付けられたデータを検索する(ステップS25)。
【0071】
ステップS25で目的駅データなどに対応付けられたデータが検索されると、CPU34は、借車可否を示す借車可否データをデータ処理装置2に送信するための制御データを出力する(ステップS26)。通信装置41は、ネットワークを介して借車可否データなどをデータ処理装置2に送信する。ステップS25で目的駅データなどに対応付けられたデータが存在する場合、借車可否データは借車可を示す。また、借車可否データは、データ処理装置のアドレス、目的駅(番号)を示す目的駅データ、駐車場名を示すデータおよびロック解除鍵を示す解除鍵データとともに借車可否の応答を構成する(図10(d)を参照)。他方、目的駅データなどに対応付けられたデータが存在しない場合、借車可否データは借車不可を示す。また、借車可否データは、データ処理装置のアドレスおよび目的駅(番号)を示す目的駅データとともに借車可否の応答を構成する。
【0072】
<表示例>本実施の形態における表示例は、図12で示される。本実施の形態では、出発駅としてA駅が検索され、A駅周辺のX駐車場が空いている。また、目的駅としてD駅が検索され、借車がD駅周辺のY駐車場に存在するとすれば(図5を参照)、表示装置23は、出発地からX駐車場までの道路網を表示する(図12を参照)。また、表示装置23は、目的地周辺の案内として、降車駅名D駅、駐車場名Yおよび借車のためのロック解除鍵を表示する(図12を参照)。
【0073】
<本実施の形態における効果>本実施の形態によれば、目的地Gの周辺にある目的駅D駅に対応付けられた借車可否が借車可を示していれば、表示装置23は出発地Sと出発駅Sの周辺とを結ぶ道路網を表示するので、出発駅A駅から目的駅D駅までの軌道交通網の利用が促され、出発地Sから目的地Gまでの道路網で渋滞の原因を取り除くことができる。
【0074】
本実施の形態によれば、出発駅A駅の周辺にある空き駐車場Xが検索され、表示装置23は出発地Sと空き駐車場Xとを結ぶ道路網を表示するので、出発駅A駅から目的駅D駅までの軌道交通網の利用がさらに促される。
【0075】
<変形例>借車データベースは、駅番号、駐車場名、借車可否およびロック解除鍵を対応付けたものでもよい(図4(c)を参照)。また、借車データベースや駐車場データベースなどは、USBなどのローカルバスによってデータ処理装置2に接続される記憶媒体に記憶されてもよい。また、借車は、自家用車以外(例えば、レンタカー)であってもよい。また、案内は、音声案内であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、渋滞の原因を取り除くことができるという効果を有し、ナビゲーション装置、携帯電話やPDAなどとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明を実施するための最良の形態のシステム構成を示す概略図
【図2】本実施の形態における各装置の構成を示すハードウエア構成図
【図3】(a)本実施の形態における駅データベースの構成を示す図(b)本実施の形態における軌道交通網データベースの構成を示す図(c)本実施の形態における道路網データベースの構成を示す図(d)本実施の形態における地名データベースの構成を示す図
【図4】(a)本実施の形態における駐車場データベースの構成を示す図(b)本実施の形態における借車データベースの構成を示す図(c)変形例における借車データベースの構成を示す図
【図5】出発地、出発駅、目的地および目的駅の関係を示す図
【図6】本実施の形態における案内処理の流れを示すフロー図
【図7】(a)本実施の形態における入力画面(再探索ボタン)の表示例を示す図(b)本実施の形態における入力画面(項目入力)の表示例を示す図
【図8】本実施の形態における問合せイベントの段階を示すイベントフロー図
【図9】本実施の形態における問合せ処理の流れを示すフロー図
【図10】(a)本実施の形態における空き状況の要求を構成する各データを示す図(b)本実施の形態における空き状況の応答を構成する各データを示す図(c)本実施の形態における借車可否の要求を構成する各データを示す図(d)本実施の形態における借車可否の応答を構成する各データを示す図
【図11】本実施の形態における検索処理の流れを示すフロー図
【図12】本実施の形態における表示例を示す図
【符号の説明】
【0078】
1 データ通信システム
2 データ処理装置
3 センタ装置
13 HDD(制御部)
15 CPU(制御部)
16 RAM(制御部)
23 表示装置(出力装置)
24 スピーカ(出力装置)
27 通信装置
32 HDD(制御部、記憶媒体)
34 CPU(制御部)
35 RAM(制御部)
41 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地周辺にある出発駅と目的地周辺にある目的駅とを結ぶ軌道交通網および前記出発地と前記出発駅周辺とを結ぶ道路網を求めるデータ処理装置であって、
前記目的駅を示す目的駅データに対応付けられた借車可否データが借車可を示していれば、出力装置に対して前記道路網に係る案内を出力させる制御部を備えるデータ処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、通信装置に対して、前記目的駅データをネットワークを介して送信させ、送信された前記目的駅データに対応付けられた前記借車可否データを前記ネットワークを介して受信させることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
駅を示す駅データと借車可否を示す借車可否データとを対応付けて記憶する記憶媒体に接続される制御部を備え、
前記制御部は、通信装置に対して、目的地周辺にある目的駅を示す目的駅データをネットワークを介して受信させ、受信された前記目的駅データに対応し前記記憶媒体に記憶された前記借車可否データを送信させる、センタ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記記憶媒体が前記駅データとロック解除鍵を示す解除鍵データとを対応付けて記憶している場合に、前記通信装置に対して、受信された前記目的駅データに対応し前記記憶媒体に記憶された前記解除鍵データを前記ネットワークを介して送信させることを特徴とする請求項3に記載のセンタ装置。
【請求項5】
出発地周辺にある出発駅と目的地周辺にある目的駅とを結ぶ軌道交通網および前記出発地と前記出発駅周辺とを結ぶ道路網を求めるデータ処理装置であって、
前記目的駅を示す目的駅データならびに操作装置で出力され日時を示す日時データおよび前記操作装置で出力され車種を示す車種データの少なくとも一方から求まる借車可否データが借車可を示していれば、出力装置に対して前記道路網に係る案内を出力させる制御部を備えるデータ処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、通信装置に対して、前記目的駅データならびに前記日時データおよび前記車種データの少なくとも一方をネットワークを介して送信させ、送信された前記目的駅データならびに送信された前記日時データおよび送信された前記車種データの少なくとも一方から求まる前記借車可否データを前記ネットワークを介して受信させることを特徴とする請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
駅を示す駅データ、日時を示す日時データおよび車種を示す車種データを対応付けて記憶する記憶媒体に接続される制御部を備え、
前記制御部は、通信装置に対して、目的地周辺にある目的駅を示す目的駅データならびに日時を示す日時データおよび車種を示す車種データの少なくとも一方をネットワークを介して受信させ、受信された前記目的駅データならびに受信された前記日時データおよび受信された前記車種データの少なくとも一方から求まり借車可否を示す借車可否データを前記ネットワークを介して送信させる、センタ装置。
【請求項8】
前記制御部は、ロック解除鍵を示す解除鍵データと前記駅データとが対応付けて前記記憶媒体に記憶されている場合に、前記通信装置に対して、受信された前記目的駅データに対応し前記記憶媒体に記憶された前記解除鍵データを前記借車可否データとともに前記ネットワークを介して送信させることを特徴とする請求項7に記載のセンタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−147553(P2007−147553A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345675(P2005−345675)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】