データ回線終端装置の動作モード整合方法および通信装置
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル端末機をアナログ電話回線に接続するためのデータ回線終端装置(DCE:Data Circuit Terminating Equipment) の動作モード(通信速度、同期方式等の設定値により定まる動作態様)をアナログ電話回線の起呼側と被呼側の両端において整合させる方法および通信装置に関する。
【0002】
【発明の背景】アナログ電話回線を介してディジタル端末機を接続したデータ通信が普及し、ディジタル端末機とアナログ電話回線との間において、アナログ信号とディジタル信号の相互変換を行うためのデータ回線終端装置としてモデムが広く使われている。即ち、図1に示すように、モデムDCE1は端末機DTE1(DTE:Data Terminating Equipment) からのディジタル信号のデータを受け取り、それを定められた変調方式で入力されたデータを変調して回線側にアナログ信号を出力し、また回線を通して送られてきた相手側からのアナログ信号をモデムDCE2は定められた復調方式で復調して、そのディジタル信号を他端に接続されている端末機DTE2に出力する機能を有するものである。このように通信方式にもよるが、DTE1及びDTE2は同時に又は交互にデータ転送を行うことができる。通信方式には以下のように種々のものがある。
【0003】
(1) 全二重……同時にデータの入力と出力ができる。
半二重……交互にデータの入力と出力を行う(同一時刻には入力又は出力の一方のみ可能である)。
(2) 変調方式周波数変調(FSK)
位相変調(PSK)
直交振幅変調(QAM)
(3) 通信速度300 bps ( bps :1秒当たりの転送ビット数)
1200 bps2400 bps 4800 bps 7200 bps 9600 bps (4) データ形式同期非同期上記項目(1) 、(2) 、(3) 、及び(4) の各組み合わせで種々のモードが作られる。データ通信は、信号方式、伝送方式に種々の方式があり、これらの各方式に適合させるため、モデムにおいても複数の方式に対応するため各種動作モードを備えたものがある。通信の規格として、国際電信電話諮問委員会(CCITT)勧告V.21、 V.22、 V.22 bis、V.23、 V.26 bis、V.27 ter、V.29等の規格がある。
【0004】電話回線を介してディジタル通信を行うためには、通信システムを構成する起呼側と被呼側に設置されるモデムの動作モードを整合させることが不可欠の要件となる。従来のモード整合方法は、予め相手方のモデムを(1) 手動設定するか、(2) 接続時のシーケンスの中で設定するか、または(2) 必要に応じモデムを交換するものであった。上記の従来の方法においては、回線接続前に起呼側と被呼側の間で接続条件についての情報交換を行った上でモデムの整合のための設定を行い、設定が不可能な場合には、モデム自体を条件が適合するものに交換するという煩雑な操作を必要とした。また、多種類の動作モードに対応することは困難であり、たとえ可能であったとしても、多数のスイッチを切り替えるなど煩雑な操作を必要とする欠点があった。
【0005】端末機からモデムに指示を与えモデムの動作モードを変更するものに Hayes社のSmart modem 2400がある。この方式は、非同期モードから同期モードへの切り替えにおいて、コマンドモードとデータモードが区別されているために、その切り替えが煩わしかったり、またコマンドモードからデータモードへ又はデータモードからコマンドモードへの切り替えによる通信への悪影響が無視できない場合がある。更に、Hayes 社のモデムにおいては、相手方のモデムの動作モードを知らないと動作モードの整合ができない欠点がある。そこで、相手方のモデムの動作モードの如何にかかわらずモデムの動作モードを整合させることが望まれている。本発明はこれらの欠点を改良し、通信回線の送受端にあるモデムの動作モードの整合を端末機からの指令操作によって自動的に行う方法を提供することにある。これによって、上記切り替えの煩わしさが無くなる。
【0006】
【発明の概要】上記課題を解決するために、第1に本発明は、同期モードで通信を行う場合、通信網の一端に接続されたディジタル端末機を操作して、端末機はデータ回線終端装置に対して記憶されている相手方のデータ回線終端装置の動作モードを操作指令によって指示する手段を有し、データ回線終端装置はこの指令を解析して動作モード参照データを選択し、データ回線終端装置の動作モードを所定のモードに設定する整合方法を提供するものである。第2に本発明は、通信網の両端に接続された異なる動作モードのデータ回線終端装置を備え、それぞれのデータ回線終端装置に接続されたディジタル端末機の間において、通信網において使用されている選択信号用多周波DTMF符合を用いて、DTMFによるモード指示信号を送受することにより、両データ回線終端装置の動作モードを自動的に一致させることができるものである。即ち、起呼側と被呼側とが異なる初期動作モードであっても、起呼側端末機の起動動作によって、起呼側において所望の動作モードに設定し、被呼側が呼び出し信号に応じてオフフックした後、起呼側は被呼側に対し動作モード指示信号をDTMFによるコードで送信し、このモードが被呼側において設定可能であればこれを設定した上で起呼側に応答音を返し整合させる。次に被呼側において、起呼側が指示したモードが設定できない場合には、被呼側は動作可能なモードをDTMFによるコードで起呼側に送信し、起呼側においてそのモードが設定可能であれば、再度起呼側からそのモードの符合を被呼側に送信し、両者の動作モードを整合させる方法を提供するものである。
【0007】第3に本発明は、第2の発明に変更を加えたもので、動作モード指示信号の送信を被呼側から開始するものである。即ち、起呼側と被呼側とが異なる初期動作モードであっても、被呼側端末機の起動動作によって被呼側において所望の動作モードに設定し、被呼側は起呼側に対し動作モード指示信号をDTMFによるコードで送信し、このモードが起呼側において設定可能であればこれを設定した上で被呼側に応答音を返し整合させる。次に、起呼側において、被呼側が指示したモードが設定できない場合には、起呼側は動作可能なモードをDTMFによるコードで被呼側に送信し、被呼側においてそのモードが設定可能であれば、再度被呼側からそのモードの符合を起呼側に送信し、両者の動作モードを整合させる方法を提供するものである。
【0008】データ回線終端装置の代表的な一つであるモデム(変復調装置)を用いた実施例について説明する。
【0009】
【実施の形態】
その1図2は、本発明による第1の方法を実施するために使用されるシステムの概要を示し、10は電話回線の一端に接続されたディジタル端末機DTE1及びモデムDCE1から構成されるステーション1であって、同期モード1によって動作する。20、30及び40は交換機をふくむ電話回線100の他端に接続されたステーション2、3及び4であって、ステーション1と同様の機器構成を有し、それぞれ同期モード2、3及び4によって動作する。図3において、端末機31はマイクロプロセッサMPU、メモリMEM、クロックCLOCK、タイマTIMER、ハードディスクDK、ディスク制御部DKC、回線制御部LINC、シリアル・パラレルインタフェース変換部SIO及び電源POWより構成される。モデム32はMPU、CLOCK、SIO、MEM及びPOWを備える点は、端末機31と同様であり、この他にディジタルシグナルプロセッサDSP、アナログ・ディジタル変換部AIC及び電話回線網制御装置NCUを備えている。端末機31とモデム32はそれぞれのSIOを介して接続される。
【0010】モデムDCEにおける各機能を説明する。
SIO(Serial Input Output)MPUからの並列データを直列データに変換してDTEに出力し、DTEからの直列データを並列データに変換してMPUに出力する。
MPU(Micro Processing Unit)モデムの動作を制御し、データフローの管理を行う。コマンド及びインディケーションによるDTEとのステータスの対話、変調/復調部への指示、NCUの制御、データ入出力制御、モデム動作モードの判断及びその制御等のモデム制御の中枢である。
MEMI及びMEM2(Memory)MPU及びDSPにそれぞれ接続されていて、MPU及びDSPの動作手順であるプログラムやデータが格納されている。
【0011】DSP(Digital Signal Processor)DTEからのデータをSIO、MPUを経由して受け取り、それを変調してAICに出力する。AICはそれをアナログ信号にしてNCUを経て電話回線に出力する。NCU経由の電話回線からのアナログ信号がAICでディジタル信号に変換されてDSPに入力され、それを復調してMPUに出力する。そのデータはSIOを介してDTEに出力される。
AIC(Analog Interface Circuit)DSPからのディジタル信号をアナログ信号に変換してNCUに出力し、NCUからのアナログ信号をディジタル信号に変換してDSPに出力する。
【0012】NCU(Network Control Unit)モデムと電話回線を接続する部分で、発呼及び着呼の制御を行う。
図4は、モデムDCE1の機能を説明するためのブロック図であって、端末機31からの操作指令及び端末機への情報信号は、モデム32の端末機インタフェイス回路33を介して送受される。変復調回路35には、動作モード参照データ領域351が設けられており、端末機インタフェイス回路との間に命令解析及び動作モード設定回路34が設けられている。端末機からインタフェイス回路33を経て回路34に入力された操作指令は、命令解析の後動作モードの設定回路の機能により、その操作指令に対応したモデムの動作モードのデータを選択し、それによって変復調回路35の動作モードを相手方と整合するように設定する。モデム32は通常のモデムと同様にNCU36を介して電話回線37に接続される。
