説明

データ流通装置、データ流通方法及びプログラム

【課題】 データアイテム毎にダイナミックに変化する開示範囲を集約サイトで適用する場合に、性能劣化が発生する。
【解決手段】 データアイテムとデータアイテム識別情報と開示範囲コードとを記憶するデータアイテム記憶部と、1以上の開示範囲コードと認可情報とを記憶する認可情報記憶部と、データアイテムの開示の認可要求に対する応答に基づいて認可情報記憶部の内容を更新する認可情報取得部と、参照要求に含まれるデータアイテム識別情報に対応する開示範囲コードを取得する開示範囲コード取得部と、開示範囲コードに基づいて、参照要求に含まれる参照者識別情報に対する認可の可否を示す情報を取得する認可可否取得部と、その情報に基づいて、データアイテムを出力するデータアイテム出力部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ流通装置、データ流通方法及びプログラムに関し、特にデータの開示制御に係るデータ流通装置、データ流通方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
データ公開や情報共有などにおける開示制御に関し、さまざまな関連技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、イメージデータの公開制御を行う技術を開示する。特許文献1に記載のイメージ公開システムは、イメージ登録装置とイメージ公開サーバとを有している。イメージ登録装置は、イメージデータを登録する際に、そのイメージデータを含むイメージファイルのファイル属性を開示制御情報として抽出し、イメージ公開サーバに対して送信する。イメージ公開サーバは、この開示制御情報をキーとして、事前に定義した公開ポリシーに従って、非公開のものであればその登録を拒否し、公開してよいものであれば登録を許可する。こうして、そのイメージ公開システムは、イメージデータの登録時において、公開の可否を制御する。
【0004】
また、例えば、特許文献2は、通信への参加を認可する処理の、負荷を軽減する技術を開示する。特許文献2に記載の通信システムは、通信サーバと端末装置と通信中継装置とを有している。通信サーバは、端末装置の複数の通信手段それぞれについて、通信への参加を認可する認可処理を実行する。通信中継装置は、通信サーバと端末装置とのある通信手段を用いた通信を中継する。このとき、通信中継装置は、通信サーバによる認可結果の端末装置への送信を中継する際に、その認可結果を一時保存する。そして、通信中継装置は、保存した情報(認可結果)を利用して、次の他の通信手段を用いた通信への参加を認可する認可処理を、通信サーバ4を代行して実行する。こうして、その通信システムは、通信への参加を認可する処理の回数を削減し、認可処理に係わる装置の負荷を軽減する。
【0005】
また、例えば、特許文献3は、サービス提供の契約に基づいて、認可すべきサービスを特定し、そのサービスの利用者登録を組織に基づいて行う技術を開示する。特許文献3に記載の情報処理システムは、契約情報記憶手段と記憶組織情報記憶手段と利用者認可情報記憶手段と認可対象サービス取得手段と組織受付手段と利用者認可手段とを有している。契約情報記憶手段は、契約識別子、認可対象サービス識別子、課金条件識別子を対応させて記憶する。記憶組織情報記憶手段は、組織識別子、利用者識別子を対応させて記憶する。利用者認可情報記憶手段は、契約識別子、利用者識別子、サービス識別子を対応させて記憶する。認可対象サービス取得手段は、契約識別子に基づいて、契約情報記憶手段に記憶されている認可対象サービス識別子を取得する。組織受付手段は、その認可対象サービスを利用できる組織の組織識別子を受け付ける。利用者認可手段は、その組織識別子に基づいて、組織情報記憶手段に記憶されている利用者識別子を取得し、利用者識別子及び認可対象サービス識別子を利用者認可情報記憶手段に記憶させる。こうして、その情報処理システムは、組織識別子に対する利用登録を利用者識別子へ展開し、サービスの利用者登録を組織に基づいて行う。
【0006】
一方、ウェブサイト上でのデータ公開において、分散して存在する複数の一次データ公開サイトである情報源サイトから、これらの情報源サイトが公開しているデータアイテムを集約して開示する集約サイトが存在する。この集約サイトは、多数(例えば、1利用者1日あたり、100個程度)のデータアイテムを、利用者からの参照要求に先立って情報源サイトから取得する。そして、参照要求を受けた場合、この集約サイトは、各情報源サイトの各データアイテム所有者(例えば、データアイテムを生成した人)が指定する開示範囲に基づいて、対象のデータアイテムを開示する。尚、データアイテムとは、識別情報を付加された、何らかのデータ(例えば、テキスト、画像及び音声)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−059439号公報
【特許文献2】特開2007−235733号公報
【特許文献3】特開2009−059148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した先行技術文献に記載された技術においては、データアイテム毎にダイナミックに変化する開示範囲を集約サイトにおいて適用する場合に、性能劣化が発生するという問題点がある。
【0009】
その理由は、以下のとおりである。
【0010】
特許文献1が開示する技術は、イメージ公開サーバにイメージデータを登録する際に開示制御を行う技術であり、ダイナミックに変化する開示範囲に対応できない。
【0011】
特許文献2が開示する技術は、同一の端末による複数回の通信について認可処理を省略する技術であり、データアイテム毎の対応はできない。
【0012】
特許文献3が開示する技術は、組織識別子に対する利用登録を利用者識別子へ展開する技術であり、開示範囲が変化するたびにこの展開処理が必要となり、性能劣化を招く。
【0013】
また、データの参照要求のたびに情報源サイトが認可処理を行うようにした場合、処理のオーバーヘッドが大きく、性能劣化を招く。
【0014】
本発明の目的は、上述した問題点を解決できるデータ流通装置、データ流通方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のデータ流通装置は、1以上のデータアイテムと、対応する前記データアイテムの識別情報であるデータアイテム識別情報と、前記データアイテムに対する開示の認可情報を特定する開示範囲コードと、を記憶するデータアイテム記憶部と、
