説明

データ提供システムとデータ提供装置

【課題】 複数のユーザによって共用されるデバイスにデータを提供するための新規なシステムを構築すること。
【解決手段】 クライアント装置10は、サービス提供サーバ70にサービスID発行要求を送信する。サービス提供サーバ70は、サービスIDをクライアント装置10に返信する。ユーザは、サービスIDを情報端末40に入力するとともに、サービスの種類を指定する。情報端末40は、サービスIDとサービスの種類をサービス提供サーバ70に送信する。サービス提供サーバ70は、サービスIDとサービスデータを対応づけて記憶する。クライアント装置10は、ユーザからの指示に応じてサービスIDをサービス提供サーバ70に送信する。サービス提供サーバ70は、サービスデータをクライアント装置10に返信する。クライアント装置10は、サービスデータを受信して印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスから他のデバイスにデータを提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスから他のデバイスにデータを提供するシステム(例えばインターネット通信システム)が広く普及している。下記の特許文献1には、このようなデータ提供システムの一例が開示されている。この特許文献1には、データを提供する前に認証を行なうことが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−309860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、複数のユーザによって共用される可能性があり、他のデバイスからデータを受信して利用するデバイスを開発している。本明細書では、複数のユーザによって共用されるデバイスにデータを提供するシステムとして好適に利用することができる新規なデータ提供システムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
複数のユーザによって共用されるデバイスにデータを提供するシステムを構築する場合、「共用」という特性を考慮してシステム設計を行なう必要がある。例えば、上記のデバイスに提供したいと考えるデータがユーザ毎に異なる可能性がある。このために、個々のユーザが、上記のデバイスに提供されるべきデータを指定することができるシステムを構築することが好ましい。また、例えば、特定のユーザが長時間に亘って上記のデバイスを利用することになる場合、他のユーザがデバイスを利用することが妨げられるために、利便性が悪い。本明細書によって開示されるデータ提供システムは、上記した実情に鑑みて創作されたものであり、以下の構成を備える。
【0006】
本明細書によって開示される一つの形態のデータ提供システムは、データ提供装置と、データ提供装置と通信可能に接続されるとともにデータ提供装置から送信されたデータを利用するデータ利用装置と、データ提供装置と通信可能に接続される通信装置とを備える。上記の「データ提供装置」という用語は、データ利用装置及び通信装置と別体に構成されており、データ利用装置にデータを提供することが可能であるあらゆるデバイスを含む概念である。データ提供装置の一例として、パーソナルコンピュータ、サーバ、スキャナ等を挙げることができる。また、上記の「データ利用装置」という用語は、データ提供装置及び通信装置と別体に構成されており、データ提供装置から送信されたデータを利用することが可能であるあらゆるデバイスを含む概念である。データ利用装置の一例として、パーソナルコンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、多機能機(複合機)等を挙げることができる。また、上記の「通信装置」という用語は、データ提供装置及びデータ利用装置と別体に構成されており、データ提供装置と通信可能であるあらゆるデバイスを含む概念である。データ利用装置の一例として、パーソナルコンピュータ、携帯端末(携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA))等を挙げることができる。
【0007】
データ利用装置は、識別情報要求手段と識別情報出力手段と利用装置側識別情報送信手段とデータ利用手段とを有する。識別情報要求手段は、識別情報送信要求をデータ提供装置に送信する。なお、識別情報要求手段は、データ利用装置に所定の情報が入力された場合(例えばユーザによって所定の操作が加えられた場合、外部から所定の信号が入力された場合等)に、識別情報送信要求をデータ提供装置に送信してもよい。識別情報出力手段は、データ提供装置から送信された識別情報を出力する。この「出力する」という用語は、最も広義に解釈されるべきものである。「出力する」の一例として、印刷すること、表示すること、音声出力すること等を挙げることができる。「出力する」という用語は、「ユーザが認識可能な形式で出力する」と換言することもできる。利用装置側識別情報送信手段は、識別情報をデータ提供装置に送信する。データ利用手段は、データ提供装置から送信されたデータを利用する。上記の「データを利用する」という用語は、最も広義に解釈されるべきものである。「データを利用する」の一例として、データを出力(表示、印刷等)すること、データを記憶すること、データを加工すること、データを用いて計算すること、データに応じて自身の設定を変更すること等を挙げることができる。
【0008】
通信装置は、識別情報入力手段とデータ指定手段と通信装置側識別情報送信手段とを有する。識別情報入力手段は、識別情報を入力することをユーザに許容する。データ指定手段は、データ特定情報を指定することをユーザに許容する。この「データ特定情報」という用語は、最も広義に解釈されるべきものであり、データを特定することが可能であるあらゆる情報を含む概念である。「データ特定情報」の一例として、データのフォーマットを示す情報、データの出力形式を示す情報(例えば印刷手法を示す情報)、データの保存場所を示す情報(例えばURL)、データの特性を示す情報等を挙げることができる。通信装置側識別情報送信手段は、識別情報入力手段において入力された識別情報と、データ指定手段において指定されたデータ特定情報とをデータ提供装置に送信する。なお、通信装置側識別情報送信手段は、識別情報とデータ特定情報を同時にデータ提供装置に送信してもよいし、識別情報とデータ特定情報を送信するタイミングを変えてもよい。後者の場合、例えば、識別情報を送信した後に所定の条件が成立したこと(例えば上記の識別情報が提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていること)を条件として、データ特定情報を送信してもよい。
【0009】
データ提供装置は、提供装置側識別情報送信手段と提供装置側識別情報記憶手段と第1記憶制御手段とデータ送信手段とを有する。提供装置側識別情報送信手段は、データ利用装置から送信された識別情報送信要求に応じて識別情報をデータ利用装置に送信する。提供装置側識別情報記憶手段は、提供装置側識別情報送信手段によって送信された識別情報を記憶する。第1記憶制御手段は、通信装置から送信された識別情報が提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、通信装置から送信されたデータ特定情報を当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶させる。なお、第1記憶制御手段は、通信装置から送信されたデータ特定情報によって特定されるデータ(例えばデータ提供装置に記憶されているデータや外部からダウンロードされたデータ等)を識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶させてもよい。この場合も、「通信装置から送信されたデータ特定情報を当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶させる」ことに等しい。データ送信手段は、データ利用装置から送信された識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデータ特定情報をデータ利用装置に送信する。
【0010】
上記のデータ提供システムでは、以下の手順に従って、データ提供装置からデータ利用装置にデータが提供される。
(1)データ利用装置の識別情報要求手段によって識別情報送信要求がデータ提供装置に送信される。これにより、データ提供装置の提供装置側識別情報送信手段によって識別情報がデータ利用装置に送信される。なお、データ提供装置の提供装置側識別情報記憶手段は、上記の識別情報を記憶しておく。データ利用装置の識別情報出力手段によって上記の識別情報が出力される。ユーザは、識別情報を取得することができる。この識別情報は、当該ユーザのみが知り得るものである。
【0011】
(2)ユーザは、自身のみが知り得る上記の識別情報を通信装置の識別情報入力手段に入力することができる。第三者が上記の識別情報を知り得ないために、正規のユーザのみが識別情報を入力して以下の作業を行なうことができる。即ち、ユーザは、通信装置のデータ指定手段を利用して、データ利用装置に提供されるべきデータを特定するデータ特定情報を指定する作業を行なうことができる。ユーザは、この作業を行なっている間にデータ利用装置から離れることができる。この結果、データ利用装置が特定のユーザによって長時間に亘って利用されることを抑制することができる。
【0012】
(3)通信装置の通信装置側識別情報送信手段によって上記の識別情報と上記のデータ特定情報とがデータ提供装置に送信される。データ提供装置は、上記の識別情報が通信装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、上記の識別情報とデータ特定情報とを対応づけて記憶する。上記の条件が存在するために、データ提供装置からデータ利用装置に送信された識別情報を知り得る正規のユーザのみが、当該識別情報に対応づけてデータ特定情報をデータ提供装置に記憶させることができる。
【0013】
(4)データ利用装置の利用装置側識別情報送信手段によって上記の識別情報がデータ提供装置に送信される。なお、データ利用装置は、データ提供装置から送信された識別情報を記憶しておき、その識別情報をデータ提供装置に送信してもよい。一方において、データ利用装置は、識別情報を入力することをユーザに許容し、入力された識別情報をデータ提供装置に送信してもよい。データ利用装置からデータ提供装置に識別情報が送信されると、データ提供装置は、その識別情報に対応づけられているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信する。このデータがデータ利用装置のデータ利用手段によって利用される。ユーザによって指定されたデータがデータ利用装置に提供されて利用されることになる。
【0014】
上記のシステムによると、ユーザによって指定されたデータをデータ利用装置に提供することができる。しかも、データ利用装置が特定のユーザによって長時間に亘って利用されることを抑制することができる。この技術は、複数のユーザによって共用されるデバイス(例えば上記のデータ利用装置)にデータを提供するシステムとして好適に利用することができる。
【0015】
識別情報要求手段は、識別情報送信要求と、データ利用装置のデバイス特定情報とをデータ提供装置に送信してもよい。なお、識別情報要求手段は、識別情報送信要求とデバイス特定情報を同時にデータ提供装置に送信してもよいし、識別情報送信要求とデバイス特定情報を送信するタイミングを変えてもよい。
データ提供装置は、デバイススペック記憶手段と特定手段とリスト送信手段とをさらに有していてもよい。デバイススペック記憶手段は、複数のデータ利用装置のそれぞれについて、当該データ利用装置のデバイス特定情報と、当該データ利用装置のスペック特定情報とを対応づけて記憶する。なお、「スペック」という用語は、「データ利用装置が有する機能」と言い換えることもできる。特定手段は、データ利用装置から送信されたデバイス特定情報に対応づけてデバイススペック記憶手段に記憶されているスペック特定情報を特定する。リスト送信手段は、特定手段によって特定されたスペック特定情報に基づいて、そのスペック特定情報に対応するデータ特定情報のリストを通信装置に送信する。
通信装置は、データ提供装置から送信されたリストを出力するリスト出力手段をさらに有していてもよい。データ指定手段は、リスト出力手段によって出力されたリストの中から少なくとも1つのデータ特定情報を指定することをユーザに許容してもよい。
この構成によると、データ提供装置は、データ利用装置のスペックに対応するデータ特定情報(即ちデータ利用装置が利用することができるデータを特定する情報)のリストをユーザに提供することができる。ユーザは、上記のデータ利用装置が利用することができるデータを知ることができ、その中から少なくとも1つを指定することができる。データ利用装置が利用することができないデータがデータ利用装置に提供されることが抑制される。
【0016】
なお、データ利用装置のスペックに対応するリストをユーザに提供するために、以下の構成を採用してもよい。
即ち、提供装置側識別情報記憶手段は、データ利用装置から送信された識別情報送信要求とデバイス特定情報とが受信された場合に、当該識別情報送信要求に応じて提供装置側識別情報送信手段によって送信された識別情報と当該デバイス特定情報とを対応づけて記憶してもよい。特定手段は、通信装置から送信された識別情報が受信された場合に、当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデバイス特定情報を特定し、当該デバイス特定情報に対応づけてデバイススペック記憶手段に記憶されているスペック特定情報を特定してもよい。
