説明

データ提供システム、ゲーム機、データ提供方法、および、プログラム

【課題】適正なデータ提供を確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることのできるデータ提供システム等を提供する。
【解決手段】
親機100のデータ記憶部130には、ダウンロード済みの追加データ131が格納されている。親機100と子機200とが無線接続し、子機200から親機100に子機情報が送信されると、親機100の処理制御部120は、受信した子機情報に基づいて、提供可能となる追加データをデータ記憶部130から検索する。つまり、子機200におけるゲームの進行状況に応じた追加データを、追加データ131のうちから検索する。そして、検索した追加データを親機100から子機200に送信する。これにより、サーバに接続できない子機200であっても、親機100から追加データを取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適正なデータ提供を確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることのできるデータ提供システム、ゲーム機、データ提供方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯型ゲーム機(バッテリにて稼働する小型のゲーム装置等)が広く普及している。この携帯型ゲーム機は、持ち運びが容易であるため、例えば、ユーザが外出先等でもゲームを楽しむことができる。
また、このような携帯型ゲーム機は、他の携帯型ゲーム機と通信を行い、データの交換や対戦ゲーム等を行うことができるようになっている。
【0003】
一例として、トレーディングカードゲームを実行する携帯型ゲーム機(携帯ビデオゲーム装置)が、通信ケーブルを介して他の携帯型ゲーム機と接続し、新しいカード情報を送受信する技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−52251号公報(第5−7頁、第1図)
【0004】
最近では、無線通信が可能な携帯型ゲーム機も普及してきており、上述したような通信ケーブルを使わずに、近傍の携帯型ゲーム機同士でデータの送受信を行うことができるようになっている。
また、このような携帯型ゲーム機は、他の無線機能として、無線LAN規格に準拠した通信が可能であり、近傍の無線アクセスポイント等を介してインターネットに接続できるようになっている。そして、インターネット上のサーバ(一例として、Webサーバやファイルサーバ等)と適宜通信することができる。
そのため、ゲームメーカ等は、例えば、発売時点のソフトウェアには含まれていない追加データ(一例として、追加アイテム、追加キャラクタ、追加シナリオ、及び、追加音楽等のデータ)をサーバに格納し、インターネットを通じて携帯型ゲーム機に提供できるようにしている。
【0005】
そして、ユーザは、ゲームカートリッジ(ゲームのソフトウェア)を装填した携帯型ゲーム機をインターネットに接続し、そのゲームの案内等に従って、目的のサーバにアクセスし、追加データをダウンロードする。これにより、ユーザは、ダウンロードした追加データを使用して、そのゲームをより一層楽しむことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、提供される追加データが、インターネット上のサーバに適宜用意(格納)されるものであるため、ユーザの家庭等に、インターネットへの接続環境が整っていなければ、そのような追加データをダウンロードすることができない。
また、インターネットへの接続環境が整っていたとしても、ユーザが子供等であると、他の要因(ブラウザによる有害サイトへのアクセス等)が懸念され、親等が側にいないときには、インターネットへの接続を許していないような家庭もある。
このようなユーザは、追加データをダウンロードするために、例えば、インターネットへの接続が行える知人宅やゲームショップ等に出向く必要があり、とても不便な状況であった。
【0007】
そのため、追加データをダウンロード済みの他の携帯型ゲーム機から、間接的にその追加データを得られるようにすることが考えられる。つまり、他の携帯型ゲーム機(ダウンロード済み)から追加データを得られるようにしたならば、インターネットからダウンロードできない環境のユーザであっても、例えば、知人が遊びに来た際や、人が集まる任意の場所に出かけた際等に、このような追加データを得られる可能性が格段に高まることになる。
【0008】
それでも、他の携帯型ゲーム機から追加データを無条件に得られるようにすると、以下のような不都合が生じてしまうことも懸念される。
例えば、ゲームをクリアした場合にだけ、サーバから追加データをダウンロードできるといったダウンロード条件(必要条件)が定められている状況では、ゲームがクリアされていない携帯型ゲーム機が、他の携帯型ゲーム機(クリアしてダウンロード済み)から追加データを得られるようになると、ゲームメーカ等の意図や思惑に反することになる。
この他にも、ゲーム中のステージやフィールドをクリアする毎に、対応する追加データ(異なる追加データ等)がダウンロードできるといったダウンロード条件が定められている状況では、ゲームの進行と一致しない追加データを、他の携帯型ゲーム機から得てしまうと、その後のゲーム進行に矛盾が生じたり、面白味に欠けるものとなってしまうおそれもある。
【0009】
そのため、このような不都合を生じさせることなく、追加データを得られるようにする技術が求められていた。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、適正なデータ提供を確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることのできるデータ提供システム、ゲーム機、データ提供方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に係るデータ提供システムは、無線通信可能な複数のゲーム機から構成され、各ゲーム機が親機又は子機の何れにもなり得り、親機となったゲーム機から子機となったゲーム機にデータを提供するデータ提供システムであって、親機が、ダウンロード部、追加データ記憶部、子機情報受信部、検索部、及び、追加データ配信部を含み、また、子機が子機情報生成部、子機情報送信部、追加データ受信部、及び、データ記憶部とを含んで構成される。