1以上の前記開示範囲コードと対応する前記データアイテムの認可情報とを記憶する認可情報記憶部と、
前記データアイテムの開示の認可を要求する認可要求に対する認可応答を受信し、前記認可応答に基づいて前記認可情報記憶部の内容を更新する認可情報取得部と、
参照要求を受信し、前記データアイテム記憶部を参照して前記参照要求に含まれる前記データアイテム識別情報に対応する前記開示範囲コードを取得し、出力する開示範囲コード取得部と、
前記開示範囲コードに基づいて前記認可情報記憶部を参照し、前記参照要求に含まれる参照者識別情報に対する前記データアイテムの開示の認可の可否を示す情報を取得し、前記取得した認可の可否を示す情報を出力する認可可否取得部と、
前記認可の可否を示す情報に基づいて、前記参照要求で要求された前記データアイテムを出力するデータアイテム出力部と、を含む。
【0016】
本発明のデータ流通方法は、1以上のデータアイテムと、対応する前記データアイテムの識別情報であるデータアイテム識別情報と、前記データアイテムに対する開示の認可情報を特定する開示範囲コードと、を記憶するデータアイテム記憶部と、
1以上の前記開示範囲コードと対応する前記データアイテムの認可情報とを記憶する認可情報記憶部と、を含むデータ流通装置が、
前記データアイテムの開示の認可を要求する認可要求に対する認可応答を受信し、前記認可応答に基づいて前記認可情報記憶部の内容を更新し、
参照要求を受信し、前記データアイテム記憶部を参照して前記参照要求に含まれる前記データアイテム識別情報に対応する前記開示範囲コードを取得し、出力し、
前記開示範囲コードに基づいて前記認可情報記憶部を参照し、前記参照要求に含まれる参照者識別情報に対する前記データアイテムの開示の認可に可否を示す情報を取得し、前記取得した認可の可否を示す情報を出力し、
前記認可の可否を示す情報に基づいて、前記参照要求で要求された前記データアイテムを出力する。
【0017】
本発明のプログラムは、1以上のデータアイテムと、対応する前記データアイテムの識別情報であるデータアイテム識別情報と、前記データアイテムに対する開示の認可情報を特定する開示範囲コードと、を記憶するデータアイテム記憶部と、
1以上の前記開示範囲コードと対応する前記データアイテムの認可情報とを記憶する認可情報記憶部と、を含むコンピュータに、
前記データアイテムの開示の認可を要求する認可要求に対する認可応答を受信し、前記認可応答に基づいて前記認可情報記憶部の内容を更新する処理と、
参照要求を受信し、前記データアイテム記憶部を参照して前記参照要求に含まれる前記データアイテム識別情報に対応する前記開示範囲コードを取得し、出力する処理と、
前記開示範囲コードに基づいて前記認可情報記憶部を参照し、前記参照要求に含まれる参照者識別情報に対する前記データアイテムの開示の認可の可否を示す情報を取得し、前記取得した認可の可否を示す情報を出力する処理と、
前記認可の可否を示す情報に基づいて、前記参照要求で要求された前記データアイテムを出力する処理とを、実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、性能劣化を抑制しつつ、データアイテム毎にダイナミックに変化する開示範囲を集約サイトにおいて適用することが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデータ流通装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るデータ流通システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における認可要求の例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における認可応答の例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるデータアイテム記憶部の構造の例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における認可情報記憶部の構造の例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るデータ流通装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態におけるデータアイテム記憶部の構造の例を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施形態における認可情報記憶部の構造の例を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施形態における先行認可要求の例を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施形態における追加された認可情報レコードの例である。
【図15】本発明の第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るデータ流通装置の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第3の実施形態における認可情報記憶部の構造の例を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施形態の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ流通装置100の構成を示すブロック図である。
【0022】
図1を参照すると、本実施形態に係るデータ流通装置100は、データアイテム記憶部110、認可情報記憶部120、認可情報取得部130、開示範囲コード取得部140、認可可否取得部150及びデータアイテム出力部160とを含む。
【0023】
図2は、本実施形態に係るデータ流通装置100を含むデータ流通システムの構成を示すブロック図である。
【0024】
図2を参照すると、本実施形態に係るデータ流通装置100を含むデータ流通システムは、登録クライアント101と参照クライアント(参照要求部とも呼ばれる)102と情報源サイト103と集約サイト104とから構成される。
【0025】