【0017】
識別情報要求手段は、識別情報送信要求と、データ利用装置のデバイス特定情報とをデータ提供装置に送信してもよい。
データ提供装置は、複数のデータ利用装置のそれぞれについて、当該データ利用装置のデバイス特定情報を記憶するデバイス特定情報記憶手段をさらに有していてもよい。提供装置側識別情報送信手段は、データ利用装置から送信された識別情報送信要求とデバイス特定情報とが受信された場合に、当該デバイス特定情報がデバイス特定情報記憶手段に記憶されていることを条件として、当該識別情報送信要求に応じて識別情報をデータ利用装置に送信する。
この構成は、データ提供装置からのデータの提供が許容されるべきデータ利用装置の認証を行なうための一つの手法であると言える。
【0018】
識別情報要求手段は、識別情報送信要求と、データ利用装置のデバイス特定情報とをデータ提供装置に送信してもよい。
提供装置側識別情報記憶手段は、データ利用装置から送信された識別情報送信要求とデバイス特定情報とが受信された場合に、当該識別情報送信要求に応じて提供装置側識別情報送信手段によって送信された識別情報と当該デバイス特定情報とを対応づけて記憶してもよい。
利用装置側識別情報送信手段は、識別情報と、データ利用装置のデバイス特定情報とをデータ提供装置に送信してもよい。なお、利用装置側識別情報送信手段は、識別情報とデバイス特定情報を同時にデータ提供装置に送信してもよいし、識別情報とデバイス特定情報を送信するタイミングを変えてもよい。
データ送信手段は、データ利用装置から送信された識別情報とデバイス特定情報とが対応づけられて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信してもよい。
この構成によると、データ提供装置からの識別情報の送信先のデータ利用装置と、その識別情報をデータ提供装置に送信するデータ利用装置とが一致しなければ、データ提供装置からデータ利用装置にデータが提供されない。この構成も、データ提供装置からのデータの提供が許容されるべきデータ利用装置の認証を行なうための一つの手法であると言える。
【0019】
通信装置は、ユーザ特定情報を入力することをユーザに許容するユーザ特定情報入力手段と、ユーザ特定情報入力手段において入力されたユーザ特定情報をデータ提供装置に送信するユーザ特定情報送信手段とをさらに有していてもよい。
データ提供装置は、複数のユーザ特定情報を記憶するユーザ特定情報記憶手段をさらに有していてもよい。第1記憶制御手段は、通信装置から送信されたユーザ特定情報がユーザ特定情報記憶手段に記憶されていること、及び、通信装置から送信された識別情報が提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、通信装置から送信されたデータ特定情報を当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶させてもよい。
この構成は、データ利用装置にデータを利用させることが許容されるべきユーザの認証を行なうための一つの手法であると言える。
【0020】
データ利用装置は、認証情報を入力することをユーザに許容する利用装置側認証情報入力手段をさらに有していてもよい。識別情報要求手段は、識別情報送信要求と、利用装置側認証情報入力手段において入力された認証情報とをデータ提供装置に送信することが可能であってもよい。なお、識別情報要求手段は、識別情報送信要求と認証情報を同時にデータ提供装置に送信してもよいし、識別情報送信要求と認証情報を送信するタイミングを変えてもよい。
提供装置側識別情報記憶手段は、データ利用装置から送信された識別情報送信要求と認証情報とが受信された場合に、当該識別情報送信要求に応じて提供装置側識別情報送信手段によって送信された識別情報と当該認証情報とを対応づけて記憶してもよい。
利用装置側識別情報送信手段は、識別情報と、利用装置側認証情報入力手段において入力された認証情報とをデータ提供装置に送信することが可能であってもよい。なお、利用装置側識別情報要求手段は、識別情報と認証情報を同時にデータ提供装置に送信してもよいし、識別情報と認証情報を送信するタイミングを変えてもよい。
データ送信手段は、データ利用装置から送信された識別情報と認証情報とが対応づけられて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信してもよい。
この構成によると、識別情報を取得するユーザが、データ提供装置からデータ利用装置にデータを送信するための認証情報を決めることができる。セキュリティが優れているシステムを実現することができる。
【0021】
通信装置は、認証情報を入力することをユーザに許容する通信装置側認証情報入力手段をさらに有していてもよい。通信装置側識別情報送信手段は、識別情報入力手段において入力された識別情報と、データ指定手段において指定されたデータ特定情報と、通信装置側認証情報入力手段において入力された認証情報とをデータ提供装置に送信することが可能であってもよい。なお、通信装置側識別情報送信手段は、識別情報とデータ特定情報と認証情報を同時にデータ提供装置に送信してもよいし、識別情報とデータ特定情報と認証情報を送信するタイミングを変えてもよい。
データ提供装置は、通信装置から送信された識別情報が提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、通信装置から送信された認証情報を当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶させる第2記憶制御手段をさらに有していてもよい。
データ利用装置は、認証情報を入力することをユーザに許容する利用装置側認証情報入力手段をさらに有していてもよい。利用装置側識別情報送信手段は、識別情報と、利用装置側認証情報入力手段において入力された認証情報とをデータ提供装置に送信することが可能であってもよい。
データ送信手段は、データ利用装置から送信された識別情報と認証情報とが対応づけられて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信してもよい。
この構成でも、識別情報を取得するユーザが、データ提供装置からデータ利用装置にデータを送信するための認証情報を決めることができる。セキュリティが優れているシステムを実現することができる。
【0022】
データ利用装置は、データ提供装置から送信された識別情報を累積して記憶する利用装置側識別情報記憶手段と、利用装置側識別情報記憶手段に記憶されている識別情報群の中から少なくとも1つの識別情報を指定することをユーザに許容する識別情報指定手段とをさらに有していてもよい。利用装置側識別情報送信手段は、識別情報指定手段において指定された識別情報をデータ提供装置に送信してもよい。
なお、上記の構成は、以下のように広い概念で表現することもできる。即ち、データ利用装置は、識別情報を入力することをユーザに許容する利用装置側識別情報入力手段を有していてもよい。利用装置側識別情報送信手段は、利用装置側識別情報入力手段において入力された識別情報をデータ提供装置に送信してもよい。
【0023】
データ利用装置とデータ提供装置の少なくとも一方は、データ提供装置からデータ利用装置に識別情報が送信された場合に、データ利用装置とデータ提供装置との間の通信セッションを切断するセッション切断手段をさらに有していてもよい。
この構成によると、データ利用装置とデータ提供装置との間のネットワークの通信負荷を低減させることができる。
【0024】
なお、本明細書では、新規なデータ提供装置を開示する。このデータ提供装置は、データ利用装置と通信装置との両者に通信可能に接続されるとともにデータ利用装置にデータを提供する。このデータ提供装置は、上記の提供装置側識別情報送信手段と提供装置側識別情報記憶手段と第1記憶制御手段とデータ送信手段とを備える。このデータ提供装置を利用すると、上記のシステムを構築することができる。
【0025】
また、本明細書では、新規なコンピュータプログラムを開示する。このコンピュータプログラムは、データ提供装置に搭載されるコンピュータに以下の各処理を実行させる。
(1)データ利用装置から送信された識別情報送信要求に応じて識別情報をデータ利用装置に送信する識別情報送信処理。
(2)識別情報送信処理で送信された識別情報を記憶する識別情報記憶処理。
(3)通信装置から送信された識別情報が記憶されていることを条件として、通信装置から送信されたデータ特定情報を当該識別情報に対応づけて記憶する記憶制御処理。
(4)データ利用装置から送信された識別情報に対応づけて記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信するデータ送信処理。
このコンピュータプログラムを利用すると、上記のシステムを構築するためのデータ提供装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
ここでは、以下の実施例に記載の技術の特徴の一部をまとめておく。
(形態1)データ利用装置は、複数のユーザによって共用されてもよい。例えば、データ利用装置は、公共の場所(オフィス、ショップ、ホテルの客室等)に設置されてもよい。
(形態2)各デバイス(データ利用装置、通信装置、データ提供装置)は、第1パケットを通信することによって通信セッションを確立することができる。
(形態3)各デバイス(データ利用装置、通信装置、データ提供装置)は、第2パケットを通信することによって通信セッションを切断することができる。
【0027】
(形態4)以下のデータ利用装置も有用である。このデータ利用装置は、データ提供装置と通信可能に接続されるとともにデータ提供装置から送信されたデータを利用する。データ利用装置は、識別情報送信要求をデータ提供装置に送信する識別情報要求手段と、データ提供装置から送信された識別情報を出力する識別情報出力手段と、識別情報をデータ提供装置に送信する識別情報送信手段と、データ提供装置から送信されたデータを利用するデータ利用手段とを備えていてもよい。
【0028】
(形態5)通信装置は、データ提供装置との間の通信セッションを切断することをユーザに許容するセッション切断手段を有していてもよい。例えば、セッション切断手段は、通信セッションを切断するためのパケット(例えばTCP/IPの場合はFINパケット)をデータ提供装置に送信することによって、データ提供装置との間の通信セッションを切断してもよい。また、セッション切断手段は、通信セッションを切断することをデータ提供装置に要求してもよい。この場合、データ提供装置が通信セッションを切断するためのパケット(例えばTCP/IPの場合はFINパケット)を通信装置に送信することによって、データ提供装置と通信装置との間の通信セッションが切断されてもよい。
データ提供装置のデータ送信手段は、通信装置から送信された識別情報が提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていること、及び、通信装置との間の通信セッションが確立されている間にデータ利用装置から送信された当該識別情報を受信することを条件として、当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信してもよい。
この構成によると、通信装置とデータ提供装置との間の通信セッションが確立されている間にデータ利用装置から送信された識別情報がデータ提供装置によって受信された場合に限って、データ提供装置からデータ利用装置にデータが提供される。ユーザは、データ利用装置にデータが提供されると、通信装置のセッション切断手段を利用して通信装置とデータ提供装置との間の通信セッションを切断させることができる。この場合、仮に第三者がデータ利用装置を操作して上記の識別情報がデータ提供装置に再び送信されても、データ提供装置からデータ利用装置にデータが提供されない。セキュリティが優れているシステムを実現することができる。
【0029】
(形態6)データ提供装置は、通信装置から送信された識別情報が提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていること、及び、当該通信装置との間の通信セッションが切断されたことを条件として、当該識別情報を無効化する無効化手段をさらに有していてもよい。この「無効化」は、通信装置及びデータ利用装置から当該識別情報がデータ提供装置に再び送信されても、データ提供装置がデータをデータ利用装置に送信しないことを意味する。この「無効化」という用語は、最も広義に解釈されるべきものであり、識別情報を消去すること、識別情報に対応づけて所定のステータス(無効化を示すステータス)を記憶すること等を含む概念である。
この構成によると、データ利用装置にデータを提供するための使用された識別情報が再び使用されることが禁止される。正規のユーザが識別情報を利用してデータ利用装置にデータを提供した後に、第三者が同じ識別情報を利用してデータ利用装置にデータを提供するという行為を禁止することができる。
【0030】