【0013】この点を再度図3のモデムのブロック図により説明する。端末機DTEがモデムに動作モードを決定する命令を出力すると命令はSIO経由して、MPUに入力される。MPUは予め決められた命令を解釈し、それに従った動作モードを選択する。選択された動作モードでモデムが動作するためにMPUはDSPにそのモードを通知し、モード設定を行う。DSPかが動作モードに設定されるための方法は大別して2種類ある。第1はDSPが指定された動作モードで作業できるように必要なデータ及び情報を全て又は殆ど全てにわたってMPUのメモリであるMEM1からMPUが読み出してDSPに与える方法、即ちMPUからDSPに必要なデータをダウンロードする方法である。第2は動作モードのコードのみをDSPに通知し、DSP自身がそのコードに従った動作モードになるようにDSPのメモリであるMEM2からDSP自身が必要なデータを読み出してDPS自身がセットする方法である。いずれにしてもMPU及びDSPによりモデムの動作モードが完了した後、MPUはSIOを経由してDTEに動作の完了を通知する。
【0014】図5は、端末機DTE1の機能を説明するためのブロック図であって、動作モード設定指示手段41を備え、モデムインタフェイス回路42を介してモデムと接続される。各図を参照して、DTE1、、DCE1が発呼前若しくは着呼前に、DTE1がDCE1に対して、電話回線の他端に接続されたモデムDCE2、DCE3、DCE4に対応した動作モードの設定指示を行い、DCE1の動作モードを変更し、他端のモデムの動作モードと一致させる。端末機から入力したモード制御命令は、端末機とモデムとを接続しているCCITT 勧告 V.24 を介してモデムのインタフェイス回路に入力される。図6に示すように、この命令は命令解析及び動作モードの設定回路が解析して、それに対応した確認信号であるインディケーション(以下、インディケーションと言う)を端末機に出力する。そのときモデム内の動作モード参照領域と称するメモリ領域に対して、動作モード設定回路が端末機からの命令に対応したデータをセットする。これにより、モデムはそのデータに従って端末機から指示された動作モードで動作することが可能となる。
【0015】その2図7は、本発明による第2の実施形態例であるトーン信号によるモデムモードの整合方法を説明するための図であって、電話回線の両端に設置されたモデムDCE1及びDCE2の各動作モードを電話回線において使用される選択信号用多周波(Dual-Tone Multi Frequency)符号(以下、DTMF符号と言う。)の組み合わせコードからなるモード指示信号DTMF$$によって表す。図10R>0は、本発明において使用されるDTMF符号の一例である。この$$は、説明の便宜上2桁の数としたが、これは例示であって2桁に限らず任意の桁数を選定できる。モデムDCE1及びDCE2は、モデム回路と電話回線網制御装置NCUを組み合わせた装置であり、モデム回路は複数のモードに対応することが可能であって、モードの設定により選択することができる。本発明の方法を実現するために使用するモデムDCE1とDCE2及びディジタル端末機DTE1とDTE2の構成は第1の実施例と同様であり、図3に示されている。
【0016】図7において、動作開始前には起呼側のDTE1とDCE1が初期動作モードIの状態にあり、被呼側は初期動作モードIIの状態にあるものとする。動作が開始されると、起呼側端末機DTE1が動作モードI設定信号SMD$$をモデムDTE1に送る。この$$は、モードIに対応する2桁のDTMFディジットである。モデムDCE1は、起呼側始動直後のモード設定信号SMD$$に応答して、受諾信号VALを端末機DTE1へ返すことにより端末機DTE1とモデムDCE1との間の起呼側内部回線を所望の動作モードIに設定する。続いて、起呼側モデム装置DCE1は、CCITT 勧告 V.25 bis の起呼要求CRNXXXXの形式等による選択信号を電話回線へ送出する。この信号 XXXX は、被呼側の電話番号を表ひディジット列である。被呼側では、呼び出し信号RTに応じてCCITT 勧告 V.25 bis に手順等の所定手順に従ってオフフックをする。典型的なオフフック手順は、呼び出し信号RT着信時に、モデムDCE2から端末機DTE2へ呼び出し表示信号C1を送り、これに応じて端末機DTE2からモデムDCE2へ端末機レディ信号ERを返し、これを受けたモデムDCE2から端末機DTE2へ送信可信号CSを送った上でオフフックする。オフフックが起呼側へ伝わるに要する遅延時間T2を経過して、モデムDCE2がオフフック終了信号(図示の例では、DTMF“0”の符合)を起呼側へ送出する。起呼側では、オフフック終了信号の着信によるオフフック検出を条件として、モード指示信号(モード1に対するコード符号DTMF$$)を被呼側に送出する。
【0017】被呼側では、オフフック終了信号の発信直後のモードI指示信号の着信を条件に、モードI通信信号REM$$をモデム装置DCE2から端末機DTE2へ送る。端末機DTE2は、モード1が被呼側で設定可能であることを条件にモード1設定信号SMD$$をモデム装置DCE2へ送る。モデムDCE2は受諾信号VALを端末機DTE2へ返すことにより、端末機DTE2とモデム装置DCE2との間の被呼側内部回線を所望の動作モードIに設定する。このようにして、電話回線の両端、即ち起呼側と被呼側のモデムがこの場合動作モードIである同一の動作モードに自動的に整合され、本発明の目的が達成される。その後被呼側から応答音ATを起呼側へ送出し通信可能な状態となる。即ち、送受信可能状態信号DRが両端のモデム装置から対応する端末機へ送出され、通信が行われる。
【0018】上記の説明においては、モード1指示信号の授受をオフフック信号と時間的に関連させて説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。次に、起呼側が指示した動作モードを被呼側が持っていない場合の整合方式を図8及び図9により説明する。図7の場合と同様に、被呼側モデム装置DCE2は起呼側からモードI指示信号DTMF$$を受信すると、モードI通知信号REM$$を端末機DTE2へ送る。図8の場合には、端末機DTE2が起呼側の要求する動作モードを備えていないので、同端末機DTE2が有する動作モードへの変更要求であるモードII設定信SMD@@をモデムDCE2へ送る。モデムDCE2は、受諾信号VALを端末機DTE2へ返すと共に変更要求であるモードII指示信号DTMF@@を起呼側へ送出する。起呼側では、直前に送出したモードI指示信号DTMF@@に応じた被呼側からの信号が応答信号ATではなくモード指示信号DTMF@@であることから、被呼側の動作モード変更要求を認識する。起呼側のモデム装置DCE1は、モードII通知信号REM@@を端末機DTE1へ送る。
【0019】端末機DTE1は、これに応じてモードII設定信号SMD@@をモデム装置DCE1に与える。この設定信号に応じて、モデム装置DCE1は受諾信号VALを端末機DTE1へ返すことにより、端末機DTE1とモデムDCE1との間の起呼側内部回線を所望の動作モードIIに設定する。この設定後にモデム装置DCE1は、モードII指示信号DTMF@@を被呼側へ送出する。被呼側では、起呼側と同じ手順で動作モードIIがモードIIに設定され、起呼側への応答音ATの送出が行われ、通信可能な状態になる。こうして図2の例においても起呼側と被呼側の両端のモデムが同一の動作モードIIに自動的に整合される。
【0020】その3第3の実施の形態は被呼側が最初に起呼側に対し動作モードの指示をする場合である。被呼側が指示した動作モードを起呼側が持っている場合の整合方法を図11により説明する。モデム装置DCE1及びDCE2は、モデム回路と電話回線網制御装置NCUを組み合わせた装置であり、モデム回路は複数のモードに対応することが可能であって、モードの設定により選択することができる。本発明の方法を実現するために使用するモデムDCE1とDCE2及びディジタル端末機DTE1とDTE2の構成は第1の実施例と同様であり、図3に示されている。
【0021】図11において、動作開始前には起呼側のDTE1とDCE1が初期動作モード1の状態にあり、被呼側は初期動作モード2の状態にあるものとする。動作が開始されると、被呼側端末機DTE2が動作モードI設定信号SMD$$をモデム装置DCE2に送る。この$$は、モードIに対応する2桁のDTMFディジットである。モデムDCE2は、被呼側始動直後のモードI設定信号SMD$$に応答して、受諾信号VALを端末機DTE2へ返すことにより端末機DTE2とモデム装置DCE2との間の起呼側内部回線を所望の動作モードIに設定する。続いて、起呼側モデム装置DCE1は、CCITT 勧告 V.25 bis の起呼要求CRN XXXX の形式等による選択信号を電話回線へ送出する。この信号XXXXは、被呼側の電話番号を表すディジット列である。被呼側では、呼び出し信号RTに応じてCCITT 勧告 V.25 bis に手順等の所定手順に従ってオフフックをする。典型的なオフフック手順は、呼び出し信号RT着信時にモデム装置DCE2から端末機DTE2へ呼び出し表示装置CIを送り、これに応じて端末機DTE2からモデム装置DCE2へ端末機レディ信号ERを返し、これを受けてモデム装置DCE2から端末機DTE2へ送信可能信号CSを送った上でオフフックする。オフフックが起呼側へ伝わるに要する遅延時間T2を経過して、モデム装置DCE2がオフフック終了信号(図示の例では、DTMF“0”の符号)を起呼側へ送出する。