登録クライアント101は、データアイテムを登録するクライアントである。登録クライアント101は、データアイテムを含む登録要求を送信する。
【0026】
参照クライアント102は、データアイテムを参照するクライアントである。参照クライアント102は、データアイテムを特定するデータアイテム識別情報を含む、参照要求を送信する。また、参照クライアント102は、集約サイト104が参照要求に応答して送信する、データアイテムを受信する。
【0027】
情報源サイト103は、アプリケーション実行装置(認証情報提供部とも呼ばれる)105とデータ流通装置(データアイテム供給部とも呼ばれる)107とを含む。
【0028】
アプリケーション実行装置105は、登録クライアント101からの登録要求に基づいて、データアイテムをデータ流通装置107へ登録する。また、アプリケーション実行装置105は、集約サイト104から受信した認可要求に応答して、認可応答を送信する。認可要求は、特定の参照者に対して特定のデータアイテムの開示の許可を要求する。認可応答は、認可要求で要求された開示の可否を示す情報を応答する。
【0029】
図3は、集約サイト104から受信する認可要求131の例を示す図である。図3を参照すると、認可要求131は、参照者識別情報132とデータアイテム識別情報133とを含む。
【0030】
参照者識別情報132は、例えば参照クライアント102にログインしてデータアイテムを参照する参照者を識別する情報である。
【0031】
データアイテム識別情報133は、データアイテムを個々に特定する識別情報である。尚、複数の情報源サイト103が存在する場合においてもデータアイテム識別情報133がユニークであるようにするため、データアイテム識別情報133は、情報源サイト103毎の固有の文字列を含むようにしてもよい。具体的には、例えば、そのようなデータアイテム識別情報133は、「1−abc(“abc”は、特定の情報源サイト103固有の文字列)」である。或いは、同様の目的で、データアイテムレコード112は、情報源サイト識別情報(図示しない)を更に含むようにしてもよい。
【0032】
図4は、認可応答136の例を示す図である。図4を参照すると、認可応答136は、認可可否情報137を含む。
【0033】
認可可否情報137は、対応するデータアイテムの開示の可否を、開示可の場合「可」で、開示不可の場合「否」で示す。この場合、対応するデータアイテムは、認可要求131に含まれるデータアイテム識別情報133で特定されるデータアイテムである。
【0034】
データ流通装置107は、データアイテムを集約サイト104へ送信する。
【0035】
集約サイト104は、アプリケーション実行装置108とデータ流通装置100とを含む。データ流通装置100は、データ流通装置107から受信したデータアイテムをデータアイテム記憶部110に記憶する。
【0036】
アプリケーション実行装置108は、参照クライアント102からの参照要求に基づいて、その参照要求に含まれるデータアイテム識別情報に対応するデータアイテムをデータ流通装置100から受け取り、参照クライアント102へ送信する。
【0037】
データ流通装置100のデータアイテム記憶部110は、1以上のデータアイテムと、そのデータアイテムに対応するデータアイテム識別情報と、そのデータアイテムに対応する開示範囲コードと、を記憶する。
【0038】
図5は、データアイテム記憶部110の構造の例を示す図である。図5を参照すると、データアイテム記憶部110は、1以上のデータアイテムレコード112を記憶する。データアイテムレコード112は、データアイテム115と、そのデータアイテム115に対応するデータアイテム識別情報133と、そのデータアイテム115に対応する開示範囲コード114とを含む。
【0039】
開示範囲コード114は、データアイテム115の開示に対する認可情報(詳細は後述する)を特定する情報である。即ち、開示範囲コード114は、データアイテム115の開示の認可可否を示す情報である1以上の認可情報を纏めて特定する。従って、複数のデータアイテム115において対応する開示範囲コード114が同一である場合、それらのデータアイテム115の開示範囲(即ち、対応する認可情報)は、同一である。
【0040】
尚、データアイテムレコード112は、複数の開示範囲コード114を含むようにしてもよい。この場合、そのデータアイテムレコード112に含まれるデータアイテム115の開示範囲は、それらの開示範囲コード114それぞれが特定する認可情報の論理和であってよい。また、その開示範囲は、それらの開示範囲コード114それぞれが特定する認可情報の論理積及び排他的論理和などの演算結果であってもよい。
【0041】
データアイテム115は、データアイテム識別情報133により特定可能な、任意のデータの塊である。
【0042】
認可情報記憶部120は、開示範囲コード114とその開示範囲コード114に対応する認可情報とを記憶する。
【0043】
図6は、認可情報記憶部120の構造の例を示す図である。図6を参照すると、認可情報記憶部120は、1以上の認可情報レコード122を記憶する。認可情報レコード122は、開示範囲コード114と参照者識別情報132と認可可否情報137とを含む。参照者識別情報132と認可可否情報137とは、合わせて認可情報とも呼ばれる。
【0044】
尚、認可情報レコード122は、認可可否情報137を含まず、開示範囲コード114と認可を許可する参照者識別情報132とを含む。
【0045】
尚、データアイテム記憶部110は、例えば、データアイテムレコード112からなるデータベースであってよい。また、認可情報記憶部120は、例えば、認可情報レコード122からなるデータベースであってよい。更にまた、データアイテム記憶部110と認可情報記憶部120とは、1つのデータベースに纏めて構成されてもよい。
【0046】
認可情報取得部130は、例えばデータ流通装置107から、認可要求131に対する認可応答136を受信し、その認可応答136に基づいて認可情報記憶部120の内容を更新する。
【0047】
具体的には、認可情報取得部130は、認可要求131に含まれるデータアイテム識別情報133に対応する開示範囲コード114と、認可要求131に含まれる参照者識別情報132と、認可応答136に含まれる認可可否情報137と、を含む認可情報レコード122を認可情報記憶部120に記録する。
【0048】