【0012】
まず、親機において、ダウンロード部は、複数種類の追加データを管理する外部装置(例えば、インターネット上のサーバ)から、ゲームの進行状況に応じた追加データをダウンロードする。そして、追加データ記憶部は、ダウンロードした追加データを記憶する。
一方、子機において、子機情報生成部は、ゲームの進行状況を含む子機情報を生成する。そして、子機情報送信部は、生成した当該子機情報を親機に送信する。
【0013】
親機において、子機情報受信部は、子機から送られる子機情報を受信する。検索部は、受信した子機情報に基づいて、提供可能となる追加データを追加データ記憶部から検索する。そして、追加データ配信部は、検索した追加データを子機に配信する。
一方、子機において、追加データ受信部は、送信した子機情報に応答して、親機から配信される追加データを受信する。そして、データ記憶部は、受信した追加データを記憶する。
【0014】
このように、追加データをダウンロードした親機から子機へ、間接的に追加データを提供することができる。つまり、インターネットに接続できない環境で使用される子機であっても、追加データをダウンロード済みの親機の近く(無線通信可能な範囲)に位置すれば、その子機は親機から追加データを取得できるようになる。その際、子機情報によって提供可能となる追加データだけが親機から子機に提供される。
この結果、適正なデータ提供を確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0015】
前記親機の前記検索部は、前記子機におけるゲームの進行状況に応じた追加データを検索し、前記親機の前記追加データ配信部は、前記検索部にて追加データが検索された場合にだけ、当該追加データを前記子機に配信してもよい。
この場合、子機におけるゲームの進行状況に応じた追加データだけが親機から提供されるため、ゲームメーカ等の意図や思惑に反することなく、また、子機におけるゲーム進行に矛盾が生じたり、面白味に欠けるものとなってしまうといった不都合を生じさせずに済むことになる。
【0016】
前記親機及び前記子機は、取得した追加データの送信元を含む取得実績を管理する取得実績管理部と、管理する当該取得実績から得られる送信元が前記外部装置であるか前記親機であるかに基づいて、ゲーム内容を変化させるゲーム内容変更部と、を更に備えてもよい。
この場合、追加データの送信元が外部装置(サーバ)か親機(ゲーム機)かをチェックし、それに応じて、ゲーム内容を変化させることができる。
【0017】
前記ゲーム内容変更部は、取得実績から得られる送信元が前記外部装置である場合に、インターネット接続が行える環境に対応したゲーム内容に変化させ、送信元が前記親機である場合に、インターネット接続が行えない環境に対応したゲーム内容に変化させてもよい。
この場合、取得実績からゲーム内容を適宜変化させることができる。
【0018】
前記親機は、前記子機に対して追加データの配信を行った配信実績を管理する配信実績管理部を更に備え、前記ダウンロード部は、管理する当該受信実績に基づいて、特典となるデータをダウンロードしてもよい。
この場合、追加データの配信に貢献した親機(ゲーム機)に特典を提供することができる。
【0019】
本発明の第2の観点に係るゲーム機は、親機又は子機の何れにもなり得り、自己が親機となった際に、子機となった他のゲーム機にデータを提供するゲーム機であって、ダウンロード部、追加データ記憶部、子機情報受信部、検索部、及び、追加データ配信部を含んで構成される。
【0020】
まず、ダウンロード部は、複数種類の追加データを管理する外部装置(例えば、インターネット上のサーバ)から、ゲームの進行状況に応じた追加データをダウンロードする。そして、追加データ記憶部は、ダウンロードした追加データを記憶する。
【0021】
子機情報受信部は、子機から送られる、ゲームの進行状況を含む子機情報を受信する。また、検索部は、受信した子機情報に基づいて、提供可能となる追加データを追加データ記憶部から検索する。そして、追加データ配信部は、検索した追加データを子機に配信する。
【0022】
このように、追加データをダウンロードした親機から子機へ、間接的に追加データを提供することができる。つまり、インターネットに接続できない環境で使用される子機であっても、追加データをダウンロード済みの親機の近く(無線通信可能な範囲)に位置すれば、その子機は親機から追加データを取得できるようになる。その際、子機情報によって提供可能となる追加データだけが親機から子機に提供される。
この結果、適正なデータ提供を確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0023】
上記ゲーム機は、自己が子機となった際に、ゲームの進行状況を含む子機情報を生成する子機情報生成部と、生成した当該子機情報を前記親機に送信する子機情報送信部と、送信した当該子機情報に応答して、前記親機から配信される追加データを受信する追加データ受信部と、受信した当該追加データを記憶するデータ記憶部と、を更に備えてもよい。
この場合、親機であったゲーム機が今度は子機となった際に、親機から配信される追加データを受信することができる。
【0024】
本発明の第3の観点に係るデータ提供方法は、無線通信可能な複数のゲーム機から構成され、各ゲーム機が親機又は子機の何れにもなり得り、親機となったゲーム機から子機となったゲーム機にデータを提供するシステムにおけるデータ提供方法であって、ダウンロードステップ、追加データ格納ステップ、子機情報生成ステップ、子機情報送信ステップ、子機情報受信ステップ、検索ステップ、追加データ配信ステップ、及び、追加データ受信ステップを含んで構成される。
【0025】
まず、親機において、ダウンロードステップでは、複数種類の追加データを管理する外部装置(例えば、インターネット上のサーバ)から、ゲームの進行状況に応じた追加データをダウンロードする。そして、追加データ格納ステップでは、ダウンロードした追加データを記憶部に格納する。
一方、子機において、子機情報生成ステップでは、ゲームの進行状況を含む子機情報を生成する。そして、子機情報送信ステップでは、生成した当該子機情報を親機に送信する。
【0026】
