説明

データ収集装置、データ収集方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】様々な省エネ行動についての評価を容易に確認できるような情報を収集するためのデータ収集装置を提供する。
【解決手段】データ収集装置300は、電力センサから取得した電力量を記憶する積算電力記憶部303と、処理対象日に対してユーザにより入力された情報であり、処理対象日に開始した省エネ行動を示すノウハウ情報を取得するノウハウ情報受付部304と、積算電力記憶部303が記憶する電力量を用いて、処理対象日より前の所定期間における電力量と、処理対象日以後の所定期間における電力量とを比較することにより、処理対象日の前後での電力量の削減効果を示すポイントを算出するポイント算出部305とを備え、算出されたポイントと、取得されたノウハウ情報とを対応付けた行動テーブルを省エネ行動データベース306に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネ行動に関する情報を収集するデータ収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に対する意識が高まってきており、省エネ行動を評価し、その評価結果を提示する技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、機器ごとに、消費電力量と、省エネ行動の結果として計測可能な機器動作の設定や状態などのメトリクス(指標)とを計測する。そして、異なる期間の消費電力量とメトリクスとを比較することで省エネ行動を評価し、評価結果を利用者に提示している。
【0004】
また、特許文献2には、軸方向の長さでその場所にて節約可能な単位時間当たりの電力量とをあらわした第一場所軸と、時間を表す第一時間軸とで示される一定領域に、省エネ行動を示す省エネ行動配置領域を設けて利用者に提示する技術が記載されている。これによれば、省エネ行動配置領域の面積により、節約できる概略電力量を把握することができる。なお、省エネ行動配置領域の第一場所軸方向の長さは、対象となる電気機器の単位時間当たりの電力量等に基づいて決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−146387号公報(2010年7月1日公開)
【特許文献2】特許第4578565号公報(2010年11月10日発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、メトリクスとして計測可能な省エネ行動の評価のみしか確認することができない。また、特許文献2の技術でも、削減できる単位時間当たりの電力量が予め確認されている省エネ行動のみの評価しか確認することができない。すなわち、機器の設定や状態には直接関与しないような省エネ行動の評価を確認できない。このような省エネ行動としては、例えば、エアコン(エアーコンディショナー)の冷房運転に対して、カーテンを閉めるという行動がある。利用者としては、様々な省エネ行動について、その評価を確認できることが好ましい。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、様々な省エネ行動についての評価を容易に確認できるような情報を収集するためのデータ収集装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明のデータ収集装置は、計測対象の場所である対象場所で消費された電力量を計測する電力センサから取得した電力量を記憶する電力量記憶手段と、時間軸を一定時間ごとに区切ったときの各区間を単位期間とするとき、これら複数の単位期間のうちの一つの対象単位期間に対してユーザにより入力された情報であり、上記対象単位期間内に開始した省エネ行動を示す行動情報を取得する情報取得部と、上記電力量記憶手段が記憶する電力量を用いて、上記対象単位期間より前の所定期間における電力量と、上記対象単位期間以後の所定期間における電力量とを比較することにより、上記対象単位期間の前後での電力量の削減効果を示す評価値を算出する算出部と、上記算出
部により算出された評価値と、上記情報取得部により取得された行動情報とを対応付けた省エネ情報を、省エネ情報記憶手段に格納する格納処理部とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のデータ収集方法は、計測対象の場所である対象場所で消費された電力量を計測する電力センサから取得した電力量を記憶する電力量記憶手段を用いたデータ収集方法であり、時間軸を一定時間ごとに区切ったときの各区間を単位期間とするとき、これら複数の単位期間のうちの一つの対象単位期間に対してユーザにより入力された情報であり、上記対象単位期間内に開始した省エネ行動を示す行動情報を取得する情報取得ステップと、上記電力量記憶手段が記憶する電力量を用いて、上記対象単位期間より前の所定期間における電力量と、上記対象単位期間以後の所定期間における電力量とを比較することにより、上記対象単位期間の前後での電力量の削減効果を示す評価値を算出する算出ステップと、上記算出ステップにて算出された評価値と、上記情報取得ステップにて取得された行動情報とを対応付けた省エネ情報を、省エネ情報記憶手段に格納する格納処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、対象単位期間に対してユーザにより入力された情報であり、上記対象単位期間内に開始した省エネ行動を示す行動情報を取得する。そのため、ユーザにより入力された様々な省エネ行動を示す行動情報を取得することができる。そして、電力量記憶手段が記憶する電力量を用いて、上記対象単位期間の前後での電力量の削減効果を示す評価値を算出し、評価値と行動情報とを対応付けた省エネ情報を、省エネ情報記憶手段に格納する。これにより、ユーザにより入力された様々な行動情報の各々に対して、当該行動情報で示される省エネ行動を開始した対象単位期間の前後での電力量の削減効果を示す評価値を対応付けた省エネ情報を蓄積することができる。その結果、省エネ情報記憶手段を確認することにより、様々な省エネ行動についての評価を容易に確認できる。例えば、省エネ情報記憶手段に記憶された省エネ情報を用いることで、評価値の高い順に並べて行動情報を示すことにより、ユーザは、評価値の高い省エネ行動を容易に確認することができる。
【0011】
さらに、本発明のデータ収集装置において、上記情報取得部は、上記の行動情報と対応付けて、上記対象単位期間を示す情報であり、ユーザによる入力される対象期間情報を取得し、上記算出部は、上記対象期間情報で示される対象単位期間より前の所定期間における電力量と、当該対象単位期間以後の所定期間における電力量とを比較することにより上記評価値を求めてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、ユーザは、省エネ行動を開始した対象単位期間を示す対象期間情報を入力するとともに、当該省エネ行動を示す行動情報を入力することができる。つまり、ユーザは、省エネ行動を開始したタイミングで、容易に行動情報を入力することができる。
【0013】
また、本発明のデータ収集装置において、上記算出部は、上記複数の単位期間ごとに、当該単位期間より前の所定期間における電力量と、当該単位期間以後の所定期間における電力量とを比較することにより、当該単位期間の前後での電力量の削減効果を示す評価値を算出し、上記データ収集装置は、さらに、上記算出部により算出された評価値が第1閾値よりも電力量の削減効果が高いことを示す場合に、上記対象場所に属するユーザに対して、当該評価値の算出対象である単位期間を上記対象単位期間とし、当該対象単位期間に開始した省エネ行動を示す行動情報の入力を促す指示を通知する入力指示通知部を備え、上記情報取得部は、上記指示に対してユーザにより入力された行動情報を取得してもよい。
【0014】
上記の構成によれば、評価値が第1閾値よりも電力量の削減効果が高いことを示す場合
に、行動情報の入力を促す指示が通知される。そのため、ユーザからより確実に行動情報を収集することができる。
【0015】
さらに、本発明のデータ収集装置において、上記電力量記憶部は、複数の対象場所ごとに電力量を記憶しており、上記情報取得部は、複数の対象場所ごとに上記行動情報を取得し、上記算出部は、上記情報取得部が取得した行動情報に対応する対象場所について、上記評価値を算出し、上記格納処理部は、上記情報取得部が取得した行動情報に対応する対象場所と対応付けて上記省エネ情報を上記省エネ情報記憶手段に格納してもよい。