開示範囲コード取得部140は、例えばアプリケーション実行装置108から、参照要求を受信する。次に、開示範囲コード取得部140は、データアイテム記憶部110のデータアイテムレコード112を参照し、その参照要求に含まれるデータアイテム識別情報133に対応する開示範囲コード114を取得する。次に、開示範囲コード取得部140は、取得した開示範囲コード114を認可可否取得部150へ出力する。
【0049】
具体的には、開示範囲コード取得部140は、参照要求に含まれるデータアイテム識別情報133が「1」の場合、開示範囲コード114として「taro_001」を取得する。
【0050】
尚、データアイテム記憶部110に、その参照要求に含まれるデータアイテム識別情報133が存在しない場合、開示範囲コード取得部140は、開示範囲コード114を取得できない。この場合、開示範囲コード取得部140は、例えば、データ流通装置100内のデータアイテム取得手段(図示しない)に対してそのデータアイテム識別情報133に対応するデータアイテム115を取得するように指示してもよい。データアイテム取得手段は、例えば、情報源サイト103のデータ流通装置107から、そのデータアイテム115を取得する。また、開示範囲コード取得部140は、例えば、参照要求の発信元へ、開示不可を示す応答を送信するようにしてもよい。
【0051】
認可可否取得部150は、開示範囲コード取得部140から受け取った開示範囲コード114に基づいて、認可情報記憶部120の認可情報レコード122を参照し、参照要求に含まれる参照者識別情報132に対する認可可否情報137を取得する。次に、認可可否取得部150は、取得した認可可否情報137をデータアイテム出力部160へ出力する。
【0052】
尚、認可情報レコード122が、認可可否情報137を含まず、開示範囲コード114と認可を許可する参照者識別情報132とを含むようにした場合、認可可否取得部150は、以下のようにして認可の可否を示す情報を取得してもよい。この場合、参照者識別情報132は、同様にして認可情報記憶部120の認可情報レコード122を参照し、参照要求に含まれる参照者識別情報132と同じ参照者識別情報132を検出した場合、その参照者識別情報132をデータアイテム出力部160へ出力する。
【0053】
また、認可可否取得部150は、認可可否情報137を取得できなかった場合、「判定不可」の通知を認可情報取得部130へ出力する。
【0054】
認可情報取得部130は、認可可否取得部150から「判定不可」の通知を受け取った場合、アプリケーション実行装置105へ、認可要求131を送信する。アプリケーション実行装置105は、上述したように、認可要求131に応答して認可応答136を認可情報取得部130へ送信する。
【0055】
データアイテム出力部160は、受け取った認可可否情報137が「可」である場合、これに基づいて、参照要求の発信元(例えば、アプリケーション実行装置108)へ参照要求で要求されたデータアイテム115を出力する。また、データアイテム出力部160は、認可可否情報137が「否」である場合、これに基づいて参照要求の発信元へ開示不可を示す応答を送信する。
【0056】
尚、認可情報レコード122が、認可可否情報137を含まず、開示範囲コード114と認可を許可する参照者識別情報132とを含むようにした場合、データアイテム出力部160は、以下のようにして認可の可否を示す情報を取得してもよい。
【0057】
この場合、データアイテム出力部160は、参照者識別情報132を受け取ったことに基づいて、参照要求の発信元へ参照要求で要求されたデータアイテム115を出力する。
【0058】
次に、本実施形態の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0059】
図7乃至図9は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。
【0060】
まず、図1に示すデータ流通装置100において、開示範囲コード取得部140は、参照クライアント102からの参照要求を受信する(S701)。
【0061】
次に、開示範囲コード取得部140は、その参照要求に含まれるデータアイテム識別情報133をキーとして、データアイテム記憶部110から対応するデータアイテムレコード112を検索する(S702)。
【0062】
対応するデータアイテムレコード112を検出した場合(S702でYES)、処理はS703へ進む。対応するデータアイテムレコード112を検出しなかった場合(S702でNO)、処理は、図8に示すS704へ進む。
【0063】
S703において、開示範囲コード取得部140は、検出したデータアイテムレコード112から開示範囲コード114を取得し、認可可否取得部150へ出力する(S703)。そして、処理はS711へ進む。
【0064】
一方、S704において、開示範囲コード取得部140は、データアイテム取得手段にデータアイテム115を取得するように指示する(S704)。
【0065】
次に、データアイテム取得手段が、例えば、情報源サイト103のデータ流通装置107から、データアイテム115を取得(S741)した後、処理はS702へ戻る。尚、データアイテム取得手段がデータアイテム115を取得できなかった場合は、データ流通装置100は、何らかの異常処理を実行する。このような異常処理は、周知技術により実現され、本発明の本質的な部分ではないため、説明を省略する。
【0066】
S711において、認可可否取得部150は、受け取った開示範囲コード114と参照情報に含まれる参照者識別情報132とをキーとして、認可情報記憶部120から対応する認可情報レコード122を検索する(S711)
対応する認可情報レコード122を検出した場合(S711でYES)、処理はS712へ進む。対応する認可情報レコード122を検出しなかった場合(S711でNO)、処理は、図9に示すS713へ進む。
【0067】
S712において、認可可否取得部150は、検出した認可情報レコード122から認可可否情報137を取得し、データアイテム出力部160へ出力する(S712)。そして、処理は、S721へ進む。
【0068】
S721において、データアイテム出力部160は、受け取った認可可否情報137が「可」である場合、これに基づいて、参照要求の発信元(例えば、アプリケーション実行装置108)へ参照要求で要求されたデータアイテム115を送信する。また、データアイテム出力部160は、認可可否情報137が「否」である場合、これに基づいて参照要求の発信元へ開示不可を示す応答を送信する(S721)。
