説明

データ照合機

【課題】 読取データの照合判定を行うとともに、読取品質レベルに基づいて読取品質警告を行うデータ照合機を提供することを目的とする。
【解決手段】 バーコードリーダ10から読取データ及び読取品質データが入力されるデータ入力手段と、照合条件をそれぞれ規定する複数の照合レコードRDを保持する照合データ記憶手段125と、上記読取データを上記照合レコードRDと照合し、照合判定を行う照合判定手段と、上記読取品質データに基づいて読取品質レベルを判別し、読取品質警告を出力する読取品質発報手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ照合機に係り、更に詳しくは、データ読取装置から入力される読取データについて照合判定を行うデータ照合機の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードは、黒などの低反射率のバー領域と、白などの高反射率のスペース領域とを交互に配置し、これらの領域の幅の組み合わせとして、一連の英数字からなるデータを記録している。識別対象物へのバーコード表示は、例えば、剥離紙などにバーコードを印字して識別対象物に貼り付けたり、識別対象物にバーコードを直接印刷することによって行われる。
【0003】
バーコードリーダは、バーコードを光学的に読み取り、当該バーコードに記録されているデータを取得するデータ読取装置である。バーコードに対してレーザー光を照射し、その反射光を受光素子で検出して二値化処理することにより、バーコードの各バー領域及び各スペース領域の幅が求められる。この領域幅の情報をデコードすれば、バーコードに記録されていた一連の英数字からなるデータを得ることができる。このようにして読み取られた情報は、読取データとしてバーコードリーダから出力される。
【0004】
データ照合機は、バーコードリーダから出力される読取データについて照合判定を行う装置であり、予め定められた照合データに基づく照合処理を行っている。この照合データは、通常、照合条件を規定する多数の照合レコードからなり、上記照合処理は、読取データをこれらの各照合レコードと順次に照合することにより、照合条件に合致する照合レコードを判別する処理からなる。あるいは、アクティブレコードとして予め指定された照合レコードとのみ照合し、その照合条件に合致するか否か判別する処理からなる。このような照合結果に基づいて、様々な外部機器を制御すれば、バーコード読取に基づく様々な自動制御や物流管理などを行うことができる。
【特許文献1】特開平8−320906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
データ読取装置は、読取精度を向上させるために、複数回にわたり読取試行を行ったり、読取データについて誤り訂正を行ったりしているものが多い。このようなデータ読取装置を用いることによって、品質レベルの低いバーコードであっても、正しい読取データを取得することができる。
【0006】
また、データ照合機は、データ読取装置からの読取データについて、正しい照合結果を得ることを目的としている。このため、品質レベルの低いバーコードであっても、データ読取装置において、読取データが正しく取得されている限り、正しい照合結果が得られる。従って、品質レベルの低いバーコードであっても、データ読取装置で正しく読み取ることができれば、データ照合機での照合にも成功することができる。
【0007】
ところが、ほとんどのバーコードは、場所や時間を異ならせて2回以上の読み取りが行われ、バーコードを正しく読み取ることができるか否かは、データ読取装置の性能、ばらつき、読み取り時の周辺環境などにも左右される。従って、品質レベルの低いバーコードは、その後のデータ読取時に正しく読み取ることができない可能性が高く、早い段階で排除されることが望ましい。このため、従来は、目視による検査を行って、品質レベルの低いバーコードを排除していた。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、読取データの照合判定を行うとともに、読取品質レベルに基づいて読取品質警告を行うことができるデータ照合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明によるデータ照合機は、データ読取装置から読取データ及び読取品質データが入力されるデータ入力手段と、照合条件をそれぞれ規定する複数の照合レコードを保持する照合データ記憶手段と、上記読取データを上記照合レコードと照合し、照合判定を行う照合判定手段と、上記読取品質データに基づいて読取品質レベルを判別し、読取品質警告を出力する読取品質発報手段とを備えて構成される。
【0010】
第2の本発明によるデータ照合機は、上記構成に加えて、上記データ入力手段が、複数回の読取試行を行って読取データを取得するデータ読取装置から、読取品質データとして、読取試行回数及び読取成功回数を出力し、上記読取品質発報手段が、上記読取試行回数及び読取成功回数に基づいて読取品質レベルを判別し、読取品質警告を出力するように構成される。
【0011】
第3の本発明によるデータ照合機は、上記構成に加えて、上記データ入力手段が、読取データについて誤り訂正を行うデータ読取装置から、読取品質データとして、誤り訂正率を出力し、上記読取品質発報手段が、上記誤り訂正率に基づいて読取品質レベルを判別し、読取品質警告を出力するように構成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、データ照合機において、読取データの照合判定を行うとともに、読取品質レベルに基づいて読取品質警告を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[1.システム構成]
図1は、本発明によるデータ照合機を用いたバーコードシステムの一構成例を示した図であり、生産工場内における自動化システム(いわゆるFAシステム)への適用例が示されている。
【0014】
バーコードリーダ10,11は、製造物30、タグT2、手順指示書T3などに印刷されたバーコードを読み取り、読取データをデータ照合機12に出力している。データ照合機12は、バーコードリーダ10,11からの読取データを予め定められた照合データと照合している。PLC(Programmable Logic Controller)15は、駆動装置、検出装置、操作入力装置などのFA機器16について動作制御を行っているプログラマブルコントローラであり、データ照合機12における照合結果に基づいて、これらの機器を制御している。
【0015】
なお、データ照合機12もPLC15の制御対象の一つである。パーソナルコンピュータ14は、データ照合機12及びバーコードリーダ10,11の各種機能の設定や動作モードの選択などを行うための端末装置である。また、パーソナルコンピュータ14、PLC15、警告灯23は、データ照合機12に接続される外部機器の一例であり、FA機器16をデータ照合機12に直接接続し、データ照合機12の照合結果に基づいて、これらのFA機器16を制御することもできる。
【0016】
1.1 バーコードリーダ
図2は、図1のバーコードリーダ10の一構成例を示したブロック図である。このバーコードリーダ10は、主要な制御を行う制御部100と、バーコードの読み取りを行うバーコード読取部101と、ユーザが操作入力を行うトリガスイッチ102及びモードスイッチ103と、データ照合機12との通信を行う通信I/F(Inter/Face)部105と、設定データや読取データなどを記憶するデータ記憶部106からなる。
【0017】
バーコード読取部101は、制御部100から点灯信号が入力されると、バーコードの読み取りを行い、読取画像信号を制御部100へ出力する。発光素子110は、点灯信号に基づいて点灯するレーザ光源からなる。発光素子110から出射されたレーザ光、スキャン装置111を介して、バーコードに照射される。スキャン装置111は、このレーザ光をバーコード上で走査させるポリゴンミラーやガルバノミラーなどからなる。バーコードからの反射光は、受光素子112において電気信号に変換された後、さらに信号処理部113において、増幅処理、ノイズ除去処理、二値化処理などが行われ、読取画像信号として制御部100へ出力される。制御部100は、この読取画像信号をデコードして、バーコードに記録されていた一連の英数字からなる情報(読取データ)に変換する。この読取データは、通信I/F部105を介してデータ照合機12へ出力され、あるいは、データ記憶部106へ格納される。
【0018】
トリガスイッチ102は、ユーザがバーコードの読み取り開始を指示するための操作スイッチである。制御部100は、手動読み取り時には、トリガスイッチ102の操作信号に基づいて、自動読み取り時には、データ照合機12からのトリガ信号に基づいて、バーコード読取部101への点灯信号を生成している。モードスイッチ103は、ユーザが動作モードを選択するための操作スイッチである。バーコードリーダ10は、複数の動作モードから任意の1つの動作モードを選択することができ、アクティブな動作モードは、モードスイッチ103を操作することによって順に切り換えることができる。
【0019】
データ記憶部106は、各動作モードごとの設定データ106Aを記憶しているメモリである。これらの設定データ106Aは、データ照合機12からの送信データや、バーコード読取部101での読取データに基づいて、制御部100により更新される。また、制御部100は、動作モードが切り替えられた場合、アクティブな動作モードの設定データをデータ記憶部106から読み出し、当該設定データに基づいて動作する。
【0020】
バーコードリーダ10は、ハンディタイプ(手持ち型)であり、トリガスイッチ102やモードスイッチ103などを備えている。これに対し、バーコードリーダ11は固定式であり、このような操作スイッチを備えておらず、また、動作モードを持たないか、あるいは、選択可能な動作モードや機能がハンディタイプに比べて少ない。既に広く普及しているバーコードリーダには様々な仕様のものが存在し、ここでは、その一例として、ハンディタイプと固定式のバーコードリーダ10,11を示している。データ照合機12には、様々なバーコードリーダを接続することができ、また、同一又は異なる種類の2以上のバーコードリーダを同時に接続し、これらのバーコードリーダを区別して同時に運用することができる。すなわち、各バーコードリーダ10,11ごとに照合処理が予め定められ、各バーコードリーダ10,11ごとの照合結果を得ることができる。