【0022】起呼側では、オフフック終了信号の着信によりオフフックを検出する。被呼側はモードI指示信号(モードIに対するコード符号DTMF$$)を起呼側に送出する。起呼側では、オフフック信号検出後モードI指示信号の着信を条件に、モードI通知信号REM$$をモデム装置DTE1から端末機DTE1へ送る。端末機DTE1は、モード1が起呼側で設定可能であることを条件にモードI設定信号SMD$$をモデム装置DCE1へ送る。モデム装置DCE1は、受諾信号VALを端末機DTE1へ返すことにより端末機DTE1とモデム装置DCE1との間の起呼側内部回線を所望の動作モードIに設定する。このようにして、電話回線の両端、即ち起呼側と被呼側のモデムがこの場合動作モードIである同一の動作モードに自動的に整合され、本発明の目的が達成される。
【0023】その後被呼側から応答音ATを起呼側へ送出し通信可能な状態となる。即ち、送受信可能状態信号DRが両端のモデム装置から対応する端末機へ送出され、通信が行われる。上記の説明においては、モードI指示信号の授受をオフフック信号と時間的に関連させて説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。次に、被呼側が指示した動作モードを起呼側が持っていない場合の整合方法を図12により説明する。図11R>1の場合と同様に、起呼側モデムDCE1は被呼側からモードI指示信号DTMF$$を受信すると、モードI通知信号REM$$を端末機DTE1へ送る。図12の場合には、端末機DTE1が被呼側の要求する動作モードを備えていないので、同端末機DTE1が有する動作モードへの変更要求であるモードII設定信号SMD@@をモデムDCE1へ送る。モデムDCE1は、受諾信号VALを端末機DTE1へ返すと共に変更要求であるモードII指示信号DTMF@@を被呼側へ送出する。被呼側では、直前に送出したモードI指示信号DTMF$$に応じた起呼側からの信号がモードII指示信号DTMF@@であることから、起呼側の動作モード変更要求を認識する。被呼側のモデムDCE2は、モードII通知信号REM@@を端末機DTE2へ送る。
【0024】端末機DTE2は、これに応じてモードII設定信号SMD@@をモデム装置DCE2に与える。この設定信号に応じて、モデム装置DCE2は、受諾信号VALを端末機DTE2へへ返すことにより、端末機DTE2とモデムDCE2との間の被呼側内部回線を所望の動作モードIIに設定する。この設定後にモデムDCE2は、モードII指示信号DTMF@@を起呼側へ送出する。起呼側では、被呼側と同じ手順で動作モードがモードIIに設定され、起呼側への応答音ATの送出が行われ、通信可能な状態になる。こうして図12の例においても起呼側と被呼側の両端のモデムが同一の動作モードIIに自動的に整合される。
【0025】図13は、上述の動作手順をフローチャートを用いて示したものである。本発明は、端末機から直接モデムにその動作モードを選択し設定することが可能となるから、(1) 煩雑な手動による動作モードの設定、変更の際の手間を省くことができ、(2) 異なる動作モードを有する複数のモデムとの通信が可能となる。また、モデム間でモード指示信号を送受信するので、(3)煩雑な手動整合の手間を省き、起呼側及び被呼側双方のモデムの初期動作モードに無関係に多種類の動作モードに対応して自動的に動作モードを整合させることができる。更には、(4)選択信号として使用するDTMF符号をそのままモード指示信号として用いるので特別な付加回路を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】公衆電話回線を利用した場合のモデムの設置例である。
【図2】本発明の整合方法を実施するシステムの説明図、
【図3】本発明の方法を実現するための端末機及びモデムのハードウェア構成図、
【図4】モデムの機能ブロック図、
【図5】端末機の機能ブロック図、
【図6】端末機とモデムとの間の通信手順を示す図、
【図7】本発明の他の方法の通信手順を示す図、
【図8】本発明の他の方法の通信手順を示す図、
【図9】本発明の他の方法を説明するためのフローチャート、
【図10】電話回線において使用されている選択信号用多周波DTMF符合の一例である。
【図11】本発明の他の方法の通信手順を示す図、
【図12】本発明の他の方法の通信手順を示す図、
【図13】本発明の他の方法を説明するためのフローチャートである。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル端末機をアナログ電話回線に接続するためのデータ回線終端装置(DCE:Data Circuit Terminating Equipment) の動作モード(通信速度、同期方式等の設定値により定まる動作態様)をアナログ電話回線の起呼側と被呼側の両端において整合させる方法および通信装置に関する。
【0002】
【発明の背景】アナログ電話回線を介してディジタル端末機を接続したデータ通信が普及し、ディジタル端末機とアナログ電話回線との間において、アナログ信号とディジタル信号の相互変換を行うためのデータ回線終端装置としてモデムが広く使われている。即ち、図1に示すように、モデムDCE1は端末機DTE1(DTE:Data Terminating Equipment) からのディジタル信号のデータを受け取り、それを定められた変調方式で入力されたデータを変調して回線側にアナログ信号を出力し、また回線を通して送られてきた相手側からのアナログ信号をモデムDCE2は定められた復調方式で復調して、そのディジタル信号を他端に接続されている端末機DTE2に出力する機能を有するものである。このように通信方式にもよるが、DTE1及びDTE2は同時に又は交互にデータ転送を行うことができる。通信方式には以下のように種々のものがある。
【0003】
(1) 全二重……同時にデータの入力と出力ができる。
半二重……交互にデータの入力と出力を行う(同一時刻には入力又は出力の一方のみ可能である)。
(2) 変調方式周波数変調(FSK)
位相変調(PSK)
直交振幅変調(QAM)
(3) 通信速度300 bps ( bps :1秒当たりの転送ビット数)
1200 bps2400 bps 4800 bps 7200 bps 9600 bps (4) データ形式同期非同期上記項目(1) 、(2) 、(3) 、及び(4) の各組み合わせで種々のモードが作られる。データ通信は、信号方式、伝送方式に種々の方式があり、これらの各方式に適合させるため、モデムにおいても複数の方式に対応するため各種動作モードを備えたものがある。通信の規格として、国際電信電話諮問委員会(CCITT)勧告V.21、 V.22、 V.22 bis、V.23、 V.26 bis、V.27 ter、V.29等の規格がある。
【0004】電話回線を介してディジタル通信を行うためには、通信システムを構成する起呼側と被呼側に設置されるモデムの動作モードを整合させることが不可欠の要件となる。従来のモード整合方法は、予め相手方のモデムを(1) 手動設定するか、(2) 接続時のシーケンスの中で設定するか、または(2) 必要に応じモデムを交換するものであった。上記の従来の方法においては、回線接続前に起呼側と被呼側の間で接続条件についての情報交換を行った上でモデムの整合のための設定を行い、設定が不可能な場合には、モデム自体を条件が適合するものに交換するという煩雑な操作を必要とした。また、多種類の動作モードに対応することは困難であり、たとえ可能であったとしても、多数のスイッチを切り替えるなど煩雑な操作を必要とする欠点があった。
【0005】端末機からモデムに指示を与えモデムの動作モードを変更するものに Hayes社のSmart modem 2400がある。この方式は、非同期モードから同期モードへの切り替えにおいて、コマンドモードとデータモードが区別されているために、その切り替えが煩わしかったり、またコマンドモードからデータモードへ又はデータモードからコマンドモードへの切り替えによる通信への悪影響が無視できない場合がある。更に、Hayes 社のモデムにおいては、相手方のモデムの動作モードを知らないと動作モードの整合ができない欠点がある。そこで、相手方のモデムの動作モードの如何にかかわらずモデムの動作モードを整合させることが望まれている。本発明はこれらの欠点を改良し、通信回線の送受端にあるモデムの動作モードの整合を端末機からの指令操作によって自動的に行う方法を提供することにある。これによって、上記切り替えの煩わしさが無くなる。
【0006】
【発明の概要】上記課題を解決するために、第1に本発明は、同期モードで通信を行う場合、通信網の一端に接続されたディジタル端末機を操作して、端末機はデータ回線終端装置に対して記憶されている相手方のデータ回線終端装置の動作モードを操作指令によって指示する手段を有し、データ回線終端装置はこの指令を解析して動作モード参照データを選択し、データ回線終端装置の動作モードを所定のモードに設定する整合方法を提供するものである。第2に本発明は、通信網の両端に接続された異なる動作モードのデータ回線終端装置を備え、それぞれのデータ回線終端装置に接続されたディジタル端末機の間において、通信網において使用されている選択信号用多周波DTMF符合を用いて、DTMFによるモード指示信号を送受することにより、両データ回線終端装置の動作モードを自動的に一致させることができるものである。即ち、起呼側と被呼側とが異なる初期動作モードであっても、起呼側端末機の起動動作によって、起呼側において所望の動作モードに設定し、被呼側が呼び出し信号に応じてオフフックした後、起呼側は被呼側に対し動作モード指示信号をDTMFによるコードで送信し、このモードが被呼側において設定可能であればこれを設定した上で起呼側に応答音を返し整合させる。次に被呼側において、起呼側が指示したモードが設定できない場合には、被呼側は動作可能なモードをDTMFによるコードで起呼側に送信し、起呼側においてそのモードが設定可能であれば、再度起呼側からそのモードの符合を被呼側に送信し、両者の動作モードを整合させる方法を提供するものである。