親機において、検索ステップでは、受信した子機情報に基づいて、提供可能となる追加データを記憶部から検索する。そして、追加データ配信ステップでは、検索した追加データを子機に配信する。
一方、子機において、追加データ受信部ステップでは、送信した子機情報に応答して、親機から配信される追加データを受信する。
【0027】
このように、追加データをダウンロードした親機から子機へ、間接的に追加データを提供することができる。つまり、インターネットに接続できない環境で使用される子機であっても、追加データをダウンロード済みの親機の近く(無線通信可能な範囲)に位置すれば、その子機は親機から追加データを取得できるようになる。その際、子機情報によって提供可能となる追加データだけが親機から子機に提供される。
この結果、適正なデータ提供を確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0028】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、コンピュータ(電子機器を含む。)を、上記のゲーム機として機能させるように構成する。
【0029】
このプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0030】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、適正なデータ提供を確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、携帯型ゲーム機(ゲーム装置)に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0033】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る携帯型ゲーム機の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0034】
携帯型ゲーム機1は、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、操作キー17と、第1の表示部18と、第2の表示部19と、タッチパネル20と、を備える。
【0035】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、VRAM(Video Random Access Memory)10cと、WRAM(Work RAM)10dと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10eと、タッチパネルコントローラ10fと、を備える。
【0036】
CPUコア10aは、携帯型ゲーム機1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0037】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10cに格納する。
【0038】
VRAM 10cは、表示用の情報を記憶するメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
WRAM 10dは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0039】
LCDコントローラ10eは、第1の表示部18および、第2の表示部19を制御し、所定の表示用画像を表示させる。例えば、LCDコントローラ10eは、VRAM 10cに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部18に出力する。また、LCDコントローラ10eは、第2の表示部19に所定の指示アイコン等を表示する。
【0040】
タッチパネルコントローラ10fは、タッチペンやユーザの指によるタッチパネル20への接触(タッチ)を検出する。例えば、第2の表示部19に所定の指示アイコン等が表示されている状態で、タッチパネル20上の接触およびその位置等を検出する。
【0041】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0042】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0043】
無線通信部13は、他の携帯型ゲーム装置1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定の無線アクセスポイントとの間で、無線通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0044】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他の携帯型ゲーム装置1の処理制御部10との間で行われる無線通信の仲立ちをする。
また、携帯型ゲーム機1が、近傍の無線アクセスポイント等を介してインターネットに接続する際には、無線LANに準拠したプロトコルに沿って、処理制御部10と無線アクセスポイント等との間で行われる無線通信の仲立ちをする。
【0045】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0046】
操作キー17は、ゲーム装置1に適宜配置された複数のキースイッチ等からなり、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。
【0047】
第1の表示部18および、第2の表示部19は、LCD等からなり、LCDコントローラ10eに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
なお、第2の表示部19は、タッチパネル20の接触によりユーザから操作指示を入力させるための指示アイコン等を表示する。
【0048】
タッチパネル20は、第2の表示部19の前面に重畳して配置され、タッチペンやユーザの指の接触による入力を受け付ける。
タッチパネル20は、例えば、感圧式のタッチセンサパネル等からなり、ユーザの指等の圧力を検出し、接触状態および、接触状態から非接触状態への移行等を検出する。なお、タッチパネル20は、他に静電容量の変化等から、ユーザの指等の接触を検出してもよい。
【0049】