【0021】
なお、本実施の形態におけるバーコードリーダ10,11は、データ照合機12において照合対象となるデータを入力するデータ入力装置の一例であり、シンボルを光学的に読み取って当該シンボル中の記録情報を取り出すことができる他の光学式情報読取装置(例えば、2次元コードの読取装置)を上記データ入力装置とすることもできる。さらに、上記データ入力装置は、光学式情報読取装置だけに限定されず、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ、非接触型ICカードなどに記録された情報を読み取ることができる無線情報読取装置であってもい。
【0022】
1.2 データ照合機
図3は、図1のデータ照合機12の一構成例を示したブロック図である。このデータ照合機12は、主要な制御を行う制御部120と、ユーザ入力が行われる操作入力部121と、ユーザへの表示出力を行う表示部122と、現在日時を保持する時計部123と、設定データを記憶する設定データ記憶部124と、照合データを記憶する照合データ記憶部125と、データ入出力を行うためのI/F部131〜135からなる。
【0023】
操作入力部121は複数の操作キーからなり、ユーザがキー操作を行えば、操作入力部121から制御部120へキー操作信号が出力される。制御部120は、このキー操作信号に基づいて、動作モードの切り替えなどを行う。表示部122は、照合成功を示す「照合OK」、照合失敗を示す「照合NG」、読み取り不良を示す「読取エラー」などを示す各LEDや、文字情報を含むその他の情報を表示するための液晶表示パネルからなり、制御部120によって制御される。
【0024】
時計部123は、時間経過を計測し、現在の日付や時刻を生成することができる時計回路であり、ここでは、現在の日付データが制御部120へ出力されるものとする。
【0025】
設定データ記憶部124は、各動作モードごとの設定データ124dを記憶しているメモリである。制御部120は、動作モードが切り替えられた場合、アクティブな動作モードの設定データ124dを設定データ記憶部124から読み出し、当該設定データ124dに基づいて動作する。照合データ記憶部125は、バーコードリーダ10,11の読取データの照合処理に用いられる照合データ125dを記憶しているメモリである。
【0026】
リーダI/F部131,132は、バーコードリーダ10,11との通信インターフェース回路である。PLCI/F部133、端末I/F部134は、それぞれPLC15、パーソナルコンピュータ14とのインターフェース回路である。これらのインターフェース回路131〜134は、いずれもシリアル通信又はパラレル通信を行うためのものである。ラインI/F部135は、照合OK信号、照合NG信号、品質警告信号、読取エラー信号の出力端子と、インターロック解除信号の入力端子からなる。
【0027】
制御部120は、リーダI/F部131を介して、バーコードリーダ10,11から読取データが入力される。この読取データが所定の読取品質を下回った場合に、品質低下信号を出力し、正しく読み取れない場合には、読取エラー信号を出力する。また、読取データを照合データ125dと照合し、この照合結果に基づいて、照合OK信号、照合NG信号を出力する。また、照合結果をパーソナルコンピュータ14やPLC15へ出力することもできる。さらに、バーコードリーダ10,11、パーソナルコンピュータ14、及び、PLC15との間で双方向通信を行うことができる。なお、読取データ照合処理の詳細については後述する。
【0028】
1.3 PLC
図4は、図1のPLC15の一構成例を示したブロック図である。このPLC15は、主要な制御を行う制御部150と、FA機器16からデータ入力が行われる入力回路152と、これらの入力データを保持する入力メモリ151と、出力データを保持する出力メモリ153と、これらの出力データをFA機器16へ出力する出力回路154と、内部メモリ157と、データ照合機12との通信を行う照合機I/F部155と、ラダープログラム156aを格納するプログラムメモリ156とを備えている。
【0029】
制御部150は、ラダープログラム156aを実行し、入力メモリ151及び内部メモリ157のデータに基づいて、出力メモリ153及び内部メモリ157のデータを更新している。
【0030】
また、照合機I/F部155は、データ照合機12とのシリアル通信又はパラレル通信を行うためのインターフェース回路であり、制御部150は、データ照合機12により内部メモリ157のデータ参照及びデータ更新を制御している。PLC15及びデータ照合機12間のデータ通信は、当該内部メモリ157を介して行われており、このような接続形態は、PLCリンクと呼ばれている。すなわち、データ照合機12は、内部メモリ157内の予め定められたデータエリアを監視しており、制御部150が、このデータエリアを更新することによって、PLC15からデータ照合機12へのデータ伝送が実現される。同様にして、制御部150は、内部メモリ157内の予め定められたデータエリアを監視しており、データ照合機12が、このデータエリアを更新することによって、データ照合機12からPLC15へのデータ伝送が実現される。
【0031】
[2.照合データ]
データ照合機12は、バーコードリーダ10,11から入力された読取データを照合データ125dと照合し、照合OK又は照合NGを判別する読取データ照合処理を行っている。この読取データ照合処理に使用される照合データ125dは、データ照合機12の照合データ記憶部125内に保持されている。
【0032】
2.1 照合データ
図5は、照合データ125dの一構成例を示した図である。照合データ125dは、複数の照合レコードRDからなる。図5では、表全体が照合データ125dに相当し、この表中の1行が照合レコードRDに相当する。読取データ照合処理は、照合レコードRDを単位として行われ、照合レコードRDごとの照合処理をレコード照合処理と呼ぶことにする。つまり、読取データ照合処理は1又は2以上のレコード照合処理からなる。
【0033】
また、各照合レコードRDには、照合条件を主として規定する1又は2以上の照合マスタM1〜M3が含まれ、上記レコード照合処理は、照合マスタM1〜M3に基づいて行われる。なお、本明細書では、読取データがいずれかの照合レコードRDの照合条件に一致することを照合の成功と呼び、一致しないことを照合の失敗と呼ぶことにする。
【0034】
2.2 照合レコード
図6は、照合データ125dを構成する各照合レコードRDのフォーマットの一例を示した図である。図中の(a)に示された照合レコードRDは、レコード番号r1、照合番号r2、ポート番号r3及び3つの照合マスタM1〜M3からなる。
【0035】
(1)レコード番号r1
レコード番号r1は、各照合レコードRDに固有のシリアル番号であり、例えば、100個の照合レコードRDが指定されている場合、各照合レコードRDには、レコード番号として1〜100のいずれかが重複しないように割り当てられている。このレコード番号r1は、後述するノーマル照合等において使用され、照合処理の実行順序と、照合結果の優先順位を決定している。
【0036】
(2)照合番号r2
照合番号r2は、データ照合機12が照合結果として出力するデータである。照合に成功した場合、読取データが一致した照合レコードRDの照合番号r2が、表示部122に表示され、また、パーソナルコンピュータ14やPLC15へ出力される。一方、照合に失敗した場合、予め定められたNG番号(例えば999)が出力される。一般に、照合番号は、各照合レコードRDごとに異なる値とされるが、2以上の照合レコードRDに同一の照合番号r2を割り当てることもできる。この場合、これらの照合レコードRDの照合条件の論理和(オア)を照合条件とする照合レコードが規定されたのと等価になる。なお、照合レコードRDの照合番号r2として上記NG番号を割り当てることもできる。
【0037】
(3)ポート番号r3
ポート番号r3は、照合対象となる読取データを入力ポートによって指定するデータである。つまり、各照合レコードRDごとに、照合対象となる読取データをバーコードリーダ10,11によって指定することができる。ここでは、リーダI/F部131を「ポート1」、リーダI/F部132を「ポート2」とし、バーコードリーダ10,11が接続されるコネクタを指定している。この場合、リーダI/F部131から入力された読取データは、「ポート1」が指定された照合レコードRDと照合され、「ポート2」が指定された照合レコードRDとは照合されない。なお、ポート番号r3によって、同じ照合レコードRDが両ポートを同時に指定することも可能に構成されることが望ましい。
【0038】
2.3 照合マスタ
図6の(b)〜(d)は、照合マスタM1〜M3の詳細構成例を示した図である。照合マスタM1〜M3は、それぞれ独立して照合条件を規定しているデータブロックであり、各照合レコードRDには、少なくとも1つの照合マスタが含まれている。ここでは、各照合レコードRDが常に第1照合マスタM1を有し、必要に応じて、さらに他の照合マスタM2,M3を有するものとする。
【0039】
1つの照合レコードRDに2以上の照合マスタM1〜M3が含まれている場合、後述するノーマル照合やアクティブ照合等において「複数照合処理」が行われる。複数照合処理とは、1つの読取データについて、各照合マスタM1〜M3を用いたマスタ照合処理が順次に行われ、これらの照合結果の論理積を当該照合レコードRDについての照合結果とするレコード照合処理である。
【0040】
第1照合マスタM1は、マスタデータm1、置換文字列m2、データ種別m3、限定方向m4、桁限定フラグm5、開始桁m6、有効桁m7及び比較論理m8の各データからなる。その他の照合マスタM2,M3は、置換文字列m2を有しない点を除き、第1照合マスタM1と同じフォーマットからなる。
【0041】
(1)桁限定データm4〜m7
限定方向m4、桁限定フラグm5、開始桁m6及び有効桁m7の各データは、桁限定を行う場合、すなわち、一連の英数字からなる読取データの全桁ではなく、その一部の桁を照合対象として指定する場合に使用される。桁限定フラグm5は、桁限定の有無を指定するデータであり、桁限定フラグm5が「有効」であれば、限定方向m4、開始桁m6及び有効桁m7のデータにより指定される範囲が照合対象とされる。一方、桁限定フラグm5が「無効」であれば、読取データの全桁が照合対象となり、限定方向m4、開始桁m6及び有効桁m7のデータは無視される。
【0042】