【0016】
上記の構成によれば、複数の対象場所(例えば家庭)で開始された省エネ行動について、当該省エネ行動を示す行動情報を収集することができる。その結果、ユーザは、他の家庭で開始されている省エネ行動とその評価値とを容易に確認することができ、自分の家庭での省エネ行動の参考にすることができる。
【0017】
さらに、本発明のデータ収集装置において、上記算出部は、上記対象単位期間より前の所定期間における電力量に対する当該対象単位期間以後の所定期間における電力量の削減率を複数の対象場所ごとに算出し、算出した複数の削減率から代表値を求め、上記情報取得部が取得した行動情報に対応する対象場所について、当該対象場所に対して求めた上記削減率と上記代表値との差分を上記評価値として算出してもよい。
【0018】
上記の構成によれば、情報取得部が取得した行動情報に対応する対象場所について、当該対象場所に対して求めた削減率と代表値との差分を上記評価値として算出する。これにより、気温などの外部環境の変化による電力量への影響を排除した状態で、省エネ行動に対する評価値を得ることができる。
【0019】
さらに、本発明のデータ収集装置は、対象場所ごとに、当該対象場所に属する家族の構成、および、当該対象場所が属する地域の少なくとも一方を示す属性情報を記憶する属性情報記憶部を備えており、上記算出部は、上記情報取得部が取得した行動情報に対応する対象場所と同じ属性情報に対応する対象場所を類似対象場所として特定し、上記対象単位期間より前の所定期間における電力量に対する当該対象単位期間以後の所定期間における電力量の削減率を類似対象場所ごとに算出し、算出した複数の削減率から代表値を求め、上記情報取得部が取得した行動情報に対応する対象場所について、当該対象場所に対して求めた上記削減率と上記代表値との差分を上記評価値として算出してもよい。
【0020】
上記の構成によれば、地域や家族構成が一致する対象場所から求めた代表値を用いる。そのため、気温などの外部環境の変化や家族構成の違いによる影響を排除した状態で、省エネ行動に対する評価値を得ることができる。
【0021】
さらに、本発明のデータ収集装置は、上記算出部により算出された評価値が所定閾値未満である場合に、当該評価値に対応する行動情報を入力したユーザに対して、電力削減の効果が低い原因行動を示す原因情報の入力を促す指示を通知する入力指示通知部を備え、上記情報取得部は、上記指示に対してユーザにより入力された原因情報を取得し、上記格納処理部は、上記算出部により算出された評価値と、上記情報取得部により取得された原因情報とを対応付けた情報を、省エネ情報記憶手段に格納してもよい。
【0022】
上記の構成によれば、省エネ行動を行ったが電力削減の効果が低い場合に、その原因行動を示す原因情報をも収集することができる。これにより、ユーザは、収集された原因情報を確認することにより、当該原因情報を反面教師として参考にすることができる。
【0023】
さらに、本発明のデータ収集装置において、上記入力指示通知部は、さらに、上記算出
部により算出された評価値が第2閾値よりも電力量の削減効果が低いことを示す場合に、上記対象場所に属するユーザに対して、当該評価値の算出対象である単位期間を対象単位期間とし、当該対象単位期間に開始した、消費電力が上がる原因行動を示す原因情報の入力を促す指示を通知し、上記情報取得部は、上記指示に対して入力された原因情報を取得し、上記格納処理部は、上記算出部により算出された評価値と、上記情報取得部により取得された原因情報とを対応付けた情報を、省エネ情報記憶手段に格納してもよい。
【0024】
上記の構成によれば、消費電力が上がる原因行動を示す原因情報をも収集することができる。これにより、ユーザは、収集された原因情報を確認することにより、当該原因情報を反面教師として参考にすることができる。
【0025】
さらに、本発明のデータ収集装置において、上記電力量記憶部は、対象場所で消費された電力量として、当該対象場所に設置された電気機器で消費された総電力量と、当該対象場所に設置された少なくとも一つの電気機器で消費された機器単位電力量とを記憶しており、上記算出部は、上記総電力量を基にした評価値と、上記機器単位電力量を基にした評価値とを算出し、上記格納処理部は、上記算出部により算出された全ての評価値と、上記情報取得部により取得された行動情報とを対応付けた省エネ情報を、省エネ情報記憶手段に格納してもよい。
【0026】
上記の構成によれば、機器単位の評価値も収集することができる。その結果、ユーザは、例えば、ある機器についての評価値が高いが、総電力量を基にした評価値が低い場合、別の機器での消費電量が上がっていることを認識することができる。
【0027】
なお、本発明のデータ収集装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として動作させることにより上記データ収集装置をコンピュータにて実現させるプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、様々な省エネ行動についての評価を容易に確認できるような情報を収集することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態におけるデータ収集システムの全体概要を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るPCの機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るデータ収集装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】電力量データベースの一例を示す図である。
【図5】積算電力記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【図6】実施形態1に係る省エネ行動データベースの一記憶例を示す図である。
【図7】実施形態1に係る省エネ行動データベースの生成処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態2に係るPCの機能構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態2に係るデータ収集装置の機能構成を示すブロック図である。
【図10】実施形態2に係る省エネ行動データベースの一記憶例を示す図である。
【図11】実施形態2における、入力指示情報の出力処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施形態2における、ノウハウ情報または原因情報の収集処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施形態2における入力画面の一例を示す図である。
【図14】電力量データベースの変形例を示す図である。
【図15】積算電力記憶部が記憶する情報の変形例を示す図である。
【図16】省エネ行動データベースの別の記憶例を示す図である。
【図17】省エネ行動データベースのさらに別の記憶例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0031】
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態1におけるデータ収集システムの全体概要を示す図である。図1に示されるように、データ収集システムは、データ収集装置300と、複数のパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)200と、複数の電力センサ400とを含む。なお、PC200と電力センサ400とは、各家庭に1台ずつ設置されている。
【0032】
データ収集装置300と、PC200および電力センサ400とは、インターネット3を介して通信可能であり、各装置に対してインターネット3上における位置情報としてIP(Internet Protocol)アドレスが割り当てられている。なお、インターネット3上における位置情報は、IPアドレスに限らず、MAC(Media Access Control)アドレス等別のアドレスを用いてもよい。
【0033】