このような構成の携帯型ゲーム装置1は、無線アクセスポイント等を介してインターネットに接続可能であり、インターネット上のサーバ(Webサーバやファイルサーバ等)と通信可能となっている。
例えば、図2(a)に示すように、携帯型ゲーム装置1は、無線LAN規格によって、近傍の無線アクセスポイント30に接続し、この無線アクセスポイント30からモデム40又は回線終端装置50等を介してインターネット90に接続する。そして、ゲームにおける複数の追加データ(一例として、追加アイテム、追加キャラクタ、追加シナリオ、及び、追加音楽等のデータ)を管理しているサーバ60にアクセスし、追加データを適宜ダウンロードすることができる。
なお、各追加データには、ダウンロード条件(必要条件)が規定されており、携帯型ゲーム装置1は、ゲームの進行状況に応じて、その条件を満たしている追加データだけをダウンロード可能となっている。
ダウンロード条件として、例えば、ゲーム中における所定のステージ、フィールド、ダンジョン等をクリアしていること、ゲーム中における主人公キャラクタのレベル数、経験値、所持金等が規定値以上であること等が挙げられる。なお、これ以外にも、ダウンロード条件を適宜定めることができる。つまり、ゲームの進行状況を示す所定の情報をダウンロード条件として規定すれば、その条件を満たしている携帯型ゲーム装置1(ゲームがそれ以上に進んでいる携帯型ゲーム装置1)だけがダウンロード可能となる。
【0050】
また、携帯型ゲーム装置1は、複数台が通信可能な範囲内に存在する場合に、無線ネットワークを構築することができる。
例えば、図2(b)に示すように、2台の携帯型ゲーム装置1が通信可能な範囲内に存在していると、一方が親機となり、他方が子機となって、無線ネットワークを構築可能である。
そして、親機となる携帯型ゲーム装置1が、上述した図2(a)に示すように、サーバ60から追加データをダウンロード済みである場合に、子機となる携帯型ゲーム装置1にその追加データを提供し得る。
つまり、インターネットに接続できない携帯型ゲーム装置1であっても、子機となって、親機から追加データを得ることが可能となる。
【0051】
(親機及び子機の概要構成)
図3は、本実施形態に係る携帯型ゲーム機1が親機となる場合、及び、子機となる場合の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。なお、親機となる携帯型ゲーム機1(親機100)は、上述した図2(a)に示すような環境にて、サーバ60から追加データをダウンロード済であるものとする。また、子機となる携帯型ゲーム機1(子機200)は、インターネットに接続できない環境にあったため、追加データをダウンロードできていないものとする。
【0052】
まず、親機100は、図3に示すように、通信部110と、処理制御部120と、データ記憶部130とを備えている。
【0053】
通信部110は、親機情報送信部111と、子機情報受信部112と、追加データ配信部113と、ダウンロード部114とを含んでおり、処理制御部120に制御され、子機200等との無線通信を行う。
【0054】
親機情報送信部111は、処理制御部120(親機情報生成部121)により生成された親機情報を、子機200に向けて送信する。
この親機情報には、親機100におけるゲームの名称やダウンロード済みの追加データID等が含まれている。なお、親機情報の詳細については、後述する。
【0055】
子機情報受信部112は、子機200から送られる子機情報を受信する。この子機情報には、子機200におけるゲームの進行状況が含まれている。なお、子機情報の詳細については、後述する。
【0056】
追加データ配信部113は、ダウンロード済みの追加データ(後述するデータ記憶部130の追加データ131)のうち、子機200に対して提供可能となる追加データを子機200に配信する。
【0057】
ダウンロード部114は、親機100がインターネットに接続した際に、サーバから追加データを適宜ダウンロードする。
すなわち、上述した図2(a)に示すような環境において、携帯型ゲーム装置1がサーバ60からゲームの進行状況に応じた追加データをダウンロードする。
一例として、7ステージまであるゲームにおいて、各ステージをクリアする毎に異なる追加データをダウンロード可能としている場合では、サーバ60に7種類の追加データが用意されている。なお、各追加データには、対応するステージ数(クリアしたステージの値)がダウンロード条件として規定されている。
そして、携帯型ゲーム機1にてゲームが実行され、ユーザがゲーム中でステージをクリアすると、例えば、インターネットへの自動接続がなされ、ダウンロード部114は、サーバ60にアクセスして、クリアしたステージに対応する追加データをダウンロードする。
なお、子機200と無線通信する際には、このようなダウンロードができない状況(屋外等)となっていてよい。
【0058】
そして、上述した無線通信部13や通信コントローラ14が、このような通信部110として機能しうる。
【0059】
処理制御部120は、親機情報生成部121、更新部122と、検索部123とを含んでおり、親機100全体を制御する。
【0060】
親機情報生成部121は、ゲームの名称やダウンロード済みの追加データID等を含む親機情報を生成する。
具体的に親機情報生成部121は、データ記憶部130に格納されているゲーム管理情報133や追加データ131等に基づいて、図4に示すような親機情報OJを生成する。
この親機情報OJには、一例として、親機ID(MACアドレス等)、ゲーム名(ゲームID)、及び、ダウンロード済みの追加データIDが含まれている。
【0061】
図3に戻って、更新部122は、子機200との通信を行う以前において、ダウンロード部114がダウンロードした追加データをデータ記憶部130に格納する。
また、更新部122は、追加データ配信部113が子機200に対して追加データの配信を行った際に、その実績(後述する配信実績132)をデータ記憶部130に格納(更新)する。
【0062】
検索部123は、子機情報受信部112が受信した子機情報に基づいて、提供可能となる追加データをデータ記憶部130から検索する。
例えば、検索部123は、子機情報に従って、子機200におけるゲームの進行状況に応じた追加データ(条件を満たす追加データ)を、追加データ131のうちから検索する。