上記桁限定では、開始桁m6を起点として限定方向m4へ連続する有効桁m7からなる範囲が照合対象として指定される。開始桁m6は、照合対象の一端であって、桁限定の起点となる位置(開始桁)を指定するデータであり、読取データの先頭から開始桁までの桁数により示されている。限定方向m4は、開始桁m6から読取データの先頭側へ遡って開始桁m6を末尾とする範囲を指定するのか、或いは、読取データの末尾側へ進んで開始桁m6を先頭とする範囲を指定するのかを示すデータであり、先頭側へ遡る「前方へ」又は末尾側へ進む「後方へ」のいずれかからなる。有効桁m7は、照合対象の桁数を指定するデータである。このような桁限定により、読取データの全部又は一部であって連続する任意の桁範囲を照合対象として指定することができる。
【0043】
(2)データ種別m3
データ種別m3は、照合対象のデータ種別を示すデータであり、このデータ種別によって照合方法も異なる。ここでは、照合対象が文字列データの場合と、日付データの場合があり、データ種別m3として「文字列」及び「日付」のいずれか一方が指定されているものとする。
【0044】
(3)マスタデータm1
マスタデータm1は、照合対象と比較されるデータ(比較データ)を規定している。データ種別m3が「文字列」の場合、マスタデータm1として、比較データそのもの(つまり文字列データ)が指定されている。一方、データ種別m3が「日付」である場合には、現在日付に対するオフセット値(つまり日数)が指定されており、時計部123で生成された現在日付に当該オフセット値を加えた日付が、照合対象と比較される比較データとなる。この様にして、マスタデータm1は、データ種別m3に応じて、比較データ自体が規定されている場合と、比較データを求めるためのオフセット値が規定されている場合がある。
【0045】
(4)置換文字列m2
置換文字列m2は、照合成功時に表示部122に表示される文字列である。表示部122にマスタデータm1を表示しても、ユーザが理解するのが困難な場合が多いため、照合に成功した照合レコードRDの置換文字列m2が表示される。また、照合成功時に、置換文字列m2をPLC15及びパーソナルコンピュータ14へ出力させ、これらの機器の表示部に表示させることもできる。
【0046】
なお、置換文字列m2は、第1照合マスタM1においてのみ規定されているが、第1照合マスタM1による照合成功時だけでなく、第2又は第3照合マスタM2,M3による照合成功時にも、置換文字列m2の表示や、置換文字列m2の出力を行ってもよい。例えば、後述する三点照合やピッキング照合における2回目、3回目の照合成功時には、1回目の照合成功時と同じ置換文字列m2が表示され、あるいは、出力される。
【0047】
(5)比較論理m8
比較論理m8は、データ種別m3が「日付」の場合における照合成功の判定方法を指定している。より具体的には、照合成功とすべき場合を照合対象及び比較データの大小関係によって指定している。ここでは、比較論理m8として「<」、「≧」、「=」、「≦」、「>」のいずれかが指定できるものとする。「<」であれば、照合対照が比較データよりも前(照合対象<比較データ)の場合に照合成功と判断される。同様にして、「=」であれば、比較データと一致(照合対象=比較データ)する場合に、「>」であれば、比較データより後(照合対象>比較データ)の場合にそれぞれ照合成功と判断される。なお、データ種別m3が「文字列」の場合には、比較論理m8は無視され、照合対照と比較データが一致する場合に照合成功と判断される。
【0048】
以上の説明により理解される通り、本実施の形態による照合データ125dは、各データレコードRDにおいて比較論理m8を規定することができる。このため、データ照合機12は、照合対象がマスタデータm1に一致するか否かを照合するだけでなく、照合対象及びマスタデータm1の大小関係に基づく照合を行うことができる。従来のシステムでは、PLC15のラダープログラムによって、このような処理が実現されていたが、本発明によるデータ照合機12を用いれば、このような照合処理を簡単に実現することができ、また、照合処理の変更も容易に行うことができる。
【0049】
また、本実施の形態による照合データ125dは、マスタデータm1としてオフセット値を指定することができる。このため、データ照合機12は、現在日付に当該オフセット値を加えた日付を比較データとして、照合対象と照合することができる。従来のデータ照合機は、比較データそのものをマスタデータm1としていた。このため、現在日付がかわるたびにマスタデータm1を変更しなければならず、この変更作業が煩雑であるとともに、ミスが生じ易いという問題があった。これに対し、本発明によるデータ照合機12を用いれば、このような作業は不要になる。
【0050】
また、本実施の形態による照合データ125dは、1つの照合レコードRDについて2以上の照合マスタM1〜M3を規定することができる。データ照合機12は、1つの照合レコードRD中に複数の照合マスタM1〜M3が規定されている場合、これらの照合マスタM1〜M3を用いた複数照合処理が行われる。データ照合機12において、このような複数照合処理を実行可能にすることにより、従来のシステムではPLC15のラダープログラムにより実現していた複雑な照合処理を簡単に実現することができ、また、照合処理の変更も容易に行うことができる。
【0051】
なお、この実施の形態では、データ種別m3が「日付」の場合にマスタデータm1がオフセット値として規定され、現在日付に当該オフセット値が加えられて、照合対象と照合される場合の例について説明しているが、本発明は、このような場合に限定されない。すなわち「日付」に代えて、「時刻」を用いてもよいし、これらを組み合わせた「日時」を用いてもよい。
【0052】
また、上述した日付や時間は、序列データの一例である。序列データとは、所定のルールに従って順序が予め定められ、大小又は前後を比較可能なデータであればよい。つまり、数値データや、数値データに変換可能なデータを指し、欠番の有無などは問わない。例えば、数量データ、ロット番号、シリアルナンバーなどは上記序列データに含まれる。このような序列データをデータ種別m3に指定した場合、別途指定される基準データに、マスタデータm1として規定されたオフセット値を加えた値が照合対象と比較される。この基準データは、各照合レコードRDに共通の序列データであればよく、現在日付に限定されない。
【0053】
さらに、基準データ及びオフセット値に基づいて行われる上記演算処理(オフセット演算処理)は、加算だけに限定されず、減算や乗除算などを用いることができる。また、序列データのルールに応じて、四則演算以外の演算を採用することもできる。さらに、オフセット値は、正の数に限定されず負の数を指定することもできる。すなわち、オフセット演算処理は、基準データ及びオフセット値から比較データを求めるための演算処理であればよく、様々な演算処理を採用することができる。
【0054】
[3.レコード照合処理]
レコード照合処理とは、データ照合機12において、読取データが1つの照合レコードRDと照合される処理である。ここでは、レコード照合処理の基本的な動作について説明する。
【0055】
3.1 レコード照合処理
図7のステップS101〜S106は、レコード照合処理の一例を示したフローチャートである。まず、読取データの入力ポートが、照合レコードRDにおいて指定されたポート番号r3と一致するか否かを判別する(ステップS101)。一致しない場合には、照合失敗として当該レコード照合処理を終了する。
【0056】
一致している場合には、第1照合マスタM1を用いたマスタ照合処理が行われる(ステップS102)。このマスタ照合処理において照合に失敗した場合には、当該レコード照合処理を終了する(ステップS103)。一方、照合に成功すれば、当該照合レコードRDに他の照合マスタM2,M3が存在するかを判別する(ステップS104)。その結果、他の照合マスタM2,M3が存在すれば、これらの照合マスタM2,M3についてもマスタ照合処理(ステップS102)が行われる。
【0057】
この様にして、各照合マスタM1〜M3との照合処理が順次に行われ、1又は2以上の全照合マスタM1〜M3について照合が成功すれば、当該照合レコードRDの照合番号r2が表示部122に表示されるとともに、PLC15及びパーソナルコンピュータ14へ出力される(ステップS105)。また、データ照合機12の表示部122に、第1照合マスタM1の置換文字列m2が表示されるとともに、PLC15及びパーソナルコンピュータ14へ出力させる(ステップS106)。一方、いずれかのマスタ照合処理において、照合に失敗すれば、当該レコード照合処理を終了する。
【0058】
本実施の形態によるレコード照合処理では、1つの読取データを同一の照合レコードRDに含まれる2以上の照合マスタM1〜M3と順次に照合することにより、複数照合処理を実現している。このため、各照合レコードRDに1つの照合マスタのみが含まれ、当該照合マスタに基づく照合結果をレコード照合結果とする従来のレコード照合処理に比べ、より複雑な照合処理を実現することができる。
【0059】
3.2 マスタ照合処理
図8のステップS201〜S206は、マスタ照合処理(図6のステップS102)の一例を示したフローチャートである。マスタ照合処理は、読取データを1つの照合マスタMi(i=1〜3)と照合する処理である。
【0060】
桁限定フラグm5が「有効」になっていれば、限定方向m4、開始桁m6及び有効桁m7に基づいて読取データの一部が照合対象として特定される(ステップS201,S202)。つまり、読取データの先頭から数えてm6桁目を起点として、m4の方向へ連続するm7桁分が照合対象として抽出される。なお、桁限定フラグm5が「無効」であれば、読取データの全桁が照合対象として特定される。
【0061】
次に、照合マスタMiのデータ種別m3が「日付」である場合、時計部123から出力される現在日付に、オフセット値としてのマスタデータm1を加算することにより、比較データが求められ、照合対象との比較が行われる(ステップS203〜S205)。なお、ステップS205では、比較論理m8に基づいて比較処理が行われ、照合の成功又は失敗が判別される。
【0062】
一方、照合マスタMiのデータ種別m3が「文字列」である場合には、照合対象とマスタデータm1が文字列として比較される。すなわち、両者が一致すれば照合成功、一致しなければ照合失敗と判断される(ステップS206)。
【0063】
3.3 文字列照合の例
図9は、レコード照合処理の一例についての説明図であり、文字列照合の例が示されている。図中の(a)は、商品に付されたバーコード、(b)は、その照合先である照合レコードRD、(c)は、バーコードリーダから出力される読取データ、(d)は読取データから抽出された照合対象である。