電力センサ400は、設置されている家庭で消費された総電力量をデータ収集装置300に送信する。電力センサ400は、所定時間(例えば、1分間、1時間など)ごとに当該所定時間で使用された総電力量をデータ収集装置300に出力する。電力センサ400は、当該電力センサ400が設置されている家庭(計測対象の場所である対象場所)を識別する場所識別情報と総電力量が計測された期間を示す期間情報とを付加して総電力量を送信する。なお、電力センサ400は、家庭に設置された全ての電気機器における消費電力の合計値を総電力量として計測する。また、以下では、場所識別情報として、家庭に属する代表者のユーザを識別するユーザ識別情報を用いるものとする。すなわち、本実施形態では、ユーザ識別情報は、ユーザを識別する情報であり、かつ、当該ユーザが属する家庭(対象場所)を識別する情報でもある。
【0034】
PC200は、省エネ行動を開始した日付を示す対象日情報(対象期間情報)と、当該省エネ行動を示すノウハウ情報(行動情報)との入力をユーザから受け付け、入力された対象日情報とノウハウ情報とをデータ収集装置300に送信する。
【0035】
データ収集装置300は、各家庭に設置された電力センサ400およびPC200から取得した総電力量と対象日情報およびノウハウ情報とに基づいてデータベースを生成するものである。
【0036】
<PCの機能構成>
図2は、PC200の機能構成を示すブロック図である。図示されるように、PC200は、汎用されているコンピュータ装置であり、入力部201と、表示部202と、通信部203と、ブラウジング部204とを備えている。
【0037】
入力部201は、ユーザからの入力を受け付けるものであり、例えばキーボードやマウスである。表示部202は、ユーザに情報を提示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイである。通信部203は、インターネットを介して双方向に通信するインターフ
ェイスである。
【0038】
ブラウジング部204は、ウェブブラウザのソフトウェアに従った動作を行うものであり、設定されたURL(uniform resource locator)に応じた画面情報を取得して表示部202に表示する処理や、入力部201に入力された情報を外部に出力する処理を行う。
【0039】
本実施形態では、ブラウジング部204は、データ収集装置300から、対象日情報およびノウハウ情報を入力するための入力画面を示す画面データを取得し、表示部202に入力画面を表示する処理を行う。また、ブラウジング部204は、入力画面に入力された対象日情報およびノウハウ情報を、通信部203を介してデータ収集装置300に送信する処理を行う。
【0040】
<データ収集装置の構成>
図3は、データ収集装置の機能構成を示すブロック図である。図3に示されるように、データ収集装置300は、電力量管理部301と、電力量データベース(電力量記憶手段)302と、積算電力記憶部(電力量記憶手段)303と、ノウハウ情報受付部(情報取得部)304と、ポイント算出部(算出部、格納処理部)305と、省エネ行動データベース(省エネ情報記憶手段)306とを備えている。
【0041】
電力量管理部301は、各家庭の電力センサ400から受けた総電力量を電力量データベース302に格納する処理を行う。具体的には、電力量管理部301は、電力センサ400から総電力量を受けると、当該総電力量に付加されているユーザ識別情報と期間情報と当該総電力量とを対応付けて電力量データベース302に蓄積する。
【0042】
図4は、電力量データベースの一例を示す図である。図4に示されるように、電力量データベース302は、ユーザ識別情報ごとに、当該ユーザ識別情報で識別される家庭で計測された総電力量とその計測期間を示す期間情報とが対応付けられた情報を含む。
【0043】
また、電力量管理部301は、各家庭について、日ごとに、当該日に消費した電力の積算電力量を算出する。具体的には、電力量管理部301は、ユーザ識別情報ごとに、電力量データベース302から算出対象となる日に含まれる期間を示す期間情報を全て特定し、特定した期間情報に対応する総電力量の合計値を積算電力量とする。電力量管理部301は、家庭ごとに、算出対象となる日を示す年月日情報と、当該日について算出した積算電力量とを対応付けたレコードを生成し、積算電力記憶部303が記憶する積算テーブルに追加する。
【0044】
図5は、積算電力記憶部303が記憶する情報の一例を示す図である。図5に示されるように、積算電力記憶部303は、ユーザ識別情報ごとに、当該ユーザ識別情報で識別される家庭で計測された日ごとの積算電力量と、当該日を示す年月日情報とを対応付けた積算テーブルを記憶している。
【0045】
ノウハウ情報受付部304は、PC200から入力画面を要求するコマンドを受信すると、対象日情報およびノウハウ情報を入力するための入力画面を示す画面データをPC200に送信する。そして、ノウハウ情報受付部304は、入力画面に入力された対象日情報およびノウハウ情報と、入力したユーザを識別するユーザ識別情報とをPC200から取得する。ノウハウ情報受付部304は、取得した対象日情報とノウハウ情報とユーザ識別情報とを対応付けて省エネ行動データベース306に蓄積する。
【0046】
ポイント算出部305は、ノウハウ情報受付部304が受け付けたノウハウ情報について、当該ノウハウ情報で示される省エネ行動による消費電力の削減効果を示すポイントを
算出する。ポイント算出部305は、消費電力の削減効果が高いほど値が大きくなるようなポイントを算出する。
【0047】
具体的には、ポイント算出部305は、各ノウハウ情報について、当該ノウハウ情報に対応する対象日情報およびユーザ識別情報を特定する。ポイント算出部305は、特定したユーザ識別情報に対応する積算テーブルを積算電力記憶部303から読み出し、当該積算テーブルの中から、特定した対象日情報で示される処理対象日の前後の所定期間(例えば、1日、一週間など)の積算電力量を抽出する。そして、ポイント算出部305は、対象日情報で示される処理対象日より前の所定期間の積算電力量から、一日あたりの平均積算電力量(以下、対象日前電力量という)を求める。例えば、処理対象日から8日前の日から前日までの期間の平均積算電力量を対象日前電力量として求める。また、ポイント算出部305は、対象日情報で示される処理対象日以後の所定期間の積算電力量から、一日あたりの平均積算電力量(以下、対象日後電力量という)を求める。例えば、処理対象日の次のから8日前の日から前日までの期間の平均積算電力量を対象日前電力量として求める。次に、ポイント算出部305は、求めた行動前電力量および行動後電力量を用いて、以下の式
ポイント=(対象日前電力量−対象日後電力量)÷対象日前電力量×100
に従ってポイントを算出する。
【0048】
ポイント算出部305は、各ノウハウ情報について算出したポイントを、当該ノウハウ情報と対応付けて省エネ行動データベース306に蓄積する。
【0049】
図6は、省エネ行動データベースの一記憶例を示す図である。図6に示されるように、省エネ行動データベースは、家庭を識別するユーザ識別情報ごとに、省エネ行動が開始された日を示す対象日情報(図中では「日付」と記載)と、当該省エネ行動を示すノウハウ情報と、当該省エネ行動に対して算出されたポイントとが対応付けられた行動テーブル(省エネ情報)を含む。なお、図6の(a)部はユーザAの行動テーブルであり、(b)部はユーザBの行動テーブルであり、(c)はユーザYの行動テーブルである。
【0050】
<積算電力算出の処理>
次に、電力量管理部301による積算電力記憶部303の更新処理の流れについて説明する。
【0051】
まず、電力量管理部301は、所定の時刻(例えば、午前1時)に到達したか否かを判断する。所定の時刻に到達した場合、電力量管理部301は、電力量データベース302の中から、各家庭について、前日の0時から24時までに含まれる期間を示す期間情報と当該期間情報に対応する総電力量とを読み出す。
【0052】
そして、電力量管理部301は、読み出した総電力量の合計値を前日の積算電力量として家庭ごとに算出する。
【0053】
その後、電力量管理部301は、家庭ごとに、算出した積算電力量と前日の日付を示す年月日情報とを対応付けたレコードを生成し、積算電力記憶部303が記憶する積算テーブルに追加する。これにより、積算電力記憶部303は、各家庭について、一日ごとの積算電力量を記憶することができる。
【0054】
<省エネ行動データベースの生成処理>