(形態7)通信装置は、ユーザ特定情報を入力することをユーザに許容するユーザ特定情報入力手段をさらに有していてもよい。通信装置側識別情報送信手段は、識別情報入力手段において入力された識別情報と、ユーザ特定情報入力手段において入力されたユーザ特定情報とをデータ提供装置に送信してもよい。データ提供装置は、通信装置から送信された識別情報が提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、当該通信装置から送信されたユーザ特定情報を当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段をさらに有していてもよい。セッション切断手段は、ユーザ特定情報入力手段において入力されたユーザ特定情報と、通信セッションを切断することを要求するセッション切断要求とをデータ提供装置に送信してもよい。無効化手段は、通信装置から送信されたユーザ特定情報とセッション切断要求とが受信された場合に、当該ユーザ特定情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されている識別情報を無効化してもよい。
【0031】
(形態8)データ送信手段は、通信装置から送信された識別情報が提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているとともに当該通信装置との間の通信セッションが切断された後に、当該通信装置との間の通信セッションが再び確立されている間にデータ利用装置から送信された当該識別情報を受信した場合に、データをデータ利用装置に送信してもよい。即ち、データ提供装置は、通信装置との間の通信セッションが切断されても識別情報を無効化しなくてもよい。
この構成によると、ユーザは、通信装置とデータ提供装置との間の通信セッションを間違って切断した場合でも、データ利用装置において識別情報を再び取得する必要がない。
【実施例】
【0032】
(第1実施例)
図面を参照して実施例を説明する。図1は、本実施例のサービス提供システム2を示す。サービス提供システム2は、クライアント装置10と情報端末40とサービス提供サーバ70等を備える。クライアント装置10は、公共の場所に設置されており、複数のユーザによって共用される。クライアント装置10は、サービス提供サーバ70からサービスの提供を受けるデバイスである。本実施例のクライアント装置10は、例えば、プリンタデバイス(ファクシミリ、コピー機、複合機等を含む)である。図1では1つのクライアント装置10のみが示されているが、複数のクライアント装置が存在していてもよい。情報端末40は、個々のユーザが使用する端末(例えば個々のユーザが所有している端末)である。本実施例の情報端末40は、例えば、携帯端末、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ等である。携帯端末の例としては、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ノート型のパーソナルコンピュータ等を挙げることができる。図1では1つの情報端末40のみが示されているが、複数の情報端末が存在していてもよい。サービス提供サーバ70は、クライアント装置10にサービスを提供するデバイスである。各デバイス10,40,70は、LANやインターネット回線等の通信回線を介してインターネット4に接続されている。
【0033】
(クライアント装置の構成)
図2は、クライアント装置10の構成を示す。クライアント装置10は、インターネット通信を実行することが可能である。クライアント装置10は、表示部12と操作部14と印刷部16と制御部18と記憶部20とネットワークインターフェイス28等を有する。表示部12は、様々な情報を表示することができる。操作部14は、複数のキーによって構成される。ユーザは、操作部14を操作することによって、様々な情報や指示をクライアント装置10に入力することができる。印刷部16は、様々なデータを印刷媒体に印刷することができる。印刷部16は、例えばサービス提供サーバ70から送信されてくるデータ(サービス)を印刷することができる。制御部18は、記憶部20に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。制御部18が実行する処理の内容については、後で詳しく説明する。
【0034】
記憶部20は、ROM、EEPROM、RAM等によって構成されている。記憶部20は、プログラム記憶領域22とサービスID記憶領域24とその他の記憶領域26とを有する。プログラム記憶領域22は、制御部18によって実行されるプログラムを記憶している。このプログラムは、クライアント装置10の製造時に製造者によってインストールされたものであってもよいし、インターネット4からダウンロードされたものであってもよい。サービスID記憶領域24は、サービス提供サーバ70から送信されたサービスIDを記憶する。サービスIDについては、後で詳しく説明する。記憶領域26は、様々なデータを記憶することができる。記憶領域26に記憶されるデータの内容は、必要に応じて後で説明する。
【0035】
ネットワークインターフェイス28は、インターネット4に接続されている。クライアント装置10は、ネットワークインターフェイス28及びインターネット4を介して、サービス提供サーバ70と通信可能である。
【0036】
(情報端末の構成)
図3は、情報端末40の構成を示す。情報端末40は、インターネット通信を実行することが可能である。情報端末40は、表示部42と操作部44と制御部48と記憶部50とネットワークインターフェイス56等を有する。表示部42は、様々な情報を表示することができる。情報端末40が例えばパーソナルコンピュータである場合、操作部44は、キーボードやマウスによって構成されてもよい。情報端末40が例えば携帯電話である場合、操作部44は、複数のキーによって構成されてもよい。ユーザは、操作部44を操作することによって、様々な情報や指示を情報端末40に入力することができる。制御部48は、記憶部50に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。制御部48が実行する処理の内容については、後で詳しく説明する。
【0037】
記憶部50は、ROM、EEPROM、RAM等によって構成されている。記憶部50は、プログラム記憶領域52とその他の記憶領域54とを有する。プログラム記憶領域52は、制御部48によって実行されるプログラムを記憶している。このプログラムは、情報端末40の製造時に製造者によってインストールされたものであってもよいし、インターネット4からダウンロードされたものであってもよい。記憶領域54は、様々なデータを記憶することができる。記憶領域54に記憶されるデータの内容は、必要に応じて後で説明する。
【0038】
ネットワークインターフェイス56は、インターネット4に接続されている。情報端末40は、ネットワークインターフェイス56及びインターネット4を介して、サービス提供サーバ70と通信可能である。
【0039】
(サービス提供サーバの構成)
図4は、サービス提供サーバ70の構成を示す。サービス提供サーバ70は、インターネット通信を実行することが可能である。サービス提供サーバ70は、制御部78と記憶部80とネットワークインターフェイス92等を有する。制御部78は、記憶部80に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。制御部78が実行する処理の内容については、後で詳しく説明する。
【0040】
記憶部80は、ROM、EEPROM、RAM等によって構成されている。記憶部80は、プログラム記憶領域82とユーザデータ記憶領域84とクライアントデータ記憶領域86とサービスデータ記憶領域88とその他の記憶領域90とを有する。プログラム記憶領域82は、制御部78によって実行されるプログラムを記憶している。このプログラムは、プログラム記憶媒体からサービス提供サーバ70にインストールされたものであってもよいし、インターネット4からダウンロードされたものであってもよい。
【0041】
図5は、ユーザデータ記憶領域84の記憶内容の一例を示す。ユーザデータ記憶領域84は、複数のユーザのそれぞれについて、組合せデータ110,112を記憶することができる。各組合せデータ110,112は、ユーザID100とパスワード102とが対応づけられたものである。例えば、サービス提供サーバ70を利用することを希望するユーザは、ユーザIDとパスワードをサービス提供サーバ70の管理者に通知してもよい。この場合、管理者は、サービス提供サーバ70にアクセスすることによって、ユーザIDとパスワード(即ち1つの組合せデータ)をユーザデータ記憶領域84に記憶させてもよい。また、例えば、ユーザ自身がサービス提供サーバ70にアクセスすることによって、ユーザIDとパスワード(即ち1つの組合せデータ)をユーザデータ記憶領域84に記憶させてもよい。
【0042】
図6は、クライアントデータ記憶領域86の記憶内容の一例を示す。クライアントデータ記憶領域86は、複数のクライアント装置10のそれぞれについて、組合せデータ130〜134を記憶することができる。各組合せデータ130〜134は、クライアント装置10のMACアドレス120と、クライアント装置10のスペック122とが対応づけられたものである。例えば、組合せデータ130は、MACアドレス「xx−xx−xx−xx−xx−xx」とスペック「A4、mono」とを含んでいる。これは、MACアドレス「xx−xx−xx−xx−xx−xx」を有するクライアント装置10は、A4サイズの印刷媒体にモノクロ印刷することが可能であることを意味している。逆に言うと、このクライアント装置10は、A4サイズ以外の印刷媒体に印刷することができないとともに、カラー印刷を行なうことができない。例えば、サービス提供サーバ70の管理者は、サービス提供サーバ70にアクセスすることによって、MACアドレスとスペック(即ち1つの組合せデータ)をクライアントデータ記憶領域86に記憶させてもよい。
【0043】
図7は、サービスデータ記憶領域88の記憶内容の一例を示す。サービスデータ記憶領域88は、複数の組合せデータ160〜168を記憶することができる。各組合せデータ160〜168は、サービスID140とMACアドレス142とユーザID144とPINコード146とステータス148とサービスデータ150とが対応づけられたものである。サービスデータ記憶領域88にどのようにしてデータが記憶されるのかについては、後で詳しく説明する。なお、図4に示される記憶領域90は、様々なデータを記憶することができる。記憶領域90に記憶されるデータの内容は、必要に応じて後で説明する。
【0044】
図4に示されるネットワークインターフェイス92は、インターネット4に接続されている。サービス提供サーバ70は、ネットワークインターフェイス92及びインターネット4を介して、クライアント装置10及び情報端末40と通信可能である。
【0045】
(クライアント装置のメイン処理)
続いて、クライアント装置10が実行する処理の内容について説明する。以下の処理は、クライアント装置10の制御部18(図2参照)によって実行される。図8は、クライアント装置10のメイン処理のフローチャートを示す。ユーザは、クライアント装置10の操作部14(図2参照)を操作することによって(例えばサービス提供サーバ70のアドレスを入力することによって)、サービス提供サーバ70にアクセスすることができる。ユーザは、操作部14を操作することによって、サービス提供サーバ70に様々な要求を送信することができる。
【0046】
クライアント装置10の制御部18は、操作部14が操作されることを監視している(S10)。ここでYESの場合、制御部18は、操作部14に加えられた操作がサービスIDを取得するための操作であるのか否かを判断する(S12)。ここでYESの場合、制御部18は、サービスID取得処理を実行する(S14)。サービスID取得処理の内容は、後で詳しく説明する。S12でNOの場合、制御部18は、操作部14に加えられた操作がサービスを受信するための操作であるのか否かを判断する(S16)。ここでYESの場合、制御部18は、サービス受信処理を実行する(S18)。サービス受信処理の内容は、後で詳しく説明する。S16でNOの場合、制御部18は、操作部14に加えられた操作に応じた処理を実行する(S20)。
【0047】
(クライアント装置のサービスID取得処理)
続いて、サービスID取得処理(図8のS14の処理)について説明する。図9は、サービスID取得処理のフローチャートを示す。制御部18は、サービスID発行要求をサービス提供サーバ70に送信する(S30)。図9のS30には、サービスID発行要求200のデータ構成が示されている。サービスID発行要求200は、HTTPヘッダ202と要求ID204とMACアドレス206とを含んでいる。要求ID204は、サービス提供サーバ70に対して送信される要求を識別するためのIDである。サービスID発行要求200では、要求ID204として「01」が採用されている。MACアドレス206は、サービスID発行要求200を送信するクライアント装置10を特定するIDである。
【0048】
詳しくは後述するが、サービス提供サーバ70は、サービスID発行要求200を受信すると、様々な判断を実行する。この結果として、サービス提供サーバ70は、サービスID発行要求200の送信元のクライアント装置10にエラーを送信することがある。クライアント装置10の制御部18は、エラーを受信することを監視している(S32)。ここでYESの場合、制御部18は、表示部12(図2参照)にエラーを表示する(S34)。この場合、サービスID取得処理が終了する。
【0049】
一方において、サービス提供サーバ70は、サービスID発行要求200の送信元のクライアント装置10にサービスIDを送信することがある。この場合、クライアント装置10は、サービスIDを受信する(S36)。クライアント装置10の制御部18は、S36で受信されたサービスIDをサービスID記憶領域24(図2参照)に記憶させる(S38)。なお、サービスID記憶領域24は、複数のサービスIDを記憶することができる。制御部18は、サービスID記憶領域24に記憶されている最も古いサービスIDを消去し、S36で受信されたサービスIDを記憶させてもよい。