一例として、上述したように、ダウンロード条件としてステージ数(クリアしたステージの最高値)が追加データに規定してある場合に、検索部123は、ゲームの進行状況からクリア済みのステージ数を得て、その値に応じて提供可能となる追加データを検索する。
【0063】
具体的には、親機100にて7ステージあるゲームが5ステージまでクリアされ、図5(a)に示すように、5ステージまでの追加データ131a〜131eがデータ記憶部130に格納されているとする。そして、受信した子機情報により、子機200がクリアしたステージの値が1であるとした場合、検索部123は、ダウンロード条件がステージ1と規定されている追加データ131aを検索する。
つまり、親機100の方が子機200よりもゲームが進んでいる場合には、ダウンロード済みの追加データのうち、子機200の進行状況に応じた追加データを検索する。
一方、親機100にてゲームが3ステージまでクリアされ、図5(b)に示すように、3ステージまでの追加データ131a〜131cがデータ記憶部130に格納されており、子機情報により子機200がクリアしたステージの値が5であるとした場合、検索部123は、追加データ131a〜131cを検索する。
つまり、子機200の方が親機100よりも進んでいる場合(又は、イコールの場合)には、ダウンロード済みの追加データを全て検索する。
なお、上記図5(a),(b)は、子機200側で追加データを全く取得していない場合の一例であり、子機200側で既に幾つかの追加データを得ている場合では、検索部123は、取得済みの追加データを除いて検索するものとする。
【0064】
そして、上述したCPUコア10aがこのような処理制御部120として機能しうる。
【0065】
図3に戻って、データ記憶部130は、追加データ131、配信実績132、及び、ゲーム管理情報133等を記憶する。
【0066】
追加データ131は、ダウンロード部114がサーバからダウンロードしたデータである。
具体的に追加データ131は、図6(a)に示すように、ヘッダ部Hを有しており、ここに、ID(識別情報)H1、ダウンロード条件H2、及びダウンロード元区分H3等の情報がセットされる。
なお、ダウンロード条件H2は、一例として、クリアしたステージの値であり、ダウンロード元区分H3は、ダウンロードしたのがサーバからか、ゲーム装置からかを示す値である。
【0067】
配信実績132は、子機200に対して追加データの配信を行った配信実績を管理するためのデータである。
具体的な配信実績132として、図6(b)に示すように、配信対象の子機200の数(子機数)や配信を行った追加データの数(トータル数)等が挙げられる。
【0068】
ゲーム管理情報133は、親機100にて実行されたゲームについての管理情報である。
具体的なゲーム管理情報133として、図6(c)に示すように、ゲーム名、クリアしたステージ(フィールド,ダンジョン)の値、プレイした時間数、主人公キャラクタのレベル数(経験値,所持金)が挙げられる。
【0069】
なお、データ記憶部130は、これらの情報の他に、サーバからダウンロードを行った実績を管理する情報(ダウンロード実績)を記憶してもよい。この情報として、例えば、ダウンロード日時、配信元のサーバ名(又はアドレス等)やダウンロードした追加データの数(トータル数)等が挙げられる。
【0070】
そして、上述したRAM12bがこのようなデータ記憶部130として機能しうる。
【0071】
一方、子機200は、図3に示すように、通信部210と、処理制御部220と、データ記憶部230とを備える。
【0072】
通信部210は、親機情報受信部211と、子機情報送信部212と、追加データ受信部213とを含んでおり、処理制御部220に制御され、親機100等との無線通信を行う。
【0073】
親機情報受信部211は、親機100から送られる親機情報を受信する。この親機情報には、上述したように、親機100において追加データをダウンロード済みのゲームの識別情報等が含まれている。
【0074】
子機情報送信部212は、処理制御部220(子機情報生成部221)により生成された子機情報を、親機100に送信する。
この子機情報には、子機200におけるゲームの進行状況が含まれている。
【0075】
追加データ受信部213は、親機100から送信された追加データを受信する。つまり、子機情報送信部212が送信した子機情報に応答して、親機100の追加データ配信部113から配信される追加データを受信する。
【0076】
なお、子機200側にも、親機100のダウンロード部114に相当するダウンロード部を備えていてもよいが、発明の理解を容易にするために、ここでは省略している。
そして、上述した無線通信部13や通信コントローラ14が、このような通信部210として機能しうる。
【0077】
処理制御部220は、子機情報生成部221と、更新部222とを含んでおり、子機200全体を制御する。
【0078】
子機情報生成部221は、子機200におけるゲームの進行状況を含む子機情報を生成する。
具体的に子機情報生成部221は、データ記憶部230に記憶されるゲーム管理情報233等に基づいて、図7に示すような子機情報KJを生成する。
この子機情報KJには、一例として、子機ID(MACアドレス等)、クリアステージ数(クリアしたステージの最高値)、及び、取得済み追加データIDが含まれている。
なお、取得済み追加データIDは、以前に、親機100等から追加データを取得している場合には、その追加データのIDがセットされる。
【0079】
更新部222は、追加データ受信部213が親機100から追加データを受信した際に、その実績(受信実績232)をデータ記憶部230に格納(更新)する。
【0080】
そして、上述したCPUコア10aがこのような処理制御部220として機能しうる。
【0081】
データ記憶部230は、追加データ231、受信実績232、及び、ゲーム管理情報233等を記憶する。
【0082】
追加データ231は、追加データ受信部213が親機100からダウンロードしたデータである。
この追加データ231は、上述した図6(a)に示す追加データ131と同様の構成となっている。
【0083】
受信実績232は、親機100から追加データの受信を行った受信実績を管理するためのデータである。
具体的な受信実績232として、受信日時、配信元の親機100の数(親機数)や受信した追加データの数(トータル数)等が挙げられる。
【0084】