次に、省エネ行動データベースの生成処理の流れについて説明する。図7は、省エネ行動データベースの生成処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
まず、ノウハウ情報受付部304は、PC200から入力画面を要求するコマンドを受信すると、対象日情報およびノウハウ情報を入力するための入力画面を示す画面データをPC200に送信する(S1)。そして、ノウハウ情報受付部304は、対象日情報およびノウハウ情報とユーザ識別情報とをPC200から受け付け、取得した対象日情報とノウハウ情報とユーザ識別情報とを対応付けて省エネ行動データベース306に蓄積する(S2)。
【0056】
次に、ポイント算出部305は、S2で省エネ行動データベースに新たに蓄積されたノウハウ情報に対応する対象日情報を読み出す。その後、ポイント算出部は、対象日情報で示される処理対象日から所定期間が経過しているか否かを判断する(S3)。ここで所定期間(例えば、1日、一週間など)は、ポイントを算出するために必要な期間である。
【0057】
所定期間が経過していない場合(S3でNo)、ポイント算出部305は、所定期間が経過するまで待機する。一方、所定期間が経過している場合(S3でYes)、ポイント算出部305は、S2で新たに蓄積されたノウハウ情報に対するポイントを算出する(S4)。この算出方法は上述したとおりである。
【0058】
その後、ポイント算出部305は、算出したポイントをS2で新たに蓄積されたノウハウ情報と対応付けて、省エネ行動データベース306に蓄積する(S5)。
【0059】
これにより、省エネ行動を示すノウハウ情報と、当該省エネ行動による消費電力の削減効果を示すポイントとが対応付けられたデータベースを生成することができる。ここで、ノウハウ情報は、ユーザにより入力された情報であるため、特許文献1や特許文献2に記載のような予め決められた省エネ行動だけでなく、様々な種類の省エネ行動を示すものである。そして、このような様々な種類の省エネ行動について、実際の電力削減量に応じたポイントが算出される。そのため、生成されたデータベースを利用することにより、様々な省エネ行動に対する実績値に基づいた評価を容易に確認することができる。例えば、ポイントの高い順にノウハウ情報を並べて表示させることで、ユーザは、消費電力の削減効果の高い省エネ行動を容易に把握することができる。
【0060】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図8〜図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0061】
上記の実施形態1では、ユーザは、自発的にPC200を操作してノウハウ情報を入力し、データ収集装置300に送信するものとした。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、データ収集装置がユーザに対してノウハウ情報の入力を促す旨の通知を行い、当該通知を受けてユーザがノウハウ情報の入力を行ってもよい。以下、このような形態について説明する。
【0062】
図8は、本実施形態に係るPCの構成を示すブロック図である。図8に示されるように、本実施形態に係るPC250は、メール処理部205を備える点で図2に示すPC200と異なる。
【0063】
メール処理部205は、汎用されている電子メールソフトに従って動作するものであり、電子メールの送受信の処理を行うものである。
【0064】
図9は、本実施形態に係るデータ収集装置の構成を示すブロック図である。図9に示されるように、本実施形態に係るデータ収集装置350は、電力量管理部301と、電力量
データベース302と、積算電力記憶部303と、ポイント算出部(算出部)311と、入力指示通知部312と、情報受付部(情報取得部、格納処理部)313と、省エネ行動データベース(省エネ情報記憶手段)314とを備えている。電力量管理部301と、電力量データベース302と、積算電力記憶部303とについては、実施形態1と同じ機能であるため説明を省略する。
【0065】
ポイント算出部311は、現時点から所定日数(例えば、8日)前の日を処理対象日として決定し、当該処理対象日前の所定期間に対する当該処理対象日後の所定期間の消費電力の削減効果を示すポイントを算出するものである。ポイント算出部311は、積算電力記憶部303に格納されている全てのユーザ識別情報で示される家庭ごとにポイントを算出する。
【0066】
具体的には、ポイント算出部311は、家庭ごとに以下の処理を行う。ポイント算出部311は、ユーザ識別情報の各々について、当該ユーザ識別情報に対応する積算テーブルを積算電力記憶部303から読み出し、当該積算テーブルの中から、処理対象日の前後の所定期間(例えば、1日、一週間など)の積算電力量を抽出する。そして、ポイント算出部311は、処理対象日より前の所定期間の積算電力量から、一日あたりの平均積算電力量(以下、対象日前電力量という)を求める。また、ポイント算出部311は、処理対象日以後の所定期間の積算電力量から、一日あたりの平均積算電力量(以下、対象日後電力量という)を求める。次に、ポイント算出部311は、求めた対象日前電力量および対象日後電力量を用いて、以下の式
ポイント=(対象日前電力量−対象日後電力量)÷対象日前電力量×100
に従ってポイントを算出する。
【0067】
ポイント算出部311は、各ユーザ識別情報に対して算出したポイントを、当該ユーザ識別情報および処理対象日を示す対象日情報と対応付けて入力指示通知部312に出力する。
【0068】
入力指示通知部312は、ポイント算出部311から出力されたポイントを所定の2つの閾値(第1閾値および第2閾値)と比較する。第1閾値はプラスの値であり、第2閾値はマイナスの値である。入力指示通知部312は、ポイント算出部311から出力されたポイントが第2閾値よりも小さい場合、つまり、マイナスであるポイントの絶対値が第2閾値の絶対値よりも大きい場合、処理対象日の前後で消費電力が増大していることを通知するとともに、その増大の原因を示す原因情報の入力を促す入力指示情報を生成する。一方、ポイント算出部311から出力されたポイントが第1閾値よりも大きい場合、処理対象日の前後で消費電力が削減されていることを通知するとともに、その理由となる省エネ行動を示すノウハウ情報の入力を促す入力指示情報を生成する。
【0069】
なお、入力指示通知部312は、各家庭について、当該家庭の代表者であるユーザのユーザ識別情報と、当該ユーザの電子メールアドレスとを対応付けて記憶している。そして、入力指示通知部312は、ポイント算出部311から出力されたポイントについて入力指示情報を生成した場合、当該ポイントに付加されているユーザ識別情報に対応する電子メールアドレスを特定する。入力指示通知部312は、特定した電子メールアドレスをあて先とし、入力指示情報を含む電子メールを作成して送信する。また、本実施形態では、入力指示通知部312は、入力指示情報として、情報受付部313へアクセスし、各ユーザ用の入力画面を取得するためのURLを含めるものとする。これにより、入力指示情報を受けたユーザは、当該入力指示情報に含まれるURLを設定することにより、当該ユーザを示すユーザ識別情報を含み、当該ユーザ用の入力画面を要求する画面要求指示を情報受付部313に送ることができる。
【0070】
入力指示通知部312は、入力指示情報を出力するとき、ポイントと、当該ポイントに対応する対象日情報と、当該ポイントに対応するユーザ識別情報と、当該入力指示情報により入力を促す情報の種類(ノウハウ情報および原因情報のいずれか)を示す種別情報との組であるデータセットを情報受付部313に出力する。
【0071】
情報受付部313は、ユーザからのノウハウ情報または原因情報の入力を受け付けるものである。情報受付部313は、入力指示通知部312から、ポイントと対象日情報とユーザ識別情報と種別情報との組であるデータセットを受ける。そして、情報受付部313は、PC250から画面要求指示を受けると、当該画面要求指示に含まれるユーザ識別情報に対応するデータセットを特定する。情報受付部313は、特定したデータセットに含まれる対象日情報で示される処理対象日とポイントとを含み、かつ、処理対象日におけるノウハウ情報または原因情報の入力を促す入力画面データを生成し、PC250に返信する。なお、データセットに含まれる種別情報がノウハウ情報を示している場合には、ノウハウ情報の入力を促す入力画面データを生成し、種別情報が原因情報を示している場合には、原因情報の入力を促す入力画面データを生成する。