【0069】
一方、S713において、認可可否取得部150は、「判定不可」の通知を、認可情報取得部130へ出力する(S713)。そして処理は、S731へ進む。
【0070】
S731において、認可情報取得部130は、アプリケーション実行装置105へ、認可要求131を送信する(S731)。
【0071】
次に、認可情報取得部130は、データ流通装置107から、認可応答136を受信し、その認可応答136に基づいて認可情報記憶部120の内容を更新する(S732)。そして、処理はS711へ戻る。尚、認可応答136を受信できなかった場合は、データ流通装置100は、何らかの異常処理を実行する。このような異常処理は、周知技術により実現され、本発明の本質的な部分ではないため、説明を省略する。
【0072】
上述した本実施形態における効果は、性能劣化を抑制しつつ、データアイテム毎にダイナミックに変化する開示範囲を集約サイト104で適用することが可能になる点である。
【0073】
その理由は、以下のような構成を含むからである。即ち、第1に、開示範囲コード取得部140がデータアイテム識別情報133に対応する開示範囲コード114を取得する。第2に、認可可否取得部150が開示範囲コード114に基づいて参照者識別情報132に対する認可可否情報137を取得し、データアイテム115の認可可否を判定する。
【0074】
即ち、開示範囲コード114を同じくする複数のデータアイテム115において、それらのデータアイテム115の開示範囲が変化した場合、それらのデータアイテム115の内の1つのデータアイテム115について認可要求処理を行うだけでよいからである。
【0075】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0076】
図10は、本発明の第2の実施形態に係るデータ流通装置200の構成を示すブロック図である。
【0077】
図10を参照すると、本実施形態に係るデータ流通装置200は第1の実施形態のデータ流通装置100に比べて、認可情報先行取得部270を更に含む。また、データアイテム記憶部110に替えてデータアイテム記憶部210を、認可情報記憶部120に替えて認可情報記憶部220を、含む。
【0078】
本実施形態のデータアイテム記憶部210は、第1の実施形態のデータアイテム記憶部110に比べて、開示範囲連係情報を更に記憶する。開示範囲連携情報は、開示範囲コード114の内のいずれかの第1の開示範囲コード114と、開示範囲コード114の内の他のいずれかの第2の開示範囲コード114とを関連付ける情報である。
【0079】
本実施形態のデータ流通装置200は、開示範囲連係情報に基づいて、第1の開示範囲コード114に対応する認可情報を参照し、第2の開示範囲コード114に対応する認可情報を取得する点が、第1の実施形態のデータ流通装置100と異なる。
【0080】
図11は、本実施形態におけるデータアイテム記憶部210の構造の例を示す図である。図11を参照すると、本実施形態のデータアイテム記憶部210は、1以上のデータアイテムレコード212を記憶する。データアイテムレコード212は、第1の実施形態のデータアイテムレコード112に比べて、第1の開示範囲コード114と第2の開示範囲コード114とを関連付ける登録者識別情報(開示範囲連携情報とも呼ばれる)218を更に含む。
【0081】
第1の開示範囲コード114と第2の開示範囲コード114とは、開示範囲コード114の内の開示範囲連係情報が同一である、ある開示範囲コード114と他の開示コード114とである。
【0082】
登録者識別情報218は、例えば登録クライアント101にログインしてデータアイテム115を登録した登録者を識別する情報である。図11に示す例を参照すると、データアイテム識別情報133が「1」及び「2」のデータアイテム115の登録者は、登録者識別情報218が「taro」である同一の登録者である。尚、登録者識別情報218は、登録クライアント101のシステム内でユニークな名称であってもよい。また、開示範囲連携情報は、登録者識別情報218に替えて、図示しない手段によって分類されたデータアイテム種別であってもよい。
【0083】
本実施形態の認可情報記憶部220は、第1の実施形態の認可情報記憶部120に比べて、各開示範囲コード114に対応する前述の開示範囲連係情報を更に記憶する。
【0084】
図12は、本実施形態の認可情報記憶部220の構造の例を示す図である。図12を参照すると、本実施形態の認可情報記憶部220は、1以上の認可情報レコード222を記憶する。認可情報レコード222は、第1の実施形態の認可情報レコード122に比べて、登録者識別情報218を更に含む。
【0085】
認可情報先行取得部270は、先行認可要求231を送信する。
【0086】
図13は、先行認可要求231の例を示す図である。図13を参照すると、先行認可要求231は、参照者識別情報132と開示範囲コード114とを含む。
【0087】
先行認可要求231に含まれる参照者識別情報132は、ある登録者識別情報218(例えば、taro)に対応する開示範囲コード114(第1の開示範囲コード114、例えば、taro_001)に対応する参照者識別情報132(例えば、hanako)である。この第1の開示範囲コード114は、即ち、特定の参照者識別情報132(この場合、hanako)に対する認可情報を取得している。
【0088】
また、先行認可要求231に含まれる開示範囲コード114は、同一の登録者識別情報218(この場合、taro)に対応する、特定の参照者識別情報132(この場合、hanako)に対する認可情報を取得していない、第2の開示範囲コード114である。
【0089】
次に、認可情報先行取得部270は、先行認可要求231に対する認可応答(先行認可応答とも呼ばれる)136を受信する。次に、認可情報先行取得部270は、認可応答136に基づいて認可情報記憶部220の内容を更新する。
【0090】
具体的には、認可情報先行取得部270は、第2の開示範囲コード114と、対応する登録者識別情報218と、認可要求131に含まれる参照者識別情報132と、認可応答136に含まれる認可可否情報137と、を含む認可情報レコード222を認可情報記憶部220に記録する。
【0091】