ゲーム管理情報233は、子機200にて実行されたゲームについての管理情報である。
このゲーム管理情報233は、上述した図6(c)に示すゲーム管理情報133と同様の構成となっている。
【0085】
そして、上述したRAM12bがこのようなデータ記憶部230として機能しうる。
【0086】
(親機及び子機の動作概要)
図8は、上述した構成の親機100において実行されるデータ提供処理、及び、子機200において実行されるデータ受信処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して親機100及び子機200の動作について説明する。
なお、以下では、親機100と子機200とが互いに無線通信可能な範囲に接近しているものとして説明する。
【0087】
まず、親機100は、ゲームの名称や追加データID等を含む親機情報を生成する(ステップS301)。つまり、親機情報生成部121が、図4に示すような親機情報OJを生成する。
【0088】
親機100は、生成した親機情報をブロードキャストする(ステップS302)。すなわち、親機情報送信部111が、親機情報を近傍の子機200に向けて一斉送信する。
そして、親機100は、子機200からの接続要求の有無を判別する(ステップS303)。
ここで、接続要求がなければ(ステップS303;No)、親機100は、ステップS302に処理を戻し、例えば、所定時間経過後に、再び親機情報の一斉送信を繰り返す。
【0089】
これに対して、子機200は、親機100から送られる親機情報を受信する(ステップS401)。つまり、親機情報受信部211が、親機情報を受信する。
【0090】
子機200は、受信した親機情報から、ゲームが同一であり、取得していない追加データがあるかを検証する(ステップS402)。すなわち、処理制御部220は、データ記憶部230を参照し、子機200と親機100とで実行するゲームが同じで、かつ、子機200が取得していない追加データを親機100がダウンロード済みであるかどうかを調べる。
【0091】
子機200は、未取得の追加データがあったか否かを判別する(ステップS403)。ここで、未取得の追加データがなかった(ゲームが異なっていた場合も含む)場合に(ステップS403;No)、子機200は、例えば、所定時間経過後にステップS401に処理を戻し、上述したステップS401〜S403の処理を繰り返す。つまり、他の親機100から送られ得る親機情報を待機する。
【0092】
一方、未取得の追加データがあったと判別した場合に(ステップS403;Yes)、子機200は、親機に接続要求する(ステップS404)。すなわち、通信部210は、親機100との通信確立を行うために所定のプロトコルに沿って接続要求を行う。
【0093】
これにより、親機100は、子機200からの接続要求があったと判別し(ステップS303;Yes)、子機200に、子機情報の返信を要求する(ステップS304)。
【0094】
そして、子機200は、ゲームの進行状況を含む子機情報を生成する(ステップS405)。つまり、子機情報生成部221が、図7に示すような子機情報KJを生成する。
【0095】
子機200は、生成した子機情報を親機100に送信する(ステップS406)。すなわち、子機情報送信部212が、子機情報を親機100に返信する。
【0096】
これを受けて、親機100は、受信した子機情報等に基づいて、提供可能となる追加データを検索する(ステップS305)。つまり、検索部123が、子機情報に従って、子機200におけるゲームの進行状況に応じた追加データ(条件を満たす追加データ)を、追加データ131のうちから検索する。
【0097】
親機100は、追加データが検索できたか否かを判別する(ステップS306)。つまり、子機200に提供可能な追加データがあったかどうかを判別する。
ここで、追加データがなかったと判別した場合に(ステップS306;No)、親機100は、例えば、提供可能な追加データがない旨の情報を返信するなどした後に、データ提供処理を終了する。
【0098】
一方、追加データがあったと判別した場合に(ステップS306;Yes)、親機100は、その追加データを子機200に配信し、配信実績に反映する(ステップS307)。
すなわち、追加データ配信部113が、提供可能となる追加データを子機200に配信し、また、更新部122が、データ記憶部130の配信実績132を更新する。
【0099】
子機200は、上述したステップS406にて子機情報を送信した後、親機100からの配信の有無を判別する(ステップS407)。なお、提供可能な追加データがない旨の情報を受信した場合に、親機100からの配信がないと判別する。
ここで、親機100からの配信がなかったと判別すると(ステップS407;No)、子機200は、ステップS401に処理を戻し、上述したステップS401〜S407の処理を繰り返す。
【0100】
一方、配信があったと判別した場合(ステップS407;Yes)、子機200は、親機100から配信される追加データを受信して格納すると共に、受信実績に反映する(ステップS408)。
すなわち、追加データ受信部213が追加データを受信し、データ記憶部230に格納する。また、更新部222が、データ記憶部230の受信実績232を更新する。
【0101】
このようなデータ提供処理及びテータ受信処理によって、追加データをダウンロードした親機100から子機200へ、間接的に追加データを提供することができる。つまり、インターネットに接続できない環境で使用される子機200であっても、追加データをダウンロード済みの親機100の近く(無線通信可能な範囲)に位置すれば、親機100から追加データを取得することができるようになる。
その際、子機200におけるゲームの進行状況に応じた追加データだけが親機100から提供されるため、ゲームメーカ等の意図や思惑に反することなく、また、子機200におけるゲーム進行に矛盾が生じたり、面白味に欠けるものとなってしまうといった不都合を生じさせずに済むことになる。
【0102】
この結果、適正なデータ提供を確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0103】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、親機100から子機200へのデータ提供について詳細に説明するために、子機200側に受信実績232が更新され、親機100側に配信実績132が更新されるまでに記載を留めている。