【0007】第3に本発明は、第2の発明に変更を加えたもので、動作モード指示信号の送信を被呼側から開始するものである。即ち、起呼側と被呼側とが異なる初期動作モードであっても、被呼側端末機の起動動作によって被呼側において所望の動作モードに設定し、被呼側は起呼側に対し動作モード指示信号をDTMFによるコードで送信し、このモードが起呼側において設定可能であればこれを設定した上で被呼側に応答音を返し整合させる。次に、起呼側において、被呼側が指示したモードが設定できない場合には、起呼側は動作可能なモードをDTMFによるコードで被呼側に送信し、被呼側においてそのモードが設定可能であれば、再度被呼側からそのモードの符合を起呼側に送信し、両者の動作モードを整合させる方法を提供するものである。
【0008】データ回線終端装置の代表的な一つであるモデム(変復調装置)を用いた実施例について説明する。
【0009】
【実施の形態】
その1図2は、本発明による第1の方法を実施するために使用されるシステムの概要を示し、10は電話回線の一端に接続されたディジタル端末機DTE1及びモデムDCE1から構成されるステーション1であって、同期モード1によって動作する。20、30及び40は交換機をふくむ電話回線100の他端に接続されたステーション2、3及び4であって、ステーション1と同様の機器構成を有し、それぞれ同期モード2、3及び4によって動作する。図3において、端末機31はマイクロプロセッサMPU、メモリMEM、クロックCLOCK、タイマTIMER、ハードディスクDK、ディスク制御部DKC、回線制御部LINC、シリアル・パラレルインタフェース変換部SIO及び電源POWより構成される。モデム32はMPU、CLOCK、SIO、MEM及びPOWを備える点は、端末機31と同様であり、この他にディジタルシグナルプロセッサDSP、アナログ・ディジタル変換部AIC及び電話回線網制御装置NCUを備えている。端末機31とモデム32はそれぞれのSIOを介して接続される。
【0010】モデムDCEにおける各機能を説明する。
SIO(Serial Input Output)MPUからの並列データを直列データに変換してDTEに出力し、DTEからの直列データを並列データに変換してMPUに出力する。
MPU(Micro Processing Unit)モデムの動作を制御し、データフローの管理を行う。コマンド及びインディケーションによるDTEとのステータスの対話、変調/復調部への指示、NCUの制御、データ入出力制御、モデム動作モードの判断及びその制御等のモデム制御の中枢である。
MEMI及びMEM2(Memory)MPU及びDSPにそれぞれ接続されていて、MPU及びDSPの動作手順であるプログラムやデータが格納されている。
【0011】DSP(Digital Signal Processor)DTEからのデータをSIO、MPUを経由して受け取り、それを変調してAICに出力する。AICはそれをアナログ信号にしてNCUを経て電話回線に出力する。NCU経由の電話回線からのアナログ信号がAICでディジタル信号に変換されてDSPに入力され、それを復調してMPUに出力する。そのデータはSIOを介してDTEに出力される。
AIC(Analog Interface Circuit)DSPからのディジタル信号をアナログ信号に変換してNCUに出力し、NCUからのアナログ信号をディジタル信号に変換してDSPに出力する。
【0012】NCU(Network Control Unit)モデムと電話回線を接続する部分で、発呼及び着呼の制御を行う。
図4は、モデムDCE1の機能を説明するためのブロック図であって、端末機31からの操作指令及び端末機への情報信号は、モデム32の端末機インタフェイス回路33を介して送受される。変復調回路35には、動作モード参照データ領域351が設けられており、端末機インタフェイス回路との間に命令解析及び動作モード設定回路34が設けられている。端末機からインタフェイス回路33を経て回路34に入力された操作指令は、命令解析の後動作モードの設定回路の機能により、その操作指令に対応したモデムの動作モードのデータを選択し、それによって変復調回路35の動作モードを相手方と整合するように設定する。モデム32は通常のモデムと同様にNCU36を介して電話回線37に接続される。
【0013】この点を再度図3のモデムのブロック図により説明する。端末機DTEがモデムに動作モードを決定する命令を出力すると命令はSIO経由して、MPUに入力される。MPUは予め決められた命令を解釈し、それに従った動作モードを選択する。選択された動作モードでモデムが動作するためにMPUはDSPにそのモードを通知し、モード設定を行う。DSPかが動作モードに設定されるための方法は大別して2種類ある。第1はDSPが指定された動作モードで作業できるように必要なデータ及び情報を全て又は殆ど全てにわたってMPUのメモリであるMEM1からMPUが読み出してDSPに与える方法、即ちMPUからDSPに必要なデータをダウンロードする方法である。第2は動作モードのコードのみをDSPに通知し、DSP自身がそのコードに従った動作モードになるようにDSPのメモリであるMEM2からDSP自身が必要なデータを読み出してDPS自身がセットする方法である。いずれにしてもMPU及びDSPによりモデムの動作モードが完了した後、MPUはSIOを経由してDTEに動作の完了を通知する。
【0014】図5は、端末機DTE1の機能を説明するためのブロック図であって、動作モード設定指示手段41を備え、モデムインタフェイス回路42を介してモデムと接続される。各図を参照して、DTE1、、DCE1が発呼前若しくは着呼前に、DTE1がDCE1に対して、電話回線の他端に接続されたモデムDCE2、DCE3、DCE4に対応した動作モードの設定指示を行い、DCE1の動作モードを変更し、他端のモデムの動作モードと一致させる。端末機から入力したモード制御命令は、端末機とモデムとを接続しているCCITT 勧告 V.24 を介してモデムのインタフェイス回路に入力される。図6に示すように、この命令は命令解析及び動作モードの設定回路が解析して、それに対応した確認信号であるインディケーション(以下、インディケーションと言う)を端末機に出力する。そのときモデム内の動作モード参照領域と称するメモリ領域に対して、動作モード設定回路が端末機からの命令に対応したデータをセットする。これにより、モデムはそのデータに従って端末機から指示された動作モードで動作することが可能となる。
【0015】その2図7は、本発明による第2の実施形態例であるトーン信号によるモデムモードの整合方法を説明するための図であって、電話回線の両端に設置されたモデムDCE1及びDCE2の各動作モードを電話回線において使用される選択信号用多周波(Dual-Tone Multi Frequency)符号(以下、DTMF符号と言う。)の組み合わせコードからなるモード指示信号DTMF$$によって表す。図10R>0は、本発明において使用されるDTMF符号の一例である。この$$は、説明の便宜上2桁の数としたが、これは例示であって2桁に限らず任意の桁数を選定できる。モデムDCE1及びDCE2は、モデム回路と電話回線網制御装置NCUを組み合わせた装置であり、モデム回路は複数のモードに対応することが可能であって、モードの設定により選択することができる。本発明の方法を実現するために使用するモデムDCE1とDCE2及びディジタル端末機DTE1とDTE2の構成は第1の実施例と同様であり、図3に示されている。
【0016】図7において、動作開始前には起呼側のDTE1とDCE1が初期動作モードIの状態にあり、被呼側は初期動作モードIIの状態にあるものとする。動作が開始されると、起呼側端末機DTE1が動作モードI設定信号SMD$$をモデムDTE1に送る。この$$は、モードIに対応する2桁のDTMFディジットである。モデムDCE1は、起呼側始動直後のモード設定信号SMD$$に応答して、受諾信号VALを端末機DTE1へ返すことにより端末機DTE1とモデムDCE1との間の起呼側内部回線を所望の動作モードIに設定する。続いて、起呼側モデム装置DCE1は、CCITT 勧告 V.25 bis の起呼要求CRNXXXXの形式等による選択信号を電話回線へ送出する。この信号 XXXX は、被呼側の電話番号を表ひディジット列である。被呼側では、呼び出し信号RTに応じてCCITT 勧告 V.25 bis に手順等の所定手順に従ってオフフックをする。典型的なオフフック手順は、呼び出し信号RT着信時に、モデムDCE2から端末機DTE2へ呼び出し表示信号C1を送り、これに応じて端末機DTE2からモデムDCE2へ端末機レディ信号ERを返し、これを受けたモデムDCE2から端末機DTE2へ送信可信号CSを送った上でオフフックする。オフフックが起呼側へ伝わるに要する遅延時間T2を経過して、モデムDCE2がオフフック終了信号(図示の例では、DTMF“0”の符合)を起呼側へ送出する。起呼側では、オフフック終了信号の着信によるオフフック検出を条件として、モード指示信号(モード1に対するコード符号DTMF$$)を被呼側に送出する。