図14は、図12に示す認可情報記憶部220に対して、登録者識別情報218が「taro」であり開示範囲コード114が「taro_001」の認可情報レコード222を参照して追加された、登録者識別情報218が同じく「taro」であり開示範囲コード114が「taro_002」の認可情報レコード222の例である。図14の下の2行の開示範囲コード114が、追加された認可情報レコード222である。
【0092】
次に、本実施形態の認可情報先行取得部270の動作について、図を参照して詳細に説明する。
【0093】
図15は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。
【0094】
本動作は、図示しない手段により認可情報取得部130が認可応答136を受信し、認可情報記憶部220の内容を更新したことを契機にして、開始する。尚、本動作は、図示しない計時部からの割り込みを契機にして、開始するようにしてもよい。また、本動作は、第2の開示範囲コード114に対応するデータアイテム115を情報源サイト103から受信したことを契機にして、開始するようにしてもよい。
【0095】
認可情報先行取得部270は、先行認可要求231を送信する(S761)
認可情報先行取得部270は、先行認可要求231に対する認可応答136を受信する(S762)
次に、認可情報先行取得部270は、認可応答136に基づいて認可情報記憶部220の内容を更新する(S763)。
【0096】
本実施形態のデータ流通装置200は、第1の実施形態のデータ流通装置100に替えて、図2に示すデータ流通システムの集約サイト104に含まれるようにしてもよい。
【0097】
上述した本実施形態における効果は、第1の実施形態の効果に加えて、参照要求に対する応答の時間を短縮することが可能になる点である。
【0098】
その理由は、認可情報先行取得部270が登録者識別情報218に基づいて、既に取得されている第1の開示範囲コード114の認可情報を参照し、未だ認可情報を取得していない第2の開示範囲コード114の認可情報を取得するようにしたからである。
【0099】
こうすることで、一度も参照要求を受けたことがないデータアイテム115についても、事前に認可情報を取得しておくことができるため、参照要求を受けた時点で開示の許可を要求する処理を行う必要がない場合が、増加する。このような場合、参照要求に対して、すぐ応答することができるため、参照要求に対する応答の時間を短縮することが可能になる。
【0100】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0101】
本発明の第3の実施形態は、認可情報の有効期限管理を行う点が第1の実施形態と異なる。
【0102】
図16は、本発明の第3の実施形態に係るデータ流通装置300の構成を示すブロック図である。
【0103】
図16を参照すると、本実施形態に係るデータ流通装置300は第1の実施形態のデータ流通装置100に比べて、認可情報記憶部120に替えて認可情報記憶部320を、含む。
【0104】
本実施形態の認可情報記憶部320は、第1の実施形態の認可情報記憶部120に比べて、認可情報の有効期限を更に含む。
【0105】
図17は、本実施形態の認可情報記憶部320の構造の例を示す図である。図17を参照すると、本実施形態の認可情報記憶部320は、1以上の認可情報レコード322を記憶する。認可情報レコード322は、第1の実施形態の認可情報レコード122に比べて、有効期限319を更に含む。有効期限319は、例えば、分単位で表される現在時刻からの残時間である。有効期限319は、例えばまた、年月日及び時分で表される時刻であってもよい。
【0106】
本実施形態の認可情報取得部130は、認可応答136を受信し、認可情報記憶部320を更新する場合に、有効期限319を更に含む認可情報レコード322を記録する。尚、有効期限319は、例えば、予め定められた時間(例えば、600分)である。この時間は、情報源サイト103においてデータアイテム115の開示の認可可否が変化する間隔、データアイテム115の機密度及び登録者の指定などによって定められてよい。
【0107】
尚、情報源サイト103は認可応答136に有効期限319を付加して、送信するようにしてもよい。この場合、認可情報取得部130は、受信した認可応答136に含まれる有効期限319を含む認可情報レコード322を、認可情報記憶部320に記録するようにしてもよい。
【0108】
データ流通装置100は、図示しないインターバルタイマ手段を有する。インターバルタイマ手段は、例えば、1分経過するたびに、認可情報レコード322の有効期限319を、0になるまで減算する。
【0109】
尚、有効期限319が、年月日及び時分で表される時刻である場合、データ流通装置100は、有効期限319を監視可能とするために、現在時刻を示す時計手段を有していてもよい。
【0110】
本実施形態の認可可否取得部150は、有効期限319に基づいて、認可可否情報137を取得する。
【0111】
具体的には、本実施形態の認可可否取得部150は、図7に示すS711に対応する処理において、対応する認可情報レコード322を検出した場合、有効期限319をチェックする。そして、認可可否取得部150は、有効期限が切れている場合、その認可情報レコード122を検出しなかったものと見做す。即ち、認可可否取得部150は、有効期限の過ぎた認可可否情報137を取得しない。
【0112】
尚、有効期限が切れている場合とは、有効期限319の内容が「0」の場合である。
【0113】
また、有効期限319が、年月日及び時分で表される時刻である場合、有効期限が切れている場合とは、現在時刻が有効期限319に格納されている時刻を過ぎている場合である。
尚、認可可否取得部150は、有効期限が切れている認可情報レコード322を検出した場合、その認可情報レコード322を消去するようにしてもよい。
【0114】
本実施形態は、第2の実施形態と組み合わせて実施してもよい。この場合、データ流通装置の構成は、図10に示すデータ流通装置200と同等である。またこの場合、データアイテムレコードは、例えば図11に示すデータアイテムレコード212と同様であり、認可情報レコードは、例えば図12に示す認可情報レコード222に更に有効期限319を含む認可情報レコードである。
【0115】
本実施形態のデータ流通装置100は、第1の実施形態のデータ流通装置100に替えて、図2に示すデータ流通システムの集約サイト104に含まれるようにしてもよい。