【0050】
次いで、制御部18は、S36で受信されたサービスIDを出力する(S40)。本実施例では、制御部18は、サービスIDを表示部12に表示する。ユーザは、サービスIDを知ることができる。ユーザは、任意のPINコードを入力するための操作を操作部14に加えることができる。この操作が加えられた場合、制御部18は、S42でYESと判断する。この場合、制御部18は、ユーザによって入力されたPINコードをサービス提供サーバ70に送信する(S44)。これにより、サービスID取得処理が終了する。なお、PINコードを入力するための操作が操作部14に加えられなかった場合(S42でNOの場合)、PINコードが送信されずにサービスID取得処理が終了する。
【0051】
(クライアント装置のサービス受信処理)
続いて、サービス受信処理(図8のS18の処理)について説明する。図10は、サービス受信処理のフローチャートを示す。まず、制御部18は、サービスID記憶領域24に記憶されているサービスID群のリストを表示部12に表示する(S60)。ユーザは、操作部14を操作することによって、表示部12に表示されているサービスIDのリストから1つのサービスIDを選択することができる。この場合、制御部18は、S62でYESと判断する。次いで、制御部18は、サービスデータ取得要求をサービス提供サーバ70に送信する(S64)。図10のS64には、サービスデータ取得要求210のデータ構成が示されている。サービスデータ取得要求210は、HTTPヘッダ212と要求ID214とサービスID216とを含んでいる。サービスデータ取得要求210では、要求ID214として「02」が採用されている。サービスID216は、S62で選択されたサービスIDである。
【0052】
詳しくは後述するが、サービス提供サーバ70は、サービスデータ取得要求210を受信すると、様々な判断を実行する。この結果として、サービス提供サーバ70は、サービスデータ取得要求210の送信元のクライアント装置10にエラーを送信することがある。クライアント装置10の制御部18は、エラーを受信することを監視している(S66)。ここでYESの場合、制御部18は、表示部12にエラーを表示する(S76)。この場合、サービス受信処理が終了する。
【0053】
一方において、サービス提供サーバ70は、サービスデータ取得要求210の送信元のクライアント装置10にPINコード要求を送信することがある。クライアント装置10の制御部18は、PINコード要求を受信することを監視している(S68)。ここでYESの場合、制御部18は、PINコードを入力するようにユーザに促し(例えば指示を表示し)、PINコードが入力されるまで待機する(S70)。ユーザは、PINコードを入力するための操作を操作部14に加えることができる。この操作が加えられた場合、制御部18は、S70でYESと判断する。この場合、制御部18は、ユーザによって入力されたPINコードをサービス提供サーバ70に送信する(S72)。
【0054】
S72においてPINコードが送信されると、サービス提供サーバ70によってPINコードの認証が実行される。サービス提供サーバ70は、PINコードの認証が成功しなかった場合に、そのPINコードの送信元(即ちサービスデータ取得要求210の送信元)のクライアント装置10にエラーを送信する。クライアント装置10の制御部18は、エラーを受信することを監視している(S74)。ここでYESの場合、制御部18は、表示部12にエラーを表示する(S76)。この場合、サービス受信処理が終了する。
【0055】
サービス提供サーバ70は、PINコード要求を送信しないことがある。この場合、サービス提供サーバ70は、サービスデータ取得要求210に含まれるサービスID216に対応するサービスデータ(本実施例では印刷データ)を、そのサービスデータ取得要求210の送信元のクライアント装置10に送信する。この場合、クライアント装置10の制御部18は、S68でNOと判断し、サービスデータを受信する(S78)。また、サービス提供サーバ70は、PINコードの認証が成功した場合も、サービスデータ取得要求210に含まれるサービスID216に対応するサービスデータを、そのサービスデータ取得要求210の送信元のクライアント装置10に送信する。この場合、クライアント装置10の制御部18は、S74でNOと判断し、サービスデータを受信する(S78)。制御部18は、受信されたサービスデータを印刷部16(図2参照)に印刷させる。これにより、サービス受信処理が終了する。
【0056】
(情報端末のメイン処理)
続いて、情報端末40が実行する処理の内容について説明する。以下の処理は、情報端末40の制御部48(図3参照)によって実行される。図11〜図14は、情報端末40のメイン処理のフローチャートを示す。ユーザは、情報端末40の操作部44(図3参照)を操作することによって、様々な指示を情報端末40に入力することができる。情報端末40の制御部48は、操作部44が操作されることを監視している(S90)。例えば、ユーザは、サービス提供サーバ70のアドレスを入力することによって、サービス提供サーバ70にサインインすることを試みることができる。この場合、制御部48は、S92でYESと判断する。サービス提供サーバ70は、情報端末40がアクセスしてきた場合に、ユーザIDとパスワードを送信することを指示するメッセージを情報端末40に送信する。
【0057】
情報端末40の制御部48は、上記のメッセージを受信すると、ユーザIDとパスワードを入力するようにユーザに促し(例えば指示を表示し)、ユーザIDとパスワードが入力されるまで待機する(S94)。図15(a)〜(d)は、情報端末40の表示部42(図3参照)での一連の表示内容の一例を示す。S94では、図15(a)に示されるように、ユーザIDを入力するための領域260とパスワードを入力するための領域262とが表示部42に表示される。ユーザは、ユーザIDとパスワードを入力するための操作を操作部44に加えることができる。ユーザは、領域260と領域262にデータを入力した後に、OKボタン264を操作することができる。この場合、制御部48は、S94でYESと判断する。
【0058】
S94でYESの場合、制御部48は、サインイン要求をサービス提供サーバ70に送信する(S96)。図11のS96には、サインイン要求220のデータ構成が示されている。サインイン要求220は、HTTPヘッダ222と要求ID224とユーザID226とパスワード228とを含んでいる。サインイン要求220では、要求ID224として「11」が採用されている。ユーザID226とパスワード228は、S94で入力されたユーザIDとパスワードである。
【0059】
詳しくは後述するが、サービス提供サーバ70は、サインイン要求220を受信すると、様々な判断を実行する。この結果として、サービス提供サーバ70は、サインイン要求220の送信元の情報端末40にエラーを送信することがある。情報端末40の制御部48は、エラーを受信することを監視している(S98)。ここでYESの場合、制御部48は、表示部42にエラーを表示する(S106)。この場合、制御部48は、S90に戻ってユーザの操作を監視する。
【0060】
サービス提供サーバ70からのエラーを受信しなかった場合(S98でNOの場合)、ユーザは、サービスIDを入力するための操作を操作部44に加えることができる。この状態では、図15(b)に示されるように、サービスIDを入力するための領域270が表示部42に表示される。ユーザは、サービスIDを入力するための操作を操作部44に加えることができる。ユーザは、領域270にデータを入力した後に、OKボタン274を押すための操作を加えることができる。この場合、制御部48は、S100でYESと判断する。
【0061】
S100でYESの場合、制御部48は、サービスリスト要求をサービス提供サーバ70に送信する(S102)。図11のS102には、サービスリスト要求230のデータ構成が示されている。サービスリスト要求230は、HTTPヘッダ232と要求ID234とサービスID236とを含んでいる。サービスリスト要求230では、要求ID234として「13」が採用されている。サービスID236は、S100で入力されたサービスIDである。
【0062】
詳しくは後述するが、サービス提供サーバ70は、サービスリスト要求230を受信すると、様々な判断を実行する。この結果として、サービス提供サーバ70は、サービスリスト要求230の送信元の情報端末40にエラーを送信することがある。情報端末40の制御部48は、エラーを受信することを監視している(S104)。ここでYESの場合、制御部48は、表示部42にエラーを表示する(S106)。この場合、制御部48は、S90に戻ってユーザの操作を監視する。
【0063】
一方において、サービス提供サーバ70は、サービスリスト要求230の送信元の情報端末40にPINコード要求を送信することがある。情報端末40の制御部48は、PINコード要求を受信することを監視している(図12のS120)。ここでYESの場合、制御部48は、PINコードを入力するようにユーザに促し(例えば指示を表示し)、PINコードが入力されるまで待機する(S122)。S122では、図15(b)に示されるように、PINコードを入力するための領域272が表示部42に表示される。ユーザは、PINコードを入力するための操作を操作部44に加えることができる。ユーザは、領域272にデータを入力した後に、OKボタン274を押すための操作を加えることができる。この場合、制御部48は、S122でYESと判断する。S122でYESの場合、制御部48は、ユーザによって入力されたPINコードをサービス提供サーバ70に送信する(S124)。
【0064】
S124においてPINコードが送信されると、サービス提供サーバ70によってPINコードの認証が実行される。サービス提供サーバ70は、PINコードの認証が成功しなかった場合に、そのPINコードの送信元(即ちサービスリスト要求230の送信元)の情報端末40にエラーを送信する。情報端末40の制御部48は、エラーを受信することを監視している(S126)。ここでYESの場合、制御部48は、表示部42にエラーを表示する(S128)。この場合、制御部48は、S90に戻ってユーザの操作を監視する。
【0065】
サービス提供サーバ70は、PINコード要求を送信しないことがある。この場合、サービス提供サーバ70は、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236に対応するサービスリスト(サービスを指定するための情報)を、そのサービスリスト要求230の送信元の情報端末40に送信する。この場合、情報端末40の制御部48は、S120でNOと判断し、サービスリストを受信する(S130)。また、サービス提供サーバ70は、PINコードの認証が成功した場合も、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236に対応するサービスリストを、そのサービスリスト要求230の送信元の情報端末40に送信する。この場合、情報端末40の制御部48は、S126でNOと判断し、サービスリストを受信する(S130)。制御部48は、受信されたサービスリストを表示部42に表示する(S132)。S132の処理では、図15(c)に示されるように、サービスリスト284,286が表示部42に表示される。一方のサービスリスト284は、サービスの内容を示す情報(A4 mono)と実行ボタンとを含んでいる。他方のサービスリスト286も、サービスの内容を示す情報(A4 color)と実行ボタンとを含んでいる。サービスリスト284,286のいずれかの実行ボタンを押すための操作が加えられた場合、制御部48は、後述する図13のS150でYESと判断することになる。
【0066】
なお、図15(c)の例では、図15(b)の領域270に入力されたサービスIDを表示する領域280と、サービスIDを再入力するためのボタン282と、サインアウトするためのボタン288とが示されている。フローチャートには示されていないが、ボタン282を押すための操作が加えられた場合、制御部48は、図11のS100に戻ってサービスIDが入力されることを監視する。また、ボタン288を押すための操作が加えられた場合、制御部48は、後述する図14のS170でYESと判断することになる。
【0067】
図11のS92でNOの場合、図13のS150に進む。上述したように、図15(c)に示される内容が表示部42に表示されている状態において、ユーザは、サービスリスト284,286のいずれかの実行ボタンを押すための操作を加えることができる。この場合、制御部48は、S150でYESと判断し、サービス指定要求をサービス提供サーバ70に送信する(S152)。図13のS152には、サービス指定要求240のデータ構成が示されている。サービス指定要求240は、HTTPヘッダ242と要求ID244とサービスID246とサービス種類248とを含んでいる。サービス指定要求240では、要求ID244として「14」が採用されている。サービスID246は、図11のS100で入力されたサービスIDである。より具体的に言うと、サービスID246は、図15(c)の領域280に示されているサービスIDである。サービス種類248は、S150でユーザによって選択されたサービスを特定する情報である。例えば、図15(c)において「サービスA」が選択された場合、サービス種類248は、サービスAを特定する情報(例えばA4 mono)である。また、例えば、図15(c)において「サービスB」が選択された場合、サービス種類248は、サービスBを特定する情報である(例えばA4 color)。
【0068】