【0017】被呼側では、オフフック終了信号の発信直後のモードI指示信号の着信を条件に、モードI通信信号REM$$をモデム装置DCE2から端末機DTE2へ送る。端末機DTE2は、モード1が被呼側で設定可能であることを条件にモード1設定信号SMD$$をモデム装置DCE2へ送る。モデムDCE2は受諾信号VALを端末機DTE2へ返すことにより、端末機DTE2とモデム装置DCE2との間の被呼側内部回線を所望の動作モードIに設定する。このようにして、電話回線の両端、即ち起呼側と被呼側のモデムがこの場合動作モードIである同一の動作モードに自動的に整合され、本発明の目的が達成される。その後被呼側から応答音ATを起呼側へ送出し通信可能な状態となる。即ち、送受信可能状態信号DRが両端のモデム装置から対応する端末機へ送出され、通信が行われる。
【0018】上記の説明においては、モード1指示信号の授受をオフフック信号と時間的に関連させて説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。次に、起呼側が指示した動作モードを被呼側が持っていない場合の整合方式を図8及び図9により説明する。図7の場合と同様に、被呼側モデム装置DCE2は起呼側からモードI指示信号DTMF$$を受信すると、モードI通知信号REM$$を端末機DTE2へ送る。図8の場合には、端末機DTE2が起呼側の要求する動作モードを備えていないので、同端末機DTE2が有する動作モードへの変更要求であるモードII設定信SMD@@をモデムDCE2へ送る。モデムDCE2は、受諾信号VALを端末機DTE2へ返すと共に変更要求であるモードII指示信号DTMF@@を起呼側へ送出する。起呼側では、直前に送出したモードI指示信号DTMF@@に応じた被呼側からの信号が応答信号ATではなくモード指示信号DTMF@@であることから、被呼側の動作モード変更要求を認識する。起呼側のモデム装置DCE1は、モードII通知信号REM@@を端末機DTE1へ送る。
【0019】端末機DTE1は、これに応じてモードII設定信号SMD@@をモデム装置DCE1に与える。この設定信号に応じて、モデム装置DCE1は受諾信号VALを端末機DTE1へ返すことにより、端末機DTE1とモデムDCE1との間の起呼側内部回線を所望の動作モードIIに設定する。この設定後にモデム装置DCE1は、モードII指示信号DTMF@@を被呼側へ送出する。被呼側では、起呼側と同じ手順で動作モードIIがモードIIに設定され、起呼側への応答音ATの送出が行われ、通信可能な状態になる。こうして図2の例においても起呼側と被呼側の両端のモデムが同一の動作モードIIに自動的に整合される。
【0020】その3第3の実施の形態は被呼側が最初に起呼側に対し動作モードの指示をする場合である。被呼側が指示した動作モードを起呼側が持っている場合の整合方法を図11により説明する。モデム装置DCE1及びDCE2は、モデム回路と電話回線網制御装置NCUを組み合わせた装置であり、モデム回路は複数のモードに対応することが可能であって、モードの設定により選択することができる。本発明の方法を実現するために使用するモデムDCE1とDCE2及びディジタル端末機DTE1とDTE2の構成は第1の実施例と同様であり、図3に示されている。
【0021】図11において、動作開始前には起呼側のDTE1とDCE1が初期動作モード1の状態にあり、被呼側は初期動作モード2の状態にあるものとする。動作が開始されると、被呼側端末機DTE2が動作モードI設定信号SMD$$をモデム装置DCE2に送る。この$$は、モードIに対応する2桁のDTMFディジットである。モデムDCE2は、被呼側始動直後のモードI設定信号SMD$$に応答して、受諾信号VALを端末機DTE2へ返すことにより端末機DTE2とモデム装置DCE2との間の起呼側内部回線を所望の動作モードIに設定する。続いて、起呼側モデム装置DCE1は、CCITT 勧告 V.25 bis の起呼要求CRN XXXX の形式等による選択信号を電話回線へ送出する。この信号XXXXは、被呼側の電話番号を表すディジット列である。被呼側では、呼び出し信号RTに応じてCCITT 勧告 V.25 bis に手順等の所定手順に従ってオフフックをする。典型的なオフフック手順は、呼び出し信号RT着信時にモデム装置DCE2から端末機DTE2へ呼び出し表示装置CIを送り、これに応じて端末機DTE2からモデム装置DCE2へ端末機レディ信号ERを返し、これを受けてモデム装置DCE2から端末機DTE2へ送信可能信号CSを送った上でオフフックする。オフフックが起呼側へ伝わるに要する遅延時間T2を経過して、モデム装置DCE2がオフフック終了信号(図示の例では、DTMF“0”の符号)を起呼側へ送出する。
【0022】起呼側では、オフフック終了信号の着信によりオフフックを検出する。被呼側はモードI指示信号(モードIに対するコード符号DTMF$$)を起呼側に送出する。起呼側では、オフフック信号検出後モードI指示信号の着信を条件に、モードI通知信号REM$$をモデム装置DTE1から端末機DTE1へ送る。端末機DTE1は、モード1が起呼側で設定可能であることを条件にモードI設定信号SMD$$をモデム装置DCE1へ送る。モデム装置DCE1は、受諾信号VALを端末機DTE1へ返すことにより端末機DTE1とモデム装置DCE1との間の起呼側内部回線を所望の動作モードIに設定する。このようにして、電話回線の両端、即ち起呼側と被呼側のモデムがこの場合動作モードIである同一の動作モードに自動的に整合され、本発明の目的が達成される。
【0023】その後被呼側から応答音ATを起呼側へ送出し通信可能な状態となる。即ち、送受信可能状態信号DRが両端のモデム装置から対応する端末機へ送出され、通信が行われる。上記の説明においては、モードI指示信号の授受をオフフック信号と時間的に関連させて説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。次に、被呼側が指示した動作モードを起呼側が持っていない場合の整合方法を図12により説明する。図11R>1の場合と同様に、起呼側モデムDCE1は被呼側からモードI指示信号DTMF$$を受信すると、モードI通知信号REM$$を端末機DTE1へ送る。図12の場合には、端末機DTE1が被呼側の要求する動作モードを備えていないので、同端末機DTE1が有する動作モードへの変更要求であるモードII設定信号SMD@@をモデムDCE1へ送る。モデムDCE1は、受諾信号VALを端末機DTE1へ返すと共に変更要求であるモードII指示信号DTMF@@を被呼側へ送出する。被呼側では、直前に送出したモードI指示信号DTMF$$に応じた起呼側からの信号がモードII指示信号DTMF@@であることから、起呼側の動作モード変更要求を認識する。被呼側のモデムDCE2は、モードII通知信号REM@@を端末機DTE2へ送る。
【0024】端末機DTE2は、これに応じてモードII設定信号SMD@@をモデム装置DCE2に与える。この設定信号に応じて、モデム装置DCE2は、受諾信号VALを端末機DTE2へへ返すことにより、端末機DTE2とモデムDCE2との間の被呼側内部回線を所望の動作モードIIに設定する。この設定後にモデムDCE2は、モードII指示信号DTMF@@を起呼側へ送出する。起呼側では、被呼側と同じ手順で動作モードがモードIIに設定され、起呼側への応答音ATの送出が行われ、通信可能な状態になる。こうして図12の例においても起呼側と被呼側の両端のモデムが同一の動作モードIIに自動的に整合される。
【0025】図13は、上述の動作手順をフローチャートを用いて示したものである。本発明は、端末機から直接モデムにその動作モードを選択し設定することが可能となるから、(1) 煩雑な手動による動作モードの設定、変更の際の手間を省くことができ、(2) 異なる動作モードを有する複数のモデムとの通信が可能となる。また、モデム間でモード指示信号を送受信するので、(3)煩雑な手動整合の手間を省き、起呼側及び被呼側双方のモデムの初期動作モードに無関係に多種類の動作モードに対応して自動的に動作モードを整合させることができる。更には、(4)選択信号として使用するDTMF符号をそのままモード指示信号として用いるので特別な付加回路を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】公衆電話回線を利用した場合のモデムの設置例である。
【図2】本発明の整合方法を実施するシステムの説明図、
【図3】本発明の方法を実現するための端末機及びモデムのハードウェア構成図、
【図4】モデムの機能ブロック図、
【図5】端末機の機能ブロック図、
【図6】端末機とモデムとの間の通信手順を示す図、
【図7】本発明の他の方法の通信手順を示す図、
【図8】本発明の他の方法の通信手順を示す図、
【図9】本発明の他の方法を説明するためのフローチャート、
【図10】電話回線において使用されている選択信号用多周波DTMF符合の一例である。
【図11】本発明の他の方法の通信手順を示す図、
【図12】本発明の他の方法の通信手順を示す図、