【0064】
(a)のバーコードは、文字列「ABC01234XY」を符号化したシンボルであり、3〜6桁目の「C012」は、当該バーコードが付された商品が特別仕様であることを示しているものとする。このバーコードは、データ照合機12の入力ポート1に接続されたバーコードリーダによって読み取られる。(c)は、入力ポート1から入力される読取データであり、文字列「ABC01234XY」からなる。データ照合機12は、この読取データを(b)の照合レコードRDと照合し、当該商品が特別仕様であるか否かを判別している。
【0065】
(b)の照合レコードRDは、ポート番号r3として「入力ポート1」が指定されているため、当該読取データの照合先となる。この照合レコードRDでは、第1照合マスタM1のみが規定され、当該第1照合マスタM1において、桁限定フラグm5が「有効」となっている。このため、上記読取データについて桁限定が行われた後に、マスターデータm1との照合が行われる。ここでは、限定方向m4が「前方へ」、開始桁m6が「6」、有効桁m7が「4」であることから、桁限定により指定されている範囲は3〜6桁目であり、文字列「C012」が(d)の照合対象として抽出される。
【0066】
データ種別m3は「文字列」であるため、上記照合対象「C012」が、マスタデータ「C012」と比較される。この場合、両者が一致するので照合成功となり、照合番号r2の「10」がPLC15へ出力されるとともに、データ照合機12の表示部122において「照合OK」のLEDが点灯し、置換文字列m2の「トクベツシヨウ」が表示される。
【0067】
3.4 日付照合の例
図10は、レコード照合処理の他の例についての説明図であり、日付照合の例が示されている。図中の(a)は、読み取られるバーコード、(b)は、その照合先である照合レコードRD、(c)は、バーコードリーダから出力される読取データ、(d)は読取データから抽出された照合対象である。
【0068】
(a)のバーコードは、文字列「4909245074」を符号化したシンボルであり、3〜6桁目の「0924」は、当該バーコードが付された商品(例えば食料品)の製造日を2桁の月と2桁の日によって表示している。つまり、9月24日に製造されたこと示している。このバーコードは、データ照合機12の入力ポート1に接続されたバーコードリーダによって読み取られる。(c)は、入力ポート1から入力される読取データであり、文字列「4909205074」からなる。データ照合機12は、この読取データを(b)の照合レコードRDと照合し、当該商品が賞味期限(製造日を含めて20日間)を経過し、廃棄処分されるべきものであるか否かを判別している。
【0069】
(b)の照合レコードRDは、図9の場合と同様、第1照合マスタM1の桁限定フラグm5が「有効」となっている。このため、上記読取データについて桁限定が行われた後に、マスターデータm1との照合が行われる。ここでは、限定方向m4が「後方へ」、開始桁m6が「3」、有効桁m7が「4」であることから、桁限定により指定されている範囲は3〜6桁目であり、文字列「0924」が(d)の照合対象として抽出される。
【0070】
データ種別m3は「日付」であるため、マスタデータm1の「−0020」は、20日分を遡るオフセット値となり、現在日付にこのオフセット値を加えることにより、比較データが得られる。時計部123が保持している現在日付が10月15日であるとすれば、基準データは「1015」であり、この基準データに「−0020」を加えるオフセット演算を行って、9月25日を示す比較データ「0925」が求められる。
【0071】
そして、照合対象「0924」と比較データ「0925」を比較すれば、0924<0925が成立する。この場合、比較論理m8の「<」と一致するので照合成功となり、照合番号r2の「10」がPLC15へ出力されるとともに、データ照合機12の表示部122において「照合OK」のLEDが点灯し、置換文字列m2の「ハイキショブン」が表示される。
【0072】
3.5 複数照合の例
図11は、レコード照合処理の他の例についての説明図であり、3つの照合マスタM1〜M3を有する照合レコードRDについての照合例が示されている。図中の(a)は、読み取られるバーコード、(b)は、その照合先である照合レコードRD、(c)は、バーコードリーダから出力される読取データ、(d)は読取データから抽出された照合対象である。
【0073】
(a)のバーコードは、図10(a)の場合と同様、3〜6桁目の「0927」が製造日、7〜9桁目の「507」が商品型番を示している。(c)は、入力ポート1から入力される読取データであり、文字列「4909275074」からなる。データ照合機12は、この読取データを(b)の照合レコードRDと照合し、型番507の商品が賞味期限切れ間近(2日以内)の値引き販売すべきものであるか否かを判別している。
【0074】
照合マスタM1,M2のデータ種別m3は「日付」であり、現在日付「1015」にマスタデータm1「−0020」「−0017」がそれぞれ加えられ、比較データとして「0925」、「0928」が求められる。照合マスタM1,M2の照合対象は、いずれも「0927」であり、ともに比較論理m8が成立している。
【0075】
また、照合マスタM3のデータ種別m3は「文字列」であり、マスタデータm1「507」が比較データとなる。照合マスタM3の照合対象は、7〜9桁目の「507」であるため、比較データと照合対象が一致している。
【0076】
つまり、照合マスタM1〜M3の照合条件が全て満たされている。照合レコードRDの照合結果は、当該照合レコードRDに含まれる各照合マスタM1〜M3の照合結果の論理積により与えられる。このため、図11の場合には、照合成功となる。逆に、照合マスタM1〜M3のいずれか一つの照合条件を満たさなかった場合には、照合失敗となる。
【0077】
[4.照合モード]
データ照合機12は、様々な読取データ照合処理を行うことができる。ユーザは、いずれの読取データ照合処理を実行させるのかを動作モード(照合モード)として選択することができる。ここでは、データ照合機12において選択可能な照合モードの一例として、以下に示す5種類の読取データ照合処理について説明する。
【0078】
4.1 ノーマル照合
ノーマル照合は、バーコードリーダ10,11から入力された読取データを、全ての照合レコードRDと逐次照合する読取データ照合処理である。照合データ125dが2以上の照合レコードRDからなる場合、各照合レコードRDのレコード番号r1に従って、レコード照合処理が順次に実行される。そして、いずれかのレコード照合処理において照合に成功すれば、当該読取データに関する照合処理を終了する。
【0079】
図12のステップS301〜S307は、ノーマル照合における動作の一例を示したフローチャートである。まず、照合先となる照合レコードRDを指定するカウンタCを「1」に初期化する(ステップS301)。そして、レコード番号r1がカウンタCに一致する照合レコードRDとの照合が実行される(ステップS302)。このレコード照合処理の結果、照合に成功した場合には、「照合OK」のLEDを点灯させ、照合OK信号を出力して処理を終了する(ステップS303,S304)。なお、レコード照合処理において、照合番号r2がパーソナルコンピュータ14及びPLC15へ出力されている。
【0080】
照合に失敗した場合、未照合の照合レコードRDが残っていれば、カウンタCをインクリメントし、他の照合レコードRDとの照合処理が行われる(ステップS305,S306)。同様にして、照合に成功するまで順次に照合処理が実行される。そして、全てのレコード照合に失敗した場合には、「照合NG」のLEDを点灯させ、照合NG信号を出力し、また、NG番号をPLC15及びパーソナルコンピュータ14へ出力して処理を終了する(ステップS307)。
【0081】
例えば、100個の照合レコードRDがある場合、レコード番号「1」の照合レコードRDから順に照合処理が行われ、レコード番号「100」の照合レコードRDとの照合処理が最後に行われる。ただし、照合成功によって読取データ照合処理を終了するので、照合に成功する2以上の照合レコードRDが存在する場合には、レコード番号のより若い照合レコードRDとの照合結果が優先される。つまり、レコード番号r1は、照合処理の実行順序を示し、また、照合結果の優先順位を示している。
【0082】
4.2 アクティブ照合
アクティブ照合は、照合データ125dから任意の照合レコードRDを予め選択しておき、選択された照合レコードRDのみを照合先とする読取データ照合処理である。選択された照合レコードRDはアクティブレコードと呼ばれ、アクティブレコード以外の照合レコードRDはアクティブ照合において無視される。通常は、アクティブレコードとして、いずれか1つの照合レコードRDのみが選択され、1回のレコード照合処理によって読取データ照合処理が終了する。ただし、アクティブレコードとして2以上の照合レコードRDを選択し、これらのアクティブレコードについて、ノーマル照合と同様の逐次照合を行ってもよい。
【0083】
図13のステップS401〜S404は、アクティブ照合における動作の一例を示したフローチャートである。照合先となる照合レコードRDは、アクティブレコードのみであり、予め指定されたアクティブレコードとの照合処理が行われる(ステップS401)。その結果、照合に成功した場合には、「照合OK」のLEDを点灯させ、照合OK信号を出力して処理を終了する(ステップS402,S403)。一方、照合に失敗した場合には、「照合NG」のLEDを点灯させ、照合NG信号を出力し、また、NG番号をPLC15及びパーソナルコンピュータ14へ出力して処理を終了する(ステップS404)。
【0084】
アクティブレコードの指定は、データ照合機12におけるマニュアル選択、バーコード読み取りによるバーコード選択、PLC15からのPLC選択、又は、パーソナルコンピュータ14からの端末選択のいずれかによって行われる。
【0085】
(1)マニュアル選択
手動選択は、データ照合機12の操作入力部121からアクティブレコードを指定する選択方法である。ユーザがキー操作を行ってレコード番号r1を指定することにより、アクティブレコードが選択される。
【0086】
(2)バーコード選択