【0116】
上述した本実施形態における効果は、第1の実施形態の効果に加えて、データ流通装置100で記憶している認可情報を、情報源サイト103におけるデータアイテム115の開示の認可可否の変化に、適時に追随させることが可能になる点である。
【0117】
その理由は、認可可否取得部150は、有効期限319に基づいて、認可可否情報137を取得するようにしたからである。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0118】
本発明の第4の実施形態に係るデータ流通装置は、プログラムにより所定の処理をコンピュータに実行させるように構成したデータ流通装置である。
【0119】
図18は、第4の実施形態の構成を示すブロック図である。図18を参照すると、本実施形態に係るデータ流通装置400は、CPU(Central Processing Unit)410、ディスク装置420、記憶部430及び通信部450を備えている。
【0120】
例えば、図1に示す第1の実施形態のデータ流通装置100の認可情報取得部130、開示範囲コード取得部140、認可可否取得部150及びデータアイテム出力部160は、CPU410とディスク装置420と記憶部430とに対応する。また、データ流通装置100のデータアイテム記憶部110及び認可情報記憶部120は、記憶部430に対応する。
【0121】
CPU410は、ディスク装置420に格納されたプログラムを、例えば記憶部430に展開し、展開したプログラムに基づいて、認可情報取得部130、開示範囲コード取得部140、認可可否取得部150及びデータアイテム出力部160と同様の処理を実行する。
【0122】
ディスク装置420は、そのプログラムを記憶する。
【0123】
記憶部430は、展開されたそのプログラムを記憶する。また、記憶部430は、データアイテム記憶部110と同様に、データアイテムレコード112を記憶する。更に、記憶部430は、認可情報記憶部120と同様に、認可情報レコード122を記憶する。
【0124】
通信部450は、認可情報取得部130、開示範囲コード取得部140及びデータアイテム出力部160に含まれる。
【0125】
尚、第2及び第3の実施形態についても、同様に、データ流通装置200及びデータ流通装置300は、図18に示すような、汎用的なコンピュータによって構成されるデータ流通装置100であってもよい。
【0126】
本実施形態のデータ流通装置400は、第1の実施形態のデータ流通装置100に替えて、図2に示すデータ流通システムの集約サイト104に含まれるようにしてもよい。
【0127】
上述した本実施形態における効果は、第1の実施形態の効果と同様である。
【0128】
また、第2の実施形態のデータ流通装置200及び第3の実施形態のデータ流通装置300を、本実施形態のようにプログラムにより所定の処理をコンピュータに実行させるように構成した場合は、第2及び第3の実施形態の効果を得ることができる。
【0129】
以上の各実施形態で説明した各構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はない。例えば、各構成要素は、複数の構成要素が1個のモジュールとして実現されたり、一つの構成要素が複数のモジュールで実現されたりしてもよい。また、各構成要素は、ある構成要素が他の構成要素の一部であったり、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していたり、といったような構成であってもよい。
【0130】
また、以上説明した各実施形態では、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0131】
更に、以上説明した各実施形態では、複数の動作は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。例えば、ある動作の実行中に他の動作が発生したり、ある動作と他の動作との実行タイミングが部分的に乃至全部において重複していたりしていてもよい。
【0132】
更に、以上説明した各実施形態では、ある動作が他の動作の契機になるように記載しているが、その記載はある動作と他の動作の全ての関係を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の関係は内容的に支障のない範囲で変更することができる。また各構成要素の各動作の具体的な記載は、各構成要素の各動作を限定するものではない。このため、各構成要素の具体的な各動作は、各実施形態を実施する上で機能的、性能的、その他の特性に対して支障をきたさない範囲内で変更されて良い。
【0133】
尚、以上説明した各実施形態における各構成要素は、必要に応じ可能であれば、ハードウェアで実現されても良いし、ソフトウェアで実現されても良いし、ハードウェアとソフトウェアの混在により実現されても良い。
【0134】
また、各構成要素の物理的な構成は、以上の実施形態の記載に限定されることはなく、独立して存在しても良いし、組み合わされて存在しても良いし、または分離して構成されても良い。
【符号の説明】
【0135】
100 データ流通装置
101 登録クライアント
102 参照クライアント
103 情報源サイト
104 集約サイト
105 アプリケーション実行装置
107 データ流通装置
108 アプリケーション実行装置
110 データアイテム記憶部
112 データアイテムレコード
114 開示範囲コード
115 データアイテム
120 認可情報記憶部
122 認可情報レコード
130 認可情報取得部
131 認可要求
132 参照者識別情報
133 データアイテム識別情報
136 認可応答
137 認可可否情報
140 開示範囲コード取得部
150 認可可否取得部
160 データアイテム出力部
200 データ流通装置
210 データアイテム記憶部
212 データアイテムレコード
218 登録者識別情報
220 認可情報記憶部
222 認可情報レコード
231 先行認可要求
270 認可情報先行取得部
300 データ流通装置
319 有効期限
320 認可情報記憶部
322 認可情報レコード
400 データ流通装置
410 CPU
420 ディスク装置
430 記憶部