【0072】
また、情報受付部313は、入力画面に入力されたノウハウ情報または原因情報をPC250から受けると、データセットに含まれるユーザ識別情報に対応する行動テーブルを、省エネ行動データベース314から読み出す。そして、情報受付部313は、PC250から受けたノウハウ情報または原因情報と、データセットに含まれるポイントおよび対象日情報とを対応付けたレコードを、読み出したテーブルに追加登録し、省エネ行動データベース314を更新する。
【0073】
図10は、省エネ行動データベース314の一記憶例を示す図である。図10に示されるように、省エネ行動データベース314は、家庭を識別するユーザ識別情報ごとに、処理対象日を示す対象日情報と、当該処理対象日に対して入力された省エネ行動を示すノウハウ情報または消費電力増大の原因を示す原因情報と、当該処理対象日に対して算出されたポイントとが対応付けられた行動テーブルを記憶している。
【0074】
<省エネ行動データベースの生成処理>
次に、省エネ行動データベースの生成処理の流れについて図11および図12を参照しながら説明する。図11は、入力指示情報の出力処理の流れを示すフローチャートである。
【0075】
まず、ポイント算出部311は、所定時刻(例えば、12:00)になったか否かを確認す
る(S11)。所定時刻に達した場合(S11でYes)、ポイント算出部311は、所定日数(例えば、8日)前の日を処理対象日として決定する(S12)。
【0076】
次に、ポイント算出部311は、積算電力記憶部303に格納されている一つのユーザ識別情報を選択する(S13)。そして、ポイント算出部311は、選択したユーザ識別情報に対応する積算電力量に基づいて、処理対象日前の所定期間に対する処理対象日後の所定期間の消費電力の削減効果を示すポイントを算出する(S14)。ポイントの算出方法は上述したとおりである。ポイント算出部311は、算出したポイントを、S13で選択したユーザ識別情報およびS12で決定した処理対象日を示す対象日情報と対応付けて入力指示通知部312に出力する。
【0077】
続いて、入力指示通知部312は、ポイント算出部311から出力されたポイントが第2閾値(マイナスの所定値)よりも小さいか否かを判断する(S15)。ポイントが第2閾値よりも小さい場合(S15でYes)、入力指示通知部312は、処理対象日の前後で消費電力が増大していることを通知するとともに、その増大の原因を示す原因情報の入
力を促す入力指示情報を生成し(S16)、S19の処理に移る。ここで、上述したように、入力指示情報には、情報受付部へアクセスし、各ユーザ用の入力画面を取得するためのURLが含まれている。
【0078】
一方、ポイントが第2閾値以上である場合(S16でNo)、入力指示通知部312は、ポイント算出部311から出力されたポイントが第1閾値(プラスの所定値)よりも大きいか否かを判断する(S17)。ポイントが第1閾値よりも大きい場合(S17でYes)、入力指示通知部312は、処理対象日の前後で消費電力が削減されていることを通知するとともに、その原因となる省エネ行動を示すノウハウ情報の入力を促す入力指示情報を生成し(S18)、S19の処理に移る。ここでも、S16と同様に、入力指示情報には、情報受付部へアクセスし、各ユーザ用の入力画面を取得するためのURLが含まれている。なお、ポイントが第1閾値以下である場合、S21の処理に移る。
【0079】
S19では、入力指示通知部312は、ポイント算出部311から受けたポイントに対応付けられたユーザ識別情報に対応する電子メールアドレスをアドレステーブルから特定する。そして、入力指示通知部312は、S16またはS18で生成した入力指示情報を含む電子メールを特定した電子メールアドレス宛てに送信する(S19)。
【0080】
また、入力指示通知部312は、ポイントと、対象日情報と、ユーザ識別情報と、入力を促す情報の種類を示す種別情報との組であるデータセットを情報受付部313に出力する。
S20)。すなわち、S16にて入力指示情報を生成した場合、原因情報を示す種別情報を設定し、S18にて入力指示情報を生成した場合、ノウハウ情報を示す種別情報を設定すればよい。
【0081】
そして、未選択のユーザ識別情報が積算電力記憶部303に格納されているか確認し(S21)、未選択のユーザ識別情報がある場合(S21でYes)、S13の処理に戻る。未選択のユーザ識別情報がない場合(S21でNo)、処理を終了する。
【0082】
次に、データ収集装置350が、入力指示情報を受けたユーザからノウハウ情報または原因情報を収集する処理の流れについて説明する。図12は、データ収集装置350によるノウハウ情報または原因情報の収集処理の流れを示すフローチャートである。
【0083】
S19で送信された電子メールを受信したユーザは、メール処理部205を用いて入力指示情報を確認する。そして、ユーザは、当該入力指示情報に含まれるURLをブラウジング部204に設定する。これにより、URLに従って、ブラウジング部204は、ユーザ識別情報を含む画面要求指示をデータ収集装置350に送る(S31)。これにより、データ収集装置350は画面要求指示を受信する(S32)。
【0084】
画面要求指示を受けたデータ収集装置では、情報受付部313が、S20により入力指示通知部312から受けていたデータセットの中から、画面要求指示に含まれるユーザ識別情報に対応するデータセットを特定する(S33)。
【0085】
情報受付部313は、特定したデータセットに含まれる対象日情報および種別情報に基づいて、処理対象日におけるノウハウ情報または原因情報の入力を促す入力画面データを生成し、PCに返信する(S34)。
【0086】
入力画面データを受けたPC250では、ブラウジング部204が当該入力画面データで示される入力画面を表示部202に表示する(S35)。
【0087】
図13は、処理対象日「1月4日」に対して、省エネ行動の入力を促す入力画面である。なお、情報受付部313は、省エネ行動データベース314の中から、画面要求指示に含まれるユーザ識別情報に対応する行動テーブルを読み出し、処理対象日よりも前の日のレコードに含まれる対象日情報とノウハウ情報とを入力画面に含めてもよい。図13では、処理対象日である1月4日よりも前のレコードに含まれる対象日情報「1月2日」とノウハウ情報「エアコン温度18度」とを含む入力画面を表示している。
【0088】
そして、ブラウジング部204は、ノウハウ情報または原因情報の入力を受け付け、入力画面内に配置された送信ボタン(図13では「入力完了」と記載されているボタン)が押下されることにより、入力されたノウハウ情報または原因情報をデータ収集装置350に送信する(S36)。
【0089】
情報受付部313は、入力されたノウハウ情報または原因情報をPC250から受けると、S33で特定したデータセットに含まれるユーザ識別情報に対応する行動テーブルを、省エネ行動データベース314から読み出す。そして、情報受付部313は、PC250から受けたノウハウ情報または原因情報と、データセットに含まれるポイントおよび対象日情報とを対応付けたレコードを、読み出したテーブルに追加登録し、省エネ行動データベース314を更新する(S37)。
【0090】
本実施形態でも、省エネ行動を示すノウハウ情報と、当該省エネ行動による消費電力の削減効果を示すポイントとが対応付けられたデータベースを生成することができる。ここで、ノウハウ情報は、ユーザにより入力された情報であるため、特許文献1や特許文献2に記載のような予め決められた省エネ行動だけでなく、様々な種類の省エネ行動を示すものである。そして、このようなデータベースを用いることで、ユーザは、消費電力の削減効果の高い省エネ行動を容易に把握することができる。
【0091】
〔変形例〕
<ポイント算出方法の変形例1>
上記の説明では、ポイント算出部305・311は、
(対象日前電力量−対象日後電力量)÷対象日前電力量×100
に従ってポイントを算出するものとした。
【0092】
しかしながら、ポイントの算出方法はこれに限定されるものではない。例えば、以下のようにしてポイントを求めてもよい。すなわち、ポイント算出部305・311は、全てのユーザ識別情報に対応する積算テーブルを読み出し、全てのユーザ識別情報の各々について、上記の実施形態と同様に、
中間ポイント=(対象日前電力量−対象日後電力量)÷対象日前電力量×100