これら受信実績232及び配信実績132は、子機200及び親機100にて適宜活用されることになる。
以下、受信実績232及び配信実績132の活用例について説明する。
【0104】
子機200のデータ記憶部230にて更新される受信実績232により、子機200がインターネットに接続できない環境で主に使用されることが明らかとなる。
つまり、受信実績232を参照することで、インターネット上のサーバからではなく、親機100から追加データを取得していることが判るため、ユーザが子機200にてゲームをする際に、インターネットに接続できない状況となることが予想される。
そして、子機200は、インターネット接続が行えない環境に対応したゲーム内容に変化させるようにしてもよい。
【0105】
例えば、子機200の処理制御部220は、ゲームを実行する際に、受信実績232を参照し、インターネット接続が行えない環境にあると判別すると、ステージクリア後にインターネットへの接続を行わないようにして、バッテリーの消費を少なくする。
この他にも、追加データが得られ難いことを考慮して、親機100から追加データを得るまで、主人公キャラクタに仮の装備を与える等して、インターネット接続が行えない環境のユーザが不利とならないように、ゲーム内容を適宜変更するようにしてもよい。
一方、親機100の処理制御部120も、ゲームを実行する際に、データ記憶部130に記憶されるダウンロード実績を参照し、インターネット接続が行える環境にあると判別すると、その環境に対応したゲーム内容に変更してもよい。例えば、実行されるゲーム中にて追加データ以外のデータ(一例として、攻略ヒントやメッセージ等)をサーバにアクセスして受信するようにしてもよい。
【0106】
一方、親機100のデータ記憶部130にて更新される配信実績132により、サーバの代わりに、どれくらいの子機200にどれくらいの追加データを配信したのかが明らかとなる。
つまり、配信実績132を参照することで、追加データを配信した親機100の貢献度が判明することになる。
そして、親機100は、配信実績132に基づいて、特典となるデータ(一例として、レアデータやクーポンデータ等)をサーバからダウンロードできるようにしてもよい。
【0107】
例えば、親機100のダウンロード部114は、インターネットに接続してサーバにアクセスする際に、配信実績132を読み出してサーバに送信する。サーバは、配信実績132から定まる貢献度を判定し、貢献度に応じたレアデータ等をダウンロード可能に用意する。そして、ダウンロード部114は、用意されたレアデータ等をサーバからダウンロードする。
【0108】
また、上記の実施形態では、発明の理解を容易にするために、親機100と子機200とを明確に分けて、それぞれの役割に沿った機能及び動作について説明した。
しかしながら、携帯型ゲーム装置1は、状況に応じて、親機100及び子機200の何れにも適宜なることができる。
例えば、親機100から追加データの配信を受けた子機200が、別の場面で、今度は親機100となり、他の子機200に対して自己の追加データを配信することもできる。
また、子機200の方がゲームが先に進んでいた等により、親機100から必要なだけの追加データの配信を受けられなかった子機200が、インターネットに接続できるようになると、親機100としてサーバから追加データをダウンロードし、そして、同様に他の子機200に対して自己の追加データを配信することができる。
更に、それまでインターネットに接続できていた親機100が、例えば、旅行先などでプレイされる等により、インターネットに接続できない状況のままゲームが進んだ場合等に、今度は子機200となり、近傍の親機100から配信される追加データを受信することもできる。
【0109】
このように、携帯型ゲーム装置1は、親機100及び子機200のどちらかに固定されるものではなく、状況に応じて、どちらにもなり得る。そして、親機100となって子機200に追加データを配信した実績は、上述した図6(b)に示す配信実績として管理される。また、受信した(ダウンロードした)追加データには、図6(a)に示すダウンロード元区分が適宜セットされる。このため、親機100(携帯型ゲーム装置1)から得たものであるのか、サーバ(インターネット)から得たものであるのかが、追加データ単位に判別可能に管理されることになる。
【0110】
また、上記の実施形態では、2台の携帯ゲーム機1が無線通信する場合を一例として説明したが、3台以上の携帯ゲーム1のうち、1台が親機100となり、残りが子機200となった場合にも適宜適用可能である。
【0111】
更に、上記の実施形態では、携帯ゲーム機1同士が無線通信を行う場合を一例として説明したが、通信ケーブルを介して行う有線通信の場合にも適宜適用可能である。
【0112】
以上説明したように、本発明によれば、適正なデータ提供を確保しつつ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯型ゲーム機の概要構成を示すブロック図である。
【図2】(a)がインターネットに接続する携帯型ゲーム機の様子を説明する模式図であり、(b)が携帯型ゲーム機同士が通信する様子を説明する模式図である。
【図3】親機及び子機の概要構成を説明するためのブロック図である。
【図4】親機にて生成される親機情報の一例を示す模式図である。
【図5】(a),(b)共に、親機にて追加データが検索される様子を説明する模式図である。
【図6】親機のデータ記録部に記憶されるデータを説明するための模式図であって、(a)が追加データの図であり、(b)が配信実績の図であり、(c)がゲーム管理情報の図である。
【図7】子機にて生成される子機情報の一例を示す模式図である。
【図8】本発明の実施形態に係るデータ提供処理及びデータ受信処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
1 携帯型ゲーム機
10 処理制御部
11 コネクタ
12 カートリッジ
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 操作キー
18 第1の表示部
19 第2の表示部
20 タッチパネル
100 親機
110 通信部