バーコード選択は、予め行われるバーコード読み取りによって、アクティブレコードを指定する方法である。まず、ユーザの操作入力によって、データ照合機12をアクティブ照合モードからアクティブマスタ選択モードに移行させ、バーコードリーダ10,11を用いたバーコード読み取りを行う。このとき、データ照合機12は、ノーマル照合の場合と同様にして、読取データを各照合レコードRDと順次に照合していく。その結果、照合に成功した場合には、成功した照合レコードRDをアクティブレコードとして自動選択し、アクティブマスタ選択モードからアクティブ照合モードに自動的に移行させる。
【0087】
なお、全てのレコード照合に失敗した場合には、「照合NG」のLEDを点灯させ、アクティブマスタ選択モードを維持する。ユーザは、再びバーコード読み取りを行うか、操作入力によりアクティブマスタ選択モードを終了させることができる。
【0088】
(3)PLC選択
PLC選択は、PLC15からアクティブレコードを指定する方法である。データ照合機12は、アクティブレコードの指定方法としてPLC選択が指定されている場合、PLC15が指定する照合レコードをアクティブレコードとして選択する。すなわち、PLC15の内部メモリ157内にレコード番号を指定するためのデータエリアを予め割り当てておき、データ照合機12が、PLC15内の上記領域を自動的に読み出し、読み出されたレコード番号に基づいて、アクティブレコードを選択する。このため、PLC15からアクティブレコードの指定を行うことができる。
【0089】
(4)端末選択
端末選択は、パーソナルコンピュータ14からアクティブレコードを指定する方法である。データ照合機12にシリアル接続されたパーソナルコンピュータ14から、シリアルコマンドとして、レコード番号を送信することにより、アクティブレコードが指定される。
【0090】
4.3 ステップ照合
ステップ照合は、一連のバーコード読み取りに基づいて行われる読取データ照合処理である。ステップ照合では、連続する2回のバーコード読み取りを1セットとし、1回目の読取データと2回目の読取データとを比較し、両者が一致していれば照合成功とし、一致していなければ照合失敗とする。つまり、照合データ125dを使用しない照合処理である。
【0091】
図14のステップS501〜S506は、ステップ照合における動作の一例を示したフローチャートである。ユーザが、操作入力部121においてキー操作を行い、データ照合機12の動作モードとしてステップ照合を選択すると、1回目の読取データの入力待ち状態となる(ステップS501)。この状態において、バーコードリーダ10,11から読取データが入力されると、1回目の読取データとして設定データ記憶部124に格納され、2回目の読取データの入力待ち状態となる(ステップS502,S503)。
【0092】
次に、バーコードリーダ10,11から2回目の読取データが入力されると、1回目の読取データとの比較が行われる(ステップS504)。その結果、完全一致すれば、照合OKがパーソナルコンピュータ14及びPLC15へ出力されるとともに、「照合OK」のLEDを点灯させる(ステップS505)。一方、完全一致しなければ、照合NGがパーソナルコンピュータ14及びPLC15へ出力されるとともに、「照合NG」のLEDを点灯させる(ステップS506)。
【0093】
4.4 三点照合
三点照合も一連のバーコード読み取りに基づいて行われる読取データ照合処理である。三点照合は、連続する3回のバーコード読み取りを1セットとし、読取データが入力されるごとに実行される3つの照合処理からなる。1回目の読取データは、各照合レコードRDと順次に照合され、照合に成功した最初の照合レコードRDがアクティブレコードとして選択される。2回目及び3回目の読取データは、当該アクティブレコードとの照合のみが行われる。つまり、1回目の読取データについては、ノーマル照合に類似する照合処理が行われ、2回目及び3回目の読取データについては、アクティブ照合に類似する照合処理が行われる。
【0094】
また、三点照合では、3つの照合マスタM1〜M3を有する照合レコードRDが用いられ、各照合マスタM1〜M3が、1〜3回目の照合処理にそれぞれ割り当てられる。つまり、1回目の照合処理では、各照合レコードRDの第1照合マスタM1に基づいてアクティブレコードが選択される。2回目の照合処理は、アクティブレコードの第2照合マスタM2に基づいて行われ、3回目の照合処理では、アクティブレコードの第3照合マスタM3に基づいて行われる。換言すれば、1つの照合レコードRDにおいて3回分の照合条件がその順序も含めて規定され、連続する3個の読取データの全てが上記照合条件を満たしていれば、照合成功となり、その他の場合には、照合失敗となる。
【0095】
図15及び図16のステップS601〜618は、三点照合における動作の一例を示したフローチャートである。ユーザが、操作入力部121においてキー操作を行い、データ照合機12の動作モードとして三点照合を選択すると、1回目の読取データの入力待ち状態となる(ステップS601)。この状態において、バーコードリーダ10,11から入力された読取データが1回目の読取データとなり、この1回目の読取データについて、各照合レコードRDとの逐次照合が行われる(ステップS602〜607)。
【0096】
まず、照合先となる照合レコードRDを指定するカウンタCが「1」に初期化される(ステップS602)。ステップS603及びS604は、1回目の読取データを、レコード番号r1がカウンタCに一致する照合レコードRDと照合するレコード照合処理である。このレコード照合処理では、ポート番号r3及び第1照合マスタM1に基づく照合処理が行われ、照合に成功した場合には、当該照合レコードRDがアクティブレコードとして選択される(ステップS605,S608)。このとき、照合結果の出力は行われない。一方、照合に失敗した場合には、カウンタCをインクリメントし、次の照合レコードRDとの照合処理が行われる(ステップS607)。
【0097】
この様にして、1回目の読取データについて、照合に成功するまで、ステップS603及びS604のレコード照合処理を繰り返す。そして、全てのレコード照合に失敗した場合には、「照合NG」のLEDを点灯させるとともに、照合NG信号をPLC15及びパーソナルコンピュータ14へ出力して処理を終了する(ステップS609)。
【0098】
ステップS608においてアクティブレコードが選択された場合には、2回目の読取データの入力待ち状態となる(ステップS610)。この状態において、バーコードリーダ10,11から入力された読取データが2回目の読取データとなり、この2回目の読取データについて、上記アクティブレコードとの照合が行われる(ステップS611,S612)。このレコード照合処理では、ポート番号r3及び第2照合マスタM2に基づく照合処理が行われ、照合に成功した場合には、3回目の読取データの入力待ち状態となる(ステップS614)。一方、照合に失敗すれば、ステップS609(照合NG)へ進む。
【0099】
ステップS614の入力待ち状態において、バーコードリーダ10,11から入力された読取データが3回目の読取データとなり、この3回目の読取データについて、上記アクティブレコードとの照合が行われる(ステップS615,S616)。このレコード照合処理では、ポート番号r3及び第3照合マスタM3に基づく照合処理が行われ、照合に成功した場合には、アクティブレコードの照合番号r2がパーソナルコンピュータ14及びPLC15へ出力されるとともに、「照合OK」のLEDを点灯させるとともに、照合OK信号を出力して処理を終了する(ステップS617,S618)。一方、照合に失敗すれば、ステップS609(照合NG)へ進む。
【0100】
4.5 ピッキング照合
ピッキング照合は、三点照合と類似する読取データ照合処理であるが、1回目の読取データに基づいてアクティブレコードが選択された時点で、照合番号r2を出力する点で、三点照合と異なる。
【0101】
図17及び図18のステップS701〜720は、ピッキング照合における動作の一例を示したフローチャートである。ここでは、図15及び図16に示された三点照合との相違点についてのみ説明する。
【0102】
1回目の読取データについて照合に成功した場合、ステップS708においてアクティブレコードの照合番号r2が、パーソナルコンピュータ14及びPLC15へ出力される。また、2回目の読取データについて照合に成功した場合、ステップS715においてアクティブレコードの照合番号r2が、パーソナルコンピュータ14及びPLC15へ出力される。つまり、1回目、2回目の各読取データについて照合成功となるごとに、照合番号r2が、PLC15等へ通知される。
【0103】
1〜3回目のいずれかの読取データについて照合に失敗した場合、「照合NG」のLEDを点灯させるとともに、照合NG信号をPLC15及びパーソナルコンピュータ14へ出力する(ステップS710)。一方、3つの読取データ全てについて照合に成功した場合には、「照合OK」のLEDを点灯させるとともに、照合OK信号を出力して処理を終了する(ステップS719)。
【0104】
PLC15は、データ照合機12から照合番号r2が継続的に出力されると、アクティブレコードが選択されたことを判別することができる。その後、NG番号が出力されれば、照合に失敗してピッキング照合を終了したことが判別でき、NG番号が出力されることなく、照合番号r2の出力が停止されれば、1セットの読取データについて照合に成功し、ステップ照合を終了したことが判る。なお、アクティブマスタが選択されなかった場合には、照合番号r2が出力されることなく、NG番号が出力される。このため、1回目の読取データについての照合失敗と、2回目以降の読取データについての照合失敗とは区別することができる。
【0105】
4.6 三点照合の適用例
図19は、電子部品実装機におけるリール装着位置の確認に三点照合を適用した場合の例が示されている。電子部品実装機20は、多数の電子部品リール21が装着され、各電子部品リール21から電子部品を取り出して基板上に自動実装する装置である。
【0106】
各電子部品リール21は、テープ上に担架されている電子部品がそれぞれ異なり、電子部品実装機20の各装着位置には、予め定められた電子部品リール21が装着されている必要がある。このような電子部品実装機20において、製造物の切り替えなどにより、電子部品リール21の掛け替えが行われる際、各電子部品リール21が正しい位置に装着されているか否かの確認をデータ照合機12の三点照合を利用して行うことができる。
【0107】