の式に従って中間ポイント(削減率)を求める。そして、ポイント算出部305・311は、全てのユーザ識別情報に対して求めた中間ポイントの平均値である基準値(代表値)を算出する。
【0093】
そして、ポイント算出部305・311は、ポイント算出の対象となる家庭のユーザ識別情報に対応する中間ポイントと上記のようにして求めた基準値とを用いて、
ポイント=中間ポイント−基準値
によりポイントを算出してもよい。
【0094】
消費電力量は、気温や湿度などの外部環境の変化にも依存するものである。そのため、上記の実施形態に記載の算出方法で算出されたポイントの場合、当該ポイントには省エネ行動による効果だけでなく、外部環境の変化による効果も反映される。しかしながら、本変形例の算出方法によれば、全ての家庭から求めた基準値に対する中間ポイントの差分を
ポイントとするため、当該ポイントには外部環境の変化による効果が反映されにくい。その結果、省エネ行動による効果をより確実に反映したポイントを算出することができる。
【0095】
なお、基準値として平均値を用いたが、他の代表値、例えば、中央値などを用いてもよい。
【0096】
<ポイント算出方法の変形例2>
上記の変形例1では、全てのユーザ識別情報に対する中間ポイントから基準値を求めた。しかしながら、全てのユーザ識別情報ではなく、特定の一部のユーザ識別情報に対する中間ポイントの平均値を基準値として求めてもよい。
【0097】
例えば、データ収集装置300・350は、各家庭について、当該家庭のユーザ識別情報と、当該家庭の地域を示す地域情報と、当該家庭に属する家族の構成を示す家族構成情報とを対応付けたテーブルを記憶する属性情報記憶部を備えている。ここで、家族構成情報とは、例えば、家族に含まれる大人の人数および子供の人数などである。
【0098】
そして、ポイント算出部305・311は、ポイント算出の対象となる家庭のユーザ識別情報に対応する地域情報および/または家族構成情報を上記属性情報記憶部のテーブルから読み出す。ポイント算出部305・311は、読み出した地域情報および/または家族構成情報と一致する地域情報および/または家族構成情報に対応するユーザ識別情報を基準値算出用のユーザ識別情報として特定する。その後、ポイント算出部305・311は、特定した基準値算出用のユーザ識別情報に対応する中間ポイントのみを算出し、当該中間ポイントの平均値を基準値とする。ここで、特定した基準値算出用のユーザ識別情報は、ポイント算出の対象となる家庭と類似する家庭(類似対象場所)を識別する情報となる。
【0099】
地域情報を考慮したことで、各地域独自の外部環境の変化による効果が反映されにくいポイントを算出することができる。
【0100】
また、家族構成情報を考慮することで、同じ家族構成を有する家庭のみから得られる基準値を用いることができる。これにより、家族構成の違いによる影響が反映されないポイントを算出することができる。
【0101】
<ポイント算出方法の変形例3>
また、以下のようにしてポイントを求めても良い。ポイント算出部305・311は、対象日後電力量として処理対象日の積算電力量を用い、対象日前電力量として処理対象日の前日の積算電力量を用いて、変形例1、2と同様に中間ポイントおよび基準値を求める。そして、ポイント算出部305・311は、
単位ポイント=中間ポイント−基準値
を求める。
【0102】
さらに、ポイント算出部305・311は、処理対象日より後の所定期間(例えば、処理対象日の次の日から1週間など)の各日についても、同様に単位ポイントを算出する。
そして、ポイント算出部305・311は、処理対象日に対する単位ポイントとの差分が所定閾値以下である単位ポイントに対応する日の数Nをカウントする。ポイント算出部305・311は、処理対象日に対する単位ポイントにNを乗じた値をポイントとして算出する。
【0103】
<入力指示情報の通知>
実施形態2の上記の説明では、入力指示通知部312は、電子メールを用いて入力指示
情報を通知するものとした。しかしながら、通知方法はこれに限定されない。例えば、情報受付部313は、ログインされたユーザ用のウェブページを送信するウェブサーバとしても機能を有しており、ログイン時に入力されるユーザ識別情報に対応するデータセットを特定する。そして、情報受付部313は、特定したデータセットに含まれる対象日情報で示される処理対象日とポイントとを含み、かつ、処理対象日におけるノウハウ情報または原因情報の入力を促す入力画面を、ログインしたユーザに送信してもよい。
【0104】
<電力センサの計測対象>
上記の実施形態1,2では、電力センサ400は、各家庭に設置された全ての電気機器における消費電力の合計値である総電力量を計測するものとした。しかしながら、電力センサ400は、総電力量とともに、電気機器単位で消費された電力量である機器単位電力量も計測してもよい。なお、電力センサ400は、全ての電気機器ではなく、一部の電気機器に対してのみ機器単位電力量を計測してもよい。電力センサ400は、計測した機器単位電力量と計測対象である電気機器を識別する機器識別情報とを対応付けて、データ収集装置300,350に送信する。
【0105】
そして、データ収集装置の電力量管理部301は、各家庭の電力センサ400から受けた総電力量および機器単位電力量を電力量データベース302に格納する処理を行う。この際、機器単位電力量については計測対象である電気機器を示す機器識別情報と対応付けて電力量データベース302に格納する。
【0106】
なお、機器単位電力量の計測対象となる電気機器の種別および個数は、家庭ごとに選択可能である。
【0107】
図14は、本変形での電力量データベース302の一例を示す図である。図に示されるように、電力量データベース302は、総電力量だけでなく、電気機器ごとの機器単位電力量も記憶している。
【0108】
また、本変形例では、電力量管理部301は、日ごとに、当該日に消費した機器単位電力量の積算値である機器単位積算電力量を算出する。具体的には、電力量管理部301は、電力量データベース302から算出対象となる日に含まれる期間を示す期間情報を全て特定し、特定した期間情報に対応する機器単位電力量の合計値を機器単位積算電力量とする。そして、電力量管理部301は、家庭ごとに、算出対象となる日を示す年月日情報と、算出した機器単位積算電力量と、機器識別情報とを対応付けたレコードを生成し、積算電力記憶部303が記憶する積算テーブルに追加する。
【0109】
図15は、積算電力記憶部303が記憶する情報の一例を示す図である。図15に示されるように、積算電力記憶部303は、積算電力量だけでなく、機器単位積算電力量も記憶している。
【0110】
実施形態1において本変形例を適用する場合、ノウハウ情報受付部304は、対象日情報、ノウハウ情報および当該ノウハウ情報で示される省エネ行動により消費電力の削減が期待できる電気機器を示す電気機器識別情報を入力するための入力画面を示す画面データをPC200に送信する。そして、ノウハウ情報受付部304は、対象日情報、ノウハウ情報および電気機器識別情報を受け付け、これらを対応付けて省エネ行動データベース306に蓄積する。
【0111】
また、ポイント算出部305は、実施形態1で記載した機能に加えて、以下の機能を有する。すなわち、ポイント算出部305は、ノウハウ情報に対応する機器識別情報、対象日情報およびユーザ識別情報を特定する。ポイント算出部305は、特定したユーザ識別
情報に対応する積算テーブルの中から、特定した機器識別情報に対応する機器単位積算電力量を読み出す。そして、ポイント算出部305は、特定した対象日情報で示される処理対象日の前後の所定期間(例えば、1日、一週間など)の機器単位積算電力量を用いて、積算電力量に対応するポイントと同様に、機器単位のポイント(機器単位ポイント)を算出する。ポイント算出部305は、算出した機器単位ポイントを、ノウハウ情報および機器識別情報と対応付けて省エネ行動データベース306に蓄積する。
【0112】
図16は、実施形態1において本変形例を適用する場合の省エネ行動データベース306の一例である。なお、図16において、機器識別情報「すべて」に対応するポイントは、総電力量を用いて算出したポイントである。
【0113】