450 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のデータアイテムと、対応する前記データアイテムの識別情報であるデータアイテム識別情報と、前記データアイテムの開示に対する認可情報を特定する開示範囲コードと、を記憶するデータアイテム記憶部と、
1以上の前記開示範囲コードと対応する前記データアイテムの認可情報とを記憶する認可情報記憶部と、
前記データアイテムの開示の認可を要求する認可要求に対する認可応答を受信し、前記認可応答に基づいて前記認可情報記憶部の内容を更新する認可情報取得部と、
参照要求を受信し、前記データアイテム記憶部を参照して前記参照要求に含まれる前記データアイテム識別情報に対応する前記開示範囲コードを取得し、出力する開示範囲コード取得部と、
前記開示範囲コードに基づいて前記認可情報記憶部を参照し、前記参照要求に含まれる参照者識別情報に対する前記データアイテムの開示の認可の可否を示す情報を取得し、前記取得した認可の可否を示す情報を出力する認可可否取得部と、
前記認可の可否を示す情報に基づいて、前記参照要求で要求された前記データアイテムを出力するデータアイテム出力部と、を含む
データ流通装置。
【請求項2】
前記データアイテム記憶部は、前記開示範囲コードの内のいずれかの第1の開示範囲コードと前記開示範囲コードの内の他のいずれかの第2の開示範囲コードとを関連付ける開示範囲連携情報を更に記憶し、
前記認可情報記憶部は、前記開示範囲コードに対応する前記開示範囲連携情報を更に記憶し、
前記第1の開示範囲コードに対応する前記参照者識別情報と第2の開示範囲コードとを含む先行認可要求を送信し、前記先行認可要求に対する先行認可応答を受信し、前記先行認可応答に基づいて前記認可情報記憶部の内容を更新する認可情報先行取得部を更に含む
ことを特徴とするデータ流通装置。
【請求項3】
前記認可情報記憶部は、前記認可情報の有効期限を更に含む、
ことを特徴とする請求項1または2記載のデータ流通装置。
【請求項4】
請求項1記載のデータ流通装置と、
前記データアイテム識別情報、前記開示範囲コード及び前記データアイテムとを対応づけて、前記データ流通装置に送信するデータアイテム供給部と、
前記認可要求を受信し、前記受信した認可要求に応答して前記認可応答を送信する認可情報提供部と、
前記参照要求を送信する参照要求部と、を含む
データ流通システム
【請求項5】
請求項2記載のデータ流通装置と、
前記データアイテム識別情報、前記開示範囲コード、開示範囲連携情報及び前記データアイテムとを対応づけて、前記データ流通装置に送信するデータアイテム供給部と、
前記認可要求を受信し、前記受信した認可要求に応答して前記認可応答を送信し、前記先行認可要求を受信し、前記受信した先行認可要求に応答して先行認可応答を送信する認可情報提供部と、
前記参照要求を送信する参照要求部と、を含む
データ流通システム
【請求項6】
請求項3記載のデータ流通装置と、
前記データアイテム識別情報、前記開示範囲コード、前記有効期限及び前記データアイテムとを対応づけて、前記データ流通装置に送信するデータアイテム供給部と、
前記認可要求を受信し、前記受信した認可要求に応答して前記認可応答を送信する認可情報提供部と、
前記参照要求を送信する参照要求部と、を含む
データ流通システム
【請求項7】
前記認可情報記憶部は、前記認可情報の有効期限を更に含む、請求項2記載のデータ流通装置と、
前記データアイテム識別情報、前記開示範囲コード、前記開示範囲連携情報、前記有効期限及び前記データアイテムとを対応づけて、前記データ流通装置に送信するデータアイテム供給部と、
前記認可要求を受信し、前記受信した認可要求に応答して前記認可応答を送信し、前記先行認可要求を受信し、前記受信した先行認可要求に応答して先行認可応答を送信する認可情報提供部と、
前記参照要求を送信する参照要求部と、を含む
データ流通システム
【請求項8】
1以上のデータアイテムと、対応する前記データアイテムの識別情報であるデータアイテム識別情報と、前記データアイテムの開示に対する認可情報を特定する開示範囲コードと、を記憶するデータアイテム記憶部と、
1以上の前記開示範囲コードと対応する前記データアイテムの認可情報とを記憶する認可情報記憶部と、を含むデータ流通装置が、
前記データアイテムの開示の認可を要求する認可要求に対する認可応答を受信し、前記認可応答に基づいて前記認可情報記憶部の内容を更新し、
参照要求を受信し、前記データアイテム記憶部を参照して前記参照要求に含まれる前記データアイテム識別情報に対応する前記開示範囲コードを取得し、出力し、
前記開示範囲コードに基づいて前記認可情報記憶部を参照し、前記参照要求に含まれる参照者識別情報に対する前記データアイテムの開示の認可の可否を示す情報を取得し、前記取得した認可の可否を示す情報を出力し、
前記認可の可否を示す情報に基づいて、前記参照要求で要求された前記データアイテムを出力する
データ流通方法。
【請求項9】
1以上のデータアイテムと、対応する前記データアイテムの識別情報であるデータアイテム識別情報と、前記データアイテムの開示に対する認可情報を特定する開示範囲コードと、を記憶するデータアイテム記憶部と、
1以上の前記開示範囲コードと対応する前記データアイテムの認可情報とを記憶する認可情報記憶部と、を含むコンピュータに、
前記データアイテムの開示の認可を要求する認可要求に対する認可応答を受信し、前記認可応答に基づいて前記認可情報記憶部の内容を更新する処理と、
参照要求を受信し、前記データアイテム記憶部を参照して前記参照要求に含まれる前記データアイテム識別情報に対応する前記開示範囲コードを取得し、出力する処理と、
前記開示範囲コードに基づいて前記認可情報記憶部を参照し、前記参照要求に含まれる参照者識別情報に対する前記データアイテムの開示の認可の可否を示す情報を取得し、前記取得した認可の可否を示す情報を出力する処理と、
前記認可の可否を示す情報に基づいて、前記参照要求で要求された前記データアイテムを出力する処理とを、実行させる
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−243075(P2012−243075A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112332(P2011−112332)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】