【図13】本発明の他の方法を説明するためのフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】第1のデータ回線終端装置を介して第1の端末装置が通信網に接続され、第2のデータ回線終端装置を介して第2の端末装置が前記通信網に接続される通信システムにおいて、前記第1、第2のデータ回線終端装置の動作可能な各動作モードに対して、前記通信網のモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する段階と、前記第1の端末装置が前記第1のデータ回線終端装置に対して前記第2のデータ回線終端装置への発呼を指示する段階と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介して前記第2のデータ回線終端装置を呼び出す段階と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して接続終了信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介してモード指示信号を前記第2のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第2のデータ回線終端装置の動作モードが前記第1のデータ回線終端装置の指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する段階と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して応答信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第1、第2のデータ回線終端装置がぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る段階と、を有するデータ回線終端装置の動作モード整合方法。
【請求項2】第1のモデムを介して第1の端末装置がアナログ電話回線に接続され、第2のモデムを介して第2の端末装置が前記アナログ電話回線に接続される通信システムにおいて、前記第1、第2のモデムの動作可能な各動作モードに対して、前記アナログ電話回線の選択信号用多周波DTMF符号の組み合わせからなるモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する段階と、前記第1の端末装置が前記第1のモデムに対して前記第2のモデムへの発呼を指示する段階と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介して前記第2のモデムを呼び出す段階と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して接続終了信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介してモード指示信号を前記第2のモデムに送信する段階と、前記第2のモデムの動作モードが前記第1のモデムの指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する段階と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して応答信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第1、第2のモデムがぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る段階と、を有するモデムの動作モード整合方法。
【請求項3】第1のデータ回線終端装置を介して第1の端末装置が通信網に接続され、第2のデータ回線終端装置を介して第2の端末装置が前記通信網に接続される通信システムにおいて、前記第1、第2のデータ回線終端装置の動作可能な各動作モードに対して、前記通信網のモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する段階と、前記第1の端末装置が前記第1のデータ回線終端装置に対して前記第2のデータ回線終端装置への発呼を指示する段階と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介して前記第2のデータ回線終端装置を呼び出す段階と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して接続終了信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介してモード指示信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第1のデータ回線終端装置の動作モードが前記第2のデータ回線終端装置の指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する段階と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して応答信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第1、第2のデータ回線終端装置がぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る段階と、を有するデータ回線終端装置の動作モード整合方法。
【請求項4】第1のモデムを介して第1の端末装置がアナログ電話回線に接続され、第2のモデムを介して第2の端末装置が前記アナログ電話回線に接続される通信システムにおいて、前記第1、第2のモデムの動作可能な各動作モードに対して、前記アナログ電話回線の選択信号用多周波DTMF符号の組み合わせコードからなるモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する段階と、前記第1の端末装置が前記第1のモデムに対して前記第2のモデムへの発呼を指示する段階と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介して前記第2のモデムを呼び出す段階と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して接続終了信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介してモード指示信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第1のモデムの動作モードが前記第2のモデムの指示通りに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する段階と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して応答信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第1、第2のモデムがぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る段階と、を有するモデムの動作モード整合方法。
【請求項5】第1のデータ回線終端装置を介して第1の端末装置が通信網に接続され、第2のデータ回線終端装置を介して第2の端末装置が前記通信網に接続される通信装置において、前記第1のデータ回線終端装置の動作可能な各動作モードに対して、前記通信網のモード指示信号を割り当てて前記第1の端末装置に記憶する手段と、前記第1の端末装置が前記第1のデータ回線終端装置に対して前記第2のデータ回線終端装置への発呼を指示する手段と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介して前記第2のデータ回線終端装置を呼び出す手段と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して接続終了信号を前記第1の回線終端装置に送信する手段と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介してモード指示信号を前記第2の回線終端装置に送信する手段と、前記第2のデータ回線終端装置の動作モードが前記第1のデータ回線終端装置の指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する手段と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して応答信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する手段と、前記第1、第2のデータ回線終端装置がぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る手段と、を有する通信装置。
【請求項6】第1のモデムを介して第1の端末装置がアナログ電話回線に接続され、第2のモデムを介して第2の端末装置が前記アナログ電話回線に接続される通信装置において、前記第1、第2のモデムの動作可能な各動作モードに対して、前記アナログ電話回線の選択信号用多周波DTMF符号の組み合わせコードからなるモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する手段と、前記第1の端末装置が前記第1のモデムに対して前記第2のモデムへの発呼を指示する手段と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介して前記第2のモデムを呼び出す手段と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して接続終了信号を前記第1のモデムに送信する手段と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介してモード指示信号を前記第2のモデムに送信する手段と、前記第2のモデムの動作モードが前記第1のモデムの指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する手段と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して応答信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第1、第2のモデムがぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る手段と、を有する通信装置。