また、実施形態2において本変形例を適用する場合、ポイント算出部311は、実施形態1で記載した機能に加えて、以下の機能を有する。すなわち、ポイント算出部311は、積算電力量に対応するポイントと同様に、家庭ごと、および、電気機器ごとに、処理対象日の前後の所定期間(例えば、1日、一週間など)の機器単位積算電力量を用いて、機器単位のポイント(機器単位ポイント)を算出する。ポイント算出部305は、算出した機器単位ポイントと算出対象の電気機器を示す機器識別情報と当該電気機器が設置された家庭の代表者であるユーザを示すユーザ識別情報とを対応付けて、入力指示通知部312に出力する。
【0114】
入力指示通知部312は、入力指示情報を出力する際、データセットの中に、当該データセットに含まれるユーザ識別情報に対応する機器単位ポイントおよび機器識別情報を含める。
【0115】
情報受付部313は、入力画面データの中に、データセットに含まれる機器単位ポイントおよび機器識別情報を含める。これにより、ユーザは、機器単位ポイントおよび機器識別情報を確認することにより、過去の行動であっても容易に思い出すことができ、正確にノウハウ情報または原因情報を入力することができる。
【0116】
本変形例によれば、電気機器ごとの消費電力の削減効果を示す機器単位ポイントも合わせて省エネ行動データベースに蓄積することができる。
【0117】
<実施形態1の変形例>
本変形例は、実施形態1の変形例であり、実施形態1に実施形態2の入力指示通知部に類似した機能を組み入れた例である。具体的には、本変形例におけるデータ収集装置300は、入力指示通知部312を備えている。ただし、本変形例における入力指示通知部312は、実施形態2で説明した機能とは異なり、後述するような機能を有しているものとする。また、本変形例では、PC200は、PC250と同様にメール処理部205を備えている。
【0118】
また、上記の実施形態1では、ポイント算出部305は、各ノウハウ情報について算出したポイントを、当該ノウハウ情報と対応付けて省エネ行動データベース306に蓄積するものとした。しかしながら、本変形例では、ポイント算出部305は、算出したポイントが所定閾値(例えば20)以上である場合のみ、ノウハウ情報と対応付けて省エネ行動データベース306に蓄積する。そして、ポイント算出部305は、算出したポイントが所定閾値未満である場合、ユーザ識別情報および対象日情報と対応付けて入力指示通知部312に出力する。
【0119】
入力指示通知部312は、ポイント算出部305からポイントを受けた場合、当該ポインとに対応付けられた対象日情報で示される処理対象日の前後での消費電力の削減効果が
低いことを通知するとともに、その原因を示す原因情報の入力を促す入力指示情報を生成する。そして、入力指示通知部312は、実施形態2と同様に、生成した入力指示情報を含む電子メールを作成して送信する。ただし、本変形例では、入力指示通知部312は、入力指示情報として、ノウハウ情報受付部304へアクセスし、原因情報の入力用の画面を取得するためのURLを含めるものとする。また、本変形例では、入力指示通知部312は、入力指示情報を出力するとき、ポイントと、当該ポイントに対応するノウハウ情報と、対象日情報と、当該ポイントに対応するユーザ識別情報との組であるデータセットをノウハウ情報受付部304に出力する。
【0120】
本変形例において、ノウハウ情報受付け部304は、実施形態1で記載した機能に加えて、以下の機能を有する。すなわち、ノウハウ情報受付け部304は、入力指示通知部312からデータセットを受けたとき、当該データセットに含まれる、ポイントとノウハウ情報と対象日情報とを含み、かつ、原因情報の入力欄を含む入力画面を生成する。そして、データセットに含まれるユーザ識別情報で識別されるユーザから原因情報の入力画面の要求を受けたとき、生成した入力画面をPC200に送信する。そして、ノウハウ情報受付部304は、入力された原因情報を、データセットに含まれる、ポイントとノウハウ情報と対象日情報とユーザ識別情報とに対応付けて省エネ行動データベース306に蓄積する。図17は、本変形例に係る省エネ行動データベース306の一例を示す図である。
【0121】
本変形例によれば、省エネ行動を行ったがポイントの低い対象日に対して、その原因となる原因情報をもデータベースに蓄積することができる。
【0122】
<その他>
上記の説明では、ポイントの算出対象となる期間を、時間軸を0時〜24時の24時間ごとに区切ったときの各区間(つまり日)である単位期間として説明した。しかしながら、ポイントの算出対象となる期間は、日に限定されるものではなく、時間軸を一定時間ごとに区切ったときの各区間である単位期間であってもよい。例えば、0時〜12時および12時〜24時の12時間ごと、もしくは、一週間ごとに区切った区間である単位期間を用いてもよい。
【0123】
以上のように、データ収集装置300・350は、計測対象の場所である家庭(対象場所)で消費された電力量を計測する電力センサ400から取得した電力量を記憶する積算電力記憶部303と、処理対象日(対象単位期間)に対してユーザにより入力された情報であり、処理対象日に開始した省エネ行動を示すノウハウ情報(行動情報)を取得するノウハウ情報受付部304または情報受付部313と、積算電力記憶部303が記憶する積算電力量を用いて、処理対象日より前の所定期間における電力量と、処理対象日以後の所定期間における電力量とを比較することにより、処理対象日の前後での電力量の削減効果を示すポイント(評価値)を算出するポイント算出部305・311とを備え、算出されたポイントと、取得されたノウハウ情報とを対応付けた行動テーブル(省エネ情報)を、省エネ行動データベース(省エネ情報記憶手段)306・314に格納する。
【0124】
これにより、ユーザにより入力された様々な省エネ行動を示すノウハウ情報を取得することができる。そして、ユーザにより入力された様々なノウハウ情報の各々に対して、当該ノウハウ情報で示される省エネ行動を開始した処理対象日の前後での電力量の削減効果を示すポイントを対応付けた行動テーブルを蓄積することができる。その結果、省エネ行動データベース306・314を確認することにより、様々な省エネ行動についての評価を容易に確認できる。例えば、ポイントの高い順に並べてノウハウ情報を示すことにより、ユーザは、評価の高い省エネ行動を容易に確認することができる。
【0125】
なお、実施形態1では、ノウハウ情報受付部304は、ノウハウ情報と対応付けて、処
理対象日を示す情報であり、ユーザによる入力される期間情報(対象期間情報)を取得する。また、ポイント算出部305は、期間情報で示される処理対象日より前の所定期間における電力量と、当該処理対象日以後の所定期間における電力量とを比較することによりポイントを求める。これにより、省エネ行動を開始したタイミングで、容易にノウハウ情報を入力することができる。
【0126】
また、実施形態2では、ポイント算出部311は、日(単位期間)ごとに、当該日より前の所定期間における電力量と、当該日以後の所定期間における電力量とを比較することにより、当該日の前後での電力量の削減効果を示すポイントを算出する。さらに、データ収集装置350は、ポイントが第1閾値よりも電力量の削減効果が高いことを示す場合に、ユーザに対して、当該ポイントの算出対象である日を処理対象日とし、当該処理対象日に開始した省エネ行動を示すノウハウ情報の入力を促す指示を通知する入力指示通知部312を備える。そして、情報受付部313は、上記指示に対してユーザにより入力されたノウハウ情報を取得する。これにより、ユーザからより確実に行動情報を収集することができる。その他の変形例とその効果については上述したとおりである。
【0127】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0128】
最後に、データ収集装置300・350の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0129】
すなわち、データ収集装置300・350は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プ
ログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ収集装置300・350の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記データ収集装置300・350に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0130】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0131】