120 処理制御部
130 データ記憶部
200 子機
210 通信部
220 処理制御部
230 データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信可能な複数のゲーム機から構成され、各ゲーム機が親機又は子機の何れにもなり得り、親機となったゲーム機から子機となったゲーム機にデータを提供するデータ提供システムであって、
前記親機は、
複数種類の追加データを管理する外部装置から、ゲームの進行状況に応じた追加データをダウンロードするダウンロード部と、
ダウンロードした当該追加データを記憶する追加データ記憶部と、
前記子機から送られる子機情報を受信する子機情報受信部と、
受信した当該子機情報に基づいて、提供可能となる追加データを前記追加データ記憶部から検索する検索部と、
検索した当該追加データを前記子機に配信する追加データ配信部と、を備え、
前記子機は、
ゲームの進行状況を含む子機情報を生成する子機情報生成部と、
生成した当該子機情報を前記親機に送信する子機情報送信部と、
送信した当該子機情報に応答して、前記親機から配信される当該追加データを受信する追加データ受信部と、
受信した当該追加データを記憶するデータ記憶部と、を備える、
ことを特徴とするデータ提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ提供システムであって、
前記親機の前記検索部は、前記子機におけるゲームの進行状況に応じた追加データを検索し、
前記親機の前記追加データ配信部は、前記検索部にて追加データが検索された場合にだけ、当該追加データを前記子機に配信する、
ことを特徴とするデータ提供システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のデータ提供システムであって、
前記親機及び前記子機は、
取得した追加データの送信元を含む取得実績を管理する取得実績管理部と、
管理する当該取得実績から得られる送信元が前記外部装置であるか前記親機であるかに基づいて、ゲーム内容を変化させるゲーム内容変更部と、更に備える、
ことを特徴とするデータ提供システム。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ提供システムであって、
前記ゲーム内容変更部は、取得実績から得られる送信元が前記外部装置である場合に、インターネット接続が行える環境に対応したゲーム内容に変化させ、送信元が前記親機である場合に、インターネット接続が行えない環境に対応したゲーム内容に変化させる、
ことを特徴とするデータ提供システム。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のデータ提供システムであって、
前記親機は、
前記子機に対して追加データの配信を行った配信実績を管理する配信実績管理部を更に備え、
前記ダウンロード部は、管理する当該受信実績に基づいて、特典となるデータをダウンロードする、
ことを特徴とするデータ提供システム。
【請求項6】
親機又は子機の何れにもなり得り、自己が親機となった際に、子機となった他のゲーム機にデータを提供するゲーム機であって、
複数種類の追加データを管理する外部装置から、ゲームの進行状況に応じた追加データをダウンロードするダウンロード部と、
ダウンロードした当該追加データを記憶する追加データ記憶部と、
前記子機から送られる子機情報を受信する子機情報受信部と、
受信した当該子機情報に基づいて、提供可能となる追加データを前記追加データ記憶部から検索する検索部と、
検索した当該追加データを前記子機に配信する追加データ配信部と、を備える、
ことを特徴とするゲーム機。
【請求項7】
請求項6に記載のゲーム機であって、
自己が子機となった際に、
ゲームの進行状況を含む子機情報を生成する子機情報生成部と、
生成した当該子機情報を前記親機に送信する子機情報送信部と、
送信した当該子機情報に応答して、前記親機から配信される追加データを受信する追加データ受信部と、
受信した当該追加データを記憶するデータ記憶部と、を更に備える、
ことを特徴とするゲーム機。
【請求項8】
無線通信可能な複数のゲーム機から構成され、各ゲーム機が親機又は子機の何れにもなり得り、親機となったゲーム機から子機となったゲーム機にデータを提供するシステムにおけるデータ提供方法であって、
前記親機が行う、複数種類の追加データを管理する外部装置から、ゲームの進行状況に応じた追加データをダウンロードするダウンロードステップと、
前記親機が行う、ダウンロードした当該追加データを所定の記憶部に格納する追加データ格納ステップと、
前記子機が行う、ゲームの進行状況を含む子機情報を生成する子機情報生成ステップと、
前記子機が行う、生成した当該子機情報を前記親機に送信する子機情報送信ステップと、
前記親機が行う、前記子機から送られる子機情報を受信する子機情報受信ステップと、
前記親機が行う、受信した当該子機情報に基づいて、提供可能となる追加データを前記記憶部から検索する検索ステップと、
前記親機が行う、検索した当該追加データを前記子機に配信する追加データ配信ステップと、
前記子機が行う、前記親機から配信される当該追加データを受信する追加データ受信ステップと、を備える、
ことを特徴とするデータ提供方法。
【請求項9】
親機又は子機の何れにもなり得り、自己が親機となった際に、子機となった他のゲーム機にデータを提供するコンピュータを、
複数種類の追加データを管理する外部装置から、ゲームの進行状況に応じた追加データをダウンロードするダウンロード部、
ダウンロードした当該追加データを記憶する追加データ記憶部、
前記子機から送られる、ゲームの進行状況を含む子機情報を受信する子機情報受信部、
受信した当該子機情報に基づいて、提供可能となる追加データを前記追加データ記憶部から検索する検索部、
検索した当該追加データを前記子機に配信する追加データ配信部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−237648(P2008−237648A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83672(P2007−83672)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】