電子部品リール21には、電子部品の品番を示すバーコード21Aが貼付されている。また、電子部品実装機20は、電子部品リール21の装着位置を装着段及び装着列によって特定することができ、装着段を示す複数のバーコード20Aと、装着列を示す複数のバーコード20Bが貼付されている。つまり、2軸方向の各位置がバーコードにより表示され、これらの組み合わせにより2次元位置である電子部品リール21の装着位置を特定することができる。
【0108】
まず、電子部品実装機20に装着されている電子部品リール21のバーコード21Aをバーコードリーダ10で読み取り、1回目の読取データとする。次に、当該電子部品リール21が装着されている装着段のバーコード20Aを読み取り、2回目の読取データとする。最後に、当該電子部品リール21が装着されている装着列のバーコード20Bを読み取り、3回目の読取データとする。
【0109】
データ照合機12は、電子部品の品番を第1照合マスタM1、その装着段を第2照合マスタM2、その装着列を第3照合マスタM3として規定した多数の照合レコードを記憶しており、また、警告灯23が接続されいている。そして、一連の上記読取データに基づいて三点照合を行い、照合OKとなった場合には、照合OKを示す警告灯23の緑ランプを点灯させ、照合NGとなった場合には、照合NGを示す警告灯23の赤ランプを点灯させる。このような方法により、電子部品リールの装着位置の誤りを防止することができる。さらに、データ照合機12の出力に基づいて、電子部品実装機20を制御し、所望の電子部品リール21が所望の装着位置に装着されていることが確認されなければ、電子部品実装機20が動作しないようにすることもできる。
【0110】
4.7 ピッキング照合の適用例
図20は、自動車部品製造ラインにおける部品組み込み時の作業指示にピッキング照合を適用した場合の例が示されている。データ照合機12は、PLC15を介して、警告灯23及び部品収納庫31に接続されている。製造物30は、「かんばん」と呼ばれる生産指示書30Aとともに製造ライン上を流れている。この生産指示書30Aには、商品型番や作業手順などを示すバーコードが表示されている。また、部品収納庫31には、複数の部品棚32が設けられており、各部品棚32には、それぞれ異なる部品が収納され、また、各部品棚32ごとにランプ33が設けられている。
【0111】
まず、作業者は、生産指示書30Aのバーコードをバーコードリーダ10で読み取り、1回目の読取データとする。データ照合機12は、この読取データに基づいて、アクティブレコードを選択し、その照合番号r2を出力する。PLC15は、この照合番号r2に基づいて、部品収納庫31のいずれかのランプ33を点灯させ、使用すべき部品を作業者に教示する。つまり、生産指示書10Aのバーコードから当該組み立て工程において使用する部品が判別され、その部品が収納されている部品棚32が、ランプ33の点灯によって示される。
【0112】
次に、作業者は、ランプ33が点灯している部品棚32から部品を取り出し、当該部品に付されているバーコードをバーコードリーダ10で読み取り、2回目の読取データとする。このとき、作業者が誤って違う部品棚32から部品を取り出し、あるいは、部品棚32に本来の部品とは異なる部品が入っていた場合、データ照合機12からNG番号が出力される。PLC15は、このNG番号出力に基づいて、照合NGを示す警告灯23の赤ランプを点灯させ、作業ミスを作業者に知らせる。
【0113】
次に、製造物30に当該部品を組み込んだ作業者は、組込先である製造物30に付されているバーコードをバーコードリーダ10で読み取り、3回目の読取データとする。このとき、作業者が誤って違う製造物30に部品を組み込めば、データ照合機12からNG番号が出力され、照合NGを示す警告灯23の赤ランプが点灯し、作業ミスを作業者に知らせる。
【0114】
3回の読取データが全て正しい場合には、データ照合機12の出力に基づいて、PLC15が、照合OKを示す警告灯23の緑ランプを点灯させる。この緑ランプの点灯により、作業者は、作業が正しく完了したことを確認することができる。つまり、生産指示書30A、部品、製造物30の各バーコードが、組み合わせ及び順序ともに正しく読み込まれた場合にのみ照合OKとなる。
【0115】
[5.データ照合機の付加機能]
データ照合機12は、照合処理に関する付加的機能として、ティーチングプリセット、カウンタ機能、インターロック機能を利用することができる。
【0116】
5.1 ティーチングプリセット
データ照合機12の照合データ125dは、通常、パーソナルコンピュータ14において作成され、データ照合機12へ伝送される。これに対し、バーコードリーダ10,11でバーコードを読み取り、その読取データに基づいて照合データ125dを作成することもできる。このような照合データの生成方法をティーチングプリセットと呼ぶ。
【0117】
ユーザが、操作入力部121のプリセットボタンを操作すると、データ照合機12の動作モードとしてティーチングプリセットが選択される。この状態で、バーコードリーダ10,11を用いて任意のバーコードを読み取ると、データ照合機12の制御部120がその読取データに基づいて照合レコードRDを生成し、照合データ記憶部125に格納する。このとき、複数のバーコードを順次に読み取れば、複数の照合レコードRDが、照合データ記憶部125に格納される。この様にして所望の照合レコードRDが生成された後、再度プリセットボタンを操作すれば、ティーチングプリセットモードが終了し、読取データ照合処理が可能な照合モードに戻る。
【0118】
5.2 カウンタ機能
データ照合機12は、照合OK及び照合NGの回数を計数し、表示させることができる。すなわち、カウンタ機能が有効になっている場合、照合OKとなった読取データ照合処理の回数と、照合NGとなった読取データ照合処理の回数とを制御部120が計数し、これらのカウント値を表示部122にそれぞれ表示させる。
【0119】
5.3 インターロック機能
インターロック機能は、所定の解除操作を行わなければ、次の読取データ照合処理に移行できないようにするロック機能である。例えば、照合NGを警告灯23の赤ランプの点灯で作業者に知らせる場合、作業者の見落としが発生する可能性がある。これに対し、所定の解除操作を行わなければ、次の読取データ照合処理に移行できないインターロック機能を利用すれば、見落としのような人為的なミスを防止することができる。
【0120】
解除操作は、操作入力部121におけるユーザのキー操作であってもよいし、パーソナルコンピュータ14やPLC15等の外部機器からデータ照合機12へ入力されるインタロック解除信号であってもよい。
【0121】
インターロック機能が有効である場合、読取データ照合処理の結果に基づいてロックが行われる。例えば、照合OKとなった場合にロックされるように設定することができる。また、照合NGとなった場合や読取エラーとなった場合にロックされるように設定することもできる。
【0122】
[6.PLCとの連携動作]
図21は、PLC15の内部メモリ157の一構成例を示した図である。この内部メモリ157には、データ照合機12とのデータ通信のためのデータエリアが予め定められ、これらのデータエリアにフラグf1〜f6が割り当てられている。図中の矢印は、主としてラダープログラム156a又はデータ照合機12のいずれが書き込みを行うデータエリアであるのかが示されている。
【0123】
レコード指定フラグf1は、ラダープログラム156aによって、照合データ125dのレコード番号r1が書き込まれるデータエリアである。アクティブ照合におけるアクティブレコードがPLC15によって指定される場合、データ照合機12は、このレコード指定フラグf1を参照し、ラダープログラム156aにより指定されたレコード番号r1の照合レコードRDをアクティブレコードとして選択する。
【0124】
ACKフラグf2は、データ照合機12が、PLC15によるアクティブレコード指定を受諾したことを示すフラグであり、データ照合機12がレコード指定フラグf1を読み出した場合にセットする。PLC15は、このACKフラグf2を監視することにより、データ照合機12がレコード指定フラグf1を読み出したことを知ることができる。なお、ACKフラグf2は、レコード指定フラグf1の更新前に、ラダープログラム125aによって予めリセットされる。
【0125】
照合開始フラグf3は、データ照合機12による照合動作の開始をPLC15が指示するためのフラグであり、ラダープログラム156aによって書き込みが行われる。例えば、データ照合機12が電源投入直後に照合動作を開始するような場合に、PLC15よりも早く動作し始め、両者の動作タイミングを合わせることができない場合がある。このため、データ照合機12に電源が投入され、あるいは、データ照合機12がリセットされた場合、データ照合機12は、その後、照合開始フラグf3を監視し、ラダープログラム156aが照合開始フラグf3をセットするまで待って照合動作を開始する。
【0126】
リセットフラグf4は、データ照合機12がリセットされたことを示すフラグであり、データ照合機12によって書き込みが行われる。データ照合機12の運用中に何らかの問題が生じ、データ照合機12のリセットが行われる場合がある。ラダープログラム156aは、このリセットフラグf4を監視しており、この様な場合に、データ照合機12がリセットされたことを検出することができる。
【0127】
読取品質フラグf5は、バーコードリーダ10,11における読取状態を示すフラグであり、読取品質が所定レベルよりも低下した場合に、データ照合機12によってセットされる。ラダープログラム156aは、この読取品質フラグf5を監視しており、バーコードリーダ10,11における読取品質を検出することができる。
【0128】
インターロック解除フラグf6は、PLC15からデータ照合機12のインターロックを解除するためのフラグであり、ラダープログラム156aによって書き込みが行われる。インターロック状態のデータ照合機12は、このインターロック解除フラグf6を監視しており、ラダープログラム156aによってインターロックを解除することができる。
【0129】
なお、リセットフラグf4や読取品質フラグf5は、データ照合機12の動作状態をPLC15へ通知する場合の一例を示したものである。すなわち、内部メモリ157内にデータエリアを割り当てることによって、リセットや読取品質と同様にして、データ照合機12の様々なデータをPLC15へ通知することができる。
【0130】
[7.読取品質判定]
データ照合機12は、バーコードリーダ10,11におけるバーコード読み取りの読取品質レベルを判別し、この読取品質レベルに基づいて品質警告発報を行うことができる。すなわち、判別された読取品質レベルを表示部122に表示し、パーソナルコンピュータ14やPLC15へ通知し、あるいは、品質警告信号を出力することができる。