詳しくは後述するが、サービス提供サーバ70は、サービス指定要求240を受信すると、様々な判断を実行する。この結果として、サービス提供サーバ70は、サービス指定要求240の送信元の情報端末40にエラーを送信することがある。情報端末40の制御部48は、エラーを受信することを監視している(S154)。ここでYESの場合、制御部48は、表示部42にエラーを表示する(S156)。この場合、制御部48は、S90に戻ってユーザの操作を監視する。
【0069】
一方において、サービス提供サーバ70は、サービス指定要求240に応じた処理(後で詳しく説明する)が正常に行なわれた場合に、そのサービス指定要求240の送信元の情報端末40に完了メッセージを送信する。この場合、情報端末40の制御部48は、S154でNOと判断し、表示部42に完了メッセージを表示する(S158)。図15(d)は、完了メッセージの一例を示す。S158を終えると、制御部48は、S90に戻ってユーザの操作を監視する。なお、図15(d)には、サインアウトするためのボタン290が示されている。ボタン290を押すための操作が加えられた場合、制御部48は、後述する図14のS170でYESと判断することになる。
【0070】
図13のS150でNOの場合、図14のS170に進む。上述したように、図15(c)又は(d)に示される内容が表示部42に表示されている状態において、ユーザは、サインアウトするためのボタン288,290を押すための操作を加えることができる。この場合、制御部48は、S170でYESと判断し、サインアウト要求をサービス提供サーバ70に送信する(S172)。図14のS172には、サインアウト要求250のデータ構成が示されている。サインアウト要求250は、HTTPヘッダ252と要求ID254とユーザID256とを含んでいる。サインアウト要求250では、要求ID254として「12」が採用されている。ユーザID256は、図11のS94で入力されたユーザIDである。より具体的に言うと、ユーザID256は、図15(a)の領域260に入力されたユーザIDである。S172を終えると、制御部48は、S90に戻ってユーザの操作を監視する。なお、S170でNOの場合、制御部48は、操作部44に加えられた操作に応じた処理を実行する(S174)。
【0071】
(サービス提供サーバのメイン処理)
続いて、サービス提供サーバ70が実行する処理の内容について説明する。以下の処理は、サービス提供サーバ70の制御部78(図4参照)によって実行される。図16は、サービス提供サーバ70のメイン処理のフローチャートを示す。上述したように、クライアント装置10又は情報端末40は、様々な要求をサービス提供サーバ70に送信することができる。この要求が送信される前に、クライアント装置10又は情報端末40とサービス提供サーバ70との間では、TCP/IPのパケット通信が行なわれている。このパケット通信について以下に簡単に説明しておく。
【0072】
例えば、クライアント装置10は、サービスID発行要求(図9のS30参照)を送信する前に、SYNパケットをサービス提供サーバ70に送信する。この場合、サービス提供サーバ70は、SYN/ACKパケットをクライアント装置10に送信する。さらに、クライアント装置10は、ACKパケットをサービス提供サーバ70に送信する。これにより、クライアント装置10とサービス提供サーバ70との間の通信セッションが確立される。この状態において、クライアント装置10は、サービスID発行要求をサービス提供サーバ70に送信する。
【0073】
また、例えば、クライアント装置10は、サービスデータ取得要求(図10のS64参照)を送信する前に、SYNパケットをサービス提供サーバ70に送信する。この場合、上記と同様のSYN/ACKパケット及びACKパケットの通信が、クライアント装置10とサービス提供サーバ70との間で行なわれる。これにより、クライアント装置10とサービス提供サーバ70との間の通信セッションが確立される。この状態において、クライアント装置10は、サービスデータ取得要求をサービス提供サーバ70に送信する。
【0074】
また、例えば、情報端末40は、サインイン要求(図11のS96参照)を送信する前に、SYNパケットをサービス提供サーバ70に送信する。この場合、上記と同様のSYN/ACKパケット及びACKパケットの通信が、情報端末40とサービス提供サーバ70との間で行なわれる。これにより、情報端末40とサービス提供サーバ70との間の通信セッションが確立される。この状態において、情報端末40は、サインイン要求をサービス提供サーバ70に送信する。
【0075】
なお、サービス指定要求(図13のS152参照)又はサインアウト要求(図14のS172参照)を情報端末40がサービス提供サーバ70に送信する時点では、情報端末40とサービス提供サーバ70との間の通信セッションは確立されている。上記のサインイン要求を送信する際に通信セッションが確立されるからである。このために、サービス指定要求又はサインアウト要求を送信する場合には、情報端末40とサービス提供サーバ70との間で上記の各パケットの通信が行なわれない。
【0076】
サービス提供サーバ70の制御部78は、要求を受信することを監視している(S190)。制御部78は、要求を受信すると、S190でYESと判断する。この場合、制御部78は、S190で受信された要求に含まれる要求ID(例えば図9のS30の符号204等)の種類に応じて処理を実行する。制御部78は、S190で受信された要求がサービスID発行要求(図9のS30参照)であるのか否かを判断する(S192)。即ち、制御部78は、S190で受信された要求に含まれる要求IDが「01」であるのか否かを判断する(図9のS30参照)。ここでYESの場合、制御部78は、サービスID発行処理を実行する(S194)。S192でNOの場合、制御部78は、S190で受信された要求がサービスデータ取得要求(図10のS64参照)であるのか否かを判断する(S196)。即ち、制御部78は、S190で受信された要求に含まれる要求IDが「02」であるのか否かを判断する(図10のS64参照)。ここでYESの場合、制御部78は、サービス送信処理を実行する(S198)。
【0077】
S196でNOの場合、制御部78は、S190で受信された要求がサインイン要求(図11のS96参照)であるのか否かを判断する(S200)。即ち、制御部78は、S190で受信された要求に含まれる要求IDが「11」であるのか否かを判断する(図11のS96参照)。ここでYESの場合、制御部78は、サインイン処理を実行する(S202)。S200でNOの場合、制御部78は、S190で受信された要求がサービス指定要求(図13のS152参照)であるのか否かを判断する(S204)。即ち、制御部78は、S190で受信された要求に含まれる要求IDが「14」であるのか否かを判断する(図13のS152参照)。ここでYESの場合、制御部78は、サービス実行処理を実行する(S206)。
【0078】
S204でNOの場合、制御部78は、S190で受信された要求がサインアウト要求(図14のS172参照)であるのか否かを判断する(S208)。即ち、制御部78は、S190で受信された要求に含まれる要求IDが「12」であるのか否かを判断する(図14のS172参照)。ここでYESの場合、制御部78は、サインアウト処理を実行する(S210)。S208でNOの場合、制御部78は、S190で受信された他の要求に応じて処理を実行する(S212)。上記のS194、S198、S202、S206、及びS210の処理の内容について、以下に順に説明する。
【0079】
(サービス提供サーバのサービスID発行処理)
続いて、サービスID発行処理(図16のS194の処理)について説明する。図17は、サービスID発行処理のフローチャートを示す。上述したように、サービスID発行要求200には、MACアドレス206が含まれている(図9のS30参照)。制御部78は、サービスID発行要求200に含まれるMACアドレス206がクライアントデータ記憶領域86(図6参照)に存在するのか否かを判断する(S230)。ここでNOの場合、制御部78は、サービスID発行要求200の送信元のクライアント装置10にエラーを送信する(S232)。この場合、後述のS244に進む。
【0080】
一方において、S230でYESの場合、制御部78は、サービスIDを生成する(S234)。制御部78は、ユニークなサービスIDを生成する。即ち、制御部78は、過去に生成されたサービスIDと同じものを生成しない。例えば、サービスIDが数字を含んでいる場合、制御部78は、前回に生成されたサービスIDの数字に「1」をインクリメントすることによって、新しいサービスIDを生成してもよい。また、例えば、制御部78は、過去に生成されたサービスID以外の数字群(文字列群もしくは数字と文字の組合せ群)の中から1つをランダムに選択することによって、新しいサービスIDを生成してもよい。
【0081】
次いで、制御部78は、サービスデータ記憶領域88(図7参照)に新しい組合せデータを書き込む(S236)。なお、サービスID記憶領域88は、複数の組合せデータを記憶することができる。制御部78は、サービスデータ記憶領域88に記憶されている最も古い組合せデータを消去し、新しい組合せデータを記憶してもよい。S236では、制御部78は、サービスIDとMACアドレスとステータスを書き込む。サービスIDは、S234で作成されたサービスIDである。MACアドレスは、S190で受信されたサービスID発行要求200に含まれるMACアドレス206である。また、ステータスとして、「CREATED」が書き込まれる。この時点では、サービスデータ記憶領域88の他の項目(ユーザID144、PINコード146、サービスデータ150(図7参照))は書き込まれない。
【0082】
続いて、制御部78は、サービスID発行要求200の送信元のクライアント装置10に向けて、S234で作成されたサービスIDを送信する(S238)。上述したように、クライアント装置10からPINコードが送信されることがある(図9のS44参照)。この場合、S240でYESと判断される。S240でYESの場合、制御部78は、PINコードをサービスデータ記憶領域88に記憶する(S242)。即ち、制御部78は、S236で作成された新しい組合せデータのPINコードの欄146(図7参照)に、S240で受信されたPINコードを書き込む。
【0083】
S232を終えた場合、S240でNOの場合、又は、S242を終えた場合、制御部78は、通信セッションを切断する処理を実行する(S244)。具体的に言うと、制御部78は、サービスID発行要求200の送信元のクライアント装置10にFINパケットを送信する。この場合、クライアント装置10は、FIN/ACKパケットをサービス提供サーバ70に送信する。さらに、制御部78は、ACKパケットをクライアント装置10に送信する。これにより、クライアント装置10とサービス提供サーバ70との間の通信セッションが切断され、サービスID発行処理が終了する。
【0084】
(サービス提供サーバのサービス送信処理)
続いて、サービス送信処理(図16のS198の処理)について説明する。図18は、サービス送信処理のフローチャートを示す。上述したように、サービスデータ取得要求210には、サービスID216が含まれている(図10のS64参照)。制御部78は、サービスデータ取得要求210に含まれるサービスID216がサービスデータ記憶領域88に存在するのか否かを判断する(S260)。ここでNOの場合、制御部78は、サービスデータ取得要求210の送信元のクライアント装置10にエラーを送信する(S264)。この場合、後述のS278に進む。
【0085】
一方において、S260でYESの場合、制御部78は、サービスデータ記憶領域88の記憶内容をチェックし、サービスデータ取得要求210に含まれるサービスID216に対応するステータスが「ENABLE」であるのか否かを判断する(S262)。例えば、サービスデータ取得要求210に含まれるサービスID216が「abcd0001」である場合、図7の例では、そのサービスID216に対応するステータスが「DISPOSED」である。この場合、制御部78は、サービスデータ取得要求210の送信元のクライアント装置10にエラーを送信する(S264)。この場合、後述のS278に進む。一方において、例えば、サービスデータ取得要求210に含まれるサービスID216が「abcd0004」である場合、図7の例では、そのサービスID216に対応するステータスが「ENABLE」である。この場合、制御部78は、S262でYESと判断し、S266に進む。
【0086】
S266では、制御部78は、サービスデータ記憶領域88の記憶内容をチェックし、サービスデータ取得要求210に含まれるサービスID216に対応するPINコードが書き込まれているのか否かを判断する。ここでYESの場合、制御部78は、サービスデータ取得要求210の送信元のクライアント装置10にPINコード要求を送信する(S268)。次いで、制御部78は、PINコードを受信するまで待機する(S270)。PINコードが受信された場合(S270でYESの場合)、制御部78は、PINコードの認証を実行する(S272)。即ち、制御部78は、サービスデータ取得要求210に含まれるサービスID216に対応するPINコードと、S270で受信されたPINコードとが一致するのか否かを判断する。PINコードの認証が成功しなかった場合、制御部78は、サービスデータ取得要求210の送信元のクライアント装置10にエラーを送信する(S274)。この場合、後述のS278に進む。一方において、PINコードの認証が成功した場合、S276に進む。S266でNOの場合も、S276に進む。
【0087】