また、データ収集装置300・350を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)
、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデ
ータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、省エネ行動を示す情報を収集するデータ収集装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0133】
200 パーソナルコンピュータ(PC)
300・350 データ収集装置
303 積算電力記憶部(電力量記憶手段)
304 ノウハウ情報受付部(情報取得部)
305 ポイント算出部(算出部、格納処理部)
306・314 省エネ行動データベース(省エネ情報記憶手段)
311 ポイント算出部(算出部)
312 入力指示通知部
313 情報受付部(情報取得部、格納処理部)
400 電力センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象の場所である対象場所で消費された電力量を計測する電力センサから取得した電力量を記憶する電力量記憶手段と、
時間軸を一定時間ごとに区切ったときの各区間を単位期間とするとき、これら複数の単位期間のうちの一つの対象単位期間に対してユーザにより入力された情報であり、上記対象単位期間内に開始した省エネ行動を示す行動情報を取得する情報取得部と、
上記電力量記憶手段が記憶する電力量を用いて、上記対象単位期間より前の所定期間における電力量と、上記対象単位期間以後の所定期間における電力量とを比較することにより、上記対象単位期間の前後での電力量の削減効果を示す評価値を算出する算出部と、
上記算出部により算出された評価値と、上記情報取得部により取得された行動情報とを対応付けた省エネ情報を、省エネ情報記憶手段に格納する格納処理部とを備えることを特徴とするデータ収集装置。
【請求項2】
上記情報取得部は、上記の行動情報と対応付けて、上記対象単位期間を示す情報であり、ユーザによる入力される対象期間情報を取得し、
上記算出部は、上記対象期間情報で示される対象単位期間より前の所定期間における電力量と、当該対象単位期間以後の所定期間における電力量とを比較することにより上記評価値を求めることを特徴とする請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項3】
上記算出部は、上記複数の単位期間ごとに、当該単位期間より前の所定期間における電力量と、当該単位期間以後の所定期間における電力量とを比較することにより、当該単位期間の前後での電力量の削減効果を示す評価値を算出し、
上記データ収集装置は、さらに、上記算出部により算出された評価値が第1閾値よりも電力量の削減効果が高いことを示す場合に、上記対象場所に属するユーザに対して、当該評価値の算出対象である単位期間を上記対象単位期間とし、当該対象単位期間に開始した省エネ行動を示す行動情報の入力を促す指示を通知する入力指示通知部を備え、
上記情報取得部は、上記指示に対してユーザにより入力された行動情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項4】
上記電力量記憶手段は、複数の対象場所ごとに電力量を記憶しており、
上記情報取得部は、複数の対象場所ごとに上記行動情報を取得し、
上記算出部は、上記情報取得部が取得した行動情報に対応する対象場所について、上記評価値を算出し、
上記格納処理部は、上記情報取得部が取得した行動情報に対応する対象場所と対応付けて上記省エネ情報を上記省エネ情報記憶手段に格納することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のデータ収集装置。
【請求項5】
上記算出部は、上記対象単位期間より前の所定期間における電力量に対する当該対象単位期間以後の所定期間における電力量の削減率を複数の対象場所ごとに算出し、算出した複数の削減率から代表値を求め、上記情報取得部が取得した行動情報に対応する対象場所について、当該対象場所に対して求めた上記削減率と上記代表値との差分を上記評価値として算出することを特徴とする請求項4に記載のデータ収集装置。
【請求項6】
対象場所ごとに、当該対象場所に属する家族の構成、および、当該対象場所が属する地域の少なくとも一方を示す属性情報を記憶する属性情報記憶部を備えており、
上記算出部は、上記情報取得部が取得した行動情報に対応する対象場所と同じ属性情報に対応する対象場所を類似対象場所として特定し、上記対象単位期間より前の所定期間における電力量に対する当該対象単位期間以後の所定期間における電力量の削減率を類似対象場所ごとに算出し、算出した複数の削減率から代表値を求め、上記情報取得部が取得し
た行動情報に対応する対象場所について、当該対象場所に対して求めた上記削減率と上記代表値との差分を上記評価値として算出することを特徴とする請求項4に記載のデータ収集装置。
【請求項7】
上記算出部により算出された評価値が所定閾値未満である場合に、当該評価値に対応する行動情報を入力したユーザに対して、電力削減の効果が低い原因行動を示す原因情報の入力を促す指示を通知する入力指示通知部を備え、
上記情報取得部は、上記指示に対してユーザにより入力された原因情報を取得し、
上記格納処理部は、上記算出部により算出された評価値と、上記情報取得部により取得された原因情報とを対応付けた情報を、省エネ情報記憶手段に格納することを特徴とする請求項2に記載のデータ収集装置。
【請求項8】
上記入力指示通知部は、さらに、上記算出部により算出された評価値が第2閾値よりも電力量の削減効果が低いことを示す場合に、上記対象場所に属するユーザに対して、当該評価値の算出対象である単位期間を対象単位期間とし、当該対象単位期間に開始した、消費電力が上がる原因行動を示す原因情報の入力を促す指示を通知し、
上記情報取得部は、上記指示に対して入力された原因情報を取得し、
上記格納処理部は、上記算出部により算出された評価値と、上記情報取得部により取得された原因情報とを対応付けた情報を、省エネ情報記憶手段に格納することを特徴とする請求項3に記載のデータ収集装置。
【請求項9】
上記電力量記憶手段は、対象場所で消費された電力量として、当該対象場所に設置された電気機器で消費された総電力量と、当該対象場所に設置された少なくとも一つの電気機器で消費された機器単位電力量とを記憶しており、
上記算出部は、上記総電力量を基にした評価値と、上記機器単位電力量を基にした評価値とを算出し、
上記格納処理部は、上記算出部により算出された全ての評価値と、上記情報取得部により取得された行動情報とを対応付けた省エネ情報を、省エネ情報記憶手段に格納することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のデータ収集装置。
【請求項10】
計測対象の場所である対象場所で消費された電力量を計測する電力センサから取得した電力量を記憶する電力量記憶手段を用いたデータ収集方法であり、
時間軸を一定時間ごとに区切ったときの各区間を単位期間とするとき、これら複数の単位期間のうちの一つの対象単位期間に対してユーザにより入力された情報であり、上記対象単位期間内に開始した省エネ行動を示す行動情報を取得する情報取得ステップと、
上記電力量記憶手段が記憶する電力量を用いて、上記対象単位期間より前の所定期間における電力量と、上記対象単位期間以後の所定期間における電力量とを比較することにより、上記対象単位期間の前後での電力量の削減効果を示す評価値を算出する算出ステップと、
上記算出ステップにて算出された評価値と、上記情報取得ステップにて取得された行動情報とを対応付けた省エネ情報を、省エネ情報記憶手段に格納する格納処理ステップとを含むことを特徴とするデータ収集方法。
【請求項11】
請求項1から9の何れか1項に記載のデータ収集装置が備える上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−194606(P2012−194606A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55975(P2011−55975)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)