【請求項7】第1のデータ回線終端装置を介して第1の端末装置が通信網に接続され、第2のデータ回線終端装置を介して第2の端末装置が前記通信網に接続される通信装置において、前記第1のデータ回線終端装置の動作可能な各動作モードに対して、前記通信網のモード指示信号を割り当てて前記第1の端末装置に記憶する手段と、前記第1の端末装置が前記第1のデータ回線終端装置に対して、前記第2のデータ回線終端装置への発呼を指示する手段と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介して前記第2のデータ回線終端装置を呼び出す手段と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して接続終了信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する手段と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介してモード指示信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する手段と、前記第1のデータ回線終端装置の動作モードが前記第2のデータ回線終端装置の指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する手段と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して応答信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する手段と、前記第1、第2のデータ回線終端装置がぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る手段と、を有する通信装置。
【請求項8】第1のモデムを介して第1の端末装置がアナログ電話回線に接続され、第2のモデムを介して第2の端末装置が前記アナログ電話回線に接続される通信装置において、前記第1、第2のモデムの動作可能な各動作モードに対して、前記アナログ電話回線の選択信号用多周波DTMF符号の組み合わせコードからなるモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する手段と、前記第1の端末装置が前記第1のモデムに対して前記第2のモデムへの発呼を指示する手段と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介して前記第2のモデムを呼び出す手段と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して接続終了信号を前記第1のモデムに送信する手段と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介してモード指示信号を前記第1のモデムに送信する手段と、前記第1のモデムの動作モードが前記第2のモデムの指示通りに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する手段と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して応答信号を前記第1のモデムに送信する手段と、前記第1、第2のモデムがぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る手段と、を有する通信装置。
【請求項1】第1のデータ回線終端装置を介して第1の端末装置が通信網に接続され、第2のデータ回線終端装置を介して第2の端末装置が前記通信網に接続される通信システムにおいて、前記第1、第2のデータ回線終端装置の動作可能な各動作モードに対して、前記通信網のモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する段階と、前記第1の端末装置が前記第1のデータ回線終端装置に対して前記第2のデータ回線終端装置への発呼を指示する段階と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介して前記第2のデータ回線終端装置を呼び出す段階と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して接続終了信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介してモード指示信号を前記第2のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第2のデータ回線終端装置の動作モードが前記第1のデータ回線終端装置の指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する段階と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して応答信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第1、第2のデータ回線終端装置がぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る段階と、を有するデータ回線終端装置の動作モード整合方法。
【請求項2】第1のモデムを介して第1の端末装置がアナログ電話回線に接続され、第2のモデムを介して第2の端末装置が前記アナログ電話回線に接続される通信システムにおいて、前記第1、第2のモデムの動作可能な各動作モードに対して、前記アナログ電話回線の選択信号用多周波DTMF符号の組み合わせからなるモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する段階と、前記第1の端末装置が前記第1のモデムに対して前記第2のモデムへの発呼を指示する段階と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介して前記第2のモデムを呼び出す段階と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して接続終了信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介してモード指示信号を前記第2のモデムに送信する段階と、前記第2のモデムの動作モードが前記第1のモデムの指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する段階と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して応答信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第1、第2のモデムがぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る段階と、を有するモデムの動作モード整合方法。
【請求項3】第1のデータ回線終端装置を介して第1の端末装置が通信網に接続され、第2のデータ回線終端装置を介して第2の端末装置が前記通信網に接続される通信システムにおいて、前記第1、第2のデータ回線終端装置の動作可能な各動作モードに対して、前記通信網のモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する段階と、前記第1の端末装置が前記第1のデータ回線終端装置に対して前記第2のデータ回線終端装置への発呼を指示する段階と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介して前記第2のデータ回線終端装置を呼び出す段階と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して接続終了信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介してモード指示信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第1のデータ回線終端装置の動作モードが前記第2のデータ回線終端装置の指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する段階と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して応答信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する段階と、前記第1、第2のデータ回線終端装置がぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る段階と、を有するデータ回線終端装置の動作モード整合方法。
【請求項4】第1のモデムを介して第1の端末装置がアナログ電話回線に接続され、第2のモデムを介して第2の端末装置が前記アナログ電話回線に接続される通信システムにおいて、前記第1、第2のモデムの動作可能な各動作モードに対して、前記アナログ電話回線の選択信号用多周波DTMF符号の組み合わせコードからなるモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する段階と、前記第1の端末装置が前記第1のモデムに対して前記第2のモデムへの発呼を指示する段階と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介して前記第2のモデムを呼び出す段階と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して接続終了信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介してモード指示信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第1のモデムの動作モードが前記第2のモデムの指示通りに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する段階と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して応答信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第1、第2のモデムがぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る段階と、を有するモデムの動作モード整合方法。