S276では、制御部78は、サービスデータ取得要求210の送信元のクライアント装置10にサービスデータを送信する。制御部78は、サービスデータ取得要求210に含まれるサービスID216に対応づけてサービスデータ記憶領域88に記憶されているサービスデータ(図7の符号150に示される欄のデータ)を特定する。次いで、制御部78は、特定されたサービスデータを送信する。なお、サービスデータ記憶領域88にどのようにしてサービスデータが記憶されるのかについては、後で詳しく説明する。S276を終えた場合、S278に進む。
【0088】
S264を終えた場合、S274を終えた場合、又は、S276を終えた場合、制御部78は、通信セッションを切断する処理を実行する(S278)。即ち、制御部78は、サービスデータ取得要求210の送信元のクライアント装置10にFINパケットを送信する。これにより、上記と同様のFIN/ACKパケット及びACKパケットの通信が、クライアント装置10とサービス提供サーバ70との間で行なわれる。これにより、クライアント装置10とサービス提供サーバ70との間の通信セッションが切断され、サービス送信処理が終了する。
【0089】
(サービス提供サーバのサインイン処理)
続いて、サインイン処理(図16のS202の処理)について説明する。図19及び図20は、サインイン処理のフローチャートを示す。上述したように、サインイン要求220には、ユーザID226とパスワード228が含まれている(図11のS96参照)。制御部78は、サインイン要求220に含まれるユーザID226とパスワード228の組合せがユーザデータ記憶領域84(図5参照)に存在するのか否かを判断する(S290)。ここでNOの場合、制御部78は、サインイン要求220の送信元の情報端末40にエラーを送信する(S306)。この場合、サインイン処理が終了する。
【0090】
一方において、S290でYESの場合、制御部78は、サービスリスト要求を受信するまで待機する(S292)。上述したように、情報端末40は、サービスリスト要求230をサービス提供サーバ70に送信することができる(図11のS102参照)。制御部78は、要求IDが「13」である要求が受信された場合にS292でYESと判断する。サービスリスト要求230には、サービスID236が含まれている。制御部78は、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236がサービスデータ記憶領域88に存在するのか否かを判断する(S294)。ここでNOの場合、制御部78は、サービスリスト要求230の送信元の情報端末40にエラーを送信する(S306)。この場合、サインイン処理が終了する。一方において、S294でYESの場合、S296に進む。
【0091】
S296では、制御部78は、サービスデータ記憶領域88の記憶内容をチェックし、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236に対応するPINコードが書き込まれているのか否かを判断する。ここでYESの場合、制御部78は、サービスリスト要求230の送信元の情報端末40にPINコード要求を送信する(S298)。次いで、制御部78は、PINコードを受信するまで待機する(S300)。PINコードが受信された場合(S300でYESの場合)、制御部78は、PINコードの認証を実行する(S302)。即ち、制御部78は、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236に対応するPINコードと、S300で受信されたPINコードとが一致するのか否かを判断する。PINコードの認証が成功しなかった場合、制御部78は、サービスリスト要求230の送信元の情報端末40にエラーを送信する(S306)。この場合、サインイン処理が終了する。一方において、PINコードの認証が成功した場合、S304に進む。S296でNOの場合も、S304に進む。
【0092】
S304では、制御部78は、サービスデータ記憶領域88の記憶内容をチェックし、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236に対応するステータスが「CREATED」であるのか否かを判断する。ここでNOの場合、制御部78は、サービスリスト要求230の送信元の情報端末40にエラーを送信する(S306)。この場合、サインイン処理が終了する。一方において、S304でYESの場合、制御部78は、サービスデータ記憶領域88に情報を書き込む(S308)。具体的に言うと、制御部78は、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236に対応するユーザIDの欄144(図7参照)に、図16のS190で受信されたサインイン要求220に含まれるユーザID226を書き込む。また、制御部78は、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236に対応するステータス(現時点では「CREATED」である)を「ENABLE」に変更する。S308を終えると、図20のS320に進む。
【0093】
S320では、制御部78は、サービスデータ記憶領域88の記憶内容をチェックし、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236に対応するMACアドレスを特定する。即ち、制御部78は、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236をキーとしてサービスデータ記憶領域88を検索することによってMACアドレスを特定する。例えば、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236が「abcd0004」である場合、図7の例では、MACアドレス「yy−yy−yy−yy−yy−yy」が特定される。
【0094】
次いで、制御部78は、クライアントデータ記憶領域86の記憶内容をチェックし、S320で特定されたMACアドレスに対応するスペックを特定する(S322)。即ち、制御部78は、S320で特定されたMACアドレスをキーとしてクライアントデータ記憶領域86を検索することによってスペックを特定する。例えば、S320で特定されたMACアドレスが「yy−yy−yy−yy−yy−yy」である場合、図6の例では、スペック「A3、B4、A4:color」が特定される。
【0095】
次いで、制御部78は、S322で特定されたスペックに基づいてサービスリストを作成する(S324)。本実施例では、制御部78は、印刷可能な印刷媒体サイズと印刷方式(モノクロ又はカラー)の組合せを作成する。例えば、上記のスペック「A3、B4、A4:color」を有するクライアント装置10は、A3カラー、B4カラー、A4カラー、A3モノクロ、B4モノクロ、及びA4カラーのいずれかの手法を利用して印刷を行なうことが可能である。S322で特定されたスペックが「A3、B4、A4:color」である場合、S324では、制御部78は、上記の6つの手法が記述されたサービスリストを作成する。また、例えば、S322で特定されたスペックが「A4:color」である場合、S324では、制御部78は、A4モノクロ及びA4カラーが記述されたサービスリストを作成する。続いて、制御部78は、サービスリスト要求230の送信元の情報端末40に向けて、S324で作成されたサービスリストを送信する(S326)。これにより、サインイン処理が終了する。
【0096】
(サービス提供サーバのサービス実行処理)
続いて、サービス実行処理(図16のS206の処理)について説明する。図21は、サービス実行処理のフローチャートを示す。上述したように、サービス指定要求240には、サービスID246とサービス種類248が含まれている(図13のS152参照)。制御部78は、サービス指定要求240に含まれるサービスID246がサービスデータ記憶領域88に存在するのか否かを判断する(S340)。ここでNOの場合、制御部78は、サービス指定要求240の送信元の情報端末40にエラーを送信する(S342)。この場合、サービス実行処理が終了する。
【0097】
一方において、S340でYESの場合、制御部78は、サービス指定要求240に含まれるサービス種類248のサービスデータを取得する(S344)。例えば、サービス提供サーバ70は、所定のデータを記憶している(例えば記憶領域90(図4参照)に記憶している)。制御部78は、サービス指定要求240に含まれるサービス種類248に基づいて、上記の所定のデータを印刷データに変換してもよい。即ち、例えば、サービス指定要求240に含まれるサービス種類248がA4モノクロである場合、制御部78は、上記の所定のデータをA4モノクロ印刷のための印刷データに変換してもよい。一方において、例えば、サービス指定要求240に含まれるサービス種類248がA4カラーである場合、制御部78は、上記の所定のデータをA4カラー印刷のための印刷データに変換してもよい。また、例えば、サービス提供サーバ70は、上記の所定のデータを記憶していなくてもよい。この場合、制御部78は、インターネット4上の他のデバイスからデータをダウンロードし、そのデータを変換してもよい。
【0098】
次いで、制御部78は、S344で取得されたサービスデータをサービスデータ記憶領域88に書き込む(S346)。即ち、制御部78は、サービス指定要求240に含まれるサービスID246に対応するサービスデータの欄150(図7参照)に、S344で取得されたサービスデータを書き込む。なお、フローチャートには示されていないが、制御部78は、S346の処理を終えると、サービス指定要求240の送信元の情報端末40に完了メッセージを送信する。完了メッセージが送信されると、サービス実行処理が終了する。
【0099】
(サービス提供サーバのサインアウト処理)
続いて、サインアウト処理(図16のS210の処理)について説明する。図22は、サインアウト処理のフローチャートを示す。上述したように、サインアウト要求250には、ユーザID256が含まれている(図14のS172参照)。制御部78は、サインアウト要求250に含まれるユーザID256とステータス「ENABLE」とを含む組合せデータが、サービスデータ記憶領域88に存在するのか否かを判断する(S360)。例えば、サインアウト要求250に含まれるユーザID256が「user_A」である場合、図7の例では、「user_A」とステータス「ENABLE」とを含む組合せデータ166が存在する。この場合、S360でYESと判断される。制御部78は、S360でYESと判断された組合せデータ(上記の例では組合せデータ166)のステータス148(現時点では「ENABLE」である)を「DISPOSED」に変更する(S362)。
【0100】
S360でNOの場合、又は、S362を終えた場合、制御部78は、通信セッションを切断する処理を実行する(S364)。即ち、制御部78は、サインアウト要求250の送信元の情報端末40にFINパケットを送信する。これにより、上記と同様のFIN/ACKパケット及びACKパケットの通信が、情報端末40とサービス提供サーバ70との間で行なわれる。これにより、情報端末40とサービス提供サーバ70との間の通信セッションが切断され、サインアウト処理が終了する。
【0101】
なお、フローチャートには示されていないが、制御部78は、ステータス「DISPOSED」を有する組合せデータを所定のタイミング(例えばステータス「DISPOSED」が記憶されてから所定時間経過後)で消去する。なお、この構成に代えて、制御部78は、図22のS360でYESと判断された組合せデータを消去してもよい。この場合、「DISPOSED」というステータスが利用されないことになる。
【0102】
本実施例のサービス提供システム2について詳しく説明した。このシステム2では、以下の手順に従って、サービス提供サーバ70からクライアント装置10にサービスが提供される。ユーザによってクライアント装置10に所定の操作が加えられると、クライアント装置10からサービス提供サーバ70にサービスID発行要求200が送信される(図9のS30参照)。サービス提供サーバ70は、ユニークなサービスIDを作成し、そのサービスIDをクライアント装置10に返信する(図17のS238参照)。なお、サービス提供サーバ70は、上記のサービスIDを記憶しておく(図17のS236参照)。クライアント装置10は、サービス提供サーバ70からのサービスIDを表示する(図9のS40参照)。ユーザは、サービスIDを取得することができる。
【0103】
ユーザは、自身のみが知り得る上記のサービスIDを情報端末40に入力することができる(図11のS100参照)。ユーザは、例えば自身の携帯電話(情報端末40の一例)にサービスIDを入力することができる。第三者が上記のサービスIDを知り得ないために、正規のユーザのみがサービスIDを入力してサービス指定作業を行なうことができる。即ち、ユーザは、情報端末40においてサービスを指定することができる(図13のS150参照)。ユーザは、この作業を行なっている間にクライアント装置10から離れることができる。この結果、クライアント装置10が特定のユーザによって長時間に亘って利用されることを抑制することができる。
【0104】
情報端末40は、上記のサービスIDとユーザによって指定されたサービスの種類をサービス提供サーバ70に送信する(図13のS152参照)。この場合、サービス提供サーバ70は、上記のサービスIDがサービスデータ記憶領域88に記憶されていることを条件として、そのサービスIDに対応づけてサービスデータを記憶する(図21のS340、S344、S346参照)。サービス提供サーバ70からクライアント装置10に送信されたサービスIDを知り得る正規のユーザのみが、そのサービスIDに対応づけてサービスデータをサービスデータ記憶領域88に記憶させることができる。