【0131】
図22は、製造物30に付されたバーコードT1が2カ所で読み取られる場合の様子を示した図である。生産工場内の自動化システムにバーコードが適用されている場合、通常、バーコード読み取りは、各工程ごとに繰り返し行われる。図中では、このバーコードT1が、前工程のバーコードリーダ10Aによって読み取られ、その読取データは前工程のデータ照合機12Aにおいて照合処理される。その後、さらに後工程のバーコードリーダ10Bによっても読み取られ、その読取データは後工程のデータ照合機12Bにおいて照合処理される。
【0132】
このような自動化システムに限らず、1回しか読み取られる機会のないバーコードはむしろ希であり、ほとんどのバーコードは、場所や時間を異ならせて2回以上の読み取りが行われる。場所や時間を異ならせてバーコード読み取りが行われる場合、使用されるバーコードリーダ10A,10Bの性能や、読み取り時の周辺環境が異なる。その結果、一方のバーコードリーダでは正しく読み取りが行われるが、他方のバーコードリーダでは正しく読み取りが行われない場合が発生する。
【0133】
図23は、バーコードの印字品質と、データ照合機12A,12Bにおける照合結果の一例を示した図である。図中の(a)には、バーコードの印字品質が良好である場合が示されている。この場合、バーコードリーダ10A,10Bにおいて、バーコードがともに正しく読み取られ、データ照合機12A及び12Bからは、ともに照合OKが出力される。
【0134】
図中の(b)には、バーコードの印字品質が劣悪である場合が示されている。この場合、前工程のバーコードリーダ10Aにおいて正しく読み取られず、データ照合機12Aからは照合NGが出力される。この場合、当該製造物30は抜き取られ、そのまま後工程に流れることはない。従って、後工程のバーコードリーダ10Bによって当該バーコードが読み取られることは通常はない。
【0135】
図中の(c)は、バーコードの印字品質が少し悪いが、前工程のバーコードリーダ10Aでは正しく読み取ることができる場合が示されている。この場合、後工程のバーコードリーダ10Bにおいて、バーコードが正しく読み取ることができず、データ照合機12Bからは照合NGが出力される可能性がある。しかも、前工程から後工程の間において、擦れなどの物理的な外力が加えられ、あるいは、経時劣化が生じて、さらにバーコードの印字品質の劣化が進むことも考えられる。このため、前工程のデータ照合機12Aは、照合OKを出力することともに、品質警告を出力している。
【0136】
つまり、バーコードを正しく読み取ることができた場合であっても、読取品質が低い場合には、今後、バーコードを正しく読み取れない場合があり得ることを警告する。このような品質警告を行うことにより、印字品質の悪いバーコードを早期に発見することができる。同時に、照合OKを出力することにより、状況に応じてフレキシブルに対応することができる。
【0137】
次に、読取品質の検出方法について説明する。バーコードリーダ10Aは、トリガスイッチ102が操作されると、レーザ光のスキャン走査が複数回行われ、予め定められた読取試行回数Ntだけバーコード読み取りが試行される。そして、正しいデータを読み取ることができた回数として読取成功回数Ngが求められる。データの真偽判定は、例えば、バーコードに含まれている冗長コードを用いて、あるいは、読み取られたデータの相互比較によって行われる。
【0138】
図24のステップS801〜S808は、バーコードリーダ10Aにおける読み取り動作の一例を示したフローチャートである。トリガスイッチ102が操作されると、まず、読取試行回数Nt、読取成功回数Ngが初期化され、Nt=Ng=0となる(ステップS801)。次に、読み取り試行が行われて読取データが求められ、この読取データについて真偽判定が行われる(ステップS802,S803)、この結果、正しいデータである場合には、読取成功回数Ngがインクリメントされる(ステップS804,S805)。その後、読取試行回数Ntがインクリメントされ、所定の読取試行回数(ここでは300回)に達するまでステップS802〜S806が繰り返される(ステップS807)。そして、読み取り試行が300回行われた時点で、読取データが、読取試行回数Nt及び読取成功回数Ngとともに出力される(ステップS808)。
【0139】
図25のステップS901〜S904は、データ照合機12Aにおける読取品質判別の一例を示したフローチャートである。バーコードリーダ10Aから読取データとともに、読取試行回数Nt及び読取成功回数Ngが入力されると、これらのデータの比として読取品質が求められる(ステップS901,S902)。この読取品質を予め定められた品質閾値と比較し、当該閾値以下である場合に品質警告が行われる(ステップS903,S904)。
【0140】
なお、本実施の形態では、バーコードリーダ10Aから、読取データとともに、読取試行回数Nt及び読取成功回数Ngが出力される場合について説明したが、本発明は、このような場合に限定されない。すなわち、データ読取装置から出力されるその他の読取品質データを利用して、読取品質レベルを判定することもできる。例えば、データ読取機において、冗長コードに基づく誤り訂正が行われ、読取データとともに、訂正されたデータの割合を示す訂正率が出力される場合であれば、当該訂正率に基づいて、品質レベルを判定し、品質警報を出力することもできる。
【0141】
[8.データ照合機のバーコード設定]
データ照合機12は、バーコード読み取りを行うことによって、設定データ記憶部124に所望の設定データ124dを格納し、また、照合データ記憶部125に所望の照合データ125dを格納することができる。このような設定に用いられるバーコードは、データ照合機12を特定の設定状態に至らしめるために指定する必要がある全ての設定項目について設定情報を規定しているバーコードであり、一括設定コードと呼ぶことにする。
【0142】
バーコードリーダ10,11で一括設定コードを読み取れば、データ照合機12について所望の設定を完了することができる。この一括設定コードは、データ照合機12の設定状態ごとに作成されるものであり、一般に、データ照合機12の設定状態はユーザごとに異なることから、一括設定コードは、ユーザ自身によって作成されることになる。また、一括設定コードは、複数の設定項目についての設定情報が規定されることから、通常は2以上のバーコードに分割して生成される。
【0143】
ただし、本実施の形態では、一括設定コードにおいて指定しなかった設定項目については、バーコード設定時に自動的に標準設定に戻されるものとする。従って、一括設定コードでは、データ照合機12の標準設定とは異なる設定項目に関する設定データのみを規定すればよい。このため、一括設定コードが、1つのバーコードからなる場合も考えられる。なお、標準設定とは、各設定項目について予め定められている設定データであり、例えば、工場出荷時又はイニシャル設定後におけるデータである。
【0144】
図26は、バーコードを用いてデータ照合機12の設定を行う場合の一例を示した説明図である。ユーザは、パーソナルコンピュータ40上において、一括設定コードを生成するためのアプリケーションプログラムを起動し、データ照合機12における所望の設定状態を指定すれば、一括設定コードの画像データが生成される。この画像データをプリンタ41を用いて紙42などの媒体上に印字すれば、一括設定コード42bが得られる。このとき、紙42上には、一括設定コードを構成する複数のバーコードが印字されている。そして、バーコードリーダ10を用いて、これらのバーコードを全て読み取り、データ照合機12の操作入力部121にある設定反映ボタンを操作すれば、データ照合機12を上記所望の設定状態にすることができる。
【0145】
図27のステップS1001〜S1007は、一括設定コードを用いたデータ照合機12への設定処理の一例を示したフローチャートである。まず、ユーザが、データ照合機12の操作入力部121を操作し、データ照合機12の動作モードとしてバーコード設定モードを選択する(ステップS1001)。次に、バーコードリーダ10により、紙42上のいずれか一つのバーコードが読み取られる(ステップS1002)。
【0146】
各バーコードには、一括設定コードを構成するバーコード総数と、そのバーコードのシリアル番号とが含まれている。データ照合機12は、このバーコード総数に基づいて、表示部122に残りのバーコード数を表示させる(ステップS1003)。ステップS1002及びS1003は、全てのバーコードが読み取られるまで繰り返される(ステップS1004)。全てのバーコードが読み取られたか否かは、バーコード総数と、各バーコードのシリアル番号に基づいて判別される。
【0147】
ステップS1004において、全てのバーコードが読み取られた場合、その旨が表示部122に表示され、操作入力部121からの操作入力待ち状態となる。この状態で、ユーザが設定反映ボタンを操作すれば、データ照合機12内に蓄積された一括設定コードの設定情報が、設定データ記憶部124及び照合データ記憶部125に書き込まれ、所望の設定状態となり、当該設定処理を終了する(ステップS1005,S1006)。すなわち、データ照合機12が初期化され、設定状態が標準設定に戻された後に、所望の設定情報が書き込まれる。一方、ユーザがキャンセル操作を行った場合には、蓄積された一括設定コードの設定情報が破棄され、当該設定処理を終了する(ステップS1007)。
【0148】
本実施の形態によれば、バーコードリーダ10を用いてバーコードを読み取ることにより、当該バーコードリーダ10に接続されているデータ照合機12の動作設定を行うことができる。このため、データ照合機12の動作設定を動作設定用PCに接続することなく行うことができる。つまり、照合処理を行っている現場において、照合処理時の機器接続の状態のままで、データ照合機12の動作設定を行うことができる。
【0149】
また、本実施の形態によれば、一括設定コード中において設定データが指定されていない設定項目については、自動的に標準設定に戻される。このため、一括設定コードを構成するバーコード数を減少させることができ、バーコード設定の作業時間を短くすることができる。また、設定変更前における設定状態に関わらず、同じ一括設定データを使用すれば、データ照合機12を同じ設定状態に移行させることができるので、一括設定コードの種類を減らすことができる。この様にして、一括設定コードの作成ミスや、一括設定コードの選択ミスのような人為的ミスに起因するデータ照合機12の誤設定を防止することができる。