【請求項5】第1のデータ回線終端装置を介して第1の端末装置が通信網に接続され、第2のデータ回線終端装置を介して第2の端末装置が前記通信網に接続される通信装置において、前記第1のデータ回線終端装置の動作可能な各動作モードに対して、前記通信網のモード指示信号を割り当てて前記第1の端末装置に記憶する手段と、前記第1の端末装置が前記第1のデータ回線終端装置に対して前記第2のデータ回線終端装置への発呼を指示する手段と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介して前記第2のデータ回線終端装置を呼び出す手段と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して接続終了信号を前記第1の回線終端装置に送信する手段と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介してモード指示信号を前記第2の回線終端装置に送信する手段と、前記第2のデータ回線終端装置の動作モードが前記第1のデータ回線終端装置の指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する手段と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して応答信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する手段と、前記第1、第2のデータ回線終端装置がぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る手段と、を有する通信装置。
【請求項6】第1のモデムを介して第1の端末装置がアナログ電話回線に接続され、第2のモデムを介して第2の端末装置が前記アナログ電話回線に接続される通信装置において、前記第1、第2のモデムの動作可能な各動作モードに対して、前記アナログ電話回線の選択信号用多周波DTMF符号の組み合わせコードからなるモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する手段と、前記第1の端末装置が前記第1のモデムに対して前記第2のモデムへの発呼を指示する手段と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介して前記第2のモデムを呼び出す手段と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して接続終了信号を前記第1のモデムに送信する手段と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介してモード指示信号を前記第2のモデムに送信する手段と、前記第2のモデムの動作モードが前記第1のモデムの指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する手段と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して応答信号を前記第1のモデムに送信する段階と、前記第1、第2のモデムがぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る手段と、を有する通信装置。
【請求項7】第1のデータ回線終端装置を介して第1の端末装置が通信網に接続され、第2のデータ回線終端装置を介して第2の端末装置が前記通信網に接続される通信装置において、前記第1のデータ回線終端装置の動作可能な各動作モードに対して、前記通信網のモード指示信号を割り当てて前記第1の端末装置に記憶する手段と、前記第1の端末装置が前記第1のデータ回線終端装置に対して、前記第2のデータ回線終端装置への発呼を指示する手段と、前記第1のデータ回線終端装置が前記通信網を介して前記第2のデータ回線終端装置を呼び出す手段と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して接続終了信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する手段と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介してモード指示信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する手段と、前記第1のデータ回線終端装置の動作モードが前記第2のデータ回線終端装置の指示どおりに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する手段と、前記第2のデータ回線終端装置が前記通信網を介して応答信号を前記第1のデータ回線終端装置に送信する手段と、前記第1、第2のデータ回線終端装置がぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る手段と、を有する通信装置。
【請求項8】第1のモデムを介して第1の端末装置がアナログ電話回線に接続され、第2のモデムを介して第2の端末装置が前記アナログ電話回線に接続される通信装置において、前記第1、第2のモデムの動作可能な各動作モードに対して、前記アナログ電話回線の選択信号用多周波DTMF符号の組み合わせコードからなるモード指示信号を割り当てて前記第1、第2の端末装置にそれぞれ記憶する手段と、前記第1の端末装置が前記第1のモデムに対して前記第2のモデムへの発呼を指示する手段と、前記第1のモデムが前記アナログ電話回線を介して前記第2のモデムを呼び出す手段と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して接続終了信号を前記第1のモデムに送信する手段と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介してモード指示信号を前記第1のモデムに送信する手段と、前記第1のモデムの動作モードが前記第2のモデムの指示通りに設定可能である場合に、指示された動作モードに設定する手段と、前記第2のモデムが前記アナログ電話回線を介して応答信号を前記第1のモデムに送信する手段と、前記第1、第2のモデムがぞれぞれ前記第1、第2の端末装置に対して送受信可能信号を送る手段と、を有する通信装置。
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図1】
【図4】
【図9】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図11】
【図13】
【図3】
【図5】
【図6】
【図1】
【図4】
【図9】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図11】
【図13】
【特許番号】特許第3068539号(P3068539)
【登録日】平成12年5月19日(2000.5.19)
【発行日】平成12年7月24日(2000.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−331369
【分割の表示】特願平1−510025の分割
【出願日】平成1年9月27日(1989.9.27)
【公開番号】特開平10−190867
【公開日】平成10年7月21日(1998.7.21)
【審査請求日】平成9年12月2日(1997.12.2)
【出願人】(390020248)日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 (219)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【出願人】(000206495)大倉電気株式会社 (6)
【参考文献】
【文献】特開 昭63−31257(JP,A)
【文献】特開 昭63−5648(JP,A)
【登録日】平成12年5月19日(2000.5.19)
【発行日】平成12年7月24日(2000.7.24)
【国際特許分類】
【分割の表示】特願平1−510025の分割
【出願日】平成1年9月27日(1989.9.27)
【公開番号】特開平10−190867
【公開日】平成10年7月21日(1998.7.21)
【審査請求日】平成9年12月2日(1997.12.2)
【出願人】(390020248)日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 (219)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【出願人】(000206495)大倉電気株式会社 (6)
【参考文献】
【文献】特開 昭63−31257(JP,A)
【文献】特開 昭63−5648(JP,A)
[ Back to top ]