【0105】
次いで、ユーザは、クライアント装置10においてサービスIDを選択することができる(図10のS62参照)。クライアント装置10は、ユーザによって選択されたサービスIDをサービス提供サーバ70に送信する(図10のS64参照)。この場合、サービス提供サーバ70は、クライアント装置10からのサービスIDに対応づけられているサービスデータをクライアント装置10に返信する(図18のS276参照)。クライアント装置10は、サービスデータを受信して印刷する。ユーザによって指定されたデータがクライアント装置10で印刷される。ユーザは、印刷物を取得することができる。
【0106】
上記のシステム2によると、ユーザによって指定されたサービスデータをクライアント装置10に提供することができる。しかも、クライアント装置10が特定のユーザによって長時間に亘って利用されることを抑制することができる。この技術は、複数のユーザによって共用されるデバイス(本実施例ではクライアント装置10)にデータを提供するシステムとして好適に利用することができる。
【0107】
また、上記のシステム2では、サービス提供サーバ70は、クライアント装置10のスペックに対応するサービスリスト(即ちクライアント装置10の印刷手法のリスト)をユーザに提供することができる。ユーザは、サービスリストを知ることができ、その中から1つを指定することができる。クライアント装置10が利用することができない印刷データがクライアント装置10に提供されることが抑制される。
【0108】
また、本実施例のシステム2では、様々な認証を行なうことができる。例えば、ライアント装置10のMACアドレスを利用して、サービス提供サーバ70からのサービスデータ(印刷データ)の提供が許容されるべきクライアント装置10の認証を行なっている(図17のS230参照)。また、ユーザIDとパスワードを利用して、クライアント装置10にサービスデータを利用させることが許容されるべきユーザの認証を行なっている(図19のS290参照)。また、ユーザは、サービスIDを取得する際に、サービスデータをクライアント装置10に提供するためのPINコードを決めることができる。サービス提供サーバ70は、このPINコードを利用して認証を行なうことができる(図18のS272、図19のS302参照)。セキュリティが優れているシステム2が実現されている。
【0109】
また、本実施例では、情報端末40とサービス提供サーバ70との間の通信セッションが確立されている間にクライアント装置10から送信されたサービスIDがサービス提供サーバ70によって受信された場合に限って、サービス提供サーバ70からクライアント装置10にサービスデータが提供される。ユーザは、クライアント装置10にサービスデータが提供されると、情報端末40においてサインアウトボタン290(図15(d)参照)を操作することができる。これにより、ユーザは、情報端末40とサービス提供サーバ70との間の通信セッションを切断させることができる。この場合、仮に第三者がクライアント装置10を操作して上記のサービスIDがサービス提供サーバ70に再び送信されても、サービス提供サーバ70からクライアント装置10にサービスデータが提供されない。セキュリティが優れているシステム2が実現されている。
【0110】
(第2実施例)
続いて、第2実施例について説明する。上記の第1実施例では、サービス提供サーバ70のサービスデータ記憶領域88において、「CREATED」、「ENABLE」、及び「DISPOSED」の3つのステータスが利用される。本実施例では、「DISPOSED」の代わりに、「SUSPENDED」というステータスが利用される。本実施例では、サービス提供サーバ70が実行するサインイン処理とサインアウト処理の内容が第1実施例と異なる。これらの各処理の内容について、以下に順に説明する。
【0111】
(サービス提供サーバのサインイン処理)
まず、本実施例のサインイン処理(図16のS202の処理)について説明する。図23は、本実施例のサインイン処理のフローチャートを示す。S390〜S404は、図19のS290〜S304と同様である。このために、S290〜S304の説明を省略する。S404でNOの場合、制御部78は、サービスデータ記憶領域88の記憶内容をチェックし、サービスリスト要求230に含まれるサービスID236に対応するステータスが「SUSPENDED」であるのか否かを判断する(S405)。ここでNOの場合、制御部78は、サービスリスト要求230の送信元の情報端末40にエラーを送信する(S406)。この場合、サインイン処理が終了する。一方において、S405でYESの場合、制御部78は、サービスデータ記憶領域88に情報を書き込む(S408)。このS408は、図19のS308と同様である。このために、S408の説明を省略する。S408を終えると、図20のS320に進む。図20のS320以降の処理は、第1実施例と同様である。
【0112】
(サービス提供サーバのサインアウト処理)
続いて、本実施例のサインアウト処理(図16のS210の処理)について説明する。図24は、本実施例のサインアウト処理のフローチャートを示す。S460は、図22のS360と同様である。このために、S460の説明を省略する。S460でYESの場合、制御部78は、S460でYESと判断された組合せデータのステータス148(現時点では「ENABLE」である)を「SUSPENDED」に変更する(S462)。この場合、S464に進む。なお、S460でNOの場合は、S462をスキップしてS464に進む。S464は、上記の図22のS364と同様である。このために、S464の説明を省略する。
【0113】
本実施例によると、ユーザが情報端末40においてサインアウトしても、そのユーザによって取得されたサービスIDが無効化されない。ユーザは、情報端末40において間違ってサインアウトしてしまった場合に、クライアント装置10において再びサービスIDを取得しなくても、クライアント装置10にサービスデータを提供するための作業を行なうことができる。
【0114】
(第3実施例)
続いて、第3実施例について説明する。上記の第1実施例では、クライアント装置10は、サービス受信処理(図10参照)において、HTTPヘッダと要求IDとサービスIDとを含むサービスデータ取得要求をサービス提供サーバ70に送信する(図10のS64参照)。本実施例では、このS64において、クライアント装置10は、HTTPヘッダと要求IDとサービスIDとMACアドレスとを含むサービスデータ取得要求をサービス提供サーバ70に送信する。
【0115】
サービス提供サーバ70は、サービス送信処理(図18参照)のS260において、クライアント装置10から送信されたサービス取得要求に含まれるサービスIDとMACアドレスの両方を含む組合せデータがサービスデータ記憶領域88に存在するのか否かを判断する。ここでYESの場合はS262に進み、NOの場合はS264に進む。以降の処理は、第1実施例と同様である。
【0116】
本実施例では、サービス提供サーバ70からのサービスIDの送信先のクライアント装置10と、そのサービスIDをサービス提供サーバ70に送信するクライアント装置10とが一致しなければ、クライアント装置10にデータが提供されない。この構成も、サービス提供サーバ70からのサービスデータの提供が許容されるべきクライアント装置10の認証を行なうための一つの手法であると言える。セキュリティが優れているシステム2が実現されている。
【0117】
(第4実施例)
続いて、第4実施例について説明する。上記の第1実施例では、ユーザは、クライアント装置10のサービスID取得処理(図9参照)において、PINコードを入力することができる(図9のS42参照)。これにより、サービス提供サーバ70は、サービスID発行処理(図17参照)において、サービスIDに対応づけてPINコードを記憶する(図17のS242参照)。本実施例では、クライアント装置10のサービスID取得処理(図9参照)において、PINコードを入力することができない。即ち、図9のS42及びS44の処理が存在しない。代わりに、ユーザは、情報端末40のメイン処理(図11参照)において、PINコードを入力することができる。即ち、図11のS100において、ユーザは、サービスIDとともにPINコードを入力することができる。情報端末40は、図11のS102において、サービスIDとPINコードの両方を含むサービスリスト要求をサービス提供サーバ70に送信する。
【0118】
サービス提供サーバ70は、サインイン処理(図19参照)のS294において、情報端末40から送信されたサービスリスト要求に含まれるサービスIDがサービスデータ記憶領域88に存在するのか否かを判断する。この点は、第1実施例と同様である。ここでYESの場合、サービス提供サーバ70は、サービスデータ記憶領域88にPINコードを書き込む。即ち、サービス提供サーバ70は、サービスリスト要求に含まれるサービスIDに対応するPINコードの欄146(図7参照)に、サービスリスト要求に含まれるPINコードを書き込む。これにより、PINコードが設定されることになる。この処理を終えると、S296に進む。以降の処理は、第1実施例と同様である。
【0119】
本実施例の構成でも、ユーザは、サービスデータをクライアント装置10に提供するためのPINコードを決めることができる。サービス提供サーバ70は、このPINコードを利用して認証を行なうことができる。セキュリティが優れているシステム2が実現されている。
【0120】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0121】
(1)上記の実施例では、情報端末40で指定することができるサービスの種類が印刷手法である。しかしながら、上記の実施例の技術は、他のサービスにも適用することができる。例えば、サービス提供サーバは、インターネットからデータをダウンロードし、ダウンロードされたデータをクライアント装置に提供するものであってもよい。この場合、サービス提供サーバは、図20のS326において、データの保存先のインターネットアドレス(例えばURL)のリストを情報端末に送信してもよい。この場合、ユーザは、情報端末においてインターネットアドレスを指定してもよい。情報端末は、ユーザによって指定されたインターネットアドレスをサービス提供サーバに送信してもよい。サービス提供サーバは、図21のS346において、情報端末から送信されたインターネットアドレスからデータをダウンロードして記憶してもよい。サービス提供サーバは、図18のS276において、ダウンロードされたデータをクライアント装置に送信してもよい。なお、これ以外のサービス(データ)をクライアント装置に提供するシステムに本実施例の技術が利用されてもよい。
【0122】
(2)クライアント装置は、プリンタデバイスでなくてもよい。サービス提供サーバからサービスが提供される様々なデバイスをクライアント装置として採用することができる。
【0123】
(3)上記の実施例では、クライアント装置10は、サービスIDを累積して記憶する(図9のS38参照)。しかしながら、クライアント装置10は、図10のS64においてサービスIDをサービス提供サーバ70に送信すると、そのサービスIDを消去してもよい。もしくは、クライアント装置10は、サービスIDを記憶してから所定時間経過すると、そのサービスIDを消去してもよい。
【0124】
(4)クライアント装置10は、図9のS38において、サービスIDを記憶しなくてもよい。この場合、ユーザは、クライアント装置10にサービスデータを提供する際に、クライアント装置10の操作部14を操作してサービスIDを入力してもよい。クライアント装置10は、図10のS64において、ユーザによって入力されたサービスIDをサービス提供サーバ70に送信してもよい。
【0125】
(5)上記の実施例では、サービス提供サーバ70が、通信セッションを切断している(図17のS244、図18のS278、図22のS364等)。即ち、サービス提供サーバ70からクライアント装置10又は情報端末40にFINパケットを送信する。しかしながら、クライアント装置10又は情報端末40がサービス提供サーバ70にFINパケットを送信するようにしてもよい。
【0126】
(6)サービス提供サーバ70は、図21のS344においてサービスデータを取得しなくてもよい。この場合、サービス提供サーバ70は、サービス指定要求に含まれるサービスIDとサービス種類とを対応づけて記憶しておいてもよい。サービス提供サーバ70は、図18のS276でサービスデータを送信する際に、サービスデータを取得してもよい。この場合、サービスデータ記憶領域88にサービスデータを記憶しておく必要がないことから(サービス種類は記憶しておく必要があるがそのデータ量は少ない)、サービスデータ記憶領域88によって記憶されるべきデータ量を少なくすることができる。
【0127】
(7)クライアント装置10と情報端末40とサービス提供サーバ70は、インターネット4以外のネットワーク(例えばLAN)によって通信可能に接続されていてもよい。
【0128】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】サービス提供システムの構成を示す。
【図2】クライアント装置の構成を示す。
【図3】情報端末の構成を示す。
【図4】サービス提供サーバの構成を示す。
【図5】ユーザデータ記憶領域の記憶内容の一例を示す。
【図6】クライアントデータ記憶領域の記憶内容の一例を示す。
【図7】サービスデータ記憶領域の記憶内容の一例を示す。