【0150】
[9.バーコードリーダのバーコード設定]
バーコードリーダ10は、バーコード読み取りを行うことによって、データ記憶部106に所望の設定データ106Aを格納することができる。このバーコード設定は、バーコードリーダ10の機能として実現されるのではなく、データ照合機12の機能として実現される。すなわち、バーコードリーダ10は、通常時と全く同様にして、バーコード読み取りされた読取データをデータ照合機12へ出力している。そして、データ照合機12において、当該読取データが設定情報に変換され、設定コマンドとしてバーコードリーダ10へ送信され、バーコードリーダ10の設定が行われる。
【0151】
バーコードリーダ10内において、読取データを設定情報に変換し、データ記憶部106に設定データ106Aとして格納することができれば、同様のバーコード設定を実現することができる。しかしながら、ほとんどのバーコードリーダ10は、データ照合機12やパーソナルコンピュータ等を接続し、これらの外部機器からシリアル通信等によって送信される設定コマンドによって設定が行われる。このため、データ照合機12において読取データを設定情報に変換し、バーコードリーダ10へ設定コマンドを送ることにより、安価なバーコードリーダを含めて様々なバーコードリーダ10について、バーコード設定を行うことが可能になる。
【0152】
バーコードリーダ10の設定に用いられるバーコードには、一括設定コードと、個別設定コード(バーコードメニュー)とがある。一括設定コードは、データ照合機12の場合と同様、バーコードリーダ10を特定の設定状態に至らしめるために指定する必要がある全ての設定項目について設定情報を規定しているバーコードである。この一括設定コードの生成方法は、データ照合機12の場合と全く同様である。
【0153】
一方、個別設定コードは、単一の設定項目についての設定情報を規定しているバーコードであり、各設定項目の設定情報ごとに予め用意される。例えば、図26の冊子43は、多数の個別設定コード43bが一覧表示されている。ユーザは、希望する設定内容に応じた個別設定コード43bを選択し、当該個別設定コード43bを読み取ることによって、その設定項目について所望の設定又は設定変更を行うことができる。従って、複数の個別設定コードを組み合わせることによって、バーコードリーダ10を所望の設定状態となるような設定を行うこともできる。なお、個別設定コードは、通常、1つのバーコードからなる。
【0154】
図28のステップ1101〜1107は、一括設定コードを用いたバーコードリーダ10への設定処理の一例を示したフローチャートである。ステップS1101〜S1104の動作は、データ照合機12への一括設定処理の場合(図18のステップS1001〜S1004)と同様である。
【0155】
ステップS1104において、一括設定コードを構成する全てのバーコードが読み取られていた場合、データ照合機12は、操作入力待ちとなる。この状態で、ユーザが操作入力部121にある設定送信ボタンを操作すれば、データ照合機12内に蓄積された一括設定コードの設定情報が、設定コマンドとしてバーコードリーダに送信され、バーコードリーダ10は、所望の設定状態となる(ステップS1105,S1106)。すなわち、バーコードリーダ10が初期化され、設定状態が標準設定に戻された後に、受信したコマンドに基づく設定データ106Aがデータ記憶部106に書き込まれる。一方、ユーザがキャンセル操作を行った場合には、蓄積された一括設定コードの設定情報が破棄され、当該設定処理を終了する(ステップS1107)。
【0156】
図29のステップ1201〜1208は、個別設定コードを用いたバーコードリーダ10への設定処理の一例を示したフローチャートである。まず、ユーザが、データ照合機12の操作入力部121を操作し、データ照合機12の動作モードとしてバーコード設定モードを選択する(ステップS1201)。次に、バーコードリーダ10を用いて、予め定められた開始コードを読み取る(ステップS1203)。最初に読み取られたバーコードが開始コードでない場合には、当該設定処理を終了する(ステップS1202)。次に、ユーザが選択した1又は2以上の個別設定コードが順次に読み取られ、最後に、予め定められた終了コードが読み取られる(ステップS1204,S1205)。
【0157】
終了コードが読み取られた場合、データ照合機12は操作入力待ちとなる。この状態で、ユーザが操作入力部121にある設定送信ボタンを操作すれば、データ照合機12内に蓄積された一括設定コードの設定情報が、設定コマンドとしてバーコードリーダに送信され、バーコードリーダ10は、個別設定コードに基づく設定変更が行われる(ステップS1206,S1207)。このとき、バーコードリーダは初期化されず、個別設定コードに基づいて、所定の設定項目が所定の設定情報へ変更されるのみである。一方、ユーザがキャンセル操作を行った場合には、蓄積された一括設定コードの設定情報が破棄され、当該設定処理を終了する(ステップS1208)。
【0158】
なお、データ照合機12に2以上のバーコードリーダ10が接続されている場合、一括設定コード又は個別設定コードを読み取ったバーコードリーダ10に対して、設定コマンドが送信される。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明によるデータ照合機を用いたバーコードシステムの一構成例を示した図である。
【図2】図1のバーコードリーダ10の一構成例を示したブロック図である。
【図3】図1のデータ照合機12の一構成例を示したブロック図である。
【図4】図1のPLC15の一構成例を示したブロック図である。
【図5】図3の照合データ125dの一構成例を示した図である。
【図6】照合データ125dを構成する各照合レコードRDのフォーマットの一例を示した図である。
【図7】レコード照合処理の一例を示したフローチャートである。
【図8】マスタ照合処理(図6のステップS102)の一例を示したフローチャートである。
【図9】レコード照合処理の一例についての説明図であり、文字列照合の例が示されている。
【図10】レコード照合処理の他の例についての説明図であり、日付照合の例が示されている。
【図11】レコード照合処理の他の例についての説明図であり、3つの照合マスタM1〜M3を有する照合レコードRDについての照合例が示されている。
【図12】ノーマル照合における動作の一例を示したフローチャートである。
【図13】アクティブ照合における動作の一例を示したフローチャートである。
【図14】ステップ照合における動作の一例を示したフローチャートである。
【図15】三点照合における動作の一例を示したフローチャートである。
【図16】三点照合における動作の一例を示したフローチャートである(図15の続き)。
【図17】ピッキング照合における動作の一例を示したフローチャートである。
【図18】ピッキング照合における動作の一例を示したフローチャートである(図17の続き)。
【図19】電子部品実装機におけるリール装着位置の確認に三点照合を適用した場合の例が示されている。
【図20】自動車部品製造ラインにおける部品組み込み時の作業指示にピッキング照合を適用した場合の例が示されている。
【図21】PLC15の内部メモリ157の一構成例を示した図である。
【図22】製造物30に付されたバーコードT1が2カ所で読み取られる場合の様子を示した図である。
【図23】バーコードの印字品質と、データ照合機12A,12Bにおける照合結果の一例を示した図である。
【図24】バーコードリーダ10Aにおける読み取り動作の一例を示したフローチャートである。
【図25】データ照合機12Aにおける読取品質判別の一例を示したフローチャートである。
【図26】バーコードを用いてデータ照合機12の設定を行う場合の一例を示した説明図である。
【図27】一括設定コードを用いたデータ照合機12への設定処理の一例を示したフローチャートである。
【図28】一括設定コードを用いたバーコードリーダ10への設定処理の一例を示したフローチャートである。
【図29】個別設定コードを用いたバーコードリーダ10への設定処理の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0160】
10,11 バーコードリーダ
12,12A,12B データ照合機
14 パーソナルコンピュータ(端末装置)
106 データ記憶部
106A 設定データ
121 操作入力部
122 表示部
123 時計部
124 設定データ記憶部
124d 設定データ
125 照合データ記憶部
125d 照合データ
156a ラダープログラム
157 内部メモリ
f1 レコード指定フラグ
f2 ACKフラグ
f3 照合開始フラグ
f4 リセットフラグ
f5 読取品質フラグ
f6 インターロック解除フラグ
M1〜M3 照合マスタ
m1 マスタデータ
m2 置換文字列
m3 データ種別
m4 限定方向
m5 桁限定フラグ
m6 開始桁
m7 有効桁
m8 比較論理
Ng 読取成功回数
Nt 読取試行回数
r1 レコード番号
r2 照合番号
r3 ポート番号
RD 照合レコード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ読取装置から読取データ及び読取品質データが入力されるデータ入力手段と、
照合条件をそれぞれ規定する複数の照合レコードを保持する照合データ記憶手段と、
上記読取データを上記照合レコードと照合し、照合判定を行う照合判定手段と、
上記読取品質データに基づいて読取品質レベルを判別し、読取品質警告を出力する読取品質発報手段とを備えたことを特徴とするデータ照合機。
【請求項2】
上記データ入力手段は、複数回の読取試行を行って読取データを取得するデータ読取装置から、読取品質データとして、読取試行回数及び読取成功回数を出力し、
上記読取品質発報手段が、上記読取試行回数及び読取成功回数に基づいて読取品質レベルを判別し、読取品質警告を出力することを特徴とする請求項1に記載のデータ照合機。
【請求項3】
上記データ入力手段は、読取データについて誤り訂正を行うデータ読取装置から、読取品質データとして、誤り訂正率を出力し、
上記読取品質発報手段が、上記誤り訂正率に基づいて読取品質レベルを判別し、読取品質警告を出力することを特徴とする請求項1に記載のデータ照合機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate