説明

データ処理装置

【課題】簡単な特定の動作によってアプリケーションをショートカットさせることで、ユーザの利便性と安全性を向上できるデータ処理装置を提供する。
【解決手段】データ処理装置であって、操作入力部11と、ユーザによる動作情報が記憶されている記憶部10と、アプリケーションを表示する表示部12と、表示部12の出力制御を行う制御部13とにより構成され、記憶部10に操作入力部11を用いてユーザが過去から使用したアプリケーションの使用回数を逐次記憶させていき、その使用回数に基づいてアプリケーションを実行するための簡単な所定の動作との対応付けを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーション装置等の、データを処理するデータ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイを備える携帯電話やカーナビゲーション装置等のデータ処理装置が普及してきている。その中でもアプリケーションの操作をディスプレイ上のパネルを指などで操作するタッチパネル式のデータ処理装置が特に普及している。従来、このようなタッチパネル式のデータ処理装置において、ユーザが希望するアプリケーションを実行するためには、ディスプレイ上に表示された選択画面の、設定された一定の範囲を「数回」押すことによって可能にしてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−99191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のデータ処理装置においては、ユーザの操作が表示画面上の特定された範囲であるため、操作者の負担が大きい。特に、車の運転手がカーナビゲーション装置の操作を行う場合には、特定された範囲を押すために視線の移動、注視が必要となり、その負担は非常に大きくなるという課題があった。
【0005】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、画面上を指でスライドするなど簡単な動作をすることで、ユーザが最も使用するアプリケーション画面へショートカットできるため、ユーザの負担を軽減し、利便性、安全性を向上することができるデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題を解決するために、本発明のデータ処理装置は、ユーザが入力操作を行う操作入力部と、操作入力部で入力操作して実行したアプリケーションの使用回数と、使用回数の順とアプリケーションを実行するための所定の動作との対応関係を記憶する記憶部と、アプリケーションを表示する表示部と、アプリケーションを実行して表示部の出力制御を行う制御部とを備え、制御部は、操作入力部で入力された所定の動作に対応するアプリケーションを記憶部に記憶した対応関係に基づいて特定して実行し、アプリケーションが実行されると、記憶部に格納された実行されたアプリケーションの使用回数と、当該アプリケーションと対応する所定の動作との対応関係を更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本発明のデータ処理装置は、ユーザが使用するアプリケーションの使用回数を記憶しておき、使用回数が多いアプリケーションに対して簡単な入力動作を割り当てることで、ユーザの負担を軽減し、利便性、安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態におけるデータ処理装置のブロック図
【図2】図1の記憶部10内の記憶状態を示す模式図
【図3】図1の制御部13が記憶部10にアプリケーション使用情報を記録する処理の流れを示すフローチャート
【図4】図1の制御部13が表示部12の出力制御を行う処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態におけるデータ処理装置について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態におけるデータ処理装置のブロック図を示している。図2は、図1のデータ処理装置1における記憶部10内の記憶状態を示す模式図である。図1に示すように、データ処理装置1は、記憶部10と、操作入力部11と、表示部12と、操作入力部11からの入力に基づいて記憶部10と表示部12を制御する制御部13により構成されている。
【0011】
ここで、記憶部10は、例えば、ハードディスク等で構成し、制御部13によりデータの書き込み、及び、読み出しができるよう構成されている。また、図2に示すように記憶部10には、ユーザによるアプリケーションの使用回数と、その使用回数の順とアプリケーションを実行するための所定の各動作1〜動作mとの対応関係が格納されている。アプリケーションとしては、CD、ラジオ、DVD、USBオーディオなどがあげられる。
【0012】
操作入力部11は、ユーザからの操作入力を受け付けることができように構成されており、表示部12上に設置されたタッチパネルや、操作釦である。本実施の形態では、このタッチパネル上にてユーザ動作を検知し、制御部13へ情報を送ることができるように構成されている。
【0013】
表示部12はアプリケーションを表示することができるように構成されており、例えば、液晶ディスプレイなどを用いることができ、制御部13で表示部12に表示する画像を出力制御することができるように構成されている。
【0014】
制御部13はマイクロプロセッサで構成され、記憶部10、操作入力部11、表示部12と接続されており、インストールされた所定のプログラムに基づいて、後述する処理を実行する。
【0015】
図2において、使用回数の1番多いアプリケーションAの情報と動作1とが対応付けて記憶されている。使用回数の2番目に多いアプリケーションBの情報と動作2とが対応付けて記憶されている。同様に、使用回数のm番目に多いアプリケーションDの情報と動作mとが対応付けて記憶されている。ここで、所定の動作1〜動作mは、ユーザがディスプレイに視線を移して注視することなく簡単にできる入力操作である。例えば、動作1は、ディスプレイ上で指を左から右にスライドさせる動作、動作2は、ディスプレイ上で指を右から左にスライドさせる動作が割り当てられる。ユーザは大体どのあたりにディスプレイがあるかは分っているので、このような簡単な動作であれば、視線を移して注視することなく、手を伸ばして操作できる。
【0016】
これら所定の動作1〜動作mについては、簡単にできる操作であるので、ユーザが覚えられる程度の個数となる。例えば、動作3については、ディスプレイ上で指を上から下にスライドさせる動作が割り当てられる。動作4については、ディスプレイ上で指を下から上にスライドさせる動作が割り当てられる。そのため、全部で4つ程度の動作を割り当てることが好ましい。
【0017】
この場合、所定の動作1〜動作mについて、使用回数の多いアプリケーションほどできるだけ簡単に操作できる動作が割り当てられる。上から下にスライドさせる動作は、下から上にスライドさせる動作より簡単なため、動作3については、より簡単な動作である、ディスプレイ上で指を上から下にスライドさせる動作が割り当てられることになる。
【0018】
操作入力部11は、これらの所定の動作1〜動作mのいずれかを検出すると、制御部13にその動作情報を送り、制御部13はその動作にどのアプリケーションが対応付けられたているかを記憶部10に記憶された対応関係に基づいて特定し、その対応付けられたアプリケーションを実行することになる。
【0019】
次に、本実施の形態のデータ処理装置の処理の流れについて、図3と図4のフローチャートを用いて説明する。本実施の形態のデータ処理装置では、図3のフローチャートに示すような記憶部10にアプリケーションの使用回数情報を記録し順位付けする処理と、図4のフローチャートに示すようなアプリケーションの使用順序とユーザの動作を対応させたアプリケーションデータに対して表示部12の出力制御を行う処理との2つの処理が実施される。
【0020】
まず、図3のフローチャートを用いて、本実施の形態のデータ処理装置1の動作について説明する。初期状態においては記憶部10にはアプリケーションの使用回数の情報は入っておらず(使用回数=0)、所定の動作1〜動作mへの対応付けもされていない。図3に示すように、まず、制御部13は、操作入力部11から入力されたユーザの選択したアプリケーションの種類を検知する(ステップS301)。ステップS302では、制御部13は、ステップS301で特定されたアプリケーションLが、記憶部10に記憶されているユーザ用に格納されたm個のデータの中にあるかを確認する。格納されているm個のデータの中にあった場合(ステップS302でYES)は、ステップS303へ進み、無かった場合(ステップS302でNO)はステップS304へ進む。
【0021】
ステップS303では、制御部13は特定されたアプリケーションLの使用回数を+1して、記憶部10に格納し、ステップS305に進む。ステップS304では、制御部13は特定されたアプリケーションLの使用回数=1として記憶部10に格納し、ステップS305に進む。
【0022】
ステップS305では、制御部13は、記憶部10に記憶されているアプリケーションの情報を使用回数の多い順番に並び替え、その順に一対になるように動作1〜動作mを割り当てた情報を格納する。
【0023】
ユーザがアプリケーションを起動する度に、以上の図3の各ステップが実行されることになり、記憶部10にはアプリケーションの使用回数と所定の各動作1〜動作mとの対応関係が格納されていく。
【0024】
次に、制御部13が表示部12の出力制御を行う処理の流れを、図4の示すフローチャートを用いて説明する。
【0025】
図4に示すように、操作入力部11により出力されたユーザの動作を制御部13が検出する(ステップS401)。ステップS401でユーザの動作Nを検出した後に、制御部13は検出した動作Nが記憶部10に格納されているか否かを判定する(ステップS402)。ステップS401で検出した動作Nが記憶部10に格納されていると判定されると(ステップS402でYES)、制御部13は検出された動作Nに対応したアプリケーションNを記憶部10から読み出し(ステップS403)、ステップS403で読み出したアプリケーションNを表示部12に表示する(ステップS404)。
【0026】
ステップS402において制御部13で検出した動作が記憶部10に格納されていない場合には(ステップS402でNO)、ステップS401に戻って処理を繰り返す。
【0027】
以上説明したように、図4の各ステップが実行されることにより、操作入力部11で入力されたユーザの動作に対応したアプリケーションが実行される。ここで、ステップS404でアプリケーションが実行されると、図3の処理により、記憶部10に格納されている実行されたアプリケーションの使用回数と各動作1〜動作mとの対応関係が更新されていく。
【0028】
以上のように本発明のデータ処理装置は、ユーザが使用するアプリケーションの使用回数を記憶しておき、使用回数が多いアプリケーションに対して簡単な入力動作を割り当てることで、ユーザの負担を軽減し、利便性、安全性を向上することができる。
【0029】
なお、上記実施の形態の図3において、初期状態では記憶部10にはアプリケーションの使用回数の情報は入っておらず(使用回数=0)、所定の動作1〜動作mへの対応付けもされていないものとしたが、予めユーザがよく使いそうなアプリケーションを選択して、適当な使用回数、所定の動作1〜動作mへの対応付けを記憶させていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のように、本発明にかかるデータ処理装置は、ユーザの利便性と安全性を向上できるという効果を有し、タッチパネル機能を備えるカーナビゲーション装置や携帯電話等に有用である。
【符号の説明】
【0031】
1 データ処理装置
10 記憶部
11 操作入力部
12 表示部
13 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが入力操作を行う操作入力部と、
前記操作入力部で入力操作して実行したアプリケーションの使用回数と、前記使用回数の順と前記アプリケーションを実行するための所定の動作との対応関係を記憶する記憶部と、
前記アプリケーションを表示する表示部と、
前記アプリケーションを実行して前記表示部の出力制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記操作入力部で入力された所定の動作に対応するアプリケーションを前記記憶部に記憶した対応関係に基づいて特定して実行し、
前記アプリケーションが実行されると、前記記憶部に格納された前記実行されたアプリケーションの使用回数と、当該アプリケーションと対応する前記所定の動作との対応関係を更新することを特徴とするデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−20292(P2013−20292A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150648(P2011−150648)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】