【図8】クライアント装置のメイン処理のフローチャートを示す。
【図9】クライアント装置のサービスID取得処理のフローチャートを示す。
【図10】クライアント装置のサービス受信処理のフローチャートを示す。
【図11】情報端末のメイン処理のフローチャートを示す。
【図12】図11の続きのフローチャートを示す。
【図13】図11の続きのフローチャートを示す。
【図14】図13の続きのフローチャートを示す。
【図15】情報端末での表示内容の一例を示す。
【図16】サービス提供サーバのメイン処理のフローチャートを示す。
【図17】サービス提供サーバのサービスID発行処理のフローチャートを示す。
【図18】サービス提供サーバのサービス送信処理のフローチャートを示す。
【図19】サービス提供サーバのサインイン処理のフローチャートを示す。
【図20】図19の続きのフローチャートを示す。
【図21】サービス提供サーバのサービス実行処理のフローチャートを示す。
【図22】サービス提供サーバのサインアウト処理のフローチャートを示す。
【図23】サービス提供サーバのサインイン処理のフローチャートを示す(第2実施例)。
【図24】サービス提供サーバのサインアウト処理のフローチャートを示す(第2実施例)。
【符号の説明】
【0130】
2:サービス提供システム
4:インターネット
10:クライアント装置
12:表示部
14:操作部
16:印刷部
18:制御部
20:記憶部
40:情報端末
42:表示部
44:操作部
48:制御部
50:記憶部
70:サービス提供サーバ
78:制御部
80:記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ提供装置と、データ提供装置と通信可能に接続されるとともにデータ提供装置から送信されたデータを利用するデータ利用装置と、データ提供装置と通信可能に接続される通信装置とを備えるデータ提供システムであり、
データ利用装置は、
識別情報送信要求をデータ提供装置に送信する識別情報要求手段と、
データ提供装置から送信された識別情報を出力する識別情報出力手段と、
識別情報をデータ提供装置に送信する利用装置側識別情報送信手段と、
データ提供装置から送信されたデータを利用するデータ利用手段とを有し、
通信装置は、
識別情報を入力することをユーザに許容する識別情報入力手段と、
データ特定情報を指定することをユーザに許容するデータ指定手段と、
識別情報入力手段において入力された識別情報と、データ指定手段において指定されたデータ特定情報とをデータ提供装置に送信する通信装置側識別情報送信手段とを有し、
データ提供装置は、
データ利用装置から送信された識別情報送信要求に応じて識別情報をデータ利用装置に送信する提供装置側識別情報送信手段と、
提供装置側識別情報送信手段によって送信された識別情報を記憶する提供装置側識別情報記憶手段と、
通信装置から送信された識別情報が提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、通信装置から送信されたデータ特定情報を当該識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶させる第1記憶制御手段と、
データ利用装置から送信された識別情報に対応づけて提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信するデータ送信手段とを有する
ことを特徴とするデータ提供システム。
【請求項2】
前記識別情報要求手段は、識別情報送信要求と、データ利用装置のデバイス特定情報とをデータ提供装置に送信し、
データ提供装置は、複数のデータ利用装置のそれぞれについて、当該データ利用装置のデバイス特定情報と、当該データ利用装置のスペック特定情報とを対応づけて記憶するデバイススペック記憶手段と、
データ利用装置から送信されたデバイス特定情報に対応づけてデバイススペック記憶手段に記憶されているスペック特定情報を特定する特定手段と、
特定手段によって特定されたスペック特定情報に基づいて、そのスペック特定情報に対応するデータ特定情報のリストを通信装置に送信するリスト送信手段とをさらに有し、
通信装置は、データ提供装置から送信されたリストを出力するリスト出力手段をさらに有し、
前記データ指定手段は、リスト出力手段によって出力されたリストの中から少なくとも1つのデータ特定情報を指定することをユーザに許容する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ提供システム。
【請求項3】
前記提供装置側識別情報記憶手段は、データ利用装置から送信された識別情報送信要求とデバイス特定情報とが受信された場合に、当該識別情報送信要求に応じて前記提供装置側識別情報送信手段によって送信された識別情報と当該デバイス特定情報とを対応づけて記憶し、
前記特定手段は、通信装置から送信された識別情報が受信された場合に、当該識別情報に対応づけて前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデバイス特定情報を特定し、当該デバイス特定情報に対応づけて前記デバイススペック記憶手段に記憶されているスペック特定情報を特定する
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ提供システム。
【請求項4】
前記識別情報要求手段は、識別情報送信要求と、データ利用装置のデバイス特定情報とをデータ提供装置に送信し、
データ提供装置は、複数のデータ利用装置のそれぞれについて、当該データ利用装置のデバイス特定情報を記憶するデバイス特定情報記憶手段をさらに有し、
前記提供装置側識別情報送信手段は、データ利用装置から送信された識別情報送信要求とデバイス特定情報とが受信された場合に、当該デバイス特定情報がデバイス特定情報記憶手段に記憶されていることを条件として、当該識別情報送信要求に応じて識別情報をデータ利用装置に送信する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のデータ提供システム。
【請求項5】
前記識別情報要求手段は、識別情報送信要求と、データ利用装置のデバイス特定情報とをデータ提供装置に送信し、
前記提供装置側識別情報記憶手段は、データ利用装置から送信された識別情報送信要求とデバイス特定情報とが受信された場合に、当該識別情報送信要求に応じて前記提供装置側識別情報送信手段によって送信された識別情報と当該デバイス特定情報とを対応づけて記憶し、
前記利用装置側識別情報送信手段は、識別情報と、データ利用装置のデバイス特定情報とをデータ提供装置に送信し、
前記データ送信手段は、データ利用装置から送信された識別情報とデバイス特定情報とが対応づけられて前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、当該識別情報に対応づけて前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のデータ提供システム。
【請求項6】
通信装置は、ユーザ特定情報を入力することをユーザに許容するユーザ特定情報入力手段と、
ユーザ特定情報入力手段において入力されたユーザ特定情報をデータ提供装置に送信するユーザ特定情報送信手段とをさらに有し、
データ提供装置は、複数のユーザ特定情報を記憶するユーザ特定情報記憶手段をさらに有し、
前記第1記憶制御手段は、通信装置から送信されたユーザ特定情報がユーザ特定情報記憶手段に記憶されていること、及び、通信装置から送信された識別情報が前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、通信装置から送信されたデータ特定情報を当該識別情報に対応づけて前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のデータ提供システム。
【請求項7】
データ利用装置は、認証情報を入力することをユーザに許容する利用装置側認証情報入力手段をさらに有し、
前記識別情報要求手段は、識別情報送信要求と、利用装置側認証情報入力手段において入力された認証情報とをデータ提供装置に送信することが可能であり、
前記提供装置側識別情報記憶手段は、データ利用装置から送信された識別情報送信要求と認証情報とが受信された場合に、当該識別情報送信要求に応じて前記提供装置側識別情報送信手段によって送信された識別情報と当該認証情報とを対応づけて記憶し、
前記利用装置側識別情報送信手段は、識別情報と、利用装置側認証情報入力手段において入力された認証情報とをデータ提供装置に送信することが可能であり、
前記データ送信手段は、データ利用装置から送信された識別情報と認証情報とが対応づけられて前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、当該識別情報に対応づけて前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のデータ提供システム。
【請求項8】
通信装置は、認証情報を入力することをユーザに許容する通信装置側認証情報入力手段をさらに有し、
前記通信装置側識別情報送信手段は、前記識別情報入力手段において入力された識別情報と、前記データ指定手段において指定されたデータ特定情報と、通信装置側認証情報入力手段において入力された認証情報とをデータ提供装置に送信することが可能であり、
データ提供装置は、通信装置から送信された識別情報が前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、通信装置から送信された認証情報を当該識別情報に対応づけて前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶させる第2記憶制御手段をさらに有し、
データ利用装置は、認証情報を入力することをユーザに許容する利用装置側認証情報入力手段をさらに有し、
前記利用装置側識別情報送信手段は、識別情報と、利用装置側認証情報入力手段において入力された認証情報とをデータ提供装置に送信することが可能であり、
前記データ送信手段は、データ利用装置から送信された識別情報と認証情報とが対応づけられて前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、当該識別情報に対応づけて前記提供装置側識別情報記憶手段に記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のデータ提供システム。
【請求項9】
データ利用装置は、データ提供装置から送信された識別情報を累積して記憶する利用装置側識別情報記憶手段と、
利用装置側識別情報記憶手段に記憶されている識別情報群の中から少なくとも1つの識別情報を指定することをユーザに許容する識別情報指定手段とをさらに有し、
前記利用装置側識別情報送信手段は、識別情報指定手段において指定された識別情報をデータ提供装置に送信する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のデータ提供システム。
【請求項10】
データ利用装置とデータ提供装置の少なくとも一方は、データ提供装置からデータ利用装置に識別情報が送信された場合に、データ利用装置とデータ提供装置との間の通信セッションを切断するセッション切断手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のデータ提供システム。
【請求項11】
データ利用装置と通信装置との両者に通信可能に接続されるとともにデータ利用装置にデータを提供するデータ提供装置であり、
データ利用装置から送信された識別情報送信要求に応じて識別情報をデータ利用装置に送信する識別情報送信手段と、
識別情報送信手段によって送信された識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
通信装置から送信された識別情報が識別情報記憶手段に記憶されていることを条件として、通信装置から送信されたデータ特定情報を当該識別情報に対応づけて識別情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
データ利用装置から送信された識別情報に対応づけて識別情報記憶手段に記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信するデータ送信手段と
を備えるデータ提供装置。
【請求項12】
データ利用装置と通信装置との両者に通信可能に接続されるとともにデータ利用装置にデータを提供するデータ提供装置のためのコンピュータプログラムであり、
そのコンピュータプログラムは、データ提供装置に搭載されるコンピュータに以下の各処理、即ち、
データ利用装置から送信された識別情報送信要求に応じて識別情報をデータ利用装置に送信する識別情報送信処理と、
識別情報送信処理で送信された識別情報を記憶する識別情報記憶処理と、
通信装置から送信された識別情報が記憶されていることを条件として、通信装置から送信されたデータ特定情報を当該識別情報に対応づけて記憶する記憶制御処理と、
データ利用装置から送信された識別情報に対応づけて記憶されているデータ特定情報によって特定されるデータをデータ利用装置に送信するデータ送信処理と
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−163279(P2009−163279A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338994(P2007−338994)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】